(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-525322(P2017-525322A)
(43)【公表日】2017年8月31日
(54)【発明の名称】電子名刺情報交換方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04B 5/02 20060101AFI20170804BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20170804BHJP
【FI】
H04B5/02
G06K7/10 192
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-527960(P2017-527960)
(86)(22)【出願日】2015年8月12日
(85)【翻訳文提出日】2017年4月12日
(86)【国際出願番号】CN2015086793
(87)【国際公開番号】WO2016023496
(87)【国際公開日】20160218
(31)【優先権主張番号】201410400264.6
(32)【優先日】2014年8月14日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517049301
【氏名又は名称】オーラ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ORA INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディン,レイ
(72)【発明者】
【氏名】ハン,ジアジア
(72)【発明者】
【氏名】リウ,フアン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ヨンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ジアングオ
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,イエ
【テーマコード(参考)】
5K012
【Fターム(参考)】
5K012AB02
5K012AB12
5K012AE13
(57)【要約】
本発明では、電子名刺情報交換方法および装置が提供されている。本発明の電子名刺情報交換方法は、第1の端末が、パワー・オフ状態にあるときに第2の端末から供給される誘導電気エネルギーを取得し、誘導電気エネルギーによって駆動されている間に、第1の端末に局所的に格納されている第1の電子名刺情報を第2の端末へ送信し、また第2の端末に書き込まれている第2の電子名刺情報を第2の端末から受信して記憶することによって達成される。その結果、二つの端末のうちの一方がパワー・オフ状態にあるときに電子名刺情報交換が達成されないという従来技術における問題点が解決される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワー・オフ状態にある第1の端末が、第2の端末から供給される誘導電気エネルギーを取得するステップと、
前記誘導電気エネルギーによって駆動された前記第1の端末が、前記第1の端末に局所的に格納されている第1の電子名刺情報を前記第2の端末へ送信するステップと、
前記誘導電気エネルギーによって駆動された前記第1の端末が、前記第2の端末に書き込まれている第2の電子名刺情報を第2の端末から受信して記憶するステップと、を備えることを特徴とする、電子名刺情報交換方法。
【請求項2】
前記パワー・オフ状態にある前記第1の端末が、前記第2の端末から供給される前記誘導電気エネルギーを取得する前記ステップは、
− 前記第1の端末が、カード・モードに対応する近距離無線通信(NFC)方式を選択し、前記誘導電気エネルギーを検出および取得するステップを備え、
前記パワー・オフ状態にある前記第1の端末が、前記第2の端末から供給される前記誘導電気エネルギーを取得する前記ステップは、前記ステップのその前に、
− 前記第1の端末が、前記第1の端末の電力残量を検出するステップと、
− 前記第1の端末が、前記第1の端末の前記電力残量が所定の閾値未満である場合、前記第1の端末を前記カード・モードに対応するNFC方式に切り替えるステップと、をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の電子名刺情報交換方法。
【請求項3】
前記誘導電気エネルギーによって駆動された前記第1の端末が、前記第2の端末に書き込まれている前記第2の電子名刺情報を前記第2の端末から受信して記憶する前記ステップは、前記ステップのその後に、
