特表2017-519953(P2017-519953A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-519953圧力空気供給設備、空気圧システム及び圧力空気供給設備の動作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-519953(P2017-519953A)
(43)【公表日】2017年7月20日
(54)【発明の名称】圧力空気供給設備、空気圧システム及び圧力空気供給設備の動作方法
(51)【国際特許分類】
   F15B 11/06 20060101AFI20170623BHJP
   F15B 1/00 20060101ALI20170623BHJP
【FI】
   F15B11/06 C
   F15B1/00 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2016-572812(P2016-572812)
(86)(22)【出願日】2015年6月16日
(85)【翻訳文提出日】2016年12月13日
(86)【国際出願番号】EP2015001219
(87)【国際公開番号】WO2015197170
(87)【国際公開日】20151230
(31)【優先権主張番号】102014009418.9
(32)【優先日】2014年6月25日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102014010956.9
(32)【優先日】2014年7月24日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】596055475
【氏名又は名称】ヴアブコ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】WABCO GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100062317
【弁理士】
【氏名又は名称】中平 治
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】フランク・ディーター
(72)【発明者】
【氏名】マイスナー・フランク
(72)【発明者】
【氏名】シュタベノフ・ウーベ
【テーマコード(参考)】
3H086
3H089
【Fターム(参考)】
3H086AA25
3H086AA28
3H086AB04
3H086AB12
3H089BB27
3H089CC01
3H089DA05
3H089DB44
3H089DB48
3H089JJ12
(57)【要約】
本発明は、特に、蓄圧器92又はそれと同等の圧力空気貯蔵容器及び一定数のベローズ93又はそれと同等の圧力空気室を備えた空気圧設備90を動作させるための圧力空気供給設備10に関し、この圧力空気供給設備は、圧力空気供給部1であって、その供給部の圧力媒体供給側では充填装置30が圧縮機31と繋がる圧力空気供給部と、空気圧設備90に通じる圧力空気ポート2及び周囲環境に通じる排気ポート3と、圧力空気供給部1と圧力空気ポート2の間の空気圧主配管60と、圧力空気供給部1と排気ポート3の間の排気配管70とを備えている。本発明では、圧力空気供給部1に対して、切換弁40が配備されており、この切換弁40は、圧力空気供給部1が、この切換弁40を介して、主配管60に対して圧力に依存せずに開かれており、圧力空気供給部1における、充填装置30によって主配管60に対して発生させることが可能なフロー圧力pを用いて、圧力空気供給部1が圧力を加えられていない状態では、圧力空気ポート2が排気配管70と通じるように接続され、特に、出口ポート43が開放され、圧力空気供給部1が圧力を加えられた状態では、圧力空気ポート2が排気配管70と通じるように接続されない、特に、出口ポート43が閉鎖されるように、圧力空気により制御される形態で構成されていると規定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に、蓄圧器(92)又はそれと同等の圧力空気貯蔵容器及び一定数のベローズ(93)又はそれと同等の圧力空気室を備えた空気圧設備(90)を動作させるための圧力空気供給設備(10)であって、
圧力空気供給部(1)であって、この供給部の圧力媒体供給側に、圧縮機(31)を備えた充填装置(30)が繋がる圧力空気供給部と、
空気圧設備(90)に通じる圧力空気ポート(2)及び周囲環境に通じる排気ポート(3)と、
圧力空気供給部(1)と圧力空気ポート(2)の間の空気圧主配管(60)と、
圧力空気供給部(1)と排気ポート(3)の間の排気配管(70)と、
を備えた圧力空気供給設備において、
圧力空気供給部(1)に対して、切換弁(40)が配備されており、
この切換弁(40)は、
圧力空気供給部(1)が、この切換弁(40)を介して、主配管(60)に対して開かれているか、或いは開放でき、
圧力空気供給部(1)における、充填装置(30)によって主配管(60)に対して発生させることが可能なフロー圧力(p)を用いて、
圧力空気供給部(1)が圧力を加えられていない状態では、圧力空気ポート(2)が排気配管(70)と通じるように接続され、特に、出口ポート(43)が開放でき、
圧力空気供給部(1)が圧力を加えられた状態では、圧力空気ポート(2)が排気配管(70)と通じるように接続されない、特に、出口ポート(43)が閉鎖される、
ように、圧力空気により制御される形態で構成される、
ことを特徴とする圧力空気供給設備。
【請求項2】
当該の切換弁(40)が、圧力制御ポート(41)において空気圧主配管(60)の第一の部分(60.1)と繋がり、通過ポート(42)において空気圧主配管(60)の第二の部分(60.2)と繋がり、出口ポート(43)において排気配管(70)と繋がるように、圧力空気供給部(1)に対して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の圧力空気供給設備。
【請求項3】
当該の切換弁(40)が圧力空気分配空間(49)を有し、その空間からは、充填装置(30)と接続された圧力制御ポート(41)と、空気圧主配管(60)と接続された通過ポート(42)と、排気配管(70)と接続された出口ポート(43)が分岐しており、
通過ポート(42)が主配管(60)に対して開かれている場合、ばね力(F)に対抗して移動可能な切換弁体(48)は、
圧力制御ポート(41)が圧力を加えられていない状態では、排気配管(70)に対して出口ポート(43)を開放し、
圧力を加えられた状態では、排気配管(70)に対して出口ポート(43)を閉鎖する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の圧力空気供給設備。
【請求項4】
当該の圧力空気供給部(1)は、切換弁(40)を介して、主配管(60)に対して圧力に依存せずに開かれているか、或いは開放でき、この切換弁(40)は、専ら圧力制御ポート(41)を介した圧力空気及び/又は直に圧縮機(31)の動作による圧力空気によって制御されるように構成されていることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載の圧力空気供給設備。
【請求項5】
当該の圧力空気供給部(1)は、切換弁(40)を介して、主配管(60)に対して圧力に応じて開かれているか、或いは開放でき、この切換弁(40)は、圧力制御ポート(41)を介した圧力空気及び/又は直に圧縮機(31)の動作による圧力空気によって制御されるように構成され、圧力制限手段、特に、圧力空気通過切換弁(40’)が、圧力制御ポート(41)の前及び/又は後に接続されているか、或いはそのポートと一緒に実現されていることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載の圧力空気供給設備。
【請求項6】
当該の切換弁(40)は、この切換弁が圧力制御ポート(41)に加わる圧力(p)及び/又は圧力制御ポート(41)から空気圧主配管(60)に流れる体積流量に応じて圧力空気(DL)により切り換わることが可能なように、圧力空気により制御される形態で構成されていることを特徴とする請求項1から5までのいずれか一つに記載の圧力空気供給設備。
【請求項7】
