【実施例】
【0442】
実施例1
KRAS G12Cの阻害の後に維持されるかまたは過剰に活性化されるシグナル伝達経路を同定するストラテジー
【0443】
KRAS G12C標的化化合物を他のがん治療と併用する必要性を示唆する経路を以下の通り評価した。ウエスタンブロットを用いて、下流のKRASシグナル伝達ノード(AKT、ERK、S6、EGFR/HER2、SRC、MET)および転写因子(STAT3)を解析した。変異細胞(H358、Calu−1、MiaPaca2、NCI−H23、SW1463、H1792)を例示的なKRAS G12Cインヒビター(化合物I−272)で48時間処置した後の評価によって、持続した経路または誘導された経路が示されたことから、これらが、RTKインヒビター、PI3Kインヒビター、mTORインヒビター、SRCインヒビターおよびJAK/STATインヒビターによって標的化されることが示唆された(
図1)。未処置の細胞株と化合物I−272で処置した細胞株とを比較することによって、持続した経路または誘導された経路を評価した。
【0444】
具体的には、H358細胞株が、EGFRおよびHER2の誘導を示したことから、RTKインヒビターによってさらに標的化されることが示唆された。Calu−1およびMiaPaca2細胞株は、PI3KとSTAT3の両方が誘導された上にこれらが無反応であり、SRCレベルが高く、c−METが誘導されたことを示したことから、RTKインヒビター、PI3Kインヒビター、SRCインヒビターまたはJAK/STATインヒビターによってさらに標的化されることが示唆された。NCI−H23、SW1463およびH1792細胞株は、PI3Kが誘導された上に無反応であり、ERK、S6およびSTAT3が無反応であり、SRCレベルが高く、c−METが誘導され、EGFRが誘導され、他のRTKも持続したことを示したことから、RTK、PI3K、SRC、mTORまたはJAK/STATによってさらに標的化されることが示唆された。
【0445】
実施例2
例示的なKRAS G12Cインヒビターと、RTKインヒビター、PI3Kインヒビター、mTORインヒビター、SRCインヒビターまたはJAK/STATインヒビターのうちの1つとの併用
【0446】
KRAS G12C細胞を例示的なKRAS G12Cインヒビター(化合物I−272)で処置することによって誘導または持続された特定の経路を標的化するがん治療薬を、以下の通り評価し、実証した。実施例1に記載された試験から得られたデータに基づいて、RTKインヒビター、PI3Kインヒビター、mTORインヒビター、SRCインヒビターまたはJAK/STATインヒビターである治療薬を選択した。標的化された細胞株に対して相乗効果がある可能性に基づいて、がん治療薬を選択した。それらの相乗効果を、以下の通り評価し、実証した。網羅的な成長阻害併用試験を、変異細胞株(H358、H1792、Calu−1、SW1463、SW1573、MiaPaca2、NCI−H23)またはコントロール細胞株(A549)に対して行い、例示的なG12Cインヒビター(化合物I−272、0.063μM〜2.0μMの用量範囲)のみを用いて、または化合物I−272(0.063μM〜2.0μMの用量範囲)と、エルロチニブ(EGFRインヒビター、0.16μM〜5.0μMの用量範囲)、GDC0941(PI3Kインヒビター、0.16μM〜5.0μMの用量範囲)、ダサチニブ(SRCインヒビター、9.3nM〜300nMの用量範囲)、モメロチニブ(JAKインヒビター、0.16μM〜5.0μMの用量範囲)もしくはトラメチニブ(MEKインヒビター、1.5nM〜50nMの用量範囲)のうちの1つとの併用を用いて試験した。3日間の増殖アッセイから生成されたデータをルミネセンスによって評価し(n=3)、成長阻害パーセンテージをプロットして、成長阻害の指標を得た。次いで、併用が成長阻害パーセンテージを上昇させる傾向があった範囲を示すために、成長阻害指標を色分けした。次いで、相乗的な併用処置を示すために、BLISS相乗作用指標を用いて、そのデータセットを変換した。
【0447】
複数のKRAS G12C変異細胞株(H358、H2122、H1792、Calu−1、SW1453、SW1573、MiaPaca2、NCI−H23)またはコントロール細胞株(A549)におけるカスパーゼ活性を、例示的なG12Cインヒビター(化合物I−272、0.063μM〜2.0μMの用量範囲)のみを用いて、または化合物I−272(0.063μM〜2.0μMの用量範囲)と、エルロチニブ(EGFRインヒビター、0.16μM〜5.0μMの用量範囲)、GDC0941(PI3Kインヒビター、0.16μM〜5.0μMの用量範囲)、ダサチニブ(SRCインヒビター、9.3nM〜300nMの用量範囲)、モメロチニブ(JAKインヒビター、0.16μM〜5.0μMの用量範囲)またはトラメチニブ(MEKインヒビター、1.5nM〜50nMの用量範囲)のうちの1つとの併用を用いて試験した。標準的なカスパーゼ活性ルミネセンスアッセイ(Capase−Glo,Promega)を用いて6、24および48時間後にカスパーゼ活性を測定した(n>7)。
【0448】
6〜48時間後に最大カスパーゼ活性が達成されたことが各細胞株について報告され、それをプロットした。次いで、相乗効果があった併用を示すために、そのプロットを色分けした。その色分けによって、アポトーシス誘導指標がもたらされ、その指標を用いて治療の併用を評価した。H358細胞株において、単一の化合物または薬剤による処置と比べて優れたアポトーシスを誘導した併用としては、化合物I−272と、EGFRインヒビター、PI3Kインヒビター、JAK/TBK1インヒビターまたはIGF1Rインヒビターのうちの1つとの併用が挙げられる。H2122細胞株において、単一の化合物または薬剤による処置と比べて優れたアポトーシスを誘導した併用としては、化合物I−272と、EGFRインヒビター、MEKインヒビター、PI3KインヒビターまたはIGF1Rインヒビターのうちの1つとの併用が挙げられる。H1792細胞株において、単一の化合物または薬剤による処置と比べて優れたアポトーシスを誘導した併用としては、化合物I−272と、JAK/TBK1インヒビター、SRCインヒビター、EGFRインヒビターまたはIGF1Rインヒビターのうちの1つとの併用が挙げられる。Calu−1細胞株において、単一の化合物または薬剤による処置と比べて優れたアポトーシスを誘導した併用としては、化合物I−272とSRCインヒビターとの併用が挙げられる。SW1453細胞株において、単一の化合物または薬剤による処置と比べて優れたアポトーシスを誘導した併用としては、化合物I−272とEGFRインヒビターまたはMEKインヒビターのうちの1つとの併用が挙げられる。SW1573細胞株において、単一の化合物または薬剤による処置と比べて優れたアポトーシスを誘導した併用としては、化合物I−272とSRCインヒビターとの併用が挙げられる。MiaPaca2細胞株において、単一の化合物または薬剤による処置と比べて優れたアポトーシスを誘導した併用としては、化合物I−272と、PI3Kインヒビター、JAK/TBK1インヒビターまたはSRCインヒビターのうちの1つとの併用が挙げられる。
【0449】
A549では、KRAS G12Cインヒビターと、試験されたいずれか1つの化学療法剤との組み合わせのいずれについても、アポトーシス誘導のレベルは認められなかった。理論に拘束されることを望まないが、このデータは、H358、H2122、H1792、Calu−1、SW1453、SW1573、MiaPaca2およびNCI−H23細胞株における相乗効果が、KRAS G12C特異的阻害によって媒介されることを示唆していると考えられる。
【0450】
BLISS相乗作用指標データおよびアポトーシス誘導指標データを共に用いて、例示的なG12Cインヒビター(化合物I−272)と他の1つの化学療法剤との最善の組み合わせを、各細胞株に対して選択した。H358細胞株では、I−272と、エルロチニブ(EGFRインヒビター)またはGDC0941(PI3Kインヒビター)のうちの1つとの組み合わせを選択した。H1792細胞株では、I−272と、ダサチニブ(SRCインヒビター)またはモメロチニブ(JAKインヒビター)のうちの1つとの組み合わせを選択した。Calu−1細胞株では、I−272とダサチニブ(SRCインヒビター)との組み合わせを選択した。SW1463細胞株では、I−272と、エルロチニブ(EGFRインヒビター)またはGDC0941(PI3Kインヒビター)のうちの1つとの組み合わせを選択した。SW1573細胞株では、I−272と、GDC0941(PI3Kインヒビター)またはダサチニブ(SRCインヒビター)のうちの1つとの組み合わせを選択した。MiaPaca2細胞株では、I−272と、GDC0941(PI3Kインヒビター)またはモメロチニブ(JAKインヒビター)のうちの1つとの組み合わせを選択した。NCI−H23細胞株では、I−272と、ダサチニブ(SRCインヒビター)またはモメロチニブ(JAKインヒビター)のうちの1つとの組み合わせを選択した。上記細胞株にわたって最も頻繁に相乗的であると認められた対は、I−272と、PI3Kインヒビター、SRCインヒビターまたはEGFRインヒビターのうちの1つとの組み合わせを示した。
【0451】
実施例3
アポトーシスを相乗的に誘導するためにEGFRインヒビターまたはPI3Kインヒビターのうちの1つと組み合わせて使用される例示的なKRAS G12Cインヒビター
【0452】
他のがん治療薬と併用したときの、KRAS G12C標的化化合物の有効性を、以下の通り評価し、実証した。ウエスタンブロットを用いて、下流のKRASシグナル伝達ノード(AKT、ERK、RSK、S6)およびアポトーシスのマーカー(切断型PARP)を解析した。H358細胞(KRAS G12C)を例示的なKRAS G12Cインヒビター(化合物II−64、I−153およびI−158)のみで24時間処置すると、明らかかつほぼ完全なp−ERK、p−RSKおよびp−S6の阻害が引き起こされ、p−AKTの部分的な阻害が引き起こされる(
図2A)。しかし、最小の切断型PARPしか見られないことから、アポトーシスは低レベルであることが示唆される(
図2A、レーン1と比べてレーン2〜4)。同様に、切断型PARPレベルに基づくと、エルロチニブ(EGFRインヒビター、レーン5)またはGDC0941(クラスI PI3Kインヒビター、
図2A、レーン9)のみで処置しても、強いアポトーシスは誘導されない(
図2A、レーン1と比べてレーン5および9)。切断型PARPレベルに基づくと、KRAS G12Cインヒビターとエルロチニブ(
図2A、レーン6〜8)またはGDC0941(
図2A、レーン9〜11)のいずれかとで併用処置すると、アポトーシスが大幅に増加する。
【0453】
コントロールとして、非G12C細胞株(すなわち、A549)を同じ単剤処置および併用処置に供した(
図2B)。この株において、上記KRAS G12Cインヒビターは、単剤効果または相加/相乗効果を示さない。理論に拘束されることを望まないが、このデータは、H358細胞における相乗効果が、KRAS G12C特異的阻害によって媒介されることを示唆していると考えられる。
【0454】
アポトーシスを誘導する際のKRAS G12C標的化化合物と他のがん治療薬との併用の能力を、以下の通り評価し、実証した。複数のKRAS G12C変異細胞株(H358、H2122、H2030、H1792、Calu−1、MiaPaca2およびNCI−H23)またはコントロール細胞株(A549 G12S、A375 KRAS WT、NCI−H411 KRAS G12VおよびHCT115 G13D)におけるカスパーゼ活性を、化合物II−64のみを用いて、または化合物II−64と、エルロチニブ、アファチニブ、PI3K(GDC0941)、ドセタキセル、SN38(イリノテカンの活性代謝産物)、タキソール、IGFIRi(NVP−AEW541)またはMEKi(トラメチニブ)のうちの1つとの併用を用いて試験した。標準的なカスパーゼ活性ルミネセンスアッセイ(Capase−Glo,Promega)を用いてカスパーゼ活性を測定した。タキソール(パクリタキセル)をポジティブコントロールとして使用した。
【0455】
KRAS G12CインヒビターをEGFRインヒビター(エルロチニブ、
図3A)と併用したとき、試験された7つのKRAS G12C変異細胞株のうちの3つが、相乗的なアポトーシス誘導を示した。KRAS G12CインヒビターをPI3Kインヒビター(GDC0941、
図3C)と併用すると、試験された7つのKRAS G12C変異細胞株のうちの4つが、相乗的なアポトーシス誘導を示す。KRAS G12Cインヒビターの効果は、KRAS G12C変異を有しない細胞株では認められない(
図3B、3D)。化合物II−64、エルロチニブまたはGDC0941のみでは、有意なカスパーゼ活性を誘導しなかった。
【0456】
Rasによって媒介される細胞周期進行の阻害およびアポトーシスの誘導の際のKRAS G12C標的化化合物と他のがん治療薬との併用の能力を、以下の通り評価し、実証した。フローサイトメトリーを用いて、KRAS G12Cインヒビター併用処置を評価した。H358細胞を、単剤として化合物II−64、エルロチニブまたはGDC0941で処置することによって、アポトーシスの低い誘導から中程度の誘導とともに、G1停止がもたらされる(
図4A、サブ二倍体細胞集団8.5〜17.8%)。併用処置は、アポトーシス細胞の割合を劇的に増加させる(サブ二倍体細胞集団40〜65%)。同様の結果が、さらなるKRAS G12C細胞株(H1792、H2122、SW1573;
図4B)に対しても認められる。
【0457】
次に、フローサイトメトリーを用いて、KRAS G12Cインヒビターと化学療法剤パクリタキセルまたはドセタキセルとの併用を評価した。化合物II−64をパクリタキセル(
図5)、ドセタキセル(
図6)およびSN38(イリノテカンの活性型、
図7)と併用したとき、アポトーシス(サブ二倍体)H358細胞の相乗的な増加が認められた。
【0458】
KRAS G12C標的化化合物と他のがん治療薬との併用の能力を、以下の通り評価し、実証した。Calu−1細胞は、一般に、KRAS G12Cインヒビター単剤、ならびに本明細書中に開示された先の研究において試験された標的化剤(EGFRi、MEKi、PI3Ki、IGF1Ri;
図7B)との併用に抵抗性である。チロシンキナーゼのパネルに対するホスホ−チロシンレベルの評価から、Calu−1細胞において比較的高レベルのSRCリン酸化が明らかになった(
図8A)。Calu−1細胞をKRAS G12Cインヒビター(化合物I−272)およびSRCインヒビター(ダサチニブ)で処置することにより、高レベルのアポトーシスが誘導される(
図8B)。
【0459】
実施例4
アポトーシスを相乗的に誘導するためにEGFRインヒビター、MEKインヒビターまたはクラスI PI3Kインヒビターと併用される例示的なKRAS G12Cインヒビター
【0460】
KRAS G12C標的化化合物と他のがん治療薬との併用の有効性を、以下の通り評価し、実証した。ウエスタンブロットを用いて、下流のKRASシグナル伝達ノード(AKT、ERK、RSK、S6)およびアポトーシスのマーカー(切断型PARP)を解析した。H358細胞(KRAS G12C)を、15μMの濃度の例示的なKRAS G12Cインヒビター(化合物I−74)のみで24時間処置すると、明らかかつほぼ完全なp−ERK、p−RSKおよびp−S6の阻害が引き起こされる(
図9、左のパネル)。しかし、最小の切断型PARPしか見られないことから、アポトーシスは低レベルであることが示唆される(
図9、左のパネル、レーン9と比べてレーン2)。同様に、切断型PARPレベルに基づくと、エルロチニブ(EGFRインヒビター、5μM、
図9、左のパネル、レーン3)、PD0325901(MEKインヒビター、100nM、
図9、左のパネル、レーン5)、GDC0941(クラスI PI3Kインヒビター、1μM、
図9、左のパネル、レーン7)のみで処置しても、強いアポトーシスは誘導されない(
図9、左のパネル、レーン9と比べてレーン3、5および7)。切断型PARPレベルに基づくと、H358細胞を、15μMの濃度の化合物I−74とエルロチニブ(EGFRインヒビター、5μM、
図9、左のパネル、レーン4)とで併用処置すると、アポトーシスは大幅に増加する。切断型PARPレベルに基づくアポトーシスの増加は、化合物I−74(15μM)をPD0325901(MEKインヒビター、100nM、
