特表2017-525944(P2017-525944A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-525944タバコパッケージへ印刷を施し、検査するための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-525944(P2017-525944A)
(43)【公表日】2017年9月7日
(54)【発明の名称】タバコパッケージへ印刷を施し、検査するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/892 20060101AFI20170810BHJP
   B41J 29/393 20060101ALI20170810BHJP
   B41F 33/00 20060101ALN20170810BHJP
【FI】
   G01N21/892 A
   B41J29/393 103
   B41F33/00 280
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-574137(P2016-574137)
(86)(22)【出願日】2015年4月22日
(85)【翻訳文提出日】2017年1月18日
(86)【国際出願番号】EP2015000831
(87)【国際公開番号】WO2015192930
(87)【国際公開日】20151223
(31)【優先権主張番号】102014008846.4
(32)【優先日】2014年6月20日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】504265684
【氏名又は名称】フォッケ・ウント・コンパニー(ゲゼルシャフト・ミト・べシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシャフト)
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】クラール・ヴィンセント
【テーマコード(参考)】
2C061
2C250
2G051
【Fターム(参考)】
2C061KK13
2C061KK15
2C061KK26
2C061KK28
2C250EB39
2C250EB43
2G051AA34
2G051AB11
2G051AC21
2G051CA03
2G051CA04
2G051DA20
2G051EA12
2G051ED04
(57)【要約】
【課題】タバコパッケージへ印刷を施し、検査するための方法及び装置を更に発展させること。
【解決手段】タバコの製造時及び/又は包装時に用いられる印刷基板17上に自動的に印刷部を施すため、及び後続の自動的で光学的な複数の印刷部12a〜12cの検査のための方法であって、各印刷部12a〜12cが、印刷機械11を用いて印刷基板17へ施され、施された該印刷部12a〜12cを含む検査画像15が検査機器13によって撮影される前記方法において、印刷部12a〜12cを含む仮想的な基準画像16が、施されるべき印刷部12a〜12cを描写するグラフィックデータに基づいて生成され、仮想的な基準画像16が、検査機器13によって撮影された検査画像15と比較される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコの製造時及び/又は包装時に用いられる印刷基板(17)上、特にタバコパッケージ(10)又はタバコパッケージのためのブランクに自動的に印刷部を施すため、及び後続の自動的で光学的な複数の印刷部(12a〜12c)の検査のための方法であって、前記各印刷部(12a〜12c)が、製造プロセス及び/又は包装プロセスの範囲内で、印刷機械(11)、特にレーザプリンタを用いて前記印刷基板(17)へ施され、施された該印刷部(12a〜12c)を含む少なくとも1つの検査画像(5)が検査機器(13)、特にカメラによって撮影される、前記方法において、
前記印刷部(12a〜12c)を含む仮想的な基準画像(16)が、施されるべき前記印刷部(12a〜12c)を描写するグラフィックデータ、特にベクトルグラフィックデータに基づいて生成されること、及び前記仮想的な基準画像(16)が、前記検査機器(13)によって撮影された検査画像(15)と比較されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記印刷機械(11)が、前記印刷部(12a〜12c)を、これら前記印刷部(12a〜12c)を描写する前記グラフィックデータに基づいて施し、前記印刷部(12a〜12c)を描写する前記グラフィックデータが制御コマンドへ変換され、該制御コマンドによって、前記印刷機械(11)が前記印刷部(12a〜12c)を施すために制御されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
