特表2017-517561(P2017-517561A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-517561最適化ハムスターREG3ガンマペプチドを利用する糖尿病を有する患者の間でのインスリン非依存性
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-517561(P2017-517561A)
(43)【公表日】2017年6月29日
(54)【発明の名称】最適化ハムスターREG3ガンマペプチドを利用する糖尿病を有する患者の間でのインスリン非依存性
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/00 20060101AFI20170602BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20170602BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20170602BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20170602BHJP
   C07K 7/08 20060101ALN20170602BHJP
   C07K 7/64 20060101ALN20170602BHJP
【FI】
   A61K37/02
   A61K45/00
   A61P3/10
   A61P37/06
   C07K7/08ZNA
   C07K7/64
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2017-502930(P2017-502930)
(86)(22)【出願日】2015年3月26日
(85)【翻訳文提出日】2016年11月25日
(86)【国際出願番号】US2015022798
(87)【国際公開番号】WO2015148831
(87)【国際公開日】20151001
(31)【優先権主張番号】61/971,721
(32)【優先日】2014年3月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/453,421
(32)【優先日】2014年8月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/453,414
(32)【優先日】2014年8月6日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516287955
【氏名又は名称】ペール バイオサイエンス
【氏名又は名称原語表記】Perle Bioscience
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】クラレーサ レヴェタン,エムディー
【テーマコード(参考)】
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA02
4C084AA19
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA18
4C084BA19
4C084BA23
4C084BA26
4C084CA59
4C084DA11
4C084MA52
4C084MA56
4C084MA59
4C084MA60
4C084MA63
4C084MA66
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4C084NA14
4C084ZB082
4C084ZC351
4C084ZC751
4H045BA16
4H045BA17
4H045CA40
4H045EA20
(57)【要約】
本発明の実施形態は、当技術分野にとって新たな、かつその発見以来30年間の歴史において開発について以前は考えられたことがなかった新たな最適化ハムスターReg3ガンマペプチドを利用する新規な療法、医薬組成物、およびインスリン非依存性のための方法を提供する。先行技術に対して新規な方法、医薬組成物、および療法は、インスリン非依存性になるために1型患者については最適化ハムスターReg3ガンマペプチドおよび免疫寛容剤によって最近発症したおよび現存する1型糖尿病を有する患者をインスリン非依存性にするために本発明において利用され、2型糖尿病については免疫寛容剤なしで単独で使用される。理論によって束縛されることを望むものではないが、最適化Reg3ガンマペプチドは、膵管細胞(ductal pancreatic cell)を新たな島に形質転換することが示されたその実証された特性によってベータ細胞生成を増加させる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1型または2型糖尿病を処置するための方法であって、配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチドおよび免疫寛容剤を含む医薬組成物の治療有効量を対象に投与するステップを含む方法。
【請求項2】
前記免疫寛容作用物質が、シクロスポリンである、請求項2に記載の方法。
【請求項3】
1型または2型糖尿病を処置するための方法であって、
N−末端システインの追加、N−末端でのアセチル化、C−末端でのアミド化、および/またはいずれかの末端でのペグ化の任意の組み合わせを含む最適化Reg3ガンマペプチドを含む組成物の治療有効量を対象に投与するステップを含む方法。
【請求項4】
前記最適化Reg3ガンマペプチドが、配列番号2〜7のいずれか1つにおいて示される構造を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記最適化Reg3ガンマペプチドが、N−末端でアセチル化される、C−末端でアミド化される、および/またはいずれかの末端でPEG化される配列番号1の配列を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記最適化Reg3ガンマペプチドのN−末端またはC−末端が、二量体マレイミド活性化40Kd PEG構築物に共有結合される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記最適化Reg3ガンマペプチドが、N−末端でアセチル化される、C−末端でアミド化される、および/またはいずれかの末端でPEG化される配列番号3の配列を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記最適化Reg3ガンマペプチドのN−末端またはC−末端が、二量体マレイミド活性化40Kd PEG構築物に共有結合される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記最適化Reg3ガンマペプチドが、単離ペプチドホモ二量体であり、それぞれの分子が、配列番号3のアミノ酸配列からなり、前記ホモ二量体が、二量体の2つの分子中の遊離システインを通しての二量体化によって得られる、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記最適化Reg3ガンマペプチドホモ二量体が、N−末端でアセチル化される、C−末端でアミド化される、および/またはいずれかの末端でPEG化される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記組成物が、免疫寛容剤をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項12】
前記免疫寛容作用物質が、シクロスポリンである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記組成物が、体外に、頭蓋内に、膣内に、肛門に、皮下に、皮内に、心臓内、胃内、静脈内に、筋肉内に、腹腔内注射によって、経皮的に、鼻腔内に、または吸入によって投与される、請求項3に記載の方法。
【請求項14】
前記組成物が、全身投与のために製剤される、請求項3に記載の方法。
【請求項15】
前記組成物が、特定の場所、受容体、細胞、組織、器官、または器官系への標的投与のための標的作用物質を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項16】
配列番号1を含むペプチドおよび免疫寛容剤を含む医薬組成物。
【請求項17】
前記免疫寛容剤が、シクロスポリンである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項18】
N−末端システインの追加、N−末端でのアセチル化、C−末端でのアミド化、および/またはいずれかの末端でのペグ化の任意の組み合わせを含む最適化Reg3ガンマペプチド。
【請求項19】
配列番号2〜7のいずれか1つに記載される構造を含む、請求項3に記載の最適化Reg3ガンマペプチド。
【請求項20】
N−末端でアセチル化される、C−末端でアミド化される、および/またはいずれかの末端でPEG化される配列番号1の配列を含む、請求項3に記載の最適化Reg3ガンマペプチド。
【請求項21】
前記N−末端またはC−末端が、二量体マレイミド活性化40Kd PEG構築物に共有結合される、請求項5に記載の最適化Reg3ガンマペプチド。
【請求項22】
N−末端でアセチル化される、C−末端でアミド化される、および/またはいずれかの末端でPEG化される配列番号3の配列を含む、請求項3に記載の最適化Reg3ガンマペプチド。
【請求項23】
前記N−末端またはC−末端が、二量体マレイミド活性化40Kd PEG構築物に共有結合される、請求項7に記載の最適化Reg3ガンマペプチド。
【請求項24】
それぞれの分子が、配列番号3のアミノ酸配列からなり、前記ホモ二量体が、二量体の2つの分子中の遊離システインを通しての二量体化によって得られる、単離ペプチドホモ二量体である請求項3に記載の最適化Reg3ガンマペプチド。
【請求項25】
N−末端でアセチル化される、C−末端でアミド化される、および/またはいずれかの末端でPEG化される、請求項9に記載の最適化Reg3ガンマペプチドホモ二量体。
【請求項26】
前記N−末端またはC−末端が、二量体マレイミド活性化40Kd PEG構築物に共有結合される、請求項10に記載の最適化Reg2ガンマペプチド。
【請求項27】
医薬として許容されるキャリヤにおいて1つ以上の請求項3に記載の最適化Reg2ガンマペプチドを含む組成物。
【請求項28】
免疫寛容剤をさらに含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項29】
前記免疫寛容作用物質が、シクロスポリンである、請求項13に記載の組成物。
【請求項30】
前記組成物が、全身投与のために製剤される、請求項12に記載の組成物。
【請求項31】
前記組成物が、特定の場所、受容体、細胞、組織、器官、または器官系への標的投与のための標的作用物質を含む、請求項12に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2014年3月28日に提出された米国仮特許出願第61/971,721号明細書の開示に依るものであり、これに対する優先権およびその出願日の利益を主張し、この開示は、その全体が本明細書において参照によって組み込まれる。
【0002】
本発明は、最適化ハムスターReg3ガンマ15アミノ酸ペプチドを利用する、1型および2型糖尿病を含むグルコースホメオスタシス傷害に関連するまたはその危険因子となる状態を処置するための新規な療法、医薬組成物、および方法に関する。
【0003】
配列表の参照
本出願は、EFS−Web経由でASCII形式で提出された、またその全体が本明細書において参照によって組み込まれる配列表を含有する。ASCIIファイルは、2014年7月17日に作成し、「配列表」と名付けたものであり、サイズが2.90キロバイトであり、本出願と共に提出された紙のコピーと同一である。
【背景技術】
【0004】
糖尿病は、人類が直面する最も重篤な健康問題のうちの1つであり、世界保健機構は、世界中のおよそ3億4600万人が、糖尿病と既に診断されており、糖尿病をグローバルな課題にしていると報告している。糖尿病は、膵臓のベータ細胞によるインスリン産生が不十分な場合に現れる慢性疾患である。1型および2型糖尿病は、インスリン分泌の減少から結果として生じる疾患と長い間考えられてきた。過去1世紀にわたって実行された研究は、インスリンを生成する新たなベータ細胞の生成が、この疾患を逆転させる鍵となることをより明確に発見した。
【0005】
インスリンを分泌するベータ細胞は、医学生のPaul Langerhansによって1869年に発見された。主にベータ細胞から構成される膵島は、代謝的に非常に活性であり、膵臓に送られた血液供給量の20%を利用しているが、膵臓質量の2%しか占めておらず、残りは、管、腺房、および前駆体組織を含有する島外外分泌組織である。
【0006】
1型患者のベータ細胞損失に至る自己免疫成分を共通して有する1型患者の間の90%以上のベータ質量の低下と比較して、2型糖尿病患者の間では、診断の時までにベータ細胞の質量が50〜80%低下している。ベータ細胞質量は、誕生から成人期まで数倍増え得るが、これは、1型および2型糖尿病の両方において見られる新たなベータ細胞の生成よりも大きな損失を補うのに十分ではない。
【0007】
2つの最近のNIH研究は、一方が子供および青年におけるものであり、他方が成人におけるものであるが、2型糖尿病を改善し、かつ影響を与えるように設計された集中的ライフスタイル介入は、単純に、子供および青年において効果がなく、成人の間では長い間にわたって持続することができない。The TODAY Study Group.N Engl J Med.2012 Apr 29.[Epub ahead of print].Diabetes Research Program Prevention Group,Lancet.2009;374(9702):1677−1686。2型糖尿病を有する子供および青年の間で、メトホルミンまたはライフスタイル介入による療法は、糖尿病コントロールまたはインスリン療法の必要性を改善しなかった。
【0008】
