(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-522211(P2017-522211A)
(43)【公表日】2017年8月10日
(54)【発明の名称】マルチマグネチックカードおよび磁気セル製造方法
(51)【国際特許分類】
B42D 25/369 20140101AFI20170714BHJP
B42D 25/21 20140101ALI20170714BHJP
B42D 25/305 20140101ALI20170714BHJP
G06K 19/06 20060101ALI20170714BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20170714BHJP
G06K 19/077 20060101ALI20170714BHJP
【FI】
B42D15/10 369
B42D15/10 210
B42D15/10 305
G06K19/06 196
G06K19/06 206
G06K19/07 160
G06K19/077 112
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-523749(P2017-523749)
(86)(22)【出願日】2015年7月14日
(85)【翻訳文提出日】2017年1月16日
(86)【国際出願番号】KR2015007273
(87)【国際公開番号】WO2016010325
(87)【国際公開日】20160121
(31)【優先権主張番号】10-2014-0088649
(32)【優先日】2014年7月14日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2015-0061872
(32)【優先日】2015年4月30日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2015-0063041
(32)【優先日】2015年5月6日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】517015317
【氏名又は名称】ブリリアンツ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ベ、 ジェ フン
(72)【発明者】
【氏名】ベ、 ジェ ホ
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、 ビュン チュル
【テーマコード(参考)】
2C005
【Fターム(参考)】
2C005HB09
2C005JA01
2C005JA02
2C005JA03
2C005JB23
2C005KA16
(57)【要約】
本発明はマルチマグネチックカードおよび磁気セル製造方法に関するものである。本発明の一実施例に係るマルチマグネチックカードは、プレートと、前記プレートの一面上に前記プレートの長さ方向に沿って配置され、磁場形成を通じて前記磁気信号を生成する少なくとも一つ以上のトラックを含む磁場発生部とを含み、前記トラックは電流入力時に形成される陽極が前記磁気信号の出力方向に露出される単一の磁気セルを含み、前記磁気セルは第1回路パターンが一側に具備され、第1ビアホールを具備する第1レイヤー、第2回路パターンが一側に具備され、第2ビアホールを具備する第2レイヤー、および前記第1レイヤーおよび前記第2レイヤー間の空間に具備されるコア物質を含み、前記第1ビアホールと前記第2ビアホールが直接マッチングされて、前記回路パターンおよび前記ビアホールを通じて前記電流が前記コア物質を中心に特定方向に巻かれて流れることを特徴とする。本発明によれば、第1レイヤーと第2レイヤー間にコア物質を付着するか注入する方式を通じて既存に比べて簡便に磁気セルを製造することができ、生産効率を向上できる効果がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード情報に相応する時分割的磁気信号を生成する磁場発生部を含むマルチマグネチックカードにおいて、
プレートと、
前記プレートの一面上に前記プレートの長さ方向に沿って配置され、磁場の形成を通じて前記時分割的磁気信号を生成する少なくとも一つ以上のトラックを含む磁場発生部と
を含み、
前記トラックは、
電流の入力時に形成される陽極が前記時分割的磁気信号の出力方向に露出される単一の磁気セルを含み、
前記磁気セルは、
第1回路パターンが一側に具備され、第1ビアホールを具備する第1レイヤーと、
第2回路パターンが一側に具備され、第2ビアホールを具備する第2レイヤーと、
前記第1レイヤーと前記第2レイヤーとの間の空間に具備されるコア物質と
を含み、
前記第1ビアホールと前記第2ビアホールが直接マッチングされて、前記回路パターンおよび前記ビアホールを通じて前記電流が前記コア物質を中心に特定方向に巻かれて流れることを特徴とする、マルチマグネチックカード。
【請求項2】
前記コア物質は、
磁性体粉末と接着剤が混合されて接着力を具備することを特徴とする、請求項1に記載のマルチマグネチックカード。
【請求項3】
前記磁場発生部が一つ以上のトラックを含む場合、
前記磁気セルは、
特定大きさに切削された一つ以上の前記コア物質が前記第1レイヤー上の所定の位置に付着され、前記第2レイヤーが結合されることを特徴とする、請求項2に記載のマルチマグネチックカード。
【請求項4】
前記第1レイヤーと前記第2レイヤーが結合されて内部空間を形成し、
前記内部空間に前記コア物質が注入されることを特徴とする、請求項2に記載のマルチマグネチックカード。
【請求項5】
前記第1レイヤーまたは前記第2レイヤー上に前記コア物質が特定の形状に直接プリントされることを特徴とする、請求項2に記載のマルチマグネチックカード。
【請求項6】
前記磁気セルの前記時分割的磁気信号の出力方向側に配置されて、前記磁場の外部流出を防止する磁場遮断レイヤーをさらに含む、請求項1に記載のマルチマグネチックカード。
【請求項7】
カードリーダー内への挿入の有無を認識する挿入感知部をさらに含む、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のマルチマグネチックカード。
【請求項8】
前記挿入感知部は、
前記マルチマグネチックカードの挿入時に前記カードリーダーのヘッダーが接触する前記プレート上の特定の位置に具備される、請求項7に記載のマルチマグネチックカード。
【請求項9】
前記磁場発生部が複数のトラックを含む場合、
