特表2017-517721(P2017-517721A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-517721コンベヤベルトを使用する計量システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-517721(P2017-517721A)
(43)【公表日】2017年6月29日
(54)【発明の名称】コンベヤベルトを使用する計量システム
(51)【国際特許分類】
   G01G 11/00 20060101AFI20170602BHJP
   B65G 17/08 20060101ALI20170602BHJP
   B65G 15/32 20060101ALI20170602BHJP
   G01G 3/16 20060101ALI20170602BHJP
   G01G 3/15 20060101ALI20170602BHJP
   G01G 3/00 20060101ALI20170602BHJP
【FI】
   G01G11/00 E
   B65G17/08
   B65G15/32
   G01G3/16
   G01G3/15
   G01G3/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-562249(P2016-562249)
(86)(22)【出願日】2015年3月19日
(85)【翻訳文提出日】2016年11月14日
(86)【国際出願番号】US2015021536
(87)【国際公開番号】WO2015160469
(87)【国際公開日】20151022
(31)【優先権主張番号】14/253,577
(32)【優先日】2014年4月15日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】508181663
【氏名又は名称】レイトラム,エル.エル.シー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】クレチェウスキー,ラズロ
【テーマコード(参考)】
3F024
3F034
【Fターム(参考)】
3F024AA09
3F024CA04
3F024CB02
3F034CA01
3F034CA05
3F034CB00
(57)【要約】
コンベヤベルト上を搬送される物品を計量するためのコンベヤベルトおよび計量システム。ベルトは、ベルトの搬送表面に対して垂直な力を計測するためにベルトに埋設された力感受性要素の配列を含む。力感受性要素は、コンデンサおよび誘導コイルをそれぞれが含む受動的共振回路の一部を形成する。コンデンサまたは誘導コイルのどちらかが力感受性要素であり得る。ベルトの外側の計測回路は発振器を含み、発振器は、ベルトが近くを通過するときベルト内の共振回路と誘導結合するコイルを有する。力感受性要素でベルトに適用される力は、その共振回路の共振周波数を変化させ、それはまた、発振器の周波数も変化させる。計測回路の周波数検出器は、その周波数変化を計測し、それを、搬送物品の重量を計算するために使用される比例した力の値に変換する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側表面を有するベルト本体と、
前記ベルト本体内の各位置に配置された複数の受動的共振回路と
を含むコンベヤベルトであって、
前記受動的共振回路のそれぞれが共振周波数を有し、および、
力感受性要素であって、前記力感受性要素に適用される力の関数として前記受動的共振回路の前記共振周波数を変化させる力感受性要素を含む
ことを特徴とするコンベヤベルト。
【請求項2】
請求項1に記載のコンベヤベルトにおいて、前記受動的共振回路のそれぞれが、
コンデンサと、
前記コンデンサに電気的に接続された誘導コイルとを含み、
前記誘導コイルおよび前記コンデンサの一方が前記力感受性要素である
ことを特徴とするコンベヤベルト。
【請求項3】
請求項2に記載のコンベヤベルトにおいて、前記力感受性要素が、適用される前記力の関数として変化する静電容量を有する前記コンデンサであり、それによって、静電容量の前記変化が、前記受動的共振回路の前記共振周波数を変化させることを特徴とするコンベヤベルト。
