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特表2017-523977新規なインデン誘導体、その調製方法、及びそれを有効成分として含有する網膜疾患を予防又は処置するための医薬組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-523977(P2017-523977A)
(43)【公表日】2017年8月24日
(54)【発明の名称】新規なインデン誘導体、その調製方法、及びそれを有効成分として含有する網膜疾患を予防又は処置するための医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   C07D 495/04 20060101AFI20170728BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20170728BHJP
   A61K 31/41 20060101ALI20170728BHJP
   A61K 31/4453 20060101ALI20170728BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20170728BHJP
   A61K 31/541 20060101ALI20170728BHJP
   A61K 31/553 20060101ALI20170728BHJP
   A61K 31/4025 20060101ALI20170728BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20170728BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20170728BHJP
   A61P 27/06 20060101ALI20170728BHJP
   C07D 413/06 20060101ALI20170728BHJP
   C07D 209/42 20060101ALI20170728BHJP
   C07D 235/24 20060101ALI20170728BHJP
   C07D 409/06 20060101ALI20170728BHJP
   C07D 409/04 20060101ALI20170728BHJP
   C07D 333/74 20060101ALI20170728BHJP
   C07D 333/58 20060101ALI20170728BHJP
   C07D 307/85 20060101ALI20170728BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20170728BHJP
【FI】
   C07D495/04 105
   A61K31/5377
   A61K31/41
   A61K31/4453
   A61K31/496
   A61K31/541
   A61K31/553
   A61K31/4025
   A61P27/02
   A61P43/00 111
   A61P27/06
   C07D413/06CSP
   C07D209/42
   C07D235/24
   C07D409/06
   C07D409/04
   C07D333/74
   C07D333/58
   C07D307/85
   A23L33/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】101
(21)【出願番号】特願2017-505557(P2017-505557)
(86)(22)【出願日】2015年7月21日
(85)【翻訳文提出日】2017年2月20日
(86)【国際出願番号】KR2015007562
(87)【国際公開番号】WO2016017980
(87)【国際公開日】20160204
(31)【優先権主張番号】10-2014-0095676
(32)【優先日】2014年7月28日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】517029059
【氏名又は名称】ジ インダストリー アンド アカデミック コオペレーション イン チュンハム ナショナル ユニバーシティー(アイエーシー)
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100118773
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 節
(74)【代理人】
【識別番号】100122389
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 栄一
(74)【代理人】
【識別番号】100111741
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 夏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100169971
【弁理士】
【氏名又は名称】菊田 尚子
(74)【代理人】
【識別番号】100176197
【弁理士】
【氏名又は名称】平松 千春
(72)【発明者】
【氏名】キム,ウンヒー
(72)【発明者】
【氏名】ヨー,スン−ウン
(72)【発明者】
【氏名】カン,ナム ソーク
(72)【発明者】
【氏名】コー,テ−スン
(72)【発明者】
【氏名】パーク,ミン−ユン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ユン−ホーン
(72)【発明者】
【氏名】ベ,ヒュン−ジュ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジン−ウー
(72)【発明者】
【氏名】イン,テ−キュ
(72)【発明者】
【氏名】ジョー,チョウン−キ
【テーマコード(参考)】
4B018
4C037
4C063
4C071
4C086
4C204
【Fターム(参考)】
4B018LB08
4B018MD07
4B018ME14
4C037QA13
4C063AA01
4C063BB01
4C063BB04
4C063CC94
4C063DD04
4C063DD06
4C063DD10
4C063DD12
4C063DD22
4C063DD54
4C063DD57
4C063DD75
4C063EE01
4C071AA01
4C071BB01
4C071CC01
4C071CC21
4C071DD12
4C071DD14
4C071EE13
4C071FF06
4C071GG01
4C071GG02
4C071HH01
4C071HH28
4C071KK14
4C071LL01
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC07
4C086BC21
4C086BC50
4C086BC69
4C086BC73
4C086BC75
4C086BC88
4C086CB29
4C086GA02
4C086GA04
4C086GA06
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA09
4C086GA12
4C086GA13
4C086GA16
4C086MA17
4C086MA22
4C086MA23
4C086MA58
4C086NA14
4C086ZA33
4C086ZC42
4C204AB20
4C204BB01
4C204CB03
4C204DB26
4C204EB02
4C204EB03
4C204FB01
4C204FB03
4C204GB03
4C204GB24
4C204GB25
4C204GB26
(57)【要約】
本発明は、新規なインデン誘導体、そのための調製方法、及びそれを有効成分として含む網膜疾患を予防又は処置するための医薬組成物に関する。本発明の新規なインデン誘導体、その光学異性体、又はその薬学的に許容される塩は、受容体相互作用性セリン/トレオニン-タンパク質キナーゼ1(RIPK1)の優れた阻害効率を有する。そのため、これを有効成分として含有する組成物は、網膜色素変性(RP)、レーバー先天性黒内障(LCA)、シュタルガルト病、アッシャー症候群、コロイデレミア、桿体錐体又は錐体棹体ジストロフィー、繊毛病、ミトコンドリア障害、進行性網膜萎縮、変性網膜疾患、加齢黄斑変性(AMD)、滲出型AMD、乾燥型AMD、地図状萎縮、遺伝性又は後天性の黄斑変性、網膜光受容体疾患、網膜色素上皮疾患、糖尿病性網膜症、嚢胞性黄斑浮腫、ぶどう膜炎、網膜剥離、外傷性網膜損傷、医原性網膜損傷、黄斑円孔、黄斑毛細血管拡張、神経節細胞疾患、視神経疾患、緑内障、視神経症、虚血性網膜疾患、早産の網膜症、網膜血管の閉塞、遺伝性マクロ動脈瘤、網膜血管疾患、眼血管疾患、緑内障性網膜神経変性及び虚血性視神経症などの網膜疾患を予防又は処置するための医薬組成物として有効に使用することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1によって表される化合物、その光学異性体、又はその薬学的に許容される塩。
【化1】
(式1において、
R1は、-H、-OH、-NH2、ハロゲン、直鎖若しくは分岐C1〜10アルキル、直鎖若しくは分岐C1〜10アルコキシ、-C(=O)NR5R6、-NR7R8、置換C6〜10アリール、N、O及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を含有する置換5〜10員ヘテロアリール、置換C6〜10アリール直鎖若しくは分岐C1〜10アルキル、置換C6〜10アリール直鎖若しくは分岐C1〜10アルコキシ、置換C6〜10アリールオキシ、置換C6〜10アリール直鎖若しくは分岐C1〜10アルキルスルホニル、又は置換C6〜10アリール直鎖若しくは分岐C1〜10アルキルチオであり、
ここで、置換C6〜10アリール、置換5〜10員ヘテロアリール、置換C6〜10アリール直鎖若しくは分岐C1〜10アルキル、置換C6〜10アリール直鎖若しくは分岐C1〜10アルコキシ、置換C6〜10アリールオキシ、置換C6〜10アリール直鎖若しくは分岐C1〜10アルキルスルホニル、及び置換C6〜10アリール直鎖若しくは分岐C1〜10アルキルチオには、-OH、-NR9R10、直鎖若しくは分岐C1〜5アルキル、ハロゲン、ニトリル、非置換若しくは1個以上のハロゲンで置換されている直鎖若しくは分岐C1〜5アルコキシ、直鎖若しくは分岐C1〜5アルキルチオ、フェニル、-C(=O)OH、-S(=O)OCH3及び-C(=O)NH2からなる群から選択される1個以上の置換基が置換しているか、又はN、O及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5〜8員ヘテロアリールが縮合していてもよく、
ここで、R5及びR6は、独立して、-H、又は直鎖若しくは分岐C1〜5アルキルであり、
R7及びR8は、独立して、-H、直鎖若しくは分岐C1〜5アルキル、直鎖若しくは分岐C1〜5アルキルカルボニル、置換C6〜10アリールスルホニル、又は置換C6〜10アリールであり、置換C6〜10アリールスルホニル及び置換C6〜10アリールには、1個以上のハロゲン原子が置換していてもよく、
R9及びR10は、独立して、-H、直鎖若しくは分岐C1〜5アルキル、直鎖若しくは分岐C1〜5アルコキシ、又は直鎖若しくは分岐C1〜5アルキルカルボニルであり、
R2は、-H、-OH、ハロゲン、直鎖若しくは分岐C1〜10アルキル、又は直鎖若しくは分岐C1〜10アルコキシであり、
ここで、R1及びR2は、これらに共役した炭素原子と一緒にC6〜10アリールを形成していてもよく、
R3は、-H、-OH、直鎖若しくは分岐C1〜5アルキル、アミン又は-C(=O)OHであり、
Gは、-O-、-CH2-、-NH-、-N(CH3)-又は-S-であり、
Yは、-O-、-S-又は-NR4-であり、
ここで、R4は、-H、又は直鎖若しくは分岐C1〜5アルキルであり、
X、E及びAは、独立して、-CH=又は-N=であり、
Zは、-C(=O)-又は-CH2-であり、
nは、1〜5の整数である)
【請求項2】
R1が、-H、-OH、-NH2、ハロゲン、直鎖若しくは分岐C1〜5アルキル、直鎖若しくは分岐C1〜5アルコキシ、-C(=O)NR5R6、-NR7R8、置換C6〜8アリール、N、O及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を含有する置換5〜8員ヘテロアリール、置換C6〜8アリール直鎖若しくは分岐C1〜5アルキル、置換C6〜8アリール直鎖若しくは分岐C1〜5アルコキシ、置換C6〜8アリールオキシ、置換C6〜8アリール直鎖若しくは分岐C1〜5アルキルスルホニル、又は置換C6〜8アリール直鎖若しくは分岐C1〜5アルキルチオであり、
ここで、置換C6〜8アリール、置換5〜8員ヘテロアリール、置換C6〜8アリール直鎖若しくは分岐C1〜5アルキル、置換C6〜8アリール直鎖若しくは分岐C1〜5アルコキシ、置換C6〜8アリールオキシ、置換C6〜8アリール直鎖若しくは分岐C1〜5アルキルスルホニル、及び置換C6〜8アリール直鎖若しくは分岐C1〜5アルキルチオには、-OH、-NR9R10、直鎖若しくは分岐C1〜3アルキル、ハロゲン、ニトリル、非置換若しくは1個以上のハロゲンで置換されている直鎖若しくは分岐C1〜3アルコキシ、直鎖若しくは分岐C1〜3アルキルチオ、フェニル、-C(=O)OH、-S(=O)OCH3、及び-C(=O)NH2からなる群から選択される1個以上の置換基が置換しているか、又はN、O及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5〜6員ヘテロアリールが縮合していてもよく、
ここで、R5及びR6が、独立して、-H、又は直鎖若しくは分岐C1〜3アルキルであり、
R7及びR8が、独立して、-H、直鎖若しくは分岐C1〜3アルキル、直鎖若しくは分岐C1〜3アルキルカルボニル、置換C6〜8アリールスルホニル、又は置換C6〜8アリールであり、置換C6〜8アリールスルホニル及び置換C6〜8アリールには、1個以上のハロゲン原子が置換していてもよく、
R9及びR10が、独立して、-H、直鎖若しくは分岐C1〜5アルキル、直鎖若しくは分岐C1〜5アルコキシ、又は直鎖若しくは分岐C1〜5アルキルカルボニルであり、
R2が、-H、-OH、ハロゲン、直鎖若しくは分岐C1〜5アルキル、又は直鎖若しくは分岐C1〜5アルコキシであり、
ここで、R1及びR2が、これらに共役した炭素原子と一緒にC6〜8アリールを形成していてもよく、
R3が、-H、-OH、直鎖若しくは分岐C1〜3アルキル、アミン又は-C(=O)OHであり、
Gが、-O-、-CH2-、-NH-、-N(CH3)-又は-S-であり、
Yが、-O-、-S-、又は-NR4-であり、
ここで、R4が、-H、又は直鎖若しくは分岐C1〜3アルキルであり、
X、E及びAが、独立して、-CH=又は-N=であり、
Zが、-C(=O)-又は-CH2-であり、
nが、1〜4の整数である、
請求項1に記載の式1によって表される化合物、その光学異性体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
R1が、-H、メチル、メトキシ、-OH、-Cl、-Br、-NH2
【化2】
であり、
R2が、-H、メチル又は-Clであり、
ここで、R1及びR2が、これらに共役した炭素原子と一緒にフェニルを形成していてもよく、
R3が、-H、-OH、メチル、アミン又は-C(=O)OHであり、
Gが、-O-、-CH2-、-NH-、-N(CH3)-又は-S-であり、
Yが、-O-、-S-又は-NR4-であり、
ここで、R4が、-H又はメチルであり、
X、E及びAが、独立して、-CH=又は-N=であり、
Zが、-C(=O)-又は-CH2-であり、
nが、1〜3の整数である、
請求項1に記載の式1によって表される化合物、その光学異性体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
式1によって表される化合物が、以下の化合物:
(1) (4-ブロモ-7-クロロチエノ[2,3-c]ピリジン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(2) (4-(4-フルオロフェニル)チエノ[2,3-c]ピリジン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(3) (4-ブロモチエノ[2,3-c]ピリジン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(4) (4-(4-フルオロフェニル)チエノ[2,3-b]ピリジン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(5) (7-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)チエノ[2,3-c]ピリジン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(6) モルホリノ(ナフト[1,2-b]チオフェン-2-イル)メタノン;
(7) 4-((4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)メチル)モルホリン;
(8) 4-(4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)モルホリン-3-カルボン酸;
(9) (4-(1H-インドール-5-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(10) N-(4-(2-(モルホリン-4-カルボニル)ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)フェニル)アセトアミド;
(11) (5-ヒドロキシ-1H-インドール-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(12) (5-クロロ-1H-インドール-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(13) (5-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(14) (5-ブロモ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(15) ベンゾフラン-2-イル(モルホリノ)メタノン;
(16) (5-ブロモベンゾフラン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(17) (4,6-ジメチルベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(18) (6,7-ジメチルベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(19) (6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(20) N,N-ジエチル-2-(モルホリン-4-カルボニル)ベンゾ[b]チオフェン-4-カルボキサミド;
(21) (5-メチル-1H-インドール-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(22) (5-メトキシ-1H-インドール-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(23) (1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(24) (5-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(25) (1-メチル-1H-インドール-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(26) (5-メトキシベンゾフラン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(27) (6-メチルベンゾフラン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(28) (5-アミノベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(29) (7-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(30) (4-(2-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(31) (4-(ビフェニル-4-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(32) モルホリノ(4-p-トリルベンゾ[b]チオフェン-2-イル)メタノン;
(33) 4-(2-(モルホリン-4-カルボニル)ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)安息香酸;
(34) (4-(4-メトキシフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(35) (4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(ピロリジン-1-イル)メタノン;
(36) (4-(3-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(37) (4-アミノピペリジン-1-イル)(4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)メタノン塩酸塩;
(38) (4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(ピペラジン-1-イル)メタノン塩酸塩;
(39) (4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(40) (5-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(41) (4-(ビフェニル-3-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(42) (4-(3-アミノフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(43) 4-(2-(モルホリン-4-カルボニル)ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ベンズアミド;
(44) (4-(4-ヒドロキシフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(45) モルホリノ(4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)メタノン;
