(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-522227(P2017-522227A)
(43)【公表日】2017年8月10日
(54)【発明の名称】ステアリングコラムの受動的コラプスを防止する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B62D 1/19 20060101AFI20170714BHJP
【FI】
B62D1/19
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-505246(P2017-505246)
(86)(22)【出願日】2015年4月28日
(85)【翻訳文提出日】2017年1月25日
(86)【国際出願番号】CN2015077675
(87)【国際公開番号】WO2016131214
(87)【国際公開日】20160825
(31)【優先権主張番号】201510083283.5
(32)【優先日】2015年2月16日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517027088
【氏名又は名称】博世華域転向系統有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOSCH HUAYU STEERING SYSTEMS CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】蒋 駿
(72)【発明者】
【氏名】万 題
(72)【発明者】
【氏名】ラカイユ、クリストフ
【テーマコード(参考)】
3D030
【Fターム(参考)】
3D030DC14
3D030DD18
3D030DE06
(57)【要約】
【課題】ステアリングコラムの受動的コラプスを防止する装置及び方法を提供することを課題とする。
【解決手段】ステアリングコラムアッセンブリを含むステアリングコラムの受動的コラプス防止装置であって、ステアリングコラムアッセンブリの取付ブラケットの両側に各々取付ブラケットの左側壁板と取付ブラケットの右側壁板を備えており、左、右側壁板の上部に各々高さ位置に対応する壁板穴を備え、受動的コラプス防止装置の一端が該2箇所の壁板穴に挿通してステアリングコラムアッセンブリの取付ブラケット内に備えられ、受動的コラプス防止装置の他端は、ステアリングコラム調節レバーのレバー金属板に係止し、取付ブラケットの頂部に2箇所のコラプス防止ピン係止溝を備え、受動的コラプス防止装置の頂部の突出部分が前記2箇所のコラプス防止ピン係止溝に挿通する。本発明の構造が簡単で、取り付けに便利で、既存のステアリングコラムアッセンブリの取付ブラケットに対する変更が比較的小さく、ステアリングコラムの調節作業時に間違った使い方及び間違った力をかける角度によるステアリングコラムの受動的コラプスを効果的に防止でき、ステアリングコラムの正常コラプスに影響を及ぼさない。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングコラムアッセンブリ(1)を含むステアリングコラムの受動的コラプス防止装置であって、
前記ステアリングコラムアッセンブリ(1)の取付ブラケット(2)の両側に各々取付ブラケットの左側壁板(2a)と取付ブラケットの右側壁板(2b)を備え、前記取付ブラケットの左側壁板及び前記取付ブラケットの右側壁板の上部に各々高さ位置に対応する壁板穴(2c)を備え、受動的コラプス防止装置(A)の一端が前記2箇所の壁板穴に挿通してステアリングコラムアッセンブリの取付ブラケット内に設けられ、
前記受動的コラプス防止装置(A)の他端は、ステアリングコラム調節レバー(3)のレバー金属板(3a)に係止し、
前記取付ブラケット(2)の頂部に2箇所のコラプス防止ピン係止溝(2d)を備え、受動的コラプス防止装置(A)の頂部の突出部分が前記2箇所のコラプス防止ピン係止溝に挿通することを特徴とするステアリングコラムの受動的コラプス防止装置。
【請求項2】
前記受動的コラプス防止装置(A)は、金属軸(A1)とコラプス防止ピン(A2)と左側壁板用リミットプラスチックキャップ(A3)と右側壁板用リミットプラスチックキャップ(A4)と曲げ板金(A5)とを含み、前記金属軸の両端が各々前記取付ブラケットの左側壁板(2a)及び前記取付ブラケットの右側壁板(2b)に備えられている2箇所の壁板穴(2c)に挿通し、つまり前記金属軸の全長が前記2箇所の壁板穴の間隔より大きく、前記金属軸上に軸肩(A11)を備え、前記軸肩上にコラプス防止ピンを備えており、前記金属軸の両端に近づける胴部に各々前記取付ブラケットの左側壁板及び前記取付ブラケットの右側壁板の前記壁板穴位置に対応する左側壁板用リミットプラスチックキャップ及び右側壁板用リミットプラスチックキャップを備え、前記2箇所のリミットプラスチックキャップは各々各自の前記壁板穴に係入し、前記金属軸を前記取付ブラケット(2)内に支承し、前記金属軸をリミットしながら脱出を防止し、前記曲げ板金が「h」字形の曲げ板金とし、前記曲げ板金の側部が前記金属軸の軸端と溶接され、前記曲げ板金の頂部がピン状となり、その底部の開口部が前記ステアリングコラム調節レバー(3)の前記レバー金属板(3a)に係止することを特徴とする請求項1に記載のステアリングコラムの受動的コラプス防止装置。