前記第1の端末が、前記第1の端末のパワー・オン後に前記第2の電子名刺情報を表示するステップをさらに備えることを特徴とする、請求項2に記載の電子名刺情報交換方法。
【請求項4】
第2の端末が、パワー・オフ状態にある第1の端末に誘導電気エネルギーを供給するステップと、
前記第2の端末が、前記誘導電気エネルギーによって駆動された前記第1の端末から送信された第1の電子名刺情報を受信するステップと、
前記誘導電気エネルギーによって駆動された前記第1の端末が前記第2の端末に局所的に格納されている第2の電子名刺情報を受信し記憶するように、前記第2の端末が、前記第1の端末に前記第2の電子名刺情報を書き込むステップと、を備えることを特徴とする、電子名刺情報交換方法。
【請求項5】
前記第2の端末が、前記パワー・オフ状態にある前記第1の端末に前記誘導電気エネルギーを供給する前記ステップは、
− 前記第2の端末が、リーダ/ライタ・モード以外のモードに対応する近距離無線通信(NFC)方式を選択して、前記第1の端末に前記誘導電気エネルギーを供給するステップを備え、
前記第2の端末は、NFCチップを備え、
前記第2の端末が、前記パワー・オフ状態にある前記第1の端末に前記誘導電気エネルギーを供給する前記ステップは、前記ステップのその後に、
− 前記第2の端末が、前記第1の端末の通信方式をカード・モードに対応するNFC方式であることを認識したときに、前記第2の端末の通信方式を前記リーダ/ライタ・モードに対応する前記NFC方式に切り替えるステップをさらに備えることを特徴とする、請求項4に記載の電子名刺情報交換方法。
【請求項6】
電子名刺端末である第1の端末に構成される電子名刺情報交換装置であって、
前記第1の端末がパワー・オフ状態にあるときに第2の端末から供給される誘導電気エネルギーを取得する電力供給モジュールと、
前記誘導電気エネルギーによって駆動された前記第1の端末に局所的に格納されている第1の電子名刺情報を、前記第2の端末へ送信する第1の駆動モジュールと、
前記第2の端末に書き込まれている第2の電子名刺情報を、前記誘導電気エネルギーによって駆動された前記第1の端末に受信させて記憶させる第2の駆動モジュールと、を備えることを特徴とする、電子名刺情報交換装置。
【請求項7】
前記電力供給モジュールは、前記第1の端末の通信方式にカード・モードに対応する近距離無線通信(NFC)方式を選択して、前記誘導電気エネルギーの検出および取得のために用いられ、
前記電子名刺情報交換装置は、
− 電力残量を検出する検出モジュールと、
− 前記電力残量が所定の閾値未満である場合、前記通信方式を前記カード・モードに対応する前記NFC方式に切り替える切り替えモジュールと、をさらに備えることを特徴とする、請求項6に記載の電子名刺情報交換装置。
【請求項8】
前記第1の端末のパワー・オン後に、前記第2の電子名刺情報を表示する表示モジュールをさらに備えることを特徴とする、請求項6または7に記載の電子名刺情報交換装置。
【請求項9】
電子名刺端末である第2の端末に構成される電子名刺情報交換装置であって、
パワー・オフ状態にある第1の端末に誘導電気エネルギーを供給する電力供給モジュールと、
前記誘導電気エネルギーによって駆動された前記第1の端末から送信された第1の電子名刺情報を受信する受信モジュールと、
第2の端末に局所的に格納されている第2の電子名刺情報が前記第1の端末に受信されて記憶されるように、前記誘導電気エネルギーによって駆動された前記第1の端末に前記第2の電子名刺情報を書き込む書き込みモジュールと、を備えることを特徴とする、電子名刺情報交換装置。
【請求項10】
前記電力供給モジュールは、特に、リーダ/ライタ・モード以外の近距離無線通信(NFC)の動作モードを選択して、前記第1の端末への前記誘導電気エネルギーの供給のために用いられ、
前記電子名刺情報交換装置は、
− 前記第1の端末の通信方式がカード・モードに対応する前記NFC方式であることを認識したときに、前記第2の端末の通信方式をリーダ/ライタ・モードに対応するNFC方式に切り替える切り替えモジュールをさらに備えることを特徴とする、請求項9に記載の電子名刺情報交換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報技術に関し、より具体的には、電子名刺情報交換方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子名刺情報は、従来の紙の名刺の全情報を電子文書として記録した名刺の新しい形態である。