(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-520263(P2017-520263A)
(43)【公表日】2017年7月27日
(54)【発明の名称】たばこ含有材料を含むエアロゾル形成カートリッジ
(51)【国際特許分類】
A24F 47/00 20060101AFI20170630BHJP
【FI】
A24F47/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2017-501209(P2017-501209)
(86)(22)【出願日】2015年7月9日
(85)【翻訳文提出日】2017年1月10日
(86)【国際出願番号】EP2015065770
(87)【国際公開番号】WO2016005533
(87)【国際公開日】20160114
(31)【優先権主張番号】14176827.5
(32)【優先日】2014年7月11日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ
(57)【要約】
電気的に動作するエアロゾル発生システムで使用するためのエアロゾル形成カートリッジ(220)が提供されている。カートリッジ(220)は、基層(222)と、基層(222)上に配置され、エアロゾル形成基体(224)から放出可能な揮発性たばこ風味化合物を有するたばこ含有材料を含む、少なくとも1つのエアロゾル形成基体(224)とを含む。基層(222)および少なくとも1つのエアロゾル形成基体(224)は、実質的に平面である接触面で接触する。
【選択図】
図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的に動作するエアロゾル発生システムで使用するためのエアロゾル形成カートリッジであって、前記カートリッジが、
基層と、
前記基層上に配置され、前記エアロゾル形成基体から放出可能な揮発性たばこ風味化合物を有するたばこ含有材料を含む、少なくとも1つのエアロゾル形成基体とを含み、
前記基層および前記少なくとも1つのエアロゾル形成基体が、実質的に平面の接触面で接触する、エアロゾル形成カートリッジ。
【請求項2】
前記基層および前記少なくとも1つのエアロゾル形成基体の一方または両方が実質的に平面である、請求項1に記載のエアロゾル形成カートリッジ。
【請求項3】
前記基層が少なくとも1つのくぼみを含み、また前記少なくとも1つのエアロゾル形成基体が前記少なくとも1つのくぼみ内に保持される、請求項1または請求項2に記載のエアロゾル形成カートリッジ。
【請求項4】
前記少なくとも1つのエアロゾル形成基体が、前記基層上に別々に配置された複数のエアロゾル形成基体を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエアロゾル形成カートリッジ。
【請求項5】
前記基層が複数のくぼみを含み、また前記複数のエアロゾル形成基体のそれぞれが前記複数のくぼみの1つ内に保持される、請求項4に記載のエアロゾル形成カートリッジ。
【請求項6】
前記少なくとも1つのエアロゾル形成基体を加熱するように配置されている少なくとも1つの発熱体を含む電気ヒーターをさらに含み、前記電気ヒーターと、前記基層および前記少なくとも1つのエアロゾル形成基体のうち一方または両方との間の接触面が実質的に平面であり、前記基層および前記少なくとも1つのエアロゾル形成基体の間の前記接触面に対して実質的に平行である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のエアロゾル形成カートリッジ。
【請求項7】
前記少なくとも1つのエアロゾル形成基体が、前記基層上に別々に配置されている複数のエアロゾル形成基体を含み、また前記電気ヒーターが前記複数のエアロゾル形成基体のうちの異なる1つを加熱するよう配置されている複数の発熱体を含む、請求項6に記載のエアロゾル形成カートリッジ。
【請求項8】
前記カートリッジが一体型のマウスピース部分をさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のエアロゾル形成カートリッジ。
【請求項9】
前記カートリッジが、前記マウスピース部分の下流端での前記引き出し抵抗が、約50mmWG〜約130mmWG、好ましくは約80mmWG〜約120mmWG、より好ましくは約90mmWG〜約110mmWG、最も好ましくは約95mmWG〜約105mmWGであるように配置される、請求項8に記載のエアロゾル形成カートリッジ。
【請求項10】
電気的に動作するエアロゾル形成システムであって、エアロゾル発生装置と、請求項1〜9のいずれか1項に記載のエアロゾル形成カートリッジと、前記少なくとも1つのエアロゾル形成基体を気化するための電気気化器とを含み、前記装置が、
前記エアロゾル形成カートリッジを取り外し可能なように受けるスロット型の容器を画定する本体と、
電力を前記気化器に供給するための電源とを備える、エアロゾル形成システム。
【請求項11】
電気的に動作するエアロゾル発生システムで使用するためのエアロゾル形成カートリッジの製造方法であって、
基層を提供する工程と、
前記基層および前記少なくとも1つのエアロゾル形成基体が実質的に平面である接触面で結合するように、少なくとも1つのエアロゾル形成基体を前記基層上に配置する工程とを含み、前記エアロゾル形成基体が、加熱に伴い前記エアロゾル形成基体から放出される揮発性たばこ風味化合物を有するたばこ含有材料を含む、方法。
【請求項12】
少なくとも1つのくぼみを前記基層内に形成する工程を含み、少なくとも1つのエアロゾル形成基体を前記基層内に配置する前記工程が、前記少なくとも1つのエアロゾル形成基体を前記少なくとも1つのくぼみ内に配置することにより実行される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
電気ヒーターおよび前記基層が、実質的に平面であり、かつ前記基層と前記少なくとも1つのエアロゾル形成基体との間で実質的に平行である接触面と接触する、前記電気ヒーターを前記基層に取り付ける工程をさらに含む、請求項11または請求項12に記載の方法。
【請求項14】
電気ヒーターを取り付ける前記工程が、電気ヒーター箔のウェブをボビンから前記組立ラインに供給し、前記電気ヒーター箔の前記ウェブを横方向に切断して個別の電気ヒーターを形成することで実行される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記電気ヒーター箔のウェブが、複数の発熱体が取り付けられた電気的に絶縁された基体箔のウェブを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
基層を提供する前記工程が、基層箔のウェブをボビンから前記組立ラインに供給し、前記基層箔のウェブを横方向に切断して個別の基層を形成する工程を含む、請求項11〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記電気ヒーター箔のウェブ、または前記基層箔のウェブ、または前記電気ヒーター箔のウェブおよび前記基層箔のウェブの両方が、各カートリッジの幅よりも大きな幅を持ち、各カートリッジの前記幅よりも約2倍〜約50倍であることが好ましく、また複数のエアロゾル形成カートリッジが並列である、請求項14〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記カートリッジが作成される2つ以上の箔のウェブがまとめて積層される、請求項14〜17のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気的に動作するエアロゾル発生システムで使用するためのエアロゾル形成カートリッジに関連する。特に本発明は、エアロゾル形成基体から放出可能な揮発性たばこ風味化合物を備えるたばこ含有材料を含む少なくとも1つのエアロゾル形成基体を持つ、エアロゾル形成カートリッジに関連する。本発明はまた、エアロゾル形成カートリッジを含むエアロゾル発生システム、およびエアロゾル形成カートリッジを製造する方法にも関連する。
【背景技術】
【0002】
1つのタイプのエアロゾル発生システムは、電気的に作動する喫煙システムである。電気気化器と、電池および制御電子回路を含むエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成カートリッジとで構成される、手持ち式の電気的に作動する喫煙システムが周知である。一般に、エアロゾル発生装置と併用するためのエアロゾル形成カートリッジは、しばしばその他の要素または構成要素と共に、ロッドの形態に組み立てられたエアロゾル形成基体を備える。一般に、こうしたロッドは、エアロゾル形成基体を加熱するための発熱体を備えるエアロゾル発生装置内に挿入される形状およびサイズに構成される。その他の周知のエアロゾル形成カートリッジは、カートリッジの一部分を形成する電気ヒーターと接触するか、または極めて接近したエアロゾル形成基体を備える。こうした1つの例において、カートリッジは、一回分の液体エアロゾル形成基体および液体エアロゾル形成基体内に浸された細長い芯の周りに巻かれたヒーターワイヤのコイルを含む。周知のカートリッジは一般に、使用時にユーザーが吸ってエアロゾルを口内に吸い込むマウスピース部分を備える。
【0003】
ところが、周知のエアロゾル形成カートリッジは製造が比較的高価である。これは、その複雑さと、その製造に一般に広範な手作業での組立作業が要求されるためである。さらに、これらのカートリッジは、搬送中の損傷を回避するために、慎重な取り扱いや、保護用の外側ハウジングの提供が要求されることがよくある。
【0004】
EP−A2−0271036号は、可燃性熱源を備えた喫煙物品と、熱源の下流にあるカプセル内に保持されているエアロゾル形成基体と、エアロゾル形成基体の下流にあるマウスピースとを提供する。カプセルは、その中にエアロゾル形成基体が保持される金属製の管を含む。カプセルは、紙巻たばこの紙によって熱源とマウスピースとに結合され、喫煙物品の一体型の部品を形成する。こうして、風味供与源が消費された時に、カプセルは喫煙物品の残りの部分から取り外すことはできない。実際に、風味供与源が消費された時、喫煙物品全体が1つのユニットとして処分される。
【0005】
US−A1−2008/092912号は、エアロゾル発生装置内に保持された、たばこ材料を含むエアロゾル形成カートリッジを有する喫煙物品を提供する。カートリッジはロッド状である。
【0006】
頑丈であり、かつ製造が安価なエアロゾル形成カートリッジが提供されることが望ましい。
【発明の概要】
【0007】
本発明の第一の態様によれば、電気的に動作するエアロゾル発生システムで使用するためのエアロゾル形成カートリッジが提供されており、カートリッジは、基層と、基層上に配置され、エアロゾル形成基体から放出可能な揮発性たばこ風味化合物を有するたばこ含有材料とを含む少なくとも1つのエアロゾル形成基体とを含み、ここで、基層および少なくとも1つのエアロゾル形成基体は実質的に平面である接触面で接触する。
【0008】
基層と少なくとも1つのエアロゾル形成基体を実質的に平面である接触面で接触させることにより、カートリッジは有利なことに、垂直組立作業のみを使用して製造できる。これは、円筒上の物体(紙巻たばこなど)の製造で周知である、カートリッジまたはその構成要素の回転運動または複数の並進運動などより複雑な任意の組立作業の必要性をなくすことで、カートリッジの製造を簡略化する。こうしたカートリッジはまた、従来的なカートリッジよりも少ない構成要素を使用して作製されることができ、一般的により頑丈である。
【0009】
本明細書で使用される場合、「カートリッジ」という用語は、エアロゾル発生装置との結合および取り外しを行ってエアロゾル発生システムを形成するように構成され、物品が消費された時にユーザーによって一体としてエアロゾル発生装置と結合しそこからの取り外しができる単一のユニットとして組み立てられる、消費可能な物品を意味する。