【請求項3】
前記コラプス防止ピン(A2)は、ピン体(A21)と固定ベース(A22)と連結ボルト(A23)とを含み、前記ピン体が長方形板状で、前記ピン体底部の両側にピンのショルダ部(A21a)を備えており、前記ピン体底部の中心に台形切欠部を備え、前記固定ベースの中部に半円形切欠部を備え、前記半円形切欠部が前記ピン体底部の台形切欠部に向き合い、台形切欠部と半円形切欠部を互いに合わせた後で形成した穴部の大きさが前記軸肩(A11)と対応し、前記固定ベース及び前記ピンのショルダ部にいずれも対応位置のボルト貫通孔(A24)を備え、前記連結ボルトがボルト貫通孔を通じて前記ピン体及び前記固定ベースを前記金属軸(A1)の前記軸肩部に固定することを特徴とする請求項2に記載のステアリングコラムの受動的コラプス防止装置。
【請求項4】
前記コラプス防止ピン(A2)及び前記曲げ板金(A5)のピン状頂部は、各々前記取付ブラケット(2)の前記2箇所のコラプス防止ピン係止溝(2d)に挿通することを特徴とする請求項2に記載のステアリングコラムの受動的コラプス防止装置。
【請求項5】
ステアリングコラムの受動的コラプス防止方法であって、前記ステアリングコラムの受動的コラプス防止装置に基づき、そのステップは次の通りとし、
1)まず本発明のステアリングコラムの受動的コラプス防止装置を所定の位置に取り付け、具体的に以下の通りとし、受動的コラプス防止装置(A)の金属軸(A1)が取付ブラケットの左側壁板(2a)及び取付ブラケットの右側壁板(2b)の壁板穴(2c)に挿通してから左側壁板用リミットプラスチックキャップ(A3)及び右側壁板用リミットプラスチックキャップ(A4)を各自の前記壁板穴に各々係入して前記金属軸を取付ブラケット内に支承し、前記金属軸と溶接された「h」字形曲げ板金(A5)の底部開口部をステアリングコラム調節レバー(3)のレバー金属板(3a)に係止し、
2)レバーの開き過程中、前記ステアリングコラム調節レバー(3)の前記レバー金属板(3a)を回してカムと対応するよう摺動し、前記レバー金属板が右側に移動するストロークを発生し、
3)前記「h」字形曲げ板金(A5)の底部開口部は、終始前記レバー金属板(3a)を保持するため、前記レバー金属板が右側に移動すると同時に、前記曲げ板金と溶接された前記金属軸(A1)及び前記金属軸と固結するコラプス防止ピン(A2)を右側に移動させ、前記コラプス防止ピン及び曲げ板金のピン状頂部は各々前記取付ブラケット(2)の2箇所のコラプス防止ピン係止溝(2d)に挿通し、
4)ステップ3)において前記コラプス防止ピン(A2)及び前記曲げ板金(A5)のピン状頂部は各々前記取付ブラケット(2)の2箇所のコラプス防止ピン係止溝(2d)に挿通するため、ステアリングコラムがそのコラム軸方向に沿う外部の衝撃力を受けた時、前記取付ブラケットが前記コラプス防止ピン及び前記曲げ板金のピン状頂部にぶつかり、この時前記2箇所の「コラプス防止ピン」が各自対応位置の前記コラプス防止ピン係止溝で当たることで、ステアリングコラムコラプスの移動を防止でき、
5)ステアリングコラム調節レバー(3)を閉じる時、この過程がちょうど逆となり、逆方向に前記調節レバーを回し、前記レバー金属板(3a)とカムが対応するよう摺動し、前記レバー金属板が左側に移動するストロークを発生すると共に「h」字形曲げ板金(A5)を左側に移動させ、前記金属軸(A1)と固結する前記コラプス防止ピン(A2)及び前記曲げ板金(A5)のピン状頂部は各自対応する前記コラプス防止ピン係止溝(2d)内から脱出させ、この時コラムが衝撃を受けた時、コラムの正常コラプスに影響を及ぼさないことを特徴とするステアリングコラムの受動的コラプス防止方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動制限保護装置及び方法に関し、特に、ステアリングコラムに運用され、ユーザーがコラムを調整する時の間違った使い方によるステアリングコラムの受動的コラプス現象を防止する装置及び該装置に基づく受動的コラプスを防止する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、自動車ステアリングシステムのクリティカル部品の1つのステアリングコラムアッセンブリは、ハンドルとステアリングギアを連接する重要部品で、自動車ステアリングシステムの最も基本的構成部分の1つであり、主に運転者がハンドルにかけたトルクを伝達してステアリングギアを駆動させることで、自動車の走行方向を制御する役割を果たし、自動車走行の安全性及び信頼性を決定するクリティカル部品である。自動車工業の絶え間ない発展及び自動車品質の絶え間ない向上につれ、如何にしてステアリングコラムアッセンブリが設計の性能要求を満たすかは、各自動車メーカーが製品の品質を保証及び改善する1つの重要な節目となっている。ステアリングコラムアッセンブリの主要構成部分であるステアリングコラムは、車両全体の運転性能に関わり、ステアリングコラムの優劣が自動車全体の方向変換の安定の有無に直接影響を及ぼし、自動車全体の安全性の最も主要な要因の1つであるため、ステアリングコラムの設計時、例えばトルク伝達、締付力、使用の快適性、安全性等の各方面の要因を考慮しなければならず、その中でも容易に無視される1つの要因が受動的コラプスの防止である。受動的コラプスとは、ユーザーがコラムを調整する時に間違った使い方及び間違った力をかける角度によるステアリングコラムの受動的コラプスをいい、このような状況は常にユーザーが調節レバーを開いてコラム位置を調整する過程中、力の入れすぎによりステアリングコラムにコラプスを発生することで、正常に該コラムを使用できなくなる。従来の技術においてこのような状況を効果的に解決する方法がなかったため、製品を継続して使用することができなかった。