(46) (4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(オキサゾリジン-3-イル)メタノン;
(47) (4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(ピペリジン-1-イル)メタノン;
(48) (4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)メタノン;
(49) (4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(4-メチルピペラジン-1-イル)メタノン塩酸塩;
(50) (4-(4-(メチルチオ)フェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(51) (4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(チオモルホリノ)メタノン;
(52) (4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(1,4-オキサゼパン-4-イル)メタノン;
(53) (7-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(54) (4-(4-ブロモフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(55) (4-(6-メトキシピリジン-3-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(56) (4-(3-フルオロベンジル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(57) (4-(2,4-ジフルオロベンジル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(58) (4-(2,4-ジフルオロフェニルアミノ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(59) (4-(4-フルオロフェノキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(60) (4-(4-フルオロフェネチル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(61) (4-(4-フルオロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(62) (4-(4-フルオロベンジルスルホニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(63) (4-(2,4-ジフルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(64) メチル4-(2-(モルホリン-4-カルボニル)ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ベンゼンスルフィネート;
(65) (7-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(66) (4-(6-フルオロピリジン-3-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン塩酸塩;
(67) (4-(4-フルオロベンジル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(68) (4-(4-フルオロフェニルアミノ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(69) (4-((4-フルオロフェニル)(メチル)アミノ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(70) 4-フルオロ-N-(2-(モルホリン-4-カルボニル)ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ベンゼンスルホンアミド;
(71) (4-(4-フルオロベンジルチオ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(72) 1-メチル-5-(2-(モルホリン-4-カルボニル)ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)-1H-ピロール-2-カルボニトリル;
(73) (4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(74) モルホリノ(4-(チオフェン-2-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)メタノン;
(75) (4-(フラン-3-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;及び
(76) モルホリノ(4-(チオフェン-3-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)メタノン
からなる群から選択される、請求項1に記載の式1によって表される化合物、その光学異性体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
下記反応式1:
【化3】
(反応式1において、
R1、R2、R3、A、E、X、Y、Z、G及びnは、請求項1の式1に定義されている通りである)
に示されている通りの、式2によって表される化合物を式3によって表される化合物と反応させることで式1によって表される化合物を得るステップ(ステップ1)を含む、請求項1に記載の式1によって表される化合物を調製するための方法。
【請求項6】
下記反応式2:
【化4】
(反応式2において、
R1、R2、R3、A、E、X、Y、Z、G及びnは、請求項1の式1に定義されている通りである)
に示されている通りの、式4によって表される化合物を式5によって表される化合物と反応させることで式1によって表される化合物を得るステップ(ステップ1)を含む、請求項1に記載の式1によって表される化合物を調製するための方法。
【請求項7】
請求項1に記載の化合物、その光学異性体、又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、網膜疾患の予防又は処置のための医薬組成物。
【請求項8】
化合物が、RIPK1(受容体相互作用性セリン/トレオニン-タンパク質キナーゼ1)を阻害することを特徴とする、請求項7に記載の網膜疾患の予防又は処置のための医薬組成物。
【請求項9】
網膜疾患が、網膜色素変性(RP)、レーバー先天性黒内障(LCA)、シュタルガルト病、アッシャー症候群、コロイデレミア、桿体錐体又は錐体棹体ジストロフィー、繊毛病、ミトコンドリア障害、進行性網膜萎縮、変性網膜疾患、加齢黄斑変性(AMD)、滲出型AMD、乾燥型AMD、地図状萎縮、遺伝性又は後天性の黄斑変性、網膜光受容体疾患、網膜色素上皮疾患、糖尿病性網膜症、嚢胞性黄斑浮腫、ぶどう膜炎、網膜剥離、外傷性網膜損傷、医原性網膜損傷、黄斑円孔、黄斑毛細血管拡張、神経節細胞疾患、視神経疾患、緑内障、視神経症、虚血性網膜疾患、早産の網膜症、網膜血管の閉塞、遺伝性マクロ動脈瘤、網膜血管疾患、眼血管疾患、緑内障性網膜神経変性、及び虚血性視神経症からなる群から選択される、請求項7に記載の網膜疾患の予防又は処置のための医薬組成物。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物、その光学異性体、又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、網膜疾患の予防又は改善のための健康機能性食品。
【請求項11】
網膜疾患が、網膜色素変性(RP)、レーバー先天性黒内障(LCA)、シュタルガルト病、アッシャー症候群、コロイデレミア、桿体錐体又は錐体棹体ジストロフィー、繊毛病、ミトコンドリア障害、進行性網膜萎縮、変性網膜疾患、加齢黄斑変性(AMD)、滲出型AMD、乾燥型AMD、地図状萎縮、遺伝性又は後天性の黄斑変性、網膜光受容体疾患、網膜色素上皮疾患、糖尿病性網膜症、嚢胞性黄斑浮腫、ぶどう膜炎、網膜剥離、外傷性網膜損傷、医原性網膜損傷、黄斑円孔、黄斑毛細血管拡張、神経節細胞疾患、視神経疾患、緑内障、視神経症、虚血性網膜疾患、早産の網膜症、網膜血管の閉塞、遺伝性マクロ動脈瘤、網膜血管疾患、眼血管疾患、緑内障性網膜神経変性、及び虚血性視神経症からなる群から選択される、請求項10に記載の網膜疾患の予防又は改善のための健康機能性食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.発明分野
本発明は、新規なインデン誘導体、その調製方法、及びそれを有効成分として含む網膜疾患を予防又は処置するための医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術の記載
眼の網膜内層の中心に位置する神経組織は黄斑と呼ばれる。光刺激に応答する視細胞の大部分はここに集められており、物体の画像は黄斑の中心で焦点を合わせる、すなわち、黄斑は視力における非常に重要な役割を果たすことが示唆される。AMD(加齢黄斑変性)は、黄斑色素上皮、ブルッフ膜、及び黄斑の脈絡膜毛細管の変性を特徴とする慢性疾患である。解剖学的に、神経感覚網膜は、網膜色素上皮の前に位置し、それの栄養、支持体、再循環及び老廃物処理について網膜色素上皮に依存する。前記ブルッフ膜は、脈絡膜と網膜色素上皮との間に挿入されている5層状構造である。最内層は網膜色素上皮の基底膜であり、最外層は脈絡膜毛細管内皮細胞の基底膜である。すなわち、AMDは、網膜色素上皮、ブルッフ膜及び脈絡膜毛細管複合体において発症された変性疾患である。
【0003】
この疾患は、主に50歳以上の人々に生じる。西洋において、この疾患は、60歳を超える人々における失明の主な原因であり、それは韓国において増加しつつある。AMDの原因は、まだ明確に理解されていないが、加齢が最も可能な危険因子である(疾患率が75歳を超える人々において急速に増加しているからである)。最も可能な環境原因は、喫煙である。加えて、高血圧、肥満、遺伝性素因、過度のUV曝露、低い血清抗酸化物質濃度などが原因とみなされる。
【0004】
乾燥型(非滲出性)黄斑変性及び滲出型(滲出性)黄斑変性である2つの型の黄斑変性がある。乾燥型黄斑変性(乾燥型AMD、非滲出性AMD、非血管新生型AMD)の場合において、老廃物が堆積されて、網膜下でドルーゼと呼ばれる黄色い沈降物を形成し、この堆積物が増大すると、網膜への、特に黄斑への血流を妨げ、かすみ目及び視覚障害をもたらす。乾燥型黄斑変性は、突然の視力喪失を引き起こさないが、滲出型黄斑変性に進行し得る。
【0005】
滲出型黄斑変性(滲出型AMD、滲出性AMD、血管新生型AMD)は、網膜の下の脈絡膜において血管形成が進む場合に引き起こされる。弱い新たな血管が破られると、網膜の黄斑領域の変性を引き起こすことで視覚障害を引き起こす出血又は突出をもたらす。滲出型黄斑変性は急速に進行することで、視力が数週内に悪化し、2カ月から3年の間に失明する場合がある。
【0006】
今までのところ知られている黄斑変性のための処置方法は、光力学治療(PDT)及び抗VEGF注射である。PDTにおいて、感光性材料のビスダインが血管を介して注射され、しばらくして感光性材料が網膜の新たに形成された血管に達すると、感光性材料に反応する特殊レーザーだけが目に照射されることで新たに形成された血管を選択的に破壊する。しかしながら、この処置後でさえも多くの再発症例があり、それで、処置を反復することがしばしば必要である。反復処置の場合において、網膜自体が損傷される場合もある。
【0007】
抗体(抗VEGF)注射は、新たな血管の発生及び進行についての重要な因子である血管内皮成長因子(VEGF)に選択的に結合することによって、新たな血管の形成及び増殖を阻害する抗体(抗VEGF)の硝子体内注射である。抗VEGF注射のために使用されるタンパク質抗体は、ルセンティス及びアバスチンである。ルセンティスは、滲出型黄斑変性剤の処置についてFDAによって承認された薬物である。アバスチンは、癌の処置について承認された薬物であり、眼疾患のために使用される。しかしながら、抗VEGF注射はコストがかかり、不都合であり、なぜならば、眼に滴下又は適用することができず、代わりに、眼を介する直接的注射を必要とするからである。さらに1カ月に1回に定期的処置が必要であり、出血、疼痛、感染、網膜剥離などのリスクがあることを示唆している。
【0008】
そのため、上記と異なる方法を介して黄斑変性を処置するための研究が続いている。近年、黄斑変性を引き起こす網膜神経死を阻害する神経保護薬を開発するための戦略が提案された(Retina today 2012. 64〜65)。光受容体変性が網膜剥離によって誘発されると、RIPK1(受容体相互作用性セリン/トレオニン-タンパク質キナーゼ1)のリン酸化がラットの網膜において観察された。RIPK1酵素活性阻害剤であるNecrostain-1(Nec-1)の処置によって、リン酸化が低減されるとともに光受容体変性も保護されたことが報告されている(Am J Pathol 2012. 181、1634〜1641)。
【0009】
加えて、RIPK1阻害剤Nec-1による網膜変性の保護について連続的に公開された他の文献がある(J Neurosci、2013. 33(44)、17458〜17468; Am J Pathol 2012. 181、1634〜1641; Oncotarget、2011. 2(6)、497〜509; Proc Natl Acad Sci USA、2010. 107(50):21695〜21700)。これは、RIPK1酵素活性阻害剤が黄斑変性処置薬剤として使用することができることを意味する。
【0010】
そのため、本発明者らは、新規なインデン誘導体が、眼に適用された場合にRIPK1酵素活性を阻害することができることを確認し、このことは、新規なインデン誘導体が黄斑変性などの網膜疾患の処置に有用であり得ることを示唆しており、本発明の完了に至った。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Retina today 2012. 64〜65
【非特許文献2】Am J Pathol 2012. 181、1634〜1641
【非特許文献3】J Neurosci、2013. 33(44)、17458〜17468
【非特許文献4】Oncotarget、2011. 2(6)、497〜509
【非特許文献5】Proc Natl Acad Sci USA、2010. 107(50):21695〜21700
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
新規なインデン誘導体、その光学異性体、又はその薬学的に許容される塩を提供することが、本発明の目的である。
【0013】
上記のインデン誘導体を調製するための方法を提供することは、本発明の別の目的である。
【0014】
上記のインデン誘導体を有効成分として含む、網膜疾患の予防又は処置のための医薬組成物を提供することも、本発明の目的である。
【0015】
上記のインデン誘導体を有効成分として含む、網膜疾患の予防又は改善のための健康機能性食品を提供することは、さらに本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するため、本発明は、式1によって表される化合物、その光学異性体、又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0017】
【化1】
【0018】
式1において、
R1は、-H、-OH、-NH2、ハロゲン、直鎖若しくは分岐C1〜10アルキル、直鎖若しくは分岐C1〜10アルコキシ、-C(=O)NR5R6、-NR7R8、置換C6〜10アリール、N、O及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を含有する置換5〜10員ヘテロアリール、置換C6〜10アリール直鎖若しくは分岐C1〜10アルキル、置換C6〜10アリール直鎖若しくは分岐C1〜10アルコキシ、置換C6〜10アリールオキシ、置換C6〜10アリール直鎖若しくは分岐C1〜10アルキルスルホニル、又は置換C6〜10アリール直鎖若しくは分岐C1〜10アルキルチオであり、
ここで、置換C6〜10アリール、置換5〜10員ヘテロアリール、置換C6〜10アリール直鎖若しくは分岐C1〜10アルキル、置換C6〜10アリール直鎖若しくは分岐C1〜10アルコキシ、置換C6〜10アリールオキシ、置換C6〜10アリール直鎖若しくは分岐C1〜10アルキルスルホニル、又は置換C6〜10アリール直鎖若しくは分岐C1〜10アルキルチオには、-OH、-NR9R10、直鎖若しくは分岐C1〜5アルキル、ハロゲン、ニトリル、非置換若しくは1個以上のハロゲンで置換されている直鎖若しくは分岐C1〜5アルコキシ、直鎖若しくは分岐C1〜5アルキルチオ、フェニル、-C(=O)OH、-S(=O)OCH3及び-C(=O)NH2からなる群から選択される1個以上の置換基が置換しており、N、O及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5〜8員ヘテロアリールが縮合していてもよく、
ここで、R5及びR6は、独立して、-H、又は直鎖若しくは分岐C1〜5アルキルであり、
R7及びR8は、独立して、-H、直鎖若しくは分岐C1〜5アルキル、直鎖若しくは分岐C1〜5アルキルカルボニル、置換C6〜10アリールスルホニル、又は置換C6〜10アリールであり、置換C6〜10アリールスルホニル及び置換C6〜10アリールには、1個以上のハロゲン原子が置換していてもよく、
R9及びR10は、独立して、-H、直鎖若しくは分岐C1〜5アルキル、直鎖若しくは分岐C1〜5アルコキシ、又は直鎖若しくは分岐C1〜5アルキルカルボニルであり、
R2は、-H、-OH、ハロゲン、直鎖若しくは分岐C1〜10アルキル、又は直鎖若しくは分岐C1〜10アルコキシであり、
ここで、R1及びR2は、これらに共役した炭素原子と一緒にC6〜10アリールを形成していてもよく、
R3は、-H、-OH、直鎖若しくは分岐C1〜5アルキル、アミン又は-C(=O)OHであり、
Gは、-O-、-CH2-、-NH-、-N(CH3)-又は-S-であり、
Yは、-O-、-S-又は-NR4-であり、
ここで、R4は、-H、又は直鎖若しくは分岐C1〜5アルキルであり、
X、E及びAは、独立して、-CH=又は-N=であり、
Zは、-C(=O)-又は-CH2-であり、
nは、1〜5の整数である。
【0019】
本発明は、下記反応式1に示されている通り、式2によって表される化合物を式3によって表される化合物と反応させることで式1によって表される化合物を得るステップ(ステップ1)を含む、式1によって表される化合物を調製するための方法も提供する。
【0020】
【化2】
(反応式1において、R1、R2、R3、A、E、X、Y、Z、G及びnは、式1に定義されている通りである)。
【0021】
本発明は、下記反応式2に示されている通り、式4によって表される化合物を式5によって表される化合物と反応させることで式1によって表される化合物を得るステップ(ステップ1)を含む、式1によって表される化合物を調製するための方法も提供する。
【0022】
【化3】
(反応式2において、R1、R2、R3、A、E、X、Y、Z、G及びnは、式1に定義されている通りである)。
【0023】
本発明は、式1によって表される化合物、その光学異性体、又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、網膜疾患の予防又は処置のための医薬組成物も提供する。
【0024】
加えて、本発明は、式1によって表される化合物、その光学異性体、又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、網膜疾患の予防又は改善のための健康機能性食品を提供する。
【0025】
有利な効果
本発明の新規なインデン誘導体、その光学異性体、又はその薬学的に許容される塩は、受容体相互作用性セリン/トレオニン-タンパク質キナーゼ1(RIPK1)の優れた阻害効率を有する。そのため、これを有効成分として含有する組成物は、網膜色素変性(RP)、レーバー先天性黒内障(LCA)、シュタルガルト病、アッシャー症候群、コロイデレミア、桿体錐体又は錐体棹体ジストロフィー、繊毛病、ミトコンドリア障害、進行性網膜萎縮、変性網膜疾患、加齢黄斑変性(AMD)、滲出型AMD、乾燥型AMD、地図状萎縮、遺伝性又は後天性の黄斑変性、網膜光受容体疾患、網膜色素上皮疾患、糖尿病性網膜症、嚢胞性黄斑浮腫、ぶどう膜炎、網膜剥離、外傷性網膜損傷、医原性網膜損傷、黄斑円孔、黄斑毛細血管拡張、神経節細胞疾患、視神経疾患、緑内障、視神経症、虚血性網膜疾患、早産の網膜症、網膜血管の閉塞、遺伝性マクロ動脈瘤、網膜血管疾患、眼血管疾患、緑内障性網膜神経変性、虚血性視神経症などによって例証される網膜疾患を予防又は処置するための医薬組成物として有効に使用することができる。
【0026】
本発明の好ましい実施形態の適用は、添付の図を参照して最もよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】乾燥型黄斑変性ラットモデル及び実施例の化合物の滴下注入の構成を示す模式図である。
図2】乾燥型黄斑変性ラットモデルにおける網膜変性に対する実施例の化合物の保護効果を示す画像である。
図3】乾燥型黄斑変性ラットモデルにおける網膜色素上皮細胞に対する実施例の化合物の保護効果を示す画像である。
図4図4(A)は、乾燥型黄斑変性ラットモデルへの本発明の実施例の化合物の点眼滴下注入後の、外顆粒層における細胞数をカウントした結果を示すグラフである。図4(B)は、乾燥型黄斑変性ラットモデルへの本発明の実施例の化合物の滴下注入後の、外顆粒層厚(μm)を測定した結果を示すグラフである。
図5】乾燥型黄斑変性ウサギモデル及び本発明の実施例の化合物の点眼滴下注入の構成を示す模式図である。
図6】本発明の実施例の化合物の滴下注入後の、乾燥型黄斑変性ウサギモデルのMRIの結果を示す画像である。
図7】H&E染色後の、乾燥型黄斑変性ウサギモデルの網膜の観察の結果を示す画像である。
図8】乾燥型黄斑変性ウサギモデルの外顆粒層厚を測定した結果を示す画像である。
図9】ERG(網膜電図検査)によって乾燥型黄斑変性ウサギモデルの網膜の電位差を測定した結果を示す画像である。
図10】ERGによって調査された、乾燥型黄斑変性ウサギモデルにおける網膜光受容体細胞変性に対する実施例の化合物の保護効果を示す画像である。
図11】ERGによって調査された、乾燥型黄斑変性ウサギモデルにおける網膜光受容体細胞変性に対する実施例の化合物の保護効果を示すグラフである。
図12】乾燥型黄斑変性ブタモデル及び本発明の実施例の化合物の点眼滴下注入の構成を示す模式図である。
図13】乾燥型黄斑変性ブタモデルへの本発明の実施例の化合物の点眼滴下注入の7日後の、眼底検査によって撮られた基底の写真である(*:損傷領域;←:脈絡膜血管)。
