(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-521680(P2017-521680A)
(43)【公表日】2017年8月3日
(54)【発明の名称】尿の分析物及び/又は化学物理学的パラメータの測定並びに尿沈渣の測定用の容器、並びにこの容器を用いての十分な尿分析の方法
(51)【国際特許分類】
G01N 33/493 20060101AFI20170707BHJP
【FI】
G01N33/493 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2017-517440(P2017-517440)
(86)(22)【出願日】2015年6月11日
(85)【翻訳文提出日】2016年12月9日
(86)【国際出願番号】IB2015054423
(87)【国際公開番号】WO2015189798
(87)【国際公開日】20151217
(31)【優先権主張番号】RM2014A000308
(32)【優先日】2014年6月12日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516372479
【氏名又は名称】スィケリウプ エッセ.エッレ.エッレ.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スペツィアーレ、ダニラ ジュゼッパ マリア
【テーマコード(参考)】
2G045
【Fターム(参考)】
2G045AA16
2G045AA18
2G045CB03
2G045FB19
2G045JA07
(57)【要約】
本発明は、自動分析器を介した、分析物及び/又は化学物理学的パラメータ、並びに尿沈渣の測定用の、尿を収容するのに適した容器1であって、a)締め付けでき刺突できる封止要素4の付いている開口3を有する封止領域9と、b)前記容器の内壁に一体に形成された1つ又は複数の反応パッド6を配置させる示度領域5と、c)前記封止領域9と前記示度領域5との間に位置付けられた、不浸透性及び刺突できる分離隔壁10と、を備える容器1に関する。本発明は、物理的化学的検査及び尿沈渣を含む、自動分析器で尿の十分な試験を実施する方法にも関し、方法は、a)上記の容器1を、主採取容器から較正済の真空から規制された吸引により満たすステップと、b)容器1を自動分析器に積むステップと、c)封止要素4をサンプラ及び混合器針20で突き刺すステップと、d)封止領域9に存在するサンプルを混合し、尿沈渣の自動読取りのために分析器へ送られる所定の量の尿を取り出すステップと、e)隔壁10を突き刺し、尿が示度領域5に流入するようにサンプラ針20を後退させるステップと、f)色反応の生成のために特定の時間だけ待つステップと、g)前記分析器の中に組み込まれたセンサを用いて比色反応の自動読取りを実行するステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動分析器を介した、分析物及び/又は化学物理学的パラメータ、及び尿沈渣の測定用の、尿を収容するのに適した容器(1)であって、
a)締め付けられ、刺突可能な封止要素(4)の付いている開口(3)を有する封止領域(9)と、
b)1つ又は複数の反応パッド(6)を配置した示度領域(5)であって、前記反応パッドが、前記容器の内壁に一体に形成され、各反応パッド(6)が尿の事前に確立した量を吸収し、それぞれの分析物、パラメータ及び/又は参照物に対し特定の比色反応を起こすのに適している、示度領域と、
c)前記封止領域(9)と前記示度領域(5)との間に位置付けられた、不浸透性であって刺突可能な分離隔壁(10)と、
を備える容器(1)。
【請求項2】
前記封止領域(9)が、採取サンプルの主容器から一定量の尿の回収に適した、事前に較正された真空を有する、請求項1に記載の容器(1)。
【請求項3】
前記分離障壁(10)が少なくとも部分的にアルミニウムから製造されている、請求項1に記載の容器(1)。
【請求項4】
前記分離隔壁(10)が、プラスチック材料の周辺領域(11)とアルミニウムの刺突できる中央領域(12)とを備える、請求項3に記載の容器(1)。
【請求項5】
前記本体の前記内壁が、その全厚に対してそれぞれのパッド(6)を収容するのに適した少なくとも1つの凹部領域を有する、請求項1から4までのいずれか一項に記載の容器(1)。
【請求項6】
前記パッド(6)の1つ又は複数が、前記示度領域(5)の内壁に固定されるストリップ(7)上に製造されている、請求項1から5までのいずれか一項に記載の容器(1)。
【請求項7】
前記示度領域(5)の前記内壁は、その全厚に対し、前記ストリップ(7)を収容するのに適した凹部領域を有する、請求項6に記載の容器(1)。
【請求項8】
前記封止領域(9)及び前記示度領域(5)は、少なくとも平面壁の部分(15、16、17)を有し、前記少なくとも平面壁の部分(15、16、17)に、前記反応パッド(6)が収容されている、請求項1から7までのいずれか一項に記載の容器(1)。
【請求項9】
各反応パッド(6)に、対応する分析物及び/又はパラメータを識別するコード(25)が関連付けられ、前記コードが、前記自動分析器に一体の光学読取器によって認識されるのに適している、請求項1から8までのいずれか一項に記載の容器(1)。
【請求項10】
前記示度領域(5)内に存在する異なる反応パッド(6)間の領域が不透明にされている、請求項1から9までのいずれか一項に記載の容器(1)。
【請求項11】
保護非浸透性フィルム(30)を備え、前記非浸透性フィルムが、前記示度領域(5)において前記容器(1)の内側に向いた前記反応パッド(6)の面上で背面において前記反応パッド(6)に接着されるようにされ、且つ、前記反応パッド(6)の各々に適正な量の尿との接触を可能にする較正された穴(31)を有する、請求項1から10までのいずれか一項に記載の容器(1)。
【請求項12】
物理的化学的検査及び尿沈渣を含む、自動分析器で尿の十分な試験を実施する方法であって、
a)請求項1から11までのいずれか一項に記載の容器(1)を、外からの閉鎖モードで、事前に較正された真空からの調整された吸引によって、主採取容器からの尿サンプルで満たすステップと、
b)前記容器(1)を前記自動分析器に積載するステップと、
c)前記封止要素(4)をサンプラ及び混合器針(20)で突き刺すステップと、
d)前記封止領域(9)に存在する前記サンプルを混合し、尿沈渣の自動読取りのために前記分析器へ送られる所定の量の尿を取り出すステップと、
e)前記尿を前記示度領域(5)に流入させて前記反応パッド(6)と接触させるように、前記隔壁(10)を突き刺し、前記サンプラ針(20)を後退させるステップと、
f)色反応の生成のために特定の時間を待つステップと、
g)前記分析器の中に組み込まれたセンサを用いて、前記比色反応の自動読取りを実行するステップと
を含む方法。
【請求項13】
前記読取りのステップは、前記容器(1)を長手軸に沿って回転することを含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動分析器の最適な使用に対し、関連する化学的物理的パラメータ及び尿沈渣の特徴を測定するために、尿サンプルの採取及び微生物学的でなく標準分析用の容器に関し、容器は、管理、経済及び保健の実施の見地から関連する利点を分析器の作業に供給する。
【背景技術】
【0002】
今日において、以前もそうであるように、標準尿試験は泌尿器だけでなく全身性疾患に関連する診断及び多くの臨床状態の評価において最も重要である。
【0003】
現代の臨床検査医学の他の多くの手術分野と同様に、尿の十分な検査を実施することは長年に渡って操作の自動化の増加を見てきたため、中程度又は高度の活動を行っている研究室は、自動化の適切で効率的なレベルを蔑ろにし得ることなく、日々の多数のサンプル、及び信頼性の高い結果と高い操作品質を短時間で継続的に提供するために必要な要件を適切に供給する。
【0004】
この理由から、この特定の分野で事業を行っている多くの企業は、大部分が統合され多くの時間当たりのサンプル数を処理することができ、LIS(臨床検査情報システム:Laboratory Information System)に直接関連した化学的物理的及び尿沈渣検査の結果を短時間に提供する分析器の製造と提供に努力し、病理学的症例及び/又は診断上の問題に関連した必要且つ適切な評価だけが研究室及び臨床分野の両者の専門家に任される。
【0005】
物理的化学的検査及び尿沈渣の定義は、2つの異なる分析評価を指し、それぞれは、異なる検体及び/又は尿サンプルの特性に関連する非常に特異的なパラメータの所見によって特徴付けられる。
【0006】
自動分析器による尿物理的化学的検査が、屈折計分析及び光散乱方法論を用いて、後に列記する所与の数(通常10個)のパラメータの測定を提供する。
【0007】
尿沈渣の検査が、尿排泄に存在する生物の内因性細胞質(白血球、赤血球、皮膚細胞)並びに外因性のもの(細菌微生物、及びより一般的でない菌類又は寄生微生物)、加えて結晶又は光学顕微鏡で視認可能な他の形成の存在を取り出し、各サンプルの全体、及び/又は微視的分野ごとに、及び/又はマイクロリットルごとに、数値結果を提供する。
