(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-518595(P2017-518595A)
(43)【公表日】2017年7月6日
(54)【発明の名称】交通信号機の表示及び表示方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/07 20060101AFI20170609BHJP
G08G 1/095 20060101ALI20170609BHJP
G08G 1/087 20060101ALI20170609BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20170609BHJP
G08G 1/08 20060101ALI20170609BHJP
G06Q 30/02 20120101ALI20170609BHJP
【FI】
G08G1/07 C
G08G1/095 L
G08G1/087
G08G1/09 D
G08G1/08 A
G06Q30/02 380
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-506637(P2017-506637)
(86)(22)【出願日】2015年4月17日
(85)【翻訳文提出日】2016年11月29日
(86)【国際出願番号】US2015026354
(87)【国際公開番号】WO2015161186
(87)【国際公開日】20151022
(31)【優先権主張番号】61/980,987
(32)【優先日】2014年4月17日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516310976
【氏名又は名称】ニティン ヴァラ
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】特許業務法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニティン ヴァラ
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA12
5H181BB04
5H181BB05
5H181DD01
5H181EE08
5H181EE11
5H181GG01
5H181GG08
5H181HH15
5H181HH21
5L049BB07
5L049BB08
(57)【要約】
本発明は、交通信号機に情報を表示するシステム及び方法を提供する。当該システムは交通信号機を制御して情報を表示する時間を調整するコンピュータシステムに結合されたコンピュータシステムを含む。当該表示は、交通信号機に近接して設けられた別個のモニタ上になされる。当該表示される情報は、広告、アンバーアラート(Amber alert)のような公共の関心事の告示、及び/又は最新の交通状態といったものを含み得る。当該情報を表示するタイミングは例えば、交通信号機を通過して運転する人に必要な注意力を妨げないことである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通信号機の表示デバイス上に情報を表示するシステムであって、前記システムは、
交通制御システムを含み、前記交通制御システムは、前記交通信号機に近接する道路上の往来の許容できるか又は許容できない動向を示す表示を提供するように動作可能な少なくとも1つの交通信号機を含み、前記交通制御システムは、第1のメモリデバイス及び前記第1のメモリデバイスに結合された第1のデジタルプロセッサを含む第1のコンピュータシステムを含み、前記第1のコンピュータシステムは、前記交通信号機に結合されており、加えて、前記第1のコンピュータシステムにプログラムされた動作インストラクションアルゴリズムに従って前記少なくとも1つの交通信号機の動作を制御するように動作可能であり、前記交通制御システムは表示システムと電気的に通信し、前記表示システムは前記少なくとも1つの前記交通信号機の各々に関連付けられて同時に視認される少なくとも1つの表示モニタを含み、前記表示システムは前記少なくとも1つの表示モニタと電気的に通信する第2のコンピュータシステムを含み、前記第2のコンピュータシステムは第2のメモリデバイス及び前記第2のメモリデバイスに結合された第2のデジタルプロセッサを含み、前記第2のコンピュータシステムは、前記少なくとも1つの表示モニタ及び前記第1のコンピュータシステムに電気的に結合されており、加えて、前記交通信号機の動作に従ってかつ前記第1のコンピュータシステムにプログラムされた前記動作インストラクションアルゴリズムに従って、前記少なくとも1つの表示モニタの動作を制御するように動作可能であり、前記交通信号機の動作に関連して事前に設定された時間に前記少なくとも1つの表示モニタに電子情報を表示することを特徴とするシステム。
