(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-520426(P2017-520426A)
(43)【公表日】2017年7月27日
(54)【発明の名称】流れ及び発泡の幾何学的形状を高めたスラリーミキサーゲート
(51)【国際特許分類】
B28C 7/16 20060101AFI20170630BHJP
【FI】
B28C7/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-566280(P2016-566280)
(86)(22)【出願日】2015年5月11日
(85)【翻訳文提出日】2016年11月2日
(86)【国際出願番号】US2015030078
(87)【国際公開番号】WO2015179153
(87)【国際公開日】20151126
(31)【優先権主張番号】62/000,244
(32)【優先日】2014年5月19日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/686,154
(32)【優先日】2015年4月14日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】596172325
【氏名又は名称】ユナイテッド・ステイツ・ジプサム・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・アール・ウィットボールド
(72)【発明者】
【氏名】クリス・シー・リー
【テーマコード(参考)】
4G056
【Fターム(参考)】
4G056AA10
4G056CD36
4G056CE02
(57)【要約】
吐出しゲート(36)は、石膏スラリーミキサー(12)に提供され、また、スラリーを受容するように構成される入口開口部(52)及びスラリーを分配デバイスに送達するように構成される出口開口部(54)を有する、下部部材(44)を含む。上部部材(46)が、下部部材(44)に取り付けられ、上部部材(46)及び下部部材(44)のうちの少なくとも1つが、泡沫をスラリーに導入するための注入ポート(80)の挿入に適応するための、少なくとも1つの開口部(76)を有する。空洞(48)は、泡沫とスラリーとを混合するように構成され、また、下部部材(44)及び上部部材(46)の内面によって画定される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
石膏スラリーミキサーの吐出しゲートであって、
前記スラリーを受容するように構成される入口開口部及び前記スラリーを分配デバイスに送達するように構成される出口開口部を有する、下部部材と、
前記下部部材に取り付けられる上部部材であって、前記上部部材及び下部部材のうちの少なくとも1つが、泡沫を前記スラリーに導入するための注入ポートの挿入に適応するための、少なくとも1つの開口部を有する、上部部材と、
前記泡沫とスラリーとを混合するように構成され、前記下部部材及び前記上部部材の内面によって画定される、空洞と、
を備える、石膏スラリーミキサーの吐出しゲート。
【請求項2】
前記空洞に挿入され、入口側及び出口側を有し、また、前記空洞の容積を低減させるように構成される、ゲート充填剤ブロックを更に含む、請求項1に記載の吐出しゲート。
【請求項3】
前記ゲート充填剤ブロックの前記入口側が、傾斜ランプを有する、請求項2に記載の吐出しゲート。
【請求項4】
前記傾斜ランプが、前記吐出しゲートの前記入口開口部の輪郭に連続的に続く、請求項3に記載の吐出しゲート。
【請求項5】
前記注入ポートが、広がった出口端部を有する、請求項1に記載の吐出しゲート。
【請求項6】
前記注入ポートが、前記吐出しゲートを通るスラリーの流れの方向に対して略垂直に配向される、請求項1に記載の吐出しゲート。
【請求項7】
石膏壁板スラリーミキサーの吐出しゲートであって、
前記スラリーを受容するように構成される入口開口部及び前記スラリーを送達するように構成される出口開口部を有する、下部部材と、
