(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-526469(P2017-526469A)
(43)【公表日】2017年9月14日
(54)【発明の名称】センサと管理デバイスとの間の通信のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20170818BHJP
【FI】
A61B5/00 102C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2017-513520(P2017-513520)
(86)(22)【出願日】2015年9月12日
(85)【翻訳文提出日】2017年3月23日
(86)【国際出願番号】US2015049859
(87)【国際公開番号】WO2016040914
(87)【国際公開日】20160317
(31)【優先権主張番号】62/050,054
(32)【優先日】2014年9月12日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】513092671
【氏名又は名称】ブレイン センティネル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Brain Sentinel,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ジルアード、マイケル アール.
【テーマコード(参考)】
4C117
【Fターム(参考)】
4C117XE19
4C117XE62
4C117XE76
4C117XH18
4C117XJ13
4C117XJ42
4C117XJ45
4C117XL10
4C117XP13
4C117XQ20
(57)【要約】
遠隔センサと管理デバイスとの間の通信の信頼性を検証または追跡するために使用される信号の特徴を調整するための方法が、本明細書に記載されている。例えば、遠隔センサと管理デバイスとの間で送信される信号の交換速度は、デバイスが信頼できる通信状態であると決定されるときの電力消費を最小にするように構成される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置および方法は、遠隔センサが物理的境界に近づくとき、通信範囲外に移動するとき、電源を切ったとき、損傷したとき、またはそうでなければ適切であるかまたは信頼できる通信が不可能である得ることを個人に知らせるように更に構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発作活動について患者を監視する方法は、
筋電図検査用電極のデータを収集するように構成されたモバイルセンサユニットに含まれる1つまたは複数の筋電図検査用電極を使用して発作活動について患者を監視するステップと、
前記筋電図検査用電極のデータが、発作を有するリスクの上昇に関連する発作前運動症状の存在を示すかどうかを決定するステップと、
前記モバイルセンサユニットと基準デバイスとの間の交換信号を送信して、前記交換信号のうちの少なくとも1つの信号の受信信号強度と前記交換信号のうちの少なくとも1つの信号の受信信号品質とのうちのいずれかまたは両方に基づいて前記モバイルセンサユニットと前記基準デバイスとの間の通信の強度を決定するステップと、
発作を有するリスクの上昇に関連する前記発作前運動症状が検出された場合に、警告信号を介護者に送信するステップと、
発作を有するリスクの増大に関連する前記発作前運動症状が検出されるとともに通信の強度が閾値レベル未満である場合に、前記筋電図検査用電極のデータの一部分を前記基準デバイスに送信するステップと、を含み、
前記基準デバイスは、筋電図検査用電極のデータの前記一部分を受信し、前記介護者によって要求された場合に送信のために筋電図検査用電極のデータの前記一部分をキューに入れるように構成されている、方法。
【請求項2】
前記基準デバイスは、筋電図検査用電極のデータの前記一部分を前記介護者に伝送するのに適したネットワークに有線接続を介して接続されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記モバイルセンサユニットと前記基準デバイスとの間の前記通信の強度が変化したときに前記交換信号を送信する速度を調整するステップをさらに含み、
前記交換信号を送信する速度を調整するステップは、前記通信の強度が増大するときは前記交換信号に含まれる個々の信号間の期間を減少させることと、前記通信の強度が低減するときは前記交換信号に含まれる個々の信号間の期間を増大させることと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記交換信号を送信する前記速度は、前記受信信号の強度及び前記受信信号の品質の線形関数としてスケーリングされる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
モバイルセンサと基準デバイスとの間の無線通信を検証または追跡するために使用される電力消費を調整する方法は、
前記モバイルセンサと前記基準デバイスとの間の第1の通信強度を決定するために第1の期間中に前記モバイルセンサと前記基準デバイスとの間で信号を交換するステップと、
前記第1の通信強度に基づいて信号交換の速度を設定するステップと、
前記モバイルセンサと前記基準デバイスとの間の第2の通信強度を決定するために前記モバイルセンサと前記基準デバイスとの間でさらなる信号を交換するステップと、
通信強度の変化を決定するために前記第1の通信強度と前記第2の通信強度とを比較するステップと、
通信強度の前記変化に基づいて信号交換の速度を調整するステップと、を含む、方法。
【請求項6】
前記第1の通信強度と前記第2の通信強度とを決定するステップは、受信信号の強度と受信信号の品質とのうちの少なくとも1つを計算することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記モバイルセンサと前記基準デバイスとの間の信号を交換するステップ及び前記モバイルセンサと前記基準デバイスとの間のさらなる信号を交換するステップは、
前記モバイルセンサからの開始パルスを前記基準デバイスに伝送し、前記基準デバイスによる前記開始パルスの検出に応答して、前記基準デバイスから前記モバイルセンサに応答信号を伝送することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の通信強度及び前記第2の通信強度は、前記開始パルスの受信信号の強度及び受信信号の品質のうちの少なくとも1つに基づいて計算される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
信号交換の前記速度を調整する方法を前記モバイルセンサに通信するメッセージを前記基準デバイスから前記モバイルセンサに送信するステップを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記モバイルセンサは、患者に取り付け可能であり、かつ前記筋電図検査用電極のデータを収集するように構成される筋電図検出デバイスに含まれる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記基準デバイスは、携帯可能な基地局である、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される方法および装置は、一般に、無線デバイス通信に関する。
【背景技術】
【0002】
センサを用いて、センサが取り付けられた物体の特性のリアルタイムデータを収集することができる。リアルタイムデータを収集するために使用されるセンサの様々な用途の中には、医療診断を実行するために使用され得る生理学的な患者データの収集に関連するものが含まれる。例えば、患者の皮膚上などに埋め込まれ得るか、付着され得るか、または別の方法で患者に配置され得るバイオセンサは、患者に関する生理学的データを収集するために使用され得る。そのデータは、連続的に無線伝送されてもよく、異常状態が検出された場合に医療を開始するために使用されてもよい。いくつかのセンサシステムでは、収集されたデータは、例えば、患者の異常な生理学の特徴の検出を含むいくつかの状態の検出によってトリガされたときに選択的に伝送され得る。
【0003】
特に、センサを使用して大量のデータを収集する場合、および/またはセンサを再充電せずに長期間使用するように同センサが設計される場合、センサ内で利用可能なエネルギーであって、データ伝送の関連において使用され得るエネルギーを節約することが重要である。監視データは、例えば、低電力無線周波数(RF)通信を介する無線通信を典型的には使用して収集ステーションに伝送することができる。しかしながら、低電力シグナル伝達は、センサの伝送範囲を特定の地域に制限することがある。したがって、センサがその地域から移動している可能性があることと、伝送が有効である範囲とを認識するためにセンサの位置を追跡することは有用である。センサシステムを追跡することは、センサがデバイス間で信号を交換することによって他の装置と通信しているかどうかの識別を含むことができる。特に、センサと通信ステーションとの間でメッセージを送受信することができ、一方のデバイスがメッセージを別のデバイスに送信し、応答を待つことができる。すなわち、1つまたは複数の信号または「ping」を送信するためのプロトコルを実装することができる。しかしながら、そのような信号の受信および送信の両方に関連するエネルギーの消費もまた重要であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遠隔センサとの通信を追跡するために使用される電力の消費を最小にするシステムおよび方法が必要とされている。監視ロケール(locale)内のセンサの位置に基づいてデータを伝送するため、および/または、センサが通信を失った場合にデータが失われたりアクセス不能になる前にデータを伝送するため、に使用することができるシステムも必要である。例えば、デバイスが監視境界に近づき、かつ/または通信強度が低下するにつれて、モバイルデバイスと遠隔収集ステーションとの間で情報の交換を選択、優先順位付け、および/またはトリガするように構成されたシステムが必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの実施形態では、発作活動について患者を監視する方法は、筋電図検査用電極のデータを収集するように構成されたモバイルセンサユニットに含まれる1つまたは複数の筋電図検査用電極を使用して発作活動について患者を監視するステップと、筋電図検査用電極のデータが、発作を有するリスクの上昇に関連する発作前運動症状の存在を示すかどうかを決定するステップと、モバイルセンサユニットと基準デバイスとの間の交換信号を送信して、前記交換信号のうちの少なくとも1つの信号の受信信号強度と前記交換信号のうちの少なくとも1つの信号の受信信号品質とのうちのいずれかまたは両方に基づいてモバイルセンサユニットと基準デバイスとの間の通信の強度を決定するステップと、発作を有するリスクの上昇に関連する発作前運動症状が検出された場合に、警告信号を介護者に送信するステップと、発作を有するリスクの増大に関連する前記発作前運動症状が検出され、かつ通信の強度が閾値レベル未満である場合に、筋電図検査用電極のデータの一部分を基準デバイスに送信するステップと、を含み、基準デバイスは、筋電図検査用電極のデータの前記一部分を受信し、介護者によって要求された場合に筋電図検査用電極のデータの前記一部分をキューに入れる(queue)ように構成されている。
【0006】
いくつかの実施形態では、モバイルセンサと基準デバイスとの間の無線通信を検証または追跡するために使用される電力消費を調整する方法は、モバイルセンサと基準デバイスとの間の第1の通信強度を決定するために第1の期間中に同モバイルセンサと同基準デバイスとの間で信号を交換するステップと、第1の通信強度に基づいて信号交換の速度を設定するステップと、モバイルセンサと基準デバイスとの間の第2の通信強度を決定するために第2の期間中に同モバイルセンサと同基準デバイスとの間でさらなる信号を交換するステップと、通信強度の変化を決定するための第1の通信強度と第2の通信強度とを比較するステップと、通信強度の変化に基づいて信号交換の速度を調整するステップと、を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の装置および方法は、モバイルセンサが管理デバイスとの通信を維持しているかどうかを追跡し、利用可能なシステムエネルギーを節約しながら追跡するように構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の装置および方法は、モバイルセンサの位置および/またはモバイルセンサの基準点若しくは境界に関する近接度のいずれかまたは両方を決定するのに適したデータを提供するように構成されていてもよい。そして、いくつかの実施形態では、1つまたは複数のシステムデバイスは、通信の損失のリスクが増大するにつれて、1つまたは複数のアクションを選択的に実行することができる。例えば、1つまたは複数のシステムデバイスは、センサを遠隔監視する個人に有用であり得、かつセンサが通信を失った場合に介護者が利用できなくなる可能性のあるデータの優先順位付け、選択、および伝送を含むアクションを選択的に実行することができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、センサと管理デバイスとの間の通信を維持または確立するのに専用の電力消費は、センサと管理デバイスとの間で信号を送信するために決定される通信強度に基づいて調整され得る。いくつかの実施形態では、センサと管理デバイスとの間の通信を維持または確立するのに専用の電力消費は、通信境界に関するセンサの位置または近接度に基づいて調整することができる。例えば、センサが監視境界内に十分にあることが分かっている場合、または通信の強度が高い場合に、センサとの通信および/または位置を確認するのに専用の1つまたは複数の信号の伝送の速度または電力を調整することができる。いくつかの実施形態では、信号は、センサ境界逸脱(Excursion)のリスクに基づいて調整されてもよい。境界逸脱のリスクは、例えば、センサの位置、基準点または監視境界への近接度、通信信号の強度または品質、通信強度または品質の時間の経過による微分値、および/またはそれらの組み合わせから計算または推定することができる。また、境界逸脱のリスクが変化すると、通信の維持、追跡、確立に割り当てられた電力をそれに応じて調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】デバイス間の信号交換を整合させる(coordinate)または調整するためのシステム内の基準デバイスに対するモバイルセンサの異なる位置を示す。
【
図1B】デバイス間の信号交換を整合させるまたは調整するためのシステム内の基準デバイスに対するモバイルセンサの異なる位置を示す。
【
図2】デバイス間の信号交換を整合させるまたは調整するための別のシステムを示す。
【
図3A】デバイス間の信号交換を整合させるまたは調整するための別のシステムにおける基準デバイスに対するモバイルセンサの異なる位置を示す。
【
図3B】デバイス間の信号交換を整合させるまたは調整するための別のシステムにおける基準デバイスに対するモバイルセンサの異なる位置を示す。
【
図4】デバイス間の信号交換を整合させるまたは調整するための方法の一実施形態を示す。
【
図5】通信強度が時間と共にどのように変化するかを示すデータのモデルセットを示す。
