特表2017-519694(P2017-519694A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-519694反転可能なダイヤフラムおよびより大きい厚みの中央部分を備える容器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-519694(P2017-519694A)
(43)【公表日】2017年7月20日
(54)【発明の名称】反転可能なダイヤフラムおよびより大きい厚みの中央部分を備える容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/02 20060101AFI20170623BHJP
【FI】
   B65D1/02 250
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-573831(P2016-573831)
(86)(22)【出願日】2015年6月4日
(85)【翻訳文提出日】2017年2月15日
(86)【国際出願番号】EP2015062506
(87)【国際公開番号】WO2015193121
(87)【国際公開日】20151223
(31)【優先権主張番号】14305931.9
(32)【優先日】2014年6月18日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】504102770
【氏名又は名称】シデル パルティシパション
【氏名又は名称原語表記】SIDEL PARTICIPATIONS
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゴデット,フロリアン
【テーマコード(参考)】
3E033
【Fターム(参考)】
3E033AA02
3E033BA13
3E033CA02
3E033CA05
3E033DA03
3E033DB01
3E033DC03
3E033DD03
3E033EA04
3E033FA03
3E033GA02
(57)【要約】
支持フランジ(9)を形成する起立リング(8)と、起立リングから中央部分(10)まで延在するダイヤフラム(11)とを含む基部(7)を備え、前記ダイヤフラムが外側に傾斜した位置にあることができる、プラスチック材料でできた容器(1)であって、ダイヤフラムが、起立リングに対してダイヤフラムの外側関節接合を形成する外側接合部(12)で、起立リングに結合し、ダイヤフラムが、中央部分に対してダイヤフラムの内側関節接合を形成する内側接合部(13)で、中央部分に結合し、ダイヤフラムが、起立リングに対して、内側に傾斜した位置まで反転可能であり、中央部分がダイヤフラムよりも大きい厚みを含み、中央部分が内側接合部に隣接するより大きい厚みの環状セクション(21)を含み、中央部分が、環状セクションよりも薄い中央凹部(22)を含み、かつ環状セクションの内側縁部から上方へ突出する、容器(1)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持フランジ(9)を形成する起立リング(8)と、起立リング(8)から中央部分(10)まで延在するダイヤフラム(11)とを含む基部(7)を備え、前記ダイヤフラム(11)が外側に傾斜した位置にあることができる、プラスチック材料でできた容器(1)であって、
ダイヤフラム(11)が、起立リング(8)に対してダイヤフラム(11)の外側関節接合を形成する外側接合部(12)で、起立リング(8)に結合し、
ダイヤフラム(11)が、中央部分(10)に対してダイヤフラム(11)の内側関節接合を形成する内側接合部(13)で、中央部分(10)に結合し、
それによって前記ダイヤフラム(11)が、起立リング(8)に対して、内側に傾斜した位置まで反転可能であり、
中央部分(10)がダイヤフラム(11)よりも大きい厚みを含み、中央部分(10)が内側接合部(13)に隣接するより大きい厚みの環状セクション(21)を含むことを特徴とし、中央部分(10)が、環状セクション(21)よりも薄い中央凹部(22)を含み、かつ環状セクション(21)の内側縁部から上方へ突出する、容器(1)。
【請求項2】
中央部分(10)の全体が、ダイヤフラム(11)よりも大きい厚みを有する、請求項1に記載の容器(1)。
【請求項3】
ダイヤフラム(11)が厚みT1を含み、中央部分(10)が、内側接合部(13)に隣接する少なくとも環状セクション(21)の中で、
【数1】
であるような厚みT2を有する、請求項1または2に記載の容器(1)。
【請求項4】
ダイヤフラム(11)が厚みT1を含み、内側接合部(13)に隣接する少なくとも環状セクション(21)の中で、
【数2】
であるような、中央部分(10)の厚みT2を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の容器(1)。
【請求項5】
起立リング(8)が、上端部が外側接合部(12)を形成する円錐台形状の内壁(15)を備える高い起立リング(8)であり、それによって外側に傾斜した位置で、中央部分(10)が起立リング(8)の上方に位置する、請求項1から4のいずれか一項に記載の容器(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、プラスチック(例えばPETなど、ほとんどは熱可塑性)材料でできているプリフォームから、ブロー成形または延伸ブロー成形によって製造される、ボトルなどの容器の製造に関する。限定的ではないが、より詳細には、本発明は、高温充填容器、すなわち高温の注入可能な製品(典型的には、液体)によって充填される容器の加工に関し、「高温」という用語は、容器が作製される材料のガラス転移温度よりも製品の温度が高いことを意味する。典型的には、PET容器(そのガラス転移温度が約80℃である)の高温充填が、約85℃と約100℃との間、典型的には90℃に含まれる温度で製品によって実施される。
