【実施例】
【0353】
次に、本発明を、非限定実施例を参照して例示する。別途記載がない限り、全てのパーセント、比率、部などは、重量基準である。全ての試薬は、Aldrich Chemical Co.(New Jersey)または他の商業的供給源から購入したものである。核磁気共鳴(
1H NMR)スペクトルは、Bruker 400MHz装置で取得した。質量スペクトルは、Bruker Daltonics Esquire 3000装置で取得し、LCMSは、Agilent 1260 Infinity LCとAgilent 6120シングル四重極MSを併用して、エレクトロスプレーイオン化を用いて測定した。
【0354】
以下の溶媒、試薬、保護基、部分、及び他の記号は、括弧内のそれらの略号により示される場合がある。
Me=メチル、Et=エチル、Pr=プロピル、i−Pr=イソプロピル、Bu=ブチル、t−Bu=tert−ブチル、Ph=フェニル、及びAc=アセチル
AcOHまたはHOAc=酢酸
ACNまたはCH
3CN=アセトニトリル
Ala=アラニン
aq=水性
BH
3・DMS=ボランジメチルスルフィド錯体
Bn=ベンジル
BocまたはBOC=tert−ブトキシカルボニル
CBr
4=四臭化炭素
CbzまたはZ=ベンジルオキシカルボニル
DCMまたはCH
2Cl
2=ジクロロメタン
DCE=1,2−ジクロロエタン
DMAP=4−ジメチルアミノピリジン
DI水=脱イオン水
DIBAL=水素化ジイソブチルアルミニウム
DIEAまたはDIPEA=N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMA=N,N−ジメチルアセトアミド
DMF=N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO=ジメチルスルホキシド
DTT=ジチオトレイトール
EDC=1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
EEDQ=N−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン
ESIまたはES=エレクトロスプレーイオン化
EtOAc=酢酸エチル
Gly=グリシン
g=グラム
h=時間
HATU=N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウム=ヘキサフルオロホスファート
HPLC=高速液体クロマトグラフィー
HOBtまたはHOBT=1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
LAH=水素化リチウムアルミニウム
LC=液体クロマトグラフィー
LCMS=液体クロマトグラフィー質量分析
min=分
mg=ミリグラム
mL=ミリリットル
mmol=ミリモル
μg=マイクログラム
μL=マイクロリットル
μmol=マイクロモル
Me=メチル
MeOH=メタノール
MeI=ヨウ化メチル
MS=質量分析
MsCl=塩化メタンスルホニル(塩化メシル)
Ms
2O=メタンスルホン酸無水物
NaBH(OAc)
3=トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム
NHS=N−ヒドロキシスクシンアミド
NMR=核磁気共鳴分光法
PPh
3=トリフェニルホスフィン
PTLC=分取薄層クロマトグラフィー
rac=ラセミ混合物
R
f=遅延係数
RPHPLCまたはRP−HPLC=逆相高速液体クロマトグラフィー
RTまたはrt=室温(常温、約25℃)
satまたはsat’d=飽和
STAB=トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH(OAc)
3)
TBSClまたはTBDMSCl=塩化tert−ブチルジメチルシリル
TBS=tert−ブチルジメチルシリル
TCEP・HCl=トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩
TEA=トリエチルアミン(Et
3N)
TFA=トリフルオロ酢酸
THF=テトラヒドロフラン
TLC=薄層クロマトグラフィー
Val=バリン
実施例1.
2,5−ジオキソピロリジン−1−イル=6−((2−((2−((2−((3−((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−11,12,12a,13−テトラヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)−5−((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−12a,13−ジヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)−2−オキソエチル)アミノ)−2−オキソエチル)アミノ)−2−オキソエチル)アミノ)−6−オキソヘキサノアート(化合物14)の合成
【0355】
【化89】
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【0356】
工程1:Z−Gly−Gly−OH化合物1(5.0g、18.78mmol)及びH−Gly−Ot−Bu・HCl化合物2(3.46g、20.66mmol)を、DMF(37.6mL)に溶解させた。反応フラスコに、EDC・HCl(3.96g、20.66mmol)及びHOBt(2.88g、18.78mmol)を添加し、続いてDIPEA(8.18mL、46.9mmol)を添加した。反応物を、Ar下、室温で一晩攪拌した。反応混合物をCH
2Cl
2で希釈し、飽和NH
4Cl、飽和NaHCO
3、続いて水及びブラインで洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/DCM、勾配、0%〜5%)により精製して、純粋な化合物3を白色固体として得た(6.35g、収率89%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 8.18−8.13 (m, 2H), 7.48 (t, 1H, J = 6.0 Hz), 7.37−7.36 (m, 3H), 7.34−7.32 (m, 1H), 5.04 (s, 2H), 4.09 (q, 1H, J = 5.2 Hz), 3.74 (t, 4H, J = 6.1 Hz), 3.67 (d, 2H, J = 6.0 Hz), 3.17 (d, 2H, J = 5.2 Hz), 1.41 (s, 9H).LCMS = 4.28分 (8分方式).質量観測値 (ESI
+):324.15 (M−t−Bu+H).
【0357】
【化90】
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【0358】
工程2:化合物3(6.3g、16.60mmol)を、MeOH(52.7mL)及び水(2.64mL)に溶解させた。反応混合物を、Arでパージし、5分間脱気した。Pd/C(湿潤、10%)(0.884g、0.830mmol)を緩徐に添加した。次いで、バルーンからH
2を1分間吹き込んだ。反応物を、バルーンのH
2下、室温で一晩攪拌した。反応混合物をセライト濾過し、濾過ケーキをMeOH(30mL)で洗浄し、濃縮した。残渣にCH
3CN(20mL)を添加し、濃縮した。これをさらに2回繰り返して、粘着固体を得た。残渣をEtOAc/ヘキサン(2:1、50mL)に添加してスラリーとし、濾過し、EtOAc/ヘキサン(1:1、30mL)ですすいだ。固体を、真空/N
2下で1時間乾燥させて、化合物4を白色固体として得た(3.66g、収率90%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 8.21−8.18 (m, 1H), 8.12 (bs, 1H), 3.76 (bs, 2H), 3.73 (d, 2H, J = 6.0 Hz), 3.13 (s, 2H), 1.93 (bs, 2H), 1.41 (s, 9H).
【0359】
【化91】
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【0360】
工程3:アミン化合物4(1.0g、4.08mmol)及びアジピン酸モノメチル(664μL、4.48mmol)を、DMF(13.59mL)に溶解させた。反応混合物に、EDC・HCl(860mg、4.48mmol)及びHOBt(624mg、4.08mmol)を添加して、続いてDIEA(1.424mL、8.15mmol)を添加した。反応物を、室温で一晩攪拌した。反応混合物をDCM/MeOH(20mL、5:1)で希釈し、飽和NH
4Cl、飽和NaHCO
3、水、及びブラインで洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(勾配、0%〜20%のMeOH/DCM)により精製して、純粋な化合物5を白色固体として得た(1.5g、収率95%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 8.17−8.06 (m, 3H), 3.74−3.71 (m, 6H), 3.59 (s, 3H), 2.32 (bt, 2H, J = 6.9 Hz), 2.14 (bt, 2H, J = 6.7 Hz), 1.52−1.49 (m, 4H), 1.41 (s, 9H).
【0361】
【化92】
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【0362】
工程4:化合物5(1.5g、3.87mmol)を、TFA(5.97mL、77.0mmol)及び脱イオン水(300μL)中、室温で一晩攪拌した。反応混合物にCH
3CN(10mL)を添加し、5分間攪拌した。混合物は濃厚になり、白色沈殿物が大量に生じた。追加のCH
3CN(30mL)を添加し、さらに5分間攪拌した。混合物を濾過し、真空/N
2下で1時間乾燥させて、純粋な化合物6を白色固体として得た(0.7g、収率55%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 12.56 (s, 1H), 8.16−8.06 (m, 3H), 3.73 (dt, 6H, J = 8.6, 6.1 Hz), 3.59 (s, 3H), 2.32−2.29 (m, 2H), 2.16−2.13 (m, 2H), 1.51 (bt, 4H, J = 3.5 Hz).
【0363】
【化93】
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【0364】
工程5:アニリン化合物7(100mg、0.653mmol)及び酸化合物6(227mg、0.685mmol)を、室温で、CH
2Cl
2/MeOH(4.35mL/2.2mL)に懸濁させた。EEDQ(323mg、1.306mmol)を添加し、反応物を室温で一晩攪拌した。溶媒を濃縮し、残渣をEtOAc(15mL)に添加してスラリーとし、濾過した。固体をEtOAc(2×15mL)で洗浄し、真空/N
2下で乾燥させて、化合物8を白色固体として得た(260mg、収率85%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 9.74 (s, 1H), 8.21−8.19 (m, 2H), 8.11−8.08 (m, 1H), 7.45 (s, 2H), 6.96 (s, 1H), 5.17 (t, 2H, J = 5.7 Hz), 4.45 (d, 4H, J = 5.6 Hz), 3.87 (d, 2H, J = 5.8 Hz), 3.75 (dd, 4H, J = 5.7, 13.4 Hz), 3.58 (s, 3H), 2.31−2.27 (m, 2H), 2.16−2.13 (m, 2H), 1.52−1.48 (m, 4H).LCMS = 0.886分 (15分方式).質量観測値 (ESI
+):489.3 (M+Na).
【0365】
【化94】
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【0366】
工程6:ジオール化合物8(260mg、0.557mmol)及び四臭化炭素(555mg、1.672mmol)を、DMF(5.57mL)に溶解させた。トリフェニルホスフィン(439mg、1.672mmol)を添加し、褐色混合物をAr下、室温で4時間攪拌した。反応混合物をDCM/MeOH(10:1、30mL)で希釈し、水及びブラインで洗浄した。有機層を、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/DCM、0%〜10%、勾配)により精製して、化合物9を黄色固体として得た。生成物をCH
2Cl
2/EtOAc(1:10、30mL)に添加してスラリーとし、次いで濾過した。固体をEtOAcで洗浄し、真空/N
2下で乾燥させて、純粋な化合物9をオフホワイト色固体として得た(170mg、収率52%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 9.95 (s, 1H), 8.25−8.20 (m, 2H), 8.12−8.10 (m, 1H), 7.65 (s, 2H), 7.22 (s, 1H), 4.68 (s, 3H), 3.89 (d, 2H, J = 5.8 Hz), 3.77 (dd, 4H, J = 5.7, 7.4 Hz), 3.58 (s, 3H), 2.31−2.27 (m, 2H), 2.16−2.13 (m, 2H), 1.51−1.49 (m, 4H).LCMS = 3.335分 (15分方式).質量観測値 (ESI
+):593.2 (M+H).
【0367】
【化95】
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【0368】
工程7:ジブロミド化合物9(109mg、0.184mmol)及びIGN単量体化合物10(119mg、0.405mmol)を、DMF(1.84mL)に溶解させた。炭酸カリウム(63.6mg、0.460mmol)を添加し、室温で一晩攪拌した。反応混合物に水(20mL)を添加して、生成物を沈殿させた。スラリーを室温で5分間攪拌し、次いで濾過し、真空/N
2下で1時間乾燥させた。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/CH
2Cl
2、勾配、0%〜5%)により精製して、化合物11を黄色固体として得た(160mg、収率60%、純度70%)。LCMS=5.240分(15分方式).質量観測値(ESI
+):1019.7(M+H).
【0369】
【化96】
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【0370】
工程8:ジイミン化合物11(140mg、0.11mmol)を1,2−ジクロロエタン(1.1mL)に溶解させた。反応混合物にNaBH(OAc)
3(23.29mg、0.11mmol)を添加し、室温で1時間攪拌した。反応物をCH
2Cl
2(30mL)で希釈し、飽和NH
4Cl水溶液(15mL)でクエンチした。層を分離させ、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。粗残渣を、RPHPLC(C18カラム、CH
3CN/H
2O、勾配、35%〜55%)により精製してモノイミン化合物12を白色綿状固体として得たて(33mg、収率29%)、また、出発物質化合物11を回収した(25mg)。LCMS=7.091分(15分方式).質量観測値(ESI
+):1021.7(M+H).
【0371】
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
【0372】
工程9:メチルエステル化合物12(33mg、0.029mmol)をTHF(1.09mL)及び水(364μL)に溶解させた。LiOH(6.97mg、0.291mmol)を添加し、反応物を室温で1.5時間攪拌した。反応混合物をH
2O(5mL)で希釈し、0.5M水性HClでpH約4まで酸性にした。水層をCH
-2Cl
2/MeOH(3:1、3×20mL)で抽出した。有機層を合わせて、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗化合物13を黄色固体として得た(29mg、収率99%)。LCMS=5.356分(15分方式).質量観測値(ESI
+):1007.7(M+H).
【0373】
【化98】
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【0374】
工程10:酸化合物13(29mg、0.023mmol)及びN−ヒドロキシスクシンアミド(21.21mg、0.184mmol)をCH
2Cl
2(2.3mL)に溶解させて攪拌した溶液に、室温でEDC・HCl(22.08mg、0.115mmol)を添加した。反応混合物を2時間攪拌した。反応混合物をCH
2Cl
2で希釈し、水(1×15mL)及びブライン(1×15mL)で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をRPHPLC(C18カラム、CH
3CN/H
2O、勾配、35%〜55%)により精製した。生成物含有画分を合わせて凍結乾燥させ、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル=6−((2−((2−((2−((3−((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−11,12,12a,13−テトラヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)−5−((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−12a,13−ジヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)−2−オキソエチル)アミノ)−2−オキソエチル)アミノ)−2−オキソエチル)アミノ)−6−オキソヘキサノアート、化合物14を、白色綿状固体として得た(8mg、収率31%)。LCMS=5.867分(15分方式).質量観測値(ESI
+):1104.7(M+H).
実施例2.
(1r,4r)−2,5−ジオキソピロリジン−1−イル=4−((2−((2−((2−((3−((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−11,12,12a,13−テトラヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)−5−((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−12a,13−ジヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)−2−オキソエチル)アミノ)−2−オキソエチル)アミノ)−2−オキソエチル)カルバモイル)シクロヘキサン−カルボキシラート(化合物23)の合成
【0375】
【化99】
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【0376】
工程1:アミン化合物4(200mg、0.815mmol)及び1,4−trans−シクロヘキサンジカルボン酸モノメチルエステル化合物15(182mg、0.978mmol)を、DMF(2.72mL)に溶解させた。反応混合物にEDC・HCl(188mg、0.978mmol)及びHOBt(125mg、0.815mmol)を添加し、続いてDIEA(285μL、1.631mmol)を添加した。混合物を室温で一晩攪拌した。反応混合物をCH
2Cl
2で希釈し、飽和NH
4Cl、飽和NaHCO
3、ブライン、及び水で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮して、粘着な残渣とした。残渣にCH
3CN(15mL)を添加し、濃縮した。これをさらに2回繰り返して、化合物16を乾燥白色粉末として得た(300mg、収率85%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 8.16 (t, 1H, J = 5.9 Hz), 8.04 (dt, 2H, J = 5.6, 14.8 Hz), 3.74−3.69 (m, 6H), 3.59 (s, 3H), 2.31−2.25 (m, 1H), 2.20−2.13 (m, 1H), 1.94−1.91 (m, 2H), 1.82−1.79 (m, 2H), 1.41 (s, 9H), 1.34 (d, 3H, J = 11.7 Hz).
【0377】
【化100】
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【0378】
工程2:未希釈の化合物16(300mg、0.726mmol)に、室温で、TFA(1.40mL、18.14mmol)及びDI水(67.8μL)を添加し、3時間攪拌した。反応混合物にCH
3CN(20mL)を添加し、濃縮した。これをさらに2回繰り返して、化合物17を白色固体として得た(230mg、収率89%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 8.16−8.13 (m, 1H), 8.07−8.01 (m, 2H), 3.76−3.73 (m, 4H), 3.70 (bd, 2H, J = 5.1 Hz), 3.59 (s, 3H), 2.31−2.25 (m, 1H), 2.19−2.14 (m, 1H), 1.94−1.91 (m, 2H), 1.82−1.79 (m, 2H), 1.42−1.26 (m, 4H).
【0379】
【化101】
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【0380】
工程3:アニリン化合物7(135mg、0.881mmol)及び酸化合物17(331mg、0.925mmol)を、室温で、CH
2Cl
2/MeOH(2.9mL/1.5mL)に懸濁させた。EEDQ(436mg、1.763mmol)を添加し、反応物を室温で一晩攪拌した。溶媒を濃縮し、残渣をEtOAc(15mL)に添加してスラリーとし、濾過した。固体をEtOAc(2×15mL)で洗浄し、真空/N
2下で乾燥させて、化合物18を白色固体として得た(330mg、収率61%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 9.73 (s, 1H), 8.18 (dt, 2H, J = 6.0, 19.2 Hz), 8.09−8.01 (m, 2H), 7.45 (s, 2H), 6.96 (s, 1H), 5.17 (t, 2H, J = 5.7 Hz), 4.45 (d, 4H, J = 5.6 Hz), 3.88−3.84 (m, 3H), 3.77−3.69 (m, 8H), 3.63 (s, 2H), 3.59 (s, 6H), 2.30−2.22 (m, 2H), 2.19−2.13 (m, 2H), 1.94−1.90 (m, 4H), 1.82−1.78)m, 4H), 1.41−1.26 (m, 8H).
