(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-522007(P2017-522007A)
(43)【公表日】2017年8月10日
(54)【発明の名称】フィトケミカル強化水
(51)【国際特許分類】
A23L 2/52 20060101AFI20170714BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20170714BHJP
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A61K 127/00 20060101ALN20170714BHJP
【FI】
A23L2/00 F
A23L33/105
A61K36/80
A61K36/23
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A61K127:00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2016-570073(P2016-570073)
(86)(22)【出願日】2014年6月2日
(85)【翻訳文提出日】2017年1月24日
(86)【国際出願番号】US2014040489
(87)【国際公開番号】WO2015187120
(87)【国際公開日】20151210
(81)【指定国】
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(71)【出願人】
【識別番号】516355069
【氏名又は名称】トーマス トーマス ナダカル
(71)【出願人】
【識別番号】516355070
【氏名又は名称】トーマス プレム マニ
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】トーマス トーマス ナダカル
(72)【発明者】
【氏名】トーマス プレム マニ
【テーマコード(参考)】
4B018
4B117
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4C084
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4C088
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
【課題】 植物フィトケミカルを含む流体、例えば飲料水の方法と製剤を開示する。
【解決手段】 植物の中には、根茎がなくても水中での生存が可能なものがあり、その製剤には、水などの流体と、流体内で維持される1又は複数の植物を含む。冷却保存すると、植物からのバコサイド及びバコパシド等のフィトケミカルの生成と、そのフィトケミカルの流体への抽出が促される。これらのフィトケミカルは、抗酸化特性を呈し、記憶力を向上させ、付加的な健康効果を提供するとともに、ボトル入り飲料水又は他の流体を、適切な水和反応を確実に行うための手段として置き換えるものである。流体は、注意力を向上させるのに有用である。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィトケミカル強化流体の調製方法であって、
バコパ、センテラ、又はそれらを合わせたものの地上部分又は葉の部分を得る工程と、
少なくとも微量の無機物を有する流体を得る工程と、
前記微量の無機物は、少なくともナトリウム、カルシウム、及びカリウムであり、
前記流体はpHが5.5或いはそれよりも大きく、
前記バコパ、センテラ、又はそれらを合わせたものの地上部分又は葉の部分を前記流体内に置き、抽出流体を形成する工程と、
前記抽出流体を約1.7℃で少なくとも2週間保存する工程と
を含む方法。
【請求項2】
前記バコパ又はセンテラの地上部分は、枝の頂点から8〜10cmのところで回収される、請求項1の方法。
【請求項3】
前記抽出流体は1.7℃で保存される、請求項1の方法。
【請求項4】
前記抽出流体はpH7〜7.8である、請求項1の方法。
【請求項5】
前記抽出流体はpH7又はpH7.8である、請求項4の方法。
【請求項6】
前記バコパ又はセンテラ又はそれらを合わせたものの地上部分又は葉の部分は、流体100ml当たり1〜4gで加えられる、請求項1の方法。
【請求項7】
前記抽出流体は、バコパ、センテラ、又はそれらを合わせたものからバコサイドA3を抽出し、前記バコサイドA3は水100ml当たり0.43〜0.56mgの値を有する、請求項1の方法。
【請求項8】
前記抽出流体は、バコパ、センテラ、又はそれらを合わせたものからバコパシドIIを抽出し、前記バコパシドIIは水100ml当たり2.0〜2.43mgの値を有する、請求項1の方法。
【請求項9】
前記抽出流体は、バコパ、センテラ、又はそれらを合わせたものからバコパシドXを抽出し、前記バコパシドXは水100ml当たり0.32〜0.81mgの値を有する、請求項1の方法。
【請求項10】
前記抽出流体は、バコパ、センテラ、又はそれらを合わせたものからバコサポリンCを抽出し、前記バコサポリンCは水100ml当たり0.72〜0.96mgの値を有する、請求項1の方法。
【請求項11】
前記抽出流体又は流体に食物繊維を加える工程を更に含む、請求項1の方法。
【請求項12】
前記抽出流体又は流体に香料を加える工程を更に含む、請求項1の方法。
【請求項13】
前記香料は、ベリー風味、果物風味、香辛料風味、コーヒー風味、紅茶風味、ビタミン、無機物、繊維、香辛料、スクラロース、アスパラテーム、デキストロースアスパラテミンとマルトデキシトリンの結合物、サイクラメイト、サッカリン、ネオターム、アセフルテームカリウム、アリテーム、サイクラミン酸ナトリウム、グリシン、D-タガトース、モグロシド、ステビアステシオシド、サクロース、マンニトール、ブラゼイン、クルクリン、エリトリトール、グリセロール、クリクルヒジン、イヌリン、イソマルト、ラクチトール、ミラクリン、モナチン、モネリン、ペンタジン、ソルビトール、サウマイン、キシリトール、蜂蜜を含む、請求項12の方法。
【請求項14】
人工甘味料の濃度は、1×105〜2×101g/Lであり、天然甘味料の濃度は、1.46×101Mである、請求項12の方法。
【請求項15】
前記微量の無機物は無機塩により供給され、前記無機塩は、CaCl2、NaCl、MgCl2、VCl、KCl、 CrCl、MnCl2、CoCl、CuCl、ZuCl2、MoCl、SeCl、CaSO4、Na2SO4、MgSO4、VSO4、KSO4、Cr2SO4、MnSO4、CoSO4、Cu2SO4、ZnSO4、MO2SO4、SeSO4、CaI2、NaI、MgI2、VI、KI、CrI、MnI2、CoI、CuI、ZnI2、MoI、SeI、CaBr2、NaBr、MgBr2、VBr、KBr、CrBr、MnBr2、CoBr、CuBr、ZuBr2、MoBr、SeBrである、請求項1の方法。
【請求項16】
前記無機塩は、1×101mg/L〜2×102 mg/Lで加えられる、請求項15の方法。
【請求項17】
前記無機塩は少なくとも1個の食餌無機物を供給し、前記食餌無機物は、2 mg/L〜20 mg/Lのカルシウムと、4 mg/L〜15 mg/Lのマグネシウムと、5 mg/L〜20 mg/Lのナトリウムと、0.2 mg/L〜6.0 mg/Lのカリウムと、5 mg/L〜15 mg/Lの塩化物と、100 mg/L〜200 mg/Lの重炭酸塩である、請求項16の方法。
【請求項18】
前記抽出流体に炭酸ガスを入れる工程を更に含む、請求項1の方法。
【請求項19】
少なくとも1個の加工済フィトケミカル源を付加することによりフィトケミカル値を上げる工程を更に含み、
前記加工済フィトケミカル源は、粉末状バコパ、粉末状センテラ、粉末状バコパ地上植物部分、粉末状センテラ地上植物部分、バコパ水抽出物、センテラ水抽出物、バコパアルコール抽出物、センテラアルコール抽出物、乾燥バコパ地上植物部分、乾燥センテラ地上植物部分である
請求項1の方法。
