(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-527410(P2017-527410A)
(43)【公表日】2017年9月21日
(54)【発明の名称】骨固定インプラントおよび固定の手段
(51)【国際特許分類】
A61B 17/84 20060101AFI20170825BHJP
A61B 17/72 20060101ALI20170825BHJP
A61B 17/82 20060101ALI20170825BHJP
A61B 17/86 20060101ALI20170825BHJP
A61B 17/88 20060101ALI20170825BHJP
【FI】
A61B17/84
A61B17/72
A61B17/82
A61B17/86
A61B17/88
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-515137(P2017-515137)
(86)(22)【出願日】2015年9月10日
(85)【翻訳文提出日】2017年5月16日
(86)【国際出願番号】US2015049359
(87)【国際公開番号】WO2016044053
(87)【国際公開日】20160324
(31)【優先権主張番号】62/052,531
(32)【優先日】2014年9月19日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516183819
【氏名又は名称】クロスローズ エクストリミティ システムズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ホリス
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルノン ハーデゲン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL31
4C160LL37
4C160LL42
4C160LL55
4C160LL56
4C160LL59
(57)【要約】
骨折を修復する、および/または関節を融合するために使用することができる骨接合のためのインプラント。インプラントは、1または複数の縫合糸を通すための1または複数の通り穴を備え、および/または1または複数の縫合糸は、インプラントの一体部分であってもよい。1または複数の縫合糸は、骨区域同士を共に引き、それらの間に圧迫を生み出すために、および/または軟組織を骨区域に添着するために使用され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨接合のためのインプラントであって、
2つ以上の骨区域を互いに固定もしくは融合するための手段、および/または軟組織区域を骨区域に固定するための手段を有し、前記骨区域は、骨折および/または関節の区域を含むことを特徴とするインプラント。
【請求項2】
1または複数の縫合糸をさらに備え、
前記1または複数の縫合糸は、1または複数の骨区域へ、および1または複数の軟組織区域へ取り付けるための手段を備え、
前記縫合糸は、前記インプラントへ取り付けるための手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のインプラント。
【請求項3】
1または複数の縫合糸を受け取るための1または複数の通り穴を備えることを特徴とする請求項21に記載のインプラント。
【請求項4】
1または複数の縫合糸は、前記インプラントの一体部分であることを特徴とする請求項2に記載のインプラント。
【請求項5】
1または複数の縫合糸は、前記インプラントの一体部分であることを特徴とする請求項3に記載のインプラント。
【請求項6】
前記インプラントの全部分または一部分が髄内管内に植え込まれるように適合されることを特徴とする請求項1に記載のインプラント。
【請求項7】
前記インプラントの全部分または一部分が骨内に植え込まれるように適合されることを特徴とする請求項1に記載のインプラント。
【請求項8】
関節を融合するように適合されることを特徴とする請求項1に記載のインプラント。
【請求項9】
前記インプラントを外科手術部位内に挿入する手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のインプラント。
【請求項10】
回転に抵抗し、引き抜きに抵抗するように骨に係合するための手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のインプラント。
【請求項11】
前記骨区域にわたって圧迫を生ずるための手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のインプラント。
【請求項12】
骨の成長を促進するための骨誘導性および/または骨伝導性手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のインプラント。
【請求項13】
請求項1に記載のインプラントを備えることを特徴とする滅菌キット。
【請求項14】
請求項9に記載のインプラントを備えることを特徴とする滅菌キット。
【請求項15】
請求項1に記載のインプラントを植え込む方法であって、骨区域を含む外科手術部位内に前記インプラントを配置するステップと、次いで前記インプラントを前記骨区域内で添着するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記インプラントは、挿入する手段を使用して前記外科手術部位内に配置され、前記挿入する手段は、挿入に続いて前記インプラントから分離されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記インプラントは、髄内管内に部分的に、またはいっぱいに配置されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記インプラントは、骨内に植え込まれることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記インプラントの第1の端部が骨区域内に植え込まれ、前記インプラントの縫合糸の第1の端部が第2の骨区域に添着され、前記縫合糸の第2の端部を使用し、前記第2の骨区域を前記第1の骨区域に向かって引き、前記骨区域同士を互いに圧迫させることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨固定または関節固定または変形矯正の技術分野にある。本発明は、骨の構造の全部または一部内に配置されるインプラントを使用するすべてのタイプの骨のための固定システムに関する。そのようなシステムは、骨接合で使用され、インプラントは、骨折または関節を架橋し剛性を提供し、骨折または融合部位の治癒の助けとなる。本発明のインプラントデバイスは、髄内管内または骨内に完全に、または部分的に配置され得る。インプラントは、主に、複数の骨にわたって、または単一の骨もしくは骨区域内で固定のために、または融合を生み出す助けとなるように使用され得る。インプラントは、生物学的材料、合成材料、および/または生物学的なものであっても合成であってよい吸収性材料から構築されてよい。インプラントは、骨の成長を促進する(骨誘導性)ための、および/または骨の成長を促進するための構造を提供する(骨伝導性)ための材料特性または他の手段を有してもよい。インプラントは、滅菌キット内で提供されてもよく、挿入する手段のための器具に予め組み立てられてもよい。さらに、本発明は、植え込まれた後、引き抜きおよび/または回転および/またはピストン運動に対する抵抗をもたらす。さらに、インプラントは、追加の組織固定のために縫合糸を取り付けるための手段を含む。インプラントは、骨格全体の様々な骨に対して示されてもよい。「固定デバイス」またはインプラントは、それだけには限らないがステープル、骨板、モジュラステープル、骨ねじ、ピン、ブレード、縫合アンカ(碇止)などを含めて、物体を骨に固定する様々なデバイスのいずれかを含み得る。