前記トラックの間の干渉防止のための遮蔽レイヤーをさらに含む、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のマルチマグネチックカード。
【請求項10】
前記プレート内に具備されて、前記磁場発生部に特定のカード情報に相応する磁気駆動電流信号を伝達する制御部をさらに含む、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のマルチマグネチックカード。
【請求項11】
前記時分割的磁気信号は、
時間により前記磁気駆動電流信号の供給の有無または流れ方向の調節を通じて生成される時系列的データである可変磁場発生装置を含む請求項10に記載のマルチマグネチックカード。
【請求項12】
カード情報に相応する時分割的磁気信号を生成する磁場発生部を製造する方法において、
第1回路パターンが一側に具備された第1レイヤーの所定の位置にコア物質を付着する段階と、
第2回路パターンが一側に具備された第2レイヤーを前記第1回路パターンと第2回路パターンが連結される所定の位置に結合する段階と
を含み、
前記第1回路パターンと前記第2回路パターンが連結されて電流が前記コア物質を中心に特定の回転方向に巻かれて流れ、
前記コア物質は、
磁性体粉末と接着剤が混合されて接着力を具備することを特徴とする、磁気セル製造方法。
【請求項13】
カード情報に相応する時分割的磁気信号を生成する磁場発生部を製造する方法において、
第1回路パターンが一側に具備された第1レイヤーと第2回路パターンが一側に具備された第2レイヤーを前記第1回路パターンと第2回路パターンが連結されるように結合する段階と、
前記第1レイヤーと前記第2レイヤーが結合されて形成された内部空間にコア物質を注入する段階と
を含み、
前記第1レイヤーまたは前記第2レイヤーは結合時に前記内部空間を形成する屈曲領域を具備し、
前記第1回路パターンと前記第2回路パターンが連結されて電流が前記コア物質を中心に特定の回転方向に巻かれて流れ、
前記コア物質は、
磁性体粉末と接着剤が混合されて接着力を具備することを特徴とする、磁気セル製造方法。
【請求項14】
カード情報に相応する時分割的磁気信号を生成する磁場発生部を製造する方法において、
第1回路パターンおよびコア物質が具備された第1レイヤーと第2回路パターンが一側に具備された第2レイヤーを前記第1回路パターンと第2回路パターンが連結されるように結合する段階を含み、
前記コア物質は磁性体粉末と接着剤が混合されて接着力を具備し、
前記第1レイヤー上に前記コア物質が特定の形状に直接プリントされ、
前記第1回路パターンと前記第2回路パターンが連結されて電流が前記コア物質を中心に特定の回転方向に巻かれて流れることを特徴とする、磁気セル製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマルチマグネチックカードに関するもので、より詳しくは、カード情報に相応する時分割的磁気信号を生成する磁場発生部を含むマルチマグネチックカードおよび磁気セル製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現代社会の産業化以後、急激な情報化、信用化を経ながら「プラスチックマネー」と呼ばれるクレジットカードは貨幣に次ぐほどその活用度が高まっている。これに伴い、一般成人が所持しているクレジットカードの数も大きく増加し、個人別に、少なくとも2〜3枚から多い場合は、10枚以上も保有、活用する場合が多くなってきた。また、マーケティングが活性化されるにつれて、B2Cを基盤とする多くの企業では多様なポイントカードの発行が必須のマーケティング項目となり、もはや路地商圏に位置した小規模の店舗においても売り上げ増加のために一般的に活用する手段となった。
【0003】
これに伴い、個人に発行されたカードは自分も知らないうちに数十枚にも上っているのが現状である。しかし、多くの場合、不要な発行費用だけが発生し、廃棄されて社会的費用を発生させているのも現実である。さらに、再訪問の頻度が高くない店舗のポイントカード、割引カードは、実際に訪問した時に所持しておらず、活用できない場合が日常的に発生している。このような現象は、消費者の立場では煩雑で複雑なカード管理によるカード発行の回避をもたらし、企業の立場では不要なマーケティング費用をもたらす、需要−供給すべての面において、無駄遣いと不合理をもたらしてしまう。実際のポイントカードと比べて相対的に活用度が高いと判断されるクレジットカードの場合においても、2001年に1人当たり4枚に増加した後、クレジットカード流動性リスク以降しばらく停滞していたクレジットカード保有量は持続的に増加して2011年基準1人当たり4.9枚、全体の発行枚数は約1億2,213万枚に上っている。
【0004】
一方、カードの発行枚数は持続的に増加してきているものの、実際に使われているカードは個人当たり1.4枚に過ぎない。結果的に個人が所持しているクレジットカードのほとんどが休眠カードとなり、約2,000万枚以上(約400億ウォン以上)は捨てられているのが現状である。これに加え、デビットカードやチェックカード、キャッシュカード、プリペイドカードなどの多様な貨幣代用カードやポイントカード、割引カードなどのマーケティング目的のカードを含む場合、実に天文学的な費用が無駄遣いされているといっても過言ではないだろう。
【0005】
したがって、デビットカード、チェックカード、クレジットカード、メンバーシップカードなどの多様なカードを統合して使用できるカードの開発が必要となった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一枚のカード内に保存された様々なカード情報の中で特定のカード情報で磁気帯を具現して一般カードのように使うようにして、複数枚のカードを持ち歩く不便さを解消できる、マルチマグネチックカードを提供しようとする。
【0007】
また、コア物質が磁性体粉末とレジンが混合されて接着力を具備することによって、二つのレイヤー間にコア物質を簡単に結合することができ、製造工程が簡単であり、製造効率が高い、マルチマグネチックカードおよび磁気セル製造方法を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施例に係るマルチマグネチックカードは、プレートと、前記プレートの一面上に前記プレートの長さ方向に沿って配置され、磁場形成を通じて前記磁気信号を生成する少なくとも一つ以上のトラックを含む磁場発生部とを含み、前記トラックは電流入力時に形成される陽極が前記磁気信号の出力方向に露出される単一の磁気セルを含み、前記磁気セルは第1回路パターンが一側に具備され、第1ビアホールを具備する第1レイヤーと、第2回路パターンが一側に具備され、第2ビアホールを具備する第2レイヤーと、前記第1レイヤーおよび前記第2レイヤー間の空間に具備されるコア物質とを含み、前記第1ビアホールと前記第2ビアホールが直接マッチングされて、前記回路パターンおよび前記ビアホールを通じて前記電流が前記コア物質を中心に特定方向に巻かれて流れることを特徴とする。