当該の切換弁(40)は、圧力制御ポート(41)に加わる圧力(p)が最高圧力(p_max)を上回った場合及び/又は圧力制御ポート(41)を貫流する圧力空気(DL)が最小体積流量(V_min)を下回った場合に、この切換弁を用いて、通過ポート(42)が出口ポート(43)と接続することが可能であるように、圧力空気により制御される形態で構成されていることを特徴とする請求項1から6までのいずれか一つに記載の圧力空気供給設備。
【請求項8】
圧力制御ポート(41)の前及び/又は後に圧力空気通過切換弁(40’)が接続されており、この圧力空気通過切換弁(40’)は、この弁に最低圧力(p_min)が加わった場合に初めて導通状態に切り換わることが可能なように構成されていることを特徴とする請求項1から7までのいずれか一つに記載の圧力空気供給設備。
【請求項9】
当該の切換弁(40)は、切換弁体(48)と作用するように接続された弁ばね(47)を備え、その弁ばね力(F)は、圧縮機(31)が停止している場合に、圧力制御ポート側における切換弁体(48)に加わるガス圧力(G)に打ち勝つように構成されていることを特徴とする請求項1から8までのいずれか一つに記載の圧力空気供給設備。
【請求項10】
当該の圧縮機(31)及び/又は出口ポート(43)は、当該の切換弁(40)が切り換わった時に、圧力空気ポート(2)に繋げることが可能な空気圧設備(90)を自動的に排気できるように、静的に気密でないように設計されていることを特徴とする請求項1から9までのいずれか一つに記載の圧力空気供給設備。
【請求項11】
当該の切換弁体(48)が排気配管(70)に対して同軸に、或いは交差して動くように配置されていることを特徴とする請求項1から10までのいずれか一つに記載の圧力空気供給設備。
【請求項12】
特に、切換弁体(48)と作用するように接続された弁ばね(47)のばね支持体(74’)としての役割を同時に果たす排気絞り部(74)が、排気配管(70)内に部分的に突き出た、切換弁体(48)の弁座(48’)による括れ部(48’’)として構成されていることを特徴とする請求項1から11までのいずれか一つに記載の圧力空気供給設備。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか一つに記載の圧力空気供給設備(10)と、この圧力空気供給設備(10)の圧力空気ポート(2)に繋がるとともに、蓄圧器(92)又はそれと同等の圧力空気貯蔵容器及び一定数のベローズ(93)又はそれと同等の圧力空気室を備えた空気圧設備(90)とを有する空気圧システム(100)。
【請求項14】
圧力空気供給設備、特に、請求項1から12までのいずれか一つに記載の圧力空気供給設備の動作方法であって、
充填動作(S2)において、吸入された圧力空気が充填装置(30)により圧縮されて、切換弁(40)を介して空気圧主配管(60)に供給され、
特に、排気動作(S3)において、圧力空気が、空気圧主配管(60)から切換弁(40)を介して排気配管(70)に排出され、
この充填動作において、切換弁(40)が、圧縮された圧力空気(DL)のフロー圧力(p)によって、排気配管(70)に対して閉鎖状態に保持される、
方法。
【請求項15】
時間的に充填動作に先行する圧縮機始動動作(S1)において、切換弁(40)が、圧縮された圧力空気(DL)のフロー圧力(p)によって、排気配管(70)に対して閉鎖されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
圧縮された圧力空気(DL)のフロー圧力(p)を発生する圧縮機(31)がほぼ圧力を加えられていない形態で始動するような速さでのみ、当該の切換弁(40)が排気配管(70)に対して閉鎖されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
当該の空気圧主配管(60)が、排気動作(S3)に先行する圧縮機停止動作(S3.1)において、充填装置(30)と空気圧主配管(60)の間の静的に気密でないように設計された空気圧通路(60.1〜60.2)により事前に排気され、そのようにして、当該の切換弁(40)が排気配管(70)に対して開放される、特に、充填装置(30)と空気圧主配管(60)の第二の部分(60.2)の間における空気圧主配管(60)の静的に気密でないように設計された第一の部分(60.1)により事前に排気され、そのようにして、当該の切換弁(40)が排気配管(70)に対して開放されることを特徴とする請求項14から16までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項18】
全ての動作形態において、充填装置(30)と空気圧主配管(60)の間の空気圧通路(60.1〜60.2)が圧力に依存せずに開放状態に保持される、特に、全ての動作形態(S1,S2,S3.1,S3)において、充填装置(30)と空気圧主配管(60)の第二の部分(60.2)の間における空気圧主配管(60)の第一の部分(60.1)が圧力に依存せずに開放状態に保持されることを特徴とする請求項14から17までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項19】
当該の切換弁(40)が、専ら圧縮された圧力空気(DL)のフロー圧力(p)によって、排気配管(70)に対して閉鎖されることを特徴とする請求項14から18までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項20】
圧力空気供給設備(10)と繋がった空気圧設備(90)の圧縮機停止動作(S3.1)の前に、圧力空気供給設備(10)の充填動作(S2)が行なわれることを特徴とする請求項14から19までのいずれか一つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に基づく空気圧設備を動作させるための圧力空気供給設備、空気圧システム及び圧力空気供給設備を制御する方法に関する。
【0002】
この圧力空気供給設備は圧力空気供給部を有し、その供給部の圧力媒体供給側では圧縮機を備えた充填装置が繋がっている。圧力空気供給設備は、空気圧設備に通じる圧力空気ポート、周囲環境に通じる排気ポート、これらの圧力空気供給部と圧力空気ポートの間の空気圧主配管及びこれらの圧力空気供給部と排気ポートの間の排気配管をも備えている。また、本発明は、圧力空気供給設備と空気圧設備を備えた空気圧システムに関する。更に、本発明は、圧力空気供給設備の動作方法に関する。
【背景技術】
【0003】
圧力空気供給設備は、通常圧力空気の形の圧力媒体により動作する。しかし、その動作は、一般的には、圧力空気の形の圧力媒体による動作に限定されず、圧力空気供給設備は、基本的に圧力空気と異なる圧力媒体によっても動作することができる。有利には、圧力空気供給設備は、全ての形式の車両において、車両の空気圧設備に圧力空気を供給するために用いることができる。
【0004】
圧力空気供給設備は、一般的に特許文献1に記載されている。その設備の空気圧主配管を自動的に排気できるようにするため(これは、例えば、圧力を加えられていない形態での圧縮機始動に有利である)、そこに記載された圧力空気供給設備は排気弁を備えており、その弁は、それに対して配備された圧力スイッチにより操作される。その圧力スイッチ自体は、圧力空気供給設備に配備された圧力空気蓄圧器と空気圧を通して接続されており、圧力空気蓄圧器内において所定の圧力に到達したら切り換えられている。更に、従来技術により、各空気圧主配管が電磁駆動式排気弁により排気される圧力空気供給設備が周知である。
【0005】
そのような従来技術による同様の圧力空気供給設備は、例えば、各空気圧主配管を排気するための実際的な解決策を有するが、その解決策には或る欠点が有る。即ち、例えば、電磁駆動式排気弁の場合、電気雑音又はケーブル破断に対して非常に弱いことが挙げられる。更に、それに配備された制御機器には、相応の駆動段及び制御論理部も常に必要である。そのことは、その拡張段階に応じて、コスト上昇を引き起こすか、或いは非常に複雑な制御機器を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】ドイツ実用新案第8109217号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、従来技術と比べて改善された、特に、簡単化された圧力空気供給設備、空気圧システム及び圧力空気供給設備の制御方法を提示することである。特に、比較的簡単に制御可能である、有利には、空気圧主配管の比較的簡単な排気を可能とする、圧力空気供給設備、空気圧システム及び圧力空気供給設備の制御方法を提示する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本課題は、請求項1の圧力空気供給設備により解決される。