【0010】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル形成カートリッジ」という用語は、エアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出可能なエアロゾル形成基体を含む、カートリッジを意味する。例えば、エアロゾル発生カートリッジは喫煙物品としうる。
【0011】
本明細書に使用される場合、「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出することができる基体を記述するために使用される。本発明による喫煙物品のエアロゾル形成基体から生成されるエアロゾルは、見えても、または見えなくてもよく、蒸気(例えば、気状である物質の微粉は室温にて通常、液体または固体である)、ならびに気体および凝縮された蒸気の液体の液滴を含んでもよい。
【0012】
本明細書で使用される場合、「接点」という用語は、カートリッジの2つの構成要素間の直接接触だけでなく、カートリッジの1つ以上の中間構成要素(被覆または積層など)を介した間接接触も含む。
【0013】
本明細書で使用される場合、「実質的に平面」という用語は、実質的に単一の平面に沿って配置されていることを意味する。
【0014】
エアロゾル形成カートリッジは加熱式喫煙物品であるが、これは、エアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出するために、燃焼ではなく加熱される意図があるエアロゾル形成基体を含む喫煙物品であることが好ましい。
【0015】
カートリッジは、適切な任意の外側形状を持ちうる。カートリッジは、エアロゾルがエアロゾル発生カートリッジを出てユーザーに送達される下流端と、向かい合った上流端とを有する、細長いエアロゾル形成カートリッジとしうる。こうした実施形態では、エアロゾル形成基体の構成要素、または構成要素の部分は、近位端または下流端と遠位端または上流端との間の相対的な位置に基づき、互いに上流または下流にあるものとして描写されうる。カートリッジは実質的に平面であることが好ましい。ある一定の実施形態において、カートリッジは、実質的に平面であり、長方形の断面を持つ。
【0016】
カートリッジは、適切な任意のサイズを持ちうる。カートリッジは、手持ち式のエアロゾル発生システムと併用するために適切な寸法を持つことが好ましい。ある一定の実施形態において、カートリッジは、約5mm〜約200mm、好ましくは約10mm〜約100mm、より好ましくは約20mm〜約35mmの長さを持つ。ある一定の実施形態において、カートリッジは、約5mm〜約12mm、好ましくは約7mm〜約10mmの幅を持つ。ある一定の実施形態において、カートリッジは約2mm〜約10mmの高さを持ち、好ましくは約5mm〜約8mmの高さを形成する。
【0017】
少なくとも1つのエアロゾル形成基体は実質的に平面であることが好ましい。本明細書で使用される場合、「実質的に平面の」という用語は、少なくとも1:2、好ましくは1:2〜約1:20の厚さ対幅の比を持つことを意味する。これは、実質的に平面の形状を持つことを含むがこれに限定されない。平坦な構成要素は、製造時の取り扱いが簡単にでき、頑丈な構造を提供できる。さらに、実質的に平面である時、かつ空気流がエアロゾル形成基体の幅、長さ、または両方を越えて引き込まれる時に、エアロゾル形成基体からのエアロゾル放出が改善されることが分かっている。
【0018】
ある一定の実施形態において、基層および少なくとも1つのエアロゾル形成基体の一方または両方は非曲面の断面を持つ。これにより、製造時のこれらの構成要素の回転運動の量が低減され、組立の精度および組立の簡単さが改善される。ある一定の実施形態において、基層および少なくとも1つのエアロゾル形成基体の一方または両方は実質的に平面である。
【0019】
「基層」という用語は、エアロゾル形成基体を支持するカートリッジの層を意味し、必ずしもカートリッジ内の層の位置を意味するのではない。基層は、カートリッジの最も下の層としうるが、この位置には限定されない。
【0020】
基層は適切な任意の断面形状を持ちうる。基層は非円形の断面形状を持つことが好ましい。一定の好ましい実施形態で、基層は実質的に長方形の断面形状を持つ。ある一定の実施形態において、基層は細長い実質的に長方形の平行六面体形状を持つ。一定の好ましい実施形態で、基層は実質的に平面である。
【0021】
エアロゾル形成基体は、基層上に直接配置されてもよく、1つ以上の中間層を介して間接的に配置されてもよい。基層は、その上にエアロゾル形成基体が配置される実質的に平面の上部表面を持ちうる。好ましい実施形態で、基層は、その中に少なくとも1つのエアロゾル形成基体が保持される少なくとも1つのくぼみを含む。これは、カートリッジ内でのエアロゾル形成基体の正しい位置決めの維持に役立ち、また必要に応じてカートリッジ内にエアロゾル形成基体をシールすることが簡単になる。ある一定の実施形態において、少なくとも1つのエアロゾル形成基体は基層上に別々に配置された複数のエアロゾル形成基体を含み、また基層は複数のくぼみを含む。次に2つ以上のエアロゾル形成基体は、異なるくぼみ内に保持されうる。エアロゾル形成基体が異なる組成を持つ場合、それらを別個のくぼみ内に別々に貯蔵することでカートリッジの寿命を延長できる。別の利点は、カートリッジが2つ以上の不適合のエアロゾル形成基体を貯蔵できることである。ある一定の実施形態において、1つ以上のくぼみは閉位置から選択的に開閉可能である。
【0022】
基層は単一の構成要素から形成されうる。別の方法として、基層は複数の層または構成要素から形成されうる。例えば、基層は、少なくとも1つのくぼみの側壁を画定する第一の層、および少なくとも1つのくぼみの底部壁を画定する第二の層から形成されうる。
【0023】
基層は、適切な任意の製造方法を使用して形成されうる。ある一定の実施形態において、基層は高分子箔を含む。こうした基層は、1つ以上の箔のふくれから形成される1つ以上のくぼみを備えうる。高分子箔は、1つ以上のポリイミド(PI)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)(ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、またはポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)など)、またはフッ化重合体(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、PVDFELS、またはフッ化エチレンプロピレン(FEP)など)などであるがこれに限定されない適切な任意の材料を備えうる。別の方法として、基層は、1つ以上のポリアリールエーテルケトン(PAEK)(ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、またはポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)など)、ポリフェニレンスルファイド(ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、またはポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFEまたはPTFCE)など)、ポリアリルスルホン(ポリスルホン(PSU)、ポリフェニルスルホン(PPSFまたはPPSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、またはポリエチレンイミン(PEI)など)、またはフッ化重合体(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、PVDFELS、またはフッ化エチレンプロピレン(FEP)など)などであるが、これに限定されない高分子材料の射出成形により形成されうる。
【0024】
少なくとも1つのエアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を有するたばこ含有材料を含みうる。
【0025】
少なくとも1つのエアロゾル形成基体は、エアロゾル形成体、すなわち、加熱に伴いエアロゾルを発生させる物質を含むことが好ましい。エアロゾル形成体は、例えば、ポリオールエアロゾル形成体または非ポリオールエアロゾル形成体としうる。室温で固体または液体としうるが、室温で液体であることが好ましい。適切なポリオールは、ソルビトール、グリセロール、およびプロピレングリコールまたはトリエチレングリコールなどのグリコールを含む。適切な非ポリオールは、一価アルコール(メントールなど)、高沸点炭化水素、酸(乳酸など)、およびエステル(ジアセチン、トリアセチン、クエン酸トリエチルまたはミリスチン酸イソプロピルなど)を含む。ステアリン酸メチル、ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなどの、脂肪族カルボン酸エステルもエアロゾル形成体として使用されうる。同等または異なる比率でのエアロゾル形成体の組み合わせも使用されうる。ポリエチレングリコールおよびグリセロールはが特に好ましい場合があり、その一方でトリアセチンは安定化がより困難であり、また製品内部での移動を防止するために封入される必要もありうる。適切なエアロゾル形成体の例は、グリセリンおよびプロピレングリコールである。少なくとも1つのエアロゾル形成基体は、ココア、甘草、有機酸、またはメントールなど1つ以上の風味剤を含まれうる。少なくとも1つのエアロゾル形成基体は、固体基体を含みうる。固体基体は、例えば、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の破片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこおよび膨化たばこのうち1つ以上を含む、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片またはシートのうち1つ以上を含みうる。随意に、基体は、基体の加熱に伴い放出される追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含みうる。随意に、固体基体はまた、例えば、追加的なたばこまたは非たばこの揮発性風味化合物を含むカプセルを含みうる。こうしたカプセルは、固体エアロゾル形成基体の加熱中に融解しうる。別の方法として、または追加的に、こうしたカプセルは、固体エアロゾル形成基体の加熱前、加熱中、または加熱後に潰されうる。
【0026】
少なくとも1つのエアロゾル形成基体が均質化したたばこ材料を含む固体基体を含む場合、均質化したたばこ材料は、粒子状のたばこを凝集させることにより形成されうる。均質化したたばこ材料は、シートの形態としうる。均質化したたばこ材料は、乾燥質量で5%より多いエアロゾル形成体含有量を持ちうる。別の方法では、均質化したたばこ材料は、乾燥質量で約5〜約30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を持ちうる。均質化したたばこ材料シートは、たばこ葉ラミナおよびたばこ葉の茎の一方または両方を粉砕またはその他の方法で細かく砕くことにより得られる粒子状のたばこを凝集させることによって形成されうるか、あるいは、または追加的に、均質化したたばこ材料シートは、例えば、たばこの処理、取扱いおよび輸送中に形成されるたばこダスト、たばこの微粉およびその他の粒子状のたばこ副産物の1つ以上を含みうる。均質化したたばこ材料のシートは、粒子状たばこを凝集するのを補助するために1つ以上の固有の結合剤を含んでもよく、それはたばこ内因性結合剤、1つ以上の外因性結合剤であり、それはたばこ外来性結合剤またはそれらの組み合わせである。別の方法として、または加えて、均質化したたばこ材料のシートは、たばこおよび非たばこ繊維、エアロゾル形成体、湿潤剤、可塑剤、風味剤、充填剤、水性および非水性の溶媒およびこれらの組み合わせを含むが限定されないその他の添加剤を含んでもよい。均質化したたばこ材料シートは、粒子状たばこおよび1つ以上の結合剤を含むスラリーをコンベヤーベルトまたはその他の支持表面上にキャスティングし、キャストスラリーを乾燥させて均質化したたばこ材料シートを形成し、均質化したたばこ材料シートを支持表面から除去することを一般的に含むタイプのキャスティングプロセスにより形成されることが好ましい。
