特表2017-522095(P2017-522095A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-522095(P2017-522095A)
(43)【公表日】2017年8月10日
(54)【発明の名称】リバーシブル玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 3/04 20060101AFI20170714BHJP
   A63H 3/12 20060101ALI20170714BHJP
   A63H 3/02 20060101ALI20170714BHJP
【FI】
   A63H3/04 Z
   A63H3/12
   A63H3/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-574061(P2016-574061)
(86)(22)【出願日】2015年6月12日
(85)【翻訳文提出日】2017年2月13日
(86)【国際出願番号】US2015035600
(87)【国際公開番号】WO2015195481
(87)【国際公開日】20151223
(31)【優先権主張番号】62/012,553
(32)【優先日】2014年6月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/060,146
(32)【優先日】2014年10月6日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517176548
【氏名又は名称】トリスター プロダクツ インク
【氏名又は名称原語表記】TRISTAR PRODUCTS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】シニ アイッカツクージィ ナラヤナン
(72)【発明者】
【氏名】パトリック エス バラン
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ マイケル オンデルコ
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ ツォン スン
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150BC02
2C150BC05
2C150BC06
2C150CA02
2C150DC04
2C150FB46
2C150FC02
(57)【要約】
リバーシブル玩具は第1の外形および第2の外形を含み、各外形は、上部およびベース部を有する中空のボディ部を含み、各外形は、円錐形状の中空および共有のベース部を有する。玩具は、共有のベース部を介して玩具を裏返すことにより、第1の位置と第2の位置との間でリバーシブルであり、この結果、外形のうちの一方は、もう一方が可視可能であるとき、実質的に隠される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
玩具であって、
リバーシブル玩具の一部を形成するように構成される第1の外形を含み、前記外形が、
上部およびベース部を有する実質的に中空のボディ部であって、前記上部が前記ベースよりも狭くなるように前記中空が実質的に円錐形状を含む、前記ボディ部と、
前記リバーシブル玩具を形成するように、前記外形を第2の外形のベース部に固定するように構成される、前記ベース部のベース周辺の留め具と、を含む
玩具。
【請求項2】
請求項1に記載の玩具であって、リバーシブル玩具の一部を形成するように構成される前記第2の外形が、
第2の上部および第2のベース部を有する第2の実質的に中空のボディ部を含み、
前記第2の上部が前記第2のベース部よりも狭くなるように前記第2の外形の前記中空が実質的に円錐形状を含む、玩具。
【請求項3】
請求項2に記載の玩具であって、
第1の位置において、前記第1の外形の前記上部および前記ボディ部が、前記第2の外形の前記ボディ部の前記中空の内側に入り込み且つ適合するように構成され、前記第2の外形が可視可能であるとき、前記第1の外形が実質的に隠され、
第2の位置において、前記第2の外形の前記上部およびボディ部が前記第1の外形の前記ボディ部の前記中空の内側に入り込み且つ適合するように構成され、第1の外形が可視可能であるとき、前記第2の外形が実質的に隠され、
前記玩具が、共有のベース部を介して前記玩具を裏返すことにより第1の位置と第2の位置との間でリバーシブルである、玩具。
【請求項4】
請求項1に記載の玩具であって、前記第1の外形の前記ベース周辺の前記留め具が、ステッチ、スナップ、マグネット、または、ホックおよびループコネクタの1つまたは複数を含む、玩具。