前記下部部材に取り付けられる、上部部材と、を備え、
前記上部部材及び下部部材のうちの少なくとも1つが、前記泡沫を前記スラリーに導入するための注入ポートの挿入に適応するための、少なくとも1つの開口部を有し、前記注入ポートが、前記吐出しゲートを通るスラリーの流れの方向に対して略垂直に配向され、また、
前記吐出しゲートにおいて前記泡沫とスラリーとを混合するように構築及び配設され、前記下部部材及び前記上部部材の内面によって画定される、空洞と、
前記空洞の中へ挿入される、入口側及び出口側を有するゲート充填剤ブロックであって、前記入口側が、前記吐出しゲートの前記入口開口部の輪郭に沿って連続的に続く、傾斜ランプを有する、ゲート充填剤ブロックと、
を備える、石膏壁板スラリーミキサーの吐出しゲート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2014年5月19日に出願された米国仮出願第62/000,244号に基づいて、米国特許法第119条(e)の下で優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
本開示は、全般的に、焼成石膏及び水を含む出発材料から石膏製品を調製する方法及び装置に関し、より具体的には、撹拌した石膏スラリーを壁板生産ラインに供給する際に使用されるスラリーミキサーと併せて使用するための改良された装置に関する。
【0003】
焼成石膏を水中に分散させてスラリーを形成し、次いで、該スラリーを所望される形状の金型の中へ、または表面に鋳込み、そして、焼成石膏(硫酸カルシウム半水化物または無水石膏)と水との反応によって、該スラリーを固化させて硬化した石膏を形成して、水和した石膏(硫酸カルシウム二水和物)を形成することによって、石膏製品を生産することがよく知られている。水性泡沫をスラリーの中へ混合して気泡を生成することによって、軽量の石膏製品を生産することもよく知られている。これは、硬化した石膏を形成する前に気泡がスラリーから脱出しない場合に、固化した石膏製品の中に所望の空隙の分布をもたらすことになる。空隙は、最終製品の密度を低下させるが、これは、しばしば「発泡石膏」と称される。
【0004】
発泡石膏の生産と関連する操作上の問題のいくつかに対処するための従来の装置及び方法が、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第5,638,635号、同第5,643,510号、同第6,494,609号、及び同第6,874,930号に開示されており、これらは全て参照により組み込まれる。本発明は、全般的に、石膏壁板の生産における石膏スラリーの調合において使用されるミキサーに関する。
【0005】
石膏壁板ミキサーは、典型的には、当技術分野においてよく知られている他の添加剤の中でも、焼成石膏及び水の供給源を受容するための入口を有する混合チャンバを画定する筐体を含む。ミキサーは、混合物またはスラリーの中へ混合される内容物を撹拌するためのインペラーまたは他のタイプの撹拌機を含む。かかるミキサーは、典型的には、カットオフブロックまたはドアを有する矩形の吐出しゲートまたはスロットを有する。吐出しゲートは、ミキサーからのスラリーの流れを制御するが、より厚いまたはより薄い壁板が望まれるときなどの、製品の要件が変化したときに、スラリーの流れを変化させるために調整することが困難である。
【0006】
泡沫及び/または他の添加剤は、典型的には、スラリーが実質的に混合された後に、水性泡沫、または抑制剤、促進剤、分散剤、澱粉、結合剤、及びポリリン酸塩、トリメタリン酸ナトリウムを含む強度向上製品、並びに同類のものなどの他の所望の添加剤が通る吐出しゲートの外側壁の泡沫注入ポートを通して添加される。泡沫または他の添加剤の石膏スラリーの中へのより均一な混合を促進するために、設計者らには、泡沫及び/または添加物が逆方向に流れること、及び混合チャンバの中へ進入して石膏スラリーと尚早に混合することを防止するという目標がある。
【0007】
