(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-520248(P2017-520248A)
(43)【公表日】2017年7月27日
(54)【発明の名称】容器用の破壊システムを備えたエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
A24F 47/00 20060101AFI20170630BHJP
A61M 15/06 20060101ALI20170630BHJP
【FI】
A24F47/00
A61M15/06 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-573913(P2016-573913)
(86)(22)【出願日】2015年6月19日
(85)【翻訳文提出日】2016年12月16日
(86)【国際出願番号】EP2015063883
(87)【国際公開番号】WO2015197502
(87)【国際公開日】20151230
(31)【優先権主張番号】14173558.9
(32)【優先日】2014年6月23日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】ビューラー フレデリク
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ
(57)【要約】
本発明は、少なくとも一つのエアロゾル発生基体を含む第一の容器を含むエアロゾル発生システムに関連し、エアロゾル発生システムはさらに破壊システムを含むが、ここで破壊システムは、第一の管および第二の管を含み、ここで第一の管および第二の管は動作できるように係合して容積を画定するように配置されており、また画定される容積が第二の位置よりも第一の位置で大きくなるように、第一の管および第二の管は第一の動作経路に沿って第一の位置から第二の位置へと相互に移動可能であり、また第一の位置において、第一の破壊部材が第一の管および第二の管の画定された容積内に完全に含まれるように、第一の管が、少なくとも部分的に第一の管内に配置された第一の破壊部材を含み、また第二の位置において、第一の破壊部材が画定された容積から少なくとも部分的に突き出て、少なくとも一つのエアロゾル発生基体を含む容器を破壊する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
破壊システムであって、前記破壊システムが、
‐第一の管および第二の管を備え、前記第一の管および前記第二の管が、動作できるように係合して容積を画定するように配置されており、
‐また、前記画定される容積が第二の位置よりも第一の位置で大きくなるように、前記第一の管および前記第二の管が第一の動作経路に沿って前記第一の位置から第二の位置へと相互に移動可能であり、
‐また、前記第一の位置において、第一の破壊部材が前記第一の管および前記第二の管の前記画定された容積内に完全に含まれるように、前記第一の管が、少なくとも部分的に前記第一の管内に配置された第一の破壊部材を含み、
‐また、前記第二の位置で、前記第一の破壊部材が少なくとも部分的に前記画定された容積から突き出て容器を破壊する、破壊システム。
【請求項2】
少なくとも一つのエアロゾル発生基体を含む第一の容器を備えたエアロゾル発生システムであって、前記エアロゾル発生システムが、請求項1に記載の破壊システムをさらに含み、前記第二の位置において、前記第一の破壊部材が前記画定された容積から少なくとも部分的に突き出て、前記少なくとも一つのエアロゾル発生基体を含む前記容器を破壊する、エアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記第一の破壊部材が破壊部分を含む遠位端および近位端を含み、また前記第一の動作経路に沿った前記第一の管の移動時に、前記破壊部分が、少なくとも部分的に前記第一の動作経路とは平行でない第二の動作経路を描くように、前記第一の破壊部材が前記近位端で前記第一の管に結合されている、請求項2に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項4】
前記第二の管が前記第一の破壊部材の前記破壊部分を前記第二の動作経路に沿って案内するように構成されている案内部材を含む、請求項2または3に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項5】
前記案内部材がカム表面を含み、かつ前記第一の破壊部材が、前記第一の位置から前記第二の位置への前記第一の動作経路に沿った前記第一の管および前記第二の管の相対移動時に、前記第一の破壊要素のカム従動子表面が前記案内部材の前記カム表面に係合して、前記第一の破壊部材の前記破壊部分を前記第二の動作経路に沿って案内するように、カム従動子表面を含む、請求項4に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項6】
前記案内部材が第二の破壊部材であり、また前記第二の位置で、前記第二の破壊部材が前記容積から第二の容器に少なくとも部分的に突き出る、請求項4または5に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項7】