【0009】
本発明では、冒頭で述べた圧力空気供給設備において、短く表すと、
圧力空気供給部に対して、切換弁が配備され、
この切換弁は、圧力空気供給部が、この切換弁を介して、主配管に対して開かれている、或いは開放できるように、圧力空気により制御される形態で構成される、
と規定される。
【0010】
更に、本発明では、
圧力空気供給部において充填装置により主配管に対して発生させることが可能なフロー圧力を用いて、
圧力空気供給部が圧力を加えられていない状態では、圧力空気ポートが排気配管と通じるように接続され、特に、出口ポートが開放でき、
圧力空気供給部が圧力を加えられている状態では、圧力空気ポートが排気配管と通じるように接続されない、特に、出口ポートが閉鎖される、
と規定される。
【0011】
本発明は、請求項13の空気圧システムにも関連し、このシステムは、特に、請求項1〜12に基づく本発明による圧力空気供給設備と空気圧設備とを備える。有利には、この空気圧設備は、圧力空気供給設備の圧力空気ポートと繋がっている。この空気圧システムは、圧力空気供給設備に関して述べた改善構成に対応して改善構成することができる。
【0012】
圧力空気供給設備の動作方法に関する課題は、請求項14の方法により解決される。本発明では、圧力空気供給設備の動作方法において、
充填動作において、充填装置から吸入された圧力空気が圧縮されて、切換弁を介して空気圧主配管に供給される工程と、
排気動作において、圧力空気が、空気圧主配管から切換弁を介して排気配管に排出される工程と、
が規定され、この充填動作時に、切換弁が、圧縮された圧力空気のフロー圧力によって、排気配管に対して閉鎖状態に保持される。
【0013】
本発明の技術思想は、本発明の方法に基づき制御する形態で空気圧システムを動作させるように構成された制御・調節機器にも関連する。そのために、この制御・調節機器は、請求項14〜19のいずれか一つに基づく方法の一つ又は複数の工程を実施するように構成されたソフトウェアモジュール及び/又はハードウェアモジュールを備えることができる。
【0014】
本発明は、圧力空気供給設備及び/又は空気圧システムが、このようにして比較的簡単に動作することができる、有利には、空気圧主配管を比較的簡単に排気することが可能であることを明らかにした。特に、この形式のバルブ装置の場合、それに対して配備された制御機器において、相応の駆動段及び制御論理部を不要とするか、或いは少なくとも簡単化することができる。そのため、圧力空気供給設備の複雑さとコストに関して上述した欠点も解消される。充填装置自体により引き起こされる切換弁のフロー駆動によって、充填装置と異なる空気圧制御源による切換弁の外部からの駆動が不要となる。
【0015】
更に、本発明は、持続的に閉鎖された弁が固着する傾向にある、即ち、その独自の切換機能が機能しないことを明らかにした。更に、持続的に閉鎖された排気弁が容易に弁座の所で固まって、そのことが、例えば、商用車の場合に、安全性の大きなリスクを引き起こす可能性が有ることが確認された。切換弁が圧力を加えられていない状態では、即ち、充填装置が非圧縮状態の場合、圧力空気供給部が排気配管に対して開かれているとともに、圧力空気供給部が主配管に対して圧力に依存せずに開かれていることによって、この弁の固着が実質的に排除される。
【0016】
本発明による圧力空気供給設備の利点は、空気圧設備、例えば、車両の圧力空気ばね設備に通じるポートにより明らかとなる。圧力を加えられている状態で、切換弁が排気配管に対して空気圧主配管を閉鎖する、或いは閉鎖状態に保持することによって、圧力空気ばね設備の流路と圧力空気供給設備の間の追加の遮断弁を必要とすること無く、漸く空気圧設備で蓄圧動作を実施することができる。特に、蓄圧器を用いた動作(換気)時に、排気を完了させるために、コンプレッサを始動させることができる。
【0017】
有利な改善構成は、従属請求項から読み取ることができ、課題設定の枠組みにおいて、並びに更に別の利点に関して前に説明した技術思想を実現するための有利な手法を個々に提示する。
【0018】
有利には、この切換弁は、空気圧主配管及び排気配管と通じるように圧力空気供給部に対して配置される。特に、この切換弁は、圧力制御ポートにおいて空気圧主配管の第一の部分と通じるように、通過ポートにおいて空気圧主配管の第二の部分と通じるように、並びに出口ポートにおいて排気配管と通じるように、圧力空気供給部に対して配置される。
【0019】
有利には、この圧力空気供給部には、切換弁が配備され、この切換弁は、圧力空気供給部が、この切換弁を介して、主配管に対して圧力に依存せずに開いているように、圧力媒体により制御される形態で構成され、充填装置により主配管に対して発生させることが可能なフロー圧力を用いて、圧力空気供給部は、圧力を加えられていない状態で、排気配管に対して開放され、圧力を加えられている状態で、排気配管に対して閉鎖されると規定される。言い換えると、充填装置により主配管に対して発生させることが可能なフロー圧力を用いて、圧力空気供給部は、圧力を加えられていない状態で、排気配管に対して開放され、圧力を加えられている状態で、排気配管に対して閉鎖されるように、圧力空気供給部が、この切換弁を介して、主配管に対して圧力に依存せずに開かれている。
【0020】
有利には、
排気動作において、圧力空気は、空気圧主配管から切換弁を介して排気配管に排出され、
充填動作において、この切換弁は、圧縮された圧力空気のフロー圧力によって、排気配管に対して閉鎖状態に保持される、
と規定される。
【0021】
有利な改善構成では、特に頑強な切換弁を提供するために、この切換弁は圧力空気分配空間を有し、その空間からは、充填装置と接続された圧力制御ポート、空気圧主配管と接続された通過ポート及び排気配管と接続された出口ポートが分岐しており、ばね力に対抗して移動可能な切換弁体が、主配管に通じる通過ポートが開いている場合、圧力制御ポートが圧力を加えられていない状態において、排気配管に通じる出口ポートを開放し、圧力を加えられている状態で、排気配管に通じる出口ポートを閉鎖する。
【0022】
この圧力空気供給設備の有利で簡単な構成は、この切換弁が専ら圧力制御ポートを介して圧力媒体により制御されることによって実現することができる。この切換弁の電磁駆動とそのために必要な電子制御機器を完全に省略することができる。有利には、この圧力空気供給部が、切換弁を介して、主配管に対して圧力に依存せずに開かれているか、或いは開放でき、この切換弁が、専ら圧力制御ポートを介した圧力空気及び/又は直に圧縮機の動作による圧力空気により制御されるように構成されると規定される。
【0023】
有利には、この切換弁は、直に圧縮機の動作による圧力媒体により制御される。そのようにして、圧力を加えられていない形態での圧縮機始動が簡単な手法で実現可能となる。圧縮機が先ずは停止している場合、圧力空気は、圧力空気供給部から切換弁に流れず、その結果、切換弁は、排気位置に有り、空気圧主配管は排気配管と接続される。この圧力空気供給部は、空気圧主配管に対しては圧力に依存せずに開いているので、その後始動された圧縮機により圧縮された圧力空気は、先ずは依然として排気ポートを介して漏れ出すことができる。同時に、切換弁は、圧力空気の上昇するフロー圧力によって徐々に遮断位置に切り換えられる。遮断位置では、空気圧主配管と排気配管は、空気圧に関して互いに切り離されている。
【0024】
修正された改善構成において、圧力空気供給部が、切換弁を介して主配管に対して圧力に応じて開かれているか、或いは開放できて、この切換弁が、圧力制御ポートを介した圧力空気及び/又は直に圧縮機の動作による圧力空気により制御されるように構成され、圧力制限手段、特に、圧力空気通過切換弁が、この圧力制御ポートの前及び/又は後に接続されるか、或いはそのポートと一緒に実現されるのが有利であることが分かっている。それによって、有利には、例えば、圧力制御ポートが切換弁体に対して圧力を加えることを許容する許容最低圧力及び/又は最高圧力としての圧力最小値及び/又は圧力最高値を設定することができる。場合によっては、この圧力制御ポートの圧力制限手段によって、それ以外の圧力変化形態も設定することができる。
【0025】
