(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
本発明は、4−アミノ−2−ブトキシ−8−(3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンジル)−7,8−ジヒドロプテリジン−6(5H)−オンおよび関連化合物を調製する方法を提供する。例えば、式IIの化合物、例えば2−n−ブトキシ−6−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−アミンを、式IIIの化合物、例えばエチルN−(3−ピロリジン−1−イルメチル)ベンジルグリシネートビス−オキサレートと組み合わせて、式IVの中間体を形成することができ、次にその中間体を修飾して、式Iの化合物を形成する。
前記非求核性塩基が、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、およびキヌクリジンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
前記第1の溶媒が、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
前記還元剤が、亜鉛、鉄、ラネーニッケル、硫化ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム、硫化アンモニウム、炭素担持パラジウム、水素化アルミニウムリチウム、および水素化ホウ素ナトリウムからなる群から選択される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
前記第2の溶媒が、酢酸、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
前記非求核性塩基が、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、およびキヌクリジンからなる群から選択される、請求項23に記載の方法。
前記非求核性塩基が、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、およびキヌクリジンからなる群から選択され、
前記還元剤が、Na(OAc)3BH、NaBH3CN、NaBH4、Zn/HCl、およびBH3−ピリジンからなる群から選択される、請求項31に記載の方法。
前記第1の非求核性塩基が、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、およびキヌクリジンからなる群から選択される、請求項38に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0028】
発明の詳細な説明
I.概要
本発明は、式Iの化合物、例えば4−アミノ−2−ブトキシ−8−(3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンジル)−7,8−ジヒドロプテリジン−6(5H)−オンを生成する方法を提供する。いくつかの異なる方法を使用することができる。例えば、式IIの化合物、例えば2−n−ブトキシ−6−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−アミンを、式IIIの化合物、例えばエチルN−(3−ピロリジン−1−イルメチル)ベンジルグリシネートビス−オキサレートと組み合わせて、式IVの中間体を形成することができ、次にその中間体を修飾して、式Iの化合物を形成する。本発明はまた、式II、式IIIおよび式IVの化合物を調製する方法を提供する。
II.定義
【0029】
「反応混合物を形成する」は、一緒に混合し、反応させることができるように、少なくとも2個の別個の種を接触させるプロセスを指す。しかし、得られる反応生成物は、添加試薬の間の反応から、または反応混合物において生成され得る、添加試薬のうちの1つもしくは複数に由来する中間体から、直接的に生成され得ると理解されたい。
【0030】
「非求核性塩基」は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、およびキヌクリジンを含めた窒素塩基などのルイス塩基である電子供与体を指す。
【0031】
「溶媒」は、溶質を溶解させることができる液体などの物質を指す。溶媒は、極性または非極性、プロトン性または非プロトン性であってよい。極性溶媒は、典型的に、約5超の比誘電率または約1.0超の双極子モーメントを有し、非極性溶媒は、約5未満の比誘電率または約1.0未満の双極子モーメントを有する。プロトン性溶媒は、除去のために利用可能なプロトンを有することによって、例えばヒドロキシまたはカルボキシ基を有することによって特徴付けられる。非プロトン性溶媒は、このような基を欠く。代表的な極性プロトン性溶媒には、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等)、酸(ギ酸、酢酸等)および水が含まれる。代表的な極性非プロトン性溶媒には、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、アセトン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、アセトニトリルおよびジメチルスルホキシドが含まれる。代表的な非極性溶媒には、アルカン(ペンタン、ヘキサン等)、シクロアルカン(シクロペンタン、シクロヘキサン等)、ベンゼン、トルエン、および1,4−ジオキサンが含まれる。他の溶媒は、本発明において有用である。
【0032】
「還元剤」は、より高い酸化状態からより低い酸化状態まで、原子を還元することができる薬剤を指す。還元剤には、亜鉛、鉄、ラネーニッケル、硫化ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム、硫化アンモニウム、炭素担持パラジウム、ならびに水素供与体、例えば水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウムおよびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムが含まれ得るが、それらに限定されない。
【0033】
「脱離基」は、異方性結合の開裂中に結合電子対を維持する基を指す。例えば、脱離基は、求核置換反応中に容易に置き換えられる。適切な脱離基には、クロリド、ブロミド、メシレート、トシレート、トリフレート、4−ニトロベンゼンスルホネート、4−クロロベンゼンスルホネート等が含まれるが、それらに限定されない。当業者は、本発明において有用な他の脱離基を認識するであろう。
【0034】
「ニトロ化剤」は、ニトロ基−NO
2を化合物に付加することができる試薬を指す。代表的なニトロ化剤には、硝酸が含まれるが、それに限定されない。
【0035】
「塩素化剤」は、クロロ基−Clを化合物に付加することができる試薬を指す。代表的な塩素化剤には、オキシ塩化リン、塩化チオニル、塩化オキサリルおよび塩化スルフリルが含まれるが、それらに限定されない。
【0036】
「アルキル」は、ノルマル、第二級、または第三級の炭素原子を含有する直鎖または分岐の非環式炭化水素を指す。例えば、アルキル基は、1〜20個の炭素原子(すなわち、C
1〜C
20アルキル)、1〜10個の炭素原子(すなわち、C
1〜C
10アルキル)、または1〜6個の炭素原子(すなわち、C
1〜C
6アルキル)を有することができる。アルキルは、任意の数の炭素、例えばC
1〜2、C
1〜3、C
1〜4、C
1〜5、C
1〜6、C
1〜7、C
1〜8、C
1〜9、C
1〜10、C
2〜3、C
2〜4、C
2〜5、C
2〜6、C
3〜4、C
3〜5、C
3〜6、C
4〜5、C
4〜6およびC
5〜6を含むことができる。適切なアルキル基の例として、メチル(Me、−CH
3)、エチル(Et、−CH
2CH
3)、1−プロピル(n−Pr、n−プロピル、−CH
2CH
2CH
3)、2−プロピル(i−Pr、i−プロピル、−CH(CH
3)
2)、1−ブチル(n−Bu、n−ブチル、−CH
2CH
2CH
2CH
3)、2−メチル−1−プロピル(i−Bu、i−ブチル、−CH
2CH(CH
3)
2)、2−ブチル(s−Bu、s−ブチル、−CH(CH
3)CH
2CH
3)、2−メチル−2−プロピル(t−Bu、t−ブチル、−C(CH
3)
3)、1−ペンチル(n−ペンチル、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3)、2−ペンチル(s−Pn、s−ペンチル、−CH(CH
3)CH
2CH
2CH
3)、3−ペンチル(−CH(CH
2CH
3)
2)、2−メチル−2−ブチル(t−Pn、t−ペンチル、−C(CH
3)
2CH
2CH
3)、3−メチル−2−ブチル(ネオ−Pn、ネオ−ペンチル、−CH(CH
3)CH(CH
3)
2)、3−メチル−1−ブチル(−CH
2CH
2CH(CH
3)
2)、2−メチル−1−ブチル(−CH
2CH(CH
3)CH
2CH
3)、1−ヘキシル(−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3)、2−ヘキシル(−CH(CH
3)CH
2CH
2CH
2CH
3)、3−ヘキシル(−CH(CH
2CH
3)(CH
2CH
2CH
3))、2−メチル−2−ペンチル(−C(CH
3)
2CH
2CH
2CH
3)、3−メチル−2−ペンチル(−CH(CH
3)CH(CH
3)CH
2CH
3)、4−メチル−2−ペンチル(−CH(CH
3)CH
2CH(CH
3)
2)、3−メチル−3−ペンチル(−C(CH
3)(CH
2CH
3)
2)、2−メチル−3−ペンチル(−CH(CH
2CH
3)CH(CH
3)
2)、2,3−ジメチル−2−ブチル(−C(CH
3)
2CH(CH
3)
2)、3,3−ジメチル−2−ブチル(−CH(CH
3)C(CH
3)
3、およびオクチル(−(CH
2)
7CH
3)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0037】
「アルケニル」は、少なくとも1つの不飽和部位、すなわち炭素−炭素のsp2二重結合を有する、ノルマル、第二級、または第三級の炭素原子を含有する炭化水素を指す。例えば、アルケニル基は、2〜20個の炭素原子(すなわち、C
2〜C
20アルケニル)、2〜12個の炭素原子(すなわち、C
2〜C
12アルケニル)、または2〜6個の炭素原子(すなわち、C
2〜C
6アルケニル)を有することができる。適切なアルケニル基の例として、エテニル、ビニル(−CH=CH
2)、アリル(−CH
2CH=CH
2)、および5−ヘキセニル(−CH
2CH
2CH
2CH
2CH=CH
2)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0038】
「アルキニル」は、少なくとも1つの不飽和部位、すなわち炭素−炭素のsp三重結合を有する、ノルマル、第二級、または第三級の炭素原子を含有する炭化水素を指す。例えば、アルキニル基は、2〜20個の炭素原子(すなわち、C
2〜C
20アルキニル)、2〜12個の炭素原子(すなわち、C
2〜C
12アルキン)、または2〜6個の炭素原子(すなわち、C
2〜C
6アルキニル)を有することができる。適切なアルキニル基の例として、アセチレン性(−C≡CH)、プロパルギル(−CH
2C≡CH)等が挙げられるが、それらに限定されない。
【0039】
「アルキレン」は、親アルカンの同じ炭素原子または2個の異なる炭素原子から2個の水素原子を除去することによって得られた、2個の一価ラジカル中心を有する飽和の、分岐または直鎖の炭化水素基を指す。例えば、アルキレン基は、1〜20個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、または1〜6個の炭素原子を有することができる。典型的なアルキレン基には、メチレン(−CH
2−)、1,1−エチレン(−CH(CH
3)−)、1,2−エチレン(−CH
2CH
2−)、1,1−プロピレン(−CH(CH
2CH
3)−)、1,2−プロピレン(−CH
2CH(CH
3)−)、1,3−プロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)、1,4−ブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)等が含まれるが、それらに限定されない。
【0040】
「アルケニレン」は、親アルケンの同じ炭素原子または2個の異なる炭素原子から2個の水素原子を除去することによって得られた、2個の一価ラジカル中心を有する不飽和、分岐または直鎖炭化水素基を指す。例えば、アルケニレン基は、1〜20個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、または1〜6個の炭素原子を有することができる。典型的なアルケニレン基には、1,2−エチレン(−CH=CH−)が含まれるが、それに限定されない。
【0041】
「アルキニレン」は、親アルキンの同じ炭素原子または2個の異なる炭素原子から2個の水素原子を除去することによって得られた、2個の一価ラジカル中心を有する不飽和、分岐または直鎖炭化水素基を指す。例えば、アルキニレン基は、1〜20個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、または1〜6個の炭素原子を有することができる。典型的なアルキニレン基には、アセチレン(−C≡C−)、プロパルギレン(−CH
2C≡C−)、および4−ペンチニレン(−CH
2CH
2CH
2C≡C−)が含まれるが、それらに限定されない。
【0042】
「アルコキシ」は、先に定義のアルキル基が、酸素原子を介して親分子に結合している、式−O−アルキルを有する基を指す。アルコキシ基のアルキル部分は、1〜20個の炭素原子(すなわち、C
1〜C
20アルコキシ)、1〜12個の炭素原子(すなわち、C
1〜C
12アルコキシ)、または1〜6個の炭素原子(すなわち、C
1〜C
6アルコキシ)を有することができる。適切なアルコキシ基の例として、メトキシ(−O−CH
3または−OMe)、エトキシ(−OCH
2CH
3または−OEt)、t−ブトキシ(−O−C(CH
3)
3または−OtBu)等が挙げられるが、それらに限定されない。
【0043】
「ハロゲン」は、F、Cl、Br、またはIを指す。
【0044】
「ハロアルキル」は、アルキル基の1個または複数の水素原子が、ハロゲン原子で置き換えられている、先に定義のアルキル基を指す。ハロアルキル基のアルキル部分は、1〜20個の炭素原子(すなわち、C
1〜C
20ハロアルキル)、1〜12個の炭素原子(すなわち、C
1〜C
12ハロアルキル)、または1〜6個の炭素原子(すなわち、C
1〜C
6アルキル)を有することができる。適切なハロアルキル基の例として、−CF
3、−CHF
2、−CFH
2、−CH
2CF
3等が挙げられるが、それらに限定されない。
【0045】
「ハロアルコキシ」は、−OR
a基を指し、ここでR
aは、本明細書に定義のハロアルキル基である。非限定的な例として、ハロアルコキシ基には、−OCH
2F、−OCHF
2、および−OCF
3が含まれる。
【0046】
「ヘテロアルキル」は、1個または複数の炭素原子が、ヘテロ原子、例えばO、N、またはSで置き換えられているアルキル基を指す。例えば、親分子に結合しているアルキル基の炭素原子が、ヘテロ原子(例えば、O、N、またはS)で置き換えられる場合、得られるヘテロアルキル基は、それぞれ、アルコキシ基(例えば、−OCH
3等)、アミン(例えば、−NHCH
3、−N(CH
3)
2等)、またはチオアルキル基(例えば、−SCH
3)である。親分子に結合していないアルキル基の非末端炭素原子が、ヘテロ原子(例えば、O、N、またはS)で置き換えられる場合、得られるヘテロアルキル基は、それぞれ、アルキルエーテル(例えば、−CH
2CH
2−O−CH
3等)、アルキルアミン(例えば、−CH
2NHCH
3、−CH
2N(CH
3)
2等)、またはチオアルキルエーテル(例えば、−CH
2−S−CH
3)である。アルキル基の末端炭素原子がヘテロ原子(例えば、O、N、またはS)で置き換えられる場合、得られるヘテロアルキル基は、それぞれ、ヒドロキシアルキル基(例えば、−CH
2CH
2−OH)、アミノアルキル基(例えば、−CH
2NH
2)、またはアルキルチオール基(例えば、−CH
2CH
2−SH)である。ヘテロアルキル基は、例えば、1〜20個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、または1〜6個の炭素原子を有することができる。C
1〜C
6ヘテロアルキル基は、1〜6個の炭素原子を有するヘテロアルキル基を意味する。
【0047】
「ヘテロアルキレン」は、親ヘテロアルカンの同じ原子または2個の異なる原子から2個の水素原子を除去することによって得られた、2個の一価ラジカル中心を有するヘテロアルキル基を指す。例えば、ヘテロアルキレン基は、1〜20個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、または1〜6個の炭素原子を有することができる。
【0048】
「炭素環」または「カルボシクリル」または「シクロアルキル」は、3〜20個の環原子を有する、飽和、部分的に不飽和の非芳香族環を指す。例えば、炭素環は、単環として3〜7個の炭素原子、二環として7〜12個の炭素原子、および多環として約20個までの炭素原子を有することができる。単環式炭素環は、3〜6個の環原子、さらにより典型的には、5個または6個の環原子を有する。二環式炭素環は、例えばビシクロ(4,5)、(5,5)、(5,6)もしくは(6,6)系として配置される、7〜12個の環原子、またはビシクロ(5,6)もしくは(6,6)系として配置される、9個もしくは10個の環原子を有する。炭素環には、縮合であれ、架橋であれ、スピロであれ、非芳香族の単環式、二環式、および多環式環が含まれる。炭素環は、任意の数の炭素、例えばC
3〜6、C
4〜6、C
5〜6、C
3〜8、C
4〜8、C
5〜8、C
6〜8、C
3〜9、C
3〜10、C
3〜11、およびC
3〜12を含むことができる。飽和単環式炭素環には、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロオクチルが含まれる。飽和二環式および多環式炭素環には、例えば、ノルボルナン、[2.2.2]ビシクロオクタン、デカヒドロナフタレンおよびアダマンタンが含まれる。炭素環基はまた、環中に1つまたは複数の二重結合または三重結合を有し、部分的に不飽和であってよい。部分的に不飽和である代表的な炭素環基には、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン(1,3−および1,4−異性体)、シクロヘプテン、シクロヘプタジエン、シクロオクテン、シクロオクタジエン(1,3−、1,4−および1,5−異性体)、ノルボルネン、およびノルボルナジエンが含まれるが、それらに限定されない。炭素環が飽和単環式C
3〜8炭素環である場合、例示的な基として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが挙げられるが、それらに限定されない。炭素環が飽和単環式C
3〜6炭素環である場合、例示的な基として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルが挙げられるが、それらに限定されない。炭素環基は、置換されていてもよくまたは非置換であってもよい。
【0049】
「カルボシクリレン」は、親カルボシクリルの同じ炭素原子または2個の異なる炭素原子から2個の水素原子を除去することによって得られた、2個の一価ラジカル中心を有する先に定義のカルボシクリルまたは炭素環を指す。
【0050】
「カルボシクリルアルキル」は、炭素原子、典型的には末端すなわちsp3炭素原子に結合している水素原子の1つが、先に定義のカルボシクリル基で置き換えられている非環式アルキル基を指す。典型的なカルボシクリルアルキル基には、シクロアルキルアルキル基、例えばシクロプロピルメチル、シクロブチルエチル、シクロヘキシルメチル等が含まれるが、それらに限定されない。シクロアルキルアルキル基は、4〜20個の炭素原子を含むことができ、例えば、そのアルキル部分は、1〜6個の炭素原子であり、そしてそのシクロアルキル基は、3〜14個の炭素原子である。
【0051】
「カルボシクリルヘテロアルキル」は、炭素原子またはヘテロ原子のいずれに結合していてもよい水素原子が、本明細書に定義のカルボシクリル基で置き換えられている、本明細書に定義のヘテロアルキルを指す。カルボシクリル基は、得られるカルボシクリルヘテロアルキル基が化学的に安定な部分をもたらすという条件で、ヘテロアルキル基の炭素原子、またはヘテロアルキル基のヘテロ原子に結合することができる。
【0052】
本明細書で使用される「複素環」または「ヘテロシクリル」または「ヘテロシクロアルキル」は、例えば、Paquette、Leo A.;Principles of Modern Heterocyclic Chemistry(W.A. Benjamin、New York、1968年)、特に第1章、第3章、第4章、第6章、第7章、および第9章;The Chemistry of Heterocyclic Compounds、A Series of Monographs''(John Wiley & Sons、New York、1950年から現在)、特に第13巻、第14巻、第16巻、第19巻、および第28巻;ならびにJ. Am. Chem. Soc.(1960年)82巻:5566頁に記載されている複素環を含むが、それらに限定されない。本発明の特定の一実施形態では、「複素環」には、1個または複数(例えば1、2、3、または4個)の炭素原子は、ヘテロ原子(例えばO、N、PまたはS)で置き換えられている、本明細書に定義の「炭素環」が含まれる。用語「複素環」または「ヘテロシクリル」には、飽和環および部分的に不飽和の環が含まれる。複素環には、縮合であれ、架橋であれ、スピロであれ、非芳香族の単環式、二環式、および多環式環が含まれる。
【0053】
複素環基は、任意の数の環原子、例えば3〜6、4〜6、5〜6、3〜8、4〜8、5〜8、6〜8、3〜9、3〜10、3〜11、または3〜12個の環員を含むことができる。他の適切なサイズの複素環基は、3〜20個の環原子、3〜18個、または3〜15個の環原子を含む。1、2、3もしくは4個、または1〜2、1〜3、1〜4、2〜3、2〜4もしくは3〜4個などの任意の適切な数のヘテロ原子が、複素環基に含まれ得る。複素環基には、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、アゾカン、キヌクリジン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、ピペラジン(1,2−、1,3−および1,4−異性体)、オキシラン、オキセタン、テトラヒドロフラン、オキサン(テトラヒドロピラン)、オキセパン、チイラン、チエタン、チオラン(テトラヒドロチオフェン)、チアン(テトラヒドロチオピラン)、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、ジオキソラン、ジチオラン、モルホリン、チオモルホリン、ジオキサン、またはジチアンなどの基が含まれ得る。また複素環基は、芳香族または非芳香族環系に縮合して、それに限定されるものではないがインドリンを含むメンバーを形成することができる。複素環基は、非置換であってもよくまたは置換されていてもよい。例えば、複素環基は、他にも多数あるがとりわけ、C
1〜6アルキルまたはオキソ(=O)で置換されていてよい。
【0054】
複素環が3〜8個の環員および1〜3個のヘテロ原子を含む場合、代表的なメンバーには、ピロリジン、ピペリジン、テトラヒドロフラン、オキサン、テトラヒドロチオフェン、チアン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、ピペラジン、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、モルホリン、チオモルホリン、ジオキサンおよびジチアンが含まれるが、それらに限定されない。複素環はまた、5〜6個の環員および1〜2個のヘテロ原子を有する環を形成することができ、代表的なメンバーには、ピロリジン、ピペリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、ピペラジン、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、およびモルホリンが含まれるが、それらに限定されない。
【0055】
「ヘテロシクリレン」は、親ヘテロシクリルの同じ原子または2個の異なる原子から2個の水素原子を除去することによって得られた、2個の一価ラジカル中心を有する先に定義のヘテロシクリルまたは複素環を指す。