前記第二の破壊部材が破壊部分を含む遠位端および近位端を含み、また前記第二の破壊部材が、前記第一の動作経路に沿った前記第二の管の移動時に、前記破壊部分が、少なくとも部分的に前記第一の動作経路とは平行でない第三の動作経路を描くように、前記近位端で前記第二の管に接続されている、請求項6に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記第一の破壊部材が弾性部材によって前記第一の管に結合されている、請求項2〜7のいずれか1項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項9】
前記第一の管および前記第二の管が実質的に中空であり、また前記第一の管の前記外部表面が隣接した前記第二の管の前記内部表面をスライドするように構成されている、請求項2〜8のいずれか1項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記第一の管の前記外部表面および前記第二の管の前記内部表面がそれぞれ、長軸方向の圧縮力が前記システムにかけられるまで、前記システムを前記第一の位置に保持するために協働するよう構成されている弾性の突起を含む、請求項9に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記第一の管の前記外部表面および前記第二の管の前記内部表面がそれぞれ、前記システムを前記第二の位置に保持するために協働するよう構成された弾性の突起を備える、請求項9または10に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記第一の管が肩部を含み、前記システムがさらに、前記肩部に隣接し、かつ前記第二の管の前記端面に隣接して位置し、前記第一の管および前記第二の管が前記第一の位置から前記第二の位置に移動するのを妨げる取り外し可能なタブを含む、請求項9、10または11に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記第一の容器が、前記エアロゾル発生基体を含む第一の閉じた区画を含み、前記区画が少なくとも一つの壊れやすいバリアを有し、また前記一つの壊れやすいバリアが前記容積の境界を画定する、請求項2〜12のいずれか1項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項14】
少なくとも一つのさらなる破壊システムと、前記少なくとも一つのさらなる破壊システムの前記第一の管または前記第二の管のうち一つに直接結合されたマウスピース要素とをさらに含む、請求項13に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項15】
前記エアロゾル発生基体を加熱してエアロゾルを形成するよう構成された少なくとも一つのヒーターをさらに含む、請求項2〜14のいずれか1項に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器用の貫通システムを備えたエアロゾル発生システムに関連する。本発明はさらにこうした貫通システムに関連する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生装置は、例えばメントールのような風味剤またはニコチン含有基体など、1つ以上のエアロゾル発生剤を備えた密封容器を備えることがよくある。エアロゾル発生剤を放出するために、容器は破壊または貫通される必要がある。
【0003】
一つの周知のシステムは、エアロゾル発生装置と、ニコチン溶液および送達促進化合物を含む容器とを含む。装置は、装置内に挿入された時に容器の1つ以上の区画を貫通するよう構成された細長い貫通部材を含む。こうしたシステムでは、両方の区画が適切に貫通されるためには、貫通部材の精密なエンジニアリングを必要とする。これは、製造の複雑さおよびコストを増大させ、また複数回の使用後に貫通部材が落ちるというリスクも伴う。
【0004】
したがって、操作が簡単で製造における費用効果の高いエアロゾル発生システム用の容器を貫通するための手段を提供することが、本発明の一つの目的である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一態様によれば、少なくとも一つのエアロゾル発生基体を含む第一の容器を備えたエアロゾル発生システムが提供されており、エアロゾル発生システムはさらに破壊システムを含む。破壊システムは、第一の管および第二の管を含み、ここで第一の管および第二の管は、動作できるように係合し、ある容積を画定するように配置されているが、ここで第一の管および第二の管は、画定される容積が第二の位置よりも第一の位置で大きくなるように、第一の動作経路に沿って第一の位置から第二の位置へと相互に移動可能であり、また、第一の位置において第一の破壊部材が第一の管および第二の管の画定された容積内に完全に含まれるように、第一の管が、少なくとも部分的に第一の管内に配置された第一の破壊部材を含み、また第二の位置において、第一の破壊部材が画定された容積から少なくとも部分的に突き出て、少なくとも一つのエアロゾル発生基体を含む容器を破壊する。