【請求項4】
請求項3に記載のコンベヤベルトにおいて、前記コンデンサが、第1のプレートおよび第2のプレートを有し、前記第1のプレートおよび前記第2のプレートは、前記第1のプレートに力が適用されていないとき公称距離だけ離され、および前記第1のプレートおよび前記第2のプレートは、力が前記第1のプレートに適用されるとき、より短い第2の距離だけ離されることを特徴とするコンベヤベルト。
【請求項5】
請求項3に記載のコンベヤベルトにおいて、前記コンデンサが上側プレートおよび下側プレートを有し、前記コンデンサにかかる下向きの力が、前記上側プレートを下方へ前記下側プレートの方へ移動することを特徴とするコンベヤベルト。
【請求項6】
請求項3に記載のコンベヤベルトにおいて、前記コンデンサが上側プレートおよび下側プレートを有し、前記上側プレートおよび前記下側プレートの両方が、前記ベルト本体の前記上側表面と平行であることを特徴とするコンベヤベルト。
【請求項7】
請求項3に記載のコンベヤベルトにおいて、前記コンデンサが、第1のプレートおよび平行な第2のプレートを有し、前記第1のプレートおよび前記平行な第2のプレートは、前記第1のプレートに力が適用されていないとき前記第1および第2のプレート間にある領域を画定し、前記第1のプレートは、力が前記第1のプレートに適用されるとき前記第2のプレートに対して位置を変え、前記第1および第2のプレート間の前記領域を変化させることを特徴とするコンベヤベルト。
【請求項8】
請求項3に記載のコンベヤベルトにおいて、前記コンデンサが第1のプレートおよび平行な第2のプレートを有し、前記第1のプレートおよび前記平行な第2のプレートの両方が、前記ベルト本体の前記上側表面に対して垂直であることを特徴とするコンベヤベルト。
【請求項9】
請求項3に記載のコンベヤベルトにおいて、前記コンデンサが、第1の固定プレートと、力が前記コンデンサに適用されるとき前記第1のプレートに対して移動する移動可能な第2のプレートとを有することを特徴とするコンベヤベルト。
【請求項10】
請求項2に記載のコンベヤベルトにおいて、前記力感受性要素が、適用される前記力の関数として変化するインダクタンスを有する前記誘導コイルであり、それによって、インダクタンスの前記変化が、前記受動的共振回路の前記共振周波数を変化させることを特徴とするコンベヤベルト。
【請求項11】
請求項10に記載のコンベヤベルトにおいて、前記誘導コイルに適用される力が、前記誘導コイルの長さ、形状または断面積の少なくとも1つを変化させ、前記誘導コイルの前記インダクタンスを変化させることを特徴とするコンベヤベルト。
【請求項12】
請求項10に記載のコンベヤベルトにおいて、前記誘導コイルが磁性コアを含み、前記磁性コアは、前記誘導コイルに適用された力が前記磁性コアの前記誘導コイル内への侵入深さおよび前記誘導コイルの前記インダクタンスを変化させるように移動可能であることを特徴とするコンベヤベルト。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか1項に記載のコンベヤベルトにおいて、前記各位置のそれぞれにおいて前記ベルト本体の前記上側表面に凸状突起をさらに含み、前記凸状突起上に支持される搬送物品の重量が、前記凸状突起および前記ベルト本体を介して前記力感受性要素に伝達されることを特徴とするコンベヤベルト。
【請求項14】
コンベヤベルトであって、
上面側およびその反対の底面側と、
前記コンベヤベルトの各位置に配置された複数の受動的共振回路であって、前記受動的共振回路のそれぞれが、共振周波数を有し、および、
力感受性要素であって、誘導コイルに電気的に接続され、かつ前記上面上の搬送物品から前記力感受性要素へ適用される力の関数として前記受動的共振回路の前記共振周波数を変化させる力感受性要素、
を含む複数の受動的共振回路と、
前記コンベヤベルトの前記底面側の近くに配置された複数の計測回路であって、前記計測回路のそれぞれが、
公称周波数で発振する発振器であって、前記コンベヤベルトが通過するとき第1誘導コイルに近い前記受動的共振回路の1つに前記発振器を誘導結合する第1誘導コイルを有する発振器、
を含む複数の計測回路と
