(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-527809(P2017-527809A)
(43)【公表日】2017年9月21日
(54)【発明の名称】測定対象物の支承面上に載置する測定装置
(51)【国際特許分類】
G01K 1/14 20060101AFI20170825BHJP
G01C 9/06 20060101ALI20170825BHJP
G01H 1/00 20060101ALI20170825BHJP
【FI】
G01K1/14 A
G01C9/06 Z
G01H1/00 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-512979(P2017-512979)
(86)(22)【出願日】2015年9月3日
(85)【翻訳文提出日】2017年3月3日
(86)【国際出願番号】DE2015200448
(87)【国際公開番号】WO2016034177
(87)【国際公開日】20160310
(31)【優先権主張番号】102014217706.5
(32)【優先日】2014年9月4日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】594144670
【氏名又は名称】プリューフテヒニーク ディーター ブッシュ アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100064012
【弁理士】
【氏名又は名称】浜田 治雄
(72)【発明者】
【氏名】リーゼン,ハインリヒ
(72)【発明者】
【氏名】レースル,ヨハン
【テーマコード(参考)】
2F056
2G064
【Fターム(参考)】
2F056CA03
2G064AA11
2G064BA26
(57)【要約】
測定対象物(2)の測定変量を測定するために測定装置(1)を支承する測定対象物(2)の表面上に載置される際に一方で小型の構造と他方で極めて高い安定性を特徴とする測定装置(1)であって、少なくとも3つの突出した接触面(4)を備え、それらの接触面の中心点が円に沿って実質的に均等に配置されていて測定装置(1)を測定対象物(2)の表面上に載置する際にその表面に前記接触面が接合するとともにその表面によって支承される。接触面(4)のうちの第1のものが測定対象物(2)の表面温度を測定するための温度センサ(8)を備え、他方接触面(4)のうちの第2および第3のものはそれぞれ別の測定変量を測定するように設定される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物(2)の測定変量を測定するために測定装置(1)を支承する測定対象物(2)の表面上に載置可能な測定装置(1)であって、前記測定装置(1)が少なくとも3つの突出した接触面(4)を備え、それらの接触面の中心点が円に沿って実質的に均等に配置されていて測定装置(1)を測定対象物(2)の表面上に載置する際にその表面に前記接触面が接合するとともにその表面によって支承され、接触面(4)のうちの第1のものが測定対象物(2)の表面温度を測定するための温度センサ(8)を備え、他方接触面(4)のうちの第2および第3のものはそれぞれ別の測定変量を測定するように設定されてなる測定装置。
【請求項2】
第2の接触面(4)が測定対象物(2)の振動を測定するための第1の振動測定装置(9)の一部である請求項1記載の測定装置(1)。
【請求項3】
第3の接触面(4)は、第1の振動センサ(9)によって測定される測定対象物(2)の振動よりも高周波である測定対象物(2)の振動を測定するための第2の振動測定装置(10)の一部である請求項2記載の測定装置(1)。
【請求項4】
第1の振動センサ(9)および/または第2の振動センサ(10)が、地心への垂線に対する方向を判定するように構成あるいは設定されるMEMSモジュールを備える請求項2または3記載の測定装置。
【請求項5】
各接触面(4)にそれぞれ少なくとも1個の磁石(6)を設け、その際磁石(6)から作用する磁力によって測定装置(1)を測定対象物(2)の表面上に固定する請求項1ないし4のいずれかに記載の測定装置(1)。
【請求項6】
磁石(6)のうち少なくとも1個を可動式に構成する請求項5記載の測定装置(1)。
【請求項7】
