特表2017-523348(P2017-523348A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-523348コンプレッサ用のフルインテグレート型のシリンダヘッド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-523348(P2017-523348A)
(43)【公表日】2017年8月17日
(54)【発明の名称】コンプレッサ用のフルインテグレート型のシリンダヘッド
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/12 20060101AFI20170721BHJP
   F04B 39/10 20060101ALI20170721BHJP
   F04B 39/14 20060101ALI20170721BHJP
【FI】
   F04B39/12 D
   F04B39/10 N
   F04B39/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-508030(P2017-508030)
(86)(22)【出願日】2015年7月17日
(85)【翻訳文提出日】2017年4月11日
(86)【国際出願番号】EP2015066374
(87)【国際公開番号】WO2016023703
(87)【国際公開日】20160218
(31)【優先権主張番号】102014111526.0
(32)【優先日】2014年8月13日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】597007363
【氏名又は名称】クノル−ブレムゼ ジステーメ フューア ヌッツファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Knorr−Bremse Systeme fuer Nutzfahrzeuge GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】トアステン ミッテルシュトラース
(72)【発明者】
【氏名】アドリアン マークグラーフ
(72)【発明者】
【氏名】オリヴィエ エルビエ
【テーマコード(参考)】
3H003
【Fターム(参考)】
3H003AA02
3H003AB07
3H003AC02
3H003BC04
3H003CC11
3H003CD02
3H003CE00
(57)【要約】
本発明は、コンプレッサ(2)用のシリンダヘッド(1)であって、シリンダヘッド(1)に配置され、シリンダヘッド(1)を冷却する冷却ユニット(3)と、弁プレート(4)と、を備えるシリンダヘッド(1)に関する。本発明により、冷却ユニット(3)及び弁プレート(4)は、モノリシックデザインでシリンダヘッド(1)にフルインテグレートされている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンプレッサ(2)用のシリンダヘッド(1)であって、
前記シリンダヘッド(1)に配置され、前記シリンダヘッド(1)を冷却する冷却ユニット(3)と、
弁プレート(4)と、
を備えるシリンダヘッド(1)において、
前記冷却ユニット(3)及び前記弁プレート(4)は、モノリシックデザインで前記シリンダヘッド(1)にフルインテグレートされている、
ことを特徴とするシリンダヘッド(1)。
【請求項2】
前記シリンダヘッド(1)の、前記コンプレッサ(2)に向かう面(5)に、それぞれ1つの吐出し弁ユニット(7a,7b)を収容する少なくとも2つの空所(6a,6b)が形成されている、請求項1に記載のシリンダヘッド(1)。
【請求項3】
それぞれの前記吐出し弁ユニット(7a,7b)は、弁プレート(8)を有し、前記弁プレート(8)は、前記シリンダヘッド(1)に設けられたそれぞれの前記空所(6a,6b)内に配置されている、請求項2に記載のシリンダヘッド(1)。
【請求項4】
それぞれの前記吐出し弁ユニット(7a,7b)は、前記弁プレート(8)に配置された少なくとも2つのガイドピン(9a,9b)を有し、前記ガイドピン(9a,9b)は、少なくとも1つの弁リード(10)を軸方向でガイドする、請求項3に記載のシリンダヘッド(1)。
【請求項5】
それぞれの前記吐出し弁ユニット(7a,7b)は、前記少なくとも1つの弁リード(10)用のストッパとして用いられる捕捉要素(11)を有し、前記捕捉要素(11)は、前記弁プレート(8)に対して略平行に、前記少なくとも2つのガイドピン(9a,9b)に配置されている、請求項4に記載のシリンダヘッド(1)。
【請求項6】
軸方向で前記少なくとも1つの弁リード(10)と前記捕捉要素(11)との間に、前記少なくとも1つの弁リード(10)の戻し用の少なくとも1つのばね要素(12)が配置されている、請求項5に記載のシリンダヘッド(1)。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか1項に記載のシリンダヘッド(1)を製造する方法であって、
