(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-526524(P2017-526524A)
(43)【公表日】2017年9月14日
(54)【発明の名称】分配システムのためのセンサ
(51)【国際特許分類】
B05C 11/00 20060101AFI20170818BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20170818BHJP
【FI】
B05C11/00
B05C5/00 101
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-507836(P2017-507836)
(86)(22)【出願日】2015年8月13日
(85)【翻訳文提出日】2017年3月31日
(86)【国際出願番号】US2015045053
(87)【国際公開番号】WO2016025711
(87)【国際公開日】20160218
(31)【優先権主張番号】62/036,711
(32)【優先日】2014年8月13日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】506190555
【氏名又は名称】ゴジョ・インダストリーズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002398
【氏名又は名称】特許業務法人小倉特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェゲリン,ジャクソン,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】カーティス,チップ
【テーマコード(参考)】
4F041
4F042
【Fターム(参考)】
4F041BA34
4F042BA12
4F042CB24
4F042DH09
(57)【要約】
特に,分配システムの性能を向上するための1又はそれ以上のシステム及び/又は技術が提供される。この分配システムは,発光器と検出器とを備えることができる。発光器は,光(例えば,1又はそれ以上の他の信号)を送信するように構成できる。検出器は,例えば光を測定するように構成できる。検出器は,発光器が光を送信していない間に,第1の光測定結果が判定できる。検出器は,発光器の光の送信に呼応して,第2の光測定結果が判定できる。検出器は,第1の光測定結果と第2の光測定結果との比較を基に,第3の光測定結果が判定できる。検出器は,第3の光測定結果の判定中,直流結合とし得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を送信するよう構成された発光器と,
前記発光器が光を送信していないときに第1の光測定結果を判定し,
前記発光器が光を送信するのに呼応して第2の光測定結果を判定し,
検出器が直流(DC)結合の際に前記第1の光測定結果と前記第2の光測定結果との比較結果に基づいて第3の光測定結果を判定する
ように構成された前記検出器と,
を備えるシステム。
【請求項2】
前記検出器は,前記比較結果が前記第1の光測定結果と前記第2の光測定結果間の差が閾値より小さいことを示すときに,前記第3の光測定結果を判定するように構成される請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記検出器は,前記比較結果が,前記検出器が前記発光器から送信された光と環境光とを区別することができていない可能性が確率上の閾値を越えていることを示すときに,前記第3の光測定結果を判定するように構成される請求項1記載のシステム。
【請求項4】
環境光が輝度の閾値を越えていることを示す前記第3の光測定結果に呼応して,前記検出器が前記発光器から送信された光と前記環境光とを区別することができていないことを判定するように構成した部材を備える請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記検出器が交流(AC)結合の際,前記検出器は交流信号のみの転送を行う請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記検出器が直流(DC)結合の際,前記検出器は交流(AC)信号と直流信号の転送を行う請求項1記載のシステム。
【請求項7】
前記第3の光測定結果に基づいて,前記検出器が前記発光器から送信された光と環境光とを区別することができているという判定に応じて,イベントを可能にするように構成した部材を備える請求項1記載のシステム。
【請求項8】
前記イベントは分配イベントからなる請求項7記載のシステム。
【請求項9】
前記検出器により判定される第4の光測定結果に基づいて,イベントを実行するように構成された構成部材を備える請求項1記載のシステム。
【請求項10】
検出器を使用して,発光器が光を送信していないときに第1の光測定結果を判定し,
前記検出器が交流(AC)結合の際に,前記検出器を使用して,前記発光器が光を送信するのに呼応して第2の光測定結果を判定し,