この切換弁は、圧力制御ポートに加わる圧力及び/又は圧力制御ポートから空気圧主配管に流れる体積流量に応じて切り換わるように構成することができる。そのようにして、切換弁の異なる動作形態を実現することが可能となる。例えば、圧力空気供給設備と接続された空気圧設備内の許容されない超過圧力を防止するために、この切換弁は、圧力制御ポートに加わる最高圧力を上回った場合に、通過ポートを出口ポートと接続するように構成することができる。それに代わって、或いはそれに追加して、この切換弁は、圧力制御ポートを貫流する最小体積流量を下回った場合に、通過ポートを出口ポートと接続するように構成することができる。
【0026】
この切換弁の前に、圧力空気通過切換弁を接続することができ、この圧力空気通過切換弁は、有利には、圧力空気通過切換弁に最低圧力が加わった場合に初めて導通状態に切り換わるように構成される。そのようにして、遮断位置方向における切換弁の切換動特性を改善することができる。それに対応して、始動した圧縮機は、先ずは最低圧力にまで上昇する逆圧に対抗して動作する。前記の最低圧力に到達したら、圧力空気通過切換弁が導通状態に切り換わり、その結果、圧力空気は、ここではより高い初期圧力により切換弁に流入して、急激に流路を変える。当然のことながら、この圧力空気通過切換弁の最低圧力は、圧縮機の円滑な始動が保証されるように選択される。
【0027】
別の有利な改善構成では、この切換弁は、切換弁体と作用するように接続された弁ばねを有する。有利には、この弁ばねの弁ばね力は、圧縮機が停止している場合に、圧力制御ポート側において切換弁体に加わるガス圧力に打ち勝つように設計される。
【0028】
圧力空気ポートに繋げることが可能な空気圧設備を自動的に排気するための切換弁の切換を可能とするように、これらの圧縮機及び/又は出口ポートは、静的に気密でないように、即ち、実際には気密でないが、フロー条件によって動的に気密であると見做されるように設計することができる。
【0029】
有利には、この圧力空気供給設備は空気乾燥機を有する。この空気乾燥機は、切換弁と圧力空気ポートの間の空気圧主配管に組み入れることができる。それは、空気乾燥機の構造的に特に簡単な製作形態を提供するのに特に有利であることが分かっている。
【0030】
空気圧主配管が、圧力空気ポートと切換弁の間に配置された主絞り部を有することが有利であることが分かっている。有利には、この主絞り部は、空気乾燥機と圧力空気ポートの間に組み入れられる。有利には、切換弁と排気ポートの間の排気配管に、排気絞り部が配備される。有利には、簡単であるが、頑強な構造実現形態のために、この排気絞り部は、切換弁体と作用するように接続された弁ばねのばね支持体としての役割を同時に果たすように配備される。
【0031】
有利には、空気乾燥機は、切換弁と圧力空気ポートの間に接続される。特にコンパクトな圧力空気供給設備を提供するためには、排気配管を少なくとも部分的に空気乾燥機により覆われた体積内に配置するのが有利であることが分かっている。
【0032】
排気位置から遮断位置への切換弁体の動きを容易にするために、この切換弁体は、排気位置に対して同軸に動くように配置することができる。それに代わって、排気配管内に起こり得る衝撃圧力から切換弁機能を隔離する必要が有る場合、切換弁体は、排気配管に対して交差して動くように配置することができる。
【0033】
本方法に関して、充填動作は、特に、圧力空気供給設備に繋げることが可能な空気圧設備を充填する役割を果たす。この充填動作では、圧力空気は、吸気ポートを介して吸入された後、充填装置によって圧縮される。この圧縮された圧力空気は、切換弁を介して空気圧主配管に流れ、そこから圧力空気ポートを介して空気圧設備に流れる。この空気圧設備が、例えば、一つ又は複数のベローズ及び/又は蓄圧器を有する場合、それらも圧縮空気供給設備の空気圧主配管を介して充填することができる。この充填動作では、空気圧主配管と排気配管の間の空気圧接続が切換弁によって遮断状態に保持される。
【0034】
排気動作は、空気圧主配管を排気する役割を果たす。この排気動作では、空気圧主配管内に有る圧力空気は、切換弁を介して排気配管の方に誘導された後、排気ポートを介して周囲環境に誘導される。この圧力空気ポートに、例えば、空気圧設備が繋がっている場合、排気動作において、この空気圧設備でさえも排気することができる。この空気圧設備が、例えば、流路を備えた弁ブロックを有する場合、圧力空気供給設備の排気動作において、この流路も、圧力空気供給設備の空気圧主配管を介して排気される形で排気することができる。空気圧設備が、例えば、一つ又は複数のベローズ及び/又は蓄圧器を有する場合、これらも圧力空気供給設備の空気圧主配管を介して排気することができる。
【0035】
有利な改善構成では、圧縮された圧力空気の上昇するフロー圧力によって、切換弁が排気配管に対して閉鎖される圧縮機始動動作が、この充填動作に先行する。
【0036】
フロー圧力を発生する圧縮機がほぼ圧力を加えられていない形態で始動するような速さでのみ、切換弁が排気配管に対して閉鎖されるのが有利であることが分かっている。それは、圧縮機又は充填装置の製品寿命に有利に作用する。切換弁が排気配管に対して完全には閉鎖されていない間、圧縮機により圧縮された圧力空気の僅かな一部が排気配管を介して漏れ出ることができる。
【0037】
特に有利な改善構成では、空気圧主配管は、排気動作に先行する圧縮機停止動作において、切換弁が、排気配管に対して開放される形で事前に排気される。これは、例えば、充填装置と空気圧主配管の間の静的に気密でないように設計された空気圧通路によって行なうことができる。この圧縮機停止動作は、直ちに充填動作に繋げることができ、時間的には充填装置又は圧縮機が停止状態となる瞬間に嵌め込むことができる。この圧縮機停止動作は、始動する圧縮機により発生されるフロー圧力が漸く最早切換弁を遮断位置に保持するのに十分でなくなる如何なる場合においても、時間的に充填動作とオーバーラップすることができる。
【0038】
特に有利な改善構成では、全ての動作形態及び/又は本方法の工程において、充填装置と空気圧主配管の間の空気圧通路は、圧力に依存せずに開いている。それは、本方法の実施形態を明らかに簡単化する。
【0039】
一つの方法において、切換弁の誤った駆動を効果的に防止するためには、切換弁が専ら圧縮された圧力空気のフロー圧力によって排気配管に対して閉鎖されるのが有利であることが判明している。
【0040】
圧力空気供給設備に繋がる空気圧設備の蓄圧動作の前に、圧力空気供給設備の充填動作及び/又は始動動作を実施することができる。
【0041】
基本的に、本発明の技術思想は、様々な実施構成で実現することができ、その中の幾つかを図面により具体的に説明する。
【0042】
ここで、以下において本発明の実施構成を図面に基づき、同じく部分的に図示された従来技術と比較して述べる。それらは、必ずしも正しい縮尺により実施構成を図示しておらず、むしろ説明に有用である場合には模式的な形及び/又は僅かに歪曲された形で図示が行なわれている。図面から直接理解可能な教示の補完に関しては、関連する従来技術を参照されたい。この場合、一つの実施構成の形状及び詳細に関して、本発明の一般的な考えを逸脱すること無く、多様な修正及び変更を実施できることを考慮すべきである。本発明の明細書、図面及び請求項に開示された特徴は、個別的にも任意の組合せにおいても、本発明の改善構成にとって重要であるとすることができる。更に、本明細書、図面及び/又は請求項に開示された特徴の中の少なくとも二つの組合せは全て本発明の範囲内に有る。本発明の一般的な考えは、以下において図示及び記載する有利な実施構成の正確な形状又は詳細に限定されないか、或いは請求項に記載された対象と比べて制限された対象に限定されない。ここで示したサイズ範囲では、当該の限界内に有る値も限界値として開示されており、任意に使用可能であり、権利範囲を要求することが可能である。同一又は同様の部分、或いは同一又は同様の機能の部分は、簡略化のために有意義である場合、同じ符号を付与されている。本発明の更なる利点、特徴及び詳細は、以下の有利な実施構成の記述から、並びに図面に基づき明らかとなる。詳しくは、以下の図面に図示されている。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】排気動作時の圧力空気供給設備と車両用空気ばね設備を例とする空気圧設備とを備えた空気圧システムの第一の実施構成の模式図
図2】充填動作時における図1の実施構成の模式図
図3】圧縮機停止動作の圧力空気供給設備と車両用空気ばね設備を例とする空気圧設備とを備えた空気圧システムの第二の実施構成の模式図
図4】排気動作時における図3の実施構成の模式図