【0008】
現在、自動モードで運転するのに、標準で十分な尿検査の実行が2つの異なる別のステージにおいて実現され、それぞれが特定の分析器によって操作上で管理され、それの関連ハードウェアデバイスが別体のままか単一の器具に統合され得る。
【0009】
単純なマルチパラメトリック・ストリップの使用を介しての定期的な尿検査が、大多数の病気に対する第1の診断ステップを代表する。尿検査に対する共通の診断ストリップがプラスチック又は紙リボンによって作られ、通常5mm以下の幅で反応パッドがコーティングされ、尿に存在する特定の物質が化学比色反応を通じて検出できる適当な基材が用いられる。このように尿物質と接触することで臨床診断対象の尿パラメータの同時検出が達成される。
【0010】
市場において多種のストリップがあり、陽性/陰性としてのみ表わされる結果となる定性タイプ、及び、検出された分析物/パラメータの濃度の推定を追加する半定量タイプがある。後者において、特定の基準範囲と比較したときに基材の色反応が濃度に比例する。
【0011】
尿診断ストリップの標準的なタイプは一般に10個の反応パッドを含み、それらがそれぞれ尿サンプル特性を強調するのに特定の化学反応を用いる。
【0012】
測定されたパラメータが、一般に色、汚濁、PH、比重、タンパク質、ブドウ糖、ビリルビン、ウロビリノーゲン、ケトン体、ヘモグロビン、亜硝酸塩、及び白血球によって表わされる。
【0013】
ストリップの基材と尿サンプルとの間の接触が、通常数秒続く浸漬によって達成され、次の反応の示度時間が60〜120秒の間である。これらの値を超えると、反応が正しく判定され得ない。
【0014】
手動の方法が採用される場合、検査を実施する従事者によって、強調された色が各特定分析物に対する基準色スケールと比較される。
【0015】
後者の場合、手順は以降の操作ステップを含み、従事者によって実行される。
1.ストリップを尿見本に数秒間完全に浸漬して正しく混合する。
2.続いてストリップを抜いて残りの過度の尿全てを捨てる。
3.確実に、一般に60〜120秒の間に尿とストリップの反応パッドと接触させる。
4.生成された色を各分析物に特定の色スケールと視覚的に比較する。色スケールは通常供給者によってストリップを含むパッケージとともに利用できる。
【0016】
正しくない不適切な操作によって簡単に誤分析に至るが、その最も一般的なものとして、以下がある。
・ストリップの浸漬の前にサンプルが正しく混合されていない場合、赤血球と白血球の存在が過小評価される、というのはこれらの細胞要素が重力で試験管の底に落下し易いからである。
・ストリップから過度の尿を除去するのに失敗し、次いで尿が反応パッドから近くのパッドまで拡がって、これにより色変化まで生じさせて不正確な結果になる。この理由のため、過度の尿を除去するためにストリップの縁部に吸収紙を適用するのが推奨される。
【0017】
自動分析器を用いて、少量の尿が適当なサンプルホルダ・ラックに配置されたオリジナルの尿サンプルから適当なサンプル針を用いて抜き取られ、次いで、分析器の中に事前に置かれたストリップの反応基材に供給される。ストリップに置かれた反応パッドの比色分析示度がLED技術で自動読取りによって実行され、結果が国際的に検証されたユニットで提供される。色変化の示度が、見つけられた分析物/パラメータの特質及び量に依存し、所定色スケールに基づいて所期の波長で生じる。結果が定性又は半定量の方法で表示される。
【0018】
現在、自動化モード及び上述した化学的物理的特性の測定のために、この目的の専用のハードウェア及びソフトウェアの存在が必要であり、それらは他の異なる器具類に動作可能に接続され、上記で特定したように尿沈渣の検査を実行するのにも適する。
【0019】
今日、様々な容器が検査診断学に使用するのに利用でき、尿サンプルを採取し、同じ容器内において種々のパラメータ及び/又は分析物を測定できる。
【0020】
それらのほとんどは、いわゆる乱用薬物の前提から生じる尿中の異化作用の検出のためのスクリーニング検査の実施を提供する。それらの使用が増加しているので、スポーツ、政府、健康の構造や組織は、この現象の上昇の拡大を抑制し防止するために、加えて、職場、公共の秩序、特に犯罪事件及び/又は交通事故の場合での明白なセキュリティ上の理由のために、ますます緊密なプログラムの適用を必要としている。このようなデバイスには、この理由のために幾つかの密封システム及び安全対策が設けられ、置き換えや改ざんなど、偶然に尿サンプルをこぼしたり開封したりするのを避けることを目的とし、蓋の不完全な閉塞の視覚的及び音響的表示の両方を伴う場合がある。
【0021】
これらの場合、求める材料の特定の類型論を考慮して、使用される分析方法論は比色分析ではなく(本発明により反対に提供されるように)、免疫学的試験の古典的原理(イムノアッセイ)を使用し、少量の尿サンプルを毛細管現象により反応性ストリップに吸収させ、抗原/抗体複合体の形成及び「試験」位置における線状反応バンドの有無を生じさせ、それは方法が反応の特異的な制御バンドとともに競合的に結合を利用するかどうかに依存する。このタイプの試験から得られる情報は、場合により画像自体を保存し得る従事者の評価によって陰性/陽性の結果のみが提供されるので、定性的なものである。従事者による結果の評価は、必ずしも比色反応のために提供されたものとは異なる所定の時間範囲内になされなければならず、一般的に反応性ストリップによってサンプルが吸収された瞬間から開始して5〜10分の間であり、そうでなければ、試験の結果は解釈不可能と考えられる。いずれにしても、試験の後に残った尿は、尿沈渣の検査のために続けて処理はできず(本発明が逆に提供するのだが)、薬物乱用の消費にのみ関連するその後の潜在的な確認試験のみに処理され得る。
【0022】
検査中のストリップ及び対応する分析物は、求められる物質の代謝産物に対応する単純なアルファベット順のコードで識別され、従事者だけが検出された分析物を手動で読取り中にコードを使用する。
【0023】
対象分野が化学的物理的パラメータと尿沈渣の測定によって表される場合、ほとんど全ての既存の容器は採取に使用される容器の外に一定量の尿サンプルの回収を必要とし、このように、パラメータの評価は手動モードと自動モードの両方で管の外でのみ行われる。後者の場合、これは、所定の量の尿を分配デバイスを通して移送することによって起こり、その後、自動器具内で以前に処理され配置されたストリップ上の反応の示度が得られる。
【0024】
しかしながら、内部に反応性ストリップを組み込んだ尿採取用の容器が提案されても、関連する操作手順は、一次管に尿を最初に採取した後にその内部のサンプルを手動で移送する必要があり、したがって開放系を有し且つ従事者が結果を手動で読取るモードだけである。この尿沈殿は、光学顕微鏡を使用して手動モードで常に実行される場合にのみ尿沈渣の読取りに利用され得る。
【0025】
いずれにせよ、既に知られているものの中の尿容器は、自動分析器によって沈渣と共に物理的及び化学的パラメータの十分な検査を可能にするものはなく、というのは、その目的に完全に不適当であるか、又は一般に使用される標準的な容器の場合には尿の所定量が器具の内部に適切に入れられ、容器自体に固定されていない区画で分析されるという条件でのみ使用されるからである。これに対して、本発明の目的を用いれば、尿サンプルの化学的及び物理的パラメータの自動処理は、容器自体の構造内部の分析領域で行われ、反応性ストリップ上のサンプルを外で処理する前述のステップに従業者の関わることなく、その結果は分析器による評価に有効に利用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
本発明の目的は、自動モードでの尿の標準検査の分析操作を改善することであり、手動の方法の場合でも、上記の問題及び課題を克服することであり、これは、構造自体に、特許請求の範囲の請求項1で定義される上記で特定されたパラメータを検出することが可能な個々の反応パッドを組み込む容器を採用すること、並びに以降によりよく説明され請求項12で定義される独自の手順ステップを介することで達成される。
【0027】
本発明のさらなる特徴は、対応する従属請求項に定義される。
【0028】
本発明は、既知の手順の操作特性と比較して、泌尿器診断に含まれる化学的及び物理的パラメータのマルチパラメトリック分析をより機能的にする多数の明らかな利点を定義する。
【0029】
特に、既知の手順は、手動モードでは、複数のパラメトリック・ストリップを尿液中に浸漬した結果、各反応パッドに同時に標準化されていない接触が生じる結果として反応が起こることを示す。自動モードでは、ストリップ上の尿の分配は、較正された先端によって自動化される。手動モードと自動モードの両方で、マルチパラメトリック・ストリップは検査中の尿サンプルを採取する標準的な容器と一体化していない。
