(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-523942(P2017-523942A)
(43)【公表日】2017年8月24日
(54)【発明の名称】供給および箱詰めのための輸送可能なモジュラーシステム
(51)【国際特許分類】
B60P 3/025 20060101AFI20170728BHJP
【FI】
B60P3/025 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-526480(P2017-526480)
(86)(22)【出願日】2015年7月31日
(85)【翻訳文提出日】2017年3月22日
(86)【国際出願番号】US2015043138
(87)【国際公開番号】WO2016019257
(87)【国際公開日】20160204
(31)【優先権主張番号】14/449,597
(32)【優先日】2014年8月1日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517034732
【氏名又は名称】オーティージー・エクスペリエンス・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】OTG Experience, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ブラットステイン・エリック・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ファロッコ・ロナルド・エム
(72)【発明者】
【氏名】ヒラリック・トーマス・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ディフリオ・ガブリエル・エイ
(57)【要約】
アイテムを供給および箱詰めする、輸送可能なシステムは、トラックに載せられ、かつトラックによって包囲されている。このシステムは、少なくとも2つの供給カートを含む。各カートは、本体と、本体の底面に配された1組の車輪と、本体の上面に配された1組のベアリングと、本体により画定された出口と、を含む。少なくとも2つの供給カートのうちの少なくとも1つは、第1の組のアイテムを垂直に保管し、動力源を持たないエスケープメントを用いて第1の組のアイテムを供給するように構成され、供給カートのうちの少なくとも別の1つは、アイテムを水平に保管するように構成されている。システムは、箱を供給するように構成された箱ディスペンサーと、少なくとも2つの供給カートの出口の下に配されたコンベヤシステムと、をさらに含む。コンベヤシステムは、箱ディスペンサーから最終位置まで、箱のための連続した経路を画定している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイテムを供給および箱詰めする、輸送可能なシステムにおいて、前記システムは、トラックに載せられ、かつトラックによって包囲され、前記システムは、
本体、前記本体の底面に配された1組の車輪、前記本体の上面に配された1組のベアリング、および前記本体により画定された出口を含む、供給カートと、
前記供給カートの前記出口の下に配されたコンベヤシステムであって、前記供給カートの下を循環するように箱のための連続した経路を画定する、コンベヤシステムと、
を含む、システム。
【請求項2】
請求項1に記載の輸送可能なシステムを用いてアイテムを供給および箱詰めする方法において、前記供給カートは、第1の供給カートであり、前記システムは、第2の供給カートをさらに含み、前記第2の供給カートは、本体、前記本体の底面に配された1組の車輪、前記本体の上面に配された1組のベアリング、および前記本体により画定された出口を含み、前記方法は、
前記コンベヤシステムを用いて前記第1の供給カートおよび前記第2の供給カートに箱を運ぶことと、
前記第1の供給カートから第1のアイテムを供給することと、
前記第2の供給カートから第2のアイテムを供給することと、
を含む、方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載のシステムまたは方法において、
箱ディスペンサーから前記コンベヤシステム上に前記箱を供給することをさらに含み、
前記連続した経路は、前記箱ディスペンサーから最終位置まで循環する、システムまたは方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のシステムまたは方法において、
前記箱を再循環経路上で再循環させることをさらに含む、システムまたは方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のシステムまたは方法において、
前記箱のための独自のラベルを印刷することをさらに含む、システムまたは方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のシステムまたは方法において、
前記システムが販売部と目標位置との間を輸送されている間に前記独自のラベルに関する情報を受信することをさらに含む、システムまたは方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のシステムまたは方法において、
前記第1の供給カートおよび前記第2の供給カートを前記トラックに積み込み、かつ前記トラックから荷降ろしすることをさらに含む、システムまたは方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のシステムまたは方法において、
前記コンベヤシステムは、前記箱のうちの1つが前記第1の供給カートまたは前記第2の供給カートどちらかの前記出口と整列すると、一時停止するように構成されている、システムまたは方法。
【請求項9】
アイテムを保管するための輸送可能なカートにおいて、
本体と、
前記本体の底面に配された1組の車輪と、
前記本体の上面に配された1組のベアリングと、
前記本体により画定された出口と、
前記出口の近くに配された一対のドアをアイテムが通過するのを制御するように、前記アイテムを保持し、フレームの周りを回転するように構成された1組の回転式コンベヤセルと、
を含む、輸送可能なカート。
【請求項10】
アイテムを保管するための輸送可能なカートにおいて、
本体と、
前記本体の底面に配された1組の車輪と、
前記本体の上面に配された1組のベアリングと、