TODAY研究は、糖尿病の有害な血管性の合併症を遅延させるまたは妨げるための、新たなインスリン分泌ベータ細胞の必要性を示す。糖尿病のための多くの新たな処置および技術的な拠点にもかかわらず、網膜症、失明、ニューロパシー、切断、腎不全、および透析を含む糖尿病関連性の合併症は、心臓発作を含む大血管性の合併症、卒中、および末梢血管疾患と共に、糖尿病を有する患者の間で増した。たとえば、グルコースセンサーおよびインスリンポンプの使用を含む進歩した技術を利用する1型を有する患者の間での最近の研究は、処置の選択肢がはるかに制限されていた20年以上前に行われたDCCT治験において見られたものほどヘモグロビンA1Cレベルを改善しなかった。The DCCT Research Group.N Engl J Med.1993;329(14):977−986、Bergenstal RM et al,N Engl J Med.2010;363(4):311−320.Bergenstal RM,et al,Diabetes Care.2011;34(11):2403−2405。
【0009】
1型および2型糖尿病の間で、新たなベータ細胞を回復させ、ベータ細胞質量を維持する差し迫った必要性がある。内因性インスリンの損失は、微小血管および大血管性の合併症についての多数のアテローム発生性の危険因子と直接相関する。糖尿病の特徴であるインスリンの欠如は、グルコースレベルの上昇だけではなく、多数の非常に複雑な代謝異常をもたらす。たとえば、インスリンの欠如は、リポタンパク質リパーゼの活性化の減少をもたらし、カイロミクロンおよび超低密度リポタンパク質を含むトリグリセリドに富んだリポタンパク質のレベルの増加をもたらす。
【0010】
1型患者の間では、ベータ細胞に対する自己免疫性の攻撃が知られているにもかかわらず、さらなる攻撃からベータ細胞を保護するための薬剤の送達が、患者を外因性インスリンから持続的に解放された状態にしなかったので、病態は、より複雑である。非肥満糖尿病(NOD)マウスにおいて糖尿病を逆転させることに成功した多くの種類およびタイプの自己免疫療法による多数の臨床試験にもかかわらず、マウスと比較して、人において、インスリン非依存性を持続させるための有意なベータ細胞再生がないので、1型糖尿病を有する患者に彼らの診断から3か月以内に単独で提供された自己免疫療法は、インスリン非依存性を持続させなかった。診断の最初の数か月以内の免疫寛容剤によるいくつかの治験は、療法の7週間以内に患者の67.5%をインスリンフリーにしたが、次第に、全員がインスリンを再び必要とする。
【0011】
子供および成人の両方において新しいベータ細胞がどのように形成され得るのかについての主要な仮説は、急性膵外傷において新たなベータ細胞増殖があることを同定した、ほぼ1世紀前の科学者の最初の研究に基づく。Frederick Bantingは、新たな膵臓細胞の形成を誘発するために膵管をクランプすることによって1921年にインスリンを発見した。Banting博士は、急性の膵臓を結紮した後に膵臓分泌物を収集し、これらの分泌物は、インスリンとして知られるようになった。Banting FG and Best CH.J Lab Clin Med.1922;7:464−472。この研究は、ベータ細胞の集団が胚形成の間に主として形成されるが、インスリン産生組織への管細胞組織の形質転換のプロセスを通して新たなベータ細胞を出生後に増殖させる能力があると説明した数人の先の科学者によって支持された。1920年までに、膵臓の再生力は十分に説明された。Frederick Bantingは、インスリンの発見に至る彼の研究を、損傷した膵臓組織の再生が膵管から現れることを立証したMoses Barronの研究のおかげだとしている。Barron M.Surg Gynec Obstet.1920;19:437−448。インスリンの有効性が広がる前に、外科医は、ベータ細胞再生の刺激を期待して、糖尿病の子供に対して部分的な膵切除を行った。DeTakats G.Endocrinology.1930;14:255−264。これらの新規な手術からの有益性が説明されたが、おそらく進行する自己免疫性の破壊のために、それは一時的なものであった。
【0012】
ヒトゲノム計画から入手可能なデータを利用して、本発明者および他の人々は、非内分泌細胞の分化を通して完全に機能的な膵臓ベータ細胞を生成する能力を示した。島外管組織を島に形質転換するReg遺伝子タンパク質の生理活性領域の能力は、現在、ハーバード大学のJoslin Diabetes CenterのIslet Cell and Regenerative BiologyセクションおよびHagedom Research InstituteのBeta Cell Regeneration部門(デンマーク)を含む十数の研究グループによって示されている。本発明者および他の人々によって同定されたReg遺伝子ペプチドは、まだ開発中である。
【0013】
本発明者は、ヒトReg遺伝子ペプチドが島外管組織からの新たなベータ細胞の形成に直接関与することを以前に示した。他の人々は、新しく診断されたヒト糖尿病の膵臓においてRegの存在を確認し、ヒト管組織におけるおよびBrdU研究からの両方のその後のデータは、Regが、島外管組織から新たなベータ細胞を直接形成する役目を果たすことを示す。Levetan CS et al,Endocr Pract.2008;14(9):1075−1083、Rosenberg L et al,Diabetologia.1996;39:256−262、Li J et al,Peptides.2009;30(12):2242−2249。
【0014】
1983年に最初に同定され、2007年にハムスターReg3ガンマペプチドであるとして同定された15アミノ酸ハムスターReg3ガンマペプチド(Brioche Biopsy’s Act 2007,1769(9−10):579−85)は、たくさんの量が必要とされ、かつ1/3以上の研究対象の臨床試験からの離脱をもたらす局所的な副作用の結果のために、人で許容されなかった(Dungun KM et al,Diabetes Metal Res Rev.2009;25(6):558−565)。以前に、本発明者は、ヒトReg3a遺伝子タンパク質が、島を欠くヒト膵管組織への投与に成功し、新たなベータ細胞の形成を示すインスリン濃度の有意な増加をもたらしたことを実証し、STZにより糖尿病にしたマウスにおいてインスリンで染色される全ベータ細胞における3倍の上昇が観察された。Levetan CS.,et al,Endocr Pract.2008;14(9):1075−1083。ヒトReg3aタンパク質およびプラセボ処置マウスは、処置の39日目に一晩の絶食およびその朝に絶食グルコースレベルを受けた。絶食グルコースレベルは、Reg3aタンパク質処置マウスにおける111.00±11.4mg/dL(P=0.020)の絶食グルコースレベルと比較して、プラセボグループにおいて258.00±84.5mg/dlであった。
【0015】
別々の研究者による2つの研究は、インビトロにおいてヒト島外膵臓外分泌組織を新たなベータ細胞に形質転換するRegペプチドの能力を示した。これらの研究は、膵臓内分泌ベータ細胞が外分泌管組織から分離されるランゲルハンス島移植手術において利用される方法論によって行われ、外分泌管組織は、ハムスターReg3ガンマペプチドの存在下において新たなベータ細胞に形質転換されることが示された。Li J,et al.Peptides 2009;30:2242−9,Assouline−Thomas BG,Diabetes 2008,57(Suppl;1)A2413。現在のゴールドスタンダードのBrdU標識が、げっ歯動物においてベータ細胞系統を標識するために使用され、これにより、新たなベータ細胞が先在するベータ細胞から出芽によって形成されるのか、島外管外分泌組織から形成されるかを識別する。Kapur R,et al,Islets.2012;4(1)。
【0016】
Joslin Diabetes CenterのIslet Cell and Regenerative Biologyセクションは、15アミノ酸ハムスターReg3ガンマペプチドが、分岐した増殖中の島外管から直接形成された最も新たなベータ細胞および島において存在したことを発見し、これはまた、Regペプチドの作用メカニズムが、島外外分泌組織から新たなベータ細胞を形成することであることをも確認する。Guo L et al,Diabetes.2010,59(suppl;l)A2589。Regが膵外傷の動物モデルにおいて阻害抗体の投与によって阻害されると、回復が減弱し、Regの役割が、急性膵外傷の間、保護的なものともなり、修復性のものともなることもまた確認された。Viterbo D,et al.JOP.2009;10(1):15−23。
【0017】
Hagedom Research InstituteのBeta Cell Regeneration部門およびNovo NordiskのPeptide and Protein Chemistry部門は、ヒト14アミノ酸Reg3aペプチド、HIPおよび15アミノ酸Reg3ガンマハムスターペプチドの両方による処置から結果として生じる、非内分泌組織から生じる新たな小さな島の体積が2倍増加したことを報告した。Kapur R,et al,Islets.2012;4(1)。14アミノ酸ヒトReg3aペプチド、HIPおよび15アミノ酸ハムスターReg3ガンマペプチド、INGAPの両方による処置の5日後、NGN3、NKX6.1、SOX9、およびINSを含む島形成に必要な新たな島マーカーのレベルが増加し、REGがベータ細胞新生のための促進剤となることを示す。Kapur R,et al,Islets.2012;4(1)。これらの発見と同様に、他のデータは、ヒトRegタンパク質およびハムスターReg3ガンマペプチドが、新たなベータ細胞の下流の調節のための開始因子となることを支持する。Levetan C.,2010,J Diabetes;2(2):76−84。たとえば、Regが最初に発現される時、PDX−1、PAX1、Ngn3、Nkx6.1、Sox9、およびInsは発現されず、一度Regが存在するようになると、PDX−1、PAX1、Ngn3、Nkx6.1、Sox9、およびInsならびに他のベータ細胞増殖因子は、存在するようになり、Regが、ベータ細胞再生に必要な下流の因子を活性化することを実証する。Vukkadapu SS Physiol Genomics 2005:21,201−211、Kapur R.,et al.,Islets. 2012;4(1):Epub。Gurrおよび共同研究者は、急性糖尿病NODマウスにおける、1型の膵臓、健康なヒト死体の膵臓における、または健康なマウスにおける膵管上皮において、陽性のReg染色を確認した。
【0018】
膵管に対するハムスターReg3ガンマタンパク質の器官特異性は、げっ歯動物への腹腔内注射を介して投与されたフルオレセインイソチオシアネートにより標識されたタグ付きReg3ガンマハムスタータンパク質によって示された。蛍光染色を有した唯一の器官は、膵臓であり、標識は、非内分泌性膵管集団内にのみ特異的にあることが分かり、Regの作用メカニズムが、島外管細胞のベータ細胞への形質転換であることを再び確認した。Pittenger GL et al,Diabetologia 2009;52(5):735−738。現在、Regペプチドの作用メカニズムが、既存のベータ細胞からの出芽から結果として生じるベータ細胞が新しく形成されるのではなく、島外外分泌管組織を新たな島に形質転換することであることを確認するたくさんの研究がある。
【0019】
本発明者はまた、ベータ細胞再生に関与する他のヒトホルモンの役割および経路についても調査し、発見は、1型糖尿病を有する3人の患者の間で糖尿病コントロールを改善する際の消化管ホルモンの役割を実証する1906年のMooreおよび共同研究者の最初の発見と一致した。Levetan C.2010,J Diabetes;2(2):76−84、Moore et al,Biochem J.1906;1(1):28−38。これらの消化管ホルモンの作用メカニズムは、インスリン分泌だけではなく、数十年後、これらの消化管ペプチドは、島外外分泌組織の、ベータ細胞を含有する新たな内分泌組織への形質転換に関与することが示された。Wang TC.J Clin Invest.1993;92(3):1349−56。
【0020】
細胞系統標識の使用が利用可能になった1999年まで、膵臓の発生学的な概念は変わらなかった。膵臓が外胚葉および内胚葉の両方から誘導されると考えられてきたが、膵臓全体が発生学的な成長の間に内胚葉からのみ発生することが現在示されている。これは、ベータ前駆細胞が、成人の膵臓組織の全体にわたって広く存在するのかをどのように説明するのかおよび増殖因子がどのように膵臓島外管組織を新たなベータ細胞に形質転換するのかについて説明するのを助ける。過去数十年間にわたって、膵臓管組織内に発見された前駆細胞から新たなベータ細胞を再生する能力は、多くのチームによって示されてきた。
【0021】
1)患者が使用することができる許容できる薬剤および2)ベータ再生を増加させることができる任意のそのような薬剤と組み合わせた免疫寛容剤の使用を伴わずに、ベースラインで検出可能なc−ペプチドを有していない1型患者の間で刺激c−ペプチドが27%上昇した1型糖尿病を有する患者においてハムスターReg3ガンマペプチドを使用することにいくらかの見込みがあるにもかかわらず、インスリン必要量に対する影響の改善は、治験においておそらく持続性ではないであろう(Lipsett M.Cell Biochem Biophys.2007;48(2−3):127−3)。JJ Meierおよび共同研究者らからデータは、新たなベータ細胞が、サイトカイン誘発性の死を非常に受けやすく、自己免疫性の攻撃を引き起こすものであることを実証する。Meier JJ et al Diabetologia 2006;49(l):83−9。
【0022】
1型患者の間での使用の54日以内のインスリン必要性の著しい低下および刺激c−ペプチドの改善を実証する1型糖尿病を有する患者の以前の結果にもかかわらず、持続性の結果は見られず、耐用性が非常に不良であり、1/3を超える患者が非常に重度の皮膚部位反応を経験し、治験を継続せず、15アミノ酸ハムスターReg3ガンマペプチドの最適化バージョンのさらなる臨床開発は断念された。本発明者は、持続性のインスリン非依存性のために、自己免疫性の破壊から新しく形成されたベータ細胞を保護するための免疫寛容剤と組み合わせてさらに使用することができる最適化15アミノ酸ハムスター3ガンマペプチドを開示する。
【0023】