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明はデバイス自体の中に一体化しデバイス自体に結合する個々の単一反応パッドを提供し、反応パッドが標準化された尿の量に接触して検出された分析物/パラメータの濃度に応じて特定の比色反応を示す。
【0031】
各パッドの位置は、特定の向きに制約されるのではなく、デバイス内部の利用可能な空間に制限され、反応性基材の吸収の形態は変わることがない。
【0032】
過度の量の尿との接触に関連するアーチファクトを回避するために、適切に較正された反応表面で尿サンプルとの直接的な接触によってパッドの吸収が生じる。
【0033】
さらに、単一反応パッドの組立及び使用によって、本発明による容器は、医療従事者による手動の介入を必要としない。デバイスが手動モードで使用される場合、唯一必要な従事者の介入が閉鎖系内であり、外部への尿の流出がなく、適切な閉鎖キャップを介してデバイス自体の内部の隔壁を貫通させる。さらに、本発明のデバイスは、閉鎖モードで適切な量の尿を採取し、外部に汚染の可能性がないように、真空吸引のシステムを有利に提供する。
【0034】
構造化された容器についてデバイスの構成を次に示す。
i) 分析的に十分な自動化された機器で容器を使用できることで、そのため標準的且つ完全な尿検査の実施が可能になる
ii) 現在の自動分析器を装備しているハードウェア及びソフトウェアの、より主要な部分を使用する必要がなくなり得ること
iii) 運転ルーチンをスピードアップする能力
iv) 自動分析器内部の反応性ストリップの収容及び取り扱いに関連する問題の排除、並びにそれらの別々の廃棄
【0035】
特に既知の手順とは異なり、本発明は以下に列挙する特有の特徴のために典型的には自動分析器に使用するのに適している。
a)自動分析器のルーチンによって使用されるサンプルホルダ・ラックに収容されることができる容器の標準寸法
b)サンプル採取の一次容器から出る尿の正確で最適な量を採取するのに適した、デバイスの内部に較正済真空が存在
c)自動モードでの針/先端によるサンプリングに適した刺突可能で再閉鎖可能な閉鎖の存在
d)内部の分離隔壁を用いた革新的手順の定義によって制御される、標準化され従事者に依存しない尿サンプル及び比色分析反応パッドの適切な反応時間の保証
e)統合光学センサによる自動読取りに適した反応パッドの露出モード
f)自動分析器に組み込まれた光学読取装置による自動認識に適したバーコードによる反応パッドの識別
g)自動読取りを開始及び終了させるスポットの存在であって、技術的な誤り及び/又は読取りアーチファクトに対し合図もするスポット
特に、特性d)は絶対に必須であり、自動分析器に要求される品質基準を十分に満たす。
【0036】
この容器は、自動分析器によるこれらの検査の外部処理のための尿の特定の量の回収、並びに尿検査サンプル上の反応性ストリップの手作業による取り外しを排除する。さらに、従来の反応性ストリップとの接触を可能にするために、手動モードでデバイスの開口部を不要にし、生物学的汚染の関連する危険性を低減する。
【0037】
本発明の目的の1つは、尿の物理的化学的分析に専用された統合された又は別個の計器の使用をもはや必要としないことでもあり、色反応のLED読取りだけで十分とし、尿沈渣の為に特定の分析器に容易に載置され得る。
【0038】
生産性及び使用の容易性の向上、分析器の汚染度の低下、及びそのように構造化されている分析器の製造、供給、保守及びサービスに関連するコストの大幅な削減を見れば、したがって、このデバイスの操作上の利点は経済的及び操作上の利点である。
【0039】
本発明から生じる利点は、所与のデバイスの使用の特徴及び条件とともに上述の目的に適した、例示的に但し限定的な目的でなく提示されたその実施例に関する以降の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】本発明の一実施例による容器の斜視図である。
【
図2A】一実例として、本発明による容器の実施例の可能な変形例である。
【
図2B】一実例として、本発明による容器の実施例の可能な変形例である。
【
図2C】一実例として、本発明による容器の実施例の可能な変形例である。
【
図3A】本発明のさらなる実施例による容器の使用法を示す図である。
【
図3B】本発明のさらなる実施例による容器の使用法を示す図である。
【
図3C】本発明のさらなる実施例による容器の使用法を示す図である。
【
図3D】本発明のさらなる実施例による容器の使用法を示す図である。
【
図3E】本発明による容器の分離隔壁の可能な実施例を示す。
【
図3F】本発明による容器の分離隔壁の可能な実施例を示す。
【
図4A】本発明のさらなる実施例による容器を示す図である。
【
図4B】本発明のさらなる実施例による容器を示す図である。
【
図5A】本発明のさらなる実施例による容器を示す図である。
【
図5B】本発明のさらなる実施例による容器を示す図である。
【
図6A】一実例として、本発明による反応パッドの可能な形態を示す図である。
【
図6B】一実例として、本発明による反応パッドの可能な形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明を上記の図を参照して説明する。
【0042】
図1を参照すると、本発明の一実施例による尿サンプル用の容器が示される。
【0043】
この説明のために、容器1は常に試験管として説明され、よって、管状の細長い本体2を備え、主本体が尿材の封止領域9を含み、その上端に開口3、及び1つ又は複数の反応パッドが割り当てられている下部の示度領域5を有している。
【0044】
容器が、封止領域に対応し内部に較正済真空を有し、通常の安全要件に効果的に対応する。
【0045】
しかしながら、試験管のこのような管状の形状は、本発明の限定的な特徴ではないことを明確にしておく必要がある。事実、同じ発明概念に対応する他の形態も存在してよい。
【0046】
容器は、開口3を取り外し可能に密閉する封止要素4を含む。封止要素4は、ねじシステム、圧力、又は他の等価なシステムを介して容器に適用され得る。封止要素4は、サンプラ/混合器針20で突き刺し得る材料で形成されなければならないし、前記針20が要素4から取り外された後でさえ、外部環境との気密を保証しなければならない。
【0047】
既に示したように、本発明による容器1は、示度領域5を提供する。このような示度領域5は、本体2の内壁に一体化された1つ又は複数の反応パッド6を保持する。
【0048】
それぞれの反応パッドは、液体を吸収し、それぞれの分析物及び/又は対象の測定のために特に比色反応をもたらし得る。
【0049】
そのような実現の利点の1つは、特定の自動分析器で生化学反応を実行するために、デバイスの外で様々な量の尿を取り上げて運ぶ必要がなくなることである。
【0050】
反応パッドの実施、及び異なる分析物及び/又はパラメータに特有の反応性成分の測定については、以降の説明を参照されたい。
【0051】
以降の
図2Aから
図2Cは、示度領域に対応して、容器の内壁上の反応パッド6の割当状態に関連するいくつかの変形例を示している。
【0052】
具体的には、第1の可能性が
図2Aに示されており、そこでは、反応パッド(1つ又は複数)がストリップ7を基礎にしており、ストリップは示度領域5に対応し本体の内壁にその後固定される。
【0053】
有利なことに、このストリップ7は、非吸収性材料で作られて、反応パッドの吸収を妨げない。さらに、パッドと他の間の空間で不透明にすることで、これは有利に行われ、それによって結果の比色分析示度の間に起こり得る干渉を低減又は排除する。
【0054】
図2Bには別の変形例が示され、本体の内壁が凹部を有し、その全厚に沿ってストリップ7の領域を収容するように適合される。
【0055】
図2Cにはさらなる変形例が示され、本体の内壁が、各反応パッドに対して、その全厚に対してパッドを収容するように適合された対応する凹部領域を表す。
【0056】
図2B及び
図2Cに示される実施例の利点(特に凹部の存在を参照)は、試験管自体の中に接着し、及び/又は溶接することの欠陥を回避するように、特定のハウジング内に収容された反応パッドの配置がより安定することにより構成される。
【0057】
上記の全ての場合において、異なる反応パッド間の本体領域は不透明であることが有利であり、結果の比色分析示度の間に起こり得る干渉を低減又は排除する。
【0058】
本発明の可能な実施例によれば、反応の各個別パッドの背面に、容器の内側に面する面上において、隔離保護フィルム30が有利には設けられていてもよい。隔離保護フィルム30は較正された穴31を有して正確な量の尿と接触することを可能にし、したがって、パッドが同じ尿を過度に吸収するのを回避する。
【0059】
このタイプの分析で重要な側面の1つは、明らかに反応時間であり、既に特定したように、特に短い(60〜120秒)。
【0060】
既知の手順では、尿採取が適切な容器内で行われなければならず、特定の比色反応は、続いて生じるか、又は尿サンプルにストリップを手動で挿入した後に続くか、若しくは他の反応要素に分配される尿液体の少量をサンプルが収容されるデバイスの外へ抽出するのに続く。
【0061】