【
図6】デバイス間の信号交換を整合させるまたは調整するための方法においてモデルデータをどのように処理することができるかの様々な態様を示す
図5のモデルデータセットを示す。
【
図7】デバイス間の信号交換を整合させるまたは調整するための方法の別の実施形態を示す。
【
図8】デバイス間の信号交換を整合させ、または調整し、1つまたは複数のシステム応答を実行するための方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書中で使用される以下の用語は、示された意味を有すると理解されるべきである。
「コンピュータ(Computer)」は、機械可読命令を実行することができる任意のプログラム可能な機械を意味する。コンピュータは、これに限定するものではないが、汎用コンピュータ、マイクロプロセッサ、コンピュータサーバ、デジタル信号プロセッサ、またはそれらの組み合わせを含むことができる。コンピュータは、1つまたは複数のプロセッサを含むことができ、単一の機械または複数の機械の一部を含むことができる。
【0011】
「コンピュータプログラム(Computer program)」という用語は、コンピュータによって実行されコンピュータを所望の方法で動作させることができる命令のリストを意味する。
【0012】
「コンピュータ可読媒体(Computer readable medium)」という用語は、1つまたは複数のコンピュータプログラム、1つまたは複数のデータの一部、またはそれらの組み合わせを格納するための容量を有する、製造物品を意味する。コンピュータ可読媒体は、これに限定するものではないが、コンピュータメモリ、ハードディスク、メモリスティック、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、(CDまたはDVDなどの)光ディスク、Zipドライブ、またはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0013】
本明細書で使用される「開始パルス」という用語は、デバイスと1つまたは複数の他のデバイスとの間の通信を検証または維持するためにデバイスから送信され得る1つまたは複数の信号を指す。
【0014】
本明細書で使用される「応答信号」という用語は、別のデバイスから送信された1つまたは複数の開始パルスの受信に応答して1つのデバイスから送信される1つまたは複数の信号を指す。
【0015】
本明細書で使用される「通信強度」という用語は、伝送される信号がデバイス間で送信されたときに2つのデバイスがどれだけうまく通信できるかを意味する。例えば、通信強度が高いということは、検出可能なレベルまたは電力で、信号データ内容の著しい損失または歪みなしに、デバイス間で信号を通信できることを意味する。非限定的な例として、受信信号の振幅または電力、受信信号の信号対雑音比、受信信号強度表示(RSSI)、リンク品質指示(LQI)、信号品質、およびこれらの組み合わせを含む1つまたは複数のメトリックが通信強度のレベルを表現するために使用されてもよい。
【0016】
「信号品質」という用語は、信号がバックグラウンドノイズまたは干渉のレベルに関してどのように識別可能であるかを指す。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の装置および方法は、1つのデバイスが1つまたは複数の他のデバイスに伝送信号をどれくらいうまく伝達できるかに基づいて、システムデバイス間で交換される信号の特徴を調整するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の装置および方法は、モバイルセンサが物理的境界に近づくとき、通信範囲外に移動するとき、電源を切ったとき、損傷したとき、またはそうでなければ適切であるかまたは信頼できる通信が不可能である得ることを個人に知らせるように更に構成されていてもよい。例えば、センサは、センサが物理的境界または通信境界に近づいていることを個人に警告するか、またはデータ交換の強度または品質がある閾値レベルを下回ったことを個人に警告する、可聴アラームを送信するように構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、センサは、1つまたは複数のタスクを実行するために必要な1つまたは複数の期間を格納または計算するプロセッサを含むことができる。プロセッサは、センサが通信境界に近すぎる可能性があるか、または通信強度が低すぎるか、あまりにも急速に低下してそれらのタスクを確実にまたは首尾よく実行することができないかを決定するようにさらに構成されていてもよい。通信の損失のリスクがあまりにも高いと判断された場合、例えば、送信の成功に利用できなくなるリスクがあり得るデータの先制的(preemptive)伝送を含む適切なアクションが実行されてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、遠隔センサがデータを1つまたは複数の他のデバイスに首尾よく伝送する能力を失うリスクがあるとみなされる場合、遠隔センサと1つまたは複数の他のデバイスとの間で情報を交換して、必要に応じてシステム構成要素に臨界データが利用されることを確実に支援することができる。例えば、センサの位置を特定するのに適したデータ、センサによって収集された測定データ、および/または例えば較正データを含むセンサ機能に関連する他のデータは、そのデータへのアクセスが有効であり得る時間の間、データの損失またはデータのアクセス不能を防止するために編成され、かつ伝送されてもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステムで通信するデバイスは、1つまたは複数の地域(locality)内で動作することができる。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスは、WiFiのような無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を含む地域内で動作するように構成することができる。より一般的には、本明細書に記載のいくつかの実施形態は2つ以上のデバイスを含むシステムでの使用に適用可能であり、これらのデバイスのうちの少なくとも1つ(典型的にはモバイルセンサデバイス)は、他のシステムデバイスに対して接続性のレベルの変化にさらされる。デバイスは、無線で情報を送受信することができる。無線伝送は、特にRF信号の送信を含むことができるが、本明細書に記載の方法はまた、情報交換のための他の伝送プロトコルまたはシグナル伝達手段を使用することができるシステムを含む他のシステムのためになり、かつ他のシステムを含むことができる。例えば、本明細書に記載のプロトコルのいくつかは、音波を使用して通信するデバイスまたは他の形態のエネルギー伝播を使用して通信するデバイスと共に使用するように構成することができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、センサによるシステム構成要素の通信を確立または追跡するのに専用の電力消費は、監視境界に対するセンサの位置または近接度が変化するとき、またはセンサとシステム構成要素との間の通信強度が変化するときに調整することができる。例えば、センサが快適に通信境界内にある場合、またはセンサと他のシステム構成要素との間の通信強度が高い場合、センサとの通信を確立するのに専用の電力が調整されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、通信強度が増加すると、センサとのシステム構成要素の通信を確立または追跡するのに専用の電力の消費が減少する可能性がある。通信忠実度または強度、および/またはあるデバイスの別のデバイスまたは通信境界に対する位置を検証するために、デバイス間でメッセージ信号またはパルスを送信することができる。例えば、モバイルセンサと1つまたは複数の基準デバイスとの間で信号を交換することができる。交換される信号は、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の開始パルスを含むことができる。開始パルスは、例えば、監視期間内に固定または変動し得る信号を含む1つまたは複数の内部クロック信号に基づく速度または周波数で動作することができる。いくつかの実施形態では、開始パルスは、以前に外部信号またはトリガを受信したデバイスを必要とすることなく、あるデバイスから送信されてもよい。例えば、開始パルスを一定の速度で送信してもよく、個々のパルスは、事前に受信することなく、または別の信号の受信を確認する必要なく送信されてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、開始パルスを送信する速度は、例えば、外部受信信号を含む外部デバイスのトリガに応答して調整されてもよい。
【0020】
別のデバイスから開始パルスを受信するデバイスは、1つまたは複数の開始パルスの受信を確認するプロトコルの一部として1つまたは複数の戻り信号を送信することによって、その他のデバイスと通信することができる。また、いくつかの実施形態では、いくつかの数の開始パルスに応答して、1つまたは複数のデバイスがいくつかの数の戻り信号を受信しなければ、アラームまたは障害メッセージがトリガされてもよい。デバイスは、例えば、開始パルスを送信するたびに戻り信号を受信することを期待することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、および/またはシステムが特定の状態にあるとき、デバイスは、ある速度で開始パルスを送信することができるが、同デバイスは、別の速度では戻り信号を受信することのみを期待するようにしてもよい。戻り信号を送信するデバイスは、その戻り信号の受信を確認する別の信号を受信することを期待していてもしていなくてもよい。いくつかのデバイスは、許容可能な速度以下の戻り信号を検出すると、障害メッセージを開始してもよい。いくつかの実施形態では、システムは、デバイスが戻り信号を受信して検出するための範囲内であっても、戻り信号を受信し検出する何らかの失敗率を説明するように構成することができる。例えば、デバイスが、開始パルスを送信する時間の約50%未満または何らかの他のパーセンテージ未満で戻り信号を受信して検出する場合、同デバイスは、障害メッセージを開始するか、または例えば再較正の実行またはそれ自身と他のシステムデバイスとの間の通信を改善するように設計された他のアクションを含む他のアクションをとるようにしてもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のタイミングシーケンスがデバイスによって実行されてもよく、デバイスがタイミングシーケンス内で戻り信号を受信しない場合、障害状態がトリガされてもよい。例えば、デバイスは、例えば、開始パルス間の間隔の倍数であってもよいタイマを開始してもよく、デバイスが1つまたは複数の戻り信号を受信することなくタイマが終了した場合、アラームが開始されてもよい。いくつかの実施形態では、開始パルスの送信速度および/または戻り信号の送信速度は、一方のデバイスが別のデバイスからの信号をどれだけうまく受信するかに依存する。例えば、いくつかの実施形態では、受信信号の強度または受信信号の品質が、通信するデバイスの1つにおいて変化する場合、信号交換の速度を調整することができる。
【0021】
信号を受信するために、デバイスはエネルギートランスデューサを含むことができる。例えば、RFエネルギーの形態の信号を受信するデバイスは、アンテナを含むことができる。プロセッサは、アンテナまたは他のエネルギートランスデューサからの信号を処理するように構成され、デバイスが様々な方法で適切な強度の信号を受信しているかどうかを評価することができる。例えば、プロセッサは、デバイスが検出した信号のパーセンテージまたは比に基づいて(例えば、デバイスは、ある一定数の開始パルスまたは開始パルスの一部を検出し、実際に検出された数を期待されている数と比較することが期待されてもよい)、いかに強い信号を受信したかに基づいて(例えば、検出された信号の振幅または電力)、2つの信号間の一時的遅延または位相遅延に基づいて、信号対背景の比に基づいて、他の要素に基づいて、および/またはそれらの要素の組み合わせに基づいて、デバイスがどれだけうまく信号を受信しているかを測定することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサは、例えば、アンテナで検出されたRFエネルギーの電力レベルを含む、受信信号の強度に基づいて信号がどれだけ良好に受信されたかを評価することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサは、エネルギートランスデューサで受信された信号の品質を評価することができる。例えば、信号交換の品質を評価するために、開始パルスまたはパルスの部分のパーセンテージが、ある期待された数に対して決定されてもよく、検出されたパルスまたはパルスの部分の信号対雑音比(SNR)が決定されてもよく、あるいはその両方であってもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のIEEEプロトコル(たとえば、802.11および802.15.4仕様など)に記載されているように、遠隔デバイスとルータとの間の信号交換のためにリンク品質表示(LQI)を決定することができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、センサの電力消費の調整は、開始パルス、戻り信号、またはその両方の伝送の速度若しくは電力を調整または設定することを含むことができる。より一般的には、電力消費を調整するために、センサ通信を追跡または検証するプロトコルの一部として交換される信号の特徴が設定または調整されてもよい。いくつかの実施形態では、開始パルスおよび/または戻り信号は、物理的境界または通信境界を横切るセンサ逸脱のリスクに基づいて、そうでなければ通信の損失のリスクに基づいて調整されてもよい。境界逸脱または通信の損失のリスクは、例えば、遠隔センサおよび/または基準デバイスのいずれかまたは両方の1つまたは複数のプロセッサを使用して計算または推定することができ、センサ位置の推定または決定、センサの基準点若しくは境界に対する近接度、デバイス間の通信強度、いずれかのデバイスまたは両方のデバイスでの受信開始パルスの強度または品質、いずれかのデバイスまたは両方のデバイスでの受信された戻り信号の強度または品質、いずれかのデバイスまたは両方のデバイスでの受信した強度または品質の時間にわたる微分値、および/またはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、センサが横断し得る距離に関連するスカラー値またはベクトル値を計算するように構成されてもよい。この計算には、センサの加速度、速度、位置、および/または他の因子およびそれらの因子の組合せに関連する情報の使用が含まれ得る。プロセッサによって使用される情報は、いくつかの実施形態では、センサによって収集された第1のデータに追加され得るセンサデバイスの1つまたは複数の他のセンサまたは構成要素によって取得されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、患者の脈拍数に関連する主要なセンサデータと共に、加速度計は、センサおよび患者が動いていることを識別するのに適した1つまたは複数のシステムデバイスにデータを送信することができる。また、例えば、患者が動いていると決定された場合、患者が静止していると決定された場合よりも、境界の逸脱のリスクが高くなると考えられる。さらに、患者が一定期間にわたって静止しているとみなされるかまたは静止している場合、境界逸脱のリスクは、いくつかの実施形態では、患者が監視ロケールの通信境界に向かって移動していることが分かっているか、または移動している場合よりも低いと考えられる。