図5】圧力空気供給設備の第三の実施構成の細部構造の模式図
図6】圧力空気供給設備の第四の実施構成の細部構造の模式図
図7】圧力空気供給設備の第五の実施構成の細部構造の模式図
図8】圧力空気供給設備の第六の実施構成の細部構造の模式図
図9】圧力空気供給設備の第七の実施構成の細部構造の模式図
図10】切換弁を介して主配管及び排気配管に対して圧力空気供給部を設定できるように圧力媒体により制御される形態で構成された切換弁の有利な実施構成図
図11】圧力空気供給設備を動作させる方法の有利な流れ図
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下では、図1〜9と関連して、圧力空気供給設備の変化形態を説明する。以下では、同一又は同様の特徴又は同一又は同様の機能の特徴に対して同じ符号が用いられている。
【0045】
図1の詳しく図示されていない車両1000用の空気圧システム100は、圧力空気供給設備10と、ここでは、模式的に示された空気ばね設備1090の形の空気圧設備90とを備えている。ここでは完全には図示されていない、空気ばね設備1090を備えた車両用空気ばねシステムの一部である空気圧設備90は、ここでは、流路95に繋がる二つのベローズ弁93を備えている。
【0046】
圧力空気供給設備10は圧力空気供給部1を有し、その供給部の圧力媒体供給側では、充填装置30が、空気圧主配管60の第一の部分60.1に加わる圧力空気DLを発生させる圧縮機31と繋がっている。
【0047】
更に、圧力空気供給設備10は、空気圧設備90に繋がる圧力空気ポート2と、外部環境に通じる排気ポート3とを有する。空気圧主配管60は、圧力空気供給部1と圧力空気ポート2の間を延びている。排気配管70は、圧力空気供給部1と排気ポート3の間を延びている。圧縮機31の吸気側は、ここでは、排気ポート3と一致する吸気ポート0と接続されており、これら二つの吸気側の前には、フィルタ0.31が接続されている。
【0048】
空気圧主配管60は、圧力制御ポート41により空気圧主配管60の第一の部分60.1を介して圧力空気供給部1に繋がる切換弁40を備えている。即ち、この圧力制御ポート41は、空気圧主配管60の第一の部分60.1を介して充填装置30と接続されており、その結果、圧力制御ポート41に圧力pを加えることができる。この切換弁40は、更に、空気圧主配管60の第二の部分60.2に繋がる通過ポート42を有する。この切換弁40は、更に、排気配管70に繋がる出口ポート43を有する。この排気配管70は、排気配管70における出口ポート43と排気ポート3の間に配置された排気絞り部74を有する。
【0049】
この切換弁40は圧力空気分配空間49を有し、その空間内には、弁座48’に対抗して作用するように接続された弁ばね47を備えた切換弁体48が配置されている。空気圧主配管60における切換弁40の通過ポート42と圧力空気ポート2の間には、ポート62.1,62.2を備えた空気乾燥機62が接続されている。この空気乾燥機62の第一のポート62.1には、空気圧主配管60の第二の部分60.2を介して切換弁40の通過ポート42が接続されている。
【0050】
空気乾燥機62の第二のポート62.2と圧力空気ポート2の間における空気圧主配管60の第三の部分60.3には、主絞り部64が配置されている。
【0051】
ここでは、切換弁40は、専ら圧力制御ポート41を介して圧力媒体によって制御される。この切換弁40は、圧縮機31の直ぐ後に接続されているので、切換弁40は、直に圧縮機31の動作による圧力媒体によって制御される。
【0052】
この圧力空気供給部1は、切換弁40を介して、主配管60に対して圧力に依存せずに開かれている、即ち、この圧力空気供給部1は、切換弁体48のその時々の位置と関係無く空気圧主配管60、つまり空気圧主配管60の第一の部分60.1と空気圧を通して接続されている。図1に図示された圧力を加えられていない状態では、空気圧主配管60は、切換弁40によって、排気配管70と空気圧を通して接続されている。圧縮機の始動時に初めて、切換弁40が、体積流量に応じて押し流され、そのため、ばね力Fに対抗して操作される、即ち、閉鎖される。従って、図面、ここでは図1の圧力空気供給設備10は、自律的に密閉する空気乾燥機出口による乾燥機スイッチ、即ち、切換弁体48を用いた空気乾燥機62の第一のポート62.1から出口ポート43までの乾燥機スイッチを実現しており、それは、後続のスイッチングに基づく排気電磁石を不要とする。
【0053】
しかし、任意選択として、空気圧主配管60の第一の部分60.1における切換弁40の圧力制御ポート41の後及び/又は前に圧力空気通過切換弁40’を接続することができ、この圧力空気通過弁40’は、この弁に最低圧力p_minが加わった場合に初めて、導通状態に切り換わることが可能となる、即ち、開放されるように構成されている。そして、静圧と比べた最低圧力p_minに起因する相応の圧力差が、漸く体積フローを引き起こし、次に、そのフローが、ばね力Fに対抗して切換弁体48を弁座48’の方に操作して、切換弁40の切換、即ち、その弁の閉鎖を引き起こす、即ち、最低圧力p_minを下回る静圧だけでは、切換弁40の切換を引き起こすのに十分ではない。
【0054】
切換弁40自体は、圧力制御ポート41を貫流する圧力空気DLが最小体積流量V_minを下回る場合に、その弁を用いて、通過ポート42が出口ポート43と接続されたままとなる、即ち、出口ポート43が開放状態に保持されるように、圧力空気により制御される形態で構成される。この切換弁40は、切換弁体48と作用するように接続された弁ばね47を有し、その弁ばね力Fは、圧縮機31が停止している場合に、圧力制御ポート側で切換弁体48に加わる、ガス圧力Gと摩擦から成る合計した力に打ち勝つように構成される。即ち、圧縮機31が、その動作により、切換弁体48がその弁座48’に押し付けられることによって空気乾燥機出口を閉鎖状態に保持する一方、圧縮機が停止した場合、切換弁体48は、ガス圧力Gの押し流し力が無くなるために、ばね力Fによって、その弁座48’から引き離されて、初期位置に戻る。それによって、空気乾燥機の出口が、即ち、空気乾燥機62の第一のポート62.1から出口ポート43までが、切換弁体48を用いて弁座48’の所で開放される。空気乾燥機62は、完全に排気され、特に、空気圧設備90の流路95も排気される。
【0055】
以下では、図1に図示された圧力空気供給設備10の機能を詳しく説明する。圧力空気供給設備10が排気動作に有る場合に、図1に図示された切換弁40の排気位置を占める。この排気動作時に、充填装置30の圧縮機31が停止している場合、圧力空気は、充填装置30から圧力制御ポート41を介して切換弁40の圧力空気分配空間49内に流入しない。それに対応して、圧力空気分配空間49内に配置された切換弁体48は、圧力制御ポート側において押し流されず、従って、切換弁体48が弁ばね47の弁ばね力Fによりその弁座から持ち上げられた状態に保持され、それにより、出口ポート43が、圧力空気分配空間49から排気配管70に対して開かれているので、空気圧主配管60と排気配管70の間の空気圧による接続が得られる。空気圧主配管内に存在する、或いは圧力空気ポート2を介して空気圧設備から圧力空気供給設備に逆流する圧力空気は排気配管70を介して排出される。この空気圧主配管60と排気配管70の間の空気圧による接続は、弁ばね47によって開放状態に保持される。ここでは、2/2方向弁として構成された、ベローズ弁93は遮断位置に有り、その結果、ベローズ弁93の後に接続されたベローズ91から圧力空気は漏れ出すことができない。
【0056】
図2は、充填動作時における図1の実施構成を図示している。充填動作では、吸気ポート0を介して吸入された圧力空気は、圧縮機31によって圧縮され、それにより、圧力空気供給部1に加わり、この圧力空気DLは、矢印で示された通り、圧力制御ポート41を介して切換弁40と空気圧主配管60の第一の部分60.1に供給することができる。圧力制御ポート41を介して圧力pで切換弁40の圧力空気分配空間49内に流入する圧力空気は切換弁体48を押し流す。この切換弁体48に生じるフロー圧力は、弁ばね47により引き起こされる復元力よりも大きく、弁体をその弁座48’に押し付ける。それに対応して、切換弁体48は、空気圧主配管60の第一の部分60.1と排気配管70の間の空気圧による接続を弁座48’の所で閉鎖する。この切換弁体48の持続する押し流しは、充填動作において、圧縮された圧力空気DLのフロー圧力pによって、排気配管70に対して切換弁40を閉鎖状態に保持する役割を果たす。