【0003】
そこで、従来技術のステアリングコラム性能指標の1つである受動的コラプス防止という課題を解決するため、ステアリングコラムの受動的コラプスを効果的に防止できる装置及び方法を必要とすることが急務となっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記課題を解決するため、本発明はステアリングコラムの受動的コラプスを防止する装置及び方法を提供する。ステアリングコラム上に該装置を取り付けてユーザーが調節レバーを開いてステアリングコラムを調節する時、力をかける程度或いは角度が間違っても、ステアリングコラムのコラプスが起きない。本発明の具体的構造は、次に述べる通りとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ステアリングコラムアッセンブリを含むステアリングコラムの受動的コラプス防止装置であって、
前記ステアリングコラムアッセンブリの取付ブラケットの両側に各々取付ブラケットの左側壁板と取付ブラケットの右側壁板を備え、取付ブラケットの左側壁板及び取付ブラケットの右側壁板の上部に各々高さ位置に対応する壁板穴を備え、受動的コラプス防止装置の一端が該2箇所の壁板穴に挿通してステアリングコラムアッセンブリの取付ブラケット内に備えられ、
前記受動的コラプス防止装置の他端は、ステアリングコラム調節レバーのレバー金属板に係止し、
前記取付ブラケットの頂部に2箇所のコラプス防止ピン係止溝を備え、受動的コラプス防止装置の頂部の突出部分が前記2箇所のコラプス防止ピン係止溝に挿通することを特徴とする。
【0006】
本発明に係るステアリングコラムの受動的コラプス防止装置であって、前記受動的コラプス防止装置は、金属軸とコラプス防止ピンと左側壁板用リミットプラスチックキャップと右側壁板用リミットプラスチックキャップと曲げ板金とを含み、金属軸の両端が各々取付ブラケットの左側壁板及び取付ブラケットの右側壁板に備えられている2箇所の壁板穴に挿通し、つまり金属軸の全長が該2箇所の壁板穴の間隔より大きく、該金属軸上に軸肩を備え、該軸肩上にコラプス防止ピンを備えており、金属軸の両端に近づける胴部に各々取付ブラケットの左側壁板及び取付ブラケットの右側壁板の壁板穴位置に対応する左側壁板用リミットプラスチックキャップ及び右側壁板用リミットプラスチックキャップを備え、該2箇所のリミットプラスチックキャップは各々各自の壁板穴に係入し、金属軸を取付ブラケット内に支承し、金属軸をリミットしながら脱出を防止し、曲げ板金は「h」字形の曲げ板金とし、該曲げ板金の側部が金属軸の軸端と溶接され、曲げ板金の頂部がピン状となり、その底部の開口部がステアリングコラム調節レバーのレバー金属板に係止することを特徴とする。
【0007】
本発明に係るステアリングコラムの受動的コラプス防止装置であって、前記コラプス防止ピンは、ピン体と固定ベースと連結ボルトとを含み、ピン体が長方形板状で、ピン体底部の両側にピンのショルダ部を備えており、ピン体底部の中心に台形切欠部を備え、固定ベースの中部に半円形切欠部を備え、該半円形切欠部がピン体底部の台形切欠部に向き合い、台形切欠部と半円形切欠部を互いに合わせた後で形成した穴部の大きさが軸肩と対応し、固定ベース及びピンのショルダ部のいずれも対応位置にボルト貫通孔を備え、連結ボルトがボルト貫通孔を通じてピン体及び固定ベースを金属軸の軸肩部に固定することを特徴とする。
【0008】
本発明に係るステアリングコラムの受動的コラプス防止装置であって、前記コラプス防止ピン及び曲げ板金のピン状頂部は、各々取付ブラケットの2箇所のコラプス防止ピン係止溝に挿通することを特徴とする。
【0009】
以上の設計目的は、本発明のステアリングコラムの受動的コラプス防止装置の機能部分が1本の駆動軸の小アッセンブリと2個のコラプス防止ピンとからなることである。駆動軸の小アッセンブリは1本の金属軸と「h」字形曲げ板金を溶接してなる。金属軸が取付ブラケットの左右側壁板穴上に挿通して軸方向摺動の単自由度を持たせる。「h」字形曲げ板金のピン状頂部は1箇所の「コラプス防止ピン」として使用され、曲げ板金の底部開口部がステアリングコラム調節レバーのレバー金属板の下端に係止し、つまり開口状を呈する2枚の板金プレートが終始レバー金属板を保持し、このような連結方式はレバー金属板が「h」字形曲げ板金の隙間に摺動させることができるだけではなく、レバーの上下、開閉の調節に影響を及ぼさず、またも金属軸がレバー金属板に伴ってレバー調節時に一緒に軸方向摺動させることができる。金属軸の軸肩上に設けられたコラプス防止ピンは、ボルトを通じて金属軸上に固結され、コラプス防止ピン及び「h」字形曲げ板金の頂部が2箇所の「コラプス防止ピン」を形成し、該2箇所のコラプス防止ピンの上端がいずれも取付ブラケットのコラプス防止ピン係止溝に挿通し、コラプス防止ピン及び曲げ板金のピン状頂部の幅は取付ブラケットのコラプス防止ピン係止溝の幅より狭いため、金属軸が軸方向移動範囲において制限されるよう移動でき、左側壁板用リミットプラスチックキャップ及び右側壁板用リミットプラスチックキャップは各々各自の壁板穴に係入し、金属軸が取付ブラケットの両側壁板上に取り付けられた時金属軸の移動を制限して脱出を防止しながら、壁板穴の余り部分を閉塞でき、且つ自体がプラスチック材であるため、接触する金属軸移動時の騒音を減らすことができる。