図9、左のパネル、レーン6)またはGDC0941(PI3Kインヒビター、1μM、
図9、左のパネル、レーン8)と組み合わせて使用してH358細胞を処置したときにも、認められる。タキソール(パクリタキセル)をポジティブコントロールとして使用した。
【0461】
コントロールとして、非G12C細胞株(A549)を同じ単剤処置および併用処置に供した(
図9、右のパネル)。この株において、上記KRAS G12Cインヒビターは、単剤効果または相加/相乗効果を示さない。理論に拘束されることを望まないが、このデータは、H358細胞における相乗効果が、KRAS G12C特異的阻害によって媒介されることを示唆していると考えられる。
【0462】
H358細胞を、単剤として化合物II−74、エルロチニブ、PD0325901またはGDC0941で処置すると、アポトーシスの低い誘導から中程度の誘導とともに、G1停止がもたらされる(
図9、左のパネル)一方で、併用処置は、アポトーシス細胞の割合を劇的に増加させる。
【0463】
実施例5
アポトーシスを相乗的に誘導するためにPan−PI3Kおよび選択的PI3KAと組み合わせて使用される例示的なKRAS G12Cインヒビター
【0464】
ウエスタンブロットを用いて、下流のKRASシグナル伝達ノード(AKT、ERK、RSK、S6)およびアポトーシスのマーカー(切断型PARP)を解析した。SW1573細胞を例示的なKRAS G12Cインヒビター(化合物II−64)のみで24時間処置すると、p−ERK、p−RSKおよびKRAS−GTPが阻害される(
図10)。しかし、最小の切断型PARPしか見られないことから、アポトーシスは低レベルであることが示唆される(
図10、レーン1と比べてレーン2〜3)。同様に、切断型PARPレベルに基づくと、GDC0941(クラスI PI3Kインヒビター、
図10、レーン4)およびBYL−719(選択的PI3Kαインヒビター、
図10、レーン7)のみで処置しても、強いアポトーシスは誘導されない(
図10、レーン1と比べてレーン7)。切断型PARPレベルに基づくと、KRAS G12CインヒビターとGDC0941(クラスI PI3Kインヒビター、レーン5〜6)またはBYL−719(選択的PI3Kαインヒビター、
図10、レーン8〜9)のいずれかとで併用処置すると、アポトーシスが大幅に増加する。タキソール(パクリタキセル)をポジティブコントロールとして使用した。Pan PI3Kインヒビターおよび選択的PI3Kαインヒビターは、1つが選択的KRAS−G12Cインヒビターと組み合わせて使用されたとき、PARPの切断によって測定される等価な相乗的なアポトーシスを誘導する。
【0465】
実施例6
相乗的なアポトーシスおよび経路阻害のためにEGFRインヒビター、EGFR/HER2インヒビターまたはPI3Kインヒビターのうちの1つと併用される例示的なKRAS G12Cインヒビター
【0466】
ウエスタンブロットを用いて、下流のKRASシグナル伝達ノード(AKT、ERK、RSK、S6)およびアポトーシスのマーカー(切断型PARP)を解析した。H358細胞(KRAS G12C)を2.5μMの例示的なG12Cインヒビター(化合物 II−64)のみで24時間処置すると、明らかかつほぼ完全なp−ERKおよびp−S6の阻害が引き起こされ、p−AKTの部分的な阻害が引き起こされる(
図11)。しかし、最小のc−カスパーゼ3しか見られないことから、アポトーシスは低レベルであることが示唆される(
図11、レーン1と比べてレーン2)。同様に、c−カスパーゼ3レベルに基づくと、エルロチニブ(EGFRインヒビター、レーン3)、アファチニブ(MEKインヒビター、
図11、レーン5)、GDC0941(クラスI PI3Kインヒビター、
図11、レーン7)およびセルメチニブ(MEKインヒビター、
図11、レーン9)のみで処置しても、強いアポトーシスは誘導されない(
図11、レーン1と比べてレーン3、5、7および9)。しかし、c−カスパーゼ3レベルに基づくと、化合物I−64とエルロチニブ(EGFRインヒビター、
図11、レーン4)、アファチニブ(MEKインヒビター、
図11、レーン6)、GDC0941(クラスI PI3Kインヒビター、
図11、レーン8)またはセルメチニブ(MEKインヒビター、
図11、レーン10)のいずれかとで併用処置すると、アポトーシスが大幅に増加する。カスパーゼ活性は、標準的なカスパーゼ活性ルミネセンスアッセイ(Capase−Glo,Promega)を用いて測定した。
【0467】
実施例7
Calu−1細胞のアポトーシスを相乗的に誘導するためにSRCインヒビターと組み合わせて使用される例示的なKRAS G12Cインヒビター
【0468】
ウエスタンブロットを用いて、下流のKRASシグナル伝達ノード(AKT、ERK、RSK、S6)およびアポトーシスのマーカー(切断型PARP)を解析した。Calu−1細胞を、30、100、300および1000nMの濃度の例示的なKRAS G12Cインヒビター(化合物I−272)のみで24時間処置すると、p−ERKおよびp−RSKの明らかな阻害が引き起こされ、より高い濃度では、ほぼ完全な阻害が引き起こされる(
図12)。しかし、最小の切断型PARPしか見られないことから、アポトーシスは低レベルであることが示唆される(
図12、レーン1と比べてレーン2〜5)。同様に、切断型PARPレベルに基づくと、ダサチニブ(SRCインヒビター、
図12、レーン6)のみで処置しても、強いアポトーシスは誘導されない(
図12、レーン1と比べてレーン6)。
【0469】
対照的に、切断型PARPレベルに基づくと、化合物I−272(30、100、300および1000nMの用量、
図12、それぞれレーン7〜10)とダサチニブ(SRCインヒビター、150nMの用量、
図12、レーン7〜10)とで併用処置すると、アポトーシスが大幅に増加する。さらに、その併用処置は、明らかかつほぼ完全なp−SRC、p−AKT、p−ERK、p−RSKおよびp−S6の阻害を示す。
【0470】
実施例8
アポトーシスを相乗的に誘導するためにSRCインヒビターと組み合わせて使用される例示的なKRAS G12Cインヒビター
【0471】
ウエスタンブロットを用いて、下流のKRASシグナル伝達ノード(AKT、ERK、RSK、S6)およびアポトーシスのマーカー(切断型PARP)を解析した。例示的なKRAS G12Cインヒビター(化合物I−272、1μM)のみ、またはダサチニブ(「Das」、SRCインヒビター、100nM)もしくはサラカチニブ(「Sarc」、SRCインヒビター、2μM)のうちの1つとの併用による変異細胞株(H358、NCI−H23、SW1463、H1792、Calu−1、SW1573)またはコントロール細胞株(A549)の処置を試験した。変異細胞株をKRAS G12Cインヒビターである化合物I−272のみで24時間処置すると、明らかなp−ERKの阻害、場合によっては(H358、SW1463、Calu−1)ほぼ完全なp−ERKの阻害が引き起こされる。同じ処置は、H358、SW1463、H1792およびCalu−1細胞株においてp−S6の阻害も示す(
図13)。
【0472】
しかし、最小の切断型PARPしか見られないことから、アポトーシスは低レベルであることが示唆される。同様に、切断型PARPレベルに基づくと、ダサチニブまたはサラカチニブのみで処置しても、強いアポトーシスは誘導されない。対照的に、切断型PARPレベルに基づくと、KRAS G12Cインヒビター(化合物I−272)およびダサチニブまたはサラカチニブのいずれかとで併用処置すると、アポトーシスが大幅に増加する。さらに、化合物I−272(1μM)とダサチニブとの併用は、Calu−1およびSW1573細胞株においてp−S6を十分に減少させる。コントロールとして、非G12C細胞株(A549)を同じ単剤処置および併用処置に供した。この株において、上記KRAS G12Cインヒビターは、単剤効果または相加/相乗効果を示さない。理論に拘束されることを望まないが、このデータは、変異細胞株(すなわち、H358、NCI−H23、SW1463、H1792、Calu−1、SW1573)における相乗効果が、KRAS G12C特異的阻害によって媒介されることを示唆していると考えられる。
【0473】
図14は、
図13のゲルのデンシトメトリーデータを提供している。
【0474】
実施例9
複数の変異細胞株においてJAKインヒビターと組み合わせて使用された例示的なKRAS G12Cインヒビターの、アポトーシスを相乗的に誘導する作用機序の評価および実証
【0475】
ウエスタンブロットを用いて、下流のKRASシグナル伝達ノード(AKT、ERK、S6)、転写因子(STAT3)およびアポトーシスのマーカー(切断型PARP)を解析した。ゲルデータは、
図15に提供されている。例示的なKRAS G12Cインヒビター(化合物I−272、0.3および1μM)のみ、またはモメロチニブ(JAKインヒビター、5μM)との併用による変異細胞株(H358、H1792、MiaPaca2)またはコントロール細胞株(A549)の処置を試験した。変異細胞株をKRAS G12Cインヒビターである化合物I−272のみで24時間処置すると、いくらかのおよびほぼ完全なp−ERKの阻害(それぞれ(respectfully)H1792およびH358において)、いくらかのp−ANKの阻害(H358において)、S6のいくらかの阻害からほぼ完全な阻害(H358において)、ならびに切断型PARPの存在によって認められるいくらかのアポトーシス誘導(H358およびMiaPaca2において)が引き起こされる。I−272のみでの処置は、一定の細胞株においてSTAT3も誘導する(H358およびH1792においてわずか、MiaPaca2およびA549において強く)。化合物I−272(0.3および1μM)とモメロチニブ(JAKインヒビター、5μM)との併用は、広範囲のG12C陽性細胞株においてアポトーシスを誘導し、p−AKTおよびp−S6の阻害を増強する。具体的には、化合物I−272をモメロチニブ(JAKインヒビター)と組み合わせて使用すると、PARPは、H358、H1792およびMiaPaca2において検出される。
【0476】
コントロールとして、非G12C細胞株(A549)を同じ単剤処置および併用処置に供した。この株において、上記KRAS G12Cインヒビターは、単剤効果または相加/相乗効果を示さない。理論に拘束されることを望まないが、このデータは、H358、H1792およびMiaPaca2細胞株における相乗効果が、KRAS G12C特異的阻害によって媒介されることを示唆していると考えられる。
【0477】
実施例10
変異細胞株においてJAKインヒビターと組み合わせて使用された例示的なKRAS G12Cインヒビターの、アポトーシスを相乗的に誘導する作用機序の評価および実証
【0478】
ウエスタンブロットを用いて、下流のKRASシグナル伝達ノード(AKT、ERK、S6)、転写因子(STAT3、IκBα)、タンパク質マーカー(TBK1)およびアポトーシスのマーカー(切断型PARP)を解析した。例示的なKRAS G12Cインヒビター(化合物I−272、1μM)のみ、またはルキソリチニブ(JAK1/2インヒビター、1および5μM)またはモメロチニブ(JAK1/2、TBK1、IKKeインヒビター、1および5μM)のうちの1つとの併用による変異細胞株(NCI−H23、SW1573)の処置を試験した。変異細胞株をKRAS G12Cインヒビターである化合物I−272のみで24時間処置すると、明らかかつほぼ完全なp−ERKの阻害が引き起こされる。同じ処置は、NCI−H23においてp−S6およびp−AKTの阻害も示す。しかし、最小の切断型PARPしか見られないことから、アポトーシスは低レベルであることが示唆される(
図16)。同様に、切断型PARPレベルに基づくと、ルキソリチニブ(JAK1/2インヒビター、
図16、レーン2〜3)またはモメロチニブ(JAK1/2、TBK1、IKKeインヒビター、
図16、レーン7〜8)のみで処置しても、強いアポトーシスは誘導されない(
図16、レーン1と比べてレーン2〜3および7〜8)。PARPレベルに基づくと、ルキソリチニブ(JAK1/2、TBK1、IKKeインヒビター、
図16、レーン5〜6)またはモメロチニブ(JAK1/2、TBK1、IKKeインヒビター、
図16、レーン9〜10)のいずれかとで併用処置すると、アポトーシスが大幅に増加する。さらに、各併用において、相乗的なp−S6阻害が認められる。TBK1シグナル伝達および非カノニカルNFκBシグナル伝達が阻害されると、相乗的なアポトーシスが強く生じた。この効果は、これらの併用処置におけるアポトーシスの作用機序がJAK/STATとは無関係であることを示唆している。
【0479】
以下の合成例は、例示的な目的で提供される。構造(I)、(II)および(III)の他の化合物を、類似の手順にしたがって調製した。
【0480】
実施例11
1−(4−(7−クロロ−6−(2−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(I−1)の合成
【化137】
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化合物I−1を下記に記載されるような方法Aにしたがって調製した:
【0481】
メチル2−アミノ−5−(2−クロロフェニル)−4−クロロベンゾアート
メチル2−アミノ−5−ブロモ−4−クロロベンゾアート(1.2g、4.54mmol)、2−クロロフェニルボロン酸(0.85g、5.44mmol)、Na
2CO
3(1.44g、13.61mmol)、およびPd(PPh
3)
4(0.52g、0.45mmol)を含む1,4−ジオキサン(30mL)および水(6mL)の混合物を、アルゴン下にて75℃で16時間撹拌した。混合物を室温(RT)に冷却し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油=8:1)によって精製して、所望の生成物(1.22g、収率91%)を黄色固体として得た。
【0482】
7−クロロ−6−(2−クロロフェニル)キナゾリン−4−オール
封管内のメチル2−アミノ−5−(2−クロロフェニル)−4−クロロベンゾアート(342mg、1.16mmol)、CH(OMe)
3(306mg、2.89mmol)、およびNH
4OAc(223mg、2.89mmol)を含むMeOH(1mL)の混合物を、130℃で4.5時間撹拌した。混合物をRTに冷却し、真空中で濃縮した。残渣を、DCMおよびMeOH(40:1)で溶離するシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィによって精製して、所望の生成物(277mg、収率82%)を白色固体として得た。ESI−MS m/z:289.2[M−H]
−。
【0483】
4,7−ジクロロ−6−(2−クロロフェニル)キナゾリン
7−クロロ−6−(2−クロロフェニル)キナゾリン−4−オール(277mg、0.95mmol)、PCl
5(397mg、1.90mmol)、およびPOCl
3(16mL)の混合物を、20時間撹拌しながら還流した。混合物をRTに冷却し、次いで、真空中で濃縮して、粗生成物(1.19g)を暗色オイルとして得た。これをさらに精製せずに次の工程で直接使用した。
【0484】
tert−ブチル−4−(7−クロロ−6−(2−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート
上記で得た粗4,7−ジクロロ−6−(2−クロロフェニル)キナゾリン(1.19g)を、0℃のtert−ブチルピペラジン−1−カルボキシラート(5g、26.9mmol)およびEt
3N(7.76g、76.8mmol)を含むDCM(200mL)の混合物に添加し、得られた混合物を同一温度で1時間撹拌した。混合物を水(500mL)およびブライン(100mL)に注ぎ、次いで、ジクロロメタン(DCM)(200mL)を添加した。混合物を濾紙で濾過した。有機層を分離し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を、DCMおよびMeOH(30:1)で溶離するシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィによって精製して、所望の生成物(184mg、収率42%、2工程)を淡黄色オイルとして得た。ESI−MS m/z:459.3[M+H]
+.