【0381】
【化102】
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【0382】
工程4:化合物18(330mg、0.536mmol)及びCBr
4(533mg、1.608mmol)をDMF(5.36mL)に溶解させた。反応混合物にPPh
3(422mg、1.608mmol)を添加したところ、この時点で反応物は黄色に変色し、わずかに発熱した。反応物をAr下で4時間攪拌した。反応混合物をCH
2Cl
2で希釈し、水及びブラインで洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。粗残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/CH
2Cl
2、勾配、0%〜10%)により精製して、化合物19を白色固体として得た(234mg、収率64%)。LCMS=4.453分(8分方式).質量観測値(ESI
+):617.10(M+H).
【0383】
【化103】
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【0384】
工程5:化合物20を、実施例1の化合物11と同様に調製した。精製後、化合物20を黄色固体として得た(264mg、収率60%)。LCMS=4.831分(8分方式).質量観測値(ESI
+):1045.20(M+H).
【0385】
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
【0386】
工程6:化合物21を、実施例1の化合物12と同様に調製した。C18の精製後、化合物21を白色固体として得た(51mg、収率31%)。LCMS=5.127分(8分方式).質量観測値(ESI
+):1047.30(M+H).
【0387】
【化105】
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【0388】
工程7:メチルエステル化合物21(48mg、0.046mmol)を、1,2−ジクロロエタン(3.06mL)に溶解させた。反応混合物にトリメチルスタンナノール(124mg、0.688mmol)を添加し、80℃で一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水(15mL)で希釈した。水層を1MのHClでpH約4まで酸性にした。混合物をCH
2Cl
2/MeOH(10:1、3×20mL)で抽出した。有機層を合わせて、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。粗残渣をシリカゲルのショートパッドに詰めてCH
2Cl
2/MeOH(10:1、次いで5:1、2×30mL)で洗浄し、濃縮した。酸化合物22を黄色固体として得て、さらに精製することなく次の工程で使用した(48mg、収率100%)。LCMS=5.338分(15分方式).質量観測値(ESI
+):1033.7(M+H).
【0389】
【化106】
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【0390】
工程8:化合物23を、実施例1の化合物13と同様に調製した。C18精製後、(1r,4r)−2,5−ジオキソピロリジン−1−イル=4−((2−((2−((2−((3−((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−11,12,12a,13−テトラヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)−5−((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−12a,13−ジヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)−2−オキソエチル)アミノ)−2−オキソエチル)アミノ)−2−オキソエチル)カルバモイル)シクロヘキサンカルボキシラート、化合物23を、白色固体として得た(8mg、収率19%)。LCMS=6.007分(15分方式).質量観測値(ESI
+):1130.8(M+H).
実施例3.
2,5−ジオキソピロリジン−1−イル=6−(((S)−1−(((S)−1−((3−((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−11,12,12a,13−テトラヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)−5−((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−12a,13−ジヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)アミノ)−6−オキソヘキサノアート(化合物35)の合成
【0391】
【化107】
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【0392】
工程1:Z−Val−OH化合物24(3.0g、11.94mmol)及びL−Ala−OtBu化合物25(1.907g、13.13mmol)を、DMF(23.88mL)に溶解させた。反応混合物に、EDC・HCl(2.52g、13.13mmol)及びHOBt(2.011g、13.13mmol)を添加し、続いてDIEA(4.59mL、26.3mmol)を添加した。反応物を、Ar下、室温で一晩攪拌した。反応混合物をCH
2Cl
2で希釈し、飽和NaHCO
3、飽和NH
4Cl、水、及びブラインで洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、勾配、0%〜50%)により精製して、化合物26を白色固体として得た(3.68g、収率81%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 7.39−7.29 (m, 5H), 6.29 (bd, 1H, J = 6.9 Hz), 5.34 (bd, 1H, J = 8.4 Hz), 5.11 (s, 2H), 4.45 (p, 1H, J = 7.2 Hz), 4.02−3.98 (m, 1H), 2.18−2.09 (m, 1H), 1.56 (s, 9H), 1.37 (d, 3H, J = 7.0 Hz), 0.98 (d, 3H, J = 6.8 Hz), 0.93 (d, 3H, J = 6.8 Hz).LCMS = 5.571分 (8分方式).質量観測値 (ESI
+):323.25 (M−tBu+H).
【0393】
【化108】
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【0394】
工程2:化合物26(3.68g、9.72mmol)をMeOH(30.9mL)及び水(1.543mL)に溶解させた。溶液をArでパージし、5分間脱気した。反応混合物に、Pd/C(10%、湿潤、0.517g)を緩徐に添加した。次いで、H
2を1分間吹き込んだ。吹き込みを中断し、次いで反応物をH
2バルーン下で一晩攪拌した。反応混合物をセライト濾過し、濾過ケーキをMeOH(30mL)で洗浄し、濃縮して、化合物27を白色固体として得た(2.35g、収率99%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 7.79−7.77 (m, 1H), 4.50 (p, 1H, J = 7.3 Hz), 3.27 (d, 1H, J = 3.9 Hz), 2.34−2.26 (m, 1H), 1.49 (s, 9H), 1.40 (d, 3H, J = 7.1 Hz), 1.01 (d, 3H, J = 7.0 Hz), 0.86 (d, 3H, J = 6.9 Hz).
【0395】
【化109】
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【0396】
工程3:アミン化合物27(2.35g、9.62mmol)及びアジピン酸モノメチル(1.69g、10.58mmol)をDMFに溶解させた(32.1mL)。反応混合物にEDC・HCl(1.94g、10.10mmol)及びHOBt(1.47g、9.62mmol)を添加し、続いてDIEA(3.36mL、19.24mmol)を添加した。反応物を室温で一晩攪拌した。反応混合物をDCM/MeOH(20mL、5:1)で希釈し、飽和NH
4Cl、飽和NaHCO
3、水、及びブラインで洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、勾配、0%〜50%)により精製して、化合物28を白色固体として得た(2.77g、収率75%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 6.29 (d, 1H, J = 7.2 Hz), 6.12 (d, 1H, J = 8.6 Hz), 4.43 (p, 1H, J = 7.2 Hz), 4.27 (dd, 1H, J = 6.4, 8.6 Hz), 3.66 (s, 3H), 2.35−2.31 (m, 2H), 2.26−2.23 (m, 2H), 2.12−2.03 (m, 1H), 1.70−1.63 (m, 4H), 1.46 (s, 9H), 1.36 (d, 3H, J = 7.1 Hz), 0.95 (見かけ上t, 6H, J = 6.6 Hz).
【0397】
【化110】
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【0398】
工程4:未希釈の化合物28(2.77g、7.17mmol)に、室温で、TFA(8.28mL、108.0mmol)及び水(0.56mL)を添加し、2.5時間攪拌した。反応混合物にCH
3CN(30mL)を添加し、濃縮した。これをさらに2回繰り返して、化合物29を淡黄色固体として得た(2.0g、収率84%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 8.11 (bs, 1H), 7.29 (d, 1H, J = 8.9 Hz), 7.14 (d, 1H, 6.8 Hz), 4.58 (p, 1H, J = 7.1 Hz), 4.37 (t, 1H, J = 8.7 Hz), 3.68 (s, 3H), 2.37−2.32 (m, 4H), 2.03−1.99 (m, 2H), 1.69−1.63 (m, 4H), 1.49 (d, 3H, J = 7.2 Hz), 0.97 (d, 3H, J = 4.8 Hz), 0.96 (d, 3H, J = 4.8 Hz).
【0399】
【化111】
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【0400】
工程5:アニリン化合物7(150mg、0.98mmol)及び酸化合物29(340mg、1.03mmol)を、室温で、CH
2Cl
2/MeOH(3.26mL、1.62mL)に懸濁させた。EEDQ(484mg、1.96mmol)を添加し、反応物を室温で一晩攪拌した。溶媒を濃縮し、残渣をEtOAc/Et
2O(15mL、15mL)に添加してスラリーとし、濾過した。固体をEt
2O(2×15mL)で洗浄し、真空/N
2下で乾燥させて、化合物30を白色固体として得た(150mg、収率33%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 7.61 (s, 2H), 7.47 (d, 1H, J = 7.1 Hz), 7.14 (s, 1H), 6.64 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 4.82−4.75 (m, 1H), 4.45−4.40 (m, 4H), 3.64 (s, 3H), 2.36−2.27 (m, 4H), 2.16−2.07 (m, 1H), 1.68−1.59 (m, 4H), 1.47 (d, 3H, J = 7.0 Hz), 0.98 (d, 3H, J = 3.6 Hz), 0.95 (d, 3H, J = 4.8 Hz).LCMS = 3.073分 (8分方式).質量観測値 (ESI
+):466.25 (M+H).
【0401】
【化112】
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【0402】
工程6:ジオール化合物30(150mg、0.322mmol)及びCBr
4(321mg、0.967mmol)を、DMF(3222μl)に溶解させた。反応混合物にPPh
3(254mg、0.967mmol)を添加すると、この時点で反応物は赤桃色に変色し、わずかに発熱した。反応物をAr下で4時間攪拌した。反応混合物をCH
2Cl
2で希釈し、水及びブラインで洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。粗残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、勾配、0%〜100%)により精製して、化合物31をオフホワイト色固体として得た(473mg、収率75%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 8.19 (d, 1H, J = 6.6 Hz), 7.85 (d, 1H, J = 8.5 Hz), 7.64 (s, 2H), 7.21 (s, 1H), 4.68 (s, 3H), 4.37 (p, 1H, J = 7.0 Hz), 4.18 (dd, 1H, J = 7.2, 8.4 Hz), 3.58 (s, 3H), 2.32−2.29 (m, 2H), 2.33−2.12 (m, 2H), 2.01−1.91 (m, 1H), 1.53−1.49 (m, 4H), 1.31 (d, 3H, J = 7.1 Hz), 0.89 (d, 3H, J = 6.8 Hz), 0.85 (d, 3H, J = 6.8 Hz).LCMS = 5.259分 (8分方式).質量観測値 (ESI
+):592.05 (M+H).
【0403】
【化113】
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【0404】
工程7:化合物32を、実施例1の化合物11と同様に調製した。精製後、化合物32を黄色固体として得た(162mg、収率57%、純度70%)。LCMS=6.461分(15分方式).質量観測値(ESI
+):1018.7(M+H).
【0405】
【化114】
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【0406】
工程8:化合物33を、実施例1の化合物12と同様に調製した。C18精製後、化合物33を白色固体として得た(40mg、収率31%)。LCMS=5.528分(8分方式).質量観測値(ESI
+):1020.30(M+H).
【0407】
【化115】
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工程9:化合物34を、実施例2の化合物22と同様に調製した。シリカプラグ後、化合物34を黄色固体として得た(38mg、収率100%)。LCMS=5.211分(8分方式).質量観測値(ESI
+):1006.35(M+H).
【0408】
【化116】
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【0409】
工程10:化合物35を、実施例1の化合物14と同様に調製した。C18精製後、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル=6−(((S)−1−(((S)−1−((3−((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−11,12,12a,13−テトラヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)−5−((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−12a,13−ジヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)アミノ)−6−オキソヘキサノアート、化合物35を、白色固体として得た(8mg、収率20%)。LCMS=7.031分(15分方式).質量観測値(ESI
+):1103.7(M+H).
実施例4.
2,5−ジオキソピロリジン−1−イル=2−(3−((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−11,12,12a,13−テトラヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)−5−((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−12a,13−ジヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)フェニル)−3,6,9,12−テトラオキソ−2,5,8,11−テトラアザヘプタデカン−17−オアート(化合物49)の合成
【0410】
【化117】
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【0411】
工程1:(5−アミノ−1,3−フェニレン)ジメタノール化合物7(5.0g、32.6mmol)をTHF(65.3mL)に溶解させた。TBSCl(12.30g、82mmol)及びイミダゾール(6.67g、98mmol)を添加し、Ar下、室温で一晩攪拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和NH
4Cl及びブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。粗残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、勾配、0%〜30%)により精製して、化合物37を黄色油状物として得た(13g、収率100%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 6.71 (s, 1H), 6.60 (s, 2H), 4.65 (s, 4H), 0.94 (s, 18H), 0.10 (s, 12H).
【0412】
【化118】
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【0413】
工程2:アニリン化合物37(10g、26.2mmol)をDMF(52.4mL)に溶解させて攪拌した溶液に、Cs
2CO
3(8.54g、26.2mmol)を添加した。ヨウ化メチル(1.474mL、23.58mmol)を添加し、反応物を室温で3時間攪拌した。反応混合物に水(10mL)及びEtOAc(30mL)を添加した。層を分離させ、EtOAc(2×)で抽出した。有機層を水(4×)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、勾配、0%〜10%)により精製して、所望のモノメチル化生成物である化合物38を得た(3.8g、収率37%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ6.63 (s, 1H), 6.52 (s, 2H), 4.67 (s, 4H), 2.84 (s, 3H), 0.94 (s, 18H), 0.10 (s, 12H).
【0414】
【化119】
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【0415】
工程3:アニリン化合物38(1.0g、2.53mmol)及びZ−Gly−OH(0.582g、2.78mmol)をDMF(8.42mL)に溶解させた。反応混合物にEDC・HCl(1.21g、6.32mmol)及びDMAP(340mg、2.78mmol)を添加し、80℃で一晩加熱した。反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO
3及び水(2×)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、勾配、0%〜30%〜100%)により精製して、化合物39を黄色粘着固体として得た(780mg、収率53%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 7.27 (m, 6H), 6.90 (s, 2H), 4.94 (s, 2H), 4.62 (s, 4H), 3.58 (s, 2H), 3.16 (s, 3H), 0.83 (s, 18H), 0.00 (s, 12H).
【0416】
【化120】
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【0417】
工程4:化合物39(1.26g、2.147mmol)をMeOH(6.82mL)及びTHF(6.8mL)に溶解させ、溶液をN
2でパージした。Pd/C(10%、0.228g、0.215mmol)を添加し、H
2を数分間吹き込んだ。反応物を、H
2バルーン下、一晩攪拌した。反応混合物をセライト濾過し、MeOHで洗浄し、濃縮して、純粋な化合物40を得た(1g、収率100%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 7.41−7.30 (m, 2H), 7.27−7.21 (m, 1H), 7.06 (s, 2H), 4.65 (s, 4H), 3.23 (s, 3H), 3.12 (s, 2H), 0.82 (s, 18H), 0.00 (s, 12H).
【0418】
【化121】
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【0419】
工程5:アミン化合物40(1.0g、1.988mmol)及びZ−Gly−Gly−Gly−OH(662mg、2.385mmol)を、DMF(6.63mL)に溶解させた。反応混合物に、EDC・HCl(457mg、2.385mmol)及びHOBT(304mg、1.988mmol)を添加し、続いてDIEA(694μL、3.98mmol)を添加した。反応物を室温で一晩攪拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO
3、ブライン、及び水(2×)で洗浄した。有機層を、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/DCM、勾配、0%〜10%)により精製して、化合物41を白色粘着発泡体として得た(994mg、収率71%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 7.38−7.32 (m, 7H), 7.31−7.27 (m, 2H), 7.01 (s, 2H), 5.13 (s, 2H), 4.74 (s, 4H), 3.97 (d, 2H, J = 4.6 Hz), 3.92 (d, 2H, J = 5.3 Hz), 3.74 (d, 2H, J = 3.7 Hz), 3.27 (s, 3H), 0.94 (s, 18H), 0.11 (s, 12H).
【0420】
【化122】
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【0421】
工程6:化合物41(994mg、1.418mmol)をMeOH(6.65mL)及び水(443μL)に懸濁させ、N
2でパージした。Pd/C(10%湿潤、302mg、0.284mmol)を添加し、H
2を数分間吹き込んだ。反応物を、H
2バルーン下、一晩攪拌した。溶液をセライト濾過し、MeOHで洗浄し、濃縮して、純粋な化合物42を得た(725mg、収率90%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 8.10−7.97 (m, 1H), 7.91−7.85 (m, 1H), 7.31−7.23 (m, 1H), 7.05 (s, 2H), 7.65 (s, 4H), 3.68−3.62 (m, 2H), 3.56−3.45 (m, 1H), 3.09 (s, 3H), 3.08−3.06 (m, 2H), 3.06−3.03 (m, 2H), 0.82 (s, 18H), 0.00 (s, 12H).LCMS = 5.574分 (8分方式).質量観測値 (ESI
+):567.30 (M+H).