【0024】
システムまたは方法は、いくつかの実施形態では、センサと1つまたは複数のデバイスとの間の信号交換特徴または特性をどのように調整するかについての計算におけるセンサ移動の特徴を含むことができる。例えば、センサ移動に関連する1つまたは複数の因子は、例えば、一定であっても変化する重量であってもよい因子を含み、センサと1つまたは複数の他のデバイスとの間で信号がどのように交換されるかに関する1つまたは複数の特徴をどのように調整するかについての計算において使用されてもよい。いくつかの実施形態では、システムは、通信強度に基づいてセンサと他のデバイスとの間で信号がどのように交換されるかに関連する1つまたは複数の特徴を調整することができる。例えば、アルゴリズムは、例えばRSSI、LQI、またはその両方の組み合わせを含む、1つまたは複数の信号の伝送のための期間を通信強度の1つまたは複数のメトリックに関連付けることができる。例えば、式1において、RSSIとLQIの線形結合を計算し、以下に示すように、連続する開始パルス(Pi)の伝送間の時間を調整するために使用することができる。
【0025】
Pi=LQI*C
lqi+RSSI*C
rssi(式1)
ここで、
Piは、連続する開始パルス間の時間間隔であり、
LQIは、現在のLQI(0−100)であり、
RSSIは、現在のRSSI(dBm)であり、
C
lqiは、線形LQI係数であり、かつ、
C
rssiは、線形RSSI係数である。
【0026】
式1に示すように、線形係数は、通信強度の上記LQIおよびRSSIメトリックの、連続する開始パルス間の時間間隔に対する相対的な寄与をスケーリングすることができる。上記の例では、LQIが高い場合、連続する開始パルスの伝送の間隔もまた長くなり得る。同様に、LQIが減少すると、連続する開始パルス間の持続時間が減少する傾向がある。同様に、RSSIが高い場合、連続する開始パルス間の間隔もまた大きくなることがある。同様に、RSSIが減少すると、連続する開始パルス間の持続時間が減少する傾向がある。一般に、連続する開始パルス間の継続時間が長くなると、電力消費が減少することがある。例えば、いくつかの実施形態では、伝送の間の持続期間が長くなるにつれて、システムのラジオ(radio)をより長い時間オフにすることができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、時間間隔Piは、式2に示すような動き情報に基づいてさらに調整することができる。
Pi=[LQI*C
lqi+RSSI*C
rssi]−[C
v*v] (式2)
ここで、
Piは、連続する開始パルス間の時間間隔であり、
LQIは、現在のLQI(0−100)であり、
RSSIは、現在のRSSI(dBm)であり、
C
lqiは、線形LQI係数であり、
C
rssiは、線形RSSI係数であり、
C
vは、センサ移動の寄与に基づいてPiを調整するための係数であり、かつ、
Vは、速度(またはいくつかのルーチンでは加速度)である。
【0028】
式2に示すように、センサが動いているとき、Piが速度(v)で乗算された係数Cvによって調整されるので、時間間隔Piは減少され得る。いくつかの実施形態では、通信境界に向かって突出する速度のベクトル寄与を決定または推定することによってPiは調整されてもよい。例えば、監視する地域は、例えば、より大きなエリア内にあるかもしれないものを含む、接続不良の区域を含むことができる。いくつかの実施形態では、これらの区域は既知であってもよいし、または決定されてもよい。そして、センサが、ベクトル成分と共にこれらの区域の1つをマーキングする通信境界に向かって移動している場合には、それに応じてPiを調整することができる。例えば、通信境界の位置が明らかではないいくつかの実施形態を含むいくつかの実施形態では、通信境界の位置を推定することができる。例えば、通信境界は、LQIまたはRSSIの微分値を決定することによって推定することができる。例えば、RSSIが経時的に減少している場合、センサが通信境界に向かって移動していると推定することができる。したがって、センサが新しいロケールに配置された場合や、監視境界が不明であるかまたは十分に画定されていないロケールに配置された場合でも、信号交換特徴を調整する方法において、加速度および/または速度を含む移動データを組み込むことができる。式2に示すように、移動情報は、速度(velocity)または速さ(speed)によって直線的に変化する項として組み込むことができる。いくつかの実施形態では、移動データは他の様式で調整されてもよい。例えば、Piを調整するための式は、加速度または速度に線形または非線形に依存し得る移動に関連する1つまたは複数の項を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、加速度値または速度値は、2乗されるか、またはより高い指数に従う。
【0029】
プロセッサは、いくつかの実施形態では、所与の距離、速度、または移動方向が、経験的に計算され、推定され、および/または1つまたは複数のモデルを適用することによって決定され得るいくらかの程度の信号劣化を生じ得ることを推定することができ、ここで、同モデルは、例えば、均一または不均質媒体を通って伝播するときに電磁エネルギーがどのように散逸または拡散するかのモデルを含む。例えば、いくつかの実施形態では、通信強度に関連し得る電磁波の強度は、点からの距離の二乗として変化すると仮定することができる。いくつかの実施形態では、距離にわたる通信強度の損失は、媒体を介して伝送されるときに信号がどのように劣化するかをモデル化する他の様々な要因を考慮し得る。例えば、空間を伝搬する際の電磁エネルギーは、強度が低下するだけでなく、空間的および時間的なデータのコヒーレンスも同様に一般的に悪化する可能性がある。いくつかの実施形態では、距離を計算することができ、信号がどのように劣化するかのモデルは、センサの1つまたは複数の可能な経路を計算することを含むことができる。例えば、センサの軌跡または起こりうる軌道に関連する点の軌跡が計算され、1つまたは複数の軌道の信号劣化が計算されてもよい。
【0030】
システムは、いくつかの実施形態では、移動データをセンサと基準デバイスとの間の通信損失のリスクの推定値に統合することができる。例えば、システムは、例えば、センサの軌跡または起こりうる軌跡に関連する点の軌跡、及びセンサの軌道または起こりうる軌道の軌跡が通信境界を横切る可能性がどれくらいであるかを計算することによって、センサと基準デバイスとの間の信号交換の1つまたは複数の特徴を調整することができる。通信境界は、推定されてもよいし、経験的に知られてもよい。例えば、境界は、均一な媒体を介して等方的に広がる電磁場に対して予測されるように、ほぼ円形の領域を含むように2次元で推定されてもよい。他のセンサは、実質的に3次元で自由に動くことができ、1つまたは複数の境界および/または軌道は、3次元および/または球面座標で特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、監視中に収集された通信強度のデータに基づいて、境界を経験的に測定または更新することもできる。境界は、例えば、接続不良の区域または領域を含むことができ、いくつかの実施形態では、センサが所定の期間にそのような区域に入る可能性があるかどうかの計算にそれらの区域の相対位置を組み込むことができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、通信損失の全体的なリスクを確立すること、および/またはセンサと他のデバイス構成要素との間の通信交換の設定を調整することの一部として、複数のルーチンを実行することができる。例えば、1つのルーチンは、通信強度のRSS、LQIまたは両方の因子の微分値に基づいて通信の損失のリスクを推定することができる。第2のルーチンは、センサが接続不良の区域に向かって移動しているかどうかを計算することができる。また、いくつかの実施形態では、異なるルーチンの結果を組み合わせて、通信の損失のリスクの決定および/またはセンサと他のデバイス構成要素との間の通信交換の特徴の調整を行うことができる。例えば、方法は、通信損失のリスクが最も高いとルーチンが予測することに基づいて信号交換の特徴を調整することができる。例えば、通信が予期せず失われないように、より安全な方法を選択することができる。いくつかの実施形態では、複数のルーチンを使用して、ルーチン出力の不一致を探すこともできる。例えば、センサが1つのルーチンで通信強度を追跡し、別のルーチンが運動データを統合し、通信境界内のセンサの位置を追跡する場合、2つのルーチンがある期待された程度に一致しないことが明らかになるかもしれない。そのような知見は、例えば、伝送された信号の較正における不確実性、またはノイズまたは干渉の増加などのネットワークへの予想外の変化を含む様々なシステム問題を含むセンサに関する問題を特定するために使用されてもよい。
【0032】
本明細書に記載の実施形態のいくつかは、固有のサイズ制限を有するセンサおよび/またはデータの処理および/または伝送において著しく電力が消費され得るセンサを含む、モバイルセンサのバッテリ寿命を延ばす手段として特に有用であり得る。例えば、筋電図検査のために構成された幾らかのバイオセンサを含む幾らかのバイオセンサは、センサが高速でデータを収集し、長期間にわたって生理学の変化を追跡するとき、またはセンサが両方を行うときに、ある生理学的状態をより正確に検出するかもしれない。これらの状態は、利用可能な電力資源に大きな需要をもたらし、遠隔デバイスとの通信に利用可能なエネルギーは特に限定され得る。さらに、データの傾向を識別するのに適したデータを介護者に送信することが有用な場合がある。例えば、介護者は、以前に収集されたセンサデータの期間(例えば、可能性のある医学的状態の検出に先立つ10分のベースライン)を見たい場合がある。そのデータは瞬時には送信されないことがあり、特に、例えばセンサが通信境界に近づくと、情報が首尾よく伝送されないか、またはアラームと共に伝送されるリスクが増大する可能性がある。また、境界逸脱のリスクを追跡または計算しないシステムは、アラームおよび/または前述のデータまたはその他の有用なデータのいずれかまたは両方を首尾よく伝送する能力を失うリスクがある。
【0033】
本明細書に記載のシステムは、例えば、通信強度が低く、是正措置を促し得ることを介護者または患者に警告することができる。さらに、システムは、システムが接触を失う前に、または重要なデータを送信する能力を失う前にそれを行うことができる。そして、システムがセンサとの接触を失う場合(例えば、患者が、それらが監視境界を横切っているというメッセージを意図的に無視するか、誤って逃した場合に起こり得る)、システムは、いくつかの実施形態では、監視する介護者に特定の情報を更新するといったアクションを自動的にさせることができる。例えば、いくつかの他のシステムとは異なり、本明細書に記載のシステムのいくつかの実施形態では、遠隔センサを監視する個人は、他のサポート情報および/または警告なしにセンサで通信が失われたという障害メッセージを単に受信するだけではない。
【0034】
例えば、シナリオ(可能性のあるシナリオまたは最悪のシナリオなど)において、センサが約1分で接続性を失うことがあるとプロセッサが決定した場合、伝送間の時間が1分未満または多少の増減または因子による1分未満であるように、信号交換の速度を調整することができる。したがって、システムは、いくつかの実施形態では、検出された異常なセンサ状態、または信号交換の期間内の欠落した交換信号についていずれかを警報することが可能である。いくつかの実施形態では、システムは、交換期間内で、遠隔デバイスがアラームを首尾よく伝送し、センサ位置を計算して伝送することもできるように、伝送間の時間を適切に設定することができる。いくつかの実施形態では、デバイスは、交換期間内で、デバイスが失われたり信頼できる通信範囲から外れたりする前にセンサの状態を個人が理解するのを助けるために、アラームおよびベースラインデータの両方を首尾よく送信することができるように、送信間の時間を適切に設定することができる。いくつかの実施形態では、センサは、通信強度に基づく計算を使用してPiを調整することができる。これらの実施形態のいくつかでは、別個のルーチンが、1つまたは複数の予測時間を計算して、接続不良の境界または区域に到達することができる。その時間は、1つまたは複数の操作(上記の操作を含む)が実行され得るかどうかを決定するために使用され得る。したがって、センサが境界に到達する、または通信を失う時間の1つまたは複数のシナリオの計算は、Piを調整し、データの可用性を保証するための先制的ルーチンをトリガすることができるか、或いは、Piは別のルーチンを使用して調整することができ、そして計算された時間は1つまたは複数のルーチン(例えば、本明細書で説明されているような先制的ルーチン)をトリガするために使用することができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、シナリオまたは最悪のシナリオにてセンサがある時間に他のシステム構成要素との接続を失う可能性があるとプロセッサが判断した場合、及び、近い将来に利用可能な帯域幅または利用可能と予想される帯域幅がその時間にキーデータが介護者に伝送されるのを回避する場合、システムは、患者および/または介護者に自動的に警告するか、または必要に応じて患者および/または介護者への信頼できる伝送のために、システム構成要素にキーデータを自動的に送信し始めることができる。例えば、センサのベースラインが上昇している場合、または特定の医学的状態を示し得る生理学的データなどの異常な性質の初期の徴候を示す場合、システムは信頼できる送信のための情報を送信する、またはキューに入れることができる。プロセッサは、さらに有用であり得るデータを自動的に選択して優先順位を付けることができ、いくつかの実施形態では、介護者はそのデータがどのように優先順位付けされるかを制御することができる。例えば、較正データ、ベースラインデータ、センサを配置するのに適したデータ、および/または前述のデータ形式のいずれかに関連する圧縮された生理学的データを含む他のデータは、いくつかの実施形態では、伝送のために優先順位付けされてもよい、および/または選択されてもよい。遠隔センサは、たとえその情報が最終的に送信されない場合でも、介護者に送信され得る情報を編成および/またはバッファリングすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、それが必要と思われる場合には、伝送のために容易に送信することができるメモリの単位でデータを維持することができる。いくつかの実施形態では、先制的ステップで送信される(例えば、起こりうる境界逸脱に応答して送信される)データを圧縮することができる。さらに、いくつかの実施形態では、圧縮のレベルは、境界に到達する時間に基づいて選択されてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、システムは、境界を横切る可能性のある患者に使用するように調整されてもよく、および/または幼児などが境界を横切ったことを警告するシステムに応答しなくてもよい。システムは、例えば、信号交換の速度を調整することによって使用可能なエネルギーを節約することができ、患者が境界を横切る可能性がある時間を識別するように装備することもできる。その識別に応答して、システムは、介護者が適切なアクションを決定するのを助けるために情報を介護者に送信ことができる。例えば、個人が患者である場合、通信が失われるたびに救急車を送ってもらうことは望ましくないかもしれない。そして、介護者は、同介護者が行動方針を決める前にその情報を考慮できるように、センサが通信を失う前の期間においてセンサのベースラインデータにアクセスすることを望むことがある。