複数の画像データが前記仮想的な基準画像(16)の生成の範囲内で該仮想的な基準画像(16)へ統合され、前記画像データが、前記印刷部(12a〜12c)が施される前記印刷基板(17)の仮想的な背景(14)の少なくとも1つの部分範囲、特に前記印刷部(12a〜12c)を含む部分範囲を表すことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記印刷基板背景(14)を表す前記画像データが、カメラによって撮影された基準印刷基板の基準画像に由来するか、該基準画像から導出されていることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記印刷基板背景(14)を表す前記画像データが、前記仮想的な基準画像(16)の生成の範囲において、施されるべき前記印刷部を表す前記グラフィックデータに重ね合わされることを特徴とする請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記各印刷基板(17)、特に該印刷基板の選択された範囲が、前記印刷機械(11)によって印刷部(12a〜12c)が設けられる前に、特にカメラを含む検出装置を用いて検出されること、及び後続の前記印刷部(12a〜12c)を施すことが、前記検出装置によって検出される、前記印刷基板(17)を特徴付ける特に光学的な少なくとも1つの特徴に応じて制御されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
特徴付ける特徴として、前記印刷基板(17)の実際の場所、又は前記印刷基板(17)上に配置された少なくとも1つのグラフィックの実際の場所、実際の形状、実際の輪郭若しくは実際の品質が検出されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記特徴付ける特徴として、前記印刷基板(17)の実際の場所若しくは実際の輪郭又は前記印刷基板(17)上に位置するグラフィック(14)の実際の位置、実際の輪郭若しくは実際の形状が検出されることを特徴とする請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記印刷機械(11)が、検出された前記特徴に応じて、特に該印刷機械(11)が検出された前記特徴に依存して前記印刷基板(17)上の異なる位置に、及び/又は異なる形状で前記印刷部を施すように制御されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記印刷基板(17)に前記印刷部(12a〜12c)が施された直後に前記検査機器(13)が処理ステーションに対して相対的な前記印刷基板(17)の位置の変更なしに前記印刷部(12a〜12c)を撮影することができるように、前記検査機器(13)が、前記印刷機械(11)が前記印刷部(12a〜12c)を前記印刷基板(17)に施す処理ステーションと同一の処理ステーションに配置されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記印刷機械(11)が前記印刷基板(17)に前記印刷部(12a〜12c)を施す間に又はこれにつづいて、前記印刷基板(17)が前記印刷部(12a〜12c)を施すことと画像撮影の間に移動することなく、前記検査機器(13)が前記印刷部(12a〜12c)の前記検査画像(15)を撮影することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記仮想的な基準画像(16)と前記検査画像(15)との比較に応じて、場合によっては、前記印刷基板(17)の更なる印刷が、施された前記印刷部(12a〜12c)の修正のために、好ましくは前記印刷部(12a〜12c)を施した同一の前記印刷機械(11)によって行われることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記印刷部が施される間に前記仮想的な基準画像(16)と前記検査画像(15)との比較が行われること、及び該比較の結果に応じて、前記印刷部(12a〜12c)の修正のために進行中の印刷過程が変更されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記仮想的な基準画像(16)と前記検査画像(15)との比較に応じて、前記印刷基板(17)あるいは該印刷基板(17)上の前記印刷部(12a〜12c)が、場合によっては欠陥と評価され、上位の製造プロセス及び/又は包装プロセスから排除されることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