【0422】
【化123】
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【0423】
工程7:アミン化合物42(725mg、1.279mmol)及びアジピン酸モノメチル(246mg、1.535mmol)をDMF(6.5mL)に溶解させた。反応混合物にEDC・HCl(294mg、1.535mmol)及びHOBt(196mg、1.279mmol)を添加し、続いてDIEA(447μL、2.56mmol)を添加した。反応物を室温で一晩攪拌した。反応混合物をDCM(20mL)で希釈し、飽和NH
4Cl、飽和NaHCO
3、水、及びブラインで洗浄した。有機層を、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/DCM、勾配、0%〜10%)により精製して、化合物43を得た(425mg、収率33%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 7.30 (s, 1H), 7.01 (s, 2H), 6.89−6.85 (m, 1H), 6.75−6.72 (m, 1H), 6.41−6.40 (m, 1H), 4.73 (s, 4H), 3.98−3.96 (m, 4H), 3.74 (bd, 2H, J = 3.5 Hz), 3.66 (s, 3H), 3.27 (s, 3H), 2.33 (t, 2H, J = 6.8 Hz), 2.28 (t, 2H, J = 6.5 Hz), 0.94 (s, 18H), 0.11 (s, 12H).LCMS = 7.709分 (8分方式).質量観測値 (ESI
+):709.35 (M+H).
【0424】
【化124】
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【0425】
工程8:化合物43(422mg、0.417mmol)を、THF(1.89mL)及び水(189μL)に溶解させた。HCl(水性、5M)(833μL、4.17mmol)を添加し、反応物を室温で2.5時間攪拌した。反応混合物を濃縮した。残渣にACN(約15mL)を添加し、濃縮した。これを、さらに2回繰り返して、化合物44を白色発泡体として得た(200mg、収率100%)。LCMS = 0.389分 (8分方式).
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 8.09−8.04 (m, 2H), 7.93−7.90 (m, 1H), 7.30 (bs, 1H), 7.14 (s, 2H), 4.52 (s, 4H), 3.71−3.68 (m, 4H), 3.58 (s, 3H), 3.17 (bs, 3H), 2.22−2.18 (m, 2H), 2.15−2.12 (m, 2H), 1.53−1.47 (m, 4H).
【0426】
【化125】
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【0427】
工程9:ジオール化合物44(110mg、0.229mmol)及びCBr
4(228mg、0.687mmol)をDMF(2.29mL)に溶解させた。反応混合物にPPh
3(180mg、0.687mmol)を添加すると、この時点で反応物は赤桃色に変色し、わずかに発熱した。反応物を、Ar下、6時間攪拌した。反応混合物をCH
2Cl
2/MeOH(10:1)で希釈し、水及びブラインで洗浄した。有機層を、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。粗残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/CH
2Cl
2、勾配、0%〜10%)により精製して、化合物45を得た(30mg、収率22%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 7.46 (bs, 1H), 7.32−7.26 (m, 2H), 7.26−7.19 (m, 2H), 6.89−6.85 (m, 1H), 4.60 (d, 2H, J = 3.6 Hz), 4.48 (d, 2H, J = 3.9 Hz), 3.98 (d, 4H, J = 5.1 Hz), 3.76 (bs, 1H), 3.67 (s, 3H), 3.30 (bs, 3H), 2.34 (bt, 2H, J = 6.7 Hz), 2.30 (bt, 2H, J = 6.6 Hz), 1.70−1.64 (m, 4H).LCMS = 4.326分 (8分方式).質量観測値 (ESI
+):605.10 (M+H).
【0428】
【化126】
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【0429】
工程10:化合物46を、実施例1の化合物11と同様に調製した。精製後、化合物46を黄色固体として得た(40mg、収率59%)。LCMS=4.751分(8分方式).質量観測値(ESI
+):1033.35(M+H).
【0430】
【化127】
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【0431】
工程11:化合物47を、実施例1の化合物12と同様に調製した。C18精製後、化合物47を白色固体として得た(14mg、収率32%)。LCMS=5.857分(15分方式).質量観測値(ESI
+):1035.7(M+H).
【0432】
【化128】
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【0433】
工程12:化合物48を、実施例2の22と同様に調製した。シリカプラグ後、化合物48を黄色固体として得た(7mg、収率100%)。LCMS=4.817分(8分方式).質量観測値(ESI
+):1021.35(M+H).
【0434】
【化129】
[この文献は図面を表示できません]
【0435】
工程13:化合物49を、実施例1の化合物14と同様に調製した。C18精製後、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル=2−(3−((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−11,12,12a,13−テトラヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)−5−((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−12a,13−ジヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)フェニル)−3,6,9,12−テトラオキソ−2,5,8,11−テトラアザヘプタデカン−17−オアート、化合物49を、白色固体として得た(6.5mg、収率74%)。LCMS=5.805分(15分方式).質量観測値(ESI
+):1118.7(M+H)。
【0436】
実施例5.
2,5−ジオキソピロリジン−1−イル=6−(((S)−1−(((R)−1−((3−((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−11,12,12a,13−テトラヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)−5−((((R)−8−メトキシ−6−オキソ−12a,13−ジヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−6−オキソヘキサノアート(化合物80)の合成
【0437】
【化130】
[この文献は図面を表示できません]
【0438】
工程1:(S)−2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)プロパン酸(5g、22.40mmol)及び(R)−tert−ブチル=2−アミノプロパノアート塩酸塩(4.48g、24.64mmol)を、無水DMF(44.8ml)に溶解させた。EDC・HCl(4.72g、24.64mmol)、HOBt(3.43g、22.40mmol)、次いでDIPEA(9.75ml、56.0mmol)を添加した。反応物を、アルゴン下、室温で一晩攪拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、次いで、飽和塩化アンモニウム、飽和重炭酸ナトリウム、水、及びブラインで洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗油状物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製して、化合物71を得た(5.6g、収率71%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 7.39−7.34 (m, 5H), 6.54 (s, 1H), 5.28 (s, 1H), 5.15 (s, 2H), 4.47−4.43 (m, 1H), 4.48 (s, 1H), 1.49 (s, 9H), 1.42−1.37 (m, 6H).
【0439】
【化131】
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【0440】
工程2:化合物71(5.6g、15.98mmol)を、メタノール(50.7mL)及び水(2.54mL)に溶解させた。溶液を、アルゴンで5分間パージした。パラジウム炭素(湿潤、10%)(0.850g、0.799mmol)を緩徐に添加した。反応物を、水素雰囲気下、一晩攪拌した。溶液をセライト濾過し、メタノールですすぎ、濃縮した。残渣を、メタノール及びアセトニトリルとともに共沸させ、得られた油状物を高真空中に直接置いて、化合物72を得た(3.57g、収率100%)。これは次の工程で直接使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 7.67 (s, 1H), 4.49−4.42 (m, 1H), 3.54−3.49 (m, 1H), 1.48 (s, 9H), 1.40 (d, 3H, J = 7.2 Hz), 1.36 (d, 3H, J = 6.8 Hz).
【0441】
【化132】
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【0442】
工程3:化合物72(3.57g、16.51mmol)及びアジピン酸モノメチル(2.69mL、18.16mmol)を無水DMF(55.0mL)に溶解させた。EDC・HCl(3.48g、18.16mmol)及びHOBt((2.53g、16.51mmol)を添加し、続いてDIPEA(5.77mL、33.0mmol)を添加した。混合物を、室温で一晩攪拌した。反応物をジクロロメタン/メタノール(80mL、5:1)で希釈し、飽和塩化アンモニウム、飽和重炭酸ナトリウム、及びブラインで洗浄した。これを、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。化合物をアセトニトリル(5×)とともに共沸させ、次いで、35℃にて、高真空でポンピングして、化合物73を得た(5.91g、収率100%)。粗物質は、精製することなく次の工程に用いた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 6.67 (d, 1H, J = 6.8 Hz), 6.22 (d, 1H, J = 7.2 Hz), 4.56−4.49 (m, 1H), 4.46−4.38 (m, 1H), 3.68 (s, 3H), 2.37−2.33 (m, 2H), 2.27−2.24 (m, 2H), 1.70−1.68 (m, 4H), 1.47 (s, 9H), 1.40 (s, 3H), 1.38 (s, 3H).
【0443】
【化133】
[この文献は図面を表示できません]
【0444】
工程4:化合物73(5.91g、16.5mmol)を、TFA(25.4mL、330mmol)及び脱イオン水(1.3mL)中、室温で3時間攪拌した。反応混合物をアセトニトリルとともに濃縮し、高真空中において乾固させ、粗化合物74を得た(4.99g、収率100%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 7.44 (d, 1H, J = 7.2 Hz,), 6.97 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 4.81−4.73 (m, 1H), 4.59−4.51 (m, 1H), 3.69 (s, 3H), 2.39−2.32 (m, 2H), 2.31−2.23 (m, 2H), 1.70−1.61 (m, 4H), 1.48 (d, 3H, J = 7.2 Hz), 1.40 (d, 3H, J = 7.2 Hz).
【0445】
【化134】
[この文献は図面を表示できません]
【0446】
工程5:化合物74(4.8g、15.88mmol)を、無水ジクロロメタン(101mL)及び無水メタノール(50.4mL)に溶解させた。(5−アミノ−1,3−フェニレン)ジメタノール(2.316g、15.12mmol)及びEEDQ(7.48g、30.2mmol)を添加し、反応物を室温で一晩攪拌した。溶媒を除去し、粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)により精製して、化合物75を得た(1.65g、収率25%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 9.68 (s, 1H), 8.29 (d, 1H, J = 7.2 Hz), 8.11 (d, 1H, J = 6.4 Hz), 7.52 (s, 2H), 6.97 (s, 1H), 5.15 (s, 2H), 4.45 (s, 4H), 4.39−4.32 (m, 1H), 4.28−4.21 (m, 1H), 3.57 (s, 3H), 2.30−2.27 (m, 2H), 2.17−2.13 (m, 2H), 1.54−1.45 (m, 4H), 1.30 (d, 3H, J = 7.2 Hz), 1.20 (d, 3H, J = 7.2 Hz).MS (m/z):460.2 (M+Na)
+.
【0447】
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
【0448】
工程6:化合物75(0.486g、1.111mmol)及び四臭化炭素(1.105g、3.33mmol)を無水DMF(11.11mL)に溶解させた。トリフェニルホスフィン(0.874g、3.33mmol)を添加し、反応物をアルゴン下で4時間攪拌した。反応混合物をDCM/MeOH(10:1)で希釈し、水及びブラインで洗浄した。これを、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して、化合物76を得た(250mg、収率40%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 9.82 (s, 1H), 8.38 (d, 1H, J = 7.2 Hz), 8.17 (d, 1H, J = 6.0 Hz), 7.76 (s, 2H), 7.22 (s, 1H), 4.66 (s, 4H), 4.38−4.31 (m, 1H), 4.25−4.19 (m, 1H), 3.56 (s, 3H), 2.30−2.27 (m, 2H), 2.18−2.15 (m, 2H), 1.53−1.51 (m, 4H), 1.32 (d, 3H, J = 7.2 Hz), 1.21 (d, 3H, J = 6.8 Hz).
【0449】
【化136】
[この文献は図面を表示できません]
【0450】
工程7:化合物77を、実施例1の11と同様に調製した。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)により精製して、化合物77を得た(340mg、収率60%、純度77%)。LCMS=5.87分(15分方式).MS(m/z):990.6(M+1)
+.
【0451】
【化137】
[この文献は図面を表示できません]
【0452】
工程8:化合物78を、実施例1の化合物12と同様に調製した。粗物質をRPHPLC(C18カラム、アセトニトリル/水)で精製して、化合物78を得た(103mg、収率30%)。LCMS=6.65分(15分方式).MS(m/z):992.7(M+1)
+.
【0453】
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
【0454】
工程9:化合物78を、実施例2の22と同様に調製した。粗物質を、シリカプラグに通して、化合物79を得た(38mg、収率55%、純度75%)。LCMS=5.83分(15分方式).MS(m/z):978.6(M+1)
+.
【0455】
【化139】
[この文献は図面を表示できません]
【0456】
工程10:化合物80を、を、実施例1の化合物14と同様に調製した。粗物質を、RPHPLC(C18カラム、アセトニトリル/水)で精製して、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル=6−(((S)−1−(((R)−1−((3−((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−11,12,12a,13−テトラヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)−5−((((R)−8−メトキシ−6−オキソ−12a,13−ジヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−6−オキソヘキサノアート、化合物80を得た(6.5mg、収率30%)。LCMS=6.53分(15分方式).MS(m/z):1075.7(M+1)
+及び1097.7(M+Na)
+.
実施例6.
2,5−ジオキソピロリジン−1−イル=6−(((S)−1−(((S)−1−((3−((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−11,12,12a,13−テトラヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)−5−((((R)−8−メトキシ−6−オキソ−12a,13−ジヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−6−オキソヘキサノアート、化合物90の合成
【0457】
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
【0458】
工程1:(S)−2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)プロパン酸(5g、22.40mmol)及び(S)−tert−ブチル=2−アミノプロパノアート塩酸塩(4.48g、24.64mmol)を無水DMF(44.8mL)に溶解させた。EDC・HCl(4.72g、24.64mmol)、HOBt(3.43g、22.40mmol)、及びDIPEA(9.75mL、56.0mmol)を添加した。反応物を、アルゴン下、室温で一晩攪拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、次いで飽和塩化アンモニウム、飽和重炭酸ナトリウム、水、及びブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗油状物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製して、化合物81を得た(6.7g、収率85%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 7.38−7.31 (m, 5H), 6.53−6.42 (m, 1H), 5.42−5.33 (m, 1H), 5.14 (s, 2H), 4.48−4.41 (m, 1H), 4.32−4.20 (m, 1H), 1.49 (s, 9H), 1.42 (d, 3H, J = 6.8 Hz), 1.38 (d, 3H, J = 7.2 Hz).
【0459】
【化141】
[この文献は図面を表示できません]
【0460】
工程2:化合物81(6.7g、19.12mmol)を、メタノール(60.7mL)及び水(3.03mL)に溶解させた。溶液をアルゴンで5分間パージした。パラジウム炭素(湿潤、10%)(1.017g、0.956mmol)を緩徐に添加した。反応物を、水素雰囲気下、一晩攪拌した。溶液を、セライト濾過し、メタノールですすぎ、濃縮した。これを、メタノール及びアセトニトリルとともに共沸させ、得られた油状物を高真空中に直接置き、化合物82を得た(4.02g、収率97%)。これは次の工程で直接用いた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 7.78−7.63 (m, 1H), 4.49−4.42 (m, 1H), 3.55−3.50 (m, 1H), 1.73 (s, 2H), 1.48 (s, 9H), 1.39 (d, 3H, J = 7.2 Hz), 1.36 (d, 3H, J = 6.8 Hz).
【0461】
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
【0462】
工程3:化合物82(4.02g、18.59mmol)及びアジピン酸モノメチル(3.03mL、20.45mmol)を無水DMF(62.0mL)に溶解させた。EDC・HCl(3.92g、20.45mmol)、HOBt(2.85g、18.59mmol)、及びDIPEA(6.49mL、37.2mmol)を添加した。混合物を、室温で一晩攪拌した。反応物を、ジクロロメタン/メタノール(150mL、5:1)で希釈し、飽和塩化アンモニウム、飽和重炭酸ナトリウム、及びブラインで洗浄した。これを硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。化合物を、アセトニトリル(5×)とともに共沸させ、次いで35℃にて、高真空でポンピングして、化合物83を得た(6.66g、収率100%)。粗物質は、精製することなく次の工程で用いた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 6.75 (d, 1H, J = 6.8 Hz), 6.44 (d, 1H, J = 6.8 Hz), 4.52−4.44 (m, 1H), 4.43−4.36 (m, 1H), 3.65 (s, 3H), 2.35−2.29 (m, 2H), 2.25−2.18 (m, 2H), 1.71−1.60 (m, 4H), 1.45 (s, 9H), 1.36 (t, 6H, J = 6.0 Hz).
【0463】
【化143】
[この文献は図面を表示できません]
【0464】
工程4:化合物83(5.91g、16.5mmol)を、TFA(28.6mL、372mmol)及び脱イオン水(1.5mL)中、室温で3時間攪拌した。反応混合物をアセトニトリルとともに濃縮し、高真空中に置いて、粗化合物84を粘着固体として得た(5.88g、収率100%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 7.21 (d, 1H, J = 6.8 Hz), 6.81 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 4.69−4.60 (m, 1H), 4.59−4.51 (m, 1H), 3.69 (s, 3H), 2.40−2.33 (m, 2H), 2.31−2.24 (m, 2H), 1.72−1.63 (m, 4H), 1.51−1.45 (m, 3H), 1.42−1.37 (m, 3H).