【0010】
本発明に係るステアリングコラムの受動的コラプス防止方法であって、前記ステアリングコラムの受動的コラプス防止装置に基づき、そのステップは次の通りとし、
1)まず本発明のステアリングコラムの受動的コラプス防止装置を所定の位置に取り付け、具体的に以下の通りとし、受動的コラプス防止装置の金属軸が取付ブラケットの左側壁板及び取付ブラケットの右側壁板の壁板穴に挿通してから左側壁板用リミットプラスチックキャップ及び右側壁板用リミットプラスチックキャップを各自の壁板穴に各々係入して金属軸を取付ブラケット内に支承し、金属軸と溶接された「h」字形曲げ板金の底部開口部をステアリングコラム調節レバーのレバー金属板に係止し、
2)レバーの開き過程中、ステアリングコラム調節レバーのレバー金属板を回してカムと対応するよう摺動し、レバー金属板が右側に移動するストロークを発生し、
3)「h」字形曲げ板金の底部開口部は、終始レバー金属板を保持するため、レバー金属板が右側に移動すると同時に、曲げ板金と溶接された金属軸及び金属軸と固結するコラプス防止ピンを右側に移動させ、コラプス防止ピン及び曲げ板金のピン状頂部は各々取付ブラケットの2箇所のコラプス防止ピン係止溝に挿通し、
4)ステップ3)においてコラプス防止ピン及び曲げ板金のピン状頂部は各々取付ブラケットの2箇所のコラプス防止ピン係止溝に挿通するため、ステアリングコラムがそのコラム軸方向に沿う外部の衝撃力を受けた時、取付ブラケットがコラプス防止ピン及び曲げ板金のピン状頂部にぶつかり、この時該2箇所の「コラプス防止ピン」が各自対応位置のコラプス防止ピン係止溝で当たることで、ステアリングコラムコラプスの移動を防止でき、
5)ステアリングコラム調節レバーを閉じる時、この過程がちょうど逆となり、逆方向に調節レバーを回し、レバー金属板とカムが対応するよう摺動し、レバー金属板が左側に移動するストロークを発生すると共に「h」字形曲げ板金を左側に移動させ、金属軸と固結するコラプス防止ピン及び曲げ板金のピン状頂部は各自対応するコラプス防止ピン係止溝内から脱出させ、この時コラムが衝撃を受けた時、コラムの正常コラプスに影響を及ぼさない。
【発明の効果】
【0011】
本発明のステアリングコラムの受動的コラプスを防止する装置及び方法を使用すると、次の有益な効果を得ることができる。
1.本発明のステアリングコラムの受動的コラプスを防止する装置及び方法において、その装置部分の構造が簡単で、取り付けに便利で、既存のステアリングコラムアッセンブリの取付ブラケットに対する変更が比較的小さく、各種ステアリングコラムの調節作業に非常に適し、
2.本発明のステアリングコラムの受動的コラプスを防止する装置及び方法において、その設計する装置構造はステアリングコラムの調節作業時に間違った使い方及び間違った力をかける角度によるステアリングコラムの受動的コラプスを効果的に防止でき、
3.本発明のステアリングコラムの受動的コラプスを防止する装置及び方法は、使用しない時、逆方向に調節レバーを回してレバー金属板を「h」字形曲げ板金の底部開口部から抜き出すだけでよく、ステアリングコラムの正常コラプスに影響を及ぼさず、各種ステアリングコラムの組立及び試験作業に有利になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係るステアリングコラムの受動的コラプスを防止する装置及び方法の装置部分の具体的構造を示す模式図である。
【
図2】本発明に係るステアリングコラムの受動的コラプスを防止する装置及び方法の装置部分の金属軸及び金属軸と溶接された曲げ板金の具体的構造を示す模式図である。
【
図3】本発明に係るステアリングコラムの受動的コラプスを防止する装置及び方法の装置部分のコラプス防止ピンの各部品の構造分解図である。
【
図4】本発明に係るステアリングコラムの受動的コラプスを防止する装置及び方法の取付ブラケットの具体的構造を示す模式図である。
【
図5】本発明に係るステアリングコラムの受動的コラプスを防止する装置及び方法の装置部分の具体的取り付けを示す模式図である。
【
図6】本発明に係るステアリングコラムの受動的コラプスを防止する装置及び方法の装置部分の具体的実施立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面及び実施例を組み合わせて本発明のステアリングコラムの受動的コラプスを防止する装置及び方法を更に説明する。
【0014】
(実施例)
図1乃至