【0027】
随意に、固体の基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもまたはその中に包埋されてもよい。担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片またはシートなどの形態をとりうる。別の方法として、担体は、その内側表面上(第US−A−5 505 214号、第US−A−5 591 368号および第US−A−5 388 594号で開示されているものなど)、またはその外側表面上、またはその内側および外側の表面両方に配置された固体基体の薄い層を持つ、管状の担体としうる。こうした管状の担体は、例えば、紙、または紙様の材料、不織布炭素繊維マット、質量の小さく目の粗いメッシュ金属スクリーン、または穴あきの金属箔またはその他の任意の熱的に安定した高分子マトリクスで形成しうる。固体の基体は、例えば、シート、泡、ゲルまたはスラリーの形態で担体の表面上に沈着してもよい。固体の基体は、担体の全表面上に沈着してもよく、または代替的に、使用中、所定のあるいは均一でない風味送達を提供するために一定のパターンにおいて沈着してもよい。別の方法として、担体は、第EP−A−0 857 431号に説明されているものなど、たばこ成分が組み込まれた不織布繊維または繊維の束としうる。不織布繊維または繊維の束は、例えば、炭素繊維、天然セルロース繊維、またはセルロース誘導体繊維を含みうる。
【0028】
エアロゾル形成基体は、液体基体を含みうるが、カートリッジは、1つ以上の容器など、液体基体を保持するための手段を含みうる。別の方法としてまたはさらに、カートリッジは、第WO−A−2007/024130号、第WO−A−2007/066374号、第EP−A−1 736 062号、第WO−A−2007/131449号および第WO−A−2007/131450号に説明のある通り、その内部に液体基体が吸収されうる多孔性担体材料を含む。エアロゾル形成基体は別の方法として、その他任意の種類の基体、例えば、ガス基体、ゲル基体、または記載された様々な基体タイプの任意の組み合わせとしうる。
【0029】
少なくとも1つのエアロゾル形成基体は単一のエアロゾル形成基体を含みうる。別の方法として、少なくとも1つのエアロゾル形成基体は、複数のエアロゾル形成基体を含みうる。複数のエアロゾル形成基体は、実質的に同一の組成を持ちうる。別の方法として、複数のエアロゾル形成基体は、実質的に異なる組成物を持つ2つ以上のエアロゾル形成基体を含みうる。複数のエアロゾル形成基体は、基層上に一緒に貯蔵されうる。別の方法として、複数のエアロゾル形成基体は、別個に貯蔵されうる。エアロゾル形成基体の2つ以上の異なる部分を別々に貯蔵することにより、同一カートリッジ内で完全には適合性のない2つの物質を貯蔵することが可能である。有利なことに、エアロゾル形成基体の2つ以上の異なる部分を別々に貯蔵することで、カートリッジの寿命を延長しうる。また、2つの不適合の物質を同一のカートリッジ内に貯蔵できるようになる。さらに、例えば、それぞれのエアロゾル形成基体を別個に加熱することにより、エアロゾル形成基体を別々にエアロゾル化できるようになる。こうして、異なる加熱プロフィール要件を持つエアロゾル形成基体を、エアロゾル形成を改善するために別々に加熱できる。また、より揮発性の高い物質を、揮発性の低い物質とは別個に低い度合いで加熱できるため、より効率的なエネルギー使用が可能となりうる。別個のエアロゾル形成基体は、例えば、毎回の使用のために複数のエアロゾル形成基体のうち異なる1つを加熱することにより、所定の順序でエアロゾル化することもでき、カートリッジが使用されるごとに「新鮮な」エアロゾル形成基体がエアロゾル化されるようになる。
【0030】
少なくとも1つのエアロゾル形成基体は実質的に平面であることが好ましい。少なくとも1つのエアロゾル形成基体は、適切な任意の断面形状を持ちうる。少なくとも1つのエアロゾル形成基体は、非円形の断面形状を持ちうることが好ましい。好ましい実施形態で、エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成基体と基層の間の接触面を形成する実質的に平面の第一の表面と、第一の表面の反対側にあり、加熱に伴いそこからエアロゾルが放出される実質的に平面の第二の表面とを持つ。一定の好ましい実施形態で、少なくとも1つのエアロゾル形成基体は、実質的に長方形の断面形状を持つ。ある一定の実施形態において、少なくとも1つのエアロゾル形成基体は、細長い、実質的に長方形の平行六面体の形状を持つ。
【0031】
一定の好ましい実施形態で、少なくとも1つのエアロゾル形成基体は、約60℃〜約320℃、好ましくは約70℃〜約230℃の蒸発温度を持つ。
【0032】
カートリッジの任意の実施形態において、様々なカートリッジ構成要素のそれぞれについて好ましい材料または複数の材料は、エアロゾル形成基体の要求される蒸発温度に依存する。
【0033】
使用時、少なくとも1つのエアロゾル形成基体は、気化器によって気化される。気化器は、エアロゾル発生装置の一部分として、エアロゾル形成カートリッジの一部分、別個の構成要素として、またはその任意の組み合わせとして提供されうる。気化器は、少なくとも1つのエアロゾル形成基体を気化するための適切な任意の装置としうる。例えば、気化器は圧電式の装置または超音波式の装置としうる。気化器は、エアロゾル形成基体を加熱するように構成された少なくとも1つの発熱体を含む電気ヒーターを備えることが好ましい。
【0034】
エアロゾル形成カートリッジがエアロゾル形成基体を気化するための気化器を含む場合、気化器は、気化器と基層の間の接触層が実質的に平面であり、基層とエアロゾル形成基体の間の接触面と平行であるように、基層上に配置されるべきである。この配置で、カートリッジは、垂直組立作業のみを使用して製造されうる。これは、カートリッジまたはその構成要素の回転運動または複数の並進運動など、より複雑な任意の組立作業の必要性をなくすことで、カートリッジの製造を簡略化する。気化器は、実質的に平面としうる。好ましい実施形態で、気化器は実質的に平面である。
【0035】
気化器は、エアロゾル形成基体を気化するための適切な任意の装置としうる。例えば、気化器は、圧電式または超音波式の装置、または非電気ヒーター(化学ヒーターなど)としうる。気化器は、エアロゾル形成基体を加熱するように構成された少なくとも1つの発熱体を含む電気ヒーターを備えることが好ましい。一定の好ましい実施形態で、カートリッジは、少なくとも1つのエアロゾル形成基体を加熱するように配置されている少なくとも1つの発熱体を含む電気ヒーターをさらに含み、ここで、電気ヒーターと基層および少なくとも1つのエアロゾル形成基体の一つまたは両方との接触面は実質的に平面であり、基層と少なくとも1つのエアロゾル形成基体の間の接触面と実質的に平行である。
【0036】
電気ヒーターは、伝導、対流および放射のうちの1つ以上によって、エアロゾル形成基体を加熱するように配置されうる。ヒーターは、伝導の手段によりエアロゾル形成基体を加熱してもよく、また少なくとも部分的にエアロゾル形成基体と接触してもよい。別の方法として、または追加的に、ヒーターからの熱は熱伝導性の中間要素の手段によってエアロゾル形成基体に伝導されうる。別の方法としてまたは追加的に、ヒーターは、使用時にカートリッジを通して引き出されるかまたはそれを通過して入ってくる周囲空気に熱を伝達しうるが、これが次に、対流によってエアロゾル形成基体を加熱する。
【0037】
ヒーターは電源によって電力供給される電熱器としうる。「電気ヒーター」という用語は、1つ以上の電気発熱体を意味する。電気ヒーターは、エアロゾル形成基体に少なくとも部分的に挿入するための内部電気発熱体を備えうる。「内部発熱体」は、エアロゾル形成材料への挿入に適切なものである。別の方法としてまたは追加的に、電気ヒーターは外部発熱体を備えうる。「外部発熱体」という用語は、少なくとも部分的にエアロゾル形成基体を囲むものを意味する。電気ヒーターは、1つ以上の内部発熱体および1つ以上の外部発熱体を備えうる。電気ヒーターは、単一の発熱体を備える場合がある。別の方法として、電気ヒーターは1つ以上の発熱体を備えうる。ある一定の実施形態において、カートリッジは1つ以上の発熱体を含む電気ヒーターを含む。
【0038】
電気ヒーターは、電気抵抗性の材料を含みうる。適切な電気抵抗性の材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金およびセラミック材料および金属材料でできた複合材料が挙げられるが、これに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含む場合がある。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープシリコン炭化物が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。適切な合金の例は、ステンレス鋼、ニッケル−、コバルト−、クロミウム−、アルミニウム−チタン−ジルコニウム−、ハフニウム−、ニオビウム−、モリブデン−、タンタル−、タングステン−、スズ−、ガリウム−、マンガン−および鉄を含有する合金、およびニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)および鉄−マンガン−アルミニウム系の合金を含む。複合材料では、電気抵抗性の材料は、必要なエネルギー移動の動態学および外部の物理化学的性質に応じて、随意に断熱材料へ埋込、封入、または塗布されてもよく、あるいはその逆であってもよい。別の方法として、電気ヒーターは赤外線発熱体、光子供給源、または誘導発熱体を備えうる。
【0039】
電気ヒーターは任意の適切な形態を取りうる。例えば、電気ヒーターは加熱用ブレードの形態をとる場合がある。別の方法として、電気ヒーターは、異なる導電性部分または電気抵抗性の金属チューブを持つケーシングまたは基体の形態をとってもよい。別の方法として、電気ヒーターは、エアロゾル形成基体の中心を貫通する1つ以上の加熱用の針または棒を含みうる。あるいは、電気ヒーターは、ディスク型の(末端の)ヒーターまたはディスク型のヒーターと加熱用の針または棒を組み合わせたものであってもよい。電気ヒーターは、電気抵抗性のある材料(ステンレス鋼など)の1つ以上のスタンピングした部分を含みうる。その他の代替物は、加熱用のワイヤまたはフィラメント、例えばNi−Cr(ニッケル・クロム)、プラチナ、タングステンまたは金属製のワイヤまたは加熱板を含む。
【0040】
一定の好ましい実施形態で、電気ヒーターは複数の導電性フィラメントを含む。複数の導電性フィラメントは、フィラメントのメッシュまたはアレイを形成してもよく、または織物または不織布を含んでもよい。
【0041】