前記本体により画定された出口と、
アイテムが前記出口を通過するのを制御するように構成されたエスケープメントと、
を含み、
前記エスケープメントは、ジョーおよびリンク装置を含み、
前記リンク装置は、アクチュエータに係合するインターフェースを含み、
前記アクチュエータは、前記輸送可能なカートに接続されていない電源を有する、輸送可能なカート。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のシステム、方法、またはカートにおいて、
同じ幅を有する本体を有した少なくとも2つの供給カートをさらに含む、システム、方法、またはカート。
【請求項12】
請求項10に記載のシステム、方法、またはカートにおいて、
前記エスケープメントは、一対のジョー、およびリンク装置を含み、
前記リンク装置は、アクチュエータに係合するインターフェースを含む、システム、方法、またはカート。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載のシステム、方法、またはカートにおいて、
第1のアイテムを供給することは、前記アイテムを保持するように構成された1組の回転式コンベヤセルをフレームの周りで回転させて、前記出口の近くに配された一対のドアを前記第1のアイテムが通過するのを制御することを含む、システム、方法、またはカート。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載のシステム、方法、またはカートにおいて、
前記供給カートは、アイテムが前記出口を通過するのを制御するように構成された、クリップまたはらせん状部を含む、システム、方法、またはカート。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項に記載のシステム、方法、またはカートにおいて、
前記供給カートそれぞれの前記1組の車輪のうちの少なくとも1つの車輪は、少なくとも1つの対応するレールと噛み合うように構成された溝をそれぞれ画定している、システム、方法、またはカート。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載のシステム、方法、またはカートにおいて、
前記供給カートの上部にある前記ベアリングは、少なくとも1つのレールに対して転がるように構成されたローラーである、システム、方法、またはカート。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1項に記載のシステム、方法、またはカートにおいて、
前記供給カートの上部にある前記ベアリングは、前記トラック内に位置するローラーに係合するための、レールなどのベアリング表面である、システム、方法、またはカート。
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連出願〕
本出願は、2014年8月1日出願の米国特許出願第14/449,597号の優先権および利益を主張するものであり、この米国特許出願は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
〔背景〕
飛行機の乗客のための従来の食品配達システムは、所定の注文品を、別々のパッケージへと予め包装し、これらの別々のパッケージは、いったん飛行機に載せられたら乗客により選択される。例えば、飛行機に搭乗した後、乗客は、ベジタリアン用の食事と標準の食事のどちらかを選ぶことができる。これらのシステムは、フライト前に飛行機に再び積み込む時間的要件を最小限に抑えるが、いくつかの欠点があり、それには、カスタマイズされた食品の注文を取り扱えないこと、乗客の選択を利用可能な食品もしくは飲料に一致させるのが恐らく不正確であることなどが含まれる。予め設定された2つまたは3つの注文の選択を乗客に与える以外には、飛行機に搭乗する前に乗客が選択したものなどの、個々にカスタマイズされた食品の注文はできないと、食品配達産業は考えていた。
【0003】
〔概要〕
本発明のある態様によると、顧客がいくつかの食品および飲料の選択肢から選択することを可能にするシステムが提供され、このシステムは、選択された食品および飲料を有するパッケージを、時間的制約のある環境で、民間航空機などの所定の場所に迅速に提供するのに必要な時間を減少させる。
【0004】
1つの構成では、アイテムを供給および箱詰めするための輸送可能なシステムが、トラックに載せられ、トラックにより包囲されている。このシステムは、少なくとも2つの供給カートを含む。各カートは、本体、本体の底面に配された1組の車輪、本体の上面に配された1組のベアリング、および本体により画定された出口を含む。少なくとも2つの供給カートのうちの少なくとも1つは、第1の組のアイテムを垂直に保管し、動力推進式でないエスケープメントを用いて第1の組のアイテムを供給するように構成されており、少なくとも2つの供給カートのうちの少なくとも別の1つは、アイテムを水平に保管するように構成されている。システムは、箱を供給するように構成された箱ディスペンサー、および少なくとも2つの供給カートの出口の下に配されたコンベヤシステムをさらに含む。コンベヤシステムは、箱ディスペンサーから最終位置までの連続した経路を箱のために画定している。
【0005】
別の構成では、アイテムを保管する輸送可能なカートは、本体と、本体の底面に配された1組の車輪と、本体の上面に配された1組のベアリングと、本体により画定された出口と、エスケープメントと、を含む。エスケープメントは、本体の内部から出口を通ってアイテムが出るのを制御するように構成されており、ジョーおよびリンク装置を含む。リンク装置は、輸送可能なカートに接続されていない電源を有するアクチュエータに係合するためのインターフェースを含む。
【0006】
さらに別の構成では、トラックに乗せられ、トラックにより包囲される輸送可能なシステムを用いてアイテムを供給および箱詰めする方法は、箱ディスペンサーからコンベヤシステム上に箱を供給する工程を含む。この方法は、コンベヤシステムのコンベヤベルトを用いて、箱ディスペンサーから少なくとも2つの供給カートに箱を運ぶ工程をさらに含む。コンベヤシステムは、少なくとも2つの供給カートの下に配されており、箱ディスペンサーから最終位置までの連続した経路を箱のために定めている。この方法は、第1のアイテムを第1の供給カートから供給する工程も含む。第1の供給カートは、本体と、本体の底面に配された1組の車輪と、本体の上面に配された1組のベアリングと、本体により画定された出口と、を含む。第1の供給カートは、第1の組のアイテムを垂直に保管するように構成されている。第1のアイテムを供給する工程は、出口を通じてそのアイテムを放出するようにエスケープメントを作動させることを含む。この方法は、第2のアイテムを第2の供給カートから供給する工程も含む。第2の供給カートは、アイテムを水平に保管するように構成されている。