少なくとも1個のプロセッサ(11)、および/または少なくとも1個のデータメモリ、および/または少なくとも1個のデータ伝送用のインタフェース(13,14)、および/または少なくとも1個の電源(12)、および/または少なくとも1個の電源用接続部を備える請求項1ないし6のいずれかに記載の測定装置(1)。
【請求項8】
少なくとも1個のインタフェース(13,14)をケーブル接続によるデータ伝送用あるいは無線式のデータ伝送用に設けてなる請求項7記載の測定装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、測定対象物の測定変量を測定するために測定装置を支承する測定対象物の表面上に載置可能な測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
測定対象物の特定の測定変量を測定するために測定対象物の表面上に載置される測定装置は基本的に周知である。例えばドイツ国特許出願公開第4322825号C1明細書によって測定変量を感知する対象物のための固定部材が開示されており、それが平坦あるいは湾曲した物体の磁性化可能な表面上に磁力によって固定可能とされる。そのためプランジャ形状のポールシューが摺動可能に設けられ、従ってそのポールシューが固定部材の接合に際して磁力によって載置面に対して推動される。前記のポールシューは振動量および/または加速量を感知するために設計することができるが、温度等その他の測定変量を感知するように設計することも可能である。
【0003】
さらに特開平07−139994号公報によって、3つの接合面によって測定対象物の表面上に載置可能であり一時的に測定対象物上に固定することができる振動測定装置が知られている。この振動測定装置の内部には3個の振動センサが設けられ、それらが相互に直交する方向内の各振動をそれぞれ検出することができる。磁力固定装置を備えた別の振動測定装置が特開平02−008715号公報によって開示されている。
【0004】
さらにドイツ国特許出願公開第102010056466号A1明細書によれば、2個の振動センサと1個の温度センサを含んでいてそれらがそれらのために設定された測定対象物の測定箇所上に測定ボルトを使用して連結されるように構成されるものの、測定対象物の支承面上に載置するようには構成されていない、振動測定装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した先行技術の観点から本発明の目的は、一方で小型の構造を特徴とするとともに、他方で測定対象物の測定変量を測定するために測定対象物の表面上に測定装置が載置された際の可能な限り高い設置安定性を特徴とする測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題は請求項1の特徴を有する測定装置によって解決される。従属請求項の対象は好適な構成形態である。
【0007】
本発明によれば、測定装置が少なくとも3つの突出した接触面を備え、それらの接触面の中心点が仮想の円に沿って均等に配置されていて測定装置を測定対象物の表面上に載置する際にその表面に前記接触面が接合するとともにその表面によって支承される。言い換えると、それぞれ隣接する2つの接触面の中心点が実質的に120°の離間角度を有する。それによって前記3つの接触面が測定装置を担持あるいは支承する三脚のように作用しそれが理論的に極めて安定した状態を保証することから、測定装置に対して高い安定性が提供される。三脚の安定性は土台の平坦性および形状に関して比較的に寛容であるため、特に凹凸のある表面上への測定装置の載置に際して三脚の方式による接触面の構成が測定装置の安定性に対して好適に作用する。さらに、接触面が相互に等距離であることが好適であり、すなわち接触面の離間距離が直線上において実質的に均等になる。そのことは例えば、全ての接触面が均等な形状および寸法を有するようにしさらに特に全ての接触面を円形でかつ等しい直径を有するように形成することによって簡便な方式で実現することができる。
【0008】
