特表2017-527692(P2017-527692A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-527692(P2017-527692A)
(43)【公表日】2017年9月21日
(54)【発明の名称】ターゲット及びターゲット製造方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/34 20060101AFI20170825BHJP
   C22C 21/00 20060101ALN20170825BHJP
   C22C 14/00 20060101ALN20170825BHJP
   C22C 27/06 20060101ALN20170825BHJP
   C22C 27/04 20060101ALN20170825BHJP
【FI】
   C23C14/34 C
   C22C21/00 N
   C22C14/00 Z
   C22C27/06
   C22C27/04 101
   C22C27/04 102
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-500368(P2017-500368)
(86)(22)【出願日】2015年6月30日
(85)【翻訳文提出日】2017年3月3日
(86)【国際出願番号】AT2015000091
(87)【国際公開番号】WO2016004447
(87)【国際公開日】20160114
(31)【優先権主張番号】GM276/2014
(32)【優先日】2014年7月8日
(33)【優先権主張国】AT
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517000737
【氏名又は名称】プランゼー エスエー
(71)【出願人】
【識別番号】515319954
【氏名又は名称】プランゼー コンポジット マテリアルズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(72)【発明者】
【氏名】グラディンガー、ルドルフ
(72)【発明者】
【氏名】カトライン、マルティン
(72)【発明者】
【氏名】コロジュヴァーリ、ジラード
(72)【発明者】
【氏名】ポルチック、ペーター
【テーマコード(参考)】
4K029
【Fターム(参考)】
4K029CA05
4K029DC03
4K029DC04
4K029DC21
(57)【要約】
本発明は、ターゲット(2a)及びターゲット製造方法に関する。このターゲットは、ターゲットプレート(14a)と、このターゲットプレート(14a)の背面に結合された安定化層(16a)とを、有し、この安定化層(16a)は、安定化材料の高運動エネルギースプレー法によって、ターゲットプレート(14a)上に形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲットプレート(14a、b)と、このターゲットプレート(14a、b)の背面に結合された安定化層(16a、b)とを、有するターゲット(2a、b)であって、前記安定化層(16a、b)が前記ターゲットプレート(14a、b)に、安定化材料の高運動エネルギースプレー法により、被着されていることを特徴とするターゲット。
【請求項2】
前記ターゲットプレート(14a、b)が、(アルミニウム系材料、クロム系材料、チタン系材料及びセラミック)の群から選ばれた材料で作られていることを特徴とする請求項1に記載のターゲット。
【請求項3】
前記安定化層(16a、b)が、(銅、黄銅及び青銅を始めとする銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金並びに鋼)の群から選ばれた1つ又はそれ以上の材料で作られていることを特徴とする請求項1又は2に記載のターゲット。
【請求項4】
前記安定化層(16a、b)の組成が傾斜分布していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のターゲット。
【請求項5】
前記安定化層(16a、b)の厚さの前記ターゲットプレート(14a、b)の厚さに対する比率が、1/1〜1/5の間、好適には1/2〜1/4の間にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のターゲット。
【請求項6】
前記ターゲットプレート(14b)の背面が少なくとも1つの窪みを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のターゲット。
【請求項7】