【0009】
また、前記コア物質は、磁性体粉末と接着剤が混合されて接着力を具備することを特徴とすることができる。
【0010】
また、前記磁場発生部が一つ以上のトラックを含む場合、前記磁気セルは、特定大きさに切削された一つ以上の前記コア物質が前記第1レイヤー上の所定の位置に付着され、前記第2レイヤーが結合されることを特徴とすることができる。
【0011】
また、前記第1レイヤーと前記第2レイヤーが結合されて内部空間を形成し、前記内部空間に前記コア物質が注入されることを特徴とすることができる。
【0012】
また、前記第1レイヤーまたは前記第2レイヤー上に前記コア物質が特定の形状に直接プリントされることを特徴とすることができる。
【0013】
また、前記磁気セルの前記磁気信号出力方向側に配置されて、前記磁場の外部流出を防止する磁場遮断レイヤーをさらに含むことができる。
【0014】
また、カードリーダー内への挿入の有無を認識する挿入感知部をさらに含むことができる。
【0015】
また、前記挿入感知部は、前記マルチマグネチックカードの挿入時に前記カードリーダーのヘッダーが接触する前記プレート上の特定の位置に具備されることを特徴とすることができる。
【0016】
また、前記磁場発生部が複数のトラックを含む場合、前記トラック間の干渉防止のための遮蔽レイヤーをさらに含むことができる。
【0017】
また、前記プレート内に具備されて、前記磁場発生部に特定のカード情報に相応する磁気駆動電流信号を伝達する制御部をさらに含むことができる。
【0018】
また、前記磁気信号は、時間により前記磁気駆動電流信号の供給の有無または流れ方向の調節を通じて生成される時系列的データであり得る。
【0019】
本発明の他の一実施例に係る磁気セル製造方法は、第1回路パターンが一側に具備された第1レイヤーの所定の位置にコア物質を付着する段階と、第2回路パターンが一側に具備された第2レイヤーを前記第1回路パターンと第2回路パターンが連結される所定の位置に結合する段階とを含み、前記第1回路パターンと前記第2回路パターンが連結されて電流が前記コア物質を中心に特定の回転方向に巻かれて流れ、前記コア物質は磁性体粉末と接着剤が混合されて接着力を具備することを特徴とする。
【0020】
本発明のさらに他の一実施例に係る磁気セル製造方法は、第1回路パターンが一側に具備された第1レイヤーと第2回路パターンが一側に具備された第2レイヤーを前記第1回路パターンと第2回路パターンが連結されるように結合する段階と、前記第1レイヤーと前記第2レイヤーが結合されて形成された内部空間にコア物質を注入する段階とを含み、前記第1レイヤーまたは前記第2レイヤーは結合時に前記内部空間を形成する屈曲領域を具備し、前記第1回路パターンと前記第2回路パターンが連結されて電流が前記コア物質を中心に特定の回転方向に巻かれて流れ、前記コア物質は磁性体粉末と接着剤が混合されて接着力を具備することを特徴とする。
【0021】
本発明のさらに他の一実施例に係る磁気セル製造方法は、第1回路パターンおよびコア物質が具備された第1レイヤーと第2回路パターンが一側に具備された第2レイヤーを前記第1回路パターンと第2回路パターンが連結されるように結合する段階を含み、前記コア物質は磁性体粉末と接着剤が混合されて接着力を具備し、前記第1レイヤー上に前記コア物質が特定の形状に直接プリントされ、前記第1回路パターンと前記第2回路パターンが連結されて電流が前記コア物質を中心に特定の回転方向に巻かれて流れることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
前記のような本発明によれば、下記のような多様な効果を有する。
【0023】
第1に、本発明の実施例に係るマルチカードを通じて一つのカードに決済および積立て関連データがすべて保存されることによって、カード所持の便宜性を向上させることができる効果がある。すなわち、使用者が複数枚のカードを所持する必要がないため財布が軽くなる効果がある。
【0024】
第2に、本発明の実施例に係るマルチカードは磁場発生部を通じて直接カードを読み込ませる方式とカードを差し込んでおくと済む方式で所望のカード情報を具現することができるため、状況によって適切な方式で決済を遂行できる。
【0025】
第3に、本発明の実施例に係るマルチカードは情報表示部を通じてカード情報を表示し、使用者がいずれのカードを選択して決済を遂行するかを確認できる。
【0026】
第4に、本発明の実施例に係るマルチカードは情報入力部を具備するため使用者がカード操作を簡単に遂行することができ、特に情報入力部が情報表示部と結合してタッチスクリーンをなす場合、画面を確認しながらすぐにカード操作を遂行することができるため簡便であり、別途のキーパッドなどの構成を含まなくてもよいため平らなカード形態を具現しやすい。
【0027】
第5に、第1レイヤーと第2レイヤー間にコア物質を付着するか注入する方式を通じて既存に比べて簡便に磁気セルを製造することができ、生産効率を向上できる効果がある。
【0028】
第6に、コア物質が入る別途のレイヤーを形成せず第1レイヤーと第2レイヤー間に形成するため、コア層生成のための材料費を節減することができる。
【0029】
第7に、本発明の一実施例に係るマルチカードは遮蔽レイヤーによってトラック間の干渉を防止することができ、カード使用時に認識率を高めることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の一実施例に係るマルチカードの後面構成図である。
【
図2】本発明の一実施例に係るマルチカードの前面構成図である。
【
図3】本発明の一実施例に係るマルチカードの側面構成図である。
【
図4】本発明の一実施例に係る磁場発生部の第1レイヤーおよび第2レイヤーの構成図である。
【
図5】本発明の一実施例に係る第1レイヤー、第2レイヤー、およびコア物質が結合された磁気セルの例示図である。
【
図6】本発明の一実施例にしたがって、第1レイヤーと第2レイヤーの結合でコア物質が注入可能な磁場発生部の例示図である。
【
図7】本発明の一実施例にしたがって、一側のレイヤーにコア物質が印刷された後、反対側レイヤーが結合された磁場発生部の例示図である。
【
図8】本発明の一実施例にしたがって、磁場遮断レイヤーを含むマルチカードの後面構成図である。