【請求項5】
請求項1に記載の玩具であって、前記第1の外形が、付属物、顔の特徴の要素、または他の付属品を含む、玩具。
【請求項6】
請求項1に記載の玩具であって、前記第1の外形が、内側ライニングを含む、玩具。
【請求項7】
請求項1に記載の玩具であって、前記第1の外形がさらに、前記ベース部の少なくとも一部に沿って配置されるスティッフナを含む、玩具。
【請求項8】
請求項7に記載の玩具であって、前記スティッフナが把持リングを含む、玩具。
【請求項9】
請求項1に記載の玩具であって、前記留め具が、前記第1の外形の前記ベースを前記第2の外形の前記ベースに着脱可能に固定するように構成される、玩具。
【請求項10】
請求項9に記載の玩具であって、前記第1の外形が1つまたは複数の他の外形と交換可能である、玩具。
【請求項11】
請求項1に記載の玩具であって、前記第1の外形が、前記上部の端部に頭部を含み、前記頭部が詰め物材料を含む、玩具。
【請求項12】
リバーシブル玩具であって、
第1の外形および第2の外形を含み、各外形が上部およびベース部を有する中空のボディ部を含み、
前記上部が前記ベース部よりも狭くなるように、各外形の前記中空が円錐形状を有し、
前記第1の外形の前記ベース部が、共有のベース部を形成するように前記第2の外形の前記ベースに取り付けられる、
前記リバーシブル玩具。
【請求項13】
請求項12に記載の玩具であって、
第1の位置において、前記第1の外形の前記上部および前記ボディ部が、前記第2の外形の前記ボディ部の前記中空の内側に入り込み且つ適合するように構成され、前記第2の外形が可視可能であるとき、前記第1の外形が実質的に隠され、
第2の位置において、前記第2の外形の前記上部およびボディ部が、前記第1の外形の前記ボディ部の前記中空の内側に入り込み且つ適合するように構成され、前記第1の外形が可視可能であるとき、前記第2の外形が実質的に隠され、
前記玩具が、前記共有のベース部を介して前記玩具を裏返すことにより第1の位置と第2の位置との間でリバーシブルである、玩具。
【請求項14】
請求項12に記載の玩具であって、少なくとも1つの外形が付属物、顔の特徴の要素、または他の付属品を含む、玩具。
【請求項15】
請求項12に記載の玩具であって、少なくとも1つの外形が内側ライニングを含む、玩具。
【請求項16】
請求項12に記載の玩具であって、さらに、前記共有のベース部の少なくとも一部に沿って配置されるスティッフナを含む、玩具。
【請求項17】
請求項12に記載の玩具であって、前記第1の外形の前記ベースが前記第2の外形の前記ベースから着脱可能である、玩具。
【請求項18】
請求項17に記載のリバーシブル玩具であって、前記第1および第2の外形が1つまたは複数の他の外形と交換可能である、リバーシブル玩具。
【請求項19】
請求項12に記載の玩具であって、少なくとも1つの外形が前記上部の端部に頭部を含み、前記頭部が詰め物材料を含む、玩具。
【請求項20】
請求項12に記載の玩具であって、前記第1および第2の外形が異なる寸法である、玩具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、リバーシブルプラッシュ玩具という表題で、2014年6月16日に出願された米国仮特許出願第62/012,553号、および、リバーシブルプラッシュ玩具グラブリングという表題で、2014年10月6日に出願された米国仮特許出願第62/060,146号の優先権を主張するものであり、そのそれぞれの全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
著作権表示
この特許文書の開示の一部には、著作権保護を受けるものが含まれる。そうした著作権の所有者は、何人による、米国特許商標庁のファイルまたは記録にあるとおりの、特許文書または特許開示の複製に対して異議を有さず、それ以外の場合には、すべてのどんな著作権も保護される。
【発明の概要】
【0003】
実施形態によれば、玩具が開示され、当該玩具は、リバーシブル玩具の一部を形成するように構成される第1の外形(フィギュア)を含み、当該外形は、上部およびベース部を有する実質的に中空のボディ部であって、当該中空が、上部がベースよりも狭くなるように実質的に円錐形状を含む、ボディ部と、リバーシブル玩具を形成するように、第2の外形(フィギュア)のベース部に外形を固定するように構成される、ベース部のベース周辺の留め具と、を含む。
【0004】
実施形態において、第2の外形は、第2の上部および第2のベース部を有する第2の実質的に中空のボディ部を含み、第2の上部が第2のベース部よりも狭くなるように、第2の外形の中空は実質的に円錐形状を含む。
【0005】
