特表2017-518910(P2017-518910A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-518910カバーを有する要素を製造する方法、及びこのような要素
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-518910(P2017-518910A)
(43)【公表日】2017年7月13日
(54)【発明の名称】カバーを有する要素を製造する方法、及びこのような要素
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/44 20060101AFI20170616BHJP
   B60N 2/58 20060101ALI20170616BHJP
   A47C 31/02 20060101ALI20170616BHJP
   B68G 7/05 20060101ALI20170616BHJP
【FI】
   B60N2/44
   B60N2/58
   A47C31/02 J
   B68G7/05 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-558306(P2016-558306)
(86)(22)【出願日】2015年6月12日
(85)【翻訳文提出日】2016年11月18日
(86)【国際出願番号】EP2015063181
(87)【国際公開番号】WO2015189394
(87)【国際公開日】20151217
(31)【優先権主張番号】102014211374.1
(32)【優先日】2014年6月13日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】502156098
【氏名又は名称】ジョンソン・コントロールズ・ゲー・エム・ベー・ハー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】シュルツェ、 ウーベ
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087DE10
(57)【要約】
本発明は、カバー(2)を有する要素(3)、特に、車両座席を製造する方法に関し、縫い目の無いカバー(2)が選択的にラミネーション(1)を設けられ、モールディング(1.2)がカバー(2)から離れた方を向いているラミネーション(1)の表面側(1.1)に又は不可視のカバー(2)の表面側(2.2)に適用され且つ固定され、固定されたモールディング(1.2)は接着式でカバー(2)に接合される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縫い目の無いカバー(2)が設けられる要素(3)、特に、車両座席を製造する方法であって、
モールディング(1.2)が、前記カバー(2)の可視表面側(2.1)から離れた方を向いている不可視表面側(2.2)に適用され且つ固定され、固定されたモールディング(1.2)は、材料結合により前記カバー(2)に接合される、方法。
【請求項2】
前記モールディング(1.2)として前記裏張り(1)にタブ、ポケット又はループが導入され又は適用されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
カバー(2)に裏張り(1)が設けられる場合、前記モールディング(1.2)は、前記カバー(2)から離れた方を向いている前記裏張り(1)の表面側(1.1)に適用され且つ固定されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記モールディング(1.2)はキャリア(5)に適用され、前記キャリア(5)は材料結合により前記カバー(2)に又は前記カバー(2)の前記裏張り(1)に接合されることを特徴とする、請求項1及び2又は3に記載の方法。
【請求項5】
支持要素(1.5)、特に、ループ状テープ又はワイヤが、前記モールディング(1.2)における空洞に導入されることを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの刻印、刺繍片、スクリーン印刷、インクジェット印刷又はオフセット印刷が、少なくとも前記モールディング(1.2)の領域においてカバー(2)に導入されることを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
フィルム、発泡体、不織布又は熱可塑性フィルムが前記裏張り(1)として使用されることを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