タバコの製造時及び/又は包装時に用いられる印刷基板(17)上、特にタバコパッケージ(10)又はタバコパッケージ(10)のためのブランクに自動的に印刷部(12a〜12c)を施すため、及び後続の自動的で光学的な複数の印刷部(12a〜12c)の検査のための、特に請求項1による方法を実行するための装置であって、前記製造プロセス及び/又は前記包装プロセスの範囲で、前記印刷基板(17)へ前記各印刷部(12a〜12c)を施すことが可能な印刷機械(11)、特にレーザプリンタと、施された前記印刷部(12a〜12c)を含む少なくとも1つの検査画像(15)を撮影可能な検査機器(13)、特にカメラとを有する前記装置において、
演算装置及び評価装置(20)が、施されるべき前記印刷部(12a〜12c)を描写するグラフィックデータに基づいて前記印刷部(12a〜12c)を含む仮想的な基準画像(16)を生成するように、並びに前記仮想的な基準画像(16)を前記検査機器(13)によって撮影された前記検査画像(15)と比較するように前記演算装置及び評価装置が形成されていることを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項1〜14のうち1つ又は複数の特徴によって特徴付けられた、請求項15に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコの製造時及び/又は包装時に用いられる印刷基板上、特にタバコパッケージ又はタバコパッケージのためのブランクに自動的に印刷部を施し、かつ、後続の自動的で光学的な複数の印刷部の検査のための方法であって、各印刷部が、製造プロセス及び/又は包装プロセスの範囲で、印刷機械、特にレーザプリンタを用いて印刷基板へ施され、施された該印刷部を含む少なくとも1つの検査画像が検査機器、特にカメラによって撮影される、前記方法に関するものである。さらに、本発明は、この方法を実行するための印刷装置及び検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タバコ産業において用いられる包装機械では、タバコパッケージ上の印刷を「インライン」で検査するために、とりわけ光電的に動作する検査システムが用いられる。このとき、検査システムのカメラは印刷を有するパッケージ側を検出する。撮影された検査画像に基づき、検査システムは、例えばOCR(文字認識)によって印刷内のテキストを抽出し、その位置、向きなどについて機械制御部によってあらかじめ設定された基準値あるいは基準情報と比較する。このようなテキストを生産プロセスにおいて認識できる状態に検査システムをもたらすために、この検査システムは、通常、対応する基準印刷を有する理想パッケージあるいは基準パッケージに基づいて教え込まれるか、又は「教育」される。この方法は、教え込み過程の範囲で検査システムへ覚え込ませる必要があるフォントがより複雑になる場合に限界にぶつかる。例えば、漢字の教え込みは、極端に困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このことから、本発明の課題は、冒頭に挙げた方法及び冒頭に挙げた装置を更に発展させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、請求項1の特徴を有する方法及び請求項15の特徴を有する装置によって解決される。
【0005】
本発明は、印刷装置及び検査装置の演算装置及び評価装置が、印刷を描写するグラフィックデータに基づいて印刷を含む仮想的な基準画像を生成すること、及びこの装置が、この仮想的な基準画像を検査機器によって撮影された検査画像と比較することによって傑出している。この比較に基づいて、別の措置を行うことが可能である。例えば、上述の各画像間の差異が所定量超過する場合には、欠陥通知を生成することができ、場合によっては該当する印刷基板を排除することができる。
