(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-522161(P2017-522161A)
(43)【公表日】2017年8月10日
(54)【発明の名称】即席調理機器
(51)【国際特許分類】
A47J 27/14 20060101AFI20170714BHJP
A23L 7/109 20160101ALN20170714BHJP
【FI】
A47J27/14 F
A23L7/109 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-522746(P2017-522746)
(86)(22)【出願日】2015年7月14日
(85)【翻訳文提出日】2017年3月10日
(86)【国際出願番号】IB2015055306
(87)【国際公開番号】WO2016009340
(87)【国際公開日】20160121
(31)【優先権主張番号】MI2014A001276
(32)【優先日】2014年7月14日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517014538
【氏名又は名称】マルコ パスクワーレ ガンボーニ
【氏名又は名称原語表記】Marco Pasquale GAMBONI
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100139549
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 泉
(72)【発明者】
【氏名】ベニート ベトラノ
【テーマコード(参考)】
4B046
4B054
【Fターム(参考)】
4B046LA01
4B046LC20
4B046LP41
4B054AA02
4B054AA12
4B054AA16
4B054AB01
4B054AC13
4B054CA03
4B054CC01
(57)【要約】
本発明は、一以上の食べ物(11)を即席で調理する機器(1,101,201)に関する。同機器は、液体(7)を加熱するボイラ(2)と、液体(7)を加圧する加圧手段(8)と、ボイラ(2)に流体的に連結された一以上の調理容器(3)とを備える。一以上の調理容器(3)は、食べ物(11)のための一以上の流入口(3a)および流出口(3b)を設け、一以上の流入口(3a)と一以上の流出口(3b)とは、流入口および/または流出口(3a,3b)を選択的に開放し密封する一つの遮断バルブ(4a,4b,204b)が設けられている。遮断バルブ(4a,4b,204b)は、加圧手段(8)によって加圧される液体(7)の作用により開放および/または閉鎖するよう駆動される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一以上の食べ物(11)を即席で調理する機器(1,101,201)であって、
液体(7)を加熱するボイラ(2)と、前記液体(7)を加圧する加圧手段(8)と、前記ボイラ(2)に流体的に連結された一以上の調理容器(3)と、を備え、
前記一以上の調理容器(3)は、前記食べ物(11)のための一以上の流入口(3a)および流出口(3b)を設け、
前記一以上の調理容器(3)の前記一以上の流入口(3a)と前記一以上の流出口(3b)とは、前記一以上の調理容器(4)の前記流入口(3a)および/または流出口(3a,3b)を選択的に開放し密封する一つの遮断バルブ(4a,4b,204b)が設けられており、
前記一つの遮断バルブ(4a,4b,204b)は、前記加圧手段(8)によって加圧される前記液体(7)の作用により開放および/または閉鎖するよう駆動されることを特徴とする、機器。
【請求項2】
前記一つの遮断バルブ(4a,4b,204b)は、第1位置と第2位置との間を変位可能であり、
前記第1位置において、前記ピストン(5)は、前記一以上の調理容器(3)の前記流入口(3a)または前記流出口(3b)を直接的または間接的に閉鎖し、前記第2位置において、前記ピストン(5)は、前記一以上の調理容器(3)の前記流入口(3a)または前記流出口(3b)を前記一以上の食べ物(11)を通過させるよう直接的または間接的に開放する、
請求項1に記載の機器。
【請求項3】
前記遮断バルブ(4a,4b,204b)は、内側を前記一以上のピストン(5)が摺動する一以上のシリンダ(6)を備え、
前記シリンダ(6)は、前記一以上の調理容器(3)の外側へ/から前記食べ物(11)を通過させる一以上の第1通過開口部(6a,6b)と、前記一以上の調理容器(3)へ/から前記食べ物(11)を通過させる一以上の第2通過開口部(6b,6c)とを備え、
前記一以上の第2通過開口部(6b,6c)は、前記一以上のシリンダ(6)の側面の一部に設けられ、前記一以上の調理容器(3)の前記流入口(3a)または前記流出口(3b)と一致または連結されてなる、
ことを特徴とする、請求項2に記載の機器。
【請求項4】
前記一以上の第1開口部(6a,6d)および前記一以上の第1開口部(6b,6c)は、前記シリンダ(6)の軸に対して略径方向に対向し、および/またはほぼ径方向に単一の開口部を形成する、
ことを特徴とする、請求項3に記載の機器。
【請求項5】
前記一以上のピストン(5)は前記一以上のシリンダ(6)内で密封しながら摺動する、
ことを特徴とする、請求項3または4に記載の機器。
【請求項6】
前記ピストン(5)は、前記一以上のシリンダ(6)の前記一以上の第1開口部(6a,6d)および前記一以上の第2開口部(6b,6c)を連結するような形状である貫通穴(5b)を備える、