導電性フィラメントはフィラメント間の隙間を画定でき、隙間の幅は10μm〜100μmとしうる。フィラメントは、使用時に気化されることになる液体が隙間内に引き出されてヒーター組立品と液体の間の接触面積が増えるように、隙間内に毛細管作用を引き起こさせることが好ましい。導電性フィラメントは160〜600メッシュUS(±10パーセント)(すなわち、1インチ当たりのフィラメント数が160〜600個(±10パーセント))のサイズのメッシュを形成しうる。隙間の幅は25μm〜75μmが好ましい。メッシュの合計面積に対する隙間面積の比であるメッシュの開口部分の面積率は25パーセント〜56パーセントが好ましい。メッシュは異なるタイプの織物または格子の構造を使用して形成してもよい。導電性フィラメントのメッシュ、アレイまたは繊維はまた、当業界において周知の通り、液体を保持するその能力によって特性付けられうる。導電性フィラメントの直径は10μm〜100μmとすることができ、8μm〜50μmであることが好ましく、8μm〜39μmであることがより好ましい。フィラメントは、丸い断面を有してもよく、または平坦な断面を有してもよい。ヒーターフィラメントは、シート材料(箔など)のエッチングによって形成されうる。これは、ヒーター組立品が一連の平行のフィラメントを含む時、特に有利でありうる。ヒーター組立品がメッシュまたはフィラメントの織物を含む場合、フィラメントは個別に形成され、まとめて編まれうる。導電性フィラメントは、メッシュ、アレイまたは繊維として提供されうる。導電性フィラメントのメッシュ、アレイまたは繊維の面積は小さくすることができ、25mm2未満であり手持ち式システムへの組み込みが許容されることが好ましい。導電性フィラメントのメッシュ、アレイまたは繊維は、例えば長方形で5mm×2mmの寸法を持つものでもよい。導電性フィラメントのメッシュまたはアレイは、ヒーター組立品の面積の10パーセント〜50パーセントの面積を覆うことが好ましい。導電性フィラメントのメッシュまたはアレイは、ヒーター組立品の面積の15パーセント〜25パーセントの面積を覆うことがより好ましい。
【0042】
任意選択的に、発熱体は担体材料内またはその上に蒸着される場合がある。一定の好ましい実施形態で、発熱体は電気的に絶縁された基体箔上に配置される。基体箔は柔軟なものとしうる。基体箔は高分子としうる。基体箔は複数層の高分子箔としうる。発熱体(または複数の発熱体)は、基体箔にある1つ以上の開口部を横切って延びうる。
【0043】
1つの実施形態で、電気エネルギーは、電気ヒーターの発熱体または要素が約180℃〜約310℃の間の温度に達するまで電気ヒーターに供給される。要求される温度に達するまでの発熱体または要素の加熱を制御するために、適切な任意の温度センサーおよび制御回路を使用しうる。このことは、たばこおよび紙巻たばこラッパーの燃焼が800℃に達しうる従来的な紙巻たばことは対照的である。
【0044】
電気ヒーターと少なくとも1つのエアロゾル形成基体の間の最小距離は、50マイクロメートルであることが好ましく、カートリッジは、電気ヒーターとエアロゾル形成基体の間の空間に毛細管繊維の1つ以上の層を含むことが好ましい。
【0045】
電気ヒーターは、少なくとも1つのエアロゾル形成基体の上に1つ以上の発熱体を備えうる。好ましい実施形態で、電気ヒーターは、基層と少なくとも1つのエアロゾル形成基体の間に位置する1つ以上の発熱体を備えうる。この配置で、エアロゾル形成基体の加熱およびエアロゾル放出は、エアロゾル形成基体の反対側で発生する。たばこ含有材料を含むエアロゾル形成基体にとって特に有効であることが分かっている。ある一定の実施形態において、ヒーターは、エアロゾル形成基体の反対側に隣接して位置する1つ以上の発熱体を含む。電気ヒーターは、エアロゾル形成基体の異なる部分を加熱するように配置された複数の発熱体を含むことが好ましい。一定の好ましい実施形態で、少なくとも1つのエアロゾル形成基体は、基層上に別々に配置された複数のエアロゾル形成基体を含み、電気ヒーターは、複数のエアロゾル形成基体のうちの異なる1つを加熱するようにそれぞれ配置された複数の発熱体を含む。
【0046】
使用時、カートリッジは別個のマウスピース部分に接続されうるが、それによってユーザーがマウスピース部分の下流端を吸うことで、カートリッジを通してまたはそれに隣接して空気流を引き出すことができる。例えば、マウスピース部分は、それと共にカートリッジが組み合わされてエアロゾル発生システムを形成する、エアロゾル発生装置の一部として提供されうる。こうした実施形態において、カートリッジは、取り外し可能なマウスピース部分用のフランジを備えうる。一定の好ましい実施形態で、カートリッジはさらに一体型のマウスピース部分を含む。こうした実施形態において、カートリッジは、マウスピース部分の下流端での引き出し抵抗が約50mmWG〜約130mmWG、好ましくは約80mmWG〜約120mmWG、より好ましくは約90mmWG〜約110mmWG、最も好ましくは約95mmWG〜約105mmWGであるように配置されることが好ましい。本明細書で使用される場合、「引き出し抵抗」という用語は、試験下の物体の全長にわたり空気を17.5ml/秒、22℃および101kPa(760 Torr)のレートで強制的に通すために必要な圧力を意味し、一般にミリメートル水位計(mmWG)の単位で表現され、またISO 6565:2011に従い測定される。
【0047】
上述の実施形態のいずれかにおいて、エアロゾル形成カートリッジは、エアロゾル形成カートリッジが装置に接続された時にデータをエアロゾル発生装置と通信するように構成されたデータ保存装置を備えうる。エアロゾル形成カートリッジに保存されたデータは、少なくとも1つのタイプのエアロゾル形成カートリッジ、製造者、製造日付および時刻、製造バッチ番号、加熱プロフィール、およびエアロゾル形成カートリッジが過去に使用されたかどうかの表示を含みうる。
【0048】
データ保存装置に加えて、またはデータ保存装置に代わるものとして、エアロゾル形成カートリッジは、エアロゾル形成カートリッジが装置に接続された時にエアロゾル発生装置と電気的に接続するように構成された電気負荷を備えうる。電気負荷は、抵抗負荷、容量負荷および誘導負荷のうち少なくとも1つを含みうる。エアロゾル発生装置は、少なくとも部分的に測定された電気負荷に基づき、カートリッジへの電流の供給を制御するように構成されうる。こうして、電気負荷をカートリッジのタイプを識別するために使用できる。
【0049】
特に好ましい実施形態において、少なくとも1つの電気負荷は抵抗性電気ヒーターを含む。ヒーターそれ自体を抵抗負荷として利用することで、異なるカートリッジ間の区別の目的のために特に提供されうる別個の専用の電気負荷の必要性がなくなりうる。
【0050】
カートリッジは、それによってカートリッジが結合されうるカートリッジとエアロゾル発生装置の間の電気的接続を提供するための電気接点を備えうる。
【0051】
電気接点は、カートリッジの外側からアクセス可能としうる。電気接点は、カートリッジの1つ以上の端に沿って位置付けられうる。ある一定の実施形態において、電気接点はカートリッジの横方向の端に沿って位置付けられうる。例えば、電気接点はカートリッジの上流端に沿って位置付けられてもよい。別の方法として、または追加的に、電気接点はカートリッジの単一の長軸方向の端に沿って位置付けられてもよい。
【0052】
電気接点は、電力をカートリッジに供給するための電力接点のほか、カートリッジへの/カートリッジからの一方向での、またはカートリッジへの/カートリッジからの両方向でのデータ転送のためのデータ接点を備えうる。
【0053】
電気接点は、適切な任意の形態を持ちうる。電気接点は、実質的に平面としうる。有利なことに、実質的に平面の電気接点は、電気的接続の確立においてより信頼性が高く、製造がより簡単なことが分かっている。電気接点は、USB−A、USB−B、USB−mini、USB−micro、SD、miniSD、またはmicroSDタイプの接続を含むがそれに限定されない標準化された電気接続の部品を含むことが好ましい。電気接点は、USB−A、USB−B、USB−mini、USB−micro、SD、miniSD、またはmicroSDタイプの接続を含むがそれに限定されない標準化された電気的接続のオスの部品を含むことが好ましい。本明細書で使用される場合、「標準化された電気的接続」という用語は、業界標準によって指定される電気的接続を意味する。
【0054】
電気接点は、電気回路と一体型で形成されうる。一定の好ましい実施形態で、カートリッジは、電気接点が接続される電気ヒーターを含む。こうした実施形態において、電気ヒーターは、その上にまたはその中に電気接点および1つ以上の発熱体が配置される電気的に絶縁された基体箔を含みうる。
【0055】
ある一定の実施形態において、カートリッジは、基層に固定され、かつ少なくとも1つのエアロゾル形成基体の少なくとも一部分上にあるカバー層を含みうる。有利なことに、カバー層は、少なくとも1つのエアロゾル形成基体を基層上の所定位置に保持しうる。カバー層は、基層と一体型で成形されることで基層に固定されてもよい。別の方法として、カバー層は、基層に直接的に固定されるか、または1つ以上の中間層または構成要素を介して間接的に固定される別個の構成要素でもよい。エアロゾル形成基体によって放出されるエアロゾルは、カバー層、基層、または両方にある1つ以上の開口部を通過しうる。カバー層は、エアロゾル形成基体によって放出されるエアロゾルがカバー層を通過できるようにする少なくとも1つのガス浸透性の窓を持ちうる。ガス浸透性の窓は、実質的に開いてもよい。別の方法として、ガス浸透性の窓は、穿孔された薄膜、またはカバー層にある開口部を横切って延びる格子を備えてもよい。格子は、横断する格子、長軸方向の格子、またはメッシュの格子など、適切な任意の形態のものとしうる。カバー層は、基層とのシールを形成しうる。カバー層は、基層との気密シールを形成しうる。カバー層は、少なくともカバー層が基層に固定される場合に高分子の被覆を含み、高分子の被覆はカバー層と基層の間でシールを形成する。
【0056】
エアロゾル形成カートリッジは、少なくとも1つのエアロゾル形成基体の少なくとも一部分上に位置付けられた保護箔を備えうる。保護箔はガス不浸透性としうる。保護箔は、カートリッジ内でエアロゾル形成基体を密封シールするように配置されうる。本明細書で使用される場合、「密封シール」という用語は、エアロゾル形成基体内での揮発性化合物の重さが、2週間にわたり、好ましくは2か月間にわたり、より好ましくは2年間にわたり、2パーセント未満だけ変化することを意味する。エアロゾル形成基体が保持される少なくとも1つのくぼみを基層に含む場合、保護箔は1つ以上のくぼみを閉じるように配置されうる。保護箔は、少なくとも1つのエアロゾル形成基体を露出するために、少なくとも部分的に取り外し可能としうる。保護箔は取り外し可能であることが好ましい。複数のエアロゾル形成基体が保持される複数のくぼみを基層に含む場合、1つ以上のエアロゾル形成基体のシールを選択的に外すように、保護箔は段階的に取り外し可能としうる。例えば保護箔は、そのそれぞれが、保護箔の残りの部分から取り外した時に1つ以上のくぼみを露出させるように配置されている、1つ以上の取り外し可能な部分を備えてもよい。別の方法として、または追加的に、保護箔は、要求される取り外しの力がユーザーに対する表示として取り外しの各段階間で変化するように、取り付けられてもよい。例えば、要求される取り外しの力は、保護箔の取り外しを続行するには、ユーザーが故意に保護箔を強めに引かなければならないように、隣接した段階間で増大してもよい。これは適切な任意の手段によって達成されうる。例えば、要求される取り外しの力は、接着剤層のタイプ、数量、または形状を変えることで、またはそれによって保護箔が取り付けられる溶接線の形状または量を変えることで、変化させてもよい。
【0057】
保護箔は、直接的に、または1つ以上の中間構成要素を介して間接的に、取り外し可能なように基層に取り付けられうる。カートリッジが上述の通りカバー層を含む場合、保護箔はカバー層に取り外し可能なように取り付けられうる。カバー層が1つ以上のガス浸透性の窓を持つ場合、保護箔は1つ以上のガス浸透性の窓を横切って伸びて窓を閉じてもよい。保護箔は、適切な任意の方法、例えば接着剤の使用によって、取り外し可能なように取り付けられうる。保護箔は、超音波溶接によって取り外し可能なように取り付けられうる。保護箔は、超音波溶接によって溶接線に沿って取り外し可能なように取り付けられうる。溶接線は連続としうる。溶接線は、横並びに配置された2つ以上の連続溶接線を含みうる。この配置では、少なくとも1つの連続溶接線が損なわれずに残る場合にシールが維持されうる。
【0058】