代表的な電子名刺情報には、テキストや静止画像のみならず、動画または音声等のマルチメディア情報が含まれていることもある。電子名刺情報は、モバイル端末に記憶されてもよい。ユーザは、ユーザ同士で電子名刺交換を実施するために、モバイル端末間の通信接続を用いてもよい。モバイル端末は、一般的なインテリジェント端末でもよく、特に電子名刺情報交換を実施するための電子名刺端末であってもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の技術では、二つの端末間で電子名刺情報交換を実施するために、ポイント・ツー・ポイント通信が用いられることが多い。しかしながら、ポイント・ツー・ポイント通信では、両方の端末が通電状態にあることが必須であり、一方の端末がパワー・オフ状態にある場合、電子名刺情報交換が達成されない可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、二つの端末のうちの一方がパワー・オフ状態であっても、電子名刺情報交換が達成できるようになされた電子名刺情報交換方法および装置を提供することである。
【0005】
本発明の第1の態様では、以下のステップを含む電子名刺情報交換方法が提供されている:
− パワー・オフ状態にある第1の端末が、第2の端末から供給される誘導電気エネルギーを取得するステップと、
− 誘導電気エネルギーによって駆動された第1の端末が、第1の端末に局所的に格納されている第1の電子名刺情報を第2の端末へ送信するステップと、
− 誘導電気エネルギーによって駆動された第1の端末が、第2の端末に書き込まれている第2の電子名刺情報を第2の端末から受信して記憶するステップ。
【0006】
本発明の第2の態様では、以下のステップを含む電子名刺情報交換方法が提供されている:
− 第2の端末が、パワー・オフ状態にある第1の端末に誘導電気エネルギーを供給するステップと、
− 第2の端末が、誘導電気エネルギーによって駆動された第1の端末から送信された第1の電子名刺情報を受信するステップと、
− 誘導電気エネルギーによって駆動された第1の端末が第2の端末に局所的に格納されている第2の電子名刺情報を受信し記憶するように、第2の端末が、第1の端末に第2の電子名刺情報を書き込むステップ。
【0007】
本発明の第3の態様では、電子名刺端末である第1の端末に構成され、且つ以下を含む電子名刺情報交換装置が提供されている:
− 第1の端末がパワー・オフ状態にあるときに、第2の端末から供給される誘導電気エネルギーを取得する電力供給モジュールと、
− 第1の端末が誘導電気エネルギーによって駆動されている間に、第1の端末に局所的に格納されている第1の電子名刺情報を第2の端末へ送信する第1の駆動モジュールと、
− 第1の端末が誘導電気エネルギーによって駆動されている間に、第2の端末に書き込まれている第2の電子名刺情報を第2の端末から受信して記憶する第2の駆動モジュール。
【0008】
本発明の第4の態様では、電子名刺端末である第2の端末に構成され、且つ以下を含む電子名刺情報交換装置が提供されている:
− パワー・オフ状態にある第1の端末に誘導電気エネルギーを供給する電力供給モジュールと、
− 誘導電気エネルギーによって駆動された第1の端末から送信された第1の電子名刺情報を受信する受信モジュールと、
− 誘導電気エネルギーによって駆動された第1の端末が第2の端末に局所的に格納されている第2の電子名刺情報を受信し記憶するように、第1の端末に第2の電子名刺情報を書き込む書き込みモジュール。
【0009】
本発明では、電子名刺情報交換方法および装置が提供されている。本発明の電子名刺情報交換方法は、第1の端末が、パワー・オフ状態にあるときに第2の端末から供給される誘導電気エネルギーを取得し、誘導電気エネルギーによって駆動されている間に、第1の端末に局所的に格納されている第1の電子名刺情報を第2の端末へ送信し、また第2の端末に書き込まれている第2の電子名刺情報を第2の端末から受信して記憶することによって達成される。その結果、二つの端末のうちの一方がパワー・オフ状態にあるときに電子名刺情報交換が達成されないという従来技術における問題点が解決される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る電子名刺情報交換方法のフローチャートである。
【
図2】
図2は、本発明の他の実施形態に係る電子名刺情報交換方法のフローチャートである。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係る電子名刺情報交換装置の概略的な構造図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に係る他の電子名刺情報交換装置の概略的な構造図である。