【0006】
システムをこのように配置することで、システムが第二の位置に移動した時にのみ、破壊部材が第二の管と結合されている容器と係合することを可能にする。その一方で、破壊システムは第一の位置の管内に完全に含まれるため、システムは有利である。これにより、例えば、そうでなければ簡単に折れかねないような部品も、破壊システムから全く突き出ていないために取扱いが簡単になる。さらに、破壊要素の封入によって、システムを操作する消費者への負傷を防止しうる。なおさらに、消費者が容器を固定されて露出した貫通要素と整列させる必要があるシステムよりもシステムの取扱いが改善されるが、特に、こうした固定されて露出した貫通要素の折れのリスクが回避される。
【0007】
本明細書で使用される場合、「動作できるように係合」という用語は、第一の管および第二の管がまとめて結合され、かつ相互に移動可能なことを意味する。第一の管および第二の管は、相互に長軸方向軸に沿ってスライドして移動可能であることが好ましい。
【0008】
第一の破壊部材は、破壊部分を含む遠位端および近位端を含むことが好ましく、ここで第一の破壊部材は、第一の動作経路に沿った第一の管の移動中に、破壊部分が、少なくとも部分的に第一の動作経路とは平行でない第二の動作経路を描くように、近位端で第一の管と結合されている。
【0009】
第二の管は、第一の破壊部材の破壊部分を第二の動作経路に沿って案内するように構成されている案内部材を含む。システムは、案内部材がカム表面を含むように構成されることが好ましく、また第一の破壊部材は、第一の動作経路に沿った第一の管および第二の管の第一の位置から第二の位置への相対移動時に、第一の破壊要素のカム従動子表面が、案内部材のカム表面と係合して、第一の破壊部材の破壊部分を第二の動作経路に沿って案内するように、カム従動子表面を含む。第一の動作経路と平行ではない第二の動作経路の使用により、管と破壊部材の一般軸間の相対移動が許容される。これにより、例えば、横方向の切断運動など、各種の異なる破壊運動が許容される。
【0010】
カム表面は、直線部分および弧部分を含むことが好ましく、またカム従動子は対応する直線部分および弧部分を含むことが好ましい。カム表面およびカム従動子に直線部分を提供することで、カムおよびカム従動子の弧部分が係合する前に第二の動作経路は破壊部分が容器を貫通できるようになるが、この時点で、カムおよびカム従動子の弧部分は係合して、進行的な横断運動を発生させて容器を裂き、こうして空気が中を通って流れるような方法で容器を破壊する。
【0011】
第二の管が案内部材を含む場合、案内部材は、第二の管に対して近位端を中心に回転可能としうる。第一の管および第二の管が第一の動作経路に沿って移動する際に、破壊システムの長軸方向軸から離れてそれるように構成された案内部材を提供することで、破壊システムを通過する気流を改善しうる。
【0012】
「長軸方向」という用語は本明細書で使用される時、容器の下流または近位端とそれに向かい合った上流または遠位端との間の方向を描写するために使用され、また「横断」という用語は、長軸方向と直角を成す方向を描写するために使用される。
【0013】
第一の破壊部材は破壊部分を含む遠位端および近位端を持つことが好ましく、破壊部材は第一の管に対して近位端を中心として回転可能である。案内部材がカム表面を含み、かつ第一の破壊部材がカム従動子表面を含む場合、第一の動作経路に沿った第一の管および第二の管の第一の位置から第二の位置への相対移動は、破壊部分が第二の動作経路を従うように、破壊部材を近位端を中心に回転させる。ここでも、これにより、例えば横方向の切断運動など各種の異なる破壊運動が許容される。
【0014】
その近位端を中心に回転可能な破壊部材を提供することで、破壊部材が容器のシールを貫通しかつ裂くことができるようになり、こうしてシールが破壊される。したがって、シールは、周知のシステムよりもより効果的かつ効率良く破壊される。特に、これにより破壊部材の遠位端よりも大きな穴の生成が許容され、こうして、例えば穴を通して流体を流すことができ、流体は例えば気体または液体である。
【0015】
案内部材は第二の破壊部材であることがより好ましく、ここで、第二の位置で、第二の破壊部材はその容積から第二の容器内に少なくとも部分的に突き出る。案内部材が第二の破壊部材である実施形態において、第二の破壊部材は、破壊部分を含む遠位端および近位端を含むが、ここで第二の破壊部材は、第一の動作経路に沿った第二の管の移動時に破壊部分が、少なくとも部分的に第一の動作経路とは平行でない第三の動作経路を描くように、近位端で第二の管に接続される。この第三の動作経路は第二の破壊経路と類似しているが、鏡像であるものでもよい(第一の破壊部材および第二の破壊部材は、一般に逆方向に移動するため)。また、第三の動作経路により、管および第二の破壊部材の長軸方向軸間の相対移動が許容される。ここでも、これにより、例えば破壊システムの反対側での横方向の切断運動など、各種の異なる破壊運動が許容される。
【0016】