保護箔は、柔軟なフィルムとしうる。保護箔は、適切な任意の材料(単一または複数)を含みうる。例えば、保護箔は高分子箔を備えうる。高分子箔は、1つ以上のポリイミド(PI)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)(ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、またはポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)など)、またはフッ化重合体(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、PVDFELS、またはフッ化エチレンプロピレン(FEP)など)などであるがこれに限定されない適切な任意の材料を備えうる。例えば、保護箔は複数層の高分子箔を備えうる。
【0059】
エアロゾル形成カートリッジは、カートリッジの使用時にエアロゾル形成基体と流体連通する気流チャネルによって接続された、空気吸込み口および空気出口を備えうる。気流チャネルは、その上に1つ以上の乱流発生装置が配置された内部壁表面を持ちうるが、乱流発生装置は、気流チャネルを通って引き込まれる気流中に乱流境界層を生成するように配置されている。一部の実施形態で、乱流発生装置は、内部壁表面上に1つ以上のくぼみまたはうねりを備える。
【0060】
本発明の第二の態様によれば、エアロゾル発生装置と、上述の実施形態のいずれかで説明したエアロゾル形成カートリッジと、少なくとも1つのエアロゾル形成基体を気化するための電気気化器とを備える、電気的に動作するエアロゾル形成システムが提供されており、装置は、エアロゾル形成カートリッジを取り外し可能なように受けるスロット型の容器を画定する本体と、電力を気化器に供給するための電源とを備える。
【0061】
本発明の第三の態様によれば、電気的に動作するエアロゾル発生システムで使用するためのエアロゾル形成カートリッジを製造する方法が提供されているが、方法は、組立ライン上に基層を提供する工程と、基層および少なくとも1つのエアロゾル形成基体が実質的に平面である接触面で接触するように、少なくとも1つのエアロゾル形成基体を基層上に配置する工程とを含み、エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性たばこ風味化合物を有するたばこ含有材料を含む。
【0062】
基層は単一の構成要素から形成されうる。別の方法として、基層を組み合わせて基層を形成する複数の層または構成要素を備えうる。基層は、実質的に平面の上部表面を持つことができ、また少なくとも1つのエアロゾル形成基体を基層上に配置する工程は、エアロゾル形成基体を実質的に平面の上部表面に配置することにより実行されうる。
【0063】
一定の好ましい実施形態で、方法は、基層内に少なくとも1つのくぼみを形成する工程をさらに含むが、ここで少なくとも1つのエアロゾル形成基体を基層上に配置する工程は、少なくとも1つのエアロゾル形成基体を少なくとも1つのくぼみ内に配置することで実行される。くぼみは、基層内で予め成形されてもよい。ある一定の実施形態において、基層は1つ以上の成形された構成要素を含み、くぼみは、その中で1つ以上の成形された構成要素が作製される鋳型により成形される。こうした実施形態において、基層は射出成形されうる。別の方法として、くぼみは、熱成形または冷間成形によって既存の基層構成要素内に形成されうる。くぼみは、機械的作用を使用して、またはかけられた圧力下、真空下で、またはその任意の組み合わせで、既存の基層構成要素内に形成されうる。ある一定の実施形態において、基層を提供する工程は、基層箔のウェブを組立ラインに供給することを含み、基層内に少なくとも1つのくぼみを形成する工程は、基層箔のウェブ中のふくれを熱成形または冷間成形することで実行される。
【0064】
方法は、カートリッジの使用時に少なくとも1つのエアロゾル形成基体を気化するための気化器を提供する工程をさらに含みうる。例えば、気化器は基層に取り付けられる電気ヒーターを備えうる。ある一定の実施形態において、方法は、電気ヒーターおよび基層が実質的に平面である接触面で接触し、基層と少なくとも1つのエアロゾル形成基体の間の接触面と実質的に平行であるように、電気ヒーターを基層に取り付ける工程を含む。電気ヒーターは、基層に直接的に、または1つ以上の中間構成要素を介して間接的に取り付けられうる。電気ヒーターは、積層、溶接、接着により、またはカートリッジの別の構成要素により所定位置に固定されるなどの機械的な固定により、適切な任意の方法により取り付けられうる。
【0065】
電気ヒーターは、予め成形され、カートリッジ内に個別の構成要素として配置されうる。ある一定の実施形態において、電気ヒーターを取り付ける工程は、電気ヒーター箔のウェブをボビンから組立ラインに供給して、電気ヒーター箔のウェブを横方向に切断して個別の電気ヒーターを形成することにより実行される。本明細書で使用される場合、「横方向に」という用語は、組立ライン上での構成要素の流れ方向に対して実質的に直角をなす方向を意味する。電気ヒーター箔は、ヒーターが例えば1つ以上の発熱体を箔に切断することにより形成されうる、1つ以上の導電性の層(アルミ箔など)を備えうる。ある一定の実施形態において、電気ヒーター箔のウェブは、それに対して複数の発熱体が取り付けられる電気的に絶縁された基体箔のウェブを含む。電気的に絶縁された基体箔は、1つ以上の電気的に絶縁された高分子箔の層を備えうる。高分子箔は、1つ以上のポリイミド(PI)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)(ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、またはポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)など)、またはフッ化重合体(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、PVDFELS、またはフッ化エチレンプロピレン(FEP)など)などであるがこれに限定されない適切な任意の材料を備えうる。1つの特定の実施形態で、電気ヒーター箔は、高分子箔の2つの層の間に挟まれたステンレス鋼発熱体を含む。
【0066】
基層は適切な任意の方法により形成されうる。ある一定の実施形態において、それぞれの基層は、1つ以上のポリアリールエーテルケトン(PAEK)(ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、またはポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)など)、ポリフェニレンスルファイド(ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、またはポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFEまたはPTFCE)など)、ポリアリルスルホン(ポリスルホン(PSU)、ポリフェニルスルホン(PPSFまたはPPSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、またはポリエチレンイミン(PEI)など)、またはフッ化重合体(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、PVDFELS、またはフッ化エチレンプロピレン(FEP)など)などであるが、これに限定されない射出成形された高分子材料から成形される。
【0067】
別の方法として、基層を提供する工程は、基層箔のウェブをボビンから組立ラインに供給して、基層箔のウェブを横方向に切断して個別の基層を形成する工程を含む。別の方法として、または追加的に、基層を提供する工程は、基体箔のウェブおよび中間箔のウェブを提供する工程と、基体箔および中間箔のウェブをまとめて取り付けて基層箔のウェブを形成する工程と、基層箔のウェブを横方向に切断して個別の基層を形成する工程とを含みうる。基体箔のウェブは、電気ヒーター箔のウェブの一部を含みうる。こうした実施形態において、方法は、電気ヒーターを基層に取り付ける工程を含みうるが、ここで基体箔のウェブは、それに対して複数の発熱体が取り付けられる電気的に絶縁された基体箔のウェブにより形成される。基層箔のウェブは、適切な任意の材料(単一または複数)を含みうる。例えば、基層箔のウェブは1つ以上の高分子箔層を含みうる。高分子箔は、1つ以上のポリイミド(PI)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)(ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、またはポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)など)、またはフッ化重合体(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、PVDFELS、またはフッ化エチレンプロピレン(FEP)など)などであるがこれに限定されない適切な任意の材料を備えうる。
【0068】
方法は、少なくとも1つのエアロゾル形成基体の上にカバー層を提供して、カバー層を基層に取り付ける工程をさらに含みうる。有利なことに、カバー層は、少なくとも1つのエアロゾル形成基体を基層上の所定位置に保持するように配置される。ある一定の実施形態において、カバー層は射出成形された高分子から形成される。こうした実施形態において、カバー層は適切な任意の材料または複数の材料を含みうる。例えば、射出成形されたカバー層は、1つ以上のポリアリールエーテルケトン(PAEK)(ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、またはポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)など)、ポリフェニレンスルファイド(ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、またはポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFEまたはPTFCE)など)、ポリアリルスルホン(ポリスルホン(PSU)、ポリフェニルスルホン(PPSFまたはPPSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、またはポリエチレンイミン(PEI)など)、またはフッ化重合体(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、PVDFELS、またはフッ化エチレンプロピレン(FEP)など)などであるが、これに限定されない射出成形された高分子材料から形成されうる。
【0069】
別の方法として、カバー層を提供する工程は、ボビンからカバー層箔のウェブの巻き付けを解き、カバー層箔を基層箔に取り付ける工程を含みうる。カバー層箔は、適切な任意の方法により、例えば溶接によって基層箔に取り付けうる。カバー層箔のウェブは、適切な任意の材料(単一または複数)を含みうる。例えば、カバー層箔のウェブは、1つ以上の高分子箔層を含みうる。高分子箔は、1つ以上のポリイミド(PI)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)(ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、またはポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)など)、またはフッ化重合体(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、PVDFELS、またはフッ化エチレンプロピレン(FEP)など)などであるがこれに限定されない適切な任意の材料を備えうる。
【0070】