図14】ERGによって調査された、乾燥型黄斑変性ブタモデルにおける網膜光受容体細胞変性に対する実施例の化合物の保護効果を示す画像である。
図15】ERGによって調査された、乾燥型黄斑変性ブタモデルにおける網膜光受容体細胞変性に対する実施例の化合物の保護効果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
好ましい実施形態の記載
後文において、本発明を詳細に記載する。
【0029】
本発明は、式1によって表される化合物、その光学異性体、又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0030】
【化4】
【0031】
式1において、
R1は、-H、-OH、-NH2、ハロゲン、直鎖若しくは分岐C1〜10アルキル、直鎖若しくは分岐C1〜10アルコキシ、-C(=O)NR5R6、-NR7R8、置換C6〜10アリール、N、O及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を含有する置換5〜10員ヘテロアリール、置換C6〜10アリール直鎖若しくは分岐C1〜10アルキル、置換C6〜10アリール直鎖若しくは分岐C1〜10アルコキシ、置換C6〜10アリールオキシ、置換C6〜10アリール直鎖若しくは分岐C1〜10アルキルスルホニル、又は置換C6〜10アリール直鎖若しくは分岐C1〜10アルキルチオであり、
ここで、置換C6〜10アリール、置換5〜10員ヘテロアリール、置換C6〜10アリール直鎖若しくは分岐C1〜10アルキル、置換C6〜10アリール直鎖若しくは分岐C1〜10アルコキシ、置換C6〜10アリールオキシ、置換C6〜10アリール直鎖若しくは分岐C1〜10アルキルスルホニル、又は置換C6〜10アリール直鎖若しくは分岐C1〜10アルキルチオには、-OH、-NR9R10、直鎖若しくは分岐C1〜5アルキル、ハロゲン、ニトリル、非置換若しくは1個以上のハロゲンで置換されている直鎖若しくは分岐C1〜5アルコキシ、直鎖若しくは分岐C1〜5アルキルチオ、フェニル、-C(=O)OH、-S(=O)OCH3及び-C(=O)NH2からなる群から選択される1個以上の置換基が置換しており、N、O及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5〜8員ヘテロアリールが縮合していてもよく、
ここで、R5及びR6は、独立して、-H、又は直鎖若しくは分岐C1〜5アルキルであり、
R7及びR8は、独立して、-H、直鎖若しくは分岐C1〜5アルキル、直鎖若しくは分岐C1〜5アルキルカルボニル、置換C6〜10アリールスルホニル、又は置換C6〜10アリールであり、置換C6〜10アリールスルホニル及び置換C6〜10アリールには、1個以上のハロゲン原子が置換していてもよく、
R9及びR10は、独立して、-H、直鎖若しくは分岐C1〜5アルキル、直鎖若しくは分岐C1〜5アルコキシ、又は直鎖若しくは分岐C1〜5アルキルカルボニルであり、
R2は、-H、-OH、ハロゲン、直鎖若しくは分岐C1〜10アルキル、又は直鎖若しくは分岐C1〜10アルコキシであり、
ここで、R1及びR2は、これらに共役した炭素原子と一緒にC6〜10アリールを形成していてもよく、
R3は、-H、-OH、直鎖若しくは分岐C1〜5アルキル、アミン又は-C(=O)OHであり、
Gは、-O-、-CH2-、-NH-、-N(CH3)-又は-S-であり、
Yは、-O-、-S-又は-NR4-であり、
ここで、R4は、-H、又は直鎖若しくは分岐C1〜5アルキルであり、
X、E及びAは、独立して、-CH=又は-N=であり、
Zは、-C(=O)-又は-CH2-であり、
nは、1〜5の整数である。
【0032】
以下の少なくとも1つは、好ましくは除かれる。
X、E及びAが-CH=であり、Yが-NH-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2の一方が-Clであり、他方が-Hである。
Xが-N=であり、E及びAが-CH=であり、Yが-NH-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2の一方が-CH3であり、他方が-Hである。
Xが-N=であり、E及びAが-CH=であり、Yが-NH-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2が両方とも-Hである。
X、E及びAが-CH=であり、Yが-O-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2が両方とも-Hである。
X、E及びAが-CH=であり、Yが-NCH3-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2が両方とも-Hである。
X、E及びAが-CH=であり、Yが-S-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2の一方が-NH2であり、他方が-Hである。
X、E及びAが-CH=であり、Yが-S-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2が、これらに共役した炭素原子と一緒にフェニルである。
X、E及びAが-CH=であり、Yが-O-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2の一方が-Brであり、他方が-Hである。
X、E及びAが-CH=であり、Yが-NH-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2の一方がメチルであり、他方が-Hである。
X、E及びAが-CH=であり、Yが-NH-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2の一方がメトキシであり、他方が-Hである。
X、E及びAが-CH=であり、Yが-O-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2の一方がメトキシであり、他方が-Hである。
【0033】
好ましくは、
R1は、-H、-OH、-NH2、ハロゲン、直鎖若しくは分岐C1〜5アルキル、直鎖若しくは分岐C1〜5アルコキシ、-C(=O)NR5R6、-NR7R8、置換C6〜8アリール、N、O及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を含有する置換5〜8員ヘテロアリール、置換C6〜8アリール直鎖若しくは分岐C1〜5アルキル、置換C6〜8アリール直鎖若しくは分岐C1〜5アルコキシ、置換C6〜8アリールオキシ、置換C6〜8アリール直鎖若しくは分岐C1〜5アルキルスルホニル、又は置換C6〜8アリール直鎖若しくは分岐C1〜5アルキルチオであり、
ここで、置換C6〜8アリール、置換5〜8員ヘテロアリール、置換C6〜8アリール直鎖若しくは分岐C1〜5アルキル、置換C6〜8アリール直鎖若しくは分岐C1〜5アルコキシ、置換C6〜8アリールオキシ、置換C6〜8アリール直鎖若しくは分岐C1〜5アルキルスルホニル、又は置換C6〜8アリール直鎖若しくは分岐C1〜5アルキルチオには、-OH、-NR9R10、直鎖若しくは分岐C1〜3アルキル、ハロゲン、ニトリル、非置換若しくは1個以上のハロゲンで置換されている直鎖若しくは分岐C1〜3アルコキシ、直鎖若しくは分岐C1〜3アルキルチオ、フェニル、-C(=O)OH、-S(=O)OCH3及び-C(=O)NH2からなる群から選択される1個以上の置換基が置換しており、N、O及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5〜6員ヘテロアリールが縮合していてもよく、
ここで、R5及びR6は、独立して、-H、又は直鎖若しくは分岐C1〜3アルキルであり、
R7及びR8は、独立して、-H、直鎖若しくは分岐C1〜3アルキル、直鎖若しくは分岐C1〜3アルキルカルボニル、置換C6〜8アリールスルホニル、又は置換C6〜8アリールであり、置換C6〜8アリールスルホニル及び置換C6〜8アリールには、1個以上のハロゲン原子が置換していてもよく、
R9及びR10は、独立して、-H、直鎖若しくは分岐C1〜5アルキル、直鎖若しくは分岐C1〜5アルコキシ、又は直鎖若しくは分岐C1〜5アルキルカルボニルであり、
R2は、-H、-OH、ハロゲン、直鎖若しくは分岐C1〜5アルキル、又は直鎖若しくは分岐C1〜5アルコキシであり、
ここで、R1及びR2は、これらに共役した炭素原子と一緒にC6〜8アリールを形成していてもよく、
R3は、-H、-OH、直鎖若しくは分岐C1〜3アルキル、アミン又は-C(=O)OHであり、
Gは、-O-、-CH2-、-NH-、-N(CH3)-又は-S-であり、
Yは、-O-、-S-又は-NR4-であり、
ここで、R4は、-H、又は直鎖若しくは分岐C1〜3アルキルであり、
X、E及びAは、独立して、-CH=又は-N=であり、
Zは、-C(=O)-又は-CH2-であり、
nは、1〜4の整数である。
【0034】
以下の少なくとも1つは、好ましくは除かれる。
X、E及びAが-CH=であり、Yが-NH-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2の一方が-Clであり、他方が-Hである。
Xが-N=であり、E及びAが-CH=であり、Yが-NH-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2の一方が-CH3であり、他方が-Hである。
Xが-N=であり、E及びAが-CH=であり、Yが-NH-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2が両方とも-Hである。
X、E及びAが-CH=であり、Yが-O-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2が両方とも-Hである。
X、E及びAが-CH=であり、Yが-NCH3-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2が両方とも-Hである。
X、E及びAが-CH=であり、Yが-S-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2の一方が-NH2であり、他方が-Hである。
X、E及びAが-CH=であり、Yが-S-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2が、これらに共役した炭素原子と一緒にフェニルである。
X、E及びAが-CH=であり、Yが-O-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2の一方が-Brであり、他方が-Hである。
X、E及びAが-CH=であり、Yが-NH-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2の一方がメチルであり、他方が-Hである。
X、E及びAが-CH=であり、Yが-NH-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2の一方がメトキシであり、他方が-Hである。
X、E及びAが-CH=であり、Yが-O-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2の一方がメトキシであり、他方が-Hである。
【0035】
より好ましくは、
R1は、-H、メチル、メトキシ、-OH、-Cl、-Br、-NH2
【0036】
【化5】
であり、
R2は、-H、メチル又は-Clであり、
ここで、R1及びR2は、これらに共役した炭素原子と一緒にフェニルを形成していてもよく、
R3は、-H、-OH、メチル、アミン又は-C(=O)OHであり、
Gは、-O-、-CH2-、-NH-、-N(CH3)-又は-S-であり、
Yは、-O-、-S-又は-NR4-であり、
ここで、R4は、-H又はメチルであり、
X、E及びAは、独立して、-CH=又は-N=であり、
Zは、-C(=O)-又は-CH2-であり、
nは、1〜3の整数である。
【0037】
以下の少なくとも1つは、好ましくは除かれる。
X、E及びAが-CH=であり、Yが-NH-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2の一方が-Clであり、他方が-Hである。
Xが-N=であり、E及びAが-CH=であり、Yが-NH-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2の一方が-CH3であり、他方が-Hである。
Xが-N=であり、E及びAが-CH=であり、Yが-NH-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2が両方とも-Hである。
X、E及びAが-CH=であり、Yが-O-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2が両方とも-Hである。
X、E及びAが-CH=であり、Yが-NCH3-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2が両方とも-Hである。
X、E及びAが-CH=であり、Yが-S-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2の一方が-NH2であり、他方が-Hである。
X、E及びAが-CH=であり、Yが-S-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2が、これらに共役した炭素原子と一緒にフェニルである。
X、E及びAが-CH=であり、Yが-O-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2の一方が-Brであり、他方が-Hである。
X、E及びAが-CH=であり、Yが-NH-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2の一方がメチルであり、他方が-Hである。
X、E及びAが-CH=であり、Yが-NH-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2の一方がメトキシであり、他方が-Hである。
X、E及びAが-CH=であり、Yが-O-であり、Zが-C(=O)-であり、nが2であり、Gが-O-であり、R3が-Hであり、R1及びR2の一方がメトキシであり、他方が-Hである。
【0038】
本発明の式1によって表される化合物は、以下の化合物によって例証することができる:
(1) (4-ブロモ-7-クロロチエノ[2,3-c]ピリジン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(2) (4-(4-フルオロフェニル)チエノ[2,3-c]ピリジン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(3) (4-ブロモチエノ[2,3-c]ピリジン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(4) (4-(4-フルオロフェニル)チエノ[2,3-b]ピリジン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(5) (7-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)チエノ[2,3-c]ピリジン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(6) モルホリノ(ナフト[1,2-b]チオフェン-2-イル)メタノン;
(7) 4-((4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)メチル)モルホリン;
(8) 4-(4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)モルホリン-3-カルボン酸;
(9) (4-(1H-インドール-5-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(10) N-(4-(2-(モルホリン-4-カルボニル)ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)フェニル)アセトアミド;
(11) (5-ヒドロキシ-1H-インドール-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(12) (5-クロロ-1H-インドール-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(13) (5-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(14) (5-ブロモ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(15) ベンゾフラン-2-イル(モルホリノ)メタノン;
(16) (5-ブロモベンゾフラン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(17) (4,6-ジメチルベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(18) (6,7-ジメチルベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(19) (6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(20) N,N-ジエチル-2-(モルホリン-4-カルボニル)ベンゾ[b]チオフェン-4-カルボキサミド;
(21) (5-メチル-1H-インドール-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(22) (5-メトキシ-1H-インドール-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(23) (1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(24) (5-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(25) (1-メチル-1H-インドール-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(26) (5-メトキシベンゾフラン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(27) (6-メチルベンゾフラン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(28) (5-アミノベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(29) (7-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(30) (4-(2-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(31) (4-(ビフェニル-4-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(32) モルホリノ(4-p-トリルベンゾ[b]チオフェン-2-イル)メタノン;
(33) 4-(2-(モルホリン-4-カルボニル)ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)安息香酸;
(34) (4-(4-メトキシフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(35) (4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(ピロリジン-1-イル)メタノン;
(36) (4-(3-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(37) (4-アミノピペリジン-1-イル)(4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)メタノン塩酸塩;
(38) (4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(ピペラジン-1-イル)メタノン塩酸塩;
(39) (4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(40) (5-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(41) (4-(ビフェニル-3-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(42) (4-(3-アミノフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(43) 4-(2-(モルホリン-4-カルボニル)ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ベンズアミド;
(44) (4-(4-ヒドロキシフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(45) モルホリノ(4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)メタノン;
(46) (4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(オキサゾリジン-3-イル)メタノン;
(47) (4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(ピペリジン-1-イル)メタノン;
(48) (4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)メタノン;
(49) (4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(4-メチルピペラジン-1-イル)メタノン塩酸塩;
(50) (4-(4-(メチルチオ)フェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(51) (4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(チオモルホリノ)メタノン;
(52) (4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(1,4-オキサゼパン-4-イル)メタノン;