このようにして、貫通システムは、2つの容器と結合して、2つのシールされた区画を持つ容器を形成しうる。第一の位置では、第二の管破壊部材の遠位端は、第一の管および第二の管の画定された容積内に完全に含まれることが好ましく、また、第二の位置では、第二の破壊部材は少なくとも部分的に画定された容積から突き出る。
【0017】
第一の破壊部材は、弾性部材によって第一の管に結合されることが好ましい。弾性部材は、第二の管の案内部材が第一の管の第一の破壊部材に作用する時に変形するよう構成されることが好ましい。弾性部材および破壊部材は、破壊部材が貫通システムの長軸方向軸に対して横断する軸を中心に回転するように配置される。
【0018】
破壊部分またはそれぞれの破壊部分は、くさび形の長軸方向の断面を持つことが好ましい。くさび形状の片側は、破壊システムが第一の位置にある時に、システムの長軸方向軸に実質的に平行としうる。このように、破壊システムは、より効果的に容器のシール内に穴を形成しうる。一つの好ましい実施形態で、システムはこの中間位置から第二の位置に移動する際に、破壊部分はまずカム従動子表面がカム表面と係合する前にシールを貫通するが、従動子表面はカム表面と係合し、破壊部分の運動の横断する成分を提供する。貫通部分の長軸方向の運動と横断する運動の組み合わせは容器のシールを破壊し、形成された穴を開き、使用時に気流経路が形成されるようになる。
【0019】
破壊部分を通して容器の内側と容器の外側の間に流れ経路が形成されるように、破壊部分またはそれぞれの破壊部分は、横断する断面形状を持つことが好ましい。例えば、横断する断面形状は、v字型、u字型、またはそれに類するものとしうる。別の方法として、破壊部分は、その長軸方向の長さに沿って少なくとも部分的に中空としうる。
【0020】
一つの好ましい実施形態で、第一の管および第二の管は実質的に中空であり、ここで第一の管の外部表面は、隣接した第二の管の内部表面を滑らせるように構成されている。第一の管の外部表面および第二の管の内部表面は、長軸方向の圧縮力がシステムにかけられるまで、システムを第一の位置に保持するために協働するよう構成されている弾性の突起をそれぞれ備えることが好ましい。こうした弾性の突起は、システムの偶発的な使用を防止する。
【0021】
弾性の突起は、第一の管および第二の管の各表面の周りに延びる環状リングであることが好ましい。環状リングは、半球状の断面形状を持つことが好ましい。
【0022】
同様に、第一の管の外部表面および第二の管の内部表面は、それぞれシステムを第二の位置に保持するために協働するよう構成されている弾性の突起を備えうる。ここでも、弾性の突起は、第一の管および第二の管の各表面の周りに延びる環状リングであることが好ましい。環状リングは、半球状の断面形状を持つことが好ましい。
【0023】
第一のシェルの中空の円筒は、肩部を備えうる。従って、システムは、システムが第一の位置から第二の位置に移動するのを防止するために、肩部に隣接しかつ第二のシェルの端面に隣接して位置する取り外し可能なタブをさらに含む。こうした取り外し可能なタブは、長軸方向の力がシステムにかけられた場合であっても、貫通システムの使用を妨げる。取り外し可能なタブは、第一のシェルの肩部と第二のシェルの端面のうち少なくとも一つに取り外しできるように結合されることが好ましい。取り外し可能なタブは、複数の壊れやすいカプリングを使用して取り外しできるように結合されることが好ましい。別の方法として、取り外し可能なタブは、貫通システムを中心として回転しないリングを備えうるが、リングが貫通システムから分離されるようにする壊れやすい部分を持つ。
【0024】
理解される通り、取り外し可能なタブは、システムの使用前に取り外される。
【0025】
第一の容器は、エアロゾル発生基体を含む第一の閉じた区画を含むことが好ましく、区画は少なくとも一つの壊れやすいバリアを持ち、また一つの壊れやすいバリアが容積の境界を画定する。壊れやすいバリアは、第二の管の端面に直接隣接することが好ましい。壊れやすいバリアは、第二の管の端面にシールされることが好ましい。
【0026】
システムは、第二の容器をさらに備えうるが、ここで第二の容器は、閉じた第二の区画を含み、この区画は少なくとも一つの壊れやすいバリアを有し、また一つの壊れやすいバリアが容積の一部分を画定する。第二の区画の壊れやすいバリアは、第一の管の端面に直接隣接していることが好ましい。壊れやすいバリアは、第一の管の端面にシールされることが好ましい。
【0027】
エアロゾル発生システムは、少なくとも一つのさらなる破壊システムと、少なくとも一つのさらなる破壊システムの第二の管に直接結合されたマウスピース要素とをさらに備えうる。
【0028】
上述の請求項のいずれか1項に記載のエアロゾル発生システムであって、エアロゾル発生基体を加熱してエアロゾルを形成するように構成されている少なくとも一つのヒーターをさらに備える。
【0029】
エアロゾル発生システムの容器は、任意の形態の適切なエアロゾル発生基体を備えうる。例えば、基体は、気体、液体、または粉末の形態の固体でもよい。エアロゾル発生基体は、容器が破壊されるとユーザーによって吸引されうるエアロゾルが形成されるように、揮発性でもよい。
【0030】