【0056】
「ヘテロシクリルアルキル」は、炭素原子、典型的には末端すなわちsp3炭素原子に結合している水素原子の1つが、ヘテロシクリル基で置き換えられている非環式アルキル基(すなわち、ヘテロシクリル−アルキレン部分)を指す。典型的なヘテロシクリルアルキル基には、ヘテロシクリル−CH
2−、2−(ヘテロシクリル)エタン−1−イル等が含まれるが、それらに限定されず、ここで「ヘテロシクリル」部分は、Principles of Modern Heterocyclic Chemistryに記載されているものを含めた、前述のヘテロシクリル基のいずれかを含む。また当業者は、得られる基が化学的に安定であるという条件で、ヘテロシクリル基が炭素−炭素結合または炭素−ヘテロ原子結合を用いてヘテロシクリルアルキルのアルキル部分に結合し得ることを理解するであろう。したがって、ヘテロシクリルアルキル基は、4〜20個の炭素およびヘテロ原子を有することができる。ヘテロシクリルアルキル基は、2〜20個の炭素原子を含み、例えばアリールアルキル基のアルキル部分は、1〜6個の炭素原子を含み、ヘテロシクリル部分は、1〜14個の炭素原子を含む。ヘテロシクリルアルキルの例として、例えば硫黄、酸素、および/または窒素を含有する6員の複素環、例えばピペリジニルメチル、ピペラジニルメチル、モルホリニルメチル等が挙げられるが、それらに限定されない。
【0057】
「ヘテロシクリルヘテロアルキル」は、炭素またはヘテロ原子に結合している水素原子の1つが、ヘテロシクリル基で置き換えられている、先に定義の非環式ヘテロアルキル基を指す。ヘテロシクリルヘテロアルキル基は、6〜20個の原子を含むことができ、例えば、そのヘテロアルキル部分は、2〜6個の原子であり、そしてそのヘテロシクリル部分は、5〜12個の原子である。
【0058】
「アリール」は、任意の適切な数の環原子および任意の適切な数の環を有する芳香族環系を指す。アリール基は、任意の適切な数の環原子、例えば6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16個の環原子、ならびに6〜10、6〜12、または6〜14個の環員を含むことができる。アリール基は、単環式であってもよく、または縮合して二環式もしくは三環式基を形成することもでき、または結合によって連結してビアリール基を形成することもできる。代表的なアリール基には、フェニル、ナフチルおよびビフェニルが含まれる。他のアリール基には、メチレン連結基を有するベンジルが含まれる。いくつかのアリール基、例えばフェニル、ナフチルまたはビフェニルは、6〜12個の環員を有する。他のアリール基、例えばフェニルまたはナフチルは、6〜10個の環員を有する。いくつかの他のアリール基、例えばフェニルは、6個の環員を有する。
【0059】
「アリーレン」は、親アリールの同じ炭素原子または2個の異なる炭素原子から2個の水素原子を除去することによって得られた、2個の一価ラジカル中心を有する先に定義のアリールを指す。典型的なアリーレン基には、フェニレンが含まれるが、それに限定されない。
【0060】
「アリールアルキル」は、炭素原子、典型的には末端すなわちsp3炭素原子に結合している水素原子の1つが、アリール基で置き換えられている非環式アルキル基を指す。典型的なアリールアルキル基には、ベンジル、2−フェニルエタン−1−イル、ナフチルメチル、2−ナフチルエタン−1−イル、ナフトベンジル、2−ナフトフェニルエタン−1−イル等が含まれるが、それらに限定されない。アリールアルキル基は、6〜20個の炭素原子を含むことができ、例えばアルキル部分は、1〜6個の炭素原子であり、アリール部分は、6〜14個の炭素原子である。
【0061】
「アリールヘテロアルキル」は、炭素原子またはヘテロ原子のいずれに結合していてもよい水素原子が、本明細書に定義のアリール基で置き換えられている、本明細書に定義のヘテロアルキルを指す。アリール基は、得られるアリールヘテロアルキル基が化学的に安定な部分をもたらすという条件で、ヘテロアルキル基の炭素原子またはヘテロアルキル基のヘテロ原子に結合していてよい。例えば、アリールヘテロアルキル基は、一般式−アルキレン−O−アリール、−アルキレン−O−アルキレン−アリール、−アルキレン−NH−アリール、−アルキレン−NH−アルキレン−アリール、−アルキレン−S−アリール、−アルキレン−S−アルキレン−アリール等を有することができる。さらに、先の一般式におけるアルキレン部分のいずれかが、本明細書に定義または例示される置換基のいずれかでさらに置換されていてよい。
【0062】
「ヘテロアリール」は、5〜16個の環原子を含有する単環式または縮合した二環式もしくは三環式の芳香族環集合体を指し、ここでこれらの環原子のうちの1〜5個は、ヘテロ原子、例えばN、OまたはSである。それらに限定されるものではないが、B、Al、SiおよびPを含めた追加のヘテロ原子も、有用であり得る。またヘテロ原子は、それらに限定されるものではないが、−S(O)−および−S(O)
2−などのように酸化されていてよい。ヘテロアリール基は、任意の数の環原子、例えば3〜6、4〜6、5〜6、3〜8、4〜8、5〜8、6〜8、3〜9、3〜10、3〜11、または3〜12個の環員を含むことができる。1、2、3、4もしくは5個、または1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、2〜3、2〜4、2〜5、3〜4もしくは3〜5個などの任意の適切な数のヘテロ原子が、ヘテロアリール基に含まれていてよい。ヘテロアリール基は、5〜8個の環員および1〜4個のヘテロ原子、または5〜8個の環員および1〜3個のヘテロ原子、または5〜6個の環員および1〜4個のヘテロ原子、または5〜6個の環員および1〜3個のヘテロ原子を有することができる。ヘテロアリール基には、ピロール、ピリジン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン(1,2,3−、1,2,4−および1,3,5−異性体)、チオフェン、フラン、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、およびイソオキサゾールなどの基が含まれ得る。ヘテロアリール基はまた、芳香族環系、例えばフェニル環と縮合して、それらに限定されるものではないが、ベンゾピロール、例えばインドールおよびイソインドール、ベンゾピリジン、例えばキノリンおよびイソキノリン、ベンゾピラジン(キノキサリン)、ベンゾピリミジン(キナゾリン)、ベンゾピリダジン、例えばフタラジンおよびシンノリン、ベンゾチオフェン、ならびにベンゾフランを含めたメンバーを形成することができる。他のヘテロアリール基には、ビピリジンなどの、結合によって連結しているヘテロアリール環が含まれる。ヘテロアリールには、アリール部分およびヘテロアリール基を含む一価の芳香族ヘテロシクリルも含まれる。これらのヘテロアリールの非限定的な例は、
【化16】
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【化17】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0063】
「ヘテロアリールアルキル」は、水素原子が本明細書に定義のヘテロアリール基で置き換えられている、本明細書に定義のアルキル基を指す。ヘテロアリールアルキルの非限定的な例として、−CH
2−ピリジニル、−CH
2−ピロリル、−CH
2−オキサゾリル、−CH
2−インドリル、−CH
2−イソインドリル、−CH
2−プリニル、−CH
2−フラニル、−CH
2−チエニル、−CH
2−ベンゾフラニル、−CH
2−ベンゾチオフェニル、−CH
2−カルバゾリル、−CH
2−イミダゾリル、−CH
2−チアゾリル、−CH
2−イソオキサゾリル、−CH
2−ピラゾリル、−CH
2−イソチアゾリル、−CH
2−キノリル、−CH
2−イソキノリル、−CH
2−ピリダジル、−CH
2−ピリミジル、−CH
2−ピラジル、−CH(CH
3)−ピリジニル、−CH(CH
3)−ピロリル、−CH(CH
3)−オキサゾリル、−CH(CH
3)−インドリル、−CH(CH
3)−イソインドリル、−CH(CH
3)−プリニル、−CH(CH
3)−フラニル、−CH(CH
3)−チエニル、−CH(CH
3)−ベンゾフラニル、−CH(CH
3)−ベンゾチオフェニル、−CH(CH
3)−カルバゾリル、−CH(CH
3)−イミダゾリル、−CH(CH
3)−チアゾリル、−CH(CH
3)−イソオキサゾリル、−CH(CH
3)−ピラゾリル、−CH(CH
3)−イソチアゾリル、−CH(CH
3)−キノリル、−CH(CH
3)−イソキノリル、−CH(CH
3)−ピリダジル、−CH(CH
3)−ピリミジル、−CH(CH
3)−ピラジル等が挙げられる。
【0064】
「ヘテロアリールヘテロアルキル」は、水素原子が本明細書に定義のヘテロアリール基で置き換えられている、本明細書に定義のヘテロアルキル基を指す。ヘテロアリールヘテロアルキル基は、6〜20個の原子を含むことができ、例えばそのヘテロアルキル部分は、2〜6個の原子であり、そしてそのヘテロアリール部分は、5〜12個の原子である。
【0065】
「アミノ」は、−NR’R’’基を指し、ここでR’およびR’’は、任意の適切な置換基、例えば水素またはアルキルであってよい。
【0067】
「アジド」は、−N=N
+=N
−または−N
3を指す。
【0071】
「アルデヒド」は、−CHOまたは−C(O)Hを指し、逆順に「OHC−」または「H(O)C−」の化学構造で記載することができる。
【0072】
「ケトン」は、−CORまたは−C(O)Rを指し、逆順に「ROC−」または「R(O)C−」の化学構造で記載することができる。
【0073】
「エステル」は、−CO
2Rまたは−C(O)ORを指し、逆順に「RO
2C−」または「RO(O)C−」の化学構造で記載することができる。
【0074】
「キログラム尺度」は、使用される試薬の少なくとも1種が、少なくとも1キログラムの量で実施される反応を指す。
III.化合物
【0075】
本発明の方法は、式I:
【化18】
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の化合物を調製するために使用することができる。
【0076】
一部の実施形態では、式IのZ−Y基は、−CR
4R
5−、−CR
4R
5−CR
4R
5−、−C(O)CR
4R
5−、−CR
4R
5C(O)−、−NR
8C(O)−、−C(O)NR
8−、−CR
4R
5S(O)
2−、または−CR
5=CR
5−であってよい。一部の実施形態では、式IのZ−Y基は、−CR
4R
5−または−CR
4R
5−CR
4R
5−であってよい。一部の実施形態では、式IのZ−Y基は、−CR
4R
5−であってよい。一部の実施形態では、式IのZ−Y基は、−CH
2−、−CH(CH
3)−または−CH
2CH
2−であってよい。一部の実施形態では、式IのZ−Y基は、−CH
2−であってよい。
【0077】
一部の実施形態では、式IのL
1基は、−NR
8−、−O−、−S−、−S(O)
2−、−S(O)−、または共有結合であってよい。一部の実施形態では、式IのL
1基は、−NR
8−、−O−、または共有結合であってよい。一部の実施形態では、式IのL
1基は、−NR
8−または−O−であってよい。一部の実施形態では、式IのL
1基は、−NH−または−O−であってよい。一部の実施形態では、式IのL
1基は、−O−であってよい。
【0078】
一部の実施形態では、式IのR
1基は、アルキル、置換アルキル、ハロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、カルボシクリル、置換カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、置換カルボシクリルアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、または置換ヘテロシクリルアルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、カルボシクリルヘテロアルキル、置換カルボシクリルヘテロアルキル、ヘテロシクリルヘテロアルキル、置換ヘテロシクリルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、置換アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、または置換ヘテロアリールヘテロアルキルであってよい。一部の実施形態では、式IのR
1基は、C
1〜C
6アルキル、置換C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6ハロアルキル、C
2〜C
6アルケニル、置換C
2〜C
6アルケニル、C
2〜C
6アルキニル、置換C
2〜C
6アルキニル、C
1〜C
6ヘテロアルキル、置換C
1〜C
6ヘテロアルキル、C
3〜C
20カルボシクリル、置換C
3〜C
20カルボシクリル、C
4〜C
20カルボシクリルアルキル、置換C
4〜C
20カルボシクリルアルキル、C
3〜C
20ヘテロシクリル、置換C
3〜C
20ヘテロシクリル、C
4〜C
20ヘテロシクリルアルキル、または置換C
4〜C
20ヘテロシクリルアルキル、C
6〜C
20アリールアルキル、置換C
6〜C
20アリールアルキル、C
6〜C
20ヘテロアリールアルキル、置換C
6〜C
20ヘテロアリールアルキル、C
4〜C
20カルボシクリルヘテロアルキル、置換C
4〜C
20カルボシクリルヘテロアルキル、C
4〜C
20ヘテロシクリルヘテロアルキル、置換C
4〜C
20ヘテロシクリルヘテロアルキル、C
6〜C
20アリールヘテロアルキル、置換C
6〜C
20アリールヘテロアルキル、C
6〜C
20ヘテロアリールヘテロアルキル、または置換C
6〜C
20ヘテロアリールヘテロアルキルであってよい。
【0079】
一部の実施形態では、式IのR
1基は、アルキル、置換アルキル、ハロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、1個もしくは複数のヘテロ原子(N、O、もしくはSから選択される)を含有する置換もしくは非置換C
1〜C
6ヘテロアルキル、シクロプロピル、置換シクロプロピル、シクロブチル、置換シクロブチル、シクロペンチル、置換シクロペンチル、シクロヘキシル、置換シクロヘキシル、ビシクロ[3.1.0]シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、置換テトラヒドロピラニル、フラニル、置換フラニル、ピロリジニル、または置換ピロリジニルであってよい。一部の実施形態では、式IのR
1基は、アルキル、置換アルキル、1個もしくは複数のヘテロ原子(N、OおよびSから選択される)を含有するC
1〜C
6置換もしくは非置換ヘテロアルキル、シクロプロピル、置換シクロプロピル、シクロブチル、置換シクロブチル、シクロペンチル、置換シクロペンチル、シクロヘキシル、置換シクロヘキシル、ビシクロ[3.1.0]シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、置換テトラヒドロピラニル、フラニル、置換フラニル、ピロリジニル、または置換ピロリジニルであってよい。一部の実施形態では、式IのR
1基は、アルキル、置換アルキル、ハロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、1個もしくは複数のヘテロ原子(N、O、もしくはSから選択される)を含有するC
1〜C
6置換もしくは非置換ヘテロアルキル、シクロプロピル、置換シクロプロピル、シクロブチル、置換シクロブチル、シクロペンチル、置換シクロペンチル、シクロヘキシル、置換シクロヘキシル、ビシクロ[3.1.0]シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、置換テトラヒドロピラニル、フラニル、置換フラニル、ピロリジニル、または置換ピロリジニルであってよい。
【0080】
一部の実施形態では、式IのR
1基は、アルキルであってよい。一部の実施形態では、式IのR
1基は、C
1〜C
6アルキルであってよい。一部の実施形態では、式IのR
1基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、tert−ペンチル、ネオペンチル、イソ−ペンチル、sec−ペンチル、3−ペンチル、ヘキシル、および2−エチル−ブチルであってよい。一部の実施形態では、式IのR
1基は、ブチルであってよい。一部の実施形態では、式IのR
1基は、n−ブチルであってよい。
【0081】
一部の実施形態では、式IのX
1基は、C
1〜C
6アルキレン、置換C
1〜C
6アルキレン、C
1〜C
6ヘテロアルキレン、置換C
1〜C
6ヘテロアルキレン、C
2〜C
6アルケニレン、置換C
2〜C
6アルケニレン、C
2〜C
6アルキニレン、置換C
2〜C
6アルキニレン、C
3〜C
20カルボシクリレン、置換C
3〜C
20カルボシクリレン、C
3〜C
20ヘテロシクリレン、置換C
3〜C
20ヘテロシクリレン、−NR
8−、−O−、−C(O)−、−S(O)−、S(O)
2−、または結合であってよい。一部の実施形態では、式IのX
1基は、アルキレン、置換アルキレン、ヘテロアルキレン、置換ヘテロアルキレン、または結合であってよい。一部の実施形態では、式IのX
1基は、C
1〜C
6アルキレン、置換C
1〜C
6アルキレン、C
1〜C
6ヘテロアルキレン、置換C
1〜C
6ヘテロアルキレン、または結合であってよい。一部の実施形態では、式IのX
1基は、アルキレンであってよい。一部の実施形態では、式IのX
1基は、C
1〜C
6アルキレンであってよい。一部の実施形態では、式IのX
1基は、C
1〜C
6アルキレン、C
1〜C
6ヘテロアルキレンまたはC
1〜C
6置換ヘテロアルキレンであってよい。一部の実施形態では、式IのX
1基は、C
1〜C
6アルキレンであってよい。一部の実施形態では、式IのX
1基は、−CH
2−または−CH(CH
3)−であってよい。一部の実施形態では、式IのX
1基は、メチレンであってよい。
【0082】
一部の実施形態では、式IのD基は、カルボシクリル、置換カルボシクリル、ヘテロシクリルもしくは置換ヘテロシクリルであってよく、ここでカルボシクリル、置換カルボシクリル、ヘテロシクリルもしくは置換ヘテロシクリルは、1個もしくは2個の−L
2−NR
6R
7で置換されていてよく、またはDは、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロアリールもしくは置換ヘテロアリールであってよく、ここでヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロアリールもしくは置換ヘテロアリールは、1〜4個の窒素原子を含む。一部の実施形態では、式IのD基は、C
3〜C
20カルボシクリル、置換C
3〜C
20カルボシクリル、C
3〜C
20ヘテロシクリルもしくは置換C
3〜C
20ヘテロシクリルであってよく、ここでカルボシクリル、置換カルボシクリル、ヘテロシクリルもしくは置換ヘテロシクリルは、1個もしくは2個の−L
2−NR
6R
7で置換されていてよく、またはDは、C
3〜C
20ヘテロシクリル、置換C
3〜C
20ヘテロシクリル、C
5〜C
20ヘテロアリールもしくは置換C
5〜C
20ヘテロアリールであってよく、ここでヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロアリールもしくは置換ヘテロアリールは、1〜4個の窒素原子を含む。一部の実施形態では、式IのD基は、カルボシクリル、置換カルボシクリル、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルであってよく、ここでカルボシクリル、置換カルボシクリル、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルは、1個または2個の−L
2−NR
6R
7基で置換されていてよい。一部の実施形態では、式IのD基は、フェニル、ビフェニル、またはピリジニルであってよく、ここでフェニル、ビフェニル、またはピリジニルは、1個または2個の−L
2−NR
6R
7で置換されていてよい。一部の実施形態では、式IのD基は、フェニル、ビフェニルもしくはピリジニルであってよく、ここでフェニル、ビフェニルもしくはピリジニルは、−L
2−NR
6R
7で置換されていてよく、またはDは、ピリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルもしくは1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニルであってよく、ここでピリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルもしくは1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニルは、1個もしくは2個の−L
2−NR
6R
7で置換されていてよく、またはD基は、ピリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルもしくは1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニルであってよい。一部の実施形態では、式IのD基は、フェニルまたはビフェニルであってよく、ここでフェニルまたはビフェニルは、−L
2−NR
6R
7で置換されていてよい。一部の実施形態では、式IのD基は、フェニルであってよく、ここでフェニルは、−L
2−NR
6R
7で置換されていてよい。
【0083】
一部の実施形態では、式Iの各L
2基は、独立に、アルキレン、置換アルキレン、ヘテロアルキレン、置換ヘテロアルキレン、または共有結合であってよい。一部の実施形態では、式Iの各L
2基は、独立に、C
1〜C
6アルキレン、置換C
1〜C
6アルキレン、C
1〜C
6ヘテロアルキレン、置換C
1〜C
6ヘテロアルキレン、または共有結合であってよい。一部の実施形態では、式IのL
2基は、C
1〜C
6アルキレンまたは共有結合であってよい。一部の実施形態では、式IのL
2基は、アルキレンであってよい。一部の実施形態では、式IのL
2基は、C
1〜C
6アルキレンであってよい。一部の実施形態では、式IのL
2基は、−CH
2−または−CH(CH
3)−であってよい。一部の実施形態では、式IのL
2基は、メチレンであってよい。
【0084】
一部の実施形態では、式Iの各R
3基は、独立に、ハロゲン、シアノ、アジド、ニトロ、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシル、アミノ、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、−CHO、−C(O)OR
8、−S(O)R
8、−S(O)
2R
8、−C(O)NR
9R
10、−N(R
9)C(O)R
8、カルボシクリル、置換カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、置換カルボシクリルアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、−S(O)
2NR
9R
10、−N(R
9)S(O)
2R
8、−N(R
9)S(O)
2OR
10、−OS(O)
2NR
9R
10であってよい。一部の実施形態では、式Iの各R
3基は、独立に、ハロゲン、シアノ、アジド、ニトロ、C
1〜C
6アルキル、置換C
1〜C
6アルキル、ヒドロキシル、アミノ、C
1〜C
6ヘテロアルキル、置換C
1〜C
6ヘテロアルキル、C
1〜C
6アルコキシ、C
1〜C
6ハロアルキル、C
1〜C
6ハロアルコキシ、−CHO、−C(O)OR
8、−S(O)R
8、−S(O)
2R
8、−C(O)NR
9R
10、−N(R
9)C(O)R
8、カルボシクリル、置換C
3〜C
20カルボシクリル、C
4〜C
20カルボシクリルアルキル、置換C
4〜C
20カルボシクリルアルキル、C
2〜C
6アルケニル、置換C
2〜C
6アルケニル、C
2〜C
6アルキニル、置換C
2〜C
6アルキニル、−S(O)
2NR
9R
10、−N(R
9)S(O)
2R
8、−N(R
9)S(O)
2OR
10、−OS(O)
2NR
9R
10であってよい。一部の実施形態では、式IのR
3基は、シアノまたは−CHOであってよい。
【0085】
一部の実施形態では、式Iのn基は、0、1、2、3、4または5であってよい。一部の実施形態では、式Iのn基は、0または1であってよい。一部の実施形態では、式Iのn基は、0であってよい。
【0086】
一部の実施形態では、式IのR
4およびR