ことを特徴とする、請求項3から5のいずれかに記載の機器。
【請求項7】
前記一以上のピストン(5)は前記加圧された液体(7)によって直接駆動される、
ことを特徴とする、請求項2から6のいずれかに記載の機器。
【請求項8】
前記一以上の調理容器(3)の前記食べ物(11)のための前記一以上の流入口(3a)または前記一以上の流出口(3b)は、前記遮断バルブ(4a,4b)を備える、
上記いずれかの請求項に記載の機器。
【請求項9】
前記調理容器(3)は前記ボイラ(2)内に少なくとも部分的に含まれている、
上記いずれかの請求項に記載の機器。
【請求項10】
前記調理容器(3)の内面の少なくとも一部は、前記食べ物(11)の調理サイクルの少なくとも終わりには前記一以上の食べ物(11)を前記調理容器(3)の内面の一部から分離させやすくするため、一以上の内方突出エレメント(3c)を有する、
上記いずれかの請求項に記載の機器。
【請求項11】
前記一以上の内方突出エレメントは、前記一以上の調理容器(3)の内面の少なくとも一部を覆うメッシュ状の網を備える、
ことを特徴とする、請求項10に記載の機器。
【請求項12】
前記一以上の調理容器(3)および/または前記一以上の内方突出エレメント(3c)はステンレス鋼からなる、
ことを特徴とする、上記いずれかの請求項に記載の機器。
【請求項13】
前記一以上の電子バルブ(10a)は、前記ボイラ(2)から前記一以上の調理容器(3)内への前記液体(7)の流入を調整する、
上記いずれかの請求項に記載の機器。
【請求項14】
前記加圧手段は、一以上の容積式ポンプ(8)を備える、
上記いずれかの請求項に記載の機器。
【請求項15】
並行してそれぞれ独立して使用可能な複数の調理容器(3,203)を備える、
上記いずれかの請求項に記載の機器。
【請求項16】
前記複数の調理容器(3,203)は、前記ボイラ(2)に含まれる、
ことを特徴とする、請求項15に記載の機器。
【請求項17】
前記調理容器(3)の前記一以上の流出口(3b)の下流側に配され、前記調理容器(3)から出る前記一以上の食べ物(11)を収集し、前記食べ物(11)を各調理用液体(7)から分離する、残り排出容器(9)を備える、
上記いずれかの請求項に記載の機器。
【請求項18】
前記残り排出容器(9)は、前記調理用液体(7)を流出させるための少なくとも底部に穴を開けたバスケット(9a)と、排出液のための収集容器(9b)とを備える、
ことを特徴とする、請求項17に記載の機器。
【請求項19】
前記残り排出容器(9)はさらに、少なくとも前記バスケット(9a)を、前記一以上の調理容器(3)の前記一以上の流出口(3b)からの前記一以上の食べ物(11)の収集位置と、前記一以上の排出された食べ物(11)の排出位置との間を移動させる手段を備える、
ことを特徴とする、請求項17または18に記載の機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食べ物の即席調理の分野、特に(限定はしないが)パスタ、ライス、その他のドライフードの調理の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
当該技術分野において、パスタの様々な即席調理機器が知られている。かかる機器は、一般的に、水の入った高温および高圧の一以上の容器内に所定の時間パスタを入れておくことに特徴がある。
【0003】
例えば、Stein名義の米国特許5,630,359号は、加圧された水を熱する管状のボイラと、ボイラ内に固定され、パスタ用の複数の出入開口部を介して外側と連通し、ボイラ自体から入ってくる高温加圧水で制御された方法で充填される管状調理容器とを備えるパスタ調理機器が記載されている。調理容器の入出開口部は、適切な遮断バルブによって選択的に閉鎖・開放が可能であり、同バルブには摺動遮断部とレバー機構とが設けられ、遮断部を上記入出開口部に完全にくっ付けられるような形状であり、これにより開口部が遮へいされたとき調理容器を確実に封鎖できる。米国特許5,630,359号に記載の機構はまた、上記遮へいバルブおよびレバー機構を駆動するのに適したモータ、おそらくは電気モータを設けている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、公知の機械は、比較的機械的に複雑であること、嵩張り、実施コストの理由から、現在に至るまでうまく利用されたことはなかった。
【0005】
また、公知技術の課題の一つとして、加圧しその後加熱した水を管理するために機械が必要とするエネルギーが大きいこともある。
【0006】
また、公知技術の機械では、いくらか原材料の無駄が生じる。これは、調理されたパスタは、量的に少なくても、様々な容器の壁、特に各容器の壁に付着してしまうためである。
【0007】
さらに、公知技術の機械は、パスタ、典型的には一つまたは少数タイプのパスタを調理するためだけ適しており、明らかに多用途性を欠く。
【0008】
本発明の目的は、少なくとも一つの食べ物(好適にはパスタであるがパスタには限定されない)を、素早く、簡単、かつ効果的に調理する即席調理機器を実現することである。
【0009】
本発明の特定の目的は、機械的に簡易、コンパクト、かつ効果的な食べ物の即席調理機器を製造することである。
【0010】
本発明の別の目的は、食べ物の無駄を排除する食べ物の即席調理機器を実現することである。
【0011】
本発明のさらに別の目的は、異なるタイプの食べ物の調理が可能な調理機器を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
