(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-527249(P2017-527249A)
(43)【公表日】2017年9月14日
(54)【発明の名称】短絡防止付き充電式装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20170818BHJP
H02H 7/18 20060101ALI20170818BHJP
A24F 47/00 20060101ALI20170818BHJP
【FI】
H02J7/00 S
H02H7/18
A24F47/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-506758(P2017-506758)
(86)(22)【出願日】2015年7月20日
(85)【翻訳文提出日】2017年2月6日
(86)【国際出願番号】EP2015066576
(87)【国際公開番号】WO2016023711
(87)【国際公開日】20160218
(31)【優先権主張番号】14180991.3
(32)【優先日】2014年8月14日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】ベルナウアー ドミニク
【テーマコード(参考)】
5G053
5G503
【Fターム(参考)】
5G053AA02
5G053BA01
5G053CA01
5G053EC03
5G053FA07
5G503AA04
5G503BA01
5G503BB02
5G503CA01
5G503FA17
(57)【要約】
充電式電子装置の手持ち式の電気的に動作する喫煙装置であって、充電式電源と、MOSFET電圧制御されるスイッチによって充電式電源に接続される第一の充電接点(MOSFETは電源端子、ドレイン端子、およびゲート端子を持つ)と、オペアンプであって、電源端子に接続されるオペアンプの非反転入力、ドレイン端子に接続されるオペアンプの反転入力、およびその中のゲート端子に接続される出力を有するオペアンプと、充電式電源に接続される第二の充電接点(第一の充電接点と充電式電源との間の電圧差が第一の閾値電圧より低い時に、電圧制御されるスイッチMOSFETが第一の電気接点と充電式電源との間のスイッチを通した電流フローを防止するように構成される)と、を備える喫煙装置であって、この装置は、電源端子とドレイン端子との間の電圧差を増幅し、これをゲート端子に適用し、閉ループフィードバックをオペアンプの反転入力に適用し、バイアス抵抗器がオペアンプの反転入力と電気接地との間に接続されるように構成される。この配列は、整流器ダイオードと比較して小さくかつ比較的わずかな電力しか引き出さない方法で短絡保護を可能にする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電式の手持ち式の電気的に動作する喫煙装置であって、
充電式電源と、
MOSFETによって前記充電式電源に接続される第一の充電接点であって、前記MOSFETが電源端子、ドレイン端子、およびゲート端子を持つ、第一の充電接点と、
オペアンプであって、前記電源端子に接続される前記オペアンプの非反転入力、前記ドレイン端子に接続される前記オペアンプの反転入力、およびその中の前記ゲート端子に接続される出力を有するオペアンプと、
前記充電式電源に接続される第二の充電接点と、を備え、
前記MOSFETが、前記第一の充電接点と前記充電式電源との間の電圧差が第一の閾値電圧より低い時に、前記第一の電気接点と前記充電式電源との間の前記MOSFETを通した電流フローを防止するように構成され、前記装置が、前記電源端子と前記ドレイン端子との間の電圧差を増幅し、かつこれを前記ゲート端子に適用するように構成され、閉ループフィードバックが前記オペアンプの前記反転入力に適用され、前記電源端子における電圧が前記ドレイン端子における電圧と等しい時に前記MOSFETが確実にブロックされるように、バイアス抵抗器が前記オペアンプの前記反転入力と電気接地との間に接続される、充電式喫煙装置。
【請求項2】
前記MOSFETがP−チャネルMOSFETである、請求項1に記載の充電式喫煙装置。
【請求項3】
前記充電式電源を充電するために正常な充電電流が前記電源端子に適用される時に、前記MOSFETを飽和したモードで動作するように十分なゲインを用いて前記電源端子と前記ドレイン端子との間の前記電圧差を増幅するように前記装置が構成される、請求項1または2に記載の充電式喫煙装置。
【請求項4】
前記オペアンプの前記出力と前記電源端子との間に接続された抵抗器を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の充電式喫煙装置。
【請求項5】