【0465】
【化144】
[この文献は図面を表示できません]
【0466】
工程5:化合物84(5.6g、18.52mmol)を、無水ジクロロメタン(118mL)及び無水メタノール(58.8mL)に溶解させた。(5−アミノ−1,3−フェニレン)ジメタノール(2.70g、17.64mmol)及びEEDQ(8.72g、35.3mmol)を添加し、反応物を室温で一晩攪拌した。溶媒を除去して、酢酸エチルを添加した。得られたスラリーを濾過し、酢酸エチルで洗浄し、真空/N
2下で乾燥させて、化合物85を得た(2.79g、収率36%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 9.82 (s, 1H), 8.05, (d, 1H, J = 9.2 Hz), 8.01 (d, 1H, J = 7.2 Hz), 7.46 (s, 2H), 6.95 (3, 1H), 5.21−5.12 (m, 2H), 4.47−4.42 (m, 4H), 4.40−4.33 (m, 1H), 4.33−4.24 (m, 1H), 3.58 (s, 3H), 2.33−2.26 (m, 2H), 2.16−2.09 (m, 2H), 1.54−1.46 (m, 4H), 1.30 (d, 3H, J = 7.2 Hz), 1.22 (d, 3H, J = 4.4 Hz).
【0467】
【化145】
[この文献は図面を表示できません]
【0468】
工程6:化合物85(0.52g、1.189mmol)及び四臭化炭素(1.183g、3.57mmol)を、無水DMF(11.89mL)に溶解させた。トリフェニルホスフィン(0.935g、3.57mmol)を添加し、反応物をアルゴン下で4時間攪拌した。反応混合物を、DCM/MeOH(10:1)で希釈し、水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して、化合物86を得た(262mg、収率39%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 10.01 (s, 1H), 8.11 (d, 1H, J = 6.8 Hz), 8.03 (d, 1H, J = 6.8 Hz), 7.67 (s, 2H), 7.21 (s, 1H), 4.70−4.64 (m, 4H), 4.40−4.32 (m, 1H), 4.31−4.23 (m, 1H), 3.58 (s, 3H), 2.34−2.26 (m, 2H), 2.18−2.10 (m, 2H), 1.55−1.45 (m, 4H), 1.31 (d, 3H, J = 7.2 Hz), 1.21 (d, 3H, J = 7.2 Hz).
【0469】
【化146】
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【0470】
工程7:化合物87を、実施例1の化合物11と同様に調製した。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)により精製して、化合物87を得た(336mg、収率74%)。LCMS=5.91分(15分方式).MS(m/z):990.6(M+1)
+.
【0471】
【化147】
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【0472】
工程8:化合物88を、実施例1の化合物12と同様に調製した。粗物質を、RPHPLC(C18カラム、アセトニトリル/水)で精製して、化合物88を得た(85.5mg、収率25%)。LCMS=6.64分(15分方式).MS(m/z):992.6(M+1)
+.
【0473】
【化148】
[この文献は図面を表示できません]
【0474】
工程9:化合物88を、実施例2の22と同様に調製した。粗物質を、シリカプラグに通して、化合物89を得た(48.8mg、収率80%)。LCMS=5.89分(15分方式).MS(m/z):978.6(M+1)
+.
【0475】
【化149】
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【0476】
工程10:化合物90を、実施例1の14と同様に調製した。粗物質を、RPHPLC(C18カラム、アセトニトリル/水)で精製して、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル=6−(((S)−1−(((S)−1−((3−((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−11,12,12a,13−テトラヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)−5−((((R)−8−メトキシ−6−オキソ−12a,13−ジヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−6−オキソヘキサノアート、化合物90を得た(8.2mg、収率30%)。LCMS=6.64分(15分方式).MS(m/z):1075.4(M+1)
+.
実施例7.
2,5−ジオキソピロリジン−1−イル=1−(3−((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−11,12,12a,13−テトラヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)−5−((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−12a,13−ジヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)フェニル)−1,4,7,10−テトラオキソ−2,5,8,11−テトラアザテトラデカン−14−オアート(化合物63)の合成
【0477】
【化150】
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【0478】
工程1:Z−Gly−Gly−GlyOH化合物50(1.0g、3.09mmol)及びβ−アラニンメチルエステル・HCl(453mg、3.25mmol)を、DMF(12.37mL)に溶解させた。反応混合物に、EDC・HCl(623mg、3.25mmol)及びHOBt(497mg、3.25mmol)を添加し、続いてDIEA(1.08mL、6.19mmol)を添加した。反応物を室温で一晩攪拌した。翌日、白色沈殿物が大量に生じていた。反応混合物をCH
2Cl
2/MeOH(5:1、30mL)で希釈し、飽和NaHCO
3、飽和NH
4Cl、及びブラインで洗浄した。有機層は濁った。有機層にEtOAc(15mL)を添加したところ、生成物が沈殿した。混合物を濾過し、固体を水(10mL)及びCH
3CN(2×15mL)で洗浄して、精製することなく純粋な化合物51を白色粉末として得た(880mg、収率70%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 8.16 (bt, 1H, J = 5.4 Hz), 8.11 (bt, 1H, J = 5.6 Hz), 7.88−7.85 (m, 1H), 7.49 (bt, 1H, J = 5.5 Hz), 7.40−7.31 (m, 5H), 5.04 (s, 2H), 3.74 (d, 2H, J = 5.5 Hz), 3.67 (t, 4H, J = 6.2 Hz), 3.60 (s, 3H), 3.29 (q, 1H, J = 6.4 Hz), 2.47 (t, 3H, J = 6.9 Hz).
【0479】
【化151】
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【0480】
工程2:化合物51(876mg、2.145mmol)を、MeOH(20.4mL)及び水(1.02mL)に溶解させ、Arでパージした。溶液を5分間脱気した。Pd/C(10%、50%水で湿潤、228mg)を緩徐に添加した。バルーンからH
2を1分間吹き込んだ。反応物を、H
2バルーン下、一晩攪拌した。反応混合物にH
2O(約3mL)を添加して、生じた白色固体を全て溶解させた。次いで、溶液をセライト濾過し、濾過ケーキをMeOH(30mL)で洗浄し、濃縮した。残渣をCH
3CN(20mL)に溶解させ、濃縮した。これを、さらに2回繰り返した。得られたガム状固体にCH
3CN(約15mL)を添加して、固体を沈殿させた。濃厚白色スラリーを10分間攪拌し、濾過し、CH
3CNで洗浄した。固体を真空/N
2下で1.5時間乾燥させ、化合物52を白色固体として得た(450mg、収率76%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 8.18−8.12 (m, 2H), 7.88 (t, 1H, J = 5.4 Hz), 3.75 (s, 2H), 3.65 (d, 2H, J = 5.9 Hz), 3.6 (s, 3H), 3.33−3.27 (m, 4H), 2.47 (t, 2H, J = 7.0 Hz), 1.94 (bs, 1H).
【0481】
【化152】
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【0482】
工程3:トリメチルベンゼン−1,3,5−トリカルボキシラート化合物53(5g、19.82mmol)をMeOH(66.1mL)及び水(13.22mL)に溶解させて攪拌した溶液に、NaOH(1.665g、41.6mmol)を添加した。反応混合物を、Ar下、3時間還流させた。大量の白色沈殿物が生じた。溶液を室温に冷却し、固体が全て溶解するまでH
2Oで希釈した。混合物を水性5NのHClでpH約2〜3まで酸性にし、EtOAc(3×)で抽出し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を温EtOAc(50mL)に溶解させ、室温まで緩徐に冷却した。沈殿物を濾過した(沈殿物は副生成物であり生成物ではなかった)。母液を濃縮して、化合物54を白色固体として得た(3.45g、収率78%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 13.62 (bs, 2H), 8.65 (s, 3H), 3.93 (s, 3H).LCMS = 3.209分 (8分方式).質量観測値 (ESI
+):244.90 (M+H).
【0483】
【化153】
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【0484】
工程4:二酸化合物54(1.0g、4.46mmol)を、THF(17.84mL)に溶解させた。溶液を0℃に冷却し、Ar下、BH
3・DMS(THF中2M)(8.92mL、17.84mmol)を緩徐に添加した。反応物を0℃で5分間攪拌し、次いで室温まで昇温させて、一晩攪拌した。反応物を空気にさらし、MeOHで緩徐にクエンチし、続いて、気体の発生が観測されなくなるまでH
2Oを緩徐に添加した。混合物をEtOAc(2×)で抽出し、層を分離させた。有機層を、約3%H
2O
2水、クエン酸水溶液、及びブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、勾配、20%〜100%)により精製して、ジオール化合物55を白色固体として得た(385mg、収率44%)。
1H NMR (400M Hz, DMSO−d6):δ7.81 (s, 2H), 7.52 (s, 1H), 5.33 (bs, 2H), 4.56 (s, 4H), 3.86 (s, 3H).
【0485】
【化154】
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【0486】
工程5:ジオール化合物55(320mg、1.631mmol)を、Ar下、DCM(10.9mL)に溶解させた。溶液を−5℃に冷却し、TEA(0.568mL、4.08mmol)を添加し、続いてMsCl(0.292mL、3.75mmol)を緩徐に添加したが、この時点で、添加すると直ちに色が黄色く変色し、次いで暗赤色/褐色に変色した。反応混合物を、Ar下、−5℃で1.5時間攪拌した。反応混合物を氷水でクエンチし、EtOAc(2×)で抽出した。有機層を、水(2×)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗ジメシラート化合物56を得た(435mg、収率76%)。
【0487】
【化155】
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【0488】
工程6:ジメシラート化合物56(435mg、1.11mmol)を、DMFに溶解させた(5.55mL)。IGN単量体化合物10(719mg、2.444mmol)を添加し、続いてK
2CO
3(384mg、2.78mmol)を添加し、Ar下、室温で一晩攪拌した。水(20mL)を添加したところ、生成物が沈殿した。スラリーを5分間攪拌し、濾過し、真空/N
2下、1.5時間乾燥させた。粗残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、勾配、50%〜100%、次いで5%MeOH/DCM)により精製して、化合物57を黄色固体として得た(535mg、収率64%、2工程)。LCMS=6.973分(15分方式).質量観測値(ESI
+):749.4(M+H).
【0489】
【化156】
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【0490】
工程7:化合物57(100mg、0.134mmol)を、DCE(1.34mL)に溶解させた。トリメチルスタンナノール(362mg、2.003mmol)を添加し、80℃で一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水で希釈した。水層を1MのHClでpH約4まで酸性にし、DCM(3×)で抽出し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をショートシリカプラグに詰めて、DCM/MeOH(10:1、50mL)で洗浄し、濃縮して、化合物58を淡黄色固体として得た(100mg、収率100%)。LCMS=5.872分(15分方式).質量観測値(ESI
+):735.3(M+H).
【0491】
【化157】
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【0492】
工程8:酸化合物58(80mg、0.087mmol)及びアミン化合物52(36mg、0.131mmol)を、DMFに溶解させた(871μL)。EDC・HCl(25mg、0.131mmol)及びDMAP(10.6mg、0.087mmol)を添加し、室温で4時間攪拌した。水(4mL)を添加したところ、生成物が沈殿した。スラリーを5分間攪拌し、濾過し、真空/N
2下で乾燥させた。粗残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/DCM、勾配、0%から20%へ)により精製して、化合物60を黄色固体として得た(37mg、収率43%)。LCMS=4.605分(8分方式).質量観測値(ESI
+):991.35(M+H).
【0493】
【化158】
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【0494】
工程9:化合物61を、実施例1の化合物12と同様に調製した。C18精製後、化合物61を白色固体として得た(8mg、収率25%)。LCMS=5.421分(15分方式).質量観測値(ESI
+):993.7(M+H).
【0495】
【化159】
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【0496】
工程10:化合物62を、実施例2の化合物22と同様に調製した。ショートシリカプラグに詰めた後、粗化合物62を黄色固体として得た(13mg、収率90%)。LCMS=4.693分(8分方式).質量観測値(ESI
+):979.35(M+H).
【0497】
【化160】
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【0498】
工程11:化合物63を、実施例1の化合物14と同様に調製した。C18精製後、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル=1−(3−((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−11,12,12a,13−テトラヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)−5−((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−12a,13−ジヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)フェニル)−1,4,7,10−テトラオキソ−2,5,8,11−テトラアザテトラデカン−14−オアート、化合物63を、白色固体として得た(4mg、収率31%)。LCMS=5.495分(15分方式).質量観測値(ESI
+):1076.7(M+H).
実施例8.
2,5−ジオキソピロリジン−1−イル=3−((S)−2−((S)−2−(3−((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−11,12,12a,13−テトラヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)−5−((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−12a,13−ジヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)ベンズアミド)プロパンアミド)プロパンアミド)プロパノアート(化合物70)の合成
【0499】
【化161】
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【0500】
工程1:Z−L−Ala−L−Ala−OH化合物64(3.0g、10.19mmol)及びβ−アラニンメチルエステル・HCl(1.565g、11.21mmol)を、DMFに溶解させた(20.39mL)。EDC・HCl(2.150g、11.21mmol)及びHOBt(1.561g、10.19mmol)を添加し、続いてDIPEA(4.44mL、25.5mmol)を添加した。反応物をAr下、室温で一晩攪拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和NH
4Cl、飽和NaHCO
3、及びブラインで洗浄した。有機層にヘキサンを添加したところ、この時点で溶液は濁り、沈殿が生じた。スラリーを数分間攪拌し、濾過し、固体をEtOAc/ヘキサン(3:1)で洗浄した。固体を真空/N
2下で乾燥させて、純粋な化合物65を白色固体として得た(3.11g、収率80%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 7.91 (d, 2H, J = 7.0 Hz), 7.46 (d, 1H, J = 7.4 Hz), 6.39−7.30 (m, 5H), 5.02 (d, 2H, J = 2.3 Hz), 4.20 (p, 1H, J = 7.2 Hz), 4.04 (p, 1H, J = 7.3 Hz), 3.59 (s, 3H), 3.30−3.22 (m, 1H), 2.45 (t, 2H, J = 6.8 Hz), 1.18 (見かけ上t, 6H, J = 7.2 Hz).LCMS = 3.942分 (8分方式).質量観測値 (ESI
+):380.10 (M+H).
【0501】
【化162】
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【0502】
工程2:化合物65(1.0g、2.64mmol)を、メタノール(12.55mL)、水(0.628mL)、及びTHF(2mL)に溶解させた。溶液をArでパージし、次いで5分間脱気した。Pd/C(10%、50%水で湿潤、0.140g)を緩徐に添加した。溶液にH
2を1分間吹き込み、反応物をH
2バルーン(1atm)下で一晩さらに攪拌した。反応混合物をセライト濾過し、MeOH(30mL)で洗浄し、濃縮した。残渣にCH
3CN(15mL)を添加し、濃縮した。これをさらに2回繰り返して、化合物66をオフホワイト色固体として得た(650mg、収率100%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 8.03−7.99 (m, 2H), 4.24−4.18 (m, 1H), 3.60 (s, 3H), 3.31−3.22 (m, 5H), 2.46 (t, 2H, J = 6.8 Hz), 1.17 (d, 3H, J = 7.0 Hz), 1.12 (d, 3H, J = 6.9 Hz).
【0503】
【化163】
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【0504】
工程3:化合物67を、実施例7の60と同様に調製した。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー後、化合物67を黄色固体として得た(69mg、収率53%)。LCMS=4.843分(8分方式).質量観測値(ESI
+):962.25(M+H).
【0505】
【化164】
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【0506】
工程4:化合物68を、実施例1の化合物12と同様に調製した。C18精製後、化合物68を白色固体として得た(11.5mg、収率19%)。LCMS=5.136分(8分方式).質量観測値(ESI
+):964.35(M+H).
【0507】
【化165】
[この文献は図面を表示できません]
【0508】
工程5:化合物69を、実施例2の化合物22と同様に調製した。ショートシリカプラグに詰めた後、粗化合物69を黄色固体として得た(13mg、収率100%)。LCMS=5.640分(15分方式).質量観測値(ESI
+):950.4(M+H)。
【0509】
【化166】
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【0510】
工程6:化合物70を、を、実施例1の化合物14と同様に調製した。C18精製後、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル−3−((S)−2−((S)−2−(3−((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−11,12,12a,13−テトラヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)−5−((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−12a,13−ジヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)ベンズアミド)プロパンアミド)プロパンアミド)プロパノアート、化合物70を白色固体として得た(5mg、収率35%)。LCMS=6.138分(15分方式).質量観測値(ESI
+):1047.4(M+H).
実施例9.