実施形態において、第1の位置において、第1の外形の上部およびボディ部は、第2の外形のボディ部の中空の内側に入り込んでそこに適合するように構成され、その結果、第2の外形が可視可能であるとき、第1の外形が実質的に隠され、第2の位置において、第2の外形の上部およびボディ部は、第1の外形のボディ部の中空の内側に入り込んでそこに適合するように構成され、その結果、第1の外形が可視可能であるとき、第2の外形が実質的に隠される。玩具は、共有のベース部を介して玩具を裏返すことにより、第1の位置と第2の位置との間でリバーシブルである。
【0006】
実施形態において、ベース周辺の留め具は、ステッチ、スナップ、マグネット、またはフックおよびループコネクタのうちの1つまたは複数を含む。実施形態において、留め具は、第1の外形のベースを、第2の外形のベースに着脱可能に固定するように構成される。他の実施形態において、留め具は、第1の外形のベースを第2の外形のベースに恒常的に固定するように構成される。
【0007】
実施形態において、外形は、付属物(appendage)、顔の特徴の要素、または付属品(attachment)を含む。実施形態において、外形は内側ライニングを含む。実施形態において、外形はグラブリングを含む。
【0008】
実施形態において、第1の外形および第2の外形は、寸法が異なる。実施形態において、第1および第2の外形は、1つまたは複数の他の外形と交換可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付の図面の図において、実施形態が示される。図面は、例示的であることを意味し、限定的であることを意味しない。図面における同様の参照番号は、同様または対応するものを参照するように意図される。
【0010】
図1】リバーシブル玩具の実施形態の正面図を示す。
【0011】
図2A】破線が内部の内容物を示す、実施形態の正面図を示す。
図2B】破線が内部の内容物を示す、実施形態の正面図を示す。
【0012】
図2C】実施形態の側面断面図を示す。
【0013】
図3】裏返すプロセスの間の、リバーシブル玩具の実施形態を示す。
【0014】
図4】リバーシブル玩具の実施形態の側面断面図を示す。
【0015】
図5】異なる寸法を有する外形を備えるリバーシブル玩具の実施形態を示す。
【0016】
図6】内側ライニングを備えるリバーシブル玩具の実施形態を示す。
【0017】
図7】着脱可能に連結された外形を備えるリバーシブル玩具の実施形態を示す。
図8】着脱可能に連結された外形を備えるリバーシブル玩具の実施形態を示す。
【0018】
図9】スナップコネクタの拡大図を示す。
【0019】
図10】グラブリングを備えるリバーシブル玩具の実施形態の正面図を示す。
【0020】
図11A】その実施形態の上面図を示す。
図11B】その実施形態の上面図を示す。
【0021】
図12A】布地を含むグラブリング備えるリバーシブル玩具の実施形態を示す。
図12B】布地を含むグラブリング備えるリバーシブル玩具の実施形態を示す。
【0022】
図13】布地を含むグラブリングの実施形態の詳細な断面図を示す。
【0023】
図14A】リバーシブル玩具の実施形態のための裁断パターンを示す。
図14B】リバーシブル玩具の実施形態のための裁断パターンを示す。
【0024】
図15A】リバーシブル玩具の実施形態のための裁縫プロセスを示すフローチャートを示す。
図15B】リバーシブル玩具の実施形態のための裁縫プロセスを示すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
様々な実施形態が次に、添付の図面を参照して以下でより十分に説明される。図面は、本明細書の一部を形成し、実例として、本発明が実施され得る特定の実施形態を示す。しかし、実施形態は多くの異なる形で具現化されてよく、本明細で述べられる実施形態に限定されると解釈すべきでない。むしろ、本開示が十分かつ完全であり、実施形態の範囲を当業者に十分に伝えるものであるように、これらの実施形態が提供される。それゆえ、以下の詳細な説明は、限定的な意味に受け取るべきでない。
【0026】
明細書および特許請求の範囲を通して、以下の語は、文脈がそうではないと明確に意味する場合を除いて、本明細書において明確に関連する意味を持つ。「本明細書において(herein)」という語は、本出願と関連する明細書、特許請求の範囲、および図面を指す。本明細書において使用される「1つの実施形態において」という句は、そうである場合もあるが、必ずしも同じ実施形態を参照しない。さらに、本明細書において使用される「別の実施形態において」という句は、そうである場合もあるが、必ずしも異なる実施形態を参照しない。それゆえ、後述される本発明の様々な実施形態は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく容易に組み合わせてよい。