冷却ユニット(3)と弁プレート(4)とを備えるフルインテグレート型の前記シリンダヘッド(1)をモノリシックデザインでロストフォーム鋳造法により製造することを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1から6までのいずれか1項に記載のシリンダヘッド(1)を製造する方法であって、
冷却ユニット(3)と弁プレート(4)とを備えるフルインテグレート型の前記シリンダヘッド(1)をモノリシックデザインで創成法により製造することを特徴とする方法。
【請求項9】
それぞれの前記吐出し弁ユニット(7a,7b)を、前記シリンダヘッド(1)に設けたそれぞれの前記空所(6a,6b)内に溶接又は螺入する、請求項1から6に記載の方法。
【請求項10】
フルインテグレートされる冷却ユニット(3)及び弁プレート(4)を有するモノリシックなシリンダヘッド(1)を備えるコンプレッサ(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、コンプレッサ用のシリンダヘッドであって、シリンダヘッドに配置され、シリンダヘッドを冷却する冷却ユニットと、弁プレートと、を備えるシリンダヘッドに関する。
【0002】
軌道交通又は道路交通において使用される昨今の商用車両は、大量の圧縮空気を消費する部分システムを装備する。これらの部分システムの例として、圧縮空気で運転される常用ブレーキや、エアサスペンションが挙げられる。これらの圧縮空気消費器への圧縮空気の供給は、コンプレッサを有する圧縮空気供給装置により実施される。周囲の空気をコンプレッサにより吸い込んで、これを圧縮し、消費器で使用する前に、圧縮空気供給装置の別の構成部分内で空気から異物粒子、例えばオイル又は水を除去する。
【0003】
現代のコンプレッサには、効率についての高まり続ける要求と、所定の圧縮空気流出温度の結果として、弁プレート、冷却ユニット及びシリンダヘッド等の構成部材について高い要求が課される。これらの構成部材は、圧縮により生じる熱負荷及び機械的負荷により強い負荷を受ける。一般に公知の従来技術では、弁プレート、冷却ユニット及びシリンダヘッドの相互のシールとねじ止めが実施される。解決手段の幾つかの変化形態は、冷却機能をシリンダヘッドに統合(integrieren)し、別体の冷却ユニットの使用を省略することである。
【0004】
ピストンコンプレッサ用の吐出し弁の分野において、一般に公知の従来技術には、自動のリード弁がある。リード弁は、片側で固定されているか、又は両側のガイドに沿って持ち上がるようになっている。リード弁は、一般に、貫通開口を有する弁プレート上にリベット止めされており、上側の捕捉体、ばね要素及び弁リードを有する。
【0005】
発明の開示
本発明の課題は、コンプレッサの性能改善に寄与するとともに、漏れのリスクを低減する、コンプレッサ用の最適化されたシリンダヘッドを提供することである。
【0006】
上記課題は、請求項1の上位概念部に記載のシリンダヘッドから出発して、請求項1の特徴部との関連で解決される。本発明の有利な態様は、後続の従属請求項から看取可能である。
【0007】
本発明により、冷却ユニット及び弁プレートは、モノリシック(monolithisch)デザインでシリンダヘッドにフルインテグレート(vollintegriert)されている。換言すれば、シリンダヘッドは、冷却ユニットと弁プレートとを備え、単一の構成部材として形成されている。方法技術的には、冷却ユニットと弁プレートとを備えるフルインテグレート型のシリンダヘッドをモノリシックデザインでロストフォーム法又は創成法(generatives Verfahren:ジェネレイティブメソッド)により製造することを提案する。創成法による製法、例えばラピッドプロトタイピング(Rapid Prototyping)、ステレオリソグラフィ(Stereolithografie)、レーザ焼結(Lasersintern)等の各種造形法によるモノリシックなシリンダヘッドの製造は、特にプロトタイプ及び少量生産に好適である。中量生産及びそれより多くの大量生産には、ロストフォーム鋳造法を提案する。
【0008】
ロストフォーム鋳造法は、従来慣用の鋳造法に比べてより複雑な幾何学形状と、より大きな構成自由度とを実現する。これらの構成上の利点は、シリンダヘッド内の空気案内通路及び水通路の、全体性能に重きをおいた新規構成を可能にし、これにより、コンプレッサのシステム全体の性能向上を実現する。
【0009】
シリンダヘッド、冷却プレート及び弁プレートの統合と、モノリシックデザインによるインターフェースの減少とにより、不密性のリスクが完全に回避されるだけでなく、シリンダヘッドがモノリシックに形成されていない場合にシリンダヘッドと冷却プレートとの間及び冷却プレートと弁プレートとの間に配置されている少なくとも2つのシールも削減される。さらに、シリンダヘッド、冷却ユニット及び弁プレートの統合により、シリンダヘッドと冷却ユニットとの間あるいは冷却ユニットと弁プレートとの間の接合箇所が省略され、ひいては、ねじ止めにより提供される連続的な面圧の必要性も、この領域に存在しないため、支持構造の省略により材料削減及び重量削減が達成される。後加工及び組み立て手間の減少に加え、部品数が少ないことによるコスト削減可能性も無視できない。