【0006】
とりわけ、本発明は、所定の文字、例えばアジア系の文字を認識することができるようにするための印刷装置及び検査装置の教え込みが不要であるという特別な利点を有している。それぞれ検出された(実際の)検査画像、すなわち検査機器によって撮影された、印刷を含む印刷基板の画像は、例えば画素比較に基づく通常の画像解析手法によって各基準画像と比較されることができる。このとき、基準画像は、それぞれ直接最新の目標画像を形成している。
【0007】
特に好ましくは、各仮想的な基準画像の生成のために、各グラフィックデータが考慮に入れられ、印刷機械は、印刷部の印刷のためにこれらグラフィックデータを用いる。これらデータは、生産プロセスの範囲において、印刷機械によって印刷基板へ施される実際の印刷を自動的に形成する。これに対応して、生産プロセスにおいて施されるべき印刷を交換することが問題なく可能である。つまり、印刷に割り当てられたグラフィックデータは、いずれにしても存在する。そして、各グラフィックデータに基づいて、印刷装置及び検査装置あるいはその演算装置及び評価装置が、それぞれ困難を伴うことなく各仮想的な基準画像を生成することが可能である。
【0008】
このとき、グラフィックデータがベクトルグラフィックデータであれば、特に有利である。タバコ製造あるいはタバコの包装の範囲において用いられる印刷機械あるいはレーザプリンタは、このようなベクトルグラフィックデータに基づいて動作する。したがって、印刷を描写するグラフィックデータは、ベクトルグラフィックデータフォーマットで存在している。そして、このベクトルグラフィックデータに基づいて、印刷機械は、各印刷を生成し、ベクトルグラフィックデータは、必然的にあらかじめ、印刷機械のための適当な制御コマンドへ変換され、その結果、印刷機械の描写ヘッドが適当に制御されることが可能である。
【0009】
本発明の別の形成では、仮想的な基準画像の生成の範囲において、演算装置及び評価装置によって、印刷を描写する画像データに加えて、別の画像データ、すなわち、印刷が施される印刷基板の仮想的な背景の少なくとも1つの部分範囲あるいは印刷を含む部分範囲を表す画像データが仮想的な基準画像へ統合される。つまり、生産プロセスにおいて検査機器によって撮影された検査画像も定期的に仮想的な背景の部分範囲を示す。これに対応して、検査画像及び仮想的な基準画像は、同一の実状を描くものである。
【0010】
印刷基板背景によって表される画像データの統合は、印刷背景が白色あるいは明色の面である場合に特に有意義である。各印刷基板、例えばタバコパッケージブランクは、しばしば、プロセスにおいて、印刷前に既に印刷機械によって、検査画像の分析に関連する所定の印刷背景、例えばシンボル、線グラフィック、着色された面又はブランク供給者が既にここでの生産プロセス前にタバコの製造及び/又は包装のために既に調達した印刷を備える。例えば、適当な基準印刷基板によって、カメラを用いてこの印刷基板背景の画像を撮影することで、このような印刷背景を描写する画像データを、生産プロセス外で容易に生成することが可能である。ブランク供給者は、このような画像データを基本的にはデジタルの形態で提供することが可能である。
【0011】
これとは関係なく、仮想的な基準画像の生成の範囲では、例えば施されるべき印刷を表す画像データへの、このように撮影された印刷基板背景の画像の画像データの単純な重ね合わせあるいは追加を行うことが可能である。
【0012】
本発明の別の形成では、印刷基板が印刷機械によって印刷が施される前に、各印刷基板、特に印刷基板の選択された範囲が特にカメラを含む検出装置を用いて検出されるようになっている。この場合、後続の印刷を施すことは、検出装置によって検出された、少なくとも1つの、印刷基板を特徴付ける特に光学的な特徴に応じて制御される。
【0013】
この措置によって、とりわけ、印刷を個別に各印刷基板へ適合させることが可能である。このことは、例えば、個々の印刷基板の既にあらかじめ生産された印刷基板背景に欠陥があり、したがって、最終的に基準印刷基板の適当な背景とは異なる場合に、特に有利であり得る。例えば、なぜなら、所定の背景グラフィックがひずんでいるため、印刷が生産プロセス中に配置されるべき実証された印刷範囲が想定よりも小さいため、又は印刷が想定の位置にないためである。このようなずれは検出装置によって検知されることができ、できる限り、印刷機械によって、印刷、例えば各印刷基板が印刷中に位置する標準位置に関する印刷機械の向きを、このような欠陥が抑制されるように適合させることが可能である。印刷基板が生産プロセスにおいて標準印刷基板位置に対して誤って変位しているため、標準印刷基板位置に対する印刷機械の相対的な向きを変更する必要があることも考えられる。また、印刷のフォーマットを変更することも考えられる。