【0007】
〔好適な実施形態の詳細な説明〕
図1は、移動式の注文配達システム10の概略的表示を示しており、このシステム10は、包装済みの食品、飲料、および(オプションとして)食品以外の小さなアイテムといったアイテム12に対する個々の注文を、複数の顧客から受信し、箱をコンベヤシステム上に供給して、各注文について選ばれた個々のアイテムをそれぞれ、対応する箱の中に供給し、その箱を、特定の注文に対応するものとして識別し、かつ詰められた箱を供給する。注文配達システム10は、飛行機の乗客などの顧客が消費し、かつ/または使用するように、(
図5B、
図6A、
図6B、
図8、
図12、および
図15に示す)アイテム12を供給し箱詰めするように構成されている。例えば、アイテム12は、サラダ、サンドイッチ、ラップサンドイッチ、および/またはフライドポテト(chips)などの食品を含み得る。あるいは、アイテム12は、ヘッドホン、イヤホン、および/またはアイマスクといった、食品以外のアイテムを含むことができる。
【0008】
移動式の注文配達システム10は、トラック14に載せられ、トラック14によって包囲される。トラック14は、箱20が、アイテム12を収容するカート30、30’、130の下を、所定の位置まで運ばれるようなパターンで、以下でさらに十分説明するように、コンベヤシステム60を含むように構成されている。トラック14の中の内部空間は、販売部などの流通センター16で、カート30、30’、130にアイテム12を積み込むことができるように、構成されている。積み込み後のカート30、30’、130は、トラック14の内部空間の中へと転がるか、または別様に積み込まれ、コンベヤ60に対して所定の場所に位置合わせされる。
【0009】
トラック14はその後、外国行きのフライトの準備をしている民間航空機を出迎える空港のゲートなどのサービス地点18まで移動する。移動中、または、サービス地点18に置かれている間、移動式の注文配達システム10は、アイテム12を(
図3、
図4、
図8、
図14および
図15に示す)箱20の中に供給する。箱20は、その後、トラック14から取り出され、各箱の識別情報に基づいて、顧客によって消費および/または使用されるよう、配達される。例えば、箱20は、飛行機内の顧客の指定席まで配達され得る。
【0010】
箱20の中身は、顧客の注文における顧客の選択に従ってカスタマイズ可能である。例えば、
図2を参照すると、顧客は、自分の指定席まで配達されるよう、特定のアイテム12を注文することができる。顧客は、クラウド22を介して発注システムを用いて、自分の予定のフライトより前に、カスタマイズされた注文をすることができる。顧客は、個人の通信装置24aまたは公共のコンピューターデバイス24bなどの通信装置24を用いて、クラウド22にアクセスすることができる。例えば、通信装置24は、顧客が自分のフライトでチェックインするのに使用するのと同じ装置、空港のレストランにおける発注システムの一部であるタブレットデバイス、スマートフォン、タブレット、または顧客が所有する他の無線通信装置などであってよい。顧客が発注システムに入力した情報は、流通センター16および/またはオプションとしてトラック14の移動式の注文配達システム10によってアクセスされてよく、かつ/または、そのため、移動式の注文配達システム10は、カスタマイズされた顧客の注文に従ってアイテム12を供給および箱詰めすることができる。
【0011】
次に
図3を参照すると、移動式の注文配達システム10は、箱20がコンベヤシステム60に沿って箱ディスペンサー50から最終位置70まで動く際に、供給カート30から箱20の中にアイテム12を選択的に供給することによって、個別化した注文を履行する。この点について、移動式の注文配達システム10は、供給カート30、箱ディスペンサー50、およびコンベヤシステム60の作動を調整する制御システム100によって制御される。制御システム100は、クラウド22を介して発注システムに接続される。
【0012】
例示的な供給カート30が、
図5Aに示され、アイテム12は垂直に積み重ねられている。カート30は、アイテム12を垂直に積み重ねられた構成に支持するフレーム34を有する本体32を含む。カート30は、本体32の前面32aおよび後面32bに配されたドア35をさらに含む。ドア35は、アイテム12を補充するために本体32の内部へのアクセスを提供している。
【0013】
カート30は、本体32の上面32cに配された、一組のローラー36などのガイドシステムを有する。ローラー36は、リベットにより上面32cに固定されたキャスターであってよい。ローラー36は、トラック14に固定された(
図4に示す)少なくとも1つの上部レール80と噛み合うように構成されている。例えば、ローラー36は、概ね円筒形の形状を有し、カートに取り付けられたリベットを中心として自由に回転する。上部レール80は、ローラー36に適合するように構成された凹部を画定し、ローラー36は、レールの凹部内部で自由に回転でき、カート30の横方向への動きは、レールにより最小限に抑えられる。本発明は、任意の特定のガイドシステムに制限されることを意図しておらず、むしろ、ローラーがカートの上部のレールをガイドするためにトラック上に位置しているシステム、またはスライダ、V字型の溝、チャネルなどを含む、任意の他のタイプのガイドおよび位置合わせシステムを包含する。
【0014】
カート30はまた、本体32の底面32dに配された1組の車輪38を有する。例えば、この1組の車輪38は、4つの車輪を含んでよく、そのうちの少なくとも2つはそれぞれ、溝38aを有する。
図5Aは、カート30の前側の2つの車輪が、溝38aなどの位置合わせシステムを有するものを描いている。溝付きの車輪38は、トラックに固定された(
図4に示す)少なくとも1つの底部レール82と噛み合うように構成されている。例えば、車輪38は、底部レール82のV字型の突起に適合するV字型の溝を画定し、車輪38のV字型の溝は、レール82のV字型の突起に沿って回転する。V字型の溝とV字型の突起とのインターフェースは、カート30の横方向移動を最小限に抑える。1組の車輪38のうちの各車輪は、溝38aを含み得るが、車輪のうちのいくつかは平らであってよい(すなわち、溝を含まない)。例えば、