【0037】
いくつかの実施形態では、センサは、患者の皮膚を含むがこれに限定されない患者の身体の上または身体の近くに配置することができるバイオセンサであってもよい。非限定的な例として、センサは、温度、圧力、検体濃度、電気的特性若しくは現象、光学的特性若しくは現象、磁気的特性若しくは現象、および/または他の特性若しくは現象を含む生物学的組織に関連し得る様々な特性若しくは現象のいずれかを監視するように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、センサは、筋電図検査を実行するために使用され得るような筋繊維の活性化に関連する電流または電圧のような電気的徴候を検出するように構成され得る1つまたは複数の電極を含み得る。いくつかの実施形態では、センサは、生体組織の刺激または治療用組成物または検体の放出などの1つまたは複数のタスクの実行を実行するまたは実行をトリガするように構成され得るデバイスまたはデバイスのグループの一部であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、センサは、迷走神経刺激装置と通信してもよく、または発作を中止、減弱または治療するために使用され得る他の刺激デバイスの起動をトリガするように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、遠隔デバイスが管理デバイスと通信しているときにタスクを実行するのみであるか、実行することが好ましい。
【0038】
センサは、組織特性の検出、1つまたは複数の治療機能またはタスクの実行のために、および信号伝送を含む他のセンサ活動に対応するために必要であり得る電気エネルギーを提供するのに適したバッテリのようなエネルギー源を含むことができる。センサは、デジタルまたはアナログ方法の使用を含む、センサの機能要素を制御するのに適した1つまたは複数のマイクロプロセッサまたは他の電気回路をさらに含むことができる。そして、いくつかの実施形態では、センサは、収集された生理学的データを分析するために使用され得るような少なくともある程度の処理能力を含み得る。例えば、センサは、何らかのデータ処理および記憶能力を有する「スマート」センサであってもよい。いくつかの実施形態では、単純なセンサが、人が着用するベルトに取り付けられたバッテリ作動のトランシーバに有線または無線で接続されてもよい。いくつかの実施形態では、センサはトランシーバを直接的に含み得る。そして、一般に、センサまたはセンサユニットとの間で1つまたは複数の信号の送信または受信が参照される場合、トランシーバは、センサのハウジング内に直接組み込まれてもよく、そうでなければ本明細書に記載されているようにセンサに関連付けてもよい。いくつかの実施形態では、センサは、患者の近接度について、患者またはローカルな介護者に情報を表示するように構成可能な1つまたは複数の表示要素を含むこともできる。
【0039】
いくつかの実施形態では、センサは、約100Hz、約150Hz、約250Hzまたは約400Hzまで伸びる周波数の範囲内のデータの1つまたは複数の周波数帯域に存在する電気モータの徴候に関連する信号を追跡するために、適切な速度で筋電図検査用データを収集するように構成されてもよい。センサは、その範囲内の1つまたは複数の帯域の信号を、約50ミリ秒という短い場合もある積分ウィンドウ上にさらに積分することができる。センサは、利用可能な電力資源に負担をかける可能性のあるものを含む様々なタスクを実行するように構成することができる。いくつかの実施形態では、筋電図検査用データは、患者の筋肉上に配置されたモバイルセンサの位置および/または接続性を検証するのに適した情報とともに収集されてもよい。いくつかの実施形態では、そのモバイルセンサは、少なくとも約24時間の期間において再充電されることなく、最大約10分間のEMG信号データ、センサ性能および/または較正に関連する他の情報、および異常な生理学的状態に関連する複数のアラームまたは警告メッセージを送信するようにさらに構成されていてもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、センサまたはセンサユニットの位置を、基準点に対して或る近接した範囲内、または基準点に対して所与の位置の近くに維持することが望ましい場合がある。例えば、ネットワークアクセスまたは他の基準点に対してセンサの位置を維持することが望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、基準点は、基準デバイスの位置であってもよい。基準デバイスは、例えば、伝送された信号を収集するように構成された適切なデバイスであってもよく、センサに対する適切な近接度を維持することによって、センサは、ローカルまたは他のネットワーク内の機能的な通信を維持することができる。さらに、基準デバイスは、有線または無線通信を介して他のデバイスにリンクされ得るので、基準デバイスに対して適切な近接度の範囲にあるセンサは、監視ロケールから離れた1人以上の介護者と機能的な通信を維持することもできる。いくつかの実施形態では、基準デバイスは、例えば、監視システムの他の構成要素にデータパケットを送信するために適切に装備されたルータであってもよい。ルータは、本明細書で説明されるような処理機能を実行するように構成され得る別のコンピュータデバイスにデータを伝送することができる。例えば、ルータは、管理デバイスへ信号を往復させるように動作することができる。いくつかの実施形態では、管理デバイスは、RF信号の受信機としても動作することができる。すなわち、基準デバイス自体が管理デバイスであってもよいし、管理デバイスと通信していてもよい。管理デバイスは、例えば、信号データの処理およびセンサがいつ境界に近づいているかの決定を含む、本明細書に記載の実施形態に記載されているような様々な処理機能のうちの任意のものを実行するように構成することができる。いくつかの実施形態では、管理デバイスは、センサが範囲外である可能性があるデバイスの近くにいるかまたは離れているオペレータに警告する、または警告を開始するように構成することもできる。いくつかの実施形態では、基準デバイスは、無線ネットワークの一部から、EMG信号の処理に適した基地局などの別の管理デバイスへ信号を往復させるように動作することができる。基地局は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、出願人の米国特許第8983591号明細書および米国特許出願第13/542,596号に記載されている。
【0041】
いくつかの実施形態では、管理デバイスまたは基地局は、介護者の近くなどの所望の場所に移動するのに十分に小さい場合がある。例えば、管理デバイスは、センサから提供される情報の受信、送信、分析、および表示を含む様々なタスクの実行に適したインストールされたプログラムを含む携帯可能なデバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、管理デバイスは、適切にインストールされたプログラムを含む携帯電話または他の携帯可能なデバイスであってもよい。管理デバイスは、容易に携帯可能な装置よりも静止しているデスクトップコンピュータまたは他のデバイスを備えていてもよい。管理デバイスは、典型的な家庭用電源によって電力が供給され、バックアップのためのバッテリを含み、その動作のために利用可能な処理、伝送、表示および解析のための電力がセンサよりも多く、より多くの量の信号履歴を記憶することが可能であり、かつその大量のデータに対して受信信号を評価することができてもよい。管理デバイスは、さらに、1つまたは複数の他のローカルのデバイスまたは遠隔のデバイスと通信するように構成されてもよい。例えば、管理デバイスは、無線で、および/またはネットワークへの有線接続を介して接続されてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、医学的状態を発症するリスクのある患者の生理学的状態を監視するためにセンサを装備することができ、管理デバイスは、患者の状態を監視することができるローカルな介護者の近くに配置することができる。介護者は、そのような介護が必要な場合に、同介護者が患者に医療または援助を提供することができるように、患者に十分に近いことを望むことがある。この観点から、監視範囲は、信号が無線で伝送される距離によって定義されてもよいが、より限定された境界であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、介護者は、患者の安全性に関する追加の優先傾向および/または懸念に基づいて監視境界を定義することができる。例えば、介護者は、患者がセンサと管理デバイスがデータを交換できる距離と同じでも異なってもよい一定の近接度の範囲にいないときに通知されることを望むかもしれない。例として、一実施形態では、介護者は患者の家族(患者の親など)であってもよく、センサおよび管理デバイスは患者の家などの医療施設の外で動作してもよい。他の実施形態では、センサは、管理された介護施設または居住施設の患者に配置され、管理デバイスは、監視データを医者または看護師などの医療介護者に提供するように構成されてもよく、そして同デバイスは、例えば病院または養護施設であってもよい施設のロケール内で動作するように構成されていてもよい。
【0043】
センサまたはセンサユニットが動作するように設計されていてもよい場所(locality)は、個人のネットワークであってもよい。例えば、個人ネットワークは、少なくとも1つの基準デバイスおよび/またはネットワークアクセスポイントを含むことができる。個人ネットワークの管理者は、患者または患者の介護者と協力して、ネットワークの機能設定およびプロトコルの選択をセットアップおよび制御することができる。ネットワークに含まれるかまたはネットワークで動作するデバイスは、例えば、個人エリアネットワーク用に確立されたデバイス通信またはハンドシェイクに関連する1つまたは複数の通信プロトコルを使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ローカルエリアまたはローカルエリアネットワークにおけるデバイスのハンドシェイクは、様々なIEEEプロトコルのいずれかの使用を含むことができる。そして、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるような開始パルスおよび応答は、前述のプロトコルの実行に使用される他の信号とともに、または加えて統合されてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、センサは、個人ネットワークと1つまたは複数の他のネットワークとの間を移動するように装備されてもよい。そして、いくつかの実施形態では、センサが個人ネットワークおよび/または1つまたは複数の他のネットワークのドメイン内にあるかどうかに応じて、センサデバイスの位置を特定し、および/またはデバイス通信を確立するための異なるプロトコルを適用することが便利な場合がある。例えば、少なくともいくつかの実施形態では、モバイルセンサは、主に1つのネットワーク内にあるときに開始パルスを送信することによって動作することができるが、別のネットワークにあるとき、モバイルセンサは、レスポンダ(応答信号を送信する)として部分的にまたは排他的に動作するように切り替えることができる。さらに、プロセッサは、1つの地域またはネットワークにおいて、または地域またはネットワークにおける1つの位置において、いくつかの可能なモードのうちの1つで動作することがよりエネルギー的に効率的であると判断することができる。いくつかの実施形態では、モバイルセンサは、それが個人ネットワーク内にあり、静止していることがわかっている場合、主にレスポンダであることに切り替えることができる。また、これらの実施形態のいくつかでは、モバイルセンサは、特定の条件が満たされている場合、スリープモードまたは電力節約モードに入るように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、モバイルセンサは、ある速度で開始パルスを受信するが、これらのパルスの少数にしか応答しないモードに入ることができる。追跡ルーチンまたは他のルーチンは、スリープモードまたは電力節約モードの開始をトリガすることができる。例えば、通信強度が適切であり、ある期間にわたって変更されていない、および/またはセンサが静止していることまたはしばらく静止していることが分かっている場合、デバイスはスリープモードまたは電力節約モードに入ることができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明される装置は、境界に近づいているという警告を送信するように構成されてもよい。より一般的には、境界近くの動きに応答して、1つまたは複数のシステム動作が実行されてもよい。そして、様々な実施形態では、例えば、1つまたは複数のモバイルセンサ、1つまたは複数のセンサと通信する関連デバイス、センサが配置され得る物体、基準デバイス、管理デバイス、他のデバイス、またはそれらの組み合わせを含む種々のシステム装置の任意のものは、センサが境界に向かって移動している可能性があるという識別に応答してトリガされる動作の実行に関与することができる。
【0046】
