特表2017-528108(P2017-528108A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-528108複数のコイル体を巻回する方法及びセグメントスピンドル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-528108(P2017-528108A)
(43)【公表日】2017年9月21日
(54)【発明の名称】複数のコイル体を巻回する方法及びセグメントスピンドル
(51)【国際特許分類】
   H02K 15/04 20060101AFI20170825BHJP
【FI】
   H02K15/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-514819(P2017-514819)
(86)(22)【出願日】2015年9月14日
(85)【翻訳文提出日】2017年5月15日
(86)【国際出願番号】EP2015070983
(87)【国際公開番号】WO2016041909
(87)【国際公開日】20160324
(31)【優先権主張番号】102014218602.1
(32)【優先日】2014年9月16日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ウーヴェ シャイン
【テーマコード(参考)】
5H615
【Fターム(参考)】
5H615AA01
5H615BB05
5H615BB14
5H615PP01
5H615PP12
5H615QQ02
5H615QQ19
5H615SS10
5H615SS11
(57)【要約】
電動モータを製造するために複数のコイル体を巻回する方法が記載されている。さらに、このような方法に使用するセグメントスピンドルが開示されている。この方法では、複数のコイル体が、少なくとも1つの中間部材及び2つの端部部材と共に1つのセグメントスピンドルに結合され、このセグメントスピンドルが、巻取り機内/巻取り機に配置される。これらのコイル体は、これによって同時に巻回される。したがって、複数のコイル体を巻回するために、1つの回転可能なスピンドルだけしか必要としない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータを製造するために複数のコイル体(1)を巻回する方法であって、
当該方法は、
第1端部部材(2)と、少なくとも1つの中間部材(4)と、第2端部部材(6)と、当該部材の間に配置されかつ巻回すべき複数のコイル体(1)とから構成されるセグメントスピンドルを形成するステップと、
前記セグメントスピンドルを巻取り機内/巻取り機に配置して、複数の前記コイル体を同時に巻回するステップと、を含み、
複数の前記端部部材(6)と、前記少なくとも1つの中間部材(4)と、複数の前記コイル体(1)とは、複数のアンダーカット部を介して互いにはめ込まれ、
前記コイル体(1)は、上及び下に向かってのみ、前記端部部材(2)又は前記中間部材(4)にはめ込むことができ、巻回された状態において元のように取り外すことができることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記巻取り機のスピンドル駆動部内/スピンドル駆動部に収容するため、シャフトジャーナル(3)を備えた前記端部部材(2、6)を使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記セグメントスピンドルを支持するため、一体化された支持箇所(5)を備えた1つの前記中間部材(4)を使用する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
従来の巻取り機におけるワイヤガイドの相対運動を伴うセグメントスピンドルの回転により、前記コイル体(1)に巻線を被着する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法に使用するセグメントスピンドルであって、
当該セグメントスピンドルは、第1端部部材(2)と、第2端部部材(6)と、少なくとも1つの中間部材(4)と、当該部材の間に配置されかつ巻回されている又は巻回すべきコイル体(1)とから構成されており、
複数の前記端部部材(6)と、前記少なくとも1つの中間部材(4)と、複数の前記コイル体(1)とは、複数のアンダーカット部を介して互いにはめ込まれており、
前記コイル体(1)は、上及び下に向かってのみ、前記端部部材(2)又は前記中間部材(4)にはめ込むことができ、巻回された状態において元のように取り外すことができることを特徴とするセグメントスピンドル。
【請求項6】
巻取り機の前記スピンドル駆動部内/前記スピンドル駆動部に収容するため、前記第1及び第2端部部材(2、6)にはシャフトジャーナル(3)が備え付けられている、請求項5に記載のセグメントスピンドル。
【請求項7】
前記少なくとも1つの中間部材(4)は、前記セグメントスピンドルを支持するため、一体化された支持箇所(5)を有する、請求項5又は6に記載のセグメントスピンドル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動モータを製造するために複数のコイル体を巻回する方法に関する。本発明はさらに、このような方法に使用するセグメントスピンドルに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のコイル体を巻回するために公知であるのは、個々のコイル体を、1つずつのスピンドルに張架することである。このスピンドルの回転運動により、巻線ワイヤがコイル体に巻き取られる。このために、大量生産時には、複数のコイルが順次に作製されるか又は代替的に複数のスピンドルを用いて複数個のコイル体が巻回されるかのいずれかである。ここでは巻回のために巻取り機が使用される。