図5Aは、カート30の後ろの2つの車輪38が平らであるものを描いている。平らな車輪38は、トラック14に取り付けられ、かつ平らな車輪に対応するように構成された表面84に対して転がるように構成されている。この点について、車輪38およびトラックにおける対応する構造が、位置合わせシステムを形成している。本発明は、本明細書に開示する位置合わせシステムに制限されるものではなく、むしろ、任意の構造および構造の組み合わせを包含する。
【0015】
この点に関し、カートの上部にあるガイドシステム、およびカートの底部にある位置合わせシステムにより、コンベヤ60に対してトラック14内の所定の位置に、カート30を位置合わせすることができる。他のガイドシステムおよび位置合わせシステムも企図される。
【0016】
図5Bを参照すると、供給カート30は、本体の底面32dに配され、かつカート30からアイテム12を繰り返し放出するように構成された、エスケープメント40をさらに含む。本開示で使用される用語「エスケープメント」は、アイテムの垂直な積み重ねから一度に1つのアイテムを放出するように制御された、機械的機構を指す。エスケープメント40は、ジョー42を含み、ジョー42はそれぞれ、旋回軸46を中心として回転し、上方部分42aおよび下方部分42bを有している。ジョー42は、少なくとも1つのリンク装置44によって互いに接続されている。リンク装置44は、線形アクチュエータなどのアクチュエータ(不図示)に係合するインターフェースを含む。
【0017】
図5Bに示すように、カート30は、箱詰めされたアイテムなど、平らな底を有する、予め包装されたアイテムを保持している。アイテム12を供給する際、アクチュエータは、ジョー42を回転させるように、リンク装置44に係合する。例えば、ただ1つのアクチュエータが使用される場合、リンク装置44は、一方のジョーが他方のジョーより前に旋回軸46を中心として回転するよう、両方のジョー42を、時間が調節された状態に保つ。リンク装置44を作動させる前に、アイテムの積み重ねの中の、底にあるアイテム12が、第1の側12a、およびこの第1の側12aの反対側の第2の側12bの双方において保持される。リンク装置44が起動すると、各ジョー42の下方部分42bは、連続的に外側に旋回し、アイテム12から離れ、アイテム12の第1の側12a、次に第2の側12bが解放されて、底にあるアイテム12が積み重ねから放出される。
【0018】
ジョー42の下方部分42bが、旋回軸46を中心として外側に回転すると、ジョー42の上方部分42aは、残りの積み重ねを一時的に支持するように、放出されている底のアイテム12の上にあるアイテム12に係合し、これを支持する。アクチュエータが送電を断たれると、ジョーはそれらの元の位置まで回転し、残りのアイテムを積み重ねの中に支持する。このように、アクチュエータは、二位置線形アクチュエータを用いて、一度に1つのアイテム12を供給するよう機能する。ジョー42の回転は、ジョー42の下方部分42bが、アイテム12の積み重ねをキャッチし支持する位置に回転し、供給されたアイテム12がそれまで占めていた位置に、新たに底にあるアイテム12が来るように、十分に素早くすることができる。
【0019】
好ましくは、カート30は、電力供給されず、エスケープメント40を操作するためのアクチュエータを有していない。むしろ、カート30のアクチュエータは、好ましくは、トラック14内に設置され、トラック14の電気系統、油圧系統、または空気圧系統によって電力供給される。例えば、線形アクチュエータは、線形アクチュエータの移動要素が上下に動くように向けられてよい。エスケープメントは、線形アクチュエータの上に位置付けられており、線形アクチュエータが通電されると、移動要素が上に動いて、エスケープメントをジョー42と係合させる。線形アクチュエータが送電を断たれると、移動要素は、エスケープメントから離れて下方に後退する。あるいは、コンベヤシステム60の一部が、エスケープメント40を作動させることができる。
【0020】
図6Aは、水平に向けられた飲料ボトルまたは缶を供給するように設計された、別のエスケープメント40を示している。ここでは、ジョー42は、幅が比較的狭いアイテム12を受け入れるよう、
図5Bのジョー42と比べて、互いに近い間隔をあけている。しかしながら、このエスケープメント40は、
図5Bに関して前述したように機能する。
【0021】
図6Bは、単一のジョー42’および単一のリンク装置(不図示)を有するエスケープメント40’の代替的なデザインを示している。エスケープメント40と同様、底が丸いアイテムなどのアイテム12を供給する際、アクチュエータは、リンク装置に係合して、旋回軸46’を中心としてジョー42’を回転させる。リンク装置が作動する前に、アイテムの積み重ねの中で底にあるアイテム12が、ジョー42’により保持される。リンク装置が起動すると、ジョー42’の下方部分42b’が、外側に旋回して、アイテム12から離れ、底にあるアイテム12は、積み重ねから放出される。ジョー42’の下方部分42b’が旋回軸46’を中心として外側に回転すると、ジョー42’の上方部分42a’は、残りの積み重ねを一時的に支持するように、放出されている底にあるアイテム12より上にあるアイテム12に係合して、これを支持する。アクチュエータが送電を断たれると、ジョー42’は、その元の位置まで回転し、積み重ねの中の残りのアイテムを支持する。ジョー42’の回転は、ジョー42’の下方部分42b’がアイテム12の積み重ねをキャッチし支持する位置まで回転して、供給済みのアイテム12がそれまで占められていた位置に、新たに底にあるアイテム12が来るよう、十分に素早くすることができる。
【0022】
図7は、前述したカートの別の構成であるカート30’を描いている。カート30’は、アイテム12を水平に配された構成で支持するフレーム34’を有する本体32’を含む。例えば、カート30’は、らせん状部33または類似の装置、例えばクリート付きのコンベヤベルト(不図示)を含み得る。アイテム12は、らせん状部33のコイルまたはコンベヤベルトのクリート内部に配され得る。作動されると、1つのアイテム12が放出され、収集シュート37の中に落とされて、箱20の中に入れられる。カート30’は、アイテム12を補充するために本体32’の内部へのアクセスを提供するよう、オプションとして、本体32’の前面32a’および/または後面32b’に配されたドア(不図示)を含み得る。