図6に示すように、ステアリングコラムアッセンブリ1を含むステアリングコラムの受動的コラプス防止装置であって、該ステアリングコラムアッセンブリの取付ブラケット2の両側に各々取付ブラケットの左側壁板2aと取付ブラケットの右側壁板2bを備えており、取付ブラケットの左側壁板及び取付ブラケットの右側壁板の上部に各々高さ位置に対応する壁板穴2c(具体的な位置は、
図4)を備え、受動的コラプス防止装置Aの一端が該2箇所の壁板穴に挿通してステアリングコラムアッセンブリの取付ブラケット内に設けられ、
受動的コラプス防止装置Aの他端は、ステアリングコラム調節レバー3のレバー金属板3aに係止し、
取付ブラケット2の頂部に2箇所のコラプス防止ピン係止溝2dを備え、受動的コラプス防止装置Aの頂部の突出部分が該2箇所のコラプス防止ピン係止溝に挿通する。
【0015】
図2に示すように、受動的コラプス防止装置Aは、金属軸A1とコラプス防止ピンA2と左側壁板用リミットプラスチックキャップA3と右側壁板用リミットプラスチックキャップA4と曲げ板金A5とを含み、金属軸の両端が各々取付ブラケットの左側壁板2a及び取付ブラケットの右側壁板2bに備えられている2箇所の壁板穴2cに挿通し、つまり金属軸の全長が該2箇所の壁板穴の間隔より大きく、該金属軸上に軸肩A11を備え、該軸肩上にコラプス防止ピンを備えており、金属軸の両端に近づける胴部に各々取付ブラケットの左側壁板及び取付ブラケットの右側壁板の壁板穴位置に対応する左側壁板用リミットプラスチックキャップ及び右側壁板用リミットプラスチックキャップを備え、該2箇所のリミットプラスチックキャップは各々各自の壁板穴に係入し、金属軸を取付ブラケット2内に支承し、金属軸をリミットしながら脱出を防止し、曲げ板金が「h」字形の曲げ板金とし、該曲げ板金の側部が金属軸の軸端と溶接され、曲げ板金の頂部の突出部分がピン状となり、その底部の開口部がステアリングコラム調節レバー3のレバー金属板3aに係止する。
【0016】
図3に示すように、コラプス防止ピンA2は、ピン体A21と固定ベースA22と連結ボルトA23とを含み、ピン体が長方形板状で、ピン体底部の両側にピンのショルダ部A21aを備えており、ピン体底部の中心に台形切欠部を備え、固定ベースの中部に半円形切欠部を備え、該半円形切欠部がピン体底部の台形切欠部に向き合い、台形切欠部と半円形切欠部を互いに合わせた後で形成した穴部の大きさが軸肩A11と対応し、固定ベース及びピンのショルダ部にいずれも対応位置のボルト貫通孔A24を備え、連結ボルトがボルト貫通孔を通じてピン体及び固定ベースを金属軸A1の軸肩部に固定する。
【0017】
コラプス防止ピンA2及び曲げ板金A5のピン状頂部は、各々取付ブラケット2の2箇所のコラプス防止ピン係止溝2dに挿通する。
【0018】
本発明のステアリングコラムの受動的コラプス防止装置の機能部分は、1本の駆動軸の小アッセンブリと2個のコラプス防止ピンとからなる。駆動軸の小アッセンブリは1本の金属軸と「h」字形曲げ板金を溶接してなる。金属軸が取付ブラケットの左右側壁板穴上に挿通して軸方向摺動の単自由度を持たせる。「h」字形曲げ板金のピン状頂部の突出部分は1箇所の「コラプス防止ピン」として使用され、曲げ板金の底部開口部がステアリングコラム調節レバーのレバー金属板の下端に係止し、つまり開口状を呈する2枚の板金プレートが終始レバー金属板を保持し、このような連結方式はレバー金属板が「h」字形曲げ板金の隙間に摺動させることができるだけではなく、レバーの上下、開閉の調節に影響を及ぼさず、またも金属軸がレバー金属板に伴ってレバー調節時に一緒に軸方向摺動させることができる。金属軸の軸肩上に設けられたコラプス防止ピンは、ボルトを通じて金属軸上に固結され、コラプス防止ピン及び「h」字形曲げ板金の頂部が2箇所の「コラプス防止ピン」を形成し、該2箇所のコラプス防止ピンの上端がいずれも取付ブラケットのコラプス防止ピン係止溝に挿通し、コラプス防止ピン及び曲げ板金のピン状頂部の突出部分の幅は取付ブラケットのコラプス防止ピン係止溝の幅より狭いため、金属軸が軸方向移動範囲において制限されるよう移動でき、左側壁板用リミットプラスチックキャップ及び右側壁板用リミットプラスチックキャップは各々各自の壁板穴に係入し、金属軸が取付ブラケットの両側壁板上に取り付けられた時金属軸の移動を制限して脱出を防止しながら、壁板穴の余り部分を閉塞でき、且つ自体がプラスチック材であるため、接触する金属軸移動時の騒音を減らすことができる。
【0019】
図1〜
図6に示すように、ステアリングコラムの受動的コラプス防止方法であって、前記ステアリングコラムの受動的コラプス防止装置に基づき、そのステップは次の通りとし、
1)まず本発明のステアリングコラムの受動的コラプス防止装置を所定の位置に取り付け、具体的に以下の通りとし、受動的コラプス防止装置Aの金属軸A1が取付ブラケットの左側壁板2a及び取付ブラケットの右側壁板2bの壁板穴2cに挿通してから左側壁板用リミットプラスチックキャップA3及び右側壁板用リミットプラスチックキャップA4を各自の壁板穴に各々係入して金属軸を取付ブラケット内に支承し、金属軸と溶接された「h」字形曲げ板金A5の底部開口部をステアリングコラム調節レバー3のレバー金属板3aに係止し、
2)レバーの開き過程中、ステアリングコラム調節レバー3のレバー金属板3aを回してカムと対応するよう摺動し、レバー金属板が右側に移動するストロークを発生し、