ターゲット、特に、請求項1〜6までのいずれか1項に記載のターゲット(2a、b)の製造方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする方法。
−ターゲットプレート(14a、b)の準備
−前記ターゲットプレート(14a、b)の背面に安定化層(16a、b)を生成させるための、高運動エネルギースプレー法による、前記ターゲットプレート(14a、b)への安定化材料のスプレー。
【請求項8】
以下の工程を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
−接着促進のための拡散促進層の被着。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターゲット及びその製造方法に関する。
本発明によるターゲットは、基質材料に層を堆積するためのPVD(物理気相成長法)プロセスで使用するのに適している。本発明においては、ターゲットは、スパッタリングターゲット又はアーク陰極を意味する。
【背景技術】
【0002】
ターゲットの1つの成分がターゲット材料であり、このターゲット材料がPVDプロセス中に蒸発除去され、塗被すべき基材上に堆積される。大抵の場合、このターゲット材料は、1つ以上の支持プレートに取付けられているか又はこれと結合されている。
【0003】
例えば、特許文献1は、マグネトロンスパッタ装置用のスパッタリングターゲットを開示しており、この場合には、ターゲットは、少なくとも3つのターゲットプレートを有し、これらが1つの支持プレートと結合されている。この支持プレートは、例えば、溶接、ろう付け又は一体鋳造により、ターゲットプレートと固定されている。
【0004】
ターゲット材料を、例えばろう付けのような従来の方法に代えて、対応する支持プレートに、スプレー法で被着することも知られている。特許文献2の開示によれば、粉末状のターゲット材料が支持プレート又は支持パイプ上に直接被着され、その結果、44μm未満の均一な粒径を有するターゲットを1工程で製造することができる。
【0005】
ターゲット材料をスプレーするための同様な方法が特許文献3に開示されており、この場合には、例えば、アルミニウム又は銅から成る粉末状のターゲット材料が、銅又はケイ素から成る支持プレート上にスプレーされる。
【0006】
同様に特許文献4は、特に高融点金属用のこのようなスプレー法を用いた、スパッタリングターゲット又はX線陽極を、再処理又は製造するための方法を開示している。この場合には、ニオブ、タンタル、タングステン、モリブデン、チタン、ジルコニウム又はこれらの混合物若しくは合金から成る粉末が使用される。
【0007】
粉末状の金属材料が溶融されることなく基材に堆積されるこの種のスプレー法は、例えば特許文献5にも記載されている。このような方法は、多くの技術分野で使用されている種々の部品に対しても広範に、例えば、コールドガススプレーにより被着される、耐腐食性を強く要求されるコンポーネントの耐腐食性層にも、利用される。これは、例えば、特許文献6に開示されている。開示されたこの保護層は、0.05〜10mmの好適な厚さを有している。この場合、特に重要なのは、堆積された層が高純度であり、かつ、酸素及び水素の含有量が低いことである。
【0008】
しかし、このスプレー法は、脆いターゲット材料に対しては、適しておらず、この種の材料から成るターゲットプレートは、通常は、他の方法、例えば、粉末の圧縮及び焼結により又は溶融冶金的方法、によって、作られる。特に、脆いターゲット材料に対しては、支持プレート用の適切な材料及びターゲットプレートを支持プレートに結合する方法を見つけることが困難であることが多い。即ち、安定なターゲットの製造は困難であり、しばしば、複雑で高コストである。
【0009】
通常、粉末の圧縮及び焼結又は溶融冶金的方法等の他の方法で遥かに大量に作られる従来のターゲット材料の場合にも、適切な支持プレートの供給及びこの支持プレートのターゲットプレートへの結合には、しばしば、困難が伴う。即ち、例えば、ろう付けによる結合は、ろう材の融点未満の使用温度までしか安定でなく、これにより最悪の場合には、PVDプロセス中にターゲットプレートの脱落が起こりかねない。ターゲットプレート及び支持プレートの熱膨張係数の差も、重大な問題、例えば応力の発生、を引き起こす。
【0010】
支持プレートへのターゲットプレートの結合は、通常は多くの工程で行なわれるので、安定なターゲットの製造は、製造技術の観点からも複雑で高コストである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第2011/092027A1号パンフレット
【特許文献2】米国特許出願公開第2008/0271779A1号明細書