【0023】
好ましくは、カート30’は、一人分の食品またはスナックサイズの食品(single serve or snack-sized foods)などの、より小さいアイテム、および小さいアイテム(例えば、医師の処方不要の薬剤、身だしなみ用品(grooming items)、消費者向け電子製品(consumer electronic items)など)を、水平またはほぼ水平の構成で保持する。らせん状部33は、カートに取り付けられた(すなわち、カートと共に動くことができる)電気モーターによって作動され得る。電力は、トラック14内の電気系統から、各カート上の電池システム、または他の手段によって、供給され得る。
【0024】
カート30と同様、カート30’は、本体32’の上面32c’に配された1組のローラー36を有する。ローラー36は、リベットによって上面32c’に固定されたキャスターであってよい。前述したように、ローラー36は、トラック14に固定された(
図4に示す)少なくとも1つの上部レール80と噛み合うように構成されている。例えば、ローラー36は、概ね円筒形の形状を有し、カートに取り付けられたリベットを中心として自由に回る。上部レール80は、ローラー36に適合するように構成された凹部を画定し、ローラー36は、レールの凹部内で自由に回ることができ、一方、カート30の横方向への動きは、レールによって最小限に抑えられる。前述したように、本発明は、任意の特定のガイドシステムに制限されることを意図しておらず、むしろ、ローラーがトラックに位置してカートの上のレールをガイドするシステム、または、スライダ、V字型の溝、チャネルなどを含む、任意の他のタイプの誘導および位置合わせシステムを包含する。
【0025】
カート30’はまた、本体32の底面32dに配された1組の車輪38も有する。例えば、1組の車輪38は、4つの車輪を含んでよく、そのうちの少なくとも2つはそれぞれ、溝38aを有する。
図7は、カート30の前側の2つの車輪が溝38aを有するものを描いている。前述したように、溝付きの車輪38は、トラックに固定された(
図4に示す)少なくとも1つの底部レール82と噛み合うように構成されている。例えば、車輪38は、底部レール82のV字型の突起に適合するV字型の溝を画定し、車輪38のV字型の溝は、レール82上のV字型の突起に沿って回転する。V字型の溝とV字型の突起とのインターフェースは、カート30の横方向への動きを最小限に抑える。1組の車輪38のうちの各車輪は、溝38aを含み得るが、車輪のうちのいくつかは平らであってよい(すなわち、溝を含まない)。例えば、
図7は、カート30の後ろ側の2つの車輪38が平らであるものを描いている。以下でさらに詳細に説明するように、平らな車輪38は、トラック14に固定され、かつ平らな車輪に対応するように構成された表面84に対して転がるように構成されている。この点について、車輪38、およびトラック内の対応する構造が、位置合わせシステムを形成する。本発明は、本明細書に開示する位置合わせシステムに制限されず、むしろ、任意の構造および構造の組み合わせを包含する。
【0026】
この点について、カードの上部にあるガイドシステム、およびカートの底部にある位置合わせシステムにより、カート30’が、コンベヤ60に対してトラック14内の予め決められた場所に位置合わせされることができる。他の誘導および位置合わせシステムが企図される。
【0027】
垂直なカート30および水平なカート30’は、異なるアスペクト比を有するので、カート幅など共通の横寸法のカートであるか、または一方のカートの寸法(例えば、幅)がもう一方のタイプのカートの倍数であるのが好ましい。例えば、カート30’の長さはカート30の長さの2倍であってよく(噛み合いギャップを含み、標準の公差以内)、いずれか一方のカート30’、または2つのカート30は、指定の空間において使用され得る。
【0028】
図9は、アイテム12を、垂直な回転式コンベヤの構成で、水平に保管する、さらに別のカート130を示している。具体的には、アイテム12は、回転式コンベヤセル132の中に入れられている。回転式コンベヤセル132は、少なくとも1つのベルト136上でフレーム134の周りを回転する。あるアイテム12が選択されると、その選択されたアイテム12が入った回転式コンベヤセル132は、セル132が一対のドア138に隣接するまで、フレーム134の周りを回転する。アイテム12はその後、セル132から放出され、ドア138は、回転してアイテム12を箱20の中へと放出する。
【0029】
カート130は、アイテム12が供給位置へと回転できるように構成されているので、アイテム12は、フレーム134の周りを再循環することができ、供給システム全体は、同じアイテム12を処理する必要がなく、これにより、在庫品の適応性が増す。また、セル132は、カート30、30’、130が容易に保管し放出することができない形状を有するアイテム12を、保管し供給するように構成され得る。例えば、ヨーグルト、または包んだサンドイッチは、カート30、30’、130で容易に保管および放出することができない。さらに、カート130は、アイテム12を箱20の中に静かに入れることを可能にすることができる。静かに入れることは、落とされると跳ねる傾向のあるプラスチックボトルといったアイテム12にとっては重要となり得る。カート130は、カート30、30’に関して説明したものと同様のローラー36および車輪38を含み得る。
【0030】
図10A〜
図10Cは、垂直に向けられたらせん状部233または類似の装置、例えばクリート付きのコンベヤベルト(不図示)によってアイテム12を垂直に保管および支持する、別のカート230を描いている。アイテム12は、アイテム12が互いに積み重ならないように、らせん状部233のコイル、またはコンベヤベルトのクリート内部に置かれてよい。言い換えれば、らせん状部233は、らせん状部233が回転すると個々のアイテム12が供給されるように、アイテム12を分ける。らせん状部233は、ドライブトレイン(不図示)を通じて共通のモーターに対し時間が調節されている。支持壁232は、保管されたアイテム12を安定させるのに使用される。アイテム12は、通常は閉じているドア(不図示)を通って一方の側から積み込まれる。
【0031】
図11A〜