【
図9】本発明の一実施例にしたがって、遮蔽レイヤーをさらに含むマルチカードの側面図である。
【
図10】本発明の一実施例にしたがって、遮蔽レイヤーが結合された磁場発生部の拡大図面である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。本発明の利点および特徴、そして、それらを達成する方法は添付される図面とともに詳細に後述されている実施例を参照すれば明確になるであろう。しかし、本発明は以下で掲示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現され得、本実施例は本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇によって定義されるだけである。明細書全体に亘って同一参照符号は同一構成要素を指し示す。
【0032】
特に定義されない限り、本明細書で使われるすべての用語(技術および科学的用語を含む)は本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者に共通して理解できる意味で使用される。また、一般的に使われる辞書に定義されている用語は特に定義されていない限り、理想的または過度に解釈されない。
【0033】
本明細書で使われた用語は実施例を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書で、単数形は特に言及しない限り複数形も含む。明細書で使われる「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は言及された構成要素の他に一つ以上の他の構成要素の存在または追加を排除しない。
【0034】
図1は本発明の一実施例に係るマルチカードの後面構成図である。
図2は本発明の一実施例に係るマルチカードの前面構成図である。
図3は本発明の一実施例に係るマルチカードの側面構成図である。
図4は本発明の一実施例に係る磁場発生部の第1レイヤーおよび第2レイヤーの構成図である。
図5は本発明の一実施例に係る第1レイヤー、第2レイヤー、およびコア物質が結合された磁気セルの例示図である。
図6は本発明の一実施例にしたがって、第1レイヤーと第2レイヤーの結合でコア物質が注入可能な磁場発生部の例示図である。
図7は本発明の一実施例にしたがって、一側のレイヤーにコア物質が印刷された後、反対側レイヤーが結合された磁場発生部の例示図である。
図8は本発明の一実施例にしたがって、磁場遮断レイヤーを含むマルチカードの後面構成図である。
図9は本発明の一実施例にしたがって、遮蔽レイヤーをさらに含むマルチカードの側面図である。
図10は本発明の一実施例にしたがって、遮蔽レイヤーが結合された磁場発生部の拡大図面である。
【0035】
図1〜
図10にはプレート100、プレート後面部110、プレート前面部120、磁場発生部200、磁気セル210、第1レイヤー211、第2レイヤー212、内部空間213、屈曲領域214、回路パターン220、コア物質230、制御部300、挿入感知部400、情報表示部500、情報入力部600、磁場遮断レイヤー700および遮断レイヤー800が図示される。
【0036】
以下、図面を参照して本発明の実施例に係るマルチマグネチックカードについて説明する。
【0037】
図1および
図2を参照すれば、本発明の一実施例に係るマルチマグネチックカードは、プレート100、磁場発生部200、制御部300、挿入感知部400、情報表示部500、情報入力部600、磁場遮断レイヤー700および遮断レイヤー800の全部または一部を含む。
【0038】
プレート100は四角板状に形成され、四角板状の角の部分が丸く具現されることもある。プレート100は磁場発生部200、制御部300などのマルチカードの構成を含むことができる。プレート100は一般カードのように弾力的な材質のプラスチックまたは金属板で製造することができ、複数枚の板を重ね合わせて構成することもできる。
【0039】
プレート100は帯状の磁場発生部200を後面110の一側、さらに詳細には長方形に形成されたプレート100の二つの長辺のうち一つの辺に隣接した後面110の一側に外部に露出されるように配置することができる。また、プレート100は磁場発生部200の一端と連続する方向(例えば、プレート100のカードリーダー挿入方向)に後述する挿入感知部400が外部に露出されるように具備され得る。また、プレート100の前面120の一側には情報表示部500および後述する情報入力部600が具備されて外部に露出され得る。
【0040】
プレート100の内側には磁場発生部200、挿入感知部400、情報表示部500、情報入力部600などの外部に露出される構成の一部が内蔵され、外部に露出されない構成である制御部300、電気配線(図示されず)、メモリー(図示されず)、電源部(図示されず)などの構成が内蔵され得る。前記電気配線は、プレート100が幾重にも重なって構成される場合、各プレート100の重なりの間に複数枚で構成され得、プレートの各重なりの間は配線通路に該当するビア(Via)を通じて連結され得る。
【0041】
磁場発生部200は磁場形成を通じてカード情報に相応する磁気信号を生成する機能を遂行する。磁場発生部200はプレート100の後面110の一側、さらに詳細には磁場発生部200の二つの長辺のうち一つの長い辺に隣接するように配置され、プレート100の後面110に露出されることによってプレート100がカードリーダーを通る時にカードリーダーのヘッダーと隣接することができるように構成される。
【0042】
磁場発生部200は少なくとも一つ以上のトラックを含む。前記トラックは電流入力時に形成される陽極が前記磁気信号の出力方向に露出される単一の磁気セル210を含む。すなわち、単一の磁気セル210は電力入力時に発生する陽極(すなわち、N極およびS極)が外部に露出されるようにトラック全体に長さ方向に配置され得る。
【0043】
前記磁気セル210は第1レイヤー211、第2レイヤー212およびコア物質230を含む。
【0044】
第1レイヤー211は第1回路パターン220を一側に具備することができる。第1回路パターン220は第1レイヤー211の一側の上に直接プリントされ得、第1レイヤー内に回路パターン220が具備され得る。また、第1レイヤー211は
図4でのように、一定の方向に回路パターン220が平行に配置され得る。
【0045】