を含むコンベヤベルトを含む計量システムにおいて、
前記コンベヤベルトの前記上面側の搬送物品によって前記力感受性要素に適用される力の関数として、前記受動的共振回路の前記共振周波数の変化が、前記発振器の周波数をその公称周波数から変化させる
ことを特徴とする計量システム。
【請求項15】
請求項14に記載の計量システムにおいて、前記受動的共振回路のそれぞれが、
コンデンサと、
前記コンデンサに電気的に接続された第2の誘導コイルとを含み、
前記第2の誘導コイルおよび前記コンデンサの一方が前記力感受性要素である
ことを特徴とする計量システム。
【請求項16】
請求項14に記載の計量システムにおいて、前記複数の計測回路のそれぞれが、前記発振器の周波数を決定しその決定された周波数を重量計測値に変換する周波数検出器を含むことを特徴とする計量システム。
【請求項17】
請求項16に記載の計量システムにおいて、前記周波数検出器が周波数カウンタであることを特徴とする計量システム。
【請求項18】
請求項16に記載の計量システムにおいて、前記周波数検出器がスペクトル分析器であることを特徴とする計量システム。
【請求項19】
請求項14に記載の計量システムにおいて、前記力感受性要素が、静電容量を有するコンデンサであり、前記静電容量は、適用される前記力の関数として変化し、前記受動的共振回路の前記共振周波数を変化させることを特徴とする計量システム。
【請求項20】
請求項19に記載の計量システムにおいて、前記コンデンサが、固定プレートと、適用される前記力に応じて前記第1のプレートに対して移動し、前記コンデンサの前記静電容量を変化させる可動プレートとを有することを特徴とする計量システム。
【請求項21】
請求項14に記載の計量システムにおいて、前記力感受性要素が、インダクタンスを有するインダクタであり、前記インダクタンスは適用される前記力の関数として変化し、前記受動的共振回路の前記共振周波数を変化させることを特徴とする計量システム。
【請求項22】
請求項21に記載の計量システムにおいて、前記インダクタに適用される力が、前記インダクタの長さ、形状または断面積の少なくとも1つを変化させ、前記インダクタの前記インダクタンスを変化させることを特徴とする計量システム。
【請求項23】
請求項14乃至22の何れか1項に記載の計量システムにおいて、前記受動的共振回路が、前記コンベヤベルトの長さに沿って延在する列の中に配置され、前記計測回路が前記コンベヤベルトの下の行および列の中に配置されることを特徴とする計量システム。
【請求項24】
請求項14乃至22の何れか1項に記載の計量システムにおいて、前記複数の受動的共振回路が第2の誘導コイルを有し、前記第2の誘導コイルが前記ベルトの前記底面側の近くに存在し、前記第1の誘導コイルが前記ベルトの前記底面側の近くに存在し、誘導結合を改善することを特徴とする計量システム。
【請求項25】
請求項14乃至22の何れか1項に記載の計量システムにおいて、前記コンベヤベルトがさらに、前記各位置のそれぞれにおいて前記コンベヤベルトの前記上面側に凸状突起を含み、前記凸状突起上に支持される搬送物品の重量が、前記凸状突起および前記コンベヤベルトを介して前記力感受性要素に伝達されることを特徴とする計量システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して動力駆動式コンベヤに関し、詳細には、搬送される物品をその場で計量するためにコンベヤベルトに埋設された力感受性要素を有するコンベヤシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一部の使用では、各物品をコンベヤベルト上で搬送している間にそれらを別々に計量しなければならない。従来のコンベヤベルトシステムは、搬送される物品を最初に単体化し、その結果、ベルトがその上を通過する計量ステーションでそれらを連続的に計量できるようにする。物品を単一ファイルの中に押し込むために、単体化コンベヤセクションを計量ステーションの上流でコンベヤに挿入しなければならない。単体化セクションをコンベヤシステムに加えることは、コンベヤレイアウトの長さを増大し、搬送表面の有用な幅を低減する。2000年9月14日に公開された特開2000−249591A号公報は、チェーン上で単一ファイルに取り付けられた荷重検出ユニット内のロードセルを記載している。および、2013年2月28日に公開された国際公開第2013/028378A2号パンフレットは、その長さおよび幅に沿って分散されたロードセルを有するコンベヤベルトを記載している。しかしこれらシステムの両方は、ロードセルおよび関連する電子装置に電力を供給するためにベルトまたはチェーン上または内に配置される電源およびトランスミッタを必要とする。