【0003】
したがって、複数のコイル体を同時に巻回するために、複数のスピンドルが使用され、1つのスピンドル上にコイル体が1つずつ配置される。これは、相当のコストになる。この際には、コストをかけて構成されかつ極めて正確に同期化される駆動スピンドルを使用しなければならない。さらに、巻取り機における装着コストも大きい。
【0004】
独国特許出願公開第102005001705号明細書からは、電機子を製造する方法が公知であり、ここでは、一体型コア部分要素の2つずつの歯が巻回される。したがって、この刊行物は、互いに組み合わせられる個々のコイル体の巻回に関するものではない。
【0005】
欧州特許出願公開第1684399号明細書にはステータが記載されており、このステータでは、個々のコイル体が互いに組み合わされて構成されるユニットが、巻取り機の2つのクランプ間に配置され、次に巻回される。これらのコイル体は、磁力によって互いに保持される。
【0006】
欧州特許出願公開第2048768号明細書にはステータが記載されており、ここではコイル体及び中間部材が一列に互いに組み合わされ、これによって構成されるユニットが、巻取り機にはめ込まれて巻回される。
【0007】
米国特許第3337145号明細書及び特開平03−138918号公報には、コイル体を巻回する別の方法が記載されており、ここではコイル体及び中間部材が互いに組み合わされて、構成されるユニットが巻取り機において巻回される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、特に容易かつコスト的に有利に実行可能な、冒頭に述べた形態の方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、本発明により、請求項1に記載した特徴的構成を有する、電動モータを製造するために複数のコイル体を巻回する方法によって解決される。
【0010】
ただ1つのスピンドル上で複数のコイルを同時に巻回するために、第1端部部材と、少なくとも1つの中間部材と、第2端部部材と、これらの間に配置される巻回すべきコイル体とを互いに結合し、これにより、個々のセグメントから構成される1つのスピンドルが得られる。例えば2つのコイル体を同時に巻回したい場合には、第1端部部材と、第1コイル体と、中間部材と、第2コイル体と、第2端部部材とから構成される1つのセグメントスピンドルを形成する。全部で3つのコイル体を同時に巻回する場合には、2つの端部部材と、3つのコイル体の間の2つの中間部材とが使用される。これによって構成されるセグメントスピンドルは、巻取り機内又は巻取り機に配置され、その後、これらのコイル体の同時の巻回が行われる。
【0011】
したがって、本発明では、複数のコイル体を巻回するために、従前と同様にただ1つの回転可能なスピンドルだけがあればよいため、コストがかかりかつ極めて正確に同期化される複数の駆動スピンドルを省略することができる。巻取り機における装着コストも格段に低減することが可能である。
【0012】
本発明による方法では、有利には、巻取り機のスピンドル駆動部内/スピンドル駆動部に収容するため、シャフトジャーナルを備えた端部部材を使用する。これにより、セグメント化されたスピンドルの駆動を容易かつ迅速に調整して実行することができる。
【0013】
さらに、本発明による方法では、有利には、セグメントスピンドルを支持するため、一体化された支持箇所を備えた中間部材を使用する。したがって、これらの中間部材には有利には、軸受位置が備え付けられているため、セグメント化されたスピンドルを動作時に支持することができ、これによってたるみが阻止される。セグメントスピンドルの中間部材におけるこの軸受位置は、巻取り機において同時に索条伝達を収容するために使用可能である。
【0014】
端部部材と、少なくとも1つの中間部材と、これらに結合されるコイル体とは、形状結合によって互いに接続されており、しかも押込み嵌めによって接続されている。端部部材と、少なくとも1つの中間部材と、コイル体とは、アンダーカット部を介して互いに固定される。押込み嵌めを介してこれらの要素を接続することにより、このようなセグメント化されたスピンドルを極めて迅速に形成することができる。その一方で、このような押込み嵌めにより、スピンドルの回転によって損なわれることがない、コンポーネントの確実な結合が保証される。
【0015】
本発明による方法では、従来のようにして構成されたコイル体、又は新たに構想されるコイル体を使用することができる。コイル体の2つのサイドフランジは、複数のアンダーカット部によって形成される、端部部材又は中間部材における対応する適合する切欠部に配置されるため、中間部材ないしは端部部材から軸方向にコイル体を取り外すことはできず、上又は下に向かって、すなわちスピンドル軸に垂直に、端部部材又は中間部材にはめ込み、巻回された状態において元のように取り外せばよい。
【0016】
発展形態では、一体化された支持箇所の領域が、中間部材の残りの領域よりも少ない幅を有する中間部材が使用される。これらの領域はほぼ、例えば設けられているシャフトジャーナルの幅を有し得る。