前記第二の充電接点が電気接地に接続された、請求項1〜4のいずれか一項に記載の充電式喫煙装置。
【請求項6】
複数のデータ接点をさらに備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の充電式喫煙装置。
【請求項7】
前記充電式電源がリン酸鉄リチウム電池である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の充電式喫煙装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、露出した充電接点を持つ充電式電気装置のための短絡保護に関する。本開示は、特に手持ち式の電気的に動作する喫煙装置に関し、ここで、装置の正常な動作中は任意の短絡保護が小さく、かつ引き出す残留電流が最小限であることが望ましい。
【背景技術】
【0002】
短絡保護は露出した電気接点を有する充電式電気装置について周知である。リチウムイオン電池を使用する装置については、例えば、短絡保護は電池の過熱を防止するために望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
最も単純かつ最も一般的な短絡保護の形態は、充電接点の間での一つ以上の整流器ダイオードの接続である。ところが、これらのダイオードは300〜800mVの順電圧降下を持ち、結果として充電中に著しいエネルギー損失をもたらす。一般な手持ち式装置では、保護ダイオードは充電電圧の10%の割合を占める場合がある。
【0004】
米国特許出願整理番号第2006/0120069号は、予測可能な電圧降下を持つMOSFETを使用する短絡保護回路を開示する。ところが、短絡防止回路がトリガされるまでにかかる時間のため、米国特許出願整理番号第2006/0120069号に開示される回路はすべての電池ケミストリーに対して適切なわけではない。特に、リン酸鉄リチウム電池は内部抵抗が比較的低く、これは米国特許出願整理番号第2006/0120069号の短絡防止回路がトリガするまでにかかる非常に短い期間でも非常に高い電流が流れる可能性があることを意味する。
【0005】
低電力の、小さくかつ安価な、そしてすべての電池ケミストリーに対して適切な充電式装置のための短絡保護に対する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの態様では、充電式の手持ち式の電気的に動作する喫煙装置が提供され、これは、充電式電源と、電圧制御されるスイッチによって充電式電源に接続される第一の充電接点と、充電式電源に接続される第二の充電接点とを備え、電圧制御されるスイッチは第一の充電接点と充電式電源との間の電圧差が第一の閾値電圧より低い時に第一の電気接点と充電式電源との間のスイッチを通した電流フローを防止するように構成される。
【0007】
この配列は、整流器ダイオードと比較して小さくかつ比較的わずかな電力しか引き出さない方法で短絡保護を可能にする。
【0008】
電圧制御されるスイッチは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を備えてもよい。MOSFETはP−チャネルMOSFETでもよい。さらに、スイッチに対するデフォルト条件はオフ状態であり、スイッチを通した電流の流れを防止し、閾値電圧差はスイッチをオンにすることを要求するので、短絡の発生からスイッチがトリガされるまでの期間に潜在的に損傷を与える可能性がある電流がスイッチを通って流れる、という問題がない。
【0009】
MOSFETは、電源端子と、ドレイン端子と、ゲート端子と、を持ち、また装置は電源端子とドレイン端子との間の電圧差を増幅し、これをゲート端子に適用するように構成される場合がある。有利なことに、装置は、充電式電源を充電するための正常な充電電流が電源端子に適用される時に、飽和したモードでMOSFETを動作するために十分なゲインを用いて電源端子とドレイン端子との間の電圧差を増幅するように構成される。これにより、充電中にMOSFETの抵抗の結果として電力損失が確実に最小限になる。
【0010】
装置は、一方の入力が電源端子に接続され、もう一方の入力がドレイン端子に接続され、かつ出力がゲート端子に接続されるオペアンプを備えてもよい。オペアンプの非反転入力は電源端子に接続されてもよく、またオペアンプの反転入力はドレイン端子に接続されてもよい。
【0011】
要求される電圧ゲインを提供するためにオペアンプの反転入力に閉ループフィードバックを適用してもよい。
【0012】
装置は、オペアンプの反転入力と電気接地との間に接続されたバイアス抵抗器をさらに備えてもよい。バイアス抵抗器は、電気接点に充電電圧が適用されていない時にMOSFETがブロックされることを確実にしうる。
【0013】