これらおよび他の目的は、請求項1に記載の機器による本発明により達成される。好適な態様は従属請求項に記載されている。
【0013】
特に本発明によれば、一以上の食べ物を即席で調理する機器は、液体を加熱するボイラと、同液体を加圧する加圧手段と、ボイラと流体的に連結された一以上の調理容器とを備える。一以上の調理容器は、食べ物用の一以上の流入口と一以上の流出口とが設けられ、調理容器の一以上の流入口および流出口は遮断バルブが設けられ、流入口および/または流出口を選択的に開放し密封する。特に、本発明によれば、遮断バルブは、加圧手段により加圧された液体の作用により開放および/又は閉鎖するように駆動される。
【0014】
本発明によれば、調理容器を、機器内にすでに存在する加圧された液体の作用により開放し、そして何よりも閉鎖し、閉鎖した状態を維持することができるため、外部からエネルギー源を別途必要としない。
【0015】
これにより、機器において大幅な省エネルギーそして省スペースが可能となり、複雑さを抑制しこれによりコストを節約できる。
【0016】
本発明の一の態様によれば、一以上の遮断バルブが第1位置と第2位置間において変換可能な一以上のピストンを有し、第1位置においてピストンは調理容器の流入口または流出口を直接的または間接的に閉鎖する。一方、第2位置において、ピストンは、食べ物が通過できるように流入口または流出口を直接的または間接的に開放する。
【0017】
本発明の別の態様によれば、遮断バルブは、ピストンが摺動する一以上のシリンダを備える。シリンダは、(一以上の)調理容器の外側へ/から食べ物を通過させる一以上の第1通過開口部と、同調理容器へ/から食べ物を通過させる一以上の第2通過開口部とを備える。第2通過開口部は、シリンダの側面の一部に設けられ、調理容器の流入口または流出口と一致または連結されている。
【0018】
好適には、ピストンは加圧された液体により直接駆動される。
【0019】
本発明の別の態様によれば、一以上の調理容器の一以上の流入口および一以上の流出口は、上述の遮断バルブを備える。さらに別の態様によれば、調理容器は少なくとも部分的にボイラ内に含まれる。
【0020】
かかる解決手段により、加圧された高温の液体はボイラから調理容器に高い熱効率をもって移送されることができる。
【0021】
本発明の他の態様によれば、調理容器の内面の少なくとも一部は、少なくとも各調理サイクルの終わりに同内面から食べ物を分離させやすくするための一以上の内方突出エレメントを有する。
【0022】
このため、食べ物の無駄を回避することができ、異なるタイプの食べ物が次の調理サイクルにおいて混ぜ合わされることを防ぐことができる。
【0023】
一の実施形態によれば、上記一以上の内容突出エレメントは、(一以上の)調理容器の内面を少なくとも部分的に覆うメッシュ状の網を備える。
【0024】
好適には、一以上の電子バルブは、前記ボイラから一以上の調理容器までの流入を調整する。
【0025】
本発明の一態様によれば、加圧手段は一以上の容積式ポンプを備える。
【0026】
かかる解決手段により、機器のサイズを抑制し、使用の信頼性および多用途性を確保できる。
【0027】
本発明の他の態様によれば、機器は、好適にはボイラに浸けられる、並行してそれぞれ独立して使用可能な複数の調理容器を備える。
【0028】
このため、いくつかの食べ物を同時に調理できる。さらに、複数の異種食べ物の調理を並行して行うことができる。
【0029】
例えば、調理容器の一つをあるパスタの調理のために使用し、別の調理容器をライスおよび/または野菜および/またはインフュージョン飲料のために使用できる。調理容器は、取り扱う食べ物のタイプなどによってそれぞれ大きさが異なっていてもよい。
【0030】
本発明の一態様によれば、一以上の調理容器は、好適には(あれば)他の調理容器とは別に、加熱され加圧された調理用液体を充填される。
【0031】
本発明の他の態様によれば、機器は、調理容器から出される食べ物を収集し、各調理用液体から分離させるため、調理容器の一以上の流出口の下流側に配される、残り排出容器を備えていてもよい。
【0032】
好適には、残り排出容器は、調理用液体を流出させるため少なくとも底部に穴が開けたバスケットと、排出液体のための収集容器とを備える。
【0033】
他の態様によれば、残り排出容器はさらに、バスケットを、少なくとも調理容器から出された食べ物を収集する収集位置と、一以上の排出された食べ物の排出位置との間を移動させる手段を備える。
【図面の簡単な説明】
【0034】
添付の図面を参照しながら、本発明の例示的かつ限定的でない実施態様について説明する。
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る調理機器の概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の第2実施形態に係る調理機器の概略図である。
【
図3-6】
図3〜6は、連続する調理工程における、
図2の調理機器の概略図である。
【
図7a-7b】
図7aおよび7bは、二つの作動位置における
図2に概略的に示す調理機器で使用される遮断バルブの概略図である。
【
図8】
図8は、本発明による調理機器の他の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の一部の好適な実施形態の詳細な説明
図1に示す調理機器の実施形態によれば、一以上の食べ物11を即席で調理する機器1は、密閉された箱状の容器の形態であるボイラ2と、同様にほぼ箱状であり上記食べ物11の流入・流出開口部3a,3bを設けた調理容器3とを備える。同開口部は遮断バルブ4a,4bによりそれぞれ密閉されるものである。