【0017】
本発明による方法は、例えば、縦長の断面形状を有しており、例えば内部がほぼ矩形に構成されているコイル体に適している。
【0018】
従来の巻取り機におけるセグメントスピンドルの回転及びワイヤガイドの相対運動により、例えばコイル体に巻線を被着することができる。当然のことながら、本発明による方法を実行するため、特別に構想した巻取り機を使用することも可能である。
【0019】
本発明はさらに、上で説明した方法に使用するセグメントスピンドルにも関している。上記セグメントスピンドルは、第1端部部材と、第2端部部材と、少なくとも1つの中間部材と、これらの部材の間に配置されかつ、巻回されている又は巻回すべきコイル体とから構成されている。
【0020】
2つの端部部材は、セグメントスピンドルの駆動接続を行い、有利には、巻取り機のスピンドル駆動部内/スピンドル駆動部に収容するための対応する複数の区画を有しており、これらの区画は、例えばシャフトジャーナルとして構成することが可能である。
【0021】
上記中間部材は、個々のコイル体間のスペーサとして機能し、これらの中間部材は有利には、少なくとも1つの一体化された支持箇所を有しており、これらを用いてセグメントスピンドルを支持することができる。
【0022】
端部部材も中間部材も共に、その間に配置されるコイル体に迅速かつ容易に形状結合できるように構成されている。この形状結合は、押込み嵌めであり、この押込み嵌めは、端部部材及び/又は中間部材における、アンダーカット部を有する切欠部によって実現される。すでに述べたように、ここではコイル体を上又は下から、端部部材及び中間部材の対応する切欠部に押し込むことによって行うことができるのに対し、軸方向の結合又は横方向の押し込みによる結合は除外される。
【0023】
したがって、このようなセグメントスピンドル又はセグメント化されたスピンドルは、端部/中間部材及びコイル体を交互に結合することによって迅速かつ容易に形成され、スピンドルの一部分を構成するコイル体を容易に同時に巻回することができる。巻回過程の終了後には、上で説明したように、例えば上又は下に向かってコイル体を取り出すことができる。
【0024】
以下、図面に関連し、実施例に基づいて本発明を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】セグメントスピンドルの一実施例の平面図である。
図2図1のセグメントスピンドルを前方から見た図である。
図3】合わせて5つのコイル体を有するセグメントスピンドルの一実施例の平面図である。
図4】セグメントスピンドルの別の実施例の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1では上から見た図で、また図2では前側から見た図で示したセグメントスピンドルは、(この図では左側に示されている)第1端部部材2と、コイル体1と、中間部材4と、コイル体1と、(この図では右側に示されている)第2端部部材6とから構成されている。2つの端部部材にはそれぞれ、巻取り機駆動部との接続を形成するためにシャフトジャーナル3が備え付けられている。
【0027】
中間部材4は、軸受位置として使用される比較的幅の狭い領域5を有しており、この領域は、巻回過程時にスピンドルを支えるために使用される。コイル体1は、従来のように構成されており、1つずつのサイドフランジ7を有しており、このサイドフランジは、端部部材2及び中間部材4の、複数のアンダーカット部を有する切欠部8内に配置されている。その他の点においてコイル体1は、前方から見るとほぼ矩形である。
【0028】
複数のコイル体1の同時の巻回過程を実行するため、これらのコイル体は、端部部材2及び端部部材6ならびに中間部材4に結合される。これは、これらの端部部材及び中間部材4の対応する切欠部8に上からコイル体1を押し込むことによって行われる。このようにしてセグメントスピンドルを完成させた後、このセグメントスピンドルは、巻取り機にはめ込まれ、対応するシャフトジャーナル3が、巻取り機の駆動部に接続される。次に2つのコイル体1を同時に巻回するため、このスピンドルを回転させることができる。この巻回過程が終了した後、巻回された複数のコイル体を元のようにセグメントスピンドルから取り外すことができる。
【0029】
図2には、前方から見た、図1のセグメントスピンドルが示されている。
【0030】
図3には、セグメントスピンドルを上から見た図が示されており、このセグメントスピンドルは、図1のそれと対応する構造を有しているが、ここでは巻回のために5つのコイル体1が設けられている。ここでも同時の巻回過程を実行するため、複数のコイル体1が、複数の端部部材2及び中間部材4のアンダーカットされた複数の切欠部8にはめ込まれる。
【0031】
図4に示したセグメントスピンドルの実施形態は、図1図3に示したそれとは異なっている。上から見たこの図において識別できるのは、ここでは、湾曲した端部フランジ7を有する、異なって形成されたコイル体1が使用されていることであり、この湾曲したフランジは、端部部材及び中間部材の適合された切欠部8に配置されている。ここで示した中間部材も、回転するセグメントスピンドルを支承するための軸受位置として使用される比較的幅の狭い複数の領域5を有する。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】