【0027】
さらに、本明細書で使用されるように、「または(or)」という語は、包括的な「or」演算子であり、文脈がそうではないと明確に意味する場合を除いて、「および/または」という語と同等である。「〜に基づいて(based on)」という語は、排他的なものでなく、文脈がそうではないと明確に意味する場合を除いて、説明されない追加のファクタに基づくことを可能にする。さらに、明細書を通して、「a」、「an」および「the」の意味は、複数形の参照を含む。「in」の意味は、「in」および「on」の意味を含む。
【0028】
本開示において、特に特許請求の範囲および/または段落において、「comprises」、「comprised」、「comprising」等などの語が、米国特許法においてそれらに帰する意味を有し得ることに留意されたい。すなわち、それらは、これに限定されないが「includes」「included」、「including」等を意味し、明確に列挙されない要素を可能にする。「consisting essentially of」や「consists essentially of」などの語は、米国特許法においてそれらに帰する意味を有する。すなわち、それらは、明確に列挙されない要素を可能にするが、先行技術に見られる要素、または、本発明の基本的または新規の特徴に影響を及ぼす要素を排除する。これらおよびその他の実施形態が、開示され、または、以下の説明から明らかとなり、また以下の説明により包含される。
【0029】
「a」、「an、」「少なくとも1つの(at least one)」、「1つまたは複数(one or more)」といった語および同様の語の使用は、特徴または要素のうちの1つ、および、2つ以上の特徴を示す。特徴を参照するための「the」という語の使用は、特徴および要素のうちの1つのみを意味するものでない。
【0030】
用語の前に序数(「第1」「第2」「第3」等など)が形容詞として使用される場合、そうした序数は、(特にまたは明確にそうではないと指定される場合を除いて)例えば、特定の特徴を、同一の用語または同様の用語により説明される別の特徴から区別するために、特定の特徴を示すためだけに使用される。
【0031】
同様に、参照番号AおよびBが実施形態の要素を参照するために、説明において使用されるが、それらは、実施形態の明確な説明を提供する目的で、便宜上使用される。それらは、動作の任意の種類の順番またはシーケンスを必要とすることを意図するものでなく、また、完全に交換可能である。
【0032】
次に図を参照すると、図1は、リバーシブル玩具の実施形態10の正面斜視図を示す。玩具10は、外形(形状)A12aおよび外形(形状)B12bである2つの動物形状として、示される実施形態に描かれた2つの外形12から構成される。各外形は、ボディ16a、16b、上部18a、18b、およびベース20a、20bを含む。示された実施形態において、外形A12aのベース20aは、外形B12bのベース20bに連結されて、共有のベース20を形成する。各外形12a、12bのボディ16a、16bは、本明細書において説明されるように、もう一方の外形12a、12bを内側に収容することができるように構成される。例えば、各ボディ16a、16bは、実質的に中空であってよい。
【0033】
図2Aはリバーシブル玩具10の実施形態を示しており、破線で示された外形B12bは、外形A12aのボディ16a内に完全に収容されている。図2Cは、その側面断面図を示す。この位置では、外形A12aが外側外形であり、視覚可能な唯一の外形である。外形B12bは内側外形であり、外形A12a内に隠れており、且つ、外形A12aのための詰め物を提供する。図2Bは、図2Aから裏返されたリバーシブル玩具の実施形態10を示し、ここで破線で示された外形A12aは、外形B12bのボディ16b内に完全に収容されている。この位置では、外形B12bが外側外形であり、視覚可能な唯一の外形である。外形A12aは内側外形であり、外形B12b内に隠れており、且つ、外形B12bのための詰め物を提供する。図2Cはその側面断面図を示す。
【0034】
図面に示された実施形態は、外側外形内に完全に収容される内側外形を描くものである。しかし、いくつかの実施形態は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、外側外形内に完全に収容されない内側外形の要素を含むように構成されてもよい。
【0035】