図11Cは、タイミングベルト334に取り付けられたクリップ333によってアイテム12を垂直に保管および支持する、別のカート330を描いている。クリップ333およびタイミングベルト334は、アイテム12が互いに積み重ならないように、アイテム12を分ける。クリップ333およびタイミングベルト334として、個々のアイテム12がカート330の底から供給される。クリップ333およびタイミングベルト334は、アイテム12の両側に位置付けられ、アイテムが安定する。この構成により、タイミングベルト334に近接していない側のうちの1つ(不図示)からアイテムを積み込むことができる。タイミングベルトは、ドライブトレイン336によって共通のモーター335に対し時間が調節されている。
【0032】
再び
図3を参照すると、箱ディスペンサー50は、1つのサイズまたは複数のサイズの箱を供給するように構成され得る。例えば、箱ディスペンサー50は、3つのサイズ、すなわち、小(15.24cm×22.86cm×8.89cm(6インチ×9インチ×3.5インチ))、中(22.86cm×22.86cm×8.89cm(9インチ×9インチ×3.5インチ))、および大(30.48cm×22.86cm×8.89cm(12インチ×9インチ×3.5インチ))、の箱を有し得る。各サイズの箱は、空間を節約するため、入れ子状に重ね入れ可能であってよい。各箱は、好ましくは、アイテムの形状およびサイズに適合または対応する領域または容器を有するように構成され、各アイテムは、箱の中に指定の場所または意図された場所を有する。
【0033】
各箱20にアイテム12を詰める前に、箱ディスペンサー50はまず、プリンタ(不図示)を用いて各箱20用のカスタマイズされたラベルを印刷する。あつらえのラベル(custom label)は、顧客の名前、顧客の座席番号、および/またはカスタマイズされた注文の内容のリストなどの情報を含み得る。箱ディスペンサー50は、制御システム100を介して、この情報を受信する。ラベルは次に、箱20に貼られ、この箱は、箱ディスペンサーの近くでコンベヤシステム60の一部の上に置かれる。
【0034】
図4、
図12、
図13、および
図14を参照すると、コンベヤシステム60は、コンベヤベルト62、および直角移送部(right angle transfers)64を含む。
図4に示すように、トラック14は、6つのコンベヤベルト62を有する。4つのコンベヤベルト62がトラックの一方の側に配され、2つのコンベヤベルト62がもう一方の側に配されている。あるいは、
図14を参照すると、トラック14は、どちらの側にも3つのコンベヤベルト62が配されている。コンベヤベルト62は、相対する方向に回転し、トラックの遠い方の側にある第1のコンベヤベルトは、第1の方向に回転し、第1のベルトに近いコンベヤベルト62は、反対方向に移動する。直角移送部64は、コンベヤベルト62と共に働いて、箱ディスペンサー50から最終位置70までの連続的な経路を作る。両側にある2組のコンベヤベルト62間を移動する直角移送部64は、互いに直接近接しているベルト62間の直角移送部64より長い距離に沿って動作するように構成されている。具体的には、
図13を参照して、直角移送部64は、箱20を第1のコンベヤベルト62から第2のコンベヤベルト62へ押し出す、押し出しブラケット66を含む。押し出しブラケット66は、1つのコンベヤベルト62の放出端部および隣接するコンベヤベルト62の投入端部に位置し得る。押し出しブラケット66は、ロッドなしの空気シリンダーを用いて作動され得る。コンベヤベルト62および直角移送部64は、トラック14を通じて電力供給されるアクチュエータによって作動される。
【0035】
コンベヤベルト62は、直角移送部64と共に働いて、箱20をカート30、30’、130の下で循環させ、カート30、30’、130内のアイテム12は、箱の中に配され得る。制御システム100は、コンベヤシステム60およびカート30、30’、130の作動を制御し、カート30、30’、130から箱20の中へのアイテム12の移動を調整する。例えば、制御システム100は、箱20が、その箱に移送されるべきアイテム12を有するカート30、30’の下に位置すると、コンベヤベルト62の作動を一時停止することができる。制御システム100は、適切なサイズの箱20を送り/放出し、供給カート30、30’、130の場所、およびそれらのカート内のアイテム12の場所を知り、座席位置に基づいて順に注文を処理するように、さらに構成され得る。
【0036】
カスタマイズされた注文品を箱20に詰めた後、コンベヤシステム60は、箱20を最終位置70で降ろす。最終位置70は、輸送可能なシステム10のオペレーターにとってアクセス可能となるように、トラック14の後ろ側に配され得る。オペレーターは、次に、トラック14から箱20を手で取り出して、サービス地点18に置くことができる。例えば、オペレーターは、トラック14から箱20を手で取り出して、それらの箱を、予め割り当てられた航空機の座席まで運ぶことができる。
【0037】
カート30、30’、130および箱ディスペンサー50は、カスタマイズされた複数の箱20を組み立てるように構成され、これらの構成要素はそれぞれ、最終的には補充される必要がある。前述したように、カート30、30’、130のローラー36および溝付きの車輪38は、トラック14のレール80、82と組み合わせて、トラック14内でカート30、30’、130が横方向に動くのを最小限に抑える。また、ローラー36および溝付きの車輪38によって、カート30、30’、130がレール80、82に沿って転がってトラック14から出ることができるので、カート30、30’、130は、トラック14内部で取り外し可能に固定される。カート30、30’、130は、斜面(不図示)を用いて転がってトラック14から出ることもできる。カート30、30’、130は次に、取っておいた他のカート30、30’、130と置き換えられるか、または、トラック14に再び積み込まれる前に補充される。同様に、箱ディスペンサー50は、トラック14から取り出されて、置き換えられるか、または、取り出され、補充され、再び積み込まれることができる。あるいは、箱ディスペンサー50は、トラック14に載せられている間に、補充されることができる。
【0038】