補強要素(6)が、前記カバー(2)の前記不可視表面側(2.2)に又は前記カバー(2)から離れた方を向いている前記裏張り(1)のその表面側(1.1)に適用されることを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
固定されたモールディング(1.2)が設けられた前記キャリア(5)は、前記モールディング(1.2)から離れた方を向いている前記表面側で前記補強要素(6)に適用されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
裏張り(1)上に縫い目無く配置されるカバー(2)が設けられる要素、特に、車両座席であって、
モールディング(1.2)が、前記カバー(2)の可視表面側(2.1)から離れた方を向いている不可視表面側(2.2)に適用され且つ固定されており、固定されたモールディング(1.2)は、材料結合により前記カバー(2)に接合されている、要素(3)。
【請求項11】
前記モールディング(1.2)として前記裏張り(1)にタブ、ポケット又はループが導入され又は適用されていることを特徴とする、請求項10に記載の要素(3)。
【請求項12】
前記モールディング(1.2)はキャリア(5)に適用されており、前記キャリア(5)は材料結合により前記カバー(2)に又は前記裏張り(1)に接合されていることを特徴とする、請求項10又は11に記載の要素(3)。
【請求項13】
前記裏張り(1)は、合成フィルム、発泡体、不織布又は熱可塑性フィルムから形成されることを特徴とする、請求項10〜12の何れか1項に記載の要素(3)。
【請求項14】
前記キャリア(5)は、布材、布地、織物、ニット又はワープニットから形成されることを特徴とする、請求項10〜13の何れか1項に記載の要素(3)。
【請求項15】
補強要素(6)及び/又はキャリア(5)が、前記裏張り(1)とモールディング(1.2)との間又は前記カバー(2)とモールディング(1.2)との間に配置されることを特徴とする、請求項10〜14の何れか1項に記載の要素(3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カバーが設けられた要素を製造する方法に関し、特に、座席カバーが設けられた車両座席に関する。更に、本発明は、このような要素に関し、特に、車両座席に関する。
【背景技術】
【0002】
特に、車両座席等の張り物を施した要素を製造するために、様々な方法が知られている。例えば、座席カバーのためのバックフォーミング(back−foaming)が製造方法としてDE 100 59 471 A1から知られている。ここで、座席カバーは、発泡部に堅く接続されており、発泡部に対して動かすことができない。
【0003】
更に既知の方法では、例えば、DE 101 56 658 C1に記載されているように、カバーは、要素のキャリア上に、特に、発泡体又は何らかの他の成形品に縫い付けられ、又はそこに鋲で留められ又は縫い付けられた若しくは溶接されたフィーダロッド、ワイヤ又はクリップによって固定される。これは、カバーの表面に膨らみをもたらし得る。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、カバーが設けられる要素を製造する方法を特定することであり、この方法は先行技術に対して改善されたものである。更に、本発明の目的は、改善された外形を有する要素を特定することである。
【0005】
方法に関しては、請求項1に特定された特長によってこの目的が達成される。要素に関しては、請求項9に特定された特長によってこの目的が達成される。
【0006】
縫い目の無いカバーが設けられる要素を製造するための本発明による方法において、カバーの可視面側から離れた方を向いている不可視面側にモールディングが固定され、固定されたモールディングは材料結合によりカバーに接合される。
【0007】
言い換えれば、モールディングは、カバーの不可視側に配置される。
【0008】
代替的に、縫い目の無いカバーに裏張りが設けられる場合、モールディングは、裏張りに、特に、カバーから離れた方を向いている裏張りの表面側に固定され得る。
【0009】
この場合、特に、既定の凹状及び/又は凸状の、要素の外面形状を形成するために、モールディングは、縫い目の無いカバーの膨らみを回避するために、裏張りの表面側に導入又は適用される。
【0010】
モールディングは、例えば、少なくとも1つの縫い目によって固定される。代替的に、モールディングは、鋲で留められ又は接着接合され得る。この場合、モールディングは、裏張りに直接又は間接的に固定され得る。
【0011】