【発明の概要】
【0002】
本発明は、インプラント、または他の骨締結デバイスを含む。インプラントは、骨の髄内管内または骨それ自体の中にいっぱいに、または部分的に配置され得る。インプラントは、複数の骨にわたって、または単一の骨もしくは骨区域内で固定のために、または融合を生み出す助けとなるように使用される。インプラントは、それだけには限らないが生物学的材料、合成材料、および/または生物学的なものであっても合成であってよい吸収性材料を含むいくつかの生体適合性材料から構築されてよい。インプラントは、骨の成長を促進する(骨誘導性)ための、および/または骨の成長のための構造を提供する(骨伝導性)ための材料特性または他の手段を有してもよい。インプラントは、滅菌キット内で提供されてもよく、挿入する手段のための器具に予め組み立てられてもよい。本発明のインプラントは、骨内に単純に押し込むことによって軸方向に挿入することができる。必ずしもねじ込まれる必要はない。任意選択で、押し込まれるとき回転されてもよいが、通常、回転は必要でない。さらに、本発明のインプラントデバイスは、植え込まれた後、引き抜きおよび/または回転および/またはピストン運動に対する抵抗をもたらす。さらに、インプラントは、追加の組織固定のために縫合糸を取り付けるための手段を含む。
【0003】
本発明のデバイスは、1個構造のものであっても、1個より多いものであってもよい。
本明細書に記載の実施形態は、1個構造のものであるが、当業者には、本明細書の開示に基づいてそれらを1個より多いものからどのように作るか明らかになろう。好ましい実施形態は、引き抜きに抵抗するために骨内でのより良好な滑り止めのためのテーパ付き幾何形状を有してもよく、組織固定を提供してもよい。また、インプラントは、引き抜きおよび/または回転および/またはピストン運動に抵抗するように骨に係合するための特徴を有する。本発明は、軟組織または硬組織取付けのために使用され得る縫合糸を取り付けるための手段を有する。
【0004】
「インプラント」「インプラントデバイス」「固定デバイス」および「デバイス」という用語は、本明細書では、本発明のデバイスを指すために相互交換可能に使用される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図13】挿入デバイスに組み立てられて示されている本発明の例示的な実施形態の斜視図である。
【
図14】本発明のインプラントおよび器具について説明する外科手術キットの上面図である。
【
図15】縫合糸と共に骨内にいっぱいに挿入されていないインプラントを示す潜在的な一応用例における本発明の例示的な一実施形態の側面図である。
【
図16】軟組織取付けのために縫合糸がインプラントおよび骨から延びる状態で骨内にいっぱいに挿入されたインプラントを示す潜在的な一応用例における本発明の例示的な一実施形態の側面図である。
【
図17】インプラントに一体の2重縫合糸を示す、断面線A−Aを有する本発明の第4の実施形態の上面図である。
【
図18】インプラントに一体の単一の縫合糸を示す、断面線A−Aを有する本発明の第5の実施形態の上面図である。
【
図19】本発明の骨係合特徴の実施形態の詳細を示す側面図である。
【
図20】本発明の骨係合特徴の複数の可能な代替実施形態の斜視図である。
【
図21】インプラントの両端における穴を示す第6の実施形態の側面図である。
【
図22】インサータ/ドライバに解放可能に取り付けられたインプラントを示す第7の実施形態の側面図である。
【
図23】
図22に示されている実施形態の接続手段の拡大図である。
【
図24】芯部材を有する本発明の設計を示す第8の実施形態の上面図である。
【
図25】インプラントを通って完全に延びる芯部材を有する本発明の設計を示す第9の実施形態の上面図である。
【
図26】延長された端部を有するインプラントを示す本発明の第10の実施形態の側面図である。
【
図27】インプラントが滅菌パッケージ内でインサータに予め組み立てられる本発明のキットの代替実施形態の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明は、異なる骨または同じ骨の少なくとも2つの骨区域に及ぶ、および/またはそれらの区域を固定するためのインプラントを含む。本発明の例示的な実施形態について、以下、図において論じる。インプラントは、組織取付けのために使用される骨係合特徴および固定特徴を有してもよい。固定特徴は、さらに骨の治癒において助けとなるように骨区域にわたって圧迫を生ずるための手段を提供する。本発明は、インプラントに予め組み立てられる、または添着される、インプラントを挿入するための装置または器具を有してもよい。本明細書に記載の実施形態は、生物学的なものであっても合成であってよい任意の好適な生体適合性材料から構築されてよい。本発明のインプラントは、植込みを完了するために必要とされる関連の器具を有するインプラントキットとしてパッケージされてもよい。
【0007】
図1は、第1の端部110および第2の端部120を有するインプラント100の斜視図である。第1の端部110は、第1の骨区域内に配置されてもよく、第2の端部120は、第2の骨区域内に配置されてもよく、または第2の端部120が、第1の骨区域内に配置されてもよく、第1の端部110が、第2の骨区域内に配置されてもよい。これらの骨区域は、隣接する、対向する骨であっても、骨折または骨切り術部位を挟む同じ骨であってもよい。第1の端部110は、骨に係合するためのリングまたはバーブ(barb:逆とげ)であってもよい特徴140を有する。骨係合特徴の数は、インプラントサイズおよび幾何形状によって様々となり得る。骨係合特徴140のスタイルもまた、様々なスタイルのバーブ、ねじ山、リング、バンプ、歯などを含むように様々となり得る。骨係合特徴140は、断面が円形であってもなくてもよい。また、第1の端部110は、組織固定のために縫合糸などと共に使用され得る通り穴150を含む。縫合糸および通り穴150は、インプラント端部110、120と係合される骨区域間に圧迫を生ずるために使用され得る。圧迫は、第2の端部120を骨内に係合させ、一方、縫合糸を穴150に通し、次いで第1の端部110に取り付けられた骨に通し、これらの骨区域が結びつけられるように縫合糸を締め付けることによって、第1の端部110が係合され得る骨が第2の端部120に向かって引かれることによって生じ得る。この図では、インプラント100は、組織アンカ(碇止)として、また2つの骨区域を融合または圧迫する助けとしても働き得る。通り穴150と共に縫合糸を使用することは、骨に対するインプラントの回転および/またはピストン運動に抵抗するための手段をも提供する。代替実施形態は、一時的または永続的にインプラントに予め組み立てられた縫合糸を有してもよい。縫合糸は、インプラントと共にパッケージされても、縫合糸穴に予め通されても、縫合糸穴に結ばれても、および/またはインプラント内に射出成形されてもされなくてもよい。