【0014】
したがって、印刷基板を特徴付ける、検出装置によって検出されるべき特徴として、とりわけ印刷基板の実際の位置、特に固定された基準点に対する相対位置、また例えば生産による押しつぶし又はこれに類するものによって目標形状からずれ得る印刷基板の実際の形状が問題となり、このことは、印刷機械による適合された印刷を必要とするものであり得る。また、印刷基板上に配置された少なくとも1つの背景グラフィック、例えば印刷基板上の印刷範囲に設けられるべき印刷部で特徴付けられたグラフィックの実際の輪郭、実際の品質又は実際の位置、が役割を果たし得る。
【0015】
本発明の別の形成では、検査機器が同一の処理ステーションに割り当てられており、この処理ステーションでは、検査機器がその間の処理ステーションに対する印刷基板の位置のその間の変更なしに印刷基板へ印刷を施すことに直接つづいて印刷を撮影することが可能であるように印刷機械が印刷基板へ印刷を施すことが企図され得る。換言すれば、印刷基板位置は、印刷を施す間、印刷基板あるいは印刷基板の印刷を含む範囲によって検査画像が撮影される検査位置に対応する。
【0016】
標準的には、検査画像は、おそらく、印刷を施した後に撮影され、しかも、印刷も行われる同一の処理ステーション又は印刷機械が割り当てられている別の印刷ステーションが設けられ、この印刷ステーションにおいて印刷が施され、及び検査機器が割り当てられて印刷ステーションの下流に配置された別の検査ステーションが設けられ、この検査ステーションにおいて最終的に検査画像が撮影される。
【0017】
検査機器は1つ又は複数の検査画像、あるいは(同一の処理ステーションにおいても)を撮影することができる一方、印刷機械は、印刷基板が印刷を施すことと画像撮影の間で移動されることなく印刷基板に印刷を施す。
【0018】
特にこの場合には、また、画像撮影が印刷後になされる場合には、仮想的な基準画像と撮影された検査画像の間の比較に応じて、特に既に施された印刷あるいは印刷の部分範囲の修正のために、場合によっては印刷基板の更なる印刷がなされることが理論的に考えられる。
【0019】
通常、この追加の印刷あるいは再印刷は、(第1の)印刷も施したか、あるいは標準印刷を行った同一の印刷機械によってなされる。このようにして、標準印刷中又はこれにつづいて検知される修正可能な欠陥印刷を上位の製造プロセス及び包装プロセスにおいて修正することが可能である。例えば、次に誤って印刷されたパッケージの排除が不要である。理論的には、再印刷を下流に配置された別の印刷機械によって行うことも可能である。
【0020】
必然的に、このような過程は、更なる印刷あるいは再印刷によって修正可能な欠陥のみに関するものであり得る。例えば、印刷の部分範囲が、処理が困難な印刷基板表面により、標準印刷中に印刷されないか、又は最適に印刷されないことが考えられる。場合によっては、再(新たな)印刷が対策となり得る。
【0021】
印刷過程がどのくらいの時間つづくのか、及び対応する装置がどのくらい迅速であるか応じて、仮想的な基準画像と撮影された検査画像の比較が演算装置及び評価装置によって印刷中に既に行われること、及びこの比較の結果に応じて、進行中の印刷過程が既に印刷の修正のために変更されることも考えられる。
【0022】
ただし、多くの場合、生じた欠陥を再印刷によって修正することは不可能である。したがって、仮想的な基準画像と撮影された検査画像の比較の結果に応じて印刷基板あるいは印刷基板上の印刷が場合によっては欠陥(場合によっては修正できない)と評価される場合には、欠陥通知が生成され、印刷基板が好ましくは上位の製造プロセス及び/又は包装プロセスから排除される。
【0023】
既に示唆したように、本発明による印刷装置及び検査装置は、少なくとも1つの印刷機械及び少なくとも1つの検査機器を含み、これら印刷機械及び検査機器は、上述したように製造ライン及び包装ライン内で1つの同一の処理ステーションに配置されることができるか、又は連続して別のステーション内に配置されることも可能である。制御装置の一部であり得る演算装置及び評価装置は、とりわけ、仮想的な基準画像の生成を担うものである。加えて、演算装置及び評価装置は、撮影された検査画像の評価などを引き受けるものである。