混合スラリーを受容するための吐出しゲートの入口開口部は、典型的には、スラリー塊が吐出しゲートの中へ進入することを防止するための塊バーまたは格子を装備する。その結果、いくつかの応用例において、入口開口部は、大きくかつオーバーサイズになるように構成され、また、泡沫及び/または添加剤が吐出しゲートの空洞の中へ注入されるときに、スラリーの流れの問題を生じさせる。具体的には、吐出しゲートの大きい入口開口部は、空洞領域を、入口開口部から吐出しゲートの出口開口部まで通って流れる混合スラリーの容積に適合させることを困難にする。格子が満杯でない場合は、ミキサーの中のスラリーの流れによって生じる渦パターンから、塊を形成する場合がある。
【0008】
したがって、いくつかの要因を組み合わせて、適切に動作する石膏壁板ミキサーを提供するが、該要因としては、吐出しゲートのサイズ、塊バーがゲート開口部を覆い隠すかどうか、ミキサーの中のスラリーの容積、及び泡沫のスラリーの中への導入地点が挙げられる。
【0009】
したがって、所望の90°の注入角度を提供する注入ポートを有する改善された吐出しゲート、及びミキサーを通って流れる混合スラリーの容積に適合する空洞領域に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0010】
本開示は、改善されたスラリーの流れ及び吐出しゲート内部の混合を促進し、改善された注入ポートの構成を提供する装置を提供する。従来技術のミキサーでは、スラリーがゲートを出た後に、泡沫がスラリーに導入される。本吐出しゲートの重要な態様は、ゲートが、ゲートを通る混合スラリーの流れの走行または流れ方向に対して90°の角度に位置付けられる注入ポートを有することである。1つまたは複数の注入地点が、好ましくは、ゲートの上部壁及び/または下部壁に位置する。更に、注入場所及び配向に対する僅かな調整がかなりの性能的関連性を生じさせることが当技術分野で知られている。吐出しゲートにおける注入ポートの90°の角度配向は、スラリーの全体にわたる泡沫の所望の分布を促進する際に非常に有益であることが発見されている。
【0011】
また、吐出しゲートにおける泡沫とスラリーとのブレンドを高めるために、スラリーが混合チャンバから流れるときに、吐出しゲートの空洞をスラリーで満杯にしておくことも重要である。泡沫及びスラリーの混合力学は、幾分予測が難しいが、ゲートを出るときに泡沫と移動するスラリーとの均一な混合を達成することが重要である。本ミキサーのゲートには、ゲートをスラリーでより容易に充填するために、ゲート充填剤ブロックがゲート内部に設置される。このように、ゲートに注入される泡沫は、スラリーとより均一に混合される。
【0012】
一実施形態では、吐出しゲートが、石膏スラリーミキサーに提供され、また、スラリーを受容するよう構成される入口開口部及びスラリーを分配デバイスに送達するように構成される出口開口部を有する、下部部材を含む。上部部材が、下部部材に取り付けられ、上部部材及び下部部材のうちの少なくとも1つが、泡沫をスラリーに導入するための注入ポートの挿入に適応するための、少なくとも1つの開口部を有する。空洞が、ゲートの中に画定され、泡沫とスラリーとを混合するように構成され、また、下部部材及び上部部材の内面によって画定される。
【0013】
別の実施形態では、石膏壁板スラリーミキサーの吐出しゲートが提供される。吐出しゲートの中には、スラリーを受容するように構成される入口開口部及びスラリーを送達すように構成される出口開口部を有する、下部部材が含まれる。また、吐出しゲートには、下部部材に取り付けられる上部部材も含まれ、上部部材及び下部部材のうちの少なくとも1つは、泡沫をスラリーに導入するための注入ポートの挿入に適応するための、少なくとも1つの開口部を有する。好ましい実施形態では、注入ポートが、吐出しゲートを通るスラリーの流れの方向に対して略垂直に配向される。空洞が、吐出しゲートにおいて泡沫とスラリーとを混合するように構築及び配設され、また、下部部材及び上部部材の内面によって画定される。入口側及び出口側を有するゲート充填剤ブロックが、空洞の中へ挿入され、入口側が、吐出しゲートの入口開口部の輪郭に沿って連続的に続く傾斜ランプを有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本吐出しゲートの特徴を組み込んだ混合装置の部分概略平面図である。