図15を参照すると、いくつかの実施形態では、アイテム12は、再循環経路を形成する、コンベヤベルト62aのうちの1つを介して、コンベヤシステム60の中を再循環する箱20aの中に集められる。言い換えれば、再循環する箱20aは、コンベヤシステム60から取り出されない。再循環する箱20aは、特に自動化のために設計されてよく、配達用の箱20bは、特に顧客に提示されるために設計されてよい。また、これらの実施形態は、コンベヤシステム60の始まりを終わりに接続する、追加のコンベヤベルト62を有する。この追加のコンベヤは、オペレーターがアイテム12を集め、配達用の箱20bの中に入れるところにあってもよい。いくつかの実施形態では、再循環する箱20aが積み重ねられないので、箱ディスペンサー50は省略されてよい。再循環する箱20aを自動化のためだけに設計することにより、システム10の信頼性が改善され得る。
【0039】
図15に示す実施形態では、オペレーターは、(1)注文されたアイテム12を、再循環する箱20aから取り出し、それらを配達用の別の箱20bまたは袋に入れるか、あるいは、(2)再循環する箱20aを、配達用の箱20bまたはトートバッグに直接入れる。アイテム12が配達用の箱20bに入れられた後で、オペレーターは、配達用の箱20bを取り出し、それらを乗客の座席に置く。
【0040】
〔実施例〕
顧客1は、家庭用コンピュータで、搭乗12時間前に自分が乗るフライトにチェックインする際に航空会社のウェブページのボタンをクリックする。制御システム100にリンクしたメニューから、この顧客は、缶入りのコーラA、ラップサンドイッチP、およびスナックの袋タイプX(例えば、ポテトチップス)を選ぶ。顧客2は、空港に向かう途中でスマートフォンから、制御システム100にリンクしたアプリで注文をし、ボトル入りの水B、サラダQ、および携帯用ヘッドホンYを選ぶ。顧客3は、空港のレストランが所有し、ここから操作される、制御システム100にリンクしたタブレット型コンピューターデバイスから、搭乗の数分前に、ボトル入り飲料C、2つのサンドイッチR、および2つの一人分スナックZを注文する。
【0041】
カート30、30’、130には、メニューに載っている各アイテムからのいくつかのアイテム12を含め、食品、飲料、および食品以外のアイテム12を、標準的投入量、搭載され得る。あるいは、カートに積み込まれるアイテム12の選択および場所は、顧客1からの注文、さらに、遅い注文のためのいくつかの余分なアイテム12などの、事前注文に従って、制御システム100により選択され得る。
【0042】
食品、飲料、および食品以外のアイテムがどのように選択されるかに関わらず、カート30および30’は、垂直な積み重ねおよび水平なアレイにおける各アイテムの場所および独自性が制御システムに分かるように、トラック14内へと転がるか、または別様に積み込まれる。顧客1の注文を履行することは、トラックがトランジット中に供給および箱詰めを行うことができる場合、トランジット中に行われてよく、あるいは、トラック14が飛行機のすぐ外側にあるサービス地点18に到達した時点で行われることができる。この点について、箱は、コンベヤシステム上に供給され、その後、適切なカートまで運ばれ、そこから、アイテムA、B、Cが供給される。アイテムA、B、Cは、中程度のサイズのアイテムであるので、小さいサイズの箱を使用することができる。小さい箱20は、各アイテム用の場所があるので、飲料缶は、例えば箱20の内側に直立した壁を有する、指定された飲料缶容器に入れられ、ラップサンドイッチPおよびスナックの袋Xは、飲料缶容器から離れた、一般の容器に入れられる。顧客1の注文のための箱は、トラック内のカート全ての下を運ばれるが、カートの大半がアイテムA、P、もしくはXを取り出し地点に含んでいないので、カートのエスケープメントは、箱が所望のアイテムA、P、もしくはXを受け取る正しい位置に来るまで、作動されない。その後、箱は、荷降ろしステーションまで運ばれる。好ましくは、箱は、箱詰めプロセスの始めにラベル貼りされるが、ラベル貼りは、荷降ろしステーションで行われてもよいし、あるいは、各ステーションで行われてもよい。
【0043】
顧客2は、顧客1よりリードタイムが短いが、顧客2’の注文は、トラック14が販売部にある間に受信されるので、製品の選択およびカートの積み込みは、顧客2と顧客1で同じである。顧客2の注文は、顧客1の注文の直後に処理され、顧客2’の注文が中または大の箱を必要とし得るにしても、顧客2の箱は、顧客1の箱のすぐ後ろであるか、または、顧客1の箱と接触し得る。このように、多くの追加注文を処理することができる。
【0044】
顧客3の注文は、トラック14が販売部とサービス地点18との間の途中にある間に、受信される。制御システムは、顧客3の注文を受信し、ラベルを印刷し、アイテムC、R、Zのために適したサイズの箱を運び、それぞれのアイテムを、箱の適切なサイズの領域または容器の中に供給する。さらに、注文の処理は、受信した順に時系列に行われ得るが、トラック14上で利用可能な荷降ろし地点の数が限られているので、制御システム100は、アイテムの各選択が荷降ろし地点で確実に利用可能となるよう、注文品を配列することもできる。
【0045】
完了したら、各箱の蓋は、自動で、または人によって、閉じられる。好ましくは、箱は、人が一群の箱を飛行機または他の届け先に運ぶか、または別様に輸送することができるように、積み重ねられる。人が第1群の箱を輸送している間に、発注システム10は、注文を処理し、箱を荷降ろしステーションに配達する作業を続ける。
【0046】
飛行機(など)全体の注文が完了したら、トラック14は、別の1組の注文を履行するため、別の航空会社のゲートに行くことができるか、あるいは、販売部に戻ることができる。後者の場合、カート30および30’は、トラック14から外れ、転がるかもしくは別様に輸送されてトラックから出て、その後、カートは、標準的なアイテム、または、制御システムによって規定された場所で制御システムにより選択されたアイテムのどちらかを補充される。
【0047】
本開示の態様、およびその利点を説明してきたが、本発明は、請求項で明確に記載しない限り、任意の態様または利点に限られるものではない。
【0048】
〔実施の態様〕
(1) アイテムを供給および箱詰めする、輸送可能なシステムにおいて、前記システムは、トラックに載せられ、かつトラックによって包囲され、前記システムは、
本体、前記本体の底面に配された1組の車輪、前記本体の上面に配された1組のベアリング、および前記本体により画定された出口を含む、供給カートと、
前記供給カートの前記出口の下に配されたコンベヤシステムであって、前記供給カートの下を循環するように箱のための連続した経路を画定する、コンベヤシステムと、
を含む、システム。