【0024】
本発明の別の特徴は、添付の特許請求の範囲、好ましい実施例の以下の説明及び添付の図面から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明による印刷装置及び検査装置によって印刷あるいは検査されるタバコパッケージを示す図である。
図2】本発明による印刷方法及び検査方法の第1の実施形態の経過を概略的に示す図である。
図3】本発明による印刷方法及び検査方法の別の実施形態の経過を概略的に示す図である。
図4図3による実施形態の追加的な応用を示す図である。
図5】本発明による印刷方法及び検査方法の別の実施形態の経過を概略的に示す図である。
図6図5による実施形態の応用についての別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1には、印刷を施すための対象として、折りたたみボックスのタイプの標準タバコパッケージ10が示されている。これに基づき、本発明による印刷方法及び検査方法を例示的に説明する。
【0027】
印刷方法及び検査方法は、各製品、ここではタバコパッケージ10の生産プロセスの範囲において用いられる。当然、本発明は、このようなタバコパッケージ10の印刷に限定されるものではない。本発明は、一般的に、タバコの製造及び/又は包装のための各装置に関連して応用されることが可能である。このとき、用いられる機械の種類も、また製造可能なタバコあるいはタバコパッケージの種類も重要ではない。
【0028】
生産プロセスの範囲で、すなわち生産ラインあるいは対応する包装機械の適切な位置において、各印刷基板を印刷し、この印刷を「インライン」においても欠陥について検査することが定期的に必要である。この目的のために、適当に形成された印刷装置及び検査装置がこのような包装機械に付設されている。
【0029】
その他の点については、タバコの包装のための包装機械は従来技術において十分に知られているため、その詳細について説明は不要である。
【0030】
印刷装置及び検査装置は少なくとも1つの印刷機械あるいはプリンタ11を備えており、このプリンタは、この場合には、タバコパッケージ10に印刷12を施すものである。正確にいえば、印刷基板17、すなわちここでは板紙から成るブランクが印刷される。ここでは、この印刷基板17は、生産プロセスの範囲において、不図示のタバコのグループ(タバコブロック)の周囲で折り曲げられている。印刷12は、図面の例では、常にタバコパッケージ10の幅狭側10aでなされるが、当然、様々な他の位置においても行うことが可能である。
【0031】
印刷の目的のために、印刷基板17は、生産プロセスの範囲において、すなわち「インライン」において、プリンタ11によって印刷を行うことができる標準印刷位置へもたらされる。このとき、プリンタ11は、包装機械の様々な位置に配置されることが可能であり、例えば、タバコパッケージのグループが印刷機械11によって印刷される間、当該レボルバのポケット内にそれぞれタバコパッケージのグループが位置するレボルバ18に隣接する。図4参照。
【0032】
図2による本発明の実施形態に示すように、生産プロセスにおいては、しばしば(必須ではないが)印刷機械11の下流に、検査機器13が配置されている。これは、通常、(電子的な)カメラ、例えばCCDカメラである。
【0033】
印刷12の検査のために、各印刷基板17あるいは各タバコパッケージ10が上位の生産プロセス(したがって同様に「インライン」)の範囲において標準検査位置へもたらされ、この標準検査位置では、検査機器13が印刷基板17あるいはタバコパッケージ10の幅狭側10aの少なくとも1つの検査画像を撮影することが可能である。
【0034】
検査機器13は、この検査機器が生産プロセスの範囲における各印刷基板17がもたらされる所定の検査位置において印刷12を包含する(ここでは部分範囲としての)印刷基板10の検査範囲あるいは画像撮影範囲を検出することができるように位置決め及び整向されている。この例では、これはちょうどタバコパッケージ10の幅狭側10aである。
【0035】
とりわけ図1から分かるように、印刷12は3つの別々の印刷部12a,12b,12cを備えている。
【0036】
印刷部12aは装飾された画像シンボルであり、印刷部12bは例えばアジア系言語の文章であり、印刷部12cはバーコードである。本発明によれば、印刷部の種類は当然重要でない。
【0037】
