【実施例】
【0231】
(実施例1)
【化125】
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【0232】
(S)−エチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−オキソヘキサノエート(化合物1−2)
【0233】
アルゴン下、2つ口丸底中、エチルN−Boc(S)−ピログルタメート(20.0g、77.7mmol)(化合物1−1)の無水THF(150mL)溶液を−40℃に冷却した。反応混合物にメチル−マグネシウムブロミド溶液(エーテル中3.0M、28.5mL、85.5mmol)を30分間かけて、滴下して加えた。反応物を−40℃で4時間、次に、0℃で1時間、撹拌した。反応物を、酢酸エチルと飽和塩化アンモニウム溶液との間に分配し、1N HClで酸性にした。水層を酢酸エチルでさらに2回、抽出した。有機層を合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥した。カラムクロマトグラフィー(20%〜40%EtOAc/ヘキサン)により粗製物質を精製すると、(S)−エチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−オキソヘキサノエートが粘性油状物として得られ、次のステップに直接使用した。
【0234】
(S)−エチル5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−2−カルボキシレート(化合物1−3)
【0235】
1Lのフラスコ中で、(S)−エチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−オキソヘキサノエートをトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン溶液(1:1混合物、100mL)で処理した。発泡が観察され、混合物を室温で4時間、撹拌した。この時間の後、揮発物を真空で除去すると、(S)−エチル5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−2−カルボキシレートが油状物として得られ、次のステップに直接使用した。
【0236】
(2S,5S)−エチル5−メチルピロリジン−2−カルボキシレート(化合物1−4)
【0237】
1Lのフラスコ中の粗製イミン1−3をエタノール(400mL)で溶解し、排気して、アルゴンを充填することを3回(3×)行った。炭素担持パラジウム(およそ750mg、10%w/w、乾燥品)を加え、反応からガスを排気して、水素ガスを充填した(3×)。反応物を水素雰囲気下で16時間、撹拌した。混合物をセライトのプラグでろ過し、ろ液を真空で濃縮した。油状物にジエチルエーテルを加えると沈殿物を形成された。混合物をろ過すると、(2S,5S)−エチル5−メチルピロリジン−2−カルボキシレートが白色固体(10.6g、67.4mmol、3ステップ通算で86.7%)として得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.48 (dd, 1H), 4.27 (q, 2H), 3.92 - 3.80 (m, 1H), 2.52 - 2.36 (m, 1H), 2.32 - 2.13 (m, 2H), 1.75 - 1.60 (m, 1H), 1.51 (d, 3H), 1.30 (t, 3H).
【0238】
(2S,5S)−1−tert−ブチル2−エチル5−メチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(化合物1−5)
【0239】
(2S,5S)−エチル5−メチルピロリジン−2−カルボキシレート(7.0g、44.5mmol)のジクロロメタン(250mL)溶液に、10分間かけて、滴下してジtertブチルアンヒドリド(ditertbutylanhydride)(10.7g、49.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(17.1mL、98.0mmol)およびジメチルアミノピリジン(0.27g、2.23mmol)を逐次、加えた。発泡が観察され、混合物を室温で16時間、撹拌した。反応物をHCl(1Nを250mL)で洗浄した。次に、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。カラムクロマトグラフィー(5%〜25%EtOAc/ヘキサン)により粗製物質を精製すると、(2S,5S)−1−tert−ブチル2−エチル5−メチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレートが油状物(6.46g、25.1mmol、56%)として得られた。LCMS−ESI
+:C
13H
23NO
4の計算値:257.16(M
+);実測値:258.70(M+H
+)。
(2S,5S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−メチルピロリジン−2−カルボン酸(化合物1−6)
【0240】
(2S,5S)−1−tert−ブチル2−エチル5−メチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(6.46g、25.1mmol)のエタノール(20mL)溶液に、水酸化リチウム一水和物(2.11g、50.2mmol)および脱イオン水(12mL)を加えた。混合物を16時間、撹拌し、次に、酢酸エチルと、飽和ブラインと1N HClとの1:1混合物との間に分配した。水層を酢酸エチルでさらに1回、抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を真空で除去すると、(2S,5S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−メチルピロリジン−2−カルボン酸が白色固体(定量的)として得られ、以下のステップに直接使用した。
(実施例2)
【化126】
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【0241】
(2S,5S)−エチル1−((S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタノイル)−5−メチルピロリジン−2−カルボキシレート(化合物2−3)
【0242】
(2S,5S)−エチル5−メチルピロリジン−2−カルボキシレート−TFA(10.0g、39.3mmol)(化合物2−1)、(S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタン酸(6.88g、39.3mmol)(化合物2−2)およびHATU(14.9g、39.3mmol)をDMF(100mL)中で合わせ、DIPEA(15.0mL、86.5mmol)を加えた。室温で1時間、撹拌した後、反応混合物をEtOAcにより希釈した。有機相を10%HCl、飽和水性NaHCO
3およびブラインで逐次、洗浄し、次に、MgSO
4で乾燥させてろ過して、減圧下で濃縮すると、(2S,5S)−エチル1−((S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタノイル)−5−メチルピロリジン−2−カルボキシレートが得られた。粗製物質をさらに精製することなく、続けた。
【0243】
(2S,5S)−1−((S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタノイル)−5−メチルピロリジン−2−カルボン酸(化合物2−4)
【0244】
(2S,5S)−エチル1−((S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタノイル)−5−メチルピロリジン−2−カルボキシレート(39.3mmol、前の転換から完全に変換されたと仮定)をMeOH(200mL)に懸濁し、水性LiOH(1.0M、100mL、100mmol)を加えた。反応混合物を一晩、撹拌し、次に、減圧下で濃縮して、MeOHをほとんど除去した。水溶液をDCMで2×洗浄した後、10%HClでpH約1〜2へと酸性にした。次に、酸性水相をEtOAcで5×抽出した。合わせたEtOAc抽出物をMgSO
4で乾燥させ、ろ過して減圧下で濃縮すると、(2S,5S)−1−((S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタノイル)−5−メチルピロリジン−2−カルボン酸(6.89g、2ステップ通算で56%)が得られた。
(実施例3)
【化127】
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【0245】
(2S,4S)−1−tert−ブチル2,4−ジメチルピロリジン−1,2,4−トリカルボキシレート(化合物3−2)
【0246】