例えば、センサが個人または患者と通信するように配置されたバイオセンサである場合を含むいくつかの実施形態では、境界が近づいている場合に、センサまたはセンサユニットによって可聴または他の認識可能なアラームが開始され得る。いくつかの実施形態では、センサは、境界に近づいたときに収集されたデータの1つまたは複数の部分を伝送することができる。例えば、センサまたはセンサユニットは、動作期間中に収集されたデータをメモリに格納することができる。センサバッテリが再充電または交換されるときなど、データが収集され、恒久的な保管または特定の時間でのレビューに送信されることが期待され得る。また、センサまたはセンサユニットが管理デバイス、ネットワークアクセスポイント、または有線接続に近いときに、そのデータは最も効果的に伝送またはダウンロードされ得る。例えば、有線接続は、センサユニットのバッテリが再充電されている間に確立することができる。さらに、管理デバイスの近くにある場合、遠隔デバイスは、低い伝送電力のみを使用してデバイスにデータを通信することができる。そして、いくつかの実施形態では、システムは、例えば、あるスケジュールで、定期的にベースラインデータまたは他の較正データを管理デバイスに送ることができる。これらの実施形態のいくつかでは、ある時刻には較正データ、ベースラインデータまたは他のデータを送るが、他の時刻には送信しないようにデバイスをプログラムすることができる。例えば、通信強度が高く、非常に低い伝送電力のみを使用してデータを送信することができる場合、デバイスはデータを送信することができる。すなわち、ある時間ウィンドウ内でデバイスが管理デバイスから遠い場合、デバイスは(少なくともしばらくの間)待機するように構成されてもよく、そして通信強度が改善されたならば、デバイスはスケジュールされた較正データまたはベースラインデータを送信することができる。また、デバイスが通信強度の改善を待っていた場合、システムが伝送を遅らせなかった場合に必要であった電力よりも低い電力でデータを送信することができる可能性がある。その点に関して、いくつかの実施形態では、センサが定期的な較正データを送信することができる(例えば、定期的な時間ウィンドウ内で送信されてもよいが、電力を節約するために送信を最適化する個々のウィンドウ内で伝送されてもよいことなど)場合についての少なくとも幾らかの柔軟性があってもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、センサユニットが監視境界を横切るリスクがある場合、および/または利用可能なメモリが超過するか、そうでなければ必要に応じて格納された情報を回復または利用できないリスクがある場合、センサユニットは、管理デバイスにデータを送信するようにトリガされる。いくつかの実施形態では、センサが境界に近づくにつれて、センサが開始パルスを伝送する速度を増加させることができ、および/またはセンサユニットが応答を受信する速度を増加させることができる。したがって、追跡データは、境界逸脱のリスクが増加するにつれて、より頻繁に更新されてもよい。そして、例えば、センサが横断したとき、または境界を緊急に横切ると予想されるときに、遅滞なく患者に知らせることができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、センサが境界に近づいているかどうかに基づいて、管理デバイスおよび/または基準デバイスによって様々な応答または応答の組み合わせを実行することができる。例えば、管理デバイスの近くで個人の注意を喚起するのに適した可聴応答または他の応答がなされてもよい。さらに、管理デバイスを監視することを期待されている個人に警告することができる。個人は、例えば、デバイスの近くにいてもよいし、可聴応答または他のシステム応答によって警告されてもよい。さらに、個人は、装置から遠く離れていてもよく、それに応じて、適切なアラームを携帯電話、ページャ、または他のモバイルデバイスに送信するなどして、接触されてもよい。いくつかの実施形態では、センサが境界に近づくにつれて、管理デバイスが開始パルスを伝送する速度を増加させることができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、センサは、患者が医療を必要とすることを確立することができる医学的な状態に関連するものを含む患者に関連する生理学的データを収集するバイオセンサであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、生理学的データを収集することができ、即時の医療的注意および緊急応答を要求する可能性のある状態の存在を確立することができる。しかしながら、いくつかの状態は、少なくとも最初は、検出が困難な兆候を含む弱い生理的兆候としてのみ現れ得る。そして、多くの状態において、異常な生理学的活動の最も初期の徴候は、誤検出と誤って解釈される可能性が最も高い徴候である。介護者にそのような初期兆候が存在することを警告することが望ましいかもしれないが、誤検出のリスクが重大であるため、緊急アラームが常に望まれるとは限らない。さらに、例えば、介護者が時間の経過に伴う状態の傾向を調べることから利益を得るならば、相当量のデータを送信することが有用な場合がある。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、患者が発作を有するリスクが高い可能性があることを示す可能性がある発作前運動症状を特定することを含むことができる。収集された筋電図検査用データの先行する(preceding)期間は、患者が発作に近づいている可能性があると判断するのに役立つことがある。しかしながら、異常活動の最も早い兆候が検出されるたびにデータの大きなサブセットを送信することは、エネルギー的にコスト高になる可能性がある。例えば、検出のために設定された閾値に応じて、監視期間中に何人かの患者が閾値を数回超える可能性があり、大量のデータが遠隔送信されるたびに、電池寿命が著しく制限されることがある。したがって、介護者に他のデータを送信せずに、および/または緊急アラームを自動的に開始することなく、医学的な状態の初期の兆候が検出されたという警告メッセージを介護者に送ることが有用な場合がある。介護者は、警告メッセージを受信したことに応答して、いくつかの実施形態では、時間の経過とともにデータの傾向を見るのに有用であるように、追加のデータの伝送を開始することを選択することができる。介護者は、例えば、介護者の経験において、患者がてんかん発作のような医学的な状態に苦しむリスクにある場合、緊急アラームを手動で開始することを選択することができる。例えば、介護者は、以前に収集された筋電図検査用データの間隔(例えば、過去10分間または他の所望のデータ量など)を調べることを選択することができる。介護者は、例えば、センサバッテリが完全にまたはかなり充電されている場合(および臨界電力の差し迫った損失のリスクなしにベースラインデータが送信され得る場合)、または経時的に複数の警告メッセージに気づいており、かつ患者へのリスクがセンサエネルギーの支出に関連する懸念を上回る場合、介護者はそのような伝送を開始することを選択することもできる。介護者または管理プロセッサは、通信強度が低いか、または下がっており、近い将来そのデータが利用できなくなるリスクがある場合に、そのデータの伝送を開始するように選択または構成することもできる。そして、いくつかの実施形態では、警告メッセージと共に、介護者は、センサの現在のバッテリ強度および/または通信強度を含む情報が送られてもよい。いくつかの実施形態では、センサが通信を失う可能性がある時間の1つまたは複数の計算が送信されてもよい。例えば、警告メッセージとともに、介護者は、センサとの通信強度が低いかまたは減少しているというメッセージ、および/またはシステムがいつ通信を失う可能性があるかについての推定を受信してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステムは、データの一部が一定期間内に送信されるかどうかを推定することができる。
【0050】
本明細書に記載のいくつかの実施形態では、プロセッサは、警告または緊急アラームを送信することができるかを含む伝送プロトコルを選択するように構成されてもよい。伝送プロトコルは、様々な要因に基づいて選択されてもよく、患者のために収集された利用可能なすべてのセンサデータ、そのデータのサブセット、またはメッセージのみを介護者に送信する決定を含むことができる。プロセッサは、例えば、収集されたセンサデータの内容、バッテリ寿命、患者が様々な選択可能または識別された設定の1つにあるかどうか、患者が1つの監視地域にいるか若しくは別の監視地域にいるかどうか、センサが管理デバイスとの通信が強い状態または弱い状態にあるかどうか、その他の要因、および/またはそれらの組み合わせに基づいて、多数の選択可能な伝送プロトコルのうちの1つを選択してもよい。例えば、収集されたセンサデータの内容は、緊急の医学的状態の存在を識別することができ、緊急アラームは応答して開始することができるが、収集された信号データの内容はまた、起こりうる医学的状態の初期の兆候のみを識別するかもしれない。活動の初期の兆候の検出に応答して、センサは、収集された信号データをさらに評価するために、介護者に警告メッセージを送信するか、または1つまたは複数のルーチンを内部的にトリガすることができる。例えば、警告メッセージと共に、患者または介護者を中断させることなく状態を受動的に終了させることができるいくつかのルーチンが開始されてもよい。そして、いくつかの実施形態では、システムは、警告状態が一定期間内に終了するかどうかを計算することができる。例えば、活動の初期兆候によって警告ルーチンがトリガされるが、センサが通信を失う前にルーチンが完了しないリスクがある場合、1つまたは複数のアクションが開始されてもよい。次いで、システムは、例えば警告プロトコルではなく緊急プロトコルを必要とするようにイベントをアップグレードすることができる。
【0051】
医学的状態の初期兆候と緊急の医学的状態の開始との間のタイミングに応じて、初期兆候の検出に応答してトリガされるルーチンは、状況によっては、数分またはそれ以上の期間続く場合がある。また、例えば、センサと遠隔デバイスとの間の通信強度が低いかまたは低下している場合、警告期間中に収集されたデータが介護者にとってアクセス不能になるリスクがある。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、医学的状態の初期兆候が検出され、センサと管理デバイスとの間の通信強度または品質が低いかまたは低下している場合に、緊急アラームを自動的に送信するようにセンサを構成することができる。すなわち、センサは、通信強度が低いか、または落ちているかを評価するように構成され、それに応じて伝送プロトコルを調整することを決定することができる。また、例えば、センサが警告ルーチンまたはプロトコルを完了できない可能性があることを識別した場合、センサは、活動の初期兆候が本当に緊急の医学的状態を示すことを確認しなくても自動的にアラームを送信することができる。いくつかの実施形態では、センサは、通信強度が低下した場合、または制御デバイスとの通信を失うリスクがある閾値を超える場合に、患者の状態を問い合わせるように構成されてもよい。そして、そのような検出に応答して、センサは、1つまたは複数のアラームメッセージを介護者に送ることができる。例えば、センサが通信を失っている可能性があり、患者が少なくとも異常状態の初期兆候を示しているというメッセージが介護者に送信されてもよい。
【0052】
EMGを用いた発作活動の初期徴候を検出するためのルーチンは、例えば、本明細書に完全に援用される出願人の国際特許出願第PCT/US14/68246号に記載されている。ここでは、初期警告に続く1つまたは複数のルーチンの選択的実行について説明する。さらに、起こりうる発作活動の初期検出のメッセージと、より多くのエネルギーを消費するEMGデータのより強力なセットと組み合わせたメッセージのいずれかまたは両方を含むことができる伝送プロトコルの実行のための戦略が記載されている。本明細書で説明するように、いくつかの実施形態では、EMGセンサデータの伝送プロトコルは、患者がその監視が困難になる可能性がある位置に近いかどうかに依存し得る。その特徴は、監視領域の外に注意深くまたは不注意に移動して、そのようなことを警告する可聴または他のメッセージに応答せずにいる人、例えば、発作または他の生理学的状態の最初の兆候を経験している患者であってそのような兆候が方向感覚を失わせるかもしれないか、および/または、監視境界の近くを移動しているといった可聴アラームに応答するかもしれないし、応答しないかもしれない患者、にとって特に価値がある。
【0053】
したがって、例として、起こりうる発作の初期徴候を示す弱い運動症状の警告兆候の検出に応答して、監視システムは、検出デバイスと基地局との間に警告メッセージを送信することができる。この警告には、イベントが検出されたが、時間の経過とともに収集されたより広範なEMGデータは含まれない可能性があるというメッセージが含まれている場合がある。しかしながら、検出デバイスが、監視が中断される可能性のある境界に近いことが知られている場合、緊急伝送プロトコルが開始されてもよく、例えば、通信強度が、発作検出の1つまたは複数の早期警告徴候の引き続く検出期間に低下した場合、例えば発作活動の追加的な徴候の特定がなくても、緊急アラームが自動的に送信されてもよい。いくつかの実施形態では、EMGセンサは、通信強度があるレベル以下に低下すると自動的にその状態を照会することができる。また、例えば、伝送があるレベル以下に低下したときに1つまたは複数の警告ルーチンが実行のプロセスにある場合、デバイスは自動的に緊急アラームを送信することができる。
【0054】
図1Aおよび
図1Bは、2つ以上のデバイス間で交換される信号の整合性または調整のためのシステム10の例示的な実施形態を示す。基準デバイス12は、境界14内にある監視領域の中心近くに示されている。基準デバイス12は、例えば、モバイルセンサ16から信号を受信し、信号データを、センサデータを処理し構成するのに適している別のデバイスまたはコンピュータに往復させるように構成されているデバイスであってもよい。境界14内の監視領域は、モバイルセンサ16が信頼できる信号強度でデータを基準デバイス12に伝送できる領域であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、境界14によって画定された領域内で、緊急の医学的状態の存在を示すメッセージの通信は、ほぼ完全または適切な忠実度で送信および受信され得る。境界14は円形の適切な領域を囲むように都合よく示されているが、当然のことながら、いくつかのシステムでは、境界14内の領域は任意の形状を有することができ、信号強度が信頼でき、かつ無線通信が有効であり得る領域を制限したり、異なる形状にし得る多数の障害を含み得る。さらに、一部の監視ロケール内では、通信が特に悪いか、または失われている区域が存在することがある。いくつかの実施形態では、通信不良の区域(区域15など)は、境界14によって囲まれた領域内にマッピングされてもよく、これらの区域に関するセンサ16の相対位置は、デバイス12、16の間の通信の損失リスクの1つまたは複数の計算において組み込まれてもよい。これまでのところ、通信強度が低下する可能性のある速度は、すべての通信強度について、または基準デバイス12からのすべての距離について同じでなくてもよいことを理解されたい。そして、本明細書に記載のいくつかの実施形態では、信号交換速度を調整する方法は、特定の地域内で通信強度がどのように変化するかをより正確に予測し応答するために、位置データおよび通信強度データを組み込んでもよい。
【0055】
デバイス12、16の間の通信を検証または追跡するために、1つまたは複数の開始パルス18および戻り信号20をデバイス12、16間で送信することができる。信号18、20を送信および受信するように構成されたデバイス構成要素は、デバイス12、16に一体的に接続されていてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、基準デバイス12は、開始パルス18を受信し、戻り信号20を直接送信することができる。他の実施形態では、基準デバイス12は、開始パルス18を受信するように構成されてもよいが、別のデバイスが戻り信号20を送信する役割を担っていてもよい。例えば、その別のデバイスが、基準デバイス12によって戻り信号20を送るように指示されてもよい。その別のデバイス(図示せず)は、基準デバイス12の近くにあってもよいし、或いは基準デバイス12から離れていてもよい。信号18、20を送受信することができ、これらの信号を検出することによって、デバイスがどれだけ良好に通信しているかの判定を行うことができる。例えば、モバイルセンサ16は、基準デバイス12によって受信され得る1つまたは複数の開始パルス18を送信することができる。基準デバイス12は、開始パルス18を受信するように構成された1つまたは複数の構成要素を含むことができる。加えて、受信した開始パルス18の品質または電力を決定することを含むことができるように、基準デバイス12は、通信の強度を評価または決定するように構成されてもよい。例えば、開始パルス18の受信強度は、パルス18の送信強度およびデバイス間の伝送中に発生する可能性のある信号エネルギーの任意の損失に関連づけてもよい。上述の損失が忠実度の高い通信を保証するにはあまりにも厳しい(severe)場合、受信信号は、強度が低すぎて検出できないか、または通信が不良であることを示すレベルでのみ検出される。
【0056】