縫合糸は、インプラントと一体であってもよく、これは通り穴150を省くが、依然として本明細書に記載されているようにつなぎ止める、圧迫を生ずる、または向きを制御するための手段を提供し得る。端部110は、骨内のインプラント100の回転に抵抗するために比較的平坦なものであってよい表面155を有してもよい。穴150は、穴150の表面155への移行部に、縫合糸の引き裂きまたは破断を防止し得る特徴152を有してもよい。端部110は、骨内への挿入を容易にするためにテーパ付きであってもよい表面151を有してもよい。また、表面151は、インプラントの端部で骨内の応力集中部を防止するための幾何形状のものであってもよい。インプラント100は、骨または骨の区域と係合するための端部120を有する。図のように、端部120は、骨に係合するためのリングまたはバーブであってもよい骨係合特徴160を有する。骨係合特徴160の数は、インプラントサイズおよび幾何形状によって様々となり得る。骨係合特徴160のスタイルもまた、様々なスタイルのバーブ、ねじ山、リング、バンプ、歯などを含むように様々となり得る。骨係合特徴160は、断面が円形であってもなくてもよい。骨係合特徴160は、骨係合特徴140と同様であってもなくてもよい。骨係合特徴のタイプは、同じインプラント内で様々となってもよい。たとえば、骨係合特徴160は、円形のバーブと非円形のリングとの間で交互してもよい。端部120は、骨内への挿入を容易にするためにテーパ付きであってもよい表面125を有してもよい。また、表面125は、端部120で骨内の応力集中部を防止するための幾何形状のものであってもよい。インプラント100は、インプラント100の長さ全体を通って延びてもよいカニューレ挿入口105を有する。第1の端部110および第2の端部120は、それらの間に介在する特徴130を有してもよい。特徴130は、第1の端部110または第2の端部120が骨区域内に延びすぎるのを防止するためのストップ(止め具)として働き得る。特徴130は面135を有してもよく、面135は、非円形の断面を生み出し、2つの対向する骨区域間にあり得るインプラント材料の量を最小限に抑える。
【0008】
図2は、
図1の実施形態の側面図である。インプラント100の第1の端部110は、195の外径および196の谷の径を有する骨係合特徴を有する。この図では、骨係合特徴140は、均一なサイズのものである。様々なサイズおよび構成のものである骨係合特徴を有してもよい他の実施形態が可能である。第1の端部110は、長さ102を有するものとしてさらに定義され得る。通り穴150は、表面155を通過してもよく、いくつかの骨係合特徴140を通って延びてもよい。通り穴150は、インプラント100の長軸に対して任意の場所または角度で構成されてもよい。さらに、通り穴150は、インプラント100内に入りその外へ出る2次要素(すなわち、縫合糸または挿入器具)の通過を可能にすることが意図されている。通り穴150は、インプラント100の1つの側から通り反対側から外へ出て示されており、代替実施形態は、インプラント100の同じ側で出入りする通路穴を有してもよい。別の実施形態は、インプラント100の上部または底部から出入りする通路穴または縫合糸を有してもよい。インプラント100の第2の端部120は、190の外径および191の谷の径を有する骨係合特徴を有する。この図では、骨係合特徴160は、均一なサイズのものである。様々なサイズおよび構成のものである骨係合特徴を有してもよい他の実施形態が可能である。第2の端部120は、長さ101を有するものとしてさらに定義され得る。この図では、第2の端部120は、通り穴150なしで示されている。(通り穴403、404を有する
図21をも参照されたい。)代替実施形態では、第2の端部120は、組織固定のために縫合糸などと共に使用され得る通り穴150を有してもよい。縫合糸および通り穴150は、インプラント端部110、120と係合される骨区域間に圧迫を生ずるために使用され得る。圧迫は、第1の端部110を骨内に係合させ、一方、縫合糸を穴150に通し、次いで第2の端部120に取り付けられた骨に通し、これらの骨区域が結びつけられるように縫合糸を締め付けることによって、第2の端部120が係合され得る骨が第1の端部110に向かって引かれることによって生じ得る。この図では、インプラント100は、組織アンカとして、また2つの骨区域を融合または圧迫する助けとしても働き得る。他の実施形態では、両端部110、120は、通り穴150を有してもよい。さらに、代替実施形態は、一時的または永続的にインプラントの両端部に予め組み立てられた縫合糸を有してもよい。縫合糸は、インプラントと共に、またはインプラントなしで単純にパッケージされても、縫合糸穴に予め通されても、縫合糸穴に結ばれても、および/またはインプラント内に射出成形されてもよい。縫合糸は、複数の場所または位置でインプラントと一体であってもよく、これは通り穴150を省くが、依然として本明細書に記載されているようにつなぎ止める、圧迫を生ずる、または向きを制御するための複数の手段を提供し得る。
図2は、有効直径136および長さ103を有する特徴130を示す。いくつかの実施形態は、2つの骨区域間での骨から骨への並置を減少させないように特徴130が可能な限り小さいものであることを必要とし得る。
【0009】
図3は、
図1および
図2に記載の実施形態の上面図である。この図は、存在し得る2つの平坦部155、156を有する第1の端部110を示す。これらの平坦部155、156は、骨に対するインプラント100の回転に抵抗するために使用される。
図3は、共に円形の断面を有する第1の端部110および第2の端部120を示す。代替実施形態は、円形の端部と非円形の端部の組合せを有してもよく、第1の端部110が非円形であってもよく、第2の端部120が円形であってもよく、または逆も同様である。インプラントは、異なる長さ101、102を有する第1の端部110および第2の端部120を有するものとして示されている。代替実施形態は、等しい長さのものであってもなくてもよい長さ101、102を有してもよい。インプラントは、同様の有効外径190、195を有する第1の端部110および第2の端部120を有するものとして示されている。代替実施形態は、等しい値のものであってもなくてもよい有効外径または寸法190、195を有してもよい。インプラントは、中心線111を有する第1の端部110および同一線上の中心線121を有する第2の端部120を有するものとして示されている。代替実施形態は、中心線111を有する第1の端部110と、同一線上および/または平行であってもなくてもよい中心線121を有する第2の端部120とを有してもよい。
【0010】
図4は、インプラント100の長さ全体に延び得るカニューレ挿入口105を有するインプラント100の端面図である。
図4は、非円形の断面を有する特徴130を示す。代替実施形態では、特徴130は、円形の断面を有しても有していなくてもよい。カニューレ挿入口は、植込みを容易にするために使用されてもよく、または追加の固定の別の手段を収容するために使用されてもよい。
【0011】
図5は、インプラント100の側面図であり、
図5Aは、インプラント100の断面
図A−Aである。断面
図A−Aは、インプラント100の長さを通って延びるカニューレ挿入口105を示す。これは、カニューレ挿入口と交差する通り穴150をさらに示し、この実施形態では、通り穴150は、インプラントの幅全体を通って延びてもよい。代替実施形態は、カニューレ挿入口105を含んでも含まなくてもよい。
【0012】