最近発症した1型患者の間で利用された免疫寛容剤の中で、いくらかの成果が一時的に見られたが、長い間にわたる新たなベータ細胞の形成はなく、患者が再びインスリンを必要とするようになるまで、1型診断時に残っている限られた量のベータ細胞(10%未満)はアポトーシスを受けるであろう。ハムスターReg3ガンマを単独で使用する臨床試験は、1)必要とされる多量のペプチドによる注射部位の腫れおよび痛みによる耐性の欠如2)持続性の効能の欠如3)インスリン非依存性の欠如により、人においてより許容でき、かつより低い投薬量を可能にするハムスターReg3ガンマの新たな製剤の考慮に至らなかったと結論づけた。
【0024】
したがって、ハムスターReg3ガンマが成功するために、より低い量の薬剤と共により持続性の作用を可能にする新たな製剤が、動物モデルにおいて見られた、人においては潜在的な成功にとって重要である。さらに、マウスモデルにおいて成功することが示されたプロトンポンプ阻害剤(ランソプラゾール)およびDPP−4阻害剤(シタグリプチン)などと再生剤だけでは、再生剤または免疫寛容剤により長期インスリン非依存性を示さなかった新しく診断された1型患者の間で、人において成功が得られないことを反映しない。本発明のある態様は、最適化ハムスターReg3ガンマペプチドが1型患者の間で免疫寛容剤と共に使用されることおよび新たなベータ細胞が生成されている時に一員として免疫寛容剤を有することを必要とする。
【0025】
免疫抑制薬シクロスポリンは、1型糖尿病を有する新たに発症した患者をインスリン非依存性にするために、長期的な安全性および短期間の効能を有することが示された。シクロスポリンの免疫抑制性効果は、Hartmann Stateline博士によって設計され、かつ実行された免疫抑制についてのスクリーニングテストにおいて1972年に発見された。器官拒絶反応を妨げることにおけるシクロスポリンの成果は、University of CambridgeのCalneおよび共同研究者らによって腎臓移植においておよびUniversity of Pittsburgh Hospitalで最初に実行された肝臓移植において、その後、示された。シクロスポリンは、続いて1983年に使用について承認された。それ以来、シクロスポリンは、骨髄移植において移植片対宿主反応を妨げ、かつ処置するためにならびに腎臓、心臓、および肝臓移植の拒絶反応を妨げるために、使用されてきた。
【0026】
移植に加えて、シクロスポリンはまた、乾癬、重度のアトピー性皮膚炎、壊疽性膿皮症、慢性自己免疫性じんま疹においてならびに希に関節リウマチおよび関連性の疾患においても使用されてきた。シクロスポリンは、ドライアイの処置のための目への乳濁剤として米国において一般に処方される。シクロスポリンはまた、ステロイドによる処置に応答しない急性で重症の潰瘍性大腸炎の患者を処置するのを助けるためにも使用されてきた。この薬剤はまた、非感染性の病因を有する後部または中間部ブドウ膜炎の処置としても使用される。シクロスポリンはまた、現在、心肥大を実験的に処置するためにも使用されている。
【0027】
25年前、Bougneresおよび共同研究者は、New England Journal of Medicineにおいて、最近発症した1型糖尿病を有する7〜15歳の年齢の40人の子供たちの間で、患者の67.5%が、2回の分割投与での7.5mg/kg/日のシクロスポリンの開始の48±5日以内にインスリンを中断することができたと報告した。Bourgneres PF.N Engl J Med 1988;318:663−670)。シクロスポリンの開始後12か月の間は、患者の50%は、インスリンフリーのままであった。翌6年間の経過観察にわたって、最初のコホートに、最近発症した1型糖尿病を有するもう43人の子供をプールして合計83人の子供にシクロスポリンを与え、彼らを、シクロスポリンにより治療されなかった同じ期間の間に新たに発症した1型糖尿病を有する47人の子供と比較した。DiFillippo G Diabetes 45:101−104,1996。最初の4年間にわたって、シクロスポリンにより処置されたグループは、コントロールグループの2倍高いレベルに血漿C−ペプチドを保った(P<0.02)。コントロールグループにおける3.2年に対して、グルカゴン刺激C−ペプチドがシクロスポリングループにおいて検出できなくなるのに5.8年かかった。平均インスリン用量は、0.2〜0.4単位/kg/日低いままであった。ヘモグロビンA1Cは、糖尿病コントロール対象よりも有意に少ない低血糖症をも有したシクロスポリン処置グループにおいて1%低かった(P<0.05)。4年後、グループ間の差異は有意ではなくなった。他の研究は、シクロスポリンが、最近発症した1型糖尿病患者に陽性の影響を及ぼしたが、次第に、すべての患者がインスリンを必要とするようになったという類似するデータを見出した。(The Canadian−European Randomized Control Trial Group.Diabetes 1988;37:1574−82、Assan R.Diabetes Metab Res Rev 2002;18:464−472、Feutren G.Lancet.1986 Jul 19;2(8499):119−24)。7.5mg/kg/日のシクロスポリンにより平均20か月の間処置された、最近発症した1型糖尿病を有する285人の患者のある治験において、13年間患者を追跡した後に永続的な腎臓の副作用が見られた。この研究における患者は、広範囲な非侵入性の腎臓の経過観察と共に腎生検を受けた。1年目に生検で中程度の腎臓機能傷害を有した患者でさえ、7〜13年目には正常で安定性のクリアランス値を有した(Assan R.Diabetes Metab Res Rev 2002;18:464−472)。
【0028】
永続的な寛解が次第になくなったので、シクロスポリンによる治験は支持が減った。本発明者は、永続的な寛解の欠如が、シクロスポリンおよびさらなる自己免疫性の攻撃からベータ細胞を保護するために利用された過去十年間にわたる十数の他の薬剤の場合でのように、薬剤が膵臓に残っているベータ細胞に影響を与えることができないことを示唆するデータによるためであると仮定する。10%未満の機能するベータ細胞しか、1型糖尿病の診断の時に残っていないことが推定される。1型糖尿病の症状および診断の12週間以内に開始された多くの自己免疫療法の陽性の影響を示す治験にもかかわらず、どれも永続するインスリン非依存性をもたらさなかった。シクロスポリンに加えて、可能性として考えられる免疫有益性を示したが、有意なまたは持続性のインスリン非依存性をもたらさなかった、最近発症した1型患者の間で利用された免疫寛容剤は、熱ショックタンパク質60、Diapep 277、カルメット−ゲランウシ型結核菌(BCGワクチンとしても知られており、かつ結核に対するワクチンとして一般に知られている)、ミコフェノール酸モフェチル、ダクリズマブ、リツキシマブ(抗CD20)、hOKT3 ガンマ1(AlaAla)およびモノクローナル抗体TRX4(ChAglyCD3)を含む抗CD3抗体、T細胞の同時刺激を阻害する選択的同時刺激修飾物質であるCTLA4−Ig(アバタセプト)、キャンパス−1H、抗CD52抗体、T細胞に対するヒト化モノクローナル抗体、ポリクローナル抗Tリンパ球グロブリン(ATG)、組換えヒトグルタミン酸デカルボキシラーゼタンパク質の65kDaアイソフォームに基づくGAD抗体ワクチン(rhGAD65)、ジアゾキシド、ならびにアルファ−1抗トリプシンを含むが、これらに限定されない。
【0029】
2型糖尿病は、異なる病因に起因するが、1型糖尿病に類似して、診断の時のベータ細胞質量の50〜75%の実質的な損失がある;しかしながら、損失は、1型糖尿病において自己免疫性の破壊から見られるものほど急性ではない。2型糖尿病において見られるベータ細胞損失は、ライフスタイル、遊離脂肪酸、および遺伝的性質を含む多くの因子によって影響を与えられる、より慢性のベータ細胞損失によるものである。したがって、ベータ細胞損失は急激な自己免疫性の破壊によるものではないが、ベータ細胞再生およびベータ細胞質量の保持に対する必要性がなおある。
【0030】
現在までに、管細胞から新たなベータ細胞の形成を直接刺激することが示された、知られているベータ細胞再生増殖因子と免疫寛容剤を併用する研究はなかった。Regペプチドとの免疫寛容剤のこの併用が以前に考えられず、明らかでなかった理由の1つは、NODマウスモデルを含むげっ歯動物1型糖尿病型による何十もの前臨床治験が、糖尿病の逆転のためにガストリンおよび他のベータ細胞増殖因子の必要性だけを示したからである。同様に、NODマウスモデルを含むげっ歯動物1型糖尿病モデルは、免疫寛容剤のみを使用することが、マウスにおいて1型糖尿病を逆転させるのに必要なすべてであることを示した。
【0031】
本発明者は、マウスおよび人のインスリン産生島の間で大きな差異を示し、ヒトは、げっ歯動物において見つけられない細胞型の組成、神経および血管の神経支配、ならびに独特なパラクリン相互作用に関してはるかにより複雑な島構造を有する。Levetanは、マウスおよび人の島において非常に大きな差異を実証し、これは、ヒトの研究において後に再現することができない、糖尿病の分野においてげっ歯動物モデルの間で行われた非常に多くの研究について説明し得る。Levetan CS et al.Endocr Pract.2012;27:1−36.[Epub ahead of print]。特に、複数の異なる作用物質および複数の異なるタイプの作用物質による治験が、前臨床げっ歯動物モデルにおいて利用され、1型糖尿病を有する患者における使用のための臨床的な実践において成功し得る作用物質を評価してきた。本発明者もまた、以前に、他の多くの科学チームのように、ベータ細胞の胎生期の発生後は、典型的に新たなベータ細胞が、既存の生存するベータ細胞集団からしか誘導されないことを示した。当分野における以前の技術と異なり独特であるが、本発明者は、出生後に、ヒト膵管組織の形質転換によって新たなベータ細胞を生成する能力を示した。Levetan C.J Diabetes.2010;2(2):76−84、Levetan CS.Endocr Pract.2008;14(9):1075−83。
【0032】
先行技術において明らかではなかった本発明者による新たな独特の研究は、1)糖尿病性マウスモデルにおける糖尿病を逆転させる能力が、げっ歯動物と比較して、ヒト島の複雑性によって損なわれ得ることおよび2)新たなベータ細胞を生成するためのプロセスは、供給量が限られているために1型または2型糖尿病の診断がなされた後に残っているベータ細胞とは異なる供給源に由来することに違いないこと(1型糖尿病については<10%および2型糖尿病については<50〜75%)である。本発明者は、新たな島内のベータ細胞の新たなプールを島外管組織から形質転換する能力を示した(米国特許第8,211,430号明細書、米国特許第7,989,415号明細書、米国特許第7,714,103号明細書、および米国特許第7,393,919号明細書を参照されたい)。
【発明の概要】
【0033】
免疫系による破壊から新生ベータ細胞の集団を保護しながら、島外組織から新たなベータ細胞を生成する、ヒトにおける糖尿病の処置のための新たな治療形態の必要性が当技術分野においてある。
【0034】
さらに、本発明の実施形態は、当技術分野にとって新たな、かつその発見以来30年間の歴史において開発について以前は考えられたことがなかった新たな最適化ハムスターReg3ガンマペプチドを利用するインスリン非依存性のための新規な療法、医薬組成物、および方法を提供する。先行技術に対して新規な方法、医薬組成物、および療法は、インスリン非依存性になるために1型患者については最適化ハムスターReg3ガンマペプチドおよび免疫寛容剤によって最近発症したおよび現存する1型糖尿病を有する患者をインスリン非依存性にするために本発明において利用され、2型糖尿病については免疫寛容剤なしで単独で使用される。理論によって束縛されることを望むものではないが、最適化Reg3ガンマペプチドは、膵管細胞を新たな島に形質転換することが示されたその実証された特性によってベータ細胞生成を増加させる。新たな島は、インスリンおよびアミリンを生成するベータ細胞だけではなく、グルカゴンを生成するアルファ細胞、ソマトスタチンを生成するデルタ細胞、島グレリンを生成するイプシロン細胞、および膵臓ポリペプチドを生成するガンマ細胞の新たな集団を含有し、これらすべてが、グルコースホメオスタシスに必要である。
【0035】
人のある膵管組織から新たな島を生成するための、人において許容される新たなRegペプチド薬剤を使用することができることにより、糖尿病の処置に対する全く新たなアプローチがもたらされる。本発明は、その発見以来30年間にわたりその使用および開発を制限してきた局所的な副作用のために、最適な結果をもたらすのに必要な量のペプチドを与えることができなかったために人において以前は許容されていなかったペプチド療法の新たな利用をつきとめる。
【0036】
本発明は、1)許容され、かつ必要とされる多量の投薬量により局所的な外傷によって使用が制限されないであろう2)新たなベータ細胞の保護のための免疫寛容剤とのこの最適化ハムスターReg3ガンマペプチドの使用を組み合わせた場合に、1型患者の間でインスリン非依存性の可能性をもたらす3)新たな5種の細胞から構成される(5−celled)完全に機能的な島への管前駆細胞の形質転換によって1型および2型糖尿病の両方の根底にある原因に対する療法をもたらす4)1型および2型糖尿病ならびにインスリン欠乏症の多くの状態に対する革新的な療法をもたらすハムスターReg3ガンマペプチドの最適化形態の使用を初めてつきとめる。
【0037】
本発明において記載される治療方法は、先行技術の範囲内に含有されず、特に、免疫寛容剤と併用したまたは併用しない特異的最適化15アミノ酸ハムスターReg3ガンマ配列の使用を含むが、これらに限定されず、しかし、1型および2型糖尿病ならびにインスリン欠乏症の状態に使用するための方法を含む。特に、このハムスターReg3ガンマ15アミノ酸ハムスターペプチドの必要とされる高い投薬量は、皮下注射のエリアの重度の局所的な不快感および腫れをもたらし、ベースラインc−ペプチドを有していない1型患者において54日目までに内因性インスリン産生を27%増加させる能力を示したペプチドの成果および使用を制限し、今まで、20年前のその最初の臨床での使用以来、ペプチドの最適化は考慮されてこなかった。ヒト膵管組織からの新たなベータ細胞形態の形成を示す明らかなインビトロにおける作用メカニズムにもかかわらず、臨床試験により、許容できる療法を開発することはできなかった。この15アミノ酸ハムスターReg3ガンマペプチドの可能性は、一度、それが最適化され、かつ人における使用にとって許容できるものにされたら、非常に高いものとなる。1983年の発見にもかかわらず、最適化ハムスターReg3ガンマペプチドは、以前に形成も、考慮も、発明も、利用もされず、最適化ハムスターReg3ガンマペプチドは、免疫寛容剤との使用についても考慮されておらず、本発明は、これが、自己免疫性の破壊から、最適化ハムスターReg3ガンマペプチドによって形成される新たなベータ細胞を保護するために必要とされることを実証する。