【0036】
本発明によれば、食べ物11は、加熱した液体に浸けて調理する食べ物であれば何でもよく、例えばパスタ、ライス、ポテト、その他ドライタイプの食べ物であってもよい。詳細は後述するが、インフュージョン飲料の調理機器1としての使用も排除しない。
【0037】
特に、
図1に示す実施形態のボイラ2は、ほぼ円柱状であり、例えば加圧された液体、好ましくは水を含み加熱する形状を有する。液体7の加熱手段2aは、ボイラ2に動作可能に連結され、好ましくはボイラ内部に含まれている。
【0038】
図示例において、加熱手段2aは、自動コントローラ(図示省略)によって好ましくは駆動され調整される電気抵抗を備える。好適には、加熱手段2aは二つの電気抵抗を備え、そのうちの一つだけ
図1に図示されている。
【0039】
ボイラ2はさらに、水を流入させボイラに充填する流入開口部2bと、ボイラ2内の水を制御された方法で排出しおよび/またはその一部は調理容器3内に流れ出させる流出開口部2cと、必要に応じてボイラ自身の内部の水膨張に対応したり、あるいは調理容器3に一部を流れ出させる排出開口部2dとが設けられる。開口部の形状は公知技術の部分であるため、ここではこれ以上の説明は省略する。
【0040】
本発明の一態様によれば、調理容器3は好適には膨張バルブ、または圧力安全バルブに連結される。特に、かかるバルブを、ボイラ2の内部の圧力が所定の閾値に達したら開放するように調整することができる。これにより、圧力が上がることを回避でき、機器の安全を確保できる。
【0041】
以下においても説明するように、調理機器1は、液体7、主に水に加圧する加圧手段を備える。液体は、ボイラ2に供給され、図示されているように、食べ物11を充填した調理容器3を充填するために出される。同加圧手段は、本発明の進歩的な態様によれば、図示を省略した各コントローラなどにより駆動される一以上の容積式ポンプ8を備えることに特徴がある。同ポンプは、上流側を水道システムなどにある液体(水)7の元に連結され、下流側を少なくとも一つ以上の電子バルブ10aを介してボイラ2の流入開口部2bに連結される。
【0042】
図1には示していないが、調理機器1はさらに、レベルセンサを備えてもよい。同レベルセンサはボイラ2の充填完了あるいは予定された充填量をそれぞれの自動コントローラに示すことによって、ボイラ2の充填動作中に容積式ポンプ8および/または電子バルブ10aの駆動を効果的に調整できる。代わりに、好適には、同レベルセンサを設けなくても、液体7の圧力やボイラの充填の適切な条件は、単に容積式ポンプ8やその他液体7を圧縮する圧縮手段などを作動させること、ポンプ8とボイラ2の間に一方向流入バルブを設けること、および既述したようにボイラ2の下流側に配され、好適にはポンプ8の入口に流体的に連結される膨張バルブにより得られる。これにより、機器の安全は確保される。
【0043】
ここに図示された調理容器3は長方形状を有し、特に
図1の実施形態では、円筒形状を有し、その外側面の少なくとも一部がボイラ2で使用されている加圧されたお湯に包囲されるように、ボイラ2に挿入される。円筒状の調理容器3の対称軸は好適には垂直である
本発明の好適な実施形態においては、機器1のケーシングの基部に連結するための機械的なクラッチ装置をのぞいては、調理容器3は全体がボイラ2内に含まれている。同実施形態によって、当業者にとって明らかなように、調理容器3の外部環境に対する不必要な熱損失を削減することにより、機器1の熱効率を最大化することができる。
【0044】
好適には、調理容器3およびボイラ2は、全部又は一部がステンレス製である。
【0045】
さらに、
図2から6において概略化した本発明の実施形態101を参照するとよく分かるように、好適には、調理容器3の内壁には、同内壁からの食べ物11の分離を促進する突出エレメント3cを有してもよい。
【0046】
図8に示す実施例では、突出エレメントは、調理容器3cの内面の少なくとも一部、好適には全部を覆う金属製のメッシュ3.1cを備える。好適には、金属製メッシュ3.1cは剛性を抑えられている。他の好適な態様によれば、金属製メッシュ3.1cは、調理容器3の内壁に離間して(好適には0.5〜1mm離れて)固定される。特に、金属製メッシュは限定的な数、例えば2つか3つの取付エレメント3.2cによって壁に固定されてもよい。同取付エレメント3.2は、調理容器3の内壁に形成されるボスや段などによって実現されてもよい。
【0047】
見やすくするため、金属製メッシュ3.1cは、
図8の実施形態における図面で記載されており、後述するように同図の実施形態は、二つの調理容器を備える。しかし、本発明に係る金属製メッシュ3.1cは、
図1〜6の実施形態など、本発明の異なる実施形態に適用可能である。
【0048】
既述したように、調理容器3は食べ物11の流入口3aと流出口3bとを有し、これらは、調理容器3の好ましくは双方とも円形の上側基部と下側基部とにそれぞれ配されている。さらに、ボイラ2から出る加熱・加圧水(またはその他の液体7)の流入用の一以上の流入開口部を備える。
【0049】
この点、調理機器1は、ボイラ2を調理容器3に流体的に連結させる一以上の流路と、一以上の各電子バルブ8cを設ける。電子バルブは例えばソレノイドタイプであって、図示を省略する自動コントローラによって好適には調整可能であり、流路の開閉を選択的に行う。図示は省略するが、電子バルブ8cのコントローラと機能的に接続可能な、調理容器3の充填状態を示すセンサを設けることにより、より確実かつ効果的な動作を行うことができる。