信号(例えば、開始パルス18)は、基準デバイス12の受信機によって受信されてもよく、関連するプロセッサを使用して解析されてもよい。いくつかの実施形態では、受信信号18の強度は、ある大きさの振幅または電力として表すことができる。さらに、プロセッサは、信号の大きさをバックグラウンドレベルと比較し、その大きさおよび/または信号対雑音比のいずれかまたは両方に基づいて信号を評価することができる。いくつかの実施形態では、受信機およびプロセッサは、その大きさを定量化する能力を備えることなく信号が受信されたかどうかを決定する能力のみを有するようにしてもよい。すなわち、伝送信号または伝送信号の一部が検出されてもされなくてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、たとえ受信機およびプロセッサが所与のエネルギーパケットの有無を検出することしかできないとしても、それらは依然として通信強度または通信品質を決定できるようにしてもよい。例えば、一連のエネルギーのパケットとして信号を送信し、信号が何らかの強度または品質で受信されたかどうかを、識別されたパケットの数に基づいて決定するように受信機が構成されてもよい。例えば、予想されるストリングまたは一連のエネルギーパケットは、プロセッサによって情報のビットに変換されてもよい。また、エネルギーの一部のパケットが受信されなかった場合、プロセッサは、予想されるシリーズで失われたデータの1つまたは複数のユニットを識別するように構成されてもよい。そして、エネルギーの検出されたパケットのパターンおよび/または予想されるパターンとの比較に基づいて、信号の強度または伝送の品質が決定されてもよい。伝送された信号のパケットまたは部分は、いくつかの実施形態において、通信強度をより正確に予測するために使用されるように、ほぼ同じ電力で、または電力が変化するいくつかのパケットですべて伝送されてもよい。
【0057】
1つまたは複数の開始パルス18の検出に応答して、基準デバイス12は、1つまたは複数の戻り信号20を伝送するように別のデバイスを伝送または指示することによって応答することができる。いくつかの実施形態では、基準デバイス12またはいくつかのその他のデバイスは、経時的に受信された開始パルスの強度および/または品質の記録をメモリのバッファに維持するようにしてもよい。そして、1つまたは複数の開始パルス18の受信に応答して、基準デバイス12は、開始パルス18の受信を通信する1つまたは複数の戻り信号20を送信することができる。さらに、以前の開始パルス18が如何に良好に検出されたかをモバイルセンサ16に指示するメッセージが送信されてもよい。例えば、いくつかの戻り信号20は、開始パルス18の受信を伝達する部分と、開始パルス18の受信強度または品質を伝達する部分若しくはメッセージと、の両方を含むことができる。いくつかの実施形態では、メッセージは、任意の数の以前の開始パルス18の強度及び品質についての情報を含んでいてもよい。そして、いくつかの実施形態では、その情報を使用して、信号強度の様々な傾向を決定することができる。すなわち、モバイルセンサ16は、開始パルス18がどれほど良好に検出されたか、および検出された開始パルス18の強度、振幅、または質の経時変化に関する情報を通信することができる。
【0058】
開始パルス18がどれほど良好に検出されたかの通信に応答して、モバイルセンサ16は、伝送された開始パルス18の特徴を調整してもよい。例えば、開始パルス18の検出強度が高い場合には、通信境界の外側にモバイルセンサが移動するリスクは低いかもしれない。そして、通信の損失の即時のリスクなしに、モバイルセンサ16は、開始パルス18の伝送の間の期間または時間間隔を増加させることができる。したがって、モバイルセンサ16に関連する送信機をオフにしてもよいし、そうでなければ、かなりの期間にわたって電力を消費しないかもしれない。それに応じてバッテリの寿命を延ばすことができる。いくつかの実施形態では、(例えば、パルス間の期間または間隔に加えて)開始パルス18の他の特徴も変更または調整することができる。例えば、パルス18の間の継続期間の変化に加えて(または代替として)、パルス18の送信強度を調整することができる。例えば、いくつかの実施形態では、センサ16は、様々な電力レベルで信号を送信することができる。これらの電力レベルは、例えば、基準デバイス12によって受信されるのに十分に高くされ得るが、必要とされるよりも多くのエネルギーを消費するには高すぎることはない。
【0059】
いくつかの実施形態では、モバイルセンサ16は、1つまたは複数の開始パルス18に加えて、またはそれと共に、基準デバイス12にある強度の戻り信号20を受信したことを知らせるメッセージを送信することができる。例えば、モバイルセンサ16は、基準デバイス12に、それが正常に戻り信号20を受信したことを指示する確認メッセージを基準デバイス12に送信することができる。したがって、少なくともいくつかの実施形態では、モバイルセンサ16および基準デバイス12の両方にメッセージが提供されてもよく、または他のデバイスが送信信号を首尾よく受信したことおよび/または信号がどの強度で受信されたかを確認する情報を受信してもよい。同様に、モバイルセンサ16または基準デバイス12のいずれかが、1つまたは複数の調整可能なタイミングルーチンを実行してもよく、他のデバイスからの信号がある予想期間内に受信されない場合、アラームを開始してもよい。したがって、センサ16が患者に関連付けられている場合、通信強度が幾らかの許容可能なレベル以下に低下した場合、またはそのような通信が実質的に失われた場合、患者および/または遠隔の介護者のいずれかまたは両方に警告を発することができる。
【0060】
図1Aでは、モバイルセンサ16は、境界14の範囲(confines)内に十分に存在するように示されている。そして、上述したように、モバイルセンサは、信号18、20の通信強度が通常は高い可能性があるという知識を有していてもよい。点線22によって示されるように、決定された通信強度に基づいて、システム10は、モバイルセンサ16が基準デバイス12からある距離13であると推定することを可能にしてもよい。そして、少なくともいくつかの実施形態では、基準デバイス12に対するモバイルセンサ16の位置を定義するベクトルが決定されるか、または周期的に決定されてもよい。例えば、2つ以上の基準デバイスが遠隔センサ16から信号を受信する場合、遠隔センサ16の位置は、当該技術分野で使用される三角測量または他の数学的手順などにより正確に決定されてもよい。いくつかの実施形態では、グローバルポジショニング技術を使用して位置を決定することができ、センサ16の位置を知ることによって、基準デバイス12とモバイルセンサ16との間でベクトルを計算することができる。さらに、モバイルセンサ16と境界14(または、通信が制限され得る境界14によって囲まれた領域内の区域)との間の1つまたは複数のベクトルが決定されてもよい。したがって、モバイルセンサ16は、いくつかの実施形態では、(基準デバイス12との)通信強度が制限され得る任意の区域または領域に対して、その位置およびその相対位置を認識してもよい。例えば、
図1Aおよび
図1Bでは、環状境界14内の通信が不良な区域15が示されている。そして、
図1Aでは、センサ16と通信が不良な区域15との間の距離を表すベクトル17が示され、センサ16と境界14との間の距離を表すベクトル19が示される。いくつかの実施形態では、境界14及び領域15の相対的な位置及び形状が推定されるか、若しくは計算されてもよく、例えば、ロケールの較正の一部としておよび/または患者監視の一部として実行されるように、センサ16が特定のロケール内で動かされることを含み、更新されてもよい。
【0061】
図1Bでは、モバイルセンサ16は、境界14の近くにあることが示されている。ここでも、1つまたは複数の開始パルス18および戻り信号20が、デバイス12、16間で送信され得る。しかしながら、デバイス12、16間の通信強度は、一般に
図1Aよりも弱い可能性がある。いくつかの実施形態では、決定された通信強度に基づいて、モバイルセンサ16は、伝送される開始パルス18の信号特徴を調整することができる。例えば、モバイルセンサ16が(
図1Aに示されるように)境界14内に十分に存在するとき、いくつかの実施形態では、同モバイルセンサ16は、約2.5分ごとに約1回の伝送の速度で開始パルス18を伝送することができる。しかしながら、センサ16が境界14の近くにあるとき(
図1Bに示すように)、モバイルセンサ16は、いくつかの実施形態では、毎秒約1回の伝送を送ることができる。他の実施形態では、伝送される信号の強度も調整することができる。例えば、信号の強度は、モバイルセンサ16が基準デバイス12に近い場合に最小にすることができる。
【0062】
信号伝送の速度は、モバイルセンサ16が伝送する時間の間に通信を失い、患者の状態を監視するためにデータを伝送することができないというリスクを最小にするのに適している。いくつかの実施形態では、そのリスクは、信号18、20の通信強度または品質に基づくことができ、信号がどれほど急速に劣化するかの推定を含んでいてもよい。信号がいかに急速に劣化するかを推定するために、1つまたは複数の通信強度のメトリックの微分値が、いくつかの実施形態において、決定されてもよい。例えば、基準デバイス12は、任意の数の受信した開始パルス18に基づいてメトリックがどれだけ急速に変化しているかをセンサ16に伝えることができる。システム10に含まれるプロセッサは、通信の性能が損なわれる特定の通信強度にセンサ16が達し得る場合、微分データからさらに外挿してもよい(extrapolate)。例えば、外挿は、センサが通信を失い、および/または境界に達する可能性がある場合に、通信強度の利用可能なデータおよび/または通信強度の微分データから線形的に外挿することが含まれる。他の実施形態では、微分データの非線形外挿を使用して、通信の損失および/または境界に達する時間を計算または推定することができる。いくつかの実施形態では、監視境界14に向かって移動する場合のように、センサがいかに迅速に(典型的なシナリオで、若しくは最悪のシナリオで)動き得るかということから、信号がいかに急速に劣化するかを推定することができる。いくつかの実施形態では、センサ16は、同センサ16が監視境界14(または領域15の境界)を横切るときについての情報を計算または伝達することができるように、監視システムを構成することができる。従って、センサ16は、境界を横断する時間が、信号18、20の伝送間の時間間隔(Pi)よりも持続時間が長い、または持続時間が短いとき、またはセンサ16が基準デバイス12との通信を失う前に1つまたは複数の動作またはプロセスを首尾よく実行することを保証するのに適していると考えられるように、その時間が時間間隔(Pi)の幾らかの因子よりも小さいときを認識するようにしてもよい。より一般的には、Piは、境界までの時間の1つまたは複数の計算に基づいて直接調整されてもよい。代替的に、時間シナリオが計算されてもよいが、交換速度は通信強度から調整または設定することができる。別のルーチンは、これらの実施形態のいくつかでは、1つまたは複数の先制的操作(例えば、通信の起こりうる消失に応答する操作)が実行されるべきかどうかを決定するために、1つまたは複数の計算された時間を組み込んでもよい。
【0063】
例えば、
図4の方法40にも記載されているように、時間間隔(Pi)値は、通信強度から評価され、および/またはセンサが監視領域内でどのように動くかについての1つまたは複数のシナリオに基づいて決定される。例えば、センサ16が仮定された速度である位置から監視境界に向かって移動する場合、センサ16はある時間にそうすることができ、それに応じて(Pi)を調整することができる。例えば、いくつかの実施形態では、信号交換の間の時間(Pi)または(Pi)の幾らかの倍数は、その計算された時間またはその計算された時間の幾らかの因子よりも短くなくてもよい。したがって、Piは、システムが境界に近づくにつれてセンサ通信を迅速に追跡するように調整することができる。同様に、センサが、1つまたは複数のセンサタスクまたは動作を実行するのに必要な時間よりも時間が短いときを認識することができる。
【0064】
また、方法40を再び参照すると、Piの全体的な境界(例えば、値Pi(min)とPi(max)との間)も同様に推定または決定することができる。すなわち、境界領域14によって画定された領域内を移動するセンサ16の場合、システム10は、センサ16が最悪のシナリオの場合に監視境界に向かって移動してもデバイスの通信強度の変化を適切に追跡するために、依然として伝送18、20を送ることができるように、伝送18、20間の間隔をスケーリング(scale)してもよい。例えば、領域の中心のような監視境界の1つの領域からセンサが境界14の最も近い縁部または通信強度が不十分な区域15に移動する最小時間に基づいてPi(max)が決定されてもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、システム10は、通信強度および/または品質の1つまたは複数のメトリックに対して線形的に伝送18、20間の間隔をスケーリングすることができる。いくつかの実施形態では、システム10は、通信強度の1つまたは複数のメトリックに対して非線形的に伝送18、20間の間隔をスケーリングすることができる。例えば、通信強度および/または品質が低下するにつれて、伝送18、20間の時間間隔は、システムが適切に通知されるかまたはその通信強度の変化に適切に応答することを可能にする前に、通信が失われないことを保証するべく急速に変化させてもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、伝送18、20の特性を調整するために、追加の計算が実行されてもよく、または追加のメトリックが使用されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、センサ16は、加速度若しくは速度を推定するのに適した加速度計または他のデバイスを含んでいてもよい。この場合、システムは、いくつかの実施形態では、デバイスが通信の損失のリスクにさらされているかどうかを判断するためにセンサの加速度または速度の知識を組み込むことができる。例えば、センサ16は基準デバイス12と効果的に通信することができるが、センサ16は急速に動き、かつセンサ16が動いていない場合よりも高い速度の開始パルス18を送ることができる。逆に、いくつかの実施形態では、センサ16が動いていないと判定することができる。次いで、センサ16は、いくつかの実施形態では、電力節約モードに入り、パルス18の送信を停止するか、または開始パルス18のみを非常に低い速度で送信してもよい。センサ16が加速を経験する場合、センサは、例えば、1つまたは複数の戻り信号20の強度または品質に基づいて、その電力節約モードを離れ、開始パルス18を所定の速度で送信するか、開始パルス18の送信速度を再較正することができる。
【0067】
図2は、2つ以上のデバイス間の信号交換の整合性または調整のためのシステム30の例示的な実施形態を示す。