【
図2A】下部部材及びゲート充填剤ブロックを特徴とする、本吐出しゲートの概略上面斜視図である。
【
図2B】
図2Aの線2B−2Bに沿って切断し、全般的に示される方向における縦断面図である。
【
図3】注入開口部を有する上部部材を特徴とする、本吐出しゲートの概略平面図である。
【
図4】例示的な注入ポートの拡大概略正面図である。
【
図5】本吐出しゲートの上部部材に設置された
図4の注入ポートを特徴とする、
図3の線5−5に沿って切断し、全般的に示される方向における縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、
図1を参照すると、スラリーを混合し、分配するための例示的な混合装置は、全般的に10で表され、また、スラリーを受容し、混合するように構成される筐体14を有するミキサー12を含む。筐体14は、好ましくは略円筒形状である混合チャンバ16を画定し、また、略垂直な軸18と、上部半径方向壁20と、下部半径方向壁22と、環状外周壁24とを有する。焼成石膏のための入口26及び水のための入口28はどちらも、上部半径方向壁20に、好ましくは垂直軸18に近接して位置付けられる。入口26、28は、それぞれ、石膏供給容器及び水供給容器(図示せず)に接続され、よって、石膏及び水は、簡単な重力送給によって混合チャンバ16に供給することができることを認識されたい。また、当技術分野でよく知られているように、石膏製品を調製するためにしばしばスラリーに用いられる、石膏及び水だけでなく、他の材料または添加剤(例えば、促進剤、抑制剤、充填剤、澱粉、結合剤、強化剤など)も、これらの入口、または同様に位置付けられる他の入口を通して供給することができる。
【0016】
撹拌機30は、混合チャンバ16の中に配置され、垂直軸18と同心状に位置付けられる略垂直の駆動シャフト32を有し、また、上部半径方向壁20を通って延在する。シャフト32は、混合チャンバ16の内容物を撹拌機30で撹拌して混合するのに適した任意の速度でシャフトを回転させるための、モーターなどの従来の駆動源に接続される。275〜300rpmの範囲の速度が一般的である。この回転は、結果として生じる水性スラリーを、矢印Aによって示される、時計回りに外向きの螺旋などの、略遠心方向に導く。回転の方向は、ミキサー及びゲートの設計及び/または構造の機能であり、また、用途に合わせるように変動させることができる。この撹拌機の描写は、比較的単純なものであり、当技術分野で知られている石膏スラリー混合チャンバに一般的に用いられる撹拌機の基本原理を示すことだけを意図していることを認識されたい。ピンまたはパドルを用いたものを含む、代替の撹拌機の設計が想定される。加えて、本ゲートの設計は、石膏スラリーを撹拌するために使用されるピンレスミキサーとともに使用することが想定される。
【0017】
ミキサー出口34には、矢印Bによって示される方向に、導管40を介して、十分に混合したスラリーの大部分を分配装置38の中へ吐出すための吐出しゲート36が、ミキサー12の外周壁24に取り付けられる。当技術分野で知られているように、分配装置によって排出されるスラリーの最終的な行き先は、移動コンベヤベルトを含む、石膏壁板生産ラインである。出口34の幾何学的形状は、断面が矩形であるように示されているが、用途に応じて、他の適切な形状が想定される。また、ミキサー12の特定の構成は、変動し得ることが想定されるが、本ミキサーは、石膏壁板の製造において一般的に使用される遠心タイプのものであること、更には、出口34がスラリーを筐体14に対して接線方向に分配するタイプのものであることが好ましい。カットオフブロック42は、典型的には1/4インチ〜1インチである壁板の所望の厚さに対して、スラリーの流れを機械的に調整するために、吐出しゲート36と一体的に形成される。
【0018】