【0057】
同様に、図2には、圧力空気供給部1が空気圧主配管60の第一の部分60.1に対して圧力に依存せずに開かれていることが図示されている。それに対応して、圧縮機31により圧縮された圧力空気DLは、矢印で示された通り、切換弁40の通過ポート42を介して空気圧主配管60の第二の部分60.2に流入する。更に進むと、この圧力空気DLは、空気乾燥機62及び主絞り部64を備えた空気圧主配管60の第三の部分60.3を通って圧力空気ポート2に到達する。
【0058】
ここでは、空気圧設備90のベローズ弁93は、開放位置に有り、その結果、圧縮機31により圧力空気ポート2に供給される圧力空気DLは、ベローズ91に流入することができる。空気圧設備90が、例えば、車高調節設備を備えた、車両1000の表示された空気ばね設備1090の一部である場合、そのことは、例えば、車両を持ち上げることとなる。
【0059】
図3の空気圧システム100は、図1図2の実施構成と異なり、四つのベローズ弁93及び蓄圧器92と接続された一つの蓄圧器弁94から成る5連式弁ブロックを備えた空気圧設備90を有し、これらの弁は一つの流路95に繋がっている。圧力空気供給設備10自体に関して、図3に図示された実施構成は図1に図示された実施構成と同じである。
【0060】
ここでは、前述した通り、切換弁40自体は、圧力制御ポート41を貫流する圧力空気DLが最小体積流量V_minを下回る場合、この切換弁を用いて、通過ポート42が出口ポート43と接続されたままとなるように、圧力空気により制御される形態で構成されている。それに代わって、或いはそれに追加して(図1と2には図示されていない)、特に、それに追加して、切換弁40自体は、圧力制御ポート41において優勢である静圧が許容最高圧力p_maxを上回る場合、この切換弁を用いて、通過ポート42が出口ポート43と接続されるように、圧力空気により制御される形態で構成することができる。従って、有利には、圧力制限弁機能の枠組みにおいて、空気乾燥機62と空気圧設備90を超過圧力から保護するとともに、それに代わって、排気配管70内の超過圧力を低下させる超過圧力保護が実現される。
【0061】
この弁ばね47は、切換弁40の圧力制限弁機能を実現するために、充填動作時に圧力制御ポート41において優勢な静圧が許容最高圧力p_maxを上回った場合に、通過ポート42が出口ポート43と接続される、即ち、許容最高圧力p_max以上で、切換弁体48が、その弁座48’から持ち上がって初期位置に戻り、空気乾燥機62及び/又は空気圧設備90内の更なる圧力上昇を阻止するように設計することができる。そのような最高圧力p_max以上の高い圧力の場合、大抵圧力制御ポート41を貫流する圧力空気DLの体積フローが再び少なくなる、即ち、圧力制御ポート41を貫流する圧力空気DLが、通常更に最小体積流量V_minを下回り、それにより切換弁体に作用する圧力空気DLのフロー力が弱まる。従って、ばね力Fに対抗する押し流し力が無くなるため、切換弁体48が初期位置に戻って、排気配管70を開放する、即ち、通過ポート42を出口ポート43と接続する。
【0062】
図3に図示された実施構成に基づき、圧縮機停止動作を説明する。図3の圧縮機停止動作は、時間的に図2と関連して述べた充填動作の直ぐ後に位置する。この圧縮機停止動作では、圧力空気供給部1が、空気圧主配管60の第一の部分60.1に対して開かれており、それに対して、空気圧主配管60は、排気配管70に対して遮断されている。
【0063】
圧縮機動作がちょうど終了することにより、空気圧通路内、特に、圧縮機31と圧力空気ポート2の間の空気圧主配管60内において、周囲環境圧力と比べて高くなったシステム圧力が優勢となる。この高くなったシステム圧力により切換弁体48に作用する圧力は、弁ばね47により引き起こされる力よりも大きい。そのため、空気圧主配管60は、排気配管70に対して、最初は依然として閉鎖されており、切換弁40は、図2に図示されている通り、依然として遮断位置に有る。
【0064】
ここで、図3に図示されている通り、弁ばね47により駆動される、排気位置への切換弁体48の復帰を引き起こすためには、圧力空気分配空間49内において優勢なシステム圧力を周囲環境圧力に引き戻さなければならない。それを実現するために、圧縮機31は、静的に気密でないように設計されている。それに代わって、或いはそれに追加して、出口ポート43も、さもなければ圧縮機31と圧力空気ポート2の間の空気圧通路内に配置された別の構成部品も静的に気密でないように設計することができる。ここで述べた静的に気密でないことによって、圧縮機停止動作の開始直後に優勢であったシステム圧力は、徐々に周囲環境圧力に低下することができ、それによって、切換弁40は排気位置を占める。即ち、システム圧力により切換弁体48に作用する圧力が低下した後、最終的に弁ばね47により引き起こされる力よりも小さくなり、そのため、図3に図示された切換弁体48は、その弁座48’から持ち上げられた位置で図示されている。
【0065】
図4は、図3と関連して述べた実施構成を図示しており、そこでは、切換弁40は(車両を降下させる)排気位置に有る。空気圧主配管60内に有る圧力空気DL又は圧力空気ポート2を介して空気圧設備90から圧力空気供給設備10に逆流する圧力空気DLは、ここでは、矢印により表示されている通り、空気圧主配管60の第三の部分60.3と切換弁40を介して排気配管70に流れ、そこから排気ポート3に流れることができる。この排気動作では、空気乾燥機62は、同時に空気圧主配管60の第三の部分60.3に再現されている。
【0066】
図5は、圧力空気供給設備10の構造実現形態を図示している。この圧力空気供給設備10は圧力空気供給部1を有し、その供給部の圧力媒体供給側では、圧縮機31が繋がっている。更に、この圧力空気供給設備10は、図示されていない空気圧設備90に通じる圧力空気ポート2、周囲環境に通じる排気ポート3及びここでは排気ポート3と一致する吸気ポート0を有する。この圧縮機31は、吸気配管20を介して吸気ポートと接続されている。空気圧主配管60は圧力空気供給部1と圧力空気ポート2の間を延びている。この場合、空気圧主配管60は空気乾燥機62を有し、空気圧主配管60は空気乾燥機62を貫通して延びている。排気配管70は、圧力空気供給部1と排気ポート3の間を延びており、この排気配管70は、部分的に空気乾燥機62により覆われた体積内に配置されている。この圧力空気供給部は、更に、切換弁40を有し、圧力空気供給部1は、その弁によって、主配管60に対して、圧力に依存せずに開かれている。この切換弁40は圧力空気分配空間49を有し、その空間内には、弁ばね47のばね力Fに対抗して移動可能な切換弁体48が配置されている。更に、この切換弁は、充填装置30の空気圧縮機31と接続された圧力制御ポート41、空気圧主配管60と接続された通過ポート42及び排気配管70と接続された出口ポート43を有する。排気配管70内に部分的に突き出た、切換弁体48の弁座48’によって、排気絞り部74が規定される。この切換弁40の圧力制御ポート41の前又は後には、(ここでは、それと一緒に実現されてている、)圧力制限手段としての役割を果たす、ここでは、例えば、リード弁として構成された、圧力空気通過切換弁40’が接続されており、この圧力空気通過切換弁40’は、この弁に最低圧力p_minが加わった場合に初めて、導通状態に切り換わるように構成されている。この圧力空気供給部1は、切換弁40によって、主配管60に対して圧力に依存して開放される。
【0067】
従って、この場合、排気絞り部74は括れ部48’’により構成される。この排気絞り部74は、一つの修正実施構成では、切換弁体48と接触する弁ばね47のばね支持体を同時に構成することができる。更に、この切換弁体48は、排気配管70に対して同軸に動くように配置されている。この弁ばね47は、排気絞り部74に対して、圧力空気排気方向Eがばね力Fに対して平行の方向を向くように配置されている。
【0068】