図2では、簡略化のために境界の一部32のみが示されている。システム30において、センサ16はGPS可能であり、複数の衛星36から生じる衛星信号34の相対強度を検出するのに適した1つまたは複数の受信機を含み、そのグローバル位置の計算を実行するのに適した処理能力を含む。モバイルセンサ16は、そのグローバル位置を連続的に再計算してもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、センサのグローバル位置は、モバイルセンサ16と基準デバイス12との間の信号の通信が低いという知見に応答して決定されてもよい。例えば、位置の計算は、それらの信号が利用できない場合には、ローカル信号に基づく三角測量のような位置決定のための他の手順の代替として全体的に行うことができる。また、本明細書に記載のいくつかの実施形態では、モバイルセンサ16の位置を決定することに関連するエネルギーの消費を最小限に抑えるために、遠隔センサ16の位置は、同遠隔センサ16との通信を失うリスクが重要になってきているかのみによってなされる(或いは、その情報は基準デバイス12のみに伝送される)。他の実施形態では、モバイルセンサ16の位置は、ある周波数で計算および/または伝送することができるが、モバイルセンサ16と基準デバイス12との間の通信の強度に基づいてその周波数を調整することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、遠隔センサ16が発作のような医学的状態を示し得る異常な生理学的特徴を識別する場合、モバイルセンサ16の位置の計算を実行することができる。さらに、センサ16の基準位置への近接度は、介護者が安心できる範囲外であってもよく、システムは、センサの位置を計算するようにトリガされてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、介護者は医学的状態を有する子供の親であり、彼らが一緒にいて安心である範囲外に彼らの子供がいることを知りたいと思うかもしれない。したがって、システムは、介護者が、彼らの子供が基準デバイス(例えば、親の近くに配置可能な基地局)から一定の距離または近接を超える場合、親に通知され、および/または子供を見つける方法に関する指示が通知される範囲を選択する可能性を含んでいてもよい。
【0069】
図3Aおよび
図3Bは、2つ以上のデバイス間で交換される信号の整合性または調整のためのシステム38の例示的な実施形態を示す。システム38は、開始パルス18が基準デバイス12から送信され得るという点でシステム10とは異なる。同様に、戻り信号20は、モバイルセンサ16から基準デバイス12に送信されてもよい。
【0070】
システム38では、モバイルデバイス16は、開始パルス18を受信するように構成された1つまたは複数の構成要素を含むことができる。さらに、モバイルデバイス16は、受信された開始パルス18の強度または品質を評価または決定するように構成されてもよい。ここでも開始パルス18の受信された強度は、パルスの伝送の強さと、デバイス間を移動中に発生した可能性のある損失とに関連していてもよい。例えば、前述の損失が高い忠実度の通信を保証するにはあまりにも厳しくなる場合は、信号振幅が低すぎて検出できないか、または通信が不良であることを示すレベルでのみ検出され得る。
【0071】
システム38において、モバイルデバイス16は、1つまたは複数の開始パルス18に応答して、1つまたは複数の戻り信号20を送信することができる。戻り信号20は、1つまたは複数の開始パルス18の受信にて、基準デバイス12と通信するのに適した信号を含むことができる。さらに、いくつかの実施形態では、戻り信号20は、基準デバイス12に、以前に受信した任意の数の開始パルス18がどれだけ有効に検出されたかを知らせるメッセージを含むことができる。
【0072】
システム38は、デバイス12、16が信号を交換する速度を調整するように構成されてもよい。そして、一般に、システム38は、モバイルデバイス16のエネルギー消費を最小限に抑えることが望まれるように戻り信号20の速度を調整してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、基準デバイス12は、受信された戻り信号20の強度または品質を決定するように構成されてもよく、それに応答して、開始パルス18を送信する速度を調整してもよい。したがって、遠隔センサ16は、それに応じて調整された速度で戻り信号20を送信することができる。また、システム38では、開始パルス18の強度を決定することが可能であり、そしてシステムはしばしばそのように行うことができるが、システム38が、基準デバイス12によって受信された信号の強度を少なくとも幾らかの時間の間、評価することが望ましい場合がある。例えば、モバイルセンサ16のバッテリ強度が低い場合には、時として伝送強度がより低い信頼性になることがある。また、遠隔デバイスか基準デバイスへの信号の通過を必要とすることが望ましいかもしれない。なぜなら、そのような動作は、システムのエネルギーが排出されると、伝送に関連する較正ルーチンがエラーを有するか、または不安定になるなど、デバイスが信号を送信し得る電力のドリフト、変化または他の不正確さに応答し得るからである。すなわち、このような動作は、緊急メッセージと同様に信号が正確に送信され、検出されることを要求する。例えば、遠隔デバイスからの送信および基準デバイスによる受信を必要とする。
【0073】
いくつかの実施形態では、基準デバイス12は、受信された戻り信号20の強度または品質を決定するように構成されてもよく、それに応答して、幾らかの速度にて戻り信号20を受信することのみを期待するメッセージをモバイルデバイス16に送信してもよい。例えば、メッセージは、モバイルセンサ16に、それが受信するすべての他の開始パルス18(または開始パルス18の幾らかの他の適切な割合)にのみ戻り信号を送信するように指示することができる。いくつかの実施形態では、モバイルセンサ16は、ある割合の開始パルス18に応答を送ることができるが、1つまたは複数の受信した開始パルス18の強度および/または品質が適切に変化する場合、モバイルセンサ16は、戻り信号20をより大きな比率の開始パルス18に送ることを選択することができる。したがって、その状況では、開始パルス18と戻り信号20との比が変更されてもよい。有利には、開始パルス18は、比較的高い周波数で送信されてもよい。しかしながら、通信強度が変化しない限り、モバイルセンサ16は少数の戻り信号20の送信で応答するだけでよい。したがって、モバイルセンサ16のバッテリ寿命は保存されるが、システムは依然としてより高い速度でメッセージを送信している可能性がある。
【0074】
いくつかの実施形態では、基準デバイス12と同様に、モバイルセンサ16は、受信信号の強度および/または品質を決定するように構成されてもよい。モバイルセンサ16は、その後、高速で開始パルス18を受信することができるが、強度が一定であるか、若しくは幾らかの範囲内であれば、低速度で戻り信号20のみを送る。基準デバイス12は、(先に議論したように)ある時間間隔で戻り信号を受信することを予想するのみのメッセージを以前に送信していてもよい。したがって、デバイス12、16は、通信が失われたことを1つのデバイスが誤って識別することなく、戻り信号20の開始パルス18に対する割合を安全に調整することができる。好都合なことに、通信強度を継続的に評価することができるが、モバイルデバイス16は依然として低速度でエネルギーを節約して信号を伝送することのみを行うことができる。より一般的には、いくつかの実施形態では、開始パルス18または戻り信号20と共に、1つのデバイスは、通信が安定しているように見え、そして、それが依然として安全に開始パルス18を受信している限りにおいて幾らかの期間の間は戻り信号20を送らないというメッセージを別のデバイスに通信することができる。そして、いくつかの実施形態では、デバイスは、いくつかの開始パルス18の検出にのみ応答する電力節約モードに入っていることを他のデバイスに指示することができる。すなわち、デバイスは、他のデバイスに能動的に応答することなくいくつかの開始パルスを検出することができる。デバイスは、いくつかの実施形態では、例えば、同デバイスは開始パルス18が強度または品質が低下または変化したと判断した場合、電力節約モードを終了することができる。代替的または付随的に、いくつかの実施形態では、1つまたは複数のセンサまたはセンサ構成要素が加速または動きを識別する場合、デバイスは電力節約モードを終了することができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、基準デバイス12は、センサ16によって決定された通信強度について基準デバイスを更新するメッセージを受信することができる。基準デバイス12は、開始パルス18を送出する時間の何らかの割合の応答のみを期待するように構成することができる。したがって、少なくともいくつかの実施形態では、いくつかの開始パルス18および戻り信号20が異なっていてもよい。そして、例えば、遠隔センサ16が戻り信号20を送信するように動作する場合、システム38は、開始パルスと戻り信号との間に1対1の対応なしに動作することが有利であり得る。都合の良いことに、遠隔センサ16は、システム38のいくつかの実施形態では、より低い速度で戻り信号を送信するだけであっても、開始パルス18を依然として高速度で受信することができる。したがって、遠隔センサ16は、開始パルスが良好な強度で受信されたかどうかを依然として継続して調査してもよく、遠隔センサ16が基準点に向かってまたは基準点から離れるように急速に移動する場合、同遠隔センサ16は著しい遅延なしにそれを認識することができる。そして、いくつかの実施形態では、戻り信号20をより小さいまたはより大きな周波数で送信することによって、開始パルス18の変化する強度に応答することができる。さらに、それは、検出された開始パルス18の信号強度の変化を基準デバイス12に知らせるメッセージを、戻り信号20と共にまたは戻り信号20に加えて送ることができる。そのメッセージは、戻り信号20の周波数の変化を予想するように基準デバイスに伝えてもよい。そして、例えば、基準デバイス12が更新された速度で戻り信号20を受信しなければ、遠隔デバイス16が範囲外であるか、そうでなければ他の何らかの理由で通信が失われているとみなしてもよい。
【0076】
図4は、2つ以上のデバイス間で交換される信号の整合性または調整のための方法40の例示的な実施形態を示す。ステップ42では、1つまたは複数の信号を1つのデバイスから別のデバイスに伝送することができる。例えば、いくつかの実施形態では、遠隔デバイスは、基準デバイスに開始パルスを送ることができる。他の実施形態では、基準デバイスは、1つまたは複数の開始パルスを遠隔デバイスに送信することができる。いくつかの実施形態では、デバイスは、例えば、使用期間内の異なる時間を含む、開始パルスの送信器および/または開始パルスの応答器の一方または両方として動作することができる。ステップ44において、通信デバイスの間の、例えば遠隔デバイスと基準デバイスとの間の、通信強度が決定される。通信の強度を決定するために、いずれかのデバイスまたは両方のデバイスは、例えば、受信信号の強度、振幅または品質を評価するように構成されてもよい。ステップ46において、決定された通信強度に基づいて、デバイス間で伝送される信号の特徴の設定または調整を実行することができる。
【0077】
例えば、方法40は、通信強度が変化した場合に信号交換の速度を調整することを含むことができる。例えば、モバイルセンサおよび基準デバイスは、1つまたは複数のデフォルト交換速度で信号の交換を開始し、通信強度が変化すると、その速度を調整することができる。例えば、通信強度が増加することが分かった場合、モバイルデバイスは、電力消費を調整するために、いくらかの低減された速度で信号を送信することができる。いくつかの実施形態では、送信電力は、通信強度に基づいて調整されてもよい(または代替的に)。いくつかのデバイスは、監視が開始されたときにいくつかの所定の交換速度にデフォルトすることができ、いくつかの信号の通信強度を決定した後、デバイスは、1つまたは複数の、アルゴリズムまたは式1に示すようなものを含む式に基づいてスケーリングする信号交換速度を採用することができる。通信強度が高い場合、電力を節約し、バッテリ寿命を延ばす低速度で開始パルスを送信することができるように、信号伝送の速度(例えば、式1のPi)を確立することができる。
【0078】
図5は、モデルセンサの通信強度対時間のグラフ50を示し、本明細書に記載の方法のいくつかをさらに実証するために使用することができる。そこに示されているように、通信強度の1つまたは複数のメトリックの様々な測定を行うことができる。これらの測定は、例えば、1つまたは複数の交換された信号を受信したときに行われてもよく、信号が交換されるたびに強度が決定される場合、測定の間隔はPiに直接関連していてもよい。例えば、RSSIまたはLQI値は、1つまたは複数の通信デバイスによって決定されてもよい。グラフ50では、個々の測定値が(x)で示され、そこに示されているように、異なる期間52、54、56において、測定と測定との間の間隔(ここでもまたPiに比例する)が変化する。例えば、期間52内では、測定と測定との間の時間は、期間54、56内の時間よりも短い。測定と測定との時間は、通信強度に関連する場合があり、期間52内では通信強度が低く、開始パルスを高速で送信すると有利であり、従って、測定と測定との間(及び伝送と伝送との間)の時間は小さい。期間54では、通信強度が高いので測定と測定との間の間隔が比較的大きい。示された最後の測定58について本明細書で説明されるように、時間間隔Piは異なる方法で調整されてもよい。例えば、Piは、測定58の時点に決定された通信強度60に関連していてもよい。あるいは、伝送と伝送との間の時間Piは、通信強度62のレベルが、いくつかの最小許容通信強度64よりも上でどれほど大きいかについて関連させてもよい。
【0079】
図6は、センサについての通信強度対時間のモデルデータを再び示す同じグラフ50を示す。
図6には、破線66が示されている。破線66は、通信強度の任意の数の以前の測定値に基づいて計算することができる。例えば、
図6に示すように、破線66は、期間56(この例ではデータ点58を含む信号強度の5つのデータ点を含む)の測定データに基づいて最適な線であってもよい。強度データに適合し得る他の曲線は、例えば、放物線、多項式、または他の等式を含む。例えば、他の実施形態では、曲線は、a
0、a
1、a
2が調整可能な係数を表し、変数Xが1つまたは複数の通信強度のメトリックであり得る形式(a
0+a
1X+a
2X
2+…)の最良適合(best−fit)多項式であり得る。
図6はまた、通信強度が最良適合線66によって予測されるように変化し続ける場合にセンサが通信を失う場合の外挿を図式的に表した交点68(すなわち、線66と最小許容通信強度64との間の交点)を示す。すなわち、長さ70(時間軸に沿って、時間70を規定することができる)によって示されるように、信号通信が危うくなる可能性のある予測時間が示されている。
【0080】