【請求項2】
交通信号機の表示デバイス上に情報を表示する請求項1に記載のシステムであって、前記第1のコンピュータシステムは、前記動作インストラクションアルゴリズムを変更して前記交通信号機内の表示灯の動作をトラフィックパターンの変化に適合させ、それによって前記表示システムの前記第2のコンピュータは、前記動作インストラクションアルゴリズムの変化に従って、前記電子情報の表示を変更することを特徴とするシステム。
【請求項3】
交通信号機の表示デバイス上に情報を表示する請求項2に記載のシステムであって、前記第1のコンピュータシステムは少なくとも1つのトラフィックセンサで前記トラフィックパターンをモニタすることを特徴とするシステム。
【請求項4】
交通信号機の表示デバイス上に情報を表示する請求項2に記載のシステムであって、前記交通信号機は赤の表示灯、黄色の表示灯及び緑の表示灯を含み、前記選択された電子情報は前記少なくとも1つの表示モニタに前記赤の表示灯が点灯する間にのみ表示されることを特徴とするシステム。
【請求項5】
交通信号機の表示デバイス上に情報を表示する請求項4に記載のシステムであって、前記少なくとも1つの表示モニタに表示される前記電子情報はカウントダウンタイマを含み、表示される前記カウントは前記第1のコンピュータシステムとの電気的な通信によって提供されることを特徴とするシステム。
【請求項6】
交通信号機の表示デバイス上に情報を表示する請求項5に記載のシステムであって、前記少なくとも1つの表示モニタに表示される前記電子情報は前記第2のコンピュータシステムによって選択されて実質的に前記カウントの時間を満たすことを特徴とするシステム。
【請求項7】
交通信号機の表示デバイス上に情報を表示する請求項1に記載のシステムであって、前記少なくとも1つの表示モニタに表示される前記電子情報は前記第2のコンピュータシステムに無線で提供されて前記第2のメモリデバイスに格納されることを特徴とするシステム。
【請求項8】
交通信号機の表示デバイス上に情報を表示する請求項1に記載のシステムであって、前記少なくとも1つの表示モニタに表示される前記電子情報は緊急の情報を含み、前記緊急の情報は前記少なくとも1つの表示モニタに表示される他の電子情報よりも優先されることを特徴とするシステム。
【請求項9】
交通信号機の表示デバイス上に情報を表示する請求項8に記載のシステムであって、前記緊急の情報はアンバーアラートを含むことを特徴とするシステム。
【請求項10】
交通信号機の表示デバイス上に情報を表示する請求項8に記載のシステムであって、前記緊急の情報は緊急車両の接近の警告を含み、前記緊急車両は前記第2のコンピュータシステムと無線で通信するデバイスを含むことを特徴とするシステム。
【請求項11】
交通信号機の表示デバイス上に情報を表示する請求項1に記載のシステムであって、前記第2のコンピュータシステムは少なくとも1つのセンサを含んで無線でのデータ送信機能を備える車両を検出し、前記車両と無線で通信し、それによって前記第2のコンピュータシステムと前記車両との間で双方向にデータが送信されることを特徴とするシステム。
【請求項12】
交通信号機の表示デバイス上に情報を表示する請求項1に記載のシステムであって、前記第2のコンピュータシステムは少なくとも1つのセンサを含み、無線でのデータ送信機能を備える携帯電話を検出し、前記携帯電話と無線で通信し、それによって所定の範囲内で前記第2のコンピュータシステムと前記車両との間で双方向にデータが送信されることを特徴とするシステム。
【請求項13】
交通信号機の表示デバイス上に情報を表示する請求項12に記載のシステムであって、前記携帯電話に送信される前記データは、前記少なくとも1つの表示モニタに表示される電子情報に関連するクーポンを含むことを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項12に記載の、交通信号機の表示デバイス上に情報を表示するシステムであって、前記携帯電話に送信される前記データはゲームシステムを含み、自身が設置された交差点の通過によってポイントが収集されることを特徴とするシステム。
【請求項15】
交通信号機の動作に従って前記交通信号機の表示デバイス上に情報を表示する方法であって、前記方法は、
