特表2017-524846(P2017-524846A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-524846山の縦方向への地下原子力発電所結合空洞群の建設レイアウト
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-524846(P2017-524846A)
(43)【公表日】2017年8月31日
(54)【発明の名称】山の縦方向への地下原子力発電所結合空洞群の建設レイアウト
(51)【国際特許分類】
   E21D 9/14 20060101AFI20170804BHJP
   G21C 1/00 20060101ALI20170804BHJP
【FI】
   E21D9/14
   G21C1/00 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-517168(P2017-517168)
(86)(22)【出願日】2015年5月27日
(85)【翻訳文提出日】2017年2月7日
(86)【国際出願番号】CN2015079885
(87)【国際公開番号】WO2015188695
(87)【国際公開日】20151217
(31)【優先権主張番号】201410264204.6
(32)【優先日】2014年6月13日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201420316771.7
(32)【優先日】2014年6月13日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516369701
【氏名又は名称】▲長▼江勘▲測▼▲規▼▲劃▼▲設▼▲計▼研究有限▲責▼任公司
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼▲啓▼▲貴▼
(72)【発明者】
【氏名】▲鈕▼新▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】▲蘇▼利▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼百▲興▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼立新
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼▲しん▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼学▲紅▼
(72)【発明者】
【氏名】李▲鋒▼
(72)【発明者】
【氏名】▲華▼夏
(72)【発明者】
【氏名】朱学▲賢▼
(72)【発明者】
【氏名】▲韓▼前▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】潘霄
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼海波
(57)【要約】
【課題】山の縦方向への地下原子力発電所の結合空洞群の建設レイアウトを提供する。
【解決手段】原子炉プラント空洞(1)と、2個の結合空洞と、2個の電気プラント空洞(2)と、2個の圧力開放空洞(7)と、第1主通行トンネル(8)と、第2主通行トンネル(9)と、第3主通行トンネル(10)を含む。3個の主通行トンネルは地表と連通する。原子炉プラント空洞(1)、結合空洞、電気プラント空洞(2)、圧力開放空洞(7)は、原子力アイランドプラント空洞群を形成する。原子力アイランドプラント空洞群の各空洞の上側スキューバック又は上側端壁は、上側層空洞支持システムを介して、地表と連通する。原子力アイランドプラント空洞群の各空洞の側壁下側は、下側層空洞支持システムを介して、3個の主通行トンネルと連通する。本建設レイアウトによれば、総距離が短く、安全性が高く、建設しやすく、投資が節約され、高度にモジュール化されるとともに、原子力発電工学の技術分野において、広く適用され得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