装置は、オペアンプの出力と電源端子との間に接続された抵抗器をさらに備えてもよい。この抵抗器は、MOSFETのゲート電圧を電源電圧に近いようにし、そしてオペアンプが無効な場合でさえもMOSFETが確実にブロックされたままになるようにする。
【0014】
第二の充電接点は電気接地に接続されてもよい。
【0015】
装置は、複数のデータ接点をさらに備えてもよい。
【0016】
充電式電源はリチウムイオン電池であってもよく、特にリン酸鉄リチウム電池であってもよい。
【0017】
装置は、手持ち式の電気的に動作する喫煙装置である。このタイプの装置については、電子構成要素がコンパクトかつ低電力であることが特に重要である。
【0018】
別の態様では、第一の充電接点と別の接点との間の短絡の際に充電式電源および複数の露出した接点を持つ充電式の手持ち式の電気的に動作する喫煙装置を保護する方法が提供され、この方法は、第一の充電接点と充電式電源との間に電圧制御されるスイッチを提供することと、第一の充電接点と充電式電源との間の電圧差が第一の閾値電圧より低い時に第一の電気接点と充電式電源との間のスイッチを通る電流フローを防止する、電圧制御されるスイッチを制御することと、を含む。
【0019】
ここで本開示による実施形態を、以下の添付図面を参照しながら、例証としてのみではあるが詳細に記述する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】電気的に動作する喫煙装置および関連付けられた充電ユニットの概略図である。
【
図2】
図1の電気的に動作する喫煙装置上の電気接点の配列の概略図である。
【
図3】
図1および
図2に例証されたタイプの装置のための短絡保護回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明の一つの実施形態による充電装置100および充電式装置102を含むシステムを示す。この例の充電装置100は、電気加熱式の喫煙システム用の充電ユニットである。この例の充電式装置102は、エアロゾル形成基体を含む喫煙物品104を受けるように適合された電気加熱式エアロゾル発生装置である。充電式装置は、作動時にエアロゾル形成基体を加熱するためのヒーターを含む。ユーザーは、喫煙物品104のマウスピース部分を吸入して、エアロゾルをユーザーの口の中に吸い込む。充電式装置102は、充電式装置の電源を再充電するために、充電装置100のくぼみ112内に受けられるように構成される。
【0022】
充電装置100は、第一の電池106、制御電子回路108、および充電式装置が電気接点110と接続している時に、第一の電池106から充電式装置の第二の電池に電力を提供し、充電式装置の電子回路128に電気データを提供するように構成された電気接点110を備える。電気接点110は、くぼみ112の底部に隣接して提供されている。くぼみは、充電式装置102を受けるように構成されている。充電装置100の構成要素は、ハウジング116内に格納される。
【0023】
充電式装置102は、第二の電池126、二次制御電子回路128、および電気接点130を備える。上述のとおり、充電式装置102は、電気接点130が充電装置100の電気接点110と接触している時に、充電装置から電力およびデータの供給を受けるように構成されている。充電式装置102は、喫煙物品104を受けるように構成されたくぼみ132をさらに含む。例えば、ブレードヒーターの形態のヒーター134は、くぼみ132の底部に提供される。使用時、ユーザーが充電式装置102を起動すると、電力が電池126から制御電子回路128を経由してヒーター134に供給される。ヒーターは、エアロゾル発生物品104のエアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるのに十分な標準使用温度に加熱される。充電式装置102の構成要素は、ハウジング136内に格納される。このタイプの充電式装置は、例えば欧州特許第EP2110033号により詳細に記述されている。
【0024】
この例では、充電式装置102は電気加熱式の喫煙装置である。このように、充電式装置102は小さい(従来の紙巻たばこサイズ)。充電式装置102は多角形断面を持つ。充電式装置の外径は、一方の平坦面から反対側の平坦面まで測定すると約12.7mm〜約13.65mmであり、一方の端から反対側の端まで(すなわち、充電式装置の一方の側面にある二つの面の交点から、もう一方の側面の対応する交点まで)測定すると約13.4mm〜約14.2mmであり、ボタンの上端から反対側の底部平坦面まで測定すると約14.2mm〜約15mmとしうる。充電式装置の長さは約80mmである。
【0025】