【発明の概要】
【0003】
本発明の特徴を具現化するコンベヤベルトの一形態はベルト本体を有し、ベルト本体は上側表面と、ベルト本体内の各位置に配置された複数の受動的共振回路とを有する。受動的共振回路のそれぞれは共振周波数を有し、および力感受性要素を含む。力感受性要素は、力感受性要素に適用される力の関数として受動的共振回路の共振周波数を変化させる。
【0004】
本発明の別の態様において、本発明の特徴を具現化する計量システムは、コンベヤベルトと、コンベヤベルトの底面側の近くの多数の計測回路とを含む。コンベヤベルトは、コンベヤベルト上の各位置に配置された複数の受動的共振回路を含む。受動的共振回路のそれぞれは共振周波数を有し、および力感受性要素を含み、力感受性要素は、ベルトの上面側の搬送される物品から力感受性要素へ適用される力の関数として受動的共振回路の共振周波数を変化させる。計測回路のそれぞれは、公称周波数で発振する発振器を含む。各計測回路中の誘導コイルは、コンベヤベルトが通過するとき、誘導コイルの近くの受動的共振回路の1つに発振器を誘導結合する。受動的共振回路の共振周波数の変化は、コンベヤベルトの上面側の搬送される物品によって力感受性要素に適用される力の関数として、発振器の周波数をその公称周波数から変化させる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明のこれらの特徴および態様、ならびにその利点を、以下の記載、付随する請求項、および添付図面の中でより詳細に記載する。
【0006】
図1図1は、本発明の特徴を具現化するコンベヤベルトの一部の斜視図である。
図2図2は、図1のようなコンベヤベルトを使用するコンベヤシステムの等角図である。
図3図3は、部分的に切り取られた図2のコンベヤシステムの一部の上面図である。
図4図4は、線4−4に沿って取られかつ容量性力感受性要素を示す図3のコンベヤシステムの断面図である。
図5図5は、コンデンサを変形するように適用された下向きの力とともに示される図4のベルト部分の図である。
図6図6は、図2のコンベヤシステムで有用な分離ロードセルシステムのブロック図である。
図7図7は、図6のようなロードセルシステムの電気概略/ブロック図である。
図8図8は、図2のコンベヤシステムの概略上面図である。
図9図9Aおよび図9Bは、図3のようなコンベヤシステムのベルト部分の断面図であり、容量性力感受性要素の別の形態を、ベルトにかかる下向きに作用する力のない状態で示す。
図10図10Aおよび図10Bは、図3のようなコンベヤシステムのベルト部分の断面図であり、誘導性力感受性コイルを、ベルトにかかる下向きに作用する力のない状態で示す。
図11図11は、図10Bのような断面図であり、ここで、下向きに作用する力がベルトに作用するとき、コイルのコアがコイルのインダクタンスを変化させる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の特徴を具現化するコンベヤベルトの一形態の一部が、図1に示されている。コンベヤベルト10は、1つまたは複数のプラスチックベルトモジュール14の一連の行12から構成されたモジュール式プラスチックコンベヤベルトであり、1つまたは複数のプラスチックベルトモジュール14は、連続する行の間でヒンジジョイント18を形成する交互配置されるヒンジ要素17の中のヒンジロッド16またはピンによって端部同士がヒンジ式に接続される。ベルトモジュール14は、ポリプロピレン、ポリエチレン、アセタールまたは複合ポリマーなどの熱可塑性ポリマーから従来式に射出成形される。力感受性要素20が各位置においてコンベヤベルト10に埋設される。