(53) (7-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(54) (4-(4-ブロモフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(55) (4-(6-メトキシピリジン-3-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(56) (4-(3-フルオロベンジル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(57) (4-(2,4-ジフルオロベンジル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(58) (4-(2,4-ジフルオロフェニルアミノ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(59) (4-(4-フルオロフェノキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(60) (4-(4-フルオロフェネチル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(61) (4-(4-フルオロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(62) (4-(4-フルオロベンジルスルホニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(63) (4-(2,4-ジフルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(64) メチル4-(2-(モルホリン-4-カルボニル)ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ベンゼンスルフィネート;
(65) (7-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(66) (4-(6-フルオロピリジン-3-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン塩酸塩;
(67) (4-(4-フルオロベンジル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(68) (4-(4-フルオロフェニルアミノ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(69) (4-((4-フルオロフェニル)(メチル)アミノ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(70) 4-フルオロ-N-(2-(モルホリン-4-カルボニル)ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ベンゼンスルホンアミド;
(71) (4-(4-フルオロベンジルチオ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(72) 1-メチル-5-(2-(モルホリン-4-カルボニル)ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)-1H-ピロール-2-カルボニトリル;
(73) (4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;
(74) モルホリノ(4-(チオフェン-2-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)メタノン;
(75) (4-(フラン-3-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン;及び
(76) モルホリノ(4-(チオフェン-3-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)メタノン。
【0039】
実施例1〜76の化合物の中で、実施例6、12、13、15、16、21、22、23、25、26及び28の化合物からなる群から選択される1種以上の化合物は、好ましくは除かれる。
【0040】
本発明の式1によって表される化合物は、薬学的に許容される塩の形態として使用することができ、ここで塩は、好ましくは、薬学的に許容される遊離酸によって形成される酸付加塩である。本発明における酸付加塩は、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜硝酸及び亜リン酸などの無機酸;脂肪族モノ/ジカルボキシレート、フェニル置換アルカノエート、ヒドロキシアルカノエート、アルカンジオエート、芳香族酸、及び脂肪族/芳香族スルホン酸などの非毒性有機酸;又は酢酸、安息香酸、クエン酸、乳酸、マレイン酸、グルコン酸、メタンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、酒石酸及びフマル酸などの有機酸から得ることができる。薬学的に非毒性の塩は、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸一水素、リン酸二水素、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソブチル酸塩、カプリン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、カバケート(cabacate)、フマル酸塩、マリエート(maliate)、ブチン-1,4-ジオエート、ヘキサン-1,6-ジオエート、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、テレフタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、クロロベンゼンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニルブチル酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、ヒドロキシブチル酸塩、グリコール酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホネート、ナフタレン-2-スルホネート及びマンデル酸塩によって例証される。
【0041】
この発明における酸付加塩は、当業者に知られている従来の方法によって調製することができる。例えば、式1によって表される化合物は、メタノール、エタノール、アセトン、メチレンクロリド又はアセトニトリルなどの有機溶媒中に溶解させ、ここに有機酸又は無機酸が添加されることで沈殿を誘発する。次いで、沈殿物を、濾過及び乾燥させることで塩を得る。又は溶媒及び過剰な酸が減圧下で留出され、乾燥させることで塩を得る。又は沈殿物が有機溶媒中で結晶化されることで、塩を得る。
【0042】
薬学的に許容される金属塩は、塩基を使用することによって調製することができる。アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩は、以下のプロセス:過剰なアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物の溶液中に化合物を溶解させること、非可溶性化合物塩を濾過すること、残留溶液を蒸発させ、それを乾燥させることによって得られる。この時に、金属塩は、好ましくは、ナトリウム塩、カリウム塩又はカルシウム塩の薬学的に適当な形態で調製される。対応する銀塩は、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩と適切な銀塩(例えば、硝酸銀)との反応によって調製される。
【0043】
本発明には、式1によって表される化合物だけでなく、その薬学的に許容される塩、及び溶媒和物、光学異性体、又はこれらから場合により生成される水和物も含まれる。
【0044】
本発明は、下記反応式1に示されている通り、式2によって表される化合物を式3によって表される化合物と反応させることで式1によって表される化合物を得るステップ(ステップ1)を含む、式1によって表される化合物を調製するための方法も提供する。
【0045】
【化6】
(反応式1において、R1、R2、R3、A、E、X、Y、Z、G及びnは、式1に定義されている通りである)。
【0046】
後文において、本発明の式1によって表される化合物を調製するための方法を、段階的に、より詳細に記載する。
【0047】
本発明の式1によって表される化合物を調製するための方法において、ステップ1は、式2によって表される化合物を式3によって表される化合物と反応させることによって、式1によって表される化合物を得ることである。さらに特に、式2によって表される化合物を有機溶媒中に溶解させ、これに式3によって表される化合物、並びに1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)及びTEAを、段階的にゆっくり添加し、続いて撹拌することで、式1によって表される化合物を得た。
【0048】
この時に、上記の有機溶媒は、好ましくは、ジメチルホルムアミド(DMF);ジメチレングリコールエーテル(DME)、エチルエーテル及び1,2-ジメトキシエタンを含めたエーテル溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール及びブタノールを含めた低級アルコール;ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトナジェンスルホネート(acetonagensulfonate)、トルエンスルホネート、クロロベンゼンスルホネート、キシレンスルホネート(xylensulfonate)、フェニルアセテート、フェニルプロピオネート、フェニルブチレート、シトレート、ラクテート、β-ヒドロキシブチレート、グリコレート、マレート、タータレート、メタンスルホネート(nethanesulfonate)、プロパンスルホネート、ナフタレン-1-スルホネート、ナフタレン-2-スルホネート(naphathalene-2-sulfonate)及びマンデレートからなる群から選択され、ジメチルホルムアミドがより好ましい。
【0049】
反応温度は、好ましくは、0℃から溶媒の沸点の間である。反応時間は限定されないが、0.5〜10時間の反応が好ましい。
【0050】
本発明は、下記反応式2に示されている通り、式4によって表される化合物を式5によって表される化合物と反応させることで式1によって表される化合物を得るステップ(ステップ1)を含む、式1によって表される化合物を調製するための方法も提供する。
【0051】
【化7】
(反応式2において、R1、R2、R3、A、E、X、Y、Z、G及びnは、式1に定義されている通りである)。
【0052】
後文において、本発明の式1によって表される化合物を調製するための方法を、段階的に、より詳細に記載する。
【0053】
本発明の式1によって表される化合物を調製するための方法において、ステップ1は、式4によって表される化合物を式5によって表される化合物と反応させることによって、式1によって表される化合物を得ることである。さらに特に、式4によって表される化合物を有機溶媒中に溶解させ、これに式5によって表される化合物、触媒及び塩基を添加し、続いて撹拌することで、式1によって表される化合物を得た。
【0054】
この時に、上記の有機溶媒は、好ましくは、ジメチルホルムアミド(DMF);ジメチレングリコールエーテル(DME)、エチルエーテル及び1,2-ジメトキシエタンを含めたエーテル溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール及びブタノールを含めた低級アルコール;ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトナジェンスルホネート、トルエンスルホネート、クロロベンゼンスルホネート、キシレンスルホネート、フェニルアセテート、フェニルプロピオネート、フェニルブチレート、シトレート、ラクテート、β-ヒドロキシブチレート、グリコレート、マレート、タータレート、メタンスルホネート、プロパンスルホネート、ナフタレン-1-スルホネート、ナフタレン-2-スルホネート及びマンデレートからなる群から選択され、ジメチルホルムアミドがより好ましい。
【0055】
Pd(PPh3)4は、触媒として使用することができる。
【0056】
本明細書において使用されている塩基は、ピリジン、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)及び1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)などの有機塩基;並びに水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム及び水素化ナトリウムなどの無機塩基からなる群から選択され、これらは、同等の又は過剰な量で使用することができる。
【0057】
反応温度は、好ましくは、0℃から溶媒の沸点の間である。反応時間は限定されないが、0.5〜10時間の反応が好ましい。
【0058】
本発明は、式1によって表される化合物、その光学異性体、又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、網膜疾患の予防又は処置のための医薬組成物も提供する。
【0059】
この時に、医薬組成物は、RIPK1(受容体相互作用性セリン/トレオニン-タンパク質キナーゼ1)を阻害する活性を特徴とする。より正確には、RIPK1は、疾患状態において自己リン酸化され、その後、RIPK3(受容体相互作用性セリン-トレオニンキナーゼ3)に結合されることで、ネクロソームを形成し、それで下流シグナル系を刺激する。結果として、ネクロトーシスが誘発される。本発明の化合物は、ネクロトーシスに関与する主要タンパク質であるRPIK1の自己リン酸化を阻害し、下流死亡シグナル伝達も阻害する。結論として、本発明の化合物は、網膜神経細胞を死から保護する機能を有する。
【0060】
上記の網膜疾患は、網膜色素変性(RP)、レーバー先天性黒内障(LCA)、シュタルガルト病、アッシャー症候群、コロイデレミア、桿体錐体又は錐体棹体ジストロフィー、繊毛病、ミトコンドリア障害、進行性網膜萎縮、変性網膜疾患、加齢黄斑変性(AMD)、滲出型AMD、乾燥型AMD、地図状萎縮、遺伝性若しくは後天性の黄斑変性、網膜光受容体疾患、網膜色素上皮疾患、糖尿病性網膜症、嚢胞性黄斑浮腫、ぶどう膜炎、網膜剥離、外傷性網膜損傷、医原性網膜損傷、黄斑円孔、黄斑毛細血管拡張、神経節細胞疾患、視神経疾患、緑内障、視神経症、虚血性網膜疾患、早産の網膜症、網膜血管の閉塞、遺伝性マクロ動脈瘤、網膜血管疾患、眼血管疾患、緑内障性網膜神経変性、又は虚血性視神経症であり得る。
【0061】
本発明の点眼薬は、保存料含有点眼薬又は保存料なしの点眼薬として製剤化することができる。本発明における保存料は、塩化ベンザルコニウム、メチルパラベン及びエチルパラベンからなる群から選択される1種以上の化合物であってよい。保存料の含有量は、好ましくは、主な構成成分100重量部に対して5〜15重量部である。
【0062】
さらに、本発明の点眼薬の製剤は、例えば、水溶液、懸濁液、エマルジョンなどであってよく、水溶液がより好ましい。さらに特に、点眼薬製剤が水溶液である場合、溶媒が点眼薬組成物に添加され、注射用の滅菌された精製水又は蒸留水が溶媒として好ましくは使用される。この場合において、最終の点眼薬製品の総量における溶媒の量を調整することが必要である。点眼薬の場合において、点眼薬の濃度は、点眼薬組成物に加えて溶媒の含有量によって調整される。
【0063】
本発明の点眼薬組成物の推奨される用量及び投与回数は、1日当たり5〜6回の投与及び1回の投与に1滴の範囲で、症状に従って適切に調整することができる。
【0064】
本発明は、式1によって表される化合物、その光学異性体、又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、網膜疾患の予防又は改善のための健康機能性食品も提供する。
【0065】
この時に、上記の網膜疾患は、網膜色素変性(RP)、レーバー先天性黒内障(LCA)、シュタルガルト病、アッシャー症候群、コロイデレミア、桿体錐体又は錐体棹体ジストロフィー、繊毛病、ミトコンドリア障害、進行性網膜萎縮、変性網膜疾患、加齢黄斑変性(AMD)、滲出型AMD、乾燥型AMD、地図状萎縮、遺伝性若しくは後天性の黄斑変性、網膜光受容体疾患、網膜色素上皮疾患、糖尿病性網膜症、嚢胞性黄斑浮腫、ぶどう膜炎、網膜剥離、外傷性網膜損傷、医原性網膜損傷、黄斑円孔、黄斑毛細血管拡張、神経節細胞疾患、視神経疾患、緑内障、視神経症、虚血性網膜疾患、早産の網膜症、網膜血管の閉塞、遺伝性マクロ動脈瘤、網膜血管疾患、眼血管疾患、緑内障性網膜神経変性、又は虚血性視神経症であり得る。
【0066】
本発明の実施例の化合物のRIPK1(受容体相互作用性セリン/トレオニン-タンパク質キナーゼ1)阻害活性を評価するため、実験を実施した。結果として、本発明の実施例の化合物は、RIPK1阻害活性を有することが確認された(実験例1表2を参照されたい)。
【0067】
酸素-グルコース欠乏条件下で網膜神経に対する本発明の実施例の化合物の保護効果を評価するため、実験を実施した。結果として、本発明の化合物は、20μMの濃度で、比較例1及び比較例2の化合物よりも良好な網膜神経保護効果を有することが確認された(実験例2表3を参照されたい)。
【0068】
加えて、ネクロトーシス誘発条件下で網膜神経に対する本発明の実施例の化合物の保護効果を評価するため、実験を実施した。結果として、本発明の実施例の化合物は、20μMの濃度で網膜神経保護効果を有することが確認された(実験例3表4を参照されたい)。
【0069】
RIPK1(受容体相互作用性セリン/トレオニン-タンパク質キナーゼ1)に対する、本発明の式1によって表される化合物のIC50濃度を評価するため、実験を実施した。結果として、本発明の化合物は、RIPK1に対して低いIC50濃度を有することが確認された(実験例4表5を参照されたい)。
【0070】
網膜色素上皮細胞に対する本発明の式1によって表される化合物の保護効果を評価するため、8週齢の乾燥型黄斑変性ラットモデルを用いて、実験を実施した。結果として、実施例39(F001及びF002)の化合物は、比較例1及び2の化合物よりも有意に高い網膜色素上皮細胞保護効果を有することが確認された(実験例5表6、図1、2及び3を参照されたい)。
【0071】
網膜層厚低減に対する本発明の式1によって表される化合物の保護効果を評価するため、実験例5において使用される8週齢の乾燥型黄斑変性ラットモデルを用いて、実験を実施した。結果として、実施例39(F001及びF002)の化合物は、網膜層厚低減に対して、比較例1及び2の化合物よりも良好な保護効果を有することが確認された(実験例6、図4を参照されたい)。
【0072】
さらに、網膜剥離に対する本発明の化合物の阻害効果を評価するため、8週齢の乾燥型黄斑変性ラットモデルを用いて、実験を実施した。結果として、実施例39(F001及びF002)の化合物で処置された群において、網膜構造が正常に維持されていた(実験例7、図5及び6を参照されたい)。
【0073】
網膜変性に対して本発明の化合物の阻害効果を評価するため、実験例7において使用される8週齢の乾燥型黄斑変性ラットモデルを用いて、実験を実施した。結果として、実施例39(F001及びF002)の化合物で処置された群において、網膜構造が正常に維持されていた(実験例8、図7を参照されたい)。
【0074】
本発明の化合物の網膜層厚保護効果を評価するため、実験例7において使用される乾燥型黄斑変性ラットモデルを用いて、実験を実施した。結果として、実施例39の化合物は、70〜80%の網膜厚保護効果を有することが確認された(実験例9、図8を参照されたい)。
【0075】
本発明の化合物の薬効を網膜電位差検査によって調査した。SI(ヨウ素酸ナトリウム)を使用して、網膜変性モデルにおいて、ERGを測定した。結果として、A波はそこで有意に低減され、これは、300mcdにて正常レベルで50%減少された。特に、実施例39(F004、81%)の滴下注入化合物の網膜保護効果は、比較例3(HC(ドキシサイクリン)、31%)の経口投与化合物よりも有意であった(実験例10表7、図9及び10)。
【0076】
実施例39(39-F003及び39-F004)の化合物の網膜保護効果は、正常対照(100%)に対して、それぞれ81.9%及び91.2%であり、比較例(2-F001、2-F002、3-MH及び3-HC)のそれらの化合物の保護効果は、正常対照(100%)に対して、90.9%、82.9%、74.1%及び66.9%であった。より具体的には、実施例39(39-F003(81.9%)及び39-F004(91.2%))の化合物は、比較例3(3-MH(74.1%)及び3-HC(66.9%))の化合物のものよりも高い保護効果を呈した(実験例10、図11を参照されたい)。
【0077】
本発明の化合物の薬効を評価するため、網膜基底写真を使用して、乾燥型黄斑変性ブタモデルを用いて、実験を実施した。非処置群(Veh)において、網膜色素上皮が変性されたことで、脈絡膜血管及び明領域が観察された。比較例(2-F001(点眼滴下注入)及び3-HC(経口投与))の化合物で処置された群において、損傷領域(*)が観察された。しかしながら、本発明の実施例39(39-F004、点眼滴下注入)の化合物で処置された群において、正常網膜が観察された(実験11、図12及び13を参照されたい)。
【0078】
網膜電位差検査によって本発明の化合物の薬効を評価するため、実験例11において使用される乾燥型黄斑変性ブタモデルを用いて、実験を実施した。結果として、正常群においてA波は観察されたが、比較例(2-F001及び3-HC)の化合物で処置されたそれらの群において、A波は減少した。その一方で、A波は、実施例39(39-F004)の化合物で処置された群においてよく保存されており、本発明の化合物が、比較例(2-F001及び3-HC)のそれらの化合物よりも良好な網膜保護効果を有することを示唆した(実験例12表8、図14及び15を参照されたい)。
【0079】
本発明の実際の及び現在の好ましい実施形態は、以下の実施例に示されている通り、例示的である。
【0080】
しかしながら、当業者は、この開示を考慮して、本発明の趣旨及び範囲内で修飾及び改善することができることが理解される。
【実施例】
【0081】
[実施例1]
(4-ブロモ-7-クロロチエノ[2,3-c]ピリジン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0082】
【化8】
【0083】
4-ブロモ-7-クロロチエノ[2,3-c]ピリジン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を11%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 8.58 (s, 1H), 7.81 (s, 1H), 3.65 (s, 8H).