5基の各記述は、それぞれ独立に、H、アルキル、置換アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、カルボシクリル、置換カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、置換カルボシクリルアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、置換ヘテロシクリルアルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、カルボシクリルヘテロアルキル、置換カルボシクリルヘテロアルキル、ヘテロシクリルヘテロアルキル、置換ヘテロシクリルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、置換アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、もしくは置換ヘテロアリールヘテロアルキル、シアノ、アジド、OR
8、−C(O)H、−C(O)R
8、−S(O)R
8、−S(O)
2R
8、−C(O)OR
8もしくは−C(O)NR
9R
10であってよく、またはR
4およびR
5は、それらの両方が結合している炭素と一緒になって、炭素環、置換炭素環、複素環もしくは置換複素環を形成することができ、またはR
4およびR
5は、同じ炭素原子上にある場合、それらが結合している炭素と一緒になって、−C(O)−もしくは−C(NR
8)−を形成することができ、または隣接する炭素原子上の2個のR
4もしくは2個のR
5基は、それらが結合している炭素と一緒になる場合、3〜6員の炭素環、置換炭素環、複素環もしくは置換複素環を形成することができる。一部の実施形態では、式IのR
4およびR
5基の各記述は、それぞれ独立に、H、C
1〜C
6アルキル、置換C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6ハロアルキル、C
1〜C
6ヘテロアルキル、置換C
1〜C
6ヘテロアルキル、C
3〜C
20カルボシクリル、置換C
3〜C
20カルボシクリル、C
4〜C
20カルボシクリルアルキル、置換C
4〜C
20カルボシクリルアルキル、C
3〜C
20ヘテロシクリル、置換C
3〜C
20ヘテロシクリル、C
4〜C
20ヘテロシクリルアルキル、置換C
4〜C
20ヘテロシクリルアルキル、C
6〜C
20アリールアルキル、置換C
6〜C
20アリールアルキル、C
6〜C
20ヘテロアリールアルキル、置換C
6〜C
20ヘテロアリールアルキル、C
4〜C
20カルボシクリルヘテロアルキル、置換C
4〜C
20カルボシクリルヘテロアルキル、C
4〜C
20ヘテロシクリルヘテロアルキル、置換C
4〜C
20ヘテロシクリルヘテロアルキル、C
6〜C
20アリールヘテロアルキル、置換C
6〜C
20アリールヘテロアルキル、C
6〜C
20ヘテロアリールヘテロアルキル、もしくは置換C
6〜C
20ヘテロアリールヘテロアルキル、シアノ、アジド、OR
8、−C(O)H、−C(O)R
8、−S(O)R
8、−S(O)
2R
8、−C(O)OR
8もしくは−C(O)NR
9R
10であってよく、またはR
4およびR
5は、それらの両方が結合している炭素と一緒になって、C
3〜C
20炭素環、置換C
3〜C
20炭素環、C
3〜C
20複素環もしくは置換C
3〜C
20複素環を形成することができ、またはR
4およびR
5は、同じ炭素原子上にある場合、それらが結合している炭素と一緒になって、−C(O)−もしくは−C(NR
8)−を形成することができ、または隣接する炭素原子上の2個のR
4もしくは2個のR
5基は、それらが結合している炭素と一緒になる場合、3〜6員の炭素環、置換炭素環、複素環もしくは置換複素環を形成することができる。
【0087】
一部の実施形態では、式IのR
4およびR
5基の各記述は、それぞれ独立に、H、アルキル、置換アルキル、ハロアルキル、1個もしくは複数のヘテロ原子(N、O、もしくはSから選択される)を含有するC
1〜C
6置換もしくは非置換ヘテロアルキル、シアノ、アジド、OR
8、−C(O)H、−C(O)R
8、−S(O)R
8、−S(O)
2R
8、−C(O)OR
8、または−C(O)NR
9R
10であってよい。一部の実施形態では、式IのR
4およびR
5基の各記述は、それぞれ独立に、HもしくはC
1〜C
6アルキルであってよく、またはそれらが結合している炭素と一緒になって、−C(O)−もしくは炭素環を形成することができる。一部の実施形態では、式IのR
4およびR
5基の各記述は、それぞれ独立に、HもしくはC
1〜C
6アルキルであってよく、またはそれらが結合している炭素と一緒になって、炭素環を形成することができる。一部の実施形態では、式IのR
4およびR
5基の各記述は、それぞれ独立に、HまたはC
1〜C
6アルキルであってよい。一部の実施形態では、式IのR
4およびR
5基の各記述は、それぞれ独立に、Hもしくはメチルであってよく、またはそれらが結合している炭素と一緒になって、シクロプロパンを形成することができる。一部の実施形態では、式IのR
4およびR
5基の各記述は、それぞれ独立に、Hまたはメチルであってよい。一部の実施形態では、式IのR
4およびR
5基の各記述は、それぞれ独立に、Hであってよく、またはそれらが結合している炭素と一緒になって、−C(O)−もしくはシクロプロパンであってよい。一部の実施形態では、式IのR
4およびR
5基は、それぞれ独立に、Hであってよい。
【0088】
一部の実施形態では、式IのR
6およびR
7基の各記述は、それぞれ独立に、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、カルボシクリル、置換カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、置換カルボシクリルアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、置換ヘテロシクリルアルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、カルボシクリルヘテロアルキル、置換カルボシクリルヘテロアルキル、ヘテロシクリルヘテロアルキル、置換ヘテロシクリルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、置換アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、もしくは置換ヘテロアリールヘテロアルキル、−C(O)H、−C(O)R
8、−S(O)R
8、−S(O)
2R
8、−C(O)OR
8もしくは−C(O)NR
9R
10、S(O)
2NR
9R
10であってよく、またはR
6およびR
7は、それらの両方が結合している窒素と一緒になって、N、O、PもしくはSから選択される1個もしくは複数の追加のヘテロ原子を含有することができる置換もしくは非置換複素環を形成することができ、またはL
2と一緒になったR
7、およびそれらの両方が結合しているNは、N、O、S、およびPから選択される1個もしくは複数の追加のヘテロ原子を含有することができる置換もしくは非置換の3〜8員の複素環を形成することができる。一部の実施形態では、式IのR
6およびR
7基の各記述は、それぞれ独立に、H、C
1〜C
6アルキル、置換C
1〜C
6アルキル、C
2〜C
6アルケニル、置換C
2〜C
6アルケニル、C
2〜C
6アルキニル、置換C
2〜C
6アルキニル、C
1〜C
6ハロアルキル、C
1〜C
6ヘテロアルキル、置換C
1〜C
6ヘテロアルキル、C
3〜C
20カルボシクリル、置換C
3〜C
20カルボシクリル、C
4〜C
20カルボシクリルアルキル、置換C
4〜C
20カルボシクリルアルキル、C
3〜C
20ヘテロシクリル、置換C
3〜C
20ヘテロシクリル、C
4〜C
20ヘテロシクリルアルキル、置換C
4〜C
20ヘテロシクリルアルキル、C
6〜C
20アリールアルキル、置換C
6〜C
20アリールアルキル、C
6〜C
20ヘテロアリールアルキル、置換C
6〜C
20ヘテロアリールアルキル、C
4〜C
20カルボシクリルヘテロアルキル、置換C
4〜C
20カルボシクリルヘテロアルキル、C
4〜C
20ヘテロシクリルヘテロアルキル、置換C
4〜C
20ヘテロシクリルヘテロアルキル、C
6〜C
20アリールヘテロアルキル、置換C
6〜C
20アリールヘテロアルキル、C
6〜C
20ヘテロアリールヘテロアルキル、もしくは置換C
6〜C
20ヘテロアリールヘテロアルキル、−C(O)H、−C(O)R
8、−S(O)R
8、−S(O)
2R
8、−C(O)OR
8もしくは−C(O)NR
9R
10、S(O)
2NR
9R
10であってよく、またはR
6およびR
7は、それらの両方が結合している窒素と一緒になって、N、O、PもしくはSから選択される1個もしくは複数の追加のヘテロ原子を含有することができる置換もしくは非置換C
3〜C
20複素環を形成することができ、またはL
2と一緒になったR
7、およびそれらの両方が結合しているNは、N、O、S、およびPから選択される1個もしくは複数の追加のヘテロ原子を含有することができる置換もしくは非置換の3〜8員の複素環を形成することができる。
【0089】
一部の実施形態では、式IのR
6およびR
7基の各記述は、それぞれ独立に、Hもしくはアルキルであってよく、またはR
6およびR
7は、それらが結合している窒素と一緒になって、N、OおよびSから選択される0〜2個の追加のヘテロ原子を含む置換もしくは非置換の4〜6員の複素環を形成することができる。一部の実施形態では、式IのR
6およびR
7基は、それらが結合している窒素と一緒になって、N、OおよびSから選択される0〜2個の追加のヘテロ原子を含む非置換の4〜6員の複素環を形成することができる。一部の実施形態では、式IのR
6およびR
7基は、それらが結合している窒素と一緒になって、0〜2個の追加のNヘテロ原子を含む非置換の4〜6員の複素環を形成することができる。一部の実施形態では、式IのR
6およびR
7基は、それらが結合している窒素と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン、またはピペラジンであってよい複素環を形成することができる。一部の実施形態では、式IのR
6およびR
7基は、それらが結合している窒素と一緒になって、ピロリジンまたはピペリジンであってよい複素環を形成することができる。一部の実施形態では、式IのR
6およびR
7基は、それらが結合している窒素と一緒になって、ピロリジンであってよい複素環を形成することができる。
【0090】
一部の実施形態では、式IのR
8基の各記述は、H、アルキル、置換アルキル、ハロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、カルボシクリル、置換カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、置換カルボシクリルアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、置換ヘテロシクリルアルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、カルボシクリルヘテロアルキル、置換カルボシクリルヘテロアルキル、ヘテロシクリルヘテロアルキル、置換ヘテロシクリルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、置換アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、または置換ヘテロアリールヘテロアルキルであってよい。一部の実施形態では、式IのR
8基の各記述は、H、C
1〜C
6アルキル、置換C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6ハロアルキル、C
2〜C
6アルケニル、置換C
2〜C
6アルケニル、C
2〜C
6アルキニル、置換C
2〜C
6アルキニル、C
1〜C
6ヘテロアルキル、置換C
1〜C
6ヘテロアルキル、C
3〜C
20カルボシクリル、置換C
3〜C
20カルボシクリル、C
4〜C
20カルボシクリルアルキル、置換C
4〜C
20カルボシクリルアルキル、C
3〜C
20ヘテロシクリル、置換C
3〜C
20ヘテロシクリル、C
4〜C
20ヘテロシクリルアルキル、置換C
4〜C
20ヘテロシクリルアルキル、C
6〜C
20アリールアルキル、置換C
6〜C
20アリールアルキル、C
6〜C
20ヘテロアリールアルキル、置換C
6〜C
20ヘテロアリールアルキル、C
4〜C
20カルボシクリルヘテロアルキル、置換C
4〜C
20カルボシクリルヘテロアルキル、C
4〜C
20ヘテロシクリルヘテロアルキル、置換C
4〜C
20ヘテロシクリルヘテロアルキル、C
6〜C
20アリールヘテロアルキル、置換C
6〜C
20アリールヘテロアルキル、C
6〜C
20ヘテロアリールヘテロアルキル、または置換C
6〜C
20ヘテロアリールヘテロアルキルであってよい。一部の実施形態では、式IのR
8基は、H、アルキル、置換アルキル、ハロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、または1個もしくは複数のヘテロ原子(N、O、もしくはSから選択される)を含有するC
1〜C
6置換もしくは非置換ヘテロアルキルであってよい。一部の実施形態では、式IのR
8基は、H、C
1〜C
6アルキル、置換C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6ハロアルキル、C
2〜C
6アルケニル、置換C
2〜C
6アルケニル、C
2〜C
6アルキニル、置換C
2〜C
6アルキニル、または1個もしくは複数のヘテロ原子(N、O、もしくはSから選択される)を含有するC
1〜C
6置換もしくは非置換ヘテロアルキルであってよい。
【0091】
一部の実施形態では、式IのR
9およびR
10基の各記述は、それぞれ独立に、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、カルボシクリル、置換カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、置換カルボシクリルアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、置換ヘテロシクリルアルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、カルボシクリルヘテロアルキル、置換カルボシクリルヘテロアルキル、ヘテロシクリルヘテロアルキル、置換ヘテロシクリルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、置換アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキルもしくは置換ヘテロアリールヘテロアルキルであってよく、またはR
9およびR
10は、それらの両方が結合する窒素と一緒になって、置換もしくは非置換複素環を形成することができる。一部の実施形態では、式IのR
9およびR
10基の各記述は、それぞれ独立に、H、C
1〜C
6アルキル、置換C
1〜C
6アルキル、C
2〜C
6アルケニル、置換C
2〜C
6アルケニル、C
2〜C
6アルキニル、置換C
2〜C
6アルキニル、C
1〜C
6ハロアルキル、C
1〜C
6ヘテロアルキル、置換C
1〜C
6ヘテロアルキル、C
3〜C
20カルボシクリル、置換C
3〜C
20カルボシクリル、C
4〜C
20カルボシクリルアルキル、置換C
4〜C
20カルボシクリルアルキル、C
3〜C
20ヘテロシクリル、置換C
3〜C
20ヘテロシクリル、C
4〜C
20ヘテロシクリルアルキル、置換C
4〜C
20ヘテロシクリルアルキル、C
6〜C
20アリールアルキル、置換C
6〜C
20アリールアルキル、C
6〜C
20ヘテロアリールアルキル、置換C
6〜C
20ヘテロアリールアルキル、C
4〜C
20カルボシクリルヘテロアルキル、置換C
4〜C
20カルボシクリルヘテロアルキル、C
4〜C
20ヘテロシクリルヘテロアルキル、置換C
4〜C
20ヘテロシクリルヘテロアルキル、C
6〜C
20アリールヘテロアルキル、置換C
6〜C
20アリールヘテロアルキル、C
6〜C
20ヘテロアリールヘテロアルキルもしくは置換C
6〜C
20ヘテロアリールヘテロアルキルであってよく、またはR
9およびR
10は、それらの両方が結合する窒素と一緒になって、置換もしくは非置換C
3〜C
20複素環を形成することができる。一部の実施形態では、式IのR
9およびR
10基の各記述は、それぞれ独立に、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ハロアルキル、1個または複数のヘテロ原子(N、O、またはSから選択される)を含有するC
1〜C
6置換または非置換ヘテロアルキルであってよい。一部の実施形態では、式IのR
9およびR
10基の各記述は、それぞれ独立に、H、C
1〜C
6アルキル、置換C
1〜C
6アルキル、C
2〜C
6アルケニル、置換C
2〜C
6アルケニル、C
2〜C
6アルキニル、置換C
2〜C
6アルキニル、C
1〜C
6ハロアルキル、1個または複数のヘテロ原子(N、O、またはSから選択される)を含有するC
1〜C
6置換または非置換ヘテロアルキルであってよい。
【0092】
式IのZ−Y、R
1、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、L
2、X
1、X
2、およびD基では、各置換アルキル、置換アルケニル、置換アルキニル、置換ヘテロアルキル、置換カルボシクリル、置換カルボシクリルアルキル、置換ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリルアルキル、置換アリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、置換カルボシクリルヘテロアルキル、置換ヘテロシクリルヘテロアルキル、置換アリールヘテロアルキル、置換ヘテロアリールヘテロアルキル、置換アルキレン、置換ヘテロアルキレン、置換アルケニレン、置換アルキニレン、置換カルボシクリレン、または置換ヘテロシクリレンは、独立に、−ハロゲン、−R、−O−、=O、−OR、−SR、−S−、−NR
2、−N(+)R
3、=NR、−C(ハロゲン)
3、−CR(ハロゲン)
2、−CR
2(ハロゲン)、−CN、−OCN、−SCN、−N=C=O、−NCS、−NO、−NO
2、=N
2、−N
3、−NRC(=O)R、−NRC(=O)OR、−NRC(=O)NRR、−C(=O)NRR、−C(=O)OR、−OC(=O)NRR、−OC(=O)OR、−C(=O)R、−S(=O)
2OR、−S(=O)
2R、−OS(=O)
2OR、−S(=O)
2NR、−S(=O)R、−NRS(=O)
2R、−NRS(=O)
2NRR、−NRS(=O)
2OR、−OP(=O)(OR)
2、−P(=O)(OR)
2、−P(O)(OR)(O)R、−C(=O)R、−C(=S)R、−C(=O)OR、−C(=S)OR、−C(=O)SR、−C(=S)SR、−C(=O)NRR、−C(=S)NRR、−C(=NR)NRR、および−NRC(=NR)NRR[式中、各Rは、独立に、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、またはヘテロシクリルであってよい]から選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい。
【0093】
一部の実施形態では、式Iの化合物は、式Ia:
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物であってよい。一部の実施形態では、式Iの化合物は、式Ib:
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物であってよい。式IaおよびIbのZ−Y、R
1、R
6、R
7、およびX
1基は、式Iについて先に定義した通りである。
【0094】
一部の実施形態では、式I、式Iaまたは式Ibの化合物は、構造:
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
を有することができる。一部の実施形態では、式I、式Iaまたは式Ibの化合物は、構造:
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
を有することができる。一部の実施形態では、式I、式Iaまたは式Ibの化合物は、構造:
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
を有することができる。一部の実施形態では、式I、式Iaまたは式Ibの化合物は、構造:
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
を有することができる。
【0095】
一部の実施形態では、式Iの化合物は、式Iaの化合物であってよく、式中、R
1基は、アルキルであってよい。一部の実施形態では、式IaのR
1基は、C
1〜C
6アルキルであってよい。一部の実施形態では、式IaのR
1基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、tert−ペンチル、ネオペンチル、イソ−ペンチル、sec−ペンチル、3−ペンチル、ヘキシル、および2−エチル−ブチルであってよい。一部の実施形態では、式IaのR
1基は、ブチルであってよい。一部の実施形態では、式IaのR
1基は、n−ブチルであってよい。
【0096】
一部の実施形態では、式Iの化合物は、式Ibの化合物であってよく、式中、R
1基は、アルキルであってよく、Z−Y基は、−CR
4R
5−または−CR
4R
5−CR
4R
5−であってよく、X
1基は、アルキレンであってよく、R
6およびR
7基は、それらが結合している窒素と一緒になって、0〜2個の追加のNヘテロ原子を含む非置換の4〜6員の複素環を形成することができる。一部の実施形態では、式Iの化合物は、式Ibの化合物であってよく、式中、R
1基は、C
1〜C
6アルキルであってよく、Z−Y基は、−CH
2−、−CH(CH
3)−または−CH
2CH
2−であってよく、X
1基は、C
1〜C
6アルキレンであってよく、R
6およびR
7基は、それらが結合している窒素と一緒になって、ピロリジンまたはピペリジンであってよい複素環を形成することができる。
【0097】
一部の実施形態では、式IbのZ−Y基は、−CR
4R
5−または−CR
4R
5−CR
4R
5−であってよい。一部の実施形態では、式IbのZ−Y基は、−CR
4R
5−であってよい。一部の実施形態では、式IbのZ−Y基は、−CH
2−、−CH(CH
3)−または−CH
2CH
2−であってよい。一部の実施形態では、式IbのZ−Y基は、−CH
2−であってよい。
【0098】
一部の実施形態では、式IbのR
1基は、アルキルであってよい。一部の実施形態では、式IbのR
1基は、C
1〜C
6アルキルであってよい。一部の実施形態では、式IbのR
1基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、tert−ペンチル、ネオペンチル、イソ−ペンチル、sec−ペンチル、3−ペンチル、ヘキシル、および2−エチル−ブチルであってよい。一部の実施形態では、式IbのR
1基は、ブチルであってよい。一部の実施形態では、式IbのR
1基は、n−ブチルであってよい。
【0099】
一部の実施形態では、式IbのX
1基は、アルキレンであってよい。一部の実施形態では、式IbのX
1基は、C
1〜C
6アルキレンであってよい。一部の実施形態では、式IbのX
1基は、−CH
2−または−CH(CH
3)−であってよい。一部の実施形態では、式IbのX
1基は、メチレンであってよい。
【0100】
一部の実施形態では、式IbのR
6およびR
7基は、それらが結合している窒素と一緒になって、0〜2個の追加のNヘテロ原子を含む非置換の4〜6員の複素環を形成することができる。一部の実施形態では、式IbのR
6およびR
7基は、それらが結合している窒素と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン、またはピペラジンであってよい複素環を形成することができる。一部の実施形態では、式IbのR
6およびR
7基は、それらが結合している窒素と一緒になって、ピロリジンまたはピペリジンであってよい複素環を形成することができる。一部の実施形態では、式IbのR
6およびR
7基は、それらが結合している窒素と一緒になって、ピロリジンであってよい複素環を形成することができる。
IV.式Iのプテリジノンを調製する方法
【0101】