図3は、裏返すプロセスの間のリバーシブル玩具の実施形態10を示す。玩具10は、玩具10のベース20を安定させて、同時に、ここでは外形A12aである外側外形をベース20に向かって押すことにより裏返されるように構成される。ここでは外形B12bである内側外形は、外側外形12aから押し出された場所に出現する。裏返すプロセスを続けると、外形B12bを露出させるように玩具10を「裏を表側に」するため、外形A12aは、ベース20に向かって、また、外形B12bのボディ16bの内側へ押され、これにより、外形A12aは、外形B12b内に隠れる。裏返すプロセスが完了すると、外形B12bが視覚可能な唯一の外形であり、外形A12aは、概ねまたは完全に外形B12b内に収容される。外形A12aは内側外形となり、外形B12b内に隠れ、且つ、外形B12bのための詰め物を提供する。
【0036】
図4は、リバーシブル玩具10の側面断面図を示す。実施形態において、外形12a、12bのそれぞれは実質的に円錐の形であり、(動物形状の頭部として実施形態において描かれた)玩具の上部18a、18bはベース20よりも幅が狭い。図4に図示されるように、両方の外形が露出されたときに、実質的に二重円錐(ダブルコーン)形状を形成するように、外形A12aのベース20は、外形B12bのベース20に取り付けられる。
【0037】
二重円錐の形は、一方の外形12がもう一方内に適合するように構成される。二重円錐形状は、複数の大きさのリバーシブル玩具を形成するように構成されてよい。
【0038】
実施形態において、二重円錐形の玩具は、2つの外形が異なる大きさ又は長さから成るように構成されてもよい。それらの実施形態の場合、2つの外形のベース20が互いに接着されるとき、玩具が依然としてリバーシブルであり、2つの外形の長さが異なることによる影響を受けないように、二重円錐が構成される。これにより、母親と赤ちゃん、異なる動物、魔法使いと戦士、ロボットと人間、ロボットとロボット、人間と超人、人間と怪物、船長と宇宙船など、多数の外形ペア構成が可能となり、実際は、組合せは想像によってのみ限定される。
【0039】
各形状に組み込まれる特性または特徴の付加に対する制限は最小であるので、二重円錐の形におけるベース20を介した連結はさらに、使用される2つの外形の様々な変形形態を可能にする。例えば、各外形がもう一方とは無関係に構成できるので、外形は、共通の継ぎ目などの構成材料を必要としない(または、ベースでのみの継ぎ合わされる)。特徴は、足、尾、付属物、ナセル、アクセサリー、または他のディテールを含んでよい。或る実施形態において、2つの外形のベース周辺の寸法は実質的に同じであるが、それぞれ個々の外形の大きさおよび特徴は、玩具の裏返し可能な態様を損なうことなく、変更してよい。
【0040】
例えば、図5は、第1の外形12aの寸法が第2の外形12bの寸法よりも大きい実施形態を示す。
【0041】
さらに、実施形態において、二重円錐の形は、玩具への構造的な支持を提供する。一方の外形のみが露出されるように玩具が配置されるとき、外側外形の上部に対してより大きな寸法のベースが、玩具が潰れたり傾いたりするのを防ぐのに役立つ。
【0042】
実施形態において、一方または両方の外形は、外形の上部に位置される、随意に詰め物で充填された頭部を含む。十分な支持がなければ、外形のボディは、頭部の大きさおよび重さを受けて潰れようとする。しかし、玩具の二重円錐形状は、玩具が、そのベース上に真っすぐ位置されたままであることを可能にし、頭部は潰れることなく上部でしっかりとバランスを取る。この方法で、外形の上部は、より大きなベース領域にわたって分布されてよい。同様に、外形の上部と比較してより大きなベース寸法は、玩具が、傾いたりバランスを崩したりするのを防ぐのに役立つ。
【0043】
或る実施形態において、ベース20と各外形の上部18との寸法の差は、二重円錐の形の意図された機能を達成するために、大きくある必要はない。さらに、ボディ16の内部空間が実質的に円錐形であっても、実施形態は、最終的な形において円錐形の外観を有する必要はない。例えば、詰め物、付属物、または追加のキャラクターの特徴が、玩具の外側の円錐形の外観を不明瞭にでき、一方で、本明細書において説明されるように、玩具10が裏返しにできることを保持するため、玩具10の内部において二重円錐形状を保つことができる。
【0044】
図6に示すように、実施形態において、外形は、内側ライニング26により作られる。或る実施形態において、ライニング26は、コットン、ポリフィル(poly‐fill)、もしくは任意の他の柔らかい材料、または材料の組合せを含んでよい。ライニングは、玩具の柔らかなプラッシュの手触りを付加できる。また、ライニングは、追加の構造的支持を玩具に提供し、外形の二重円錐の形を補強できる。玩具10がリバーシブルであることを可能にするように適切なフィット性を確実にするため、ライニング26の厚さが外形12のボディ16の所望の内部のボリュームに影響を及ぼし得ることが、本明細書における教示により知らされる当業者には明らかであろう。