交通信号機が、前記交通信号機に近接する道路上の往来の許容できるか又は許容できない動向を示す表示を提供するように動作するステップを含み、前記交通信号機の動作は、第1のメモリデバイス及び前記第1のメモリデバイスに結合された第1のデジタルプロセッサを含む第1のコンピュータシステムからの信号に従っており、前記第1のコンピュータシステムは、前記交通信号機に結合されており、加えて、前記第1のコンピュータシステムにプログラムされた動作インストラクションに従って交通信号機の動作を制御するように動作可能であり、
交通信号機に隣接する表示モニタが動作するステップを含み、前記モニタの動作は、第2のメモリデバイス及び前記第2のメモリデバイスに結合された第2のデジタルプロセッサを含む第2のコンピュータシステムからの信号に従っており、前記第2のコンピュータシステムは、前記モニタ及び前記第1のコンピュータシステムに結合され、加えて、前記交通信号機の動作に従って、かつ、前記第2のコンピュータシステムにプログラムされた動作インストラクションに従って前記モニタの動作を制御するように動作可能であり、前記交通信号機の動作に関連して予め設定された時間に、選択された情報をモニタに表示することを特徴とする方法。
【請求項16】
交通信号機の表示デバイス上に情報を表示するシステムであって、前記システムは、
交通信号機であって、前記交通信号機に近接する道路上の往来の許容できるか又は許容できない動向を示す表示を提供するように動作可能である前記交通信号機と、
前記交通信号機に隣接する表示モニタと、
メモリデバイス及び前記メモリデバイスに結合されたデジタルプロセッサを含むコンピュータシステムと、を含み、前記コンピュータシステムは、前記交通信号機に結合されており、加えて、前記コンピュータシステムにプログラムされた動作インストラクションに従って交通信号機の動作を制御するように動作可能であり、さらに、前記モニタに結合されており、交通信号機の動作に従って、かつ、前記コンピュータシステムにプログラムされた動作インストラクションに従って前記モニタの動作を制御するように動作可能であり、前記交通信号機の動作に関連して予め設定された時間に、選択された情報をモニタに表示することを特徴とするシステム。
【請求項17】
交通信号機の表示デバイス上に情報を表示する請求項16に記載のシステムであって、前記コンピュータシステムは、前記動作インストラクションを変更して前記交通信号機の動作をトラフィックパターンの変化に適合させ、これによって前記モニタ上の前記選択された前記表示は前記交通信号機の前記動作に対応して変化することを特徴とするシステム。
【請求項18】
交通信号機の表示デバイス上に情報を表示する請求項17に記載のシステムであって、前記コンピュータシステムは、少なくとも1つのトラフィックセンサによって前記トラフィックパターンをモニタすることを特徴とするシステム。
【請求項19】
交通信号機の表示デバイス上に情報を表示する請求項16に記載のシステムであって、前記モニタ上の前記選択された情報は、前記交通信号機の前記表示が異なる表示に変化するまでの時間を示すカウントダウンタイマを含むことを特徴とするシステム。
【請求項20】
交通信号機の表示デバイス上に情報を表示する請求項16に記載のシステムであって、前記コンピュータシステムは、少なくとも1つのセンサを含み無線でのデータ送信機能を備える車両を検出し、前記車両と無線で通信し、前記コンピュータシステムと前記車両との間で双方向にデータが送信されることを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、公共の安全メッセージ、広告又は情報を交通制御信号機に表示する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
交通制御信号機の動作はますます精巧になってきた。交通信号機は、交通制御信号、歩行者用信号などといったものを含み得る。多くの交通信号機は今日では、コンピュータによって制御されて、緑色、黄色及び赤色などの当該信号が提供する様々な信号灯器の動作の時間を調整している。そのような動作のタイミングは、夜間又は昼間の時間帯、天候条件、交通状態、緊急車両や歩行者によるオーバーライド(overrides)などによって決定され得る。そのような動作における変更は、非常に変化しやすく、割合に瞬間的であり得る。
【0003】
交通信号制御の1つの例は、横断歩道のオーバーライド(crosswalk override)である。この場合、歩行者は押しボタンスイッチなどの信号デバイスを作動させて、交通信号コントローラに、道路を渡りたいことを知らせることができる。当該コンピュータは、前もってプログラムされたインストラクションに従って、車両用信号を緑から赤に変え、車両用信号が赤である間に、歩行車用信号を点灯させて歩行者が当該道路を渡って良いということを示すことができる。そのようなシステムは、交差点又は交差点は無いが横断歩道のみがある道路のエリアに設置され得る。