3)「h」字形曲げ板金A5の底部開口部は、終始レバー金属板3aを保持するため、レバー金属板が右側に移動すると同時に、曲げ板金に溶接された金属軸A1及び金属軸と固結するコラプス防止ピンA2を右側に移動させ、コラプス防止ピン及び曲げ板金のピン状頂部は各々取付ブラケット2の2箇所のコラプス防止ピン係止溝2dに挿通し、
4)ステップ3)においてコラプス防止ピンA2及び曲げ板金A5のピン状頂部は各々取付ブラケット2の2箇所のコラプス防止ピン係止溝2dに挿通するため、ステアリングコラムがそのコラム軸方向に沿う外部の衝撃力を受けた時、取付ブラケットがコラプス防止ピン及び曲げ板金のピン状頂部にぶつかり、この時該2箇所の「コラプス防止ピン」が各自対応位置のコラプス防止ピン係止溝で当たることで、ステアリングコラムコラプスの移動を防止でき、
5)ステアリングコラム調節レバー3を閉じる時、この過程がちょうど逆となり、逆方向に調節レバーを回し、レバー金属板3aとカムが対応するよう摺動し、レバー金属板が左側に移動するストロークを発生すると共に「h」字形曲げ板金A5を左側に移動させ、金属軸A1と固結するコラプス防止ピンA2及び曲げ板金A5のピン状頂部は各自対応するコラプス防止ピン係止溝2d内から脱出させる。この時コラムが衝撃を受けても、コラムの正常コラプスに影響を及ぼさない。
【0020】
本発明のステアリングコラムの受動的コラプスを防止する装置及び方法において、その装置部分の構造が簡単で、取り付けに便利で、既存のステアリングコラムアッセンブリの取付ブラケットに対する変更が比較的小さく、各種ステアリングコラムの調節作業に非常に適する。且つ発明で設計する装置構造はステアリングコラムの調節作業時に間違った使い方及び間違った力をかける角度によるステアリングコラムの受動的コラプスを効果的に防止できる。このほかに、本発明を使用しない時、逆方向に調節レバーを回してレバー金属板を「h」字形曲げ板金の底部開口部から抜き出するだけでよく、ステアリングコラムの正常コラプスに影響を及ぼさず、各種ステアリングコラムの組立及び試験作業に有利になる。本発明は、各種ステアリングコラムの調節時の受動的コラプス防止分野に適する。
【0021】
(付記)
(付記1)
ステアリングコラムアッセンブリ(1)を含むステアリングコラムの受動的コラプス防止装置であって、
前記ステアリングコラムアッセンブリ(1)の取付ブラケット(2)の両側に各々取付ブラケットの左側壁板(2a)と取付ブラケットの右側壁板(2b)を備え、前記取付ブラケットの左側壁板及び前記取付ブラケットの右側壁板の上部に各々高さ位置に対応する壁板穴(2c)を備え、受動的コラプス防止装置(A)の一端が前記2箇所の壁板穴に挿通してステアリングコラムアッセンブリの取付ブラケット内に設けられ、
前記受動的コラプス防止装置(A)の他端は、ステアリングコラム調節レバー(3)のレバー金属板(3a)に係止し、
前記取付ブラケット(2)の頂部に2箇所のコラプス防止ピン係止溝(2d)を備え、受動的コラプス防止装置(A)の頂部の突出部分が前記2箇所のコラプス防止ピン係止溝に挿通することを特徴とするステアリングコラムの受動的コラプス防止装置。
【0022】
(付記2)
前記受動的コラプス防止装置(A)は、金属軸(A1)とコラプス防止ピン(A2)と左側壁板用リミットプラスチックキャップ(A3)と右側壁板用リミットプラスチックキャップ(A4)と曲げ板金(A5)とを含み、前記金属軸の両端が各々前記取付ブラケットの左側壁板(2a)及び前記取付ブラケットの右側壁板(2b)に備えられている2箇所の壁板穴(2c)に挿通し、つまり前記金属軸の全長が前記2箇所の壁板穴の間隔より大きく、前記金属軸上に軸肩(A11)を備え、前記軸肩上にコラプス防止ピンを備えており、前記金属軸の両端に近づける胴部に各々前記取付ブラケットの左側壁板及び前記取付ブラケットの右側壁板の前記壁板穴位置に対応する左側壁板用リミットプラスチックキャップ及び右側壁板用リミットプラスチックキャップを備え、前記2箇所のリミットプラスチックキャップは各々各自の前記壁板穴に係入し、前記金属軸を前記取付ブラケット(2)内に支承し、前記金属軸をリミットしながら脱出を防止し、前記曲げ板金が「h」字形の曲げ板金とし、前記曲げ板金の側部が前記金属軸の軸端と溶接され、前記曲げ板金の頂部がピン状となり、その底部の開口部が前記ステアリングコラム調節レバー(3)の前記レバー金属板(3a)に係止することを特徴とする付記1に記載のステアリングコラムの受動的コラプス防止装置。
【0023】
(付記3)
前記コラプス防止ピン(A2)は、ピン体(A21)と固定ベース(A22)と連結ボルト(A23)とを含み、前記ピン体が長方形板状で、前記ピン体底部の両側にピンのショルダ部(A21a)を備えており、前記ピン体底部の中心に台形切欠部を備え、前記固定ベースの中部に半円形切欠部を備え、前記半円形切欠部が前記ピン体底部の台形切欠部に向き合い、台形切欠部と半円形切欠部を互いに合わせた後で形成した穴部の大きさが前記軸肩(A11)と対応し、前記固定ベース及び前記ピンのショルダ部にいずれも対応位置のボルト貫通孔(A24)を備え、前記連結ボルトがボルト貫通孔を通じて前記ピン体及び前記固定ベースを前記金属軸(A1)の前記軸肩部に固定することを特徴とする付記2に記載のステアリングコラムの受動的コラプス防止装置。