第一の破壊部分は、容器の液体内容物を吸い上げるための毛細管芯を備えうる。この例では、エアロゾルは、例えば、ユーザーがシステムを吸い込んだときなど液体が毛細管芯から蒸発する時に形成される。芯からの液体の蒸発率を増やすために、ヒーターが毛細管芯の端に隣接して提供されることが好ましい。ヒーターは、電気ヒーター(抵抗ヒーターなど)または誘導ヒーターでもよい。
【0031】
本発明のさらなる態様によれば、破壊システムが提供されている。破壊システムは、第一の管および第二の管を含み、ここで第一の管および第二の管は、動作できるように係合し、ある容積を画定するように配置されているが、ここで第一の管および第二の管は、画定される容積が第二の位置よりも第一の位置で大きくなるように、第一の動作経路に沿って第一の位置から第二の位置へと相互に移動可能であり、また、第一の位置において、第一の破壊部材が第一の管および第二の管の画定された容積内に完全に含まれるように、第一の管が、少なくとも部分的に第一の管内に配置された第一の破壊部材を含み、また第二の位置において、第一の破壊部材が画定された容積から少なくとも部分的に突き出て容器を破壊する。
【0032】
理解される通り、適切な場合には、エアロゾル発生システムの一部としての破壊システムを参照しながら説明した任意の特徴は、独立したシステムとして説明される破壊システムにも適用される。
【0033】
こうした破壊システムは、本明細書で説明した通り、液体を含む容器に結合されるように構成されている。こうした破壊システムを提供することで、エアロゾル発生装置、システム、およびこれに類するものに、細長い貫通部材を提供する要件が低減され、またこうして精密なエンジニアリングの要件が低減され、それに伴い、関連する複雑さやコストが低減される。
【0034】
本発明のさらなる態様によれば、エアロゾル発生装置で使用するための液体ニコチン組成物を含む容器が提供されている。容器は、液体ニコチン組成物を含むシールされた区画を含み、区画は少なくとも一つの壊れやすいバリアと、本明細書で説明した破壊システムとを有する。破壊システムの第二の管は、第一の管および第二の管が相互にスライドするように移動する時、破壊部材の遠位端が、第二の動作経路に沿ってかつ壊れやすいバリア内に移動するのに伴い、破壊部材が壊れやすいバリアを貫通して裂くように、壊れやすいバリアに隣接した区画に直接結合されている。
【0035】
容器は、送達促進化合物を含むさらなるシールされた区画をさらに備えうる。さらなるシールされた区画は、第一の管に直接結合されており、この実施形態では、破壊システムは上述した通りの破壊部分を有する案内部材を含む。破壊システムは、使用時に、ユーザーが長軸方向の圧縮力を容器にかけた時に、破壊システムが第一の位置から第二の位置に移動し、それによってそれぞれの区画のシールを貫通して裂くように、シールされた区画間に提供されている。
【0036】
容器は、破壊システムの第一の管に直接結合されたマウスピース要素に備えうる。この実施形態で、破壊システムの第一の管は破壊部分を含まない。
【0037】
特に好ましい実施形態で、容器は、液体ニコチン組成物を含み、かつ第一のおよび第二の壊れやすいバリアを有する第一の区画と、送達促進化合物を含み、かつ第三のおよび第四の壊れやすいバリアを有する第二の区画と、第一のおよび第二の区画間に位置する第一および第二の破壊部分を有する第一の破壊システムと、マウスピース要素と、第一の破壊部分を有する第二の破壊システムと、第二の区画とマウスピースの間に位置する案内部材とを備える。
【0038】
使用時に、ユーザーが長軸方向の圧縮力を容器にかけると、これが第一および第二の破壊システムを第一の位置から第二の位置に移動させ、これがさらに第二、第三および第四の壊れやすいバリアを貫通する。第一の壊れやすいバリアは、下記に説明する通り容器がエアロゾル発生装置に挿入された時に貫通される。
【0039】
それぞれの壊れやすいバリアは、金属膜で製造されることが好ましく、またアルミニウム膜で製造されることがより好ましい。
【0040】
「上流」「下流」および「遠位」および「近位」という用語は本明細書で使用される時、本発明による容器、エアロゾル発生装置およびエアロゾル発生システムの構成要素、または構成要素の部分の相対位置を、その使用時に容器、エアロゾル発生装置およびエアロゾル発生システムを通過して引き出される空気の方向に関連付けて説明するのに使用される。当然ながら、「遠位」および「近位」という用語は、他の構成要素の相対位置を描写するために使用される時、遠位端が「自由」端であり近位端が「固定」端であるというように使用される。
【0041】
送達促進化合物が存在する場合は、区画を伴う管状の多孔性要素に吸着されることが好ましい。「収着された」は本明細書で使用される時、送達促進化合物が管状の多孔性要素の表面上に吸着された、または管状の多孔性要素中に吸収された、または管状の多孔性要素上に吸着されて多孔性要素中に吸収されたことを意味する。
【0042】
第一の区画の容積および第二の区画の容積は同一であってもよく、または異なっていてもよい。一つの好ましい実施形態で、第二の区画の容積は第一の区画の容積よりも大きい。
【0043】