図6は、本発明の第2の実施形態、インプラント300の斜視図である。インプラント300は、第1の端部310および第2の端部320を有する。第1の端部310は、第1の骨区域内に配置されてもよく、第2の端部320は、第2の骨区域内に配置されてもよい。これらの骨区域は、対向する骨であっても、骨折または骨切り術部位を挟む同じ骨であってもよい。第1の端部310は、骨に係合するためのリングまたはバーブであってもよい特徴340を有する。骨係合特徴の数は、インプラントサイズおよび幾何形状によって様々となり得る。骨係合特徴340のスタイルもまた、様々なスタイルのバーブ、ねじ山、リング、バンプ、歯などを含むように様々となり得る。骨係合特徴340は、断面が円形であってもなくてもよい。また、第1の端部310は、組織固定のために、または外科手術部位内にインプラントを挿入するために、縫合糸などと共に使用され得る通り穴350を含む。縫合糸および通り穴350は、インプラント端部310、320と係合される骨区域間に圧迫を生ずるために使用され得る。圧迫は、第2の端部320を骨内に係合させ、一方、縫合糸を穴350に通し、次いで第1の端部310に取り付けられた骨に通し、これらの骨区域が結びつけられるように縫合糸を締め付けることによって、第1の端部310が係合され得る骨が第2の端部320に向かって引かれることによって生じ得る。この実施形態では、インプラント300は、組織アンカとして、また2つの骨区域を圧迫または融合する助けとしても働き得る。通り穴350と共に縫合糸を使用することは、骨に対するインプラントの回転および/またはピストン運動に抵抗するための手段をも提供し得る。代替実施形態は、一時的または永続的にインプラントに予め組み立てられた縫合糸を有してもよい。縫合糸は、インプラントと共に、またはインプラントなしで単純にパッケージされても、縫合糸穴に予め通されても、縫合糸穴に結ばれても、および/またはインプラント内に射出成形されてもよい。縫合糸は、
図17a、17b、18a、18bに示されているように、インプラントと一体であってもよく、これは通り穴350を省くが、依然として本明細書に記載されているようにつなぎ止める、圧迫を生ずる、または向きを制御するための手段を提供し得る。端部310は、骨内のインプラント300の回転に抵抗するために比較的平坦なものであってよい表面355を有してもよい。穴350は、穴350の表面355への移行部に、縫合糸の引き裂きまたは破断を防止し得る特徴352を有してもよい。端部310は、骨内への挿入を容易にするためにテーパ付きであってもよい表面351を有してもよい。また、表面351は、インプラントの端部で骨内の応力集中部を防止するための幾何形状のものであってもよい。インプラント300は、骨または骨の区域と係合するための端部320を有してもよい。端部320は、骨に係合するためのリングまたはバーブであってもよい骨係合特徴360を有してもよい。骨係合特徴360の数は、インプラントサイズおよび幾何形状によって様々となり得る。骨係合特徴360のスタイルもまた、様々なスタイルのバーブ、ねじ山、リング、バンプ、歯などを含むように様々となり得る。骨係合特徴360は、断面が円形であってもなくてもよい。骨係合特徴360は、骨係合特徴340と同様であってもなくてもよい。骨係合特徴のタイプは、同じインプラント内で様々となってもよい。たとえば、骨係合特徴360は、円形のバーブと非円形のリングとの間で交互してもよい。端部320は、骨内への挿入を容易にするためにテーパ付きであってもよい表面325を有してもよい。また、表面325は、インプラントの端部で骨内の応力集中部を防止するための幾何形状のものであってもよい。インプラント300は、前述のカニューレ挿入口105なしの中実であってもよい。第1の端部310および第2の端部320は、それらの間に介在する特徴330を有してもよい。特徴330は、第1の端部310または第2の端部320が骨区域内に延びすぎるのを防止するためのストップとして働き得る。特徴330は面335を有してもよく、面335は、非円形の断面を生み出し、2つの対向する骨区域間にあり得るインプラント材料の量を最小限に抑える。
【0013】
図7は、
図6の実施形態の側面図である。インプラント300の第1の端部310は、第2の端部320に対して角度307を有することが示されている。角度307は、変形矯正を容易にするのに有用となり得、または正常な解剖学的構造をよりよく矯正する助けとなり得る。この図では、角度307は、1つの平面内で示されている。他の実施形態は、より複雑な角度または合成角を有してもよい。インプラント300の第1の端部310は、395の外径および396の谷の径を有する骨係合特徴を有してもよい。この図は、骨係合特徴340が均一なサイズのものであることをさらに示す。様々なサイズおよび構成のものである骨係合特徴を有してもよい他の実施形態が可能である。第1の端部310は、長さ302を有するものとしてさらに定義され得る。通り穴350は、表面355を通過してもよく、いくつかの骨係合特徴340を通って延びてもよい。インプラント300の第2の端部320は、390の外径および391の谷の径を有する骨係合特徴を有してもよい。この図では、骨係合特徴360は、均一なサイズのものである。様々なサイズおよび構成のものである骨係合特徴を有してもよい他の実施形態が可能である。第2の端部320は、長さ301を有するものとしてさらに定義され得る。この図では、第2の端部320は、通り穴350なしで示されている。代替実施形態では、第2の端部320は、組織固定のために縫合糸などと共に使用され得る通り穴350を有してもよい。縫合糸および通り穴350は、インプラント端部310、320と係合される骨区域間に圧迫を生ずるために使用され得る。圧迫は、第1の端部310を骨内に係合させ、一方、縫合糸を穴350に通し、次いで第2の端部320に取り付けられた骨に通し、これらの骨区域が結びつけられるように縫合糸を締め付けることによって、第2の端部320が係合され得る骨が第1の端部310に向かって引かれることによって生じ得る。この図は、インプラント300が組織アンカとして、また2つの骨区域を圧迫または融合する助けとしても働き得ることをさらに示す。他の実施形態では、両端部310、320は、通り穴350を有してもよい。さらに、代替実施形態は、一時的または永続的にインプラントの両端部に予め組み立てられた縫合糸を有してもよい。縫合糸は、インプラントと共に単純にパッケージされても、縫合糸穴に予め通されても、縫合糸穴に結ばれても、および/またはインプラント内に射出成形されてもよい。縫合糸は、複数の場所または位置でインプラントと一体であってもよく、これは通り穴150を省くが、依然として本明細書に記載されているようにつなぎ止める、圧迫を生ずる、または向きを制御するための複数の手段を提供し得る。
図7は、有効直径336および長さ303を有する特徴330を示す。いくつかの実施形態は、2つの骨区域間での骨から骨への並置を減少させないように特徴330が可能な限り小さいものであることを必要とし得る。
【0014】
図8は、
図6および
図7に記載の実施形態の上面図である。この図は、存在し得る2つの平坦部355、356を有する第1の端部310を示す。これらの平坦部355、356は、骨に対するインプラント300の回転に抵抗するために使用され得る。