この形態では、力感受性要素は、各ベルト行12の幅を横切る行Rと、搬送方向22においてベルトの長さに沿った列Cとの二次元の配列に配置されている。このように、いずれの各力感受性要素20の位置も、PRCとして定めることができ、ここでRは行(または各ベルト行が力感受性要素の列を1つだけを有する場合、ベルト行)を表し、Cはベルトの一方の側から他方の側までの列を表す。所与のベルトの力感受性要素の行および列間の配列の密度すなわち間隔は、搬送される物品の寸法および形状の事前認識によって決定することができる。この形態では、各力感受性要素20は、ベルト10の外側搬送表面24に取り付けられる。力感受性要素は、カバー26によって保護されてもよく、カバー26は、搬送される物品の全重量が一群のカバーによって支持されるようにベルトの搬送表面24をわずかに上回る凸状突起を形成するようにドーム状に成形されてもよい。力感受性要素は、搬送表面24に対して垂直、すなわち直角である感知軸28を有し、ベルトの力感受性要素の位置で搬送表面に対して直角に適用される力を計測する。
【0008】
コンベヤベルト10は、図2において計量システム30の中で示されている。コンベヤベルトは、上側運搬経路32に沿って搬送方向22に前進する。エンドレスベルトは、シャフト36に取り付けられた駆動およびアイドルスプロケットの組34、35の周囲に巻き付けられ、シャフト36の端部は、ベアリングブロック38に支持される。駆動シャフトに結合された駆動モータ40は駆動スプロケット34を回転させ、駆動スプロケット34はベルトの下側と係合し、ベルトを上側運搬経路32に沿って搬送方向22に駆動する。ベルトは下側戻り経路42に沿って戻る。ローラ44が、戻り経路においてベルトを支持し、最大弛度を低減する。
【0009】
図3に示されるように、コンベヤベルト10は、摩耗ストリップ50の上で運搬経路に沿って支持される。力感受性要素20の起動回路52がハウジング54の中に収容され、ハウジング54の上側表面は、摩耗ストリップ50の上面のレベルであるかそれをわずかに下回る。起動回路52は、コンベヤベルト10の力感受性要素20の列Cと整列された列に配置される。
【0010】
1つのベルト行の断面が図4に示されている。プラスチックベルトモジュール55に埋設されているのは、上側プレート58と下側プレート59とを有するコンデンサ56である。2つのプレートは、互いに平行に、およびベルト上に物品がないベルトの上側搬送表面24と平行に示される。プレートは、ベルトの底面側25近くのボビン62の周囲に巻かれた誘導コイル60の両側の端部に電気的に結合される。コンデンサは受動的な高Q共振回路61を形成するように誘導コイル60を横切って電気的に接続される。外側起動回路52は、発振器と、通り過ぎるベルトコイル60に誘導結合された起動コイル64とを含む。2つのコイルは、起動コイルがベルト内の受動的共振回路に誘導結合するのに十分な近さで配置される。起動コイル60はハウジング54内の電子装置66を支持するように接続される。
【0011】
図5に示されるように、カバー26の上にある搬送される物品の重量によって生成される力などの下向きの力Fが、コンデンサ56の上側プレート58を撓ませる、すなわち下方に移動させる。撓んだ上側プレート58と、剛性の固定された下側プレート59との間の間隔Sが低減すると、静電容量は比例して増大する。静電容量はプレート間の距離に反比例するためである。および上側プレートの移動は、適用される力Fに比例するので、静電容量は支持される物品によってカバー26に適用される力に比例する。従って、コンデンサ56は、図5の例における力感受性要素である。静電容量がわずかでも変化すると、誘導コイル60とコンデンサ56とによって形成された受動的L−C回路の共振周波数の変化が引き起こされる。一緒に、ベルト内の共振回路61と外側回路66内の発振器とが、ベルト内の検出回路部分とベルトの外側の計測回路部分とを備えた分散ロードセルを形成する。
【0012】