マウスピースが存在する場合、適切な任意の材料または材料の組み合わせを含みうる。適切な材料の例は、例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)およびポリエチレンなど、食品または医薬品の用途に適した熱可塑性樹脂を含む。
【0044】
本発明のなおさらなる態様によれば、本明細書で説明したエアロゾル発生装置および容器を含む、エアロゾル発生システムが提供されている。エアロゾル発生装置は、容器を受けるように適合され、かつ少なくとも一つの空気吸込み口を含む、外側ハウジングと、容器の上流の壊れやすいバリアを貫通するための貫通部材とを含む。上流シールは、上述の容器の特に好ましい実施形態の第一の壊れやすいバリアである。細長い貫通部材は、細長い貫通部材の遠位端にある貫通部分を備える。エアロゾル発生装置内に受けられた時、少なくとも一つの空気吸込み口が容器と流体連通する。
【0045】
貫通部材はエアロゾル発生装置の中心の長軸方向軸に沿って、外側ハウジング内に位置することが好ましい。
【0046】
「エアロゾル発生装置」という用語は本明細書で使用される時、エアロゾル発生物品と相互作用して、ユーザーの肺にユーザーの口を通して直接吸入可能なエアロゾルを発生するエアロゾル発生装置を意味する。
【0047】
本明細書で使用される時、「空気吸込み口」という用語は、空気がそれを通してエアロゾル発生システムの中へと引き出される場合がある1つ以上の開口部を記述するために使用される。
【0048】
特定の好ましい実施形態で、第一の区画と第二の区画は、エアロゾル発生システム内で空気吸込み口からマウスピースまで直列に配置されている。すなわち、第一の区画は空気吸込み口の下流であり、第二の区画は第一の区画の下流であり、空気出口は第二の区画の下流である。使用時に、空気の流れは、空気吸込み口を通してエアロゾル発生システム内に引き出され、第一の区画と第二の区画を通して下流に流れ、マウスピースを通してエアロゾル発生システムを出る。
【0049】
「直列」は本明細書で使用される時、使用時にエアロゾル発生物品を通して引き出される空気の流れが第一の区画を通過してから第二の区画を通過するように、第一の区画と第二の区画がエアロゾル発生物品内に配列されることを意味する。送達促進化合物蒸気は、区画内の送達促進化合物から容器を通して引き出される空気の流れ内に放出され、揮発性ニコチン液体蒸気は区画から容器を通して引き出される空気の流れ内に放出される。送達促進化合物蒸気は気相で揮発性ニコチン液体蒸気と反応して、エアロゾルを形成し、これがユーザーに送達される。
【0050】
一つの好ましい実施形態で、エアロゾル発生装置の貫通部材の貫通部分は円錐形である。ただし、当然のことながら、貫通部分はエアロゾル発生物品の区画を貫通するのに適した任意の形状でありうる。貫通部分が円錐体である場合、貫通部分の最大直径は円錐の基礎円の直径に対応する。
【0051】
一つの好ましい実施形態で、エアロゾル発生装置の外側ハウジングは、エアロゾル発生物品を受けるよう構成されたくぼみを含む。くぼみの長軸方向の長さは、細長い貫通部材の長軸方向の長さよりも大きいことが好ましい。このように、貫通部材の貫通部分は露出されず、ユーザーによるアクセスはできない。
【0052】
エアロゾル発生装置のくぼみは実質的に円筒形であることが好ましい。エアロゾル発生装置のくぼみは適切な任意の形状の横断断面を持ちうる。例えば、くぼみの横断断面は、実質的に円形、楕円形、三角形、正方形、菱型、台形、五角形、六角形または八角形としうる。
【0053】
エアロゾル発生装置のくぼみの横断断面は、くぼみで受けられる容器の横断断面と実質的に同一形状であることが好ましい。
【0054】
エアロゾル発生システムの全体的寸法は、紙巻たばこ、葉巻、細い紙巻きたばこ、またはその他任意のこうした喫煙物品など、従来の喫煙物品と類似したものとしうる。
【0055】
送達促進化合物は、有機酸または無機酸を含みうる。送達促進化合物は有機酸を含むことが好ましい。送達促進化合物はカルボン酸を含むことがさらに好ましい。送達促進化合物はαヒドロキシ酸、αケト酸または2−オキソ酸を含むことが最も好ましい。
【0056】
好ましい実施形態で、送達促進化合物は、乳酸、3−メチル−2−オキソ吉草酸、ピルビン酸、2−オキソ吉草酸、4−メチル−2−オキソ吉草酸、3−メチル−2−オキソブタン酸、2−オキソオクタン酸およびこれらの組み合わせから成る群より選択される酸を含む。特に好ましい実施形態で、送達促進化合物はピルビン酸を含む。
【0057】
よって、容器内の液体は1つ以上のニコチン、ニコチン塩基、ニコチン塩、またはニコチン誘導体を含むことが好ましい。あるいは、容器は例えば、メントールなどの風味剤を含みうる。
【0058】
ニコチン供与源は天然ニコチンまたは合成ニコチンを含んでもよい。ニコチン供与源はニコチン塩基、ニコチン−HCl、ニコチン酒石酸塩またはニコチン二酒石酸塩などのニコチン塩、またはその組み合わせを含みうる。
【0059】
代替的または追加的に、ニコチン供与源は天然フレーバー、人工フレーバーおよび酸化防止剤を含むがこれに限定されないその他の成分をさらに含みうる。
【0060】
容器は液体ニコチン剤を含むことが好ましい。