一実施例によれば、本発明はこの問題にも対処し解決する。
【0063】
図3Aを参照すると、容器1は、封止領域と示度領域との間に位置し不透水性で刺突容易な分離隔壁10を含むことができる。
【0064】
隔壁10は、試験管自体の内側部分を2つの別個の区画、即ち回収又は封鎖室9、及び示度領域5に分けることができる分離面である。
【0065】
区画9は、示度領域5内に位置する反応パッドと接触することなく、分析されるべき尿の最初の採取のために設計される。
【0066】
もちろん、隔壁10は、可能な生物学的基盤を汚染しないように適切な材料で作製されると考えられるべきである。
【0067】
例えば、分離隔壁は、アルミニウムシートの形で完全に作ることができ容易に刺突され得る。
【0068】
代替として、
図3E及び
図3Fに見られるように、分離隔壁は、プラスチック材料の周辺領域11及びアルミニウム製で刺突容易な中央領域(12)を備えてもよい。
【0069】
図3Bに示すように、自動分析器での容器1の使用において、サンプラ及び混合器針20を用いて封止要素4を刺突し、封止領域9に存在する尿を混合することができる。
【0070】
次に、所定の量の尿をサンプラ針20を介して取り出すことができ、これは、尿沈渣の読取りに供され得る。
【0071】
その後、
図3Cに示すように、常にサンプラ針20を通して、隔壁10を刺突し得る。
【0072】
図3Bに示すように、分析器内におけるそのような表面の刺突は、例えば、針サンプラ20又は任意の他の同等のデバイスを用いて実施できる。
【0073】
隔壁10を刺突することにより、試験管の示度領域に尿液が流れ、反応パッドを浸し、正しいタイミングで比色反応を生じさせ得る(
図3D)。
【0074】
既に示されているように、本発明による容器が古典的な試験管の形態で提示されることは厳密には必要ではない。
【0075】
特に、容器は、その高さの全部又は一部に対して正確に円筒形ではなくてもよい。例えば、壁のいくつかの部分は平らであってもよく、分析器のセンサが反応パッドからの比色反応のより良い読取りを可能にする。
【0076】
従って、例えば、試験管又はその一部の断面が異なる形状を提供できる。
【0077】
反応パッドの位置と管の構造に基づいて、分析器の表示中に管自体を自動的に回転させ得る。
【0078】
図4A及び
図4Bは、本発明による容器の可能な形状を実例として示す。
【0079】
この場合、容器は、断面が管状であり、2つの対向する平坦面15、16を有する。
【0080】
これらの面のそれぞれには、これまで説明したように、反応パッド6が配置される。
【0081】
図5A及び
図5Bは、しかしながら、内部に反応パッドが例えば2つの列に配置された単一の平坦な表面17を有する試験管による実施例に関する。
【0082】
有利には、そしてこれまでに記載した実施例のそれぞれについて、各反応パッドはそれによって決定される対応する分析物に関連する英数字でない識別バーコードに関連付けられる。
【0083】
図6A及び
図6Bは、反応パッドに関連する識別コードの可能な実施に関する。
【0084】
具体的には、各試薬パッドは、自動センサによって検出され得るパッド自体の識別コード(例えば、バーコード又はQRコード(登録商標))及び/又は単一反応で上又は下側に印されてもよい。
【0085】
コードは、各コードが1つの基準パッドと一致するように、各反応パッド又は試験管内の粘着ストリップ上で共通の組立において作成することができる。
【0086】
反応パッドの形状は、容器の特定の実施例に応じて異なってもよい(四角形、円形、長方形など)と考えられるべきであり、ハウジングにおけるより良い安定性、及びセンサの最適な読取り表面が可能となる。
【0087】
一例として、
図6Bは四角形の反応パッドを示し、4つの側面のうちの1つに隣接して関連するバーコードを有する。
【0088】
さらに、可能な別の実施例によれば、1つ又は複数の反応パッドが、自動表示中に基準測定として使用される反応性制御パッドの機能を有することが想定され得る。
【0089】
このスポットは表示の役割を有し、一方では、比色分析範囲の色の変化が、最大許容値の反応パッドと尿との間の接触時間の過度の時間を超え、よって試験管の自動示度(又は分析器で続く通過による可能性のある再読取り)は誤っているのでその検証はできない。
【0090】
有利には、管の内側部分に、光学的指針との干渉指数を検出できるスポットもまた挿入し得る。
【0091】
また、自動表示の開始及び終了を示すコード21、22を挿入し得る。
【0092】
完全を期すため、単に実例として、使用された基材と尿中で試験された主なパラメータとの間の反応を測定する一般的な化学原則の簡単な説明を次にする。
【0093】
ビリルビン
酸性環境下でのジアゾニウム塩とのビリルビンのカップリングは、赤色アゾ着色剤をもたらす。
【0094】
色の範囲では次の値が報告される。0(陰性)、1(+)、2(++)、4(+++)mg/dl、又はそれぞれ、0(陰性)、17(+)、35(++)、70(+++)μmol/l。
【0095】
ビリルビン濃度は0.5〜1mg/dlから開始して報告される。
【0096】
タンパク質
この試験は、pH指示薬のタンパク質誤差の原理に基づく。この試験は主としてアルブミンと反応する。
【0097】
色の範囲では、以下の濃度のアルブミンが報告されている。陰性、30、100及び500mg/dl、及びそれぞれ、陰性、0.3、1.0及び5.0g/l。アルブミンの濃度は、約15mg/dlから開始して報告される。
【0098】
血液(ヘモグロビン)
有機ヒドロペルオキシド及び色原体の存在下で、ヘモグロビン及びミオグロビンのペルオキシダーゼ作用は緑色になる。インタクトな赤血球は、反応領域内のカラースポットによって示され、ヘモグロビン及びミオグロビンは、均一な緑色になる。
【0099】
色の範囲では、以下の値が報告される。0(陰性)、ca.5−10、ca.50、ca.300個/μLの赤血球。
【0100】
濃度は、約5個/μLの赤血球から開始して報告される。
【0101】
グルコース
この試験は、特定の反応グルコースオキシダーゼ/ペルオキシダーゼに基づく。
【0102】
色の範囲では、以下の値が報告される。正常、50、100、250、500及び1000mg/dl。グルコース濃度は40mg/dlから開始して報告される。
【0103】
ケトン体
アセト酢酸及びアセトンはアルカリ溶液中でニトロプルシドナトリウムと反応し、紫色の化合物を生じる(法的試験)。
【0104】
色の範囲では、以下のアセト酢酸濃度が報告される。0(陰性)、25(+)、100(++)、及び300(+++)mg/dl、それぞれ、0(陰性)、2.5(+)、10(++)、及び30(+++)μmol/l。
【0105】
ウロビリノーゲン
この試験は、ウロビリノーゲンのジアゾニウム安定塩との反応に基づき、赤色アゾ着色剤をもたらす。
【0106】
色の範囲では、以下の濃度のウロビリノーゲンが報告される。正常、2、4、8、12mg/dl、及び、それぞれ、正常、35、70.140、200μm/l。
【0107】
白血球
顆粒球エステラーゼは、炭酸複素環のエステルを解離させる。このフラグメントはジアゾニウム塩と反応し、紫色に着色する。
【0108】
色の範囲では、以下の値が報告される。0(陰性)、ca.25、ca.75、ca.500個/μLの白血球。濃度は、30 10〜20個/μLの白血球から開始して報告される。
【0109】
亜硝酸塩
このテストは、グリース反応の原理に基づく。全てのピンク色の着色は陽性結果として解釈されるべきであり、尿の105個/mlの細菌の存在を示す。亜硝酸塩の濃度は、0.05〜0.1mg/dlで開始すると報告される。
【0110】
PH
試験には、pH5〜9の値において、オレンジ色から黄色及びシアン色までの範囲の色を明瞭に区別することができる混合指示薬が含まれる。
【0111】
色の範囲では、以下のpH値が報告される。5、6、7、8、9。
【0112】
比重/密度
この試験は、尿中のイオン成分の濃度に依存して、青緑色から緑黄色への試薬の色の変化に基づく。この試験により、1.000と1.030との間の比重の値を測定することが可能になる。
【0113】
色の範囲では、以下の濃度が報告されている。1.000、1.005、1,010、1,020、1,025、及び1,030。
【0114】
上記の各パラメータは、反応パッドの異なる組成に対応する。
【0115】
従って、上記のパラメータに対する基材の反応性成分は、以下の通りであり得る。
・アスコルビン酸:2、6−ジクロロフェノインドフェノール(0.7%)
・ビリルビン:ジアゾニウム塩3.1%
・血液:テトラメチルベンジジン二塩酸塩2.0%、イソプロピルベンゾロ、ヒドロペルオキシド21.0%
・グルコース:グルコースオキシダーゼ2.1%、ペルオキシダーゼ0.9%、o−トルイジン塩酸塩5%
・ケトン体:ニトロプルシドナトリウム2%
・白血球:炭酸エステル0.4%、ジアゾニウム塩0.2%
・亜硝酸塩:テトラニトロベンゾキノリン−3−オール、1.5%、スルファニル酸1.9%