喫煙装置は、数分間(一回の喫煙セッションのために一般的にはおよそ7分間)にわたり、高電力を送達しなければならない。次に第二の電池を、再充電のために充電装置100に戻す必要がありうる。充電装置の第一の電池106は、それ自体の再充電が必要になる前に、第二の電池126を数回再充電するのに十分な電荷を保持するように構成されている。これによって、電気コンセントから再充電する前に、数回の喫煙セッションが可能なポータブルシステムがユーザーに提供される。
【0026】
小さなサイズ、十分な容量で安全だが、素早く充電および放電することに加えて許容可能な寿命を持つという第二の電池126の競合要件を満足するために、この例のように、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)電池ケミストリーを使用しうる。この例の第二の電池126は円筒形であり、直径10mm、長さ37mmである。代替品として、チタン酸リチウム電池を第二の電池のために使用しうる。
【0027】
充電装置100の第一の電池106は、プリズムタイプのコバルト酸リチウム(LiCoO2)である。コバルト酸リチウム電池は、リン酸鉄リチウムよりも高い電池の電圧を提供し、単一のコバルト酸リチウム電池からのリン酸鉄リチウム電池の充電を可能にする。
【0028】
エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含む、たばこ含有材料を含みうる。別の方法として、エアロゾル形成基体は、非たばこ材料を含みうる。エアロゾル形成基体は、さらにエアロゾル形成体を含むことが好ましい。適切なエアロゾル形成体の例は、グリセリンおよびプロピレングリコールである。
【0029】
エアロゾル形成基体は固体の基体であってもよい。固体基体は、例えば、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の破片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこおよび膨化たばこのうち1つ以上を含む、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片またはシートのうち一つ以上を含みうる。あるいは、エアロゾル形成基体は、液体基体でもよく、また喫煙物品は、液体基体を保持するための手段を含みうる。
【0030】
図2は、
図1の電気的に動作する喫煙装置および充電装置上の電気接点の配列の概略図である。充電式装置102が5つの対称的に配置された電気接点131、133、135、137、139を有することを
図2から見ることができる。電力用に2つの接点が提供され、データ用に2つの接点が提供され、また1つの接点は冗長である。電力用に提供された2つの接点のうち、第一の接点131は充電電圧を受けるように構成され、また第二の接点133は電気接地として構成される。充電装置は、充電式装置上の接点と係合するために対応する接点の配列、111、113、115、117、119を持つ。
【0031】
図2に示すものなどの配列を用いると、第一の接点131と第二の接点133、またはデータ接点135もしくは137のうちの一つとの間に潜在的な短絡の可能性がある。短絡の際に電池が過熱するのを防止するために、短絡保護配列が提供される。
【0032】
図3は、一つの実施形態による短絡保護配列を例証する。第一の接点131は
図3の右側に示される。第二の電池126への接続は端子200によって示される。P−チャネルMOSFET210は第一の接点131と第二の電池126との間に接続される。MOSFET211の電源は第一の接点131に接続され、またドレイン213は第二の電池に接続される。(充電器からの)電源における電圧がドレイン(第二の電池126)における電圧より高い時、MOSFET210は「オン」で、電源からドレインへと電流が流れるのを許容することになる。ドレインにおける電圧が電源における電圧以上の時、電流は流れないことになる。この実施形態では、MOSFETは、Diodes Inc.のDMP1022UFDE−7 MOSFETであり、飽和したモードでの抵抗は21.5mΩであり、またパッケージサイズは2mm×2mmである。
【0033】
この実施例では、システムは第二の電池126の8C〜10Cの速度での急速充電用に構成されている。この速度で急速充電するために、定電流充電相が使用され、その後に定電圧充電相が続く。MOSFETがオンの時、充電中の抵抗を確実に低くし、結果としてエネルギー損失を低くするために、
図3の回路は、電源からドレインへの電圧を増幅し、これを定電流相の間にMOSFETによって生じた降下がMOSFETを飽和したモードで動作するのに十分なように選択したゲインでゲート215に適用することによって動作する。この例では、定電流相の間の定電流は約1アンペアである。約0.6アンペア未満のより低い電流では、例えば、定電圧相の間、MOS−FETは線形エリア内で動作することになる。次に、以下に記述しかつ