山の縦方向への地下原子力発電所の結合空洞群の建設レイアウトであって、前記建設レイアウトは2個の原子炉プラント空洞(1)を含み、山の縦方向と垂直な前記2個の原子炉プラント空洞の中間軸の連結線を有し、結合空洞は、山の縦方向において、前記2個の原子炉プラント空洞(1)各々の一方側に載置され、電気プラント空洞(2)及び圧力開放空洞(7)が、山の縦方向と垂直に2個の原子炉プラント空洞(1)各々の両側に載置され、各電気プラント空洞(2)の配置は、前記山の縦方向と垂直であり、第1主通行トンネル(8)及び第3主通行トンネル(10)は、前記山の縦方向において、2個の結合空洞の両外側に載置され、第2主通行トンネル(9)は、前記山の縦方向において、前記2個の結合空洞の間に載置され、前記第1主通行トンネル(8)、第2主通行トンネル(9)、及び第3主通行トンネル(10)各々の一端は、地表と連通しており、原子力アイランドプラント空洞群は、原子炉プラント空洞(1)と、結合空洞と、電気プラント空洞(2)と、圧力開放空洞(7)により形成され、前記原子力アイランドプラント空洞群の各空洞の上側アーチのスキューバック又は端壁は、建設の際に機能する上側坑道システムを介して、地表と連通し、前記原子力アイランドプラント空洞群の各空洞の側壁下側又は端壁下側は、前記第1主通行トンネル(8)、第2主通行トンネル(9)、及び第3主通行トンネル(10)と、スラグ排出管路として作用する下側坑道システムを介して連通する、山の縦方向への地下原子力発電所の結合空洞群の建設レイアウト。
【請求項2】
前記上側坑道システムは、第1主坑道(41)と、第1原子炉プラント空洞の上側坑道(42)と、第2原子炉プラント空洞の上側坑道(43)と、第2主坑道(31)と、第3主坑道(32)と、前記結合空洞の端部の上側坑道(33)と、前記電気プラント空洞の上側坑道(34)と、前記結合空洞の中央部分の上側坑道(35)と、第1の圧力開放空洞の上側坑道(36)と、第2の圧力開放空洞の上側坑道(37)を含み、前記第1主坑道(41)と、第2主坑道(31)と、第3主坑道(32)は、前記山の縦方向に配置されるとともに、地表と連通し、前記第1主坑道(41)の高度は、前記第2主坑道(31)の高度及び第3主坑道(32)の高度よりも高く、前記第1主坑道(41)は、前記2個の原子炉プラント空洞(1)の上側アーチのスキューバックと、前記第1原子炉プラント空洞の上側坑道(42)及び第2原子炉プラント空洞の上側坑道(43)夫々を介して連結され、前記第2主坑道(31)の一端及び前記第3主坑道(32)の一端は、対応する結合空洞の端部の上側アーチ端壁と連通し、前記第2主坑道(31)の中央部分は、一方の結合空洞の端部の上側アーチ端壁と、その結合空洞の端部の上側坑道(33)を介して連通し、前記第3主坑道(32)の中央部分は、他方の結合空洞の端部の上側アーチ端壁と、その結合空洞の端部の上側坑道(33)を介して連通し、前記結合空洞の端部の上側坑道(33)の中央部分は、前記電気プラント空洞(2)の一端の上側アーチ端壁と、前記電気プラント空洞(2)の上側坑道(34)を介して連通し、前記第2主坑道(31)の中央部分は、一方の結合空洞の中央部分の上側アーチのスキューバックと、その結合空洞の中央部分の上側坑道(35)を介して連通し、前記第3主坑道(32)の中央部分は、他方の結合空洞の中央部分の上側アーチスキューバックと、その結合空洞の中央部分の上側坑道(35)を介して連通し、前記第1の圧力開放空洞の上側坑道(36)と第2の圧力開放空洞の上側坑道(37)は、前記第3主坑道(32)の中央部分及び端部に載置されており、前記第1の圧力開放空洞(7)の上側アーチスキューバック及び第2の圧力開放空洞(7)の上側アーチスキューバック夫々と連通する、請求項1の山の縦方向への地下原子力発電所の結合空洞群の建設レイアウト
【請求項3】
前記上側坑道システムの各上側坑道は、12%よりも小さい長手状傾斜を有する、請求項2の山の縦方向への地下原子力発電所の結合空洞群の建設レイアウト。
【請求項4】