【0038】
本発明はまた、最適化ハムスターReg3ガンマペプチドを単独で使用する2型糖尿病患者の間でのまたは1型および2型糖尿病の両方の症例でのように他の療法と併用して使用するインスリン非依存性のための新規な療法、医薬組成物、および方法をも提供する。最適化Reg3ガンマハムスターペプチドの開発は、1型または2型糖尿病における臨床試験において以前に提唱も利用もされなかった。理由のうちの1つは、ハムスターReg3ガンマペプチドとの免疫寛容剤のこの組み合わせがNOD治験においては十分であると考えられたが、これがヒトにおいては当てはまらず、ハムスターReg3ガンマの許容が不十分であったために、患者をインスリンフリーにするために効果的な投薬量が送達されなかったことである。
【0039】
NODマウスモデルを含むげっ歯動物1型糖尿病モデルによる多数の前臨床治験が、糖尿病の逆転のためにガストリンおよび他のベータ細胞増殖因子の必要を示したのみであったから。同様に、NODマウスモデルを含むげっ歯動物1型糖尿病モデルは、マウスにおける1型糖尿病を逆転させるのに必要とされるのは免疫寛容剤単独での使用だけであることを示した。本発明者は、マウスおよび人のインスリン産生島の間で大きな差異を示し、ヒトは、げっ歯動物において見つけられない細胞型の組成、神経および血管の神経支配、ならびに独特なパラクリン相互作用に関してはるかにより複雑な島構造を有する。
【0040】
本発明は、1型および2型糖尿病の処置のために新たなモデルを提供する。複雑性ならびにマウスおよび人の島の間の差異に基づいて、本発明は、インスリン非依存性のための医薬組成物および方法と共にハムスターReg3ガンマペプチドの最適化からなる新規な療法を提供し、以前に記載されていない、インスリンを必要とする患者を処置するための方法論を提供する。本発明の実施形態は、他のヒトRegタンパク質に対して配列が特有の相同性を有する、ハムスターReg3ガンマ遺伝子タンパク質上の15アミノ酸ペプチド生理活性領域を最適化する目的の製剤、誘導体、および修飾体を提供し、今まで、このペプチドの製剤、誘導体、および修飾体は、それが人における使用にとって許容できるものとなるように作製されてこなかった。本開示は、人における使用を可能にすると思われるハムスターReg3ガンマペプチドの最適化バージョンを含む、使用のための特定の方法を提供する。対照的に、未変性ハムスターペプチドは、その発見以来、安定性があまりにも限られていることが分かっており、糖尿病を有する患者に対する有意な影響を見るのにあまり十分ではない投薬量で人において使用された場合でさえ、臨床試験に登録された患者は、ハムスターReg3ガンマ15アミノ酸ペプチドの局所的な注射部位に対する痛み、打撲傷、および感染により1型糖尿病を有する患者の1/3が臨床試験から離脱したほど著しい局所的な副作用を有した。本発明は、このペプチドの新規な調査について提供し、1)糖尿病を有する患者の間でのベータ細胞の再生に使用することができる、より許容でき、安定性で、有効な療法の生成を介して人において使用するハムスターReg3ガンマペプチドの可能性を提供する。1型糖尿病および2型糖尿病ならびにインスリン欠乏症の状態のための処置ならびに逆転のためにこの最適化ハムスターReg3ガンマ15アミノ酸ペプチド、アナログ、および非ペプチドペプチド模倣薬を使用する方法が、提供される。
【0041】
一実施形態では、最適化15アミノ酸ハムスターReg3ガンマペプチドアミノ
およびその誘導体が、1)人におけるより優れた耐用性および安定性を可能にする実施形態による、免疫寛容剤と共に利用された場合のベータ細胞複製を増強することによる1型のならびに2型糖尿病については単独でまたはライフスタイル管理と組み合わせておよび/もしくは他の糖尿病治療薬と組み合わせて利用された場合の逆転のための処置のための薬剤として指定され、したがって、15アミノ酸ハムスターReg3ガンマペプチドが、糖尿病およびインスリン欠乏状態の処置のための使用のための人における治療薬になることを可能にする。
【0042】
このペプチドはまた、式:Tによって示されてもよく、T=配列番号1である。
【0043】
別の実施形態では、15アミノ配列ハムスターReg3ガンマペプチド(配列番号1)が、末端部をキャップすることによって最適化される。配列番号1の最適化ならびにこのペプチドのTmaxおよび生物学的利用率の改善は、下記に提供されるようにn−末端アセチル基およびc−末端アミド基によるブロッキングを含むが、これらに限定されない:
【0044】
このペプチドはまた、式:Ac−T−NHによって示されてもよく、T=配列番号1、Ac=アセチル基、およびNH=アミド基である。
【0045】
配列番号3は、精製、合成、または組換え形態をした、n−末端システイン残基をさらに有する15アミノ酸ハムスターReg3ガンマペプチドである:
【0046】
このペプチドは、Cys−TまたはUによって示されてもよく、T=配列番号1、Cys=システイン、およびU=配列番号3である。
【0047】
別の実施形態では、配列番号3によって示されるペプチドの二量体が、精製、合成、または組換え形態をした配列番号4として提供される。二量体は、個々の単量体のシステイン残基間のジスルフィド結合の生成を介して形成される:
【0048】
このペプチドは、
によって示されてもよく、
T=配列番号1、Cys=システイン、U=配列番号3であり、破線は、ジスルフィド結合を示す。
【0049】
別の実施形態では、配列番号3によって示されるペプチドの二量体が、配列番号5として提供され、それぞれの単量体は、n−末端システイン残基を含むように修飾されており、n−末端アセチル基およびc−末端アミド基によりブロックされており、精製、合成、または組換え形態をしている。二量体は、個々の単量体のシステイン残基間のジスルフィド結合の生成を介して形成される:
【0050】
このペプチドは、

によって示されてもよく、
T=配列番号1、Cys=システイン、U=配列番号3、Ac=アセチル基、NH=アミド基であり、破線は、ジスルフィド結合を示す。
【0051】
別の実施形態では、配列番号2のペプチドが、二量体マレイミド活性化40Kd PEG構築物に共有結合されており、精製、合成、または組換え形態をしており、配列番号6として提供される:
【0052】
このペプチドは、(R)−Cys−Tまたは(R)−Uによって示されてもよく、R=PEG、Cys=システイン、T=配列番号1、およびU=配列番号3である。
【0053】
別の実施形態では、配列番号2のペプチドが、n−末端アセチル基およびc−末端アミド基によりブロックされ、n−末端システイン残基が、二量体マレイミド活性化40Kd PEG構築物に共有結合されており、精製、合成、または組換え形態をしており、配列番号7として提供される:
【0054】
このペプチドは、
によって示されてもよく、
R=PEG、Cys=システイン、T=配列番号1、U=配列番号3、Ac=アセチル基、およびNH=アミド基である。
【0055】
そのような修飾は、配列が、遊離端を通常認識するプロテアーゼによる血清中のプロテアーゼ切断を受けるのを受けにくくし、それによって、ペプチドのTmaxおよび生物学的利用率を有効に増加させる。このように修飾されたペプチドは、効能の増加を示し、そのため、たとえばIV、IM、SubQ、または腹腔内経路によって投与された場合に投薬量の減少を必要とする。
【0056】
様々な実施形態では、配列番号1〜7が、単独で提供されてもよいまたは医薬として許容されるキャリヤにおいて単独でもしくはシクロスポリンなどのような免疫寛容剤と組み合わせて医薬組成物中で製剤されてもよい。さらに、本開示は、配列番号1〜7において記載されるもの以外のさらなる構造を提供し、単量体または二量体形態をした、N−末端システインの追加、N−末端でのアセチル化、C−末端でのアミド化、および/またはいずれかの末端でのPEG化の任意の組み合わせを含む最適化Reg3ガンマペプチドが提供される。これらのさらなる構造は、単独で提供されてもよいまたは医薬として許容されるキャリヤにおいて単独でもしくはシクロスポリンなどのような免疫寛容剤と組み合わせて医薬組成物中で製剤されてもよい。
【0057】
例示的な実施形態は、配列番号1を含むペプチドおよびシクロスポリンなどのような免疫寛容剤を含む医薬組成物を提供する。
【0058】
別の例示的な実施形態は、N−末端でアセチル化される、C−末端でアミド化される、および/またはいずれかの末端でPEG化される配列番号1の配列を含む最適化Reg3ガンマペプチドを含む。最適化Reg3ガンマは、二量体マレイミド活性化40Kd PEG構築物に共有結合されたN−末端またはC−末端を有していてもよい。最適化Reg3ガンマペプチドは、単独で提供されてもよいまたは医薬として許容されるキャリヤにおいて単独でもしくはシクロスポリンなどのような免疫寛容剤と組み合わせて組成物中で製剤されてもよい。
【0059】
別の例示的な実施形態は、N−末端でアセチル化される、C−末端でアミド化される、および/またはいずれかの末端でPEG化される配列番号3の配列を含む最適化Reg3ガンマペプチドを含む。最適化Reg3ガンマペプチドは、二量体マレイミド活性化40Kd PEG構築物に共有結合されたN−末端またはC−末端を有していてもよい。最適化Reg3ガンマペプチドは、単独で提供されてもよいまたは医薬として許容されるキャリヤにおいて単独でもしくはシクロスポリンなどのような免疫寛容剤と組み合わせて組成物中で製剤されてもよい。
【0060】
別の例示的な実施形態は、単離ペプチドホモ二量体である最適化Reg3ガンマペプチドを含み、それぞれの分子は、配列番号3のアミノ酸配列からなり、ホモ二量体は、二量体の2つの分子中の遊離システインを通しての二量体化によって得られる。最適化Reg3ガンマペプチドホモ二量体は、N−末端でアセチル化されてもよい、C−末端でアミド化されてもよい、および/またはいずれかの末端でPEG化されてもよい。最適化Reg3ガンマペプチドは、二量体マレイミド活性化40Kd PEG構築物に共有結合されたN−末端またはC−末端を有していてもよい。最適化Reg3ガンマペプチドホモ二量体は、単独で提供されてもよいまたは医薬として許容されるキャリヤにおいて単独でもしくはシクロスポリンなどのような免疫寛容剤と組み合わせて組成物中で製剤されてもよい。
【0061】
別の例示的な実施形態は、1型または2型糖尿病を処置するための方法であって、配列番号1を含むペプチドおよびシクロスポリンなどのような免疫寛容剤を含む医薬組成物の治療有効量を対象に投与するステップを含む方法を含む。
【0062】
別の例示的な実施形態は、1型または2型糖尿病を処置するための方法であって、単独でまたはシクロスポリンなどのような免疫寛容剤と組み合わせて、本開示の任意の最適化Reg3ガンマペプチドを含む医薬組成物の治療有効量を対象に投与するステップを含む方法を含む。
【発明を実施するための形態】
【0063】
本、雑誌記事、公開特許出願、および発行された特許を含む本明細書において列挙されるすべての参考文献は、それらの全体が参照によって組み込まれる。
【0064】
現在まで、過去30年間にわたり、ハムスターReg3ガンマペプチドは、数十年前の安全で効果的な前臨床および初期臨床結果にもかかわらず、人における不十分な安定性および耐用性により、糖尿病を有する患者によって利用することができなかった。15アミノ酸ハムスターReg3ガンマペプチドならびに1型および2型糖尿病を有するヒト患者へのその導入の歴史を通じて、それは、開発もされず、それを糖尿病を有する患者の間で可能性のある治療薬にするための製剤のいかなる修正もなされてこなかった。
【0065】
一実施形態では、ハムスターReg3ガンマペプチドの誘導体が、配列番号2のペプチドを形成するためにN−末端アセチル基およびC−末端アミド基によりペプチドをブロックすることによって生成される。別の実施形態では、ハムスターReg3ガンマペプチドの誘導体が、溶液中で二量体を形成して、ハムスターReg3ガンマCys二量体(配列番号4)を形成することができる化合物をもたらすハムスターReg3ガンマCys(配列番号3)を形成するために配列番号1のn−末端にシステイン残基を追加することによって生成される。そのような修飾は、単量体形態のハムスターReg3ガンマCysまたはハムスターReg3ガンマCys変異体を認識するプロテアーゼを回避することによって、ハムスターReg3ガンマCys変異体の安定性を増加させる。
【0066】
別の実施形態では、ハムスターReg3ガンマCys変異体が、N−末端アセチル基およびC−末端アミド基によりブロックされる。そのような修飾は、配列が、遊離端を通常認識するプロテアーゼによる血清中のプロテアーゼ切断を受けるのを受けにくくし、溶液中で二量体、ハムスターReg3ガンマCysブロック二量体(配列番号5)を形成することができる化合物をもたらし、それによって、単量体の形態のハムスターReg3ガンマまたはハムスターReg3ガンマペプチドCysブロック変異体を認識するプロテアーゼを回避することによりハムスターReg3ガンマペプチドCysブロック変異体の安定性を増加する。
【0067】
別の実施形態では、ハムスターReg3ガンマペプチドCys変異体が、二量体マレイミド活性化40Kd PEG構築物をn−末端システイン残基に共有結合することによって修飾される、ハムスターReg3ガンマペプチドCysPEG(配列番号6)。そのような修飾は、血清中でのハムスターReg3ガンマCysの安定性を改善し、インビボにおいて糖尿病を逆転させるためのベータ細胞複製のための治療戦略においてハムスターReg3ガンマ変異体の生物学的利用率および投薬の効能の増加をもたらす。
【0068】
別の実施形態では、ハムスターReg3ガンマCysブロック変異体が、二量体マレイミド活性化40Kd PEG構築物を共有結合することによって修飾される(ハムスターReg3ガンマペプチドCysブロックPEG(配列番号7)。そのような修飾は、血清中でのハムスターReg3ガンマCysの安定性を改善し、インビボにおいて島新生を刺激し、かつ糖尿病を逆転させるための治療戦略においてハムスターReg3ガンマペプチドCysブロック変異体の生物学的利用率および投薬の効能の増加をもたらす。