第2レイヤー212は第2回路パターン220を一側に具備することができる。第2回路パターン220は第2レイヤー212の一側の上に直接プリントされ得、第2レイヤー212内に回路パターン220が具備され得る。また、第2レイヤー212も、第1レイヤー211のように、一定の方向に平行に回路パターン220が配置され得る。ただし、第1レイヤー211と第2レイヤー212の結合時に電流が特定の方向に連続的に巻かれて流れるように、第1回路パターンと第2回路パターン内の各配線が順に連結されるように構成され得る。例えば、
図5でのように、第1レイヤー211の第1回路パターン220を通じて電流が流入した後、第1回路パターンと第2回路パターンが接する地点221を通じて第2レイヤー212の第2回路パターンに電流が流れることができる。その後、電流が第2回路パターンを流れて第1レイヤーと接する地点222で再び第1回路パターンに電流が流れる。このような電流の流れの繰返しによって、第1レイヤー211と第2レイヤー212の間に配置されたコア物質を中心に電流が巻かれて流れることができる。
【0046】
また、第1レイヤー211および第2レイヤー212はビアホール(第1ビアホールおよび第2ビアホール)をさらに具備することができる。ビアホールは、第1レイヤー211と第2レイヤー212の結合時に外側面に該当する面に第1回路パターンおよび第2回路パターンが具備された場合、第1レイヤー211の第1回路パターンと第2レイヤー212の第2パターンを連結する機能を遂行することができる。すなわち、第1レイヤー211または第2レイヤー212の厚さによって第1回路パターンと第2回路パターンが直接的に連結されない場合、第1ビアホールと第2ビアホールによって連結され得る。第1ビアホールおよび第2ビアホールは第1レイヤー211と第2レイヤー212が結合された時、同じ位置221に配置されて連結され得る。したがって、前記第1ビアホールと前記第2ビアホールが直接マッチングされて、前記回路パターンおよび前記ビアホールを通じて前記電流が前記コア物質を中心に特定方向に巻かれて流れる。
【0047】
コア物質230は、前記第1レイヤー211および前記第2レイヤー212の間の空間に具備されて磁場を強化する機能を遂行することができる。すなわち、コア物質230は磁性体で構成されて、第1回路パターンおよび第2回路パターンに連続的に流れる電流によって形成される磁場を強化することができる。特に、コア物質230は、磁性体粉末と接着剤が混合されて接着力を具備することができる。すなわち、磁気セル210は磁性体粉末に接着剤が混合されたコア物質が第1レイヤー211および第2レイヤー212の間に付着、注入または挿入されて形成され得る。コア物質は強磁性体と混合される接着剤の種類または強磁性体と接着剤の混合比率などによって粘性が変化され得る。例えば、特定の内部空間にコア物質230を注入して磁場発生部を生成する場合、粘性が低い接着剤と磁性体粉末を混合して生成したコア物質230を使うことができる。また、例えば、コア物質230が粘性の高い接着剤と磁性体粉末を混合してステッカーのように両面が接着力を有するようになる場合、磁気セル210は第1レイヤー211または第2レイヤー212の一面にコア物質230を付着し、反対レイヤーを結合して形成され得る。前記接着剤は磁場発生に影響を及ぼさない多様な接着剤(例えば、レジンなど)をすべて含むことができる。前記磁性体粉末は、鉄、フェライト、ニッケル、コバルト、マンガン、アルミニウム、プラチナ、銀、銅、亜鉛、鉛などを含むことができる。また、磁性体粉末は前記磁性体(すなわち、鉄、フェライト、ニッケル、コバルト、マンガン、アルミニウム、プラチナ、銀、銅、亜鉛、鉛)を含む合金で構成され得る。
【0048】
コア物質230を配置して磁気セル210を形成する方式は多様な方式が適用され得る。ただし、磁気セル210の製造方式は後述する方式に限定されない。
【0049】
第1レイヤー211と第2レイヤー212が結合されて内部空間を形成し、内部空間にコア物質230を注入する方式で磁気セル210が形成され得る。例えば、
図6でのように、第1レイヤー211と第2レイヤー212は屈曲領域214を具備し、第1レイヤー211と第2レイヤー212の結合時に前記屈曲領域214が向き合って内部空間を形成することができる。コア物質230が内部空間に注入されて満たされることによって磁気セル210を形成することができる。
【0050】
また、磁気セル210は第1レイヤー211または第2レイヤー212上にコア物質230が特定の形状に直接プリントされる方式によって形成され得る。すなわち、第1レイヤー211または第2レイヤー212の相互結合される面に特定大きさにコア物質230が印刷された後、反対レイヤーを結合して磁気セル210を形成することができる。第1レイヤー211または第2レイヤー212はコア物質230が印刷される空間を具備することができる。例えば、
図7でのように、第1レイヤー211または第2レイヤー212が凹まれた印刷空間(または屈曲領域214)を具備し、前記印刷空間にコア物質230を満たした後、平らな反対レイヤーで覆って磁気セル210を形成することができる。また、例えば、第1レイヤー211または第2レイヤー212が曲がり得る柔軟な物質からなっている場合、コア物質230が印刷された後で第1レイヤー211または第2レイヤー212が曲がることによって、第1レイヤー211と第2レイヤー212の間にコア物質230が含まれた磁気セル210を生成することができる。
【0051】
また、磁気セル210は特定大きさに切削されたコア物質230を第1レイヤー211または第2レイヤー212に付着する方式で形成され得る。例えば、コア物質230は両面が接着可能な形態であり得、特定大きさに切削されて簡便に第1または第2レイヤー212に付着することができる。これを通じて、磁気セル210の製造工程が既存に比べて簡便であり、工程速度を上げることができる。
【0052】
また、磁場発生部が複数のトラックを含む場合、磁気セル210は特定大きさに切削された複数のコア物質230(例えば、両面が接着可能なコア物質230)が第1レイヤー211または第2レイヤー212に平行に配置され、反対レイヤーが結合され得る。
【0053】
また、制御部300をさらに含むことができる。制御部300はプレート100内に具備されて、磁場発生部200に特定のカード情報に相応する磁気駆動電流信号を伝達する機能を遂行する。制御部300は磁気駆動電流信号の供給の有無または流れ方向の調節を通じて磁場発生部200で発生する磁気信号を時系列的に生成することができる。すなわち、単一の磁気セル210は電流調節を通じてカードリーダーのヘッダーに加えられる磁場の方向を調節することができる。磁場発生部200が複数のトラックを含む場合、制御部300は各トラック別に入力される磁気駆動電流信号を調節して各トラックに対応するカードリーダーのヘッダーに磁場の変化を発生させることができる。