【0061】
本発明により、コスト効果の高い、コンパクトで使用しやすいエアロゾル発生システムの提供が許容される。その上、本発明によるエアロゾル発生物品で送達促進剤として酸または塩化アンモニウムを使用することにより、ニコチンの薬物動態学的レートは有利なことに増大しうる。
【0062】
容器は不透明な外側ハウジングを含むことが好ましい。このことは有利にも、光への暴露による酸または塩化アンモニウムおよびニコチン剤の劣化のリスクを低減する。
【0063】
容器は再充填可能ではないことが好ましい。こうして、ニコチン剤が使い果たされた時、容器は貫通システムと共に交換される。こうして、貫通システムは、周知のシステムほどは頑丈である必要がなく、関連するコストが低減される。
【0064】
有利なことに、装置のすべての要素は酸または塩化アンモニウムまたはニコチン供与源と潜在的に接触し、容器が交換されると変化する。これにより、装置内での異なるマウスピースと異なる容器(例えば、異なる酸またはニコチン供与源を含む容器)との間での一切の二次汚染が回避される。
【0065】
ニコチン剤は有利にも、ニコチン剤の劣化のリスクが著しく低減されるように、酸素(貫通部材によって貫通されるまで酸素は一般的に壊れやすいバリアを通過できないため)および一部の実施形態では光に対する暴露から保護されうる。従って、高いレベルの衛生が維持できる。
【0066】
容器は、適切な任意の形状の横断断面を持ちうる。容器の横断断面は実質的に円形または実質的に楕円形であることが好ましい。容器の横断断面は実質的に円形であることがより好ましい。
【0067】
容器の横断断面は、エアロゾル発生装置のくぼみと実質的に同一形状であることが好ましい。
【0068】
装置の外側ハウジングは、適切な任意の材料または材料の組み合わせから形成しうる。適切な材料の例には金属、合金、プラスチックまたは1つ以上のそれらの材料を含む複合材料が含まれるが、それらに限定されない。外側ハウジングは軽量であり、壊れやすくないことが好ましい。
【0069】
エアロゾル発生システムおよび装置は携帯型であることが好ましい。エアロゾル発生システムは、葉巻たばこや紙巻たばこなど、従来型の喫煙物品に匹敵するサイズおよび形状を持ちうる。
【0070】
本発明の1つの態様のいずれの特徴も、任意の適切な組み合わせにおいて本発明のその他の態様にも適用されうる。特に、方法の態様は装置の態様に適用でき、その逆もまた可である。さらにまた、1つの態様における任意の一部および/またはすべての特徴は、任意の適切な組み合わせにおいて、任意のその他の態様の任意の一部および/またはすべての特徴に適用されうる。
【0071】
当然ながら、本発明の任意の態様において説明および定義された種々の特徴の特定の組み合わせを独立して実施および/または供給および/または使用できる。
【0072】
本発明は以下の添付図面を参照しながら、例証としてのみであるがさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【
図1】
図1は、本発明による貫通システムの断面図を示す。
【
図2】
図2は、本発明による代替的な貫通システムの断面図を示す。
【
図3】
図3は、第一の位置から第二の位置に移動中の
図2の貫通システムを示す。
【
図5】
図5は、本発明による代替的な容器の断面図を示す。
【
図6】
図6は、本発明によるエアロゾル発生システムの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0074】
図1は、第一の管102および第二の管104を備えた破壊システム100の断面図を示す。第一の管は、実質的に円形断面の形状を有する中空の円筒形部分106と、弾性部材110によって弾性的に中空部分106に結合された案内部材108とを含む。第二の管104は、実質的に円形断面の形状を有する中空の円筒形部分112と、弾性部材116によって弾性的に中空部分112に結合された破壊部材114とを含む。破壊部材は、破壊部分117を含む。第一の管102は弾性の突起118、120および122をさらに含み、第二の管104は弾性の突起124、126および128をさらに含む。
【0075】
図1で分かる通り、第一の管102は、下記に詳細に説明する通り、動作可能なように係合されるように、第二の管104内に部分的にスライドするように構成されている。第一の管および第二の管は、第一の動作経路に沿って移動するように構成される。第一の管102および第二の管104のこうした相対的なスライドは、下記に詳細に説明する通り、案内部材108のカム表面130を破壊部材114のカム従動子表面132に係合させる。
【0076】
図2は代替的な破壊システム200を示す。見て分かる通り、システム200は、システム100と類似しており、同様の参照番号が同様の構成要素を参照するために使用されている。システム200の第一の管102は、破壊部分204を有する案内部材202を含む。この例において、案内部材202は、第二の破壊部材として周知である。
【0077】
図3は、第一の動作経路に沿って第一の位置(
図3(a))から中間位置(
図3(b))へ、そして第二の位置(