【0045】
図7図8は、2つの外形12a、12bが着脱可能に連結されたリバーシブル玩具の実施形態10を示す。互いに縫い付けることなどにより、2つの外形を恒常的に互いに取り付けるのではなく、外形12a、12bは、スナップ24などのコネクタを使用して連結されてよい。スナップ24は、ベース20の周辺に配置される。外形が着脱可能であるので、外形を交換することにより、多数の外形のペアを作ることができる。例えば、外形Aは外形Bとペアにされてよく、または、外形Cは、A〜Cのペア、またはB〜Cのペアを作るために、外形Aまたは外形Bのいずれかと交換されてよい。これにより、2つの外形が恒常的に連結される実施形態により可能であるよりも、一層多くのユーザの選択肢および多様性が提供される。図9は、スナップコネクタ24の拡大図を示す。
【0046】
スナップ24を使用した実施形態が示されているが、任意の種類および数の着脱可能なコネクタが使用されてよい。例えば、或る実施形態において、フックおよびループコネクタが、2つの外形を連結するのに使用されてよい。別の実施形態において、マグネットが2つの外形を連結するのに使用されてよい。
【0047】
図10図13は、グラブ(握り)リング22などのスティッフナ(stiffener)を含むリバーシブル玩具の実施形態10を示す。グラブリング22は、2つの外形12a、12b間の接合部に配置され、一方の外形がもう一方の内側に収容されるとき、玩具のベース20である。グラブリング22は、玩具を裏返すとき、ユーザのための握る場所を提供し、ベース20の開口が潰れるのを防ぐのを助ける。これにより、一方の外形を別のものに裏返すことが促進される。グラブリング22は、さらに、玩具10に構造的な支持を提供して、裏返し易さを促進し、また、玩具10が真っすぐに座るのを助ける。図10および図11Aに示した実施形態のグラブリング22は、ひも材料から作られている。図11Bは、グラブリング22がプラスチックまたはゴム材料を含む実施形態を示す。実施形態において、グラブリング22は、ナイロン、ゴム、糸、ポリプロピレン、金属、布地、または任意の他の適切な材料のいずれかを含んでよい。示された実施形態において、グラブリング材料は、玩具10のベース20に付加される。しかし、他の実施形態において、グラブリングは、玩具10に一体化した材料を使用して構成されてもよい。グラブリング22は、玩具10の外側に可視可能である必要はない。例えば、実施形態において、グラブリング22が布地により覆われるように、またはそうでない場合にはユーザに見えないように、グラブリング22はベース20に一体化される。
【0048】
図12Aは、グラブリング22が布地を含むリバーシブル玩具の実施形態10を示す。この実施形態において、グラブリング22は、玩具10のベース20周囲のリップまたは端部を作るように布地を縫い合わせることによって構成される。図12Bは、リバーシブル玩具の実施形態10を示しており、破線で示された外形B12bが外形A12aのボディ16a内に完全に収容されている。上記で説明した通り、グラブリング22はさらに、構造的な支持を玩具10に提供し、これにより、裏返し易さが促進され、また、玩具10が真っすぐに座るのを助ける。
【0049】
図13は、この方法で構成されるグラブリング22の実施形態の詳細な断面図を示す。
【0050】
リバーシブル玩具の製造方法は以下の通りである。例えば、第1の外形のパターンが提供される。例えば、図14A図14Bは、リバーシブルプッシュ玩具の実施形態のための裁断パターンを示す。このパターンは、布地から切り取られ、図15A図15Bに示した対応するフローチャートに示されるプロセスにより互いに縫い合わされる。図14図15に示した実施形態は、ゾウの外形(具体的には、図14Aおよび15A)ならびにサイの外形(具体的には、図14Bおよび15B)を含む。
【0051】
例えば、図15Aに示すように、手順は次の通りである。
【0052】
ブロック201:P1[下あご‐2枚]:縫い合わせる
【0053】
ブロック202:P1‐DcをP3[側面]‐Dcへ
【0054】
ブロック203:P2[鼻]‐DcをP3‐Dcへ、P3‐Eaへ縫い続ける
【0055】
ブロック204:P4[耳‐4枚]:縫い合わせる
【0056】
120
ブロック205:P4‐EbをP3‐Ebへ、P3‐Ecへ縫い続ける
【0057】
ブロック206:P5[毛]‐EeをP3−Eeへ
【0058】
ブロック207:P6[後頭部]‐EdをP3‐Edへ、P3‐Ecへ縫い続ける
【0059】
ブロック208:P9[左前脚]‐BaをP8[前ボディ]‐Ba_左へ
【0060】