・PH:メチルレッド2.0%、ブロモチモールブルー10.0%
・タンパク質:ブロモフェノールブルーテトラ0.2%
・比重:ブロモチモールブルー2.8%
・ウロビリノーゲン:ジアゾニウム塩3.6%
【0116】
本発明をその好ましい実施例を参照して説明してきた。例として本明細書に記載された実施例で実施される技術的解決策は、有利にはそれらの間で異なって組み合わされ得て、同じ発明の核心に帰属する他の実施例に帰着し、しかしながら、全ては以降に報告する特許請求の範囲の保護の範囲内にあることに留意されたい。
【0117】
特に、本発明の設計及び実施に使用される材料、方法及び技術は、個々の製造会社がその特定のノウハウ、技術及び操作に基づいて実施することができ、その結果、本発明によって表現され請求されるものの一部として常に含まれるいずれの場合にもなる。
【手続補正書】
【提出日】2016年4月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉鎖モードにおいて、自動分析器を介した、分析物及び/又は化学物理学的パラメータ、及び生来の尿の尿沈渣の測定を含む標準的な十分な尿試験を実施するのに適した容器(1)であって、
a)自動及び閉鎖モードでの針によるサンプリングに適した封止要素(4)であって、締め付けられ、刺突可能であって再閉鎖可能な封止要素(4)の付いている開口(3)を有する封止領域(9)と、
b)1つ又は複数の反応パッド(6)を配置した示度領域(5)であって、前記反応パッドが、前記容器の内壁に一体に形成され、各反応パッド(6)が尿の事前に確立した量を吸収し、それぞれの分析物、パラメータ及び/又は参照物に対し特定の比色反応を起こすのに適している、示度領域と、
c)前記封止領域(9)と前記示度領域(5)との間に位置付けられた、不浸透性であって刺突可能な分離隔壁(10)と、
を備える容器(1)。
【請求項2】
前記封止領域(9)が、採取サンプルの主容器から一定量の尿の回収に適した、事前に較正された真空を有する、請求項1に記載の容器(1)。
【請求項3】
前記分離障壁(10)が少なくとも部分的にアルミニウムから製造されている、請求項1に記載の容器(1)。
【請求項4】
前記分離隔壁(10)が、プラスチック材料の周辺領域(11)とアルミニウムの刺突可能な中央領域(12)とを備える、請求項3に記載の容器(1)。
【請求項5】
前記本体の前記内壁が、その全厚に対してそれぞれのパッド(6)を収容するのに適した少なくとも1つの凹部領域を有する、請求項1から4までのいずれか一項に記載の容器(1)。
【請求項6】
前記パッド(6)の1つ又は複数が、前記示度領域(5)の内壁に固定されるストリップ(7)上に製造されている、請求項1から5までのいずれか一項に記載の容器(1)。
【請求項7】
前記示度領域(5)の前記内壁は、その全厚に対し、前記ストリップ(7)を収容するのに適した凹部領域を有する、請求項6に記載の容器(1)。
【請求項8】
前記封止領域(9)及び前記示度領域(5)は、少なくとも平面壁の部分(15、16、17)を有し、前記少なくとも平面壁の部分(15、16、17)に、前記反応パッド(6)が収容されている、請求項1から7までのいずれか一項に記載の容器(1)。
【請求項9】
各反応パッド(6)に、対応する分析物及び/又はパラメータを識別するコード(25)が関連付けられ、前記コードが、前記自動分析器に一体の光学読取器によって認識されるのに適している、請求項1から8までのいずれか一項に記載の容器(1)。
【請求項10】
前記示度領域(5)内に存在する異なる反応パッド(6)間の領域が不透明にされている、請求項1から9までのいずれか一項に記載の容器(1)。
【請求項11】
保護非浸透性フィルム(30)を備え、前記非浸透性フィルムが、前記示度領域(5)において前記容器(1)の内側に向いた前記反応パッド(6)の面上で背面において前記反応パッド(6)に接着されるようにされ、且つ、前記反応パッド(6)の各々に適正な量の尿との接触を可能にする較正された穴(31)を有する、請求項1から10までのいずれか一項に記載の容器(1)。
【請求項12】
閉鎖モードにおいて、自動分析器を介した、物理的化学的検査及びオリジナル(生来)の尿の尿沈渣を含む、自動分析器で尿の標準的な十分な試験を実施する方法であって、
a)請求項1から11までのいずれか一項に記載の容器(1)を、外からの閉鎖モードで、事前に較正された真空からの調整された吸引によって、主採取容器からの尿サンプルで満たすステップと、
b)前記容器(1)を前記自動分析器に積載するステップと、
c)閉鎖モードに従って前記封止領域(9)にサンプラ及び混合器針(20)を差し込むように、前記刺突可能であって再閉鎖可能な封止要素(4)を前記針(20)で突き刺すステップと、
d)前記封止領域(9)に存在する前記サンプルを混合し、閉鎖モードにおいて、所定の量のオリジナル(生来)の尿を取り出すステップと、
e)尿沈渣の自動読取りのために、前記分析器に前記所定の量を送るステップと、
f)前記尿を前記示度領域(5)に流入させて前記反応パッド(6)と接触させるように、前記刺突可能であって再閉鎖可能な封止要素(4)及び前記隔壁(10)を突き刺し、前記サンプラ針(20)を後退させるステップと、
g)色反応の生成のために特定の時間を待つステップと、
h)前記分析器の中に組み込まれたセンサを用いて、前記比色反応の自動読取りを実行するステップと
を含む方法。
【請求項13】
前記読取りのステップは、前記容器(1)を長手軸に沿って回転することを含む、請求項12に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動分析器の最適な使用に対し、関連する化学的物理的パラメータ及び尿沈渣の特徴を測定するために、尿サンプルの採取及び微生物学的でなく標準分析用の容器に関し、容器は、管理、経済及び保健の実施の見地から関連する利点を分析器の作業に供給する。
【背景技術】
【0002】
今日において、以前もそうであるように、標準尿試験は泌尿器だけでなく全身性疾患に関連する診断及び多くの臨床状態の評価において最も重要である。
【0003】
現代の臨床検査医学の他の多くの手術分野と同様に、尿の十分な検査を実施することは長年に渡って操作の自動化の増加を見てきたため、中程度又は高度の活動を行っている研究室は、自動化の適切で効率的なレベルを蔑ろにし得ることなく、日々の多数のサンプル、及び信頼性の高い結果と高い操作品質を短時間で継続的に提供するために必要な要件を適切に供給する。
【0004】
この理由から、この特定の分野で事業を行っている多くの企業は、大部分が統合され多くの時間当たりのサンプル数を処理することができ、LIS(臨床検査情報システム:Laboratory Information System)に直接関連した化学的物理的及び尿沈渣検査の結果を短時間に提供する分析器の製造と提供に努力し、病理学的症例及び/又は診断上の問題に関連した必要且つ適切な評価だけが研究室及び臨床分野の両者の専門家に任される。
【0005】
物理的化学的検査及び尿沈渣の定義は、2つの異なる分析評価を指し、それぞれは、異なる検体及び/又は尿サンプルの特性に関連する非常に特異的なパラメータの所見によって特徴付けられる。
【0006】
自動分析器による尿物理的化学的検査が、屈折計分析及び光散乱方法論を用いて、後に列記する所与の数(通常10個)のパラメータの測定を提供する。
【0007】
尿沈渣の検査が、尿排泄に存在する生物の内因性細胞質(白血球、赤血球、皮膚細胞)並びに外因性のもの(細菌微生物、及びより一般的でない菌類又は寄生微生物)、加えて結晶又は光学顕微鏡で視認可能な他の形成の存在を取り出し、各サンプルの全体、及び/又は微視的分野ごとに、及び/又はマイクロリットルごとに、数値結果を提供する。
【0008】
現在、自動モードで運転するのに、標準で十分な尿検査の実行が2つの異なる別のステージにおいて実現され、それぞれが特定の分析器によって操作上で管理され、それの関連ハードウェアデバイスが別体のままか単一の器具に統合され得る。
【0009】
単純なマルチパラメトリック・ストリップの使用を介しての定期的な尿検査が、大多数の病気に対する第1の診断ステップを代表する。尿検査に対する共通の診断ストリップがプラスチック又は紙リボンによって作られ、通常5mm以下の幅で反応パッドがコーティングされ、尿に存在する特定の物質が化学比色反応を通じて検出できる適当な基材が用いられる。このように尿物質と接触することで臨床診断対象の尿パラメータの同時検出が達成される。
【0010】
市場において多種のストリップがあり、陽性/陰性としてのみ表わされる結果となる定性タイプ、及び、検出された分析物/パラメータの濃度の推定を追加する半定量タイプがある。後者において、特定の基準範囲と比較したときに基材の色反応が濃度に比例する。
【0011】
尿診断ストリップの標準的なタイプは一般に10個の反応パッドを含み、それらがそれぞれ尿サンプル特性を強調するのに特定の化学反応を用いる。
【0012】
測定されたパラメータが、一般に色、汚濁、PH、比重、タンパク質、ブドウ糖、ビリルビン、ウロビリノーゲン、ケトン体、ヘモグロビン、亜硝酸塩、及び白血球によって表わされる。