【
図5】
図5は、本発明の他の実施形態に係る電子名刺情報交換装置の概略的な構造図である。
【
図6】
図6は、本発明のさらに他の実施形態に係る電子名刺情報交換装置の概略的な構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る電子名刺情報交換方法のフローチャートである。本実施形態によって提供される方法は、二つの端末間で電子名刺情報交換を実施するために用いられてもよい。第1の端末および第2の端末と称されるこれらの端末は、一般的なスマート端末または電子名刺端末であってもよい。本実施形態では、第1の端末はパワー・オフ状態にあり、第2の端末はパワー・オン状態にある。
図1に示されるように、この電子名刺情報交換方法は、以下に説明されるステップを含んでいる。
【0012】
101は、パワー・オフ状態にある第1の端末が、第2の端末から供給される誘導電気エネルギーを取得するステップである。
【0013】
第1の端末は、近距離無線通信(NFC)の動作モードであるカード・モードを必要に応じて選択して、誘導電気エネルギーを取得する。具体的には、第1の端末が通電状態およびパワー・オン状態にあるときに、第1の端末および第2の端末は、夫々の端末の近距離無線通信チップ(NFCチップ)を用いてポイント・ツー・ポイント(P2P)通信を確立することができる。第1の端末は、リアルタイムで電力残量を検出する。検出された電力残量が所定の閾値未満である場合、第1の端末は、第1の端末のNFCチップの動作モードをカード・モードに切り替える。電力がなくパワー・オフ状態にある第1の端末が第2の端末に近づけられると、第2の端末がパワー・オン状態にあるために、第1の端末のNFCチップはリーダ/ライタ・モードまたはカード・モードで動作するが、P2Pモードで動作してもよい。第2の端末は、第1の端末のNFCチップが対応する機能を達成できるように、誘導コイルを介して第1の端末のNFCチップに誘導電気エネルギーを供給する。第1の端末は、NFCのカード・モードを選択して誘導電気エネルギーを取得する前に、パワー・オン状態における電力残量を検出し、検出された電力残量が所定の閾値未満である場合、第1の端末は通信方式をカード・モードに対応するNFC方式に切り替える。
【0014】
或いは、第1の端末は、ワイヤレス充電方式を必要に応じて選択して誘導電気エネルギーを取得する。
【0015】
102は、誘導電気エネルギーによって駆動された第1の端末が、第1の端末に局所的に格納されている第1の電子名刺情報を第2の端末へ送信するステップである。
【0016】
具体的には、第2の端末は、第1の端末に誘導電気エネルギーを供給しながら第1の端末との間に第1の通信を確立することができる。第2の端末は、第1の通信を介して、第1の端末がパワー・オフ状態にあることと、第1の端末のNFCチップがカード・モードで動作していることを認識する。このとき、第2の端末のNFCチップがP2Pモードまたはカード・モードで動作している場合、第2の端末は、第2の端末のNFCチップの動作モードをリーダ/ライタ・モードに切り替え、すなわち、第2の端末の通信方式をリーダ/ライタ・モードに対応するNFC方式に切り替えて、その結果、誘導電気エネルギーによって駆動された第1の端末は、カード・モードで動作している第1の端末のNFCチップを用いて、第1の端末に局所的に格納されている第1の電子名刺情報を第2の端末へ送信できるようになる。第2の端末は、第1の端末の記憶モジュールに格納されている第1の電子名刺情報を能動的に読み取る。すなわち、第2の端末は、プロトコルを介して第1の端末のNFCチップに読み取り命令を送信する。読み取り命令を受信した第1の端末のNFCチップは、通信インターフェースを介して記憶モジュールから第1の電子名刺情報を読み取り、第1の端末のアンテナを介して第2の端末に第1の電子名刺情報を送信する。
【0017】
さらに、CPUは、第1の端末のパワー・オフ後に、IICインターフェース、SPIインターフェース、高速シリアルインターフェース等のCPUバスインターフェースを介してNFCチップに対して読み取り、書き込み、および操作が可能となる。NFCチップは、CPU上で動作しているアプリケーションから送信された第1の読み取り/書き込み命令に従って第1の電子名刺情報を構成し、その第1の電子名刺情報の構成には、NFCチップと記憶モジュールとにリンクさせた通信インターフェースを介して記憶モジュールに書き込む暗号化方式が選択されてもよい。すなわち、暗号化された第1の電子名刺情報の文書が、準備完了状態で記憶モジュールに記憶される。ユーザが第1の電子名刺情報を更新した場合、更新処理も上記の処理と同様に行われ、第1の電子名刺情報はリアルタイムで更新されて、ユーザに好都合に活用される。ユーザはプレーンテキスト形式を用いて名刺をデザインすることができ、その他の処理はユーザからの介入を必要としない。