【背景技術】
【0002】
米国特許出願公開第2008/0047964号明細書(Dennerら、C02PACに譲渡された)は、容器の底部に配置される圧力パネルを備える容器を開示する。Dennerによれば、圧力パネルは、外側に傾斜した位置と内側に傾斜した位置との間で移動可能であって、容器内部の圧力変化を補償する。容器がキャップを取り付けられ、冷却された後、容器内部の真空力のすべて、または部分を緩和するために、圧力パネルが機械的プッシャによって外側に傾斜した位置から移動されて、圧力パネルを内側に傾斜した位置に強制するようにする。
【0003】
そのような容器上に実施されるテストによれば、一度内側に傾斜した位置に反転されると、圧力パネルはその位置を維持せず、容器の圧力下で戻って沈む傾向があることを示した。結局、容器が冷却された後、容器は剛性をほとんどなくしてしまい、それによって手に保持される場合、柔らかく感じられる。容器を積み重ねる、またはパレタイズする場合、下方の容器が、上方の容器の重量下で曲がる危険性があり、かつそれによって、全体のパレットが崩壊する危険性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0047964号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、より優れた安定性を有する容器を提案することである。
【0006】
本発明の別の目的は、反転された位置を維持することができる反転可能なダイヤフラムを備える容器を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、支持フランジを形成する起立リングと、起立リングから中央部分まで延在するダイヤフラムとを含む基部を備え、前記ダイヤフラムが外側に傾斜した位置にあることができる、プラスチック材料でできた容器であって、
ダイヤフラムが、起立リングに対してダイヤフラムの外側関節接合を形成する外側接合部で、起立リングに結合し、
ダイヤフラムが、中央部分に対してダイヤフラムの内側関節接合を形成する内側接合部で、中央部分に結合し、
それによって前記ダイヤフラムが、起立リング容器に対して内側に傾斜した位置まで反転可能であり、
中央部分が、内側接合部に隣接する少なくとも環状セクションで、ダイヤフラムよりも大きい厚みを有する容器が提供される。
【0008】
内側接合部に隣接するより大きい厚みの区分が、反転された位置で剛性を提供し、それによって、ダイヤフラムが戻って沈むことを防止する。したがって、容器内の圧力は、高値に維持され、容器に高い剛性を提供する。
【0009】
個別に、または組み合わせて使用される様々な実施形態により、
中央部分の全体が、ダイヤフラムよりも大きい厚みを含み、
中央部分が内側接合部に隣接するより大きい厚みの環状セクションを含み、中央部分が、環状セクションよりも薄い中央凹部を含み、かつ環状セクションの内側縁部から上方へ突出し、
ダイヤフラムが厚みT1を含み、中央部分が、内側接合部に隣接する少なくとも環状セクションの中で、
【0010】
【数1】
であるような厚みT2を含み、
内側接合部に隣接する少なくとも環状セクションの中で、中央部分の厚みT2が、
【0011】
【数2】
であり、
起立リングが、上端部が外側接合部を形成する円錐台形状の内壁を備える高い起立リングであり、それによって外側に傾斜した位置で、中央部分が起立リングの上方に位置する。
【0012】
本発明の上記の、および他の目的および利点が、添付の図面と併せて考察される、好適な実施形態の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】プリフォーム(破線)と、それから形成された結果として得られる容器との両方を示す断面図である。
図2】第1の実施形態による、ダイヤフラムの外側に傾斜した位置(実線)、およびその内側に傾斜した位置(破線)の両方で、図1のフレームII内部の容器の基部を示す拡大断面図である。
図3】第2の実施形態を示す、図2に類似する図である。
図4】第3の実施形態を示す、図2に類似する図である。
図5】プリフォームから容器を製造するためのブロー成形用金型の断面図であり、この金型は後退した位置で示される移動可能な基部を含む。
図6】プリフォームから形成された容器(実線内)および上昇した位置の金型基部を示す、図5に類似する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、高温の製品(お茶、フルーツジュースまたはスポーツドリンクなど)で充填されるために適する容器1を示す。
【0015】
容器1は、上方に開いた円柱形ねじ付き上方部分またはネック2を含み、ネック2は、その下方端部でより大きい直径の支持カラー3の中で終端する。カラー3の下方に、容器1は、長さが短い円柱形上方端部を通ってカラー3に結合される肩部4を含む。
【0016】
肩部4の下方に、容器1は、容器の主軸Xの周りに略円柱形である壁部分5を含む。図1および図2に示されるように、壁部分5は、環状補剛リブ6を含み、そうでない場合は、水平断面で見ると壁部分5を楕円形にする傾向がある応力に抵抗することができる(そのような変形は標準的であり、楕円化と呼ばれる)。