【0084】
[実施例2]
(4-(4-フルオロフェニル)チエノ[2,3-c]ピリジン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0085】
【化9】
【0086】
4-(4-フルオロフェニル)チエノ[2,3-c]ピリジン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を13%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 9.13 (s, 1H), 8.52 (s, 1H), 7.55-7.51 (m, 3H), 7.26-7.20 (m, 2H), 3.72 (s, 8H).
【0087】
[実施例3]
(4-ブロモチエノ[2,3-c]ピリジン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0088】
【化10】
【0089】
4-ブロモチエノ[2,3-c]ピリジン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を9%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 9.30 (s, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.67 (s, 1H), 7.70 (s, 1H), 3.65 (s, 8H).
【0090】
[実施例4]
(4-(4-フルオロフェニル)チエノ[2,3-b]ピリジン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0091】
【化11】
【0092】
4-(4-フルオロフェニル)チエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を18%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 8.64 (d, 1H), 7.57-7.53 (m, 3H), 7.30 (d, 1H), 7.22 (t, 2H), 3.72 (s, 8H).
【0093】
[実施例5]
(7-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)チエノ[2,3-c]ピリジン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0094】
【化12】
【0095】
7-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)チエノ[2,3-c]ピリジン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を9%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 8.30 (s, 1H), 7.57-7.47 (m, 3H), 7.25-7.19 (m, 2H), 3.72 (s, 8H).
【0096】
[実施例6]
モルホリノ(ナフト[1,2-b]チオフェン-2-イル)メタノンの調製
【0097】
【化13】
【0098】
ナフト[1,2-b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を32%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 8.12 (d. 1H), 7.93 (d, 1H), 7.76 (s, 1H), 7.62 (s, 1H), 7.60-7.53 (m, 2H), 3.85-3.78 (m, 8H).
【0099】
[実施例7]
4-((4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)メチル)モルホリンの調製
【0100】
【化14】
【0101】
2-(クロロメチル)-4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン(1当量)をトルエン中に溶解させ、これにモルホリン(1.04当量)及びNa2CO3(2当量)を添加した。混合物を還流しながら終夜間撹拌した。混合物をEtOAc及び水で洗浄及び抽出した。有機層中に残っている少量の水をMgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いてカラムクロマトグラフィーによって分離した。結果として、標的化合物を35%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.79 (d, 1H), 7.52-7.48 (m, 2H), 7.36-7.31 (m, 1H), 7.27-7.25 (m, 2H), 7.19-7.16 (m, 2H), 3.75-3.70 (m, 6H), 2.53-2.50 (m, 4H).
【0102】
[実施例8]
4-(4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)モルホリン-3-カルボン酸の調製
【0103】
【化15】
【0104】
メチル4-(4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)モルホリン-3-カルボキシレート(1当量)をTHF中に溶解させ、これに2Nの水酸化ナトリウム(NaOH、3当量)を添加し、続いて30℃で撹拌した。反応混合物を室温で冷却した。反応混合物を酸性化し、次いでEtOAcで洗浄及び抽出した。有機層中に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥した。結果として、標的化合物を59%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 8.00-7.85 (m, 2H), 7.59-7.27 (m, 6H), 4.32 (brs, 1H), 4.02 (brs, 1H), 3.61-3.36 (m, 4H).
【0105】
[実施例9]
(4-(1H-インドール-5-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0106】
【化16】
【0107】
(4-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン(1当量)をジメチレングリコールエーテル(DME)中に溶解させ、これにPd(PPh3)4(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、0.02当量)、1H-インドール-5-イルボロン酸(1.1当量)、及び2Mの炭酸ナトリウム(2MのNa2CO3)溶液(5当量)を添加し、続いて50℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温で冷却し、次いでセライトに通過させて濾過した。濾液を水及びEtOAcで洗浄及び抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いてカラム分離又は適切な溶媒を使用した結晶化を行った。結果として、標的化合物を48%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 8.30 (brs, 1H), 7.82-7.80 (m, 2H), 7.66 (s, 1H), 7.52-7.43 (m, 3H), 7.37 (d, 1H), 7.30 (t, 1H), 6.63 (s, 1H), 3.72-3.70 (m, 8H).
【0108】
[実施例10]
N-(4-(2-(モルホリン-4-カルボニル)ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)フェニル)アセトアミドの調製
【0109】
【化17】
【0110】
(4-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリン)メタノン(1当量)をジメチレングリコールエーテル(DME)中に溶解させ、これにPd(PPh3)4(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、0.02当量)、4-アセトアミドフェニルボロン酸(1.1当量)、及び2Mの炭酸ナトリウム(2MのNa2CO3)溶液(5当量)を添加し、続いて50℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温で冷却し、次いでセライトに通過させて濾過した。濾液を水及びEtOAcで洗浄及び抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いてカラム分離又は適切な溶媒を使用した結晶化を行った。結果として、標的化合物を31%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.84 (d, 1H), 7.63-7.58 (m, 3H), 7.51-7.43 (m, 3H), 7.37 (d, 1H), 3.73 (d, 8H), 2.23 (s, 3H).
【0111】
[実施例11]
(5-ヒドロキシ-1H-インドール-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0112】
【化18】
【0113】
5-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を43%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 11.80 (s, 1H), 7.64 (s, 1H), 7.44 (d, 1H), 7.20 (d, 1H), 6.79 (s, 1H), 3.74-3.66 (m, 8H).
【0114】
[実施例12]
(5-クロロ-1H-インドール-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0115】
【化19】
【0116】
5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を61%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 7.65 (d, 1H), 7.43 (d, 1H), 7.19 (dd, 1H), 6.79 (s, 1H), 3.74 (s, 4H), 3.66 (d, 4H).
【0117】
[実施例13]
(5-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0118】
【化20】
【0119】
5-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を8%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.68 (d. 1H), 7.40 (d, 1H), 7.31-7.13 (m, 2H), 3.83 (brs, 8H), 2.49 (d, 3H).
【0120】
[実施例14]
(5-ブロモ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0121】
【化21】
【0122】
5-ブロモ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を29%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.77-7.65 (m. 1H), 7.43-7.41 (m, 2H), 3.85-3.82 (m, 8H).
【0123】
[実施例15]
ベンゾフラン-2-イル(モルホリノ)メタノンの調製
【0124】
【化22】
【0125】
ベンゾフラン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を38%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.66 (d. 1H), 7.52 (d, 1H), 7.41 (t, 1H), 7.29 (s, 1H), 7.31 (t, 1H), 3.88 (brs, 4), 3.79 (d, 4H).
【0126】
[実施例16]
(5-ブロモベンゾフラン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0127】
【化23】
【0128】
5-ブロモベンゾフラン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を46%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.79 (d. 1H), 7.50 (dd, 1H), 7.40 (d, 1H), 7.27 (d, 1H), 3.86 (brs, 4H), 3.79 (brs, 4H).
【0129】
[実施例17]
(4,6-ジメチルベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0130】
【化24】
【0131】
4,6-ジメチルベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を41%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.53 (s, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.00 (s, 1H), 3.79-3.74 (m, 8H), 2.56 (s, 3H), 2.43 (s, 3H).
【0132】
[実施例18]
(6,7-ジメチルベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0133】
【化25】
【0134】
6,7-ジメチルベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を53%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.56 (d, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.22 (d, 1H), 3.81-3.74 (m, 8H), 2.47 (s, 3H), 2.42 (s, 3H).
【0135】
[実施例19]
(6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0136】
【化26】
【0137】
6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を33%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 7.18 (d, 1H), 7.67 (s, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.06 (d, 1H), 3.83 (s, 3H), 3.68-3.66 (m, 8H).
【0138】
[実施例20]
N,N-ジエチル-2-(モルホリン-4-カルボニル)ベンゾ[b]チオフェン-4-カルボキサミドの調製
【0139】
【化27】
【0140】
4-(ジエチルカルバモイル)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を20%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.86 (d, 1H), 7.41 (t, 2H), 7.32 (d, 1H), 3.73 (s, 8H), 3.63 (d, 2H), 3.16 (s, 2H), 1.28 (t, 3H), 1.04 (d, 3H).
【0141】
[実施例21]
(5-メチル-1H-インドール-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0142】
【化28】
【0143】
5-メチル-1H-インドール-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を56%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 7.35 (s, 1H), 7.28 (d, 1H), 7.02 (d, 1H), 6.70 (s, 1H), 3.73-3.64 (m, 8H), 2.36 (s, 3H).
【0144】
[実施例22]
(5-メトキシ-1H-インドール-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0145】
【化29】
【0146】
5-メトキシ-1H-インドール-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を57%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 7.32 (d, 1H), 7.05 (s, 1H), 6.85 (d, 1H), 6.71 (s, 1H), 3.74 (s, 1H), 3.64 (s, 8H).
【0147】
[実施例23]
(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0148】
【化30】
【0149】
1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を22%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.81 (d. 1H), 7.52 (d, 1H), 7.35 (t, 2H), 3.86-2.83 (m, 8H).
【0150】
[実施例24]
(5-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0151】
【化31】
【0152】
5-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を16%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.67 (d. 1H), 6.97-6.93 (m, 2H), 3.87 (s, 3H), 3.83 (brs, 8H).
【0153】
[実施例25]
(1-メチル-1H-インドール-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0154】
【化32】
【0155】
1-メチル-1H-インドール-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を29%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 7.59 (d, 2H), 7.50 (d, 2H), 7.23 (t, 1H), 7.07 (t, 1H), 3.74 (s, 1H), 3.62 (s, 8H).
【0156】
[実施例26]
(5-メトキシベンゾフラン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0157】
【化33】
【0158】
5-メトキシベンゾフラン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を50%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.40 (d. 1H), 7.29 (s, 1H), 7.06 (d, 1H), 7.01 (dd, 1H), 3.87 (brs, 4H), 3.85 (s, 3H), 3.79-3.76 (m, 4H).
【0159】
[実施例27]
(6-メチルベンゾフラン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0160】
【化34】
【0161】
6-メチルベンゾフラン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を58%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.52 (d. 1H), 7.32 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 7.12 (d, 1H), 3.88 (brs, 4H), 3.79-3.78 (m, 4H), 2.49 (s, 3H).
【0162】
[実施例28]
(5-アミノベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0163】
【化35】
【0164】
5-アミノベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を38%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 7.58 (d, 1H), 7.42 (s, 1H), 6.96 (s, 1H), 6.79 (d, 1H), 5.15 (s, 2H), 3.62 (s, 8H).
【0165】
[実施例29]
(7-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0166】
【化36】
【0167】
7-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を48%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 7.95 (d, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.70 (d, 1H), 3.66-3.65 (m, 8H).
【0168】
[実施例30]
(4-(2-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0169】
【化37】
【0170】
4-(2-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を33%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.89-7.77 (m, 1H), 7.60-7.25 (m, 4H), 7.28-7.18 (m, 2H), 3.79-3.72 (m, 8H).
【0171】
[実施例31]
(4-(ビフェニル-4-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0172】
【化38】
【0173】
4-(ビフェニル-4-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を18%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 8.08 (d, 2H), 7.85 (d, 2H), 7.77 (d, 2H), 7.71 (d, 2H), 7.66 (s, 1H), 7.59-7.48 (m, 3H), 7.42-7.38 (m, 1H), 3.64-3.62 (m, 8H).
【0174】
[実施例32]
モルホリノ(4-p-トリルベンゾ[b]チオフェン-2-イル)メタノンの調製
【0175】
【化39】
【0176】
(4-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン(1当量)をジメチレングリコールエーテル(DME)中に溶解させ、これにPd(PPh3)4(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、0.02当量)、p-トリルボロン酸(1.1当量)及び2Mの炭酸ナトリウム(2MのNa2CO3)溶液(5当量)を添加し、続いて50℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温で冷却し、次いでセライトに通過させて濾過した。濾液を水及びEtOAcで洗浄及び抽出した。有機層中に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いてカラム分離した。結果として、標的化合物を56%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.80 (t, 1H), 7.60 (s, 1H), 7.48-7.43 (m, 2H), 7.35 (d, 1H), 7.31-7.23 (m, 2H), 3.79-3.72 (m, 8H), 2.44 (s, 3H).
【0177】
[実施例33]
4-(2-(モルホリン-4-カルボニル)ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)安息香酸の調製
【0178】
【化40】
【0179】
(4-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン(1当量)をジメチレングリコールエーテル(DME)中に溶解させ、これにPd(PPh3)4(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、0.02当量)、4-ボロノ安息香酸(1.1当量)及び2Mの炭酸ナトリウム(2MのNa2CO3)溶液(5当量)を添加し、続いて50℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温で冷却し、次いでセライトに通過させて濾過した。濾液を水及びEtOAcで洗浄及び抽出した。有機層中に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いてカラム分離した。結果として、標的化合物を57%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 8.10-7.93 (m, 3H), 7.57 (s, 1H), 7.53-7.39 (m, 4H), 3.60-3.58 (m, 8H).
【0180】
[実施例34]
(4-(4-メトキシフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0181】
【化41】
【0182】
(4-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン(1当量)をジメチレングリコールエーテル(DME)中に溶解させ、これにPd(PPh3)4(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、0.02当量)、4-メトキシフェニルボロン酸(1.1当量)及び2Mの炭酸ナトリウム(2MのNa2CO3)溶液(5当量)を添加し、続いて50℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温で冷却し、次いでセライトに通過させて濾過した。濾液を水及びEtOAcで洗浄及び抽出した。有機層中に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いてカラム分離した。結果として、標的化合物を50%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.81 (d, 1H). 7.60 (s, 1H), 7.48 (m, 3H), 7.35 (d, 1H), 7.02 (d, 2H), 3.88 (s, 3H), 3.74-3.72 (m, 8H).
【0183】
[実施例35]
(4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(ピロリジン-1-イル)メタノンの調製
【0184】
【化42】
【0185】
4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を23%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.84 (d, 1H), 7.74 (s, 1H), 7.53-7.43 (m, 3H), 7.32 (d, 1H), 7.17 (t, 2H), 3.70 (t, 4H), 1.97 (s, 4H).
【0186】
[実施例36]
(4-(3-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0187】
【化43】
【0188】
(4-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン(1当量)をジメチレングリコールエーテル(DME)中に溶解させ、これにPd(PPh3)4(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、0.02当量)、3-フルオロフェニルボロン酸(1.1当量)及び2Mの炭酸ナトリウム(2MのNa2CO3)溶液(5当量)を添加し、続いて50℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温で冷却し、次いでセライトに通過させて濾過した。濾液を水及びEtOAcで洗浄及び抽出した。有機層中に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いてカラム分離した。結果として、標的化合物を53%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.87 (d, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.50-7.30 (m, 4H), 7.22-7.10 (m, 2H), 3.74-3.73 (m, 8H).
【0189】
[実施例37]
(4-アミノピペリジン-1-イル)(4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)メタノン塩酸塩の調製
【0190】
【化44】
【0191】
4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにピペリジン-4-アミン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を51%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 8.08 (d, 1H), 7.68-7.63 (m, 2H), 7.58-7.51 (m, 2H), 7.45-7.33 (m, 3H), 4.26 (brs, 2H), 3.30 (brs, 1H), 3.06-2.96 (m, 2H), 2.72-2.71 (m, 2H), 2.01-1.98 (m, 2H), 1.50-1.47 (m, 2H).