【0024】
(付記4)
前記コラプス防止ピン(A2)及び前記曲げ板金(A5)のピン状頂部は、各々前記取付ブラケット(2)の前記2箇所のコラプス防止ピン係止溝(2d)に挿通することを特徴とする付記2に記載のステアリングコラムの受動的コラプス防止装置。
【0025】
(付記5)
ステアリングコラムの受動的コラプス防止方法であって、前記ステアリングコラムの受動的コラプス防止装置に基づき、そのステップは次の通りとし、
1)まず本発明のステアリングコラムの受動的コラプス防止装置を所定の位置に取り付け、具体的に以下の通りとし、受動的コラプス防止装置(A)の金属軸(A1)が取付ブラケットの左側壁板(2a)及び取付ブラケットの右側壁板(2b)の壁板穴(2c)に挿通してから左側壁板用リミットプラスチックキャップ(A3)及び右側壁板用リミットプラスチックキャップ(A4)を各自の前記壁板穴に各々係入して前記金属軸を取付ブラケット内に支承し、前記金属軸と溶接された「h」字形曲げ板金(A5)の底部開口部をステアリングコラム調節レバー(3)のレバー金属板(3a)に係止し、
2)レバーの開き過程中、前記ステアリングコラム調節レバー(3)の前記レバー金属板(3a)を回してカムと対応するよう摺動し、前記レバー金属板が右側に移動するストロークを発生し、
3)前記「h」字形曲げ板金(A5)の底部開口部は、終始前記レバー金属板(3a)を保持するため、前記レバー金属板が右側に移動すると同時に、前記曲げ板金と溶接された前記金属軸(A1)及び前記金属軸と固結するコラプス防止ピン(A2)を右側に移動させ、前記コラプス防止ピン及び曲げ板金のピン状頂部は各々前記取付ブラケット(2)の2箇所のコラプス防止ピン係止溝(2d)に挿通し、
4)ステップ3)において前記コラプス防止ピン(A2)及び前記曲げ板金(A5)のピン状頂部は各々前記取付ブラケット(2)の2箇所のコラプス防止ピン係止溝(2d)に挿通するため、ステアリングコラムがそのコラム軸方向に沿う外部の衝撃力を受けた時、前記取付ブラケットが前記コラプス防止ピン及び前記曲げ板金のピン状頂部にぶつかり、この時前記2箇所の「コラプス防止ピン」が各自対応位置の前記コラプス防止ピン係止溝で当たることで、ステアリングコラムコラプスの移動を防止でき、
5)ステアリングコラム調節レバー(3)を閉じる時、この過程がちょうど逆となり、逆方向に前記調節レバーを回し、前記レバー金属板(3a)とカムが対応するよう摺動し、前記レバー金属板が左側に移動するストロークを発生すると共に「h」字形曲げ板金(A5)を左側に移動させ、前記金属軸(A1)と固結する前記コラプス防止ピン(A2)及び前記曲げ板金(A5)のピン状頂部は各自対応する前記コラプス防止ピン係止溝(2d)内から脱出させ、この時コラムが衝撃を受けた時、コラムの正常コラプスに影響を及ぼさないことを特徴とするステアリングコラムの受動的コラプス防止方法。
【符号の説明】
【0026】
1 ステアリングコラムアッセンブリ
2 取付ブラケット
2a 取付ブラケットの左側壁板
2b 取付ブラケットの右側壁板
2c 壁板穴
2d コラプス防止ピン係止溝
3 ステアリングコラム調節レバー
3a レバー金属板
A 受動的コラプス防止装置
A1 金属軸
A2 コラプス防止ピン
A3 左側壁板用リミットプラスチックキャップ
A4 右側壁板用リミットプラスチックキャップ
A5 曲げ板金
A11 軸肩
A21 ピン体
A21a ピンのショルダ部
A22 固定ベース
A23 連結ボルト
A24 ボルト貫通孔
【手続補正書】
【提出日】2017年1月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングコラムアッセンブリ(1)を含むステアリングコラムの受動的コラプス防止装置であって、
前記ステアリングコラムアッセンブリ(1)の取付ブラケット(2)の両側に各々取付ブラケットの左側壁板(2a)と取付ブラケットの右側壁板(2b)を備え、前記取付ブラケットの左側壁板及び前記取付ブラケットの右側壁板の上部に各々高さ位置に対応する壁板穴(2c)を備え、受動的コラプス防止装置(A)の一端が前記2箇所の壁板穴に挿通してステアリングコラムアッセンブリの取付ブラケット内に設けられ、
前記受動的コラプス防止装置(A)の他端は、ステアリングコラム調節レバー(3)のレバー金属板(3a)に係止し、
前記取付ブラケット(2)の頂部に2箇所のコラプス防止ピン係止溝(2d)を備え、受動的コラプス防止装置(A)の頂部の突出部分がコラプス防止ピンとして、前記2箇所のコラプス防止ピン係止溝に挿通することを特徴とするステアリングコラムの受動的コラプス防止装置。
【請求項2】
前記受動的コラプス防止装置(A)は、金属軸(A1)と、金属軸(A1)と固結する曲げ板金(A5)とを含み、
前記曲げ板金の頂部の突出部分がピン状となり、その底部の開口部が前記ステアリングコラム調節レバー(3)の前記レバー金属板(3a)に係止し、
前記受動的コラプス防止装置(A)の頂部の突出部分からなるコラプス防止ピン(A2)と前記曲げ板金のピン状頂部の突出部分がそれぞれ前記コラプス防止ピン係止溝に挿通することを特徴とする請求項1に記載のステアリングコラムの受動的コラプス防止装置。