裏張り及び/又はカバーは、このため、覆われる要素、例えば、座部又は背もたれに対応するように所定のサイズに切断される。モールディングが固定される前に、裏張りは、カバーに材料結合により接合され、特に、所定の圧力及び温度下で、特に、低温により互いに接着接合される。また、ラミネーションのタイプ、例えば、接着剤か又はフレームラミネーションかによって、裏張りは、カバー上に成形、バックモールド、バックフォーム、発泡、溶融又は接着接合され得る。
【0012】
下方ウェブタイプの固定されたモールディングを有するこのような裏張りで及びこのようなカバーで張り物を施した要素は、成形され且つ縫い目の無い表面、従って均質な外面形状を有しており、可視の膨らみ、縫い目、溶接線又は可視の締め具無しで、少なくとも1つのモールディングにより形成される。この場合、特に、カバーは、膨らみ又はドラム効果と呼ばれるもの無しに、裏張りの、ひいては張り物を施される要素、特に、そのキャリア要素の所定の外形の、特に、凸状及び/又は凹状の外面形状に正確に一致する輪郭を有する。
【0013】
1つの可能な実施形態では、タブ、ポケット又はループ(リスティングポケットとも呼ばれる)が、モールディングとしてカバー又は裏張りに導入又は適用される。更に、モールディングは、例えば、タッチアンドクローズテープ又はループ及びフックによって、カバーの不可視表面側で又はカバー離れた方を向いている裏張りのその表面上で、キャリアユニット、特に、座部又は背もたれの合成成形体に固定される。
【0014】
1つの発展では、カバー又は裏張りに間接的に適用されるようにモールディングが提供される。この場合、モールディングは、最初に、キャリア、特に、布材、織物、ニット又はワープニットに、例えば、縫い付けられ、接着接合され又は鋲で留められる。
【0015】
固定されるモールディングを有するキャリアは、次に、モールディングの無い表面側で、材料結合により、特に、接着結合により、カバー又は裏張りに接合される。この場合、キャリアは、既に接着剤が設けられており、特に、染み込まされていてもよい。代替的に、接着剤層が、キャリアの対応する表面側に適用されていてもよい。
【0016】
更なる実施形態では、支持要素、特に、ループ状テープ、ロッド、クリップ又はワイヤが、モールディングにおける空洞に導入される。
【0017】
更に、刻印、刺繍片、スクリーン印刷、インクジェット印刷又はオフセット印刷が、裏張りに接合される前にカバーに導入され得る。この場合、カバーが裏張りに接合される前に、パターン、装飾ステッチ、刻印、スクリーン印刷又はインクジェット印刷等の意匠要素が、例えば、対応する機械工具、特に、CNC機械によって、カバーに導入され得る。カバー、特に、座席カバーの縫い目の無い構成のために、このような意匠要素、特に、パターン、装飾ステッチ、刻印、スクリーン印刷又はインクジェット印刷が、意匠要素の、例えば、パターン又は装飾ステッチの不整合無しで、カバーに導入され得る。更に、カバー及び/又は裏張りの切断の回数及び手動縫い付け操作の回数を少なくすることができる。
【0018】
1つの可能な実施形態では、カバーに接合された後で要素のキャリアユニットに適用され得る熱可塑性フィルムが、裏張りとして使用され得る。代替的な裏張り材料、特に、不織布又は織物又は何らかの他の自然/合成繊維の不織布又は発泡体も、裏張りとして使用され得る。このような裏張りは、カバーの成形を支持し、更に伸縮ブレーキとして作用し得る。好ましくは、裏張りは、数ミリメートルの厚み、特に、1ミリメートルから10mmの、例えば、3ミリメートルより大きな厚みを有し、それにより追加のキルティング綿を省略することができる。
【0019】
選択的に、補強要素が、カバーから離れた方を向いている裏張りのその表面側に又はカバーの不可視表面側に適用され得る。補強要素は、特に、補強布、例えば、ニット、ワープニット又は不織布である。
【0020】
この実施形態では、固定されたモールディングが設けられたキャリアは、モールディングから離れた方を向いている表面側で補強要素に適用される。
【0021】
本発明による要素、特に、車両座席は、裏張りを持たない縫い目の無いカバー又は裏張り上に配置される縫い目の無いカバーが設けられ、モールディングがカバーの可視表面側から離れた方を向いている不可視表面側又はカバーから離れた方を向いている裏張りの表面側に固定され、固定されたモールディングは、カバーの不可視表面側に適用され又は裏張りのカバーから離れた方を向いている表面側に導入又は適用され、材料結合によってカバーに接合される。
【0022】
要素の凹状及び/又は凸状の及び特に膨らみの無い外面形状を形成するために、モールディングは、不可視のカバー表面側に導入又は適用され、又は裏張りの表面側に導入又は適用され、例えば、少なくとも1つの縫い目によって固定される。この場合、モールディングは、カバーの不可視表面側又はカバーから離れた方を向いている裏張りの表面側において裏張りに直接又は間接的に固定され得る。好ましくは、それは間接的に固定される。