図8は、共に円形の断面を有する第1の端部310および第2の端部320を示す。代替実施形態は、円形の端部と非円形の端部の組合せを有してもよく、第1の端部310が非円形であってもよく、第2の端部320が円形であってもよく、または逆も同様である。インプラントは、異なる長さ301、302を有する第1の端部310および第2の端部320を有するものとして示されている。代替実施形態は、等しい長さのものであってもなくてもよい長さ301、302を有してもよい。インプラントは、異なる有効外径390、395を有する第1の端部310および第2の端部320を有するものとして示されている。この図では、第1の端部310が第2の端部320の有効直径390より大きい有効直径395を有する。代替実施形態は、第2の端部320の有効直径390より小さい有効直径395を有する第1の端部310を有してもよい。代替実施形態は、等しい値のものであってもなくてもよい有効外径または寸法390、395を有してもよい。インプラントは、中心線311を有する第1の端部310および非同一線上の中心線321を有する第2の端部320を有するものとして示されている。この実施形態では、中心線311は、中心線321に対して角度307を有してもよい。代替実施形態は、中心線311を有する第1の端部310と、複数の平面内で同一線上および/または平行であってもなくてもよい中心線321を有する第2の端部320とを有してもよい。
図8は、インプラント300の側面図であり、
図8Aは、インプラント300の断面
図A−Aである。断面
図B−Bは、インプラント300の中実断面を示す。
【0015】
図9は、本発明の第3の実施形態、インプラント500の斜視図である。インプラント500は、第1の端部510および第2の端部520を有する。第1の端部510は、第1の骨区域内に配置されてもよく、第2の端部520は、第2の骨区域内に配置されてもよい。これらの骨区域は、対向する骨であっても、骨折または骨切り術部位を挟む同じ骨であってもよい。第1の端部510は、骨に係合するためのリングまたはバーブであってもよい特徴540を有する。骨係合特徴の数は、インプラントサイズおよび幾何形状によって様々となり得る。骨係合特徴540のスタイルもまた、様々なスタイルのバーブ、ねじ山、リング、バンプ、歯などを含むように様々となり得る。骨係合特徴540は、断面が円形であってもなくてもよい。また、第1の端部510は、組織固定のために縫合糸などと共に使用され得る通り穴550を含む。縫合糸および通り穴550は、インプラント端部510、520と係合される骨区域間に圧迫を生ずるために使用され得る。圧迫は、第2の端部520を骨内に係合させ、一方、縫合糸を穴550に通し、次いで第1の端部510に取り付けられた骨に通し、これらの骨区域が結びつけられるように縫合糸を締め付けることによって、第1の端部510が係合され得る骨が第2の端部520に向かって引かれることによって生じ得る。縫合糸を穴に通す順序/ステップは様々とすることができる。最初にインプラントを通ってから骨を通って配置させることができる。または、最初に骨を通ってからインプラントを通って配置させることもできる。ステップの順序は、縫合糸がインプラントを通過する限り重要でない。この図では、インプラント500は、組織アンカとして、また2つの骨区域を圧迫または融合する助けとしても働き得る。通り穴550と共に縫合糸を使用することは、骨に対するインプラントの回転および/またはピストン運動に抵抗するための手段をも提供し得る。端部510は、骨内のインプラント500の回転に抵抗するために比較的平坦なものであってよい表面555を有してもよい。穴550は、穴550の表面555への移行部に、縫合糸の引き裂きまたは破断を防止し得る特徴552を有してもよい。端部510は、骨内への挿入を容易にするためにテーパ付きであってもよい表面551を有してもよい。また、表面551は、インプラントの端部で骨内の応力集中部を防止するための幾何形状のものであってもよい。インプラント500は、骨または骨の区域と係合するための端部520を有してもよい。端部520は、骨に係合するためのリングまたはバーブであってもよい骨係合特徴560を有してもよい。骨係合特徴560の数は、インプラントサイズおよび幾何形状によって様々となり得る。骨係合特徴560のスタイルもまた、様々なスタイルのバーブ、ねじ山、リング、バンプ、歯などを含むように様々となり得る。骨係合特徴560は、断面が円形であってもなくてもよい。骨係合特徴560は、骨係合特徴540と同様であってもなくてもよい。骨係合特徴のタイプは、同じインプラント内で様々となってもよい。たとえば、骨係合特徴560は、円形のバーブと非円形のリングとの間で交互してもよい。端部520は、テーパ付きであってもよい表面525を有してもよい。このテーパ付き領域525は、骨内への挿入を容易にし得、骨区域との係合を最適化し得る。また、表面525は、インプラントの端部で骨内の応力集中部を防止するための幾何形状のものであってもよい。第1の端部510および第2の端部520は、それらの間に介在する特徴530を有してもよい。特徴530は、第1の端部510または第2の端部520が骨区域内に延びすぎるのを防止するためのストップとして働き得る。特徴530は面手段535を有してもよく、面手段535は、非円形の断面を生み出し、2つの対向する骨区域間にあり得るインプラント材料の量を最小限に抑える。手段535はまた、1または複数の骨区域内にキー連結する特徴として働き得る。手段535は、骨区域に対するインプラント500の回転に抵抗し得る。手段535は、インプラントと骨区域の間の相対的な向きを維持するようにも働き得る。
【0016】
図10は、
図9の実施形態の側面図である。インプラント500の第1の端部510は、595の外径および596の谷の径を有する骨係合特徴を有してもよい。この図では、骨係合特徴540は、均一なサイズのものである。様々なサイズおよび構成のものである骨係合特徴を有してもよい他の実施形態が可能である。第1の端部510は、長さ502を有するものとしてさらに定義され得る。通り穴550は、表面555を通過してもよく、いくつかの骨係合特徴540を通って延びてもよい。インプラント500の第2の端部520は、590の外径および591の谷の径を有する骨係合特徴を有してもよい。この図では、骨係合特徴560は、長さ501に沿って様々である。谷の径591は、骨係合特徴560について等しくてもよく、一方、外径(major or outer diameters)590、592、593は、長さ501に沿ってサイズが様々である。様々な直径590、592、593は、テーパ幾何形状525の結果であり得る。本明細書の説明に基づいて、当業者なら、様々なサイズおよび構成のものである骨係合特徴を有してもよい他の実施形態が可能であることを理解するであろう。第2の端部520は、長さ501を有するものとしてさらに定義され得る。この図では、第2の端部520は、通り穴550なしで示されている。代替実施形態では、第2の端部520は、組織固定のために、または外科手術部位内にインプラントを挿入するために、縫合糸などと共に使用され得る通り穴550を有してもよい。縫合糸および通り穴550は、インプラント端部510、520と係合される骨区域間に圧迫を生ずるために使用され得る。圧迫は、第1の端部510を骨内に係合させ、一方、縫合糸を穴550に通し、次いで第2の端部520に取り付けられた骨に通し、これらの骨区域が結びつけられるように縫合糸を締め付けることによって、第2の端部520が係合され得る骨が第1の端部510に向かって引かれることによって生じ得る。この図では、インプラント500は、組織アンカとして、また2つの骨区域を圧迫する助けとしても働き得る。他の実施形態では、両端部510、520は、通り穴550を有してもよい。