【0192】
[実施例38]
(4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(ピペラジン-1-イル)メタノン塩酸塩の調製
【0193】
【化45】
【0194】
4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにピペラジン塩酸塩(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて、室温で終夜間撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を51%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 9.03 (brs, 1H), 8.07 (d, 1H), 7.67-7.57 (m,2H), 7.54-7.51 (m, 1H), 7.44-7.32 (m, 2H), 3.83 (s, 2H), 3.38 (s, 2H), 3.15 (s, 2H), 2.48 (s, 2H).
【0195】
[実施例39]
(4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0196】
【化46】
【0197】
4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を89%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 8.08 (d, 1H), 7.67-7.63 (m, 2H), 7.57-7.52 (m, 2H), 7.45 (d, 1H), 7.40-7.34 (m, 2H), 3.64-3.62 (m, 8H).
【0198】
[実施例40]
(5-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0199】
【化47】
【0200】
(5-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン(1当量)をジメチレングリコールエーテル(DME)中に溶解させ、これにPd(PPh3)4(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、0.02当量)、4-フルオロフェニルボロン酸(1.1当量)及び2Mの炭酸ナトリウム(2MのNa2CO3)溶液(5当量)を添加し、続いて50℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温で冷却し、次いでセライトに通過させて濾過した。濾液を水及びEtOAcで洗浄及び抽出した。有機層中に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いてカラム分離した。結果として、標的化合物を52%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.94 (s, 1H), 7.91 (d, 1H), 7.61-7.56 (m, 3H), 7.52 (s, 1H), 7.18-7.12 (m, 2H), 3.79-3.70 (m, 8H).
【0201】
[実施例41]
(4-(ビフェニル-3-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0202】
【化48】
【0203】
4-(ビフェニル-3-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を21%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.86 (d, 1H), 7.76 (s, 1H), 7.62 (t, 5H), 7.57-7.37 (m, 6H), 3.74 (t, 8H).
【0204】
[実施例42]
(4-(3-アミノフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0205】
【化49】
【0206】
4-(3-アミノフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を10%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 8.01 (d, 1H), 7.60 (s, 1H), 7.51 (t, 1H), 7.38 (d, 1H), 7.15 (t, 1H), 6.76-6.62 (m, 3H), 3.63 (m, 8H).
【0207】
[実施例43]
4-(2-(モルホリン-4-カルボニル)ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ベンズアミドの調製
【0208】
【化50】
【0209】
(4-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン(1当量)をジメチレングリコールエーテル(DME)中に溶解させ、これにPd(PPh3)4(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、0.02当量)、4-カルバモイルフェニルボロン酸(1.1当量)及び2Mの炭酸ナトリウム(2MのNa2CO3)溶液(5当量)を添加し、続いて50℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温で冷却し、次いでセライトに通過させて濾過した。濾液を水及びEtOAcで洗浄及び抽出した。有機層中に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いてカラム分離した。結果として、標的化合物を50%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 8.11-8.08 (m, 2H), 8.05 (d, 2H), 7.70 (d, 2H), 7.60 (s, 1H), 7.57 (d, 1H), 7.50-7.46 (m, 2H), 3.64-3.62 (m, 8H).
【0210】
[実施例44]
(4-(4-ヒドロキシフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0211】
【化51】
【0212】
(4-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン(1当量)をジメチレングリコールエーテル(DME)中に溶解させ、これにPd(PPh3)4(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、0.02当量)、4-ヒドロキシフェニルボロン酸(1.1当量)及び2Mの炭酸ナトリウム(2MのNa2CO3)溶液(5当量)を添加し、続いて50℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温で冷却し、次いでセライトに通過させて濾過した。濾液を水及びEtOAcで洗浄及び抽出した。有機層中に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いてカラム分離した。結果として、標的化合物を35%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.81 (d, 1H), 7.60 (s, 1H), 7.46-7.29 (m, 4H), 6.95 (d, 2H), 3.73-3.72 (m, 8H).
【0213】
[実施例45]
モルホリノ(4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)メタノンの調製
【0214】
【化52】
【0215】
(4-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン(1当量)をジメチレングリコールエーテル(DME)中に溶解させ、これにPd(PPh3)4(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、0.02当量)、4-(トリフルオロメトキシ)フェニルボロン酸(1.1当量)及び2Mの炭酸ナトリウム(2MのNa2CO3)溶液(5当量)を添加し、続いて50℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温で冷却し、次いでセライトに通過させて濾過した。濾液を水及びEtOAcで洗浄及び抽出した。有機層中に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いてカラム分離した。結果として、標的化合物を46%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.86 (d, 1H), 7.57-7.54 (m, 3H), 7.48 (t, 1H), 7.37-7.32 (m, 3H), 3.73-3.72 (m, 8H).
【0216】
[実施例46]
(4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(オキサゾリジン-3-イル)メタノンの調製
【0217】
【化53】
【0218】
4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにオキサゾリジン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を37%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.84-7.80 (m, 1H), 7.65 (s, 1H), 7.51 (m, 3H), 7.33 (d, 1H), 7.16 (t, 2H), 3.86 (brs, 2H), 3.71 (t, 2H), 3.24 (brs, 2H).
【0219】
[実施例47]
(4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(ピペリジン-1-イル)メタノンの調製
【0220】
【化54】
【0221】
4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにピペリジン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を23%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 7.84 (d, 1H), 7.53-7.42 (m, 4H), 7.34-7.32 (m, 1H), 7.20-7.14 (m, 2H), 3.65 (s, 4H), 1.68 (m, 6H).
【0222】
[実施例48]
(4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)メタノンの調製
【0223】
【化55】
【0224】
4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにピペリジン-4-オール(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を56%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.84 (d, 1H), 7.52-7.42 (m, 4H), 7.35 (d, 1H), 7.19-7.14 (m, 2H), 4.01-4.00 (m, 3H), 3.46-3.37 (m, 2H), 1.91 (brs, 2H), 1.57-1.51 (m, 2H).
【0225】
[実施例49]
(4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(4-メチルピペラジン-1-イル)メタノン塩酸塩の調製
【0226】
【化56】
【0227】
4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これに1-メチルピペラジン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を45%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 8.08 (d, 1H), 7.68-7.53 (m, 4H), 7.45-7.33 (m, 3H), 3.31 (s, 8H), 2.75 (s, 3H).
【0228】
[実施例50]
(4-(4-(メチルチオ)フェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0229】
【化57】
【0230】
(4-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン(1当量)をジメチレングリコールエーテル(DME)中に溶解させ、これにPd(PPh3)4(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、0.02当量)、4-(メチルチオ)フェニルボロン酸(1.1当量)及び2Mの炭酸ナトリウム(2MのNa2CO3)溶液(5当量)を添加し、続いて50℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温で冷却し、次いでセライトに通過させて濾過した。濾液を水及びEtOAcで洗浄及び抽出した。有機層中に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いてカラム分離した。結果として、標的化合物を51%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.83 (d, 1H), 7.60-7.58 (m, 1), 7.49-7.44 (m, 3H), 7.38 (s, 2), 7.35 (s, 1H), 3.79-3.72 (m, 8H), 2.55 (s, 3H).
【0231】
[実施例51]
(4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(チオモルホリノ)メタノンの調製
【0232】
【化58】
【0233】
4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにチオモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を26%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 8.06 (d, 1H), 7.67-7.62 (m, 2H), 7.56-7.51 (m, 2H), 7.44-7.33 (m, 4H), 3.87-3.84 (m, 4H), 2.67-2.65 (m, 4H).
【0234】
[実施例52]
(4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(1,4-オキサゼパン-4-イル)メタノンの調製
【0235】
【化59】
【0236】
4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これに1,4-オキサゼパン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を36%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.85 (d, 1H), 7.56-7.43 (m, 4H), 7.35-7.33 (m, 1H), 7.20-7.14 (m, 2H), 3.89-3.77 (m, 10H).
【0237】
[実施例53]
(7-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0238】
【化60】
【0239】
7-クロロ-4-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を25%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.56 (s, 1H), 7.48 (t, 2H), 7.45 (d, 1H), 7.31 (d, 1H), 7.18 (t, 2H), 3.73 (s, 8H).
【0240】
[実施例54]
(4-(4-ブロモフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0241】
【化61】
【0242】
(4-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン(1当量)をジメチレングリコールエーテル(DME)中に溶解させ、これにPd(PPh3)4(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、0.02当量)、4-ブロモフェニルボロン酸(1.1当量)及び2Mの炭酸ナトリウム(2MのNa2CO3)溶液(5当量)を添加し、続いて50℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温で冷却し、次いでセライトに通過させて濾過した。濾液を水及びEtOAcで洗浄及び抽出した。有機層中に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いてカラム分離した。結果として、標的化合物を27%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.85 (d, 1H), 7.62 (d, 2H), 7.53 (s, 1H), 7.47 (t, 1H), 7.41 (d, 2H), 7.35 (d, 1H), 3.73 (s, 8H).
【0243】
[実施例55]
(4-(6-メトキシピリジン-3-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0244】
【化62】
【0245】
(4-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン(1当量)をジメチレングリコールエーテル(DME)中に溶解させ、これにPd(PPh3)4(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、0.02当量)、6-メトキシピリジン-3-イルボロン酸(1.1当量)及び2Mの炭酸ナトリウム(2MのNa2CO3)溶液(5当量)を添加し、続いて50℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温で冷却し、次いでセライトに通過させて濾過した。濾液を水及びEtOAcで洗浄及び抽出した。有機層中に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いてカラム分離した。結果として、標的化合物を31%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 8.33 (s. 1H), 7.85 (d, 1H), 7.75 (dd, 1H), 7.53 (s, 1H), 7.48 (t, 1H), 7.34 (d, 1H), 6.88 (d, 1H), 4.01 (s, 3H), 3.73 (d, 8H).
【0246】
[実施例56]
(4-(3-フルオロベンジル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0247】
【化63】
【0248】
4-(3-フルオロベンジル)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を31%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.80 (d, 1H), 7.42 (q, 2H), 7.26 (t, 2H), 7.00 (d, 1H), 6.91 (q, 2H), 4.33 (s, 2H), 3.72 (s, 8H).
【0249】
[実施例57]
(4-(2,4-ジフルオロベンジル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0250】
【化64】
【0251】
4-(2,4-ジフルオロベンジル)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を17%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.75 (d, 1H), 7.52 (s, 1H), 7.35 (t, 1H), 7.17 (d, 1H), 6.99 (t, 1H), 6.85-6.73 (m, 2H), 4.26 (s, 2H), 3.73 (s, 8H).
【0252】
[実施例58]
(4-(2,4-ジフルオロフェニルアミノ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0253】
【化65】
【0254】
4-(2,4-ジフルオロフェニルアミノ)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を22%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.50 (d, 2H), 7.31 (t, 1H), 7.15-7.07 (m, 1H), 7.04 (d, 1H), 6.96-6.90 (td, 1H), 6.80 (t, 1H), 5.87 (s, 1H), 3.75 (d, 8H). 22%
【0255】
[実施例59]
(4-(4-フルオロフェノキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0256】
【化66】
【0257】
4-(4-フルオロフェノキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を52%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.57 (d, 2H), 7.30 (t, 1H), 7.06-7.03 (m, 4H), 6.74 (d, 1H), 3.79-3.73 (m, 8H).
【0258】
[実施例60]
(4-(4-フルオロフェネチル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0259】
【化67】
【0260】
4-(4-フルオロフェネチル)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を9%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.57 (s, 1H), 7.41 (d, 1H), 7.34-7.10 (m, 4H), 7.01 (t, 1H), 6.74 (d, 1H), 4.30 (t, 2H), 3.77 (d, 3H), 3.16 (t, 2H).
【0261】
[実施例61]
(4-(4-フルオロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0262】
【化68】
【0263】
4-(4-フルオロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を60%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.69 (s, 1H), 7.45 (m, 3H), 7.34 (t, 1H), 7.11 (m, 2H), 6.85 (d, 1H), 5.19 (s, 2H), 3.80 (m, 8H).
【0264】
[実施例62]
(4-(4-フルオロベンジルスルホニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0265】
【化69】
【0266】
4-(4-フルオロベンジルスルホニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を60.5%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 8.14 (d, 1H), 7.84 (s, 1H), 7.79 (d, 1H), 7.48 (t, 1H), 6.93 (m, 4H), 4.37 (s, 2H), 3.76 (s, 6H).
【0267】
[実施例63]
(4-(2,4-ジフルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0268】
【化70】
【0269】
(4-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン(1当量)をジメチレングリコールエーテル(DME)中に溶解させ、これにPd(PPh3)4(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、0.02当量)、2,4-ジフルオロフェニルボロン酸(1.1当量)及び2Mの炭酸ナトリウム(2MのNa2CO3)溶液(5当量)を添加し、続いて50℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温で冷却し、次いでセライトに通過させて濾過した。濾液を水及びEtOAcで洗浄及び抽出した。有機層中に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いてカラム分離した。結果として、標的化合物を51%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.89 (d, 1H), 7.79 (d, 1H), 7.60-7.55 (m, 1H), 7.50-7.23 (m, 4H), 3.79-3.72 (m, 8H).
【0270】
[実施例64]
メチル4-(2-(モルホリン-4-カルボニル)ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ベンゼンスルフィネートの調製
【0271】
【化71】
【0272】
(4-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン(1当量)をジメチレングリコールエーテル(DME)中に溶解させ、これにPd(PPh3)4(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、0.02当量)、4-(メトキシスルフィニル)フェニルボロン酸(1.1当量)及び2Mの炭酸ナトリウム(2MのNa2CO3)溶液(5当量)を添加し、続いて50℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温で冷却し、次いでセライトに通過させて濾過した。濾液を水及びEtOAcで洗浄及び抽出した。有機層中に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いてカラム分離した。結果として、標的化合物を66%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 8.07 (d, 2H), 7.91 (d, 1H), 7.74 (d, 2H), 7.53-7.75 (m, 2H), 7.40 (d, 1H), 3.73 (brs, 8H), 3.14 (s, 3H).
【0273】
[実施例65]
(7-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0274】
【化72】
【0275】
7-(4-フルオロフェニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を36%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 7.93 (d, 1H), 7.82 (s, 1H), 7.76-7.19 (m, 2H), 7.54 (t, 1H), 7.48 (d, 1H), 7.40-7.34 (m, 2H), 3.65-3.63 (m, 8H).
【0276】
[実施例66]
(4-(6-フルオロピリジン-3-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン塩酸塩の調製
【0277】
【化73】
【0278】
(4-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン(1当量)をジメチレングリコールエーテル(DME)中に溶解させ、これにPd(PPh3)4(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、0.02当量)、6-フルオロピリジン-3-イルボロン酸塩酸塩(1.1当量)及び2Mの炭酸ナトリウム(2MのNa2CO3)溶液(5当量)を添加し、続いて50℃で終夜間撹拌した。反応混合物を室温で冷却し、次いでセライトに通過させて濾過した。濾液を水及びEtOAcで洗浄及び抽出した。有機層中に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いてカラム分離した。結果として、標的化合物を54%の収率で得た。
8.39 (s, 1H), 7.99-7.89 (m, 2H), 7.53-7.47 (m, 2H), 7.37 (d, 1H), 7.10 (d, 1H), 3.73 (s, 8H).
【0279】
[実施例67]
(4-(4-フルオロベンジル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0280】
【化74】
【0281】
4-(4-フルオロベンジル)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を51%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.74 (d, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.35 (t, 1H), 7.18-7.10 (m, 4H), 6.95 (t, 1H), 4.27 (s, 2H), 3.68 (s, 8H).
【0282】
[実施例68]
(4-(4-フルオロフェニルアミノ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0283】
【化75】
【0284】
4-(4-フルオロフェニルアミノ)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を26%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.48 (s, 1H), 7.43 (d, 1H), 7.29 (d, 1H), 7.01 (dd, 4H), 5.94 (s, 1H), 3.74 (d, 8H).
【0285】
[実施例69]
(4-((4-フルオロフェニル)(メチル)アミノ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0286】
【化76】
【0287】
(4-(4-フルオロフェニルアミノ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン(1当量)をTHF中に溶解させ、これに水素化ナトリウム(NaH、1.1当量)を0℃で添加し、続いて撹拌した。ヨウ化メチル(MeI、1.1当量)を反応混合物に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応混合物を水及びEtOAcで洗浄及び抽出した。有機層中に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いてカラム分離した。結果として、標的化合物を69%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.61 (d, 1H), 7.41 (t, 1H), 7.14 (d, 1H), 6.99 (s, 1H), 6.91 (t, 2H), 6.77 (q, 2H), 3.62 (s, 8H), 3.39 (s, 3H).