【請求項20】
前記流体と、バコパ、センテラ、或いはそれらを合わせたものの地上部分又は葉の部分を保存容器に置く工程を更に含み、
均質化装置を前記保存容器に載置し、前記均質化装置は電気式ブレンダ、機械式ブレンダ、又は超音波破砕装置であり、
前記電気式ブレンダは更に、
前記保存容器に回転可能に固定される均質化装置の刃と、
前記均質化装置の刃の回転軸に沿って載置される電気モータと、
前記電気モータと電気的に連通する電源と、
前記電源から前記電気モータへの電流を制御するように適合させられるスイッチ、トグルスイッチ、瞬時スイッチ又はボタンを含み、
前記機械式ブレンダは更に、
前記保存容器に回転可能に固定される均質化装置の刃と、
外部源からの機械的入力を受け入れるように適合されるハンドクランク又はシャフトを含み、
前記超音波破砕装置は更に、
超音波バー又はフォークと、
前記超音波バー又はフォークと電気的に連通する電源と、
前記電源から前記超音波バー又はフォークへの電流を制御するように適合されるスイッチ、トグルスイッチ、瞬時スイッチ又はボタンを含む
請求項1の方法。
【請求項21】
薬用植物のフィトケミケル生成促進方法であって、
バコパ、センテラ、又はそれらを合わせたものの少なくとも地上部分又は葉の部分を得る工程と、
少なくとも微量の無機物を有する流体を得る工程と、
前記微量の無機塩は少なくともナトリウム、カルシウム、及びカリウムであり、
前記流体はpHが5.5又はそれよりも高く、
前記バコパ、センテラ、又はそれらを合わせたものの地上部分又は葉の部分を前記流体に入れて、抽出流体を形成する工程と、
前記抽出流体を約1.7℃で少なくとも2週間保存する工程と
を含む方法。
【請求項22】
前記抽出流体は1.7℃で保存される、請求項21の方法。
【請求項23】
前記抽出流体は、pHが7〜7.8である、請求項21の方法。
【請求項24】
前記抽出流体は、pHが7又は7.8である、請求項23の方法。
【請求項25】
前記バコパ、センテラ、又はそれらを合わせたものの地上部分又は葉の部分は、流体100ml当たり1g〜4gが加えられる、請求項21の方法。
【請求項26】
前記微量の無機物は無機塩により供給され、前記無機塩は、CaCl2、NaCl、MgCl2、VCl、KCl、 CrCl、MnCl2、CoCl、CuCl、ZuCl2、MoCl、SeCl、CaSO4、Na2SO4、MgSO4、VSO4、KSO4、Cr2SO4、MnSO4、CoSO4、Cu2SO4、ZnSO4、MO2SO4、SeSO4、CaI2、NaI、MgI2、VI、KI、CrI、MnI2、CoI、CuI、ZnI2、MoI、SeI、CaBr2、NaBr、MgBr2、VBr、KBr、CrBr、MnBr2、CoBr、CuBr、ZuBr2、MoBr、又はSeBrである、請求項21の方法。
【請求項27】
前記無機塩は1×101mg/L〜2×102 mg/Lで加えられる、請求項26の方法。
【請求項28】
前記無機塩は少なくとも1個の食餌無機物を供給し、前記食餌無機物は、2 mg/L〜20 mg/Lのカルシウムと、4 mg/L〜15 mg/Lのマグネシウムと、5 mg/L〜20 mg/Lのナトリウムと、0.2 mg/L〜6.0 mg/Lのカリウムと、5 mg/L〜15 mg/Lの塩化物と、100 mg/L〜200 mg/Lの重炭酸塩である、請求項27の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補助水及び補助飲料物に関する。本発明は、特に、フィトケミカル強化(植物化学的に栄養強化された)水及び飲料物を提供する。
【背景技術】
【0002】
水は人体の主要な構成要素であり、成人で体重の60%、小児で75%を占める。水は栄養を細胞へ運び、毒を重要な臓器から除去し、耳、鼻、喉、及び腸に湿潤環境をもたらす。医学研究所(2004)は、毎日通常の状況で、男性で125オンス(15カップ)、女性で91オンス(11カップ)の流体を摂取するように勧めている。流体の摂取は、運動時、暑い気候、発熱時、嘔吐又は下痢時の人には、より強く勧められる。流体摂取の約80%は、飲料水又は他の飲料を飲むことにより、また残りの20%は食物から得られる。
【0003】
適当な流体摂取の欠如に起因する脱水は、救急処置や入院を必要とする深刻な健康事案であり、死に至るかもしれない。老人、小児、激しい運動やスポーツに従事する人、暑い気候を過ごす人達は、特に脱水になりやすい。老人の脱水は、記憶機能を悪化させることがある。水分消費の増加による適当な水分摂取を確実に行うことは、保健の専門家により推奨される。大量の有害物質や極少量の調合薬が水道水から検出されている。水道水や井戸水の安全性や純度に関する懸念は、ボトル飲料水の人気の広がりにつながった。近い将来、ボトル飲料水の販売は、炭酸飲料の販売を上回ることが期待される(ニューヨークタイムズ 2013年10月28日)。様々な飲料水銘柄が、現在市販されている。ボトル飲料水産業は、ほとんど自主的に規制しており、ボトル飲料水は通常、水道水で見つかるものと同じように多くの有害物質を含んでいる。ボトル飲料水の市場は現在、急速に成長しており、年間販売額は米国で1億5千万ドル、世界中で5億5千万ドルである。
【0004】
飲料水は、最適な健康に必要である重要な無機物の摂取源となる。ボトル飲料水のなかには、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム等の必須無機物が欠乏しているものもある(非特許文献1)。国際飲料協会によれば、水道水又は浄水、湧き水、硬水、井戸水、被圧地下水、発砲水、浄水といった幾つかの種類のボトル飲料水がある。殆どの天然のボトル飲料水は、最小限に処理されている。しかし、処理済みのボトル飲料水は希釈、逆浸透、濾過、浄化等の複数の浄化方法を使用する。また、アルカリ水、ミネラル水、ビタミン水、エネルギ水、ファイバ水、抗酸化水、エネルギ水、香料入り水、天然及び健康促進成分入りのものといった幾つかの特別なボトル飲料水も市販されている。
【0005】
治療に植物を使用することは、最も初期の有史時代に始まる。地球上に存在する25万種の植物の中で、8万以上のものが様々な医療用途で使用されている。発展途上国の約80%、先進国の30%程度の人が、自身のヘルスケアのために、植物由来の医薬品を日常的に使用している。植物薬は、値ごろ感や、これらの自然医薬品は現代の逆症療法と比べて毒性が低く、副作用がより少ないといった信念により、人気を得てきている。
【0006】
植物は、食品栄養素の主な供給源であるだけでなく、生物活性フィトケミカルの顕著な供給源でもある。フィトケミカルは、植物の生長や発達の自然な過程で生成され、環境的にストレスが多い状況に対する植物防御メカニズムとして、また微生物、昆虫、草食動物に対する保護としての役割を果たす。カロチノイド、フェノール成分、アルカロイド、有機硫黄化合物等のフィトケミカルは、現在、様々な健康効果のために市販されている。多くの原産の植物種からの植物栄養素は、抗菌、抗ガン、免疫促進、心臓保護、脳活性作用について評価されている。多くの植物がいくつかの顕著なフィトケミカルを含み、複数の生物学的ターゲットと相互作用するとともに、多くの健康効果を人間にもたらす。健康改善フィトケミカルを備えた植物の一例としては、バコパ(Bacopa monniera)、ゴツゴラ(Centella asiatica)、キャットテイル(typha sup.)、ダックウィード(Lemna minor)、レモングラス(Cymbopogon citratus)、スイレン、ウォーターミント、ブラジルチドメグサ(Hydrocotyle spp)、タロイモ(Colocasia spp)、ベトナムコリアンダー、ウォーターセロリ、シログワイ、ヨウワイ、クレソン、及びバーグヤレーナとゴパラン(Bhagyaleena and Gopalan)により列挙されるその他多数を含む(非特許文献2)。また、精製された個々のフィトケミカルは、植物全体の生物学的利益を有さないことが分かった。現在利用される薬物の80%以上が、天然の供給源又は天然の生成物の改質されたものから派生している。植物派生薬剤の一例としては、アスピリン、タクソール、ニコチン、スタチンがあるが、これらの多くは、現在合成されている(非特許文献3)。