【0054】
制御部300は特定の時間間隔で電流方向による磁場方向が変更されるようにしてカード情報に相応する磁気信号を生成することができる。従来のマグネチックカードはカード決済を遂行する時、スワイプ(Swiping)過程において、磁気帯内に配置されたマグネチックラインの間隔によってカードリーダーのヘッダーに加えられる磁場の方向変化の周期を調節してカードリーダーにカード情報を伝達する方式である。すなわち、磁気帯内のマグネチックラインのうち広い間隔のマグネチックラインはバイナリデータで「0」を、極性の異なる狭い間隔の2個のマグネチックラインの組合わせはバイナリデータで「1」を表わす。このようなバイナリデータが集まって数字(Numberic Character)、文字/数字(Alphanumberic Character)を構成することになる。本発明の一実施例に係るマルチカードの磁場発生部200は一つのトラック内で一つの磁気力線方向を形成するので、使用者が実際のカードを読み込ませる方式(すなわち、スワイプ方式)でカードをリーディングする時にヘッダーに磁場の変化が発生する特定の時間間隙範囲内で時変的な(time−variant)磁気信号を生成することができる。これを通じて、使用者はカードを読み込ませる方式またはカードリーダーのヘッダーの部分に差し込んでおく方式を選択してカード情報が認識されるようにすることができる。すなわち、磁場発生部200は、電流の流れが可変されることによって可変された方向の磁場を発生させることによって、カードリーダーが0と1のバイナリデータを認識するようにする役割をする。
【0055】
また、挿入感知部400をさらに含むことができる。挿入感知部はカードリーダー内への挿入の有無を認識する機能を遂行することができる。挿入感知部は多様な方式でカードのカードリーダー内への挿入を認識することができる。また、カードリーダー内への挿入が挿入感知部400により認識されると、マルチマグネチックカードは制御部によってカード決済が遂行される特定時間の間、磁場発生部に電源を供給することができる。これを通じて、カード使用時にのみ電源を供給することができ、電力損失を減らすことができる効果がある。例えば、制御部はカード決済を遂行する時にのみ磁場発生部に電力を供給することができる。以下、挿入感知部がカードリーダー内への挿入を認識する方式を説明する。
【0056】
挿入感知部400は圧力センサーを具備し、カードリーダー内へのカード挿入を認識することができる。挿入感知部400はカードリーダーのヘッダーが通過(または接触)するプレート上の特定位置に配置され得る。例えば、圧力センサーが磁場発生部の上または下に配置され、カードが挿入される場合、ヘッダーによって圧力センサーに圧力が加えられ得る。すなわち、カードリーダーの一側面にヘッダーが接触している状態でカードがヘッダーとカードリーダーの一側面の間に挿入されてヘッダーがカードを押すと、カードはカードリーダー内への挿入を認識して磁気セル210に電源を供給することができる。
【0057】
また、例えば、動的にカードスワイプ(swiping)を遂行する場合、挿入感知部400は磁場発生部の終端に隣接した位置に具備され、カードリーダー内でカードが動く場合、磁場発生部がヘッダーに認識される前に前記ヘッダーの接触を感知することができる。これを通じて、マルチカードはカードリーディングが開始される時に磁気信号を発生させ始めて電力消耗を減らすことができる効果がある。
【0058】
また、挿入感知部400は、磁場発生部からカードリーダーのヘッダーとのカード情報磁気信号の交換による電気的信号を受信して、カードリーダー内への挿入を感知することができる。すなわち、磁場発生部の磁気セル210がインダクティブ(inductive)センサーとして役割をし、カードリーダーヘッダーとの間で磁場の変化を感知してカード情報を送出することができる。
【0059】
また、挿入感知部400は圧力センサーとインダクティブセンサーを共に活用することができる。これを通じて、カードリーダーのヘッダーではない他の構成によって圧力センサーに圧力が加えられて誤作動する場合を防止することができ、カードリーダーのヘッダーではない他の磁場の変化が発生する物体によって磁気セル210に磁場の変化が感知されて誤作動する場合を防止することができる。
【0060】
また、
図8でのように、磁場遮断レイヤー700をさらに含むことができる。磁場遮断レイヤー700は磁気セル210の磁気信号出力方向側に配置され、磁場の外部流出を防止する機能を遂行することができる。すなわち、磁気セル210の陽極がすべて外部に露出されており、特定時点で所望の磁場方向と反対の磁気信号が特定の地点で入力され得るため、反対の磁場方向が検出される可能性がある領域を磁場が発生しない特定の範囲を磁気信号が外部に発生しないようにすることができるレイヤーを磁場発生部上に覆うことができる。
【0061】
また、遮蔽レイヤー800をさらに含むことができる。遮蔽レイヤー800は磁場発生部が複数のトラックを含む場合、前記トラック間の干渉防止を遂行できる。すなわち、磁場発生部が複数のトラックを具備する場合、各トラックの磁気セル210が生成する磁場が隣接したトラックに対応するカードリーダーヘッダーに干渉を発生させて認識率を落としてしまう可能性がある。したがって、マルチマグネチックカードは磁気信号出力方向の反対の側面に遮蔽レイヤー800を具備し、各トラックの磁気信号間の干渉を防止することができる。遮蔽レイヤー800は透磁率が高い強磁性体で形成されて、ほとんどの磁気力線が遮蔽レイヤー800を通過するように磁場に変化が発生され得る。これに伴い、
図9でのように、各トラックの磁気セル210で発生する磁場の幅が狭くなって隣接したトラックに及ぼす影響を減らすことができる。
【0062】
また、
図2でのように、情報表示部500をさらに含むことができる。情報表示部500は前記プレートの前面一側に具備されて、画面上に関連情報を表示して使用者に提供する機能を遂行することができる。すなわち、情報表示部500はマルチカードで処理される情報を表示出力する。例えば、マルチカードをカードリーダーに挿入して決済または積立てを遂行する場合、カード決済または積立てに関連したUI(User Interface)またはGUI(Graphic User Interface)を表示するか決済または積立てを遂行するカード情報を表示することができる。このような場合、情報表示部500は、使用カード名、現在の決済金額、累積決済金額、使用者基本情報などを表示することができる。また、後述される情報入力部600を通じて決済するカード加盟店の名称を入力する場合、情報表示部500は該当加盟店の割引特典があるメンバーシップカードのリストを表示することもできる。また、マルチカード情報表示部500自体で積立てなどを遂行する場合、情報表示部500は積立てを遂行するカードのバーコード、数字、またはQRコード(登録商標)などを表示することもできる。