前記検出器が直流(DC)結合の際に,前記検出器を使用して,前記第1の光測定結果と前記第2の光測定結果の比較結果に基づいて第3の光測定結果を判定する
ようにした方法。
【請求項11】
前記第3の光測定結果の判定は,前記比較結果が前記第1の光測定結果と前記第2の光測定結果間の差が閾値より小さいことを示すときに実行される請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記第3の光測定結果の判定は,前記比較結果が,前記検出器が前記発光器から送信された光と環境光とを区別することができていない可能性が確率上の閾値を越えていることを示すときに実行される請求項10記載の方法。
【請求項13】
前記第3の光測定結果に基づいて,前記検出器が前記発光器から送信された光と環境光とを区別することができていないという判定に呼応して,イベントを一時停止することを含む請求項10記載の方法。
【請求項14】
前記第3の光測定結果に基づいて,前記検出器が前記発光器から送信された光と環境光とを区別することができているという判定に対応して,イベントを可能にすることを含む請求項10記載の方法。
【請求項15】
発光器が光を送信していないときにおいて,検出器が交流(AC)結合されている際の該検出器を使用して第1の光測定結果を判定し,
前記発光器が光を送信するのに呼応して,前記検出器がAC結合される際の該検出器を使用して第2の光測定結果を判定し,
前記第1の光測定結果と前記第2の光測定結果との比較に基づいて,前記検出器が直流(DC)結合される際の該検出器を使用して第3の光測定結果を判定する
ような実行を行う命令を含むコンピュータにより読み取り可能な媒体。
【請求項16】
前記第1の光測定結果の判定は,前記第2の光測定結果判定の前に実行される請求項15記載のコンピュータにより読み取り可能な媒体。
【請求項17】
前記第2の光測定結果の判定は,前記第3の光測定結果の判定の前に実行される請求項15記載のコンピュータにより読み取り可能な媒体。
【請求項18】
前記第1の光測定結果の判定は,前記第3の光測定結果の判定の前に実行される請求項15記載のコンピュータにより読み取り可能な媒体。
【請求項19】
前記比較の結果,前記第1の光測定結果と前記第2の光測定結果間の差が閾値より小さいことを示すときに,前記第3の光測定結果の判定が実行される請求項15記載のコンピュータにより読み取り可能な媒体。
【請求項20】
前記比較の結果,前記検出器が前記発光器から送信された光と環境光とを区別することができていない可能性が確率上の閾値を越えていることを示すときに,前記第3の光測定結果の判定が実行される請求項15記載のコンピュータにより読み取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は,2014年8月13日に出願された米国仮特許出願第62/036,711号の発明の名称「分配システムのためのセンサ」の優先権を主張する非仮出願であり,その開示の全体は,参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本願は,概ね,液体,粉末,エアロゾル,又はその他の種類の物品等,物品を分配するための分配システムに関するものである。例えば,本願は,分配システムの作動開始のために光を使用する,分配システムのためのセンサに関するものである。
【背景技術】
【0003】
病院,工場,レストラン,家庭等,多くの場所は,物品を分配する分配システムを使用する。例えば,分配システムは,液状物,粉状物,エアロゾル状の物,及び/又は他の物品(例えば,石鹸,抗菌ゲル,クレンザー,消毒液,ローション等)を分配できる。幾つかの分配システムは,物品をいつ分配するかを判定するために,センサを使用する。
【発明の概要】
【0004】
本概要は,以下の詳細な説明でさらに記載される発明の抜粋を簡略化した形で紹介するために提供される。本概要は,特許請求の対象の主要な要素又は本質的な特徴を明らかにすることを意図するものではなく,また,特許請求の対象範囲を限定するために用いられることを意図したものでもない。
【0005】
特に,システム(例えば分配システム)の性能を向上するための1又はそれ以上のシステム及び/又は技術がここで提供される。幾つかの実施形態では,このシステムは,発光器を備えることができる。発光器は,光(例えば,及び/又は,1又はそれ以上の他の信号)を送信するように構成できる。幾つかの実施形態では,このシステムは,検出器を備えることができる。検出器は,例えば光を測定するように構成できる。検出器は,発光器が光を送信していないときに,第1の光測定結果を判定し得る。検出器は,第1の光測定結果の判定中,交流(AC)結合とし得る。検出器は,発光器の光放出に呼応して,第2の光測定結果を判定し得る。検出器は,第2の光測定結果判定中,AC結合とし得る。検出器は,第1の光測定結果と第2の光測定結果との比較に基づいて第3の光測定結果を判定できる。例えば,比較結果が第1の光測定結果と第2の光測定結果との間の差が閾値より小さいことを示すときに,第3の光測定結果が判定され得る。比較では,検出器が発光器から送信された光と環境光とを区別することができていない確率を示し得ることが理解される。検出器は,第3の光測定結果の判定中,直流(DC)結合とし得る。