【特許文献3】国際公開第2008/81585A1号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2006/117145号パンフレット
【特許文献5】欧州特許出願公開第1666636A1号明細書
【特許文献6】国際公開第2008/57710A2号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで、本発明の課題は、簡単に製造が可能で安定なターゲット及び安定なターゲットの簡単な製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この課題は、請求項1及び7の特徴により解決される。
【0014】
有利な実施形態は従属請求項の対象である。
【0015】
請求項1によれば、ターゲット材料から成るターゲットプレートと安定化層とを有するターゲットであって、この安定化層がターゲットプレートの背面と結合されているターゲットが提供される。即ち、このターゲットにおいては、ターゲットプレートと安定化層とが1つのユニット、即ち、ターゲットを形成している。このターゲット又はターゲットプレートは、必要に応じて又は装置に応じて、任意の(平面的な)形状、例えば円形又は四角形、を有していてよい。ターゲットプレート又はターゲットの前面とは、PVDプロセスでの使用時に、ターゲット材料がそこから蒸発除去される面であり、即ち、ターゲットが装置内で使用されるときに塗被すべき基材に対向している面である。ターゲットプレートの背面は、ターゲットの使用時に塗被すべき基材とは反対側の面である。安定化層は、安定化材料の高運動エネルギースプレー法によりターゲットプレートに被着され又はその上に生成されている。即ち、安定化層は、この種のスプレー操作により、ターゲットプレート上に徐々に構成され、その結果、このスプレー操作により、完全無欠な安定化層が作られている。このような安定化層は、ターゲットプレートの背面でなく、少なくとも部分的に、側面又は周囲面にも被着することができる。
【0016】
高運動エネルギースプレー法は、粉末状の成膜材料を非常に高速で基材に衝突させる方法である。このために、プロセスガス(例えば、窒素、空気、貴ガス、水蒸気)が、ノズル(通常、例えばラバールノズルのようなコンバージェント・ダイバージェントノズル)内での膨張により、加速されて非常に高速になり、次いで、粉末粒子がこのガスジェット内に注入される。或いは、粉末粒子がプロセスガスと一緒に加速される。これらの粒子は、加速されて非常な高速になるので、基材への衝突時に、緻密で、強固に付着する層を形成する。本発明に適した高運動エネルギースプレー法は、例えば、コールドガススプレー法又は水蒸気コーティング法である。
【0017】
高運動エネルギースプレー法で被着された安定化層は、使用された方法に直接的に起因する微細構造を有する。即ち、これらの粉末粒子は、基材への衝突時に冷間変形され、こうして生じた、緻密で強固に付着する層は、元の粉末粒子が引き伸ばされた変形された微細構造を示す。高運動エネルギースプレー法で被着された安定化層は、典型的には、2より大きい、通常は2〜10の、平均アスペクト比を有する。安定化層(元の粉末粒子)の粒径及びこのアスペクト比のいずれも、金属組織学的な研磨断面での線分切断法(Linienschnittverfahren)により簡単に求めることができる。この場合、アスペクト比を決定するために使用される長軸は、スプレーされた層の表面に平行であり、短軸はそれに垂直である。
【0018】
スプレー操作の時間に応じて、厚さが数mm又は数cmまでの安定な層がターゲットプレートに被着される。特に、このスプレー操作は、ターゲット材料又は安定化材料の融点よりも低い、低温で行なわれる。即ち、安定化層のスプレー被着中にターゲットプレートは変形しないか、殆ど変形しない。しかし、このスプレー被着により、ターゲットプレートに応力が持ち込まれ又はスプレー操作の後でも応力が安定化層内に残ることがある。
【0019】
安定化層は、機能性バッキングプレート又は補強要素として機能し、ターゲットプレートの剛性(弾性率)向上又は補強に役立つ。即ち、安定化層を被着することにより、ターゲットプレート又はターゲットの強度及び剛性が向上するので、PVD装置内で使用する時にこのターゲットは変形しないか、殆ど変形しない。このようなPVD装置では、使用されるターゲットは、通常、ターゲットの背面側に配置された柔軟な(変形されうる)冷却プレートにより冷却される。この冷却プレートによりターゲットに圧力が掛かり、これが次にターゲットの変形を引き起こし又はターゲットの強度が小さすぎる場合には、破断を起こすことがある。この作用は、成膜プロセス中にターゲットの厚さが融蝕により減少することによって、更に強くなる。その結果、ターゲットの変形及び/又は破断が起こりやすくなる。強度又は剛性がより向上した安定化層を被着することによって、このような破壊事例を大幅に避けることができる。