いくつかの実施形態では、伝送と伝送との間の時間Piは、予測時間70に関連していてもよい。例えば、Piは、ライン70によって予測される持続時間よりも長い何らかの因子にスケーリングされてもよい。すなわち、Piは、予測時間70に関連していてもよい。いくつかの実施形態では、方法は、通信強度(例えば、式1に記載されるような)および/または1つまたは複数のモデル関数(最良適合線66など)に基づいてPiを計算することができる。例えば、いくつかの実施形態では、Piは各方法で計算されてもよく、システムはいずれかの方法で計算されるようにPiを選択してもよい。例えば、方法は、Piのより小さい値を選択することができる。その点において、センサが境界に向かって急速に移動しているとき、最良適合線66(または信号強度またはいくつかの他の曲線適合の微分データ)によって計算されたPiは、例えば、通信の損失のリスクをより正確に表すことができる。したがって、方法はPiに対して最も安全な値をとることができる。いくつかの実施形態では、各方法でPiを計算することにより、式1の係数を調整することができる。例えば、係数を調整して一般にPiの平均値をより大きくすることができる。したがって、バッテリ寿命が延びることがある。例えば、センサが範囲外に急激に移動する最悪の場合のシナリオは、外挿によって安全に考慮されるので、係数を調整することができる。いくつかの実施形態では、Piは、式1または他の適切な式によって定義されるように調整されてもよい。方法は、通信の起こりうる損失について1回以上推定することができる。そして、いくつかの実施形態では、その計算を使用して、通信の損失に関連する1つまたは複数の動作の実行をトリガすることができる。例えば、キーデータが失われる前に、キーデータの伝送を先制的にトリガするために、計算された時間を使用することができる。他の実施形態では、通信強度の1つまたは複数の閾値の達成に基づいて先制的動作をトリガすることができる。例えば、通信強度が閾値レベル64に近づくように減少する場合、1つまたは複数の先制的動作が実行されてもよい。いくつかの実施形態では、アルゴリズムは、通信強度60、強度と最小許容強度64との間のデルタ値、および線70によって予測される時間の任意の組み合わせを計算し、Piの設定、信号の伝送電力または通信の損失のリスクに対応する先制的動作の実行のような種々の動作は、前述のいずれか1つまたは組み合わせに基づくことができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、監視期間の開始時に、デバイスは、通信強度を最初に測定し、データ交換の初期速度を決定するために、デバイス間の1つまたは複数の伝送を交換することができる。すなわち、1つまたは複数のデバイスが交換較正手順を実行することができる。そして、いくつかの実施形態では、その手順は、他の監視期間中に実行される他の計算に加えてもよい計算を含むことができる。例えば、通信の損失のリスクのより広範かつ/または複雑な計算が実行されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、通信強度の急速な変化が識別され、デバイスが地域間を移動し、および/またはセンサが異なる基準デバイスと通信を開始するか若しくは異なるネットワークにて通信を開始する場合、1つまたは複数の交換較正手順が自動的に実行されてもよい。いくつかの実施形態では、デバイスは、例えば、デバイスが静止しているかまたは一定期間静止している場合にトリガされ得る電力節約モードの前に、またはそれが同電力節約モードに入る前に、「交換較正手順」を実行することができる。いくつかの実施形態では、交換較正手順の一部として、センサは、1つまたは複数のデバイスに受信または送信されるローカル信号の三角測量またはGPS技術を使用するなどにより、その位置を決定することができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、間隔(Pi)をある許容可能な範囲内に維持することが望ましい場合がある。例えば、最大可能間隔Pi(max)と最小可能間隔Pi(min)との間の間隔(Pi)を、関係式で表されるようにのみ変化させることが望ましい場合がある。
【0083】
Pi(max)<或いは=Pi<或いは=Pi(min)(式3)
ここで、
Pi(min)は、可能な最大間隔であり、
Pi(min)は、可能な最小間隔である。
【0084】
例えば、式1または式2は、Piを変更することができるが、上記の制約を受ける。Pi(max)の値は、デフォルト値、計算値、またはその両方の組み合わせであってもよい。そして、いくつかの実施形態では、Pi(max)は、定期的な間隔で実行される交換較正手順の一部として、または上記のような他の要因に基づいて計算されてもよい。例えば、患者または介護者は、接続性が高い位置にある患者にセンサを配置することができる。また、いくつかの実施形態では、例えば、強度が増加する場合を含めて、通信強度が大幅にまたは迅速に変化したことが明らかになった場合、デバイスは、いくつかの実施形態では、交換較正手順を自動的に実行することができる。したがって、いくつかの実施形態では、監視期間の開始時にデバイスがPi(max)を計算し、監視中に通信強度が改善された場合などPi(max)を再計算し、および/または経験的に設定または選択されるようなデフォルト値を使用することができる。Pi(max)の値は、いくつかの実施形態では、約80秒〜約300秒に設定されてもよい。Pi(min)の値は、いくつかの実施形態では、約1秒〜約20秒に設定されてもよい。ルーチンまたはアルゴリズムがPiがPi(min)よりも小さくなければならないと決定した場合、システムは、いくつかの実施形態では、アラームまたは警告を出すことができる。
【0085】
図7は、2つ以上のデバイス間で交換される信号の整合性または調整のための方法70の例示的な実施形態を示す。ステップ72では、1つまたは複数の信号を1つのデバイスから別のデバイスに伝送することができる。ほんの一例として、いくつかの実施形態では、遠隔デバイスは開始パルスを基準デバイスに送信し、基準デバイス(または基準デバイスと通信する他のデバイス)は応答信号を伝送することができる。ステップ74において、デバイス間の通信の損失のリスクが決定され得る。また、通信の損失のリスクを計算する際には、信号伝送の速度を設定または調整することができる。いくつかの実施形態では、伝送電力などの信号伝送の他の特徴は、通信の損失のリスクに基づいて代替的または付随的に設定または調整されてもよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、ステップ74において、1つまたは複数のルーチンが実行されてもよく、ルーチンは、通信の損失のリスクに関連するメトリックを表現してもよい。例えば、ルーチンは、例えば、式1に示されるような通信強度に基づいていてもよい。すなわち、そこで計算されたPiはリスクに関連する可能性がある(例えば、Piが小さいと、リスクは高くなり得る)。別のルーチンは、(
図6に記載されているような)通信の損失までの時間を計算することができ、最良適合線または他の曲線を計算することによるなどの1つまたは複数の外挿の実行を含むことができる。本明細書に記載されているように、Piは、その時間またはその時間の因子(factor)に関連し得る。別のルーチンは、監視ロケールの形態または形状に関する情報とともに移動データを組み込むことができる。例えば、軌道または起こりうる軌道の軌跡がセンサについて決定されてもよい。起こりうる軌道を決定することは、センサの位置を決定し、センサが1つまたはすべての可能な方向に移動し得る速度を推定することを含むことができる。軌道が境界(または接続不良の区域)と重なる可能性がある場合、境界に到達する時間を決定することができる。いくつかの実施形態では、センサが境界に到達する時間の計算は、デバイスの測定された速さまたは速度を含むことができ、速度、距離、および時間を含む1つまたは複数の式(例えば、距離=(速さ)(時間))に、適切なまたはデフォルトの加速度または速度値(所与のセンサにとって可能性のある平均速度または最大速度など)をインポートすることができる。Piはその時刻に関連している可能性がある。例えば、Piは境界(または接続不良の区域)に達する時間のいくらかの倍数になるようにスケーリングすることができる。前述のルーチン(または本明細書に記載される他のルーチン)の任意の組み合わせが、ステップ74に含まれてもよい。ステップ76において、デバイス間で交換される信号の特徴の設定または調整が設定され得る。例えば、複数のルーチンが実行される場合、様々なPi値のいずれかが選択され、交換信号の1つまたは複数の次の伝送に使用される。いくつかの実施形態では、方法は、(最も安全なPi値と考えられる)最も小さいPi値を選択することができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、通信の損失のリスクは、1つまたは複数のリスクメトリックとして都合よく表現され得る。非限定的な例として、通信の損失のリスクは、センサが基準デバイスとの通信を失う可能性のある期間に関連する可能性がある。例えば、期間は、センサが監視境界(それは、何らかの離れる(away)推定距離または決定距離であってもよい)に向かって、そしてある速さ(想定または計算され得る)にて移動する最悪の場合または他のシナリオを反映してもよく、同センサは、その期間において境界を越えて移動し得る。いくつかの実施形態では、(例えば、信号強度、三角測量、または全地球測位技術を使用して)境界までの距離を推定または計算し、センサがその距離を移動するための時間を推定することができる。例えば、推定された速さは、センサが取り付けられている物体に関係していてもよい。
【0088】
図8は、2つ以上のデバイス間で交換される信号の整合性または調整のための方法80の例示的な実施形態を示す。ステップ82では、1つまたは複数の信号を1つのデバイスから別のデバイスに伝送することができる。ほんの一例として、いくつかの実施形態では、遠隔デバイスは開始パルスを基準デバイスに送信し、基準デバイスは応答信号を伝送することができる。ステップ84において、デバイス間の通信の損失のリスクが決定されてもよい。ステップ86に示すように、デバイス間で伝送される信号の特徴を設定または調整することができる。例えば、通信強度が増加することが明らかである場合、モバイルデバイスは、電力消費を調整するために、いくらかの低減された速度で信号を送信することができる。
【0089】
ステップ88において、1つまたは複数のシステムデバイスは、遠隔デバイスがどのようにして基準デバイスとの通信を失うかについての1つまたは複数のシナリオを計算する(calculate)ことができる。例えば、いくつかの実施形態では、通信の損失のリスクを決定することは、想定または計算された速さで監視境界に向かって直接移動するセンサの最悪のシナリオを計算することを含むことができる。例えば、最悪の場合のシナリオは、最小期間内に低い接続性の境界または他の区域に向かって直接移動するセンサを含むことができる。すなわち、最小期間は、センサが基準デバイスとの通信を失う最短期間であってもよく、「最悪のシナリオ」の分析の一部として計算されてもよい。
【0090】
監視境界に到達するための最小時間の計算は、所与の時間の間、想定または計算された速さまたは速度のために移動するときにセンサにアクセス可能な点の軌跡を計算することを含むことができる。想定または計算された速さまたは速度が選択されるかどうかは、これらのメトリックのうちの1つまたは複数が利用可能かどうかに依存し得る。しかしながら、それはセンサが取り付けられている物体に基づいていてもよい。例えば、いくつかの物体は、一般に速さまたは速度を比較的ゆっくりと変化させることができる。したがって、前述のメトリックの以前の値は、一般的に、将来の活動を反映している可能性がある。他の物体は、速さまたは方向をランダムに変化させる可能性があり、様々な方向の移動の任意のものが想定されるモデルを適用するのに適している場合がある。アクセス可能な地点の軌跡は、接続不良の領域を含む既知の、または推定された監視領域内の位置と比較することができる。例えば、信号品質は、その領域が基準ポイントからの限界距離に近いか、またはその領域が干渉しやすいために、個人ネットワークのいくつかの領域では不十分または信頼性が低いことが分かる。そして、与えられた時間の間に、アクセス可能な地点の軌跡が最初にそれらの領域に広がったり、ある確率で延びたりする場合、その時間は通信の損失の最小時間として扱われる。
【0091】
いくつかの実施形態では、通信の損失のリスクは、通信の損失のための最小時間に加えて、他のメトリックにも関連し得る。例えば、時間の経過と共に、通信強度が不安定になり、監視ロケール内を移動するセンサと矛盾する傾向または挙動を示すことがある。これらの兆候は、それ自体、通信の損失のリスクが重要であると決定するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサは、通信強度の傾向が地域内の動きについて予測される強度値と一致するかどうかを調べ、強度の傾向が予測されたものと一致しない場合、リスクが高いとみなされるか、或いは、誤ったメッセージが発せられる。
【0092】
ステップ90において、1つまたは複数のシステムデバイスは、(最悪の場合のシナリオにおける最小期間などの)ある期間がいくらかの臨界期間よりも短くてもよいかどうかを計算することができる。例えば、臨界期間は、デバイスがその軌道を修正し、通信の損失を回避する何らかのアクションをとる時間であってもよい。臨界期間には、介護者または遠隔センサを監視する他の人にとって有用であり得るデータを転送するための時間も含まれ得る。例えば、いくつかの実施形態では、センサが通信を失う前にセンサの位置を計算することが望ましく、臨界期間はセンサの位置を計算するのに必要な時間を反映し、その位置と管理デバイスとを首尾よく通信し得る。また、臨界期間は、1つまたは複数の警告ルーチンを首尾よく実行するための期間も含まれ得る。例えば、いくつかの実施形態では、運動症状が、発作前状態を示し得る筋活動の異常な徴候を示す場合、警告ルーチンを開始することができる。そのようなルーチンは、いくつかの実施形態では、約30秒までまたは約10分までの持続期間にわたって持続することができる。そして、いくつかの実施形態では、警告ルーチンの持続時間は、(最悪の場合のシナリオにおける最小期間などの)期間と比較されてもよい。その期間が警告ルーチンの持続時間よりも短い場合、1つまたは複数のシステムアクションが実行されてもよい(ステップ92)。
【0093】
ステップ92において、期間が1つまたは複数の重要なシステム動作を実行するために必要な時間よりも短い場合、1つまたは複数のアクションが実行されてもよい。すなわち、遠隔デバイスが関連する動作が完了する前に通信を失うリスクがあるとみなされた場合、システムはアクションを行うことができる。例えば、警報ルーチンの持続時間がセンサが管理デバイスとの通信を失う可能性がある期間よりも長い場合、1つまたは複数の伝送プロトコルが実行されてもよい。例えば、通信の損失が生じる可能性がある重大なリスクがある場合、警告メッセージの代わりに緊急プロトコルが実行されてもよい。重大なシステム動作は、非限定的な例として、関連するベースラインまたは較正データの送信、グローバル位置情報の処理および伝送、1つまたは複数の監視ルーチンの実行、他のプロセス、およびそれらの組み合わせをさらに含むことができる。
【0094】
開示された方法および装置ならびにそれらの利点について詳細に説明したが、本明細書において、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明から逸脱することなく、様々な変更、置換および改変を行うことができることを理解されたい。さらに、本出願の範囲は、本明細書に記載されるプロセス、機械、製造、組成、または物質、手段、方法およびステップの特定の実施形態に限定されることを意図するものではない。例えば、一実施形態について説明した任意の特徴は、任意の他の実施形態で使用することができる。例えば、「含む」という言葉の使用は、「含む」という言葉が開放形式(open−ended)であるものとして解釈されるべきである。本明細書に記載された対応する実施形態と実質的に同じ機能を果たすか、または実質的に同じ結果を達成する、現在存在するか、または後に開発されることになるプロセス、機械、製造物、組成物、手段、方法、若しくはステップが使用され得ることを、当業者は開示から容易に理解できるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、そのようなプロセス、機械、製造、物質の組成物、手段、方法またはステップをその範囲内に含むように意図されている。
【国際調査報告】