(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-522562(P2017-522562A)
(43)【公表日】2017年8月10日
(54)【発明の名称】センサアレイ
(51)【国際特許分類】
G01N 27/327 20060101AFI20170714BHJP
【FI】
G01N27/327
G01N27/327 353Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-502801(P2017-502801)
(86)(22)【出願日】2015年7月17日
(85)【翻訳文提出日】2017年3月16日
(86)【国際出願番号】US2015040837
(87)【国際公開番号】WO2016011308
(87)【国際公開日】20160121
(31)【優先権主張番号】62/025,632
(32)【優先日】2014年7月17日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】507269175
【氏名又は名称】シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】SIEMENS HEALTHCARE DIAGNOSTICS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(72)【発明者】
【氏名】サムプローニ、ジェニファー エイ.
(57)【要約】
一例の実施形態において、検査具は、第1平面状表面に同一面電極を有する第1平面基板と、第2平面状表面に同一面電極を有する第2平面基板(第1平面基板の第1平面状表面に向かい合う)と、を含む。第1平面基板の第1平面状表面は、第1電気接点と電気的に接続される第1検知領域を有する。第2平面基板の第2平面状表面は、導電部を介して第1電気接点と電気的に接続される第2電気接点を有する。導電部は、第1平面基板の第1平面状表面と第2平面基板の第2平面状表面との間に、第1平面基板、第2平面基板、又は中間層を貫通することなく、延伸する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1平面状表面に同一面電極を備えた第1平面基板と、第2平面状表面に同一面電極を備えた第2平面基板と、を含む検査具であって、
前記第1平面基板と前記第2平面基板とは、前記第1平面基板の前記第1平面状表面が前記第2平面基板の前記第2平面状表面と向かい合うようにして配置され、
対向する前記第1平面基板の前記第1平面状表面と前記第2平面基板の前記第2平面状表面との間に中間層が配置され、
前記第1平面基板の前記第1平面状表面は、第1電気接点へ電気的に接続される第1検知領域を有し、
前記第2平面基板の前記第2平面状表面は、導電部を介して前記第1電気接点へ電気的に接続される第2電気接点を有し、
前記導電部は、前記第1平面基板の前記第1平面状表面と前記第2平面基板の前記第2平面状表面との間に、前記第1平面基板及び前記第2平面基板を貫通することなく、延伸する、検査具。
【請求項2】
前記第2電気接点は、前記中間層を貫通していない前記導電部と電気的に接続される、請求項1に記載の検査具。
【請求項3】
前記第2平面基板の前記第2平面状表面は、第3電気接点へ電気的に接続される第2検知領域を有し、
前記第2平面基板の前記第2電気接点は、前記第2平面基板の前記第2平面状表面にあるセンサと電気的に接続されていない、請求項1又は請求項2に記載の検査具。
【請求項4】
前記第1平面基板の前記第1平面状表面の面積が、前記第2平面基板の前記第2平面状表面よりも小さいことにより、前記第2平面基板の前記第2平面状表面の一部位が前記第1平面基板の前記第1平面状表面に覆われずに残され、
前記第2電気接点の一部が、前記第2平面基板の前記第2平面状表面の前記覆われていない部位に位置している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の検査具。
【請求項5】
前記導電部は、前記第1平面状表面及び前記第2平面状表面に対してほぼ直交する方向に延伸している、請求項1〜4のいずれか1項に記載の検査具。
【請求項6】
前記導電部は、ポゴピン、配線、又は導電材料の堆積物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の検査具。
【請求項7】
第1の平面状表面及び第2の平面状表面を有する第1平面基板と、
前記第1平面基板の前記第2の平面状表面に形成され、第1電気接点を形成する第1導電層と、