【0069】
別の実施形態では、ハムスターReg3ガンマペプチドアナログおよびハムスターReg3ガンマペプチド模倣薬が、インビボにおいて糖尿病を改善し、かつ逆転させるためのベータ細胞複製のための効能および治療上の能力を改善するように設計される。
【0070】
本発明のさらなる実施形態は、最適化ハムスターReg3ガンマペプチド化合物(配列番号1〜7)を単独でまたは膵島細胞再生を刺激するための他の治療剤と組み合わせて投与するための方法を提供する。様々な実施形態では、本発明の方法が、単独での、インスリンと組み合わせた、インスリンおよび別の薬剤と組み合わせた、インスリン以外の1つ以上の薬剤と組み合わせた、最適化ハムスターReg3ガンマペプチドの治療有効量の投与によって実行することができる。
【0071】
ペプチドは、組換え分子生物学技術または固相合成法技術を通して生成されてもよい。組換え分子生物学技術は、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Green and Sanbrook,2012において記載されるものを含む。固相合成法技術は、Merrifield,in J.Am.Chem.Soc.,15:2149−2154(1963)、M.Bodanszky et al.,(1976)Peptide Synthesis,John Wiley&Sons,2d Ed.;Kent and Clark−Lewis in Synthetic Peptides in Biology and Medicine,p.295−358、eds.Alitalo,K., et al.Science Publishers,(Amsterdam,1985);およびそのような当業者らに知られている他の参考資料において記載される。ペプチド合成技術の概要は、参照によって本明細書において組み込まれるJ.Stuart and J.D.Young,Solid Phase Peptide Synthelia,Pierce Chemical Company, Rockford,111.(1984)において見つけられてもよい。液相法(solution method)によるペプチドの合成もまた、The Proteins,Vol.II,3d Ed.,p.105−237,Neurath,H.et al.,Eds.,Academic Press,New York,N.Y.(1976)において記載されるように使用されてもよい。そのような合成における使用のための適切な保護基は、上記のテキストにおいておよび参照によって本明細書において組み込まれるJ.F.W.McOmie,Protective Groups in Organic Chemistry,Plenum Press,New York,N.Y.(1973)において見つけられるであろう。一般に、これらの合成法は、伸長中のペプチド鎖への1つ以上のアミノ酸残基または保護されたアミノ酸残基の連続した追加を伴う。通常、第1のアミノ酸残基のアミノまたはカルボキシル基は、適した、選択的に除去可能な保護基によって保護される。様々な、選択的に除去可能な保護基は、リシンなどのような反応性の側鎖を含有するアミノ酸に利用される。ブロック合成技術もまた、ペプチド合成の固相法および液相法の両方に適用されてもよい。単一のアミノ酸残基の連続した追加の代わりに、連続している2つ以上のアミノ酸残基を含む前もって形成されたブロックが、単一のアミノ酸残基の代わりに、出発サブユニットまたは続いて追加されるユニットのいずれかとして使用される。代替のまたはさらなるペプチド合成方法および技術は、Peptide Chemistry:A Practical Textbook:2nd Edition,Miklos Bodanszky,1993において見つけることができる。
【0072】
その配列番号1〜7またはその一部分のアミノ酸配列を有するタンパク質はまた、Merrifield,1963,J. Am. Chem.Soc.,85:2149によって記載されるものに類似する手順を使用する固相ペプチド合成によって合成されてもよい。合成の間に、保護された側鎖を有するN−α−保護アミノ酸は、そのC−末端によって、不溶性ポリマー支持体、つまりポリスチレンビーズに連結された、成長しているポリペプチド鎖に段階的に追加される。タンパク質は、ジシクロヘキシルカルボジイミドなどのような試薬とN−α−保護アミノ酸を反応させることによって活性化されたN−α−保護アミノ酸のα−カルボキシル基にN−α−脱保護アミノ酸のアミノ基を連結することによって合成される。活性化されたカルボキシルへの遊離アミノ基の付加は、ペプチド結合形成に至る。最も一般に使用されるN−α−保護基は、酸に不安定であるBocおよび塩基に不安定であるFmocを含む。適切な化学的性質、樹脂、保護基、保護されたアミノ酸、および試薬についての詳細は、当技術分野においてよく知られており、したがって、本明細書において詳細に議論されない(Atherton et al.,1989,Solid Phase Peptide Synthesis:A Practical Approach,IRL Press,and Bodanszky,1993,Peptide Chemistry,A Practical Textbook,2nd Ed.,Springer−Verlagを参照されたい)。
【0073】
結果として生じる最適化の精製は、ゲル浸透を使用する調製用のHPLC、分割、および/またはイオン交換クロマトグラフィーなどのような従来の手順を使用して達成される。適切なマトリックスおよびバッファーの選択は、当技術分野においてよく知られており、したがって、本明細書において詳細に記載されない。
【0074】
アセチル基およびアミド基によりペプチドをブロックするためのプロトコールは、当技術分野において知られており、当技術分野において知られている多くのタンパク質プロトコールの教科書において見つけることができる。特定の例は、Methods in Molecular Biology,Vol.35:Peptide Synthesis Protocols,Chapter 8:Site−Specific Chemical Modification Procedures,Edited by M W Pennington and B M Dunn,1994ならびに米国特許第4,708,934号明細書、米国特許第5,503,989号明細書、米国特許出願公開第20060127995号明細書において公開されるものを含む。代替のまたはさらなるブロッキング手順は、Peptide Chemistry:A Practical Textbook:2nd Edition,Miklos Bodanszky,1993において見つけることができる。
【0075】
高分子量ポリエチレングリコール(PEG)などのような不活性ポリマー分子は、タンパク質のN−もしくはC−末端へのPEGの部位特異的なコンジュゲーションを通してまたはリシン残基上に存在するイプシロンアミノ基を介して、多機能性リンカーありまたはなしで、本開示のペプチドまたはそのアナログもしくは誘導体に付加することができる。生物学的活性の最小限の損失をもたらす直鎖または分岐ポリマー誘導体化を使用することができる。コンジュゲーションの程度は、PEG分子の適切なコンジュゲーションを確かめるためにSDS−PAGEおよび質量分析法によって厳密にモニターすることができる。反応していないPEGは、サイズ排除によってまたはイオン交換クロマトグラフィーによってペプチド−PEGコンジュゲートから分離することができる。
【0076】
最適化ペプチドはまた、マレイミド化学作用を通してシステイン残基でPEG化されてもよい。マレイミド活性化PEGは、タンパク質のシステイン残基のチオールと反応し、安定性のチオエーテル連結を形成し、加水分解に対して非常に安定性である。マレイミド成分は、中性pHのあたりで加水分解を伴うことなくチオール基と速やかに反応する。マレイミド活性化PEG構築物を生成するためのプロトコールは、Schumacher et al.,In Situ Maleimide Bridging of Disulfides and a New Approach to Protein PEGylation,Bioconjugate Chem.,2011,22(2),pp132−136、Doherty et al.,Site−Specific PEGylation of Engineered Cysteine Analogs of Recombinant Human Granulocyte−Macrophage Colony−Stimulating Factor,Bioconjug Chem.2005;16(5):1291−1298、米国特許出願公開第20090298746A1号明細書、欧州特許第1881850B1号明細書、欧州特許第2178900B1号明細書において見つけられてもよい。
【0077】
本発明の他の実施形態は、最適化ハムスターReg3ガンマペプチドの医薬製剤および単位用量形態を提供する。一実施形態では、提供される医薬製剤が、単独でまたは1つ以上の他の医薬品有効成分(API)と組み合わせて最適化ハムスターReg3ガンマペプチドを含有する。一実施形態において、APIが、最適化ハムスターReg3ガンマペプチドを、選択される製剤に依存して、皮下、筋肉内、静脈内、およびさらに経口的を含む、様々なルートによって投与するのを可能にする可溶性リポソーム調製物中の1つ以上の作用物質である。一実施形態において、製剤が、一般的な全身投与のためのものであるが、他の実施形態において、製剤が、対象内の特定の場所、受容体、細胞、組織、器官、または器官系への標的投与のための標的作用物質を含む。
【0078】
医薬として許容されるキャリヤにおける1つ以上の本明細書において提供される最適化ペプチドを含む組成物が提供される。したがって、医薬として許容されるキャリヤにおける1つ以上の本明細書において提供される最適化ペプチドのいずれかを含む組成物が提供される。さらに、免疫寛容剤と共に1つ以上の最適化ペプチドを含む組成物が提供される。
【0079】
たとえば、配列番号1のペプチドを医薬として許容されるキャリヤにおいて含む組成物が提供される。別の実施例は、医薬として許容されるキャリヤにおいて配列番号1のペプチドおよびシクロスポリンAを含む組成物である。別の実施例は、医薬として許容されるキャリヤにおいて配列番号2のペプチドを含む組成物である。別の実施例は、医薬として許容されるキャリヤにおいて配列番号2のペプチドおよびシクロスポリンを含む組成物である。別の実施例は、医薬として許容されるキャリヤにおいて配列番号3のペプチドを含む組成物である。別の実施例は、医薬として許容されるキャリヤにおいて配列番号3のペプチドおよびシクロスポリンを含む組成物である。別の実施例は、医薬として許容されるキャリヤにおいて配列番号4のペプチドを含む組成物である。別の実施例は、医薬として許容されるキャリヤにおいて配列番号4のペプチドおよびシクロスポリンを含む組成物である。別の実施例は、医薬として許容されるキャリヤにおいて配列番号5のペプチドを含む組成物である。別の実施例は、医薬として許容されるキャリヤにおいて配列番号5のペプチドおよびシクロスポリンを含む組成物である。別の実施例は、医薬として許容されるキャリヤにおいて配列番号6のペプチドを含む組成物である。別の実施例は、医薬として許容されるキャリヤにおいて配列番号6のペプチドおよびシクロスポリンを含む組成物である。別の実施例は、医薬として許容されるキャリヤにおいて配列番号7のペプチドを含む組成物である。別の実施例は、医薬として許容されるキャリヤにおいて配列番号7のペプチドおよびシクロスポリンを含む組成物である。
【0080】
「医薬として許容される」によって、生物学的にまたは他の場合には望ましくないわけではない物質を意味する、つまり、物質は、最適化ペプチドに加えて対象に投与されてもよく、あらゆる望ましくない生物学的効果を引き起こさないまたはそれが含有されている医薬組成物の他の構成成分のいずれとも有害な形で相互作用しない。キャリヤは、当業者によく知られているように、活性成分のあらゆる分解を最小限にし、かつ対象においてあらゆる不利な副作用を最小限にするように当然、選択されるであろう。
【0081】
組成物は、局所的に、経口的に、または非経口的に投与されてもよい。たとえば、組成物は、体外に、頭蓋内に、膣内に、肛門に(intraanally)、皮下に、皮内に、心臓内、胃内、静脈内に、筋肉内に、腹腔内注射によって、経皮的に、鼻腔内に、または吸入によって投与することができる。本明細書において使用されるように、「頭蓋内投与」は、たとえば、カテーテルまたは針を介しての、髄腔内、槽内、脳室内、または経蝶形骨送達を含む、物質の脳への直接的な送達を意味する。
【0082】
組成物の非経口投与は、使用される場合、一般に、注射によって特徴付けられる。注射液は、液体溶液もしくは懸濁剤のいずれか、注射前の、液体中での溶解もしくは懸濁に適している固体形態として、または乳剤として、従来の形態で調製することができる。非経口投与のためのより最近になって修正されたアプローチは、一定の投薬量が維持されるように、緩効性または徐放性システムの使用を含む。たとえば参照によって本明細書において組み込まれる米国特許第3,610,795号明細書を参照されたい。
【0083】
本明細書において使用されるように、「局所鼻内投与」は、一方または両方の鼻孔を通しての、鼻および鼻腔への組成物の送達を意味し、最適化ペプチドの噴霧メカニズムもしくは液滴メカニズムによるまたはエアロゾル適用を通しての送達を含むことができる。吸入剤による組成物の投与は、噴霧または液滴メカニズムによる送達を介しての、鼻または口を通してのものとすることができる。送達はまた、挿管を介しての呼吸器(たとえば肺)の任意のエリアに直接することができる。
【0084】
必要とされる組成物の厳密な量は、対象の種、年齢、体重、および全身状態、治療されている状態の重症度、使用される特定の最適化ペプチド、投与のその様式、ならびにその他同種のものに依存して、対象によって変動するであろう。したがって、すべての組成物について厳密な量を明示することは可能ではない。しかしながら、適切な量は、本明細書における教示を考慮すれば、ルーチン的な実験のみを使用して、当業者によって決定することができる。
【0085】