方法は、エアロゾル形成基体からの揮発性化合物の放出を制限するために少なくとも1つのエアロゾル形成基体の上に保護箔を提供する工程をさらに含みうる。保護箔は、カートリッジ内でエアロゾル形成基体を密封シールするように配置されうる。保護箔を提供する工程は、ボビンから保護箔のウェブの巻き付けを解き、保護箔を基層箔に直接的に、または1つ以上の中間層を介して間接的に取り付ける工程を含みうる。保護箔は、適切な任意の方法により、例えば溶接によって、基層箔に取り付けうる。保護箔は、適切な任意の材料(単一または複数)を含みうる。例えば、保護箔は1つ以上の高分子箔の層を備えうる。高分子箔は、1つ以上のポリイミド(PI)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)(ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、またはポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)など)、またはフッ化重合体(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、PVDFELS、またはフッ化エチレンプロピレン(FEP)など)などであるがこれに限定されない適切な任意の材料を備えうる。
【0071】
方法は、基層に取り付けられエアロゾル形成基体の上にあるトップカバーを提供する工程をさらに含みうる。トップカバーは、気流チャネルによって接続された空気吸込み口および空気出口を備えうる。トップカバーは、単一の構成要素から形成されうる。別の方法として、トップカバーは、組み合わされてトップカバーを形成する複数の層または構成要素を備えうる。トップカバーは、実質的に平面の上部表面を持ちうる。一定の好ましい実施形態で、方法は、トップカバー内に少なくとも1つのくぼみを形成して、少なくとも部分的に気流チャネルを画定する工程をさらに含む。くぼみは、トップカバー内で予め成形されてもよい。ある一定の実施形態において、トップカバーは1つ以上の成形された構成要素を含み、くぼみは、その中で1つ以上の成形された構成要素が作製される鋳型により成形される。こうした実施形態において、トップカバーは射出成形されうる。別の方法として、くぼみは、熱成形または冷間成形によって既存のトップカバー構成要素内に形成されうる。くぼみは、機械的作用を使用して、またはかけられた圧力下、真空下で、またはその任意の組み合わせで、既存のトップカバー構成要素内に形成されうる。ある一定の実施形態において、トップカバーを提供する工程は、トップカバー箔のウェブを組立ラインに供給することを含み、トップカバー内に少なくとも1つのくぼみを形成する工程は、トップカバー箔のウェブ中のふくれを熱成形または冷間成形することで実行される。
【0072】
カートリッジの1つ以上の構成要素が1つ以上の箔のウェブから形成される場合、1つ以上の箔のウェブは単一の幅としうる。言い換えれば、それぞれのウェブは、ウェブが形成に使用されているカートリッジのそれぞれの構成要素として実質的に同一の幅を持ちうる。一定の好ましい実施形態で、1つ以上の箔のウェブは、ウェブが形成に使用されているそれぞれの構成要素の幅よりも約2倍〜約50倍の幅を持ちうる。有利なことに、これにより、複数のエアロゾル形成カートリッジを並列にすることができる。
【0073】
カートリッジの1つ以上の構成要素が2つ以上の箔のウェブから形成されている場合、2つの箔のウェブは、適切な任意の方法により、例えば、接着剤を使用して、溶接により、融合により、またはその任意の組み合わせによってまとめて取り付けうる。1つの特定の実施形態で、カートリッジの2つ以上の層はまとめて積層化される。こうした例において、2つの層はまとめて圧迫され、例えば熱、超音波、またはその両方を使用して、一方または両方が部分的に融解され層がまとめて融合される。
【0074】
方法は、コンベヤー上でカートリッジ構成要素を運搬する工程を含みうる。コンベヤーは、コンベヤーベルトなどの連続コンベヤーとしうる。コンベヤーは、コンベヤー上の構成要素の正確な配置を確保するために、製造時にカートリッジの1つ以上の構成要素を受けるための複数のくぼみを持ちうる。くぼみは、2つ以上の平行な列に配置されうる。くぼみは、格子に配置されうる。有利なことに、これにより、複数のエアロゾル形成カートリッジを並列にすることができる。別の方法として、コンベヤーは、そこからカートリッジが作製され駆動ホイールまたはその他の駆動手段により組立ラインに沿って引かれる、1つ以上の箔のウェブを含みうる。例えば、コンベヤーは、基層箔のウェブを備えうる。
【0075】
本発明の第四の態様によれば、上述の実施形態のいずれかによってエアロゾル形成カートリッジを製造する方法が提供されている。
【0076】
開示について異なる態様を参照することによって説明してきたが、開示の1つの態様に関連して説明した特徴が、開示のその他の態様に適用されうることは明らかである。
【0077】
ここで、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明するが、これは例証としてのみである。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【
図1A】電気的に動作するエアロゾル発生装置に挿入される、本発明によるエアロゾル形成カートリッジを含む、エアロゾル発生システムの概略図を示す。
【
図1B】電気的に動作するエアロゾル発生装置に挿入される、本発明によるエアロゾル形成カートリッジを含む、エアロゾル発生システムの概略図を示す。
【
図1C】電気的に動作するエアロゾル発生装置に挿入される、本発明によるエアロゾル形成カートリッジを含む、エアロゾル発生システムの概略図を示す。
【
図2A】本発明によるエアロゾル形成カートリッジの第一の実施形態を示し、
図2Aはカートリッジの斜視図である。
【
図2B】本発明によるエアロゾル形成カートリッジの第一の実施形態を示し、
図2Bはカートリッジの分解図である。
【
図3A】本発明によるエアロゾル形成カートリッジの第二の実施形態を示し、
図3Aはカートリッジの斜視図である。
【
図3B】本発明によるエアロゾル形成カートリッジの第二の実施形態を示し、
図3Bはカートリッジの分解図である。
【
図4A】本発明によるエアロゾル形成カートリッジの第三の実施形態を示し、
図4Aはカートリッジの斜視図である。
【
図4B】本発明によるエアロゾル形成カートリッジの第三の実施形態を示し、
図4Bはカートリッジの分解図である。
【
図5】
図5は、
図2Aおよび2Bのエアロゾル形成カートリッジを作製するための製造工程の概略図を示す。
【
図6】
図6は、
図3Aおよび3Bのエアロゾル形成カートリッジを作製するための製造工程の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0079】
図1Aおよび1Bは、エアロゾル発生装置10および別個の取り外し可能なエアロゾル形成カートリッジ20を示し、これがまとめてエアロゾル発生システムを形成する。装置10は携帯型で、従来的な葉巻たばこまたは紙巻たばこに匹敵するサイズを持つ。装置10は、本体11および取り外し可能なマウスピース部分12を含む。本体12は、電池13(リン酸鉄リチウム電池など)、電気回路14およびスロット型のくぼみ15を含む。マウスピース部分12は、カートリッジの上から嵌合し、開放可能な接続手段(図示せず)により本体11に接続される。マウスピース部分12は取り外しができ(
図1に示す通り)、カートリッジの挿入および取り外しが許容され、説明するとおり、システムがエアロゾルを発生するために使用される時、本体11に接続される。マウスピース部分12は、空気吸込み口16および空気出口17を含み、それぞれが1つ以上のオリフィスを備えうる。使用時に、ユーザーは空気出口17を吸うかまたは吸煙して、空気吸込み口16から、マウスピース部分12を通して空気出口17へと空気を引き出す。マウスピース部分12を通して引き出された空気流は、カートリッジ20を通して(
図2で矢印「A」で示す)、またはカートリッジ20内の1つ以上の気流チャネルを通しても(
図2で矢印「B」で示す)引き出されうる。くぼみ15は、長方形の断面を持ち、装置10およびカートリッジ20を取り外しできるように接続するように、カートリッジ20の少なくとも一部を受けるサイズである。本明細書で使用される場合、「取り外しできるように接続する」という用語は、装置およびカートリッジが、そのどちらにも有意な損傷を負うことなく、互いに結合および分離できることを意味する。
【0080】
図1Cは、くぼみ15内での装置10とカートリッジ20の間の接続の概略図を示し、カートリッジ20が部分的に挿入されて示され、また矢印は挿入の方向を示す。電気接点18は、くぼみ15の側面部分および底部分に沿って提供され、電気回路14とカートリッジ20に対応する電気接点を有する電池13の間の電気的接続を提供する。ガイドレール19はくぼみ15内に提供され、くぼみ15内でのカートリッジ20の正確な位置決めを支援する。
【0081】
図2Aおよび2Bは、エアロゾル形成カートリッジ220の第一の実施形態を示す。カートリッジ220は実質的に平面であり、長方形の断面を持つが、その他任意の適切な平坦な形状を持つこともできる。カートリッジは、基層222と、基層222上に配置されたエアロゾル形成基体224と、エアロゾル形成基体224と基層222の間に位置付けられたヒーター226と、基層222に固定され、エアロゾル形成基体224上にあるカバー層228と、カバー層228の上にある保護箔230と、カバー層228に固定され、カバー層228および保護箔230の上にあるトップカバー232とを備える。基層222、エアロゾル形成基体224、ヒーター226、カバー層228、保護箔230およびトップカバー232はすべて、実質的に平面であり、かつ互いに実質的に平行である。カートリッジ220のこれらのそれぞれの構成要素間の接触面は、実質的に平面であり、かつ互いに実質的に平行である。
【0082】
基層222は、その上部表面上に画定されたくぼみ234を持ち、その中にヒーター226およびエアロゾル形成基体224が保持される。エアロゾル形成基体224は、ヒーター226による加熱に伴いエアロゾル形成基体224から放出可能な揮発性風味化合物を有するたばこ含有材料を含む。この例で、エアロゾル形成基体224は、実質的に平面の長方形ブロックのたばこキャストリーフである。
【0083】
ヒーター226は、電気接点238に接続された発熱体236を含む。この例で、発熱体236および電気接点238は一体型であり、ヒーター226はステンレス鋼のシートのスタンピングにより成形される。基層222は、その遠位端に2つの接触開口部240を持ち、その中に電気接点238が延びる。電気接点238は、カートリッジの外側から接触開口部240を通してアクセスが可能である。
【0084】
カバー層228は、エアロゾル形成基体224を基層222上の所定位置に保つのに役立つ。カバー層228は、カバー層228にある開口部246を横切って延びるメッシュ格子244によって形成される浸透性の窓242を持つ。使用時、エアロゾル形成基体224によって放出されるエアロゾルは、浸透性の窓242を通過する。カバー層228は、基層222にあるくぼみ234の上に適合するサイズである。この例で、カバー層228はくぼみ234を超えて側面に延び、またカバー層228および基層222の端が一般的に整列するように、実質的に基層222と同一の幅および長さを持つ。
【0085】
保護箔230は、カバー層228の上部に取り外し可能なように取り付けられ、浸透性の窓242の上にあり、カートリッジ220内でエアロゾル形成基体224をシールする。保護箔230は、カバー層228に溶接されるが、簡単に剥がすことができる、実質的に不浸透性のシートを含む。シートは、横並びに配置された2つの連続溶接線で形成された連続的なシール線に沿ってカバー層228に溶接される。保護箔230は、カートリッジ220を使用する前に、エアロゾル形成基体224から揮発性化合物が著しく損失するのを防止する役目を果たす。この例で、保護箔230は、柔軟性のある複数層の高分子シートから形成される。タブ248は、保護箔230の自由端に提供され、ユーザーが保護箔230を掴んで浸透性の窓242の上から剥がすことができるようになる。