【0288】
[実施例70]
4-フルオロ-N-(2-(モルホリン-4-カルボニル)ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)ベンゼンスルホンアミドの調製
【0289】
【化77】
【0290】
4-(4-フルオロフェニルスルホンアミド)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を19%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 8.00 (s. 1H), 7.71 (s, 1H), 7.66-7.60 (m, 3H), 7.29 (d, 1H), 7.17 (d, 1H), 6.93 (t, 2H), 3.74 (brs, 8H).
【0291】
[実施例71]
(4-(4-フルオロベンジルチオ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0292】
【化78】
【0293】
4-(4-フルオロベンジルチオ)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を58.8%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.75 (d, 1H), 7.63 (s, 1H), 7.33 (d, 2H), 7.16 (t, 2H), 6.93 (t, 2H), 4.12 (s, 2H), 3.77 (d, 8H).
【0294】
[実施例72]
1-メチル-5-(2-(モルホリン-4-カルボニル)ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)-1H-ピロール-2-カルボニトリルの調製
【0295】
【化79】
【0296】
(4-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン(1当量)をジメチレングリコールエーテル(DME)中に溶解させ、これにPd(PPh3)4(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、0.02当量)、5-シアノ-1-メチル-1H-ピロール-2-イルボロン酸(1.1当量)及び2Mの炭酸ナトリウム(2MのNa2CO3)溶液(5当量)を添加し、続いて50℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温で冷却し、次いでセライトに通過させて濾過した。濾液を水及びEtOAcで洗浄及び抽出した。有機層中に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いてカラム分離した。結果として、標的化合物を39%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.93 (d, 1H), 7.49 (t, 1H), 7.36-7.31 (m, 2H), 6.93 (d, 1H), 6.31 (d, 1H), 3.74-3.63 (m, 11H).
【0297】
[実施例73]
(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0298】
【化80】
【0299】
(4-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン(1当量)をジメチレングリコールエーテル(DME)中に溶解させ、これにPd(PPh3)4(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、0.02当量)、1-メチル-1H-ピラゾール-4-イルボロン酸(1.1当量)及び2Mの炭酸ナトリウム(2MのNa2CO3)溶液(5当量)を添加し、続いて50℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温で冷却し、次いでセライトに通過させて濾過した。濾液を水及びEtOAcで洗浄及び抽出した。有機層中に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いてカラム分離した。結果として、標的化合物を45%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.93 (d, 1H), 7.61 (d, 1H), 7.49 (t, 1H), 7.36-7.35 (m, 2H), 6.39 (d, 1H), 3.78-3.73 (m, 11H).
【0300】
[実施例74]
モルホリノ(4-(チオフェン-2-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)メタノンの調製
【0301】
【化81】
【0302】
4-(チオフェン-2-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を53%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.88 (s, 1H), 7.82 (d, 1H), 7.49 (t, 1H), 7.42 (d, 2H), 7.31 (s, 1H), 7.17 (t, 1H), 3.76 (d, 8H).
【0303】
[実施例75]
(4-(フラン-3-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノンの調製
【0304】
【化82】
【0305】
4-(フラン-3-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1当量)をDMF中に溶解させ、これにモルホリン(1.01当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、1.1当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、1.1当量)及びTEA(3当量)を段階的に添加し、続いて室温で終夜撹拌した。反応を少量の水で停止させ、続いて水及びEtOAcを使用して抽出した。有機層に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いて真空乾燥を行った。次いで、カラム分離により標的化合物を71%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.79 (d, 1H), 7.71 (d, 2H), 7.57 (s, 1H), 7.42 (d, 2H), 6.72 (s, 1H), 3.76 (d, 8H).
【0306】
[実施例76]
モルホリノ(4-(チオフェン-3-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)メタノンの調製
【0307】
【化83】
【0308】
(4-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-イル)(モルホリノ)メタノン(1当量)をジメチレングリコールエーテル(DME)中に溶解させ、これにPd(PPh3)4(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、0.02当量)、チオフェン-3-イルボロン酸(1.1当量)及び2Mの炭酸ナトリウム(2MのNa2CO3)溶液(5当量)を添加し、続いて50℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温で冷却し、次いでセライトに通過させて濾過した。濾液を水及びEtOAcで洗浄及び抽出した。有機層中に残っている少量の水を無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空蒸留により除去し、続いてカラム分離した。結果として、標的化合物を83%の収率で得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.88 (s, 1H), 7.82 (d, 1H), 7.49 (t, 1H), 7.42 (d, 2H), 7.31 (s, 1H), 7.17 (t, 1H), 3.76 (d, 8H).
【0309】
[比較例1]
5-((1H-インドール-3-イル)メチル)-3-メチル-2-チオキソイミダゾリジン-4-オン(Nec-1)の調製
【0310】
【化84】
【0311】
本明細書において使用されている比較例1の化合物は、KDR Biotechから購入した。
【0312】
[比較例2]
5-((7-クロロ-1H-インドール-3-イル)メチル)-3-メチルイミダゾリジン-2,4-ジオン(Nec-1s)の調製
【0313】
【化85】
【0314】
本明細書において使用されている比較例2の化合物は、Biovisionから購入した。
【0315】
[比較例3]
ドキシサイクリンの調製
【0316】
【化86】
【0317】
本明細書において使用されている比較例3の化合物は、Drug Store 24hから購入した。
【0318】
実施例1〜76において調製された化合物の化学式を表1に示す。
【0319】
【表1】
【0320】
[実験例1]
RIPK1(受容体相互作用性セリン/トレオニン-タンパク質キナーゼ1)阻害活性の評価
以下の実験を実施することで、本発明の実施例の化合物のRIPK1(受容体相互作用性セリン/トレオニン-タンパク質キナーゼ1)阻害活性を評価した。
【0321】
HEK293(ヒト胎児腎臓293)細胞可溶化物中に免疫沈降させたRIPK1酵素を、キナーゼとして使用した。Cell.12;137(6):1112〜23(2009)に記載されている方法に従って、実験を実施した。RIPK1タンパク質をHEK293細胞株において過剰発現させ、これに溶解緩衝液(50mMのトリス-Cl[pH8.0]、150mMのNaCl、1mMのEDTA、1%のNP-40、0.4mMのフッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF))を添加して細胞溶解させた。遠心分離を13,000rpmで10分間実施することで、上澄みを分離させた。RIPK1単クローン抗体(610459、BD Bioscience)及びA/Gアガロースビーズ(sc-2003、Santa Cruz Biotechnology)をそこに添加し、続いて、4℃のローテーター内で12時間免疫沈降させた。
【0322】
免疫複合体を溶解緩衝液で2回洗浄し、次いでキナーゼアッセイ緩衝液(20mMのHEPES[pH7.6]、2mMのDTT、1mMのNaF、1mMのNa3Vo4、20mMのβ-グリセロホスフェート、20mMのPNPP、20mMのMgCl2、20mMのMnCl2、1mMのベンズアミジン(benzamidie)及び1mMのEDTA)で最後に洗浄した。キナーゼアッセイ緩衝液及び化合物をRIPK1免疫沈降物に添加し、続いて、24℃の恒温水浴において15分間反応させた。100μMのATP及び10μCiの[32P]γ-ATPをそこに添加した後、追加の反応を30℃で30分間誘発した。反応混合物をキナーゼアッセイ緩衝液で1回洗浄し、これにタンパク質負荷緩衝液を添加し、続いて100℃で3分間加熱した。次いで、反応混合物を8%のSDS-PAGEゲルに負荷した。リン酸化RIPK1の放射性画像をFLA-7000(GE healthcare)で検出した。画像Quant TLプログラムを使用して定量化した。結果を下記の表2に示す。
【0323】
【表2】
【0324】
表2に示されている通り、本発明の実施例の化合物はRIPK1阻害活性を有することを確認した。特に、本発明の実施例2、4、6、22、25、30、32、34、35、36、37、39、42、44、46、47、48、49、50、51、52、55、57、59、60、61、63、66、67、68、69、72、73、74、75、及び76の化合物は、RIPK1を少なくとも50%阻害することを確認した。さらに特に、実施例4、30、32、34、35、36、39、46、47、51、52、57、63、66、72、74、75及び76のそれら化合物は、RIPK1を80%以上阻害し、化合物が非常に優れた阻害活性を有することを示した。
【0325】
本発明の式1によって表される化合物は、網膜疾患を引き起こすRIPK1(受容体相互作用性セリン/トレオニン-タンパク質キナーゼ1)を阻害することに優れている。そのため、有効成分として上記の化合物を含む医薬組成物は、有利には、網膜疾患の予防又は処置のための医薬組成物として使用することができる。
【0326】
[実験例2]
酸素-グルコース欠乏(OGD)条件下での網膜神経保護効果の評価
以下の実験を実施することで、酸素-グルコース欠乏条件下で網膜神経に対する本発明の実施例の化合物の保護効果を評価した。
【0327】
網膜神経節細胞株RGC-5(ラット神経節細胞)を、10%のFBS(ウシ胎仔血清)及び1%のペニシリン/ストレプトマイシンが補充されたDMEM(ダルベッコ改変イーグル培地)中で培養した。細胞を96ウェルプレート中に8×103細胞/ウェルの密度で分配し、続いて37℃、CO2インキュベーターにおいて12時間培養した。細胞をPBSで1回洗浄し、培地をグルコースなしのDMEMと置き換えた。細胞をDMSO(0.1%)単独で(対照)又は表3に示されている実施例の化合物(20μM)のいずれかで処置し、続いて嫌気性インキュベーター(10%のH2、5%のCO2、85%のN2、37℃、チャンバー(ThermoForma、USA))において15時間培養することで、細胞死を誘発した。
【0328】
細胞死のレベルをLDH(乳酸脱水素酵素、Roche)アッセイによって測定した。LDHアッセイは、損傷した細胞から培地中に放出されたLDHの活性を測定するための方法である。NAD+をLDHによってNADH及びH+に還元し、テトラゾリウム塩INT環の結合をジアホラーゼによって切断することで、ホルマザンを形成した。Victor 3(PerkinElmer)を使用することによって490nmで、ホルマザンの吸光度を測定した。吸光度は死細胞の量を反映する。
【0329】
酸素-グルコース欠乏条件下での対照LDHのレベルを100%とみなし、同じ時間標準の培地(10%のFBS、DMEM)において培養された細胞群におけるLDHのレベルを0%とみなした。それに基づき、酸素-グルコース欠乏条件下で本発明の化合物で処置された細胞群のLDHのレベルを細胞死の相対比率に変換した。本発明の実施例の化合物を、3つのウェル毎に各化合物として、ウェルに処理し、次いで、各実験を三連で実施した。平均値を表3に示す。
【0330】
【表3】
【0331】
表3に示されている通り、本発明の実施例の化合物は、酸素グルコース欠乏条件下にて20μMの濃度で、比較例1及び2の化合物よりも良好な網膜神経保護効果を示した。特に、実施例1、2、3及び76の化合物は、50%未満もの網膜神経細胞の低い死亡率を実証した。すなわち、これらの化合物は、比較例1(89.5%)及び2(73.5%)の化合物より少ない細胞死を誘発した。したがって、本発明の化合物は、優れた網膜神経細胞保護効果を有することが確認された。
【0332】
そのため、本発明の式1によって表される化合物は、酸素-グルコース欠乏条件下で優れた網膜神経細胞保護効果を有することが確認されたことで、有効成分として上記の化合物を含む医薬組成物は、網膜疾患の予防又は処置のための医薬組成物として有効に使用することができる。
【0333】
[実験例3]
ネクロトーシス誘発(TCZ;TNFα+シクロヘキシミド+zVAD)条件下での網膜ニューロン保護効果の評価
以下の実験を実施することで、ネクロトーシス誘発条件下での本発明の化合物の網膜ニューロン保護効果を評価した。
【0334】
網膜神経節細胞株RGC-5(ラット神経節細胞-5)を、10%のFBS(ウシ胎仔血清)及び1%のペニシリン/ストレプトマイシンが補充されたDMEM(ダルベッコ改変イーグル培地)中で培養した。細胞を96ウェルプレート中に8×103細胞/ウェルの密度で分配し、続いて37℃、CO2インキュベーターにおいて12時間培養した。TNFα(10ng/ml)、シクロヘキシミド(10μg/ml)及びzVAD(10μM)(TCZ)が補充された培地を、DMSO(0.1%)単独で(対照)又は本発明の化合物(20μM)で処理し、続いて37℃、CO2インキュベーターにおいて15時間追加培養することで、細胞死を誘発した。
【0335】
細胞死のレベルをLDH(乳酸脱水素酵素、Roche)アッセイによって測定した。TCZ条件下での対照LDHのレベルを100%とみなし、標準培地(10%のFBS、DMEM)において同じ時間培養された細胞群におけるLDHのレベルを、細胞死の相対比率の測定のために使用した。本発明の実施例の化合物をウェルに、3つのウェル毎に各化合物として処理し、次いで各実験を三連で実施した。平均値を表4に示す。
【0336】
【表4】
【0337】
表4において、-は、実験が実施されなかったことを示す。
【0338】
表4に示されている通り、本発明の実施例の化合物は、ネクロトーシス誘発(TCZ;TNFα+シクロヘキシミド+zVAD)条件下にて20μMの濃度で網膜神経細胞保護効果を呈した。特に、実施例6、11及び17の化合物は、50%未満もの網膜神経細胞の低い死亡率を呈して、それらが優れた網膜ニューロン保護効果を有することを示唆した。
【0339】
そのため、本発明の式1によって表される化合物は、ネクロトーシス誘発条件下で優れた網膜神経細胞保護効果を有することが確認されたことで、有効成分として上記の化合物を含む医薬組成物は、網膜疾患の予防又は処置のための医薬組成物として有効に使用することができる。
【0340】
[実験例4]
RIPK1(受容体相互作用性セリン/トレオニン-タンパク質キナーゼ1)に対するIC50の評価
HEK293(ヒト胎児腎臓293)細胞可溶化物中に免疫沈降されたRIPK1酵素をキナーゼとして使用した。Cell.12;137(6):1112〜23(2009)に記載されている方法に従って、実験を実施した。
【0341】