【0004】
交通信号機のオーバーライドの他の形態は、交差点に設置されても良く、当該交差点は、常に主道路(major road)の信号を常に緑にさせておく。当該交差点の従道路(minor road)は、車両センサを有していても良く、主道路に入ることを希望している車両が交差点に存在することを検知する。従道路の使用者は、常に赤信号に遭遇し、当該赤信号は緑に変わる必要があり、同時に当該主道路の信号は赤に変わる必要がある。前もってプログラムされたインストラクションに従って、当該交通信号機は、従道路のセンサからの信号を受信すると、当該信号の点灯を変更し、従道路上の車両は、安全に主道路に進入するか又は当該主道路を横断することができる。
【0005】
交通制御はこのように、交通信号機を待つことで人々に非生産的な時間を過ごさせる。そのような人々に、待ち時間中に有効な情報を提供することが好ましいであろう。しかしながら、そのような有効な情報の発表は、交通信号機の動作に対して適切に時間調整される必要がある。メッセージ全体が適切なタイミングで適切に人々に届けられ得ることが好ましい。
【0006】
しかしながら、そのような情報を表示して経過する時間は変動しやすく、また、異なる時間帯に生じる。従って、どのようにして情報を交通信号機に有効に表示させるかという問題が提起される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
概して、本発明は、交通信号機に情報を表示するシステム及び方法を提供する。当該システムは、交通信号機を制御して情報の表示を時間調整するコンピュータシステムに結合されたコンピュータシステムを含む。当該表示は、交通信号機に近接して設けられた別個のモニタ上になされる。当該表示される情報は、広告、アンバーアラート(Amber alert)のような公共の関心事の告示、及び/又は最新の交通状態といったものを含み得る。当該情報を表示するタイミングは例えば、交通信号機を通過して運転する人に必要な注意力を妨げないことである。
【0008】
従って、本発明の目的は、人々及び/又は車両が信号を待っている間に、メッセージ又は興味を引く情報を有効にかつタイムリーに届けることに利用され得る表示デバイスを提供することである。
【0009】
本発明のさらなる目的は、人々が信号を待っている間に、メッセージ又は興味を引く情報を有効にかつタイムリーに届けることに利用され得る方法を提供することである。
【0010】
本発明のさらなる目的は、交通信号機に情報を伝達する時間を調整して1つ以上のメッセージを伝達するのに利用可能な時間を有効に活用する手段を提供することである。当該利用可能な時間は、当該交通信号機に結合されたコンピュータによって制御され、前もってプログラムされて又はランダムに変化し得る。
【0011】
本発明の他の目的は、情報のセグメントのデータベースから1つ以上の情報のセグメントを選択して変化しやすい時間長(time period)に合わせて表示されるようにすることが可能なシステムを提供することである。
【0012】
本発明の他の目的及び効果は、添付の図面と共に示す以下の記載から明らかとなるであろう。当該記載は、説明及び例示によって本発明のいつくかの実施例を示したものである。本明細書に含まれる図は本明細書の一部を構成し、本発明の例示的な実施例を含み、本発明の様々な目的及び特徴を示している。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】コンピュータシステムによって制御されて交通信号機のモニタに情報を表示するように構成されたシステムを示す概略図である。
【
図2】交通信号機に情報を表示するシステムの動作の概要を示すフローチャートである。
【
図3】道路の交差点における交通信号システムの概略を示す図である。
【
図4】本発明のシステムの動作及び交通信号機に情報を表示する方法を示すフローチャートである。
【
図5】交通信号機に情報を表示するシステムの代替的実施形態であり、信号機に電圧センサを含むシステムを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は様々な形態で実施可能であり、図面及び本明細書の以下の記載によって出願時点での好ましい実施形態が示されているが、これに限定するものではない。本願の開示は、本発明の例示と考えられるべきであり、本発明は図示又は記載された特定の実施形態に限定されるものではない。
【0015】
図1−