【0086】
タブ248は、保護箔230の延長によって形成され、トップカバー232の端を越えて延びる。取り外しを促進するために、保護箔230は、保護箔230が連続的なシール線によってカバー層228に取り付けられた第一の部分230Aと、折り目249からタブ248に長軸方向に延びる第二の部分230Bとに分離されるように、横断する折り目249で、それ自体に重ねて折り畳まれる。セクション部分230Bは、第一および第二の部分230A、230Bが実質的に同一平面上にあるように、第一の部分230Aに対して平坦に配置される。この配置で、タブ248を長軸方向に引き、第一の部分230Aを折り目249でカバー層228から離すように剥がすことにより、保護箔230は取り外しができる。
【0087】
溶接が取り外し可能な保護箔230をカバー層228に固定する方法として説明されているが、当業者にとっては、保護箔230が消費者によって簡単に取り外せることを条件に、ヒートシールまたは接着剤を含むがこれに限定されない、当業者によく知られているその他の方法も使用しうることが明白であろう。
【0088】
トップカバー232は中空であり、その遠位端に向けた空気吸込み口250を含み、その近位端に空気出口(図示せず)を含む。空気吸込み口250および空気出口は、トップカバー232および下のカバー層228の内部壁表面(図示せず)間に画定される気流チャネル(図示せず)によって接続される。
【0089】
使用中、保護箔230は、タブ248を長軸方向にカートリッジ220から離して引くことにより取り外される。保護箔230が取り外されると、エアロゾル形成基体224は、カバー層228にある浸透性の窓242を介して気流チャネルと流体連通する。次に、電気接点238が装置のくぼみ内にある対応する電気接点と接続するように、カートリッジ220が
図1Aおよび1Bに示す通りエアロゾル発生装置に挿入される。次に、装置によってカートリッジのヒーター226に電力が供給され、エアロゾル形成基体からエアロゾルが放出される。ユーザーが装置のマウスピース部分を吸うかまたは吸煙すると、空気が、マウスピースにある空気入口から、トップカバーの空気吸込み口250に引き込まれ、トップカバーの気流チャネルを通り、ここでエアロゾルと混合される。空気およびエアロゾルの混合物は次に、カートリッジ220の空気出口を通り、マウスピース部分の出口へと引き込まれる。
【0090】
エアロゾル形成基体224がユーザーによって消費されると、カートリッジは装置のくぼみから取り外されて交換される。
【0091】
図3Aおよび3Bは、エアロゾル形成カートリッジ320の第二の実施形態を示す。この例で、カートリッジ320は実質的に平面であり、長方形の断面を持つが、その他の任意の適切な平坦な形状としうる。カートリッジは、中間層323から形成される基層322と、中間層323の下に配置され固定されるヒーター326とを備える。カートリッジはまた、基層322上に配置された複数のエアロゾル形成基体324と、基層322に固定されエアロゾル形成基体324の上にあるカバー層328と、カバー層328の上にある保護箔330と、カバー層328に固定され、カバー層328および保護箔330の上にあるトップカバー332とを含む。中間層323、エアロゾル形成基体324、ヒーター326、カバー層328、保護箔330およびトップカバー332はすべて、実質的に平面であり、かつ互いに実質的に平行である。これらの構成要素320のうち任意の2つの間の接触面は、実質的に平面であり、かつ実質的に平行である。
【0092】
中間層323は、その厚みを通して延びる複数のくぼみ334を持ち、その底はヒーター326により閉じている。エアロゾル形成基体324は、複数のくぼみ内に保持される。この例で、くぼみ334は実質的に長方形であり、それらの長辺がカートリッジ320の長軸方向軸と実質的に直角をなす。エアロゾル形成基体324はそれぞれ、ヒーター326による加熱に伴い放出可能な揮発性風味化合物を有するたばこ含有材料を含む。この例で、それぞれのエアロゾル形成基体は、実質的に平面の長方形ブロックのたばこキャストリーフである。
【0093】
ヒーター326は、電気接点338に接続された複数の発熱体336を含む。この例で、ヒーター326は、電気接点338および実質的に長方形の発熱体336を、それぞれの発熱体336がエアロゾル形成基体324の下にくるように電気的に絶縁された基体箔337上に配置することにより形成される。電気的に絶縁された基体箔337は、それぞれのくぼみ334の幅および長さを横切って延びてくぼみ334の底を閉じるようなサイズである。電気接点338は、電気的に絶縁された基体箔337の側端に沿って延び、またヒーター326はカートリッジ320の下部層であるため、カートリッジの外側から、また下からアクセス可能である。この例で、電気接点338は複数の発熱体336のそれぞれについて提供される。こうして、それぞれの発熱体336は別個に電源供給でき、それぞれのエアロゾル形成基体324が別個に加熱されるようになる。これにより、それぞれの所定のエアロゾル送達動作について、例えば「新鮮な」、すなわち前に加熱されていない、エアロゾル形成基体324を加熱するエアロゾル形成基体の連続的な加熱が可能となる。その他の実施形態で、ヒーターは外部式でもよい。すなわち、ヒーターは、カートリッジ内ではなく、エアロゾル発生装置内に挿入された時にカートリッジに隣接して提供される。こうした例では、熱伝導性の基体箔(アルミ箔など)をヒーターの代わりに使用してもよい。
【0094】
カバー層328は、エアロゾル形成基体324を基層322のくぼみ334内の所定位置に保つのに役立つ。カバー層328は、カバー層328にある開口部346を横切って延びる格子344によって形成される浸透性の窓342を持つ。使用時、エアロゾル形成基体324によって放出されるエアロゾルは、浸透性の窓342を通過する。カバー層328は、基層322にあるくぼみ334の上に適合するサイズである。この例で、カバー層328はくぼみ334を超えて側面に延び、またカバー層328および基層322の端が一般的に整列するように、実質的に基層322と同一の幅および長さを持つ。
【0095】
保護箔330は、カバー層328の上部に取り外し可能なように取り付けられ、浸透性の窓342の上にあり、くぼみ334内でエアロゾル形成基体324をシールする。保護箔330は、カバー層328に溶接されるが、簡単に剥がすことができる、実質的に不浸透性のシートを含む。シートは、横並びに配置された2つの連続溶接線で形成された連続的なシール線に沿ってカバー層328に溶接される。保護箔330は、カートリッジ320を使用する前に、エアロゾル形成基体324から揮発性化合物が著しく損失するのを防止する役目を果たす。この例で、保護箔330は、柔軟性のある複数層の高分子シートから形成される。タブ348は、保護箔330の自由端に提供され、ユーザーが保護箔330を掴んで浸透性の窓342の上から剥がすことができるようになる。タブ348は、保護箔330の延長によって形成され、トップカバー332の端を越えて延びる。取り外しを促進するために、保護箔330は、保護箔330が連続的なシール線によってカバー層328に取り付けられた第一の部分330Aと、折り目349からタブ348に長軸方向に延びる第二の部分330Bとに分離されるように、横断する折り目349で、それ自体に重ねて折り畳まれる。セクション部分330Bは、第一および第二の部分330A、330Bが実質的に同一平面上にあるように、第一の部分330Aに対して平坦に配置される。この配置で、タブ348を長軸方向に引き、第一の部分330Aを折り目349でカバー層328から離すように剥がすことにより、保護箔330は取り外しができる。溶接が取り外し可能な保護箔330をカバー層328に固定する方法として説明されているが、当業者にとっては、保護箔330が消費者によって簡単に取り外せることを条件に、ヒートシールまたは接着剤を含むがこれに限定されない、当業者によく知られているその他の方法も使用しうることが明白であろう。
【0096】
トップカバー332は中空であり、その遠位端にむけて複数の空気吸込み口350を含み、その近位端に空気出口(図示せず)を含む。空気吸込み口350および空気出口は、トップカバー332および下のカバー層328の内部壁表面(図示せず)間に画定される気流チャネル(図示せず)によって接続される。
【0097】
使用中、保護箔330は、タブ348を長軸方向にカートリッジ320から離して引くことにより取り外される。保護箔330が取り外されると、エアロゾル形成基体324は、カバー層328にある浸透性の窓342を介して気流チャネルと流体連通する。次に、電気接点338が装置のくぼみ内にある対応する電気接点と接続するように、カートリッジ320が
図1Aおよび1Bに示す通りエアロゾル発生装置に挿入される。次に、装置によってカートリッジのヒーター326に電力が供給され、1つ以上のエアロゾル形成基体からエアロゾルが放出される。ユーザーが装置のマウスピース部分を吸うかまたは吸煙すると、空気が、マウスピースにある空気入口から、トップカバーの空気吸込み口350に引き込まれ、トップカバーの気流チャネルを通り、ここでエアロゾルと混合される。空気およびエアロゾルの混合物は次に、カートリッジ320の空気出口を通り、マウスピース部分の出口へと引き込まれる。
【0098】
エアロゾル形成基体324がユーザーによって消費されると、カートリッジは装置のくぼみから取り外されて交換される。
【0099】
図4Aおよび4Bは、エアロゾル形成カートリッジ420の第三の実施形態を示す。この例で、カートリッジ420は、実質的に平面であり、長方形の断面を持つが、その他の任意の適切な平坦な形状としうる。カートリッジは、中間層423から形成される基層422と、中間層423の下に配置され固定される第一のヒーター426とを備える。カートリッジはまた、基層422内に配置されているエアロゾル形成基体424と、エアロゾル形成基体424の上に位置付けられ、基層422の上部に固定されている第二のヒーター427とを備える。中間層422、エアロゾル形成基体424および第一および第二のヒーター426、427はすべて、実質的に平面であり、かつ互いに実質的に平行である。これらの構成要素420のうち任意の2つの間の接触面は、実質的に平面であり、かつ互いに実質的に平行である。
【0100】
中間層423は、その厚みを通して延びるくぼみ434を持ち、その底は第一のヒーター426により閉じている。エアロゾル形成基体424はくぼみ434内に保持される。この例で、くぼみ434は実質的に長方形であり、その長辺がカートリッジ420の長軸方向軸と実質的に平行である。エアロゾル形成基体424は、第一および第二のヒーター426、427による加熱に伴い放出可能な揮発性風味化合物を有するたばこ含有材料を含む。この例で、エアロゾル形成基体は、実質的に平面の長方形ブロックのたばこキャストリーフである。
【0101】
第一および第二のヒーター426、427はそれぞれ、電気接点438に接続された複数の発熱体436を含む。この例で、ヒーター426、427はそれぞれ、電気接点438および発熱体436を電気的に絶縁された基体箔437上に配置することにより形成される。それぞれの電気的に絶縁された基体箔437は、それぞれのくぼみ434の幅および長さを横切って延びるサイズである。こうして、第一および第二のヒーター426は、くぼみ434の上部と底部を閉じ、エアロゾル形成基体424をくぼみ434内に保持するのに役立つ。基層422の厚さとエアロゾル形成基体の厚さとを実質的に同じにすることで、エアロゾル形成基体424をくぼみ434内にしっかりと保持できる。
【0102】