さらに、印刷基板17は、印刷基板背景14、ここでは背景印刷を備えている。印刷基板背景14は、着色された(ストライプ状の)グラフィック14aと、プリンタ11によって後に印刷部12cが施されるべき印刷範囲を示す(長方形状あるいは正方形状の)グラフィック14bとを含んでいる。
【0038】
印刷基板背景14あるいはグラフィック14a,14bは、(あらかじめ製造された)各印刷基板17すなわちタバコパッケージ10の(板紙の)ブランクの供給者によって既に設けられている。したがって、ここでの生産プロセスでは設けられず、あらかじめ製造された初期材料として存在する印刷基板背景17において既に存在している。
【0039】
ここで、設けられた印刷部12a〜12cを欠陥について検査するための本発明による印刷方法及び検査方法の範囲では、従来技術と異なり、前もって撮影された検査画像内での各印刷基板17に設けられた印刷部12a〜12cの検出がなされる必要がないことが特に重要である。
【0040】
つまり、本発明によれば、検査機器13によって撮影された印刷部12a〜12cを備える検査されるべきパッケージ10の幅狭側10aの実際の各画像あるいは各検査画像15は、それぞれ、各幅狭側10aのそれぞれ印刷装置及び検査装置の演算装置及び評価装置20によって生成された仮想的な基準画像16と比較される。このとき、この仮想的な基準画像16は、一方では印刷部12a〜12cを含み、他方では印刷基板背景14のグラフィック14a,14bを含んでいる。そして、演算装置及び評価装置20は、同様に、各検査画像15との各基準画像16の比較を引き受けるものである。
【0041】
このとき、仮想的な基準画像16の生成に用いられる印刷部12a〜12cの画像データは、印刷部12a〜12cを施すための印刷機械11が用いる画像データに直接対応する。したがって、ここでは、印刷機械11が印刷部12a〜12cをタバコパッケージ10に印刷するために用いる印刷データは、これら印刷データに基づいて、対応する仮想的な、印刷部12a〜12cを表す画像データを生成するために用いられる。
【0042】
ここでは、印刷機械11は、対応して、仮想的な基準画像16の生成に直接用いられることが可能なベクトルグラフィックデータを処理する。
【0043】
ここでは、印刷部12a〜12cを表すこれら仮想的な画像データが背景グラフィック14a,14bを表す画像データと重ね合わされるか、あるいはこれら画像データに加えられる。これに対応して、得られる仮想的な基準画像16は、それぞれ検査機器13によって撮影されたタバコパッケージの幅狭側10aのほぼ1対1画像である。
【0044】
最終的に、演算装置及び評価装置20は、信頼性のある画像処理手法によって、タバコパッケージ10のパッケージ側10aの検査画像15と仮想的な基準画像16の間の画素比較に基づいて画像比較を行う。
【0045】
検査画像15が仮想的な基準画像16との比較において有する、場合によってはあり得る欠陥は、画像解析の範囲において確認される。
【0046】
このような欠陥は、例えば印刷機械11の欠陥状態に起因することがあり得るため、印刷機械は、各印刷部12a〜12cを理想的に印刷することができない。しかし、欠陥は、規格からずれたタバコパッケージ10の形状あるいはフォーマット、印刷されるべき表面の欠陥のある表面特性などにおける、タバコパッケージの描写時の印刷機械11に対するタバコパッケージ10あるいは幅狭側10aの欠陥のある相対的な整向によるものでもあり得る。
【0047】
従来技術とは異なり、適切な解析手法を用いて各検査画像15における各印刷部をフィルタすることが不要である。特に、印刷部12a〜12cの意味論的な、あるいは内容的な情報を検査画像から抽出することが不要である。したがって、本例の範囲では、字体12bあるいはコード12cにある各情報は重要でない。
【0048】
仮想的な画像を生成し、検査画像をそれぞれ解析し、特に仮想的な基準画像と比較する演算装置及び評価装置20は、例えば上位の機械の制御ユニット又は印刷装置及び検査装置の一部であり得る。当然、演算装置及び評価装置は別々であり得る。演算装置及び評価装置は、とりわけ、例えば検査機器13によって撮影された画像の評価のための適当な(自動的に進行する)画像評価ソフトウェアあるいは画像解析ソフトウェアを有する1つ又は複数の通常のコンピュータ装置を含むことができる。
【0049】
図3には、本発明の発展形成が概略的に示されている。
【0050】