力感受性コンデンサの別の形態が、図9Aおよび9Bに示されている。この形態では、コンデンサ112のプレート110、111は、すなわちそれらプレートによって画定された面は、コンベヤベルトの上側表面24に対して概ね垂直である。第1のプレート110は垂直移動可能である一方、第2のプレート111は適所に確実に固定される。下向きの力が突起26に作用しないとき、2つのプレート110、111は、図9Aに示されるように互いに垂直にオフセットされる。図9Bのように、搬送される物品の重量によって下向きの力Fが適用されるとき、可動プレート110は下方114に移動し、2つのプレート間の領域を増大し、比例して静電容量を増大し、L−C回路の共振周波数を低減する。当然のことながら、2つのプレートは代替的に、力のない状態で垂直にオフセットされることなく平行に配置されてもよい。そのような設計では、下向きの力が、一方のプレートを他方に対して下方へ押し、オフセットを増大し、プレート間の領域を低減し、静電容量を低減し、L−C回路の共振周波数を増大し得る。図4のコンデンサ56と同様に、図9Aおよび図9Bのコンデンサ112は、誘導コイル60を横切って接続される。
【0013】
図10Aおよび10Bは、力感受性共振回路の別の形態を示す。この形態では、誘導コイルが力感受性要素である。コイル120は、受動的共振L−C回路を形成するために、固定静電容量コンデンサ122に電気的に接続される。下向きの力Fが突起26に適用されるとき、コイル120’は、図10Bに示されるように、バネのように圧縮される。コイルの低減された長さによりコイル120’のインダクタンスは増大し、L−C回路の共振周波数は低減する。コイルの断面を増大する下向きの力は、コイル120のインダクタンスも増大し得る。実際に、コイルの幾何学的形状における他の力によって誘導される変化は、そのインダクタンスおよび受動的L−C回路の共振周波数に影響を及ぼすことができる。
【0014】
図11は代替的な力感受性コイル124を示す。このコイルの形状は固定されるが、突起26上の下向きの力Fは、高透磁性を有する金属コア126を、コイル124の中へより深く押し下げる。コアの増大された侵入深さは、コイル124の透磁性およびインダクタンスを増大し、コイルおよび固定コンデンサ130によって形成されたL−C回路の共振周波数を低減する。代替的に、インダクタンスは、伝導リングを、コイルのより多くの巻きにより近づけるかそれを囲むように移動することによって、または伝導プレートをコイルのより近くに移動することによって、またはそれらの両方によって、増大することができる。当然のことながら、コア、プレートまたはリングは、コアの侵入を低減するかあるいはプレートまたはリングのコイルからの距離を増大するコンベヤベルト上の力の影響によりインダクタンスを低減しかつ共振周波数を増大するように、コイルに対して配置され得る。
【0015】
計量システムの1つのロードセルのブロック図が図6に示されている。ロードセルは、検出回路を形成する受動的共振回路61をベルト内に、および起動コイルを含む発振器68を外側ハウジング内に含む。コンベヤベルト内の検出回路は、ベルトに埋設された離散した電気構成要素から作製されてもよく、または、微小電気機械システム(MEMS)技術を用いてより小さく作製されてもよい。発振器は、ベルト内の共振回路61の共振周波数に近い周波数で共振するように設定される。共振回路が起動コイルの近くにあるとき、アンテナとして作用するこのコイルは、共振回路61を発振器68に誘導結合する。共振回路61と発振器68の相互作用は、共振回路の静電容量の変化に従って共振周波数を変化させる。発振器68の周波数は、周波数検出器70によって計測される。発振器および周波数検出器70は、分離されたロードセルの計測回路を形成し、電源72によって電力を供給される。発振器の周波数の変化は、コンデンサ56の下向きの力と比例する。周波数検出器の出力は重量に変換され、局所的または遠隔式にデータレコーダ74に記録される。
【0016】