【0013】
ストリップの基材と尿サンプルとの間の接触が、通常数秒続く浸漬によって達成され、次の反応の示度時間が60〜120秒の間である。これらの値を超えると、反応が正しく判定され得ない。
【0014】
手動の方法が採用される場合、検査を実施する従事者によって、強調された色が各特定分析物に対する基準色スケールと比較される。
【0015】
後者の場合、手順は以降の操作ステップを含み、従事者によって実行される。
1.ストリップを尿見本に数秒間完全に浸漬して正しく混合する。
2.続いてストリップを抜いて残りの過度の尿全てを捨てる。
3.確実に、一般に60〜120秒の間に尿とストリップの反応パッドと接触させる。
4.生成された色を各分析物に特定の色スケールと視覚的に比較する。色スケールは通常供給者によってストリップを含むパッケージとともに利用できる。
【0016】
正しくない不適切な操作によって簡単に誤分析に至るが、その最も一般的なものとして、以下がある。
・ストリップの浸漬の前にサンプルが正しく混合されていない場合、赤血球と白血球の存在が過小評価される、というのはこれらの細胞要素が重力で試験管の底に落下し易いからである。
・ストリップから過度の尿を除去するのに失敗し、次いで尿が反応パッドから近くのパッドまで拡がって、これにより色変化まで生じさせて不正確な結果になる。この理由のため、過度の尿を除去するためにストリップの縁部に吸収紙を適用するのが推奨される。
【0017】
自動分析器を用いて、少量の尿が適当なサンプルホルダ・ラックに配置されたオリジナルの尿サンプルから適当なサンプル針を用いて抜き取られ、次いで、分析器の中に事前に置かれたストリップの反応基材に供給される。ストリップに置かれた反応パッドの比色分析示度がLED技術で自動読取りによって実行され、結果が国際的に検証されたユニットで提供される。色変化の示度が、見つけられた分析物/パラメータの特質及び量に依存し、所定色スケールに基づいて所期の波長で生じる。結果が定性又は半定量の方法で表示される。
【0018】
現在、自動化モード及び上述した化学的物理的特性の測定のために、この目的の専用のハードウェア及びソフトウェアの存在が必要であり、それらは他の異なる器具類に動作可能に接続され、上記で特定したように尿沈渣の検査を実行するのにも適する。
【0019】
今日、様々な容器が検査診断学に使用するのに利用でき、尿サンプルを採取し、同じ容器内において種々のパラメータ及び/又は分析物を測定できる。
【0020】
それらのほとんどは、いわゆる乱用薬物の前提から生じる尿中の異化作用の検出のためのスクリーニング検査の実施を提供する。それらの使用が増加しているので、スポーツ、政府、健康の構造や組織は、この現象の上昇の拡大を抑制し防止するために、加えて、職場、公共の秩序、特に犯罪事件及び/又は交通事故の場合での明白なセキュリティ上の理由のために、ますます緊密なプログラムの適用を必要としている。このようなデバイスには、この理由のために幾つかの密封システム及び安全対策が設けられ、置き換えや改ざんなど、偶然に尿サンプルをこぼしたり開封したりするのを避けることを目的とし、蓋の不完全な閉塞の視覚的及び音響的表示の両方を伴う場合がある。
【0021】
これらの場合、求める材料の特定の類型論を考慮して、使用される分析方法論は比色分析ではなく(本発明により反対に提供されるように)、免疫学的試験の古典的原理(イムノアッセイ)を使用し、少量の尿サンプルを毛細管現象により反応性ストリップに吸収させ、抗原/抗体複合体の形成及び「試験」位置における線状反応バンドの有無を生じさせ、それは方法が反応の特異的な制御バンドとともに競合的に結合を利用するかどうかに依存する。このタイプの試験から得られる情報は、場合により画像自体を保存し得る従事者の評価によって陰性/陽性の結果のみが提供されるので、定性的なものである。従事者による結果の評価は、必ずしも比色反応のために提供されたものとは異なる所定の時間範囲内になされなければならず、一般的に反応性ストリップによってサンプルが吸収された瞬間から開始して5〜10分の間であり、そうでなければ、試験の結果は解釈不可能と考えられる。いずれにしても、試験の後に残った尿は、尿沈渣の検査のために続けて処理はできず(本発明が逆に提供するのだが)、薬物乱用の消費にのみ関連するその後の潜在的な確認試験のみに処理され得る。
【0022】
検査中のストリップ及び対応する分析物は、求められる物質の代謝産物に対応する単純なアルファベット順のコードで識別され、従事者だけが検出された分析物を手動で読取り中にコードを使用する。
【0023】
対象分野が化学的物理的パラメータと尿沈渣の測定によって表される場合、ほとんど全ての既存の容器は採取に使用される容器の外に一定量の尿サンプルの回収を必要とし、このように、パラメータの評価は手動モードと自動モードの両方で管の外でのみ行われる。後者の場合、これは、所定の量の尿を分配デバイスを通して移送することによって起こり、その後、自動器具内で以前に処理され配置されたストリップ上の反応の示度が得られる。
【0024】
しかしながら、内部に反応性ストリップを組み込んだ尿採取用の容器が提案されても、関連する操作手順は、一次管に尿を最初に採取した後にその内部のサンプルを手動で移送する必要があり、したがって開放系を有し且つ従事者が結果を手動で読取るモードだけである。この尿沈殿は、光学顕微鏡を使用して手動モードで常に実行される場合にのみ尿沈渣の読取りに利用され得る。
【0025】
いずれにせよ、既に知られているものの中の尿容器は、自動分析器によって沈渣と共に物理的及び化学的パラメータの十分な検査を可能にするものはなく、というのは、その目的に完全に不適当であるか、又は一般に使用される標準的な容器の場合には尿の所定量が器具の内部に適切に入れられ、容器自体に固定されていない区画で分析されるという条件でのみ使用されるからである。
【0026】
特許文献1には、内側容器と外側容器を有する、薬物検出のための容器が開示されている。内側容器は、封止領域としての役割を果たし、外側容器は、検出/読取領域としての役割を果たす。内側容器から外側容器の中への尿の通路が、隔壁を壊すことによって得られ、容器がねじキャップによって閉じられたときに壊れる。内側容器上のキャップの圧力が障壁を壊す先端部に対して内側容器を推し進めて、検出/読取領域に向かって尿が流れるようにする。
【0027】
これに対して、本発明の目的を用いれば、尿サンプルの化学的及び物理的パラメータの自動処理は、容器自体の構造内部の分析領域で行われ、反応性ストリップ上のサンプルを外で処理する前述のステップに従業者の関わることなく、その結果は分析器による評価に有効に利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0028】
【特許文献1】国際公開第2011/071364号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
本発明の目的は、自動モードでの尿の標準検査の分析操作を改善することであり、手動の方法の場合でも、上記の問題及び課題を克服することであり、これは、構造自体に、特許請求の範囲の請求項1で定義される上記で特定されたパラメータを検出することが可能な個々の反応パッドを組み込む容器を採用すること、並びに以降によりよく説明され請求項12で定義される独自の手順ステップを介することで達成される。
【0030】
本発明のさらなる特徴は、対応する従属請求項に定義される。
【0031】
本発明は、既知の手順の操作特性と比較して、泌尿器診断に含まれる化学的及び物理的パラメータのマルチパラメトリック分析をより機能的にする多数の明らかな利点を定義する。
【0032】
特に、既知の手順は、手動モードでは、複数のパラメトリック・ストリップを尿液中に浸漬した結果、各反応パッドに同時に標準化されていない接触が生じる結果として反応が起こることを示す。自動モードでは、ストリップ上の尿の分配は、較正された先端によって自動化される。手動モードと自動モードの両方で、マルチパラメトリック・ストリップは検査中の尿サンプルを採取する標準的な容器と一体化していない。
【課題を解決するための手段】
【0033】
本発明はデバイス自体の中に一体化しデバイス自体に結合する個々の単一反応パッドを提供し、反応パッドが標準化された尿の量に接触して検出された分析物/パラメータの濃度に応じて特定の比色反応を示す。
【0034】
各パッドの位置は、特定の向きに制約されるのではなく、デバイス内部の利用可能な空間に制限され、反応性基材の吸収の形態は変わることがない。
【0035】
過度の量の尿との接触に関連するアーチファクトを回避するために、適切に較正された反応表面で尿サンプルとの直接的な接触によってパッドの吸収が生じる。
【0036】
さらに、単一反応パッドの組立及び使用によって、本発明による容器は、医療従事者による手動の介入を必要としない。デバイスが手動モードで使用される場合、唯一必要な従事者の介入が閉鎖系内であり、外部への尿の流出がなく、適切な閉鎖キャップを介してデバイス自体の内部の隔壁を貫通させる。さらに、本発明のデバイスは、閉鎖モードで適切な量の尿を採取し、外部に汚染の可能性がないように、真空吸引のシステムを有利に提供する。