前記下側坑道システムは、前記第1原子炉プラント空洞の下側坑道(21)と、前記結合空洞の一端の下側坑道(22)と、前記電気プラント空洞の下側坑道(23)と、前記結合空洞の第2端部の下側坑道(24)と、前記圧力開放空洞の下側坑道(25)を含み、前記第2主通行トンネル(9)は、前記第1原子炉プラント空洞(1)の側壁下側及び第1の圧力開放空洞(7)の下側と、一方の第1原子炉プラント空洞の下側坑道(21)及び一方の圧力開放空洞の下側坑道(25)夫々を介して連通し、前記第3主通行トンネル(10)は、前記第2原子炉プラント空洞(1)の側壁下側及び第2の圧力開放空洞(7)の下側と、第1原子炉プラント空洞の下側坑道(21)及び第1の圧力開放空洞の下側坑道(25)夫々を介して連通し、前記第1主通行トンネル(8)は、前記一方の結合空洞の一端の端壁下側と、その結合空洞の端部の下側坑道(22)を介して連通し、前記第2主通行トンネル(9)は、他方の結合空洞の一端の端壁下側と、その結合空洞の端部の下側坑道(22)を介して連通し、前記結合空洞の一端の下側坑道(22)各々は、対応する電気プラント空洞(2)の端壁下側と、連結される各電気プラント空洞の下側坑道(23)を介して連通し、前記第2主通行トンネル(9)の他端は、一方の結合空洞の他端の端壁下側と、その結合空洞の端部の下側坑道(24)を介して連通し、前記第3主通行トンネル(10)の他端は、他方の結合空洞の他端の端壁下側と、その結合空洞の端部の下側坑道(24)介して連通する、請求項2の山の縦方向への地下原子力発電所の結合空洞群の建設レイアウト。
【請求項5】
前記下側坑道システムの各下側坑道は、12%よりも小さい長手状傾斜を有する、請求項4の山の縦方向への地下原子力発電所の結合空洞群の建設レイアウト。
【請求項6】
前記結合空洞は各々、長手方向に直列で連結される第1安全プラント空洞(3)と、核燃料プラント空洞(4)と、第2安全プラント空洞(5)と、原子力補助プラント空洞(6)を含み、前記結合空洞の一端の下側坑道(22)各々は、前記第1安全プラント空洞(3)の端壁下側と連通し、前記結合空洞の他端の下側坑道(24)各々は、前記原子力補助プラント空洞(6)の側壁下側と連通し、前記第2主坑道(31)及び第3主坑道(32)の一方の端部は、対応する原子力補助プラント空洞(6)の外側端面の上側アーチ端壁と連通し、前記結合空洞の端部の上側坑道(33)各々は、前記第1安全プラント空洞(3)の外側端面の上側アーチ端壁と連通し、前記結合空洞の中央部分の上側坑道(35)各々は、前記第2安全プラント空洞(5)の上側アーチスキューバックと連通する、請求項4の山の縦方向への地下原子力発電所の結合空洞群の建設レイアウト。
【請求項7】
前記2個の原子炉プラント空洞(1)各々は、対応する前記電気プラント空洞(2)と、地表と連通している一次蒸気管路(11)を介して連通し、前記2個の原子炉プラント空洞(1)には、地表と連通している対応する機器搬送管路(12)が設けられる、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の山の縦方向への地下原子力発電所の結合空洞群の建設レイアウト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力発電計画の技術分野に関し、特に、山の縦方向への地下原子力発電所結合空洞群の建設レイアウトに関する。
【背景技術】
【0002】
中国の第12次5か年計画(エネルギ計画)によれば、原子力発電所の建設を加速させることが提案されている。しかし、日本の福島での原子力事故の影響により、チェルノブイリ事故の影から抜け出そうとしていた世界中の原子力発電産業は、再度停滞することとなった。これに鑑み、原子力発電計画の国家的な実験や承認は、より厳しく慎重になり、原子力発電所に対するより高い安全性が求められ、原子力発電所全体又はその一部が地下に配置されるという、新しいタイプの原子力発電所の建設レイアウトを開発することが、増々検討されている。
【0003】
地下空洞群では、水力発電所の地下プラント空洞群は、比較的一般的である。地下原子力発電所の空洞群における計画規模は、水力発電所の空洞群と同程度である。しかし、地下原子力発電所は、永久的な管路がずっと少なく、また、山の掘削率がずっと高い。また、原子力発電所は、モジュール分割化が大きく必要とされるので、建設坑道の配置が制限されてしまう。
【0004】