【0007】
フラボノイドはポリフェノールの最大群であり、2000を超える個々のフラボノイドが知られている。これらの化合物は、アントシアニン、アントキサンチン等の分子構造に基づいて分けられ、アントキサンチンは更に、フラボノール、フラバン、フラバノール、フラボン、及びイソフラボンに分けられる。(非特許文献4)(一般的なフラボノイドの一覧については、非特許文献4を参照されたい)。フラボノイドは一般的に、ヒドロキシル化、メトキシル化、グリコシル化の少なくともいずれかが行われ、典型的には、1から3個までの糖分子が注目されている(非特許文献4)。吸収後に、植物源からのフラボノイドは血液脳関門を横断し、神経学的効果をもたらす(非特許文献5)。また、フラボノイドは実際には、神経作用や記憶に重要な脳の領域に蓄積することが観察された(非特許文献6)。抗酸化作用は中枢神経へのフラボノイドの作用機構であるだけでなく、神経学的効果は、脳細胞内における細胞内シグナル伝達経路の変質に起因し、周縁及び脳血管系に作用して、血流及び栄養供給を促すとともに、毒性化合物からの神経破損や炎症プロセスを低減させる能力を備えることが提案されている。多くの心臓血管リスク要因が認知症と関連していることから、血管の機能を高めることにより、フラボノイドは脳の健康の重要な役割を果たす。フラボノイドは内皮機能を高め、酸化窒素の生成を促し、血圧を調節し、炎症を抑えるが、これらの全てにより、脳血液流及び神経作用をより良好にする。幾つかの人体試験によりポリフェノールに富む食品の摂取とアルツハイマー病の発現の遅延との関連が実証されている(非特許文献4)。
【0008】
サポニンは、水溶液中で振ったときに持つ石鹸のような発泡特性により定義される両親媒性グリコシド部分である。化合物は、脂溶性トリテルペン派生物と結合される少なくとも1個の親水性グリコシドであり、そのため、ほとんどのサポニンは容易に水に溶ける。サポニンは摂食阻害剤として、植物を微生物や菌から守るように作用する。植物種の中には、カラスムギやほうれん草等、サポニンが栄養素の吸収を高めるとともに、動物の消化を助けるものもある。多くの場合、サポニンは苦く、即ち、食味が乏しく、或いは生命を脅かす動物毒性、例えば昆虫、魚、変温動物に対する毒性などを一定の濃度で有する。伝統的な薬剤調合では、サポニンの存在が証明されている。現在の栄養補助食品や栄養補給食品の会社は、サポニンを健康目的で販売している。
【0009】
センテラアジアティカ(CA)は、種に応じて、アジア、東ヨーロッパ、南アフリカ、西太平洋の熱帯地域や亜熱帯地域、或いはロッキー山脈で見られる草本植物である。CAの抽出物は、何千年も前から、皮膚疾患、例えばハンセン病、紅斑性狼瘡、静脈瘤性潰瘍、皮膚炎、乾癬や、泌尿生殖器疾患、下痢、不安神経症、認知力の改善のために、民間薬として使用されてきた(非特許文献7)。しかし、植物全体、特に葉が医薬品として使用される(非特許文献8)。CAの分析により、主要な活性成分はサポニン及びトリペンテンサポニシド(tripentene saponosides)、例えばアジアチコシド、アジア酸、マデカッソ酸、ブラモサイド、ブラミノシド、イソサンクニシド、サンクニシド、センテロシド、ステロール、フラボノイド、マデカッソシド、マデカシン酸であることが分かった。また、他のテルペン、フラボノイド派生物、ポリサッカライド、ポリアセチレン、フェノール酸も特定されている(非特許文献9)。
【0010】
サポニン及びサポゲニンは、創傷の治癒や血管作用に関与する。マウスモデルで試されたCA抽出物では、創傷部位において、細胞増殖とコラーゲンの合成を促進させており、創傷治癒の主張が支持されている。他のCAフォトケミカルでは、マウスのストレス試験における抗鬱作用を示しており、CAはCNS及び子宮弛緩薬の作用を備え、また、抗けいれん薬作用を示している(非特許文献7)。研究によれば、CA抽出物は、集中力を高め、酸化CNSストレスを低減させ、認知力の低下を緩和させる(非特許文献7)。また、研究によれば、CA抽出物からの化合物は、神経防護性、抗酸化性、抗炎症性、免疫刺激性、抗潰瘍性、抗けいれん性、抗不安性、沈静性、抗ウィルス性、抗バクテリア性、殺虫性、抗かび性、心臓保護性、抗ガン性、抗遺伝毒性、静脈欠損治療用である(非特許文献10、非特許文献9)。
【0011】
薬草バコパモニエラ(Bacopa, BM)及びバコパモニエリと同じ薬理学的特性を持つ同様の植物であるバコパフロリブンダ(非特許文献11)は、熱帯や亜熱帯気候のぬかるみ湿った土壌において、自然に育つ。植物全体が薬として使われる。サポニンの合計値は、季節毎に、BMの葉を含むシュートの部分が、それよりも下の部分と根より高い(非特許文献12)。BMは、3000年以上にわたり、アユルベーダ医療で、記憶力、学習力、集中力を高める脳トニックとして、また、神経症、てんかん、心臓疾患、呼吸器疾患、過敏性大腸や胃潰瘍の治療で用いられている(非特許文献13)。多くの動物実験や人体実験により、成人及び小児における認知効果、神経症、鬱病、てんかん、気管支炎、ぜんそく、過敏性大腸、胃潰瘍、心臓疾患、癌、薬物中毒、重金属中毒など、多様な障害におけるBMの効果が実証されてきた。
【0012】
センテラアジアティカ(Gotu Kola)やバコパモニエラを説明するために、時折Brahniという名前が使われることがあり、両者とも記憶力などの脳の機能における保護作用を備えるが、分類上は、バコパモニエリ(BM)とセンテラアジアティカ(CA)は完全に異なる植物科(夫々scrophiulariaceaeとapiaceae)である。また、これらの2つの植物は、その物理的性質と化学組成において明確に異なる。
【0013】
現在用いられている記憶力を向上させる組成物や方法は、不十分である。例えば、アルツハイマー病に用いられる薬剤は、患者において効果が不足しており、記憶障害を防ぐものではない。また、このような化合物は、一般的な高齢者用として認可されていない。天然化合物、例えばイチョウでは、記憶力を向上させるのに効果的でないことが分かっていない。
【0014】
同様に、最近の飲料水組成物は、フィトケミカル、また任意で繊維、食餌無機物、栄養補助食品から、十分な健康効果をもたらすものではない。従って、水和を促すと同時に、消費者の健康を促進する新規の流体組成物が必要とされる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】Azoulay A; et al, Comparison of the mineral content of tap water and bottled waters. J. Gen. Intern. Med. 16: 168-175, 2001
【非特許文献2】Bhagyaleena & Gopalan, Aquaticmedicinal plants in ponds of Palakkad, Karala, India. IOSR Journal of pharmacy and biological sciences. 2(3):29-35. 2012
【非特許文献3】Harvey, AL; Natural Products in drug discovery. Drug discovery today. 13(19-20); 894-901., 2008
【非特許文献4】Ramassamy, Emerging role of polyphenolic compounds in the treatment of neurodegenerative diseases: a review of their intracellular targets. Eur J Pharmacol. 2006 Sep 1;545(1):51-64Epub 2006 Jun 17