【0020】
このようなターゲットをPVD装置で使用する場合に、10W/cmを超える高い出力密度の注入に起因する高温及び/又は大きな温度勾配がしばしば現れる。こうして生じた温度又は温度勾配は、このターゲット(又は複数のターゲット)から冷却プレートに排出する必要があり、冷却プレートに大きな熱交換負荷を課す。本発明の実施形態では、安定化層がヒートシンクとして機能する。即ち、PVDプロセス中に基材に面するターゲット面(前面)に発生する熱は、ターゲットプレートよりも高い熱伝導度を有する安定化材料を被着スプレーすることによって、ターゲットを介してより良好に排出することができる。
【0021】
即ち、高運動エネルギースプレー法で被着された安定化層は、以下に述べる効果の少なくとも1つにより、本発明によるターゲットの寿命及び機能にプラスの影響を及ぼす。
−強度の向上
−剛性の向上
−熱伝導度の向上
【0022】
更に、安定化層を被着することにより、切削加工しにくいターゲット材料の場合に、成膜装置内でのターゲットの固定のための仕様に沿ってターゲット背面を機械加工することが容易になる。
【0023】
スプレー操作により、一つには、ターゲットプレートと安定化層との間の非常に安定な結合が得られ、二つには、非常に高密度の安定化層を得ることができる。本発明による方法によって、密度が98%より大きい安定化層を作ることができる。被着された安定化層の相対密度は、浮力法で密度測定を行なうことによって簡単に求めることができる。
【0024】
スプレー操作により、安定化層中のH、N、O元素の含有量が、(原粉末中の含有量に比べて)増加若しくは変化したり又は著しく増加若しくは変化したりすることはない。これらの元素の含有量は、化学分析により求めることができる。
【0025】
本発明による方法は、使用されるターゲットプレートと安定化層に使用される材料との結合が、技術的に制約された製造方法又は技術的な諸制約要件のため、困難な場合に、特に好適である。このことは、ターゲットプレートを構成する材料と安定化層を構成する材料との間で、融点又は変形性が大きく異なる場合に、特に当てはまる。
【0026】
本発明による方法は、アルミニウム系材料、クロム系材料、チタン系材料又はセラミックから成るターゲットプレートに、特に適している。
【0027】
ここで、アルミニウム系材料とは、アルミニウム合金及び少なくとも50原子%のアルミニウムを含有しているアルミニウム複合材料の双方を意味し、この場合、例えば、組成(原子%)は、AlTi 75/25、AlTi 67/33、AlTi 50/50又はAlCr 70/30である。
【0028】
ここで、クロム系材料とは、純クロム、クロム合金及び少なくとも50原子%のクロムを含有しているクロム複合材料を意味し、この場合、例えば、組成(原子%)は、CrB 90/10、CrSi 90/10、CrV 80/20、CrTi 80/20又はCrW 95/5である。
【0029】
ここで、チタン系材料とは、純チタン、チタン合金及び少なくとも50原子%のチタンを含有しているチタン複合材料を意味し、この場合、例えば、組成(原子%)は、TiB 90/10、TiSi 80/20、TiNb 70/30、TiMo 50/50又はTiW 50/50である。
【0030】
ここで、複合材料とは、互いに他に溶融していないか部分的にしか溶融していない多数の成分即ち元素で構成されている材料を意味する。例えば、アルミニウム粒子と包埋されたクロム粒子との圧縮混合物は、アルミニウム・クロム複合体と呼ばれる。
【0031】
本発明によるターゲットにおいてターゲットプレートとして使用されるセラミックは、ここでは、ホウ化物、炭化物、窒化物、珪化物及び酸化物であり、例えば、TiB、WC、SiC、TiN、CrSi、MoOである。
【0032】
本発明によるターゲットにおいて安定化層として使用するのに適した材料は、例えば、銅、黄銅及び青銅を始めとする銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金並びに鋼である。
【0033】
ターゲットプレートとしてのアルミニウム化合物と、安定化層としての銅又は銅合金との組合せは好適である。ターゲットプレートの安定化(弾性変形及び/又は塑性変形の低減)に加えて、銅から成る安定化層が高い熱伝導度を有し、これにより、例えば、ターゲット背面での水冷却による効果的な冷却が可能になる。スプレー被着された銅層の熱伝導度は、バルク銅の熱伝導度と同等である。
【0034】
好適な代替形態では、鋼から成る安定化層が、クロム複合体から成るターゲットプレート上に、配置されている。鋼から成る安定化層は、より高い剛性に加えて、より高い弾性率に基づいて、より高い延性を有し、この高い延性が脆性破壊によるターゲットの破損を防ぐ。