式Iの化合物は、様々な手段によって調製することができる。例えば、式Iの化合物は、下記の通り、式IIの化合物を、式IIIの化合物、すなわちエチルN−[3−ピロリジン−1−イルメチル)ベンジル]グリシネートでN−アリール化することによって調製することができる。中間体である式IVを、還元条件下で式Iの化合物に変換して閉環し、所望の化合物を形成することができる。式IIのアリール環は、脱離基、例えばクロロまたは−O−トシル基を含むことができる。さらに、式IVの閉環は、様々な還元剤、例えばラネーニッケルまたはZn/HOAcを用いて実施され得る。
【0102】
一部の実施形態では、本発明は、式I:
【化26】
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の化合物を、式II:
【化27】
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の化合物、非求核性塩基、第1の溶媒、および式III:
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の第1の反応混合物を、式IV:
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を形成するのに適した条件下で形成することによって生成する方法を提供する。該方法はまた、式IVの化合物、第2の溶媒および還元剤の第2の反応混合物を、式Iの化合物を調製するのに適した条件下で形成するステップを含む。
【0103】
式I、II、IIIおよびIVのZ−Y、R
1、R
3、L
1、X
1、D基、および下付き文字nは、式Iの化合物について先に定義した通りである。一部の実施形態では、式IIIおよびIVのR
11基は、アルキルまたはアルキル−アリールであってよい。一部の実施形態では、式IIIおよびIVのR
11基は、C
1〜C
6アルキルまたはC
1〜C
6アルキル−アリールであってよい。一部の実施形態では、式IIIおよびIVのR
11基は、C
1〜C
6アルキルであってよい。一部の実施形態では、式IIIおよびIVのR
11基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、tert−ペンチル、ネオペンチル、イソ−ペンチル、sec−ペンチル、3−ペンチル、ヘキシル、および2−エチル−ブチルであってよい。一部の実施形態では、式IIIおよびIVのR
11基は、メチル、エチルまたはプロピルであってよい。一部の実施形態では、式IIIおよびIVのR
11基は、エチルであってよい。一部の実施形態では、式IIIおよびIVのR
11基は、ベンジルであってよい。
【0104】
一部の実施形態では、式IIのLG基は、任意の適切な脱離基であってよい。一部の実施形態では、式IIのLG基は、クロロ、ブロモ、メタンスルホネート(−OMs)、トリフルオロメタンスルホネート(−OTf)、トルエンスルホネート(−OTsまたは−O−トシル)、4−ニトロベンゼンスルホネート、および4−クロロベンゼンスルホネートであってよい。一部の実施形態では、式IIのLG基は、ハロゲン、−OH、または−OSO
2R
13であってよく、R
13は、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6ハロアルキルまたはアリールであってよく、アリール基は、それぞれ独立にC
1〜C
6アルキル、ハロゲン、またはNO
2であってよい1〜3個のR
13a基で置換されていてよい。一部の実施形態では、式IIのLG基は、クロロ、−OH、または−OSO
2R
13であってよく、R
13は、メチル、トリフルオロメチルまたはフェニルであってよく、フェニルは、メチル、フルオロ、クロロ、ブロモまたはNO
2であってよい1個のR
13a基で置換されていてよい。一部の実施形態では、式IIのLG基は、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、メタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、トルエンスルホネート、4−ニトロベンゼンスルホネート、および4−クロロベンゼンスルホネートであってよい。一部の実施形態では、式IIのLG基は、ハロゲン、−OH、または−O−トシルであってよい。一部の実施形態では、式IIのLG基は、ハロゲンであってよい。一部の実施形態では、式IIのLG基は、クロロまたはブロモであってよい。一部の実施形態では、式IIのLG基は、クロロであってよい。一部の実施形態では、式IIのLG基は、クロロ、−OH、または−O−トシルであってよい。一部の実施形態では、式IIのLG基は、クロロまたは−OHであってよい。
【0105】
一部の実施形態では、式IIの化合物は、式IIa:
【化30】
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の化合物であってよい。一部の実施形態では、式IIまたは式IIaの化合物は、構造:
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
を有することができる。一部の実施形態では、式IIまたは式IIaの化合物は、構造:
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
を有することができる。一部の実施形態では、式IIまたは式IIaの化合物は、構造:
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
を有することができる。式IIaのR
1およびLG基は、式IIについて前述した通りである。
【0106】
一部の実施形態では、式IIIの化合物は、式IIIa:
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物であってよい。一部の実施形態では、式IIIの化合物は、式IIIb:
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物であってよい。式IIIaおよび式IIIbのZ−Y、R
6、R
7、R
11、およびX
1基は、式IIIについて前述した通りである。
【0107】
一部の実施形態では、式III、式IIIaまたは式IIIbの化合物は、構造:
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
を有することができる。一部の実施形態では、式III、式IIIaまたは式IIIbの化合物は、構造:
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
を有することができる。一部の実施形態では、式III、式IIIaまたは式IIIbの化合物は、構造:
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
を有することができる。一部の実施形態では、式III、式IIIaまたは式IIIbの化合物は、構造:
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
を有することができる。一部の実施形態では、式III、式IIIaまたは式IIIbの化合物は、構造:
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
を有することができる。
【0108】
式III、式IIIaまたは式IIIbの化合物は、任意の適切な形態であってよい。例えば、式III、式IIIaまたは式IIIbの化合物は、中性形態または塩形態であってよい。式III、式IIIaまたは式IIIbの化合物の適切な塩形態には、無機酸付加塩、例えば塩化物、臭化物、硫酸塩、リン酸塩、および硝酸塩;有機酸付加塩、例えば酢酸塩、シュウ酸塩、ガラクタル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、およびアスコルビン酸塩;酸性アミノ酸との塩、例えばアスパラギン酸塩およびグルタミン酸塩が含まれるが、それらに限定されない。一部の実施形態では、式III、式IIIaまたは式IIIbの化合物は、塩であってよい。一部の実施形態では、式III、IIIaまたはIIIbの化合物は、ビス−シュウ酸塩であってよい。一部の実施形態では、式III、IIIaまたはIIIbの化合物は、ビス−シュウ酸塩:
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
であってよい。一部の実施形態では、式III、式IIIaまたは式IIIbの化合物は、ビス−シュウ酸塩:
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
であってよい。
【0109】
一部の実施形態では、式IVの化合物は、式IVa:
【化43】
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の化合物であってよい。一部の実施形態では、式IVの化合物は、式IVb:
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物であってよい。式IVaおよび式IVbのZ−Y、R
1、R
6、R
7、R
11、およびX
1基は、式IVについて前述した通りである。
【0110】
一部の実施形態では、式IV、式IVaまたは式IVbの化合物は、構造:
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
を有することができる。一部の実施形態では、式IV、式IVaまたは式IVbの化合物は、構造:
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
を有することができる。一部の実施形態では、式IV、式IVaまたは式IVbの化合物は、構造:
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
を有することができる。一部の実施形態では、式IV、式IVaまたは式IVbの化合物は、構造:
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
を有することができる。
【0111】
一部の実施形態では、本発明は、式Iaの化合物を生成する方法であって、式IIaの化合物、非求核性塩基、第1の溶媒、および式IIIaの化合物の第1の反応混合物を、式IVaの化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含む方法を提供する。該方法はまた、式IVaの化合物、第2の溶媒および還元剤の第2の反応混合物を、式Iaの化合物を調製するのに適した条件下で形成するステップを含む。式Ia、IIaおよびIVaのR
1基、ならびに式IIIaおよびIVaのR
11は、それぞれ独立にC
1〜C
6アルキルであってよく、式IIaのLGは、ハロゲン、−OH、および−OSO
2R
13から選択することができ、R
13は、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6ハロアルキルおよびアリールからなる群から選択され、アリール基は、C
1〜C
6アルキル、ハロゲン、およびNO
2からなる群からそれぞれ独立に選択される1〜3個のR
13a基で置換されている。
【0112】
一部の実施形態では、本発明は、式Iaの化合物を生成する方法であって、式IIaの化合物、非求核性塩基、第1の溶媒、および式IIIaの化合物の第1の反応混合物を、式IVaの化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含む方法を提供する。該方法はまた、式IVaの化合物、第2の溶媒および還元剤の第2の反応混合物を、式Iaの化合物を調製するのに適した条件下で形成するステップを含む。式Ia、IIaおよびIVaのR
1基、ならびに式IIIaおよびIVaのR
11は、それぞれ独立にC
1〜C
6アルキルであってよく、式IIaのLGは、ハロゲン、−OH、および−O−トシルから選択することができる。一部の実施形態では、R
1およびLG基は、前述の通りであってよい。
【0113】
一部の実施形態では、本発明は、式Ib:
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成する方法であって、式IIa:
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物、非求核性塩基、第1の溶媒、および式IIIb:
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の第1の反応混合物を、式IVb:
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含む方法を提供する。該方法はまた、式IVbの化合物、第2の溶媒および還元剤の第2の反応混合物を、式Ibの化合物を調製するのに適した条件下で形成するステップを含む。一部の実施形態では、Z−Y基は、−CR
4R
5−または−CR
4R
5−CR
4R
5−であってよく、R
1基は、アルキルであってよく、X
1基は、アルキレンであってよく、R
6およびR
7基は、それらが結合している窒素と一緒になって、0〜2個の追加のNヘテロ原子を含む非置換の4〜6員の複素環を形成することができ、R
11基は、アルキルであってよく、LG基は、ハロゲン、−OH、または−OSO
2R
13であってよく、R
13は、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6ハロアルキルまたはアリールであってよく、アリール基は、それぞれ独立にC
1〜C
6アルキル、ハロゲン、またはNO
2であってよい1〜3個のR
13a基で置換されていてよい。一部の実施形態では、R
1基は、C
1〜C
6アルキルであってよく、Z−Y基は、−CH
2−、−CH(CH
3)−または−CH
2CH
2−であってよく、X
1基は、C
1〜C
6アルキレンであってよく、R
6およびR
7基は、それらが結合している窒素と一緒になって、ピロリジンまたはピペリジンであってよい複素環を形成することができ、R
11基は、C
1〜C
6アルキルであってよく、LG基は、クロロ、−OH、および−O−トシルから選択することができる。一部の実施形態では、Z−Y、R
1、R
4、R
5、R
6、R
7、R
11、R
13、X
1およびLG基は、前述の通りであってよい。
【0114】
本発明の方法では、任意の適切な非求核性塩基を使用することができる。一部の実施形態では、非求核性塩基は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、およびキヌクリジンから選択することができる。一部の実施形態では、非求核性塩基は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、2,6−ルチジン、および4−ジメチルアミノピリジンから選択することができる。一部の実施形態では、非求核性塩基は、トリエチルアミンであってよい。一部の実施形態では、非求核性塩基は、ピリジン、2,6−ルチジン、および2,4,6−コリジンから選択することができる。一部の実施形態では、非求核性塩基は、2,4,6−コリジンであってよい。
【0115】
第1の溶媒は、任意の適切な溶媒、例えば酢酸エチル、酢酸イソプロピル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、またはそれらの組合せであってよい。一部の実施形態では、第1の溶媒は、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、またはそれらの組合せであってよい。一部の実施形態では、第1の溶媒は、酢酸エチル、酢酸イソプロピルまたはテトラヒドロフランであってよい。一部の実施形態では、第1の溶媒は、酢酸エチルであってよい。一部の実施形態では、第1の溶媒は、酢酸エチルまたは酢酸イソプロピルであってよい。一部の実施形態では、第1の溶媒は、酢酸イソプロピルであってよい。一部の実施形態では、第1の溶媒は、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドまたはジメチルスルホキシドであってよい。一部の実施形態では、第1の溶媒は、アセトニトリルであってよい。
【0116】
式III、IIIaまたはIIIbの化合物は、任意の適切な形態であってよい。一部の実施形態では、式III、IIIaまたはIIIbの化合物は、式III、IIIaまたはIIIbのビス−シュウ酸塩であってよい。一部の実施形態では、式IIIaの化合物は、式IIIaのビス−シュウ酸塩であってよい。
【0117】
式IV、IVaまたはIVbの化合物を形成するN−アリール化ステップは、任意の適切な反応条件下で実施され得る。例えば、第1の反応混合物は、任意の適切な温度、例えば室温未満、室温、または室温超であってよいが、それらに限定されない。一部の実施形態では、第1の反応混合物の温度は、約−20℃〜約100℃、または約0℃〜約50℃、または約10℃〜約40℃、または約10℃〜約30℃であってよい。一部の実施形態では、第1の反応混合物の温度は、約20℃であってよい。一部の実施形態では、第1の反応混合物の温度は、約0℃〜約100℃、または約25℃〜約100℃、または約50℃〜約75℃であってよい。一部の実施形態では、第1の反応混合物の温度は、約60℃であってよい。
【0118】
式IV、IVaまたはIVbの化合物を形成するN−アリール化ステップは、任意の適切な反応時間にわたって実施され得る。例えば、反応時間は、数分、数時間または数日であってよい。一部の実施形態では、反応時間は、数時間、例えば終夜であってよい。第1の反応混合物はまた、任意の適切な圧力であってよい。例えば、第1の反応混合物は、大気圧未満、およそ大気圧、または大気圧超であってよい。一部の実施形態では、第1の反応混合物は、およそ大気圧であってよい。
【0119】
N−アリール化ステップは、式IV、IVaまたはIVbの化合物を、任意の適切な収率で調製することができる。例えば、式IV、IVaまたはIVbの化合物の収率は、式IIもしくはIIaの化合物から少なくとも約10%、または式IIもしくはIIaの化合物から少なくとも約15%、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70もしくは少なくとも約75%であり得る。一部の実施形態では、式IV、IVaまたはIVbの収率は、式IIまたはIIaの化合物から少なくとも25%であり得る。一部の実施形態では、式IV、IVaまたはIVbの収率は、式IIまたはIIaの化合物から少なくとも35%であり得る。一部の実施形態では、式IV、IVaまたはIVbの収率は、式IIまたはIIaの化合物から少なくとも50%であり得る。一部の実施形態では、式IV、IVaまたはIVbの収率は、式IIまたはIIaの化合物から少なくとも75%であり得る。
【0120】
N−アリール化ステップで調製された式IV、IVaまたはIVbの化合物は、任意の適切な形態であってよい。例えば、式IV、IVaまたはIVbの化合物は、中性形態または塩形態であってよい。式IV、IVaまたはIVbの化合物の任意の塩形態は、N−アリール化ステップで調製され得る。式IV、IVaまたはIVbの化合物の適切な塩形態には、無機酸付加塩、例えば塩化物、臭化物、硫酸塩、リン酸塩、および硝酸塩;有機酸付加塩、例えば酢酸塩、ガラクタル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、およびアスコルビン酸塩;酸性アミノ酸との塩、例えばアスパラギン酸塩およびグルタミン酸塩が含まれるが、それらに限定されない。塩は、ある場合には水和物またはエタノール溶媒和物であってよい。一部の実施形態では、式IV、IVaまたはIVbの化合物は、塩であってよい。一部の実施形態では、式IV、IVaまたはIVbの化合物は、塩酸塩であってよい。
【0121】
式IV、IVaまたはIVbの化合物が塩である場合、本発明の方法は、式IVの化合物の塩形態を形成する任意選択のステップを含むことができる。例えば、式IV、IVaまたはIVbの化合物は、反応混合物において酸と組み合わされ、それによって式IV、IVaまたはIVbの化合物の塩形態を調製することができる。一部の実施形態では、該方法は、式IV、IVaまたはIVbの化合物と塩酸の反応混合物を形成して、式IV、IVaまたはIVbの化合物の一塩化水素塩形態を形成するステップを含むことができる。一部の実施形態では、該方法は、式IV、IVaまたはIVbの化合物と塩酸の反応混合物を形成して、式IV、IVaまたはIVbの化合物の一塩化水素塩を形成するステップを含むことができる。任意の適切な溶媒を、式IV、IVaまたはIVbの化合物の塩形態の調製に使用することができる。例えば、溶媒は、式IV、IVaまたはIVbの化合物を調製するために使用される第1の溶媒と同じ溶媒であってよい。一部の実施形態では、溶媒は、酢酸エチル、酢酸イソプロピルもしくはテトラヒドロフラン、またはそれらの組合せであってよい。一部の実施形態では、溶媒は、酢酸エチルであってよい。一部の実施形態では、溶媒は、酢酸エチルまたは酢酸イソプロピルであってよい。一部の実施形態では、溶媒は、酢酸イソプロピルであってよい。
【0122】
式I、IaまたはIbの化合物を調製するための第2のステップは、還元的閉環を含む。第2のステップの還元剤には、ニトロ化合物を還元し、閉環して式I、IaまたはIbの化合物を形成することができる任意の適切な還元剤が含まれ得る。代表的な還元剤には、亜鉛、鉄、ラネーニッケル、硫化ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム、硫化アンモニウム、炭素担持パラジウム、水素化アルミニウムリチウム、および水素化ホウ素ナトリウムが含まれるが、それらに限定されない。一部の実施形態では、還元剤は、亜鉛またはラネーニッケルであってよい。一部の実施形態では、還元剤は、亜鉛であってよい。一部の実施形態では、還元剤は、ラネーニッケルであってよい。
【0123】
第2の反応混合物は、任意の適切な溶媒を含むことができる。例えば、第2の溶媒は、酢酸、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、またはそれらの組合せであってよい。一部の実施形態では、第2の溶媒は、酢酸を含むことができる。一部の実施形態では、第2の溶媒は、酢酸および水を含むことができる。
【0124】
式I、IaまたはIbの化合物を形成する還元ステップは、任意の適切な反応条件下で実施され得る。例えば、第2の反応混合物は、任意の適切な温度、例えば室温未満、室温、または室温超であってよいが、それらに限定されない。一部の実施形態では、第2の反応混合物の温度は、約−20℃〜約100℃、または約0℃〜約50℃、または約10℃〜約30℃であってよい。一部の実施形態では、第2の反応混合物の温度は、約10℃〜約30℃であってよい。一部の実施形態では、第2の反応混合物の温度は、約20℃であってよい。
【0125】
式I、IaまたはIbの化合物を形成する還元ステップは、任意の適切な反応時間にわたって実施され得る。例えば、反応時間は、数分、数時間または数日であってよい。一部の実施形態では、反応時間は、数時間、例えば終夜であってよい。第2の反応混合物はまた、任意の適切な圧力であってよい。例えば、第2の反応混合物は、大気圧未満、およそ大気圧、または大気圧超であってよい。一部の実施形態では、第2の反応混合物は、およそ大気圧であってよい。
【0126】
還元ステップは、式I、IaまたはIbの化合物を任意の適切な収率で調製することができる。例えば、式I、IaもしくはIbの化合物の収率は、式IV、IVaもしくはIVbの化合物から少なくとも約10%、または式IV、IVaもしくはIVbの化合物から少なくとも約15%、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、もしくは少なくとも約75%であり得る。一部の実施形態では、式I、IaまたはIbの収率は、式IV、IVaまたはIVbの化合物から少なくとも25%であり得る。一部の実施形態では、式I、IaまたはIbの収率は、式IV、IVaまたはIVbの化合物から少なくとも50%であり得る。一部の実施形態では、式I、IaまたはIbの収率は、式IV、IVaまたはIVbの化合物から少なくとも65%であり得る。
【0127】
一部の実施形態では、構造:
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式Iaの化合物を調製する方法は、構造:
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式IIaの化合物、トリエチルアミン、酢酸エチル、および構造:
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式IIIaの化合物のビスシュウ酸塩の第1の反応混合物を、構造:
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式IVaの化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含む。該方法はまた、式IVaの化合物および塩酸の反応混合物を形成して、式IVaの化合物の一塩酸塩形態を形成するステップを含む。該方法はまた、式IVaの化合物の一塩酸塩、亜鉛、および酢酸の第2の反応混合物を、式Iaの化合物を調製するのに適した条件下で形成するステップを含む。
【0128】
一部の実施形態では、構造:
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式Iaの化合物を調製する方法は、構造:
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式IIaの化合物、トリエチルアミン、酢酸イソプロピル、および構造:
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式IIIaの化合物のビスシュウ酸塩の第1の反応混合物を、構造:
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式IVaの化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含む。該方法はまた、式IVaの化合物および塩酸の反応混合物を形成して、式IVaの化合物の一塩酸塩形態を形成するステップを含む。該方法はまた、式IVaの化合物の一塩酸塩、亜鉛、および酢酸の第2の反応混合物を、式Iaの化合物を調製するのに適した条件下で形成するステップを含む。
【0129】
一部の実施形態では、構造:
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式Iaの化合物を調製する方法は、構造:
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式IIaの化合物、2,4,6−コリジン、アセトニトリル、およびトシル−Clの第1の反応混合物を、構造:
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式IIaの化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップと、この反応混合物に構造:
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式IIIaの化合物のビスシュウ酸塩を、構造:
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式IVaの化合物を形成するのに適した条件下で添加するステップ(ここで式IVaの化合物が形成される)と
を含む。該方法はまた、式IVaの化合物、ラネーニッケル、水素およびメタノールの第2の反応混合物を、式Iaの化合物を調製するのに適した条件下で形成するステップを含む。
【0130】
一部の実施形態では、構造:
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式Iaの化合物を調製する方法は、構造:
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式IIaの化合物、トリエチルアミン、テトラヒドロフラン、および構造:
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式IIIaの化合物の第1の反応混合物を、構造:
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式IVaの化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含む。該方法はまた、式IVaの化合物、ラネーニッケル、水素およびエタノールを有する第2の反応混合物を、式Iaの化合物を調製するのに適した条件下で形成するステップを含む。
V.式IIIの化合物を生成する方法
【0131】
本発明はまた、様々な方法によって式IIIの化合物を調製する方法を提供する。例えば、式IIIの化合物は、第一級アミンのアルキル化、還元的アミノ化、および他の方法によって調製することができる。
A.式Vのアルキル化
【0132】
一部の実施形態では、本発明は、式IIIの化合物を調製する方法であって、Br−Z−Y−CO
2R
11、非求核性塩基、および式V:
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の第1の反応混合物を、キログラム尺度で存在する式IIIの化合物を形成するのに適した条件下で形成し、それによって式IIIの化合物を調製するステップを含む方法を提供する。式IIIおよびV、ならびにBr−Z−Y−CO
2R
11のZ−Y、R
3、R
11、X
1、D基および下付き文字nは、前述の通りである。
【0133】
一部の実施形態では、式IIIの化合物は、式IIIaの化合物または式IIIbの化合物であってよい。一部の実施形態では、式III、式IIIaまたは式IIIbの化合物は、構造:
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
を有することができる。
【0134】
一部の実施形態では、式Vの化合物は、式Va:
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
であってよい。一部の実施形態では、式Vの化合物は、式Vb:
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
であってよい。式VbのR
6、R
7およびX
1基は、前述の通りである。
【0135】
一部の実施形態では、式V、VaまたはVbの化合物は、構造:
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
を有することができる。一部の実施形態では、式V、VaまたはVbの化合物は、構造:
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
を有することができる。一部の実施形態では、式V、VaまたはVbの化合物は、構造:
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
を有することができる。
【0136】
一部の実施形態では、試薬Br−Z−Y−CO
2R
11は、Br−CH
2−CO
2R
11であってよい。一部の実施形態では、試薬Br−Z−Y−CO
2R
11は、Br−CH
2−CO
2Etであってよい。
【0137】
一部の実施形態では、本発明は、式IIIaの化合物を調製する方法であって、Br−CH
2−CO
2R
11、非求核性塩基、および式Vaの化合物の第1の反応混合物を、キログラム尺度で存在する式IIIaの化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含む方法を提供する。式IIIaおよびBr−CH
2−CO
2R
11のR
11基は、C
1〜C
6アルキルであってよい。
【0138】
一部の実施形態では、本発明は、式IIIbの化合物を調製する方法であって、Br−Z−Y−CO
2R
11、非求核性塩基、および式Vb化合物の第1の反応混合物を、式IIIbの化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含み、式中、Z−Yは、−CR
4R
5−または−CR
4R
5−CR
4R
5−であってよく、X
1は、アルキレンであってよく、R
4およびR
5の各記述は、それぞれ独立に、HもしくはC
1〜C
6アルキルであってよく、またはそれらが結合している炭素と一緒になって、炭素環を形成することができ、R
6およびR
7は、それらの両方が結合している窒素と一緒になって、N、O、P、またはSから選択される1個または複数の追加のヘテロ原子を含有することができる置換または非置換複素環を形成することができ、R
11は、アルキルであってよい、方法を提供する。一部の実施形態では、Z−Y基は、−CH
2−、−CH(CH
3)−または−CH
2CH
2−であってよく、X
1は、C
1〜C
6アルキレンであってよく、R
6およびR
7基は、それらの両方が結合している窒素と一緒になって、ピロリジンまたはピペリジンであってよい複素環を形成することができ、R
11は、C
1〜C
6アルキルであってよい。一部の実施形態では、Z−Y、R
4、R
5、R
6、R
7、R
11およびX
1基は、前述の通りであってよい。
【0139】
任意の適切な非求核性塩基を、式III、IIIaまたはIIIbの化合物を調製する本発明の方法において使用することができる。一部の実施形態では、非求核性塩基は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、およびキヌクリジンから選択することができる。一部の実施形態では、非求核性塩基は、トリエチルアミンであってよい。
【0140】
一部の実施形態では、式IIIaの化合物を生成する方法は、Br−CH
2−CO
2Et、NEt
3および構造:
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式Vaの化合物の第1の反応混合物を、構造:
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式IIIaの化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含む。
B.式Vからの還元的アミノ化
【0141】
式IIIの化合物はまた、還元的アミノ化条件下で調製することができる。一部の実施形態では、本発明は、式IIIの化合物を調製する方法であって、R
14−C(O)−CO
2R
11、還元剤、および式Vの化合物の第1の反応混合物を、式IIIの化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含み、式中、Z−Y基は、−CH(R
14)−であり、R
14は、HまたはC
1〜C
6アルキルであってよい、方法を提供する。式III、VおよびR
14−C(O)−CO
2R
11のR
3、R
11、X
1、D基および下付き文字nは、前述の通りである。
【0142】
一部の実施形態では、本発明は、式IIIの化合物を調製する方法であって、OHC−CO
2R
11、還元剤、および式Vの化合物の第1の反応混合物を、式III[式中、Z−Y基は、−CH
2−である]の化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含む方法を提供する。式III、VおよびOHC−CO
2R
11のR
3、R
11、X
1、D基および下付き文字nは、前述の通りである。
【0143】
一部の実施形態では、式IIIの化合物は、前述の通り、式IIIaの化合物または式IIIbの化合物であってよい。一部の実施形態では、式III、式IIIaまたは式IIIbの化合物は、構造:
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
を有することができる。一部の実施形態では、式IIIおよび式IIIbの化合物は、構造:
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
を有することができる。
【0144】
一部の実施形態では、式Vの化合物は、前述の通り、式Vaの化合物または式Vbの化合物であってよい。一部の実施形態では、式V、VaまたはVbの化合物は、構造:
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
を有することができる。一部の実施形態では、式V、VaまたはVbの化合物は、構造:
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
を有することができる。一部の実施形態では、式V、VaまたはVbの化合物は、構造:
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
を有することができる。
【0145】
一部の実施形態では、試薬OHC−CO
2R
11は、OHC−CO
2Etであってよい。
【0146】
一部の実施形態では、本発明は、式IIIaの化合物を調製する方法であって、OHC−CO
2R
11、還元剤、および式Vaの化合物の第1の反応混合物を、式IIIaの化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含み、式中、R
11基は、C
1〜C
6アルキルである、方法を提供する。一部の実施形態では、R
11基は、先に定義の通りであってよい。
【0147】
一部の実施形態では、本発明は、構造:
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式IIIbの化合物を調製する方法であって、OHC−CO
2R
11、還元剤、および式Vbの化合物の第1の反応混合物を、式IIIbの化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含み、式中、X
1は、アルキレンであってよく、R
6およびR
7は、それらの両方が結合している窒素と一緒になって、N、O、P、またはSから選択される1個または複数の追加のヘテロ原子を含有することができる置換または非置換複素環を形成することができ、R
11は、アルキルであってよい、方法を提供する。一部の実施形態では、X
1は、C
1〜C
6アルキレンであってよく、R
6およびR
7基は、それらが結合している窒素と一緒になって、ピロリジンまたはピペリジンであってよい複素環を形成することができ、R
11は、C
1〜C
6アルキルであってよい。一部の実施形態では、R
6、R
7、R
11およびX
1基は、前述の通りであってよい。
【0148】
還元的アミノ化方法の還元剤には、任意の適切な還元剤、例えばトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(Na(OAc)
3BH)、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH
4)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH
3CN)、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、水素化トリ−tert−ブトキシアルミニウムリチウム、トリ−メトキシ水素化ホウ素ナトリウム、トリ−(2−エチルヘキサノイルオキシ)水素化ホウ素ナトリウム、亜鉛/塩酸、BH
3−ピリジン、または炭素担持パラジウムと水素雰囲気が含まれ得る。一部の実施形態では、還元剤は、Na(OAc)
3BH、NaBH
3CN、NaBH
4、Zn/HCl、またはBH
3−ピリジンであってよい。一部の実施形態では、還元剤は、Na(OAc)
3BHであってよい。
【0149】
一部の実施形態では、式IIIaの化合物を調製する方法は、OHC−CO
2Et、Na(OAc)
3BH、および構造:
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式Vaの化合物を含む第1の反応混合物を、構造:
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式IIIaの化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含む。
C.式VIからの還元的アミノ化
【0150】
式IIIの化合物は、他の還元的アミノ化条件下で調製することができる。一部の実施形態では、本発明は、式IIIの化合物を調製する方法であって、H
2N−Z−Y−CO
2R
11、還元剤、および式VI:
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の反応混合物を、式III[式中、X
1は、−CH
2−である]の化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含む方法を提供する。式III、VIおよびH
2N−Z−Y−CO
2R
11のZ−Y、R
3、R
11、D基および下付き文字nは、前述の通りである。
【0151】
式VIからの還元的アミノ化は、中間体化合物を介して進行することもできる。一部の実施形態では、本発明は、式IIIの化合物を調製する方法であって、H
2N−Z−Y−CO
2R
11、非求核性塩基、および式VI:
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の第1の反応混合物を、中間体化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含む方法を提供する。該方法はまた、中間体化合物および還元剤の第2の反応混合物を、式III[式中、X
1は、−CH
2−である]の化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含む。式III、VIおよびH
2N−Z−Y−CO
2R
11のZ−Y、R
3、R
11、D基および下付き文字nは、前述の通りである。
【0152】
一部の実施形態では、式IIIおよび式IIIbの化合物は、構造:
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
を有することができる。
【0153】
一部の実施形態では、式VIの化合物は、式VIa:
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物であってよい。一部の実施形態では、式VIの化合物は、式VIb:
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物であってよい。式VIbのR
6およびR
7基は、前述の通りである。
【0154】
一部の実施形態では、式VIの化合物は、式VIc:
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
14は、HまたはC
1〜C
6アルキルであってよい]の化合物であってよい。一部の実施形態では、本発明は、式IIIの化合物を調製する方法であって、H
2N−Z−Y−CO
2R
11、還元剤、および式VIcの化合物の反応混合物を、式III[式中、X
1は、−CH(R
14)−である]の化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含む方法を提供する。式III、VIcおよびH
2N−Z−Y−CO
2R
11のZ−Y、R
3、R
11、D基および下付き文字nは、前述の通りである。
【0155】
一部の実施形態では、式VIおよびVIaの化合物は、構造:
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
を有することができる。一部の実施形態では、式VIおよびVIaの化合物は、構造:
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
を有することができる。一部の実施形態では、式VIおよびVIaの化合物は、構造:
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
を有することができる。
【0156】
一部の実施形態では、試薬H
2N−Z−Y−CO
2R
11は、H
2N−CH
2−CO
2R
11であってよい。一部の実施形態では、試薬H
2N−Z−Y−CO
2R
11は、H
2N−CH
2−CO
2Etであってよい。
【0157】
一部の実施形態では、本発明は、式IIIaの化合物を調製する方法であって、H
2N−CH
2−CO
2R
11、還元剤、および式VIaの化合物の反応混合物を、式IIIaの化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含み、式中、R
11は、C
1〜C
6アルキルである、方法を提供する。一部の実施形態では、反応混合物は、酸も含む。
【0158】
一部の実施形態では、本発明は、構造:
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式IIIbの化合物を調製する方法であって、H
2N−Z−Y−CO
2R
11、還元剤、および式VIbの化合物の反応混合物を、式IIIbの化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含む方法を提供する。一部の実施形態では、反応混合物は、酸も含む。
【0159】
一部の実施形態では、本発明は、式IIIaの化合物を調製する方法であって、H
2N−CH
2−CO
2R
11、非求核性塩基、および式VIaの化合物の第1の反応混合物を、中間体化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含む方法を提供する。該方法はまた、中間体化合物および還元剤の第2の反応混合物を、式IIIa[式中、R
11は、C
1〜C
6アルキルである]の化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含む。
【0160】
一部の実施形態では、本発明は、構造:
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式IIIbの化合物を調製する方法であって、H
2N−Z−Y−CO
2R
11、非求核性塩基、および式VIbの化合物の第1の反応混合物を、中間体化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含む方法を提供する。該方法はまた、中間体化合物および還元剤の第2の反応混合物を、式IIIb[式中、Z−Yは、−CR
4R
5−または−CR
4R
5−CR
4R
5−であってよく、R
4およびR
5の各記述は、それぞれ独立に、HもしくはC
1〜C
6アルキルであってよく、またはそれらが結合している炭素と一緒になって、炭素環を形成することができ、R
6およびR
7は、それらの両方が結合している窒素と一緒になって、N、O、P、またはSから選択される1個または複数の追加のヘテロ原子を含有することができる置換または非置換複素環を形成し、R
11は、アルキルであってよい]の化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含む。一部の実施形態では、Z−Y基は、−CH
2−、−CH(CH
3)−または−CH
2CH
2−であってよく、R
6およびR
7基は、それらが結合している窒素と一緒になって、ピロリジンまたはピペリジンであってよい複素環を形成することができ、R
11は、C
1〜C
6アルキルであってよい。一部の実施形態では、Z−Y、R
4、R
5、R
6、R
7、およびR
11基は、前述の通りであってよい。
【0161】
任意の適切な非求核性塩基を、前述の通り式VI、VIaまたはVIbの化合物から式III、IIIaまたはIIIbの化合物を調製する方法において使用することができる。一部の実施形態では、非求核性塩基は、トリエチルアミンであってよい。
【0162】
任意の適切な還元剤を、前述の通り式VI、VIaまたはVIbの化合物から式III、IIIaまたはIIIbの化合物を調製する方法において使用することができる。一部の実施形態では、還元剤は、Na(OAc)
3BHであってよい。
【0163】
前述の通り、非求核性塩基および還元剤の任意の適切な組合せを、式VI、VIaまたはVIbの化合物から式III、IIIaまたはIIIbの化合物を調製する方法において使用することができる。一部の実施形態では、非求核性塩基は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、およびキヌクリジンから選択することができ、還元剤は、Na(OAc)
3BH、NaBH
3CN、NaBH
4、Zn/HCl、およびBH
3−ピリジンから選択することができる。一部の実施形態では、非求核性塩基は、トリエチルアミンであってよく、還元剤は、Na(OAc)
3BHであってよい。
【0164】
任意の適切な酸を、式VI、VIaまたはVIbの化合物から式III、IIIaまたはIIIbの化合物を調製する方法において使用することができる。例えば、酸は、ギ酸、酢酸等であってよいが、それらに限定されない。一部の実施形態では、酸は、酢酸であってよい。
【0165】
式VI、VIaまたはVIbの化合物から式III、IIIaまたはIIIbの化合物を調製する方法は、追加の試薬を含むこともできる。例えば、硫酸塩、例えば硫酸ナトリウムまたは硫酸マグネシウムを、第1の反応混合物に添加することができる。一部の実施形態では、第1の反応混合物は、硫酸ナトリウムおよび硫酸マグネシウムから選択される硫酸塩を含むこともできる。
【0166】