(12S,12aS)−9−((3−(2−(2−(2−(4−メルカプト−4−メチルペンタンアミド)アセトアミド)アセトアミド)アセトアミド)−5−((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−11,12,12a,13−テトラヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)ベンジル)オキシ)−8−メトキシ−6−オキソ−11,12,12a,13−テトラヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−12−スルホン酸(化合物98)の合成
【0511】
【化167】
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【0512】
工程1:化合物4(2.0g、8.15mmol)及び4−メチル−4−(メチルジスルファニル)ペンタン酸(1.743g、8.97mmol)を無水DMF(27.2mL)に溶解させた。EDC・HCl(1.719g、8.97mmol)及びHOBt(1.249g、8.15mmol)を添加し、続いてDIPEA(2.85mL、16.31mmol)を添加した。混合物を室温で一晩攪拌した。反応物をジクロロメタン/メタノール(5:1)で希釈し、飽和塩化アンモニウム、飽和重炭酸ナトリウム、及びブラインで洗浄した。これを、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗油状物を、アセトニトリル(3×)とともに共沸させ、次いで35℃で、高真空でで約1.5時間ポンピングして、化合物91を得た。これを、さらに精製することなく使用した(3.44g、収率100%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 8.18−8.09 (m, 3H), 3.76−3.68 (m, 6H), 2.41 (s, 3H), 2.28−2.21 (m, 2H), 1.84−1.77 (m, 2H), 1.41 (s, 9H), 1.25 (s, 6H).
【0513】
【化168】
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【0514】
工程2:化合物91(3.44g、8.15mmol)を、TFA(12.56mL、163mmol)及び脱イオン水(0.65mL)中、室温で3.5時間攪拌した。反応物をアセトニトリルで希釈し、乾固するまで蒸発させた。粗固体を酢酸エチルに添加してスラリーとし、濾過し、酢酸エチル、次いでジクロロメタン/メタノール(1:1)ですすいで、化合物92を得た(2.98g、収率100%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 8.19−8.08 (m, 3H), 3.80−3.68 (m, 6H), 2.41 (s, 3H), 2.28−2.20 (m, 2H), 1.85−1.76 (m, 2H), 1.25 (s, 6H).
【0515】
【化169】
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【0516】
工程3:化合物92(1.74g、4.76mmol)を、ジクロロメタン(30.2mL)及びメタノール(15.11mL)に溶解させた。N−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン(2.243g、9.07mmol)及び(5−アミノ−1,3−フェニレン)ジメタノール(0.695g、4.53mmol)を添加し、反応物を室温で一晩攪拌した。溶媒を除去し、酢酸エチルを添加した。固体をセライト濾過し、酢酸エチル、次いでメタノールで洗浄した。濾液を蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)により精製して、化合物93を得た(569mg、収率25%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 9.74 (s, 1H), 8.24−8.15 (m, 3H), 7.45 (s, 2H), 6.96 (s, 1H), 5.17 (t, 2H, J = 5.6 Hz), 4.45 (d, 4H, J = 5.6 Hz,), 3.87 (d, 2H, J = 6.0 Hz,), 3.77 (d, 2H, J = 6.0 Hz,), 3.73 (d, 2H, J = 5.6 Hz,), 2.40 (s, 3H), 2.28−2.21 (m, 2H), 1.83−1.76 (m, 2H), 1.24 (s, 6H).
【0517】
【化170】
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【0518】
工程4:化合物93(305mg、0.609mmol)を、無水DCM(5.992mL)に懸濁させた。溶液が均質になるまで、無水DMFを添加した(約2.5mL)。溶液を、アセトン/ドライアイス浴で−10℃に冷却した。トリエチルアミン(0.425mL、3.05mmol)を添加し、続いてメタンスルホン酸無水物(274mg、1.523mmol)を添加した。混合物を−10℃で1時間攪拌した。反応物を氷水でクエンチし、冷酢酸エチル/メタノール(20:1)で抽出した。有機層を氷水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗物質を高真空で乾燥させ、化合物94を得た(380mg、収率95%)。LCMS=4.2分(15分方式).MS(m/z):655.0(M−1)
−.
【0519】
【化171】
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【0520】
工程5:化合物95を、実施例7の化合物57と同様に調製した。粗固体を、ジクロロメタン/メタノール(10:1)に溶解させ、水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧除去し、シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)により精製して、化合物95を得た(445mg、収率42%、純度54%)。LCMS=6.64分(15分方式).MS(m/z):1053.4(M+1)
+及び1051.3(M−1)
−.
【0521】
【化172】
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【0522】
工程6:化合物95(445mg、0.423mmol)を、1,2−ジクロロエタン(2.82mL)に溶解させた。室温でトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(80mg、0.359mmol)を添加し、1時間攪拌した。反応物をジクロロメタンで希釈し、飽和塩化アンモニウムで洗浄した。有機層を、ブラインで洗浄し、乾燥させて、化合物95、96、及び96aの混合物を得た(496mg)。この粗混合物を、2−プロパノール(39.17mL)及び水(19.59mL)に溶解させた。重亜硫酸ナトリウム(245mg、2.35mmol)を添加し、室温で3.5時間攪拌した。混合物を凍結乾燥させて、綿状白色固体を得て、これをRPHPLC(C18、アセトニトリル/水)により精製して、化合物97(54mg、収率10%)及び化合物96a(24mg、収率5%)を得た。LCMS(化合物97)=4.83分(15分方式)及びLCMS(化合物96a)=8.05分(15分方式).
【0523】
【化173】
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【0524】
工程7:化合物97(54mg、0.047mmol)をCH
3CN(3.85mL)に溶解させて攪拌した溶液に、調製したばかりのTCEP/pH6.5緩衝溶液(TCEP・HCl(46.7mg)添加し、脱イオン水数滴を溶解させ、続いてpH約6.5になるまで飽和重炭酸ナトリウムを滴下した。この溶液を、pH=6.5の1Mリン酸ナトリウム緩衝液0.55mL及びメタノール(2.75mL)で希釈した。混合物を、室温で3時間攪拌し、次いで凍結乾燥させた。固体をRPHPLC(C18、アセトニトリル/水)により精製して、(12S,12aS)−9−((3−(2−(2−(2−(4−メルカプト−4−メチルペンタンアミド)アセトアミド)アセトアミド)アセトアミド)−5−((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−11,12,12a,13−テトラヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)ベンジル)オキシ)−8−メトキシ−6−オキソ−11,12,12a,13−テトラヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−12−スルホン酸、化合物98(2mg、収率4%)を得た。LCMS=4.32分(15分方式).MS(m/z):1089.3(M−1)
−.
実施例10.
N−(2−((2−((2−((3,5−ビス((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−11,12,12a,13−テトラヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)−2−オキソエチル)アミノ)−2−オキソエチル)アミノ)−2−オキソエチル)−4−メルカプト−4−メチルペンタンアミド(化合物99)の合成
【0525】
【化174】
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【0526】
化合物99を、実施例9の化合物98と同様に調製した。C18精製後、N−(2−((2−((2−((3,5−ビス((((S)−8−メトキシ−6−オキソ−11,12,12a,13−テトラヒドロ−6H−ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−9−イル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)−2−オキソエチル)アミノ)−2−オキソエチル)アミノ)−2−オキソエチル)−4−メルカプト−4−メチルペンタンアミド、化合物99を白色固体として得た(6.3mg、収率27%)。LCMS=7.26分(15分方式).MS(m/z):1033.5(M+Na)
+.
実施例11.huMOV19−14の調製
2.0mg/mLのhuMOV19抗体及び8モル当量の化合物14(5倍過剰量の重亜硫酸ナトリウムを含む90:10のDMA:水で前処理したもの)を含有する反応物を含む50mMのHEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸)pH8.5緩衝液及び15%v/vDMA(N,N−ジメチルアセトアミド)共溶媒を、25℃で6時間にわたって、コンジュゲートさせた。
【0527】
反応後、コンジュゲートを精製し、NAP脱塩カラム(Illustra Sephadex G−25 DNA Grade、GE Healthcare)を用いて、緩衝液を、250mMグリシン、10mMヒスチジン、1%スクロース、0.01%Tween−20、50μM重亜硫酸ナトリウム配合緩衝液(pH6.2)へと交換した。Slide−a−Lyzer透析カセット(ThermoScientific 20,000 MWCO)を用いて、同一緩衝液中、4℃で、20時間透析を行った。
【0528】
精製したコンジュゲートは、1抗体あたり平均して3.0のIGN91分子が結合しており(化合物14に対してε
330nm=15,280cm
−1M
−1及びε
280nm=30,115cm
−1M
−1、ならびにhuMOV19抗体に対してε
280nm=201,400cm
−1M
−1のモル吸光係数を用いたUV−Visによるもの)、90%単量体を有し(サイズ排除クロマトグラフィーによるもの)、コンジュゲートされていない化合物14が<0.1%であり(アセトン沈殿、逆相HPLC分析によるもの)、かつ最終タンパク質濃度が0.78mg/mlであることがわかった。コンジュゲートした抗体は、ゲルチップ分析により、>87%インタクトであることがわかった。MSスペクトル測定データを
図7Aに示す。
【0529】
実施例12.huMOV19−スルホ−SPDB−98の調製
最終濃度3.9mMの化合物98及び3mMのスルホ−SPDBリンカーを含有するin situ混合物を含む、10mMのN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を含有するDMAを60分間インキュベートした後、得られた化合物98−スルホ−SPDB−NHSを20倍過剰量で、4mg/mlのhuMOV19抗体を含有する反応物を含む15mMのHEPES、pH8.5(90:10の水:DMA)に添加した。溶液を25℃で一晩かけてコンジュゲートさせた。
【0530】
反応後、コンジュゲートを精製し、NAP脱塩カラム(Illustra Sephadex G−25 DNA Grade、GE Healthcare)を用いて、緩衝液を、100mMアルギニン、20mMヒスチジン、2%スクロース、0.01%Tween−20、50μM重亜硫酸ナトリウム配合緩衝液(pH6.2)へと交換した。Slide−a−Lyzer透析カセット(ThermoScientific 10,000MWCO)を用いて、同一緩衝液中、4℃で、一晩透析を行った。
【0531】
精製したコンジュゲートは、1抗体あたり平均して3.7分子の化合物98が結合しており(化合物98に対してε
330nm=15,484cm
−1M
−1及びε
280nm=30,115cm
−1M
−1、ならびにhuMOV19抗体に対してε
280nm=201,400cm
−1M
−1のモル吸光係数を用いたSECによるもの)、99%単量体を有し(サイズ排除クロマトグラフィーによるもの)、かつ最終タンパク質濃度が0.18mg/mlであることがわかった。MSスペクトル測定データを
図7Aに示す。
【0532】
実施例13.huMOV19−35の調製
2.5mg/mLのhuMOV19抗体及び5モル当量の化合物35(5倍過剰量の重亜硫酸ナトリウムを含む90:10のDMA:水で前処理したもの)を含有する反応物を含む50mMのHEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸)pH8.5緩衝液及び15%v/vDMA(N,N−ジメチルアセトアミド)共溶媒を、25℃で6時間にわたってコンジュゲートさせた。
【0533】
反応後、コンジュゲートを精製し、NAP脱塩カラム(Illustra Sephadex G−25 DNA Grade、GE Healthcare)を用いて、緩衝液を、250mMグリシン、10mMヒスチジン、1%スクロース、0.01%Tween−20、50μM重亜硫酸ナトリウム配合緩衝液(pH6.2)へと交換した。Slide−a−Lyzer透析カセット(ThermoScientific 10,000 MWCO)を用いて、同一緩衝液中、室温で、8時間透析を行った。
【0534】
精製したコンジュゲートは、1抗体あたり平均して2.9分子の化合物35が結合しており(IGN128に対してε
330nm=15,484cm
−1M
−1及びε
280nm=30,115cm
−1M
−1、ならびにhuMOV19抗体に対してε
280nm=201,400cm
−1M
−1のモル吸光係数を用いたUV−Visによるもの)、97%単量体を有し(サイズ排除クロマトグラフィーによるもの)、コンジュゲートされていない化合物35が<1%であり(アセトン沈殿、逆相HPLC分析によるもの)、かつ最終タンパク質濃度が1.4mg/mlであることがわかった。MSスペクトル測定データを
図7Aに示す。
実施例14.huMOV19−63の調製
2.0mg/mLのhuMOV19抗体及び7モル当量の化合物63(5倍過剰量の重亜硫酸ナトリウムを含む90:10のDMA:水で前処理したもの)を含有する反応物を含む50mMのHEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸)pH8.5緩衝液及び15%v/vDMA(N,N−ジメチルアセトアミド)共溶媒を、25℃で6時間にわたってコンジュゲートさせた。
【0535】
反応後、コンジュゲートを精製し、NAP脱塩カラム(Illustra Sephadex G−25 DNA Grade、GE Healthcare)を用いて、緩衝液を、250mMグリシン、10mMヒスチジン、1%スクロース、0.01%Tween−20、50μM重亜硫酸ナトリウム配合緩衝液(pH6.2)へと交換した。Slide−a−Lyzer透析カセット(ThermoScientific 20,000 MWCO)を用いて、同一緩衝液中、4℃で、20時間透析を行った。
【0536】
精製したコンジュゲートは、1抗体あたり平均して2.7分子の化合物63が結合しており(IGN131に対してε
330nm=15,280cm
−1M
−1及びε
280nm=30,115cm
−1M
−1、ならびにhuMOV19抗体に対してε
280nm=201,400cm
−1M
−1のモル吸光係数を用いたUV−Visによるもの)、99%単量体を有し(サイズ排除クロマトグラフィーによるもの)、コンジュゲートされていない化合物63が<0.1%であり(アセトン沈殿、逆相HPLC分析によるもの)、かつ最終タンパク質濃度が1.6mg/mlであることがわかった。コンジュゲートした抗体は、ゲルチップ分析により、>90%インタクトであることがわかった。MSスペクトル測定データを
図7Bに示す。
実施例15.huMOV19−80の調製
2.0mg/mLのhuMOV19抗体及び7モル当量の化合物80(5倍過剰量の重亜硫酸ナトリウムを含む90:10のDMA:水で前処理したもの)を含有する反応物を含む50mMのHEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸)pH8.5緩衝液及び15%v/vDMA(N,N−ジメチルアセトアミド)共溶媒を、25℃で6時間にわたってコンジュゲートさせた。
【0537】
反応後、コンジュゲートを精製し、NAP脱塩カラム(Illustra Sephadex G−25 DNA Grade、GE Healthcare)を用いて、緩衝液を、250mMグリシン、10mMヒスチジン、1%スクロース、0.01%Tween−20、50μM重亜硫酸ナトリウム配合緩衝液(pH6.2)へと交換した。Slide−a−Lyzer透析カセット(ThermoScientific 20,000 MWCO)を用いて、同一緩衝液中、4℃で、20時間透析を行った。
【0538】
精製したコンジュゲートは、1抗体あたり平均して2.5分子の化合物80が結合しており(化合物80に対してε
330nm=15,280cm
−1M
−1及びε
280nm=30,115cm
−1M
−1、ならびにhuMOV19抗体に対してε