【0035】
これに加えて、本発明の他の形態において、上述した安定化層の上に、第一の層とは異なる剛性、降伏値又は熱伝導度を有する材料から成る1つ又はそれ以上の層を被着することができる。この追加された1つ又はそれ以上の層が同様に高運動エネルギースプレー法で被着されると、即ち、そのような形態において全部の、多層の安定化層がこの方法でターゲットプレート上にスプレーされると、特に好適である。
【0036】
例えば、ある形態では、銅又は銅合金からなる第一の層が、鋼から成るもう1つの層で補完されている。この場合、これらの2つの材料(銅及び鋼)は、2つの異なる効果を有する。即ち、銅は優れた熱伝導性を有しているので、熱が速く排出され、その結果、ターゲット材料が熱的な過負荷を受けない。他方、鋼は銅よりも幾分大きな降伏値を有しており、また、より高い弾性係数により、ターゲット材料が装置固有の圧力に耐えられ、その結果、付加的に、ターゲットを弾性変形からも塑性変形からも保護する。例えば、幾つかの装置では、ターゲットは、冷却水の水圧により押付けられる。この場合、冷却水の圧力は、水回路を真空チャンバーから分離している柔軟な膜を介してターゲットの背面にかかる。こうして、この材料は、押付けられると同時に冷却される、即ち、機械的にも、熱的にも負荷を受ける。
【0037】
他の好適な実施形態では、安定化層の組成が、ターゲットプレートへの距離に連れて、垂直方向に変化している。他の好適な実施形態では、安定化層の組成がターゲットプレートに対して平行方向に、即ち、例えば円板状ターゲットの場合には半径方向に、変化している。
【0038】
例えば、安定化材料の組成がターゲットプレートへのスプレー中に変えられるので、安定化層の成分に関する傾斜分布が得られる。この場合、安定化材料を変更してもよいし、安定化材料を徐々に、例えば合金化により、変化させてもよい。このように調整された傾斜分布により、剛性、強度又は熱伝導度に関する傾斜分布を生じさせることができる。この場合、この傾斜分布は、不連続/段階的に又は連続的に分布することができるし、また、安定化層の一部のみが、又は多層の安定化層の場合には個々の副層が、傾斜分布を有するようにすることもできる。
【0039】
斯くして、例えばある形態では、最初に純銅を安定化材料としてスプレーし、これに次々に1つ又はそれ以上の付加的な成分を添加することができ、これによって、安定化層の剛性及び強度を高めることができる。この例として、Al、Ni、Fe、Mn、Zn、Sn、Cr、Si、Zrのような合金成分を有する銅合金、例えば、CuAl又はCuCrZrがある。
【0040】
同様にして、当然ながら、チタン及びチタン合金、例えば、チタンとバナジウムとの合金を、本発明の実施形態に使用することができる。
【0041】
同様にして、当然ながら、アルミニウム及びアルミニウム合金、例えば、アルミニウムと珪素との合金を、本発明の実施形態に使用することができる。
【0042】
同様にして、当然ながら、徐々に変化した組成を有する鋼を、本発明の実施形態に使用することができる。
【0043】
本発明によるターゲットは、例えば、円形に構成することができ、例えば、50mm〜400mmの直径及び5mm〜40mmの厚さを有することができる。代案として、本発明によるターゲットは四角形に構成することができ、その場合、ターゲットの幅は、好適には、50mm〜250mm、ターゲットの長さは、好適には、200mm〜2,000mmである。
【0044】
ターゲット表面に対する垂直方向の比率、即ち、ターゲットプレートの厚さに対する安定化層の厚さの比は、好適には1/1と1/5の範囲内にあり、特に好適には、1/2〜1/4である。例えば、安定化層の厚さは、1mm〜10mm、好適には2mm〜5mm、の範囲内である。例えば、ターゲットプレートの厚さは、8mmであり、安定化層の厚さは4mmである。
【0045】
安定化層の少なくとも一部がターゲットプレートの縁を超えて横方向に突き出ていると、好適である。安定化層が環状のフランジを形成していると、特に好適である。即ち、スプレーされた安定化層を用いて、ターゲットを、例えばクランプ機構により覆われることなしに、簡単にPVD装置内に、取り付けることができる。代案として、安定化層とターゲットプレートとを横方向にピッタリ並べて構成することができる。
【0046】