建設用坑道が地下原子力発電所の空洞群に不適切に配置されると、主空洞の安定性と安全性に影響を及ぼし、建設に不都合が生じ、建設が遅れ、また投資が増加することとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の課題に鑑み、本発明の目的は、山の縦方向における地下原子力発電所の結合空洞群の建設レイアウトを提供することにある。本発明の建設レイアウトは、総距離が短く、安全、便利であり、低コストであり、モジュール化の程度が高いことを特徴とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態に係り、山の縦方向への地下原子力発電所結合空洞群の建設レイアウトを提供する。本建設レイアウトは、2個の原子炉プラント空洞を含み、山の縦方向と垂直な2個の原子炉プラント空洞の中間軸の連結線を有する。結合空洞は、山の縦方向において、2個の原子炉プラント空洞各々の一方側夫々に載置される。電気プラント空洞及び圧力開放空洞は、山の縦方向と垂直に2個の原子炉プラント空洞各々の両側に載置される。各電気プラント空洞の配置は山の縦方向と垂直である。第1主通行トンネル及び第3主通行トンネルは、山の縦方向において、2個の結合空洞の両側方に載置される。第2主通行トンネルは、山の縦方向において、2個の結合空洞の間に載置される。第1主通行トンネル、第2主通行トンネル、及び第3主通行トンネル各々の一端は、地表と連通する。原子力アイランドプラント空洞群は、原子炉プラント空洞と、結合空洞と、電気プラント空洞と、圧力開放空洞により形成される。原子力アイランドプラント空洞群の各空洞の上側アーチのスキューバック又は端壁は、建設の際に機能する上側坑道システムを介して、地表と連通する。原子力アイランドプラント空洞群の各空洞の側壁下側又は端壁下側は、第1主通行トンネル、第2主通行トンネル、及び第3主通行トンネルと、スラグ排出管路として作用する下側坑道システムを介して連通する。
【0007】
上側坑道システムは、第1主坑道と、第1原子炉プラント空洞の上側坑道と、第2原子炉プラント空洞の上側坑道と、第2主坑道と、第3主坑道と、結合空洞の端部の上側坑道と、電気プラント空洞の上側坑道、結合空洞の中央部分の上側坑道、第1の圧力開放空洞の上側坑道と、第2の圧力開放空洞の上側坑道を含む。第1主坑道と、第2主坑道と、第3主坑道は、山の縦方向に配置されるとともに、地表と連通する。第1主坑道の高度は、第2主坑道の高度、第3主坑道の高度よりも高い。第1主坑道は、2個の原子炉プラント空洞の上側アーチのスキューバックと、第1原子炉プラント空洞の上側坑道及び第2原子炉プラント空洞の上側坑道夫々を介して連結される。第2主坑道の一端及び第3主坑道の一端は、対応する結合空洞の端部の上側アーチ端壁と連通する。第2主坑道の中央部分は、一方の結合空洞の他端の上側アーチ端壁と、その結合空洞の端部の上側坑道を介して連通する。第3主坑道の中央部分は、他方の結合空洞の他端の上側アーチ端壁と、その結合空洞の端部の上側坑道を介して連通する。結合空洞の端部の上側坑道の中央部分は、電気プラント空洞の一端の上側アーチ端壁と、電気プラント空洞の上側坑道夫々を介して連通する。第2主坑道の中央部分は、一方の結合空洞の中央部分の上側アーチのスキューバックと、その結合空洞の中央部分の上側坑道を介して連通する。第3主坑道の中央部分は、他方の結合空洞の中央部分の上側アーチスキューバックと、その結合空洞の中央部分の上側坑道を介して連通する。第1の圧力開放空洞の上側坑道と第2の圧力開放空洞の上側坑道は、第3主坑道の中央部分及び端部に載置されており、第1の圧力開放空洞の上側アーチスキューバック及び第2の圧力開放空洞の上側アーチスキューバック夫々と連通する。
【0008】
上側坑道システムの各上側坑道は、12%よりも小さい長手状傾斜を有する。
【0009】
下側坑道システムは、第1原子炉プラント空洞の下側坑道と、結合空洞の一端の下側坑道と、電気プラント空洞の下側坑道と、結合空洞の他端の下側坑道と、圧力開放空洞の下側坑道を含む。第2主通行トンネルは、第1原子炉プラント空洞の側壁下側及び第1の圧力開放空洞の下側と、一方の第1原子炉プラント空洞の下側坑道及び第1の圧力開放空洞の下側坑道夫々を介して連通する。第3主通行トンネルは、第2原子炉プラント空洞の側壁下側及び第2の圧力開放空洞の下側と、第1原子炉プラント空洞の下側坑道及び第1の圧力開放空洞の下側坑道夫々を介して連通する。第1主通行トンネルは、一方の結合空洞の一端の端壁下側と、その結合空洞の端部の下側坑道を介して連通する。第2主通行トンネルは、他方の結合空洞の一端の端壁下側と、その結合空洞の端部の下側坑道を介して連通する。結合空洞の一端の下側坑道各々は、対応する電気プラント空洞の端壁下側と、連結される各電気プラント空洞の下側坑道を介して連通する。第2主通行トンネルの他端は、一方の結合空洞の他端の端壁下側と、その結合空洞の他端の下側坑道を介して連通する。第3主通行トンネルの他端は、他方の結合空洞の他端の端壁下側と、その結合空洞の端部の下側坑道を介して連通する。