【非特許文献5】William & Spencer, Flavonoids cognition, and dementia: Actions, mechanisms, and potential therapeutic utility for Alzheimer diseases. Free Radic Biol Med. 2012 Jan 1;52(1):35-45
【非特許文献6】Andres-Lacueva, et al., Anthocyanins in aged blueberry-fed rats are found centrally and may enhance memory. Nutr Neurosci. 2005 Apr;8(2):11-20
【非特許文献7】Gohil, et al., Pharmacological review on Centella asiatica: a potential herbal cure-all. Indian J Pharm Sci. 2010 Sep;72(5):546-56
【非特許文献8】Roy, et l., Current updates on centella asiatica: phytochemistry, pharmacology and traditional uses. Medicinal plant research, 3: 20-36, 2013
【非特許文献9】Orhan, Centella asiatica urban: from traditional medicine to modern medicine with neuroprotective potential. Evidence-based complementary and alternative medicine, 2012
【非特許文献10】Shinomol; et al; Exploring the role of Brahmi (Bacopa Monnieri and Centella asiatica) in brain function and therapy. Recent patents on endocrine, metabolic and immune drug discovery. 5:33-49, 2011
【非特許文献11】Gubbannavar, et al., A comparative pharmacognostical and preliminary physico-chemical analysis of stem and leaf of Bacopa monnieri and bacopa floribunda. Ayu 34: 95-102,2013
【非特許文献12】Phrompittayarat, et al., Influence of seasons, different plant parts, and plant growth stages on saponin quantity and distribution in Bacopa monnieri, 33: 193-199, 2011
【非特許文献13】Kongkeaw, et al., Meta-analysis of randomized controlled trials on cognitive effects of Bacopa monnieri extract. J. of Ethnopharmacology 151: 528-535, 2014
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
実験により、いくつかの葉を備えた植物の茎は、根茎を持たなくても水中で生存でき、一定の保存条件では、合成が促されるとともに、有益な化学物質が放出されることが、予期せず判明した。それにより、バコパやセンテラの一部、又はこれらの組合わせを使用するフィトケミカル強化流体の調製方法を提供する。植物材料は、いくつかの実施形態では、植物の地上部分又は葉の部分が、フィトケミカルを分泌することが分かった。バコパ又はセンテラの地上部分は任意で、枝の頂点から8〜10cm、例えば8.25cm、8.5cm、8.75cm、9cm、9.25cm、9.5cm、9.75cmの距離で回収される。従って、有用な範囲は、上記の値のいずれからであってもよい。バコパ又はセンテラの地上部分又は葉の部分は任意で、流体100ml当たり1〜4gで、流体に加えられる。例えば1.25g、1.5g、1.75g、2g、2.25g、2.5g、2.75g、3g、3.25g、3.5g、3.75gである。しかし、当該技術分野に属する者であれば、有用な範囲は、上記の値のいずれからであってもよいことは認識できる。
【0017】
植物材料は、少なくとも微量の無機物を有する流体に置かれることにより、実験中に、植物の生存と長期生存を促進することが分かった。有用な無機物としては、ナトリウム、カルシウム、及びカリウムがある。試験により、適当な中性又はアルカリのpH、例えば少なくともpH6.5とすると、植物の生存を促すことが示されている。有用なpHの値はpH7〜8、例えば7、7.2、7.4、7.5、7.6、7.8であり、これらの値の間の範囲、例えば7.2〜7.6である。冷蔵庫での保存や低温により、室温での保存と比較すると、植物の生存が促されるとともに、フィトケミカルの生成が予想以上に増加し、植物は、約1.7℃、例えば1.6℃、1.75℃、1.8℃、2℃、2.5℃、3℃、3.5℃、4℃、4.5℃、5℃、5.5℃、6℃、6.5℃、7℃、7.5℃、8℃、8.5℃、9℃、9.5℃、10℃の流体内に保存される。従って、有用な範囲は、上記の値のいずれからであってもよい。このような保存により、健康のためになることが分かっているフィトケミカルが、植物から保存流体、例えば水に放出される。中性の保存料による前処理を行うと、生存期間が延びることが分かっている。そのため、変形例として、植物材料は、流体に加えられる前に、保存料により処理される。
【0018】
本発明は、動物特に人間の記憶や健康を促すのに有用である。また、強化流体は、運転手、パイロット、管制官、シフト労働者、時差に悩む人達に特に重要な注意力も向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0019】
BMの薬理作用は、幾つかのアルカノイド、サポニン、ステロールの存在によるものである。BMの生物学的作用は主にバコサイドA3、バコパシドII、バコパシドX、バコサポニンC、バコパシドIのような主成分による(Shinomol; et al; Exploring the role of Brahmi (Bacopa Monnieri and Centella asiatica) in brain function and therapy. Recent patents on endocrine, metabolic and immune drug discovery. 5:33-49, 2011)。初期に分離されるバコサイドAは、バコサイドA3、バコパシドII、バコパシドX、バコサポニンCの混合物である。BMは推奨される用量では安全であり、副作用は報告されていない。CAのアルコール抽出物は、ラットに腹腔内投与されたときに、350mg/kgの用量で毒性を示さなかった。報告された悪影響には、GIのむかつきと吐き気がある。CAは、通経薬作用のために妊娠中は避けるべきである。
【0020】
フィトケミカルは任意で、生薬又は抽出物として供給される。生薬の用量は、一日0.5〜6.0gが推奨される。そのため、1又は複数の薬草は任意で、0.5g、1.0g、1.5g、2g、2.5g、3.0g、3.5g、4.0g、4.5g、5.0g、5.5g、6.0gが加えられる。しかし、当該技術分野に属する者であれば、有用な範囲は、上記の値のいずれからであってもよいことは認識できる。抽出物の推奨される用量は、アジアチコシド、アジア酸又はマデカス酸と共通し、60〜120mgである。例えば、BMの推奨される用量はBM粉末で、成人では一日5〜12g、小児では2.5〜6gであり、或いは、BM抽出物で、成人では一日200〜400mg、小児で100〜200mgである。ラットに経口投与されるBM抽出物のLD