好適には、ターゲットプレートの背面が、少なくとも1つの窪み、例えば、1つ(又はそれ以上の)例えば螺旋形の襞(ひだ)、溝及び/又は切れ込み、を有しており、それによって、安定化層を被着する前に、多数の窪み又は突起を有する縦断面が準備される。これらの窪み(突起)により、ターゲットプレートの表面積がより大きくなるので、ターゲットプレートと安定化層との結合が、より安定し、ターゲットの剛性が高められる。このような実施形態は、安定化材料がターゲット材料とは異なる熱膨張係数を有している場合に、特に好適である。これに加えて、これらの窪み又は突起によりもたらされたターゲットプレートの背面の表面積の増大によって、熱排出が改善される。
【0047】
好適な形態では、ターゲットが、ターゲットプレートと安定化層との間に配置された、接着促進のための拡散促進層を有している。このような接着促進層の例は、電気メッキされたニッケルである。
【0048】
本発明によるターゲットの背面は、多くの形態において、例えば磁石収納用のらせん又は切り欠きを有している。
【0049】
ターゲット、特に上述したようなターゲット、を製造するための、本発明による請求項7に記載の方法においては、先ずターゲットプレートが準備される。次に、その背面に、高運動エネルギースプレー法により安定化材料が被着され、その結果、ターゲットプレートの背面に安定化層が製造又は構成される。本発明による方法のために調整すべきパラメータ、例えば、プロセスガス、プロセスガス圧力、プロセス温度、ターゲットプレートからの距離、スプレー角度の選択は、最適化手順において簡単に求めることができる。本発明による方法に使用される粉末又は粉末混合物も、同様に、最適化手順において、その組成、粒径、粒子形状及び粒径分布が求められる。粒径及び粒径分布の決定は、Malvelan Mastersizer2000を用いた乾式測定により簡単に行なわれる。
【0050】
特に好適には、安定化材料をターゲットプレートにスプレーする前に、少なくとも1つの窪みがターゲットプレートの背面に生成され又は製造される。即ち、ターゲットプレート背面が、相互に隣接する多数の窪み、例えば、丸い若しくは四角い穴又は溝、により、異形化される。
【0051】
安定化層を被着する前に、ターゲットプレートと安定化層との結合を更に強めるために、ターゲットプレートに接着促進のための拡散促進層を被着することができる。この層は、例えばメッキ塗装することができるが、他の堆積方法、例えば、PVD又は懸濁液コーティング(Suspensionsbeschichtung)も可能である。
【0052】
安定化材料をスプレーした後で、所望により熱処理を行なうこともでき、ターゲットプレート及び/又は安定化層に内部応力が発生し残留していれば、この熱処理によって、除去することができる。このような随意の熱処理により、ターゲットプレートと安定化層との界面における又は多層の安定化層の場合には副層間の界面における、拡散プロセスが活性化されて、その結果、接着性が更に改善される。
【0053】
好適には、安定化層を被着した後で、相互に結合されたターゲットプレート及び安定化層の最終加工が行なわれる。ターゲットは、例えば、旋盤、フライス及び/又は研削により、加工されて所望の仕上がり寸法を有する。このような機械加工により、例えば、本発明によるターゲットの背面に、ねじを切ることもでき、また、例えば磁石を収納するための窪みを用意することもできる。
【0054】
上述し、また、下述するターゲット及びターゲット製造方法の実施形態の個々の特徴は、任意のやり方で互いに組み合わせることができる。
【0055】
本発明によるターゲットの寸法例
【表1】
【0056】
本発明によるターゲットに使用可能な材料の物性データ
【表2】
【0057】
表1に記載された寸法及び表2に記載された数値の双方とも参考値と理解すべきである。当然ながら、他の寸法及び他の材料も供給可能であり、使用可能である。
【0058】
表2の物性値は、参考値である。というのは、特に弾性限界は、微細構造、合金及び不純物の含有量並びに熱処理状態に強く影響されるからである。
【0059】
図に基づき本発明の実施形態を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
図1】高運動エネルギースプレー法のためのスプレー装置の一部の模式図
図2a】ターゲットの2つの実施形態の側面の断面模式図
図2b】ターゲットの2つの実施形態の側面の断面模式図
図3】銅バルク材のエッチングされた研磨断面
図4】高運動エネルギースプレー法(コールドガススプレー)で被着された銅層のエッチングされた研磨断面
図5】AlCr 70/30原子%から成るターゲットプレートとスプレーされたCuから成る安定化層との境界部のエッチングされた研磨断面
図6】Crから成るターゲットプレートとスプレーされた鋼から成る安定化層との境界部のエッチングされた研磨断面
【発明を実施するための形態】
【0061】