【0023】
このため、所定のサイズに切断された裏張りは、最初に、特に、所定の圧力及び/又は温度下で、材料結合によりカバーに接着接合又は溶融される。材料結合による接合のタイプ、例えば、フレームラミネーション又は接着ラミネーション、及び材料のタイプ、例えば、不織布、ワープニット、フィルム又は発泡体によって、カバーには、不織布裏張り、織物裏張り、フィルム裏張り又は発泡裏張りが設けられ得る。
【0024】
好ましくは、上記のように、タブ、ポケット又はループが、モールディングとしてカバー又は裏張りに導入又は適用されている。更に、支持要素、特に、ループ状テープ、ロッド、クリップ又はワイヤが、モールディングにおける空洞に導入されていてもよい。
【0025】
間接的な固定の場合、モールディングはキャリアに固定され、キャリアは材料結合によってカバー又は裏張りに接合される。例えば、モールディングは、キャリアに縫い付けられ又は機械的に接合され、例えば、鋲で留められ、又は接着接合される。モールディングのキャリアは、例えば、布材、布地、織物、ニット又はワープニットから形成され、モールディングを簡単に固定することが可能になる。
【0026】
更に、モールディングは、例えば、タッチアンドクローズ接合(タッチアンドクローズテープ)又はかぎホック留め/ループ接合又は鋲留め接合によって、後者を形成する張り物要素の方向でキャリアユニットに固定される。
【0027】
1つの発展では、裏張りは、要素の、特に、座部又は背もたれのキャリアユニットに適用されている熱可塑性フィルムから形成される。代替的に、裏張りは、発泡体、不織布又は合成フィルムから形成され得る。1つの可能な実施形態では、キャリアユニットは、合成成形体又は自然成形体又は発泡成形体、特に、ポリウレタン発泡体から形成される。
【0028】
補強要素、特に、布材、織物又は不織布が、選択的に、裏張りとモールディングとの間又はカバーとモールディングとの間に配置される。
【0029】
添付の概略的な図面を参照して、本発明の例示的な実施形態が以下でより詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1A】特に、縫い目の無いやり方で張り物を施した要素のための裏張り又はカバーの異なる例示的な実施形態の拡大詳細を概略的に示す。
図1B】特に、縫い目の無いやり方で張り物を施した要素のための裏張り又はカバーの異なる例示的な実施形態の拡大詳細を概略的に示す。
図1C】特に、縫い目の無いやり方で張り物を施した要素のための裏張り又はカバーの異なる例示的な実施形態の拡大詳細を概略的に示す。
図1D】縫い目の無いやり方で張り物を施した要素のための裏張りを持たない縫い目の無いカバーの例示的な実施形態の拡大詳細を概略的に示す。
図2A】縫い目の無いやり方で張り物を施した要素の例示的な実施形態の、正面からの及び断面における斜視図を概略的に示す。
図2B】縫い目の無いやり方で張り物を施した要素の例示的な実施形態の、正面からの及び断面における斜視図を概略的に示す。
図2C】縫い目の無いやり方で張り物を施した要素の例示的な実施形態の、正面からの及び断面における斜視図を概略的に示す。
図2D】縫い目の無いやり方で張り物を施した要素の例示的な実施形態の、正面からの及び断面における斜視図を概略的に示す。
図2E】縫い目の無いやり方で張り物を施した要素の例示的な実施形態の、正面からの及び断面における斜視図を概略的に示す。
図3】縫い目の無いやり方で張り物を施した要素の更なる例示的な実施形態の側面図の斜視図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
相互に対応する部分は、全ての図面において同じ符号で提供される。
【0032】
図1Aから1Cは、要素3、特に、図2A、2B及び3に示された張り物を施した要素3のための裏張り1及び縫い目の無いカバー2の異なる例示的な実施形態の拡大詳細の分解図及び断面図を示す。
【0033】
要素3は、車両座席、座部、背もたれ又は何らかの他の張り物を施した部品であり得る。カバー2は、特に、布地、皮革又は何らかの他の自然材料又は自然織物から形成され得る。特に、光学的に可視の張り物を施した領域の所望の外面形状を形成するために、要素3は、少なくとも1つの表面側1.1において、所望の膨らみのない外面形状に対応するモールディング1.2が設けられる裏張り1と、例えば、図2Aから2D例示のように、側部ボルスタ3.1及び横ボルスタ3.2を形成するためのキャリアユニット7、特に、発泡クッションとを備える。