(2) 実施態様1に記載の輸送可能なシステムを用いてアイテムを供給および箱詰めする方法において、前記供給カートは、第1の供給カートであり、前記システムは、第2の供給カートをさらに含み、前記第2の供給カートは、本体、前記本体の底面に配された1組の車輪、前記本体の上面に配された1組のベアリング、および前記本体により画定された出口を含み、前記方法は、
前記コンベヤシステムを用いて前記第1の供給カートおよび前記第2の供給カートに箱を運ぶことと、
前記第1の供給カートから第1のアイテムを供給することと、
前記第2の供給カートから第2のアイテムを供給することと、
を含む、方法。
(3) 実施態様1または2に記載のシステムまたは方法において、
箱ディスペンサーから前記コンベヤシステム上に前記箱を供給することをさらに含み、
前記連続した経路は、前記箱ディスペンサーから最終位置まで循環する、システムまたは方法。
(4) 実施態様1〜3のいずれかに記載のシステムまたは方法において、
前記箱を再循環経路上で再循環させることをさらに含む、システムまたは方法。
(5) 実施態様1〜4のいずれかに記載のシステムまたは方法において、
前記箱のための独自のラベルを印刷することをさらに含む、システムまたは方法。
【0049】
(6) 実施態様1〜5のいずれかに記載のシステムまたは方法において、
前記システムが販売部と目標位置との間を輸送されている間に前記独自のラベルに関する情報を受信することをさらに含む、システムまたは方法。
(7) 実施態様1〜6のいずれかに記載のシステムまたは方法において、
前記第1の供給カートおよび前記第2の供給カートを前記トラックに積み込み、かつ前記トラックから荷降ろしすることをさらに含む、システムまたは方法。
(8) 実施態様1〜7のいずれかに記載のシステムまたは方法において、
前記コンベヤシステムは、前記箱のうちの1つが前記第1の供給カートまたは前記第2の供給カートどちらかの前記出口と整列すると、一時停止するように構成されている、システムまたは方法。
(9) アイテムを保管するための輸送可能なカートにおいて、
本体と、
前記本体の底面に配された1組の車輪と、
前記本体の上面に配された1組のベアリングと、
前記本体により画定された出口と、
前記出口の近くに配された一対のドアをアイテムが通過するのを制御するように、前記アイテムを保持し、フレームの周りを回転するように構成された1組の回転式コンベヤセルと、
を含む、輸送可能なカート。
(10) アイテムを保管するための輸送可能なカートにおいて、
本体と、
前記本体の底面に配された1組の車輪と、
前記本体の上面に配された1組のベアリングと、
前記本体により画定された出口と、
アイテムが前記出口を通過するのを制御するように構成されたエスケープメントと、
を含み、
前記エスケープメントは、ジョーおよびリンク装置を含み、
前記リンク装置は、アクチュエータに係合するインターフェースを含み、
前記アクチュエータは、前記輸送可能なカートに接続されていない電源を有する、輸送可能なカート。
【0050】
(11) 実施態様1〜10のいずれかに記載のシステム、方法、またはカートにおいて、
同じ幅を有する本体を有した少なくとも2つの供給カートをさらに含む、システム、方法、またはカート。
(12) 実施態様10に記載のシステム、方法、またはカートにおいて、
前記エスケープメントは、一対のジョー、およびリンク装置を含み、
前記リンク装置は、アクチュエータに係合するインターフェースを含む、システム、方法、またはカート。
(13) 実施態様1〜12のいずれかに記載のシステム、方法、またはカートにおいて、
第1のアイテムを供給することは、前記アイテムを保持するように構成された1組の回転式コンベヤセルをフレームの周りで回転させて、前記出口の近くに配された一対のドアを前記第1のアイテムが通過するのを制御することを含む、システム、方法、またはカート。
(14) 実施態様1〜13のいずれかに記載のシステム、方法、またはカートにおいて、
前記供給カートは、アイテムが前記出口を通過するのを制御するように構成された、クリップまたはらせん状部を含む、システム、方法、またはカート。
(15) 実施態様1〜14のいずれかに記載のシステム、方法、またはカートにおいて、
前記供給カートそれぞれの前記1組の車輪のうちの少なくとも1つの車輪は、少なくとも1つの対応するレールと噛み合うように構成された溝をそれぞれ画定している、システム、方法、またはカート。
【0051】
(16) 実施態様1〜15のいずれかに記載のシステム、方法、またはカートにおいて、
前記供給カートの上部にある前記ベアリングは、少なくとも1つのレールに対して転がるように構成されたローラーである、システム、方法、またはカート。
(17) 実施態様1〜16のいずれかに記載のシステム、方法、またはカートにおいて、
前記供給カートの上部にある前記ベアリングは、前記トラック内に位置するローラーに係合するための、レールなどのベアリング表面である、システム、方法、またはカート。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】アイテムを供給および箱詰めするための輸送可能なシステムの概略的表示であり、このシステムが載せられ包囲される、トラックを含んでいる。
【
図2】
図1に示す輸送可能なシステムの概略的表示である。
【
図3】
図1および
図2に示す輸送可能なシステムであり、供給カート、箱ディスペンサー、箱、およびコンベヤシステムを示している。
【
図4】
図1〜
図3に示す輸送可能なシステムの一部であり、箱ディスペンサー、箱、およびコンベヤシステムを示している。
【
図5A】
図1〜
図3に示す輸送可能なシステムの一部であり、第1の供給カートを示している。
【
図5B】
図5に示す供給カートの一部であり、エスケープメントを示している。
【
図6A】
図5Bに示すエスケープメントの代替的な構成である。
【
図6B】
図5Bに示すエスケープメントのさらに別の代替的な構成である。
【
図7】
図1〜
図3に示す輸送可能なシステムの一部であり、第2の供給カートを示している。
【
図9】
図1〜
図3に示す輸送可能なシステムの一部であり、第3の供給カートを示している。
【
図10A】
図1〜
図3に示す輸送可能なシステムの一部であり、第4の供給カートを示している。
【
図11A】
図1〜
図3に示す輸送可能なシステムの一部であり、第5の供給カートを示している。
【
図15】
図14に示すコンベヤシステムを備えた輸送可能なシステムの代替的な構成の一部である。
【国際調査報告】