【0485】
1−(4−(7−クロロ−6−(2−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
tertブチル−4−(7−クロロ−6−(2−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート(184mg、0.40mmol)およびHClを含むMeOH(20mL)の混合物を、RTで1時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮して、粗生成物(176mg)を黄色固体として得た。これをさらに精製せずに次の工程で直接使用した。
【0486】
1−(4−(7−クロロ−6−(2−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(1)
上記で得た粗1−(4−(7−クロロ−6−(2−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(176mg)を、Et
3N(450mg、4.45mmol)およびDCM(30mL)に溶解し、0℃に冷却し、塩化アクリロイル(44mg、0.49mmol)を含むDCM(50mL)を混合物に添加した。得られた混合物をRTに加温し、RTで1.5時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO
3水溶液で反応停止させ、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和NaHCO
3溶液およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を、DCMおよびMeOH(30:1)で溶離するシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィによって精製して、所望の生成物(82mg、収率50%、2工程)を黄色固体として得た。
【化138】
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【0487】
実施例12
1−(4−(7−クロロ−6−フェニルキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(I−18)の合成
【化139】
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化合物I−18を下記に記載されるような方法Bにしたがって調製した:
【0488】
6−ブロモ−7−クロロキナゾリン−4−オール
メチル2−アミノ−5−ブロモ−4−クロロベンゾアート(1g、3.95mmol)およびNH
2CHO(20mL)の混合物を、200℃で3時間撹拌した。混合物をRTに冷却し、水で反応停止させた。固体沈殿物を濾過によって回収し、真空中で乾燥させて、所望の生成物(669mg、収率66%)を褐色固体として得た。
【0489】
6−ブロモ−4,7−ジクロロキナゾリン
6−ブロモ−7−クロロキナゾリン−4−オール(669mg、2.59mmol)、PCl
5(1.6g、7.78mmol)、およびPOCl
3(15mL)の混合物を、16時間撹拌しながら還流した。混合物をRTに冷却し、次いで、真空中で濃縮して、所望の生成物を暗色オイルとして得た。これをさらに精製せずに次の工程で直接使用した。
【0490】
tert−ブチル4−(6−ブロモ−7−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート
上記で得た粗6−ブロモ−4,7−ジクロロキナゾリンを、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシラート(4.82g、25.9mmol)およびEt
3N(2.62g、25.9mmol)を含むDCM(70mL)の混合物に添加した。得られた混合物をRTで2時間撹拌し、次いで、飽和NaHCO
3水溶液で反応停止させた。混合物をDCMで抽出し、飽和NaHCO
3水溶液およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を、酢酸エチルおよび石油エーテル(4:1)で溶離するシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィによって精製して、所望の生成物(631mg、収率57%、2工程)を黄色固体として得た。ESI−MS m/z:429.3[M+H]
+。
【0491】
tert−ブチル4−(7−クロロ−6−フェニルキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート
tert−ブチル4−(6−ブロモ−7−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート(200mg、0.47mmol)、フェニルボロン酸(115mg、0.94mmol)、Na
2CO
3溶液(2.0M、0.71mL、1.41mmol)、Pd(PPh
3)
4(109g、0.094mmol)を含む1,4−ジオキサン(10mL)の混合物を、アルゴン下にて撹拌しながら16時間還流した。混合物をRTに冷却し、酢酸エチルで希釈し、次いで、H
2Oおよびブラインで洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を、酢酸エチルおよび石油エーテル(1:4)で溶離するシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィによって精製して、所望の生成物(120mg、収率60%)を黄色オイルとして得た。ESI−MS m/z:425.4[M+H]
+。
【0492】
1−(4−(7−クロロ−6−フェニルキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
表題化合物を、実施例2に記載の手順にしたがって2工程でtert−ブチル4−(7−クロロ−6−フェニルキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラートから調製した。
【化140】
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【0493】
実施例13
1−(4−(6−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1H−インダゾール−3−イルアミノ)ピペリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(I−31)の合成
【化141】
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化合物I−31を下記に記載されるような方法Cにしたがって調製した:
【0494】
4−メチル−N’−(2’,4,6−トリクロロビフェニルカルボニル)ベンゼンスルホノヒドラジド
RTの2’,4,6−トリクロロビフェニル−3−カルボニルクロリド(5.5g)を含むトルエンの攪拌溶液に、NH
2NHTs(3.8g、20.3mmol)を添加し、得られた混合物を、75℃で一晩撹拌した。混合物をRTに冷却した。固体を濾過によって回収し、真空中で乾燥させて、所望の生成物(6g、収率75%)を白色固体として得た。
【0495】
2’,4,6−トリクロロ−N’−トシルビフェニル−3−カルボヒドラゾノイルクロリド
4−メチル−N’−(2’,4,6−トリクロロビフェニルカルボニル)ベンゼンスルホノヒドラジド(2.3g、4.5mmol)を含むSOCl
2(5.8g、45mmol)の溶液を、75℃で4時間撹拌した。混合物をRTに冷却し、次いで、石油エーテルを添加した。得られた混合物を、0℃で1時間撹拌した。沈殿物を濾過によって回収し、真空中で乾燥させて、所望の生成物(1.6g、収率67%)を白色固体として得た。
【0496】
tert−ブチル4−((6−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−トシル−1H−インダゾール−3−イル)(4−メトキシベンジル)アミノ)ピペリジン−1−カルボキシラート
RTの2’,4,6−トリクロロ−N’−トシルビフェニル−3−カルボヒドラゾノイルクロリド(1.6g、3.4mmol)を含む100mLのNMPの攪拌溶液に、tert−ブチル4−(4−メトキシベンジルアミノ)ピペリジン−1−カルボキシラート(1.1g、3.4mmol)を添加後、K
2CO
3(1.4g、10.2mmol)を添加した。反応混合物を、40℃で一晩撹拌した。混合物をRTに冷却し、水と酢酸エチルとの間で分配した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(1−20%酢酸エチル/石油エーテル)によって精製して、所望の生成物(550mg、収率23%)を白色固体として得た。
【0497】
tert−ブチル4−((6−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)(4−メトキシベンジル)アミノ)ピペリジン−1−カルボキシラート
RTのtert−ブチル4−((6−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1−トシル−1H−インダゾール−3−イル)(4−メトキシベンジル)アミノ)ピペリジン−1−カルボキシラート(550mg、0.75mmol)を含むTHF(20mL)および水(5mL)の攪拌溶液にNaOH(75mg、1.87mmol)を添加し、得られた混合物を撹拌しながら一晩還流した。反応混合物をRTに冷却し、水と酢酸エチルとの間で分配した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(1−10%酢酸エチル/石油エーテル)によって精製して、所望の生成物(100mg、収率23%)を白色固体として得た。ESI−MS m/z:581.5[M+H]
+。
【0498】
6−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−N−(ピペリジン−4−イル)−1H−インダゾール−3−アミン
tert−ブチル4−((6−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)(4−メトキシベンジル)アミノ)ピペリジン−1−カルボキシラート(100mg、0.17mmol)を含む5mLのTFA溶液を、2時間撹拌しながら還流した。反応混合物をRTに冷却し、次いで、飽和NaHCO
3水溶液と酢酸エチルとの間で分配した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、所望の生成物(62mg)を黄色固体として得た。粗生成物を、さらに精製せずに次の工程で直接使用した。
【0499】
1−(4−(6−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−1H−インダゾール−3−イルアミノ)ピペリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
RTのアクリル酸(12.4mg、0.17mmol)を含む5mLのDMFの攪拌溶液に、6−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−N−(ピペリジン−4−イル)−1H−インダゾール−3−アミン(62mg、0.17mmol)、HOBT(30mg、0.22mmol)、EDCI(42mg、0.22mmol)、およびTEA(52mg、0.51mmol)を順次添加した。反応混合物をRTで一晩撹拌した。混合物を、ブラインと酢酸エチルとの間で分配した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製して、所望の生成物(2mg、収率3%)を白色固体として得た。
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
【0500】
実施例14
1−(4−(6−クロロ−7−(2−クロロフェニル)イソキノリン−1−イル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(I−24)の合成
【化143】
[この文献は図面を表示できません]
化合物I−24を下記に記載されるような方法Dにしたがって調製した:
【0501】
N−(3−ブロモ−4−クロロベンジル)−2,2−ジエトキシエタンアミン
RTの3−ブロモ−4−クロロベンズアルデヒド(10.0g、45mmol)および2,2−ジエトキシエタンアミン(6.68g,50mmol)を含む200mLのDCM溶液に、0.5mLのAcOHを添加し、得られた混合物をRTで30分間撹拌した。この混合物に、NaCNBH
3(8.1g、135mmol)を分割して添加し、次いで、RTで一晩撹拌した。反応混合物を、水とDCMとの間で分配した。有機層を、水(80mL×2)およびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、所望の生成物(11g、収率72%)をオイルとして得た。得られた粗生成物を、さらに精製せずに次の工程で直接使用した。
【0502】
N−(3−ブロモ−4−クロロベンジル)−2,2−ジエトキシ−N−トシルエタンアミン
N−(3−ブロモ−4−クロロベンジル)−2,2−ジエトキシエタンアミン(11g、33mmol)を含む100mLのDCM溶液に、ピリジン(10mL)を添加し、得られた混合物を0℃に冷却した。この混合物に、4−メチルベンゼン−1−スルホニルクロリド(6.8g、36mmol)を含む50mLのDCM溶液を滴下した。反応混合物をRTに加温し、変換が完了するまで撹拌し続けた。反応混合物を、HCl水溶液(2M)、重炭酸ナトリウム溶液、およびブラインで2回洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(5−20%酢酸エチル/石油エーテル)によって精製して、所望の生成物(12.5g、収率78%)を得た。ESI−MS m/z:490.2[M+H]
+。
【0503】
7−ブロモ−6−クロロイソキノリン
AlCl
3(14.9g)を、RTのDCMに懸濁し、N−(3−ブロモ−4−クロロベンジル)−2,2−ジエトキシ−N−トシルエタンアミン(11.0g、22.5mmol)を含む75mLのDCM溶液を添加し、得られた混合物を一晩撹拌した。混合物を氷水に注ぎ、DCMで抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(10−40%酢酸エチル/石油エーテル)によって精製して、所望の生成物(5g、収率92.5%)を白色固体として得た。ESI−MSm/z:242[M+H]
+。
【0504】
7−ブロモ−6−クロロイソキノリン2−オキシド
RTの7−ブロモ−6−クロロイソキノリン(5.5g、22.8mmol)を含む100mLのDCM溶液に、m−クロロ過安息香酸(70%、5.88g、34.2mmol)を添加し、得られた混合物をRTで一晩撹拌した。沈殿物を濾別し、DCMでリンスした。濾液を重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。層を分離し、水層をDCMで抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮して、所望の生成物(4.6g、収率79%)を得た。粗生成物を、さらに精製せずに次の工程で直接使用した。ESI−MS m/z:258.2[M+H]
+。
【0505】
1−(4−(6−クロロ−7−(2−クロロフェニル)イソキノリン−1−イル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
表題化合物を、実施例2に記載の手順にしたがって5工程で7−ブロモ−6−クロロイソキノリン2−オキシドから調製した。
【化144】
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【0506】
実施例15
1−(4−(7−クロロ−6−(2−クロロフェニル)キノリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(I−27)の合成
【化145】
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化合物I−27を下記に記載されるような方法Eにしたがって調製した:
【0507】
ジエチル2−((3−クロロ−4−ヨードフェニルアミノ)メチレン)マロナート
3−クロロ−4−ヨードアニリン(3.0g、11.8mmol)およびジエチル2−(エトキシメチレン)マロナート(12.78g、59.2mmol)を、100mLの一つ口フラスコ中で混合し、得られた混合物を120℃に加熱し、2.5時間撹拌した。混合物をRTに冷却し、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(10−20%酢酸エチル/石油エーテル)によって精製して、所望の生成物(3.93g)を白色固体として得た。ESI−MS m/z:422.1[M−H]
−。
【0508】
エチル7−クロロ−4−ヒドロキシ−6−ヨードキノリン−3−カルボキシラート
(E)−ジエチル2−(((3−クロロ−4−ヨードフェニル)イミノ)メチル)マロナート(2.0g、4.73mmol)を、30mLのPh
2Oに懸濁した。混合物を250℃で4時間撹拌した。混合物をRTに冷却し、次いで、100mLの石油エーテルを添加した。白色固体を濾過によって回収し、石油エーテル(100mL)でリンスして所望の生成物(1.20g)を白色固体として得た。
【0509】
7−クロロ−4−ヒドロキシ−6−ヨードキノリン−3−カルボン酸
エチル7−クロロ−4−ヒドロキシ−6−ヨードキノリン−3−カルボキシラート(1.2g、3.18mmol)を、10%NaOH水溶液(50mL)に懸濁した。混合物を撹拌しながら3.5時間還流した。白色固体をNaOH溶液にゆっくり溶解した。混合物が無色の相に変化した後、さらに1時間加熱し続けた。混合物をRTに冷却し、白色固体を分離した。混合物を濃HClで酸性化してpH2に調整した。白色沈殿物を濾過によって回収し、石油エーテルでリンスして所望の生成物(1.13g)を白色固体として得た。
【0510】
7−クロロ−6−ヨードキノリン−4−オール
7−クロロ−4−ヒドロキシ−6−ヨードキノリン−3−カルボン酸(1.134g、3.25mmol)を、40mLのPh
2Oに懸濁した。混合物を250℃で3.5時間撹拌した。混合物をRTに冷却し、100mLの石油エーテルを添加した。固体を濾過によって回収し、石油エーテルでリンスして所望の生成物(0.92g)を白色固体として得た。
【0511】
4,7−ジクロロ−6−ヨードキノリン
7−クロロ−6−ヨードキノリン−4−オール(591mg、1.94mmol)を、40mLのPOCl
3に溶解し、混合物を、3時間撹拌しながら還流した。混合物をRTに冷却し、真空中で濃縮した。残渣を、0℃のEt
3N(2.93g、29.03mmol、15当量)を含む40mLのDCM溶液に注いだ。混合物を酢酸エチルとブラインとの間で分配した。有機層を乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(40%酢酸エチル/石油エーテル)によって精製して、所望の生成物(895mg)を固体として得た。ESI−MS m/z:323.9[M+H]
+。
【0512】
tert−ブチル4−(7−クロロ−6−ヨードキノリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート
4,7−ジクロロ−6−ヨードキノリン(200mg、0.62mmol)を、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシラート(172mg、0.93mmol)およびEt
3N(250mg、2.47mmol)を含む15mL DMSOと混合した。得られた混合物を、アルゴン下にて80℃で16時間撹拌した。混合物を250mLの水および50mLのブラインに注ぎ、次いで、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(20−30%酢酸エチル/石油エーテル)によって精製して所望の生成物(132mg)を得た。ESI−MS m/z:374.2[M+H]
+。
【0513】
tert−ブチル4−(7−クロロ−6−(2−クロロフェニル)キノリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート
tert−ブチル4−(7−クロロ−6−ヨードキノリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート(130mg,0.28mmol)を、1,4−ジオキサン(20mL)および水(4mL)中で(2−クロロフェニル)ボロン酸 (109mg,0.33mmol)、Pd(PPh
3)
4(32mg,0.028mmol)およびNa
2CO
3 (88mg,0.83mmol)と混合した。その混合物をアルゴン下、70℃で4時間撹拌した。その混合物をRTに冷却し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(30〜40%酢酸エチル/石油エーテル)によって精製して、所望の生成物を得た(100mg)。ESI−MS m/z:458.3[M+H]
+.
【0514】
1−(4−(7−クロロ−6−(2−クロロフェニル)キノリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
tert−ブチル4−(7−クロロ−6−(2−クロロフェニル)キノリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート(100mg、0.22mmol)を、20%MeOH−HCl溶液(20mL)に溶解した。混合物を、RTで1時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮して、黄色固体の塩(124mg)を得た。黄色塩(124mg、0.32mmol)を、Et
3N(191mg、1.89mmol)の存在下で30mLのDCMに溶解した。混合物を0℃に冷却し、次いで、塩化アクリロイル(32mg、0.35mmol)を含むDCM(2mL)溶液を滴下した。混合物を0℃で30分間撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(50−100%酢酸エチル/石油エーテル)によって精製して、所望の生成物(35mg)を得た。
【化146】
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【0515】
実施例16
4−(4−アクリロイルピペラジン−1−イル)−7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キノリン−3−カルボニトリル(I−42)の合成
【化147】
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化合物I−42を下記に記載されるような方法Gにしたがって調製した:
【0516】
3−クロロ−4−(4−クロロフェニル)ベンゼンアミン
3−クロロ−4−ヨードベンゼンアミン(500mg、1.97mmol)、4−クロロフェニルボロン酸(324mg、2.07mmol)、Na
2CO
3(627mg、5.92mmol)、およびPd(PPh
3)
4(228mg、0.20mmol)を含む1,4−ジオキサン(21mL)およびH
2O(4mL)の混合物を、アルゴン下にて80℃で16時間撹拌した。混合物をRTに冷却し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油エーテル=5/1)によって精製して、所望の生成物(424mg、収率91%)を黄色固体として得た。
【0517】
(E)−エチル3−(3−クロロ−4−(4−クロロフェニル)−フェニルアミノ)−2−シアノアクリラート
3−クロロ−4−(4−クロロフェニル)ベンゼンアミン(250mg、1.05mmol)および(E)−エチル2−シアノ−3−エトキシアクリラート(186mg、1.10mmol)の混合物を、100℃で2時間撹拌し、次いで、130℃で4時間撹拌した。混合物をRTに冷却し、真空中で濃縮した。残渣を酢酸エチルでトリチュレートして、所望の生成物(219mg、収率55%)を白色固体として得た。ESI−MS m/z:359.1[M−H]
−。
【0518】
7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシキノリン−3−カルボニトリル
(E)−エチル−3−(3−クロロ−4−(4−クロロフェニル)−フェニルアミノ)−2−シアノアクリラート(219mg、0.608mmol)を含むPh
2O(8mL)の混合物を、253℃で4時間撹拌した。混合物をRTに冷却し、石油エーテル(20mL)に注いだ。沈殿物を濾過によって回収し、石油エーテル(50mL×2)で洗浄して、所望の生成物(65mg、収率34%)を褐色固体として得た。
【0519】
4−(4−アクリロイルピペラジン−1−イル)−7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キノリン−3−カルボニトリル
表題化合物を、実施例2に記載の手順にしたがって4工程で7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キノリン−4−オールから調製した。
【化148】
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【0520】
実施例17
1−(4−(5−(4−クロロフェニル)チエノ[2,3−D]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(I−22)の合成
【化149】
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化合物I−22を下記に記載されるような方法Hにしたがって調製した:
【0521】
tert−ブチル4−(5−(4−クロロフェニル)チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート
4−クロロ−5−(4−クロロフェニル)チエノ[2,3−d]ピリミジン(180mg、0.64mmol)、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシラート(119mg、0.64mmol)、およびジイソプロピルアミンを含むTHF(6mL)溶液をRTで一晩撹拌した。混合物を、DCMと水との間で分配した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、所望の生成物を得た。これをさらに精製せず次の工程で直接使用した。
【0522】
5−(4−クロロフェニル)−4−(ピペラジン−1−イル)チエノ[2,3−d]ピリミジンヒドロクロリド
前の工程で得たtert−ブチル4−(5−(4−クロロフェニル)チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラートを含む1,4−ジオキサン(10mL)およびMeOH(5mL)の懸濁液に、HClを含む1,4−ジオキサン(4M、1.0mL)溶液を添加した。混合物をRTで一晩撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、残渣をさらに精製せずに次の工程で直接使用した。
【0523】
1−(4−(5−(4−クロロフェニル)チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
0℃の上で得た5−(4−クロロフェニル)−4−(ピペラジン−1−イル)チエノ[2,3−d]ピリミジンヒドロクロリドを含むDCM(10mL)溶液に、Et
3N(0.2mL)を添加後、塩化アクリロイルを添加した。得られた混合物をRTに加温し、1時間撹拌した。混合物を、DCMと水との間で分配した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、Isolera One(シリカカートリッジ、0−60%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、所望の生成物(27.5mg)を得た。
【化150】
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【0524】
実施例18
1−(4−(8−(2−クロロフェニル)キナゾリン−2−イル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(I−35)の合成
【化151】
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化合物I−35を下記に記載されるような方法Iにしたがって調製した:
【0525】
tert−ブチル4−(8−ブロモキナゾリン−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート
表題化合物を、実施例8の工程1に記載の手順にしたがって8−ブロモ−2−クロロキナゾリンから調製した。
【0526】
tert−ブチル4−(8−(2−クロロフェニル)キナゾリン−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート
tert−ブチル4−(8−ブロモキナゾリン−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート(250mg、0.64mmol)、2−クロロフェニルボロン酸(chlorophenylbronic acid)(110mg、1.1mmol)、およびPd(dppf)Cl
2.CH
2Cl
2(50mg)の混合物を含む1,4−ジオキサン(6mL)および飽和NaHCO
3溶液(3mL)の混合物を、100℃で1時間撹拌した。混合物をRTに冷却し、水と酢酸エチルとの間で分配した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、Isolera One(シリカカートリッジ、0−60%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、所望の生成物を得た。