【0034】
裏張り1におけるモールディング1.2は、例えば、タブ、ポケット又はループとして導入又は適用されていてもよい。図1Aによる例示的な実施形態において、モールディング1.2は、カバー2から離れた方を向いている裏張り1の表面側1.1上に形成される。
【0035】
代替的に、モールディングは、より詳細には図示されないやり方でカバー2に向いている側1.3に又は表面側1.1及び1.3の両方に形成され得る。
【0036】
2つの側方モールディング1.2が図1Aによる裏張り1に導入されており、こうした2つの膨らみの無い側部ボルスタ3.1は、例えば、要素3の場合、図2Aから3に示されているように、車両座席又は座部として構成される。代替的に又は追加的に、特に、座席要素として構成される要素3の前端及び/又は後端に図示されていない更なるモールディング1.2によって、膨らみの無い側部ボルスタ3.2が形成され得る。
【0037】
この場合、要素3は内部キャリアユニット7を備え、これは側部ボルスタ3.1及び横ボルスタ3.2を有する外面形状を形成し、これには図1Aから1Cに示された様々な外部複合材料が適用される。
【0038】
図1Aによるもっとも単純な実施形態では、キャリアユニット7に適用することができる外部複合材料は、裏張り1でラミネートされるカバー2を備え、裏張り1は、少なくとも部分的に、特に、側部ボルスタ3.1及び/又は横ボルスタ3.2の領域においてカバー2から離れた方を向いている表面側1.1上にモールディング1.2を備える。この例示的な実施形態では、モールディング1.2は、例えば、縫い目1.4によって、裏張り1に直接固定されている。更に、例えば、特定のタブ状のモールディング1.2の各々が、支持要素1.5、特に、ワイヤ、ロッド又はクリップと共に設けられ得る。
【0039】
図1Bによる代替的な実施形態において、キャリアユニット7に適用され得る外部複合材料は、裏張り1でラミネートされるカバー2を備える。この例示的な実施形態では、モールディング1.2は、今度は、モールディング1.2から離れた方を向いた表面側により裏張り1に適用され且つ材料結合により裏張り1に接合されるキャリア5に固定される。カバー2は、例えば、皮革である。皮革をカバー2とする場合、裏張り1、例えば、不織布又はワープニットは、接着剤4による材料結合によってカバー2に接合される又は接合されている。
【0040】
図1Cによる更なる代替的な実施形態において、キャリアユニット7に適用され得る外部複合材料は、裏張り1でラミネートされるカバー2を備える。この場合、裏張り1、例えば、発泡フィルム又は布地等の熱可塑性材料が、溶融(=フレームラミネ―ション)により織物から形成されるカバー2に直接適用される又は適用されている。モールディング1.2は、この例示的な実施形態ではキャリア5に固定される。補強要素6が、裏張り1上に追加的に配置され、材料結合によってそこに接合される。固定されたモールディング1.2を有するキャリア5は、(複数の)モールディング1.2から離れた方を向いた表面側で補強要素6に適用され、材料結合により補強要素6に接合される。
【0041】
異なる実施形態によれば、モールディング1.2は、裏張り1がカバー2又はキャリア5に接合される前に、裏張り1に導入若しくは適用され、又はキャリア5に導入若しくは適用される。例えば、タブ、ループ又はポケットとして構成されるモールディング1.2は、縫い目1.4によって裏張り1又はキャリア5に追加的に固定され得る。代替的に、モールディング1.2は、接着接合され又は鋲で留められ得る。
【0042】
図1Dは、縫い目の無いやり方で張り物を施した要素3のための裏張りを持たない縫い目の無いカバー2の更なる例示的な実施形態の拡大詳細を概略的に示す。カバー2は、座席面を形成する表面側2.1及びそこからから離れた方を向いている不可視面側2.2を有する。モールディング1.2は、この例示的な実施形態では、不可視面側2.2で材料結合によりカバー2に直接又は間接的に接合され得る。
【0043】
図1Dにおいて、モールディング1.2は、同様に材料結合によりその不可視面側2.2でカバー2に接合される、特に、そこに接着接合されるキャリア5に選択的に固定される。
【0044】
更に、支持要素1.5、特に、ループ状テープ、ロッド、クリップ又はワイヤが、モールディング1.2における空洞に導入されていてもよい。
【0045】
可能な実施形態では、裏張り1は、熱可塑性フィルムから形成される。代替的に、裏張り1は、スペーサワープニット、特に、3Dスペーサワープニット、不織布、樹脂材料、ハイブリッド材料、特に、合成繊維、又は何らかの他の織布又は不織布材料から形成され得る。
【0046】