【0006】
以下の記載及び添付図面は,いくつかの例示的な態様及び実施を示している。これらは1又はそれ以上の態様を採用することができる様々な方法のほんの幾つかを示すものである。本願の他の態様,利点,及び開示されている新規な特徴は,添付図面と併せて考察することで,以下の詳細な説明から明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】幾つかの実施形態に係る分配システムを示す要素ブロック図。
【
図2】幾つかの実施形態に係る分配システムを示す要素ブロック図。
【
図3】幾つかの実施形態に係る分配システムを示す要素ブロック図。
【
図4】幾つかの実施形態に係る分配システムを示す要素ブロック図。
【
図5】幾つかの実施形態に係る分配システムを示す要素ブロック図。
【
図6】幾つかの実施形態に係る検出器を使用した測定結果の判定方法を示すフロー図。
【
図7】本明細書に記載された事項に含まれる1又は複数の提示を具体化して構成するための中央処理装置が実行可能な命令を含むコンピュータで読み取り可能な媒体の例を示す説明図。
【0008】
詳細な説明
請求の範囲に係る事項について,図面を参照して説明する。ここでは,概ね,同様の参照符号は同様の要素を参照するために使用する。以下の説明では,説明のため,幾つかの詳細な具体例が請求の範囲に係る事項の理解を提供するために記載されている。しかしながら,請求の範囲に係る事項は,これらの詳細な具体例に限定されずに実施できることは明白である。他の例では,請求の範囲に係る事項の説明を容易とするために,構造及び装置は,ブロック図の形式で説明されている。
【0009】
図1は,物品を分配するための分配システム100の一例を示している。分配システム100は,検出器104及び発光器106を保持するように構成されたハウジング102を備えることができる。検出器104及び発光器106は,協働して,いつ分配イベントを実行するかを決定するセンサとして動作できる。例えば,発光器106は光を送信するように構成でき,検出器104は発光器106によって送信された少なくとも一部の光を検出するように構成できる。この光は,第1の周期で送信できる(例えば,発光器106は,50マイクロ秒ごとに光を送信できる)。検出器104が発光器106により送信された少なくとも一部の光を(例えば閾値時間内に)検出したとき,分配イベントは実行不要であるという判定を行うことができる。検出器104が発光器106により送信された少なくとも一部の光を(例えば閾値時間内に)検出しないときに,分配イベントは実行され得る。発光器106から送信された光を遮断する手150(例えば,又はユーザの他の身体部分)に起因して,検出器104が発光器106により送信された少なくとも一部の光を検出できない場合,これにより,発光器106から送信された光が検出器104に到達することが遮断される。分配イベントは,分配システム100の分配ノズル108を介して,物品を分配すること(例えば,手150上に)を含み得る。
【0010】
ハウジング102は,物品を分配する1又はそれ以上の部材のような,分配システム100の動作を促進する多種の機械的及び/又は電気的な部材を備えることができる。例えば,ハウジング102は,分配イベントの間に物品を分配するのに使用されるモータ及び/又は歯車列を備えることができる。分配イベント中,分配ノズル108,モータ,歯車列,及び/又は他の部材は物品を分配し,これらのうちの任意の1又はそれ以上は,少なくともその一部に,既知の電源(例えば外部電源又はバッテリー),及び/又はユーザから取り込んだ熱エネルギーにより,動力が与えられ得る。
【0011】
幾つかの実施形態では,たとえ,手150が発光器106から送信された光を検出器104に到達させることを遮断しないとしても,検出器104が発光器106により送信された少なくとも一部の光を検出できないことがあることが理解できる。例えば,仮に環境光(例えば,太陽光,付近の電灯からの光等)が検出器104を照らして検出器104の1又はそれ以上のフォトダイオードが飽和した場合,及び/又は,検出器104が発光器106より送信された少なくとも一部の光を検出できなくなった場合である。幾つかの実施形態では,検出器104が発光器106により送信された少なくとも一部の光を検出できないことが,分配イベントが必要とされていないときに分配イベントの実行を生じさせることが理解される。例えば,分配イベントは,手150が分配ノズル108の近くに位置していないにもかかわらず実行されることがあり得,これにより,分配ノズル108にハウジング102上及び/又は検出器104上に物品を分配させてしまうことになる。検出器104が発光器106により送信された少なくとも一部の光を検出できないことにより生じる「誤検出」に起因する分配イベントの実行は,(例えば物質の)浪費であるとともに,(例えば汚くなる点で)不都合であり,それ故,望ましくないであろう。