より詳細な回路図が図7に示されている。受動的共振回路61はコンデンサ56とコイル60とを含み、コンデンサの静電容量は適用される力によって変化する。コイル60はインダクタンスLを有するインダクタであり、コンデンサ56は、適用される力の関数である静電容量Cを有する。コイルはまた、小型の直列抵抗を有する。ベルト内に電源は必要ない。共振周波数(ヘルツ)は、f=1/[2π(L1/2]によって与えられる。外側発振器68は、インダクタンスLを有する起動コイル64と、図7に示されない小型の抵抗とを含む。可変静電容量を有するトリマコンデンサ77と並列の固定静電容量を有するコンデンサ75が、起動コイル64の一端と大地との間に接続される。固定および可変コンデンサ75、77の組み合わされた静電容量は、Cである。コイル64の他端は、演算増幅器(オペアンプ)94の非反転入力部(+)に接続される。コイル64およびコンデンサ76、78の接合部は、オペアンプ94の反転入力部(−)に接続される。ポジティブフィードバックがオペアンプ94の出力部96をその非反転入力部(+)に接続することによって適用され、f=1/[2π(L1/2]によって与えられる公称発振器周波数に振動を維持する。トリマコンデンサ77は、公称発振器周波数を、すなわちベルト内の共振回路61から切り離されたときの発振器の周波数を、共振回路61の共振周波数fに近い値に設定するように調整される。
【0017】
オペアンプ94は、シングルエンドで作動され、ポジティブ電圧V(例えば+5Vdc)のその上側電圧レールおよび接地されたその下側電圧レールを有する。発振器68によって生成されたポジティブにバイアスされた正弦波形98が、発振器回路に負荷を与えないように高入力インピーダンスを有する緩衝増幅器として機能するエミッタフォロワオペアンプ100内で緩衝される。緩衝された発振器信号は、周波数カウンタに適用される。周波数カウンタは、アナログおよびデジタル論理回路によって、またはマイクロコントローラによって実現されてもよい。
【0018】
図7中、周波数検出器は、マイクロコントローラ71によって実現される。緩衝された発振器波形は、マイクロコントローラのアナログコンパレータのネガティブ入力部AIN1に適用される。ポジティブ入力部AIN0は、供給電圧Vを有する調整可能分圧器を形成するポテンチメータ102のワイパアームに接続される。ネガティブなコンパレータ入力部AIN1の発振器波形の増幅が、ポテンショメータによって設定されたポジティブなコンパレータ入力部AIN0の閾値電圧と交差するとすぐに、中断がマイクロコントローラ内で生じる。中断は、発振器波形のサイクル数を数えるカウンタの値を増加させるファームウェアのルーチンによって提供される。所定時間間隔内の合計サイクルカウントは、発振器周波数と比例する。サイクルカウントは、次の間隔の開始時にゼロにリセットされる。このように周波数検出器は、この例では周波数カウンタとして実現される。しかし、周波数を検出する他の方法が使用されてもよい。例えば、マイクロコントローラは、その周波数を抽出するために発振器波形上で高速フーリエ変換(FFT)または高速ハートレー変換(FHT)アルゴリズムを実行可能なデジタル信号処理(DSP)装置であることができる。この場合、周波数検出器は、スペクトル分析器として実現される。
【0019】
ベルト内の共振回路61が発振器68から離れているとき、発振器の公称周波数fは共振回路による影響を受けない。ベルトが前進し共振回路61が発振器68のごく近くに来ると、2つの回路間の相互作用が増大する。発振器の周波数はその公称周波数fから変化する。周波数検出器は、周波数の変化を検出する。先に記載したように周波数検出器がマイクロコントローラ内の周波数カウンタとして実装されるとき、所定の間隔内のサイクルカウントは、ベルト内のコンデンサ56に作用する力の計測値である。周波数の変化はベルトコイル60の発振器コイル64までの近接度の関数でもあるので、マイクロコントローラルーチンは、公称からの周波数の最大の変化を、ベルトコンデンサ56に適用された力の最良計測値として報告する。マイクロコントローラは、サイクルカウントを重量値に変換する。マイクロコントローラ71は、出力ディスプレイ104およびキーボード106などの手動入力装置を含むユーザインターフェースに接続されてもよい。同じくマイクロコントローラ71は、他の起動ユニット内のマイクロコントローラとともに、メインコントローラ108に直接または無線式に接続される。
【0020】