【0063】
一方、前述した通り、前記情報表示部500とタッチパッドが相互レイヤー構造をなしてタッチスクリーンで構成される場合、情報表示部500は出力装置の他に入力装置としても使用され得る。万一、情報表示部500がタッチスクリーンで構成される場合、タッチスクリーンパネル、タッチスクリーンパネル制御器などを含むことができる。情報表示部500がタッチスクリーンで具現される場合、使用者は情報表示部500に表示されたカード情報(例えば、会社ロゴ、カード外観、カード名称など)をタッチ操作で選択することができ、カード変更キーが表示された前記タッチスクリーン上の部分をタッチするかタッチスクリーンに接触してあらかじめ決定された経路に沿って移動(例えば、スワイプ方式)してカードを変更することができる。
【0064】
また、前記タッチ入力方式が前記タッチスクリーン500に接触してあらかじめ決定された経路に沿って移動する方式である場合、マルチカードは前記タッチスクリーン500に入力するタッチ命令にしたがってカード分類の変更、カード種類の変更、カード選択、カード選択解除などを遂行できる。例えば、前記タッチスクリーン500を上下に操作するとカード分類を変更することができる。すなわち、使用者のクレジットカードグループ、使用者のチェックカードグループ、使用者のポイントカードグループに変更できる。タッチスクリーン500を左右に操作すると前記カード分類内のカードの種類を変更することができる。すなわち、クレジットカードグループ内である場合、左右の操作で決済を遂行するクレジットカードを探索して選択することができる。また、前記情報表示部500上に表示されたカードイメージ、会社ロゴなどをタッチしてカードを選択するか選択を解除することができる。
【0065】
その他にも前記情報表示部500は液晶ディスプレイ(liquid crystal display)、薄膜トランジスター液晶ディスプレイ(thin film transistor−liquid crystal display)、有機発光ダイオード(organic light−emitting diode)、フレキシブルディスプレイ(flexible display)、電子ペーパー(E−paper)の中で少なくとも一つを含むこともできる。そして、前記マルチカードの具現形態により情報表示部500が二つ以上存在することもできる。例えば、前記マルチカードの前面部と後面部にそれぞれ前記情報表示部500を具備することもできる。
【0066】
前記電子ペーパーは、紙の感じをそのまま感じることができ、紙の役割ができるようにした電子装置であり、e−ペーパーともいう。前記電子ペーパーには、小さいボールやカプセルを利用してインクの効果を出す方式および既存の液晶ディスプレイ(LCD)などの平板ディスプレイをさらに薄くして紙の効果を出す方式などの多様な方式が適用され得る。
【0067】
また、生体情報入力部(図示されず)をさらに含むことができる。生体情報入力部は前記プレートの一側に具備されて、使用者の生体情報を獲得する機能を遂行することができる。前記制御部は、生体情報入力部を通じて獲得された生体情報を既保存された生体情報と比較して、前記磁場発生部にカード情報を生成するかどうかを決定することができる。
【0068】
例えば、マルチカードが使用者の指紋情報を獲得できる生体情報入力部を具備することができる。生体情報入力部は獲得した指紋情報を制御部に伝達し、制御部は既保存された使用者の指紋情報と獲得された指紋情報の一致可否を判断することができる。既保存された使用者の指紋情報と獲得された指紋情報が一致する場合、制御部は特定のカード情報を特定の磁場発生方式に符合するように情報処理して磁場発生部の各磁気セル210に電流を供給することができる。
【0069】
また、生体情報入力部は板状のプレート100に内蔵し難い虹彩認識のためのカメラ装置は外部装置から生体情報の提供を受けることもできる。このような場合、外部の装置と通信するための後述する近距離無線通信部によって生体情報入力部の機能が遂行され得る。
【0070】
また、
図2でのように、情報入力部600をさらに含むことができる。情報入力部600は前記プレートの一側に具備されて、保存された一つ以上のカード情報の中で特定のカード情報を選択するために使用者からの入力操作を受ける機能を遂行することができる。すなわち、情報入力部600は使用者がマルチカードの動作を制御するための入力データの入力を受けて制御部300に伝達する機能を遂行する。前記情報入力部600はキーパッド(key pad)、キーボード、ドームスイッチ(dome switch)、タッチパッド(定圧/静電)などで構成されてプレート100の一側に露出され得る。例えば、前記情報入力部600は、方向ボタンおよび選択ボタンによってカードの変更または選択を遂行するボタン入力方式、使用者のタッチ入力操作を受けてカードの変更または選択を遂行するタッチパッド方式などで具現され得る。特に、タッチパッドが前述した情報表示部500と相互レイヤー構造をなす場合、これをタッチスクリーン(touch screen)と呼ぶことができる。前記情報入力部600がタッチスクリーン500で構成された場合、前記タッチスクリーン500上に表示されたユーザーインタフェース操作を通じて所望のカードを選択することができる。これを通じて、前記情報入力部600は使用者の入力操作を受けて複数のカード情報の中で選択を遂行する機能を遂行する。
【0071】
また、近距離無線通信部をさらに含むことができる。近距離無線通信部は、前記プレート内に具備されて、新規カード情報の受信または外部デバイスから使用者認証情報受信を遂行する機能を遂行することができる。近距離無線通信部に使われる近距離通信技術としては、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、beacon(Beacon)、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線通信(IrDA、infrared Data Association)、UWB(Ultra Wideband)、ジグビー(ZigBee(登録商標))、NFC(Near Field Communication)などが利用され得る。近距離無線通信部が新規カード情報を受信して制御部300に伝達し、制御部300が情報処理を遂行してメモリー内に保存することができる。