ブロック209:P7[後ろ足]‐Bb_左をP8‐Bb_左へ
【0061】
ブロック210:P10[後ボディ]‐AbをP8‐Abへ、P8‐Bdへ縫い続ける
【0062】
ブロック211:P11[爪‐4枚]‐Ca_左をP9‐Caへ、P10‐Ca[前足]へ縫い続ける
【0063】
ブロック212:P12[長靴‐4枚]‐Cb_左をP9‐Cbへ、P11‐Cc_左へ縫い続け、Cc_右へ縫い続け、P10‐Cbへ縫い続け、P10&P8‐Aaへ縫い続け、P7‐BcおよびP10‐Bcへ縫い続ける
【0064】
ブロック213:左後ろ足の縫い付け:ブロック211を繰り返す
【0065】
ブロック214:P12‐Cb_左をPlO‐Cbへ、P8AcおよびPlO‐Acへ縫い続ける
【0066】
ブロック215:右側でブロック210からブロック214を繰り返す
【0067】
ブロック216:右頭部のため、ブロック203からブロック207を繰り返す
【0068】
ブロック217:右頭部と左を互いに縫い合わせる
【0069】
ブロック218:P6‐DaをPlO‐Daへ、P3‐Dbへ縫い続け、右側へ縫い続ける
【0070】
ブロック219:目を固定
【0071】
ブロック220:P15[コットン]:頭部およびボディ付属品を取り付け
【0072】
ブロック221:P3[しっぽ]‐CaをP14‐Caへ、折りたたみ、縫い、裏返す
【0073】
ブロック222:P13‐CbをPlO‐Cbへ
【0074】
図15Bに示すように、手順は次の通りである。
【0075】
ブロック301:P1[角]‐AcをP2[顔]‐Acへ
【0076】
ブロック302:P3[耳‐4枚]:互いに縫い合わせ、P3‐AdをP2‐Adへ
【0077】
ブロック303:P4[後頭部]‐AaをP2‐Aaへ
【0078】
ブロック304:P5[首]をP2‐Abへ
【0079】
ブロック305:反対側のため、ブロック301〜304を繰り返す
【0080】
ブロック306:ブロック208からブロック214のゾウのステッチを繰り返す
【0081】
ブロック307:P4‐DaをPlO‐Daへ、P2‐A*P10‐A*へ縫い続け、P5‐DbおよびP8‐Dbへ縫い続け、右側へ縫い続ける
【0082】
ブロック308:ゾウのステッチのブロック220を繰り返す
【0083】
ブロック309:ゾウと角の底部を互いに縫い合わせる
【0084】
2つの外形が組み合わされると、そうした2つの外形は、それらのベースで連結される。随意に、外形に組み込まれるパッドまたはクッション材の1つまたは複数の層があってもよい。例えば、頭部要素は詰め物を含んでよい。
【0085】
実施形態において、リバーシブル玩具10は、布地、繊維またはプラスチック材料の1つまたは複数を含む。目、鼻、口、および他の特徴ならびに付属品が、外形に随意に取り付けられてよい。付属品のいずれの鋭利な端部も、それらをより安安全でより危険のないものにするために、無くされてよく、および/または、鈍くされてよい。実施形態において、機械ステッチの大部分が、完成品において縫い目が見えないように、布地の裏面で行われる。機械ステッチが完了すると、玩具は、布地の縫われていない部分を介して、表を外側にされる。縫われていない部分は、その後、手縫いで閉じられる。必要があれば、布地を引っ張ったり、つないだりすることにより玩具の所望の表情を引き出すために、追加の裁縫が行われる。いくつかの実施形態は、玩具上にペイントされた、縞または点などの追加の印を含む。玩具はさらに、付着した繊維を取り除くために、継ぎ目上にワイヤブラシを施されてよく、また、エアブラシを吹き付けられてもよい。理解されるように、いずれのステッチも、機械ステッチまたはハンドステッチによるものであってよい。
【0086】
上記で開示された特定の実施形態は例示的なものに過ぎず、本発明は、本明細書における教示の利益を有する当業者にとって明らかな様々な等価の方法において、修正または実施されてよい。さらに、限定は、以下の特許請求の範囲に記載されたものを除いて、本明細書に示した構成または設計の詳細に向けられたものではない。それゆえ、上記で開示された特定の実施形態は、変更または修正されてもよく、すべてのそのような変形形態が、本発明の範囲および精神の範囲内で考慮されることが明らかである。本発明の例示的な実施形態が、本明細書において詳細に述べられたが、本発明がそうした厳密な実施形態に限定されず、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者により、本発明において様々な変更および修正がもたらされてよいことを理解すべきである。

図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14A
図14B
図15A
図15B
【国際調査報告】