【0050】
図示を省略する本発明の実施形態においては、ボイラ2を調理容器3に連結する流路は、少なくとも二つ、上方位置に一つ、下方位置にもう一つを配し、それぞれ多方向電子バルブによる各電子バルブにより開閉するよう駆動するようにしてもよい。実際、流路や各電子バルブの数は、デザインに応じていくつでも、公知の技術により、当業者が実施でできる。
【0051】
調理容器3内に供給される水は、ボイラ2から出され、好適には9〜10気圧の圧力で160℃の温度まで加熱される。ただし、本発明の機器は、扱う食べ物の量や種類の機能として、異なる作動バルブを利用することができる。
【0052】
調理容器3の入口3aおよび出口3bはそれぞれ、機器が到達する食べ物11の調理サイクル工程に応じて、流入口および流出口3a,3bを選択的に塞いだり開放したりすることができる遮断バルブ4a,4bによって開閉するよう調整できる。
【0053】
図1に示す本発明の特徴的な実施形態においては、二つの遮断バルブ4a,4bは互いにほぼ同一であるため、簡略してバルブ4aのみについて説明する。本発明の代替する実施形態においては、調理容器3の流入口および流出口3a,3bの遮断バルブは互いに異なるものであってもよく、少なくとも一つを、ゲートなど当該技術分野において公知の種類の取り外し可能な閉鎖手段に代えてもよい。
【0054】
ここに示す遮断バルブ4aは、バルブ4bと同様に、遮断部として作用するピストン5を有し、ガイドとして作用し好適にはシリンダ6により構成される各シート内を移動可能である。同シリンダ6には、双方のバルブ4a,4bにおいて、その側面上径方向に対向するように配され、互いにほぼ同軸である二つの開口部が設けられている。同二つの開口部により遮断バルブ4aを通って食べ物11が通過できるようにしたものである。
【0055】
特に、調理容器3の開口部3aの上部に配された遮断バルブ4aの流入および流出開口部6a,6bは、食べ物11のディスペンサ(図示省略)の終端じょうご12と、調理容器3自身の内部を連結する。この場合、遮断バルブ4aの流出開口部6bは調理容器3の入口3aとほぼ一致する。
【0056】
一方、遮断バルブ4bの流出および流入開口部6cおよび6dはそれぞれ、調理容器3の内側と、外側の気圧下で通常配置される食べ物11用の適切な残り排出容器9とを連結する。また、この場合、
図1から分かるように、遮断バルブ4bの流入開口部6cは、調理容器3の流出口3bとほぼ一致する。
【0057】
シリンダ6はここでは径方向に対向する位置に同軸で配された二つの貫通穴が設けられており、これにより各遮断バルブ4a,4bを通じて食べ物11を通過させることができるが、各シリンダ6の開口部6a,6bおよび6c,6dは、少なくとも各シリンダ6の側面上を径方向に延びる単一の開口部が実現されれば、その他の形状であっても可能である。
【0058】
ここに図示する実施例においては、各バルブ4a,4bのピストン5は、調理容器3に対して、つまり食べ物11が容器3自体に挿入される方向、すなわち穴6a,6b,6c,6dの面にほぼ直交する軸に対して横切る方向に移動可能である。
【0059】
本発明の好適な一態様によれば、各バルブ4a,4bにおいては、ピストン5は各流体密封シリンダ6内で摺動し、同シリンダ6の外側面と内側面間にある接合部分を流体が通過することを防ぐ。以下において説明するように、かかる形状により、ピストン5が各流入口3aおよび/または各流出口3bを塞ぐとき、調理容器3の流入口3aおよび流出口3bを簡単かつ効果的に最適に流体密封させることができる。
【0060】
図2〜6を参照すると分かるように、バルブ4a,4bのピストン5は、横穴5bが設けられていることを特徴とし、横穴は、同軸穴6a,6bまたは6c,6dに位置すると、対応するバルブ4a,4bを介して食べ物11を通過させる。
【0061】
よって、ピストン5は二つの位置の間を少なくとも移動できる。ピストン5が調理容器3の流入口3aまたは流出口3bを間接的または直接的に塞ぐ第1位置(上側遮断バルブ4aを参照する
図1で確認できる)と、ピストン5が調理容器3の流入口3aまたは流出口3bを間接的または直接的に開放する第2位置(例えば、
図1に示される下側遮断バルブ4b内のピストン5の位置)である。
【0062】
遮断バルブ4a,4bの形状と、特に遮断部が各シリンダ6内で摺動可能な好適には密封されたピストン5から構成されていることにより、調理容器3の流入口または流出口3a,3bにおいて遮断部すなわちピストン5で効果的な流体密封を実現することができる。実際に、シリンダ6によるピストン5の機械的な制限は、後者がシリンダ6内において一つの自由度にほぼ制限されている、つまり調理容器3の流入口3aまたは流出口3bを横切らない移動はないため、ピストン5の摺動方向を横切る軸に沿ってピストン5自体が流入口または流出口3a,3bから離れることを防いでいる。
【0063】
よって、実質的には、調理容器3内が高圧であっても、それぞれの流体密封は遮断バルブ4a,4bによって簡単かつ効果的になされ、これにより、ピストン遮断部5と各シリンダ6間における摺動のみかつ好適には密封されている制限により、遮断部5の密封を確実にするために複雑なレバシステムを使用しなくてもよい。
【0064】