図1中のような視認システムは、搬送表面の一部を視認するために運搬経路32の上に支持されたカメラ76または他の光学検出器を含む。カメラからの光学信号107がメインコントローラ108に送られる。メインコントローラは、パターン認識プロセスを実行し、ベルト上を搬送される各物品の足跡を光学信号から決定する。ベルトモジュールコーナ78などのベルト上のある地点に関連するロードセル配列形状の事前認識を用いて、視認システムは、各物品の足跡の下の一群のロードセルを相対的に決定することができる。例えば、図8に示されるような搬送表面24の部分において、物品Bは、2つの列Cおよび5つの行Rを覆いながら10個のロードセルの上に横たわっている。一部またはすべてのベルト行上の光学的に検出可能な標識80が、どの10個のロードセルが物品Bによって覆われているのかを絶対的に特定するために視認システムによって使用されてもよい。この例では、視認システムは標識を読み取るが、その標識は符号化されてもよく、または単にそれがベルトの行10の上にあることを示す数字10であってもよい。配列形状の事前認識および列10に対する物品Bの足跡を用いて、視認システムは、物品の下に横たわる10個のコンデンサを特定することができる。視認システムは続いて計量プロセス81を実行することができる。計量プロセス81は、絶対位置PRC={(R、C)}={(11、2);(11、3);(12、2);(12、3);(13、2);(13、3);(14、2);(14、3);(15、2);(15、3)}のコンデンサの計測値を組み合わせ、物品Bの重量を計算する。ロードセル計測値は、例えば、下に横たわる物品の重量に等しいまたは比例する値を計算するように各ロードセル計測値を合計することによって、組み合わせてもよい。物品のそれぞれは、視認システムの読取装置が解釈可能なバーコードなどの特定用しるし82によって標識を付けられる。このようにして、計算された重量を、特定の物品と関連付けることができる。および、視認システムはベルトの幅全体を視認するので、物品は、運搬経路中の静止計量ステーション上で単一ファイルの中に配置されなくてもよい。さらに、ベルト内の共振回路は、ベルトを停止することなく重量を計測することを可能にする。視認システムのビデオディスプレイを使用して、システム動作状態および設定または各物品の重量を監視してもよい。コントローラ108は、記載したプロセスを実行可能なプログラム可能な論理コントローラ、ラップトップ、デスクトップまたはいずれかの適切なコンピュータ装置であってもよい。
【0021】
視認システムは、重量を各物品に割り当てる他の手段を使用することができる。例えば、コンデンサのそれぞれの位置に、搬送表面24またはロードセルカバー26上で標識を付けることができる。標識は各ロードセルを明確に特定することができ、または単にコンデンサのそれぞれもしくは所定のサブセット上の点88(図1)などの汎用位置表示であることができる。全てのコンデンサの位置に標識が付けられる場合、視認システムは、配列レイアウトの事前認識を必要としない。別の例として、視認システムは代替的に、物品の足跡の周りの拡大された領域90(図8)中のすべてのコンデンサを選択し、それらの計測値を合計することができる。物品Dの下にないコンデンサはゼロの計測値を生成し、それは重量に加えられない。これにより物品全体が正確に計量されることが保証される。当然のことながら、別の物品が近くにある場合、拡大される領域はその隣接する物品を包含しないように慎重に選択されなければならない。
【0022】
物品が十分に分散されその結果2つの物品が同じまたは隣接するコンデンサ上にない場合、各物品の重量は、非ゼロを示す連続ロードセルのロードセル計測値を合計することによって決定することができる。
【0023】
いくつかの形態を参照して計量システムを詳細に記載してきたが、他の形態が可能である。例えば、コンベヤベルトはモジュール式プラスチックコンベヤベルトでなくてもよい。例えばそれはフラットベルトまたはスラットコンベヤであってもよい。別の例として、記載されたもの以外の視認アルゴリズムおよびベルト上の検出可能な標識が、各物品およびそれらの下に横たわるロードセルを特定するために視認システムによって使用されてもよい。従って、これらの数少ない例が提案するように、請求項の範囲を例示的な形態の細部に制限するつもりはない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
【国際調査報告】