さらに、本発明によれば接触面のうちの第1のものが測定対象物の表面温度を測定するための温度センサを備え、他方接触面のうちの第2および第3のものはそれぞれ別の測定変量を測定するように設定されていて、それによって本発明に係る測定装置が極めて省スペース型に構成される。特に、測定対象物の温度を検出するための温度測定装置の温度センサは通常その温度センサが接触し得る測定対象物の表面上に適宜なスペースを確保する必要があるため、測定装置の接触面への温度センサの統合が著しい省スペースにつながる。従って例えば、温度センサを測定装置のケーシングから突立されることが不要となる。本発明に係る測定装置によれば、それぞれ別の測定変量を測定するために他の両方の接触面を設けることによって省スペース化がさらに効果的に高められる。さらに三脚方式の接触面の構成に伴って、三脚の高い安定性のため接触面あるいは温度センサと測定対象物の表面との良好な接触とそれに応じた測定すべき測定変量の確実な検出が保証される。そのため磁力固定装置を使用して測定装置を測定対象物上に固定するかあるいは測定装置が少なくとも1個の磁石を備えるようにすることができ、従って磁石によって発生する磁力を利用して測定装置を測定対象物の表面上に固定することができる。
【0009】
本発明に係る測定装置の好適な実施形態によれば、第2の接触面が測定対象物の振動を測定するための第1の振動測定装置の一部である。そのため測定装置が少なくとも1個の振動センサあるいは加速度センサを備えることができる。そのセンサは1つの方向、通常は測定対象物の表面に対して垂直方向の振動を測定する短軸振動センサとするか、または相互に直交する3つの方向の振動を測定する三軸振動センサとすることができ、通常は前記3方向のうちの1つが測定対象物の表面に対して垂直方向となる。
【0010】
加速度センサは、例えば周知のマイクロメカニカル(MEMS)加速度センサあるいは圧電式加速度センサ等の任意の加速度センサとすることができる。
【0011】
機械内部に発生する周波数は殆どの場合0Hzないし40kHzの範囲であるため、第1の振動センサは0Hzないし1kHzの範囲の振動を検出するための加速度センサとすることが極めて好適である。例えば第1の振動測定装置あるいは加速度センサは、3つの空間方向における直線振動を測定することができるとともに0Hzないし1kHzの範囲の加速度検出に極めて適している三軸振動センサを備えることができ、従って垂線、すなわち地心への垂線までの角度をそれによって判定することも可能になる。このことは例えば、測定対象物上における測定点を検出あるいは確認するため、または測定方向から機械の方向への測定値の座標変換のために好適である。
【0012】
第3の接触面は、第1の振動センサによって測定される測定対象物の振動よりも高周波である測定対象物の振動を測定するための第2の振動測定装置の一部とすることが極めて好適である。この高周波の加速度センサは、MEMSモジュールあるいは圧電式加速度センサとするか、またはMEMSモジュールあるいは圧電式加速度センサを含むことができ、それが1つの空間方向のみで測定するものであって22kHzあるいはそれ以上の共振周波数を有していて衝撃波センサとして適するものとし得る。その種の衝撃波は機械的に損傷した領域の動作、例えばローリング部材がベアリングの内側あるいは外側リングに衝突することによって発生する。別の好適な実施形態において第1の振動センサおよび/または第2の振動センサが、地心への垂線に対する方向を判定するように構成あるいは設定されるMEMSモジュールを備える。
【0013】
各接触面にそれぞれ少なくとも1個の磁石を設けることが好適であり、その際磁石から作用する磁力によって測定装置を測定対象物の表面上に固定することができる。それによって簡便かつ低コストに製造可能な固定装置が達成され、加えてそれが迅速かつ容易な測定対象物上への測定装置の取り付けおよび取り外しを可能にする。さらに、好適には全て同様あるいは同じ大きさの磁力を発生させるマグネットの配置ならびにそれによって達成される均一な磁性引力によって、3つの接触面のうちの個別の各接触面の測定対象物への機械的に安定した接合が保証される。それらの磁石は永久磁石とすることが好適であるが、同様に電磁石とすることもできる。
【0014】
磁石のうち少なくとも1個を可動式に構成することが極めて好適である。その種の磁石は強度に凹凸が有るあるいは不規則形状に形成された測定対象物の表面にも適合することができ、それによって最大限可能な測定対象物上における測定装置の圧接力とそれに伴った最善の測定対象物の表面上への接触面の接触を達成することができる。測定対象物の表面上への接触面の良好な接触も、測定装置によって実行される測定の誤差が少なくなるとともに全体的に信頼性が高くなるため、測定装置の動作に好適に寄与する。