50は、水様の抽出物では5g/kg、アルコール抽出物では17g/kgである(Martis & Rao, Neuropharmacological activity of Herpestis monniera. Fitotherapia 1992;63:399-404)。一般的なCA抽出物の用量は、乾燥葉で約600mg又はカプセルで300〜680mgである(Gohil, et al., Pharmacological review on Centella asiatica: a potential herbal cure-all. Indian J Pharm Sci. 2010 Sep;72(5):546-56)。
【0021】
バコサイドA3の用量は任意で、水100mlにつき0.40〜0.60mg、例えば0.0043mg/ml、0.0045 mg/ml、0.00475mg/ml、0.0050mg/ml、0.00525 mg/ml、0.0055 mg/ml、0.0056 mg/ml、0.00575 mg/ml、0.0060 mg/mlである。バコパシドIIは任意で、水100mlにつき1.75〜2.50mg、例えば0.020 mg/ml、0.0215 mg/ml、0.022 mg/ml、0.0225 mg/ml、0.023 mg/ml、0.0235 mg/ml、0.024 mg/ml、0.0243 mg/ml、0.025 mg/mlが供給される。バコパシドXは任意で、100mlにつき0.30〜0.85mg、例えば0.0032 mg/ml、0.00325 mg/ml、0.0035 mg/ml、0.00375mg/ml、0.0040 mg/ml、0.00425 mg/ml、0.0045 mg/ml、0.00475 mg/ml、0.005 mg/ml、0.00525 mg/ml、0.0055 mg/ml、0.00575 mg/ml、0.006 mg/ml、0.00625 mg/ml、0.0065 mg/ml、0.00675 mg/ml、0.0070 mg/ml、0.00725 mg/ml、0.0075 mg/ml、0.008 mg/ml、0.0081 mg/ml、0.0085 mg/mlが供給される。バコサポリンCは任意で、水100mlにつき0.70〜1.0mgが供給される。用量の非限定例としては、0.0070 mg/ml、0.0072 mg/ml、0.00725 mg/ml、0.0075 mg/ml、0.00775 mg/ml、0.0080 mg/ml、0.00825 mg/ml、0.0085 mg/ml、0.00875 mg/ml、0.0090 mg/ml、0.00925 mg/ml、0.0095 mg/ml、0.0096 mg/ml、0.00975 mg/ml、1.0 mg/mlを含む。当該技術分野に属する者であれば、有用な範囲は、上記の値のいずれに含まれてもよいことはわかる。
【0022】
本発明の強化流体は、植物材料から化学物質を抽出した後に、少なくとも1個の加工済フィトケミカル源を流体に加えることにより更に強化されてもよい。有用な加工済フィトケミカル源は、粉末状バコパ、粉末状センテラ、バコパの粉末状地上植物部分、センテラの粉末状地上植物部分、バコパの水抽出物、センテラの水抽出物、バコパのアルコール抽出物、センテラのアルコール抽出物、バコパの乾燥地上植物部分、センテラの乾燥地上植物部分を含む。
【0023】
変形例として、飲料物は風味付けられてもよい。香料の非限定例として、ベリー風味、果物風味、香辛料風味、コーヒー風味、紅茶風味を含む。詳細な実施形態において、風味付けは、人工又は天然甘味料、ビタミン、無機物、繊維、香辛料で強化されてもよい。人工甘味料の非限定例として、スクラロース、アスパラテーム、デキストロースアスパラテミンとマルトデキシトリンの結合物、サイクラメイト、サッカリン、ネオターム、アセフルテームK、アリテーム、サイクラミン酸ナトリウム、グリシン、Dタガトースを含む。本発明の範囲を限定することなく、天然甘味料の例として、モグロシド、ステビア又は他のステビオシド、サクロース、マンニトール、ブラゼイン、クルクリン、エリトリトール、グリセロール、クリクルヒジン、イヌリン、イソマルト、ラクチトール、ミラクリン、モナチン、モネリン、ペンタジン、ソルビトール、サウマイン、キシリトール、蜂蜜を含む。人工甘味料を使用する実施形態では、人工甘味料の濃度は任意で、1×10
5〜2×10
1g/Lである。天然甘味料を使用する場合には、甘味料の濃度は任意で、1.46×10
1Mである。
【0024】
1又は複数の塩、例えば少なくとも1個の無毒無機塩が任意で使用される。非限定例として、塩化物、硫黄、ヨウ素、臭素、重炭酸塩、又は当該技術分野で周知の他のイオンと結合された無機物Ca、Na、Mg、V、K、Cr、Mn、Co、Cu、Zn、As、Mo、Seを含む。例として、塩化ナトリウム、硫化亜鉛、ヨウ素カリウムを含む。塩は任意で、1×10
1 mg/L〜2×10
2mg/Lである。濃度の非限定例は最大で500 mg/Lを含む。
【0025】
任意で、飲料物は、例えば二酸化炭素を飲料物中に溶解させることにより、炭酸を含む。強化流体は、例えば動物、特に人間により、適切な水分と流体摂取を促すように構成される。
【0026】
本発明を更に詳細に理解するために、以下に詳細な説明を、添付の図面と関連付けて記載する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】室温(72°F、22.2℃)又は低温(35°F、1.7℃;冷蔵庫内)で生存するバコパモニエラ植物を示すグラフ。pH7.0で生存する植物は、示される様々な時点で評価される。室温で生存する植物は著しく少ない。
【
図2】室温(72°F、22.2℃)又は低温(35°F、1.7℃;冷蔵庫内)で生存するセンテラアジアチカ植物を示すグラフ。pH7.0で生存する植物は、示される様々な時点で評価される。室温で生存する植物は著しく少ない。
【
図3】様々なpHで生存するバコパモニエラを示すグラフ。酸性pHで生存する植物は少ない。中性又はアルカリ性のpHでは、植物の生存が促される。
【
図4】冷蔵庫(35°F、1.7℃)内において様々なpHで維持された後のバコパ植物材料におけるバコパサポニン値(コントロール%)を示すグラフ。未処理植物材料のサポニン値がコントロール値として使用される。
【
図5】室温(72°F、22.2℃)又は冷蔵庫(35°F、1.7℃)で維持されてから植物材料が除去された後の水中バコパサポニン値(μg/100mL)を示すグラフ。
【
図6】流体内で植物材料を維持するための第1実施形態の構成を示す図。植物材料は流体内で自由浮遊する。
【
図7】(A)及び(B)は、流体内で植物材料を維持するための第2実施形態の構成を示す図。(A)では、植物材料は自由浮遊袋内に入れられる。(B)では、植物材料はボトルキャップに接続された袋内に入れられる。
【
図8】流体内で植物材料を維持するための第3実施形態の構成を示す図。植物材料はボトルの底でメッシュ材料に入れられる。
【
図9】流体内で植物材料を維持するための第4実施形態の構成を示す図。植物材料はフックを使用してボトルに取り付けられる。取付手段は、より糸又は他の材料、植物の穴を含む。
【
図10】流体内で植物材料を維持するための第5実施形態の構成を示す図。材料のノブがボトルの基部に固定され植物材料が取り付けられる。
【
図11】流体内で植物材料を維持するための第6実施形態の構成を示す図。植物材料は流体内で自由浮遊しており、篩又はメッシュコーンを使用して、ボトル内に保持される。
【