以下では、図5に図示された圧力空気供給設備10の機能を詳しく取り上げる。排気動作時の圧力空気供給設備10が図示されている、即ち、圧力空気は、吸気ポート0を介して吸入されず、圧縮機31によって圧縮されない。それに対応して、圧力空気供給部1は、圧力を加えられず、切換弁体48は圧力によって押し流されず、その弁座48’から持ち上がっている。それに対応して、切換弁40は排気位置に有る、即ち、圧力空気ポート2を介して入り込む圧力空気は、圧力空気分配空間49を介して排気配管70に入り込むことができ、そこから排気ポート3に供給される。同様に、図5からは、圧力空気供給部1が、切換弁40を介して、主配管60に対して圧力に依存せずに開放されることが分かる。即ち、切換弁体48のその時々の位置に関係無く、圧力空気は、圧力空気供給部1を介して圧力空気ポート2に流入することができる。ここで、圧力空気供給設備10が圧縮機始動動作に移ると、吸気ポート0を介した圧力空気の吸入と吸気配管20を介した圧縮機31への吸入された圧力空気の供給が開始する。ここで、圧縮機31により圧縮された圧力空気は、圧力制御ポート41(例えば、圧力弁)を介して圧力空気分配空間49に到達して、皿形状に構成された切換弁体48を押し流す。
【0069】
この切換弁体48を押し流す圧力空気のフロー圧力によって、切換弁体48が、弁ばね47のばね力Fに対抗して、その弁座48’に押し付けられ、それによって、圧力空気分配空間49は、排気配管70に対して隔離される。ここで、圧力空気供給部1を介して圧力空気分配空間49に流入する圧力空気は、この場合空気乾燥機62を備えた空気圧主配管60を介してのみ圧力空気ポート2に流入することができる。この圧縮機31が停止状態になると、即ち、新たな圧力空気が圧縮されないと、切換弁体48は、当初その弁座48’上での閉鎖位置に留まる。圧縮機31が静的に気密でないように設計されていることによって、圧力空気分配空間49内で優勢な超過圧力が、圧力空気供給部1と圧縮機31を介して排気配管70に逆流する。次に、伸張する弁ばね47によって、切換弁体48が排気位置に動かされる、即ち、再びその弁座48’から持ち上げられる。
【0070】
図6は、圧力空気供給設備10の代替構造実現形態を図示している。この圧力空気供給設備10は圧力空気供給部1を有する。更に、この圧力空気供給設備10は、図示されていない空気圧設備90に通じる圧力空気ポート2と、周囲環境に通じる排気ポート3とを有する。空気圧主配管60が、圧力空気供給部1と圧力空気ポート2の間を延びている。この場合、空気圧主配管60は空気乾燥機62を有し、空気圧主配管60は空気乾燥機62を貫通して延びている。排気配管70が、圧力空気供給部1と排気ポート3の間を延びており、この排気配管70は、部分的に空気乾燥機62により覆われた体積内に配置されている。この圧力空気供給設備10は、排気配管70に配置された排気絞り部74を有する。この圧力空気供給設備10は、更に、圧力空気供給部と接続された圧力制御ポート41、空気圧主配管60と接続された通過ポート42及び排気配管70と接続された出口ポート43を備えた切換弁40を有する。この切換弁40の圧力制御ポート41の後には、リード弁として構成された、圧力制限手段としての役割を果たす圧力空気通過切換弁40’が接続されており、その圧力空気通過切換弁40’は、この弁に最低圧力p_minが加わった場合に初めて、導通状態に切り換わることが可能であるように構成されている。従って、この圧力空気供給部1は、切換弁40を介して、主配管60に対して圧力に応じて開放される。
【0071】
この切換弁40は圧力空気分配空間49を有し、その空間内には、弁ばね47のばね力Fに対抗して移動可能な、ここでは皿形状に構成された切換弁体48が配置されている。この切換弁体48は、排気絞り部74の圧力空気排気方向Eに対して同軸に動くように配置されている。この弁ばね47は、圧力空気排気方向Eがばね力Fに対して平行の方向を向くように、排気絞り部74に対して配置されている。この排気絞り部74は、切換弁体48の弁座48’及び切換弁体48と接触する弁ばね47のばね支持体74’を同時に構成する。ここに図示された、圧力空気供給部1が圧力を加えられていない状態では、圧力空気ポート2は、排気配管70と通じた状態で接続されている。この状態では、切換弁40は、弁ばね47のばね力Fによって開放状態に保持されている、即ち、切換弁体48は、その弁座48’から持ち上げられている。(図示されていない)圧力空気供給部1への圧力印加によって、切換弁体48は、弁ばね47のばね力Fに逆らって動かされて、その弁座48’に押し付けられ、それによって、切換弁40は、圧力空気ポート2が最早排気配管70と通じた状態で接続されないように閉鎖される。
【0072】
図7は、圧力空気供給設備10の代替構造実現形態を図示している。この圧力空気供給設備10は圧力空気供給部1を有する。更に、この圧力空気供給設備10は、図示されていない空気圧設備90に通じる圧力空気ポート2と、周囲環境に通じる排気ポート3とを有する。空気圧主配管60が、圧力空気供給部1と圧力空気ポート2の間を延びている。この場合、空気圧主配管60は空気乾燥機62を有し、空気圧主配管60は空気乾燥機62を貫通して延びている。排気配管70が、圧力空気供給部1と排気ポート3の間を延びており、この排気配管70は、部分的に空気乾燥機62により覆われた体積内に配置されている。この圧力空気供給設備10は、排気配管70に配置された排気絞り部74を有する。この圧力空気供給設備10は、更に、圧力空気供給部と接続された圧力制御ポート41、空気圧主配管60と接続された通過ポート42及び排気配管70と接続された出口ポート43を備えた切換弁40を有する。この切換弁40の圧力制御ポート41の後には、リード弁として構成された、圧力制限手段としての役割を果たす圧力空気通過切換弁40’が接続されており、その圧力空気通過切換弁40’は、この弁に最低圧力p_minが加わった場合に初めて、導通状態に切り換わることが可能であるように構成されている。従って、この圧力空気供給部1は、切換弁40を介して、主配管60に対して圧力に応じて開放される。
【0073】
この切換弁40は圧力空気分配空間49を有し、その空間内には、弁ばね47のばね力Fに対抗して移動可能な、ここでは平皿形状に構成された切換弁体48が配置されている。この切換弁体48は、排気絞り部74の圧力空気排気方向Eに対して同軸に動くように配置されている。この弁ばね47は、圧力空気排気方向Eがばね力Fに対して平行の方向を向くように、排気絞り部74に対して配置されている。この排気絞り部74は、切換弁体48の弁座48’及び切換弁体48と接触する弁ばね47のばね支持体74’を同時に構成する。ここで図7に図示された、圧力空気供給部1が圧力を加えられていない状態では、圧力空気ポート2は、排気配管70と通じた状態で接続されている。この状態では、切換弁40は、弁ばね47のばね力Fによって開放状態に保持されている、即ち、切換弁体48は、その弁座48’から持ち上げられている。
【0074】
(図示されていない)圧力空気供給部1への圧力印加によって、即ち、充填動作の開始により、切換弁体48は、弁ばね47のばね力Fに逆らって動かされ、圧力空気ポート2が最早排気配管70と通じた状態で接続されないように切換弁40を閉鎖するために、その弁座48’の方向に動かされる。この動きの開始時における、弁ばね47のばね力Fに逆らった図7に図示された位置からの切換弁体48の持ち上げを容易にするために、この切換弁40は、補助圧力空気分配空間49’を有する。圧力空気供給部1に圧力空気が印加されている場合、圧力空気DLの一部は、この補助圧力空気分配空間49’内に到達し、その結果、弁ばね47のばね力Fに逆らう方向を向いた力成分を生じさせる。充填動作が進行すると、切換弁体48は、その弁座48’上に押し付けられ、それによって、切換弁40は、圧力空気ポート2が最早排気配管70と通じた状態で接続されないように閉鎖される。
【0075】
図8は、圧力空気供給設備10の別の代替構造実現形態を図示している。この圧力空気供給設備10は圧力空気供給部1を有する。更に、この圧力空気供給設備10は、図示されていない空気圧設備90に通じる圧力空気ポート2と、周囲環境に通じる排気ポート3とを有する。空気圧主配管60が、圧力空気供給部1と圧力空気ポート2の間を延びている。この場合、空気圧主配管60は空気乾燥機62を有し、空気圧主配管60は空気乾燥機62を貫通して延びている。排気配管70が、圧力空気供給部1と排気ポート3の間を延びている。この排気配管70は、空気乾燥機62により覆われた体積外に配置されている。この圧力空気供給設備10は、排気配管70に配置された排気絞り部74を有する。この圧力空気供給設備10は、更に、圧力空気供給部と接続された圧力制御ポート41、空気圧主配管60と接続された通過ポート42及び排気配管70と接続された出口ポート43を備えた切換弁40を有する。この切換弁40の圧力制御ポート41の後には、リード弁として構成された、圧力制限手段としての役割を果たす圧力空気通過切換弁40’が接続されており、その圧力空気通過切換弁40’は、この弁に最低圧力p_minが加わった場合に初めて、導通状態に切り換わることが可能であるように構成されている。従って、この圧力空気供給部1は、切換弁40を介して、主配管60に対して圧力に応じて開放される。