調理容器3の少なくとも流入口3aまたは流出口3bを選択的に開閉する一以上の遮断バルブ4a,4bの使用は、以下の点において、食べ物の調理機器においては新規且つ進歩的である。同遮断バルブ4aまたは4bは、ピストン5が直接的または間接的に調理容器3の流入口3aまたは流出口3bを塞ぐ第1位置と、ピストン5が直接的または間接的に流入口3aまたは流出口3bを開放し、調理容器3に対し食べ物11の出し入れを可能とする第2位置との間を移動可能であり、さらに密封しながら内部をピストン5が摺動するシリンダ6を備え、食べ物11用の通過穴を適切に設けている。
【0065】
本発明の他の進歩的な態様によれば、ピストン5は好適には加圧された液体7によって作用することに特徴がある。
【0066】
既述したように、液体7は、通常は水道システムから直接引かれた水により構成され、例えば好適には容積式ポンプ8によって加圧され、ボイラ2に加えて、各電子バルブ8a,8b,8d,8eを通って遮断バルブ4a,4bの少なくとも一つのピストン5の、
図1に例えば示す円筒状のシート6に選択的に移送される。同電子バルブ8a,8b,8d,8eは、各バルブ4a,4bにおいて、ピストン5により形成される二つに分割された室内に加圧された液体7が流入するのを調整し、このようにして、その制御や、遮断バルブ4a,4bから液体7の流出を制御するための同様の手段により、ピストン5はシート6内を往復動する。これにより、遮断バルブ4aまたは4bは、ピストン5自体の移動方向に応じて開閉できる。少なくとも二つの遮断バルブ4a,4bがある場合、当業者にとっては明らかなように、遮断バルブ4a,4bの形状により、遮断バルブは別々の場合によっては交互に作動できる。
【0067】
一以上の遮断バルブ4a,4bが、加圧された液体によって作動するピストン5が設けられているが、好適であるが必須ではない加圧された液体7によって作動する摺動可能な遮断部が設けられた遮断バルブであれば、ここに請求される保護範囲内であり、エネルギーの観点および調理工程の観点から調理機器1をより簡略化し効率化させることができる。
【0068】
図示されていない本発明の実施形態においては、ピストン5を作動させる液体7は、適切な連結流路を介してボイラ2から直接出され、制御された方法で各電子バルブを介して各遮断バルブ4aおよび/または4b内、そして好適にはシリンダ6に供給し、ポンプ8の運転を必要とせずピストン5を作動させるようにしてもよい。同様に、液体7は、ピストン5の作動の終わりに、遮断バルブ4aおよび/または4bから排出させ、適切な流体回路を介して再びボイラ2内に戻してもよい。
【0069】
図1に示すように、調理機器1はさらに、調理容器3の下流側に配される残り排出容器9を備える。同容器は、好適には、各遮断バルブ4bを介して調理容器3の流出口3bの下流側に連結されており、調理容器3から出される食べ物を収集し、食べ物11を各調理用液体7から分離するものである。
【0070】
より具体的には、本発明の好適な態様によれば、残り排出容器9は、少なくとも底部に穴のあいたバスケット9aを備え、同バスケットは好適には食べ物11を収集するためメッシュ状である。さらに、調理用液体(水)7を収集し排出するための下部コンテナ9bを備える。
【0071】
好適には、バスケット9aは、調理用液体7がバスケット9aの内部で食べ物11をドリップして排出されたとき、調理容器3から出される食べ物11の収集位置と、機器1から食べ物11を排出する位置との間を範囲可能である。
【0072】
コンテナ9bは、下側に傾斜した底面を有していてもよく、さらに食べ物11から排出される調理用液体7を廃棄するため、排水網に連結された一以上のパイプが設けられていてもよい。
【0073】
残り容器9は、好適には気圧、つまり一般的には食べ物11が置かれる調理容器3内の圧力よりも低い圧力にさらされる。これにより、外気圧で食べ物11を正常化し、調理を完了することができる。
【0074】
本発明の他の実施形態によれば、
図2から6に概略的に示される調理機器101は、
図1に示すように、遮断バルブ4a,4bの形状およびその他の詳細な構成を除いては、上述した機器1に非常に類似している。
【0075】
特に、遮断バルブ4a,4bに関しては、それぞれが、ピストン105が密封させながら内部を摺動し、好適には容積式ポンプ8により加圧される液体7により作動される円筒状のシート6を備える(液体を遮断バルブ内に流入させるための電子バルブに関する詳細は、
図2〜6に示されているが、説明を容易にするため、上側遮断バルブ4aのみを参照する。ただし、電子バルブは下側遮断バルブ4bにも同様に設けられることは理解されたい)。
【0076】
ディスペンサのじょうご12に連結された上側遮断バルブ4aの詳細を示す
図7aおよび7bにも示すように、遮断バルブ4aは、その側面に設けられた径方向に対向する二つの開口部6a,6bを設けたシリンダ6と、シリンダ6の内部を摺動し横方向貫通穴5bを内部に設けシリンダ6の開口部の軸にほぼ平行な軸を有するシリンダ本体5aを設けた、好適には液体密封のピストン105とを備える。
【0077】
上側遮断バルブ4aの横穴5bの通路断面は、当業者にとって明らかなように、好適には開口部6aの通路断面と調理容器3の流入口3aの通路断面とほぼ等しい。同様に、下側遮断バルブ4bの横穴5bは、好適には、調理容器3の通路開口部6bおよび流出口3bの一つとほぼ等しい断面を有する。
【0078】
横穴5bの内壁は、読み手にも明らかなように、ピストン105または各本体5aの円筒状シート6に対する密封された摺動制限により、穴5bと調理容器3の流入口3aまたは流出口3b間の流体密封を確実にすることにより食べ物11の案内部として作用する。
【0079】
よって、ピストン105も二つの位置を移動可能である。
【0080】
図3および