電気接点438は、電気的に絶縁された基体箔437の側端に沿って延びる。第一のヒーターの電気接点は、カートリッジの外側から、かつ下からアクセス可能であり、第二のヒーターの電気接点は、カートリッジの外側から、かつ上からアクセス可能である。第一および第二のヒーター426、427の一方または両方の電気的に絶縁された基体箔437は穿孔され、エアロゾル形成基体424によって放出されるエアロゾルが第一および第二のヒーター426、427を通過できる。ヒーター426、427は穿孔されるものとして説明されているが、一方または両方は、その代わりに1つ以上のガス浸透性の窓を含むこともできる。ヒーター426、427のうち1つのみがエアロゾルに対して浸透性であることが十分なことが明白であろう。
【0103】
使用時に、電気接点438が装置のくぼみ内にある対応する電気接点と接続するように、カートリッジ420が
図1Aおよび1Bに示す通りエアロゾル発生装置に挿入される。次に、装置によって第一および第二のヒーター426に電力が供給され、エアロゾル形成基体からエアロゾルが放出される。ユーザーが装置のマウスピース部分を吸うかまたは吸煙すると、空気が、マウスピースにある空気吸込み口から、マウスピース部分を通って引き込まれ、ここでエアロゾルと混合される。空気およびエアロゾルの混合物は次に、マウスピース部分の出口へと引き込まれる。
【0104】
エアロゾル形成基体424がユーザーによって消費されると、カートリッジは装置のくぼみから取り外されて交換される。
【0105】
図5および6は、
図2A、2Bおよび3A、3Bのエアロゾル形成カートリッジを作製するための製造工程の概略図を示す。説明した両方の工程において、カートリッジ構成要素の流れが組立ラインに沿って移動されるに伴い、カートリッジは、組立ラインに沿った多数の異なるステーションにおいて「垂直に」組み立てられる。「垂直に製造される」という用語は、コンベヤーに沿って移動するのに伴い、カートリッジ構成要素が垂直方向に、かつ順序通りに相互に配置されて、カートリッジを組み上げることを意味し、一般的にはカートリッジの最も下の要素から始まり、次の要素をその上に置き、最も上の要素で終わる。隣接する構成要素間の接触面は、実質的に平面であり、かつ互いに実質的に平行である。この方式では、垂直組立作業のみが要求される。こうして、カートリッジを形成する時の回転運動または複数の並進運動など、より複雑な組立作業は一切必要とされない。
【0106】
図5は、多数の異なるステーションを持つ組立ライン500を使用して
図2Aおよび2Bのエアロゾル形成カートリッジ220を作製するための製造工程の概略図を示す。
【0107】
第一のステーション510において、個別の射出成形された基層222が、矢印で示す通り、第一の自動配置装置514(ピックアンドプレース機械など)によってコンベヤー512上に供給される。コンベヤー512は、基層を受けコンベヤー512上での基層の正確な配置を確保するための複数のくぼみ(図示せず)をその上部表面上に有する連続ベルトである。くぼみは格子状に配置することができ、また第一の自動配置装置514は、複数のカートリッジを同時に製造できるように、単一動作で複数の基層を持ち上げてくぼみ内に置くように配置されうる。以下の工程の説明は、個別のカートリッジの製造について言及するものであるが、複数のカートリッジにも適用されうる。
【0108】
第二のステーション520において、電気ヒーター箔522のウェブがボビン524からコンベヤー512に供給され、個別の電気ヒーター226が、切断装置526によって箔のウェブから切断され、第二の自動配置装置528により基層の上部表面にあるくぼみ234内に置かれる。この工程中、電気ヒーターは電気接点238が基層にある接点開口部240と整列するように配置される。この例で、電気ヒーター箔のウェブは、導電性の箔(ステンレス鋼など)を含み、これが切断装置526によってスタンピングされて、電気発熱体236および電気接点238が形成される。
【0109】
第三のステーション530において、エアロゾル形成基体224は、コンベヤー512に供給され、第三の自動配置装置532(ピックアンドプレース機械など)により基層222の上部表面および電気ヒーター226の上部にあるくぼみ234内に配置される。この例で、エアロゾル形成基体は固体基体を含む。エアロゾル形成基体が多孔性の担体に吸収されている液体基体を含む例では、多孔性の担体がまず第三の自動配置装置532によってくぼみ内に配置され、次に、自動化された垂直式ドージングおよび充填装置(図示せず)を使用して液体基体が多孔性の担体上に分配される。
【0110】
第四のステーション540において、射出成形されたカバー層228がコンベヤー512に供給され、第四の自動配置装置542によって基層222、エアロゾル形成基体224および電気ヒーター226上に配置される。カバー層は、カートリッジの使用時にガス浸透性の窓を通るエアロゾルの流れを改善するために、そのガス浸透性の窓242の少なくとも一部分が電気ヒーターの少なくとも一部分の上にあるように、基層上に配置されることが好ましい。
【0111】
第五のステーション550において、第一の自動化された超音波溶接装置552を使用して、カバー層228は基層222に溶接される。
【0112】
第六のステーション560において、保護箔562のウェブはボビン564からコンベヤー512に供給され、個別の保護箔230が保護箔のウェブから切断される。タブ248が組み立てられたカートリッジの方向と反対の方向に、すなわち、電気接点640が位置するカートリッジ220の末端方向に延びるように、保護箔がカバー層228の上に適用される。保護箔は、超音波溶接によってカバー層に取り外し可能なように取り付けられ、カバー層のガス浸透性の窓242の周りに連続的なシール線が形成され、次に、タブが
図2Aに示す方向にカバー層を越えて延びるように、横断する折り目249に沿って、保護箔がそれ自体に重ねて折り畳まれる。切断、溶接および折り畳みの工程は、単一の機械566により、または2つ以上の別個の装置によって実行されうる。
【0113】
第七のステーション570において、射出成形されたトップカバー232が、第七の自動配置装置572(ピックアンドプレース機械など)により、矢印で示す通りコンベヤー512に供給される。
【0114】
第八のステーション580において、トップカバー232が第二の自動化された超音波溶接装置582によってカバー層228に溶接され、カートリッジの組立が完了する。
【0115】
完成したカートリッジは次にパッカー590に輸送され、そこでその他の完成したカートリッジと一緒にまとめられ、販売用に梱包される。
【0116】
図6は、多数の異なるステーションを持つ組立ライン600を使用して、
図3Aおよび3Bのエアロゾル形成カートリッジ320を作製するための製造工程の概略図を示す。第一のステーション610において、電気ヒーター箔612のウェブは、ボビン614から組立ラインに供給される。電気ヒーター箔612のウェブは、電気ヒーター箔612のウェブが切断されて個別のカートリッジ用の個別の電気ヒーターが形成されるように、その上に複数の電気発熱体および電気接点が配置される、電気的に絶縁された基体を備える。電気ヒーター箔612のウェブは、複数のカートリッジが同時に製造できるように、完成したそれぞれのカートリッジの幅の数倍の幅を持ちうる。
【0117】
第二のステーション620において、中間層箔622のウェブは、ボビン624から組立ラインに、また電気ヒーター箔612の上に供給される。中間層箔622のウェブおよび電気ヒーター箔612は、第一の積層装置626によってまとめて積層化され、基層箔628のウェブを形成する。この例で、中間層箔622のウェブおよび電気ヒーター箔612のウェブは、2つのウェブが1つに融合するように第一の積層装置626内でまとめて圧迫され加熱されるが、その他の任意の適切な積層工程も使用しうる。この例で、中間層箔622のウェブは、ボビン624に巻き付ける前に、それぞれの中間層323にくぼみ334を形成するための複数の開口部を持たせて予め切断されるが、開口部は、ボビン624の巻き付けを解いた後で、ボビン624と第一の積層装置626の間に位置する切断装置(図示せず)によって切断することもできる。
【0118】
第三のステーション630において、エアロゾル形成基体324は、第一の自動配置装置632(ピックアンドプレース機械など)によって、基層箔628に供給され、基層箔628にあるくぼみ334内に配置される。エアロゾル形成基体がスラリーを含む代替的な実施形態において、同様に中間層箔622にある開口部に対応する複数の開口部を持つ薄いシールド層は、中間層箔622のウェブの上側表面に、例えば接着剤を使用して、取り外し可能なように取り付けられうる。第一の自動配置装置(この場合には、自動化された垂直式ドージングおよび充填装置(図示せず)でもよい)によってスラリーがくぼみ334に分配された後、シールド層が中間層箔622から取り除かれて、その後の工程段階のためにきれいな上側表面が露出される。エアロゾル形成基体が多孔性の担体に吸収されている液体基体を含む代替的な実施形態では、多孔性の担体がまず第三の自動配置装置632によってくぼみ内に配置され、次に、第一の自動配置装置632の後に位置付けられた自動化された垂直式ドージングおよび充填装置(図示せず)を使用して液体基体が多孔性の担体上に適用される。
【0119】
第四のステーション640において、カバー層箔642のウェブは、ボビン644から組立ラインに、および基層箔628の上に供給される。カバー層箔642のウェブおよび基層箔628のウェブは、第二の積層装置646によってまとめて積層化される。この例で、基層箔628のウェブおよびカバー層箔642のウェブは、2つのウェブが1つに融合するように第二の積層装置646内でまとめて圧迫され加熱されるが、その他の任意の適切な積層工程も使用しうる。カバー層箔642のウェブは、それぞれのカートリッジ320のカバー層328内に、ガス浸透性の窓342を形成するための、複数の予め形成された格子を有する高分子箔を含む。
【0120】
第五のステーション650において、保護箔652のウェブは、ボビン654から組立ラインに、およびカバー層箔642のウェブの上に供給される。保護箔652のウェブは、個別の保護箔330が保護箔652のウェブから分離できるように予め切断される。個別の保護箔330は、それらのそれぞれのタブ348が組み立てられたカートリッジの方向とは反対方向に、すなわち、空気吸込み口350が位置するカートリッジ320の上流端の方向に延びるように、カバー層箔642のウェブの上に適用される。それぞれの保護箔330は、超音波溶接によってカバー層箔642に取り外し可能なように取り付けられ、カバー層箔642にあるガス浸透性の窓342の周りに連続的なシール線が形成され、またタブ348が上流方向に、すなわち、
図3Aで延びる方向に延びるように、横断する折り目349に沿って、それ自体に重ねて折り畳まれる。切断、溶接および折り畳みの工程は、単一の機械656により、または2つ以上の別個の装置によって実行されうる。
【0121】
第六のステーション660において、射出成形されたトップカバー332は、第二の自動配置装置662(ピックアンドプレース機械など)によって、組立ラインに、また保護箔330の上に供給される。
【0122】
第七のステーション670において、トップカバー332が第二の自動化された超音波溶接装置672によってカバー層328に溶接され、カートリッジの組立が完了する。
【0123】
完成したカートリッジは次に、パッカー690に輸送され、そこでその他の完成したカートリッジと一緒にまとめられ、販売用に梱包される。
【0124】
上述の工程のそれぞれにおいて、それぞれのカートリッジの様々な構成要素の正確な相対的位置決めを確実にするために、箔ウェブのうち任意の2つ以上をインデックス化しうる。例えば、箔ウェブは、それによってインデックス化される穿孔された端を持ちうる。
【0125】
上述の例示的な実施形態は例証するが限定はしない。上記で考察した例示的な実施形態に照らすことにより、上記の例示的な実施形態と一貫したその他の実施形態は今や当業者には明らかとなろう。
【国際調査報告】