適したキャリヤおよびそれらの製剤は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(19th ed.)ed.A.R.Gennaro,Mack Publishing Company,Easton,Pa.1995において記載されている。典型的に、適切な量の薬学的に許容できる塩は、製剤を等張にするために製剤において使用される。薬学的に許容できるキャリヤの例は、食塩水、リンガー溶液、およびデキストロース溶液を含むが、これらに限定されない。溶液のpHは、約5〜約8、約7〜約7.5とすることができる。さらなるキャリヤは、抗体を含有する固体疎水性ポリマーの半透過性マトリックスなどのような徐放性調製物を含み、これらのマトリックスは、形づくられた物品、たとえばフィルム、リポソーム、または微粒子の形態をしている。あるキャリヤは、たとえば、投与されている組成物の投与のルートおよび濃度に依存して、より好ましいものとなり得ることは、当業者らに明らかであろう。
【0086】
医薬キャリヤは、当業者らに知られている。これらは、たいてい、典型的に、生理学的pHの滅菌水、食塩水、および緩衝液などのような溶液を含めて、ヒトへの薬剤の投与のための標準的なキャリヤとなるであろう。組成物は、筋肉内にまたは皮下に投与することができる。他の化合物は、当業者らによって使用される標準的な手順に従って投与されるであろう。
【0087】
医薬組成物は、最適な分子に加えて、キャリヤ、シックナー、希釈剤、バッファー、保存剤、表面活性剤、およびその他同種のものを含んでいてもよい。医薬組成物はまた、抗菌剤、抗炎症剤、麻酔薬、およびその他同種のものなどのような1つ以上の活性成分を含んでいてもよい。
【0088】
非経口投与のための調製物は、滅菌水性非水溶液、懸濁剤、および乳剤を含む。非水溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブオイルなどのような植物油、およびオレイン酸エチルなどのような注射用の有機エステルである。水性のキャリヤは、食塩水およびバッファーされた媒体を含めて、水、アルコール性溶液/水溶液、乳剤、または懸濁剤を含む。非経口ビヒクルは、塩化ナトリウム溶液、リンガーデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸リンガー、または不揮発性油を含む。静脈内ビヒクルは、体液および栄養素補液、電解質補液(リンガーデキストロースに基づくものなど)、ならびにその他同種のものを含む。たとえば抗菌剤、酸化防止剤、キレート剤、および不活性ガスならびにその他同種のものなどのような保存剤ならびに他の添加剤もまた、存在してもよい。
【0089】
局所投与のための製剤は、軟膏、ローション、ゲル(たとえばポロキサマーゲル)、点滴剤、放出制御組成物、徐放性組成物、坐剤、噴霧剤、液剤、および散剤を含んでいてもよい。従来の医薬キャリヤ、水性、粉末、または油性ベース、シックナー、およびその他同種のものは、必要であってもよいまたは望ましくてもよい。開示される組成物は、たとえば、マイクロファイバー、ポリマー(たとえばコラーゲン)、ガラス、ナノスフェア、エアロゾル、ローション、クリーム、布地、プラスチック、組織工学的な(tissue engineered)足場、マトリックス物質、錠剤、植込み容器、粉末、油、樹脂、創傷被覆材、ビーズ、微小ビーズ、緩効性化合物、徐放性化合物、カプセル、注射液、静脈内滴注、ポンプデバイス、シリコーン移植片、または任意のバイオ工学的な(bio−engineered)物質において投与することができる。
【0090】
経口投与のための組成物は、粉末もしくは顆粒剤、水もしくは非水媒体中の懸濁剤もしくは水剤、カプセル、包(sachet)、または錠剤を含む。シックナー、調味料、希釈剤、乳化剤、分散助剤、またはバインダーは望ましいものとされてもよい。薬学的に許容され得るキャリヤは、サッカリド、たとえばラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース調製物、および/またはリン酸カルシウム、たとえばリン酸三カルシウムもしくはリン酸水素カルシウムなどのような増量剤ならびにたとえばとうもろこしデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプンを使用するデンプンペースト、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および/またはポリビニルピロリドンなどのようなバインダーを含む。所望の場合、前述のデンプンおよびまた、カルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはアルギン酸ナトリウムなどのようなその塩などのような崩壊剤が、追加されてもよい。助剤は、流れを調節する作用物質および潤滑剤、たとえばシリカ、滑石、ステアリン酸またはステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カルシウムなどのようなその塩、および/またはポリエチレングリコールである。一実施形態では、糖剤コアが、所望の場合、胃液に抵抗性である、適したコーティングと共に提供される。この目的のために、濃縮サッカリド溶液が、使用されてもよく、これは、任意選択で、アラビアゴム、滑石、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、ならびに適した有機溶媒または溶媒混合物を含有してもよい。胃液に抵抗性のコーティングを産生するために、アセチルセルロースフタレートまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートなどのような適したセルロース調製物の溶液が使用される。ポリ(ビス(p−カルボキシフェノキシ)−プロパン:セバシン酸−CCP:SA)などのようなゆっくりと溶解するポリマーもまた、組成物の放出をコントロールするまたは調節するウェーハまたはビーズを生成するために使用されてもよい。染料または顔料は、たとえば活性化合物の用量の同定のためにまたはその併用を特徴付けるために、錠剤または糖剤のコーティングに追加されてもよい。
【0091】
経口的に使用することができる他の医薬調製物は、ゼラチンで作製されたプッシュフィット(push−fit)カプセルならびにゼラチンおよびグリセロールまたはソルビトールなどのような可塑剤で作製された軟質密閉カプセルを含む。プッシュフィットカプセルは、顆粒またはナノ粒子の形態をした活性化合物を含有することができ、これは、ラクトースなどのような増量剤、デンプンなどのようなバインダー、および/または滑石もしくはステアリン酸マグネシウムなどのような潤滑剤、ならびに任意選択で安定剤と混合した活性成分を含有することができる。一実施形態では、本開示のペプチドが、任意選択で安定剤と共に、脂肪油または流動パラフィンなどのような適した液体中に溶解されるまたは懸濁される。
【0092】
組成物のうちのいくつかは、塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、硝酸、チオシアン酸、硫酸、およびリン酸などのような無機酸ならびにギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、およびフマル酸などのような有機酸との反応によってまたは水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウムなどのような無機塩基ならびにモノ、ジ、トリアルキル、およびアリールアミンならびに置換エタノールアミンなどのような有機塩基との反応によって形成される、薬学的に許容できる酸付加塩または塩基付加塩として場合によっては投与されてもよい。
【0093】
脂肪油は、モノ、ジ、またはトリグリセリドを含んでいてもよい。モノ、ジ、およびトリグリセリドは、C6、C8、C10、C12、C14、C16、C18、C20、およびC22酸に由来するものを含む。例示的なジグリセリドは、特に、ジオレイン、ジパルミトレイン(dipalmitolein)、および混合カプリリン−カプリンジグリセリドを含む。好ましいトリグリセリドは、植物油、魚油、動物油脂、硬化植物油、部分的硬化植物油、合成トリグリセリド、修飾トリグリセリド、分別されたトリグリセリド、中鎖および長鎖トリグリセリド、ストラクチャードトリグリセリド、ならびにその混合物を含む。例示的なトリグリセリドは、扁桃油;ババスー油;ボリジオイル;クロフサスグリ種子油;キャノーラ油;ヒマシ油;ヤシ油;コーン油;綿実油;イヴニングプリムローズ油;グレープシードオイル;ラッカセイ油;からし油;オリーブ油;パーム油;パームナッツ油;ラッカセイ油;菜種油;サフラワー油;ゴマ油;サメ肝油;ダイズ油;ヒマワリ油;硬化ヒマシ油;硬化ヤシ油;硬化パーム油;硬化ダイズ油;硬化植物油;硬化綿実油およびヒマシ油;部分的硬化ダイズ油;部分的大豆油および綿実油;グリセリルトリカプロアート;グリセリルトリカプリラート;グリセリルトリカプラート;グリセリルトリウンデカノアート;グリセリルトリラウラート;トリオレイン酸グリセリル;グリセリルトリリノレアート;グリセリルトリリノレナート(trilinolenate);グリセリルトリカプリラート/カプラート;グリセリルトリカプリラート/カプラート/ラウラート;グリセリルトリカプリラート/カプラート/リノレアート;ならびにグリセリルトリカプリラート/カプラート/ステアラートを含む。
【0094】
一実施形態では、トリグリセリドが、商標LABRAFAC CCの下で入手可能な中鎖トリグリセリドである。他のトリグリセリドは、中性油、たとえば中性植物油、特に、製品:MIGLYOL 810;MIGLYOL 812;MIGLYOL 818;およびCAPTEX 355を含む、商標MIGLYOLの下で知られており、市販で入手可能なような分別されたココナッツ油を含む。他のトリグリセリドは、製品MYRITOL 813を含む商標MYRITOLの下で知られており市販で入手可能なようなカプリル−カプリン酸トリグリセリドである。このクラスのさらなるトリグリセリドは、CAPMUL MCT、CAPTEX 200、CAPTEX 300、CAPTEX 800、NEOBEE M5、およびMAZOL 1400である。
【0095】
トリグリセリドを含む医薬組成物は、水性溶媒による溶解に際して透明な溶液を形成してもよい親油性および/または親水性界面活性剤をさらに含んでいてもよい。あるそのような界面活性剤は、トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸(ビタミンE TPGS)である。そのような組成物の例は、米国特許第6,267,985号明細書において記載される。
【0096】
非経口投与に適した製剤は、水溶性の形態、たとえば水溶性の塩およびアルカリ性溶液におけるハムスターReg3ガンマおよび最適化ハムスターReg3ガンマペプチドならびに任意選択で免疫寛容剤の水溶液を含む。そのうえ、適切な油性注射懸濁剤としてのハムスターReg3ガンマおよび最適化ハムスターReg3ガンマペプチドならびに任意選択で免疫寛容剤の懸濁剤が、投与されてもよい。適した親油性溶媒またはビヒクルは、脂肪油、たとえばゴマ油または合成脂肪酸エステル、たとえばオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドまたはポリエチレングリコール−400を含む。水性注射懸濁剤は、懸濁剤の粘性を増加させ、たとえばカルボキシルメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、および/またはデキストランを含む物質を含有してもよい。任意選択で、懸濁剤はまた、安定剤を含有してもよい。
【0097】
局所組成物は、適切なキャリヤの選択によって、油、クリーム、ローション、外用薬、およびその他同種のものとして製剤されてもよい。適したキャリヤは、植物油または鉱油、白色ワセリン(白色軟質パラフィン)、分岐鎖脂肪または油、動物油脂、および高分子量アルコール(C12よりも大きな)を含む。乳化剤、安定剤、保湿剤、および酸化防止剤ならびに所望の場合には、色または芳香を与える作用物質もまた、含まれてもよい。そのうえ、経皮透過エンハンサーは、これらの局所製剤において用いることができる。そのようなエンハンサーの例は、米国特許第3,989,816号明細書および米国特許第4,444,762号明細書において見つけることができる。
【0098】
クリームは、扁桃油などのような少量の油中に溶解されたハムスターReg3ガンマおよび最適化ハムスターReg3ガンマペプチドならびに任意選択で免疫寛容剤が混合される、鉱油、自己乳化性(self−emulsifying)蜜ろう、および水の混合物から製剤されてもよい。そのようなクリームの典型例は、約40の水、約20の蜜ろう、約40の鉱油、および約1の扁桃油の割合で含むものである。
【0099】
外用薬は、温かい軟質パラフィンと、扁桃油などのような植物油中のハムスターReg3ガンマ免疫または最適化ハムスターReg3ガンマペプチドの懸濁剤を混合し、混合物を冷やすことによって、製剤されてもよい。そのような外用薬の典型例は、重量で約30%の扁桃油および約70%の白色軟質パラフィンを含むものである。
【0100】
ローションは、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールなどのような適した高分子量アルコール中で、ハムスターReg3ガンマおよび最適化ハムスターReg3ガンマペプチドならびに任意選択で免疫寛容作用物質の懸濁剤を調製することによって好都合に調製されてもよい。
【0101】
医薬調製物を投与するための適したルートは、経口、直腸、局所(皮膚、頬、および舌下を含む)、膣、非経口(皮下、筋肉内、静脈内、皮内、髄腔内、腫瘍内、および硬膜外を含む)、ならびに経鼻胃管によるものを含む。投与の好ましいルートは、処置されている状態に依存するであろう、また、レシピエントの状態などのような因子により変更されてもよいことが当業者らによって理解されるであろう。
【0102】
直腸に使用することができる可能な医薬調製物は、たとえば、坐剤基剤との本開示のペプチドの1つ以上の組み合わせからなる坐剤を含む。適した坐剤基剤は、たとえば、天然もしくは合成トリグリセリドまたはパラフィン炭化水素である。そのうえ、基剤との本開示のペプチドからなるゼラチン直腸カプセルを使用することもまた、可能である。可能な基剤材料は、たとえば、液体トリグリセリド、ポリエチレングリコール、またはパラフィン炭化水素を含む。
【0103】