【0012】
図2は,検出器104が発光器106から送信された光と環境光とを区別することが可能か又は不可能かを判定するために使用される分配システム100の実施例を示している。
図1に示すように,分配システム100は,ハウジング102,検出器104,発光器106,及び分配ノズル108を備えることができる。分配システム100は,また,電源204を備えることができる。検出器104は,電源204に結合できる。幾つかの実施形態では,検出器104は,アナログ・ディジタル変換器(ADC)を介して,電源204に接続できる。検出器104は,交流(AC)結合202とし得る。検出器104は,第1の光測定結果を判定できる。第1の光測定結果は,発光器106が光を送信していない場合に判定できる。第1の光測定結果は,検出器104がAC結合202の際に判定できる。
【0013】
図3は,検出器104が発光器106から送信された光と環境光とを区別することが可能か又は不可能かを判定するために使用される分配システム100の実施例を示している。
図3に示すように,分配システム100は,ハウジング102,検出器104,発光器106,分配ノズル108,及び電源204を備えることができる。発光器106は,光302を送信できる。検出器104は,第2の光測定結果を判定できる。第2の光測定結果は,発光器106が光302を送信するのに呼応して判定できる。第2の光測定結果は,検出器104がAC結合202である際に,判定できる。
【0014】
図4は,検出器104が発光器106から送信された光と環境光とを区別することが可能か又は不可能かを判定するために使用される分配システム100の実施例を示している。
図4に示すように,分配システム100は,ハウジング102,検出器104,発光器106,分配ノズル108,及び電源204を備えることができる。検出器104は,第3の光測定結果を判定できる。第3の光測定結果の判定は,発光器106が光を送信していない際に判定できる。これに代えて,第3の光測定結果は,発光器106が光を送信するのに呼応して判定し得る。第3の光測定結果は,検出器104が直流結合(DC)402の際に,判定できる。
【0015】
第3の光測定結果は,第1の光測定結果と第2の光測定結果との比較に基づいて判定できる。例えば,第3の光測定結果は,比較結果が第1の光測定結果と第2の光測定結果間の差が閾値より小さいことを示すときに判定できる。他の例では,もし,比較結果が第1の光測定結果と第2の光の測定結果間の差が閾値を越えていることを示していたら,第3の光測定結果を判定しない。
【0016】
例えば,もし,比較結果が第1の光測定結果と第2の光測定結果間の差が閾値より小さいということを示していたら,この比較結果は,検出器104が発光器106から送信された光と環境光を区別できていない可能性が確率上の閾値を越えている可能性があることを示している点が考慮されるべきである。発光器106から送信された光と環境光とを区別できていない可能性を基に,第3の光測定結果が有用に判定される。例えば,第3の光測定結果は,検出器104が発光器106から送信された光と環境光とを区別できていないであろうことを,より正確及び又は信頼性をもって判定するのに使用できる。例えば,もし,比較結果が第1の光測定結果と第2の光測定結果間の差が閾値を越えていることを示していたら,この比較結果は,検出器104が発光器106から送信された光と環境光とを区別することができていない可能性が確率上の閾値より小さいであろうことを示していると考えられる。検出器104が発光器106から送信された光と環境光とを区別できていない可能性が確率上の閾値より低いときには,第3の光測定結果は,不必要であろうと判定され,それゆえ,判定は行われないであろう(例えば電源の節約のため)。
【0017】
一度,第3の光測定結果が判定されると,検出器104が発光器106から送信された光と環境光とを区別できるか否かの判定(例えば決定的な)が行い得る。例えば,第3の光測定結果は,検出器104に関連した(例えば予期される)信号の不在が,環境光による検出器104の飽和に起因するものであるか否かの判定に使用できる。幾つかの実施形態では,第3の光測定結果は,環境光が輝度の閾値を越えていることを示し得る。環境光が輝度の閾値を越えていることを示す第3の光測定結果に対応して,検出器104が(例えばおそらく)発光器106から送信された光と環境光とを区別することができていないという判定を行い得る。結果として,分配システム100は,1又はそれ以上のイベント(例えば,検出器104が発光器106から送信された光と環境光とを区別することが可能という判定が行われるまでの設定時間等)を実行できないことになろう。環境光が輝度の閾値を越えていないことを示す第3の光測定結果に呼応して,検出器104は(例えばおそらく)発光器106から送信された光と環境光とを区別することが可能であるという判定が行われるであろう。結果として,分配システム100は,1又はそれ以上の分配イベントが不可能ではなくなるであろう。