【0015】
本発明に係る測定装置は、少なくとも1個のプロセッサ、および/または少なくとも1個のデータメモリ、および/または少なくとも1個のデータ伝送用のインタフェース、および/または少なくとも1個の電源、および/または少なくとも1個の電源用接続部を備えることができる。測定装置がプロセッサを有する場合、計測された測定変量の測定データを独自に後処理あるいは評価することができる。他方、測定装置がプロセッサに代えてデータメモリを備える場合、計測された測定データをデータメモリ内に記憶して後の時点でそのデータメモリから再び読み出すことができる。プロセッサとデータメモリの両方を備える測定装置の場合、測定データをプロセッサによって独自に処理して処理された測定データを後に読み出すためにデータメモリ内に記憶するか、または測定データを処理せずに後の処理あるいは読み出しのためにデータメモリ内に暫定的に記憶することができる。測定データを別の機器に伝送し得るようにするために、インタフェースを使用して測定装置をデータ集積器、上位配置されたコンピュータ、ラップトップあるいはノートブックパソコン、スマートフォン、インターネットあるいはその他の任意のコンピュータネットワークと結合することができる。加えて、インタフェースを介して測定装置を制御可能に構成することができ、その際インタフェースを介して外部の制御命令を受信するように構成することができる。さらに、測定装置が内部電源を備えるかまたは電源用接続部を介して外部電源と接続可能にすることができる。測定装置の内部電源として電池あるいは充電池が適しており、他方電源用接続部としては接続ソケットあるいは接続ケーブルを備えることができる。
【0016】
測定装置が少なくとも1個のインタフェースを備える場合、それをケーブル接続によるデータ伝送あるいは無線式のデータ伝送用のインタフェースに係るものとすることができる。その際ケーブル接続によるインタフェースは、差し込み接続として、特にUSBインタフェースとして構成することができる。しかしながら一般的には、その他の任意のケーブル接続によるインタフェースを設けることもでき、例えばRS−232規格のシリアルインタフェースとすることができる。他方、無線式のデータ伝送のためのインタフェースは市販のモジュールによって実現することができる。例えば、ワイヤレスUSB規格、あるいはブルートゥース(登録商標)と称される無線技術による機器間の短距離データ伝送用の工業規格IEEE802.15.1に従った無線式のデータ伝送を備えることができる。その場合インタフェースがアンテナユニットを備える。
【0017】
次に、好適な実施例を記述に基づいて本発明を以下詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係る測定装置を示した概略断面図である。
【
図2】
図1に示された測定装置の下面を示した説明図である。
【
図3】
図1に示された測定装置の線A−Aに沿った断面図である。
【
図4】
図1に示された測定装置の線B−Bに沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1には本発明に係る測定装置1が断面図で示されている。
図1において測定装置1は、測定されるものであってすなわち測定対象物として機能する機械2の不均質な表面上に載置される。
図2には測定装置1が下面に向かった視線方向で示されており、その下面が
図1において機械2の表面と対面している。加えて、
図3には
図1の線A−Aに沿った測定装置1の断面が示されており、さらに
図4には
図1の線B−Bに沿った測定装置1の断面が示されている。
【0020】
図1および
図2から明らかなように、測定装置1は平板状で緩やかな円錐台形状を有するゴム外殻3を備える。機械2上に測定装置1を載置する際に機械2に対面する側である下面には、仮想円上に均等に配分されていてそれぞれ平坦な接触面を有する3体の突出した脚部4が設けられ、
図1に示されるように測定装置1が機械2の表面上に載置された際に前記接触面が機械2の表面と接触する。さらに、ゴム外殻3の内部において脚部4が配分される仮想円と同心であって
図2の視線方向で見て前記3体の脚部4を包囲する円形の内部構造要素5に沿って側方に、それぞれ磁極7を有する3個の磁石6がフランジ付けされる。構造要素5の内部に存在する突出した脚部4と構造要素5の外側に配置された磁石6の両方が