組成物を投与するための有効投薬量およびスケジュールは、経験的に決定されてもよく、そのような決定をなすことは、当技術分野における技術の範囲内にある。組成物の投与についての投薬量範囲は、障害の症状が影響を及ぼされる所望の効果をもたらすのに十分大きな範囲である。投薬量は、望まれない交差反応、アナフィラキシー反応、およびその他同種のものなどのような不利な副作用を引き起こすほど多くするべきではない。一般に、投薬量は、患者の年齢、状態、性別、および疾患の状態の程度、投与のルート、または他の薬剤がレジメンに含まれるかどうかにより変動するであろう、また、当業者によって決定することができる。いかなる反対の徴候でも、それがある場合には、投薬量は、個々の医者によって調節することができる。投薬量は、変動し得、1日または数日間、毎日、1回またはそれ以上の用量投与で投与することができる。手引きは、所定のクラスの医薬品に適切な投薬量についての文献において見つけることができる。投薬量の範囲は、大部分は、本明細書における組成物の適用、状態の重症度、およびその投与ルートに依存する。
【0104】
たとえば、研究のための実験ツールとしての適用において、最適化ペプチド組成物は、0.01% w/vほどの低い用量で使用することができる。著しく高い濃度の組成物は、それらだけでまたは他の化合物と組み合わせて、癌/腫瘍療法のような適用において使用されてもよい。したがって、提供されるポリペプチドの上限値は、送達される初回ボーラスとして与えられる場合、2〜5% w/vまたはv/vまであってもよい。たとえば筋肉内、大脳内、心臓内、および脊髄内の投与の非経口ルートについての投薬量の推薦される上限値は、疾病の重症度に依存して、1% w/vまたはv/vまでとすることができる。この投薬量上限値は、たとえばポリペプチドが、その作用を促進するまたはポリペプチドと協力して作用する他の作用物質とどのように組み合わせられるかに依存して、製剤によって変動してもよい。
【0105】
提供されるポリペプチドの連続送達については、たとえば、静脈内滴注と組み合わせて、時間的経過にわたって、状態の改善に基づいて医者によって決定される、0.01g/体重1kgの上限値を使用することができる。他の実施例では、内部的に、たとえば筋肉内、大脳内、心臓内、および脊髄内に送達される、提供される核酸の濃度の上限値は、50〜100μg/溶液1mlとなるであろう。さらに、頻度は、改善に基づいて医者によって決定されるであろう。
【0106】
本開示の最適化ペプチドは、免疫寛容剤と共に任意選択で製剤されてもよい。免疫寛容剤は、どの免疫寛容剤が使用されるかおよびビヒクルのタイプに依存して、0.01%〜10% w/vの濃度で存在してもよい。一実施形態では、免疫寛容剤が、シクロスポリンである。たとえば、シクロスポリンは、1mg/ml〜200mg/mlの濃度で存在してもよい。本開示の最適化ペプチドは、本明細書において記載される任意のビヒクルを使用して、免疫寛容剤と共に製剤されてもよい。
【0107】
本発明の他の実施形態では、膵臓機能傷害に関連する病態の処置を必要とする対象において膵臓機能傷害に関連する病態を処置するための方法が提供される。方法は、最適化ハムスターReg3ガンマペプチドに加えて膵島細胞再生を刺激するための1つ以上の薬剤を投与するステップを含んでいてもよい。この実施形態の一態様では、その薬剤が、最適化Reg3ガンマ以外のハムスターReg3ガンマまたはハムスターReg3ガンマ関連ペプチド、アミリン/プラムリンチド(SYMLIN(商標))、エキセンディン−4(EXENATIDE(商標))、GIP、GLP−1、GLP−1受容体アゴニスト、GLP−1アナログ、ハムスターINGAPペプチドおよび関連ペプチド、リラグルチド(NN2211)、ならびにGLP−1の分解をブロックするジペプチジルペプチダーゼ阻害剤から選択される。
【0108】
別の実施形態では、膵臓機能傷害に関連する病態の処置を必要とする対象において膵臓機能傷害に関連する病態を処置するための方法が提供される。方法は、(1)血糖コントロールを強化する;(2)40ng/ml超の25−ヒドロキシビタミンレベルを維持するために経口ビタミンD3(コレカルシフェロール)を投与する;(3)免疫抑制剤の投与を含む、新たな島細胞の形成を保護するための1つ以上の免疫療法を投与する;(4)セレンを投与する、5)インスリンと組み合わせて最適化ハムスターReg3ガンマペプチドを投与するが、投与されるインスリンを次第に減少させる;および(5)最適化ハムスターReg3ガンマペプチドを投与するステップに加えて、選択される免疫療法に依存して、好ましくは3〜24か月単位で島の保護のための療法を繰り返し投与するステップの1つ以上を含んでいてもよい。
【0109】
別の実施形態では、膵臓機能傷害に関連する病態の処置を必要とする対象において膵臓機能傷害に関連する病態を処置するための方法が提供される。方法は、(1)血糖コントロールを強化する;(2)40ng/ml超の25−ヒドロキシビタミンレベルを維持するために経口ビタミンD3(コレカルシフェロール)を投与する;(3)最適化ハムスターReg3ガンマペプチド以外の15アミノ酸ハムスターReg3ガンマペプチドおよび15アミノ酸ハムスターRegガンマアナログを含むが、これらに限定されない、膵島再生を刺激するための薬剤を最適化ハムスターRegガンマペプチドに加えて投与する;(4)アミリン/プラムリンチド(SYMLIN(商標))、エキセンディン−4(EXENATIDE(商標);BYETTA(商標))、ガストリン、上皮増殖因子および上皮増殖因子アナログGIP、GLP−1、GLP−1受容体アゴニスト、GLP−1アナログ、INGAP、リラグルチド(NN2211)、ならびにGLP−1の分解をブロックするジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤からなる群から選択される薬剤を同時投与する;ならびに(5)別の糖尿病療法の投与を低下させるまたは次第に減らすステップの1つ以上を含んでいてもよい。
【0110】
別の実施形態では、膵臓機能傷害に関連する病態の処置を必要とする対象において膵臓機能傷害に関連する病態を処置するための方法が提供される。方法は、最適化15アミノ酸ハムスターReg3ガンマペプチドの投与に加えて、膵島を標的にする自己免疫性の細胞を阻害する、ブロックする、または破壊する1つ以上の薬剤を投与するステップを含んでいてもよい。そのような療法は、上記の「免疫療法」と称される。この実施形態の様々な態様では、膵島を標的にする自己免疫性の細胞を阻害する、ブロックする、または破壊する薬剤が、シクロスポリンA、免疫応答を標的にし、1型糖尿病においてベータ細胞死を引き起こすTリンパ球を特異的にブロックする、hOKT3γ1(Ala−Ala)およびChAglyCD3を含む抗CD−3抗体、シロリムス(ラパマイシン)、タクロリムス(FK506)、熱ショックタンパク質60(Diapep277)、抗グルタミン酸デカルボキシラーゼ65(GAD65)ワクチン、単独のまたはダクリズマブと併用するミコフェノール酸モフェチル、抗CD20作用物質、リツキシマブ、キャンパス−1H(抗CD52抗体)、リソフィリン、抗胸腺細胞グロブリン(ATG)、ビタミンD、合成で、膵臓ベータ細胞破壊を妨げるために設計されたインスリンの代謝的に不活性な形態であるIBC−VSOワクチン、インターフェロン−アルファ、ならびにCD4CD25抗原特異的調節性T細胞を使用するワクチンからなる群から選択される。これらまたは同様の薬剤は、直接またはインスリン産生細胞の破壊を阻止する免疫療法の使用を通して、調節性T細胞を利用する本発明によって提供される併用療法において使用することができる。
【0111】
本発明の別の実施形態では、膵臓機能傷害に関連する病態の処置を必要とする対象において膵臓機能傷害に関連する病態を処置するための方法であって、最適化15アミノ酸ハムスターReg3ガンマペプチドの投与が提供される結果として、膵臓機能傷害に関連する病態の少なくとも1つの症状が処置されるまたは低下する方法が提供される。この実施形態の一態様では、症状が、低いレベルのインスリンまたはインスリン活性、インスリン抵抗性、高血糖症、6.0%を超えるヘモグロビンA1Cレベル、頻繁な排尿、過度の口渇、極度の空腹、普通でない体重減少または増加、過体重、疲労の増加、過敏性、霧視、生殖器のかゆみ、変なうずきおよび痛み、乾燥した口、乾燥肌または敏感肌、インポテンス、膣酵母感染、切り傷およびすり傷の治癒不良、過剰なまたは普通でない感染、血糖コントロールの損失または悪化、血中グルコースにおける増減、血液グルカゴンにおける増減、ならびに血液トリグリセリドにおける増減から選択され、高血糖症は、微小血管および大血管合併症に最終的に至り、これは、失明に至る視覚的な症状、透析および腎臓移植を必要とする腎不全に至り得る進行性腎障害、ならびに足潰瘍および切断に至るニューロパシーを含む。そのうえ、最近の研究は、血糖コントロールを改善した1型糖尿病患者の間での微小血管および大血管/心血管系の両方で危険性の低下を実証した。
【0112】
別の実施形態では、膵臓機能傷害に関連する病態の処置を必要とする対象において膵臓機能傷害に関連する病態を処置するための方法が提供される。膵臓機能傷害に関連する病態は、1型糖尿病、新たに発症した1型糖尿病、2型糖尿病、成人潜在性自己免疫糖尿病、糖尿病前症、空腹時血糖異常、耐糖能異常、インスリン抵抗性症候群、メタボリックシンドローム/代謝異常症候群、過体重、肥満、高脂血症、高トリグリセリド血症、摂食障害、無排卵性周期、および多嚢胞性卵巣症候群のうちのいずれか1つである。
【0113】
本発明の実施形態はまた、最適化15アミノ酸Reg3ガンマペプチドに選択的に結合する抗体をも提供する。一実施形態では、抗体が、モノクローナル抗体である。別の実施形態では、抗体が、ポリクローナル抗体である。そのような抗体は、哺乳動物の血清または組織において最適化アミノ酸ハムスターReg3ガンマペプチド15レベルを検出するステップを含む本発明によって提供される診断方法において使用することができる。一実施形態では、診断方法は、治療有効レベルがそのような療法を受けている患者において実現されていることを確実にするために、最適化15アミノ酸Reg3ハムスターガンマペプチドによる処置をモニターするために使用される。
【0114】
本発明の実施形態はまた、1型もしくは2型糖尿病または異常なインスリンレベル、グルコース代謝もしくはインスリン抵抗性における混乱がある他の状態を有する患者を処置するためのキットであって、治療有効用量の15アミノ酸最適化ハムスターReg3ガンマペプチドおよび任意選択で、同じまたは別々のパッケージ中の、GLP−1受容体を刺激するまたはGLP−1レベルを増強する、ベータ細胞再生、満腹の増加、食物摂取量の減少、および体重減少を促進するための少なくとも1つの薬剤、ならびにその使用のための説明書を含むキットをも提供する。さらなる実施形態は、サンプル中の最適化ハムスターReg3ガンマレベルを測定するためのキットであって、最適化ハムスターReg3ガンマ特異的抗体および任意選択で最適化ハムスターReg3ガンマおよび任意選択で標識手段を含むキットを提供する。
【0115】
本発明の実施形態は、治療剤としての使用の改善のための15アミノ酸ハムスターReg3ガンマの安定性および溶解度を最適化するための詳細な戦略を提供し、ハムスタータンパク質再生島由来3ガンマタンパク質のペプチド断片である。本発明の実施形態はまた、医薬組成物ならびにそのような組成物による1型および2型糖尿病を含む膵臓機能不全の処置のための療法をも提供する。一実施形態では、これらの組成物が、最適化15アミノ酸ハムスターReg3ガンマを含む。別の実施形態では、これらの組成物が、最適化ハムスターReg3ガンマおよびグルコース代謝に影響を与える他の薬剤を含む。これらの他の薬剤の中に、膵島新生に関与する薬剤および膵島細胞を標的にする自己免疫性の細胞を阻害する、ブロックする、または破壊する薬剤が含まれる。一実施形態では、本発明の療法が、そのような療法を必要とする哺乳動物への治療有効用量のハムスター最適化Reg3ガンマペプチドの投与によって実施される。別の実施形態では、本発明の療法が、GLP−1、GIP、GLP−1受容体アナログ、GLP−1アナログなどのような、ベータ細胞再生、満腹、および胃排出に関与するホルモンまたは化合物ならびにGLP−1の破壊を妨げるジペプチジルペプチダーゼ−4阻害剤ならびに膵臓細胞を標的にする自己免疫性の細胞を阻害する、ブロックする、または破壊する薬剤を含むが、これらに限定されない、グルコース代謝に影響を与える別の薬剤(ホルモンまたは化合物など)と組み合わせた、そのような療法を必要とする哺乳動物への治療有効用量のハムスター最適化Reg3ガンマペプチドの投与によって実施される。この後者の実施形態では、最適化ハムスターReg3ガンマおよび別の薬剤が、別々に投与されてもよいまたは本発明の併用組成物を提供するために最初に混合され、同時に投与されてもよい。
【0116】
例示的な組成物は、静脈内注射のためのバイアル中100mgの最適化ブロックReg3ガンマペプチド(配列番号2)を含む。バイアルは、マンニトール(600mg)、L−トレオニン(160mg)、ポリソルベート80(120mg)、クエン酸ナトリウム二水和物(235mg)、および塩酸(160mg)を含む非活性成分を含有する。41mL注射用滅菌水により還元される場合、結果として生じる溶液は、2.5mg/mlの最適化Reg3ガンマペプチド(配列番号2)を含有するであろう。
【0117】
別の例示的な組成物は、100mLの乳酸加リンガー液中250mgの最適化Cys N−末端Reg3ガンマペプチド(配列番号3)を含み、2.5mg/mlの最適化Reg3ガンマペプチド(配列番号3)の溶液を提供する。
【0118】
別の例示的な組成物は、0.9%塩化ナトリウム中100mLの5%デキストロース中に200mgの最適化Cys二量体Reg3ガンマペプチド(配列番号4)を含み、2.0mg/ml最適化Reg3ガンマペプチド(配列番号4)の溶液を提供する。
【0119】
別の例示的な組成物は、0.9%塩化ナトリウム中に1000ml中500mgの最適化Cysブロック二量体Reg3ガンマペプチド(配列番号5)を含み、0.5mg/ml最適化Reg3ガンマペプチド(配列番号5)の溶液を提供する。
【0120】
別の例示的な組成物は、ゼラチンカプセル中に密封された1ml MIGLYOL 810中100mgの最適化Cys PEG Reg3ガンマペプチド(配列番号6)を含む。
【0121】
別の例示的な組成物は、ゼラチンカプセル中に密封された1ml LABRAFAC CC中100mgの最適化CysブロックPEG Reg3ガンマペプチド(配列番号7)を含む。
【0122】