図3を参照すると、1と示された交差点は、4方向の交差点として表されている。すなわち、2及び3と示された2つの道路が交差している。道路2及び道路3の各々は、5A−5Dと示された信号デバイスによって制御されているものとして表されている。しかしながら、本発明はあらゆる適した信号デバイスによって制御されるいかなるタイプの交差点にも利用され得ると理解されるべきである。通常、信号デバイス5A−5Dはスポットライトであり、信号灯を異なる色で表示するように動作可能である。当該異なる色は通常、赤、黄及び緑色であり、交通の許容される動きを示す。歩行者制御信号(pedestrian control signals)のみならず、右左折制御信号(turn control signals)が提供されても良い。そのような交通制御システムは、当該技術分野において周知である。このような制御システムは、当該技術分野において周知のように、コンピュータ制御されて、当該システムの動作が、時間帯、トラフィックパターンの変化、緊急車両によるオーバーライド、リモートトランスミッタ7、トラフィックセンサ6等の入力デバイスからのオーバーライド及びオーバーライドボタン8を操作する歩行者などに適合するように変更可能とされ得る。例として、いわゆるラッシュアワーの間、道路2上の車両4は、交差道路3上の車両4よりも優先されても良く、当該優先は道路2のユーザに、より長時間の緑信号が提供されることを通してなされても良い。トラフィックセンサ6は、使用頻度の低い道路3上で利用されても良く、信号システム10(
図1)に信号を送り、交差する交通があることを示す。そして、当該信号の送信はコントローラ11に、信号デバイス5B及び5Dの信号灯を赤に変えさせ、信号デバイス5A及び5Cの信号灯を緑に変えさせて道路3上の車両4が道路2を横断することを許可する。他の例として、歩行者は、横断歩道12を横断したいと望む場合にオーバーライドボタン8を有効にすることができる。これはコントローラ11への信号を提供し、プログラミングによって許可された場合、当該信号は信号灯5B及び5Dを赤に変更して歩行者が道路2を横断することを許可する。交差点1には、横断歩道灯14が備えられても良く、道路2を横断することが許容されるか又は許容されないかを歩行者に示すように動作し得る。そのような交通信号機及びその動作は、当該技術分野において周知である。本発明は、発動機付乗物(motorized vehicles)向けの道路に関して記述されるが、歩行者や発動機を持たない乗物(non-motorized vehicles)向けの道路(しばしば他の名称として小道(paths)や細道(trails)などと呼ばれる)にも用いることができる。
【0016】
図示されるように、信号システム10は、トランスミッタ7、トラフィックセンサ6及び歩行者オーバーライドボタン8などの様々な入力デバイスを含む。当該システムはまた、信号デバイス5A−D及びコンピュータシステム19などの以下に述べるような出力デバイスも含む。コントローラ11は、図示されるように、コンピュータシステム19及び様々な入力デバイス6−8を含む。
【0017】
本発明は、既存の交通信号制御システム10への付加物であっても良い。しかしながら、当該交通制御システム10は、制御システム10に組み込まれた本発明の部分を有し得ると理解されるべきであり、単体のコントローラの使用を許容する。本発明は便宜上、分離した制御システムであって既存の制御システム10に結合されたものに関して記述されるであろう。
【0018】
当該表示システムは、
図1において15に概要が示されており、コンピュータシステム19に結合されたコンピュータシステム17を含む。コンピュータシステム17は、コントローラとして機能し表示システム15の動作を制御するように動作可能であり、コンピュータシステム19は交通制御システム10の動作を制御する。コンピュータシステム17、19は表示システム15及び交通信号機デバイス5A−Dのそれぞれに所望の動作をさせるようにプログラムされている。交通制御システム10は、表示システム15に対して支配的であり、コンピュータシステム17及び19を結合することで当該表示システム15に情報を提供する。この結合は無線又は有線であり得る。コンピュータシステム19が当該コンピュータシステム19の動作に関する情報をコンピュータシステム17に提供することで、コンピュータシステム17は表示システム15の動作を制御できる。コンピュータシステム17はデジタルプロセッサ21及びメモリ22の両方を含む。コンピュータシステム19についても、デジタルプロセッサ24及びメモリ25の両方を含む。コンピュータシステム19は、信号デバイス5A−D、14などの出力デバイスの動作を制御するようにプログラムされる。