【0527】
1−(4−(8−(2−クロロフェニル)キナゾリン−2−イル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
表題化合物を、実施例8の工程2および3に記載の手順にしたがってtert−ブチル4−(8−(2−クロロフェニル)キナゾリン−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシラートから調製した。
【化152】
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【0528】
実施例19
1−(4−(5−(2−クロロフェニル)−7H−ピロロ[2,3−D]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(I−28)の合成
【化153】
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化合物I−28を下記に記載されるような方法Jにしたがって調製した:
【0529】
4−クロロ−7H−ピロロ[2,3]ピリミジン
1H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4(7H)−オン(2.5g.18.6mmol)を含む46mLのPOCl
3の混合物を、5時間撹拌しながら還流した。混合物をRTに冷却し、次いで、真空中で濃縮して過剰量のPOCl
3を除去した。氷を残渣に添加し、混合物をRTで10分間撹拌した。水層をジエチルエーテルで抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、所望の生成物(1.5g、収率54%)をオフホワイト色の固体として得た。
【0530】
4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3]ピリミジン
4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(1.8g 11.9mmol)およびN−ヨードスクシンアミド(3g、13.1mmol)を、丸底フラスコ中で混合した。フラスコを高真空下で5時間乾燥させ、次いで、アルゴンを充填した。この混合物に、乾燥DMF(100mL)を添加し、得られた混合物を暗所で20時間撹拌した。メタノールで反応停止させ、真空中で濃縮した。残渣を150mLのDCMで希釈し、水(200mL)、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(200mL)、およびブライン(100mL)で洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(50%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、所望の生成物(3.1g、収率95%)を白色固体として得た。ESI−MS m/z:279.5[M+H]
+。
【0531】
4−クロロ−5−ヨード−7ベンゼンスルホニル−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
0℃の4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3]ピリミジン(280mg、1mmol)を含むDMF(5mL)溶液に、NaH(60%、52mg、1.3mmol)を添加し、得られた混合物を0℃で30分間撹拌した。この混合物に、ベンゼンスルホニルクロリド(194mg、1.1mmol)を添加した。次いで、混合物をRTで2時間撹拌した。混合物を酢酸エチルと水との間で分配した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィによって精製して、所望の生成物(300mg、収率71.6%)を得た。
【0532】
4−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
4−クロロ−5−ヨード−7ベンゼンスルホニル−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(300mg、0.71mmol)および2−クロロフェニルボロン酸(167mg、1.07mmol)を含む1,4−ジオキサン(15mL)および水(3mL)の溶液に、Pd(PPh
3)
4(60mg)およびNa
2CO
3(227mg、2.14mmol)を添加した。混合物を80℃で一晩撹拌した。混合物をRTに冷却し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィによって精製して、所望の生成物(120mg、収率63%)を得た。ESI−MS m/z:262.2[M−H]
−。
【0533】
tert−ブチル−4−(5−(2−クロロフェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート
4−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(120mg、0.45mmol)およびtert−ブチルピペラジン−1−カルボキシラート(254mg、1.36mmol)を含む1,4−ジオキサン(15mL)の溶液に、DIEA(293mg、2.27mmol)を添加した。混合物を100℃で一晩撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィによって精製して、所望の生成物(120mg、収率64%)を得た。
【0534】
1−(4−(5−(2−クロロフェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
表題化合物を、実施例2に記載の手順にしたがって2工程でtert−ブチル−4−(5−(2−クロロフェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラートから調製した。
【化154】
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【0535】
実施例20
1−(4−(2−アミノ−7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(I−39)および1−(4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)−2−メトキシキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(I−43)の合成
【化155】
[この文献は図面を表示できません]
化合物I−39およびI−43を下記に記載されるような方法Fにしたがって調製した:
【0536】
6−ブロモ−7−クロロキナゾリン−2,4−ジオール
メチル2−アミノ−5−ブロモ−4−クロロベンゾアート(3.0g、11.34mmol)および尿素(1.36g、22.68mmol、2当量)の混合物を200℃で3時間撹拌した。混合物をRTに冷却し、酢酸エチルでトリチュレートし、乾燥させて、所望の生成物(2.39g)を褐色固体として得た。
【0537】
6−ブロモ−2,4,7−トリクロロキナゾリン
6−ブロモ−7−クロロキナゾリン−2,4−ジオール(1.1g、6.79mmol)を含む30mLのPOCl
3の混合物を、撹拌しながら2日間還流した。混合物をRTに冷却し、真空中で濃縮してPOCl
3を除去した。残渣を、0℃のEt
3N(13.7g、20当量)を含む30mLのDCM溶液に注いだ。混合物を酢酸エチルとブラインとの間で分配した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィ(5−10%酢酸エチル/石油エーテル)によって精製して、所望の生成物(474mg)を黄色固体として得た。
【0538】
tert−ブチル−4−(6−ブロモ−2,7−ジクロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート
RTのtert−ブチルピペラジン−1−カルボキシラート(123mg、0.66mmol)を含むDMF(10mL)溶液に、DIEA(94mg、0.72mmol)を添加後、6−ブロモ−2,4,7−トリクロロキナゾリン(206mg、0.66mmol)を添加した。得られた混合物を50℃で40分間撹拌した。混合物をRTに冷却し、水と酢酸エチルとの間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(5%酢酸エチル/石油エーテル)によって精製して、所望の生成物(222mg)を黄色固体として得た。ESI−MS m/z:463.2[M+H]
+。
【0539】
tert−ブチル4−(6−ブロモ−7−クロロ−2−メトキシキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート
NaOMe(26mg、0.476mmol)のMeOH(20mL)溶液に、tert−ブチル−4−(6−ブロモ−2,7−ジクロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート(110mg、0.238mmol)を添加した。混合物を、アルゴン下にて60℃で40分間撹拌した。混合物を水(1.0mL)で反応停止させ、次いで、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(10−20%酢酸エチル/石油エーテル)によって精製して、所望の生成物(55mg)を黄色固体として得た。ESI−MS m/z:459.2[M+H]
+。
【0540】
tert−ブチル−4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)−2−メトキシキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート
tert−ブチル4−(6−ブロモ−7−クロロ−2−メトキシキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート(85mg、0.19mmol)、(4−クロロフェニル)ボロン酸(35mg、0.22mmol)、Pd(PPh
3)
4(22mg、0.019mmol)、Na
2CO
3(60mg、0.56mmol)を含むジオキサン(20mL)および水(2mL)の混合物を、アルゴン下にて80℃で16時間撹拌した。混合物をRTに冷却し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(10−20%酢酸エチル/石油エーテル)による精製後、分取TLCによって精製して、所望の生成物(100mg)を白色固体として得た。ESI−MS m/z:489.4[M+H]
+。
【0541】
1−(4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)−2−メトキシキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
tert−ブチル−4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)−2−メトキシキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート(100mg、0.20mmol)を、20mLの20%HClメタノール溶液に溶解した。混合物をRTで1時間撹拌し、次いで、真空中で濃縮して黄色固体の塩(90mg)を得た。
【0542】
上記黄色固体(90mg、0.21mmol)を、Et
3N(129mg、1.27mmol)と共に30mLのDCMに溶解した。混合物を0℃に冷却し、次いで、塩化アクリロイル(23mg、0.25mmol)を含むDCM(2mL)溶液に滴下した。得られた混合物を0℃で30分間撹拌した。混合物をH
2O(100mL)、飽和NaHCO
3(50mL)、およびブライン(50mL)に注ぎ、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣を分取TLCによる精製後に分取HPLCによって精製して、所望の生成物(8mg)を白色固体として得た。ESI−MS m/z:443.2[M+H]
+。
【0543】
tert−ブチル−4−(2−アミノ−6−ブロモ−7−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート
封管中のtert−ブチル4−(6−ブロモ−2,7−ジクロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラートを含む飽和NH
3−EtOH(4mL)の混合物を、100℃で16時間撹拌した。混合物をRTに冷却し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(20−30%酢酸エチル/石油エーテル)によって精製して、所望の生成物(70mg)を白色固体として得た。
【0544】
tert−ブチル−4−(2−アミノ−7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート
tert−ブチル−4−(2−アミノ−6−ブロモ−7−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート(70mg、0.16mmol)、(4−クロロフェニル)ボロン酸(29mg、0.19mmol)、Pd(PPh
3)
4(18mg、0.019mmol)、およびNa
2CO
3(50mg、0.48mmol)を含むジオキサン(20mL)および水(2mL)の混合物を、アルゴン下にて80℃で16時間撹拌した。混合物をRTに冷却し、次いで、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(10−20%酢酸エチル/石油エーテル)による精製後に分取TLCによって精製して、所望の生成物(70mg)を赤色固体として得た。ESI−MS m/z:474.5[M+H]
+。
【0545】
1−(4−(2−アミノ−7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
tert−ブチル−4−(2−アミノ−7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート(70mg、0.15mmol)を、20%HClメタノール溶液(20mL)に溶解し、得られた混合物をRTで1時間撹拌した。混合物を濃縮して、所望の生成物(70mg)を黄色固体の塩として得た。
【0546】
0℃の上記で得た黄色固体(70mg、0.21mmol)、アクリル酸(18mg、0.25mmol)、EDCI(73mg、0.381mmol)、およびHOBT(52mg、0.381mmol)を含む10mLのDMFの混合物に、Et
3N(120mg、1.2mmol)を含むDCM(2mL)溶液を滴下した。得られた混合物を、0℃で30分間およびRTで1.5時間撹拌した。混合物を、水(100mL)、飽和NaHCO
3(50mL)、およびブライン(50mL)に注ぎ、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィによって精製して、所望の生成物(5mg)を灰色固体として得た。ESI−MS m/z:428.3[M+H]
+。
【0547】
実施例21
1−(4−(7−クロロ−6−(2−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(I−36)の合成
【化156】
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化合物I−36を下記に記載されるような方法Kにしたがって調製した:
【0548】
1−tert−ブチル4−メチル4−(6−ブロモ−7−クロロキナゾリン−4−イル)ピペリジン−1,4−ジカルボキシラート
0℃で窒素下のtert−ブチルメチルピペリジン−1,4−ジカルボキシラート(3.3g、13.5mmol)を含む無水THF(30mL)の攪拌溶液に、LiHMDS(15mL、15mmol)を添加し、得られた混合物を、0℃で1時間撹拌した。この混合物に、6−ブロモ−4,7−ジクロロキナゾリン(748mg、2.7mmol)を含むTHF(5mL)溶液を添加し、得られた混合物を室温で4時間撹拌した。混合物を氷水で反応停止させ、水と酢酸エチルとの間で分配した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(1−10%酢酸エチル/石油エーテル)によって精製して、所望の生成物(580mg、収率37%)を白色固体として得た。
【0549】
tert−ブチル4−(6−ブロモ−7−クロロキナゾリン−4−イル)ピペリジン−1−カルボキシラート
1−tert−ブチル4−メチル4−(6−ブロモ−7−クロロキナゾリン−4−イル)ピペリジン−1,4−ジカルボキシラート(483mg、1.2mmol)を含むDMSO(10mL)溶液に、LiCl(103mg、2.4mmol)および水(65mg、3.6mmol)を添加し、得られた(rusting)混合物を、110℃で16時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、水と酢酸エチルとの間で分配した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(1−20%酢酸エチル/石油エーテル)によって精製して、所望の生成物(170mg、収率33%)を白色固体として得た。
【0550】
tert−ブチル4−(7−クロロ−6−(2−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペリジン−1−カルボキシラート
アルゴン下のtert−ブチル4−(6−ブロモ−7−クロロキナゾリン−4−イル)ピペリジン−1−カルボキシラート(230mg、0.59mmol)、2−クロロフェニルボロン酸(138mg、0.88mmol)、Pd(PPh
3)
4(69mg、0.06mmol)、およびNa
2CO
3(188mg、106mmol)を含む1,4−ジオキサン(10mL)の混合物を、100℃で16時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、水と酢酸エチルとの間で分配した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(1−20%酢酸エチル/石油エーテル)によって精製して、所望の生成物(160mg、収率65%)を白色固体として得た。
【0551】
1−(4−(7−クロロ−6−(2−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(I−36)
表題化合物を、実施例2の工程5および6に記載の手順にしたがってtert−ブチル4−(7−クロロ−6−(2−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペリジン−1−カルボキシラートから調製した。
【化157】
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【0552】
実施例22
7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)−4−(4−(ビニルスルホニル)ピペラジン−1−イル)キナゾリン(I−45)の合成
【化158】
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化合物I−45を下記に記載されるような方法Aの一般的な手順にしたがって調製した:
【0553】
tert−ブチル4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート
表題化合物を、実施例3の工程4に記載の手順にしたがってtert−ブチル4−(6−ブロモ−7−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラートおよび4−クロロフェニルボロン酸から調製した。
【0554】
tert−ブチル4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート
tert−ブチル4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート(500mg、1.09mmol)を含むHCl/MeOH(10mL、28.6mmol)の溶液を、室温で30分間撹拌した。混合物を真空中で濃縮して粗生成物を得た。
【0555】
7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)−4−(4−(ビニルスルホニル)ピペラジン−1−イル)キナゾリン
上記で得た粗生成物を、DCM(15mL)を用いて溶解し、0℃に冷却した。この混合物に、2−クロロエタンスルホニルクロリド(213.2mg、1.31mmol)およびEt
3N(1.5mL、10.9mmol)を添加し、得られた混合物を0℃で10分間撹拌した。混合物を氷水で反応停止させ、水と酢酸エチルとの間で分配した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、分取HPLCによって精製して、所望の生成物(3mg、収率0.6%)を得た。
【化159】
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【0556】
実施例23
1−(4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)−2−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(I−46)の合成
【化160】
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化合物I−46を下記に記載されるような方法Aの一般的な手順にしたがって調製した:
【0557】
4,7−ジクロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン
表題化合物を、実施例2の工程1、2、および3に記載の手順にしたがって2−アミノ−5−ブロモ−4−クロロベンゾアートから調製した。
【0558】
tert−ブチル4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)−2−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−カルボキシラート
上記で得た粗4,7−ジクロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン(200mg、0.464mmol)を、室温のtert−ブチル2−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−カルボキシラート(210mg、0.968mmol)およびDIEA(418mg、3.24mmol)を含む1,4−ジオキサン(20mL)の混合物に添加し、得られた混合物を、80℃で3時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、次いで、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(DCM/MeOH=30:1)によって精製して、所望の生成物(110mg、収率35%)を淡黄色オイルとして得た。ESI−MS m/z:498.9[M+H]
+。
【0559】
(4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−イル)メタノールヒドロクロリド
4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)−2−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−カルボキシラート(110mg、0.225mmol)およびHClを含むMeOH(10mL、28.6mmol)の混合物を、室温で1時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮して粗生成物(106mg)を黄色固体として得た。これをさらに精製せずに次の工程で直接使用した。
【0560】
1−(4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)−2−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
室温の上記で得た黄色固体(106mg、0.225mmol)を含むDMF(5mL)の攪拌溶液に、アクリル酸(19mg、0.27mmol)、BOP(149mg、0.338mmol)、およびDIEA(203mg、1.58mmol)を添加し、得られた混合物を室温で30分間撹拌した。混合物を飽和NaHCO
3水溶液(50mL)に注ぎ、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(DCM/MeOH=20:1)によって精製して、所望の生成物(20mg、収率20%、2工程)を固体として得た。
【化161】
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【0561】
実施例24
1−アクリロイル−4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−カルボニトリル(I−47)の合成
【化162】
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化合物I−47を下記に記載されるような方法Aの一般的な手順にしたがって調製した:
【0562】
4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−カルボキサミド
粗4,7−ジクロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン(310mg,1mmol)を、室温のピペラジン−2−カルボキサミド(249mg、1.5mmol)およびDIEA(645mg、5mmol)を含む1,4−ジオキサン(20mL)の混合物に添加し、得られた混合物を、80℃で2時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、次いで、真空中で濃縮した。残渣をさらに精製せずに次の工程で使用した。ESI−MS m/z:402.3[M+H]
+。
【0563】
tert−ブチル2−カルバモイル−4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート
室温の上記で得た粗生成物4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−カルボキサミドを含むDCM(20mL)の溶液に、Et
3N(152mg、1.5mmol)およびジ−tert−ブチルジカルボナート(262mg、1.2mmol)を添加した。混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(DCM/MeOH=30:1)によって精製して、所望の生成物(60mg、収率12%)を固体として得た。ESI−MS m/z:502.4[M+H]
+。
【0564】
tert−ブチル4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)−2−シアノピペラジン−1−カルボキシラート
0℃のtert−ブチル2−カルバモイル−4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート(60mg、0.12mmol)およびEt
3N(48mg、0.48mmol)を含むDCM(20mL)の溶液にTFAA(50mg、0.24mmol)を添加し、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO
3溶液で反応停止させ、次いで、DCMで抽出した。有機層を飽和NaHCO
3溶液およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(DCM/MeOH=50:1)によって精製して、所望の生成物(50mg、収率86%)を固体として得た。ESI−MS m/z:484.4[M+H]
+。
【0565】
1−アクリロイル−4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−カルボニトリル
表題化合物を、実施例2の工程5および6に記載の手順にしたがってtert−ブチル4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)−2−シアノピペラジン−1−カルボキシラートから調製した。
【化163】
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【0566】
実施例25
1−(4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)−2−メチルキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(I−50)の合成
【化164】
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化合物I−50を下記に記載されるような方法Mの一般的な手順にしたがって調製した:
【0567】
6−ブロモ−7−クロロ−2−メチルキナゾリン−4−オール
RTのメチル2−アミノ−5−ブロモ−4−クロロベンゾアート(1.0g、3.781mmol)を含むMeCN(35mL)溶液に、乾燥塩化水素を20分間連続して添加した。得られた混合物を、2時間撹拌しながら還流した。混合物をRTに冷却し、飽和NaHCO
3溶液に注いだ。白色固体を濾過し、濾液を酢酸エチルで抽出した。濾過ケーキおよび有機層を合わせ、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮して、粗生成物(1.62g)を白色固体として得た。ESI−MS m/z:273.3[M+H]
+。
【0568】
6−ブロモ−4,7−ジクロロ−2−メチルキナゾリン
6−ブロモ−7−クロロ−2−メチルキナゾリン−4−オール(500mg、1.828mmol)を含む30mLのSOCl