別の実施形態では、本発明は、免疫寛容剤と組み合わせられた少なくとも1つの最適化Reg3ガンマペプチドを含む併用製品を提供する。併用製品は、1型および2型糖尿病、糖尿病前症、またはインスリン欠乏症、ベータ細胞欠乏症、インスリン抵抗性、および糖代謝傷害の疾患において使用されてもよい。ある例示的な組成物は、50mlの蒸留水中に100mg Reg3ガンマペプチド(配列番号1)および5gシクロスポリンを含み、2mg/ml Reg3ガンマペプチド(配列番号1)および100mg/mlシクロスポリンの溶液を提供する。
【0123】
別の例示的な組成物は、50mlの0.9% NaCl中に100mg Reg3ガンマペプチド(配列番号1)および5gシクロスポリンを含み、2mg/ml Reg3ガンマペプチド(配列番号1)および100mg/mlシクロスポリンの溶液を提供する。
【0124】
別の例示的な組成物は、50mlの0.9% NaCl中に150mg最適化ブロックReg3ガンマペプチド(配列番号2)および5gシクロスポリンを含み、3mg/ml最適化Reg3ガンマペプチド(配列番号2)および100mg/mlシクロスポリンの溶液を提供する。
【0125】
別の例示的な組成物は、50mlの0.9% NaCl中に200mg最適化Reg3ガンマペプチド(配列番号3)および5gシクロスポリンを含み、4mg/ml最適化Reg3ガンマペプチド(配列番号3)および100mg/mlシクロスポリンの溶液を提供する。
【0126】
別の例示的な医薬組成物は、50mlの0.9% NaCl中に250mg Cys二量体Reg3ガンマペプチド(配列番号4)および5gシクロスポリンを含み、5mg/ml最適化Reg3ガンマペプチド(配列番号4)および100mg/mlシクロスポリンの溶液を提供する。
【0127】
別の例示的な医薬組成物は、50mlの乳酸リンガー中に150mg Cysブロック二量体Reg3ガンマペプチド(配列番号5)および5gシクロスポリンを含み、3mg/ml最適化Reg3ガンマペプチド(配列番号5)および100mg/mlシクロスポリンの溶液を提供する。
【0128】
別の例示的な医薬組成物は、50mlの0.9%乳酸リンガー中に200mg Cys PEG Reg3ガンマペプチド(配列番号6)および5gシクロスポリンを含み、4mg/ml最適化Reg3ガンマペプチド(配列番号6)および100mg/mlシクロスポリンの溶液を提供する。
【0129】
別の例示的な医薬組成物は、50mlの乳酸リンガー中に250mg CysブロックPEG Reg3ガンマペプチド(配列番号7)および5gシクロスポリンを含み、5mg/ml最適化Reg3ガンマペプチド(配列番号7)および100mg/mlシクロスポリンの溶液を提供する。
【0130】
本発明の別の例示的な医薬組成物は、増量剤としてのラクトースと共に硬ゼラチンカプセル中に密封された60mg Reg3ガンマペプチド(配列番号1)および100mgシクロスポリンを含む。
【0131】
本発明の他の例示的な医薬組成物は、軟ゼラチンカプセル中に密封された50mg ブロックReg3ガンマペプチド(配列番号2)、100mgシクロスポリン、PEG−8カプリル/カプリングリセリドである、QS〜1mlの薬学的に許容され得るキャリヤLABRASOL(Gattefosse SA)を含む。
【0132】
本発明の他の例示的な医薬組成物は、硬ゼラチンカプセル中に密封された100mg N−末端Cys Reg3ガンマペプチド(配列番号3)、50mgシクロスポリン、QS〜1mlの薬学的に許容され得るキャリヤMiglyol 812N(中鎖トリグリセリド)を含む。
【0133】
本発明の他の例示的な医薬組成物は、軟ゼラチンカプセル中に密封された75mg Cys二量体Reg3ガンマペプチド(配列番号4)、100mgシクロスポリン、およびアルコール、USP、無水、12.7% v/vを含む。
【0134】
別の例示的な医薬組成物は、経口溶液であり、1ml毎に、経口投与の前にミルク、チョコレートミルク、またはオレンジジュースによりさらに希釈されなければならないオリーブ油、Ph.Helv./Labrafil M 1944 CS(ポリオキシエチル化オレイン酸グリセリド(polyoxyethylated oleic glyceride))ビヒクル中に溶解された50mg Cysブロック二量体Reg3ガンマペプチド(配列番号5)、100mgシクロスポリン、アルコール、Ph.Helv. 12.5容量%を含有する。
【0135】
別の例示的な医薬組成物は、経口懸濁剤であり、1ml毎に、3mg Cys PEG Reg3ガンマペプチド(配列番号6)および5mgシクロスポリン、QS〜1ml 8.4%重炭酸ナトリウム(水溶液)を含有する。
【0136】
他の例示的な組成物は、増量剤などのような薬学的に許容され得るキャリヤ(たとえばサッカリド、セルロース調製物、および/またはリン酸カルシウム)を含む、丸剤に製剤された30mg CysブロックPEG Reg3ガンマペプチド(配列番号7)および50mgシクロスポリンである。
【0137】
本発明の他の例示的な医薬組成物は、軟ゼラチンカプセル中に密封された50mgヒトReg3ガンマペプチド(配列番号1)、100mgシクロスポリン、およびアルコール、USP、無水、12.8% v/vを含む。
【実施例】
【0138】
実施例1
1型糖尿病患者の間でインスリン非依存性のためにシクロスポリンと共に使用される最適化ハムスターReg3ガンマペプチド
免疫寛容剤(たとえば、シクロスポリンは、朝食および夕食時に分割投与でならびにピークおよびトラフレベルに基づいて7.5mg/kg/日で最初に投薬され、投薬量は、免疫寛容を最適化し、副作用を制限するために変更されるであろう)の66ポンド以下の体重の11歳未満の子供ついて、皮下に与えられ2回に分けて与えられる1日当たり30mg(投薬当たり15mg)で投薬される最適化ハムスターReg3ガンマ(配列番号2〜7のそれぞれ)との併用。11歳より上の、体重が66ポンドを超える子供については、最適化ハムスターReg3ガンマ(配列番号2〜7のそれぞれ)は、1日当たり60mgとして投薬され、それぞれ30mgの2回に分けられる投薬で皮下に与えられるであろう。外因性インスリン投薬量は、注射によるものであってもポンプによるものであっても、食事前および絶食時のグルコースレベルに基づいて、減少させ、次第に減らすことができる。インスリンを低下させる際になされる変更は、食後2時間のグルコースレベルが食事の前に与えられるインスリンを反映するが、おそらく前の食事時のインスリンの投薬を反映するであろう高いまたは低い食前グルコースレベルを有する患者と比較して、患者が、基本インスリンによって一般に影響を与えられる、高いまたは低い絶食グルコースレベルを示すかどうかに基づいてなされるであろう。
【0139】
実施例2
2型糖尿病の間でインスリン非依存性のために使用される最適化ハムスターReg3ガンマペプチド
66ポンド以下の体重の11歳未満の子供ついておよび11歳より上の66ポンドを超える子供について、1日当たりに与えられる30ミリグラムの最適化Reg3ガンマペプチド(配列番号2〜7のそれぞれ)は、皮下に与えられ、2回に分けて与えられるであろう(投薬当たり15mg)。最適化ハムスターReg3ガンマペプチド(配列番号2〜7のそれぞれ)は、インスリン非依存性をもたらすために、1日当たり60mgとして投薬され、それぞれ30mgの2回に分けられた投薬で皮下に与えられるであろう。成人については、最適化ハムスターReg3ガンマペプチドは、インスリン非依存性をもたらすために、毎日皮下に2回、60mgとして与えられるであろう。外因性インスリン投薬量は、注射によるものであってもポンプによるものであっても、食事前および絶食時のグルコースレベルに基づいて、減少させる。外因性インスリン投薬量は、注射によるものであってもポンプによるものであっても、食事前および絶食時のグルコースレベルに基づいて、減少させ、次第に減らすことができる。インスリンを低下させる際になされる変更は、食後2時間のグルコースレベルが食事の前に与えられるインスリンを反映するが、おそらく前の食事時のインスリンの投薬を反映するであろう高いまたは低い食前グルコースレベルを有する患者と比較して、患者が、基本インスリンによって一般に影響を与えられる、高いまたは低い絶食グルコースレベルを示すかどうかに基づいてなされるであろう。
【0140】
グルコースレベルに基づいて、スルホニル尿素、メトホルミン、メグリチニド、GLP−1受容体アナログ、DPP−4阻害剤、チアゾリジンジオン、SGLT2阻害剤、抗炎症剤、およびプラムリンチドなどのような他の糖尿病治療薬もまた、グルコースレベルおよびヘモグロビンA1Cに基づいて、次第に減らされてもよい。メトホルミン、チアゾリジンジオン、SGLT2阻害剤は、基本グルコース低下剤として働くのに対して、スルホニル尿素、GLP−1受容体アナログ、DPP−4阻害剤、メグリチニドは、食後グルコースレベルを低下させるように働き、したがって、これらの作用物質を低下させる際になされる変更は、患者が、おそらく前の食事前の糖尿病薬の投薬の下で反映するであろう高いまたは低い食前グルコースレベルを有することと比較して、患者が、一般に基本の作用物質によって影響を与えられる高いまたは低い絶食グルコースレベルを示すかどうかに基づくであろう。
【0141】
実施例3
2型糖尿病の間で糖尿病医薬品必要量を低下させるために使用される最適化ハムスターReg3ガンマペプチド
最適化ハムスターReg3ガンマペプチド(配列番号2〜7のそれぞれ)は、インスリン非依存性をもたらすために、66ポンド以下の体重の11歳未満の子供については、1日当たり30mgで投薬され、2回に分けて与えられ(投薬当たり15mg)、11歳より上の、66ポンドを超える子供については、最適化ハムスターReg3ガンマペプチド(配列番号2〜7のそれぞれ)は、1日当たり60mgとして投薬され、皮下に30mgの2回に分けられた投薬で与えられるであろう。成人については、最適化ハムスターReg3ガンマペプチド(配列番号2〜7のそれぞれ)は、皮下注射によって毎日2回、60mgとして与えられるであろう。1つのカプセル/丸剤でまたは1つの経口懸濁剤で分割投与で与えられる最適化ハムスターReg3ガンマペプチド(配列番号2〜7のそれぞれ)は、利用される他の糖尿病医薬品の投薬量を減少させる必要性をもたらしてもよく、そのような医薬品は、場合によって、次第に減らされてもよい。医薬品は、スルホニル尿素、メトホルミン、メグリチニド、GLP−1受容体アナログ、DPP−4阻害剤、チアゾリジンジオン、SGLT2阻害剤、抗炎症剤、およびプラムリンチドを含み、また、グルコースレベルおよびヘモグロビンA1Cに基づいて次第に減らされてもよい。メトホルミン、チアゾリジンジオン、SGLT2阻害剤は、基本グルコース低下剤として働くのに対して、スルホニル尿素、GLP−1受容体アナログ、DPP−4阻害剤、メグリチニドは、食後グルコースレベルを低下させるように働き、したがって、これらの作用物質を低下させる際になされる変更は、患者が、おそらく前の食事前の糖尿病薬の投薬の下で反映するであろう高いまたは低い食前グルコースレベルを有することと比較して、患者が、一般に基本の作用物質によって影響を与えられる高いまたは低い絶食グルコースレベルを示すかどうかに基づくであろう。糖尿病薬レジメンに対してなされる変更は、基本または食後作用物質を調節するための患者グルコースレベルおよびその必要性が生じるかどうかに基づいてなされるであろう。
【0142】
実施例4
薬剤未治療2型糖尿病のために使用される最適化ハムスターReg3ガンマペプチド
最適化ハムスターReg3ガンマペプチド(配列番号2〜7のそれぞれ)は、66ポンド以下の体重の11歳未満の子供については、1日当たり30mg(投薬当たり15mg)で投薬され、2回に分けて与えられる。11歳より上の、66ポンドを超える子供については、最適化ハムスターReg3ガンマペプチド(配列番号2〜7のそれぞれ)は、インスリン非依存性をもたらすために、1日当たり60mgとして投薬され、それぞれ30mgの2回に分けられた投薬で与えられるであろう、また、皮下に送達されてもよい。成人については、最適化ハムスターReg3ガンマペプチドは、丸剤または経口懸濁剤で経口で毎日2回、60mgで与えられるであろう。1つのカプセル/丸剤でまたは1つの経口懸濁剤で分割投与で与えられる最適化ハムスターReg3ガンマペプチド(配列番号2〜7のそれぞれ)は、絶食グルコースレベルおよびヘモグロビンA1Cレベルによって測定されるように血中グルコースの正常化をもたらす。現在糖尿病のために薬物治療を受けていない、新しく診断されたまたは以前に診断された2型糖尿病患者の間で、最適化ハムスターReg3ガンマペプチド(配列番号2〜7のそれぞれ)は、正常な範囲のグルコースレベルおよびヘモグロビンA1Cのプライマリーエンドポイントを有する2型糖尿病を有する患者の間で利用され、グルコース目標は、食事前100mg/dLの範囲および食事の2時間後140mg/dLとなるであろう。
【0143】
実施例5
ベータ細胞のエクスビボにおける生成のために使用され、かつインスリン非依存性のためにシクロスポリンと共に不安定1型を有する患者に提供され、かつ免疫寛容剤を必要とせずインスリン非依存性のために2型糖尿病を有する患者に提供される最適化ハムスターReg3ガンマペプチド
最適化ハムスターReg3ガンマペプチド(配列番号2〜7のそれぞれ)および/またはヒトReg受容体に結合する薬剤を、胚性細胞、成人体性幹細胞、ヒト成人骨髄由来幹細胞、臍帯幹細胞、間葉系幹細胞、ヒト羊膜由来間葉細胞、哺乳動物幹細胞、哺乳動物幹細胞、外胚葉幹細胞、または他の幹細胞および成人の膵臓内に存在する内因性幹細胞の常在性の集団を含んでいてもよい多能性幹細胞からの新しいベータ細胞のエクスビボにおける形質転換のために使用する。新たなベータ細胞は、次いで、新たなおよび既存の1型および2型糖尿病、糖尿病前症、またはインスリン欠乏症、ベータ細胞欠乏症、インスリン抵抗性、および糖代謝傷害の疾患を有する患者に、器官特異的なターゲティングありおよびなしの、門脈および臍静脈、経口、静脈内、皮下送達を含むが、これらに限定されず、膵臓または肝臓への直接的な投与を含んでいてもよい送達のルートにより、投与される。エクスビボにおいて製剤されたベータ細胞を受ける患者は、新しく受けたベータ細胞の自己免疫性の攻撃を妨げるために免疫寛容剤を必要とするであろう。たとえば、患者は、効能を最適化し、副作用の危険性を低下させるためにピークおよびトラフレベルに基づいて調節されるシクロスポリンの投薬量と共にエクスビボにおいて生成されたベータ細胞を受ける前に、分割投与で7.5mg/kg/日のシクロスポリンを受けるであろう。
【0144】
開示される本発明は、糖尿病の処置において有益であろう。
【国際調査報告】