一部の実施形態では、式VIaの化合物から式IIIaの化合物を調製する方法は、H
2N−CH
2−CO
2Et、NEt
3、MgSO
4、および構造:
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式VIaの化合物の第1の反応混合物を、中間体化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含む。式VIaの化合物から式IIIaの化合物を調製する方法はまた、中間体化合物、Na(OAc)
3BH、および酢酸の第2の反応混合物を、構造:
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式IIIaの化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含む。
【0167】
一部の実施形態では、式VIaの化合物から式IIIaの化合物を調製する方法は、H
2N−CH
2−CO
2Et、Na(OAc)
3BH、酢酸および構造:
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式VIaの化合物の反応混合物を、構造:
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
を有する式IIIaの化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含む。
D.式IIIの化合物を調製する方法のための追加の試薬および反応条件
【0168】
式III、IIIaまたはIIIbの化合物を生成する方法は、任意の適切な溶媒、例えばイソプロパノール、エタノール、メタノール、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、メチル−tert−ブチルエーテル、アセトニトリル、トルエン、ジメチルアセトアミド、またはそれらの組合せを使用して実施され得る。一部の実施形態では、溶媒は、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、2−メチルテトラヒドロフラン、ジクロロメタン、またはそれらの組合せであってよい。一部の実施形態では、溶媒は、テトラヒドロフランであってよい。一部の実施形態では、溶媒は、イソプロパノール、エタノール、メタノール、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、メチル−tert−ブチルエーテル、アセトニトリル、トルエン、ジメチルアセトアミド、またはそれらの組合せであってよい。一部の実施形態では、溶媒は、ジクロロメタンであってよい。
【0169】
式III、IIIaまたはIIIbの化合物を生成する方法は、任意の適切な反応条件下で実施され得る。例えば、第1の反応混合物は、任意の適切な温度、例えば室温未満、室温、または室温超であってよいが、それらに限定されない。一部の実施形態では、第1の反応混合物の温度は、約−20℃〜約100℃、または約0℃〜約50℃、または約10℃〜約30℃であってよい。一部の実施形態では、第1の反応混合物の温度は、約20℃であってよい。一部の実施形態では、第1の反応混合物の温度は、約0℃〜約100℃、または約25℃〜約100℃、または約50℃〜約75℃であってよい。一部の実施形態では、第1の反応混合物の温度は、約60℃であってよい。
【0170】
式III、IIIaまたはIIIbの化合物を生成する方法は、任意の適切な反応時間にわたって実施され得る。例えば、反応時間は、数分、数時間または数日であってよい。一部の実施形態では、反応時間は、数時間、例えば終夜であってよい。第1の反応混合物はまた、任意の適切な圧力であってよい。例えば、第1の反応混合物は、大気圧未満、およそ大気圧、または大気圧超であってよい。一部の実施形態では、第1の反応混合物は、およそ大気圧であってよい。
【0171】
本発明の方法は、式III、IIIaまたはIIIbの化合物を、任意の適切な収率で調製することができる。例えば、式III、IIIaまたはIIIbの化合物の収率は、式V、VaもしくはVbの化合物から少なくとも約10%、または式V、VaもしくはVbの化合物から少なくとも約15%、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、もしくは少なくとも約75%であり得る。一部の実施形態では、式III、IIIaまたはIIIbの収率は、式V、VaまたはVbの化合物から少なくとも25%であり得る。一部の実施形態では、式III、IIIaまたはIIIbの収率は、式V、VaまたはVbの化合物から少なくとも50%であり得る。一部の実施形態では、式III、IIIaまたはIIIbの収率は、式V、VaまたはVbの化合物から少なくとも75%であり得る。
【0172】
本発明の方法は、式III、IIIaまたはIIIbの化合物を、任意の適切な収率で調製することができる。例えば、式III、IIIaまたはIIIbの化合物の収率は、式VI、VIaもしくはVIbの化合物から少なくとも約10%、または式VI、VIaもしくはVIbの化合物から少なくとも約15%、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、もしくは少なくとも約75%であり得る。一部の実施形態では、式III、IIIaまたはIIIbの収率は、式VI、VIaまたはVIbの化合物から少なくとも25%であり得る。一部の実施形態では、式III、IIIaまたはIIIbの収率は、式VI、VIaまたはVIbの化合物から少なくとも50%であり得る。一部の実施形態では、式III、IIIaまたはIIIbの収率は、式VI、VIaまたはVIbの化合物から少なくとも75%であり得る。
VI.式IIIのシュウ酸塩形態および調製方法
【0173】
式III、IIIaまたはIIIbの化合物は、任意の適切な形態であってよい。例えば、式III、IIIaまたはIIIbの化合物は、中性形態または塩形態であってよい。式III、IIIaまたはIIIbの化合物の適切な塩形態には、無機酸付加塩、例えば塩化物、臭化物、硫酸塩、リン酸塩、および硝酸塩;有機酸付加塩、例えば酢酸塩、シュウ酸塩、ガラクタル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、およびアスコルビン酸塩;酸性アミノ酸との塩、例えばアスパラギン酸塩およびグルタミン酸塩が含まれるが、それらに限定されない。塩は、ある場合には、水和物またはエタノール溶媒和物であってよい。
【0174】
一部の実施形態では、式III、IIIaまたはIIIbの化合物は、塩であってよい。一部の実施形態では、式III、IIIaまたはIIIbの化合物は、ビス−シュウ酸塩:
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
であってよい。一部の実施形態では、式III、式IIIaまたは式IIIbの化合物は、ビス−シュウ酸塩:
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
であってよい。一部の実施形態では、式III、式IIIaまたは式IIIbの化合物は、ビス−シュウ酸塩:
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
であってよい。一部の実施形態では、本発明は、構造:
【化106】
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を有する化合物を提供する。
【0175】
式III、IIIaまたはIIIbの化合物の塩形態は、任意の適切な方法によって調製することができる。一部の実施形態では、本発明は、構造:
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
を有する化合物を調製する方法であって、シュウ酸および構造:
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
を有する化合物の反応混合物を、塩を調製するのに適した条件下で形成するステップを含む方法を提供する。
【0176】
式III、IIIaまたはIIIbの化合物の塩形態は、任意の適切な方法によって調製することができる。一部の実施形態では、本発明は、構造:
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
を有する化合物を調製する方法であって、シュウ酸および構造:
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
を有する化合物の反応混合物を、塩を調製するのに適した条件下で形成するステップを含む方法を提供する。
【0177】
式III、IIIaまたはIIIbの化合物のビス−オキサレート形態は、任意の適切な溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、水、またはそれらの組合せ中で調製することができる。一部の実施形態では、溶媒は、エタノールおよび水であってよい。
VII.式IIの化合物を調製する方法
【0178】
本発明はまた、式IIの化合物である4−アミノ−5−ニトロ−2,6−置換ピリミジンを生成する方法を提供する。該方法は、アミンをピリミジンに付加し、クロロ基を置き換えるステップを含む。クロロ置換ピリミジンは、4,6−ジヒドロキシピリミジンから、5位のニトロ基を置換した後、ジヒドロキシ基をクロロ基に変換することによって調製することができる。
【0179】
一部の実施形態では、本発明は、式II:
【化111】
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の化合物を調製する方法であって、アンモニア、第1の非求核性塩基、および式IIb:
【化112】
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の化合物の第1の反応混合物を、式IIの化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含む方法を提供する。式IIおよびIIbのR
1、L
1およびLG基は、前述の通りである。
【0180】
一部の実施形態では、本発明は、式IIaの化合物を調製する方法であって、アンモニア、第1の非求核性塩基、および構造:
【化113】
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を有する式IIbの化合物の第1の反応混合物を、式IIaの化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含み、式中、R
1は、C
1〜C
6アルキルであってよく、LGは脱離基であり、ハロゲン、−OH、または−OSO
2R
13であってよく、R
13は、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6ハロアルキルまたはアリールであってよく、アリール基は、それぞれ独立にC
1〜C
6アルキル、ハロゲン、またはNO
2であってよい1〜3個のR
13a基で置換されていてよい、方法を提供する。
【0181】
式IIまたはIIaの化合物を調製する方法に適した第1の非求核性塩基には、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、およびキヌクリジンが含まれるが、それらに限定されない。一部の実施形態では、第1の非求核性塩基は、トリエチルアミンであってよい。
【0182】
式IIまたはIIaの化合物を調製する方法は、式IIbの化合物を調製する追加のステップを含むことができる。一部の実施形態では、式IIまたはIIaの化合物を調製する方法は、第1の反応混合物を形成するステップの前に、ニトロ化剤および式IIc:
【化114】
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の化合物の反応混合物を、式IId:
【化115】
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の化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含むことができる。該方法はまた、塩素化剤、第2の非求核性塩基および式IIdの化合物の反応混合物を、構造:
【化116】
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を有する式IIbの化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含むことができる。
【0183】
ニトロ化剤は、ピリミジン環の5位をニトロ化するのに適した任意の薬剤を含むことができる。代表的なニトロ化(ntiration)剤には、硝酸が含まれるが、それに限定されない。一部の実施形態では、ニトロ化剤は、硝酸であってよい。
【0184】
塩素化剤には、式IIcのヒドロキシ基をクロロ基で置き換えるのに適した任意の薬剤が含まれ得る。代表的な塩素化剤には、オキシ塩化リン、塩化チオニル、塩化オキサリルおよび塩化スルフリルが含まれるが、それらに限定されない。一部の実施形態では、塩素化剤は、オキシ塩化リンであってよい。
【0185】
第2の非求核性塩基は、式IIまたはIIaの化合物を調製するために使用される非求核性塩基と同じであっても、異なっていてもよい。一部の実施形態では、第2の非求核性塩基は、N,N−ジエチルアニリンであってよい。
【0186】
ニトロ化剤、第1の非求核性塩基、塩素化剤および第2の非求核性塩基の任意の組合せを、式IIまたはIIaの化合物を調製する方法において使用することができる。一部の実施形態では、塩素化剤は、オキシ塩化リン、塩化チオニル、塩化オキサリルおよび塩化スルフリルから選択することができ、第2の非求核性塩基は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、およびキヌクリジンから選択することができる。一部の実施形態では、第1の非求核性塩基は、トリエチルアミンであってよく、ニトロ化剤は、硝酸であってよく、塩素化剤は、オキシ塩化リンであってよく、第2の非求核性塩基は、N,N−ジエチルアニリンであってよい。
【0187】
一部の実施形態では、式IIaの化合物を調製する方法は、硝酸、酢酸、および式IIc:
【化117】
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の化合物の反応混合物を、式IId:
【化118】
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の化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含むことができる。該方法はまた、オキシ塩化リン、N,N−ジメチルアニリン、および式IIdの化合物の反応混合物を、構造:
【化119】
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を有する式IIbの化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含むことができる。該方法はまた、アンモニア、トリエチルアミン、および式IIbの化合物を含む第1の反応混合物を、式IIaの化合物を形成するのに適した条件下で形成するステップを含むことができる。
【0188】
式IIの化合物を生成する方法は、任意の適切な溶媒、例えばイソプロパノール、エタノール、メタノール、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、メチル−tert−ブチルエーテル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、トルエン、ジメチルアセトアミド、水、酢酸、またはそれらの組合せを使用して実施され得る。一部の実施形態では、溶媒は、酢酸であってよい。一部の実施形態では、溶媒は、メタノールおよびテトラヒドロフランであってよい。
【0189】
式IIまたはIIaの化合物を生成する方法は、任意の適切な反応条件下で実施され得る。例えば、第1の反応混合物は、任意の適切な温度、例えば室温未満、室温、または室温超であってよいが、それらに限定されない。一部の実施形態では、第1の反応混合物の温度は、約−50℃〜約100℃、または約−50℃〜約50℃、または約−50℃〜約0℃、または約0℃〜約50℃、または約10℃〜約30℃であってよい。一部の実施形態では、第1の反応混合物の温度は、約−20℃であってよい。一部の実施形態では、第1の反応混合物の温度は、約20℃であってよい。
【0190】
式IIまたはIIaの化合物を生成する方法は、任意の適切な反応時間にわたって実施され得る。例えば、反応時間は、数分、数時間または数日であってよい。一部の実施形態では、反応時間は、数時間、例えば終夜であってよい。第1の反応混合物はまた、任意の適切な圧力であってよい。例えば、第1の反応混合物は、大気圧未満、およそ大気圧、または大気圧超であってよい。一部の実施形態では、第1の反応混合物は、およそ大気圧であってよい。
VIII.式IIeの化合物
【0191】
本発明は、式IIe:
【化120】
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[式中、式IIeのR
1は、アルキル、置換アルキル、ハロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、カルボシクリル、置換カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、置換カルボシクリルアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、または置換ヘテロシクリルアルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、カルボシクリルヘテロアルキル、置換カルボシクリルヘテロアルキル、ヘテロシクリルヘテロアルキル、置換ヘテロシクリルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、置換アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、または置換ヘテロアリールヘテロアルキルであってよい。式IIeのLGは、ハロゲン、−OH、または−OSO
2R
13であってよい脱離基であってよく、R
13は、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6ハロアルキルまたはアリールであってよく、アリール基は、それぞれ独立にC
1〜C
6アルキル、ハロゲン、またはNO
2であってよい1〜3個のR
13a基で置換されていてよい。式IIeのR
12基は、ハロゲン、−OR
12aおよび−N(R
12a)
2から選択することができ、各R
12aは、独立に、HまたはC
1〜C
6アルキルであってよい。式IIeの下付き文字xは、1または2であってよい。またR
12が−NH
2であり、下付き文字xが2である場合、LGはハロゲンである]
の化合物を提供する。
【0192】
一部の実施形態では、本発明は、式IIeの化合物を提供し、ここで式IIeのR
1は、C
1〜C
6アルキルであってよく、LGは、ハロゲン、−OHおよび−O−トシレートから選択される脱離基であり、R
12は、ハロゲン、−OHまたは−NH
2であってよく、下付き文字xは、1または2であってよく、ただし、R
12が−NH
2であり、下付き文字xが2である場合、LGはハロゲンであってよい。
【0193】
一部の実施形態では、式IIeのR
1は、アルキルであってよい。一部の実施形態では、式IIeのR
1は、C
1〜C
6アルキルであってよい。一部の実施形態では、式IIeのR
1は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソ−ペンチルまたはn−ヘキシルであってよい。一部の実施形態では、式IIeのR
1は、メチル、エチル、n−プロピル、またはn−ブチルであってよい。一部の実施形態では、式IIeのR
1は、n−ブチルであってよい。
【0194】
一部の実施形態では、R
13は、メチル、トリフルオロメチルまたはフェニルであってよく、フェニルは、メチル、フルオロ、クロロ、ブロモまたはNO
2であってよい1個のR
13a基で置換されていてよい。
【0195】
一部の実施形態では、式IIeのR
12は、クロロ、−OHまたは−NH
2であってよい。一部の実施形態では、式IIeのR
12は、−NH
2であってよい。
【0196】
一部の実施形態では、式IIeの脱離基LGは、クロロまたは−OHであってよい。一部の実施形態では、式IIeの脱離基LGは、クロロであってよい。
【0197】
一部の実施形態では、下付き文字xは、1または2であってよい。一部の実施形態では、下付き文字xは、1であってよい。一部の実施形態では、下付き文字xは、2であってよい。
【0198】
一部の実施形態では、R
1は、n−ブチルであってよく、R
12は、クロロ、−OHまたは−NH
2であってよく、LGは、クロロまたは−OHであってよい。一部の実施形態では、式IIeの化合物は、
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
から選択することができる。一部の実施形態では、式IIeの化合物は、構造:
【化122】
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を有する。
【0199】
式IIeの化合物には、その異性体、塩、水和物、およびプロドラッグ形態が含まれる。
【実施例】
【0200】
IX.実施例
(実施例1)
2−n−ブトキシ−6−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−アミンの調製
2−n−ブトキシ−6−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−アミンの調製を記載する。
【化123】
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n−ブチルカルバミデート塩酸塩の調製
【化124】
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【0201】
フラスコにn−ブタノール(250mL)を充填し、塩化アセチル(20.6g、262mmol、1.1当量)を、溶液の内部温度を約30℃未満に維持する速度でゆっくり充填した。添加が完了した後、溶液をおよそ15分間撹拌した。その溶液に、シアナミド(10g、238mmol、1.0当量)をn−ブタノール溶液(250mL)として、スラリーの内部温度を約40℃未満に維持する速度でゆっくり充填した。添加が完了したら、内容物温度を約40℃に調整し、反応が完了するまで(典型的な反応時間は約16〜24時間)維持した。混合物を減圧下で濃縮して、n−ブチルカルバミデート塩酸塩を得た。
2−n−ブトキシピリミジン−4,6−ジオールの調製
【化125】
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【0202】
n−ブチルカルバミデート塩酸塩(1.36kg)をメタノール(7L)に溶解させ、約−5℃に冷却した。メタノール中ナトリウムメトキシド(MeOH4.9L中98%NaOMe1.44kg)を、内部温度を約0℃未満に維持する速度で溶液にゆっくり充填した。ナトリウムメトキシドの添加が完了したら、マロン酸メチル(1.18kg)を添加した。得られた反応混合物を、反応が完了するまで約20℃で撹拌した。完了したら、溶液を濃縮し、pHをpH4〜5に調整した。得られた沈殿物を濾過して、2−n−ブトキシピリミジン−4,6−ジオールを得た。
2−n−ブトキシ−5−ニトロピリミジン−4,6−ジオールの調製
【化126】
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【0203】
2−n−ブトキシピリミジン−4,6−ジオール(850g)を、発煙HNO
3(2.1kg)および酢酸(4L)の予め混合した溶液に、約0〜10℃で添加した。溶液を周囲温度で終夜撹拌した。得られた混合物を水(4L)に添加し、それをジクロロメタン(4L)で抽出した。有機相を濃縮し、トルエンと共蒸発させて、2−n−ブトキシ−5−ニトロピリミジン−4,6−ジオールを得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 4.08 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 1.58 (tt, J = 7.1, 7.3 Hz, 2H), 1.35 (tq, J = 7.5, 7.5 Hz), 0.90 (t, J = 7.4 Hz, 3H).