【0076】
この切換弁40は圧力空気分配空間49を有し、その空間内には、弁ばね47のばね力Fに対抗して移動可能な、ここでは皿形状に構成された切換弁体48が配置されている。この切換弁体48は、排気絞り部74の圧力空気排気方向Eに対して同軸に動くように配置されている。この弁ばね47は、圧力空気排気方向Eがばね力Fに対して平行の方向を向くように、排気絞り部74に対して配置されている。この排気絞り部74は、切換弁体48の弁座48’及び切換弁体48と接触する弁ばね47のばね支持体74’を同時に構成する。ここに図示された、圧力空気供給部1が圧力を加えられていない状態では、圧力空気ポート2は、排気配管70と通じた状態で接続されている。この状態では、切換弁40は、弁ばね47のばね力Fによって開放状態に保持されている。(図示されていない)圧力空気供給部1への圧力印加によって、切換弁体48は、弁ばね47のばね力Fに逆らって動かされて、その弁座48’に押し付けられ、そのため、切換弁40は、圧力空気ポート2が最早排気配管70と通じた状態で接続されないように閉鎖される。
【0077】
図9は、圧力空気供給設備10の別の代替構造実現形態を図示している。この圧力空気供給設備10は圧力空気供給部1を有する。更に、この圧力空気供給設備10は、図示されていない空気圧設備90に通じる圧力空気ポート2と、周囲環境に通じる排気ポート3とを有する。空気圧主配管60が、圧力空気供給部1と圧力空気ポート2の間を延びている。この場合、空気圧主配管60は空気乾燥機62を有し、空気圧主配管60は空気乾燥機62を貫通して延びている。排気配管70が、圧力空気供給部1と排気ポート3の間を延びている。この排気配管70は、空気乾燥機62により覆われた体積外に配置されている。この圧力空気供給設備10は、排気配管70に配置された排気絞り部74を有する。この圧力空気供給設備10は、更に、圧力空気供給部と接続された圧力制御ポート41、空気圧主配管60と接続された通過ポート42及び排気配管70と接続された出口ポート43を備えた切換弁40を有する。この切換弁40の圧力制御ポート41の後には、リード弁として構成された、圧力制限手段としての役割を果たす圧力空気通過切換弁40’が接続されており、その圧力空気通過切換弁40’は、この弁に最低圧力p_minが加わった場合に初めて、導通状態に切り換わることが可能であるように構成されている。従って、この圧力空気供給部1は、切換弁40を介して、主配管60に対して圧力に応じて開放される。
【0078】
この切換弁40は圧力空気分配空間49を有し、その空間内には、弁ばね47のばね力Fに対抗して移動可能な、ここではスリーブ形状に構成された切換弁体48が配置されている。この切換弁体48は、排気絞り部74の圧力空気排気方向Eに対して交差して動くように配置されている。この弁ばね47は、圧力空気排気方向Eがばね力Fに対して交差した方向を向くように、排気絞り部74に対して配置されている。この切換弁体48の弁座48’は、ここでは、切換弁40を変形させたカラー部として構成されている。この空気乾燥機62は、切換弁体48と接触する弁ばね47のばね支持体74’を構成する。ここに図示された、圧力空気供給部1が圧力を加えられていない状態では、圧力空気ポート2は、排気配管70と通じた状態で接続されている。この状態では、切換弁40は、弁ばね47のばね力Fによって開放状態に保持されている。(図示されていない)圧力空気供給部1への圧力印加によって、切換弁体48は、弁ばね47のばね力Fに逆らって動かされて、その弁座48’に押し付けられ、そのため、切換弁40は、圧力空気ポート2が最早排気配管70と通じた状態で接続されないように閉鎖される。
【0079】
図10は、圧力空気供給部と接続された圧力制御ポート41、空気圧主配管60と接続された通過ポート42及び排気配管70と接続された出口ポート43を備えた切換弁40の構造実現例を図示しており、この弁は、圧力空気供給部1から切換弁40を介して排気配管70までの圧力空気DLの誘導形態を設定できるように、圧力空気により制御される形態で構成されている。この圧力空気供給部1は、切換弁40を介して、主配管60に対して圧力に依存せずに開かれている。この切換弁40は圧力空気分配空間49を有し、その空間内には、弁ばね47のばね力Fに対抗して移動可能な、ここではプランジャ形状に構成された切換弁体48が配置されている。この弁ばね47は、圧力空気排気方向Eがばね力Fに対して平行な方向を動くように、切換弁40内に配置されている。この切換弁体48と接触する弁ばね47のばね支持体74’は、切換弁40自体によって構成され、切換弁体48の弁座48’は、ここでは切換弁40のシールリングによって実現されている。
【0080】
ここで図10に図示された、圧力空気供給部1が圧力を加えられていない状態では、通過ポート42は、排気配管70と通じる状態で接続されている。この状態では、切換弁40は、弁ばね47のばね力Fによって開放状態に保持されている、即ち、切換弁体48は、その弁座48’から持ち上げられている。(図示されていない)圧力空気供給部1への圧力印加によって、切換弁体48は、弁ばね47のばね力Fに逆らって動かされて、その弁座48’を構成するシールリングに押し付けられ、そのため、切換弁40は、通過ポート42が最早排気配管70と通じた状態で接続されないように閉鎖される。
【0081】
図11は、本方法のフロー例を図示しており、第一の工程S1では、時間的に充填動作に先行する圧縮機始動動作において、切換弁40が、圧縮された圧力空気DLの上昇するフロー圧力pによって、排気配管70に対して閉鎖される。この場合、切換弁40は、圧縮された圧力空気DLのフロー圧力pを発生させる圧縮機31がほぼ圧力を加えられていない形態で始動するような速さでのみ、排気配管70に対して閉鎖される。
【0082】
第二の工程S2では、充填動作において、充填装置30から吸入された圧力空気DLが圧縮されて、切換弁40を介して空気圧主配管60に供給される。この充填動作では、切換弁40は、圧縮された圧力空気DLのフロー圧力によって、排気配管70に対して閉鎖状態に保持される。
【0083】
第三の工程に先行する工程S3.1の排気動作に先行する圧縮機停止動作において、充填装置30と空気圧主配管60の第二の部分60.2の間における空気圧主配管60の静的に気密でないように設計されている第一の部分60.1により事前に排気され、そのようにして、切換弁40は、排気配管70に対して開放される。第三の工程S3では、排気動作において、圧力空気DLが、空気圧主配管60から切換弁40を介して排気配管70に排出される。
【0084】
全ての動作形態又は工程S1,S2,S3.1,S3において、充填装置30と空気圧主配管60の第二の部分60.2の間の空気圧主配管60の第一の部分60.1は、圧力に依存せずに開放状態に保持される。
【符号の説明】
【0085】
0 吸気ポート
1 圧力空気供給部
2 圧力空気ポート
3 排気ポート
0.31 フィルタ
10 圧力空気供給設備
20 吸気配管
30 充填装置
31 圧縮機
32 供給配管
40 切換弁
40’ 圧力空気通過切換弁
41 圧力制御ポート
42 通過ポート
43 出口ポート
47 弁ばね
48 切換弁体
48’ 切換弁体の弁座
48’’ 括れ部
49 圧力空気分配空間
49’ 補助圧力空気分配空間
60 主配管
60.1,60.2,60.3 空気圧主配管の第一、第二、第三の部分
60.1〜60.2 静的に気密でないように設計された空気圧通路
62 空気乾燥機
62.1,62.2 空気乾燥機の第一、第二のポート
64 主絞り部
70 排気配管
74 排気絞り部
74’ ばね支持体
90 空気圧設備
92 蓄圧器
93 ベローズ弁
94 蓄圧器弁
95 流路
100 空気圧システム
DL 圧力空気
p フロー圧力
p_max 最高圧力
p_min 最低圧力
V_min 最小体積流量
E 圧力空気排気方向
F ばね力
G ガス圧力
S1 圧縮機始動動作の動作形態
S2 充填動作の動作形態
S3.1 圧縮機停止動作の動作形態
S3 排気動作の動作形態
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】