図2の視線方向で見て構造要素5の中心点から半径方向に延在する仮想直線が中央を連通するような方式で、3個の磁石のうちの1個がそれぞれ1体の脚部4に対して配置される。
【0021】
脚部4のうち1体のものの接触面が温度センサ8を備え、それが
図1に示されるように測定装置1が機械2上に載置された状態において測定装置1の表面と接合する。温度センサ8が脚部4内あるいはそれの接触面内に内蔵されるため、機械2の表面温度を測定するために温度センサ8が測定装置1のゴム外殻3の外側に突立して機械2に接合する必要が無くなり、従ってコンパクトな測定装置1の構造が達成される。さらに、測定装置の他の両方の脚部4あるいは接触面にはそれぞれ加速度センサが配置され、その際
図4に示されるように加速度センサのうちの1個がMEMSモジュール9によって構成され、他方の加速度センサは圧電式加速度センサ10として形成される。加えて測定装置1は、
図3に示されるようにプロセッサ11と、電源としての電池12と、無線通信用のアンテナ13と、測定装置1を図示されていない外部機器と有線結合するためのUSBインタフェース14を備える。
【0022】
測定装置1が仮想円に沿って均等に配分されていてそれぞれ平坦で円形かつ等しい大きさの接触面を有する3体の突出した脚部4を備えるため、脚部4あるいは接触面の中心点が仮想円に沿って等間隔の離間角度をもって配置されるばかりでなく、脚部4あるいは接触面はさらに直線距離においてもいずれも相互に等間隔に離間する。それによって脚部4が測定装置1に対して三脚の安定作用を提供し、それが比較的凹凸のある土台上でも高い安定性を保証する。
【0023】
従って、測定装置1は
図1に示されるような不規則に延在する機械2の表面上においても脚部4の独特な構成のみによって既に確実な安定性を保持する。機械2の表面が磁石6によって引き付けられる金属材料から形成されている場合、磁石6の作用によって安定性がさらに高められる。磁石6によって機械2の表面上に作用する磁力のため、その場合測定装置1が機械2に対して押圧される。それによって脚部4あるいは接触面と機械2の表面の間の確実な接触が保証される。
【0024】
脚部4と機械2の表面の間の確実な接触は測定装置1によって実行される測定の信頼性のために重要である。すなわち、測定装置1による機械2の表面温度の測定は温度センサ8を備えた測定装置1の脚部4が確実に機械2の表面に接合する場合にのみ正確に行うことができる。同様にMEMSモジュール9および圧電式加速度センサ10も、それらに割り当てられた測定装置1の脚部4が機械2の表面に対して確実な接触を有する場合にのみ機械2の振動が脚部4の接触面を介して該当する加速度センサに正確に伝達され得るため、その場合のみ機械2の振動を確実に検出することができる。
【0025】
使用中において測定装置1は状況に応じて
図1に示されるように凹凸のある機械2の表面上に接合し、その表面温度ならびに振動を測定装置1によって測定する必要がある。その際測定装置1は磁石6によって機械2上に引き付けられ、それによって脚部4あるいはそれの表面が
図1に示された凹凸のある機械2の表面に対して確実に接触しまた測定装置1が機械2上に強固に接合する。電池12によって動作のために必要なエネルギーが測定装置1に供給される。
【0026】
さらに測定装置1はプロセッサ11に制御されて測定を実行する。その際機械2の表面温度が温度センサ8によって検出され、他方MEMSモジュール9と圧電式加速度センサ10は機械2の振動を検出する。
【0027】
温度測定と振動測定は全て同時に実行するか、あるいは選択的に個別に、例えば前後して実行することもできる。その後、アンテナ13を介して図示されていない別の機器に測定されたデータをリアルタイムで伝送するか、またはそのデータを図示されていない中間記憶装置に一時的に記憶して後の時点でUSBインタフェース4を介して読み出すことができる。さらに測定装置1は、それの稼働中において、また特に1つあるいは複数の測定を実行中にアンテナ13を介して無線式にあるいはUSBインタフェース14を介して優先式に制御することができる。
【符号の説明】
【0028】
1 測定装置
2 機械
3 ゴム外殻
4 脚部
5 構造要素
6 磁石
7 磁極
8 温度センサ
9 MEMSモジュール
10 圧電式加速度センサ
11 プロセッサ
12 電池
13 アンテナ
14 USBインタフェース
【国際調査報告】