2の混合物を、16時間撹拌しながら還流した。混合物をRTに冷却し、真空中で濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィ(5−10%酢酸エチル/石油エーテル)によって精製して、所望の生成物(180mg、収率34%)を黄色固体として得た。
【0569】
tert−ブチル4−(6−ブロモ−7−クロロ−2−メチルキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート
RTのtert−ブチルピペラジン−1−カルボキシラート(76mg、0.410mmol)を含むi−PrOH(10mL)溶液に、6−ブロモ−4,7−ジクロロ−2−メチルキナゾリン(60mg、0.205mmol)を添加した。得られた混合物を、撹拌しながら40分間還流した。混合物をRTに冷却し、水と酢酸エチルとの間で分配した。有機層を飽和NaHCO
3およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(5%酢酸エチル/石油エーテル)によって精製して、所望の生成物(53mg、収率59%)を黄色固体として得た。
【0570】
1−(4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)−2−メチルキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
表題化合物を、実施例3に記載の手順にしたがって3工程でtert−ブチル4−(6−ブロモ−7−クロロ−2−メチルキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラートから調製した。
【化165】
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【0571】
実施例26
1−アクリロイル−4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)−2−メチルキナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−カルボニトリル(I−56)の合成
【化166】
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化合物I−56を下記に記載されるような方法Mの一般的な手順にしたがって調製した:
【0572】
1−tert−ブチル2−メチル4−(6−ブロモ−7−クロロ−2−メチルキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1,2−ジカルボキシラート
6−ブロモ−4,7−ジクロロ−2−メチルキナゾリン(435mg、1.49mmol)および1−tert−ブチル2−メチルピペラジン−1,2−ジカルボキシラート(437mg、1.79mmol)を含む1,4−ジオキサン(30mL)溶液に、DIEA(769mg、5.96mmol)を添加した。混合物を80℃で1.5時間撹拌した。混合物をRTに冷却し、水と酢酸エチルとの間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(5−50%酢酸エチル/石油エーテル)によって精製して、所望の生成物(224mg、収率30%)を黄色固体として得た。
【0573】
4−(6−ブロモ−7−クロロ−2−メチルキナゾリン−4−イル)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−2−カルボン酸
1−tert−ブチル2−メチル4−(6−ブロモ−7−クロロ−2−メチルキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1,2−ジカルボキシラート(224mg、0.448mmol)を含むTHF(15mL)およびH
2O(5mL)の溶液に、LiOH.H
2O(114mg、2.690mmol)を添加し、得られた混合物をRTで1時間撹拌した。混合物をH
2Oで希釈し、HClで酸性化してpH4に調整し、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮して、所望の生成物(211mg、収率97%)を黄色固体として得た。
【0574】
tert−ブチル4−(6−ブロモ−7−クロロ−2−メチルキナゾリン−4−イル)−2−カルバモイルピペラジン−1−カルボキシラート
−5℃の4−(6−ブロモ−7−クロロ−2−メチルキナゾリン−4−イル)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−2−カルボン酸(221mg、0.435mmol)およびEt
3N(176mg、1.738mmol)を含むTHF(35mL)溶液に、クロロギ酸エチル(51mg、0.465mmol)を添加した。混合物を−5℃で40分間撹拌し、NH
3.H
2O(30%、507mg、4.346mmol)を添加した。得られた混合物を0℃で5分間撹拌し続けた。混合物を水と酢酸エチルとの間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(3%メタノール/ジクロロメタン)によって精製して、所望の生成物(179mg、収率85%)を黄色固体として得た。ESI−MS m/z:484.3[M+H]
+。
【0575】
tert−ブチル2−カルバモイル−4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)−2−メチルキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート
tert−ブチル4−(6−ブロモ−7−クロロ−2−メチルキナゾリン−4−イル)−2−カルバモイルピペラジン−1−カルボキシラート(179mg、0.371mmol)、(4−クロロフェニル)ボロン酸(67mg、0.426mmol)、Pd(PPh
3)
4(51mg、0.0445mmol)、およびNa
2CO
3(118mg、1.113mmol)を含む1,4−ジオキサン(25mL)の混合物を、アルゴン下にて85℃で16時間撹拌した。混合物をRTに冷却し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(3%メタノール/ジクロロメタン)によって精製して、所望の生成物(181mg、収率95%)を褐色固体として得た。ESI−MS m/z:517.4[M+H]
+。
【0576】
tert−ブチル4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)−2−メチルキナゾリン−4−イル)−2−シアノピペラジン−1−カルボキシラート
0℃のtert−ブチル2−カルバモイル−4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)−2−メチルキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート(100mg、0.194mmol)およびEt
3N(78mg、0.775mmol)を含むDCM(30mL)溶液に、TFAA(162mg、0.776mmol)を添加し、得られた混合物をRTで1時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO
3溶液で反応停止させ、次いで、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和NaHCO
3溶液およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=2:1)によって精製して、所望の生成物(58mg、収率60%)を黄色固体として得た。ESI−MS m/z:499.4[M+H]
+。
【0577】
1−アクリロイル−4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)−2−メチルキナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−カルボニトリル
tert−ブチル4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)−2−メチルキナゾリン−4−イル)−2−シアノピペラジン−1−カルボキシラート(100mg、0.194mmol)を、20mLの20%HCl/Et
2O溶液に溶解した。混合物をRTで30分間撹拌し、次いで、真空中で濃縮して固体の塩(44mg、収率87%)を得た。上記の固体(44mg、0.101mmol)をEt
3N(51mg、0.505mmol)と共に25mLのDCMに溶解した。混合物を0℃に冷却し、次いで、塩化アクリロイル(10mg、0.111mmol)を含むジクロロメタン(2mL)溶液を添加した。得られた混合物を0℃で40分間撹拌した。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和NaHCO
3およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣を、シリカクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=2:1)で精製して、所望の生成物(24mg、収率52%)を白色固体として得た。
【化167】
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【0578】
実施例27
1−(4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)−2−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(I−62)の合成
【化168】
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化合物I−62を下記に記載されるような方法Aの一般的な手順にしたがって調製した:
【0579】
メチル2−(3−オキソピペラジン−2−イル)アセタート
RTのマレイン酸ジメチル(4.0g、27.78mmol)を含むプロパン−2−オール(40mL)溶液に、エタン−1,2−ジアミン(1.167g、27.78mmol)を添加した。得られた混合物を55℃で16時間撹拌し、真空中で濃縮した。残渣を、酢酸エチル/石油エーテル=1:1の混合物によって洗浄して、所望の生成物(2.8g、収率59%)を白色固体として得た。
【0580】
2−(ピペラジン−2−イル)エタノール
0℃のメチル2−(3−オキソピペラジン−2−イル)アセタート(1.82g、10.58mmol)を含むTHF(150mL)溶液に、LiAlH
4(2.01g、52.9mmol)を添加した。得られた混合物を、16時間撹拌しながら還流した。次いで、混合物をRTに冷却した。これを10H
2O.Na
2SO
4で反応停止させて濾過し、酢酸エチルで洗浄した。濾液(filtrated)をNa
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮して所望の生成物(674mg、収率49%)を黄色オイルとして得た。
【0581】
2−(4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−イル)エタノール
4,7−ジクロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン(150mg、0.48mmol)、2−(ピペラジン−2−イル)エタノール(187mg、1.44mmol)、Et
3N(0.33mL、2.4mmol)を含む1,4−ジオキサン(5mL)の混合物を80℃で30分間撹拌した。混合物をRTに冷却し、飽和NaHCO
3溶液で反応停止させ、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(メタノール/ジクロロエタン=1:30)によって精製して、所望の生成物(121mg、収率63%)を無色オイルとして得た。ESI−MS m/z:403.3[M+H]
+。
【0582】
1−(4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)−2−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
−30℃の2−(4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−イル)エタノール(123mg、0.305mmol)、アクリル酸(24mg、0.336mmol)、BOP(270mg、0.61mmol)を含むDMF(5mL)溶液に、DIEA(157mg、1.22mmol)を添加した。得られた混合物を、1時間にわたって0℃に加温し、飽和NaHCO
3溶液で反応停止させ、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和NaHCO
3溶液およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を、分取HPLCによって精製して、所望の生成物(16mg、収率12%)を淡黄色オイルとして得た。
【化169】
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【0583】
実施例28
2−(1−アクリロイル−4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−イル)アセトニトリル(I−70)の合成
【化170】
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化合物I−70を下記に記載されるような方法Aの一般的な手順にしたがって調製した:
【0584】
ジベンジル2−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1,4−ジカルボキシラート
0℃の2−(ピペラジン−2−イル)エタノール(2.0g、15.4mmol)を含むTHF(48mL)、H
2O(32mL)、および飽和NaHCO
3(32mL)の溶液に、Cbz−Cl(5.5g、32.3mmol)を滴下した。混合物を、0℃で2時間およびRTで16時間撹拌した。混合物をブラインで希釈し、ジクロロメタンで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(25%−50%酢酸エチル/石油エーテル)によって精製して、所望の生成物(1.454g、収率23%)を無色オイルとして得た。ESI−MS m/z:399.4[M+H]
+。
【0585】
2−(1,4−ビス((ベンジルオキシ)カルボニル)ピペラジン−2−イル)酢酸
ジベンジル2−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1,4−ジカルボキシラート(515mg、1.294mmol)を含むアセトン(30mL)溶液に、ジョーンズ試薬(1.48mL、3.88mmol、2.6M)を0℃で滴下し、RTで1時間撹拌した。混合物をi−PrOH(2mL)で反応停止させ、セライトでろ過した。濾液を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮して、粗生成物(545mg)を無色オイルとして得た。ESI−MS m/z:413.2[M+H]
+。
【0586】
ジベンジル2−(2−アミノ−2−オキソエチル)ピペラジン−1,4−ジカルボキシラート
2−(1,4−ビス((ベンジルオキシ)カルボニル)ピペラジン−2−イル)酢酸(545mg、1.323mmol)およびEt
3N(535mg、5.292mmol)を含むTHF(20mL)溶液に、クロロギ酸エチル(154mg、1.415mmol)を−10℃で添加し、この温度で40分間撹拌した。次いで、混合物にNH
3.H
2O(1.984g、15.87mmol)を−10℃で添加し、−10℃で20分間撹拌した。混合物を水と酢酸エチルとの間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(2%メタノール/ジクロロメタン)によって精製して、所望の生成物(393mg、収率72%)を無色オイルとして得た。ESI−MS m/z:412.3[M+H]
+。
【0587】
2−(ピペラジン−2−イル)アセトアミド
ジベンジル2−(2−アミノ−2−オキソエチル)ピペラジン−1,4−ジカルボキシラート(385mg、0.937mmol)、Pd/C(10%、40mg)、およびMeOH(30mL)の混合物を、H
2下(1atm)にて40℃で2.5h時間撹拌した。混合物をセライトで濾過し、濃縮して粗生成物(188mg)を無色オイルとして得た。
【0588】
2−(4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−イル)アセトアミド
4,7−ジクロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン(313mg、1.315mmol)、2−(ピペラジン−2−イル)アセトアミド(188mg、1.315mmol)、DIEA(848mg、6.575mmol)、および1,4−ジオキサン(30mL)の混合物を、100℃で5時間撹拌した。混合物をRTに冷却し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(5−20%メタノール/ジクロロメタン)によって精製して、所望の生成物(78mg、収率14%)を褐色固体として得た。ESI−MS m/z:417.3[M+H]
+。
【0589】
2−(1−アクリロイル−4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−イル)アセトアミド
0℃の2−(4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−イル)アセトアミド(78mg、0.1875mmol)、Et
3N(76mg、0.750mmol)、およびジクロロメタン(30mL)の混合物に、塩化アクリロイル(21mg、0.225mmol)を含むジクロロメタン(2mL)の溶液を滴下した。得られた混合物を0℃で40分間撹拌した。混合物を飽和NaHCO
3で反応停止させ、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィ(2.5−4%メタノールのジクロロメタン溶液)で精製して、所望の生成物(32mg、収率36%)を白色固体として得た。
【化171】
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【0590】
2−(1−アクリロイル−4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−イル)アセトニトリル
0℃の2−(1−アクリロイル−4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−イル)アセトアミド(25mg、0.0533mmol)およびEt
3N(27mg、0.267mmol)を含むDCM(10mL)溶液に、TFAA(46mg、0.214mmol)を添加し、得られた混合物をRTで20分間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO
3溶液で反応停止させ、次いで、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和NaHCO
3溶液およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(2.5%メタノールのジクロロメタン溶液)によって精製して、所望の生成物(21mg、収率87%)を白色固体として得た。
【化172】
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【0591】
実施例29
4−(4−アクリロイル−3−シアノピペラジン−1−イル)−7−クロロキナゾリン−6−カルボニトリル(53)の合成
【化173】
[この文献は図面を表示できません]
化合物I−53を下記に記載されるような方法Bの一般的な手順にしたがって調製した:
【0592】
1−tert−ブチル2−メチル4−(6−ブロモ−7−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1,2−ジカルボキシラート
6−ブロモ−4,7−ジクロロキナゾリン(300mg、1.08mmol)、tert−ブチルメチルピペラジン−1,2−ジカルボキシラート(395mg、1.62mmol)、DIEA(836mg、6.48mmol)を含む1,4−ジオキサン(8mL)の混合物を、80℃で1時間撹拌した。混合物をRTに冷却し、飽和NaHCO
3溶液で反応停止させ、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油エーテル=1:5)によって精製して、所望の生成物(367mg、収率70%)を白色固体として得た。
【0593】
1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(6−ブロモ−7−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−カルボン酸
1−tert−ブチル2−メチル4−(6−ブロモ−7−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1,2−ジカルボキシラート(100mg、0.206mmol)を含むTHF(2mL)、MeOH(2mL)、および水(2mL)の溶液に、LiOH.H
2O(165mg、4.12mmol)を添加し、得られた混合物をRTで1時間撹拌した。混合物を20%酢酸エチル/石油エーテルで洗浄した。水層をHCl水溶液(1N)で酸性化してpH5に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、所望の生成物(65mg、収率67%)を得た。
【0594】
tert−ブチル4−(6−ブロモ−7−クロロキナゾリン−4−イル)−2−カルバモイルピペラジン−1−カルボキシラート
0℃の1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(6−ブロモ−7−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−カルボン酸(65mg、0.14mmol)、Et
3N(0.11mL、0.77mmol)を含むTHF(4mL)およびDMF(2mL)の混合物に、クロロギ酸エチル(83mg、0.77mmol)を添加した。得られた混合物を0℃で1時間撹拌し、NH
3.H
2O(1mL、15N)を添加した。次いで、混合物をRTに加温し、さらに1時間撹拌した。これを飽和NaHCO
3溶液で反応停止させ、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、粗生成物(77mg)を黄色固体として得た。ESI−MS m/z:471.4[M+H]
+。
【0595】
tert−ブチル2−カルバモイル−4−(7−クロロ−6−シアノキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート
tert−ブチル4−(6−ブロモ−7−クロロキナゾリン−4−イル)−2−カルバモイルピペラジン−1−カルボキシラート(200mg、0.43mmol)、PdCl
2(dppf)(31mg、0.043mmol)、Zn(CN)
2(80mg、0.68mmol)、およびDMF(20mL)の混合物を、5時間撹拌しながら還流した。混合物を室温に冷却し、酢酸エチルと水との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(1−2%メタノール/ジクロロメタン)によって精製して、所望の生成物(140mg、収率79%)を固体として得た。ESI−MS m/z:417.3[M+H]
+。
【0596】
4−(7−クロロ−6−シアノキナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−カルボキサミド
RTのtert−ブチル2−カルバモイル−4−(7−クロロ−6−シアノキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート(140mg、0.34mmol)を含むジクロロメタン(20mL)溶液に、TFA(2mL)を添加した。得られた混合物をRTで2時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮して、粗生成物(100mg)を得た。これをさらに精製せず次の工程で直接使用した。
【0597】
1−アクリロイル−4−(7−クロロ−6−シアノキナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−カルボキサミド
0℃の4−(7−クロロ−6−シアノキナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−カルボキサミド(100mg、0.32mmol)、Et
3N(96mg、0.96mmol)を含むジクロロメタン(10mL)の混合物に、塩化アクリロイル(35mg、0.384mmol)を添加した。得られた混合物をRTで0.5時間撹拌し、水に注ぎ、次いで、ジクロロメタンで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(1−2%メタノール/ジクロロメタン)によって精製して、所望の生成物(50mg、収率43%)を固体として得た。ESI−MS m/z:371.3[M+H]
+。
【0598】
4−(4−アクリロイル−3−シアノピペラジン−1−イル)−7−クロロキナゾリン−6−カルボニトリル
RTの1−アクリロイル−4−(7−クロロ−6−シアノキナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−カルボキサミド(50mg、0.14mmol)およびEt
3N(82mg、0.81mmol)を含むDCM(10mL)の混合物に、トリフルオロ酢酸無水物(117.6mg、0.56mmol)を添加した。得られた混合物をRTで0.5時間撹拌し、水に注ぎ、次いで、ジクロロメタンで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(1−3%メタノール/ジクロロメタン)によって精製して、所望の生成物(15mg、収率32%)を得た。
【化174】
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【0599】
実施例30
1−アクリロイル−4−(7−クロロ−6−シクロプロピルキナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−カルボニトリル(55)の合成
【化175】
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化合物I−55を下記に記載されるような方法Bの一般的な手順にしたがって調製した:
【0600】
tert−ブチル2−カルバモイル−4−(7−クロロ−6−シクロプロピルキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート
tert−ブチル4−(6−ブロモ−7−クロロキナゾリン−4−イル)−2−カルバモイルピペラジン−1−カルボキシラート(200mg、0.414mmol)、シクロプロピルボロン酸(44mg、0.51mmol)、K
3PO
4.3H
2O(270mg、1.272mmol)、Pd(OAc)
2(18mg、0.08mmol)、およびトリシクロヘキシルホスフィン(22mg、0.08mmol)を含むトルエン(10mL)および水(1mL)の混合物を、アルゴン下にて撹拌しながら16時間還流した。溶媒を除去し、残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=50:1)によって精製して、所望の生成物(100mg、収率56%)を固体として得た。ESI−MS m/z:432.4[M+H]
+。
【0601】
アクリロイル−4−(7−クロロ−6−シクロプロピルキナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−カルボキサミド
表題化合物を、実施例1に記載の手順にしたがって2工程でtert−ブチル2−カルバモイル−4−(7−クロロ−6−シクロプロピルキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラートから調製した。
【0602】
アクリロイル−4−(7−クロロ−6−シクロプロピルキナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−カルボキサミド
0℃の1−アクリロイル−4−(7−クロロ−6−シクロプロピルキナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−カルボキサミド(17mg、0.044mmol)およびEt
3N(18mg、0.176mmol)を含むDCM(5mL)溶液に、TFAA(18mg、0.088mmol)を添加し、得られた混合物をRTで1時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO
3溶液で反応停止させ、次いで、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和NaHCO
3溶液およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=50:1)によって精製して、所望の生成物(10mg、収率62%)を固体として得た。
【化176】
[この文献は図面を表示できません]
【0603】
実施例31
(S)−1−アクリロイル−4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−カルボキサミド(I−54)の合成
【化177】
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化合物I−54を下記に記載されるような方法Aの一般的な手順にしたがって調製した:
【0604】