RIPK1タンパク質をHEK293細胞株中で過剰発現させ、これに溶解緩衝液(50mMのTris-Cl[pH8.0]、150mMのNaCl、1mMのEDTA、1%のNP-40、0.4mMのフッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF))を添加して細胞溶解させた。遠心分離を13,000rpmで10分間実施することで、上澄みを分離させた。RIPK1単クローン抗体(610459、BD Bioscience)及びA/Gアガロースビーズ(sc-2003、Santa Cruz Biotechnology)をそこに添加し、続いて4℃ローテーターにおいて12時間免疫沈降させた。
【0342】
本発明の実施例の化合物を、10μM〜0.05μM(10uM、5uM、1uM、0.5uM、0.1uM、0.05uM)の異なる濃度で希釈し、免疫沈降させたRIPK1酵素と混合し、続いて24℃の恒温水浴において15分間反応させた。100μMのATP及び10μCiの[32P]γ-ATPをそこに添加した後に、追加の反応を30分間30℃で誘発した。反応混合物を緩衝液で1回洗浄し、これにタンパク質負荷緩衝液を添加し、続いて、100℃で3分間加熱した。次いで、反応混合物を8%のSDS-PAGEゲルに負荷した。リン酸化RIPK1の放射性画像をFLA-7000(GE healthcare)で検出した。画像Quant TLプログラムを使用して定量化した。結果に基づき、シグマプロット10.0プログラムを使用することによって、化合物のIC50を算出した。結果を表5に示す。
【0343】
【表5】
【0344】
表5において、-は、実験が実施されなかったことを示す。
【0345】
表5に示されている通り、本発明の実施例の化合物は、RIPK1(受容体相互作用性セリン/トレオニン-タンパク質キナーゼ1)に対して低いIC50濃度を有することが確認された。特に、実施例36、74、75及び76の化合物は、比較例1の化合物よりも低い濃度でRIPK1(受容体相互作用性セリン/トレオニン-タンパク質キナーゼ1)の50%阻害を実証した。
【0346】
そのため、本発明の式1によって表される化合物は、網膜疾患を引き起こすRIPK1(受容体相互作用性セリン/トレオニン-タンパク質キナーゼ1)を低い濃度でも阻害するための優れた活性を有することが確認されたことで、有効成分として上記の化合物を含む医薬組成物は、網膜疾患の予防又は処置のための医薬組成物として有効に使用することができる。
【0347】
[実験例5]
滴下注入による網膜細胞保護効果の評価
以下の実験を実施することで、本発明の式1によって表される化合物の網膜細胞保護効果を評価した。
【0348】
最初に、下記の表6に示されている通りの点眼薬型組成物(%)を有する実施例39並びに比較例1及び2の点眼薬を調製した。
【0349】
【表6】
【0350】
表6において、-は、添加なしを示す。
【0351】
8週齢の乾燥型黄斑変性ラットモデルへのヨウ素酸ナトリウム(SI)の投与前の3日から、本発明の化合物を1日2回滴下注入し(50μl/各点眼滴下注入)、及びSI(ip、50mg/kg)を1回投与した。追加として、化合物を1日2回7日間滴下注入した。7日後に、眼球を抽出し、続いてH&E染色することで、網膜細胞保護効果を調査した(n=3、6つの目)。図1は、乾燥型黄斑変性ラットモデル及び本発明の化合物の点眼滴下注入の構成を例示する模式図である。
【0352】
図1に記載されているのと同じ方式によって構築された乾燥型黄斑変性ラットモデルから、眼球を抽出し、続いて組織染色した。結果として、実施例39の化合物が点眼滴下注入された眼球にも、比較例1及び2の化合物が点眼滴下注入された眼球にも、網膜変性は観察されなかった。結果を図2に示す。
【0353】
網膜色素上皮細胞の生存率(%)を測定するため、実験ラットから抽出された眼球を、4%のグルタルアルデヒド溶液中に4時間固定し、パラフィンに包埋した。組織切片を5μm厚で調製し、続いて、H&E(ヘマトキシリンエオシン)染色した。RPE(網膜色素上皮)層内の2〜3の異なる領域の顕微鏡写真を100x光学顕微鏡(Leica)で撮り、染色細胞数をカウントした。正常ラット群におけるRPE細胞数を100%とみなし、これに基づき生存率を算出した。結果を図3に示す。
【0354】
図3に示されている通り、本発明の実施例39(F001及びF002)の化合物は、比較例1及び2の化合物よりも良好な網膜色素上皮細胞保護効果を呈した。
【0355】
そのため、本発明の式1によって表される化合物は、網膜変性を引き起こさないが、優れた網膜色素上皮細胞保護効果を有することが確認されたことで、有効成分として上記の化合物を含む医薬組成物は、網膜疾患の予防又は処置のための医薬組成物として有効に使用することができる。
【0356】
[実験例6]
滴下注入による網膜層厚低減に対する保護効果の評価1
以下の実験を実施することで、本発明の化合物の網膜層厚保護効果を評価した。
【0357】
ONL(外顆粒層)細胞数(%)を測定するため、実験例5において使用されたラットから抽出された眼球の組織切片を、H&E溶液で染色した。外顆粒層における染色細胞数を、光学顕微鏡で撮影することによってカウントした。各網膜について、10の異なる領域を選択して細胞をカウントした。正常群の細胞数を100%とみなした。結果を図4(A)に示す。
【0358】
図4(A)に示されている通り、本発明の実施例39(F001及びF002)の化合物は、比較例1及び2の化合物よりも良好なONL細胞保護効果を呈した。
【0359】
ONL(外顆粒層)の厚さ(μm)を測定するため、実験例5において使用されたラットから抽出された眼球の組織切片を、H&E溶液で染色した。光学顕微鏡によって写真を撮り、「画像J」プログラムを使用することによって、ONLの厚さを測定した。各網膜について、10の異なる領域を分析した。正常群のONLの厚さ(μm)を100%とみなした。結果を図4(B)に示す。
【0360】
図4(B)に示されている通り、本発明の実施例39(F001及びF002)の化合物は、比較例1及び2の化合物よりも良好なONL厚保護効果を呈した。
【0361】
そのため、本発明の式1によって表される化合物は、外顆粒層細胞保護効果を有するだけでなく、外顆粒層厚保護効果も有することが確認されたことで、これを有効成分として含む医薬組成物は、網膜疾患の処置のための医薬組成物として有効に使用することができる。
【0362】
[実験例7]
MRI(磁気共鳴画像法)による網膜剥離阻害効果の評価
以下の実験を実施することで、本発明の化合物の網膜剥離阻害効果を評価した。
【0363】
最初に、1mlの60mg/mlヨウ素酸ナトリウム(SI)を、茶色いウサギ(チンチラ、雄性、3kg)に静脈内注射することで、網膜色素上皮及び光受容体細胞の変性を誘発して、乾燥型黄斑変性ウサギモデルの構築をもたらした。SI投与の1週後に、網膜変性(Eye 2005.19、464〜468)が観察されており、化合物の点眼滴下注入を示す模式図を図5に示す。
【0364】
乾燥型黄斑変性ウサギモデルに、本発明の化合物を7日間(100μl、1日2回)滴下注入した。7日目に、小動物のためのMRIによって、眼球を撮影した。結果として、図6に示されている通り、網膜剥離は非処置群において観察されたが、実施例39(F001及びF002)の化合物で処置された群は、正常の網膜構造を示した。
【0365】
そのため、本発明の式1によって表される化合物は、優れた網膜剥離阻害効果を有することが確認されたことで、これを有効成分として含む医薬組成物は、網膜疾患の処置のための医薬組成物として有効に使用することができる。
【0366】
[実験例8]
組織染色(H&E染色)することによる網膜変性阻害効果の評価
以下の実験を実施することで、本発明の化合物の網膜変性阻害効果を評価した。
【0367】
実験例7の乾燥型黄斑変性ウサギモデルから得られた眼球を、4%のパラホルムアルデヒド中に固定した。角膜及びレンズを除去し、続いてアルコールで脱水し、次いでパラフィンブロックを調製した。ミクロトームを使用することによって、組織ブロックを切断して、組織スライドを調製した。組織スライドをヘマトキシリン-エオシンで染色し(H&E染色)、続いて光学顕微鏡下で観察した。結果を図7に示す。
【0368】
図7に示されている通り、網膜構造は、非処置群において変化及び変性された。しかしながら、網膜構造は、実施例39(F001及びF002)の化合物で処置された群において依然として正常であった。
【0369】
そのため、本発明の式1によって表される化合物は、優れた網膜変性阻害効果を有することが確認されたことで、これを有効成分として含む医薬組成物は、網膜疾患の処置のための医薬組成物として有効に使用することができる。
【0370】
[実験例9]
滴下注入による網膜層厚低減に対する保護効果の評価2
以下の実験を実施することで、本発明の化合物の網膜層厚保護効果を評価した。
【0371】
実験例7において使用された乾燥型黄斑変性ウサギモデルから、眼球を抽出し、ONLの厚さを測定した。結果として、本発明の実施例39の化合物は70〜80%の網膜層厚保護効果を呈しており、結果を図8に示す。
【0372】
そのため、本発明の式1によって表される化合物は、優れた網膜層厚保護効果を有することが確認されたことで、これを有効成分として含む医薬組成物は、網膜疾患の処置のための医薬組成物として有効に使用することができる。
【0373】
[実験例10]
ERG(網膜電図検査)による薬効の評価1
以下の実験を実施することで、ERG(網膜電図検査)による本発明の化合物の薬効を評価した。
【0374】
正常ウサギを麻酔にかけ、これを20分間暗室にて適応させた。網膜電位差をERG装置によって測定した。網膜電図検査は、2つの光強度を用いて光受容体細胞の応答を観察する方法である。特に、A波及びB波を100mcdから10000mcdで測定し、網膜電位差を3000mcdで測定した。模式図を図9に示す。波Aへのより強い応答が選択される光受容体細胞を観察することによって、薬効を評価した。
【0375】
網膜変性ウサギモデルを使用して、乾燥型黄斑変性について候補物質の評価を実施した。比較例2及び3の化合物を比較化合物として使用した。本発明の実施例39及び比較例2の化合物を、表2に示されている通りの点眼薬として製剤化し、これらを1日2回滴下注入した(100μl/点眼滴下注入)。比較例3の化合物を、1日1回経口投与した(10mg/ウサギ、生理食塩水中に溶解させた)。1週後に、ERGを実施し、結果を表7、図10及び図11に示す。
【0376】
【表7】
【0377】
表7において、
MHは、水中に溶解しなかったので経口投与のために使用された一水和物を示し;
HCは、水中に十分溶解しなかったので注射/経口調製物として使用されたヒクレート(hyclate)を示す。
【0378】
表7及び図10に示されている通り、SI(ヨウ素酸ナトリウム)誘発網膜変性モデルでERGを実施した場合、波Aは網膜変性モデルにおいて有意に低減された。それは、正常と比較して、300mcdで50%に低減された。特に、実施例39-F004の化合物の薬効(81%)は、経口投与された比較例3-HCの化合物(ドキシサイクリン、31%)よりも有意に高く、実施例39の化合物が、より良好な網膜保護効果を有することを示唆した。
【0379】
図11に示されている通り、実施例39-F003及び例39-F004の化合物は、正常(100%)と比較して、それぞれ81.9%及び91.2%の応答を呈することが確認された。その一方で、比較例2-F001、比較例2-F002、比較例3-MH及び比較例3-HCの化合物は、正常(100%)と比較して、それぞれ90.9%、82.9%、74.1%及び66.9%の応答を呈することが確認された。より正確には、実施例39-F003(81.9%)及び実施例39-F004(91.2%)の化合物は、比較例3-MH(74.1%)及び比較例3-HC(66.9%)の化合物よりも有意に高い応答強度を呈した。
【0380】
そのため、本発明の式1によって表される化合物は、優れた細胞保護効果を有することが確認されたことで、それを有効成分として含む医薬組成物は、網膜疾患の処置のための医薬組成物として有効に使用することができる。
【0381】
[実験例11]
眼底検査による薬効の評価
本発明の化合物の薬効を評価するため、網膜基底写真を使用して、以下の実験を実施した。
【0382】
最初に、乾燥型黄斑変性ブタモデルを構築するため、10mg/kgのヨード酢酸(IAA)をPBS(リン酸緩衝生理食塩水)中に溶解させ、ミニブタ(Yutacan Micropig)に静脈内注射した。IAA投与の1週後、網膜変性が網膜基底写真及び蛍光(Experimental eye research 2012。97、137〜147)によって確認され、化合物の点眼滴下注入を示す模式図を図12に示す。
【0383】
本発明の化合物の点眼滴下注入を、図12に示されている通りのIAA投与の前日から実施した。ブタにおける網膜変性の誘発の7日後、網膜基底写真を撮り、結果を図13に示す。
【0384】
図13に示されている通り、非処置群(ビヒクル)において、網膜色素上皮が変性されたことで、脈絡膜血管及び明領域が観察された。比較例(2-F001(点眼滴下注入)及び3-HC(経口投与))の化合物で処置された群において、損傷領域(*)が観察された。しかしながら、本発明の実施例39の化合物(39-F004、点眼滴下注入)で処置された群において、正常網膜が観察された。
【0385】
そのため、本発明の式1によって表される化合物は、優れた網膜剥離阻害効果を有することが確認されたことで、これを有効成分として含む医薬組成物は、網膜疾患の処置のための医薬組成物として有効に使用することができる。
【0386】
[実験例12]
ERG(網膜電図検査)による薬効の評価2
以下の実験を実施することで、ERG(網膜電図検査)による本発明の化合物の薬効を評価した。
【0387】
乾燥型黄斑変性ウサギモデルの代わりに乾燥型黄斑変性ブタモデルを使用したことを除いて実験例10に記載されているのと同じ方式によって、実験を実施した。結果を表8、図14及び図15に示す。
【0388】
【表8】
【0389】
表8において、比較例3-HCの化合物の組成物は、生理食塩水(0.9%)であった。
【0390】
表8、図14及び図15に示されている通り、波A応答は正常群において観察されたが、波A応答は比較例(2-F001及び3-HC)の化合物で処置された群において低減された。その一方で、全てのA波が、実施例39-F004処置群において保存された。これは、実施例39(F004)の化合物が、比較例(2-F001及び3-HC)の化合物よりも良好な網膜保護効果を有していたことを意味する。
【0391】
そのため、本発明の式1によって表される化合物は、優れた細胞保護効果を有することが確認されたことで、これを有効成分として含む医薬組成物は、網膜疾患の処置のための医薬組成物として有効に使用することができる。
【0392】
[製造例1]
点眼薬の調製
式1によって表される誘導体 0.1g
アミノエチルスルホン酸 0.2g
塩化ベンザルコニウム 0.005g
チロキサポール 0.02g
ポビドン(K3O) 2.0g
酢酸ナトリウム 0.02g
濃グリセリン 2.2g
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
合計 100ml
【0393】
点眼薬を調製するための従来の方法により全ての上記構成成分を混合することによって、点眼薬を調製した。
【0394】
[製造例2]
健康食品の調製
式1によって表される誘導体 500ng
ビタミン複合体 適量
ビタミンAアセテート 70mg
ビタミンE 1.0mg
ビタミンB1 0.13mg
ビタミンB2 0.15mg
ビタミンB6 0.5mg
ビタミンB12 0.2mg
ビタミンC 10mg
ビオチン 10mg
ニコチン酸アミド 1.7mg
葉酸 50mg
パントテン酸カルシウム 0.5mg
鉱物 適量
硫酸第一鉄 1.75mg
酸化亜鉛 0.82mg
炭酸マグネシウム 25.3mg
第一リン酸カリウム 15mg
第二リン酸カリウム 55mg
クエン酸カリウム 90mg
炭酸カルシウム 100mg
塩化マグネシウム 24.8mg
【0395】
健康食品のための好ましい組成比に従って、ビタミン及び鉱物を混合した。しかしながら、組成比は調整することができる。健康食品を調製するための従来の方法に従って構成要素を混合し、次いで、従来の方法に従って健康食品のための組成物を調製した。
【0396】
[製造例3]
健康飲料の調製
式1によって表される誘導体 500ng
クエン酸 1000mg
オリゴ糖 100g
Maesil(ウメ)抽出物 2g
タウリン 1g
精製水 最大900mlまで
【0397】
健康飲料を調製するための従来の方法に従って、上記構成要素を混合した。混合物を85℃で1時間撹拌しながら加熱し、次いで濾過した。濾液を2リットルの滅菌容器に充填し、容器を密閉し、再び滅菌し、健康飲料のための組成物の調製のために使用されるまで冷蔵庫内で貯蔵した。
【0398】
好みの飲料に適切な構成要素を、好ましい混合比に従って混合したが、組成比率は、地域及び国家の優先度などに従って調整することができる。
【0399】
工業適用性
本発明の新規なインデン誘導体、その光学異性体、又はその薬学的に許容される塩は、受容体相互作用性セリン/トレオニン-タンパク質キナーゼ1(RIPK1)の優れた阻害効率を有する。そのため、それを有効成分として含有する組成物は、網膜色素変性(RP)、レーバー先天性黒内障(LCA)、シュタルガルト病、アッシャー症候群、コロイデレミア、桿体錐体又は錐体棹体ジストロフィー、繊毛病、ミトコンドリア障害、進行性網膜萎縮、変性網膜疾患、加齢黄斑変性(AMD)、滲出型AMD、乾燥型AMD、地図状萎縮、遺伝性又は後天性の黄斑変性、網膜光受容体疾患、網膜色素上皮疾患、糖尿病性網膜症、嚢胞性黄斑浮腫、ぶどう膜炎、網膜剥離、外傷性網膜損傷、医原性網膜損傷、黄斑円孔、黄斑毛細血管拡張、神経節細胞疾患、視神経疾患、緑内障、視神経症、虚血性網膜疾患、早産の網膜症、網膜血管の閉塞、遺伝性マクロ動脈瘤、網膜血管疾患、眼血管疾患、緑内障性網膜神経変性、虚血性視神経症などによって例証される網膜疾患を予防又は処置するための医薬組成物として有効に使用することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】