図10は、有効直径536、長さ503、および特徴535を有する特徴530を示す側面図である。いくつかの実施形態は、2つの骨区域間での骨から骨への並置を減少させないように特徴530が可能な限り小さいものであることを必要とし得る。
【0017】
図11は、インプラント500の端面図である。この図は、インプラント500の両側に等しく位置決めされ得る手段535を備える比較的円形の断面を有する特徴530を示す。等しく離間されてもされなくてもよい1または複数の手段535を有してもよい代替実施形態が可能である。代替実施形態では、特徴530は、円形の断面を有しても有していなくてもよい。
【0018】
図12は、第3の実施形態の上面図および断面図である。この図は、存在し得る2つの平坦部555、556を有する第1の端部510を示す。これらの平坦部555、556は、骨に対するインプラント500の回転に抵抗するために使用される。
図12は、共に実質的に円形の断面を有する第1の端部510および第2の端部520を示す。代替実施形態は、円形の端部と非円形の端部の組合せを有してもよく、第1の端部510が非円形であってもよく、第2の端部520が円形であってもよく、または逆も同様である。インプラントは、異なる長さ501、502を有する第1の端部510および第2の端部520を有するものとして示されている。代替実施形態は、等しい長さのものであってもなくてもよい長さ501、502を有してもよい。インプラントは、中心線511を有する第1の端部510および同一線上の中心線521を有する第2の端部520を有するものとして示されている。代替実施形態は、中心線511を有する第1の端部510と、同一線上および/または平行であってもなくてもよい中心線521を有する第2の端部520とを有してもよい。
図12の断面
図C−Cは、中実断面を有するインプラント500を示す。これは、中心線外れであってもよい中心線511と交差する通り穴550をさらに示す。
【0019】
本明細書の説明に基づいて、当業者なら、本発明の範囲内にあるインプラント幾何形状の複数の変形形態が可能であることを理解するであろう。本明細書の説明は、予め組み立てられた縫合糸などを含んでも含まなくてもよい実施形態について論じている。予め組み立てられた縫合糸が、一時的または永続的にインプラントに取り付けられてもよい。縫合糸は、インプラントと共にパッケージされても、縫合糸穴に予め通されても、縫合糸穴に結ばれても、またはインプラント内に射出成形されてもされなくてもよい。本明細書の説明のために縫合糸を含むか、それとも除外するかは、範囲を限定するものではない。前述の実施形態および下記に記載の実施形態は、チタン、ニチノール、ステンレス鋼、PEEK、ポリマー、生物学的材料、グラフト、および/または吸収性材料を含むいくつかの材料から製造され得る。本明細書に記載の例示的な実施形態は、限定するものではない。
【0020】
図13は、本発明のインプラントを外科手術部位内に挿入する手段のための器具の1つの可能な実施形態である。挿入する手段のための器具、たとえばインサータ700は、インプラント750に予め組み立てられても組み立てられなくてもよい。インサータ700は、挿入中、インプラントの挿入および操作を容易にするためにハンドル領域720を有する。インサータ700は、特定のインプラント実施形態のためにカスタマイズされてもよい接続端部730を有してもよい。この図では、接続端部730は、インプラント750の通り穴760に係合する接続部材710を有する。インプラントは、インサータに予め組み立てられても組み立てられなくてもよい。
【0021】
図14は、キット1000の1つの可能な実施形態である。キット1000は、滅菌状態で提供されても非滅菌状態で提供されてもよく、外科手術手順を完了するための必要な器具を含んでもよい。このキット1000は、インプラント、第1のドリル/リーマ1160、第2のドリル/リーマ1170、およびkワイヤまたは縫合糸通し(passer)1180に予め組み立てられても組み立てられなくてもよいインサータ/ドライバ1150を含み得るトレイ1100からなる。この実施形態は、インプラント1200、1300を含む。インプラント1200、1300は、様々なサイズで含まれてもよく、キット内に含まれなくてもよい。インプラント1200、1300は、個々にパッケージされた物品として提供されてもよく、またはキット1000の構成要素として含まれてもよい。ドリル/リーマ1160および/または1170は、いくつかの様々な直径で含まれてもよい。リーマ1160および1170は、同じ直径であってもなくてもよい。リーマ1160および1170は、異なる直径であることが有利となり得る。キット1000は、任意の数の同じ直径または異なる直径のリーマを含んでもよい。ドリル/リーマ1160および/または1170に使用されるサイズ直径は、エンドユーザによって望まれるインプラントと骨の間の嵌合いの締め付けに依存し得る。インプラントと骨の間の押し嵌めまたは締め付けの量は、ユーザによって様々となり得、外科医の好み、骨の質、骨の幾何形状などに応じて様々となり得る。ドリル/リーマ1160および1170は、適切なリーマ加工または穿孔深さのための基準を提供するために使用され得るマーキングまたはインジケーション1175を含んでもよい。リーマ/ドリル1160および1170は、1または複数のマーキング1175を有してもよい。マーキング1175は、複数の場所または構成にあってもよい。インジケーションまたはマーキング1175は、深さまたは何らかの他の所定の測定値を示すために視覚的または物理的な較正を可能にし得る。インプラントキット1000の構成は、限定するものではない。本明細書の説明に基づいて、当業者なら、複数のキット構成が可能であり得ることに同意するであろう。
【0022】
キット1000または同様のキット実施形態を使用し、植え込むために骨の準備をしてもよい。例示のために、可能な槌趾またはPIP関節癒合技法について記載する。インプラントテンプレートと患者のX線像を使用し、使用すべき適切にサイズ設定されたインプラントを近似してもよい。インプラントのプロファイルは、外科的配慮のもと、指節骨の皮質殻(cortical shell)の内側境界内に嵌め合わなければならない。インプラントの位置およびサイズを評価するとき、骨切除の計画された量を考慮すべきである。正しいインプラントのサイズ設定が重要である。インプラントの最終サイズ設定および嵌合いは、骨内での適正な嵌合いを確保するために、実際のインプラントで評価されなければならない。外科医は、PIP関節の背側観にわたって適切な切り口を生み出すべきである。基節骨の頭部から側副靱帯を解放する横断方向の関節包切離術を実施するべきである。関節切除およびアクセスは、指中節骨および指基節骨の関節表面を完全に見えるようにするべきである。適切な骨の切断は、指節骨の長軸に対して垂直になされるべきである。最終的な足指の向きは、骨切除の角度によって達成される。インプラントに角度が付けられている場合、骨切除は、インプラントの角度を近似するべきである。指節骨の頭部に対してすぐ後方の基節骨の遠位頭部が切除されてもよい。適切にサイズ設定されたインプラントが選択される。適切にサイズ設定されたリーマを使用し、インプラントのサイズ設定を確認してもよい。適切なインプラントリーマがインプラントキットと共に滅菌パッケージされてもよい。望むなら、より小さな直径のドリルまたはリーマを使用し、初期パイロット穴を生み出してもよい。リーマの先端をその中心軸に沿って基節骨内に挿入し、一方、背側足底および内側側方の蛍光透視検査ビューでリーマの正しい位置を確認してもよい。リーマの場所が確認された後で、リーマ上で示される、必要とされる最小深さにリーマを進め、基節骨の近位皮質を穿刺しないようにしてもよい。インプラントの正しい軌道が重要である。位置のずれたインプラントは、適正な骨の並置および融合部位の後続の治癒を妨げ得る。リーマが示されたマーク1175にいっぱいに着座していない場合、穴は、正しい深さに穿孔されないことがある。骨内のリーマ深さが不十分である場合、節骨内のインプラントの最終的な着座が困難になる、または可能でなくなり得る。インプラントリーマの先端を、その中心軸に沿って中節骨内に挿入し、背側足底および内側側方の蛍光透視検査ビューでリーマの正しい位置を確認してもよい。挿入の手段のための器具、たとえばインサータ上に予め装填されてもよいインプラントが選択され、インサータが切除された骨表面上で底に達するまでインプラントを基節骨に押し込むことによって基節骨内に打ち込まれる。インプラントを基節骨内でいっぱいに着座させるために、わずかな叩打が必要とされることがあり、次いで、インサータが除去され、中央のバーブのある部分が露出されたままになる。