【0018】
103は、誘導電気エネルギーによって駆動された第1の端末が、第2の端末に書き込まれている第2の電子名刺情報を第2の端末から受信して記憶するステップである。
【0019】
具体的には、第2の端末は、第2の端末に局所的に格納されている第2の電子名刺情報を書き込み命令に送り込み、プロトコルを介して第1の端末にその書き込み命令を送信する。書き込み命令を受信した第1の端末のNFCチップは、通信インターフェースを介して書き込み命令に含まれた第2の電子名刺情報をチップメモリに書き込む。
【0020】
上述の第1の電子名刺情報と第2の電子名刺情報の交換処理および記憶処理には、情報の安全性を向上させるために、暗号化文書の形式が選択されてもよいことに留意されたい。
【0021】
さらに、パワー・オンされた第1の端末は、第1の端末の記憶モジュールに、NFCチップに記憶された第2の電子名刺情報を記憶する。加えて、パワー・オンされた第1の端末は、第2の電子名刺情報を表示してもよい。具体的には、CPUは、第1の端末のパワー・オン後に、IICインターフェース、SPIインターフェース、高速シリアルインターフェース等のCPUバスインターフェースを介してNFCチップを読み取り、書き込み、および操作し、それによってNFCチップは、CPU上で動作していたアプリケーションからの第2の読み取り/書き込み命令に従って交換された名刺を読み取る。具体的には、暗号化されて記憶された第2の電子名刺情報は、NFCチップと記憶モジュールとにリンクされた通信インターフェースを介して記憶モジュールから読み取られて、読み取りが完了する。読み取られた第2の電子名刺情報は、CPUバスインターフェースを介してアプリケーションに返される。読み取られた第2の電子名刺情報は、復号化された後でプレーンテキストに回復し、ユーザに表示される。ユーザは、データベースまたは暗号化形式で文書を永久的に記憶するために、アプリケーションを介してプレーンテキストを記憶モジュールに記憶できる。プレーンテキストが記憶された後に、ユーザは、記憶モジュールのデータを保護するか否かを決定できる。記憶モジュールのデータが保護されていない場合、ユーザはスペースを解放するために、CPUバスインターフェースを介して記憶モジュールの一時データを削除できる。
【0022】
本実施形態で示されている第1の端末および第2の端末の記憶モジュールは、NFCチップから独立したハードウェアであることに留意されたい。
【0023】
本実施形態では、第1の端末は、パワー・オフ状態にあるときに第2の端末から供給される誘導電気エネルギーを取得し、誘導電気エネルギーによって駆動されている間に、第1の端末に局所的に格納されている第1の電子名刺情報を第2の端末へ送信し、また第2の端末に書き込まれている第2の電子名刺情報を第2の端末から受信して記憶する。このように電子名刺交換は達成され、二つの端末のうちの一方がパワー・オフ状態にあるときに電子名刺情報交換が達成されないという従来技術における問題点が解決される。
【0024】
図2は、本発明の他の実施形態に係る電子名刺情報交換方法のフローチャートである。本実施形態によって提供される方法は、二つの端末間で電子名刺情報交換を実施するために用いられてもよい。第1の端末および第2の端末と称されるこれらの端末は、一般的なスマート端末または電子名刺端末であってもよい。本実施形態では、第1の端末はパワー・オフ状態にあり、第2の端末はパワー・オン状態にある。
図2に示されるように、この電子名刺情報交換方法は、以下に説明されるステップを含んでいる。
【0025】
201は、第2の端末が、誘導電気エネルギーをパワー・オフ状態にある第1の端末に供給するステップである。
【0026】
第2の端末は、近距離無線通信(NFC)の動作モードであるリーダ/ライタ・モードを必要に応じて選択して、第1の端末へ誘導電気エネルギーを供給する。具体的には、第1の端末が通電状態およびパワー・オン状態にあるときに、第1の端末および第2の端末は、夫々の端末の近距離無線通信チップ(NFCチップ)を用いてポイント・ツー・ポイント(P2P)通信を確立することができる。第1の端末は、リアルタイムで電力残量を検出し、検出された電力残量が所定の閾値未満である場合、第1の端末のNFCチップの動作モードをカード・モードに切り替える。電力がなくパワー・オフ状態にある第1の端末が第2の端末に近づけられると、第2の端末がパワー・オン状態にあるために、第1の端末のNFCチップはリーダ/ライタ・モードまたはカード・モードで動作するが、P2Pモードで動作してもよい。第2の端末は、第1の端末のNFCチップが対応する機能を達成できるように、検出アンテナを介して第1の端末のNFCチップに誘導電気エネルギーを供給する。