コンピュータシステム17はコンピュータシステム19から情報を受信し、当該受信した情報を加工し、出力デバイス30で表示システム15の動作をもたらすようにプログラムされる。好ましい入力デバイス30は、LEDスクリーンなどの表示画面であり、選択された情報を視覚的に表示するように動作可能なものである。本願の開示は1つの表示モニタを有する表示システムに言及するが、本発明は多数の表示モニタについても考慮し、当該多数のモニタは所定の角度からのみ視認され得るスクリーンやそのようなものを含み得る。そして、当該スクリーンは、所定のエリアに位置する人又は車両に情報を提供し、他の人又は車両からの視認を防ぐ。
【0019】
制御システム10の動作は例えば、信号デバイス5A−Dによって表示される信号を変更するようなことであり得る。例えば、激しい交通渋滞の時間帯が予めメモリ25にプログラムされても良く、道路2の往来(traffic、トラフィック)に、より長い緑信号又はより頻繁な緑信号を許容する。この予めプログラムされるシーケンスは、道路3の往来向けのセンサ6から受信された情報によって調節され得る。当該調節は、予めプログラムされたインストラクションに従ってなされ得る。当該インストラクションは例えばメモリ25に含まれるアルゴリズムである。当該制御のシーケンスには一時的な調節がなされても良く、当該調節はオーバーライドボタン8の操作又はトランスミッタ7に信号を送信する緊急車両によって、コンピュータシステム19に受信されることでなされ得る。
【0020】
コンピュータシステム19は、コンピュータシステム19のプログラミングを介して、信号機の赤、緑及び/又は黄色の光の継続時間(duration)を制御する。当該制御は、様々なスイッチに制御信号を提供して当該スイッチをオン又はオフに切り替えることによってなされる。当該制御信号は、2つのコンピュータシステム17及び19の結合を介してコンピュータシステム17に伝達される。当該コンピュータ17への制御信号はコンピュータ17に、信号デバイス5A−Dの現在の動作に対する警告を行う。この情報はプロセッサ21によってメモリ22にプログラムされたインストラクションに従って処理される。コンピュータシステム17は、受信した制御信号の情報の処理及び表示システム15の様々な出力動作の時間調整を行うようにプログラムされる。
【0021】
表示システム15はコンピュータシステム17からの情報を受信する出力デバイス30を含む。当該情報は予めプログラムされたように表示される。表示される情報はメモリ22に格納されることが好ましい。そのような情報は高速道路の状態を含んでいても良い。当該状態の情報は、上記したセンサ6に類似する様々なセンサから受信され得る。これらのセンサは気象データ、道路状態、トラフィックデータ及びその他のものを提供し得る。表示する情報はさらにアンバーアラート及び反対車線のトラフィック状態といったものを含んでいても良く、予めプログラムされたように優先して表示されても良い。当該情報は、無線又は有線でコンピュータシステム17に伝達され得る。表示のために格納された又は表示のために受信された情報は、継続時間を有するであろう。コンピュータシステム17は、例えば、様々な広告、公共安全のメッセージ、報道(information)等、様々な情報のセグメントを個別に又は別々の情報ファイルを組み合わせて選択するようにプログラムされ得る。コンピュータシステム17は、プログラミングを通して、時間帯及び表示の継続時間によって、表示に適した情報を選択して表示に利用可能な時間長(time period)を満たすことができる。当該時間の長さは例えば赤信号が点灯するであろう時間であり、交差点で立ち止まった人が1つ以上の完結した情報のセグメントを見ることができる時間である。例えば、朝の時間帯には朝食の広告が示され得り、一方で午後又は夜の時間帯には夕食の広告が示され得る。続いて、時間帯に敏感でない車の広告のセグメントが示されても良い。表示された情報の図表は、メモリ22のデータベースに蓄積され得る。当該蓄積は表示のエンティティ(entity)へ支払われ得る情報の表示の精算及び請求の目的でなされる。少なくとも1つの実施態様において、表示された情報に関する情報は、表示された広告の顧客への請求のためコマンドセンタに直接転送されても良い。当該システムは、緊急車両が近づいている場合に、緊急車両がトランスミッタ7から信号を発して往来を停止して安全に交差点に進入する必要があると示していることを視認者に警告するために利用されても良い。プログラムされたインストラクションは、どのような情報がいつ提示されるかを決定することができ、1つの表示時間内に表示される情報が矛盾(conflicting)することを防止する。矛盾とは例えば、競合するレストランの広告が二つ続くことである。