第1の平面状表面及び第2の平面状表面を有する第2平面基板と、
前記第2平面基板の前記第1の平面状表面に形成され、第2電気接点を備えた第2導電層と、
前記第1平面基板の前記第2の平面状表面と前記第2平面基板の前記第1の平面状表面との間に配置された第1平面中間層と、
前記第1平面基板又は前記第2平面基板を貫通せずに、前記第1電気接点を前記第2電気接点へ電気的に接続する導電部と、
を含む検査具であって、
前記第2平面基板は、前記第1平面基板の前記第1の平面状表面から前記第1平面基板の前記第2の平面状表面へ延びる線の方向で前記第1平面基板の下方に配置され、前記第2平面基板の前記第1の平面状表面は、前記第1平面基板の前記第2の平面状表面に対面し、前記第2平面基板の前記第1及び第2の平面状表面は、前記第1平面基板の前記第1及び第2平面状表面よりも広い表面積を有し、
前記第1平面中間層は、流体通路を画定し、該流体通路を流れる液体が、前記第1電気接点の少なくとも一部及び前記第2電気接点の少なくとも一部に流体接触し、前記第1平面中間層の第1及び第2の平面状表面は、前記第1平面状基板の前記第1及び第2の平面状平面と共に、前記第2平面基板の前記第1及び第2の平面状表面よりも小さい表面積を有し、
前記線の方向で第1平面基板の第1の平面状表面の上からセンサ組立体を見ると、前記第2平面基板の一部及び前記第2電気接点が該組立体の他の層によって覆われていない、検査具。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の検査具をつくる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2014年7月17日出願の米国仮特許出願62/025,632の35USC119(e)に従う特典を主張する。この特許出願の全内容はここに援用される。
【0002】
少量試料を使用して同時に複数の検査を実行できるようにする検知装置に関し、ここに開示する。
【発明の概要】
【0003】
ここに開示する発明は、一態様において、第1平面状表面に電極を備えた第1平面基板と第2平面状表面に同一面電極を備えた第2平面基板とを有する検査具を対象にする。第1平面基板及び第2平面基板は、第1平面基板の第1平面状表面が第2平面基板の第2平面状表面と向かい合うようにして配置される。この検査具は、さらに、対向する第1平面基板の第1平面状表面と第2平面基板の第2平面状表面との間に配置された1つ以上の中間層を含む。第1平面基板の第1平面状表面は、第1電気接点に電気的に接続された第1検査領域を有する。第2平面基板の第2平面状表面は、導電部を介して第1電気接点へ電気的に接続される第2電気接点を有する。その導電部は、第1平面基板の第1平面状表面と第2平面基板の第2平面状表面との間に、第1平面基板又は第2平面基板を貫通することなく、延伸する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図2】検査具の第1の実施形態の検査具平面図を示す。
【
図5】検査具の第2の実施形態の検査具平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
ここに詳細に開示する発明の少なくとも1つの実施形態を説明するにあたり、以下に説明するか又は図に例示する構造の詳細及び部品、過程、方法の仕様への適用に本発明が限定されないのは当然のことである。ここに開示する発明は、他の実施形態とすることが可能であるし、様々な方式で実現又は実行することが可能である。また、ここに使用する表現及び用語は、説明のために使用するのであって、如何なる場合にもここに開示又は請求する発明を限定するものと見なされるべきでないのは当然である。
【0006】
以下に示す本発明の実施形態の詳細な説明において、具体的数値が本発明のより深い理解を与えるために説明される。しかしながら、当分野で通常の知識をもつ者であれば、ここに開示の範囲内にある発明がそれら具体値でなくとも実施可能であることは明白な事実である。他にも、開示内容を不必要に複雑にすることを避けるため、既知の事柄については詳細に説明しない。
【0007】
ここに使用する表現「備える」「含む」「有する」又はそれらの派生表現は、非排他的包含の意味をもつ。例えば、列記した要素を備える、組成(構成)、過程、方法、物、又は装置は、必ずしもそれら要素に限定されるのではなくて、明記はしていないあるいは本質的にそれに存在する他の要素も含み得る。
【0008】