【0018】
図5は,分配システム500の一実施例を示している。システム500は,検出器104,電源204,コントローラ502,AC結合部材518,抵抗504,電圧源506,コンデンサ508,抵抗510,電圧源512,ダイオード514,及び/又はモータ516を備えることができる。コントローラ502は,検出器104と連携することができる。コントローラ502は,マイクロコントローラから構成できる。コントローラ502は,1又はそれ以上のピンを備えることができ,これらは,ピン1,ピン2,ピン3,及び/又はピン4を含むことができる。
【0019】
コントローラ502のピン1は,AC結合部材518に接続できる。AC結合部材518は,抵抗504,電圧源506,コンデンサ508,抵抗510,及び/又は電圧源512を備えることができる。コントローラ502のピン1は,抵抗504,及び/又はコンデンサ508に接続できる。抵抗504は,電圧源506,及び/又はコンデンサ508に接続できる。電圧源506はグランドであり得る。コンデンサ508は,抵抗510,及び/又はダイオード514に接続できる。抵抗510は,電圧源512,及び/又はダイオード514に接続できる。電圧源512はグランドであり得る。ダイオード514は電源204に接続できる。幾つかの実施形態では,ダイオード514は,検出器104として働くことができる。幾つかの実施形態では,ダイオード514が検出器104として働くとき,ダイオード514は,ADCを介して,電源204に接続できる。AC結合部材518を介した及び/又は連携したコントローラ502のピン1の電源204への接続が,(例えばコントローラ502及び/又は検出器104)のAC結合を提供することが理解される。抵抗504,電圧源506,コンデンサ508,抵抗510,電圧源512,及び/又はダイオード514を介した及び/又は連携したコントローラ502のピン1の電源204への接続は,(例えばコントローラ502及び/又は検出器104)のAC結合を提供することが理解される。
【0020】
コントローラ502のピン2は,ダイオード514,コンデンサ508,及び/又は抵抗510に接続できる。ダイオード514は,電源204に接続できる。ダイオード514を介した及び/又は連携したコントローラ502のピン2の電源204への接続は,(例えばコントローラ502及び/又は検出器104)のDC結合を提供することが理解される。
【0021】
コントローラ502のピン3は,検出器104に接続できる。コントローラ502のピン4は,モータ516に接続できる。検出器104はモータ516に接続できる。幾つかの実施形態では,ピン3は,(例えば検出器104よりもむしろ)発光器106に(例えば駆動するために)接続できる。発光器106は,モータ516に接続され又は接続され得ない。幾つかの実施形態では,(例えば,
図2に関連して説明したように)第1の光測定結果が判定されるとき,及び/又は(例えば,
図3に関連して説明したように)第2の光測定結果が判定されるとき,コントローラ502のピン1は,コントローラ502及び/又は検出器104とのAC結合に使用されることが理解される。幾つかの実施形態では,(例えば,
図4に関連して説明したように)第3の光測定結果が判定されるとき,コントローラのピン2は,コントローラ502及び/又は検出器104とのDC結合に使用されることが理解される。幾つかの実施形態では,ピン1が使用されるとき,ピン2は使用できない。幾つかの実施形態では,ピン2が使用されるとき,ピン1は使用できない。幾つかの実施形態では,ピン1及びピン2は,同時に使用できる。モータ516は,分配イベントの間に,物品を分配するのに使用できる。
【0022】
図6は,方法600の実施例を示している。この方法600は,符号602で始まる。符号604で,第1の光測定結果が判定される。第1の光測定結果は,発光器が光を送信していないときに判定される。第1の光測定結果は,検出器を用いて判定できる。第1の光測定結果は,検出器がAC結合の際に判定できる。符号606で,第2の光測定結果が判定される。第2の光測定結果は,発光器の光の送信に対応して判定される。例えば,第2の光測定結果の判定は,発光器が光を送信していないときではなく,発光器が光を送信しているときに行うことができる。第2の光測定結果は,検出器を用いて判定できる。第2の光測定結果は,検出器がAC結合の際に判定できる。第1の光測定結果の判定は,第2の光測定結果の判定前に行われることが理解される。
【0023】
符号608で,第3の光測定結果が判定される。第3の光測定結果は,第1の光測定結果と第2の光測定結果の比較に基づいて判定できる。例えば,第3の光測定結果は,比較結果が第1の光測定結果と第2の光測定結果の差が閾値より小さいことを示すときに判定できる。他の実施例では,比較結果が第1の光測定結果と第2の光測定結果の差が閾値を越えることを示すならば,第3の光測定結果を判定しない。第3の光測定結果は検出器を用いて判定できる。第3の光測定結果は,検出器がDC結合している際に判定できる。第2の光測定結果は,第3の光測定結果の前に判定できることが理解される。更に,第1の光測定結果は,第3の光測定結果が判定される前に判定できることが更に理解される。方法600は,符号610で終了する。