【0023】
縫合糸穴が使用されることになる場合、インプラントの遠位端を中節骨内に挿入する前に、所望の縫合糸をインプラント内の穴に通す。中節骨の近位背側観内に小さな穴を準備する。縫合糸は、この穴を通されることになる。縫合糸を穴に通す順序/ステップは様々とすることができる。最初にインプラントを通ってから骨を通って配置させることができる。または、最初に骨を通ってからインプラントを通って配置させることもできる。ステップの順序は、縫合糸がインプラントを通過する限り重要でない。縫合糸がインプラントおよび中節骨を通過した状態で、インプラントの端部を中節骨内の予め穿孔された穴内に位置決め・挿入することによって、インプラントの遠位端を中節骨内に挿入する。インプラントがいっぱいに着座し、指基節骨および指中節骨の切除された表面が接触するまで関節を堅く圧迫することによって、軸方向の力を加える。インプラントがいっぱいに着座し、インプラントが位置決めされ、位置合わせが確認された状態で、外科医は、骨区域が共に近づけられるように縫合糸を締め付けることによって、追加の圧迫または固定をもたらすために使用され得る自分の好ましい縫合に進んでよい。最終的な縫合および靱帯再接合は、インプラント縫合糸穴を通過した縫合糸で実施されてよい。
【0024】
図15は、本明細書に記載のものと同様の技法で近位骨区域210内に挿入された可能性があるインプラント200の側面図である。インプラント200は、インプラント200の第2の端部202を露出されたままにして、骨210内に部分的に挿入され得る第1の端部201を有する。縫合糸230は、インプラント縫合糸穴205を通過して、しかしいっぱいに植え込まれる前で示されている。
図16は、縫合糸230がインプラント200の第2の端部202内の縫合糸穴205を通過していっぱいに植え込まれたインプラント200の側面図である。縫合糸230は、最終的な縫合または組織接合のために第2の骨220を通過してもよい。縫合糸230は、しっかりと骨220に締め付けられたとき、骨210と骨220の間に追加の圧迫を提供し得る。
【0025】
図17は、本発明の第4の実施形態の上面図である。インプラントアセンブリ800が断面線A−Aと共に示されており、インプラント820に一体の2重縫合糸810を示す。
図17Aは、インプラント820と2重縫合糸810の間の接続エリア830を示す断面図である。インプラント820は、本明細書に記載の本発明の任意の構成のものであってよい。2重縫合糸810は、接続エリア830にてインプラント820に接続され、または取り付けられてよい。2重縫合糸810は、非吸収性であっても吸収性であってもよい。縫合糸810は、任意の適切なサイズのものであってよい。アタッチメント830は一時的なものであってよく、またはアタッチメント830は永続的なものであってもよい。2重縫合糸810は、インプラント820に一体であってもよい。2重縫合糸810は、縫合糸810をインプラント820に永続的に取り付けることによってインプラント820に接続され、または取り付けられてよい。アタッチメント830は、射出成形、インサート成形、接着、結束、または当業者に知られている他の取付け手段によってなされてもよい。
【0026】
図18は、本発明の第5の実施形態の上面図である。インプラントアセンブリ850が断面線A−Aと共に示されており、インプラント870に一体の単一の縫合糸860を示す。
図18Aは、インプラント870と縫合糸860の間の接続エリア880を示す断面図である。インプラント870は、本明細書に記載の本発明の任意の構成のものであってよい。縫合糸860は、接続エリア880にてインプラント870に接続され、または取り付けられてよい。縫合糸860は、非吸収性であっても吸収性であってもよい。縫合糸880は、任意の適切なサイズのものであってよい。アタッチメント880は一時的なものであってよく、またはアタッチメント880は永続的なものであってもよい。縫合糸860は、インプラント870に一体であってもよい。縫合糸860は、縫合糸860をインプラント870に永続的に取り付けることによってインプラント870に接続され、または取り付けられてよい。アタッチメント880は、射出成形、インサート成形、接着、結束、または当業者に知られている他の取付け手段によってなされてもよい。
【0027】
図19は、本発明の骨係合特徴の1つの可能な実施形態の詳細を示す側面図である。インプラント900は、骨係合特徴901、902を有する。骨係合特徴901、902は、同じ幾何形状のものであってもなくてもよい。この実施形態では、骨係合特徴901、902は鏡像であり、改善された滑り止めを可能にし、インプラント900が対向する骨内に植え込まれたときインプラント900の引き抜きを防止し得る。骨係合特徴901は、920の深さおよび930の半径と共に角度910を有する。骨係合特徴901は、角度940にある面935を有する。骨係合特徴902は、960の深さおよび970の半径と共に角度950を有する。骨係合特徴902は、角度980にある面975を有する。角度910と角度950は、等しい値または同様の方向のものであってもなくてもよいが、角度の方向は、骨の管内にロックするインプラントにとって重要である。
図19に示されているように、角度910、950は、ショルダ530に向かって角度が付けられている。この向きは、挿入の逆方向に力が加えられたとき準備された骨の管に抵抗可能に係合する傾向がある鋭い隅部、すなわち角度940、980を生み出す。この特徴は、指中節骨および指基節骨を直接反対に保持することが有利である。深さ960、920は、等しい値、向き、または幾何形状のものであってもなくてもよい。半径930、970は、等しい値または向きのものであってもなくてもよい。面935、975は、等しい長さまたは同様の幾何形状のものであってもなくてもよい。面935、975は、同一線上であってもなくてもよい。
【0028】