図12】(A)及び(B)は、流体内で植物材料を維持するための第6実施形態の構成を示す図。(A)では、植物材料は流体内で自由浮遊するとともに、メッシュキャップを使用して保持される。(B)はメッシュキャップの拡大図であり、ボトルの縁に掛けられた状態で示されている。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本明細書で使われている「バコパ(Bacopa)」又は「BM」という語は、沢山の枝と、小さく肉厚で楕円形の葉と、薄紫色の花を持つ小さな匍匐性ハーブであるバコパモニエラを指す。バコパは、熱帯地域の湿った砂地で育つ。この植物の一般的な名称には、Brahmi、bacopa、water hyssopといったものがある。この用語は、最も広い意味で、Bacopa Monnieri (L.) Wettst.,、Bacopa monniera (L.) Pennell yes、Herpestis monniera L. Kunth、Lysimachia monnieri L. Cent、Gratiola monieri (L.)L、及びMonniera cuneifolia Michauxの少なくともいずれかを含むことを意味する。
【0029】
本明細書で使われている「センテラ(Centella)」又は「CA」という語は、湿度の高い熱帯又は亜熱帯地域で見られる小さな匍匐性の多年生ハーブ植物であるセンテラアジアティカを指す。この植物は細長い茎を持ち、葉は丸く、赤緑色の匍匐根を備える。このハーブはIndia(又はAsiatic) pennywort、Gotu kola、tiger herb、sarswathi aku、muththil、kudangal、thankuni、mandukaparni、ondelaga、vallaarai、brahmi booti(又はbrahmabuti)としても知られており、またその他の地域的な名前もある。
【0030】
本明細書で使われている「微量」という語は、濃度が少なくとも0.01mg/Lから約300mg/Lの化合物を指す。
【0031】
本明細書で使われている「無機物」という語は、自然発生し、通常は結晶質であり室温で安定しており、生きている生命体の成長や維持に必要な元素又は化学化合物を指す。
【0032】
本明細書で使われている「枝の頂点」という語は、先端即ち最も端を指し、或いは、枝の生長点を指す。
【0033】
本明細書で使われている「実質的に」という語は、全部でないのならば大部分であり、特定されているが非常に近く差が僅かであり、この差が、当該技術分野に属する者に許容される通常の誤差を超えて、用語の機能特性に影響を及ぼすのでないことを意味する。実施形態では、「実質的」という語は、差が10%未満を超えて変化しないことを意味する。
【0034】
本明細書で使われている「約」という語は、おおよそ又はほぼを意味し、記載される数値又は範囲では、数値の±15%を意味する。
【実施例1】
【0035】
BM及びCAの種を業者から入手した。この植物を同定し、米国フロリダ州で、夏の雨季(5〜9月)に生育した。種を、清潔で汚染されていない土が入れられた容器で、豊富な水と日照を与えて成長させた。土は湿った状態に保たれ、必要に応じて、水が加えられた。4か月で、葉を伴うBMの新芽(頂点から8〜10cmの地上部分)を殺菌されたハサミで切り取った。CAでは、5cmの茎を含む葉を切り取った。植物試料を検査し、水道水で5回すすいで、付着する土や他の外部からの粒子を取り除いた。植物材料を殺菌蒸留水で2回すすいだ。排水した後、植物材料を殺菌蒸留水で再度すすぎ、ペーパータオルの上に広げ、優しく拭き、付いていた水分を除去した。植物試料を直ぐに計量し、殺菌された鉗子を使って、飲料水が入ったボトルの中に置いた。
【実施例2】
【0036】
新鮮な状態で回収された清潔なバコパ(BM)試料及びセンテラ(CA)試料を計量し、実施例1のとおりに処理するか、或いは、0.2%のソルビン酸(食品加工用として認証された天然の抗バクテリア剤)に、抗バクテリア処理がフィトケミカルに影響を与えないように15分間含侵させてから、実施例1のとおりに処理した。バコパ(BM)及びセンテラ(CA)を、ボトルの中の蒸留水又は他の試験試料水100ml当たり1〜4gで加えた。ボトルに栓をして、室温(72°F、22℃)或いは冷蔵庫内(35°F、1.7℃)に16週間、又は植物試料が枯れるまで保持した。植物材料の生存能力を、定期的に確認した。物理的特性及び形態学的な特性(葉や茎の色:緑色、黄色、茶色;落ちた葉の数;水の臭いと透明度)により、植物の生存率を算出した。
【0037】
蒸留水中での植物の生存率は低く、最高で2週間生存した。水に少量の微量元素、即ち2〜20mg/Lのカルシウム、4〜15 mg/Lのマグネシウム、5〜20 mg/Lのナトリウム、0.2〜6.0 mg/Lのカリウム、5〜15 mg/Lの塩化物、100〜200 mg/Lの重炭酸塩が存在する場合に、生存率が良かった。試験結果から殆どのボトル入り飲料水銘柄は、これらの量と比較可能な電解質値を有していることがわかった。
【0038】
天然の抗バクテリア剤、ソルビン酸での処理は、水中での植物の生存率を著しく高めなかった。
【0039】
バコパ試料を22.2℃で保存すると、
図1に示すように、4週目で生存率の急激な低下を示し、60%にまで生存率は低下した。8週目まで、生存率は更に減少し、20%未満となり、植物は12週目までで完全に枯れた。それに比べて、1.7℃で保存された植物では、生存率は殆ど減少しておらず、22.2℃で保存された時の60%と比べて、4週間で約90%の植物が生存し、試験が完了した16週間を通して、80%が生存した。それ故、1.7℃で保存すると、植物の生存率が80%に大きく改善する一方、室温(22.2℃)で保存すると、試験中に全ての植物が枯れた。
【0040】
センテラアジアティカの試験では、バコパと同様の試験結果が示された。
図2に示すように、4週目までで、1.7℃で保存される場合に約90%の生存率を示したのに比べて、22.2℃で保存された植物試料は生存率が約50%に減少し、12週目までで、22.2℃で保存された試料は完全に枯れたが、1.7℃で保存された試料は、約82〜85%の生存率を呈し、16週間の試験の終わりまで、生存率は約80%を保った。
【実施例3】
【0041】
植物の生存率とpH
【0042】
新鮮なままで回収された清潔なバコパ(BM)試料及びセンテラ(CA)試料を計量し、pH6,7,8の水が入れられたボトルに、100ml当たり1〜4gを加えた。ボトルに栓をして、冷蔵庫(35°F、1.7℃)で16時間保持した。2週間、8週間、16週間で、生存率を定期的に調べた。物理的特性及び形態学的特性(葉と茎の色:緑色、黄色、茶色;落ちた葉の数;水の臭いと透明度)により、植物の生存率を判断した。
【0043】
pH試験の結果として、
図3に示すように、バコパ試料はpHに対する感受性が高い。pH6で植物試料を保存すると、2週目で生存率が約50%に減少し、8周目までで20%まで更に低下し、16週目までで約5%に下がった。それに対して、pH7で保存すると、2週目で生存率100%、8週目までで約90%、16週目で約85%であった。バコパはまた、僅かな基本pHで良好な生存率を示し、pH7.8で保存されると、2週目で生存率約90%、8週目で生存率80%、16週目で生存率70%であった。それ故、植物材料は極めて僅かな酸性から僅かな基本pHで保存され、最適には中性pHで保存される。
【0044】
植物の類似性により、センテラ試料も同様に応答することが予想される。
【実施例4】
【0045】
新鮮なままで回収された清潔なバコパ(BM)試料及びセンテラ(CA)試料を計量し、pH7の電解質水が入れられたボトルに、100ml当たり1〜4gを加えた。ボトルに栓をして、表1に示すように、室温(72°F、22.2℃)又は冷蔵庫(35°F、1.7℃)で16週間保持した。
【0046】
異なる条件で保存した後、植物材料を水から取り出した。ボトルからの植物材料及び水試料を、分析するまで、直ぐに冷凍した。分析のために、植物材料を凍結乾燥させて、粉末状にした。計量した試料(120〜150mg)を、15mlの遠心管において、1mlのエタノールと混合した。ボルテックスした後に、超音波破砕機を使用して試料を分散させた。試料を10分間遠心分離機にかけた。上清液を5mlのメスフラスコに移した。抽出、超音波破砕、遠心分離を3回繰り返した。抽出物を合わせて、容積が5mlとなるように調節した。混合した後、試料を0.45μmPTEFフィルタを使用して濾過し、液体クロマトグラフィ分析を行った。