2−n−ブトキシ−4,6−ジクロロ−5−ニトロピリミジンの調製
【化127】
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【0204】
反応器に、2−n−ブトキシ−5−ニトロピリミジン−4,6−ジオール(700g)を充填した後、POCl
3(2.5L)を充填した。混合物を約40℃に加熱し、N,N−ジエチルアニリン(1.2L)をゆっくり添加した。添加が完了したら、さらに3時間にわたって内部温度を約60℃に調整した。反応が完了したとみなされたら、温度を約20℃に調整した。得られた溶液を、水(10L)にゆっくり添加した。混合物をジクロロメタン(5L)で抽出し、減圧下で濃縮した。得られた油状物を、シリカゲルパッドを通過させ、酢酸エチルおよびヘプタンで溶出して、2−n−ブトキシ−4,6−ジクロロ−5−ニトロピリミジンを得た。2−n−ブトキシ−4,6−ジクロロ−5−ニトロピリミジンの精製試料は、以下のスペクトルを有する。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.46 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 1.81 (tt, J = 7.1, 7.3 Hz, 2H), 1.49 (tq, J = 7.5, 7.5 Hz, 2H), 0.98 (t, J = 7.4 Hz, 3H).
2−n−ブトキシ−6−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−アミンの調製
【化128】
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【0205】
MeOH中7MのNH
3(180mL)を、2−n−ブトキシ−4,6−ジクロロ−5−ニトロピリミジン(339g、1.2モル)とEt
3N(240mL)のTHF(1.5L)溶液に約−20℃で滴下添加した。混合物をこの温度で約2時間撹拌し、次にMeOH中7MのNH
320mLをさらに添加し、約1時間撹拌した。この溶液に、水500mLおよびMTBE500mlを添加した。層を分離し、水層をMTBE500mLで抽出した後、1NのHClおよび50%NaH
2PO
3で洗浄して、MTBE溶液を得た。溶液を濃縮し、次にEtOAc:石油エーテル(1:4)1.5リットルから結晶化させて、2−n−ブトキシ−6−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−アミンを得た。2−n−ブトキシ−6−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−アミンの精製試料は、以下のスペクトルを有する。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.35 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 1.75 (tt, J = 7.0, 7.2 Hz, 2H), 1.46 (tq, J = 7.5, 7.5 Hz, 2H), 0.96 (t, J = 7.4 Hz, 3H).
(実施例2)
エチルN−(3−ピロリジン−1−イルメチル)ベンジルグリシネートビス−シュウ酸塩の調製
【0206】
エチルN−(3−ピロリジン−1−イルメチル)ベンジルグリシネートビス−シュウ酸塩の調製を記載する。
【化129】
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3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンゾニトリルの調製
【化130】
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【0207】
水素化ホウ素ナトリウム(6.2kg)およびジクロロメタン(285kg)を合わせた。内容物温度を、約0℃に調整し、酢酸(29kg)を約2時間かけてゆっくり充填した。混合物を、約0℃で2時間かき混ぜ、次に約20℃に温めた。
【0208】
第2の反応容器中、3−シアノベンズアルデヒド(14kg)、ジクロロメタン(52kg)およびピロリジン(7.8kg)を合わせ、得られた混合物を約20℃でかき混ぜた。この混合物に、水素化ホウ素ナトリウム/ジクロロメタン混合物を約20℃で約2時間かけてゆっくり充填した。添加が完了した後、混合物を約20℃で約12時間かき混ぜた。反応が完了したとみなされたら、水酸化ナトリウム水溶液(105kg、10%w/w)を添加した。相を分離し、水相をジクロロメタン(53kg)で3回抽出した。水(71kg)を、合わせた有機相に添加し、pHを、HCl水溶液(71kg、2M)を添加することによって約2に調整した。相を分離し、有機相をHCl水溶液(44kg、1M)で抽出した。合わせた水相のpHを、水酸化ナトリウム水溶液(62kg、10%w/w)を添加することによって12に調整した。水相をジクロロメタン(62kg)で3回抽出した。有機相を、水(14kg)で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。テトラヒドロフラン(20kg)を充填し、濃縮して、3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンゾニトリルを得た。3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンゾニトリルの精製試料は、以下のスペクトルを有する。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.64-7.40 (m, 4H), 3.63 (s, 2H), 2.50 (s, 4H), 1.80 (s, 4H).
(3−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル)メタンアミンの調製
【化131】
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【0209】
Red−Al(トルエン中65wt%、6.8kg、55当量)のトルエン(3L)溶液を、約0℃に冷却した。この溶液に、内部温度を約5℃未満に維持しながら、3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンゾニトリル(810g)のトルエン(8L)溶液を添加した。添加が完了したら、溶液を、約0℃で約1時間かき混ぜ、次に約20℃に温め、約16時間かき混ぜた。
【0210】
かき混ぜ期間が終了した時に、反応内容物を、冷却した(約0℃)水酸化カリウム水溶液(25体積、20L)に、内部温度を約5℃未満に維持する速度で添加した。添加が完了したら、内容物を約20℃に温めた。相を分離し、水相をトルエン(8L)で抽出した。合わせた有機物を減圧下で濃縮して、(3−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル)メタンアミンを得た。(3−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル)メタンアミンの精製試料は、以下のスペクトルを有する。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.19-7.28 (m, 4H), 3.85 (s, 2H), 3.61 (s, 2H), 2.51 (s, 4H), 1.78 (s, 4H), 1.65 (br s, 2H).
エチルN−[3−ピロリジン−1−イルメチル)ベンジル]グリシネートの調製
【化132】
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【0211】
テトラヒドロフラン(130kg)を、約20℃で(3−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル)メタンアミン(15.1kg)およびトリエチルアミン(10.5kg)と合わせた。次に、ブロモ酢酸エチル(13.9kg)を反応内容物に約2時間かけて充填し、得られた混合物を、反応が完了したとみなされるまで約20℃でかき混ぜた。水(520kg)を反応混合物に充填した後、酢酸エチル(135kg)を充填した。相を分離し、水相を酢酸エチル(135kg)で2回抽出した。合わせた有機相を、水(75kg)で洗浄した。有機相を減圧下で濃縮した。得られた油を、メチル(methy)−tert−ブチルエーテルで再構成し、シリカゲル(4kg)で処理した。スラリーを濾過し、メチル−tert−ブチルエーテル(30kg)で洗浄した。
【0212】
濾液を濃縮し、得られた泡状物質を、エタノール(312L)および水(16L)で再構成した。混合物を約70℃に加熱した。エタノール(40kg)に溶解させたシュウ酸(11.4kg)の溶液を、ゆっくり添加した。得られたスラリーを、約60℃に加熱し、約2時間かき混ぜた。スラリーを、約4時間かけて約−5℃にゆっくり冷却した。スラリーを濾過し、固体をエタノール(50kg)で洗浄した。固体を、真空オーブン中で乾燥させて、エチルN−(3−ピロリジン−1−イルメチル)ベンジルグリシネートビス−オキサレートを得た。エチルN−(3−ピロリジン−1−イルメチル)ベンジルグリシネートビス−オキサレートの精製試料は、以下のスペクトルを有する。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.43-7.56 (m, 4H), 4.27 (s, 2H), 4.23 (s, 2H), 4.13 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.88 (s, 2H), 3.35-3.45 (m, 2H), 2.98-3.16 (m, 2H), 1.98-2.06 (m, 2H), 1.79-1.95 (m, 2H), 1.13 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
(実施例3)
エチルN−(3−ピロリジン−1−イルメチル)ベンジルグリシネートビス−オキサレートの調製
【0213】
エチルN−(3−ピロリジン−1−イルメチル)ベンジルグリシネートビス−オキサレートの調製を記載する。
【化133】
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【0214】
(3−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル)メタンアミン(500mg、2.6mmol)を、ジクロロエタン(7.5mL)に溶解させた。グリオキサル酸エチル(540mg、2.9モル、トルエン中約50重量%溶液)を添加した後、アセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(840mg、3.9mmol)を添加した。完了したとみなされたら、反応を飽和重炭酸ナトリウム溶液(5mL)でクエンチした。相を分離し、有機相を濃縮した。シュウ酸塩を、前述と同様に調製した。エチルN−(3−ピロリジン−1−イルメチル)ベンジルグリシネートビス−オキサレートの精製試料は、前述のものと同じ
1H NMRを有する。
(実施例4)
エチルN−(3−ピロリジン−1−イルメチル)ベンジルグリシネートビス−オキサレートの調製
【0215】
エチルN−(3−ピロリジン−1−イルメチル)ベンジルグリシネートビス−オキサレートの調製を記載する。
1−(3−ブロモベンジル)ピロリジンの調製
【化134】
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【0216】
3−ブロモベンズアルデヒド(350g、1.83mol)のエタノール(1.9L)溶液を、約15℃に冷却し、反応内容物の温度を約25℃未満に維持しながら、ピロリジン(135g、1.90mol)を添加した。添加が完了した後、反応混合物を室温で約2時間撹拌した。次に、反応混合物を濃縮し、エタノール(1.4L)で希釈した。
【0217】
別個の丸底フラスコに、エタノール(960mL)を充填した。水素化ホウ素ナトリウム(96g、2.5mol)を、温度を約15℃に維持しながら約30分かけて少しずつ充填した。最初に調製したエタノール溶液を、温度を約35℃未満に維持しながら添加漏斗によって30分かけて第2のエタノール溶液に添加した。添加が完了したら、反応が完了したとみなされるまで混合物を室温で撹拌した。反応混合物を約0℃に冷却し、温度を約25℃未満に維持しながら、水(800mL)を30分かけて添加することによってクエンチした。HCl水溶液(1.5L)を、温度を約35℃未満に維持しながら30分かけて添加した。混合物を、添加後約10分間、室温で激しく撹拌した。混合物を、メチル−tert−ブチルエーテル(2L)で抽出し、次に酸性水層を、NaOH水溶液(780mL)を添加することによって塩基性にした。得られた水層を、メチル−tert−ブチルエーテル(4L×2)で抽出した。合わせた有機層を濃縮し、トルエンと共蒸発させた。溶液を、炭酸カリウム(80g、325メッシュ)で処理し、スラリーを濾過し、ケーキをトルエン(300mL)ですすぎ、濃縮して、1−(3−ブロモベンジル)ピロリジンを得た。(1−(3−ブロモベンジル)ピロリジン)の精製試料は、以下のスペクトルを有する。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 7.1-7.5 (m, 4H), 3.6 (s, 2H), 2.4-2.6 (m, 4H), 1.7-1.9 (m, 4H).
3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンズアルデヒドの調製
【化135】
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【0218】
テトラヒドロフラン(1.5L)を、丸底フラスコに充填し、約5℃に冷却した。イソプロピルマグネシウムクロリド(THF中1.9M、215mL、406mmol)を、温度を約15℃未満に維持しながら、約10分かけて添加した。添加が完了した後、溶液を約−10℃に冷却し、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.5M、542mL、812mmol)を約30分かけて添加した。得られた溶液を約0℃で約45分間撹拌し、次に約−10℃に冷却した。1−(3−ブロモベンジル)ピロリジン(167g、88重量%、611mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(750mL)溶液を、温度を約−10℃〜−15℃に維持しながら25分かけて添加した。添加が完了したら、反応が完了したとみなされるまで、混合物を約−10℃〜−15℃で撹拌した。
【0219】
N,N−ジメチルホルムアミド(145mL、1.88mol)のテトラヒドロフラン(150mL)溶液を、反応混合物に、約−10℃〜−15℃で約20分かけて添加した。混合物を、約−5℃〜0℃で約1時間撹拌した。反応が完了したとみなされたら、混合物を約−10℃に冷却し、激しく撹拌しながら水(1L)を20分かけて温度を約0℃〜10℃未満に維持しながらゆっくり添加することによって反応をクエンチした。混合物を室温に温め、底部の水層を廃棄した。有機層を、2MのH
3PO
4で2回(650mL×1および150mL×1)抽出した。これらの水層を合わせ、メチル−tert−ブチルエーテル(500mL)に充填した。混合物を、かき混ぜながら約10℃に冷却した。3NのNaOH(約550mL)を温度を約25℃未満に維持しながらゆっくり添加することによって水層を塩基性にした。混合物を濾過し、固体をメチル−tert−ブチルエーテル(250mL)で洗浄した。濾液を分液漏斗に移し、層を分離した。有機層を水(400mL)で洗浄した。得られた有機層(約960mL)を濃縮し、トルエンと共蒸発させて、生成物3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンズアルデヒドを得た。3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンズアルデヒドの精製試料は、以下のスペクトルを有する。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 10.0 (s, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.75 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.48 (dd, J = 7.5, 7.5 Hz, 1H), 3.7 (s, 2H), 2.4-2.6 (m, 4H), 1.7-1.9 (m, 4H).
エチルN−(3−ピロリジン−1−イルメチル)ベンジルグリシネートビス−オキサレートの調製
【化136】
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【0220】
丸底フラスコに、ジクロロエタン(1.2L)、3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンズアルデヒド(118g、約70重量%、423mmol)およびグリシンエチルエステル塩酸塩(118g、845mmol)を充填した。混合物を、室温で約10分間かき混ぜ、次にトリエチルアミン(118mL、845mmol)および硫酸マグネシウム(無水粉末、320g)を添加した。反応混合物を約35℃で約2時間撹拌した。
【0221】
混合物を、無水硫酸マグネシウム(100g)を含有する漏斗を介して濾過した。濾過ケーキをジクロロエタン(200mL×2)ですすいだ。合わせた濾液をおよそ200mLまで濃縮し、ジクロロエタン(1L)で希釈した。得られた溶液を約10℃に冷却した。(トリアセトキシ)水素化ホウ素ナトリウム(116g、550mmol)を、5回に分けて20分かけて添加した。温度を約−10℃に調整し、反応混合物に酢酸(120mL、2.1mol)を、温度を約0℃未満に維持しながら約20分かけて添加した。添加が完了した後、反応が完了したとみなされるまで、反応混合物を約1時間かけて室温に温めた。混合物を約−10℃に冷却し、激しく撹拌しながら水(200mL)を15分かけてゆっくり温度を約10℃未満に維持しながら添加することによってクエンチした。添加が完了したら、混合物を室温に温めた。HCl水溶液(300mL)を、約3のpHが達成されるまで混合物に添加した。層を分離し、ジクロロエタン層を0.3NのHCl(100mL)で抽出した。合わせた酸性水層を、メチル−tert−ブチルエーテル(600mL)と合わせ、約10℃に冷却した。pHが9〜10になるまで、50%w/wNaOH溶液(約250mL)を、温度を約25℃未満に維持しながら激しく撹拌しながら約20分かけて添加した。相を分離し、有機層を水(250mL)で洗浄した。合わせた水層を、メチル−tert−ブチルエーテル(250mL)で抽出した。合わせた有機層を濃縮し、残留物をエタノール(1.8L)に溶解させた。シュウ酸(66g、730mmol、2.1当量)のエタノール(500mL)溶液を、室温で撹拌しながら約1時間かけてゆっくり添加した。得られたスラリーを、約60℃に加熱し、約2時間かき混ぜた。スラリーを、約4時間かけて約−5℃にゆっくり冷却した。スラリーを濾過し、固体をエタノール(500mL)で洗浄した。固体を、真空オーブン中で乾燥させて、生成物を得た。エチルN−(3−ピロリジン−1−イルメチル)ベンジルグリシネートビス−オキサレートの精製試料は、以下のスペクトルを有する。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.43-7.56 (m, 4H), 4.27 (s, 2H), 4.23 (s, 2H), 4.13 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.88 (s, 2H), 3.35-3.45 (m, 2H), 2.98-3.16 (m, 2H), 1.98-2.06 (m, 2H), 1.79-1.95 (m, 2H), 1.13 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
(実施例5)
エチルN−(3−ピロリジン−1−イルメチル)ベンジルグリシネートビス−オキサレートの調製
【0222】
エチルN−(3−ピロリジン−1−イルメチル)ベンジルグリシネートビス−オキサレートの調製を記載する。
3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンズアルデヒドの調製
【化137】
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【0223】
3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンゾニトリル(200mg、1.2mmol)を、フラスコに充填し、ジクロロメタン(1.5mL)に溶解させた。溶液を約−78℃に冷却し、水素化ジ−イソブチルアルミニウム(1.5mL、トルエン中1M)をゆっくり添加した。反応物を約−78℃で1時間撹拌し、次に室温に温め、終夜撹拌した。反応を、飽和硫酸ナトリウム溶液でクエンチし、ジクロロメタンに抽出した。有機層を濃縮し、次にシリカゲルによりクロマトグラフ処理し、ジクロロメタンおよびメタノールで溶出して、所望のアルデヒドを得た。精製試料は、以下のスペクトルを有する。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 10.0 (s, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.75 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.48 (dd, J = 7.5, 7.5 Hz, 1H), 3.7 (s, 2H), 2.4-2.6 (m, 4H), 1.7-1.9 (m, 4H).
エチルN−(3−ピロリジン−1−イルメチル)ベンジルグリシネートビス−オキサレートの調製
【化138】
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【0224】
標題化合物を、前述の通り調製した。
(実施例6)
4−アミノ−2−ブトキシ−8−(3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンジル)−7,8−ジヒドロプテリジン−6(5H)−オンの調製
【0225】
4−アミノ−2−ブトキシ−8−(3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンジル)−7,8−ジヒドロプテリジン−6(5H)−オンの調製を記載する。
【化139】
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エチル2−((6−アミノ−2−ブトキシ−5−ニトロピリミジン−4−イル)(3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンジル)アミノ)アセテート塩酸塩の調製
【化140】
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【0226】
フラスコに、2−ブトキシ−6−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−アミン(300g、1.0当量)、エチルN−(3−ピロリジン−1−イルメチル)ベンジルグリシネートビス−オキサレート(555g、1.0当量)および酢酸エチル(6L)を充填した。混合物をかき混ぜ、約0℃に冷却した。トリエチルアミン(616g、5.0当量)を、ゆっくり添加し、内部温度を約0℃に維持した。混合物を室温に温め、反応物が完了したとみなされるまでかき混ぜた。次に、反応を、炭酸カリウム水溶液(10w/w%、6L)でクエンチした。相を分離し、水相を酢酸エチル(6L)で抽出した。合わせた有機層を濃縮し、酢酸エチル(6L)で再構成した。エタノール(600mL)を添加し、得られた溶液を室温でかき混ぜた。濃HCl(102mL、1.0当量)を、反応混合物にゆっくり添加した。得られたスラリーを、約20℃で約16時間かき混ぜた。固体を濾過によって収集し、酢酸エチル/エタノール(600mL、9/1v/v)で洗浄した。生成物を、真空下で乾燥させて、エチル2−((6−アミノ−2−ブトキシ−5−ニトロピリミジン−4−イル)(3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンジル)アミノ)アセテート塩酸塩(504g、収率79%)を得た。エチル2−((6−アミノ−2−ブトキシ−5−ニトロピリミジン−4−イル)(3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンジル)アミノ)アセテート塩酸塩の精製試料は、以下のスペクトルを有する。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 12.71 (br s, 1H), 7.63-7.69 (m, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.30-7.43 (m, 2H), 4.77 (s, 2H), 4.05-4.25 (m, 8H), 3.50-3.66 (m, 2H), 2.71-2.94 (m, 2H), 2.10-2.31 (m, 2H), 1.90-2.10 (m, 2H), 1.62-1.69 (m, 2H), 1.32-1.46 (m, 2H), 1.21-1.29 (m, 3H), 0.85-0.98 (m, 3H).