図20は、本発明の骨係合特徴の複数の可能な代替実施形態の斜視図である。インプラント2100は、第1の端部2120と共に示されている。第1の端部2120は、バーブのようであり、第1の端部2120の長さに沿って、また第1の端部2120の周囲周りで離間されてもよい複数の骨係合特徴2150を有してもよい。第1の端部2120は、2150など骨係合特徴がなくてもよいエリア2151を有してもよい。インプラント2200は、第1の端部2220を有する。第1の端部2220は、事実上螺旋状であってよい骨係合特徴2250を有してもよい。インプラント2300は、第1の端部2320を有する。第1の端部2320は、骨係合特徴2350を有してもよい。骨係合特徴2350は、特徴2352と、特徴2351を生み出すために使用され得る幾何形状とを有してもよい。骨係合特徴2351は、第1の端部2320の長さに沿って幾何形状および鋭さが様々となり得る。インプラント2400は、第1の端部2420を有してもよい。第1の端部2420は、骨係合特徴2450および溝2451を有してもよい。骨係合特徴2450は、第1の端部2420の長さに沿ってサイズ、鋭さ、および幾何形状が様々となり得る。インプラント2500は、第1の端部2520を有してもよい。第1の端部2520は、骨係合特徴2550を有してもよい。骨係合特徴2550は、穴2552によって中断されてもよい。骨係合特徴は、第1の端部2520を拡張させる、または拡張可能なものにし得るスロット2551によってさらに中断されてもよい。本明細書における開示に基づいて当業者には明らかになるように、本発明のインプラントは、その所期の目的についてインプラントの有効性を最適化するために1または複数のタイプの骨係合特徴を有してもよい。
【0029】
図21は、
図9および
図10に示されている実施形態と同様のインプラント400の側面図であるが、遠位端402における通り穴404に加えて、インプラント400は、近位端401に通り穴403をも有する。また、インプラント400は、骨係合特徴406ならびに/または骨内の向きおよび/もしくは位置を決定するための手段405を含んでもよい。
【0030】
図22は、本発明の第7の実施形態430を示す。デバイス430は、ドライバ端部432に取り付けられるインプラント431を有する。インプラント431は、植込み後、ドライバ端部432がぱちんと折れる、または折れて取れ得るようにドライバ432に解放可能に取り付けられ得る。インプラント431は、近位端433および遠位端434を有する。インプラント431は、本明細書における上記のように骨係合特徴435および/または通り穴436を有してもよい。
図23に示されているように、インプラント431は、一端でドライバ432に取り付けられる。図のように、アタッチメント437がインプラント431の遠位端434にあるが、近位端433にあってもよい。アタッチメント437は、十分な力の伝達および挿入のための操作を可能にし、一方、接続取付け手段437を破断する、ぱちんと折る、または切断することによってドライバ端部432が除去されることを可能にする幾何形状のものとなる。これは、機械加工または射出成形など従来の製造プロセスによってインプラントとインサータが同じ材料から製造されることを可能にすることが有利となり得る。これは、デバイスのコストを削減し得、ドライバ材料の追加のリサイクルを可能にし得る。これは、外科手術の複雑さ、および外科手術時間を削減する際にさらに有利となり得る。
【0031】
図24は、芯部材454を有するインプラントの第8の実施形態450の上面図および断面図である。インプラント450は、本明細書に記載の本発明の他の特徴および利点を有する。芯部材454は、インプラントの近位端451内に示されているが、近位端452内に延びても、部分的または全体的に近位端452内にあってもよい。芯部材454は、追加の強度をインプラント450に提供し得る。たとえば、インプラント450は、PEEKまたは別のプラスチックもしくは生体適合性材料または吸収性材料または骨から構成される場合、ニチノール、ステンレス鋼、チタンまたは他の生体適合性材料など、より強い材料から構成された芯部材454を有することが有利となり得る。芯454は、周囲のインプラント材料より相対的に強いことになる。これは、より小さいインプラントの強度を向上させるために特に有利となり得、向上された芯強度を有する小さいサイズのインプラント上の骨係合特徴を生み出すための手段を提供し得る。芯は、放射線不透過性であるという利益をも提供し得る。
【0032】
図25は、本発明の第9の実施形態、インプラント470の上面図および断面図である。インプラント470は、芯部材474を有し、本明細書に記載の本発明の他の特徴および利点を有し得る。芯部材474は、インプラント470を通って完全に延びて示されており、通り穴473を組み込む。芯部材474は、追加の強度をインプラント470に提供し得る。たとえば、インプラント470は、PEEKまたは別のプラスチックもしくは生体適合性材料または吸収性材料または骨から構成される場合、ニチノール、ステンレス鋼、チタンまたは他の生体適合性材料など、より強い材料から構成された芯部材474を有することが有利となり得る。芯474は、周囲のインプラント材料より相対的に強いことになる。芯は、放射線不透過性であるという利益をも提供し得る。インプラント470を通して芯を完全に延ばすことは、インプラント470に解放可能に取り付けられるドライバ端部476を提供することになる。インプラント470は、植込み後、ドライバ端部476がぱちんと折れる、または折れて取れ得るようにドライバ端部476に解放可能に取り付けられ得る。インプラント470は、近位端471および遠位端472を有する。インプラント470は、本明細書における上記のように骨係合特徴475および/または通り穴473を有してもよい。
図25に示されているように、インプラント470は、一端でドライバ476に取り付けられる芯部材474を有する。図のように、アタッチメント476がインプラント470の遠位端472にあるが、デバイスの所期の使用に応じて、近位端471にあってもよい。アタッチメント477は、十分な力の伝達および挿入のための操作を可能にし、一方、接続取付け手段477を破断する、ぱちんと折る、または切断することによってドライバ端部476が除去されることを可能にする幾何形状のものとなる。これは、射出成形またはオーバーモールディングなど低コストのプロセスによってインプラントとインサータが製造されることを可能にすることが有利となり得る。これは、デバイスのコストを削減し得、ドライバ材料の追加のリサイクルを可能にし得る。これは、外科手術の複雑さ、および外科手術時間を削減する際にさらに有利となり得る。
【0033】
図26は、インプラント480の側面図である。インプラント480は、近位端481および遠位端482を有してもよい。また、インプラント480は、骨係合特徴484および/または通り穴483、ならびに本明細書に記載の本発明の他の特徴および利点を有してもよい。また、インプラント480は、延長された近位端485および/または延長された遠位端486を有する。延長された端部485、486は、特定のサイズを生み出すために使用時に切り詰められてもよい。延長された端部485、486は、滑らかなものであってよく、または本明細書に記載の他の特徴を有してもよい。
【0034】
図27は、挿入またはドライバデバイス602に予め組み立てられた、本明細書に記載の本発明のインプラントを有してもよいインプラントキット600の分解図である。インサータ/ドライバおよびインプラントのアセンブリは、クラムシェルまたは他の保持デバイス601内に含まれてもよい。インサータ/ドライバおよびインプラントのアセンブリは、滅菌パッケージされてもよい。
【0035】
本明細書に記載のインプラント、器具、および外科手術技法の実施形態および構成の説明は、限定されない。本明細書の説明に基づいて、当業者なら、本発明の範囲内に入る多数の構成および/または実施形態があることを理解するであろう。本明細書に記載の例示的な実施形態は、限定するものではない。
【国際調査報告】