280nm=201,400cm
−1M
−1のモル吸光係数を用いたUV−Visによるもの)、99%単量体を有し(サイズ排除クロマトグラフィーによるもの)、コンジュゲートされていない化合物80が<0.1%であり(アセトン沈殿、逆相HPLC分析によるもの)、かつ最終タンパク質濃度が2.4mg/mlであることがわかった。コンジュゲートされた抗体は、ゲルチップ分析により、>90%インタクトであることがわかった。
実施例16.huMOV19−90の調製
2.0mg/mLのhuMOV19抗体及び3.9モル当量の化合物90(5倍過剰量の重亜硫酸ナトリウムを含む95:5のDMA:50mMコハク酸、pH5.5を用いて、25℃で4時間前処理したもの)を含有する反応物を含む15mMのHEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸)pH8.5緩衝液及び15%v/vDMA(N,N−ジメチルアセトアミド)共溶媒を、25℃で4時間インキュベートした。反応後、コンジュゲートを精製し、NAP脱塩カラム(Illustra Sephadex G−25 DNA Grade、GE Healthcare)を用いて、緩衝液を、10mMコハク酸化合物、50mM塩化ナトリウム、8.5%w/vスクロース、0.01%Tween−20、50μM重亜硫酸ナトリウムpH6.2配合緩衝液へと交換した。Slide−a−Lyzer透析カセット(ThermoScientific 30,000 MWCO)を用いて、同一緩衝液で、室温で4時間、次いで4℃で一晩、透析を行った。
【0539】
精製したコンジュゲートは、最終タンパク質濃度が1.8mg/mlであり、1抗体あたり平均して2.7分子の化合物90が結合しており(IGN152に対してε
330nm=15,280cm
−1M
−1及びε
280nm=30,115cm
−1M
−1、ならびにhuMOV19抗体に対してε
280nm=201,400cm
−1M
−1のモル吸光係数を用いたUV−Visによるもの)、98.3%単量体を有し(サイズ排除クロマトグラフィーによるもの)、かつコンジュゲートされていない化合物90が<1.1%(アセトン沈殿、逆相HPLC分析によるもの)であることがわかった。MSスペクトル測定データを
図7Bに示す。
実施例17.huMOV19−49の調製
2.0mg/mLのhuMOV19抗体及び5モル当量の化合物49(5倍過剰量の重亜硫酸ナトリウムを含む90:10のDMA:水で前処理したもの)を含有する反応物を含む50mMのHEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸)pH8.5緩衝液及び15%v/vDMA(N,N−ジメチルアセトアミド)共溶媒を、25℃で4時間にわたってコンジュゲートさせた。
【0540】
反応後、コンジュゲートを精製し、NAP脱塩カラム(Illustra Sephadex G−25 DNA Grade、GE Healthcare)を用いて、緩衝液を、250mMグリシン、10mMヒスチジン、1%スクロース、0.01%Tween−20、50μM重亜硫酸ナトリウム配合緩衝液(pH6.2)へと交換した。Slide−a−Lyzer透析カセット(ThermoScientific 20,000 MWCO)を用いて、同一緩衝液中、室温で、4時間透析を行った。
【0541】
精製したコンジュゲートは、1抗体あたり平均して2.8分子の化合物49が結合しており(化合物49に対してε
330nm=15,280cm
−1M
−1及びε
280nm=30,115cm
−1M
−1、ならびにhuMOV19抗体に対してε
280nm=201,400cm
−1M
−1のモル吸光係数を用いたUV−Visによるもの)、94%単量体を有し(サイズ排除クロマトグラフィーによるもの)、コンジュゲートされていない化合物49が<0.1%であり(アセトン沈殿、逆相HPLC分析によるもの)、かつ最終タンパク質濃度が1.5mg/mlであることがわかった。コンジュゲートした抗体は、ゲルチップ分析により、>95%インタクトであることがわかった。MSスペクトル測定データを
図7Cに示す。
実施例18.huMOV19−スルホ−SPDB−99の調製
最終濃度1.95mMの化合物99及び1.5mMのスルホ−SPDBリンカーを含有するin situ混合物を含む、10mMのN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を含有するDMAを20分間インキュベートしてから、4mMのマレイミドプロピオン酸MPAでキャップした。得られた99−スルホ−SPDB−NHSを6倍過剰量で、2.5mg/mlのhuMOV19抗体を含有する反応物を含有する15mMのHEPES、pH8.5(82:18の水:DMA)に添加した。溶液を25℃で一晩かけてコンジュゲートさせた。
【0542】
反応後、コンジュゲートを精製し、NAP脱塩カラム(Illustra Sephadex G−25 DNA Grade、GE Healthcare)を用いて、緩衝液を、20mMヒスチジン、50mM塩化ナトリウム、8.5%スクロース、0.01%Tween−20、50μM重亜硫酸ナトリウム配合緩衝液(pH6.2)へと交換した。Slide−a−Lyzer透析カセット(ThermoScientific 10,000 MWCO)を用いて、同一緩衝液で、4℃で、一晩透析を行った。
【0543】
精製したコンジュゲートは、1抗体あたり平均して1.6分子の化合物99が結合しており(化合物99に対してε
330nm=15,484cm
−1M
−1及びε
280nm=30,115cm
−1M
−1、ならびにhuMOV19抗体に対してε
280nm=201,400cm
−1M
−1のモル吸光係数を用いたUV−Visによるもの)、99%単量体を有し(サイズ排除クロマトグラフィーによるもの)、かつ最終タンパク質濃度が0.59mg/mlであることがわかった。MSスペクトル測定データを
図7Cに示す。
実施例19.huMOV19−70の調製
2.0mg/mLのhuMOV19抗体及び5モル当量の化合物70(5倍過剰量の重亜硫酸ナトリウムを含む90:10のDMA:水で前処理したもの)を含有する反応物を含む50mMのHEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸)pH8.5緩衝液及び15%v/vDMA(N,N−ジメチルアセトアミド)共溶媒を、25℃で4時間にわたってコンジュゲートさせた。
【0544】
反応後、コンジュゲートを精製し、NAP脱塩カラム(Illustra Sephadex G−25 DNA Grade、GE Healthcare)を用いて、緩衝液を、20mMヒスチジン、100mMアルギニン、2%スクロース、0.01%Tween−20、50μM重亜硫酸ナトリウム配合緩衝液(pH6.2)へと交換した。精製後、Slide−a−Lyzer透析カセット(ThermoScientific 20,000 MWCO)を用いて、同一緩衝液中、4℃で、18時間透析を行った。
【0545】
精製したコンジュゲートは、1抗体あたり平均して3.0分子の化合物70が結合しており(化合物70に対するε
330nm=15,484cm
−1M
−1及びε
280nm=30,115cm
−1M
−1、ならびにhuMOV19抗体に対するε
280nm=201,400cm
−1M
−1のモル吸光係数を用いたUV−Visによるもの)、94%単量体を有し(サイズ排除クロマトグラフィーによるもの)、コンジュゲートされていない化合物70が<0.1%であり(アセトン沈殿、逆相HPLC分析によるもの)、かつ最終タンパク質濃度が1.3mg/mlであることがわかった。
【0546】
実施例20.huMOV19−23の調製
2.5mg/mLのhuMOV19抗体及び4モル当量の化合物23(5倍過剰量の重亜硫酸ナトリウムを含む90:10のDMA:水で前処理したもの)を含有する反応物を含む50mMのHEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸)pH8.5緩衝液及び15%v/vDMA(N,N−ジメチルアセトアミド)共溶媒を、25℃で6時間にわたってコンジュゲートさせた。
【0547】
反応後、コンジュゲートを精製し、NAP脱塩カラム(Illustra Sephadex G−25 DNA Grade、GE Healthcare)を用いて、緩衝液を、250mMグリシン、10mMヒスチジン、1%スクロース、0.01%Tween−20、50μM重亜硫酸ナトリウム配合緩衝液(pH6.2)へと交換した。Slide−a−Lyzer透析カセット(ThermoScientific 10,000 MWCO)を用いて、同一緩衝液中、室温で、8時間透析を行った。
【0548】
精製したコンジュゲートは、1抗体あたり平均して2.8分子の化合物23が結合しており(化合物23に対してε
330nm=15,484cm
−1M
−1及びε
280nm=30,115cm
−1M
−1、ならびにhuMOV19抗体に対してε
280nm=201,400cm
−1M
−1のモル吸光係数を用いたUV−Visによるもの)、98%単量体を有し(サイズ排除クロマトグラフィーによるもの)、コンジュゲートされていない化合物23が<3%であり(アセトン沈殿、逆相HPLC分析によるもの)、かつ最終タンパク質濃度が1.3mg/mlであることがわかった。MSスペクトル測定データを
図7Dに示す。
【0549】
実施例21.huMOV19−14コンジュゲート、huMOV19−90コンジュゲート、及びhuMOV19−107コンジュゲートの結合親和性についてのフローサイトメトリーアッセイ
96ウェルプレート(Falcon、丸底)中、100μl/ウェルのコンジュゲートhuMOV19−14、huMOV19−90、もしくはhuMOV19−107、または抗体huMOV19を、開始濃度3×10
−8MでFACS緩衝液(1%BSA、1×PBS)で希釈してそれを2回繰り返し、続けて4℃にて、FACS緩衝液で3倍に系列希釈した。熱不活性化10%FBS(Life Technologies)、0.1mg/mlのゲンタマイシン(Life Technologies)、及び0.2IUのウシインシュリン/ml(Sigma)を補充したRPMI−1640(Life Technologies)で増殖させたT47D細胞(ヒト乳腺腫瘍)を、PBSで1回洗浄し、ヴェルセン(Life Technogies)で取り出した。T47D細胞を増殖培地(上記参照)に再懸濁させて、ヴェルセンを中和し、コールターカウンターで計数した。次いで、細胞を冷FACS緩衝液で2回洗浄し、その洗浄の間に1200rpmで5分間遠心した。100μl/mlの2×10
4細胞/ウェルを、コンジュゲート、抗体、またはFACS緩衝液のみを含んだウェルに添加し、4℃で2時間インキュベートした。インキュベーション後、細胞を上記のように遠心し、200μl/ウェルの冷FACS緩衝液で1回洗浄した。次いで、細胞を、200μl/ウェルのFITC結合ヤギ抗ヒトIgG−Fcγ二次抗体(対照に含まれるのは、未染色細胞及び二次抗体のみで染色されたものであった)を用いて4℃で40分間染色し、遠心し、200μl/ウェルの冷PBS−Dで1回洗浄した。細胞を200μl/ウェルの1%ホルムアルデヒド/PBS−Dで固定し、4℃で保存した。保存後、コンジュゲートまたは抗体の細胞表面染色を、FACS Calibur(BD Biosciences)でフローサイトメトリーを用いて検出した。GraphPad Prismを用いて、幾何平均をコンジュゲートまたは抗体の対数濃度に対してプロットし、EC
50を非線形4−パラメーターロジスティック回帰分析で計算した。
【0550】
huMOV19−90コンジュゲートについての結合アッセイを繰り返した。データを
図15Bに示す。
図1、
図15A、
図15B、及び
図20に示すとおり、コンジュゲートは、未結合抗体と同様に、フローサイトメトリーにおいて、標的抗原を発現するT47D細胞の表面に結合し、これにより、結合が、コンジュゲート形成プロセスにより影響されないことが実証される。
実施例22.huMOV19−14コンジュゲートの細胞障害性アッセイ
96ウェルプレート(Corning、丸底)中、100μl/ウェルのhuMOV19−14コンジュゲートを、開始濃度3.5×10
−9M〜3.5×10
−8Mで、熱不活性化10%FBS(Life Technologies)及び0.1mg/mlのゲンタマイシン(Life Technologies)を補充したRPMI−1640(Life Technologies)に希釈してそれを3回繰り返し、周辺温度にて、この培地で3倍に系列希釈した。熱不活性化10%FBS(Life Technologies)及び0.1mg/mlのゲンタマイシン(Life Technologies)を補充したEMEM(ATCC)中で増殖させたKB細胞(頬側上皮性腫瘍)を、PBSで1回洗浄し、0.05%トリプシン−EDTA(Life Technogies)で取り出した。KB細胞を増殖培地(上記参照)に再懸濁させて、トリプシンを中和し、コールターカウンターで計数した。100μl/mlの1×10
3細胞/ウェルを、コンジュゲートまたは培地のみを含有するウェルに添加し、1μMのブロッキング抗FOLR1抗体(huMOV19)とともに、またはなしで、5%CO
2の37℃インキュベーター中で5日間インキュベートした。合計体積は、200μl/ウェルである。インキュベーション後、20μl/ウェルのWST−8(Dojindo)を添加して、2時間発現させることにより、細胞生存度を分析した。プレートリーダーで、450及び620nmの吸光度を読み取った。450nmの吸光度から620nmの吸光度を差し引いた。補正した吸光度から、培地のみを含有するウェルのバックグラウンドをさらに差し引き、未処理細胞の生存率(SF)をエクセルで計算した。Graph Pad Prismを用いて、ADC濃度(M)対SFのXYグラフを作成した。
【0551】
図2に示すとおり、コンジュゲートは、KB細胞に対して非常に強力であり、IC
50が4×10
−12Mである。コンジュゲートされていない抗体を過剰に添加すると細胞障害性効果が顕著に低下する。このことにより、抗原特異性が実証される。
実施例23.huMOV19−14コンジュゲート及びhuMOV19−90コンジュゲートのバイスタンダー細胞障害性アッセイ
96ウェルプレート(Falcon、丸底)中、100μl/ウェルのhuMOV19−14またはhuMOV19−90を、1e−10M〜4e−10Mの濃度で、熱不活性化10%FBS(Life Technologies)、0.1mg/mlのゲンタマイシン(Life Technologies)、及びβME(Life Technologies)を補充したRPMI−1640(Life Technologies)に希釈してそれを6回繰り返した。組換えFOLR1(FR1#14)を発現する、または発現ベクター(親)を発現しない300.19細胞(マウス)の両方を、コールターカウンターで計数した。コンジュゲートまたは培地のみを含有するあるウェルには50μl/mlの1000個のFR1#14細胞/ウェルを添加し、コンジュゲートまたは培地のみを含有するあるウェルには50μl/mlの2000個の親細胞/ウェルを添加し、さらにコンジュゲートまたは培地のみを含有するあるウェルにはFR1#14及び親細胞の両方を一緒に添加した。全てのプレートを5%CO
2の37℃インキュベーター中で4日間インキュベートした。合計体積は、150μl/ウェルであった。インキュベーション後、75μl/ウェルのCell Titer Glo(Promega)を添加し45分間発現させることにより、細胞生存度を分析した。発光をルミノメーターで読み取り、培地のみを含有するウェルのバックグラウンドを全ての値から差し引いた。Graph Pad Prismを用いて、各細胞処理の平均の棒グラフを作成した。
【0552】
図3に示すとおり、コンジュゲートhuMOV19−14は、隣接する抗原陰性細胞に対して弱いバイスタンダー細胞障害性効果を発揮する。
図13に示すとおり、コンジュゲートhuMov19−90は、強力なバイスタンダー殺傷活性を発揮する。
実施例24.huMy9−6−14コンジュゲートのIn vitro細胞障害性アッセイ
適切な培地中、1ウェルあたり2×10
3〜1×10
4の細胞を含有する96ウェルプレートの各ウェルに、コンジュゲートの希釈液を添加した。細胞及び培地を含有するが、試験化合物を含んでいない対照ウェル、ならびに培地のみを含有するウェルを、各アッセイプレートに含ませた。プレートを、6%CO
2含有加湿雰囲気中、37℃で、4〜6日間、インキュベートした。次いで、WST−8試薬、10%v/v、(Dojindo Molecular Technologies、Gaithersburg、MD)をウェルに添加し、プレートを37℃で2〜6時間インキュベートした。次いで、プレートリーダー分光光度計で、二重波長モード450nm/650nmにて吸光度を測定し、650nmでの吸光度(細胞による非特異的光散乱)を差し引いた。最初に培地バックグラウンド吸光度を補正し、次いで各値を対照ウェル(未処理細胞)での値の平均で除算することにより、各ウェルの細胞の見かけ上生存率を計算した。
【0553】
図3に示すとおり、コンジュゲートは、種々の抗原陽性癌細胞に対して非常に強力であり、一方、抗原陰性L−540細胞は、同じコンジュゲートに暴露された場合なおも生存し続ける。
実施例25.huMy9−6−14コンジュゲートのバイスタンダー細胞障害性アッセイ
予備試験を行って、抗原陰性RADA−1細胞に対しては細胞障害性ではないが、抗原陽性KARA細胞を全て殺傷するhuMy9−6−14濃度を求めた。RADA−1(1ウェルあたり500個の細胞)及びKARA(1ウェルあたり500、1000、2000、4000個の細胞)を、96ウェル丸底プレートに播種した。huMy9−6−14の希釈液を、細胞培養培地(10%熱不活性化ウシ胎児血清及び50mg/Lのゲンタマイシンを補充したRPMI1640培地)で調製し、細胞に添加した。プレートを、37℃で4日間インキュベートし、各ウェルの細胞生存度を、WST−8試薬(Dojindo Molecular Technologies、Inc.)を用いて測定した。コンジュゲートのバイスタンダー効力を試験するため、RADA−1及びKARA細胞を、様々な比(500個のRADA−1細胞+0個のKARA細胞、500個のRADA−1細胞+500個のKARA細胞、500個のRADA−1細胞+1000個のKARA細胞、500個のRADA−1細胞+2000個のKARA細胞、500個のRADA−1細胞+4000個のKARA細胞)を一緒に混合して、96ウェル丸底プレートに播種した。次いで、1.0e−9Mまたは5.0e−10MのhuMy9−6−14(RADA−1細胞に対しては細胞障害性ではないが、KARA細胞を全て殺傷する濃度)を、細胞混合物に添加した。プレートを37℃で、4日間インキュベートし、各ウェルのRADA−1細胞生存度を、WST−8試薬(Dojindo Molecular Technologies、Inc.)を用いて測定した。プレートリーダー分光光度計で、二重波長モード450nm/650nmにて吸光度を測定し、650nmでの吸光度(細胞による非特異的光散乱)を差し引いた。