図7aに示す第1位置においては、横穴5bは、シリンダ6の流出開口部に配置されておらず、よって調理容器3の流入口3aにも配置されていないため、ピストン105の本体5aは流入口3aを直接的または間接的に塞ぎ、食べ物11が調理容器4内に入るのを防ぐ。
【0081】
図2および
図7bに示す第2位置においては、ピストン105の横穴5bは、シリンダ6の流出開口部に並び、よって流入口3aにも並ぶため、調理容器3自体とほぼ同軸に並ぶ。この第2位置においては、食べ物11はバルブ4aおよび流入口3aを通過するため、食べ物11は各ディスペンサから調理容器3に到達する。
【0082】
ここに説明する機器101は、本発明の一態様によれば、調理容器3の内壁、つまり食べ物11に面する壁部は、食べ物11の調理の終わりに調理容器3の内壁から食べ物11が分離しやすくなるようにした突出エレメント3cを有する。
【0083】
同突出エレメント3cは、
図2では概略的にしか示されていないが、調理容器3の壁部ほぼ全体を覆う。調理容器3の内壁上で突出エレメント3cによって占有された面は、ここに概略的に示されるものよりも、異なる(例えば小さい)ようにしてもよい。
【0084】
上述したように、突出エレメントは調理容器3の内側部分を覆うメッシュにより形成されていてもよい。ただし突出エレメント3cの代替例として、調理容器3の内側壁に沿って分散して配されたボスにより構成されてもよい。
【0085】
当業者であれば、調理容器の内面上に突出エレメントにある解決手段自体は進歩的であり、ここに記載した食べ物の即席調理機器の他の特徴とは別に、機器のメンテナンスや清掃作業を削減でき、食べ物の無駄を防ぐことができる。
【0086】
図2から6に示した調理機器101に戻ると、
図1に示す機器1とは異なり、機器は、上側遮断バルブ4aと調理容器3の流入口3a間や、下側遮断バルブ4bと調理容器3aの流出口3b間に介在する取付フランジ10を備える。
【0087】
全体の嵩張りを抑制するため、フランジ10の内部に、通路の一部を形成し、ボイラ2と調理容器3とを連結し、上述した電子バルブ10aをフランジ10に固定する。同バルブは一般的にはボイラ2と調理容器3間の液体7の流れを制御するソレノイド電子バルブである。
【0088】
さらに
図8に示す本発明の代替する実施形態においては、機器201は、上記実施形態と同様の各加熱手段2aを有するボイラ2を設けている。省略した部分は先の実施形態と同じと考えられるべきである。
【0089】
図2から6の実施形態に関しては、
図8の実施形態は二つの調理容器3および203がある点で異なる。
【0090】
特に、調理容器3は先の実施形態の調理容器と同一であるため、同一の符号によって示す。
【0091】
一方、調理容器203は、好適には調理容器3で調理される食べ物11とは異なる種類の食べ物を調理する手段を備える。
【0092】
好適には、調理容器203は、インフュージョン飲料の調理容器である。よって、調理容器203は、典型的には、一体のあるいは外部エレメントを挿入した一以上のインフュージョンフィルタ(図示省略)を設けていてもよい。ピストンなどの適切な手段により、飲料の材料を調理容器203に水を入れる前に押圧してもよい。
【0093】
この点、調理容器3内に挿入可能な外部エレメントを使用することにより、
図1から6の機器1または101をインフュージョンド飲料の生成に用いることも除外しない。
【0094】
機器201の変形例では、少なくとも一つの食べ物11を同時に出すために同時に並行して調理できるようにするため、機器は二つの同じ調理容器を備えていてもよい。
【0095】
調理容器3および203は、一つの遮断バルブ204bを共用することができる。あるいは、既述したバルブと同様にそれぞれ遮断バルブ4aを設けてもよい。
図8の例では、容器3および203の流入口は互いに別々の遮断バルブ4aを有し、流出口は共用のバルブ204bを有する。
【0096】
しかし、機器201に対し単一のおよび/または共用のバルブの他の組み合わせを選択してもよいことは明白である。例えば、独立したバルブ4aのみ、あるいは図示されているものなどとは反対にした流入口および流出口の構成の使用などが考えられる。
【0097】
一般的に、個別のバルブ4aの場合、特に
図8の遮断バルブ4aのようなピストン遮断部5を有する個別のバルブの場合、容器3および203、および/またはバルブ4aの配置は、双方の遮断バルブ4aの各ピストン5の効果的な進行を可能にするのは明らかである。
【0098】
図8を参照すると、例えば、二つの容器3および203は互い違いに配されていてもよい。代わりに、遮断バルブ205aのピストン遮断部205は互いに分かれて平行な方向を有し、あるいはそれぞれの最大ストロークまでは少なくともインシデント(incident)していない。
【0099】
一方、単一の遮断バルブ204bの場合、調理容器3,203と同じ数の開口部205bが設けられていてもよい。
【0100】
特に、
図8に概略的に示す実施形態では、バルブ204bは、二つの横穴5bを設けた本体5aを有する可動ピストン205を有する。同図にあるように、調理容器3および203の開閉が同時になされるように開閉を同期することができるようにして二つの横穴は互いに離れて配されることができる。
【0101】
しかし、横穴5bは一度に一つの調理容器3,203を開放できるように互いに離されて配されることは除外されない。
【0102】
このように、本発明の実施形態の変形例においては、単一のバルブが、一度に一つの調理容器を開放し、あるいは全ての調理容器を閉じることができるように、単一の横穴を有していてもよい。