(S)−メチルピペラジン−2−カルボキシラートヒドロクロリド
(S)−tert−ブチルメチルピペラジン−1,3−ジカルボキシラート(366mg、1.5mmol)およびHClを含むMeOH(20mL、2.9M)の混合物を、RTで1時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮して、粗生成物(270mg)を黄色固体として得た。これをさらに精製せずに次の工程で直接使用した。
【0605】
(S)−1−tert−ブチル2−メチル4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1,2−ジカルボキシラート
上記で得た粗(S)−メチルピペラジン−2−カルボキシラートヒドロクロリド、4,7−ジクロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン(310mg、1mmol)、DIEA(1.29g、10mmol)、および1,4−ジオキサン(20mL)の混合物を、80℃で1時間撹拌した。次いで、混合物をRTに冷却し、ジ−tertブチルジカルボナート(327mg、1.5mmol)を添加した。混合物を16時間撹拌し、飽和NaHCO
3溶液で反応停止させ、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(メタノール/ジクロロエタン=1:50)によって精製して、所望の生成物(300mg、収率58%、2工程)を固体オイルとして得た。ESI−MS m/z:517.5[M+H]
+。
【0606】
(S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−カルボン酸
RTの(S)−1−tert−ブチル2−メチル4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1,2−ジカルボキシラート(300mg、0.58mmol)を含むテトラヒドロフランおよび水の1:1混合物(20mL)の溶液に、LiOH.H
2O(49mg、1.16mmol)を添加し、得られた混合物を1時間撹拌し、HCl水溶液(1N)で酸性化してpH3〜5に調整した。混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して粗生成物(230mg)を得た。これをさらに精製せず次の工程で直接使用した。
【0607】
(S)−tert−ブチル2−カルバモイル−4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート
0℃の(S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−カルボン酸(230mg、0.46mmol)、Et
3N(139mg、1.37mmol)を含むTHF(5mL)の混合物に、クロロギ酸エチル(148mg、1.37mmol)を添加した。得られた混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで、水酸化アンモニウム(1mL、15N)を添加し、RTでさらに1時間撹拌し続けた。混合物を酢酸エチルで抽出し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=50:1)によって精製して、所望の生成物(150mg、収率65%)を固体として得た。ESI−MS m/z:502.4[M+H]
+。
【0608】
(S)−1−アクリロイル−4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−カルボキサミド
表題化合物を、実施例2に記載の手順にしたがって2工程で(S)−tert−ブチル2−カルバモイル−4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシラートから調製した。
【化178】
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【0609】
実施例32
(S)−1−アクリロイル−4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−カルボニトリル(I−59)の合成
【化179】
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化合物I−59を下記に記載されるような方法Aの一般的な手順にしたがって調製した:
【0610】
(S)−1−アクリロイル−4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−カルボニトリル
0℃の(S)−1−アクリロイル−4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−カルボキサミド(23mg、0.05mmol)およびEt
3N(20mg、0.2mmol)を含むDCM(5mL)溶液に、トリフルオロ酢酸無水物(21mg、0.1mmol)を添加し、得られた混合物をRTで1時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO
3溶液で反応停止させ、次いで、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和NaHCO
3溶液およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=50:1)によって精製して、所望の生成物(15mg、収率68%)を固体として得た。
【化180】
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【0611】
実施例33
(S)−1−(4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)−2−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(I−63)の合成
【化181】
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化合物I−63を下記に記載されるような方法Aの一般的な手順にしたがって調製した:
【0612】
(S)−tert−ブチル4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)−2−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−カルボキシラート
(S)−1−tert−ブチル2−メチル4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1,2−ジカルボキシラート(200mg、0.387mmol)を含むEtOH(10mL)の溶液に、CaCl
2(215mg、1.933mmol)およびNaBH
4(74mg、1.933mmol)を0℃で添加した。混合物をRTで16時間撹拌した。混合物を濾過し、エタノールによって洗浄した。混合物を真空中で濃縮し、残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=50:1)によって精製して、所望の生成物(80mg、収率42%)を固体として得た。ESI−MS m/z:489.4[M+H]
+。
【0613】
1−((S)−4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)−2−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
表題化合物を、実施例14に記載の手順にしたがって2工程で(S)−tert−ブチル4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)−2−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−カルボキシラートから調製した。
【化182】
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【0614】
実施例34
1−(4−(6−クロロ−7−フェニルキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(I−67)の合成
【化183】
[この文献は図面を表示できません]
化合物I−67を下記に記載されるような方法Bの一般的な手順にしたがって調製した:
【0615】
7−ブロモ−6−クロロキナゾリン−4−オール
RTの2−アミノ−4−ブロモ−5−クロロ安息香酸(500mg、2mmol)を含むEtOH(20mL)溶液に、酢酸ホルムアミジン(620mg、6mmol)を添加した。混合物を16時間還流した。混合物を真空中で濃縮し、残渣を飽和NaHCO
3水溶液および酢酸エチル/石油エーテルの1:2混合物によって洗浄した。固体を真空中で乾燥させて生成物(520mg、収率100%)を得た。これをさらに精製せずに次の工程で直接使用した。ESI−MS m/z:259.0[M+H]
+。
【0616】
7−ブロモ−4,6−ジクロロキナゾリン
7−ブロモ−6−クロロキナゾリン−4−オール(520mg、2mmol)を含む塩化チオニル(15mL)溶液に、1滴のDMFを添加した。混合物を16時間還流した。混合物を真空中で濃縮し、残渣をさらに精製せずに次の工程で直接使用した。
【0617】
1−(4−(6−クロロ−7−フェニルキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
表題化合物を、実施例3に記載の手順にしたがって4工程で7−ブロモ−4,6−ジクロロキナゾリンから調製した。
【化184】
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【0618】
実施例35
1−(4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)−2−((ジメチルアミノ)メチル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(I−60)の合成
【化185】
[この文献は図面を表示できません]
化合物I−60を下記に記載されるような方法Aの一般的な手順にしたがって調製した:
【0619】
ジ−tert−ブチル2−(ジメチルカルバモイル)ピペラジン−1,4−ジカルボキシラート
0℃の1,4−ビス(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−2−カルボン酸(5g、15.13mmol)、ジメチルアミンヒドロクロリド(1.3g、15.13mmol)、EDCI(4.3g、22.7mmol)、HOBt(3.1g、22.7mmol)、およびDMF(100mL)の混合物に、Et
3N(4.6g、45.39mmol)を添加した。次いで、混合物をRTに加温し、2時間撹拌し続けた。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層をNaHCO
3溶液、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣を、石油エーテルで洗浄して、所望の生成物(3.64g、収率67%)を得た。
【0620】
N,N−ジメチルピペラジン−2−カルボキサミドジヒドロクロリド
上記で得た粗ジ−tert−ブチル2−(ジメチルカルバモイル)ピペラジン−1,4−ジカルボキシラート、HClを含むMeOH(50mL、2.9M)の混合物をRTで1時間撹拌し、溶媒を蒸発させて粗生成物(2.4g)を得た。
【0621】
N,N−ジメチル−1−(ピペラジン−2−イル)メタンアミン
−40℃の上記で得た粗N,N−ジメチルピペラジン−2−カルボキサミドジヒドロクロリド(2.4g、10.43mmol)およびTHF(50mL)の混合物に、LiAlH
4(1.6g、41.73mmol)をゆっくり添加した。混合物を3時間加熱還流し、RTに冷却した。これを10H
2O.Na
2SO
4で反応停止させて濾過し、酢酸エチルで洗浄した。濾液(filtrated)をNa
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮して所望の生成物(693mg、収率47%)を得た。
【0622】
1−(4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−イル)−N,N−ジメチルメタンアミン
N,N−ジメチル−1−(ピペラジン−2−イル)メタンアミン(200mg、0.68mmol)、4,7−ジクロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン(111mg、0.77mmol)、DIEA(397mg、3.08mmol)、およびジオキサン(10mL)の混合物を80℃で30分間撹拌した。混合物をRTに冷却し、飽和NaHCO
3溶液で反応停止させ、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(メタノール/ジクロロエタン=1:20)によって精製して、所望の生成物(78mg、収率30%)を得た。ESI−MS m/z:416.3[M+H]
+。
【0623】
1−(4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)−2−((ジメチルアミノ)メチル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
0℃の1−(4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−イル)−N,N−ジメチルメタンアミン(78mg、0.19mmol)、Et
3N(58mg、0.57mmol)、およびジクロロメタン(15mL)の混合物に、塩化アクリロイル(20mg、0.22mmol)を添加した。反応物をRTで30分間撹拌し、水で反応停止させ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=30:1)によって精製して、所望の生成物(32mg、収率36%)を得た。
【化186】
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【0624】
実施例36
1−アクリロイル−4−(6−クロロイソキノリン−1−イル)ピペラジン−2−カルボニトリル(I−61)の合成
【化187】
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化合物I−61を下記に記載されるような方法Dの一般的な手順にしたがって調製した:
【0625】
6−クロロイソキノリン2−オキシド
RTの6−クロロイソキノリン(1.0g、6.1mmol)を含むジクロロメタン(20mL)の攪拌溶液に、3−クロロベンゾペルオキシ酸(1.57g、9.2mmol)を添加した。反応混合物をRTで2時間撹拌した。沈殿物を濾別し、ジクロロメタンで洗浄し、濾液をNaHCO
3溶液で2回洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮して、所望の生成物(1.05g、収率96%)を白色固体として得た。ESI−MS m/z:180.2[M+H]
+。
【0626】
1,6−ジクロロイソキノリン
6−クロロイソキノリン2−オキシド(1.0g、5.58mmol)およびPOCl
3(10mL)の混合物を、4時間加熱還流した。RTに冷却後、反応混合物を氷水に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、所望の粗生成物を得た。これをさらに精製せずに次の工程で使用した。
【0627】
4−(6−クロロイソキノリン−1−イル)ピペラジン−2−カルボキサミド
RTの1,6−ジクロロイソキノリン(500mg、2.56mmol)を含むDMSO(5mL)の攪拌溶液に、ピペラジン−2−カルボキサミド(425.6mg、2.56mmol)およびK
2CO
3(1.05g、7.68mmol)を添加した。反応混合物を80℃で5時間加熱した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、ブラインで洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油エーテル=1:5)によって精製して、所望の生成物(80mg、収率12%)を得た。ESI−MS m/z:291[M+H]
+。
【0628】
アクリロイル−4−(6−クロロイソキノリン−1−イル)ピペラジン−2−カルボキサミド
4−(6−クロロイソキノリン−1−イル)ピペラジン−2−カルボキサミド(50mg、0.172mmol)、トリエチルアミン(52.1mg、0.51mmol)を含むジクロロメタン(20mL)の混合物に、塩化アクリロイル(15.6mg、0.172mmol)を含むジクロロメタン(1mL)を滴下した。反応混合物をRTで30分間撹拌し、水に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=100:1)によって精製して、所望の生成物(45mg、収率76.3%)を得た。ESI−MS m/z:345[M+H]
+。
【0629】
アクリロイル−4−(6−クロロイソキノリン−1−イル)ピペラジン−2−カルボニトリル
0℃の1−アクリロイル−4−(6−クロロイソキノリン−1−イル)ピペラジン−2−カルボキサミド(40mg、0.116mmol)、トリエチルアミン(46.8mg、0.46mmol)を含むDCM(5mL)の混合物に、トリフルオロ酢酸無水物(50mg、0.233mmol)を添加した。反応混合物を1時間にわたってRTに加温し、水に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=100:1)によって精製して、所望の生成物(20mg、収率53%)を得た。
【化188】
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【0630】
実施例37
(E)−4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)−1−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エノイル)ピペラジン−2−カルボニトリル(I−66)の合成
【化189】
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化合物I−66を下記に記載されるような方法Aの一般的な手順にしたがって調製した:
【0631】
4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−カルボキサミド
4,7−ジクロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン(769mg、2.48mmol)、ピペラジン−2−カルボキサミドジヒドロクロリド(498mg、2.48mmol)、DIPEA(3.2g、24.8mmol)、および1,4−ジオキサン(20mL)の混合物を、80℃で16時間撹拌した。混合物をRTに冷却し、飽和NaHCO
3溶液で反応停止させ、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(メタノール/ジクロロエタン=1:20)によって精製して、所望の生成物(486mg、収率48.7%)を得た。
【0632】
(E)−4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)−1−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エノイル)ピペラジン−2−カルボキサミド
RTの4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−カルボキサミド(100mg、0.26mmol)、BOP(256.6mg、0.58mmol)、(E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン酸(48mg、0.58mmol)を含むジクロロメタン(10ml)の混合物に、DIEA(108.6mg、0.78mmol)を添加した。混合物を30分間撹拌し、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(メタノール/ジクロロエタン=1:10)によって精製して、所望の生成物(50mg、収率39%)を得た。ESI−MS m/z:513.3[M+H]
+
【0633】
(E)−4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)−1−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エノイル)ピペラジン−2−カルボニトリル
0℃の(E)−4−(7−クロロ−6−(4−クロロフェニル)キナゾリン−4−イル)−1−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エノイル)ピペラジン−2−カルボキサミド(50mg、0.10mmol)およびEt
3N(0.05mL、0.40mmol)を含むDCM(10mL)溶液に、TFAA(51mg、0.20mmol)を添加し、得られた混合物をRTで1時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO
3溶液で反応停止させ、次いで、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和NaHCO
3溶液およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=20:1)によって精製して、所望の生成物(14mg、収率29%)を固体として得た。
【化190】
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【0634】
実施例38
1−(3−(4−(2−(4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オンの合成
【化191】
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【0635】
tert−ブチル3−(4−(2−(4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート
DMF(20mL)中の、2−(4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニルアミノ)酢酸(500mg,2.12mmol)、tert−ブチル3−(ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート(565mg,2.34mmol)、EDCI.HCl(488mg,2.54mmol)、HOBt(343mg,2.54mmol)、Et
3N(428mg,4.24mmol)の混合物を室温で15時間撹拌した。その混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和NaHCO
3水溶液およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(DCM/MeOH=30:1)によって精製して、所望の生成物を得た(300mg,31%収率)。ESI−MS m/z:457.4[M−H]
−.
【0636】
2−(4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニルアミノ)−1−(4−(アゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−イル)エタノン塩酸塩
HCl−MeOH(20mL,57mmol)中のtert−ブチル3−(4−(2−(4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート(150mg,0.33mmol)の混合物を室温で1時間撹拌した。その混合物を真空中で濃縮して、粗生成物(130mg)を得て、これをさらに精製せずに次の工程で直接使用した。
【0637】
1−(3−(4−(2−(4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
2−(4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニルアミノ)−1−(4−(アゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−イル)エタノン塩酸塩(120mg,0.30mmol)を、DCM(10mL)中のEt
3N(0.2mL,1.44mmol)の混合物に添加した後、DMFを添加した(1滴)。その混合物を5分間撹拌し、次いで、塩化アクリロイル(27mg,0.30mmol)を添加した。得られた混合物を室温で1時間撹拌し、水に注ぎ込み、次いで、MeOH/DCMで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(DCM/MeOH/NH
3.H
2O=50:1:0.1〜20:1:0.2)によって精製して、所望の生成物を得た(30mg,24%収率)。
【化192】
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【0638】
実施例39
N−(1’−(2−(4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセチル)−1,3’−ビアゼチジン−3−イル)アクリルアミドの合成
【化193】
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【0639】
tert−ブチル3−(3−(アクリルアミド)アゼチジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート
DCM(20mL)中の、N−(アゼチジン−3−イル)アクリルアミド塩酸塩(500mg,3.40mmol)、tert−ブチル3−オキソアゼチジン−1−カルボキシラート(684mg,4.0mmol)、Et
3N(343mg,3.40mmol)およびAcOH(100mg,0.167mmol)の混合物に、NaBH(OAc)
3(2.16g,10.2mmol)を添加し、得られた混合物を室温で16時間撹拌した。その混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和NaHCO
3溶液およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(DCM/MeOH=100:1〜20:1)によって精製して、所望の生成物を得た(300mg,31%収率)。
【0640】
N−(1−(アゼチジン−3−イル)アゼチジン−3−イル)アクリルアミド塩酸塩
HCl−MeOH(30mL,86mmol)中のtert−ブチル3−(3−(アクリルアミド)アゼチジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート(300mg,1.07mmol)の混合物を室温で1時間撹拌した。その混合物を真空中で濃縮して、粗生成物(250mg)を得て、これをさらに精製せずに次の工程で直接使用した。
【0641】
N−(1−(1−(2−(4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセチル)アゼチジン−3−イル)アゼチジン−3−イル)アクリルアミド
DMF(20mL)中の、2−(4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニルアミノ)酢酸(120mg,0.51mmol)、EDCI.HCl(147mg,0.77mmol)、HOBt(83mg,0.61mmol)、Et
3N(154mg,1.53mmol)の混合物を室温で5分間撹拌し、次いで、N−(1−(アゼチジン−3−イル)アゼチジン−3−イル)アクリルアミド塩酸塩(150mg,0.69mmol)を添加した。得られた混合物を室温で15時間撹拌した。その混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和NaHCO
3溶液およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(DCM/MeOH/NH
3.H
2O=100:10:1.5)によって精製して、所望の生成物を得た(6mg,3%収率)。
【化194】
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【0642】
実施例40
1−(2−(2−(4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセチル)−2,6−ジアザスピロ[3.4]オクタン−6−イル)プロパ−2−エン−1−オンの合成
【化195】
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【0643】
2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクタン−6−アクリロイル−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
DCM(20mL)中の、2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクタン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(80mg,0.38mmol)、Et
3N(0.2mL,1.44mmol)の混合物に、塩化アクリロイル(34mg,0.38mmol)を添加し、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。その混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和NaHCO
3溶液およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(DCM/MeOH=40:1)によって精製して、所望の生成物を得た(50mg,50%収率)。ESI−MS m/z:289.2[M+Na]
+.