【0047】
分析のために、液体試料(50〜200ml)を凍結乾燥させた。材料を8mlのメタノールに再溶解させ、10mlのメスフラスコに移した。容器を再度、2mlのメタノールですすいだ。合わせた溶液を容積10mlとなるように調節し、完全混合し、0.45μmPTEFフィルタを使用して濾過した。濾過した試料に液体クロマトグラフィ分析を行った。
【0048】
フィトケミカル値を、先に説明したHPLC法(Phrompittayarat W, Jetiyanon K, et al; Influence of seasons, different plant parts, and plant growth stages on saponin quantity and distribution in Bacopa Monnieri. Songklanakarin J. Sci. Technol. 33(2), 193-199, 2011)で定量化した。HPLC法は線形化、検出限定、精度、正確性に対して有効化された。本方法の正確性は、既知量の標準サポニンを加えた後に、調製された試料を分析することにより判定した、
【0049】
植物材料から検出された主なフィトケミカルは、表1に示すように、サポニン、バコパシドA3、バコパシドX、バコパシドII、バコサポニンC、少量のバコパシドIVとバコパシドVであった。水中でのサポニン値は、冷蔵庫での保存時間に伴い増加した。植物サポニンの約2〜4%が水に放出された。水中での低レベルのサポニンは安全である。
【0050】
【表1】
【0051】
植物は、ストレスが多い条件に応じて、一定のフィトケミカルの生成を増加させる。低温にさらされた時のバコパ値の増加は、ストレスに対する自然の対応である。これは、低温にさらされた人間におけるストレスホルモンのコルチゾール値の上昇と似ている (Geliebter, et al., Cortisol and Ghrelin concentrations following a cold pressor test in overweight individuals with and without night eating. Int’l J Obesity (Lond), 37:1104-1108, 2013)。バコパのフィトケミカル経時放出試験では、植物試料は、
図4に示すように、バコサイドA3及びバコパシドIIについて、フィトケミカルの放出を安定的に増加させる。興味深いこととして、バコパシドXの放出は、1.7℃で保存された場合には、8週間に亘り減少し、続いて、16週目では急増した。しかし、これが、必要とされる保存期間によるものなのか、或いは、試験の人為的な結果であるのかは、不明である。バコサイドA3、バコパシドII、バコパシドCについては、同じ時点、即ち2週間では、1.7℃で保存することにより、22.2℃で保存するよりも、フィトケミカルの放出がより多い。16週間では、全てのフィトケミカルの水中値が、コントロール及び22.2℃で保存された試料と比べて、1.7℃ではより高かった。
【0052】
水中のフィトケミカル量の化学分析によれば、バコパは、22.2℃及び1.7℃で保存すると、殆どのバコパシドIIを放出し、その他のフィトケミカル、バコサイドA3、バコパシドX、バコパシドCの値も略似ている。注目すべきこととして、1.7℃で保存すると、2〜8週目では、
図5に示すとおり、バコパシドXを除くフィトケミカルの放出はより高くなっている。16週目では、テストされる全てのフィトケミカルの値は、22.2℃での試料よりも高かった。
【0053】
植物が類似するため、センテラ試料は、同様の状態で応答することが予想され、類似のフィトケミカルの種類を同様の値で生成する。
【実施例5】
【0054】
新鮮な状態で回収し、洗浄したバコパ(BA)及びセンテラ(CA)試料を計量し、ボトルの中に、pH7の電解質水100ml当たり1〜4gmを加えた。植物を流体内で、自由浮遊状態で維持し、或いは、意図しない植物の摂取を阻止するように、樹脂メッシュ管に入れた。一例を
図6〜
図12に示す。植物材料2を水ボトル1に入れ、流体3に沈めた。次に、メッシュフィルタ4をボトル1のくびれ部分に固定することにより、
図6に示すように、植物材料2がボトル1の本体から出ることがないようにした。或いは、
図7(A)に示すように、植物材料2をメッシュ袋8に入れるとともに、ボトル1に入れる。メッシュ袋8を任意で、
図7(B)に示すように、紐9により、ボトル1の栓に取り付けてもよい。
図8に示すように、植物2をボトル1に入れるとともに、メッシュフィルタ12を使用して、ボトル1の底に入れてもよい。メッシュフィルタ12は任意で、ヒートシール、圧接、スナップ止めにより、所定の位置に固定される。次に、流体3をボトル1に加えるとともに、植物材料2からフィトケミカルを抽出する。
【0055】
或いは、ボトル1は、当該技術分野で周知の手段を使用して、ボトルの底に固定されたフック15を含むようにしてもよい。非限定的一例として、熱溶着及び超音波溶着を含む。
図9に示すように、植物材料2をフック15に取り付けるとともに、流体3をボトル1に加える。或いは、
図10に示すように、取り付け具20をボトル1の底に形成する。取り付け具20は、ボトル1を製造する間に形成されてよく、或いは、熱溶着や超音波溶着などの手段により取り付けられてよい。幾つかの変形例において、取り付け具20をボトル1に固定する前に、植物材料2を、取り付け具20に埋設する。或いは、
図11に示すように、植物材料2を漏斗又は円錐形メッシュ25により、ボトル1に入れてもよい。最後に、
図12に示すように、取り付け可能なメッシュ30をボトル1に固定してもよい。取り付け可能なメッシュ30は、
図12(A)及び
図12(B)に示すように、クリップ31を有するメッシュフィルタを含み、クリップ31はボトルの縁28にスナップ止めされる。これにより、使用者は、消費する前に、メッシュを利用することができる。
【0056】
ボトルに栓をするとともに、フィトケミカルを抽出できるような温度で保存する。実施形態において、ボトルを(35°F、1.7℃)で保存した。保存する間、BM又はCA植物材料、或いはその組合わせを、少なくとも2週間、水に浸した。
【実施例6】
【0057】
フィトケミカルの値は、消費者が植物材料を液体と合わせて摂取することにより、実施例1〜5で得られる値から、更に強化されてもよい。強化された液体は、実施例5に記載されるように調製された。強化液体を消費する間、消費者は植物材料を容器から回収するとともに、植物材料を咀嚼することにより、植物中から更なるフィトケミカルが取り出される。或いは、植物材料は、消費する直前に、液体とともに均質化される。
【0058】
植物材料は、任意で、ブレンダ、他の刃付きミキサ、又は他の均質化装置、例えば超音波破砕機や超音波処理を使用して、均質化される。有利には、ブレンダの刃は、ボトル1の底に、回転可能に固定される。
図13に示すように、均質化装置の刃40は、封止軸を介して、電気モータ41に固定される。当該技術分野に属する者には明白であるように、蓄電池44を電気モータ41に電気的に接続する。作動ボタン42又は当該技術分野で周知の他の手段を、蓄電池44及び電気モータ41の間の電気回路に設けることにより、消費者が回路を閉じて、均質化装置の刃40を作動させる。或いは、ボトル1を、ブレンダ、フードプロセッサ、或いは同僚の装置といった均質化装置の上に置きつつ、均質化装置の刃40を、手動式クランク等の他の機械手段により作動させる。
【実施例7】
【0059】
消費値の分析によれば、フィトケミカルを含む強化飲料流体は安全であることが示されている。例えば、表2に示すように、5個の500mlボトル各々を消費すると、サポニンの摂取は推奨値よりも低く、何の毒性も生じさせることがない。