【0103】
さらに、多数の横穴を設けて、各容器の開閉に対しより高度な制御を行うことも除外しない。
【0104】
本発明の別の実施形態においては、二つの調理容器のみしか示されていないが、多数の調理容器を設けた機器を提供できることは、結果的に明らかである。
【0105】
図3から6を参照すると、本発明の即席調理機器101の使用方法は以下のように説明される。方法はまた、当業者にとって明らかなように、図示された他の実施形態にも適用される。
【0106】
第1のステップにおいて、図示は省略するが、ボイラ2は、上述した加圧手段により例えば水道システムからの水7を充填する。同加圧手段は、容積式ポンプ8を備えてもよい。そして、所定の加圧がなされ、最後に同ボイラ2の内部で上述した加熱手段2aにより加熱される。水7は、上述したように、約160℃の温度に達し、9から10気圧の加圧がなされ、過加熱液体状態となる。
【0107】
ボイラ2が水7で充填され、目標の熱力学的な条件に達すると、調理機器101の第1の使用工程として、
図3に示すように、上側遮断バルブ4aを開放位置に、つまりピストン105の穴5bと調理容器3の流入口3aとを並んだ状態にして、ディスペンサのじょうご12から調理容器3内に好適には計測された食べ物11が挿入される。調理容器3にはこのとき液体がない。
【0108】
食べ物11を挿入は、既述のように自動ディスペンサによって行ってもよいし、その他ユーザの手により行われてもよい。
【0109】
この作動工程においては、下側遮断バルブ4bは閉鎖されている、つまり各ピストン5の本体5aは調理容器3内の食べ物11を保持するため調理容器3の流出口3bを塞ぐように配される。
【0110】
そして、
図4を参照すると、機器101を作動させる次の工程は、所定量の水7を好適には電子バルブ8aを開放し容積式ポンプ8によって遮断バルブ4aに向け、同バルブを閉じる。
【0111】
図示された実施形態では、ポンプ8によって推進する水は電子バルブ8aが開放されていることによって遮断バルブ4aに向かって進み、円筒状のシート6内部のピストン5に到達すると、ピストン5をバルブ4bの閉鎖位置まで進ませ、調理容器3の開口部3aを閉じる。
【0112】
そして、
図5を参照する次の工程では、ボイラ2内に含まれ加熱された加圧状態の水7の一部が電子バルブ10aの開放によって調理容器3に移送される。
【0113】
この工程では、液体7の作用により食べ物11を即席で調理する。公知のごとく、液体7は加圧されているため、沸点に達する前に高温に達することができる。かかる条件により食べ物11の調理時間を削減することができる。
【0114】
調理容器3における調理工程が終了すると、次の調理機器101の作動手順により、下側の遮断バルブ4bが流出口3bを開けるために開放される。バルブ4bの開口は、好適には、先に調理容器3に機能的に連結された電子バルブなどの適切なバルブを開放することにより行われる。
【0115】
好適には、下側の遮断バルブ4bは、ポンプ8によるシリンダ6内の所定量の液体7の流入により開放され、これによりピストン5を遮断バルブ4bの開放方向に進行させる。
【0116】
明示していないが、一つの選択例として、かかる解決手段により、上側遮断バルブ4aを、必要に応じて、同時、あるいは続いて開放してもよい。
【0117】
この工程では、調理容器3に含まれる液体7および調理された食べ物11は、主として自重により残り排出容器9(
図6)内に排出される。
【0118】
既述したように、残り排出容器9は、食べ物11を保持し液体7を排出する形状の穴の空いたバスケット9aを備え、液体は穴あきバスケット9aの下に収集され廃棄される。
【0119】
好適には、調理容器3内に含まれ調理された食べ物11から分離された液体7は、収集され、排出ダクト(図示省略)に移送される。
【0120】
この工程では、食べ物11は環境気圧にさらされ、その調理サイクルを完了する。よって、容器9が調理された食べ物11の収集位置と食べ物11の排出位置間を変位可能な穴あきバスケット9aを備える場合、食べ物11はユーザにより間接的または直接的に残り排出容器9より取り出すことができる。
【0121】
符号201で示される調理機器に二以上の調理容器3,203が設けられている場合、二つの調理サイクルが並行してあるいは切り替えて実行されてもよい。これは、例えば、第1の調理容器3が残り排出容器9に対し食べ物11を排出したとき第2の調理容器203を充填することにより行ってもよい。
【0122】
既述したように、第2の調理容器203においては、インフュージョン飲料を、食べ物11の調理と同時あるいは後につくってもよい。
【0123】
簡潔に、
図8に図示される機器を参照すると、食べ物11の調理と同様に、最初に材料(典型的には液体または粉末)を調理容器203に入れる。このとき調理容器には水がまだ入っていない。調理容器203は次いでバルブ4aおよび204bによって密封され、加熱され加圧された液体7が容器203内のボイラ2に供給され、これにより飲料のインフュージョン行われる。
【0124】
本発明の特定の利用形態においては、第2の調理容器203は常に水または調理用液体7で満たしてもよく、これにより加圧された熱水(または調理用液体7)の元としてユーザが継続して利用できるようにしてもよい。これは、食べ物の調理にも機器1自体の製造にも利用できる。
【0125】
所定のインフュージョン時間の後、バルブ204bの開放により調理容器203から飲料を供給し、これによりインフュージョンされた飲料が適切な容器(図示省略)に注入される。
【国際調査報告】