【0010】
下側坑道システムの各下側坑道は、12%よりも小さい長手状傾斜を有する。
【0011】
結合空洞は各々、長手方向に直列で連結される第1安全プラント空洞と、核燃料プラント空洞と、第2安全プラント空洞と、原子力補助プラント空洞を含む。結合空洞の第1端部の下側坑道各々は、第1安全プラント空洞の端壁下側と連通する。結合空洞の他端の下側坑道各々は、原子力補助プラント空洞の側壁下側と連通する。第2主坑道及び第3主坑道の一方の端部は、対応する原子力補助プラント空洞の外側端面の上側アーチ端壁と連通する。結合空洞の端部の上側坑道各々は、第1安全プラント空洞の外側端面の上側アーチ端壁と連通する。結合空洞の中央部分の上側坑道各々は、第2安全プラント空洞の上側アーチスキューバックと連通する。
【0012】
2個の原子炉プラント空洞各々は、対応する電気プラント空洞と、地表と連通している一次蒸気管路を介して連通する。また、2個の原子炉プラント空洞には、地表と連通している対応する機器搬送管路が設けられる。
【発明の効果】
【0013】
高度±0の主通行トンネルは、スラグ排出管路としてプラント空洞の下側坑道を建設するとともに、地表と連通する建設管路としてプラント空洞の上側坑道を建設するために、完全利用され、プラント空洞の建設を、鉱石立坑法に係り最も少ない建設管路を使用して組織化することができる(鉱石立坑法とは、掘削領域における上側管路と下側管路の間の垂直方向にスラグ排出用立坑を配置し、上側管路を建設管路として使用し、建設の際に生成されるスラグをスラグ排出立坑を介して下側管路へ導入して、スラグを建設場所の外へ運び出す方法のことを指す)。各プラント空洞には、下側坑道及び上側坑道のみが設けられる。上側坑道システムは発電所の上側アーチと連通し、下側坑道システムは発電所の壁部下側と連通する。圧力開放空洞の下側の高度と主通行トンネルの高度の高度差は20mに達し、適切な傾斜を有する下側坑道を配置するのは困難であるので、圧力開放空洞の下側坑道は最初に圧力開放空洞の軸と垂直方向に連結され、次に、スラグ排出立坑を配置することにより、圧力開放空洞の下側と連結される。
【0014】
原子力補助プラント空洞、第2安全プラント空洞、核燃料プラント空洞、第1安全プラント空洞、原子炉プラント空洞、電気プラント空洞、及び圧力開放空洞により形成される結合空洞の下層に配置された下側坑道は、全て主通行トンネルと連通する。原子力補助プラント空洞、第2安全プラント空洞、核燃料プラント空洞、第1安全プラント空洞、原子炉プラント空洞、電気プラント空洞、圧力開放空洞により形成される結合空洞の上層に配置された上側坑道は、全て第2主通行トンネル、第3主通行トンネル、第4主通行トンネルと連通する。
【0015】
最も高い上側アーチを備えることにより、原子炉プラント空洞は、垂直面又は水平面のいずれかで、共通の建設管路を他の空洞と共有することができない。第1主坑道は分岐して、2個の原子炉プラント空洞のスキューバックと夫々連結される2個の原子炉プラント空洞の2個の上側坑道を形成する。
【0016】
本発明の建設レイアウトによれば、鉱石立坑法により、配置される建設管路は最も少なくてすむ。本発明の建設レイアウトは短く、安全であり、建設が簡便であり、経済的であり、高度にモジュール化され、一般的な建設要件を満たすものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】山の縦方向への地下原子力発電所の結合空洞群の建設レイアウトであって、下側坑道システムを示す構造図。
図2】山の縦方向への地下原子力発電所の結合空洞群の建設レイアウトであって、結合空洞、電気プラント空洞、圧力開放空洞と関連する上側坑道システムを示す構造図。