4−アミノ−2−ブトキシ−8−(3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンジル)−7,8−ジヒドロプテリジン−6(5H)−オンの調製
【化141】
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【0227】
フラスコに、エチル2−((6−アミノ−2−ブトキシ−5−ニトロピリミジン−4−イル)(3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンジル)アミノ)アセテート塩酸塩(451g、1.0当量)、酢酸(900mL、18当量)および水(1.7L)を充填した。溶液を、約20℃で約15分間かき混ぜた。亜鉛(196g、3.5当量)を、内部温度を約40℃未満に維持しながら、数回に分けて充填した。亜鉛の添加が完了した後、混合物を約20℃で約16時間撹拌した。反応が完了したとみなされたら、混合物を濾過し、固体を水(550mL)で洗浄した。濾液を、炭酸ナトリウム水溶液(11L、20%w/w)を入れたフラスコにゆっくり移し、得られたスラリーを室温で約2時間かき混ぜた。固体を濾過によって収集し、水(10L)およびメタノール(2.5L)で洗浄した。固体をフラスコに移し、メタノールおよびジクロロメタンの溶液(13L、1/2v/v)に溶解させた。溶液を、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、メタノールで摩砕して、4−アミノ−2−ブトキシ−8−(3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンジル)−7,8−ジヒドロプテリジン−6(5H)−オンを得た。生成物の精製試料は、以下のスペクトルを有する。
1H NMR (400 MHz, 99:1, CD
3OD:CD
3CO
2D) δ 7.51-7.40 (m, 4H), 4.82 (s, 2H), 4.34 (s, 2H), 4.19 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.93 (s, 2H), 3.24-3.34 (m, 4H), 2.06 (tt, J = 3.5, 3.5 Hz, 4H), 1.67 (tt, J = 7.1, 7.3 Hz, 2H), 1.42 (tq, J = 7.5, 7.5 Hz, 2H), 0.93 (t, J = 7.4, 3H).
(実施例7)6−アミノ−2−ブトキシ−5−ニトロピリミジン−4−オールの調製
【0228】
6−アミノ−2−ブトキシ−5−ニトロピリミジン−4−オールの調製を記載する。
【化142】
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6−アミノ−2−ブトキシピリミジン−4−オールの調製
【化143】
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【0229】
反応器に、n−BuOH中20%のn−BuONa(19.2g、40mmol、2当量)を充填した。n−ブチルカルバミデート塩酸塩(3.05g、20mmol、1当量)を添加した後、シアノ酢酸n−ブチル(2.82g、20mmol、1当量)を添加し、混合物を約80℃に加熱した。約3時間後、追加量のn−BuOH中20%のn−BuONa(9.5g、20mmol、1当量)を添加し、反応物を約80℃で約9時間撹拌した。反応物を約20℃に冷却し、AcOH(2当量、2.4g)でクエンチし、水とMeTHFとの間で分配した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濃縮して、オレンジ色の固体を得た。シリカゲル(95/5v/vDCM/MeOH)で精製して、6−アミノ−2−ブトキシ−5−ニトロピリミジン−4−オールを得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.30 (s, 2H), 6.29 (s, 2H), 4.67 (s, 1H), 4.16 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 1.87 (s, 1H), 1.58 (tt, J = 6.7, 6.7 Hz, 2H), 1.32 (dq, J = 7.4, 6.7 Hz, 2H), 0.86 (t, J = 7.4 Hz, 3H).
6−アミノ−2−ブトキシ−5−ニトロソピリミジン−4−オールの調製
【化144】
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【0230】
フラスコに、6−アミノ−2−ブトキシピリミジン−4−オール(0.42g、2.3mmol)およびAcOH(4mL)を充填した。得られた懸濁液を約22℃で撹拌し、固体亜硝酸ナトリウム(0.16g、2.3mmol、1当量)を添加すると、反応混合物が紫色に変化し、2分間かけて約26℃にわずかに発熱した。約1時間後、反応混合物を濃縮し、MeTHFと水との間で分配した。水層を、1MのNaHSO
4で約pH1の酸性にし、層を分離した。水層をMeTHFで2回抽出し、有機物を合わせ、濃縮した。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 5.23 (d, J = 6.6 Hz, 2H), 4.38 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 1.68 (tt, J = 7.4, 6.6 Hz, 2H), 1.47 - 1.28 (m, 2H), 0.91 (t, J = 7.4 Hz, 3H).
6−アミノ−2−ブトキシ−5−ニトロソピリミジン−4−オールの代替調製
【化145】
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【0231】
ジャケット付き反応器に、n−BuOH中20%のn−BuONa(14.4g、30mmol、3当量)を充填した。O−(n−ブチル)イソウロニウム(isouronuim)トシレート(2.9g、10mmol、1当量)を添加した後、エチルシアノグリオキシレート2−オキシム(1.4g、10mmol、1当量)を添加し、混合物を約40℃に約22時間加熱した。反応を、AcOH(2当量)でクエンチし、EtOAcと希薄ブラインとの間で分配した。有機層を水で4回洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、シリカゲル(95/5v/vDCM/MeOH)で精製して、6−アミノ−2−ブトキシ−5−ニトロソピリミジン−4−オールを得た。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 5.23 (d, J = 6.6 Hz, 2H), 4.38 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 1.68 (tt, J = 7.4, 6.6 Hz, 2H), 1.47 - 1.28 (m, 2H), 0.91 (t, J = 7.4 Hz, 3H).
6−アミノ−2−ブトキシ−5−ニトロピリミジン−4−オールの調製
【化146】
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【0232】
6−アミノ−2−ブトキシ−5−ニトロソピリミジン−4−オール(400mg、1.88mmol)およびトリフルオロ酢酸(4mL)を合わせ、約5℃に冷却した。30%過酸化水素(0.42mL、3.77mmol、2当量)を滴下添加し、次に約1時間撹拌した。反応は、従来の方法では不完全とみなされたので、追加量の30%過酸化水素(0.25mL)を添加し、反応物を約30分間撹拌した。反応混合物を濃縮し、MeTHFと1MのNaOAcとの間で分配した。シリカゲル(95/5v/vDCM/MeOH)で精製して、6−アミノ−2−ブトキシ−5−ニトロピリミジン−4−オールを得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 12.04 (s, 1H), 8.74-8.80 (m, 2H), 4.33 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 1.66 (tt, J = 7.1, 7.2 Hz, 2H), 1.37 (tq, J = 7.4, 7.4 Hz, 2H), 0.91 (t, J = 7.4 Hz, 3H).
(実施例8)
エチル2−((6−アミノ−2−ブトキシ−5−ニトロピリミジン−4−イル)(3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンジル)アミノ)アセテートの調製
【化147】
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【0233】
フラスコに、6−アミノ−2−ブトキシ−5−ニトロピリミジン−4−オール(0.28g、1.22mmol、1当量)およびアセトニトリル(4mL)を充填した。2,4,6−コリジン(0.65mL、4当量)を添加した後、p−トルエンスルホニルクロリド(0.23g、1当量)を添加した。反応混合物を約60℃で約6時間撹拌した後、p−トルエンスルホニルクロリド(0.06g、0.25当量)をさらに充填した。約60℃でさらに1時間後、エチルN−(3−ピロリジン−1−イルメチル)ベンジルグリシネートビス−シュウ酸塩(0.56g、1当量)を添加し、反応混合物を周囲温度に冷却し、約15時間撹拌した。反応混合物をMeTHFで希釈し、飽和炭酸カリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、真空中で濃縮した。残留物を、シリカゲル(95/5v/vDCM/MeOH)で精製して、生成物を得た。NMRは、WO2010/077613に既に記載のものと一致する。
(実施例9)
エチル2−((6−アミノ−2−ブトキシ−5−ニトロピリミジン−4−イル)(4−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンジル)アミノ)アセテートの調製
【化148】
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【0234】
この化合物を、
図8に示したスキームに従って調製した。
【0235】
4−(ブロモメチル)−ベンズアルデヒドの調製。4−(ブロモメチル)−ベンゾニトリル(18.50g、94.4mmol、1当量)のトルエン(185mL)溶液に、約90分かけて0℃でDibal−H(トルエン中1.5M、78.7mL、118mmol、1.25当量)を添加した。添加が完了したら、反応物をさらに90分間撹拌した。次に、1.0MのHCl水溶液(462.5mL、462.5mmol)を注意深く添加し、反応物を15分間撹拌した。有機相を収集し、水相を酢酸エチル(2×250mL)で抽出した。すべての有機抽出物を合わせ、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、4−(ブロモメチル)−ベンズアルデヒドを得、それを次のステップで直接使用した。
【0236】
4−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンズアルデヒドの調製。K
2CO
3(35.4g、257mmol、3当量)の無水エタノール(150mL)懸濁液を、ピロリジン(6.12g、85mmol、1当量)で処理した。その混合物に、4−(ブロモメチル)−ベンズアルデヒド(17g、85mmol、1当量)を添加し、反応物を約65℃で約1時間加熱した。反応物を冷却し、濾過した。ケーキをエタノールで洗浄した。濾液を濃縮して残留物を得、それをDCM(500mL)と2%w/vNaHCO
3水溶液(500mL)との間で分配した。有機相を収集し、水層をDCM(2×300mL)で抽出した。有機層を合わせ、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、4−(ピロリジン−1−イルメチル)−ベンズアルデヒドを得た。
【0237】
エチルN−(4−ピロリジン−1−イルメチル)ベンジルグリシネートの調製。グリシンエチルエステル塩酸塩(270mg、1.94mmol、3当量)、4−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンズアルデヒド(122mg、0.65mmol、1当量)、および1,2−ジクロロエタン(5mL)を、周囲温度においてNaBH(OAc)
3(274mg、1.67mmol、2.6当量)で少しずつ処理した。約5分後、氷AcOH(77mg、1.3mmol)を周囲温度で約5分かけて滴下添加した。反応が完了したら、混合物を、飽和NaHCO
3水溶液でpH約8.0にクエンチした。クエンチした反応物を、周囲温度に温め、約30分間撹拌した。二相系をDCM(3×20mL)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮して、標題化合物を得た。
【0238】
[(6−アミノ−2−ブトキシ−5−ニトロ−ピリミジン−4−イル)−(4−ピロリジン−1−イルメチル−ベンジル)−アミノ]−酢酸エチルエステルの調製。2−ブトキシ−6−クロロ−5−ニトロ−ピリミジン−4−イルアミン(0.25g、1.02mmol、1当量)のTHF(5mL)溶液に、約0℃でEt
3N(0.31mL、2.25mmol、2.2当量)を添加し、混合物を約15〜20分間撹拌した。この混合物に、THF(3mL)中エチルN−(4−ピロリジン−1−イルメチル)ベンジルグリシネート(0.3g、1.1mmol、1.1当量)を約5分かけて添加した。反応が完了するまで、反応混合物を周囲温度で撹拌した。反応混合物を濾過し、濾過ケーキをEtOAcで洗浄した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、標題化合物を得た。
【0239】
4−アミノ−2−ブトキシ−8−(4−ピロリジン−1−イルメチル−ベンジル)−7,8−ジヒドロ−5H−ペリジン−6−オンの調製。[(6−アミノ−2−ブトキシ−5−ニトロ−ピリミジン−4−イル)−(4−ピロリジン−1−イルメチル−ベンジル)−アミノ]−酢酸エチルエステル(0.25g、0.49mmol、1当量)のMeOH(10mL)溶液に、ラネー−Ni(100mg、湿潤)を添加した。混合物を脱気し、水素を満たした(3×)。混合物を、水素雰囲気下で周囲温度において終夜撹拌し、濾過し、濃縮して粗製生成物を得、それをMeOH/酢酸エチル(1:10v/v)で洗浄し、乾燥させて、標題化合物を得た。LC−MS:410、実測値411(M+1)。NMRは、WO2010/077613に既に記載のものと一致する。
(実施例10)
4−アミノ−2−ブトキシ−8−(3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンジル)−7,8−ジヒドロプテリジン−6(5H)−オンの調製
【0240】
4−アミノ−2−ブトキシ−8−(3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンジル)−7,8−ジヒドロプテリジン−6(5H)−オンの調製を記載する。
【化149】
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エチル2−((6−アミノ−2−ブトキシ−5−ニトロピリミジン−4−イル)(3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンジル)アミノ)アセテート塩酸塩の調製
【化150】
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【0241】
フラスコに、2−ブトキシ−6−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−アミン(125g、1.0当量)、エチルN−(3−ピロリジン−1−イルメチル)ベンジルグリシネートビス−オキサレート(231g、1.25当量)および酢酸イソプロピル(2.5L)を充填した。混合物をかき混ぜ、約5℃に冷却した。トリエチルアミン(256g、5.0当量)をゆっくり添加し、内部温度を約10℃に維持した。混合物を室温に温め、反応が完了したとみなされるまでかき混ぜた。次に反応を、ブライン(1.5w/w%、1.5L)、NH
4OH(125g)および水(0.75L)でクエンチした。相を分離し、有機相を水(1L)で洗浄した。合わせた水相を、酢酸イソプロピル(1.25L)で抽出した。合わせた有機層を、体積約2.5Lまで濃縮した。新しい酢酸イソプロピル(1.5L)を添加し、得られた溶液を、体積約3.2Lまで濃縮した。イソプロピルアルコール(250mL)を20℃で添加した。エチル2−((6−アミノ−2−ブトキシ−5−ニトロピリミジン−4−イル)(3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンジル)アミノ)アセテート塩酸塩の種(3.75g)を添加した後、濃HCl(43mL、1.0当量)を反応混合物にゆっくり添加した。得られたスラリーを、約20℃で約16時間かき混ぜた。固体を濾過によって収集し、酢酸イソプロピル/イソプロパノール(625mL、9/1v/v)で洗浄した。生成物を真空下で乾燥させて、エチル2−((6−アミノ−2−ブトキシ−5−ニトロピリミジン−4−イル)(3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンジル)アミノ)アセテート塩酸塩(239g、収率90%)を得た。エチル2−((6−アミノ−2−ブトキシ−5−ニトロピリミジン−4−イル)(3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンジル)アミノ)アセテート塩酸塩の精製試料は、以下のスペクトルを有する。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 12.71 (br s, 1H), 7.63-7.69 (m, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.30-7.43 (m, 2H), 4.77 (s, 2H), 4.05-4.25 (m, 8H), 3.50-3.66 (m, 2H), 2.71-2.94 (m, 2H), 2.10-2.31 (m, 2H), 1.90-2.10 (m, 2H), 1.62-1.69 (m, 2H), 1.32-1.46 (m, 2H), 1.21-1.29 (m, 3H), 0.85-0.98 (m, 3H).
4−アミノ−2−ブトキシ−8−(3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンジル)−7,8−ジヒドロプテリジン−6(5H)−オンの調製
【化151】
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【0242】
フラスコに、エチル2−((6−アミノ−2−ブトキシ−5−ニトロピリミジン−4−イル)(3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンジル)アミノ)アセテート塩酸塩(200g、1.0当量)、水(740mL)および酢酸(382mL、17.5当量)を充填した。溶液を、約20℃で約15分間かき混ぜた。別個のフラスコ中、亜鉛(87.5g、4当量)および水(400mL)を混合し、第1のフラスコの溶液を、内部温度を約40℃未満にするようにゆっくり添加した。添加が完了した後、第1のフラスコを水250mLですすぎ、反応物に添加し、混合物を約20℃で約1時間撹拌した。反応が完了したとみなされたら、混合物を濾過し、固体を水(400mL)で洗浄した。水酸化アンモニウム(770mL)を、濾液にゆっくり添加し、得られたスラリーを約20℃で約2時間撹拌した。固体を濾過によって収集し、水(2×1L)、メタノール(1L)および酢酸イソプロピル(1L)で洗浄した。固体をフラスコに移し、メタノールおよびジクロロメタンの溶液(4.2L、1/2.2v/v)に溶解させた。溶液を、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。精製した溶液を約1.3Lに濃縮した。メタノール(2.5L)を添加し、混合物を約1.3Lに濃縮した。追加分のメタノール(2.5L)を添加し、混合物を約1.3Lに濃縮した。得られたスラリーを、約20℃で3時間撹拌した。固体を濾過によって収集し、メタノール(260mL)および酢酸イソプロピル(260mL)で洗浄した。生成物を、真空下で乾燥させて、4−アミノ−2−ブトキシ−8−(3−(ピロリジン−1−イルメチル)ベンジル)−7,8−ジヒドロプテリジン−6(5H)−オン(111g、85%)を得た。生成物の精製試料は、以下のスペクトルを有する。
1H NMR (400 MHz, 99:1, CD
3OD:CD
3CO
2D) δ 7.51-7.40 (m, 4H), 4.82 (s, 2H), 4.34 (s, 2H), 4.19 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.93 (s, 2H), 3.24-3.34 (m, 4H), 2.06 (tt, J = 3.5, 3.5 Hz, 4H), 1.67 (tt, J = 7.1, 7.3 Hz, 2H), 1.42 (tq, J = 7.5, 7.5 Hz, 2H), 0.93 (t, J = 7.4, 3H).
【0243】
ここまで、明確な理解を得るために本発明を例示と実施例によっていくらか詳細に説明してきたが、当業者は、添付の特許請求の範囲内で、ある特定の変更および改変を加え得ることを理解している。さらに、本明細書に提示された各参考文献は、各参考文献が参照によって個々に組み込まれるのと同程度に、その全体が参照によって組み込まれる。本出願と本明細書に提示された参考文献との間に矛盾が生じる場合には、本出願が優先されるものとする。
前記非求核性塩基が、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、およびキヌクリジンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
前記還元剤が、亜鉛、鉄、ラネーニッケル、硫化ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム、硫化アンモニウム、炭素担持パラジウム、水素化アルミニウムリチウム、および水素化ホウ素ナトリウムからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
前記非求核性塩基が、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、およびキヌクリジンからなる群から選択される、請求項23に記載の方法。
前記非求核性塩基が、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、およびキヌクリジンからなる群から選択され、
前記還元剤が、Na(OAc)3BH、NaBH3CN、NaBH4、Zn/HCl、およびBH3−ピリジンからなる群から選択される、請求項31に記載の方法。
前記第1の非求核性塩基が、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、およびキヌクリジンからなる群から選択される、請求項38に記載の方法。