【0554】
図5に示すとおり、コンジュゲートは、隣接する抗原陰性細胞に対してバイスタンダー殺傷効果を発揮する。
実施例26.メスSCIDマウスにおけるNCI−H2110 NSCLC異種移植片に対するhuMOV19−80及びhuMOV19−90の単回投与での抗腫瘍活性
6週齢のメスCB.17 SCIDマウスを、Charles River Laboratoriesから入手した。1×10
7のNCI−H2110腫瘍細胞を50%マトリゲル/無血清培地0.1mlに懸濁させたものを、皮下注射によりマウスの右側腹部に播種した。腫瘍体積が約100mm
3に到達した時点で(播種後7日目)、マウスを、腫瘍体積に基づいて、5つの群(各群6匹)に無作為化した。マウスには、1日目(播種後8日目)に、ビヒクル対照(0.2ml/マウス)、huMOV19−80、またはhuMOV19−90をhuMOV19−80またはhuMOV19−90濃度に基づいて5及び25μg/kgで、単回IV投与した。huMOV19は、葉酸受容体1(FOLR1)と選択的に結合するヒト化モノクローナル抗体である。
【0555】
腫瘍の大きさを、週に2〜3回、ノギスを用いて三次元計測した。腫瘍体積は、式V=長さ×幅×高さ×1/2を用いて、mm
3で表した。マウスで腫瘍体積が50%以上減少した場合は部分退縮(PR)が発生したと判断し、触知できる腫瘍を検出することができなかった場合に完全腫瘍退縮(CR)が発生したと判断した。腫瘍体積は、StudyLogソフトウェアで求めた。腫瘍増殖阻害(T/C値)は、以下の式:
T/C(%)=処置マウスの腫瘍体積中央値/対照の腫瘍体積中央値×100
を用いて求めた。
【0556】
ビヒクル対照の腫瘍体積が所定の大きさの1000mm
3に到達した時点で、処置群(T)及びビヒクル対照群(C)の腫瘍体積を同時に求めた。腫瘍を持たないマウス(0mm
3)を含む各処置群の毎日の腫瘍体積中央値を求めた。NCI基準によれば、T/C≦42%が、抗腫瘍活性の最小レベルである。T/C<10%の場合は、抗腫瘍活性レベルが高いと判断される。
【0557】
図6に示すとおり、huMOV19−90コンジュゲートは、5及び25μg/kgの用量両方で活性が高く、一方、huMOV19−80コンジュゲートは、25μg/kgの用量で活性が高い。
実施例27.huML66−90の調製
2.0mg/mLのhuML66抗体、抗EGFR抗体(WO2012/058592参照、参照によりその全体が本明細書中に援用される)、及び3.5モル当量の化合物90(5倍過剰量の重亜硫酸ナトリウムを含む90:10のDMA:50mMコハク酸化合物pH5.5で、25℃で4時間前処理したもの)を含有する反応物を含む15mMのHEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸)pH8.5緩衝液及び15%v/vDMA(N,N−ジメチルアセトアミド)共溶媒を、25℃で4時間インキュベートした。反応後、コンジュゲートを精製し、NAP脱塩カラム(Illustra Sephadex G−25 DNA Grade、GE Healthcare)を用いて、緩衝液を、20mMヒスチジン、50mM塩化ナトリウム、8.5%w/vスクロース、0.01%Tween−20、50μM重亜硫酸ナトリウムpH6.2配合緩衝液へと交換した。Slide−a−Lyzer透析カセット(ThermoScientific 30,000 MWCO)を用いて、同一緩衝液中、室温で4時間、次いで4℃で一晩、透析を行った。
【0558】
精製したコンジュゲートは、最終タンパク質濃度が0.9mg/mlであり、1抗体あたり平均して2.7分子の化合物90が結合しており(化合物90に対して
ε330nm=15,280cm−1M−1及び
ε280nm=30,115cm−1M−1、ならびにhuML66抗体に対して
ε280nm=205,520cm−1M−1のモル吸光係数を用いてUV−Visによるもの)、99.1%単量体を有し(サイズ排除クロマトグラフィーによるもの)、かつコンジュゲートされていないIGN149が<1%である(二重カラム、逆相HPLC分析によるもの)であることがわかった。MSスペクトル測定データを
図8に示す。
実施例28.huML66−90コンジュゲートのin vitro細胞障害性アッセイ
huML66−90コンジュゲートが細胞増殖を阻害する能力を、in vitro細胞障害性アッセイを用いて測定した。標的細胞を、100μLの完全RPMI培地(RPMI−1640、10%ウシ胎児血清、2mMグルタミン、1%ペニシリン−ストレプトマイシン、全ての試薬はInvitrogenより入手したもの)中、1ウェルあたり1〜2,000個の細胞で播種した。抗体を、3倍系列希釈で完全RPMI培地に希釈し、1ウェルあたり100μLを添加した。最終濃度は、典型的には、3×10−8M〜4.6×10−12Mの範囲であった。細胞を、加湿5%CO2インキュベーター中、37℃で、5〜6日間インキュベートした。残存細胞の生存度を、比色WST−8アッセイ(Dojindo Molecular Technologies, Inc.、Rockville、MD、US)により求めた。WST−8は、生細胞中、デヒドロゲナーゼにより橙色のホルマザン産物に還元される。この産物は組織培養培地に可溶性である。産生されたホルマザンの量は、生細胞数と直接比例する。WST−8を、最終体積の10%に添加し、プレートを、加湿5%CO2インキュベーター中、37℃でさらに2〜4時間インキュベートした。マルチウェルプレートリーダーで450nmの吸光度(A450)を測定することにより、プレートを分析した。培地及びWST−8のみを含むウェルのバックグラウンドA450吸光度を、全ての値から差し引いた。処理した試料値それぞれを、未処理細胞を含むウェルの平均値で除算することにより、生存度パーセントを計算した。生存度パーセント=100
*(処理した試料のA450−バックグラウンドのA450)/(未処理試料のA450−バックグラウンドのA450)。各処理では、片対数プロットで、生存度パーセントの値を抗体濃度に対してプロットした。非線形回帰により用量反応曲線を作成し、各曲線のEC
50値を、GraphPad Prism(GraphPad software、SanDiego、CA)で計算した。
In vitro細胞障害性活性
未結合抗体が過剰に存在する場合及び存在しない場合のhuML66−90コンジュゲートのin vitro細胞障害性を評価し、EGFR発現細胞における非特異的huIgG−90コンジュゲートの活性と比較した。典型的な細胞障害性アッセイの結果を
図9に示す。huML66−90コンジュゲートは、16pMのEC
50値でDetroit−562 SCC−HN細胞の特異的細胞殺傷をもたらした。コンジュゲートされていない抗体が過剰に存在する場合、活性は顕著に低下し、その結果EC
50値が約2nMとなった。同様に、huIgG−90コンジュゲートを未結合huIgG対照抗体とともに用いると、約8nMのEC
50値での細胞殺傷がもたらされた。
【0559】
同様に、huML66−90コンジュゲートは、12pMのEC
50値で、NCI−H292 NSCLC細胞の特異的細胞殺傷をもたらした。コンジュゲートされていない結合抗体が過剰に存在する場合、活性が顕著に低下し、EC
50値が約2nMとなった。同様に、huIgG−90コンジュゲートを未結合huIgG対照抗体とともに用いると、約8nMのEC
50値で細胞殺傷をもたらした。
【0560】
同様に、NCI−H1703細胞の特異的細胞殺傷も観測された。
【0561】
【表1-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0562】
実施例29.huMOV19−90のIn vitro細胞障害性活性
96ウェルプレート(Corning、平底)中、100μl/ウェルのhuMOV19−90コンジュゲートを、開始濃度3.5e−9M及び〜3.5e−8Mで、熱不活性化10%FBS(Life Technologies)及び0.1mg/mlゲンタマイシン(Life Technologies)を補充したRPMI−1640(Life Technologies)でそれぞれ希釈してそれを3回繰り返し、周辺温度にて、この培地で3倍に系列希釈した。KB細胞(頬側上皮性腫瘍)を、熱不活性化10%FBS(Life Technologies)及び0.1mg/mlゲンタマイシン(Life Technologies)を補充したEMEM(ATCC)で増殖させ、PBSで1回洗浄し、0.05%トリプシン−EDTA(Life Technogies)を用いて取り出した。試験した他の細胞は、NCI−H2110(NSCLC)及びT47D(乳房上皮)であり、これらは、熱不活性化10%FBS(Life Technologies)及び0.1mg/mlゲンタマイシン(Life Technologies)を補充したRPMI−1640(Life Technologies)で増殖させた。T47D培地には、0.2IU/mlウシインシュリンも補充した。全ての細胞を、増殖培地(上記参照)に再懸濁させて、トリプシンを中和し、血球計数器を用いて計数した。100μl/mlの1000個のKB細胞/ウェルまたは2000個のT47D及びNCI−H2110細胞/ウェルを、コンジュゲートまたは培地のみを含有するウェルに添加し、1μMのブロッキング抗FOLR1抗体(huMOV19)とともにまたはこれを用いずに、5%CO
2の37℃インキュベーター中で5日間インキュベートした。合計体積は200μl/ウェルである。KB細胞に対する各コンジュゲートの開始濃度は、3.5e−9Mであり、T47D及びNCI−H2110細胞では、各コンジュゲートの開始濃度は、3.5e−8Mであった。インキュベーション後、20μl/ウェルのWST−8(Dojindo)を添加し、2時間発現させることにより、細胞生存度を分析した。プレートリーダーで、450及び620nmの吸光度を読み取った。450nmの吸光度から620nmの吸光度を差し引いた。補正した吸光度から、培地のみを含有するウェルのバックグラウンドをさらに差し引き、未処理細胞の生存率(SF)をエクセルで計算した。Graph Pad Prismを用いて、ADC濃度(M)対SFのXYグラフを作成した。
【0563】
図10〜12及び表2に示すとおり、huMOV19−90コンジュゲートは、KB細胞、T47D細胞、及びNCI−H2110細胞に対して非常に強力である。コンジュゲートされていない抗体を過剰に添加すると、細胞障害性効果が顕著に低下する。このことにより、抗原特異性が実証される。
【0564】
【表2】
[この文献は図面を表示できません]
【0565】
別の実験では、コンジュゲートが細胞増殖を阻害する能力を、WST−8を利用したin vitro細胞障害性アッセイを用いて測定した。96ウェルプレート中の細胞(典型的には、1ウェルあたり1×10
3)を、適切な細胞培養培地における、合計体積0.2mlの様々な濃度のコンジュゲートで処理した。細胞及び培地を含有するが、試験化合物を含有しない対照ウェル、ならびに培地のみを含有するウェルを、各アッセイプレートに含ませた。プレートを、6%CO
2含有加湿雰囲気中、37℃で、4〜6日間インキュベートした。次いで、WST−8試薬(10%体積/体積、Dojindo Molecular Technologies)をウェルに添加し、プレートを細胞株に応じて37℃で2〜6時間インキュベートした。次いで、プレートリーダー分光光度計で、二重波長モード450nm/620nmにて吸光度を測定し、620nmでの吸光度(細胞による非特異的光散乱)を差し引いた。得られたOD
450値を用いて、GraphPad Prism v4(GraphPad software、SanDiego、CA)で細胞の見かけ上生存率を計算した。最初に培地バックグラウンド吸光度を補正し、次いで各値を対照ウェル(未処理細胞)での値の平均で除算することにより、各ウェルの細胞の見かけ上生存率を計算した。Graph Pad Prismで様々な傾きを用いてシグモイド曲線当てはめを使用する非線形回帰により用量反応曲線を作成した。IC
50(50%阻害濃度)を、このソフトウェアで計算した。
【0566】
コンジュゲートは、
図21及び表3に示すとおり、試験した細胞株である、Ishikawa(子宮内膜癌)、KB(子宮頸癌)、及びNCI−H2110(非小細胞肺癌)に対して活性であった。未修飾huMOV19抗体が過剰である(1μM)と、コンジュゲートの効力が顕著に低下した(20〜200倍)ことから、細胞殺傷活性は、FOLR1依存性であった。
【0567】
【表3】
[この文献は図面を表示できません]
【0568】
実施例30.メスSCIDマウスにおけるNCI−H2110 NSCLC異種移植片に対するhuMOV19−90コンジュゲートの単回用量での抗腫瘍活性
6週齢のメスCB.17 SCIDマウスを、Charles River Laboratoriesから入手した。1×107のNCI−H2110腫瘍細胞を50%マトリゲル/無血清培地0.1mlに懸濁させたものを、皮下注射によりマウスの右側腹部に播種した。腫瘍体積が約100mm
3に到達した時点で(播種後7日目)、マウスを、腫瘍体積に基づいて、4つの群(各群6匹)に無作為化した。マウスには、1日目(播種後8日目)に、化合物90の濃度に基づいて、ビヒクル対照(0.2ml/マウス)またはhuMOV19−90を、1、3、もしくは5μg/kgで単回IV投与した。
【0569】
腫瘍の大きさを、週に2〜3回、ノギスを用いて三次元計測した。腫瘍体積は、式V=長さ×幅×高さ×1/2を用いて、mm
3で表した。マウスで腫瘍体積が50%以上減少した場合は部分退縮(PR)が発生したと判断し、触知できる腫瘍を検出するこができなかった場合は完全腫瘍退縮(CR)が発生したと判断した。腫瘍体積は、StudyLogソフトウェアで求めた。
【0570】
腫瘍増殖阻害(T/C値)は、以下の式:
T/C(%)=処置マウスの腫瘍体積中央値/対照の腫瘍体積中央値×100
を用いて求めた。ビヒクル対照の腫瘍体積が所定の大きさの1000mm3に到達した時点で、処置群(T)及びビヒクル対照群(C)の腫瘍体積を同時に求めた。腫瘍を持たないマウス(0mm3)を含む各処置群の毎日の腫瘍体積中央値を求めた。NCI基準によれば、T/C≦42%が、抗腫瘍活性の最低レベルである。T/C<10%の場合は、抗腫瘍活性レベルが高いと判断される。
【0571】
図14に示すとおり、huMOV19−90コンジュゲートは、3μg/kg用量で活性であり、5μg/kg用量では活性が高い。
実施例31.化合物107の合成
【0572】
【化175】
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【0573】
工程1:化合物82(500mg、2.31mmol)、4−メチル−4−(メチルジスルファニル)ペンタン酸(449mg、2.31mmol)、EDC・HCl(465mg、2.43mmol)、HOBt(354mg、2.31mmol)、及びDIPEA(0.81mL、4.62mmol)を、DMF(7.7mL)に溶解させ、反応が完了するまで一晩攪拌した。反応物を酢酸エチルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、飽和塩化アンモニウム、及び水で2回洗浄した。有機物を乾燥させ、減圧濃縮して、化合物100を得た(875mg、収率96%)。これを次の工程で直接用いた。
1H NMR (400 MHz , DMSO):δ 8.15 (d, 1H, J = 6.8 Hz), 8.02 (d, 1H, J = 6.8 Hz), 4.26−4.33 (m, 1H), 4.03−4.12 (m, 1H), 2.41 (s, 3H), 2.18−2.22 (m, 2H), 1.76−1.80 (m, 2H), 1.39 (s, 9H), 1.24 (s, 6H), 1.24 (d, 3H, J = 7.2 Hz), 1.19 (d, 3H, J = 7.2 Hz).
【0574】
【化176】
[この文献は図面を表示できません]
【0575】
工程2:未希釈の化合物100(875mg、2.23mmol)にTFA(2.6ml)及び水(0.17ml)を添加し、反応が完了するまで、室温で攪拌した。反応物をアセトニトリルで希釈して共沸させ、粘着油状物を得た。次いでこれをアセトニトリル及び水で希釈し、凍結乾燥させて、化合物101(1g、収率100%)をオフホワイト色固体として得た。これをさらに精製することなく用いた。LCMS=3.99分(8分方式).MS(m/z):337.0(M+1)
+.
【0576】
【化177】
[この文献は図面を表示できません]
【0577】
工程3:化合物101(923mg、1.65mmol)及び(5−アミノ−1,3−フェニレン)ジメタノール(240mg、1.57mmol)を、DMF(5.2ml)に溶解させた。EDC・HCl(601mg、3.13mmol)、及びDMAP(96mg、0.78mmol)を、室温で添加し、反応物を室温で一晩攪拌した。反応物を酢酸エチルで希釈し、水で3回洗浄した。有機層を乾燥させ、減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して、化合物102を得た(150mg、収率20%)。LCMS = 3.91分 (8分方式).MS (m/z):472.2 (M+1)
+.
1H NMR (400 MHz, MeOD):δ 9.69 (s, 1H), 8.21 (d, 1H, J = 6.8 Hz), 8.18 (d, 1H, J = 6.8 Hz), 7.52 (s, 2H), 7.12 (s, 1H), 4.58 (s, 4H), 4.44−4.48 (m, 1H), 4.29−4.32 (m, 1H), 3.34 (s, 2H), 2.38 (s, 3H), 2.34−2.40 (m, 2H), 1.90−1.95 (m, 2H), 1.43 (d, 3H, J = 7.2 Hz), 1.36 (d, 3H, J = 7.2 Hz), 1.30 (s, 6H).
【0578】
【化178】
[この文献は図面を表示できません]
【0579】
工程4:化合物102を、実施例9の化合物94と同様に調製した。粗物質を高真空で乾燥させて、化合物103を得た(174mgs、収率101%)。これを、さらに精製することなく次の工程で直接用いた。LCMS=4.95分(8分方式).
【0580】
【化179】
[この文献は図面を表示できません]
【0581】
工程5:化合物103を、実施例7の化合物57と同様に調製した。粗固体は、化合物104を含んでいた(203mg、収率44%、純度60%)。これを、さらに精製することなく使用した。LCMS=5.68分(8分方式).MS(m/z):1024.3(M+1)
+.
【0582】
【化180】
[この文献は図面を表示できません]
【0583】
工程6:化合物104を、実施例1の化合物12と同様に調製した。粗残渣をRPHPLC(C18カラム、CH
3CN/H
2O、勾配、50%か〜65%)により精製して、モノイミン化合物105を固体として得た(22mg、収率16%、純度90%)。LCMS=6.00分(8分方式).MS(m/z):1027.3(M+1)
+.