図3】山の縦方向への地下原子力発電所の結合空洞群の建設レイアウトであって、原子炉プラント空洞と関連する上側坑道システムを示す構造図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を詳述する実施形態を、以下に記載する。当然のことながら、以下の実施形態は本発明の説明を目的とするものであり、本発明を限定するものではない。
【0019】
図1〜3に示すように、地下原子力発電所の結合空洞群の建設レイアウトは、原子炉プラント空洞1と、結合空洞と、電気プラント空洞2と、圧力開放空洞7と、第1主通行トンネル8と、第2主通行トンネル9と、第3主通行トンネル10と、上側坑道システムと、下側坑道システムと、一次蒸気管路11と、機器搬送管路12と、二次通行トンネル13を含む。
【0020】
2個の原子炉プラント空洞1が設けられる。2個の原子炉プラント空洞の中間軸の連結線は、山の縦方向と垂直である。結合空洞は、山の縦方向において、2個の原子炉プラント空洞各々の一方側に載置される。電気プラント空洞2及び圧力開放空洞7は、山の縦方向と垂直に2個の原子炉プラント空洞1各々の両側に載置される。各電気プラント空洞2の配置は山の縦方向と垂直である。第1主通行トンネル8及び第3主通行トンネル10は、山の縦方向において、2個の結合空洞の外側に載置される。第2主通行トンネル9は、山の縦方向において、2個の結合空洞の間に載置される。第1主通行トンネル8、第2主通行トンネル9、及び第3主通行トンネル10各々の一端は、地表と連通する。原子力アイランドプラント空洞群は、原子炉プラント空洞1と、結合空洞と、電気プラント空洞2と、圧力開放空洞7により形成される。原子力アイランドプラント空洞群の各空洞の上側アーチのスキューバック又は端壁は、建設の際に機能する上側坑道システムを介して、地表と連通する。原子力アイランドプラント空洞群の各空洞の側壁下側又は端壁下側は、第1主通行トンネル8、第2主通行トンネル9、及び第3主通行トンネル10と、スラグ排出管路として作用する下側坑道システムを介して連通する。
【0021】
結合空洞各々は、長手方向に直列に連結される第1安全プラント空洞3と、核燃料プラント空洞4と、第2安全プラント空洞5と、原子力補助プラント空洞6を含む。
【0022】
上側坑道システムは、第1主坑道41と、第1原子炉プラント空洞の上側坑道42と、第2原子炉プラント空洞の上側坑道43と、第2主坑道31と、第3主坑道32と、結合空洞の端部の上側坑道33と、電気プラント空洞の上側坑道34と、結合空洞の中央部分の上側坑道35と、第1の圧力開放空洞の上側坑道36と、第2の圧力開放空洞の上側坑道37を含む。第1主坑道41と、第2主坑道31と、第3主坑道32は、山の縦方向に配置されるとともに、地表と連通する。第1主坑道41の高度は、第2主坑道31の高度、第3主坑道32の高度よりも高い。第1主坑道41は、2個の原子炉プラント空洞1の上側アーチのスキューバックと、第1原子炉プラント空洞の上側坑道42及び第2原子炉プラント空洞の上側坑道43夫々を介して連結される。第2主坑道31の一端及び第3主坑道32の一端は、対応する結合空洞の原子力補助プラント空洞6の外側端面の上側アーチ端壁と夫々連通する。第2主坑道31の中央部分は、一方の結合空洞の第1安全プラント空洞3の外側端面の上側アーチ端壁と、その結合空洞の端部の上側坑道33を介して連通する。第3主坑道32の中央部分は、他方の結合空洞の第1安全プラント空洞3の外側端面の上側アーチ端壁と、その結合空洞の端部の上側坑道33を介して連通する。結合空洞の端部の上側坑道33の中央部分は、電気プラント空洞2の一端の上側アーチ端壁と、電気プラント空洞の上側坑道34夫々を介して連通する。第2主坑道31の中央部分は、一方の結合空洞の第2安全プラント空洞5の上側アーチのスキューバックと、その結合空洞の中央部分の上側坑道35を介して連通する。第3主坑道32の中央部分は、他方の結合空洞の第2安全プラント空洞5の上側アーチのスキューバックと、その結合空洞の中央部分の上側坑道35を介して連通する。第1の圧力開放空洞の上側坑道36と第2の圧力開放空洞の上側坑道37は、第3主坑道32の中央部分及び端部に載置されており、第1の圧力開放空洞7の上側アーチのスキューバック及び第2の圧力開放空洞7の上側アーチのスキューバック夫々と連通する。上側坑道システムの各上側坑道は、12%よりも小さい長手状傾斜を有しており、無軌道搬送の要件が満たされている。