(2S,4S)−1−tert−ブチル2−メチル4−シアノピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(9.0g、35.4mmol)のMeOH(196mL)溶液に、HCl(1,4−ジオキサン中、4M、100mL、403mmol)を加えた。溶液を室温で16時間、撹拌し、真空で濃縮した。粗製中間体をEtOAc(180mL)に溶解し、水性炭酸水素塩(飽和)で塩基性にした。ジ炭酸ジ−tert−ブチル(8.5g、38.9mmol)を加え、二相の溶液を室温で12時間、撹拌した。次に、層を分離し、水層をEtOAcで逆抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(15%〜40%〜100%EtOAc/ヘキサン)により粗製油状物を精製すると、(2S,4S)−1−tert−ブチル2,4−ジメチルピロリジン−1,2,4−トリカルボキシレート(9.56g、94%)が得られた。
【0247】
(3S,5S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−(メトキシカルボニル)ピロリジン−3−カルボン酸(化合物3−3)
【0248】
(2S,4S)−1−tert−ブチル2,4−ジメチルピロリジン−1,2,4−トリカルボキシレート(9.56g、33.3mmol)のTHF(70mL)溶液に、0℃(外部温度、氷浴)でNaOH(1N水性、33mL、33.3mmol)を15分間かけて滴下して加えた。溶液を0℃で5時間、撹拌した後、HCl(1N)で酸性にした。溶液をEtOAcで抽出した(3×)。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させて濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(2%〜5%〜10%MeOH/CH
2Cl
2)によって粗製油状物を精製すると、(3S,5S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−(メトキシカルボニル)ピロリジン−3−カルボン酸(6.38g、70%)が得られた。
【0249】
(2S,4S)−1−tert−ブチル2−メチル4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(化合物3−4)
【0250】
(3S,5S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−(メトキシカルボニル)ピロリジン−3−カルボン酸(6.38g、23.3mmol)のTHF(116mL)溶液に、0℃(外部温度、氷浴)で、Et
3N(4.9mL、35.0mmol)およびクロロギ酸エチル(2.7mL、28.0mmol)を加えた。得られた溶液を0℃で45分間、撹拌し、この間に白色沈殿物が形成する。反応混合物をセライトによりろ過して濃縮した。
【0251】
粗製中間体をTHF(59mL)に溶解し、0℃(外部温度、氷浴)に冷却した。H
2O(59mL)中のNaBH
4(4.41g、116.7mmol)をゆっくりと加え、得られた溶液を0℃で2時間、撹拌した。反応混合物をEtOAcにより希釈し、H
2Oで洗浄した。水層をEtOAcで逆抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させて濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(42%〜69%〜100%EtOAc/ヘキサン)により粗製油状物を精製すると、(2S,4S)−1−tert−ブチル2−メチル4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(3.63g、60%)が得られた。
【0252】
(2S,4S)−1−tert−ブチル2−メチル4−(メトキシメチル)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(化合物3−5)
【0253】
(2S,4S)−1−tert−ブチル2−メチル4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(2.57g、9.9mmol)のCH
2Cl
2(50mL)溶液に、AgOTf(4.07g、15.8mmol)および2,6−ジ−tert−ブチルピリジン(4.4mL、19.8mmol)を加えた。反応混合物を0℃(外部温度、氷浴)に冷却し、MeI(0.98mL、15.8mmol)をゆっくりと加えた。得られたスラリーを0℃で1.5時間、および室温で1.5時間、撹拌した。スラリーをCH
2Cl
2により希釈し、セライトによりろ過した。ろ液を濃縮乾固し、Et
2Oに溶解して、HCl(1N)およびブラインで洗浄した。水層をEt
2Oで逆抽出し、合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させて濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(10%〜75%〜100%EtOAc/ヘキサン)により粗製油状物を精製すると、(2S,4S)−1−tert−ブチル2−メチル4−(メトキシメチル)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(2.11g、78%)が得られた。
1H-NMR: 400 MHz, (CDCl
3) δ: (回転異性体の混合物, 多いほうの回転体) 4.20 (t, 1H), 3.71 (s, 3H), 3.67 (m, 1H), 3.34 (m, 2H), 3.30 (s, 3H), 3.16 (t, 1H), 2.43 (m, 2H), 1.74 (m, 1H), 1.38 (s, 9H).
【0254】
(2S,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(メトキシメチル)ピロリジン−2−カルボン酸
【0255】
THF(38mL)とMeOH(15mL)との混合物中の(2S,4S)−1−tert−ブチル2−メチル4−(メトキシメチル)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(2.11g、7.7mmol)の溶液に、LiOH(2.5M水性、15mL、38.6mmol)を加えた。得られた溶液を室温で2時間、撹拌し、水性HCl(1N)で酸性にした。所望の生成物をCH
2Cl
2で抽出した(4×)。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させて濃縮すると、(2S,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(メトキシメチル)ピロリジン−2−カルボン酸(2.0g、99%)が得られた。
1H-NMR: 400 MHz, (CDCl
3) δ: (回転異性体の混合物, 多いほうの回転体) 4.33 (t, 1H), 3.65 (m, 1H), 3.35 (m, 2H), 3.32 (s, 3H), 3.16 (t, 1H), 2.45 (m, 2H), 2.12 (m, 1H), 1.46 (s, 9H).
(実施例4)
【化128】
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【0256】
(2S,5S)−1−((2S,3S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルペンタノイル)−5メチルピロリジン−2−カルボン酸(化合物4)
【0257】
(2S,5S)−1−((2S,3S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルペンタノイル)−5メチルピロリジン−2−カルボン酸は、(S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタン酸を(2S,3S)−2−(メトキシカルボニル−アミノ)−3−メチルペンタン酸で置換して、実施例2に記載されている方法に従って合成した。MS(ESI)m/z301.19[M+H]
+。
(実施例5)
【化129】
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【0258】
(2S,5S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−エチルピロリジン−2−カルボン酸(化合物5)
【0259】
(2S,5S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−エチルピロリジン−2−カルボン酸は、メチルマグネシウムブロミドをエチルマグネシウムブロミドで置換して、実施例1に記載されている方法に従って合成した。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.37 (1H, s), 4.05-4.07 (1H, m), 3.63-3.64 (1H, m), 2.13-2.15 (1 H, m), 1.63-1.90 (4H, m), 1.39 (10H, m), 0.83 (3H, t, J = 7.2 Hz).