ここに使用する表現「おおよそ」「約」「実質的」及びそれらの派生表現は、ある用語によって特定される値ぴったりの厳密な値だけを含むのではなくて、例えば、測定誤差により生じる差、製造公差、部品又は構造の摩耗、懸濁液や溶液からの細胞又は粒子の沈積又は沈殿、溶液の化学的又は生物学的経時劣化、構造に作用する応力、及びこれらの組み合わせに起因する差といった、厳密な値からの多少の逸脱を含む意図をもつ。
【0009】
ここに使用する「試料」及びその派生語は、例えば、生体組織、生体液、化学流体、化学物質、懸濁液、溶液、スラリー、混合物、凝塊、チンキ、スライド、粉末、又はその他の生体組織又は生体液の調合剤、生体組織又は生体液の合成類似体、菌体(原核生物又は真核生物)、ウイルス、単細胞生物、溶解生物細胞、固定生物細胞、固定生物組織、細胞培養、組織培養、遺伝子改変細胞及び組織、遺伝子改変生物、及びこれらの組み合わせを含む意図をもつ。
【0010】
あえて反対の意味に言及しない限り、「又は」は、包含的ORであって排他的ORの意味ではない。例えば、条件A又はBは、次のいずれかを満たす:Aが真(又は存在)及びBが偽(又は非存在);Aが偽(又は非存在)及びBが真(又は存在);A及びBが真(又は存在)。包括的ORは、条件A又はBの少なくともいずれか1つ、に相当すると解釈し得る。
【0011】
不定冠詞「a」「an」の使用は、ここに示す実施形態の要素と部品を説明するために採用される。これは単に便宜上と発明の汎用概念を与えるためにである。この記述は1つ又は少なくとも1つを含むと読まれるべきであるし、単数形はそうでない意味であることが明らかでない限り複数形も含む。
【0012】
ここにおける「一つの実施形態」や「一実施形態」などの言及はいずれも、実施形態との関連で述べる特定の要素、特徴、構造、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれる、という意味である。明細書の随所に使用する「一実施形態において」などの言い回しは、必ずしも全て1つの実施形態に言及しているものではない。
【0013】
ここに開示する発明は、概して、同時に2つ以上の検体を検査するために必要な試料の量を最小化する必要性に向けられている。試料が少量であることは、新生児患者の場合や、試料自体が高価である場合など、試料が限られているときに望ましい。検出対象の検体数に応じて増量が必要な従来技術の検査具構造と対比して、必要な試料の量は、同一面構造であるよりもむしろ、サンドイッチ構造(対向センサアレイとも言う)でセンサが互いに向き合っている方式でセンサを配置した場合に、大きく減らすことができる。ただし、医療機器と接続する対向センサアレイを備えた検査具の仕様を簡素化するために、各々のセンサは、同一面(例えば1つの側)の接点に電気的に接続することができる。この構造により、検査具を医療機器と接続する仕様が簡素化される一方で、1つの検査具に組み入れ可能なセンサの数が極大化される。同一面接点を備えた対向センサアレイの例示の実施形態について、
図1〜
図7を参照して以下に説明する。
【0014】
図1〜
図3は、検査具100を例示する。
図1は、検査具100の各層の分解図を示し、
図2は、検査具100の平面図を示し、
図3は、A−A’線に沿った検査具100の側面図を示す。
【0015】
検査具100は、第1平面状表面6に同一面電極4を備えた第1平面基板2と、第2平面状表面12に同一面電極10を備えた第2平面基板8と、を含む。第1平面基板2及び第2平面基板8は、第1平面基板2の第1平面状表面6が第2平面基板8の第2平面状表面12と向かい合う(すなわち対向する)ように配置されている。この対向構造において、第1平面状表面6に設けられた同一面電極4も第1平面状表面6も、第2平面状表面12及びこれに設けられた同一電極10に対面する。違う言い方をすれば、第2平面基板8は、第1平面基板2の第1平面状表面6から第1平面基板2の第2平面状表面12へ延びる線の方向で第1平面基板2の下方に、配置される。
【0016】
平面基板2,8は、当分野で通常の知識をもつ者に既知の各種方法と材料を用いて形成することができる。例えば、平面基板2,8は、柔軟でも固くてもよく、一例として、標準のPCB、可撓性PCB、PET、PI、セラミック、ガラス等を用いてつくることができる。
【0017】