動作中に、カットオフブロック42は、しばしば、石膏を尚早に固化させるための場所を生じさせ、その結果、スラリーの蓄積及び最終的な詰まり、並びに生産ラインの中断をもたらす。更に、吐出しゲート36が厚い壁板用に設定され、薄い壁板への変換が行われるときには、混合チャンバ16において十分な背圧が提供されず、その結果、いくつかの事例においては、スラリー成分の不完全で不均一な混合をもたらす。また、不十分な背圧は、混合チャンバ16の遠心内部流れの中にデッドスポットまたはスロースポットをもたらし、スラリーの尚早な固化及び混合物中の望ましくない塊を生じさせる。かかる事例においては、メンテナンスのために壁板ラインを停止させなければならず、非効率的な生産を生じさせる。下で更に詳細に説明されるように、本吐出しゲート36は、これらの操作上の問題に対する解決策を提供する。
【0019】
以下、
図2〜
図3を参照すると、吐出しゲート36は、下部部材または本体44(
図2A)及び上部部材またはプレート46(
図3)を含むことが好ましく、下部部材及び上部部材は、ともに取り付けられて、上部部材及び下部部材の内面50の間に、混合チャンバ16からのスラリーと泡沫とを混合するための空洞48を画定する。典型的には、上部部材46及び下部部材44は、全般的に、上部ミキサー半径方向壁20及び下部ミキサー半径方向壁22に対応する距離だけ分離される。下でより詳細に論じられるように、泡沫は、上部部材46から注入される。
【0020】
下部部材44には、混合チャンバ16から混合スラリーを受容するように構成される入口開口部52、及び混合スラリーを分配装置38(
図1)に送達するように構成される出口開口部54が含まれる。入口開口部52は、全般的に、筐体14の環状外周壁24(
図1)の輪郭またはプロファイルに続く。また、下部部材44には、一方の端部において下部部材の第1の側壁58に接続され、対向する端部において下部部材の対向する第2の側壁60に接続される、スラリー塊が吐出しゲート36の空洞48の中へ進入することを防止するための複数の塊バー56も含む。第2の側壁60は、カットオフブロック42の一部である。下部部材44及び上部部材46の取り付けは、第1の側壁58及び第2の側壁60、並びに従来の締結具、接着剤、溶接、または当技術分野で知られている他の適切な方法を使用することによって達成される。
【0021】
本吐出しゲート36の重要な特徴は、空洞48内でのスラリーの蓄積及び詰まりを低減させるために、所定の厚さTを有するゲート充填剤ブロック62(
図2B)が提供されることである。好ましい実施形態において、ゲート充填剤ブロック62は、金属で作製されるが、他の同等の耐久性材料が想定される。ゲート充填剤ブロック62の外周は、全般的に、下部部材44の内側底面64の外形に続き、よって、第1の側壁58と第2の側壁60との間の内側底面を実質的に覆う。好ましい実施形態において、ゲート充填剤ブロック62の使用は、空洞48の容積を約50%減少させる。
【0022】
以下、
図2A及び2Bを参照すると、ゲート充填剤ブロック62の入口側68には、下部部材44の入口開口部52の輪郭またはプロファイルに沿って連続的に続く、傾斜ランプまたは縁部66が提供される。その結果、矢印Cによって示されるように、ゲート充填剤ブロック62が空洞48の中へ挿入されると、充填剤ブロックの入口側68が、下部部材44の入口開口部52の輪郭と整合し、充填剤ブロックの対向する出口側70が、下部部材の出口開口部54の輪郭と整合する。また、ゲート充填剤ブロック62の側縁部72は、下部部材44の第1の側壁58及び第2の側壁60に対して直接当接する。
【0023】
ランプ66の例示的な角度α(
図2B)は、約30度であり、所定の距離Dにわたってゲート充填剤ブロック62の入口側68から出口側70まで徐々に傾斜し、その距離に到達した後は、所定の厚さTを維持する。距離Dの量は、用途に合わせて変動することが想定される。傾斜ランプ66は、混合チャンバ16からの混合スラリーの円滑な流れを促進し、したがって、スラリーが吐出しゲート36の空洞48の中へ進入する間、該スラリーの流れを中断させない。更に、充填剤ブロック62の所定の厚さTは、吐出しゲート36における空洞48の全体的な内部高さHを低減させ、また、泡沫注入動作に対して、空洞の中の混合スラリーの更に一様な分布を可能にする。