(実施例6)
【化130】
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【0260】
(2S,5S)−5−エチル−1−((S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタノイル)ピロリジン−2−カルボン酸(化合物6)
【0261】
(2S,5S)−5−エチル−1−((S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタノイル)ピロリジン−2−カルボン酸は、(2S,5S)−エチル5−メチルピロリジン−2−カルボキシレート−TFAを(2S,5S)−メチル5−エチルピロリジン−2−カルボキシレート−HClで置換して、実施例2に記載されている方法に従って合成した。MS(ESI)m/z301.15[M+H]
+。
(実施例7)
【化131】
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【0262】
(2S,5S)−5−エチル−1−((2S,3S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボン酸(化合物7)
【0263】
(2S,5S)−5−エチル−1−((2S,3S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルペンタノイル)ピロリジン−2−カルボン酸は、(S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタン酸を(2S,3S)−2−(メトキシカルボニル−アミノ)−3−メチルペンタン酸で置換し、(2S,5S)−エチル5−メチルピロリジン−2−カルボキシレート−TFAを(2S,5S)−メチル5−エチルピロリジン−2−カルボキシレート−HClで置換して、実施例2に記載されている方法に従って合成した。
(実施例8)
【化132】
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【0264】
(S)−1−tert−ブチル2−メチル4−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(化合物8−2)
【0265】
ピリジン(340mL)のDCM(900mL)溶液に、0℃で撹拌しながらCrO
3(194g、1.94mol)を30分間かけてゆっくりと加えた。混合物を室温まで温め、DCM(700mL)中の(2S,4R)−1−tert−ブチル2−メチル4−ヒドロキシピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(56g、0.216mol)(化合物8−1)を加えた。反応物を室温で4時間、激しく撹拌した。形成した暗色固体をデカンテーションし、DCMで洗浄した。有機相を水性NaHCO
3、10%水性クエン酸(critic acid)およびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を真空で除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:EtOAc=50:1〜10:1)により精製すると、(S)−1−tert−ブチル2−メチル4−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(42.6g、81%)が黄色油状物として得られた。
【0266】
(S)−1−tert−ブチル2−メチル4−エチリデンピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(化合物8−3)
【0267】
窒素雰囲気下、Ph
3PEtBr(84g、227mmol)およびKOtBu(76.7g、556mmol)のTHF(1100mL)溶液を室温で1時間、撹拌し、次に、THF(350mL)中の(S)−1−tert−ブチル2−メチル4−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(50g、206mmol)を滴下して加えた。混合物を室温で4時間、撹拌した。TLCは、反応が完了したことを示した。混合物を水性NH
4Clによりクエンチし、濃縮してTHFを除去し、次に、EtOAcおよび水に溶解した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させてろ過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(PE:EtOAc=30:1〜5:1)により粗生成物を精製すると、(S)−1−tert−ブチル2−メチル4−エチリデンピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(18.3g、35%)が黄色油状物として得られた。
【0268】
(2S)−1−tert−ブチル2−メチル4−エチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(化合物8−4)
【0269】
EtOH(500mL)中の(S)−1−tert−ブチル2−メチル4−エチリデンピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(50g、196mmol)とPd/C(5g)との混合物を室温で一晩、水素化した。混合物をろ過して濃縮すると、(2S)−1−tert−ブチル2−メチル4−エチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(9.8g、97%)が無色油状物として得られた。
【0270】
(2S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−エチルピロリジン−2−カルボン酸(化合物8−5)
【0271】
MeOH(1500mL)中の(2S)−1−tert−ブチル2−メチル4−エチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(49.5g、0.19mol)とLiOH(950mL、1M)との混合物を室温で一晩、撹拌した。TLCは、反応が完了したことを示した。混合物を濃縮し、1N HClでpHを2に調整した。混合物をEAで抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて濃縮すると、(2S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−エチルピロリジン−2−カルボン酸(45.5g、97%)が、さらに精製することなく白色固体として得られた。
(2S)−2−ベンジル1−tert−ブチル4−エチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(化合物8−6)
【0272】
THF(1L)中の(2S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−エチルピロリジン−2−カルボン酸(45.5g、187mmol)とTEA(37.8g、374mmol)との混合物に、0℃でBnBr(38.5g、225mmol)を滴下して加えた。混合物を室温で一晩、撹拌した。TLCは、反応が完了したことを示した。混合物を濃縮して、溶媒を除去した。残留物をEtOAcと水との間に分配した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて濃縮した。カラムクロマトグラフィーにより粗生成物を精製すると、(2S)−2−ベンジル1−tert−ブチル4−エチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(46g、74%)が無色油状物として得られた。
【0273】
(2S,4S)−2−ベンジル1−tert−ブチル4−エチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(化合物8−7)
【0274】
Chiralcel OD250
*50mm(内径)、10μmカラムによる分取SFC(移動相:Aはn−ヘキサンおよびBはエタノール(0.05%IPAm)、勾配:A:B=97:3、流量:100mL/分、波長210および220nm、注入量:1注入あたり0.4g)によって、(2S)−2−ベンジル1−tert−ブチル4−エチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレートを分離すると、(2S,4S)−2−ベンジル1−tert−ブチル4−エチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレートが得られた。
【0275】
(2S,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−エチルピロリジン−2−カルボン酸(化合物8−8)
【0276】
MeOH(1L)中の(2S,4S)−2−ベンジル1−tert−ブチル4−エチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(18g、54.1mmol)とPd/C(3.6g)との混合物を室温で一晩、水素化した。TLCは、反応が完了したことを示した。混合物をセライトによりろ過した。ろ液を濃縮すると、(2S,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−エチルピロリジン−2−カルボン酸(10g、77%)が白色固体として得られた。
1H NMR: 400 MHz CDCl
3:δ 9.88 (br, 1H), 4.31-4.19 (m, 1H), 3.82-3.68 (m, 1H), 3.03-2.95 (m, 1H), 2.49-2.39 (m, 1H), 2.12-2.03 (m, 1H), 1.81-1.56 (m, 1H), 1.45 (d, J = 8 Hz, 11H), 0.92 (t, J = 6 Hz, 3H).