【0024】
装置の信号の転送は,装置がAC結合であるかDC結合であるかに依存することが理解される。例えば,もし,装置がAC結合なら,装置は(例えばDC信号ではなく)AC信号(のみ)の転送を行う。他の実施例では,もし,装置がDC結合なら,装置は,AC信号及び/又はDC信号を伝送する。
【0025】
更に,他の実施形態は,ここに提案した1又はそれ以上の技術を実現するために構成されるプロセッサが実行可能な命令を記憶したコンピュータ読み取り可能な媒体を含む。このような方法で案出されたコンピュータ読み取り可能な媒体又はコンピュータ読み取り可能なデバイスの実施形態を
図7に示す。ここで,実施例700は,CD−R,DVD−R,フラッシュドライブ,ハードディスクドライブのプラッターのように,そこにコンピュータ読み取り可能データ706がエンコードされているコンピュータ読み取り可能な媒体708からなる。少なくとも1つの1又は0からなる二値データのような,このコンピュータ読み取り可能なデータ706は,ここに記載した1又は複数の原理に係る操作を行うために構成された一組のコンピュータ命令704を含んでいる。幾つかの実施形態では,プロセッサが実行可能なコンピュータ命令704は,例えば,
図6の方法600の少なくとも代表的な幾つかのような,方法702を実行するように構成される。幾つかの実施形態では,プロセッサが実行可能なコンピュータ命令704は,
図1のシステム100の少なくとも代表的な幾つか,
図2のシステム100の少なくとも代表的な幾つか,
図3のシステム100の少なくとも代表的な幾つか,
図4のシステム100の少なくとも代表的な幾つか,及び/又は
図5のシステム500の少なくとも代表的な幾つかのような,システムを実現するように構成される。多くのこのようなコンピュータ読み取り可能な媒体は,ここに提案した技術に従って操作するように構成することで,その分野の当業者により案出される。
【0026】
主題について,構造的特徴又は方法論的動作に特化した表現で説明したが,添付の特許請求の範囲で規定される主題は,上記の特定の特徴又は動作に必ずしも限定されないことは理解されるべきである。むしろ,上記の具体的な特徴及び動作は,請求項のうちの少なくとも一部を実現する例示的形態として開示している。
【0027】
特許請求の範囲に記載した主題の範囲または精神から逸脱することなく,多くの変更が本開示に対し行い得る。また,「第1」,「第2」及び/又は類似の用語は,別段の規定がある場合を除き,時間的側面,空間的側面,順序などを意味するものではない。むしろ,これらの用語は,特徴,要素,アイテムなどの,単なる識別子,名称などとして使用される。例えば,第1のチャンネルと第2のチャンネルは,一般的に,チャンネルAとチャンネルB又は2つの異なるもしくは2つの同等のチャンネル又は同じチャンネルに相当する。
【0028】
また,本明細書で使用される「例示的」等の表現は,必ずしも効果的なものとしてではなく,一例,実例,説明などを提供することを意味する。本明細書で使用される場合の「又は」は,排他的な「又は」ではなく,包含的な「又は」を意味するものである。さらに,本出願で使用される場合の「a」及び「an」は,別段の規定がある場合又は単数形を指していることが文脈から明らかである場合を除き,一般的には,「1つ又は複数」を意味するものと解釈される。また,「AとBの少なくとも一方」及び/又は類似の表現は,一般に,「A又はB」を意味するか又は「AとBの両方」を意味する。さらに,「含む(includes)」,「有している(having)」,「有する(has)」,「有して(with)」及び/又はこれらの変化形は,詳細な説明又は請求項のいずれかで使用される限りにおいて,これらの用語は,「備えている(comprising)」という用語と同様に包含的な意味のものである。
【0029】
また,本開示について,1つ以上の実現形態に関連して図示及び説明したが,当業者は,本明細書及び添付の図面を読解及び理解することで,他の均等な変更及び変形に想到するであろう。本開示は,かかるすべての変形及び変更を含むものであり,以下の請求項の範囲によってのみ限定される。特に上記の構成要素(例えば,要素,物資など)によって実行される種々の機能に関して,かかる構成要素を記述するために使用される用語は,特に指定のない限り,開示の構造と構造的に等価ではなくても,記載の構成要素の特定の機能を実行する(例えば,機能的に等価である)任意の構成要素に該当するものとする。さらに,本開示の特定の特徴が,数種の実現形態のうちの1つのみに関して開示されていることがあるものの,かかる特徴は,要求に応じて,所与又は特定の用途に効果的であり得るように,その他の実現形態における1つ以上の他の特徴と組み合わせることができる。
【国際調査報告】