【0584】
【化181】
[この文献は図面を表示できません]
【0585】
工程7:化合物106を、室温で、THF(0.5mL)及びACN(0.23mL)に溶解させた。次いで、これを実施例9の化合物98と同様に調製した。混合物を反応が完了するまで攪拌し、次いでDCM及びDI水で希釈した。有機層を、ブラインで洗浄し、乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、粗チオール、化合物106を得た(21mg、収率100%)これを、次の工程で直接用いた。LCMS=5.67分(8分方式).MS(m/z):980.4(M+1)
+.
【0586】
【化182】
[この文献は図面を表示できません]
【0587】
工程8:化合物106(21mg、0.021mmol)を、2−プロパノール(1428μl)及び水(714μl)に懸濁させた。メタ重亜硫酸ナトリウム(22.30mg、0.214mmol)を添加し、反応物を、室温で、反応が完了するまで攪拌した。反応混合物をアセトニトリル/水で希釈し、凍結乾燥させた。得られた白色粉末を、RPHPLC(C18カラム、CH
3CN/H
2O、勾配、20%〜40%)により精製し、所望の画分を集めて凍結乾燥させて、化合物107を得た(5.3mg、収率23%)。LCMS=5.67分(8分方式).MS(m/z):1060.2(M−1)
−.
実施例32.huMOV19−スルホ−SPDB−107(またはhuMOV19−107)コンジュゲートの調製
最終濃度1.95mMの化合物107及び最終濃度1.5mMのスルホ−SPDBリンカーを含有するin situ混合物を含むコハク酸緩衝液(pH5):DMA(30:70)を、6時間インキュベートしてから、7倍過剰量の107−スルホ−SPDB−NHSを、4mg/mlのhuMOV19抗体を含有する反応物を含む15mMのHEPES、pH8.5(87:13の水:DMA)に添加した。溶液を25℃で一晩コンジュゲートさせた。
【0588】
反応後、コンジュゲートを精製し、NAP脱塩カラム(Illustra Sephadex G−25 DNA Grade、GE Healthcare)を用いて、緩衝液を、10mMトリス、80mMのNaCl、50uM重亜硫酸化合物、3.5%スクロース、0.01%Tween−20配合緩衝液(pH7.6)へと交換した。Slide−a−Lyzer透析カセット(ThermoScientific 10,000 MWCO)を用いて、同一緩衝液中、4℃で、一晩透析を行った。
【0589】
精製したコンジュゲートは、1抗体あたり平均して2.7分子の化合物107が結合しており(化合物107に対して
ε330nm=15,484cm
−1M
−1及び
ε280nm=30,115cm
−1M
−1、ならびにhuMOV19抗体に対して
ε280nm=201,400cm
−1M
−1のモル吸光係数を用いてUV/Vis及びSECによるもの)、95%単量体を有し(サイズ排除クロマトグラフィーによるもの)、かつ最終タンパク質濃度が1.1mg/mlであることがわかった。MSスペクトル測定データを
図16に示す。
実施例33.メスSCIDマウスにおけるNCI−H1703 NSCLC異種移植片に対するhuML66−90コンジュゲートの単回用量での抗腫瘍活性
6週齢のメスCB.17 SCIDマウスを、Charles River Laboratoriesから入手した。5×10
6のNCI−H1703腫瘍細胞を50%マトリゲル/無血清培地0.2mlに懸濁させたものを、皮下注射によりマウスの右側腹部に播種した。腫瘍体積が約100mm
3に到達した時点で(播種後16日目)、マウスを、腫瘍体積に基づいて、4つの群(各群6匹)に無作為化した。マウスには、1日目(播種後17日目)に、ビヒクル対照(0.1ml/マウス)、またはhuML66−90コンジュゲートを化合物90濃度に基づいて、5、20、または50μg/kgで、単回IV投与した。
【0590】
腫瘍の大きさを、週に2〜3回、ノギスを用いて三次元計測した。腫瘍体積は、式V=長さ×幅×高さ×1/2を用いて、mm
3で表した。マウスで腫瘍体積が50%以上減少した場合、部分退縮(PR)が発生したと判断し、触知できる腫瘍を検出することができなかった場合は完全腫瘍退縮(CR)が発生したと判断した。腫瘍体積は、StudyLogソフトウェアで求めた。
【0591】
腫瘍増殖阻害(T/C値)は、以下の式:
T/C(%)=処置マウスの腫瘍体積中央値/対照の腫瘍体積中央値×100
を用いて求めた。ビヒクル対照の腫瘍体積が所定の大きさの1000mm
3に到達した時点で、処置群(T)及びビヒクル対照群(C)の腫瘍体積を同時に求めた。腫瘍を持たないマウス(0mm
3)を含む各処置群の毎日の腫瘍体積中央値を求めた。NCI基準によれば、T/C≦42%が抗腫瘍活性の最低レベルである。T/C<10%である場合は、抗腫瘍活性レベルが高いと判断される。
【0592】
図17に示すとおり、huML66−90コンジュゲートは、20μg/kg及び50μg/kgで活性が高く、20μg/kgが最小有効用量である(MED)。
実施例34.メスCD−1マウスにおけるhuMov19−90コンジュゲートの単回用量の薬物動態
7週齢のメスCD−1マウスを、Charles River Laboratoriesから入手した。マウスには、huMov19−90コンジュゲートを、外側尾静脈を介する単回静脈内ボーラス注射で単回IV投与した。各マウスに、Abに基づき2.5mg/kgの用量を投与した。用量及び注射体積は、各マウスの体重に基づいて個別化した。27ゲージ、1/2インチの針を装着した1.0mLシリンジを使用して注射を行った。huMov19−90コンジュゲートの投与から2及び30分後、ならびに2、4、及び8時間後、ならびに1、2、3、5、7、10、14、21、及び28日後、マウスをイソフルラン吸入により麻酔して、約150μLの血液をマウスの右後眼窩血液洞から採取してヘパリン化毛細管へ入れた。各時点(0〜21日)において、血液を、1つの群の3匹のマウス全てから収集した。群は順番に採血して、セットに含まれるマウスが24時間以内2回を超えて採血されることがないようにした。最後の時点、投与後28日目において、全てのマウスから、試料採取した。血液試料を遠心して血漿を分離した。血漿30μlを、各時点の試料用に個別標識したマイクロ遠心管に移し、次いで−80℃で凍結保存して、その後ELISA分析を行い、抗インドリノベンゾジアゼピン抗体を使用して全Ab(コンジュゲートされていないAb及びインタクトなコンジュゲートの両方)及びインタクトなコンジュゲートの濃度を求めた。
【0593】
図18に示すとおり、huMov19−90コンジュゲートは、抗体のクリアランスと同様なクリアランスを有する。
実施例35.タンパク質A樹脂を用いた親和性捕獲による分解産物濃縮
葉酸受容体α(FRα)を発現するKB細胞を、5×T150組織培養プレートで培養した。飽和量のFRα標的指向huMov19−90コンジュゲートを、5%CO
2で緩衝した加湿インキュベーター中37℃で24時間、KB細胞とともにインキュベートした。24時間後、細胞から排出された分解産物を含有する培地を採取し、その後のアッセイのためにプールした。
【0594】
4℃で一晩インキュベーションすることにより、飽和量の抗インドリノベンゾジアゼピン抗体をタンパク質A樹脂のスラリーと結合させた。前結合させたタンパク質A/抗インドリノベンゾジアゼピン抗体複合体1mLを、培地25mLとともに、エンドツーエンド回転器で数時間インキュベートした。樹脂を1000rpmで緩徐に遠心し、上清をデカントした。分解産物と結合したタンパク質A/抗インドリノベンゾジアゼピン抗体樹脂をPBSで洗浄した。分解産物を、アセトン抽出により有機相に放出させた。有機溶液が完全に蒸発するまで、分解産物を一晩真空乾燥させた。分解産物を20%アセトニトリル含有水で再構成し、LC/MSにより分析した。
MS分析
細胞代謝産物を、Q−Exactive高分解能質量分析器(Thermo)を用いてUHPLC/MS/MSにより同定した。抽出されたイオンクロマトグラム(XIC)を用いて、標的細胞代謝産物を同定して特性決定した。特徴的なインドリノベンゾジアゼピン(286m/z)質量特性を含む全ての代謝産物種を同定した(
図19A及び
図19Bを参照)。
実施例36.メスCB.17 SCIDマウスにおけるNCI−H2110 NSCLC異種移植片、Hec−1b子宮内膜異種移植片、及びIshikawa子宮内膜異種移植片に対するhuMov19−90の単回用量での抗腫瘍活性
6週齢のメスCB.17 SCIDマウスを、Charles River Laboratoriesから入手した。第1のコホートのマウスに、1×10
7のNCI−H2110腫瘍細胞を50%マトリゲル/無血清培地0.1mlに懸濁させたものを、皮下注射により右側腹部に播種した。第2のコホートのマウスに、1×10
7のHec−1b腫瘍細胞を無血清培地0.1mlに懸濁させたものを、皮下注射により右側腹部に播種した。第3のコホートのマウスに、1×10
7のIshikawa腫瘍細胞を50%マトリゲル/無血清培地0.1mlに懸濁させたものを、皮下注射により右側腹部に播種した。
【0595】
腫瘍体積が約100mm
3に到達した時点で(NCI−H2110は播種後7日目、Hec−1bは播種後7日目、Ishikawaは播種後17日目)、マウスを、腫瘍体積に基づいて、複数の群(各群6匹のマウス)に無作為化した。
【0596】
NCI−H2110異種移植片実験のマウスには、1日目(播種後8日目)に、ビヒクル対照(0.2ml/マウス)、または薬物濃度に基づいてhuMov19−90を1、3、または5μg/kg単回IV投与した。
【0597】
Hec−1b異種移植片実験のマウスには、1日目(播種後8日目)に、ビヒクル対照(0.2ml/マウス)、または薬物濃度に基づいてhuMov19−90を10もしくは30μg/kgで、もしくは非標的指向性対照コンジュゲートchKTI−90を30μg/kgで単回IV投与した。
【0598】
Ishikawa異種移植片実験のマウスには、1日目(播種後18日目)に、ビヒクル対照(0.2ml/マウス)、または薬物濃度に基づいてhuMov19−90を10もしくは30μg/kgで、もしくは非標的指向性対照コンジュゲートchKTI−90を30μg/kgで単回IV投与した。
【0599】
全ての実験では、腫瘍の大きさを、週に2〜3回、ノギスを用いて三次元計測した。腫瘍体積は、式V=長さ×幅×高さ×1/2を用いて、mm
3単位で表した。マウスで腫瘍体積が50%以上減少した場合、部分退縮(PR)が発生したと判断し、触知できる腫瘍を検出することができなかった場合は完全腫瘍退縮(CR)が発生したと判断した。腫瘍体積は、StudyLogソフトウェアで求めた。
【0600】
腫瘍増殖阻害(T/C値)は、以下の式を用いて求めた。
T/C(%)=処置マウスの腫瘍体積中央値/対照の腫瘍体積中央値×100。
ビヒクル対照の腫瘍体積が所定の大きさの1000mm
3に到達した時点で、処置群(T)及びビヒクル対照群(C)の腫瘍体積を同時に求めた。腫瘍を持たないマウス(0mm
3)を含む各処置群の毎日の腫瘍体積中央値を求めた。NCI基準によれば、T/C≦42%が抗腫瘍活性の最低レベルである。T/C<10%である場合、抗腫瘍活性レベルが高いと判断される。
【0601】
図22に示すとおり、huMov19−90コンジュゲートは、NCI−H2110異種移植片モデルにおいて、1μg/kgの用量では不活性であり、3μg/kgの用量では活性で、T/C13%かつPR1/6であり、5μg/kgの用量では活性が高く、T/C2%、6/6PR、かつ4/6CRであった。
【0602】
図23に示すとおり、huMov19−90コンジュゲートは、Hec−1b異種移植片モデルにおいて、10μg/kgの用量で活性であり、T/C15%かつ1/6PRであり、30μg/kgの用量では活性が高く、T/C9%、6/6PR、かつ6/6CRであった。非標的指向性対照コンジュゲートchKTI−90は、30μg/kgの用量では活性であり、T/Cが34%であった。
【0603】
図24に示すとおり、huMov19−90コンジュゲートは、Ishikawa異種移植片モデルにおいて、10μg/kgの用量で活性であり、T/C27%、6/6PR、かつ6/6CRであり、30μg/kgの用量で活性であり、T/C15%、6/6PR、かつ6/6CRであった。非標的指向性対照コンジュゲートchKTI−90は、30μg/kgの用量で活性であり、T/C24%かつ4/6PRであった。
実施例37.メスCB.17 SCIDマウスにおけるNCI−H2110 NSCLC異種移植片に対するhuMov19−107の単回用量での抗腫瘍活性
SCIDマウスにおけるhuMOV19−107のIn vivo抗腫瘍活性を、上記の実施例30に記載したプロトコルに従って行った。
図25に示すとおり、huMov19−107コンジュゲートは、10μg/kgの用量で活性が高く、6/6CRであった。
実施例38.CD123−90コンジュゲートの結合親和性
例示的なヒト化抗CD123抗体であるhuCD123−6Gv4.7S3抗体のADCコンジュゲートの結合親和性を、HNT−34細胞を用いてフローサイトメトリーによりアッセイして対応するコンジュゲートされていない抗体と比較した。HNT−34細胞(1試料あたり5×10
4個の細胞)を、FACS緩衝液(2%正常ヤギ血清を補充したDMEM培地)200μL中、様々な濃度のADC及びコンジュゲートされていないhuCD123−6Gv4.7S3抗体とともにインキュベートした。次いで、細胞をペレット化し、2回洗浄し、フィコエリトリン(PE)コンジュゲートヤギ抗ヒトIgG抗体(Jackson Laboratory)100μLとともに1時間インキュベートした。細胞を再度ペレット化し、FACS緩衝液で洗浄し、1%ホルムアルデヒド含有PBS200μLに再懸濁させた。HTSマルチウェルサンプラーを備えたFACSCaliburフローサイトメーター、またはFACSアレイフローサイトメーターを使用して試料を取得し、CellQuest Pro(すべてBDBiosciences、SanDiego、USから入手)を用いて分析した。各試料では、FL2の幾何平均蛍光強度を計算し、片対数プロットで、抗体濃度に対してプロットした。非線形回帰により用量反応曲線を作成し、各抗体の見かけ上解離定数(Kd)に相当する各曲線のEC50値を、GraphPad Prism v4(GraphPad software、San Diego、CA)を用いて計算した。
【0604】
図26に示すとおり、コンジュゲートが例示的抗CD123抗体の結合親和性に及ぼした影響は中程度にすぎなかった。
実施例39.huCD123−90のin vitro細胞障害性活性
抗CD123抗体であるhuCD123−6の抗体薬物コンジュゲート(ADC)が細胞表面でCD123を発現する細胞を殺傷する能力を、in vitro細胞障害性アッセイを用いて測定した。細胞株を、細胞供給元(ATCCまたはDSMZ)が推奨するとおりに培養培地で培養した。培養培地100μL中2,000〜10,000個の細胞を、平底96ウェルプレートの各ウェルに添加した。細胞表面のFc受容体をブロックするため、培養培地に、100nMのchKTI抗体(同じアイソタイプの抗体)を補充した。コンジュゲートを、3倍系列希釈で、培養培地に希釈し、1ウェルあたり100μLを添加した。CD123非依存性細胞障害性の寄与を判定するために、CD123ブロック剤(例えば、100nMのchCD123−6抗体)をいくつかのウェルに添加してから、コンジュゲートを添加した。細胞及び培地を含むが、コンジュゲートを含まない対照ウェル、ならびに培地のみを含むウェルを、各アッセイプレートに含ませた。アッセイは、各データの時点で3回繰り返して行った。プレートを加湿6%CO
2インキュベーター中、37℃で4〜7日間インキュベートした。次いで、各ウェルの生細胞の相対数を、WST−8を利用した細胞計数キット−8(Dojindo Molecular Technologies, Inc.、Rockville、MD)を用いて求めた。最初に培地バックグラウンド吸光度を補正し、次いで各値を対照ウェル(未処理細胞)での値の平均で除算することにより、各ウェルの細胞の見かけ上生存率を計算した。細胞の生存率を、片対数プロットで、コンジュゲート濃度に対してプロットした。
【0605】
起源の異なる(AML、B−ALL、CML、及びNHL)15種のCD123陽性細胞株を、この試験で使用した(表4)。細胞株の大半は、少なくとも1つの負の予後因子(例えば、P糖タンパク質の過剰発現、EVI1過剰発現、p53変異、DNMT3A突然変異、FLT3遺伝子内縦列重複)を持つ悪性腫瘍を保有する患者に由来した。コンジュゲートはこれらの細胞株に対する効力が高く、IC50値は、サブpM〜低nMの範囲であったことが実証された(表4)。
【0606】
【表4】
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【0607】
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