(実施例9)
【化133】
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【0277】
rel−(2S,4S,5S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4,5−ジメチルピロリジン−2−カルボン酸(化合物9−2)
【0278】
1−tert−ブチル2−エチル4,5−ジメチル−1H−ピロール−1,2−ジカルボキシレート(4.016g、15.02mmol)(化合物9−1)のEtOH(100mL)溶液に、炭素担持白金(5%、0.58g)を加えた。スラリーを水素雰囲気(1atm)下、3日間、撹拌した。スラリーをセライトによりろ過して、MeOHで洗浄した。ろ液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(SiO
2、5〜10〜20%EtOAc/ヘキサン)により粗製物を精製すると、rel−(2S,4S,5S)−1−tert−ブチル2−エチル4,5−ジメチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレートが得られた。
【0279】
THF(70mL)とMeOH(25mL)とH
2O(25mL)との混合物中のrel−(2S,4S,5S)−1−tert−ブチル2−エチル4,5−ジメチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレートの溶液に、水酸化リチウム(1.53g、63.7mmol)を加えた。スラリーを室温で2.5時間、および45℃で2時間、撹拌した。溶液を室温まで冷却し、HCl(水性、1N、70mL)を加えた。有機物を濃縮し、得られた水層をEtOAcで抽出した(3×)。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させて濃縮すると、rel−(2S,4S,5S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4,5−ジメチルピロリジン−2−カルボン酸(3.08g、84%)が得られた。
(実施例10)
【化134】
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【0280】
(2S,3aS,6aS)−2−ベンジル1−tert−ブチルヘキサヒドロシクロペンタ[b]ピロール−1,2(2H)−ジカルボキシレート(化合物10−2)
【0281】
市販の(2S,3aS,6aS)−ベンジルオクタヒドロシクロペンタ[b]ピロール−2−カルボキシレート塩酸塩(4.70g、16.68mmol)の塩化メチレン(42mL)溶液に、ジ炭酸ジ−tert−ブチル(7.28g、33.36mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(5.82mL、33.36mmol)および4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.20g、1.67mmol)を加えた。溶液を空気下で16時間、撹拌した。完了すると、反応物を真空で濃縮し、酢酸エチルに希釈して、1N HClで洗浄した。水層を酢酸エチルで2回、逆抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過して濃縮した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中、5〜40%酢酸エチル)により精製すると、(2S,3aS,6aS)−2−ベンジル1−tert−ブチルヘキサヒドロシクロペンタ[b]ピロール−1,2(2H)−ジカルボキシレートが得られ、これをさらに精製することなく使用した。MS(ESI)m/z368.47[M+Na]
+。
【0282】
(2S,3aS,6aS)−1−(tert−ブトキシカルボニル)オクタヒドロシクロペンタ[b]ピロール−2−カルボン酸(化合物10−3)
【0283】
撹拌子および(2S,3aS,6aS)−2−ベンジル1−tert−ブチルヘキサヒドロシクロペンタ[b]ピロール−1,2(2H)−ジカルボキシレート(5.76g、16.68mmol)を投入した250mLの丸底フラスコに、10%の炭素担持パラジウム(1.77g)を加えた。混合物にエタノールを注ぎ、反応混合物を排気して、水素ガスを勢いよく流すことを3回行った。懸濁液を水素雰囲気下、室温で24時間、撹拌した。完了すると、反応混合物をセライトによりろ過して、濃縮すると、(2S,3aS,6aS)−1−(tert−ブトキシカルボニル)オクタヒドロシクロペンタ[b]ピロール−2−カルボン酸(4.45g、>99%)が得られた。MS(ESI)m/z256.21[M+H]
+。
(実施例11)
【化135】
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【0284】
(2S,3aS,6aS)−ベンジル1−((2S,3S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルペンタノイル)オクタヒドロシクロペンタ[b]ピロール−2−カルボキシレート(化合物11−2)
【0285】
市販の(2S,3aS,6aS)−ベンジルオクタヒドロシクロペンタ[b]ピロール−2−カルボキシレート塩酸塩(10.0g、35.489mmol)の塩化メチレン(100mL)溶液に、(2S,3S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルペンタン酸(10.072g、53.23mmol)(化合物11−1)、HATU(21.59g、56.78mmol)およびDIPEA(18.59mL、106.46mmol)を加えた。反応物を一晩、撹拌し、この時点で、反応物を真空で濃縮し、酢酸エチルに希釈してHCl(1N)で洗浄した。水層を酢酸エチルで逆抽出し、合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させてろ過し、濃縮した。得られた油状物を少量のクロロホルムに希釈し、ろ過してテトラメチル尿素の沈殿物を除去した。得られた油状物を順相クロマトグラフィー(ヘキサン中50%酢酸エチル)により精製すると、(2S,3aS,6aS)−ベンジル1−((2S,3S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルペンタノイル)オクタヒドロシクロペンタ[b]ピロール−2−カルボキシレート(19.53g、>99%収率)が得られ、これをさらに精製することなく使用した。LCMS−ESI+ C
23H
33N
2O
5の計算値:417.23;実測値:417.37。
【0286】
(2S,3aS,6aS)−1−((2S,3S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルペンタノイル)オクタヒドロシクロペンタ[b]ピロール−2−カルボン酸(化合物11−3)
【0287】
撹拌子および(2S,3aS,6aS)−ベンジル1−((2S,3S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルペンタノイル)オクタヒドロシクロペンタ[b]ピロール−2−カルボキシレート(19.53gの粗製物、35.49mmolと仮定)を投入した250mLの丸底フラスコに、10%の炭素担持パラジウム(3.55g)を加えた。混合物にエタノールを注ぎ、反応混合物を排気して、水素ガスを勢いよく流すことを3回行った。懸濁液を水素雰囲気下、室温で3日間、撹拌した。完了すると、反応混合物をセライトによりろ過して、濃縮すると、(2S,3aS,6aS)−1−((2S,3S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルペンタノイル)オクタヒドロシクロペンタ[b]ピロール−2−カルボン酸(13.65g、>99%)が得られた。LCMS−ESI+ C
16H
26N
2O
5の計算値:327.18;実測値:327.13。
(実施例12)
【化136】
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【0288】
(2S,3aS,6aS)−1−((S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタノイル)オクタヒドロシクロペンタ[b]ピロール−2−カルボン酸(化合物12)
【0289】
(2S,3aS,6aS)−1−((S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタノイル)オクタヒドロシクロペンタ[b]ピロール−2−カルボン酸は、(2S,3S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルペンタン酸を(S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタン酸で置換して、実施例11に記載されている方法に従って合成した。LCMS−ESI+ C
15H
25N
2O
5の計算値:313.17;実測値:313.12。
(実施例13)
【化137】
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【0290】
(2S,5S)−1−((S)−2−((2R,6R)−2,6−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(メトキシカルボニルアミノ)アセチル)−5−メチルピロリジン−2−カルボン酸(化合物13)
【0291】
(2S,5S)−1−((S)−2−((2R,6R)−2,6−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(メトキシカルボニルアミノ)アセチル)−5−メチルピロリジン−2−カルボン酸は、(S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタン酸を(S)−2−((2R,6R)−2,6−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(メトキシカルボニルアミノ)酢酸で置換して、実施例2に記載されている方法に従って合成した。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 5.33 - 5.16 (m, 1H), 4.70 - 4.59 (m, 1H), 4.54 (t, 1H), 4.34 - 4.19 (m, 2H), 4.12 (q, 1H), 3.78 - 3.70 (m, 1H), 3.67 (s, 3H), 2.37 - 2.17 (m, 3H), 2.15 - 2.07 (m, 1H), 2.04 (s, 1H), 1.84 - 1.73 (m, 1H), 1.82 - 1.43 (m, 3H), 1.32 (d, 3H), 1.26 (d, 4H), 1.11 (d, 3H), 0.96 (q, 1H). LCMS-ESI+ C
17H
29N
2O
6の計算値: 357.19 ;実測値: 357.08.