【0027】
或いは、第2の端末は、ワイヤレス充電方式を必要に応じて選択して誘導電気エネルギーを供給する。
【0028】
202は、第2の端末が、誘導電気エネルギーによって駆動された第1の端末から送信された第1の電子名刺情報を受信するステップである。
【0029】
具体的には、第2の端末は、第1の端末に誘導電気エネルギーを供給しながら第1の端末との間に第1の通信を確立することができる。第2の端末は第1の通信を介して、第1の端末がパワー・オフ状態にあることと、第1の端末のNFCチップがカード・モードで動作していることを認識する。第2の端末が第1の端末のNFCチップの動作モードがカード・モードであることを認識すると、第2の端末は、第2の端末のNFCチップの動作モードをリーダ/ライタ・モードに切り替える。すなわち、リーダ/ライタ・モード以外のモードに対応するNFC方式を選択して誘導電気エネルギーを供給した第2の端末は、第1の端末の通信方式がカード・モードに対応するNFC方式であることを認識して、第2の端末の通信方式をリーダ/ライタ・モードに対応するNFC方式に切り替える。第2の端末は、第1の端末の記憶モジュールに格納されている第1の電子名刺情報を能動的に読み取る。すなわち、第2の端末はプロトコルを介して第1の端末のNFCチップに読み取り命令を送信する。読み取り命令を受信した第1の端末のNFCチップは、通信インターフェースを介して記憶モジュールから第1の電子名刺情報を読み取り、第1の端末のアンテナを介して第2の端末に第1の電子名刺情報を送信する。第2の端末は、誘導電気エネルギーによって駆動された第1の端末から送信された第1の電子名刺情報を受信して記憶する。
【0030】
203は、第2の端末が、第2の端末に局所的に格納されている第2の電子名刺情報を誘導電気エネルギーによって駆動された第1の端末に書き込むステップであって、その結果、第1の端末は、第2の電子名刺情報を受信して記憶する。
【0031】
具体的には、第2の端末は、第2の端末に局所的に格納されている第2の電子名刺情報を書き込み命令に送り込み、プロトコルを介して第1の端末にその書き込み命令を送信する。書き込み命令を受信した第1の端末のNFCチップは、通信インターフェースを介してその書き込み命令に含まれた第2の電子名刺情報をチップメモリに書き込む。
【0032】
上記の第1の電子名刺情報と第2の電子名刺情報の交換処理および記憶処理には、情報の安全性を向上させるために、暗号化文書の形式が選択されてもよいことに留意されたい。
【0033】
加えて、本実施形態で示されている第1の端末および第2の端末の記憶モジュールは、NFCチップから独立したハードウェアであることに留意されたい。
【0034】
本実施形態では、第1の端末は、パワー・オフ状態にあるときに第2の端末から供給される誘導電気エネルギーを取得し、誘導電気エネルギーによって駆動されている間に、第1の端末に局所的に格納されている第1の電子名刺情報を第2の端末へ送信し、また第2の端末に書き込まれている第2の電子名刺情報を第2の端末から受信して記憶する。このように電子名刺交換は達成され、二つの端末のうちの一方がパワー・オフ状態にあるときに電子名刺情報交換が達成されないという従来技術における問題点が解決される。
【0035】
図3は、本発明の一実施形態に係る電子名刺情報交換装置の概略的な構造図である。本実施形態によって提供される電子名刺情報交換装置は、パワー・オフ状態にある第1の端末に構成されており、第2の端末との電子名刺情報交換を実施するために用いられ、第1の端末および第2の端末は、電子名刺端末であってもよい。
図3に示されるように、電子名刺情報交換装置は、電力供給モジュール31と、第1の駆動モジュール32と、第2の駆動モジュール33とを含んでいる。
【0036】
電力供給モジュール31は、第1の端末がパワー・オフ状態にあるときに、第2の端末から供給される誘導電気エネルギーを取得するために用いられる。
【0037】
第1の駆動モジュール32は、電力供給モジュール31と接続されており、第1の端末に局所的に格納されている第1の電子名刺情報を、誘導電気エネルギーによって駆動された第1の端末から第2の端末に送信するために用いられる。