その後、生産プロセスにおいては、連続して印刷12を施す印刷機械11及び各印刷を検査する検査機器13が設けられているだけではなく、印刷機械11の上流には印刷装置及び検査装置の検出装置の追加の検出機器22が配置されている。同様にカメラとして形成された検出機器22によって、既に幅狭側10aに位置する背景グラフィック14a,14bが検出される。
【0051】
つづいて、印刷装置及び検査装置の演算装置及び評価装置20は、検出機器22によって撮影された、印刷されるべきタバコパッケージ側10aの画像を解析する。このとき、演算装置及び評価装置は、とりわけ、標準値あるいは基準値からの背景グラフィック14a,14bの特徴の差異を特定することが可能である。例えば、演算装置及び評価装置は、背景グラフィック14a,14bが、標準位置に対し、例えばレボルバ18のポケット19において不正確に、すなわち規格からずれて位置決めされ、又は変更された(例えば許容できないように印刷された)パッケージ10によって生じる、検出されたパッケージ側10aに対して相対的に変位するか、又は回転して位置決めされている場合に、検出することが可能である。図4参照。
【0052】
演算装置及び評価装置20は、このことを印刷機械11の制御部へ通知する。つづいて、制御部は対応する信号を印刷機械11へ送信し、その結果、この印刷機械によって施されるべき印刷12が適切に修正されるか、あるいは印刷パラメータが適切に変更される。
【0053】
図5には、本発明の別の発展形成が示されている。
【0054】
ここで、検査機器13は、この検査機器13が処理ステーションに対する相対的なタバコパッケージ10の位置のその間の変更なしに直接印刷基板17へ印刷部12a〜12cを設けることにつづいて印刷を撮影することができるように、印刷部12a〜12cを幅狭側10aへ施す印刷機械11と同一の処理ステーションに割り当てられている。換言すれば、印刷部12a〜12cを施す間のタバコパッケージ10の位置は、その印刷部の検査位置、つまり検査機器13が検査画像15を撮影する検査位置に対応している。このことは、例えば、印刷機械11又は検査機器13のビーム経路から移動可能なミラー又は半透過性のミラー21によって達成されることが可能である。印刷機械11、検査機器13、半透過性のミラー21及びタバコパッケージ10は、それぞれ、検査機器13の視線方向とここではレーザプリンタとして形成された印刷機械11のビーム方向とが同時にタバコパッケージ10の幅狭側あるいは印刷範囲及び検査範囲へ向けられるように、生産プロセスにおいて位置決めされている。
【0055】
図5の構成においては、印刷機械11がまだ印刷部12a〜12cを施す間に、通常、印刷部12a〜12cの検査は理論的には既になされることが可能である。この場合、必然的に、検査すべき幅狭側10aの多数の検査画像15が時間的に連続して撮影される必要があり、場合によっては既に強化される必要がある。
【0056】
理論的には、上述の場合にも、しかし、主に検査画像15がそれぞれ印刷12の完了後に初めて撮影される場合に、1つ又は複数の検査画像15の評価の範囲においてなされる仮想的な基準画像16とそれぞれ撮影された検査画像15の間の比に応じて、場合によっては、特に既に施された印刷あるいは印刷部12a〜12cの部分範囲の修正のために、幅狭側10aの更なる印刷が行われることが考えられる。
【0057】
通常、この追加のあるいは後からの印刷は、(第1の)印刷部12a〜12cを施したか、あるいは標準印刷を行った同一の印刷機械11によってなされる。このようにして、標準印刷中に、又はこれにつづき検出される修正可能な欠陥印刷が、上位の生産プロセス内で修正されることが可能である。
【0058】
図6には、標準印刷の範囲で、図6a)において印刷部12a〜12cの破線を有する範囲が印刷されたことが例示的に示されている。欠陥のある印刷範囲は、検査画像15の評価の範囲で検出される。つづいて、欠陥のある範囲以外の再印刷が行われる。図6b)参照。幅狭側10aの完成された画像が図6c)に示されている。
【符号の説明】
【0059】
10 タバコパッケージ
10a 幅狭側
11 プリンタ
12 印刷
12a 印刷部
12b 印刷部
12c 印刷部
13 検査機器
14 印刷基板背景
14a 背景グラフィック
14b 背景グラフィック
15 検査画像
16 基準画像
17 印刷基板
18 レボルバ
19 ポケット
20 演算装置及び評価装置
21 半透過性のミラー
22 検出機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】