(実施例14)
【化138】
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【0292】
2S,2’R,5S,5’S)−1−tert−ブチル’2,2−2,2’−(5,10−ジヒドロクロメノ[5,4,3−cde]クロメン−2,7−ジイル)ビス(2−オキソエタン−2,1−ジイル)ビス(5−メチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレート)(化合物14−2)
【0293】
ジメチルホルムアミド(19.6mL)中の1,1’−(5,10−ジヒドロクロメノ[5,4,3−cde]クロメン−2,7−ジイル)ビス(2−ブロモエタノン)(1.6g、3.5mmol)(化合物14−1)と(2S,5S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−メチルピロリジン−2−カルボン酸(2.0g、8.8mmol)との混合物に、トリエチルアミン(1.2mL、8.8mmol)を加えた。溶液を外部油浴中、4時間、80℃に加熱した。完了すると、反応混合物を急速に撹拌した水のフラスコにゆっくりと加えた。形成した沈殿物をナイロン製のメンブレンフリットによりろ過して、真空で乾燥すると、(2S,2’R,5S,5’S)−1−tert−ブチル’2,2−2,2’−(5,10−ジヒドロクロメノ[5,4,3−cde]クロメン−2,7−ジイル)ビス(2−オキソエタン−2,1−ジイル)ビス(5−メチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレート)(2.44g、92%)が白色固体として得られた。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.38 (s, 2H), 7.33 (s, 2H), 5.56 - 5.37 (m, 1H), 5.31 (s, 4H), 5.26 - 5.14 (m, 1H), 4.45 (d, J = 33.3 Hz, 2H), 4.00 (d, J = 45.2 Hz, 2H), 2.59 (s, 0H), 2.30 (d, J = 7.8 Hz, 4H), 2.16 - 2.00 (m, 2H), 1.81 - 1.54 (m, 3H), 1.45 (d, J = 12.5 Hz, 18H), 1.31 (s, 6H).
(2S,2’S,5S,5’S)−tert−ブチル5,5’−(5,5’−(5,10−ジヒドロクロメノ[5,4,3−cde]クロメン−2,7−ジイル)ビス(1H−イミダゾール−5,2−ジイル))ビス(2−メチルピロリジン−1−カルボキシレート)(化合物14−3)
【0294】
トルエン(32mL)およびメトキシエタノール(3.2mL)中で、(2S,2’R,5S,5’S)−1−tert−ブチル’2,2−2,2’−(5,10−ジヒドロクロメノ[5,4,3−cde]クロメン−2,7−ジイル)ビス(2−オキソエタン−2,1−ジイル)ビス(5−メチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレート)(2.44g、3.25mmol)と酢酸アンモニウム(5.02g、65.169mmol)との混合物を懸濁した。反応混合物を18時間110℃に加熱し、次に、室温まで冷却した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、DCM中0〜8%メタノール)により残留物を精製すると、(2S,2’S,5S,5’S)−tert−ブチル5,5’−(5,5’−(5,10−ジヒドロクロメノ[5,4,3−cde]クロメン−2,7−ジイル)ビス(1H−イミダゾール−5,2−ジイル))ビス(2−メチルピロリジン−1−カルボキシレート)(2.03g、88%)が得られた。LCMS−ESI+:C
40H
49N
6O
6の計算値:709.36(M+);実測値:709.59(M+H+)。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.21 - 6.91 (m, 4H), 5.24 (s, 4H), 5.02 - 4.87 (m, 2H), 3.96 (s, 2H), 3.76 - 3.47 (m, 1H), 2.86 (s, 2H), 2.08 (d, J = 1.9 Hz, 6H), 1.88 (d, J = 24.9 Hz, 1H), 1.48 (s, 18H), 1.21 (s, 7H).
【0295】
ジメチル(R,R,1S,1’S)−2,2’−((2S,2’S,5S,5’S)−5,5’−(5,5’−(5,10−ジヒドロクロメノ[5,4,3−cde]クロメン−2,7−ジイル)ビス(1H−イミダゾール−5,2−ジイル))ビス(2−メチルピロリジン−5,1−ジイル))ビス(1−((2R,6R)−2,6−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−オキソエタン−2,1−ジイル)ジカルバメート(化合物14−5)
【0296】
ジクロロメタン(3mL)とメタノール(0.5mL)との混合物中の(2S,2’S,5S,5’S)−tert−ブチル5,5’−(5,5’−(5,10−ジヒドロクロメノ[5,4,3−cde]クロメン−2,7−ジイル)ビス(1H−イミダゾール−5,2−ジイル))ビス(2−メチルピロリジン−1−カルボキシレート)(0.5g、0.705mmol)の溶液に、HCl(ジオキサン中4M、3.527mL、14.11mmol)を加えた。溶液を室温で1時間、撹拌した。完了すると、反応混合物を真空で濃縮した。得られた固体をDMF(3.5mL)に溶解し、次いで、(S)−2−((2R,6R)−2,6−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(メトキシカルボニルアミノ)酢酸(0.38g、1.55mmol)(化合物14−4)、HATU(0.72g、1.90mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.86mL、4.93mmol)を加えた。溶液を室温で撹拌した。LCMSにより判断して完了したら、逆相HPLC(Geminiカラム、10〜53%MeCN/水(0.1%TFA改変剤(modifier)))により反応混合物を精製して凍結乾燥すると、ジメチル(R,R,1S,1’S)−2,2’−((2S,2’S,5S,5’S)−5,5’−(5,5’−(5,10−ジヒドロクロメノ[5,4,3−cde]クロメン−2,7−ジイル)ビス(1H−イミダゾール−5,2−ジイル))ビス(2−メチルピロリジン−5,1−ジイル))ビス(1−((2R,6R)−2,6−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−オキソエタン−2,1−ジイル)ジカルバメート(0.395g、58%)が白色粉末として得られた。LCMS−ESI+ C
52H
67N
8O
10の計算値:963.49(M+);実測値:963.51(M+1)。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 7.97 - 7.85 (m, 2H), 7.38 - 7.19 (m, 3H), 5.43 - 5.29 (m, 4H), 5.22 - 5.08 (m, 2H), 4.80 - 4.73 (m, 1H), 4.35 - 4.18 (m, 3H), 4.13 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 3.73 (s, 2H), 3.66 (s, 5H), 2.57 - 2.47 (m, 2H), 2.44 - 2.14 (m, 7H), 2.06 - 1.93 (m, 2H), 1.77 - 1.61 (m, 2H), 1.55 (d, J = 6.6 Hz, 5H), 1.50 - 1.38 (m, 2H), 1.35 - 1.28 (m, 2H), 1.22 (d, J = 6.9 Hz, 4H), 1.18 - 1.09 (m, 3H), 1.04 (d, J = 6.1 Hz, 4H), 1.01 - 0.90 (m, 2H).