【0037】
構造化された容器についてデバイスの構成を次に示す。
i) 分析的に十分な自動化された機器で容器を使用できることで、そのため標準的且つ完全な尿検査の実施が可能になる
ii) 現在の自動分析器を装備しているハードウェア及びソフトウェアの、より主要な部分を使用する必要がなくなり得ること
iii) 運転ルーチンをスピードアップする能力
iv) 自動分析器内部の反応性ストリップの収容及び取り扱いに関連する問題の排除、並びにそれらの別々の廃棄
【0038】
特に既知の手順とは異なり、本発明は以下に列挙する特有の特徴のために典型的には自動分析器に使用するのに適している。
a)自動分析器のルーチンによって使用されるサンプルホルダ・ラックに収容されることができる容器の標準寸法
b)サンプル採取の一次容器から出る尿の正確で最適な量を採取するのに適した、デバイスの内部に較正済真空が存在
c)自動モードでの針/先端によるサンプリングに適した刺突可能で再閉鎖可能な閉鎖の存在
d)内部の分離隔壁を用いた革新的手順の定義によって制御される、標準化され従事者に依存しない尿サンプル及び比色分析反応パッドの適切な反応時間の保証
e)統合光学センサによる自動読取りに適した反応パッドの露出モード
f)自動分析器に組み込まれた光学読取装置による自動認識に適したバーコードによる反応パッドの識別
g)自動読取りを開始及び終了させるスポットの存在であって、技術的な誤り及び/又は読取りアーチファクトに対し合図もするスポット
特に、特性d)は絶対に必須であり、自動分析器に要求される品質基準を十分に満たす。
【0039】
この容器は、自動分析器によるこれらの検査の外部処理のための尿の特定の量の回収、並びに尿検査サンプル上の反応性ストリップの手作業による取り外しを排除する。さらに、従来の反応性ストリップとの接触を可能にするために、手動モードでデバイスの開口部を不要にし、生物学的汚染の関連する危険性を低減する。
【0040】
本発明の目的の1つは、尿の物理的化学的分析に専用された統合された又は別個の計器の使用をもはや必要としないことでもあり、色反応のLED読取りだけで十分とし、尿沈渣の為に特定の分析器に容易に載置され得る。
【0041】
生産性及び使用の容易性の向上、分析器の汚染度の低下、及びそのように構造化されている分析器の製造、供給、保守及びサービスに関連するコストの大幅な削減を見れば、したがって、このデバイスの操作上の利点は経済的及び操作上の利点である。
【0042】
本発明から生じる利点は、所与のデバイスの使用の特徴及び条件とともに上述の目的に適した、例示的に但し限定的な目的でなく提示されたその実施例に関する以降の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】本発明の一実施例による容器の斜視図である。
【
図2A】一実例として、本発明による容器の実施例の可能な変形例である。
【
図2B】一実例として、本発明による容器の実施例の可能な変形例である。
【
図2C】一実例として、本発明による容器の実施例の可能な変形例である。
【
図3A】本発明のさらなる実施例による容器の使用法を示す図である。
【
図3B】本発明のさらなる実施例による容器の使用法を示す図である。
【
図3C】本発明のさらなる実施例による容器の使用法を示す図である。
【
図3D】本発明のさらなる実施例による容器の使用法を示す図である。
【
図3E】本発明による容器の分離隔壁の可能な実施例を示す。
【
図3F】本発明による容器の分離隔壁の可能な実施例を示す。
【
図4A】本発明のさらなる実施例による容器を示す図である。
【
図4B】本発明のさらなる実施例による容器を示す図である。
【
図5A】本発明のさらなる実施例による容器を示す図である。
【
図5B】本発明のさらなる実施例による容器を示す図である。
【
図6A】一実例として、本発明による反応パッドの可能な形態を示す図である。
【
図6B】一実例として、本発明による反応パッドの可能な形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明を上記の図を参照して説明する。
【0045】
図1を参照すると、本発明の一実施例による尿サンプル用の容器が示される。
【0046】
この説明のために、容器1は常に試験管として説明され、よって、管状の細長い本体2を備え、主本体が尿材の封止領域9を含み、その上端に開口3、及び1つ又は複数の反応パッドが割り当てられている下部の示度領域5を有している。
【0047】
容器が、封止領域に対応し内部に較正済真空を有し、通常の安全要件に効果的に対応する。
【0048】
しかしながら、試験管のこのような管状の形状は、本発明の限定的な特徴ではないことを明確にしておく必要がある。事実、同じ発明概念に対応する他の形態も存在してよい。
【0049】
容器は、開口3を取り外し可能に密閉する封止要素4を含む。封止要素4は、ねじシステム、圧力、又は他の等価なシステムを介して容器に適用され得る。封止要素4は、サンプラ/混合器針20で突き刺し得る材料で形成されなければならないし、前記針20が要素4から取り外された後でさえ、外部環境との気密を保証しなければならない。
【0050】
既に示したように、本発明による容器1は、示度領域5を提供する。このような示度領域5は、本体2の内壁に一体化された1つ又は複数の反応パッド6を保持する。
【0051】
それぞれの反応パッドは、液体を吸収し、それぞれの分析物及び/又は対象の測定のために特に比色反応をもたらし得る。
【0052】
そのような実現の利点の1つは、特定の自動分析器で生化学反応を実行するために、デバイスの外で様々な量の尿を取り上げて運ぶ必要がなくなることである。
【0053】
反応パッドの実施、及び異なる分析物及び/又はパラメータに特有の反応性成分の測定については、以降の説明を参照されたい。
【0054】
以降の
図2Aから
図2Cは、示度領域に対応して、容器の内壁上の反応パッド6の割当状態に関連するいくつかの変形例を示している。
【0055】
具体的には、第1の可能性が
図2Aに示されており、そこでは、反応パッド(1つ又は複数)がストリップ7を基礎にしており、ストリップは示度領域5に対応し本体の内壁にその後固定される。
【0056】
有利なことに、このストリップ7は、非吸収性材料で作られて、反応パッドの吸収を妨げない。さらに、パッドと他の間の空間で不透明にすることで、これは有利に行われ、それによって結果の比色分析示度の間に起こり得る干渉を低減又は排除する。
【0057】
図2Bには別の変形例が示され、本体の内壁が凹部を有し、その全厚に沿ってストリップ7の領域を収容するように適合される。
【0058】
図2Cにはさらなる変形例が示され、本体の内壁が、各反応パッドに対して、その全厚に対してパッドを収容するように適合された対応する凹部領域を表す。
【0059】
図2B及び
図2Cに示される実施例の利点(特に凹部の存在を参照)は、試験管自体の中に接着し、及び/又は溶接することの欠陥を回避するように、特定のハウジング内に収容された反応パッドの配置がより安定することにより構成される。
【0060】
上記の全ての場合において、異なる反応パッド間の本体領域は不透明であることが有利であり、結果の比色分析示度の間に起こり得る干渉を低減又は排除する。
【0061】
本発明の可能な実施例によれば、反応の各個別パッドの背面に、容器の内側に面する面上において、隔離保護フィルム30が有利には設けられていてもよい。隔離保護フィルム30は較正された穴31を有して正確な量の尿と接触することを可能にし、したがって、パッドが同じ尿を過度に吸収するのを回避する。
【0062】
このタイプの分析で重要な側面の1つは、明らかに反応時間であり、既に特定したように、特に短い(60〜120秒)。
【0063】
既知の手順では、尿採取が適切な容器内で行われなければならず、特定の比色反応は、続いて生じるか、又は尿サンプルにストリップを手動で挿入した後に続くか、若しくは他の反応要素に分配される尿液体の少量をサンプルが収容されるデバイスの外へ抽出するのに続く。
【0064】
一実施例によれば、本発明はこの問題にも対処し解決する。
【0066】
図3Aを参照すると、容器1は、封止領域と示度領域との間に位置し不透水性で刺突容易な分離隔壁10を含むことができる。
【0067】
隔壁10は、試験管自体の内側部分を2つの別個の区画、即ち回収又は封鎖室9、及び示度領域5に分けることができる分離面である。
【0068】
区画9は、示度領域5内に位置する反応パッドと接触することなく、分析されるべき尿の最初の採取のために設計される。
【0069】
もちろん、隔壁10は、可能な生物学的基盤を汚染しないように適切な材料で作製されると考えられるべきである。
【0070】
例えば、分離隔壁は、アルミニウムシートの形で完全に作ることができ容易に刺突され得る。
【0071】
代替として、
図3E及び