【0060】
【表2】
【0061】
前述の詳細において、開示される全ての文献、行為、情報は、それらの文献、行為、情報の組み合わせが、優先権主張時点において、公開されている、公知である、当該技術分野の一般常識の一部である、或いは、任意の課題を解決することに関連するとして知られているものではない。
【0062】
上記の全ての出版物の開示は、その各々の全体が、個々に参照されることにより援用される範囲で、参照により本明細書に援用される。
【0063】
また当然のことながら、以下の請求の範囲は、本明細書に記載される本発明の一般的、及び特定の特徴、また、言語上の問題として、本明細書に含まれるといえる本発明の範囲の全ての記載を網羅することを意図するものである。
【手続補正書】
【提出日】2017年2月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
BMの薬理作用は、幾つかのアルカノイド、サポニン、ステロールの存在によるものである。BMの生物学的作用は主にバコサイドA3、バコパシドII、バコパシドX、バ
コパサポニンC、バコパシドIのような主成分による(Shinomol;et al; Exploring the role of Brahmi (Bacopa Monnieri and Centella asiatica) in brain function and therapy. Recent patents on endocrine, metabolic and immune drug discovery. 5:33-49, 2011)。初期に分離されるバコサイドAは、バコサイドA3、バコパシドII、バコパシドX、バ
コパサポニンCの混合物である。BMは推奨される用量では安全であり、副作用は報告されていない。CAのアルコール抽出物は、ラットに腹腔内投与されたときに、350mg/kgの用量で毒性を示さなかった。報告された悪影響には、GIのむかつきと吐き気がある。CAは、通経薬作用のために妊娠中は避けるべきである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
バコサイドA3の用量は任意で、水100mlにつき0.40〜0.60mg、例えば0.0043mg/ml、0.0045 mg/ml、0.00475mg/ml、0.0050mg/ml、0.00525 mg/ml、0.0055 mg/ml、0.0056 mg/ml、0.00575 mg/ml、0.0060 mg/mlである。バコパシドIIは任意で、水100mlにつき1.75〜2.50mg、例えば0.020 mg/ml、0.0215 mg/ml、0.022 mg/ml、0.0225 mg/ml、0.023 mg/ml、0.0235 mg/ml、0.024 mg/ml、0.0243 mg/ml、0.025 mg/mlが供給される。バコパシドXは任意で、100mlにつき0.30〜0.85mg、例えば0.0032 mg/ml、0.00325 mg/ml、0.0035 mg/ml、0.00375mg/ml、0.0040 mg/ml、0.00425 mg/ml、0.0045 mg/ml、0.00475 mg/ml、0.005 mg/ml、0.00525 mg/ml、0.0055 mg/ml、0.00575 mg/ml、0.006 mg/ml、0.00625 mg/ml、0.0065 mg/ml、0.00675 mg/ml、0.0070 mg/ml、0.00725 mg/ml、0.0075 mg/ml、0.008 mg/ml、0.0081 mg/ml、0.0085 mg/mlが供給される。バ
コパサポニンCは任意で、水100mlにつき0.70〜1.0mgが供給される。用量の非限定例としては、0.0070 mg/ml、0.0072 mg/ml、0.00725 mg/ml、0.0075 mg/ml、0.00775 mg/ml、0.0080 mg/ml、0.00825 mg/ml、0.0085 mg/ml、0.00875 mg/ml、0.0090 mg/ml、0.00925 mg/ml、0.0095 mg/ml、0.0096 mg/ml、0.00975 mg/ml、1.0 mg/mlを含む。当該技術分野に属する者であれば、有用な範囲は、上記の値のいずれに含まれてもよいことはわかる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
植物材料から検出された主なフィトケミカルは、表1に示すように、サポニン、バコ
サイドA3、バコパシドX、バコパシドII、バ
コパサポニンC、少量のバコパシドIVとバコパシドVであった。水中でのサポニン値は、冷蔵庫での保存時間に伴い増加した。植物サポニンの約2〜4%が水に放出された。水中での低レベルのサポニンは安全である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
【表1】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
植物は、ストレスが多い条件に応じて、一定のフィトケミカルの生成を増加させる。低温にさらされた時のバコパ値の増加は、ストレスに対する自然の対応である。これは、低温にさらされた人間におけるストレスホルモンのコルチゾール値の上昇と似ている (Geliebter, et al., Cortisol and Ghrelin concentrations following a cold pressor test in overweight individuals with and without night eating. Int’l J Obesity (Lond), 37:1104-1108, 2013)。バコパのフィトケミカル経時放出試験では、植物試料は、
図4に示すように、バコサイドA3及びバコパシドIIについて、フィトケミカルの放出を安定的に増加させる。興味深いこととして、バコパシドXの放出は、1.7℃で保存された場合には、8週間に亘り減少し、続いて、16週目では急増した。しかし、これが、必要とされる保存期間によるものなのか、或いは、試験の人為的な結果であるのかは、不明である。バコサイドA3、バコパシドII、バコパ
サポニンCについては、同じ時点、即ち2週間では、1.7℃で保存することにより、22.2℃で保存するよりも、フィトケミカルの放出がより多い。16週間では、全てのフィトケミカルの水中値が、コントロール及び22.2℃で保存された試料と比べて、1.7℃ではより高かった。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
水中のフィトケミカル量の化学分析によれば、バコパは、22.2℃及び1.7℃で保存すると、殆どのバコパシドIIを放出し、その他のフィトケミカル、バコサイドA3、バコパシドX、バコパ
サポニンCの値も略似ている。注目すべきこととして、1.7℃で保存すると、2〜8週目では、
図5に示すとおり、バコパシドXを除くフィトケミカルの放出はより高くなっている。16週目では、テストされる全てのフィトケミカルの値は、22.2℃での試料よりも高かった。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0060】
【表2】
【手続補正8】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項10
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項10】
前記抽出流体は、バコパ、センテラ、又はそれらを合わせたものからバコパサポニンCを抽出し、前記バコパサポニンCは水100ml当たり0.72〜0.96mgの値を有する、請求項1の方法。
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】