(実施例15)
【化139】
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【0297】
ジメチル((1S,1’S)−((2S,2’S)−((5,10−ジヒドロクロメノ[5,4,3−cde]クロメン−2,7−ジイル)ビス(1H−イミダゾール−5,2−ジイル))ビス(ピロリジン−2,1−ジイル))ビス(1−((2R,6R)−2,6−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−オキソエタン−2,1−ジイル))ジカルバメート(化合物15)
【0298】
((2S,5S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−メチルピロリジン−2−カルボン酸を(S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸で置換して、実施例14に従うと、ジメチル(R,R,1S,1’S)−2,2’−((2S,2’S)−2,2’−(5,5’−(5,10−ジヒドロクロメノ[5,4,3−cde]クロメン−2,7−ジイル)ビス(1H−イミダゾール−5,2−ジイル))ビス(ピロリジン−2,1−ジイル))ビス(1−((2R,6R)−2,6−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−オキソエタン−2,1−ジイル)ジカルバメート(0.315g、46%)が白色粉末として得られた。LCMS−ESI+ C
50H
63N
8O
10の計算値:935.47;実測値:935.579。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 7.89 (s, 3H), 7.24 (d, J = 11.5, 1.5 Hz, 4H), 5.34 (s, 4H), 5.23 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 4.29 - 4.05 (m, 6H), 3.96 - 3.82 (m, 3H), 3.78 - 3.60 (m, 7H), 2.65 - 2.47 (m, 3H), 2.41 - 2.03 (m, 9H), 1.65 - 1.38 (m, 5H), 1.32 - 1.25 (m, 3H), 1.21 (d, J = 6.8 Hz, 5H), 1.13 (d, J = 6.2 Hz, 1H), 1.05 (d, J = 6.1 Hz, 5H), 0.97 (q, J = 12.0 Hz, 2H).
(実施例16)
【化140】
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【0299】
ジメチル(r,S,R,1S,1’S)−2,2’−((2S,2’S,5S,5’S)−5,5’−(5,5’−(5,10−ジヒドロクロメノ[5,4,3−cde]クロメン−2,7−ジイル)ビス(1H−イミダゾール−5,2−ジイル))ビス(2−メチルピロリジン−5,1−ジイル))ビス(1−((2R,4r,6S)−2,6−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−オキソエタン−2,1−ジイル)ジカルバメート(化合物16)
【0300】
(S)−2−((2R,6R)−2,6−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(メトキシカルボニルアミノ)酢酸を(S)−2−((2R,4r,6S)−2,6−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(メトキシカルボニルアミノ)酢酸で置換して、実施例14に従うと、ジメチル(r,S,R,1S,1’S)−2,2’−((2S,2’S,5S,5’S)−5,5’−(5,5’−(5,10−ジヒドロクロメノ[5,4,3−cde]クロメン−2,7−ジイル)ビス(1H−イミダゾール−5,2−ジイル))ビス(2−メチルピロリジン−5,1−ジイル))ビス(1−((2R,4r,6S)−2,6−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−オキソエタン−2,1−ジイル)ジカルバメート(0.157g、58%)が白色粉末として得られた。LCMS−ESI+ C
52H
67N
8O
10の計算値:963.49;実測値:963.398。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 7.99 - 7.77 (m, 2H), 7.54 - 7.14 (m, 4H), 5.43 - 5.28 (m, 4H), 5.13 (dd, J = 10.5, 7.2 Hz, 1H), 4.76 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 4.35 - 4.10 (m, 2H), 3.80 - 3.62 (m, 5H), 3.56 - 3.37 (m, 2H), 2.56 - 2.46 (m, 1H), 2.43 - 2.17 (m, 4H), 2.11 - 1.91 (m, 3H), 1.87 - 1.68 (m, 2H), 1.54 (d, J = 6.7 Hz, 5H), 1.26 (d, J = 6.2 Hz, 1H), 1.21 - 1.01 (m, 14H), 0.92 (p, J = 11.6 Hz, 4H).
(実施例17)
【化141】
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【0301】
ジメチル(1S,1’S)−2,2’−((2S,2’S,5S,5’S)−5,5’−(5,5’−(5,10−ジヒドロクロメノ[5,4,3−cde]クロメン−2,7−ジイル)ビス(1H−イミダゾール−5,2−ジイル))ビス(2−メチルピロリジン−5,1−ジイル))ビス(2−オキソ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エタン−2,1−ジイル)ジカルバメート(化合物17)
【0302】
(S)−2−((2R,6R)−2,6−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(メトキシカルボニルアミノ)酢酸を(S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)酢酸で置換して、実施例14に従うと、ジメチル(1S,1’S)−2,2’−((2S,2’S,5S,5’S)−5,5’−(5,5’−(5,10−ジヒドロクロメノ[5,4,3−cde]クロメン−2,7−ジイル)ビス(1H−イミダゾール−5,2−ジイル))ビス(2−メチルピロリジン−5,1−ジイル))ビス(2−オキソ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エタン−2,1−ジイル)ジカルバメート(0.100g、52%)が白色粉末として得られた。LCMS−ESI+ C
48H
59N
8O
10の計算値:907.43(M+);実測値:907.59(M+1)。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.08 (s, 2H), 6.94 - 6.84 (m, 0H), 6.77 - 6.67 (m, 3H), 6.44 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 5.00 - 4.94 (m, 0H), 4.80 (d, J = 5.5 Hz, 4H), 4.64 (t, J = 9.3, 8.6 Hz, 1H), 4.19 (t, J = 7.1 Hz, 1H), 3.68 (t, J = 8.4 Hz, 2H), 3.49 - 3.40 (m, 3H), 3.39 - 3.33 (m, 1H), 3.20 - 3.12 (m, 6H), 2.91 - 2.69 (m, 5H), 2.34 - 2.23 (m, 0H), 2.10 (p, J = 1.9 Hz, 3H), 2.03 - 1.87 (m, 3H), 1.80 - 1.61 (m, 2H), 1.57 - 1.36 (m, 3H), 1.33 - 1.26 (m, 0H), 1.21 (d, J = 12.7 Hz, 1H), 1.03 (d, J = 6.5 Hz, 4H), 0.94 - 0.72 (m, 11H).