【0072】
また、近距離無線通信部はプレート100の内部に内蔵されて外部から使用者の生体情報の提供を受ける役割を遂行することができる。例えば、使用者本人によるカード使用であるかを確認するために虹彩認識が必要な場合、近距離無線通信部と連動された虹彩認識装置または虹彩認識が可能なスマートフォンなどの装置を通じて使用者の虹彩情報を受信して、既保存された使用者虹彩情報との一致可否を判断するために制御部300に伝達することができる。制御部300は前記受信した虹彩情報が使用者の虹彩情報と一致すればカード使用を承認して磁場発生部200の各磁気セル210に適切な電流を供給することができる。
【0073】
本発明の他の一実施例に係る磁気セル製造方法は、第1回路パターンが一側に具備された第1レイヤーの所定の位置にコア物質を付着する段階と、第2回路パターンが一側に具備された第2レイヤーを前記第1回路パターンと第2回路パターンが連結される所定の位置に結合する段階とを含む。例えば、コア物質230は両面が接着可能な形態であり得、特定大きさに切削されて簡便に第1または第2レイヤー212に付着することができる。前記第1回路パターンと前記第2回路パターンは相互連結されて、第1または第2回路パターンに入力される電流は相互連結された回路パターンによってコア物質230を中心に特定の回転方向に巻かれて流れる。コア物質は磁性体粉末と接着剤が混合されて接着力を具備する。これを通じて、磁気セル210の製造工程が既存に比べて簡便であり、工程速度を上げることができる。
【0074】
本発明のさらに他の一実施例に係る磁気セル製造方法は、第1回路パターンが一側に具備された第1レイヤー211と第2回路パターンが一側に具備された第2レイヤー212を前記第1回路パターンと第2回路パターンが連結されるように結合する段階と、前記第1レイヤーと前記第2レイヤーが結合されて形成された内部空間にコア物質を注入する段階とを含む。すなわち、第1レイヤー211と第2レイヤー212が結合されて内部空間213を形成し、内部空間にコア物質230を注入する方式で磁気セル210が形成され得る。例えば、
図6および
図7でのように、第1レイヤー211または第2レイヤー212は屈曲領域214を具備し、第1レイヤー211と第2レイヤー212の結合時に前記屈曲領域214が向き合って内部空間を形成することができる。コア物質230が内部空間に注入されて満たされることによって磁気セル210を形成することができる。前記第1回路パターンと前記第2回路パターンは相互連結されて、第1または第2回路パターンに入力される電流は相互連結された回路パターンによってコア物質230を中心に特定の回転方向に巻かれて流れる。コア物質は磁性体粉末と接着剤が混合されて接着力を具備する。
【0075】
本発明のさらに他の一実施例に係る磁気セル製造方法は、第1回路パターンおよびコア物質230が具備された第1レイヤー211と第2回路パターンが一側に具備された第2レイヤー212を前記第1回路パターンと第2回路パターンが連結されるように結合する段階を含む。前記コア物質230は磁性体粉末と接着剤が混合されて接着力を具備し、第1レイヤー211上に特定の形状に直接プリントされる。前記第1回路パターンと前記第2回路パターンは相互連結されて、第1または第2回路パターンに入力される電流は相互連結された回路パターンによってコア物質230を中心に特定の回転方向に巻かれて流れる。すなわち、第1レイヤー211または第2レイヤー212の相互結合される面に特定大きさにコア物質230が印刷された後、反対レイヤーを結合して磁気セル210を形成することができる。第1レイヤー211または第2レイヤー212はコア物質230が印刷される空間を具備することができる。例えば、
図7でのように、第1レイヤー211または第2レイヤー212が凹まれた印刷空間(または屈曲領域214)を具備し、前記印刷空間にコア物質230を満たした後、平らな反対レイヤーで覆って磁気セル210を形成することができる。また、例えば、第1レイヤー211または第2レイヤー212が曲がり得る柔軟な物質からなっている場合、コア物質230が印刷された後で第1レイヤー211または第2レイヤー212が曲がることによって、第1レイヤー211と第2レイヤー212の間にコア物質230が含まれた磁気セル210を生成することができる。
【0076】
前記のような本発明によれば、下記のような多様な効果を有する。
【0077】
第1に、本発明の実施例に係るマルチカードを通じて一つのカードに決済および積立て関連データがすべて保存されることによって、カード所持の便宜性を向上させることができる効果がある。すなわち、使用者が複数枚のカードを所持する必要がないため財布が軽くなる効果がある。
【0078】
第2に、本発明の実施例に係るマルチカードは磁場発生部を通じて直接カードを読み込ませる方式とカードを差し込んでおくと済む方式で所望のカード情報を具現することができるため、状況によって適切な方式で決済を遂行できる。
【0079】
第3に、本発明の実施例に係るマルチカードは情報表示部を通じてカード情報を表示し、使用者がいずれのカードを選択して決済を遂行するかを確認できる。
【0080】
第4に、本発明の実施例に係るマルチカードは情報入力部を具備するため使用者がカード操作を簡単に遂行することができ、特に情報入力部が情報表示部と結合してタッチスクリーンをなす場合、画面を確認しながらすぐにカード操作を遂行することができるため簡便であり、別途のキーパッドなどの構成を含まなくてもよいため平らなカード形態を具現しやすい。
【0081】
第5に、第1レイヤーと第2レイヤー間にコア物質を付着するか注入する方式を通じて既存に比べて簡便に磁気セルを製造することができ、生産効率を向上できる効果がある。
【0082】
第6に、コア物質が入る別途のレイヤーを形成せず第1レイヤーと第2レイヤー間に形成するため、コア層生成のための材料費を節減することができる。
【0083】
第7に、本発明の一実施例に係るマルチカードは遮蔽レイヤーによってトラック間の干渉を防止することができ、カード使用時に認識率を高めることができる効果がある。
【0084】
以上、添付された図面を参照して本発明の実施例を説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者は本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態で実施できることが理解できるはずである。したがって、前述した実施例はすべての面で例示的なものであり、限定的ではないものと理解されるべきである。
【国際調査報告】