モールディング1.2が適用され又は導入され及び選択的に追加的に固定され、特に、縫い付けられ、接着接合され、鋲で留められ又はクリップで留められた裏張り1は、材料結合によりカバー2に接合される。このため、接着剤4、特に、ラミネート接着剤が、裏張り1とカバー2との間に導入されていてもよい。裏張り1及びカバー2は、後で、既定の圧力下で及び/又は既定の温度での材料結合により、特に、組み合わされたプレス及び乾燥操作で互いに接合される。この場合、接着剤4は、カバー2の後側2.1、特に、裏張り1の方に向いた表面側に、及び/又はカバー2の方を向いた裏張り1の表面側1.3に適用される。
【0047】
その後、裏張り1が設けられたカバー2は、図示されていないやり方で、外面形状が、例えば、凸状及び/又は凹状に形成された、要素3のキャリアユニット7、特に、クッションキャリア又はクッション本体に更に適用され、裏張り1のモールディング1.2又はキャリア5のモールディング1.2の結果として、そこに固定され、例えば、鋲で留められ、ホチキスで留められ又はクリップで留められ又は接着接合される。キャリアユニット7は、例えば、合成成形体又は自然成形体から形成される。
【0048】
図1Bは、別個のキャリア5にモールディング1.2が間接適用された例示的な実施形態を示す。この場合、モールディング1.2は、別個のキャリア5に固定されており、特に、縫い目1.4によって固定されている。キャリア5は、特に、布材、例えば、布地、織物、ニット又はワープニットから形成される。
【0049】
この例示的な実施形態では、カバー2は、裏張り1と共に前もって作られており、所定のサイズに切断されている。その後、固定されたモールディング1.2を有するキャリア5は、モールディング1.2から離れた方を向いている表面側で、特に、材料結合によって、例えば、そこへの接着接合によって裏張り1に接合される。
【0050】
このため、キャリア5は、例えば、接着剤を提供される。代替的に、キャリア5は、接着剤を含浸させていてもよい。
【0051】
図1Cは、別個のキャリア5にモールディング1.2が間接的に適用された更なる例示的な実施形態を示しており、裏張り1は、カバー2から離れた方を向いている裏張り1のその表面側1.1上に補強要素6が選択的に設けられる又は設けられている。補強要素6は、特に、補強布、例えば、ワープニット、不織布又はニットとして構成され、材料結合により、特に、接着接合によりそこに接合される。
【0052】
凹状及び/又は凸状の外面形状を形成するために裏張り1無しで縫い目の無いカバー2が設けられた要素3を製造する方法は、この場合、単純な実施形態では、少なくとも1つのモールディング1.2、特に、布地タブ、ループ又はポケットをカバー2の不可視面側2.2に導入又は適用するステップと、カバー2にモールディング1.2を固定するステップと、固定されたモールディング1.2を材料結合によりカバー2に接合するステップとを含む。
【0053】
凹状及び/又は凸状の外面形状を形成するために縫い目の無いカバー2及び裏張り1が設けられた要素3を製造する更なる代替的な方法は、この場合、単純な実施形態では、裏張り1に縫い目の無いカバー2を接合するステップと、少なくとも1つのモールディング1.2、特に、布地タブ、ループ又はポケットを裏張り1のカバー1から離れた方を向いている表面側1.1に導入又は適用するステップと、カバー2から離れた方を向いている裏張り1のその表面側1.1にモールディング1.2を固定するステップと、固定されたモールディング1.2を材料結合によりカバー2に接合するステップとを含む。
【0054】
更に、既にラミネートされているカバー2の裏張り1に又はカバー2自体にモールディング1.2を間接適用する場合、モールディング1.2は、まず最初に、キャリア5に適用され、且つ固定され、例えば、縫い付けられ又は鋲で留められ得る。その後、固定されたモールディング1.2を有するキャリア5は、既にラミネートされているカバー2の裏張り1に又はモールディング1.2から離れた方を向いている表面側でカバー2に適用され、材料結合により、特に、接着接合でそこに接合される。
【0055】
更なる選択肢として、補強要素6が、カバー2から離れた方を向いている裏張り1のその表面側1.1に又はカバー2の不可視面側2.2に配置され、且つ固定され、特に、接着接合される。補強要素6は、例えば、ニット、ワープニット又は不織布であり、裏張り1に接着接合される。
【0056】
補強要素6が有る場合、キャリア5は、次に、裏張り1から離れた方を向いているその表面側で又はカバー2の不可視面側2.2で補強要素6に適用される。
【0057】