(実施例18)
【化142】
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【0303】
ジメチル((1S,1’S)−((2S,2’S)−((5,10−ジヒドロクロメノ[5,4,3−cde]クロメン−2,7−ジイル)ビス(1H−イミダゾール−5,2−ジイル))ビス(ピロリジン−2,1−ジイル))ビス(2−オキソ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エタン−2,1−ジイル))ジカルバメート(化合物18)
【0304】
(2S,5S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−メチルピロリジン−2−カルボン酸を(S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸で置換し、かつ(S)−2−((2R,6R)−2,6−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(メトキシカルボニルアミノ)酢酸を(S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)酢酸で置換して、実施例14に従うと、ジメチル(1S,1’S)−2,2’−((2S,2’S)−2,2’−(5,5’−(5,10−ジヒドロクロメノ[5,4,3−cde]クロメン−2,7−ジイル)ビス(1H−イミダゾール−5,2−ジイル))ビス(ピロリジン−2,1−ジイル))ビス(2−オキソ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エタン−2,1−ジイル)ジカルバメート(0.026g、13%)が白色粉末として得られた。LCMS−ESI+ C
46H
55N
8O
10の計算値:879.40(M+);実測値:879.48(M+1)。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.23 - 7.12 (m, 1H), 6.86 (dd, J = 12.1, 4.3 Hz, 3H), 5.84 - 5.76 (m, 2H), 5.09 - 4.95 (m, 4H), 4.27 - 4.13 (m, 2H), 3.93 - 3.80 (m, 2H), 3.79 - 3.61 (m, 6H), 3.46 (d, 5H), 3.24 - 3.09 (m, 6H), 2.42 - 2.33 (m, 2H), 2.29 - 2.05 (m, 5H), 2.01 - 1.81 (m, 3H), 1.29 (s, 5H), 1.14 (s, 4H).
生物アッセイ
【0305】
レプリコン効力に及ぼす血清タンパク質の効果:レプリコンアッセイは、生理学的濃度のヒト血清アルブミン(40mg/mL)またはα−酸糖タンパク質(1mg/mL)を補給した通常の細胞培養培地(DMEM+10%FBS)中で行う。ヒト血清タンパク質の存在下でのEC
50を通常の培地中のEC
50と比較して、効力の倍率シフトを決定する。
【0306】
MT−4細胞毒性:MT4細胞は、5日間の期間、化合物の段階希釈液により処理する。細胞生存率は、Promega CellTiter−Gloアッセイを使用して処理期間の終了時に測定し、非線形回帰を行って、CC
50を計算する。
【0307】
EC
50において細胞と結合する化合物の濃度:Huh−luc培養物をEC
50に等しい濃度の化合物と共にインキュベートする。複数の時間点(0〜72時間)において、細胞を冷却培地で2×洗浄し、85%アセトニトリルで抽出する。各時間点における培地の試料も同様に抽出する。細胞および培地の抽出物をLC/MS/MSにより分析して、各画分中の化合物のモル濃度を決定する。代表的な本明細書に記載されている化合物は活性を示した。
【0308】
溶解度および安定性:溶解度は、10mM DMSO保存溶液の一定分量を採取し、合計1%のDMSO濃度を有する試験用培地溶液(PBS、pH7.4および0.1N HCl、pH1.5)中、100μMの最終濃度の化合物を調製することにより決定する。試験用培地溶液を1時間、振とうしながら室温でインキュベートする。次に、溶液を遠心分離して、回収した上澄み液をHPLC/UVでアッセイする。溶解度は、同じ濃度のDMSO中で検出される量と比べた、規定した試験用溶液中で検出される化合物の量を比較することによって算出する。37℃におけるPBSとの1時間のインキュベート後の化合物の安定性も決定する。
【0309】
冷凍保存したヒト、イヌおよびラットの肝細胞における安定性:各化合物を37℃において、肝細胞懸濁物(1ウェルあたり100μL、80,000個細胞)中で最大1時間、インキュベートする。冷凍保存した肝細胞を血清不含インキュベート培地において再構成する。懸濁物を96ウェルプレートに移す(50μL/ウェル)。化合物をインキュベート用培地中で2μMに希釈し、次いで、肝細胞懸濁物に加え、インキュベートを開始する。試料をインキュベートの開始の0分後、10分後、30分後および60分後に採取し、90%アセトニトリル/10%水中の0.3%ギ酸からなる混合物により反応をクエンチする。各試料中の化合物の濃度をLC/MS/MSを使用して分析する。肝細胞懸濁物中の化合物の消失半減期は、濃度−時間のデータを単相指数式にあてはめることによって決定する。データはまた、内在性肝クリアランスおよび/または総肝クリアランスを表すようにスケールアップする。
【0310】
ヒト、イヌおよびラットからの肝S9画分における安定性:各化合物を37℃において、S9懸濁物(500μl、3mgタンパク質/mL)中で最大1時間、インキュベートする(n=3)。S9懸濁物に化合物を添加してインキュベートを開始する。インキュベートの開始の0分後、10分後、30分後および60分後に試料を採取する。各試料中の化合物の濃度をLC/MS/MSを使用して分析する。S9懸濁物中の化合物の消失半減期は、濃度−時間のデータを単相指数式にあてはめることによって決定する。
【0311】
Caco−2透過性:化合物を請負サービス(Absorption Systems、Exton、PA)によりアッセイする。化合物は、盲検法で請負業者に提供する。フォワード(AからB)およびリバース(BからA)の両方の透過性を測定する。Caco−2単層を12ウェルのCostar TRANSWELL(登録商標)プレート内のコラーゲンコーティングされている細孔性ポリカーボネート膜上に集密になるまで成長させる。化合物は、フォワード透過性(AからB)に関しては頂端側に投薬し、リバース透過性(BからA)に関しては、基底外側に投薬する。細胞を加湿インキュベーター中、5%CO
2で37℃でインキュベートする。インキュベートの開始時、ならびにインキュベートの1時間後および2時間後に、200μLの一定分量を受容チャンバから採取し、新しいアッセイ緩衝液と交換する。各試料中の化合物の濃度をLC/MS/MSで決定する。見かけの透過性であるPappを計算する。
【0312】
血漿タンパク質結合:血漿タンパク質結合は、平衡透析によって測定する。各化合物を2μMの最終濃度にてブランクの血漿中にスパイクする。組み立てた透析セルの反対側にスパイクした血漿およびリン酸緩衝液を入れ、次いで37℃の水浴中でゆっくりと回転させる。インキュベートの終了時に、血漿およびリン酸緩衝液中の化合物の濃度を決定する。非結合のパーセントを、以下の式を使用して計算する:
【数1】