図3(c))へと移動する破壊システム200を示す。理解される通り、破壊システム100の動作はシステム200と実質的に類似している。
【0078】
図3(a)では、長軸方向の圧縮力がシステム200に対してかけられるまで第一のおよび第二の管をこの第一の位置に保持するために、第一の管102の突起118、120および122が、第二の管104の突起124、126および128と協働することが分かる。十分な力がかけられると、第一の管および突起が変形し、
図3(b)に示す通り、第一の管が第二の管内にスライドするようになる。
図3(b)でもわかる通り、第一の管および第二の管のそれぞれの破壊部分は、破壊システムの端から突き出る。同時に、カム表面130はカム従動子表面132と係合し始める。
図3(c)に示す通り、第一の管および第二の管が第二の位置に移動すると、カム表面は、カム部材202および破壊部材114を、それぞれの弾性部材110および116の周りで強制的に回転させる。そうすることで、破壊部分は横断方向に移動し、またこうして破壊部分は、第二の動作経路に沿って移動するが、第二の動作経路は第一の動作経路に対して平行ではない。
【0079】
最後に、
図3(c)に示す通り、弾性の突起118および128は、システム200を第二の位置に保持するために協働する。さらに、第一の管は、第二の管の端面302と係合する肩部300を含む。
【0080】
図4は、上述した破壊システム100を含む容器400の断面図を示す。容器は、揮発性ニコチン液体源を含むシールされた区画402をさらに含む。区画402は第一の管102に結合される。容器は、第二の管104に結合されたマウスピース部分404をさらに含む。見て分かる通り、破壊システム100は第二の位置にあるが、ここで破壊部材は、破壊部材114がカムによって横断方向に押し込まれた時に、シールされた区画402を破壊し、穴406を裂く。このように、下記にさらに詳細に説明するが、破壊部材114の周りに延びる気流経路が形成される。マウスピース部分404は、セルロースアセテートトウなどのフィルター材料を備えうる。
【0081】
図5は、上述した破壊システム200を含む別の容器500の断面図を示す。容器500は、揮発性液体ニコチン供与源を含む第一のシールされた区画502と、破壊システム200と、揮発性送達促進化合物を含む第二のシールされた区画504を含む。理解される通り、揮発性液体ニコチン供与源は、第二の区画504内に提供されうるが、揮発性送達促進化合物は第一の区画502内に提供される。
図5に示す容器と同様に、破壊システム200は第二の位置で示されている。破壊部材114は第一のシールされた区画の壊れやすいバリアを貫通して裂き穴506を形成し、また破壊部分204は第二のシールされた区画504の壊れやすいバリアを貫通して裂き、穴508を形成している。第二の区画504は、その上に揮発性送達促進化合物供与源が収着されている管状の多孔性要素(図示せず)を含む。管状の多孔性要素の長軸方向の長さは、区画の長軸方向の長さよりも短い。管状の多孔性の部分は、上流端に位置する。
【0082】
図6は、エアロゾル発生システム600の断面図を示す。システム600は、容器602およびエアロゾル発生装置604を含む。この例において、容器602は、第一の区画502、第一の破壊システム200、第二の区画504、第二の破壊システム100、およびマウスピース404を含む。理解される通り、容器602は、
図4および
図5にそれぞれ図示した容器400および容器500の組み合わせであるため略し、ここでは繰り返して説明しない。エアロゾル発生装置604は、容器602を受けるよう構成された細長い円筒形くぼみを持つ外側ハウジングを含む。容器602の近位(または下流)端がくぼみから突出するように、くぼみの長軸方向の長さは容器の長さよりも短い。
【0083】
装置604はさらに細長い貫通部材606を含む。貫通部材は、エアロゾル発生装置のくぼみ内の中央に位置し、くぼみの長軸方向軸に沿って延びる。一方の端で、貫通部材は円形基部を持つ円錐の形態の貫通部分を含む。貫通部材は、軸部分をさらに含む。見て分かる通り、容器がエアロゾル発生装置内に受けられた時、貫通部材は、第一の区画502の上流の壊れやすいバリアを貫通するように構成されている。
【0084】
空気吸込み口(図示せず)は、エアロゾル発生装置604の上流端に提供される。空気出口(図示せず)は、容器602の近位かつ下流のマウスピース端に提供される。
【0085】
使用時に、ユーザーは長軸方向の圧縮力を容器にかけて破壊システム200および100を第二の位置に移動させ、それによって第一の区画の上流の壊れやすいバリアを除く全ての壊れやすいバリアが破壊する。次に容器602が装置604に挿入される。貫通部分606は第一の区画502の上流の壊れやすいバリアを壊し、貫通部分の最大直径とほぼ等しい直径を持つシールに穴を開ける。貫通部分の最大直径は貫通部分を形成する円錐の基礎円の直径である。
【0086】
従って、空気吸込み口(図示せず)から延び、貫通部材606の軸を回って、第一の区画502を通り、破壊システム200を通り、第二の区画504を通り、第二の破壊システム100を通り、マウスピース404を通って出る、気流経路が形成される。
【国際調査報告】