【請求項3】
前記受動的コラプス防止装置(A)は、左側壁板用リミットプラスチックキャップ(A3)と右側壁板用リミットプラスチックキャップ(A4)とを含み、前記金属軸の両端が各々前記取付ブラケットの左側壁板(2a)及び前記取付ブラケットの右側壁板(2b)に備えられている2箇所の壁板穴(2c)に挿通し、つまり前記金属軸の全長が前記2箇所の壁板穴の間隔より大きく、前記金属軸上に軸肩(A11)を備え、前記軸肩上にコラプス防止ピン(A2)を備えることを特徴とする請求項2に記載のステアリングコラムの受動的コラプス防止装置。
【請求項4】
前記金属軸の両端に近接した胴部に各々前記取付ブラケットの左側壁板及び前記取付ブラケットの右側壁板の前記壁板穴位置に対応する左側壁板用リミットプラスチックキャップ及び右側壁板用リミットプラスチックキャップを備え、前記2箇所のリミットプラスチックキャップは各々各自の前記壁板穴に係入し、前記金属軸を前記取付ブラケット(2)内に支承し、前記金属軸をリミットしながら脱出を防止することを特徴とする請求項1に記載のステアリングコラムの受動的コラプス防止装置。
【請求項5】
前記曲げ板金を「h」字形の曲げ板金とし、前記曲げ板金の側部が前記金属軸の軸端と溶接されたことを特徴とする請求項2または3に記載のステアリングコラムの受動的コラプス防止装置。
【請求項6】
前記コラプス防止ピン(A2)は、ピン体(A21)と固定ベース(A22)とを含み、ピン体(A21)と固定ベース(A22)との間に軸肩(A11)を備えることを特徴とする請求項2−4のいずれかに記載のステアリングコラムの受動的コラプス防止装置。
【請求項7】
前記ピン体が長方形板状で、前記ピン体底部の両側にピンのショルダ部(A21a)を備え、前記ピン体底部の中心に台形切欠部を備え、前記固定ベースの中部に半円形切欠部を備え、前記半円形切欠部が前記ピン体底部の台形切欠部に向き合い、台形切欠部と半円形切欠部を互いに合わせた後で形成した穴部の大きさが前記軸肩(A11)と対応することを特徴とする請求項6に記載のステアリングコラムの受動的コラプス防止装置。
【請求項8】
前記固定ベース及び前記ピンのショルダ部にいずれも対応位置のボルト貫通孔(A24)を備え、前記連結ボルトがボルト貫通孔を通じて前記ピン体及び前記固定ベースを前記金属軸(A1)の前記軸肩部に固定することを特徴とする請求項6に記載のステアリングコラムの受動的コラプス防止装置。
【請求項9】
ステアリングコラムの受動的コラプス防止方法であって、前記ステアリングコラムの受動的コラプス防止装置に基づき、そのステップは次の通りとし、
1)まず本発明のステアリングコラムの受動的コラプス防止装置を所定の位置に取り付け、具体的に以下の通りとし、受動的コラプス防止装置(A)の金属軸(A1)が取付ブラケットの左側壁板(2a)及び取付ブラケットの右側壁板(2b)の壁板穴(2c)に挿通してから左側壁板用リミットプラスチックキャップ(A3)及び右側壁板用リミットプラスチックキャップ(A4)を各自の前記壁板穴に各々係入して前記金属軸を取付ブラケット内に支承し、前記金属軸と溶接された「h」字形曲げ板金(A5)の底部開口部をステアリングコラム調節レバー(3)のレバー金属板(3a)に係止し、
2)レバーの開き過程中、前記ステアリングコラム調節レバー(3)の前記レバー金属板(3a)を回してカムと対応するよう摺動し、前記レバー金属板が右側に移動するストロークを発生し、
3)前記曲げ板金(A5)の底部開口部は、終始前記レバー金属板(3a)を保持するため、前記レバー金属板が右側に移動すると同時に、前記曲げ板金と溶接された前記金属軸(A1)及び前記金属軸と固結するコラプス防止ピン(A2)を右側に移動させ、前記コラプス防止ピン及び曲げ板金のピン状頂部の突出部分は各々前記取付ブラケット(2)の2箇所のコラプス防止ピン係止溝(2d)に挿通し、
4)ステップ3)において前記コラプス防止ピン(A2)及び前記曲げ板金(A5)のピン状頂部の突出部分は各々前記取付ブラケット(2)の2箇所のコラプス防止ピン係止溝(2d)に挿通するため、ステアリングコラムがそのコラム軸方向に沿う外部の衝撃力を受けた時、前記取付ブラケットが前記コラプス防止ピン及び前記曲げ板金のピン状頂部の突出部分にぶつかり、この時前記2箇所の「コラプス防止ピン」が各自対応位置の前記コラプス防止ピン係止溝で当たることで、ステアリングコラムコラプスの移動を防止でき、
5)ステアリングコラム調節レバー(3)を閉じる時、この過程がちょうど逆となり、逆方向に前記調節レバーを回し、前記レバー金属板(3a)とカムが対応するよう摺動し、前記レバー金属板が左側に移動するストロークを発生すると共に曲げ板金(A5)を左側に移動させ、前記金属軸(A1)と固結する前記コラプス防止ピン(A2)及び前記曲げ板金(A5)のピン状頂部の突出部分は各自対応する前記コラプス防止ピン係止溝(2d)内から脱出させ、この時コラムが衝撃を受けた時、コラムの正常コラプスに影響を及ぼさないことを特徴とするステアリングコラムの受動的コラプス防止方法。
【請求項10】
前記曲げ板金が「h」字形の曲げ板金であることを特徴とする請求項9に記載のステアリングコラムの受動的コラプス防止方法。
【国際調査報告】