【0644】
1−(2,6−ジアザスピロ[3.4]オクタン−6−イル)プロパ−2−エン−1−オン
HCl/MeOH(10mL,29mmol)中の2,6−ジアザ−スピロ[3.4]オクタン−6−アクリロイル−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(50mg,0.19mmol)の混合物を室温で1時間撹拌した。その混合物を真空中で濃縮して、粗生成物(40mg)を得て、これをさらに精製せずに次の工程で直接使用した。
【0645】
1−(2−((4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニル)グリシル)−2,6−ジアザスピロ[3.4]オクタン−6−イル)プロパ−2−エン−1−オン
DMF(10mL)中の、2−(4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシフェニルアミノ)酢酸(47mg,0.2mmol)、1−(2,6−ジアザスピロ[3.4]オクタン−6−イル)プロパ−2−エン−1−オン(40mg,0.2mmol)、EDCI.HCl(46mg,0.24mmol)、HOBt(32mg,0.24mmol)およびEt
3N(0.61mg,0.6mmol)の混合物を室温で2時間撹拌した。その混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和NaHCO
3溶液およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(DCM/MeOH=30:1)によって精製して、所望の生成物を得た(13mg,17%収率)。
【化196】
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【0646】
実施例41
1−(4−(2’−クロロ−5−ヒドロキシビフェニルカルボニル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(III−25)の合成
【化197】
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【0647】
2−アミノ−5−ブロモ−3−メトキシ安息香酸
−5℃のMeOH(35mL)中の2−アミノ−3−メトキシ安息香酸(5g,29.9mmol)の溶液に、NBS(5.59g,31.4mmol)を添加し、得られた混合物を0℃で16時間撹拌した。その混合物を酢酸エチルと水との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、粗生成物を得た(4g,54%収率)。ESI−MS m/z:244.2[M−H]
−.
【0648】
3−ブロモ−5−メトキシ安息香酸
0℃の水(20mL)中の2−アミノ−5−ブロモ−3−メトキシ安息香酸(4g,16.3mmol)の溶液に、濃HCl(7.5mL,90mmol)およびTHF(20mL)を添加した。その混合物を30分間撹拌し、次いで、NaNO
2(3.16g,45.8mmol)を添加した。得られた混合物を2時間撹拌し、次いで、その反応物に次亜リン酸(5.1g,76mmol,H
2O中50%)を添加した。その混合物を室温で16時間撹拌した。沈殿物を濾別し、水で洗浄し、真空中で乾燥させることにより、所望の生成物を得た(3.2g,85%収率)。ESI−MS m/z:229.2[M−H]
−.
【0649】
3−(2−クロロフェニル)−5−メトキシ安息香酸
1,4−ジオキサン(10mL)および水(2mL)中の、3−ブロモ−5−メトキシ安息香酸(1g,4.06mmol)および2−クロロフェニルボロン酸(1.27g,8.13mmol)の溶液に、Pd(PPh
3)
4(468mg,0.40mmol)およびNa
2CO
3(2.15g,20.3mmol)を添加し、得られた混合物を80℃で16時間撹拌した。その混合物を室温に冷却し、HCl水溶液(1.0M)で酸性化して、pHを3〜4に調整した。その混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、さらに精製せずに所望の生成物を得た(800mg,75%収率)。ESI−MS m/z:361.2[M−H]
−.
【0650】
1−(4−(2’−クロロ−5−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
DCM(2mL)中のtert−ブチル4−アクリロイルピペラジン−1−カルボキシラート(260mg,1.07mmol)の溶液に、HClのMeOH溶液(10mL,28.6mmol)を添加し、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。その混合物を真空中で濃縮した。残渣を、DMF(10mL)中の、3−(2−クロロフェニル)−5−メトキシ安息香酸(280mg,1.07mmol)、HOBt(290mg,2.17mmol)、EDCI.HCl(410mg,2.17mmol)およびEt
3N(324mg,3.21mmol)の溶液に添加した。得られた混合物を室温で16時間撹拌し、DCMと飽和NaHCO
3溶液との間で分配した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=50:1)によって精製して、所望の生成物を得た(200mg,52%収率)。ESI−MS m/z:385.2[M+H]
+.
【0651】
1−(4−(2’−クロロ−5−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(VI−25)
−78℃のDCM(15mL)中の1−(4−(2’−クロロ−5−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(100mg,0.26mmol)の溶液に、BBr
3(650mg,2.6mmol)を添加し、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。その混合物を氷水に注ぎ込み、飽和NaHCO
3水溶液で塩基性化して、pHを7〜8に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=50:1)によって精製して、所望の生成物を得た(25mg,26%収率)。
【化198】
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【0652】
実施例42
1−(4−(2’,6−ジクロロ−4−ヒドロキシビフェニルカルボニル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(III−3)の合成
【化199】
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【0653】
1−(4−(2’,6−ジクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
tert−ブチル4−(2’,6−ジクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−1−カルボキシラート(200mg,0.43mmol)をHClのMeOH溶液(2.86M,10mL)中で1時間撹拌した。その混合物を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。残渣をDCM(15mL)に溶解し、その混合物にトリエチルアミン(0.5mL)、塩化アクリロイル(40mg,0.43mmol)を添加した。その反応混合物を室温で30分間撹拌し、水に注ぎ込み、DCMで抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=50:1)によって精製して、所望の生成物(16mg,10%収率)を白色固体として得た。ESI−MS m/z:419.2[M+H]
+.
【0654】
1−(4−(2’,6−ジクロロ−4−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(VI−3)
−60℃のDCM(15mL)中の1−(4−(2’,6−ジクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(200mg,0.48mmol)の溶液に、BBr
3(0.6g,2.4mmol)を滴下し、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。その混合物を氷水に注ぎ込み、飽和NaHCO
3溶液で塩基性化して、pHを8〜9に調整し、DCMで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=20:1)によって精製して、所望の生成物を得た(10mg,5%収率)。
【化200】
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【0655】
実施例43
1−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)−N−(4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシベンジル)ピペリジン−4−カルボキサミド(II−17)の合成
【化201】
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【0656】
4,5−ジクロロ−2−メトキシ安息香酸
アセトニトリル(200mL)中の、4−クロロ−2−メトキシ安息香酸(10g,53.6mmol)およびNCS(35g,19.2mmol)の混合物を室温で48時間撹拌した。その混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮して、粗生成物を得た(23.3g)。
【0657】
メチル4,5−ジクロロ−2−メトキシベンゾアート
DMF(100mL)中の、4,5−ジクロロ−2−メトキシ安息香酸(8.2g,37mmol)およびK
2CO
3(11.8g,111mmol)の混合物に、CH
3I(6.3g,44mmol)を滴下し、得られた混合物を室温で16時間撹拌した。その混合物を酢酸エチルと水との間で分配した。有機層を水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=10:1)によって精製して、所望の生成物を得た。
【0658】
(4,5−ジクロロ−2−メトキシフェニル)メタノール
アルゴン下、−40℃のTHF(40mL)中のLiAlH
4(2.42g,64mmol)の混合物に、THF(50mL)中のメチル4,5−ジクロロ−2−メトキシベンゾアート(6g,26mmol)の溶液を滴下した。その反応混合物を−5℃〜5℃で1時間撹拌した。その混合物を−20℃に冷却し、次いで、水(2mL)およびNaOH(15%)水溶液を添加した。得られた混合物を15分間撹拌した。固体を濾過し、ケークを酢酸エチルでリンスした。合わせた濾液をNa
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮して、粗生成物を得た(4.6g)。
【0659】
2−(4,5−ジクロロ−2−メトキシベンジル)イソインドリン−1,3−ジオン
室温のTHF(100mL)中の、4,5−ジクロロ−2−メトキシフェニル)メタノール(4.5g,22mmol)、イソインドリン−1,3−ジオン(9.6g,65mmol)およびPPh
3(17g,65mmol)の混合物に、DIAD(13g,65mmol)を添加し、得られた混合物を室温で16時間撹拌した。その混合物を酢酸エチルと水との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=10:1)によって精製して、所望の生成物を得た。
【0660】
(4,5−ジクロロ−2−メトキシフェニル)メタンアミン
EtOH(5mL)中の2−(4,5−ジクロロ−2−メトキシベンジル)イソインドリン−1,3−ジオン(1.8g,5mmol)の溶液に、水和ヒドラジン(1.34g,27mmol)を添加し、得られた混合物を1時間にわたって撹拌しながら還流した。その混合物を真空中で濃縮し、残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=20:1)によって精製して、所望の生成物を得た(0.8g,78%収率)。
【0661】
tert−ブチル4−((4,5−ジクロロ−2−メトキシベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラート
DMF(20mL)中の、(4,5−ジクロロ−2−メトキシフェニル)メタンアミン(0.8g,3.90mmol)、1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−カルボン酸(0.88g,3.84mmol)、BOP(2g,1.16mmol)およびDIEA(1.6g,2.91mmol)の混合物を室温で1時間撹拌した。その混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=100:1)によって精製して、所望の生成物を得た(0.987g,62%収率)。ESI−MS m/z:415.4[M−H]
−.
【0662】
N−(4,5−ジクロロ−2−メトキシベンジル)ピペリジン−4−カルボキサミド
HCl/MeOH(20mL,57.2mmol)中の4−((4,5−ジクロロ−2−メトキシベンジル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボキシラート(987mg,2.37mmol)の混合物を、室温で1時間撹拌した。次いで、溶媒を真空中で蒸発させ、残渣をジクロロメタン(5mL)で溶解した。この混合物に、NaH(85mg,3.55mmol)を添加した。次いで、得られた混合物を室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去して、粗生成物を得た(800mg)。
【0663】
tert−ブチル3−(4−(4,5−ジクロロ−2−メトキシベンジルカルバモイル)ピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート
N−(4,5−ジクロロ−2−メトキシベンジル)ピペリジン−4−カルボキサミド(750mg,2.37mmol)、tert−ブチル3−オキソアゼチジン−1−カルボキシラート(607mg,3.55mmol)、AcOH(1mL)およびMeOH(5mL)の混合物を、2時間にわたって撹拌しながら還流した。この混合物に、NaBH
3(CN)(0.74g,11.85mmol)を添加し、得られた混合物を60℃で16時間撹拌した。その混合物を室温に冷却し、NH
4Cl水溶液と酢酸エチルとの間で分配した。有機層を水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=50:1)によって精製して、所望の生成物を得た(220mg,18%収率)。ESI−MS m/z:472.3[M+H]
+.
【0664】
1−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)−N−(4,5−ジクロロ−2−メトキシベンジル)ピペリジン−4−カルボキサミド
HCl/MeOH(10mL,2.86M)中のtert−ブチル3−(4−(4,5−ジクロロ−2−メトキシベンジルカルバモイル)ピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート(210mg,0.44mmol)の混合物を室温で1時間撹拌した。その混合物を真空中で濃縮して、粗残渣を得た。残渣をDCM(5mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.5mL)および塩化アクリロイル(40mg,0.43mmol)を添加した。その反応混合物を室温で30分間撹拌し、次いで、DCMと水との間で分配した。有機層を水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=50:1)によって精製して、所望の生成物を得た(150mg,82%収率)。
【0665】
N−(4,5−ジクロロ−2−ヒドロキシベンジル)−1−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)ピペリジン−4−カルボキサミド
−60℃のDCM(15mL)中の1−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)−N−(4,5−ジクロロ−2−メトキシベンジル)ピペリジン−4−カルボキサミド(150mg,0.35mmol)の溶液に、BBr
3(0.6g,2.4mmol)を滴下した。得られた混合物を室温に加温し、1時間撹拌した。その混合物を氷水に注ぎ込み、飽和NaHCO
3溶液で塩基性化して、pHを8〜9に調整し、次いで、DCMで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=20:1)によって精製して、所望の生成物を得た(34mg,24%収率)。
【化202】
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【0666】
実施例44
1−(3−(ヒドロキシメチル)−4−(2’,5’,6−トリクロロ−4−メトキシビフェニルカルボニル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(III−7)の合成
【化203】
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【0667】
メチル4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシベンゾアート
MeOH(50mL)中の4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシ安息香酸(2g,6.41mmol)濃硫酸(1.5mL)の混合物を16時間にわたって撹拌しながら還流した。その混合物を室温に冷却し、水と酢酸エチルとの間で分配した。有機層を水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮して、所望の生成物(1.85g,85%収率)を黄色油状物として得た。
【0668】
メチル2’,5’,6−トリクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボキシラート
1,4−ジオキサン(50mL)および水(5mL)中の、メチル4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシベンゾアート(1.8g,5.51mmol)、(2,5−ジクロロフェニル)ボロン酸(2.1g,11.03mmol)、Pd(PPh
3)
4(403mg,0.55mmol)、Na
2CO
3(1.75g,16.54mmol)の混合物を、アルゴン下で16時間、撹拌しながら還流した。その混合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=20:1)によって精製して、所望の生成物を得た(1.6g,85%収率)。
【0669】
1−(3−(ヒドロキシメチル)−4−(2’,5’,6−トリクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(III−7)
表題化合物を、実施例36に記載の手順にしたがって3工程でメチル2’,5’,6−トリクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボキシラートから調製した。tert−ブチル3−(ヒドロキシメチル)−4−(2’,5’,6−トリクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−1−カルボキシラート(420mg,0.79mmol)を、HClのMeOH溶液(2.85N)中において撹拌した。溶媒を減圧下で除去して、粗残渣(crude reside)を得て、これをDMF(20mL)に溶解し、アクリル酸(57mg,0.79mmol)、BOP(421mg,0.95mmol)およびDIEA(409mg,3.17mmol)を添加した。その反応物を室温で1時間撹拌した。得られた混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出し、水およびブラインで洗浄した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=60:1)によって精製して、所望の生成物を得た(92mg,24%収率)。
【化204】
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【0670】
実施例45
1−(4−(4−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−ピロール−2−カルボニル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(III−32)の合成
【化205】
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【0671】
tert−ブチル4−(4−ブロモ−1H−ピロール−2−カルボニル)ピペラジン−1−カルボキシラート
DMF(5mL)中の、4−ブロモ−1H−ピロール−2−カルボン酸(800mg,4.21mmol)、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシラート(822mg,4.42mmol)、BOP(2.2g,5.05mmol)の混合物に、DIEA(1.63g,12.63mmol)を添加し、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。その混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮して、粗生成物(920mg,61%収率)を得て、これを精製せずに次の工程で直接使用した。
【0672】
tert−ブチル4−(4−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−ピロール−2−カルボニル)ピペラジン−1−カルボキシラート
1,4−ジオキサン(10mL)および水(2mL)中の、tert−ブチル4−(4−ブロモ−1H−ピロール−2−カルボニル)ピペラジン−1−カルボキシラート(350mg,0.98mmol)、(2,4−ジクロロフェニル)ボロン酸(280mg,1.47mmol)、Pd(PPh
3)
4(116mg,0.1mmol)、Na
2CO
3(312mg,2.94mmol)の混合物を、アルゴン下で16時間、撹拌しながら還流した。その混合物を室温に冷却し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=30:1)によって精製して、所望の生成物を得た(273mg,59%収率)。
【0673】
1−(4−(4−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−ピロール−2−カルボニル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(VI−32)
HCl/MeOH(20mL,57.2mmol)中のtert−ブチル4−(4−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−ピロール−2−カルボニル)ピペラジン−1−カルボキシラート(270mg,0.64mmol)の混合物を1時間撹拌した。その混合物を真空中で濃縮し、残渣をDMF(5mL)に溶解した。この混合物に、アクリル酸(50mg,0.7mmol)、BOP(437mg,0.72mmol)およびDIEA(248mg,1.92mmol)を添加した。その反応混合物を室温で1時間撹拌した。その混合物を酢酸エチルと水との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=60:1)によって精製して、所望の生成物(40mg,27%収率)を白色固体として得た。
【化206】
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【0674】
実施例46
(E)−1−(4−(2’,6−ジクロロ−4−ヒドロキシビフェニルカルボニル)ピペラジン−1−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン−1−オン(III−24)の合成
【化207】
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【0675】
tert−ブチル4−(2’,6−ジクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−1−カルボキシラート
室温のDMF(10mL)中の2’,6−ジクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボン酸(500mg,1.68mmol)の撹拌溶液に、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシラート(345mg,1.85mmol)、BOP(892mg,2.02mmol)およびDIEA(542mg,4.2mmol)を添加し、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。その反応混合物を酢酸エチルで希釈し、ブラインで洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=50:1)によって精製して、所望の生成物を得た(550mg,70%収率)。ESI−MS m/z:465.4[M+H]
+.