同一面電極4,10は、当分野で通常の知識をもつ者に既知の各種方法と材料を用いて形成することができる。例えば、同一面電極4,10は、厚膜方式(一例として、スクリーン印刷、輪転グラビア印刷、パッド印刷、ステンシル、インクジェット又はエアゾールジェットの導電材料、すなわち炭素、銅、プラチナ、パラジウム、金、及びナノチューブ(カーボンナノチューブ等)の少なくともいずれかなど)又は薄膜方式(一例として、スパッタリング、溶射、及びコールドスプレーの少なくともいずれかの導電材料)を使用して形成可能である。同一面電極4,10は、それぞれ、例えばレーザー切断を使用して区分けする。図示した電極4,10の構造が単なる例示の目的のみであることは当然であり、様々な方法で電極4,10を基板2,8に分布させることができるのは、当分野で通常の知識をもつ者には明らかである。当分野で通常の知識をもつ者には明らかであるように、電極4,10を説明するためにここで使用する「同一面」とは、(完全に同一面であることに加えて)実質的に同一面である電極を網羅すると解釈されるべきである。したがって、電極の個々については、平面基板2,8上の他の同一面電極4,10との対比で隆起、沈降、及び傾斜の少なくともいずれかがそれぞれに若干あってもよく、それでも同一平面と見なされる。
【0018】
1つ以上の平面中間層14が、対向する第1平面基板2の第1平面状表面6と第2平面基板8の第2平面状表面12との間に配置される。中間層14は、当分野で通常の知識をもつ者に既知の様々な方法及び材料を用いて形成される。例えば、中間層14は、誘電体、感圧接着剤、積層などの不活性基板から形成される。あるいは、中間層14は、平面状表面6,12及び同一面電極4,10の上に中間層14を直接形成することによって、平面基板2,8のそれぞれに一体化させたものでもよい。1つ以上の中間層14を、電極4,10の1つ以上又は全部を互いに絶縁する誘電体又は絶縁材料から形成された絶縁層とすることができる。あるいは、中間層14は、1つ以上の電極4と1つ以上の電極10とを互いに電気的に接続する導電経路を提供することもできる。
【0019】
図2及び
図3に示す実施形態において、検査具100は、流体通路16を画定する中間層14Bを含む。通路16は、検査具100の流入口18から流出口20へ流体を流す。
【0020】
検査具100は、中間層14Bの異なる側の両平面に配置された中間層14A,14Cも含んでいる。中間層14A,14Cは、1つ以上の検知領域22を画定する。個々の検知領域22は、流体通路16を通る流体を、第1及び第2平面基板2,8の同一面電極4,10のそれぞれと接触させる。一例として
図1〜
図3に示す検知領域は、各中間層14A,14Cを貫通して延在する円形孔である。検知領域22は、流体通路16にある流体と反応して検知可能な検体を生成する化学物質/試薬38で完全に又は部分的に満たされている。代替的に、個々の検知領域22は、中間層14A,14Cを不要として、同一面電極4,10に化学物質及び試薬の少なくともいずれかを直接塗布することによっても画定される。
【0021】
平面基板2は、個々の検知領域22−第1平面基板2の第1平面状表面6に近接していて−第1平面状表面6の同一面電極4のそれぞれに個別に割り当てられている(
図1に示す及び
図2においてはその視点から直接見えないので点線で示す)を有するものとして、
図1〜
図3に示してある。同じく、基板8の第2平面状表面12に近接する個々の検知領域22は、同一面電極10のそれぞれに個別に割り当てられている。その検知領域22を割り当てた各同一面電極10は、
図1〜
図3において同一面電極10Aとして識別されている。基板8の第2平面状表面12は、図中で同一面電極10Bとして識別される別の同一面電極10を含んでいて、これら同一面電極10Bは、基板8の第2平面状表面12に近接した検知領域22が割り当てられていない。
【0022】
図2及び
図3に最もよく表してあるように、第2平面基板8の第2平面状表面12の同一面電極10Bの1つ以上又は全部は、導電部24を介して、第1平面基板6の同一面電極4と電気的に接続される。導電部24は、第1平面状表面6と第2平面状表面12との間に、第1平面基板2又は第2平面基板8を貫通することなく、延伸する。また、導電部24は、第1平面状表面6と第2平面状表面12との間に、中間層14を貫通することなく、延伸する。代替例では、導電部24は、中間層14の1つ以上又は全部を貫通する。
図3に最もよく表してあるように、導電部24は、少なくとも部分的に、第1平面状表面及び第2平面状表面に対し実質的に直交する方向で延伸する。
【0023】
導電部24は、当分野で通常の知識をもつ者に既知の種々の方法及び材料を用いて形成される。例えば、導電部24は、ポゴピン、配線、又は導電材料の堆積物である。当然ながら、導電部は、第1平面基板2及び第2平面基板8の一方又は両方に固定することができる。一例をあげると、導電部24は、検査具100の組み立て前には第1平面基板2に固定してあり、組み立て時に、該導電部24を、同一面電極10Bと電気的に接触させる(あるいはこの逆)。導電部24は、