【0022】
コンピュータシステム17は、制御システム10が誤動作した場合には、動作を停止するか又はコンピュータシステム17の動作を変更するようにプログラムされていても良い。例えば、コントローラ11が赤信号の点滅を要求する場合に、モニタ30に表示された情報は終了するか又は異なるタイプの情報となっても良い。当該異なるタイプの情報は、メモリ22の情報セグメントから、交差点への短時間の滞在により適した情報が選択されても良い。メモリ22に格納された情報は、コンピュータ17の他のメモリとの結合によって時々変更されても良い。当該変更は、有線及び無線のいずれによってもなされ、遠隔地から行われても良い。
【0023】
シーケンス動作の好ましい方法が
図2に示されている。交通信号システム10向けの動作情報51は、表示システム15に送信される。この情報51は、時間帯、曜日、日付並びに交通信号機の継続時間及び選択(例えば、赤、緑、黄色、点滅、等)を含み得る。当該動作情報51は53でコンピュータ17に送信される。先ほど述べた情報のいくつかは既にコンピュータ17に知られていても良いと理解されるべきである。当該情報とは例えば、時刻、曜日及び日付である。コンピュータシステム17は、55で当該情報を処理し、57で情報のセグメントを選択する。選択する情報のセグメントは、表示に適しており、プログラムされた基準が与えられたものであり、利用可能な時間を有効に活用して、出力デバイス30に選択された情報を表示する。そのような情報は赤信号の時間中に出力デバイス30に表示され得る。表示する情報のセグメントの選択は、59で優先順位付けする基準を含み得る。当該基準には、1つ又は複数のセグメントを完了するのに必要な時間が含まれ、利用可能な時間と61において比較され、また、63での他の基準、例えば時刻、曜日、日付などが含まれる。コンピュータシステム17は、65で緊急情報に優先度を与えることもできる。選択された情報の1つ又は複数のセグメントは、67で表示される。緊急についての優先順位付けにおいて、コンピュータ17は、赤信号の時間以外にも情報を表示することを選択し得ることで、緊急のメッセージが通過する全ての運転者、歩行者、自転車運転者などに視認され得る。緊急でないセグメントの優先順位付けは、企業との取り決めに基づいていても良い。当該取り決めは、異なる交通量と相互に関連する様々な時間帯に基づいていても良い。
【0024】
図4は、
図2に示された動作シーケンスの基礎となる動作を示している。交通システムのコンピュータシステム19内では、32で信号コントローラがイベントサイクルを実行する。動作の間、34において、当該コントローラは出力デバイス30に実行された広告セグメント(ad segment)を表示させる。当該表示が行われている間に、コントローラは信号の誤動作をチェック36でする。信号の誤動作が検出された場合、コントローラは38において、表示されている広告セグメントを終了する。信号の誤動作が検出されない場合、誤動作が検出されるまで、コントローラは34において広告セグメントを表示するソフトウェアシーケンスを実行する。当該広告セグメントが実行されている間、コントローラは交通信号機サイクルを記録する。信号サイクルが予め決められている場合、赤信号の点灯時間は、赤信号の開始してからの一定の時間として知られ、表示出力は赤信号の時間がどれだけ残されているかを示すタイマを含み得る。40において、当該信号コントローラが赤信号サイクルを完了すると、当該コントローラは42において当該広告のソフトウェアシーケンス(ad software sequence)を一時停止して次の赤信号サイクルで再開する。あるいは、2つ以上の信号機が接続されてネットワークを形成していても良く、それによって当該広告のシーケンスは車道に沿った次の信号機に継続されても良い。この実施形態において、ネットワーク化された信号機は、インターネット伝達装置を含んでいても良く、信号機間にインターネットのネットワークを作っても良い。
【0025】
1つの実施形態において、表示システム15はセンサ28を含んでいても良く、車両又は携帯電話を認識しても良い。センサ28は、RFID(無線自動識別装置)技術、GPS、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi(登録商標)若しくは出力デバイス30に組み込まれた類似の周知技術又は表示システム15内の他の構造に基づいていても良い。あるいは、当該センサは、歩行者オーバーライドボタン8内のように既存の信号ポール内に位置していても良く、歩行者の往来が特定されても良い。