【0038】
具体的には、第2の端末は、第1の端末の記憶モジュールに格納されている第1の電子名刺情報を能動的に読み取る。すなわち、第2の端末は、プロトコルを介して第1の端末のNFCチップに読み取り命令を送信する。読み取り命令を受信したNFCチップの第1の駆動モジュール32は、通信インターフェースを介して記憶モジュールから第1の電子名刺情報を読み取り、第1の端末のアンテナを介して第2の端末に第1の電子名刺情報を送信する。
【0039】
第1の端末の第2の駆動モジュール33は、電力供給モジュール31と接続されており、誘導電気エネルギーによって駆動された第1の端末が、第2の端末に書き込まれている第2の電子名刺情報を第2の端末から受信して記憶するために用いられる。
【0040】
本実施形態での電子名刺交換は、第1の端末が、パワー・オフ状態にあるときに第2の端末から供給される誘導電気エネルギーを取得し、誘導電気エネルギーによって駆動されている間に、第1の端末に局所的に格納されている第1の電子名刺情報を第2の端末へ送信し、また第2の端末に書き込まれている第2の電子名刺情報を第2の端末から受信して記憶することによって達成される。二つの端末のうちの一方がパワー・オフ状態にあるときに電子名刺情報交換が達成されないという従来技術における問題点が解決される。
【0041】
図4は、本発明の一実施形態に係る他の電子名刺情報交換装置の概略的な構造図である。上述の実施形態に基づき、本実施形態の電子名刺情報交換装置は、検出モジュール41と、切り替えモジュール42と、表示モジュール43とをさらに含んでいる。
【0042】
電力供給モジュール31は、特に、カード・モードに対応するNFC方式を選択して誘導電気エネルギーを取得するために用いられる。
【0043】
これに基づき、検出モジュール41は電力残量を検出するために用いられる。
【0044】
切り替えモジュール42は、検出モジュール41および電力供給モジュール31と接続されており、電力残量が所定の閾値未満である場合、通信方式をカード・モードに対応するNFC方式に切り替えるために用いられる。
【0045】
具体的には、第1の端末の検出モジュール41はリアルタイムで電力残量を検出し、検出された電力残量が所定の閾値未満である場合、切り替えモジュール42が第1の端末に構成されているNFCチップの動作モードをカード・モードに切り替える。
【0046】
表示モジュール43は、第2の駆動モジュール33と接続されており、パワー・オンされた第1の端末へ第2の電子名刺情報を表示するために用いられる。
【0047】
本実施形態での電子名刺交換は、第1の端末が、パワー・オフ状態にあるときに第2の端末から供給される誘導電気エネルギーを取得し、誘導電気エネルギーによって駆動されている間に、第1の端末に局所的に格納されている第1の電子名刺情報を第2の端末へ送信し、また第2の端末に書き込まれている第2の電子名刺情報を第2の端末から受信して記憶することによって達成され、二つの端末のうちの一方がパワー・オフ状態にあるときに電子名刺情報交換が達成されないという従来技術における問題点が解決される。
【0048】
図5は、本発明の他の実施形態に係る電子名刺情報交換装置の概略的な構造図である。本実施形態によって提供される電子名刺情報交換装置は、第2の端末に構成されており、パワー・オフ状態にある第1の端末と電子名刺情報交換を達成するために用いられ、第1の端末および第2の端末は、電子名刺端末であってもよい。電子名刺情報交換装置は、電力供給モジュール51と、受信モジュール52と、書き込みモジュール53とを含んでいる。
【0049】
電力供給モジュール51は、パワー・オフ状態にある第1の端末への誘導電気エネルギーの供給のために用いられる。
【0050】
具体的には、パワー・オフ状態にある第1の端末が第2の端末に近づけられると、第2の端末がパワー・オン状態にあるために、第1の端末のNFCチップはリーダ/ライタ・モードまたはカード・モードで動作するが、P2Pモードで動作してもよい。電力供給モジュール51は、第1の端末のNFCチップが対応する機能を達成できるように、誘導コイルを介して第1の端末のNFCチップに誘導電気エネルギーを供給する。
【0051】
受信モジュール52は、電力供給モジュール51と接続されており、誘導電気エネルギーによって駆動された第1の端末から第1の電子名刺情報を受信するために用いられる。
【0052】