図2及び
図3に示す対向構造に配置された後の第1平面基板2及び第2平面基板8の一方又は両方に固定される。あるいは、導電部24が中間層14の1つ以上又は全部を貫通している場合、当該導電部24は、
図2及び
図3に示す対向構造に第1平面基板2及び第2平面基板8が配置される前に、1つ以上の中間層14内に形成される。
【0024】
図2に最もよく表してあるように、第1平面基板2の第1平面状表面6及び中間層14の面積は、両者とも、第2平面基板8の第2平面状表面12よりも小さい。対向構造に置かれたときに、そのサイズの違いは、中間層14にも第1平面基板2にも覆われない、第2平面基板8の第2平面状表面12の露出部位26を残す。露出部位26は、同一面電極10の一部(同一面電気接点28と言う)を含む。露出部位26の同一面電気接点28は、関連する医療機器(計測機器や読取機器)へ、該医療機器の収容スロット(図示せず)に挿入することにより、接続される。言い換えれば、第1平面基板2の第1平面状表面6から第1平面基板2の第2平面状表面12へ延びる線の方向で、第1平面基板2の第1平面状表面6の上からの視点により検査具100を見ると、第2平面基板8の露出部位26及びここに位置した同一面電気接点28は、第1平面基板2及び中間層14によって隠されずに残っている。
【0025】
検査具100のさらに別の代替実施形態において、検査具100の第1平面基板2は、電極を欠いた単純な蓋に置き換えられる。この構造は、第2平面基板8が同一面電極10Aのグループだけを含んでいる検査具100を必要とする。
【0026】
図4〜
図6に、ここに開示する発明に係る検査具の第2の例示実施形態を示す。
図4は、検査具100’の各層の分解図を示し、
図5は、検査具100’の平面図を示し、
図6は、A−A’線に沿った検査具100’の側面図を示す。以下の検査具100’の説明において、
図1〜
図3の検査具100を説明するために使用した参照符号を、同様のものを参照するために準用し、そのものに関する重複説明を不要にする。
【0027】
図4及び
図5に最もよく表してあるように、第1平面基板2’及び第2平面基板8’は、第1平面基板2’及び第2平面基板8’の各第1平面状表面6’及び第2平面状表面12’とは反対側に位置した第2の平面状表面30’,32’をそれぞれ有する。第1平面基板2’及び第2平面基板8’の第1平面状表面6’及び第2平面状表面12’の個々の同一面電極4’,10’の1つ以上又は全部は、それぞれ、第2の平面状表面30’,32’にそれぞれ位置した電気接点34,36に電気的に接続される。1つ以上の電気接点34は「上側接点」又は「前側接点」と呼び、電気接点36は「下側接点」又は「後側接点」と呼ぶ(又は、検査具100’の向きによってはこの逆)。同一面電極4’,10’の個々は、種々の方法で電気接点34,36にそれぞれ電気的に接続される。例えば、同一面電極4’,10’は、スルーホールとしても知られるビアを使用して各電気接点34,36と電気的に接続される。ビアは、その中に位置した導電部40を有し、各々の同一面電極4’,10’と電気接点34,36とを電気的に連結する。検査具100’は、上側接点34と下側接点36とを受け入れるように構成された検査具読取装置と接続される。
【0028】
さらにまた別の代替実施形態において、
図7に、仮想A−A’線に沿った検査具100”の側面図を示す。検査具100”の場合、上側接点34が平面基板2’上に位置する一方、第2平面基板8”の露出部位26”が同一面電極10”の一部(例えば、同一面電気接点28”)を含んでいる。この構造によれば、検査具100”の接点34,28”を同じ側(例えば上側)からアクセスすることができる。
【0029】
当分野で通常の知識をもつ者であれば、上述した検査具100,100’の製造に使用可能な種々の方法があることを当然理解できる。例えば、中間層14及びその次に第2平面基板8は、第1平面基板2の上に形成できる(あるいはこの逆)。
【符号の説明】
【0030】
100,100’、100” 検査具
2,2’第1平面基板
4,4’ 同一面電極
6 第1平面状表面
8,8’,8” 第2平面基板
10,10’,10” 同一面電極
12,12’,12” 第2平面状表面
14 中間層
16,16’ 流体通路
18,18’ 流入口
20,20’ 流出口
22,22’ 検知領域
24 導電部
26,26” 露出部位
28,28” 同一面電気接点
30’,32’ 第2の平面状表面
34,36 電気接点
38 化学物質/試薬
40 導電部
【国際調査報告】