【0017】
壁部分5の下方端部で、容器1は、容器1を閉鎖し、容器1がテーブルなどの平坦な面上に置かれることを可能にする基部7を含む。
【0018】
容器基部7は、主軸Xに略垂直な平面に延在する支持フランジ9を形成する起立リング8、中央部分10、および起立リング8から中央部分10まで延在するダイヤフラム11を含む。
【0019】
ダイヤフラム11は、外側接合部12で起立リング8に結合し、内側接合部13で中央部分10に結合する。外側接合部12および内側接合部13の両方が、好適には湾曲している(または丸い形である)。
【0020】
容器1は、不変のネック2、円柱壁14A、および丸い形の底部14Bを含むプリフォーム14(図1の破線の中)からブロー成形される。
【0021】
容器1は、内側接合部13が外側接合部12の下方に配置される(容器1は、通常ネックを上に保持されている)外側に傾斜した位置にあるダイヤフラム11と共にブロー成形される。ダイヤフラム11は、厚みT1を有する。
【0022】
外側接合部12が、起立リング8に対してダイヤフラム11の外側関節接合を形成し、内側接合部13が、中央部分10に対してダイヤフラム11の内側関節接合を形成し、それによって、ダイヤフラム11が、起立リング8に対して、外側に傾斜した位置から、内側接合部13が内側接合部12の上方に配置される内側に傾斜した位置(図2図3および図4の破線内)まで反転可能である。
【0023】
図面に示される好適な実施形態では、起立リング8は、高い起立リングであり、すなわち、起立リングは、円錐台形状内壁15を備え、その上端部が外側接合部12(したがって、ダイヤフラム11による外側関節接合)を形成し、ダイヤフラム11の外側に傾斜した位置では、中央部分10が起立リング8の上方に位置する。
【0024】
容器1は、少なくとも2つの部分またはシェルからできている側壁17A、17Bと、上面19を含む金型基部18とを備えるブロー成形用金型16の中にブロー成形され、上面19は、支持フランジ9、内壁15、ダイヤフラム11および中央部分10を含む容器基部7の反対のプリントを形成する。金型基部18と共に側壁17A、17Bが、容器1の形状を有する金型空洞20を形成する。
【0025】
金型基部18は、成形される容器基部7の下に上面19が延在する後退した位置(図5)と、上面19が空洞を閉鎖し、ブロー成形される容器基部7のまさにその位置に延在する上昇した位置(図6)との間で、側壁17A、17Bに対して移動可能である。
【0026】
これによって、ブロー成形中に、容器基部7の材料の過度な延伸(壁部分5の材料に対して)を提供し、それによって、金型基部18の後退した位置では、プリフォーム14の材料が最初に容器基部7の最終的な位置を越えて延伸され、次いで金型基部18がその上昇した位置へ移動されて、延伸された材料を上方へ押して、容器基部7の最終的な形状を形成する。したがって、延伸された材料が向上した結晶性を含み、その薄さに関わらず、良好な機械的特性を有する。
【0027】
しかし、この場合には、中央部分10は、内側接合部13に隣接する(すなわち、ダイヤフラム11との内側関節接合に隣接する)少なくとも環状セクション21の中で(中央部分10が厚みT2を有す)、過度に延伸されることから保護される。
【0028】
これは、プリフォーム14の特定の加熱によって達成され、プリフォーム14は、壁14A内および底部14Bの周辺部分(起立リング8およびダイヤフラム11に対応する)内で、中央部分10に対応する、底部14Bの中央部分内よりも高い温度で加熱される。
【0029】
そのような選択的な加熱は、正確に影響を与える加熱源を備える加熱ユニットによって実現され得る。
【0030】
したがって、中央部分10内で、少なくとも環状セクション21が、ブロー成形中、および金型基部18の上昇移動中にアモルファス状態に留まり、ダイヤフラム11の厚みT1よりも大きい厚みT2を有す。好適な実施形態では、厚みT2は、T2≧1.5・T1のようになり、さらに好適には、T2≧2・T1である。
【0031】
図1および図2に示される一実施形態では、中央部分10の全体が、ダイヤフラム11よりも大きい厚みを有す。図3および図4に示される代替実施形態では、環状セクション21だけがより大きい厚みを有するが、一方、環状セクション21の内部に配置される中央セクション22は、環状セクション21よりもより薄い。図3の実施形態では、中央セクション22は平坦である。図4の実施形態では、中央セクション22は、環状セクション21の内側縁部から上方に突出する中央凹部を形成する。
【0032】
容器1が製品で充填され、キャップを取り付けられた後、製品の冷却によって生成される真空を補償し、または内部圧力を上昇させるために、および壁部分5に剛性を提供するために、ダイヤフラム11を反転することが、機械的に実現され得る(例えば、ジャッキ上に取り付けられたプッシャによって)。
【0033】
環状セクション21または中央部分10の全体(図1および図2の実施形態では)が、ダイヤフラム11が反転された位置で(図2図3および図4の点線内)、アーチ型天井の補剛性およびロック機能を提供し、それによって、容器1の内容物が圧力下で最初の位置(すなわち、外側に傾斜した)まで戻って沈み、関節接合することが防止される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】