具体的には、第2の端末の受信モジュール52は、第1の端末の記憶モジュールに格納されている第1の電子名刺情報を能動的に読み取る。すなわち、第2の端末は、プロトコルを介して第1の端末のNFCチップに読み取り命令を送信する。読み取り命令を受信した第1の端末のNFCチップは、通信インターフェースを介して記憶モジュールから第1の電子名刺情報を読み取り、第1の端末のアンテナを介して第2の端末の受信モジュール52にその第1の電子名刺情報を送信する。
【0053】
書き込みモジュール53は、電力供給モジュール51と接続されており、第2の端末に局所的に格納されている第2の電子名刺情報を第1の端末に書き込むために用いられ、その結果、誘導電気エネルギーによって駆動された第1の端末は、第2の電子名刺情報を受信して記憶することができる。
【0054】
具体的には、第2の端末の書き込みモジュール53は、第2の端末に局所的に格納されている第2の電子名刺情報を書き込み命令に送り込み、プロトコルを介して第1の端末に書き込み命令を送信する。書き込み命令を受信した第1の端末のNFCチップは、通信インターフェースを介してその書き込み命令に含まれた第2の電子名刺情報をチップメモリに書き込む。
【0055】
本実施形態での電子名刺情報の交換は、第1の端末が、パワー・オフ状態にあるときに第2の端末から供給される誘導電気エネルギーを取得し、誘導電気エネルギーによって駆動されている間に、第1の端末に局所的に格納されている第1の電子名刺情報を第2の端末へ送信し、また第2の端末に書き込まれている第2の電子名刺情報を第2の端末から受信して記憶することによって達成される。二つの端末のうちの一方がパワー・オフ状態にあるときに電子名刺情報交換が達成されないという従来技術における問題点が解決される。
【0056】
図6は、本発明の他の実施形態に係る電子名刺情報交換装置の概略的な構造図である。上記の実施形態に基づき、本実施形態の電子名刺情報交換装置は、切り替えモジュール61をさらに含んでいる。
【0057】
具体的には、電力供給モジュール51は、リーダ/ライタ・モード以外のモードに対応するNFC方式を選択して、第1の端末への誘導電気エネルギーの供給のために用いられる。
【0058】
これに基づき、切り替えモジュール61は、電力供給モジュール51と接続されており、第1の端末の通信方式がカード・モードに対応するNFC方式であることが認識されたときに、第2の端末の通信方式をリーダ/ライタ・モードに対応するNFC方式に切り替えるために用いられる。
【0059】
具体的には、第2の端末の切り替えモジュール61は、誘導電気エネルギーを第1の端末に供給しながら第1の端末との間に第1の通信を確立することができる。切り替えモジュール61は、第1の通信を介して、第1の端末がパワー・オフ状態にあることと、第1の端末のNFCチップがカード・モードで動作していることを認識する。第2の端末のNFCチップがP2Pモードまたはカード・モードで動作している場合、切り替えモジュール61は、第2の端末のNFCチップの動作モードをリーダ/ライタ・モードに切り替え、すなわち、第2の端末の通信方式をリーダ/ライタ・モードに対応するNFC方式に切り替える。
【0060】
本実施形態での電子名刺交換は、第1の端末が、パワー・オフ状態にあるときに第2の端末から供給される誘導電気エネルギーを取得し、誘導電気エネルギーによって駆動されている間に、第1の端末に局所的に格納されている第1の電子名刺情報を第2の端末へ送信し、また第2の端末に書き込まれている第2の電子名刺情報を第2の端末から受信して記憶することによって達成される。二つの端末のうちの一方がパワー・オフ状態にあるときに電子名刺情報交換が達成されないという従来技術における問題点が解決される。
【0061】
上述の実施形態を実施するステップの全てまたは一部は、プログラムの指示命令に対応するハードウェアを介して完了されてもよいことを、当業者なら理解するであろう。このプログラムは、モバイル機器またはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよく、実行プログラムには本方法の上述の実施形態のステップが含まれている。上述の記憶媒体には、プログラムコードを記憶することができる読み出し専用メモリ(ROM)、読み書き可能メモリ(RAM)、磁気ディスク、または光ディスク等の様々な媒体が含まれている。
【0062】
最後に、上述した実施形態は本発明の技術的な課題解決手段を示しているに過ぎず、本発明を制限しないことに留意されたい。本発明は上述の実施形態に従って詳細に説明されているが、それらの実施形態に記載された技術的な課題解決手段は様々に変更可能であること、技術的特徴の一部を同等の技術的特徴に置換可能であること、さらにこれらの変更や置換が本特許請求の趣旨および範囲から逸脱しないことを、当業者なら理解するであろう。
【国際調査報告】