【0023】
下側坑道システムは、原子炉プラント空洞の下側坑道21と、結合空洞の第1端部の下側坑道22と、電気プラント空洞の下側坑道23と、結合空洞の他端の下側坑道24と、圧力開放空洞の下側坑道25を含む。第2主通行トンネル9は、第1原子炉プラント空洞1の側壁下側及び第1の圧力開放空洞7の下側と、一方の第1原子炉プラント空洞の下側坑道21及び一方の圧力開放空洞の下側坑道25夫々を介して連通する。第3主通行トンネル10は、第2原子炉プラント空洞1の側壁下側及び第2の圧力開放空洞の下側と、第2原子炉プラント空洞の下側坑道21及び第2の圧力開放空洞の下側坑道25夫々を介して連通する。第1主通行トンネル8は、一方の結合空洞の第1安全プラント空洞3の端壁下側と、その結合空洞の端部の下側坑道22を介して連通する。第2主通行トンネル9は、他方の結合空洞の第1安全プラント空洞3の端壁下側と、その結合空洞の端部の下側坑道22を介して連通する。結合空洞の第1端部の下側坑道22各々は、対応する電気プラント空洞2の端壁下側と、連結される各電気プラント空洞の下側坑道23を介して連通する。第2主通行トンネル9の他端は、一方の結合空洞の原子力補助プラント空洞6の他端の端壁下側と、その結合空洞の他端の下側坑道24を介して連通する。第3主通行トンネル10の他端は、他方の結合空洞の原子力補助プラント空洞6の他端の端壁下側と、その結合空洞の他端の下側坑道24を介して連通する。下側坑道システムの各下側坑道は、12%よりも小さい長手状傾斜を有しており、無軌道搬送の要件が満たされている。
【0024】
2個の原子炉プラント空洞1各々は、地表と連通している一次蒸気管路11を介して、対応する電気プラント空洞2と連通する。2個の原子炉プラント空洞1には対応する機器搬送管路12が設けられて、地表と連通する。一次蒸気管路11及び機器搬送管路12は任意で、建設用管路として構成される。
【0025】
本実施形態の地下原子力発電所は、2個原子炉型のCUP600配置を適用する。鉱石立坑法を適合させて、地下プラント空洞の採掘を構成し、即ち、採掘を上側作用面上で構成し、スラグを下側作用面から、スラグ排出立坑を介して排出する。鉱石立坑法は、最小の建設管路により、建設要件を満たすものである。従って、プラント空洞と連通する下側坑道システム及び上側坑道システムの設計を必要とするだけである。下側坑道が、第1主通行トンネル8、第2主通行トンネル9、第3主通行トンネル10に基づく分岐配置とされ、上側坑道が、第1主坑道41、第2主坑道31、第3主坑道32に基づく分岐配置とされることにより、計画建設の計画量を減らすことがきるという利点がある。下側坑道システム及び上側坑道システムは、隣接する空洞から一定の距離だけ離れており、空洞群の安定性と安全性が保証される。掘削される坑道が少なく、掘削距離が短く、坑道と空洞の間の空間が適当であることから、費用が節約されるとともに、計画全体が安全である。2個原子炉型のCUP600配置におけるプラント空洞は、モジュール化構成を採用しているので、本発明構成の設計及び建設は、以下のとおりにモジュール化される。
【0026】
永久管路として使用される第1主通行トンネル8、第2主通行トンネル9、第3主通行トンネル10、及び任意で管路として使用される一次蒸気管路11は、高度±0のところに全て配置されており、プラント空洞の下側高度と大きく異なる。例えば、原子炉プラント空洞1の下側高度は-9.0mであり、結合空洞の下側高度は-12.5mであり、電気プラント空洞2の下側高度は-12.5mであり、圧力開放空洞7の下側高度は+20.0mである。それ故、永久管路として使用される第1主通行トンネル8、第2主通行トンネル9、第3主通行トンネル10と、任意で管路として使用される一次蒸気管路11は、水平面或いは垂直面のいずれかで直接利用することはできない。空洞の下側からの採掘スラグ排出要件を満たすために、下側坑道を空洞下側に配置する必要がある。一方、山の掘削率を減少させ、空洞の安定性に悪影響を及ぼす要因を減らし、また下側坑道に対する費用を低減させるために、主下側坑道は独立設計されないが、永久管路として使用される第1主通行トンネル8、第2主通行トンネル9及び第3主通行トンネル10を完全利用するとともに、分岐させて、下側坑道21、22、23、24、25を形成して、空洞の下側高度に到達させる。圧力開放空洞7及び主通行トンネルの間の高度差は20mに達するので、適切な傾斜を有する下側坑道を配置することは難しく、そのため、圧力開放空洞の下側坑道25を圧力開放空洞7の軸と水平方向に連結させ、次に、垂直スラグ排出立坑を配置することにより、圧力開放空洞7の下側と連結させる。下側立坑の傾斜は全て12%よりも小さく、無軌道搬送要件が満たされる。