裏張り1は、特に、1mmから10mmの、特に、3mmより大きな厚みを有する。選択的な補強要素6又は裏張り1の下方材料は、0.5mmから1.5mmの、特に、約1mmの厚みを有する。キャリア5は、特に、0.5mmから1.5mmの、特に、約1mmの厚みを有する。
【0058】
製造方法の更なる実施形態は、少なくとも1つのモールディング1.2、特に、布地タブ、ループ又はポケットを裏張り1のカバー2から離れた方を向いている表面側1.1に又はカバー2の不可視面側2.2に導入又は適用するステップと、少なくとも1つの支持要素1.5、特に、ワイヤ、ループ状テープ、制限バンド及び/又は隔壁をモールディング1.2に、特に、モールディング1.2により形成された空洞に選択的に導入するステップと、モールディング1.2を裏張り1に又はカバー2に、例えば、少なくとも1つの縫い目1.4又はクリップによって固定するステップと、特に、材料結合によって、裏張り1及びカバー2が固定される前に、意匠要素、特に、パターン、装飾ステッチ、刺繍片、刻印、スクリーン印刷、インクジェット印刷、オフセット印刷をカバー2に選択的に別個に導入するステップと、裏張り1及び/又はカバー2を所定のサイズに切断するステップと、所定のサイズに切断された裏張り1を所定のサイズに切断されたカバー2に材料結合で接合するステップであって、成形された、特に、凸状及び/又は凹状に成形された裏張り1上に外形に忠実に且つ縫い目の無いやり方でカバー2を形成するステップとを提供する。
【0059】
ラミネート操作の前にカバー2に意匠要素を別個に導入する結果として、切断及び手動縫い付け操作の回数が、従来の機械的固定方法と比較して大幅に少なくなる。更に、パターンが、全く不整合を有さずに事前にカバー2に導入され得る。
【0060】
1つの可能な発展として、少なくとも1つの刻印、刺繍片、スクリーン印刷、インクジェット印刷又はオフセット印刷が、少なくともモールディング1.2の領域においてカバー2に導入される。カバー2への意匠要素のこの導入は、ラミネート操作の前に行われる。
【0061】
図2Aから2Dは、縫い目の無いやり方で張り物を施した要素の例示的な実施形態の、正面からの及び断面における斜視図を概略的に示しており、側部ボルスタ3.1が裏張り1において対応して形成されたモールディング1.2により成形される。代替的に又は追加的に、更なるモールディング1.2が裏張り1に導入されていてもよく、これは、例えば、要素3の前端又は後端における外面形状に横ボルスタ3.2を形成する。
【0062】
図2Cが示すように、この場合、(複数の)モールディング1.2が、特に、要素3の凹状に成形された領域において、直接的に又は部分的にのみキャリア5によって、裏張り1に配置又は固定されている。図2Cによる例示的な実施形態では、2つのモールディング1.2は、側部ボルスタ3.1への遷移領域に設けられる。更に、(図2Dに示されている)中央座席面領域に及び/又は(図示されていない)横ボルスタ3.2の領域に、更なるモールディング1.2が配置され得る。モールディング1.2は、座部として構成される要素3のための例として示されているが、背もたれとして構成される要素3において対応する領域にも設けられ得る。
【0063】
図2Dは、凹状に成形された座席表面を有する座部として構成される要素3を示す。この場合、(複数の)モールディング1.2が、要素3の凹状に成形された領域において、直接的に又は部分的にキャリア5によって、裏張り1に配置又は固定される。特に、モールディング1.2は、凹状に成形された領域の最も低い地点に配置される。
【0064】
図2Eは、座部として構成される要素3の斜視図を示しており、カバー2は裏張り無しで形成されている。この例示的な実施形態では、(複数の)モールディング1.2が、要素3の凹状成形された座席領域における不可視表面側2.2で部分的にカバー2に固定されており、そこで材料結合によってカバー2に接合される。選択的に、キャリア5は、カバー2とモールディング1.2との間に配置され得る。この場合、モールディング1.2は、まず最初にキャリア5に固定され、後者はその後材料結合によりカバー2に接合される。
【0065】
図3は、縫い目の無いやり方で張り物を施した要素3の更なる例示的な実施形態の側面図の斜視図を概略的に示しており、この要素3は側部ボルスタ3.1を有する座部を形成している。
【符号の説明】
【0066】
1 裏張り
1.1、1.3 表面側
1.2 モールディング
1.4 縫い目
1.5 支持要素
2 カバー
2.13 可視表面側
2.13 不可視表面側
3 要素
3.1 側部ボルスタ
3.2 横ボルスタ
4 接着剤
5 キャリア
6 補強要素
7 キャリアユニット
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
【国際調査報告】