図3Fに見られるように、分離隔壁は、プラスチック材料の周辺領域11及びアルミニウム製で刺突容易な中央領域(12)を備えてもよい。
【0072】
図3Bに示すように、自動分析器での容器1の使用において、サンプラ及び混合器針20を用いて封止要素4を刺突し、封止領域9に存在する尿を混合することができる。
【0073】
次に、所定の量の尿をサンプラ針20を介して取り出すことができ、これは、尿沈渣の読取りに供され得る。
【0074】
その後、
図3Cに示すように、常にサンプラ針20を通して、隔壁10を刺突し得る。
【0075】
図3Bに示すように、分析器内におけるそのような表面の刺突は、例えば、針サンプラ20又は任意の他の同等のデバイスを用いて実施できる。
【0076】
隔壁10を刺突することにより、試験管の示度領域に尿液が流れ、反応パッドを浸し、正しいタイミングで比色反応を生じさせ得る(
図3D)。
【0077】
既に示されているように、本発明による容器が古典的な試験管の形態で提示されることは厳密には必要ではない。
【0078】
特に、容器は、その高さの全部又は一部に対して正確に円筒形ではなくてもよい。例えば、壁のいくつかの部分は平らであってもよく、分析器のセンサが反応パッドからの比色反応のより良い読取りを可能にする。
【0079】
従って、例えば、試験管又はその一部の断面が異なる形状を提供できる。
【0080】
反応パッドの位置と管の構造に基づいて、分析器の表示中に管自体を自動的に回転させ得る。
【0081】
図4A及び
図4Bは、本発明による容器の可能な形状を実例として示す。
【0082】
この場合、容器は、断面が管状であり、2つの対向する平坦面15、16を有する。
【0083】
これらの面のそれぞれには、これまで説明したように、反応パッド6が配置される。
【0084】
図5A及び
図5Bは、しかしながら、内部に反応パッドが例えば2つの列に配置された単一の平坦な表面17を有する試験管による実施例に関する。
【0085】
有利には、そしてこれまでに記載した実施例のそれぞれについて、各反応パッドはそれによって決定される対応する分析物に関連する英数字でない識別バーコードに関連付けられる。
【0086】
図6A及び
図6Bは、反応パッドに関連する識別コードの可能な実施に関する。
【0087】
具体的には、各試薬パッドは、自動センサによって検出され得るパッド自体の識別コード(例えば、バーコード又はQRコード(登録商標))及び/又は単一反応で上又は下側に印されてもよい。
【0088】
コードは、各コードが1つの基準パッドと一致するように、各反応パッド又は試験管内の粘着ストリップ上で共通の組立において作成することができる。
【0089】
反応パッドの形状は、容器の特定の実施例に応じて異なってもよい(四角形、円形、長方形など)と考えられるべきであり、ハウジングにおけるより良い安定性、及びセンサの最適な読取り表面が可能となる。
【0090】
一例として、
図6Bは四角形の反応パッドを示し、4つの側面のうちの1つに隣接して関連するバーコードを有する。
【0091】
さらに、可能な別の実施例によれば、1つ又は複数の反応パッドが、自動表示中に基準測定として使用される反応性制御パッドの機能を有することが想定され得る。
【0092】
このスポットは表示の役割を有し、一方では、比色分析範囲の色の変化が、最大許容値の反応パッドと尿との間の接触時間の過度の時間を超え、よって試験管の自動示度(又は分析器で続く通過による可能性のある再読取り)は誤っているのでその検証はできない。
【0093】
有利には、管の内側部分に、光学的指針との干渉指数を検出できるスポットもまた挿入し得る。
【0094】
また、自動表示の開始及び終了を示すコード21、22を挿入し得る。
【0095】
完全を期すため、単に実例として、使用された基材と尿中で試験された主なパラメータとの間の反応を測定する一般的な化学原則の簡単な説明を次にする。
【0096】
ビリルビン
酸性環境下でのジアゾニウム塩とのビリルビンのカップリングは、赤色アゾ着色剤をもたらす。
【0097】
色の範囲では次の値が報告される。0(陰性)、1(+)、2(++)、4(+++)mg/dl、又はそれぞれ、0(陰性)、17(+)、35(++)、70(+++)μmol/l。
【0098】
ビリルビン濃度は0.5〜1mg/dlから開始して報告される。
【0099】
タンパク質
この試験は、pH指示薬のタンパク質誤差の原理に基づく。この試験は主としてアルブミンと反応する。
【0100】
色の範囲では、以下の濃度のアルブミンが報告されている。陰性、30、100及び500mg/dl、及びそれぞれ、陰性、0.3、1.0及び5.0g/l。アルブミンの濃度は、約15mg/dlから開始して報告される。
【0101】
血液(ヘモグロビン)
有機ヒドロペルオキシド及び色原体の存在下で、ヘモグロビン及びミオグロビンのペルオキシダーゼ作用は緑色になる。インタクトな赤血球は、反応領域内のカラースポットによって示され、ヘモグロビン及びミオグロビンは、均一な緑色になる。
【0102】
色の範囲では、以下の値が報告される。0(陰性)、ca.5−10、ca.50、ca.300個/μLの赤血球。
【0103】
濃度は、約5個/μLの赤血球から開始して報告される。
【0104】
グルコース
この試験は、特定の反応グルコースオキシダーゼ/ペルオキシダーゼに基づく。
【0105】
色の範囲では、以下の値が報告される。正常、50、100、250、500及び1000mg/dl。グルコース濃度は40mg/dlから開始して報告される。
【0106】
ケトン体
アセト酢酸及びアセトンはアルカリ溶液中でニトロプルシドナトリウムと反応し、紫色の化合物を生じる(法的試験)。
【0107】
色の範囲では、以下のアセト酢酸濃度が報告される。0(陰性)、25(+)、100(++)、及び300(+++)mg/dl、それぞれ、0(陰性)、2.5(+)、10(++)、及び30(+++)μmol/l。
【0108】
ウロビリノーゲン
この試験は、ウロビリノーゲンのジアゾニウム安定塩との反応に基づき、赤色アゾ着色剤をもたらす。
【0109】
色の範囲では、以下の濃度のウロビリノーゲンが報告される。正常、2、4、8、12mg/dl、及び、それぞれ、正常、35、70.140、200μm/l。
【0110】
白血球
顆粒球エステラーゼは、炭酸複素環のエステルを解離させる。このフラグメントはジアゾニウム塩と反応し、紫色に着色する。
【0111】
色の範囲では、以下の値が報告される。0(陰性)、ca.25、ca.75、ca.500個/μLの白血球。濃度は、30 10〜20個/μLの白血球から開始して報告される。
【0112】
亜硝酸塩
このテストは、グリース反応の原理に基づく。全てのピンク色の着色は陽性結果として解釈されるべきであり、尿の105個/mlの細菌の存在を示す。亜硝酸塩の濃度は、0.05〜0.1mg/dlで開始すると報告される。
【0113】
PH
試験には、pH5〜9の値において、オレンジ色から黄色及びシアン色までの範囲の色を明瞭に区別することができる混合指示薬が含まれる。
【0114】
色の範囲では、以下のpH値が報告される。5、6、7、8、9。
【0115】
比重/密度
この試験は、尿中のイオン成分の濃度に依存して、青緑色から緑黄色への試薬の色の変化に基づく。この試験により、1.000と1.030との間の比重の値を測定することが可能になる。
【0116】
色の範囲では、以下の濃度が報告されている。1.000、1.005、1,010、1,020、1,025、及び1,030。
【0117】
上記の各パラメータは、反応パッドの異なる組成に対応する。
【0118】
従って、上記のパラメータに対する基材の反応性成分は、以下の通りであり得る。
・アスコルビン酸:2、6−ジクロロフェノインドフェノール(0.7%)
・ビリルビン:ジアゾニウム塩3.1%
・血液:テトラメチルベンジジン二塩酸塩2.0%、イソプロピルベンゾロ、ヒドロペルオキシド21.0%
・グルコース:グルコースオキシダーゼ2.1%、ペルオキシダーゼ0.9%、o−トルイジン塩酸塩5%
・ケトン体:ニトロプルシドナトリウム2%
・白血球:炭酸エステル0.4%、ジアゾニウム塩0.2%
・亜硝酸塩:テトラニトロベンゾキノリン−3−オール、1.5%、スルファニル酸1.9%
・PH:メチルレッド2.0%、ブロモチモールブルー10.0%
・タンパク質:ブロモフェノールブルーテトラ0.2%
・比重:ブロモチモールブルー2.8%
・ウロビリノーゲン:ジアゾニウム塩3.6%
【0119】
本発明をその好ましい実施例を参照して説明してきた。例として本明細書に記載された実施例で実施される技術的解決策は、有利にはそれらの間で異なって組み合わされ得て、同じ発明の核心に帰属する他の実施例に帰着し、しかしながら、全ては以降に報告する特許請求の範囲の保護の範囲内にあることに留意されたい。
【0120】
特に、本発明の設計及び実施に使用される材料、方法及び技術は、個々の製造会社がその特定のノウハウ、技術及び操作に基づいて実施することができ、その結果、本発明によって表現され請求されるものの一部として常に含まれるいずれの場合にもなる。
【国際調査報告】