【0010】
好ましくは、シリンダヘッドの、コンプレッサに向かう面に、それぞれ1つの吐出し弁ユニットを収容する少なくとも2つの空所が形成されている。別体のインサートとしての吐出し弁ユニットは、フルインテグレートされるシリンダヘッドの材料とは無関係の、比較的自由な材料選択を容認する。まさに吐出し弁の領域で負荷のピークが発生するので、ここに狙いを定めて、局所的な要求を満たすより抵抗性の高い素材を使用できる。
【0011】
吐出し弁ユニットは、特に好ましくは、シリンダヘッドに設けたそれぞれの空所内に溶接又は螺入される。シリンダヘッドに設けたそれぞれの空所内への吐出し弁ユニットの溶接には、特にレーザ溶接法が好適である。利点は、特に、迅速かつ精緻な加工、極めて良好な熱導出及び極めて高い密封性である。択一的な可能性としての、シリンダヘッドに設けたそれぞれの空所内への吐出し弁ユニットの螺入は、材料ペアのよりフレキシブルな選択肢を提供する。
【0012】
さらに好ましくは、吐出し弁ユニットは、弁プレートを有し、弁プレートは、シリンダヘッドに設けられたそれぞれの空所内に配置されている。さらに弁プレートには、少なくとも1つの弁リードを軸方向でガイドする少なくとも2つのガイドピンが配置されている。さらに、少なくとも2つのガイドピンに、少なくとも1つの弁リード用のストッパを形成する捕捉要素が、弁プレートに対して略平行に配置されている。軸方向で少なくとも1つの弁リードと捕捉要素との間には、少なくとも1つの弁リードの戻し用の少なくとも1つのばね要素が配置されている。少なくとも1つの弁リードは、弁リードに圧力がかかると、弁プレートからばね要素の圧力に抗して持ち上がる。このとき、少なくとも1つの弁リードは、あらゆる時点で弁プレートに対して平行に方向付けられた状態にあり、これにより、空気の最適な流出を達成する。
【0013】
以下に、本発明を改良するさらなる構成について、本発明の有利な実施例の説明とともに、3つの図面を参照しながら詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】シリンダヘッドと、一部切開して示したピストンハウジングとを備える本発明に係るコンプレッサの側面図である。
図2図1に示した本発明に係るシリンダヘッドの斜視図である。
図3】本発明に係る吐出し弁ユニットの斜視図である。
【0015】
好ましい一実施の形態の詳細な説明
図1に示すように、本発明に係るコンプレッサ2は、ピストンハウジング13と、フルインテグレート(完全一体化)される冷却ユニット3及び弁プレート4を有するモノリシックな(一体構造の)シリンダヘッド1とを備える。コンプレッサ2は、軸14を介して駆動される。ピストンハウジング13をシリンダヘッド1の近傍において一部切開して示したため、ピストン室15が看取できる。ピストン室15の内部では、本図には示さないピストンが、軸方向で往復動する。
【0016】
図2によれば、フルインテグレートされるモノリシックなシリンダヘッド1は、コンプレッサ2に向かう面5に、本図には示さないそれぞれ1つの吐出し弁ユニット7a,7bを収容する2つの空所6a,6bを有する。両空所6a,6bは、コンプレッサ2の、本図には示さない圧縮室からの圧縮空気吐出し口として用いられる。さらに、コンプレッサ2に向かう面5には、空気供給用の8つの吸込み口16a〜16hと、本図には示さないシリンダヘッドねじ用の6つの開口17a〜17fと、本図には示さないESS−ピストン用の2つの貫通孔18a,18bとが形成されている。これにより、このシリンダヘッド1は、ESS(Energie Saving System)を備えるコンプレッサ2に好適である。
【0017】
図3は、同一に構成される両吐出し弁ユニット7a,7bのうちの1つを示している。吐出し弁ユニット7aは、シリンダヘッド1に設けたそれぞれの空所6a,6b内に配置することを企図した弁プレート8を有する。弁プレート8には、弁リード10を軸方向でガイドする2つのガイドピン9a,9bが配置されている。さらに、2つのガイドピン9a,9bには、弁リード10のためのストッパを形成する捕捉要素11が、弁プレート8に対して平行に配置されている。軸方向で弁リード10と捕捉要素11との間には、弁リード10の戻し用のばね要素12が配置されている。弁リード10は、弁リード10に圧力がかかると、平行に弁プレート8からばね要素12の力に抗して持ち上がるため、空気の最適な流出を達成する。
【符号の説明】
【0018】
1 シリンダヘッド
2 コンプレッサ
3 冷却ユニット
4 弁プレート
5 面
6a,6b 空所
7a,7b 吐出し弁ユニット
8 弁プレート
9a,9b ガイドピン
10 弁リード
11 捕捉要素
12 ばね要素
13 ピストンハウジング
14 軸
15 ピストン室
16a〜16h 空気供給用の吸込み口
17a〜17f 開口
18a,18b 貫通孔
図1
図2
図3
【国際調査報告】