図1は、原理説明のための、高運動エネルギースプレー法のためのスプレー装置の一部の模式図である。スプレーガンケーシング4は、プロセスガス導入管8を通って供給されたプロセスガスTを超音速に加速するための、コンバージェント・ダイバージェントノズル10を有している。スプレー材料S、即ち、多数の粒子が、スプレー材料導入管6を介して加速されたプロセスガス流T中に導入され、これらの粒子が、プロセスガス流Tによりターゲットプレート14の背面に向けて加速される。スプレー材料ジェット流は、その背面に衝突し、ターゲットプレート14の背面に付着して留まる。ターゲットプレート14の前面18は、PVD成膜法において成膜される基材に対向する面である。
【0062】
スプレーにより、スプレー材料Sから成る層がターゲットプレート14の背面20に形成される。図2a、bに示されているように、このスプレー操作は、安定化層16a、bが形成されるまで実施される。このスプレーの結果、スプレー材料Sは、非常に強固にターゲットプレート14a、b又はターゲット材料に付着する。このことは、使用されたターゲットプレートが、技術的に制約された製造方法又は技術的な諸制約要件の故に、安定化層として使用された材料と結合するのが困難な場合には、特に有利である。
【0063】
一実施形態によれば、安定化層16a、bにおいて傾斜分布を生じさせるべく、安定化材料の組成をスプレー中に変化させる。この場合、この組成を、生成された安定化層16a、bの強度及び剛性が高められるように変化させる。例えば、スプレーの始めには、純銅が使用され、この銅に徐々に1つ又はそれ以上の元素が添加され、その結果、強度及び剛性が向上した安定化層が得られる。代案として、安定化層全体を、銅合金又は銅複合体で均質に作ることもできる。
【0064】
図2aから判るように、安定化層16aは、ターゲットプレート14aを超えて横方向に突き出ており、(連続した又は中断された)フランジを形成し、このフランジを利用して、ターゲット2aをPVD装置内で固定することができる。
【0065】
図2bから判るように、代案として、PVD装置内の固定機構の方式によっては、ターゲットプレート14bと安定化層16bとを、横方向にピッタリ並べて形成することができる。
【0066】
図2bは、ターゲット2bの他の実施形態を示している。この場合には、ターゲットプレート14bがその背面に多数の窪み又は突起を有しており、これらの窪み又は突起に、安定化材料が、製造時に高運動エネルギースプレー法により、スプレーされる。即ち、ターゲットプレート14bの表面積が異形化により拡大され、これによって、ターゲットプレート14bと安定化層16bとの間の結合の安定性が向上し、更に、この幾何学形状によってターゲット2bの剛性が高められる。この拡大された表面積により、排熱も改善される。
【0067】
図3は、銅バルク材のエッチングされた研磨断面を示す。これとの比較のために、図4に、高運動エネルギースプレー法(コールドガススプレー)で被着された銅層のエッチングされた研磨断面が示されている。なお、ここでは、微細構造がより明確に視認できるように、オーバーエッチングされている。使用された銅粉末の平均粒径は、45μm未満であるが、他の粒径、例えば100μm前後(粒径が数十μmから約150μmまで)の粒径、を有する銅粉末を使用することもできる。図4に示された銅層については、具体的には、平均粒径が31.0μm、D10値が11.2μm、D50値が28.9μm、D90値が53.8μmの粉末が使用された。
【0068】
図3図4とを比較すると、スプレー操作により、変形された微細構造を有する接合部が形成されていることが明確に判る。この例では、銅粒子が縦方法に伸展され、平均アスペクト比が2より大きくなっている。
【0069】
例1:
図5は、ターゲットプレートとコールドガススプレーされた純銅から成る安定化層との境界部のエッチングされた研磨断面を示す。AlCr 70/30原子%から成るターゲットプレートの接合部は、アルミニウム粒子と包埋されたクロム粒子との圧縮された混合物、即ち、アルミニウム・クロム複合体で形成されている。その上に、コールドガススプレーにより、銅から成る安定化層が被着された。このコールドガススプレーにより、2つの材料、銅とアルミニウム・クロム複合体との間の非常に安定な結合が形成される。特に、コールドガススプレーにおいて、銅がターゲットプレートに、高加速されて「撃ち込まれる」ので、これら2つの材料は、境界部で互いにかみ合っている。コールドガススプレーされた銅の安定化材料としての達成された相対密度は、図示された例では99.3%であり、スプレー操作に起因する層内部への付加的なガス取り込みは認められなかった。銅から成る安定化層の平均粒径は、この実施例では、ターゲットの厚さ方向において45μm未満であった。この安定化層は、圧力32バール、温度500℃で窒素を用いてライン状にスプレーされ、スプレー角は90°、ターゲットプレートとの間隔は30mmであった。