【0026】
車両のコンピュータ、又は携帯電話と接続されることで、表示システム15は、広告セグメントの各々が表示されている間に見ている人の多さを特定し分類することができる。補助的なソフトウェアアプリケーションが組み込まれることで、表示システム15は、車両のコンピュータ、携帯電話又は無線自動識別(radio frequency identification)(RFID)チップ若しくはステッカとリンクすることができ、見る人に向けて表示された広告セグメントに関連する追加の広告又はクーポン、又は近隣の企業に関連する追加の広告又はクーポンを提供する。
【0027】
センサ28のさらなる用途は、アンバーアラートのような状況又は類似の状況下で特定の車両又は携帯電話を見つけることを補助することであり得る。迅速に、効果的に人又は車両を追跡して見つけることができることは、警察の役にも立つ。当該システムは、地方の警察が事件又は高度な交通問題のため往来を制御する必要がある場合に、スクリーンの一部に交通制御信号を表示することに使用されても良い。
【0028】
ゲームシステムが本発明に結び付けられていても良い。例えば、当該ゲームシステムでは、宝探しタイプのゲームが実施され得る。当該ゲームの実施において、特定の交差点を通過することによって、運転者がポイント、クーポンなどを収集することができる。いくつかのゲームにおいて、手掛かりが提供されても良く、通信可能な車両又は携帯電話が交差点を通過すると、当該交差点が当該車両又は携帯電話をゲームの次の交差点に案内する。
【0029】
図5に示されている代替的実施形態において、表示システムのコンピュータを交通信号機のコンピュータに直接接続することが不可能であるか又は実際的でない場合に、電圧感知ユニットが採用される。この実施形態は交通信号灯に直接接続する必要がある。当該電圧感知ユニットは、赤、黄色及び緑の個々の交通信号灯に用いられている電圧を感知して、赤色信号が点灯しているか、消灯しているか又は点滅しているか(70)、黄色信号が点灯しているか、消灯しているか又は点滅しているか(71)、及び緑色信号が点灯しているか、消灯しているか又は点滅しているか(72)、を74において決定する。当該信号の点灯に基づいて、当該電圧感知ユニットは76においてマイクロコントローラに信号を伝達することで、78においてコンピュータが適切なソフトウェアセグメントを実行することをトリガ(trigger)する。この方法では、表示のコンピュータは、赤信号サイクルの残り時間を表示すること、又は広告セグメント若しくは赤信号サイクルの時間に対するセグメントの時間調整をすることはできないであろう。当該コンピュータは赤信号サイクルの間に広告セグメントを実行することができ、当該電圧感知ユニットが赤信号が消灯していることを感知した場合にプログラムを一時停止することができる。緑及び黄の信号灯のセンサが交差点で起こっていることの全体像の提供を補助することで、表示のコンピュータは適切で実行可能な広告シーケンスを選択することができる。少なくとも1つの実施形態において、本明細書に記載された他の実施形態の1つに当該電圧感知ユニットが追加されることで安全の要素を提供し、これによって、1つ以上の信号灯が適切に機能していない場合に当該表示システムが停止(shut down)される。この構成は、広告は見えるが交通信号灯は見えないであろう運転者の混乱を排除する。
【0030】
本発明のいくつかの形態が示されているが、本明細書に記載又は示された特定の形態又は構成に限定されないものと理解されるべきである。本発明の範囲から逸脱しない範囲で様々な変更がなされ得ること並びに本発明は発明の詳細な説明及び本明細書に含まれる図面に提示及び記載されていることに限定されないと考えられるべきであることは当業者にとって明白であろう。
【0031】
当業者は、目的を達成すること並びに上記した結果及び利益を得ることに、同様に、当該発明に本来備わるそれらのものに、本発明は適切に適応していることを容易に理解するであろう。本明細書に記載された実施形態、方法、手順及び技術は、出願時点の好ましい実施形態を代表するものであり、例示するものであって、本発明の範囲を限定するものではない。当業者が想到し得るであろう変形及び他の用途は、本発明の精神に包含され、特許請求の範囲によって画定される。本発明は、特定の好ましい実施例に関連して記載されているが、特許請求の範囲に記載されている本発明はこのような特定の実施例に不当に限定されるべきではない。本発明を実施するための開示された態様の様々な変形であって、当業者にとって明白なものは、特許請求の範囲内のものである。
【国際調査報告】