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【0313】
式中、C
fおよびC
bはそれぞれ、透析後の緩衝液および血漿中の濃度として決定される遊離物および結合物の濃度である。
【0314】
CYP450プロファイリング:各化合物を、NADPHの存在下および非存在下で、CYP1A2、CYP2C9、CYP3A4、CYP2D6およびCYP2C19を含めた、5種の組換えヒトCYP450酵素のそれぞれと共にインキュベートする。インキュベートの開始時と、インキュベートの開始の5分後、15分後、30分後、45分後および60分後に、インキュベート混合物から一連の試料を採取する。インキュベート混合物中の化合物の濃度をLC/MS/MSにより決定する。各時間点における、インキュベート後に残存している化合物の割合を、インキュベートの開始時のサンプリング物と比較することによって計算する。
【0315】
ラット、イヌ、サルおよびヒトの血漿における安定性:化合物を37℃にて血漿(ラット、イヌ、サルまたはヒト)中で最大2時間、インキュベートする。化合物は、1μg/mLおよび10μg/mLの最終濃度で血漿に加える。化合物の添加の0分後、5分後、15分後、30分後、60分後および120分後に一定分量を採取する。各時間点の化合物および主な代謝産物の濃度をLC/MS/MSにより測定する。
【0316】
細胞をベースとする抗HCV活性の評価:抗ウイルス効力(EC
50)は、Renillaルシフェラーゼ(RLuc)をベースとするHCVレプリコンリポーターアッセイを使用して決定した。遺伝子型1および2a JFH−1についてアッセイを行うため、安定型HCV 1a RLucレプリコン細胞(RLucレポーターをコードする2シストロン性遺伝子型1a H77レプリコンを保持する)、安定型HCV 1b RLucレプリコン細胞(RLucレポーターをコードする2シストロン性遺伝子型1b Con1レプリコンを保持する)、または安定型HCV 2a JFH−1 Rlucレプリコン細胞(RLucレポーターをコードする2シストロン性遺伝子型2a JFH−1レプリコンを保持する;L31がNS5Aにおいて存在する)を、EC
50アッセイ用の384ウェルプレートに分注した。遺伝子型2a(M31がNS5Aにおいて存在する)または2bについてアッセイを行うため、RLuc−NeoレポーターをコードするNS5Aキメラ遺伝子型2a JFH−1レプリコン、および遺伝子型2a J6株NS5A遺伝子または遺伝子型2b MD2b−1株NS5A遺伝子(両方とも、M31が存在する)のどちらかをそれぞれ、Huh−Lunet細胞に一過的にトランスフェクトしたか(t)または安定な複製レプリコン細胞として確立させた(s)。細胞のいずれかをEC
50アッセイ用の384のウェルプレートに分注した。遺伝子型3および4についてアッセイを行うため、Pi−RLucレポーターをコードするNS5Aキメラ遺伝子型1b Con1レプリコン、および遺伝子型3a S52株NS5A遺伝子または遺伝子型4a ED43株NS5A遺伝子のどちらかをそれぞれ、Huh−Lunet細胞に一過的にトランスフェクトし(t)、続いて384ウェルプレートに分注した。化合物を10mMの濃度でDMSOに溶解し、手作業により、または自動ピペット注入機器の使用のどちらか一方により、DMSOに希釈した。3倍段階希釈した化合物を手作業により、細胞培養培地と混合して播種した細胞に添加するか、または自動機器を使用して細胞に直接加えた。DMSOをネガティブ(溶媒;阻害なし)対照として使用し、ポジティブ対照として、プロテアーゼ阻害剤ITMN−191を>100×EC
50の濃度で含ませた。72時間後、細胞を溶解し、Renillaルシフェラーゼ活性を製造業者(Promega−Madison、WI)により推奨される通りに定量した。非線形回帰を行い、EC
50値を計算した。
【0317】
耐性変異体に対する抗ウイルス効力(EC
50)を決定するため、遺伝子型1a NS5AにおけるQ30R、Q30E、Y93HおよびY93N、ならびに遺伝子型1b NS5AにおけるL31V/Y93Hを含めた耐性変異を、部位特異的変異誘発により、1a Pi−Rlucまたは1b Pi−Rlucレプリコンのどちらか一方に個々に導入した。各耐性変異体のレプリコンRNAをHuh−7誘発性治癒51細胞に一過的にトランスフェクトし、抗ウイルス効力を上記のこれらのトランスフェクト細胞について決定した。
【0318】
SDラットにおけるIVおよびPOの単回用量の薬物動態検討:選択した化合物の薬物動態を、雄のSprague−Dawley(SD)ラット(250〜300g)で特徴付けた。この検討では、2つの群のナイーブな純血種のSDラット(1群あたりN=3、一晩絶食させた)に、頸静脈を介して静脈内(IV)注入(1mg/kgを30分間かけて)として、または強制経口投与(2mg/kg)によってのどちらかで、選択した化合物を投与した。静脈内(IV)投薬ビヒクルはエタノール5%、ポリエチレングリコール400(PEG400)35%およびpH2.0の水60%であった。経口投薬ビヒクルは、エタノール5%、PEG400 55%およびpH2.2のクエン酸緩衝液40%であった。
【0319】
一連の血液試料(それぞれ、およそ0.3mL)は、指定時間点において、頸静脈または他の適切な静脈から採集した。IV注入群の場合、投薬前、ならびに注入の開始の0.25時間後、0.48時間後、0.58時間後、0.75時間後、1.5時間後、3時間後、6時間後、8時間後、12時間後および24時間後に、血液試料を採集した。経口群の場合、投薬前、ならびに投薬の0.25時間後、0.50時間後、1時間後、2時間後、4時間後、6時間後、8時間後、12時間後および24時間後に、血液試料を採集した。血液試料は、抗凝固剤としてEDTA−K
3を含有するVacutainer(商標)管に採集し、およそ4℃で遠心分離し血漿を得た。LC/MS/MSにより分析するまで、血漿試料を−20℃で保管した。
【0320】
タンデム型質量分析に連結した高速液体クロマトグラフィー(LC/MS/MS)を利用する生物分析法は、ラット血漿中の選択された化合物を分析するために開発されたものである。検出は、選択反応モニタリング(SRM)を使用して行った。前駆体(M+H)
+種を表すイオンは、四重極1(Q1)において選択し、衝突セル(Q2)中でアルゴンガスに衝突させて、特定の生成物イオンを発生させ、続いて、このイオンを四重極3(Q3)によりモニタリングした。標準曲線および品質管理試料は、雄のラットの血漿中で調製し、試験試料と同じ方法で処置して、定量データを生成した。
【0321】
薬物動態パラメータは、非区画薬物動態分析(Phoenix WinNonlin、バージョン6.3)を使用して生成した。定量の下限値未満(LLOQ)の値は、投薬前の場合、0の値を割り振り、それ以降、欠測値(missing)として取り扱った。曲線下面積(AUC)は、線形台形公式を使用して算出した。経口生体利用率(%F)は、化合物および/または経口投与後に血漿中で産生した代謝産物の曲線下面積(AUC)と、静脈内投与後に産生した代謝産物とを比較することにより決定した。
【0322】
本明細書に記載されている化合物に関する、上記のアッセイにおいて得られたデータが表1に示されている。
【表1-1】
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【表1-2】
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