図3に示す制御回路は、電源とドレインとの間の電圧降下を調節するが損失は常に低い。
【0034】
8C〜10Cにおける充電は一般的な充電速度よりずっと速く、また当然ながら、装置に対する一般的な動作のモードとなるように選択される場合にはMOSFETがずっとより低い充電電流において飽和したモードで動作するように構成要素がより高いゲインを提供するように選択できる。
【0035】
電源からドレインへの電圧を増幅するために、オペアンプ212が使用される。この実施形態では、オペアンプ212は、Texas InstrumentsのOPA369である。
【0036】
オペアンプのために必要とされるゲインは以下から決定される。
●飽和したモードでMOSFETの低い抵抗の恩恵を受けるために必要とされる最大のゲート電圧、および
●電源とドレインとの間の電圧降下。
【0037】
この実施形態では、動作ゲート電圧VGS=−3.0Vである。このゲート電圧(RDSON)を用いたMOSFETの抵抗は、14mΩの一般的な値である。1.0Aの公称充電電流については、MOSFET 210の両側で14mVの電圧降下をもたらす。従って、必要とされるオペアンプ212のゲインは、おおよそ以下のとおりである。
【0038】
反転増幅器のゲインは、抵抗器214と抵抗器216との間の抵抗の比によって与えられる。
【0039】
短絡の際、充電式電池からの電荷は抵抗器214を通して流れることになる。従って抵抗器214は、短絡の際に流れる電流が確実に低く、理想的には1mA未満になるように選択される。最大電池電圧Uは3.65ボルトである。抵抗器214には10kΩの値が選択され、これは以下の電流を許容する。
【0040】
この値は1mAの制限より低く、従ってこの要件を実現する。
【0041】
次に、抵抗器216の抵抗はゲインを決定する。この実施形態では、47Ωの値が選択され、以下のゲインが提供される。
【0042】
この212.7という値は上記で計算した214.3の値に近い。このため、充電式装置が充電装置に適切に接続されている時、MOSFET 210はオンで、抵抗は低い。短絡があり、かつ充電接点311における電圧が接地に引かれている時、MOSFET 210はオフで、これを通した電流フローはない。
【0043】
抵抗器218によって導入された小さいバイアスは、電源電圧とドレイン電圧が等しい時にMOSFET 210が適切にブロックされるのを確実にする。これは充電電圧が接点パッドに適用されない時、および電池電圧が抵抗器214を通して入力に与えられ充電パッド上で電池電圧を読み取ることができる時に発生する。抵抗器218は、この状況における抵抗器216の両側に小さい電圧降下を確保する。次いでこれは、オペアンプの負の入力における電圧がオペアンプの正の入力における電圧よりも、オペアンプ内のあらゆる内部オフセットを超える量だけ低いことを確実にする。抵抗器218については1MΩの抵抗値が選択される。これは、バイアス抵抗器218が結果的にごくわずかな追加的なアイドル電流を回路により引き出すことを確実にし、また正常な動作中の抵抗器216の両側に小さい追加的な電圧降下のみを確保する。
【0044】
ゲート抵抗器220は、MOSFET 210のゲートキャパシタンスに起因してオペアンプが容量性負荷を見込むのを防止する。容量性負荷が大きいと、オペアンプの出力短絡電流を超える電流ピークにつながる可能性がある。ゲート抵抗器220の選択された値1kΩは、すべての事例において、オペアンプの特定の出力短絡電流よりも電流ピークを低く保つ。
【0045】
抵抗器222は、ゲート電圧を電源電圧と近いまま確実に保つプルアップ抵抗器であり、従ってオペアンプの出力が無効な場合でさえもMOSFETはブロックされる。これは、電池電圧がオペアンプの最低電源電圧である1.8Vよりも降下する時に発生する可能性がある。この例では、抵抗器222の抵抗値は10kΩである。
【0046】
説明したように、充電式装置が定電流充電相中に充電装置に適切に接続されている時、MOSFET 210のゲート電圧は飽和したモードでのMOSFETの動作にとって十分であり、抵抗がとても低く、そのため電力損失がとても低い。
【0047】
充電式装置が充電装置から外されていて、充電接点上に接続が無い時、MOSFETはオフで、これを通して電流が流れる可能性はない。充電接点との間に短絡がある場合、MOSFETはオフのままであり、MOSFETを通した電流フローはない。短絡した場合、1mA未満の小さい電流のみが抵抗器214を通して流れることができる。
【0048】
上述の例示的な実施形態は例証するが限定はしない。上記で考察した例示的な実施形態に照らすことにより、上記の例示的な実施形態と一貫したその他の実施形態も当業者には明らかとなろう。
【国際調査報告】