【0070】
例2:
図6は、クロムから成るターゲットプレートと鋼から成り水蒸気コーティング法で作られた安定化層との境界部のエッチングされた研磨断面を示す。鋼から成る層は、単独の安定化層としても、また、特に、更に高い降伏点又は剛性を有するバッキングプレートを作る必要がある場合に、銅合金又は銅から成る層への追加的な補完としても、使用することができる。この2つの材料(銅及び鋼)は、この場合、2つの異なった作用機序を有する。即ち、銅は、熱をターゲットプレートから効率的に排出し、それによって、ターゲット材料が熱的に過負荷にならないように作用し、鋼は、より高い降伏点とより高い剛性により、ターゲット材料が装置により与えられる圧力に耐え、それによって、その材料を変形又は破断から保護するように作用する。
【0071】
図6に示された鋼から成る層は、クロムから成るターゲットプレートに直接被着された。ここで、平均粒径が63μm未満の1.4404鋼の粉末が使用された。具体的には、図6に示された鋼層に対しては、平均粒径が55.9μm、D10値が26.9μm、D50値が53.8μm、D90値が88.1μmの粉末が使用された。水蒸気コーティングされた鋼の安定化材料としての達成された相対密度は、図示された例では98%であり、スプレー操作に起因する層内部への付加的なガス取り込みは認められなかった。この鋼から成る安定化層は、多数のライン状に及び多数の連続する層状に、温度400℃で水蒸気を用いて基材にスプレーされ、スプレー角は90°、ターゲットプレートとの間隔は65mmであった。
【符号の説明】
【0072】
1 高運動エネルギースプレー法のためのスプレー装置
2a ターゲット
2b ターゲット
4 スプレーガンケーシング
6 スプレー材料導入管
8 プロセスガス導入管
10 コンバージェント・ダイバージェントノズル
12 スプレー材料+搬送ガス管
14 ターゲットプレート
14a ターゲットプレート
14b ターゲットプレート
16a バッキングプレート/安定化層
16b バッキングプレート/安定化層
18 ターゲットプレート前面
20 ターゲットプレート背面
S スプレー材料+搬送ガス流
T プロセスガス流
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2017年4月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲットプレート(14a、b)と、このターゲットプレート(14a、b)の背面に結合された安定化層(16a、b)とを、有するターゲット(2a、b)であって、前記安定化層(16a、b)が前記ターゲットプレート(14a、b)に、安定化材料の高運動エネルギースプレー法により、被着されていることを特徴とするターゲット。
【請求項2】
前記ターゲットプレート(14a、b)が、(アルミニウム系材料、クロム系材料、チタン系材料及びセラミック)の群から選ばれた材料で作られていることを特徴とする請求項1に記載のターゲット。
【請求項3】
前記安定化層(16a、b)が、(銅、黄銅及び青銅を始めとする銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金並びに鋼)の群から選ばれた1つ又はそれ以上の材料で作られていることを特徴とする請求項1又は2に記載のターゲット。
【請求項4】
前記安定化層(16a、b)の組成が傾斜分布していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のターゲット。
【請求項5】
前記安定化層(16a、b)の厚さの前記ターゲットプレート(14a、b)の厚さに対する比率が、1/1〜1/5の間にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のターゲット。
【請求項6】
前記ターゲットプレート(14b)の背面が少なくとも1つの窪みを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のターゲット。
【請求項7】
ターゲットの製造方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする方法。
−ターゲットプレート(14a、b)の準備
−前記ターゲットプレート(14a、b)の背面に安定化層(16a、b)を生成させるための、高運動エネルギースプレー法による、前記ターゲットプレート(14a、b)への安定化材料のスプレー。
【請求項8】
以下の工程を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
−接着促進のための拡散促進層の被着。
【国際調査報告】