【0024】
ゲート充填剤ブロック62のこの構成は、空洞48の容積領域を、その中を通って流れる混合スラリーの容積に適合させること、及び泡沫とスラリーとの所望の混合を提供するために、泡沫を一様かつ均一に分布させることを可能にする。ゲート充填剤ブロック62は、下部部材44の内側底面64に設置されるように示されているが、ゲート充填剤ブロックが、随意に、空洞48内部の上部部材46の内側頂面74(
図2B、
図3、及び
図5)に設置されることも想定される。
【0025】
以下、
図1、
図2A、及び
図3を参照すると、上部部材46及び下部部材44のうちの少なくとも1つは、空洞48によって画定されるスラリー通路78の近くまたは中央に位置付けられる、少なくとも1つの注入開口部または泡沫スロット76を有する。
図3には、1つの注入開口部76だけが示されているが、用途に応じて、任意の数の開口部が想定される。開口部76の場所は、好ましくは、スラリー通路78の中央にあるが、用途に合わせて、通路の中の他の場所が想定される。別の実施形態において、開口部76は、下部部材44の、または下部部材44及び上部部材46双方それぞれの通路78に配置することができる。開口部76は、コイン投入口の開口部に類似する、直線状であることが好ましいが、ジグザグ、楕円形、及び不規則な形状などの、他の非直線状の幾何学的形状が想定される。
【0026】
図1及び
図4に例示されるように、泡沫は、水性泡沫または他の所望の添加剤を導入するための注入ポート80(
図4)を使用して、吐出しゲート36の上部部材46の開口部76を通して注入される。上で論じられるように、対応する開口部76の場所に応じて、吐出しゲート36は、用途に合わせて、単一の上部または下部注入ポートまたは複数の注入ポートを有することができる。
【0027】
以下、
図4及び
図5を参照すると、注入ポート80は、泡沫を吐出しゲート36の空洞48に注入するための開口部76に嵌合するようにサイズ決定される、細長い本体82と、広がった出口端部84とを有する。端部84は、排出される泡沫の圧力を増加させるために、広がっていることが好ましい。したがって、泡沫は、吐出しゲート36を通過するスラリーとより一様に混合される。好ましい実施形態において、細長い本体82は、円筒形状を有するが、異なる用途に合わせて、他の適切な形状が想定される。また、広がった端部84が、開口部76に嵌合するように全般的に細長い開口部86を有することが好ましいが、他の適切なタイプの開口部が想定される。
【0028】
本注入ポート80の重要な態様は、ポートが、開口部76と流体連通している上部部材46に取り付けられ、よって、泡沫が、ポートを通過し、そして、吐出しゲート36におけるスラリーの流れの走行方向に対して約90°の角度で、空洞48の中を移動するスラリーの中へ注入されることである。注入ポート80の広がった端部84は、好ましくは、空洞48内部の上部部材46の内側頂面74と実質的に面一である。注入ポート80のこの構成は、スラリーの流れに対して90度の所望の形態の注入角度を達成し、また、形態及び/または添加剤が逆流して、混合チャンバ16(
図1)の中へ進入することを防止する。
【0029】
本混合ゲートの構成は、特にゲート充填剤ブロックによって、塊を低減させた状態でのミキサーからの石膏スラリーの分配を促進し、一方で、所望の流量容積を維持したことが分かった。また、スラリーの中への泡沫の導入は、泡沫がミキサーの中へ再導入される危険性を少なくするように行われる。本ゲートはまた、ミキサーの下流のスラリーの中への塊の流れを低減させるために提供される従来のゲートバーとともに使用することもできる。
【0030】
本吐出しゲートの特定の実施形態を示し、説明してきたが、本開示のより広範囲の態様において本開示から逸脱することなく、本実施形態に対して変更及び修正が行われ得ることが当業者によって認識されるであろう。
【国際調査報告】