【0027】
プラント空洞の上側高度は高く、また、互いに異なる。例えば、原子炉プラント空洞1の上側高度は+78.0mであり、結合空洞の上側高度は+57.85mであり、電気プラント空洞2の上側高度は+46.8mであり、圧力開放空洞の上側高度は+62.0mであることから、永久管路としての第1主通行トンネル8、第2主通行トンネル9、第3主通行トンネル10は、水平面又は垂直面のいずれかで直接利用され得ない。また、機器搬送管路12の高度は+20.0mであり、空洞の高度と大きく異なることから、上側坑道を、各空洞の上側アーチのスキューバック又は端壁と連結させるように構成する必要がある。原子炉プラント空洞1の上側アーチが最も高く、垂直面又は水平面のいずれかで、他の空洞と共通の建設管路を共有することはできないので、第1主坑道41を独立して設計するとともに分岐させて、第1原子炉プラント空洞の上側坑道42及び第2原子炉プラント空洞の上側坑道43を形成し、高度+65.0mの対応する原子炉プラント空洞1の上側アーチのスキューバックと連結させる。結合空洞、電気プラント空洞2、及び圧力開放空洞7は夫々の上側高度が異なるが、垂直面における最大高さの差は相対的に小さく、3種類の空洞は、第2主坑道31及び第3主坑道32を共有する。第2主坑道31及び第3主坑道32は分岐して、結合空洞の端部の上側坑道33、電気プラント空洞の上側坑道34、及び結合空洞の中央部分の上側坑道35、第1の圧力開放空洞の上側坑道36、第2の圧力開放空洞の上側坑道37を形成して、空洞のスキューバックの高度に達する。第2主坑道31、第3主坑道32は、高度+48.0mの結合空洞上側アーチの端壁と連結する。結合空洞の端部の上側坑道33は分岐して、電気プラント空洞の上側坑道34を形成し、高度+37.0mの電気プラント空洞2の上側アーチの端壁と連結する。第3主坑道32は分岐して、第1の圧力開放空洞の上側坑道36及び第2の圧力開放空洞の上側坑道37を形成し、高度+52.0mの圧力開放空洞7の上側アーチのスキューバックに到達する。結合空洞各々は4個のプラントを含むとともに、各結合空洞の軸は相対的に長いので、第2主坑道31、第3主坑道32、結合空洞の端部の上側坑道33、結合空洞の中央部分の上側坑道35、結合空洞の第1端部の下側坑道22、結合空洞の第2端部の下側坑道24は特に、作用面を強化し、建設期間を調和させ、スキューバックの支持を促すことにより、スキューバックの建設期間における安定性及び安全性が保証されるように配置される。上側坑道の傾斜は全て12%よりも小さく、無軌道搬送要件が満たされる。
【0028】
本発明の詳細な実施形態を図示及び説明してきたが、当該技術分野に属する者であれば、本発明のより広範な態様において、本発明から逸脱することなく、変更、変形が行われてよいことは明らかである。従って、添付の請求の範囲は、そのような変更や変形全てを、本発明の真の主旨や範囲に含むことを目的とする。
【符号の説明】
【0029】
1 原子炉プラント空洞
2 電気プラント空洞
3 第1安全プラント空洞
4 核燃料プラント空洞
5 第2安全プラント空洞
6 原子力補助プラント空洞
7 圧力開放空洞
8 第1主通行トンネル
9 第2主通行トンネル
10 第3主通行トンネル
11 一次蒸気管路
12 機器搬送管路
13 二次通行トンネル
14 側方通行トンネル
21 第1原子炉プラント空洞の下側坑道
22 結合空洞の一端の下側坑道
23 電気プラント空洞の下側坑道
24 結合空洞の他端の下側坑道
25 圧力開放空洞の下側坑道
31 第2主管路
32 第3主管路
33 結合空洞の端部の上側坑道
34 電気プラント空洞の上側坑道
35 結合空洞の中央部分の上側坑道
36 第1の圧力開放空洞の上側坑道
37 第2の圧力開放空洞の上側坑道
41 第1主管路
42 第1原子炉プラント空洞の上側坑道
43 第2原子炉プラント空洞の上側坑道
図1
図2
図3
【国際調査報告】