【0676】
(E)−1−(4−(2’,6−ジクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−1−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン−1−オン
HCl/MeOH(20mL,57.2mmol)中のtert−ブチル4−(2’,6−ジクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−1−カルボキシラート(550mg,1.18mmol)の混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去して、粗生成物を得た。その粗残渣をDMF(10mL)で溶解し、4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン酸(215mg,0.47mmol)、BOP(627mg,1.42mmol)およびDIEA(610mg,4.73mmol)を添加した。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。その反応混合物を酢酸エチルで希釈し、ブラインで洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=50:1)によって精製して、所望の生成物を得た(450mg,80%収率,2工程)。ESI−MS m/z:476.4[M+H]
+.
【0677】
(E)−1−(4−(2’,6−ジクロロ−4−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−1−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン−1−オン(VI−24)
−78℃のDCM(5mL)中の(E)−1−(4−(2’,6−ジクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−1−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン−1−オン(270mg,0.57mmol)の溶液にBBr
3(1.43g,5.7mmol)を滴下した。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。その混合物を氷水に注ぎ込み、NaHCO
3水溶液で塩基性化して、pHを7に調整し、次いで、DCMで抽出した(3×20mL)。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=50:1)によって精製して、所望の生成物を得た(150mg,57%収率)。
【化208】
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【0678】
実施例47
1−(4−(2’,6−ジクロロ−4−メトキシビフェニルカルボニル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(III−1)の合成
【化209】
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【0679】
実施例48
1−(3−(4−(2−(4−クロロ−5−シクロブチル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(II−53)の合成
【化210】
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【0680】
tert−ブチル3−(4−(2−(4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート
0℃のDMF(3mL)中の、2−(4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニルアミノ)酢酸(2.0g,5.88mmol)、tert−ブチル3−(ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート(1.84g,7.64mmol)、EDCI.HCl(2.26g,11.76mmol)およびHOBt(1.59g,11.76mmol)の溶液に、Et
3N(3.28mL,23.52mmol)を添加した。得られた混合物をRTで16時間撹拌し、次いで、酢酸エチルと水との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を酢酸エチル/石油エーテル=1:5の混合物で洗浄し、所望の生成物(2.24g,67%収率)を白色固体として得た。ESI−MS m/z:565.4[M+H]
+.
【0681】
tert−ブチル3−(4−(2−(4−クロロ−5−シクロブチル−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート
THF(15mL)中の、tert−ブチル3−(4−(2−(4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート(697mg,1.24mmol)、シクロブチル亜鉛ブロミド(4.46mL,2.23mmol,THF中0.5M)、Pd(OAc)
2(56mg,0.248mmol)およびS−Phos(102mg,0.248mmol)の混合物をアルゴン下、65℃で16時間撹拌した。その混合物をRTに冷却し、NH
4Cl水溶液でクエンチし、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(メタノール/ジクロロメタン=1:30)によって精製して、所望の生成物(596mg,98%収率)を茶色油状物として得た。ESI−MS m/z:493.5[M+H]
+.
【0682】
1−(3−(4−(2−(4−クロロ−5−シクロブチル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(V−53)
表題化合物を、実施例33に記載の手順にしたがって3工程でtert−ブチル3−(4−(2−(4−クロロ−5−シクロブチル−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラートから調製した。
【化211】
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【0683】
実施例49
1−(3−(4−(2−(4−クロロ−5−シクロブチル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(II−59)の合成
【化212】
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【0684】
メチル2−(4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニルアミノ)プロパノアート
DMF(25mL)中の、tert−ブチル4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシベンゼンアミン(2g,7.07mmol)、メチル2−ブロモプロパノアート(1.17g,7.07mmol)、K
2CO
3(1.94g,14.14mmol)およびKI(0.235g,1.414mmol)の混合物を100℃で16時間撹拌した。その混合物をRTに冷却し、NaHCO
3水溶液でクエンチし、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油エーテル=1:20)によって精製して、所望の生成物(1.12g,43%収率)を黄色固体として得た。ESI−MS m/z:370.1[M+H]
+.
【0685】
2−(4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニルアミノ)プロパン酸
RTのテトラヒドロフラン(20mL)と水(10mL)との混合物中のメチル2−(4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニルアミノ)プロパノアート(1.12g,3.04mmol)の溶液に、LiOH.H
2O(0.51g,12.16mmol)を添加し、得られた混合物を1時間撹拌した。水相をTBMEで洗浄し、次いで、HCl水溶液(1N)で酸性化して、pHを5に調整した。その混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、粗生成物(760mg)を得て、これをさらに精製せずに次の工程で直接使用した。ESI−MS m/z:356.1[M+H]
+.
【0686】
Tert−ブチル3−(4−(2−((4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニル)アミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート
0℃のDMF(8mL)中の、2−(4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニルアミノ)プロパン酸(760mg,2.13mmol)、tert−ブチル3−(ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート(669mg,2.78mmol)、EDCI.HCl(818mg,4.26mmol)、HOBt(575mg,4.26mmol)の溶液に、Et
3N(861mg,8.52mmol)を添加した。得られた混合物をRTで16時間撹拌し、次いで、酢酸エチルと水との間で分配した。有機層を飽和NaHCO
3溶液およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油エーテル=1:1)によって精製して、所望の生成物(673mg,55%収率)を白色固体として得た。ESI−MS m/z:579.4[M+H]
+.
【0687】
Tert−ブチル3−(4−(2−((4−クロロ−5−シクロブチル−2−メトキシフェニル)アミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート
THF(10mL)中の、tert−ブチル3−(4−(2−((4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニル)アミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート(673mg,1.162mmol)、シクロブチル亜鉛ブロミド(5.11mL,2.556mmol,THF中0.5M)、Pd(Oac)
2(52mg,0.23mmol)、S−Phos(95mg,0.23mmol)の混合物をアルゴン下、65℃で16時間撹拌した。その混合物をRTに冷却し、NH
4Cl水溶液でクエンチし、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油エーテル=1:1)によって精製して、所望の生成物(565mg,96%収率)を淡黄色固体として得た。ESI−MS m/z:507.6[M+H]
+.
【0688】
1−(3−(4−(2−((4−クロロ−5−シクロブチル−2−ヒドロキシフェニル)アミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(V−59)
表題化合物を、実施例33に記載の手順にしたがって3工程でtert−ブチル3−(4−(2−((4−クロロ−5−シクロブチル−2−メトキシフェニル)アミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラートから調製した。
【化213】
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【0689】
実施例50
TERT−ブチル4−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボキシラートの合成
【化214】
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【0690】
1−ベンズヒドリルアゼチジン−3−イルメタンスルホナート
0℃のDCM(200mL)中の、1−ベンズヒドリルアゼチジン−3−オール(20.0g,83.68mmol)およびEt
3N(12.68g,125.52mmol)の混合物にMsCl(11.447mg,100.41mmol)を分割して添加し、得られた溶液をRTで1時間撹拌した。その反応混合物を酢酸エチルで希釈し、ブラインで洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、所望の生成物を得た(26.526g,100%収率)。
【0691】
tert−ブチル4−(1−ベンズヒドリルアゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート
CH
3CN(200mL)中の、1−ベンズヒドリルアゼチジン−3−イルメタンスルホナート(26.53g,83.68mmol)、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシラート(18.68g,100.41mmol)およびK
2CO
3(23.09g,163.36mmol)の混合物を80℃で16時間撹拌した。その反応混合物をRTに冷却し、酢酸エチルで希釈し、ブラインで洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=50:1)によって精製して、所望の生成物を得た(25.5g,80%収率)。
【0692】
tert−ブチル4−(アゼチジ−3−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート
MeOH(100mL)中の、tert−ブチル4−(1−ベンズヒドリルアゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート(10.0g,24.57mmol)および10%Pd/C(2.5g)の混合物を、H
2雰囲気下、50℃で48時間撹拌した。その反応混合物をRTに冷却し、濾過した。その濾液を希釈し、真空中で濃縮して、所望の粗生成物(6.7g)を無色油状物として得た。
【0693】
tert−ブチル4−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート
0℃のDCM(100mL)中の、tert−ブチル4−(アゼチジ−3−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート(6.7g,27.80mmol)およびEt
3N(8.43g,83.40mmol)の混合物を、塩化アクリロイル(3.77g,41.7mmol)を分割して添加し、得られた溶液をRTで1時間撹拌した。その反応混合物をDCMで希釈し、ブラインで洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=50:1)によって精製して所望の生成物を得た(3.6g,49.66%収率,2工程)。
【化215】
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【0694】
実施例51
1−アクリロイル−4−(4’,6−ジクロロ−4−ヒドロキシビフェニルカルボニル)ピペラジン−2−カルボニトリル(III−37)の合成
【化216】
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【0695】
ピペラジン−2−カルボニトリル
ジクロロメタン(10mL)中のtert−ブチル3−シアノピペラジン−1−カルボキシラート(200mg,0.95mmol)の混合物に、CF
3COOH(2mL)を添加し、得られたものをRTで1時間撹拌した。その混合物を真空中で濃縮して、粗生成物を得た。
【0696】
4−(4’,6−ジクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−2−カルボニトリル
0℃のジクロロメタン(10mL)中の、4’,6−ジクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボン酸(309mg,1.04mmol)、EDCI(272mg,1.43mmol)、HOBt(195mg,1.43mmol)、Et
3N(288mg,2.85mmol)の混合物に、ピペラジン−2−カルボニトリルを0℃において添加し、得られた混合物をRTで8時間撹拌した。その混合物をジクロロメタンと水との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=50:1)によって精製して、所望の生成物を得た(225mg,61%収率)。ESI−MS m/z:444.3[M+H]
+.
【0697】
1−アクリロイル−4−(4’,6−ジクロロ−4−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−2−カルボニトリル(III−37)
表題化合物を、実施例33に記載の手順にしたがって2工程で4−(4’,6−ジクロロ−4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボニル)ピペラジン−2−カルボニトリルから調製した。
【化217】
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【0698】
実施例52
1−(3−(4−(3−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(II−58)の合成
【化218】
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【0699】
5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシベンゼンアミン
DMSO(200mL)中の2,4−ジクロロ−1−ニトロベンゼン(100g,0.52mol)の溶液に、水(42mL)中のNaOH(41.6g,1.04mol)の水溶液を添加し、得られた混合物を60℃で16時間撹拌した。その混合物を室温に冷却し、氷水に注ぎ込み、次いで、HCl水溶液(1M)で酸性化して、pHを3〜4に調整した。その混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を次の工程で直接使用した(80g,88%収率)。
【0700】
DMF(200mL)中の5−クロロ−2−ニトロフェノール(40g,0.23mol)の溶液に、K
2CO
3(47.6g,0.345mol)およびヨードメタン(49g,0.345mol)を添加し、得られた混合物を室温で16時間撹拌した。その混合物を酢酸エチルと水との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(石油エーテル)によって精製して、所望の生成物を得た(30g,70%収率)。
【0701】
H
2SO
4(600mL,90%)の溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(11.3g,0.04mol)およびNIS(49.68g,0.22mol)を添加し、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。この混合物に、4−クロロ−2−メトキシ−1−ニトロベンゼン(69g,0.368mol)を速やかに添加した。その混合物を1時間撹拌し、次いで、その混合物にNIS(33.12g,0.148mol)をゆっくり添加した。その混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、氷水に注ぎ込んだ。沈殿物を濾別し、水、NaSO
3およびNaHCO
3水溶液でリンスし、次いで、真空中で乾燥させて、所望の生成物を得た(113g,98%収率)。
【0702】
50℃の酢酸(1L)および水(50mL)中の1−クロロ−2−ヨード−5−メトキシ−4−ニトロベンゼン(113g,0.361mol)の溶液に、Fe(50.5g,0.903mol)を添加し、得られた混合物を50℃で2時間撹拌した。その混合物を室温に冷却し、次いで、氷水に注ぎ込んだ。沈殿物を濾別し、水でリンスした。この粗生成物を酢酸エチル(1L)で溶解し、濾過した。その濾液を飽和NaHCO
3溶液およびブラインで洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、所望の生成物を得た(87g,85%収率)。
【0703】
1−ブロモ−2−クロロ−5−ヨード−4−メトキシベンゼン
0℃の6N HCl(60mL,360mmol)中の5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシアニリン(3g,12.7mmol)の混合物に、水(20mL)中のNaNO
2(963mg,13.9mmol)の溶液を、内部温度を約0℃で維持しながら滴下した。KI(10.5g,63.4mmol)およびCuI(4.8g,25.4mmol)を水(20mL)に溶解し、その撹拌反応混合物に添加した。その反応物を5℃で2時間維持した。その反応混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水、Na
2SO
3(aq,10%)およびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油エーテル=1:100)によって精製して、所望の生成物を得た(3.2g,73%収率)。
【0704】
3−(5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシフェニル)プロパナール
DMF(50mL)中の、1−ブロモ−2−クロロ−5−ヨード−4−メトキシベンゼン(3.2g,9.2mmol)、プロパ−2−エン−1−オール(1.3g,23.0mmol)、Pd(OAc)
2(206mg,0.9mmol)、TBAC(2.56g,9.2mmol)、NaHCO
3(2.3g,27.6mmol)の混合物をアルゴン下、60℃で16時間撹拌した。その混合物をRTに冷却し、次いで、酢酸エチルと水との間で分配した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油エーテル=1:20)によって精製して、所望の生成物を得た(860mg,34%収率)。
【0705】
3−(5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシフェニル)プロパン酸
アセトン(20mL)中のJones試薬(3mL,5.4mmol,2.8M)の撹拌溶液に、3−(5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシフェニル)プロパナール(860mg,3.1mmol)を添加した。その反応物をRTで12時間撹拌し、イソプロピルアルコールでクエンチし、次いで、10分間撹拌した。得られた混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油エーテル=1:1)によって精製して、所望の生成物を得た(358mg,38%収率)。ESI−MS m/z:291.1[M+H]
−.
【0706】
tert−ブチル−3−(4−(3−(5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシフェニル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート
RTのDMF(30mL)中の3−(5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシフェニル)プロパン酸(350mg,1.2mmol)の撹拌溶液に、tert−ブチル3−(ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート(317mg,1.3mmol)、BOP(731mg,1.4mmol)およびDIEA(461mg,3.6mmol)を添加し、その混合物をRTで1時間撹拌した。その反応混合物を酢酸エチルと水との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=50:1)によって精製して、所望の生成物を得た(285mg,46%収率)。
【0707】
tert−ブチル3−(4−(3−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート
トルエン(10mL)および水(1mL)中の、tert−ブチル3−(4−(3−(5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシフェニル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート(280mg,0.54mmol)、シクロプロピルボロン酸(185mg,2.2mmol)、K
3PO
4.3H
2O(444mg,1.9mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(30mg,0.1mmol)、Pd(OAc)
2(24mg,0.11mmol)の混合物を、アルゴン下で16時間、撹拌しながら還流した。その混合物をRTに冷却し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=60:1)によって精製して、所望の生成物を得た(194mg,75%収率)。ESI−MS m/z:477.3[M+H]
+.
【0708】
1−(3−(4−(3−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(II−58)
表題化合物を、実施例33に記載の手順にしたがって3工程でtert−ブチル3−(4−(3−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラートから調製した。
【化219】
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【0709】
実施例53
1−(3−(4−(2−(4−クロロ−2−ヒドロキシ−5−(1−メチルシクロプロピル)フェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(II−64)の合成
【化220】
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【0710】
メチル5−アセトアミド−2−クロロ−4−メトキシベンゾアート
RTの、メチル5−アミノ−2−クロロ−4−メトキシベンゾアート(3.6g,16.7mmol)、Et
3N(6.7g,66.8mmol)およびDCM(100mL)の混合物に、塩化アセチル(1.57g,20.1mmol)を滴下し、得られた混合物を12時間撹拌した。その反応混合物をジクロロメタンと水との間で分配した。有機層を飽和NaHCO
3溶液およびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油エーテル=1:1)によって精製して、所望の生成物を得た(2.7g,63%収率)。
【0711】
N−(4−クロロ−5−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2−メトキシフェニル)アセトアミド
アルゴン下、−40℃のTHF(40mL)中のメチル5−アセトアミド−2−クロロ−4−メトキシベンゾアート(2.7g,11.1mmol)の溶液に、臭化メチルマグネシウム(21mL,21mmol,エーテル中1M)を、内部温度を−40℃で維持しながら、滴下した。次いで、その混合物をRTに加温し、2時間撹拌した。その反応混合物を氷冷NH
4Cl(10%)溶液に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮して、所望の生成物を得た(2.3g,80%収率)。
【0712】
N−(4−クロロ−2−メトキシ−5−(プロパ−1−エン−2−イル)フェニル)アセトアミド
−5℃のDCM(20mL)中のN−(4−クロロ−5−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2−メトキシフェニル)アセトアミド(3.2g,12.4mmol)の溶液に、SOCl
2(3.7g,37.25mmol)を滴下した。その混合物をRTに加温し、次いで、2時間にわたって撹拌しながら還流した。その反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油エーテル=3:1)によって精製して、所望の生成物を得た(1.9g,64%収率)。
【0713】
N−(4−クロロ−2−メトキシ−5−(1−メチルシクロプロピル)フェニル)アセトアミド
0℃のトルエン(20mL)中のN−(4−クロロ−2−メトキシ−5−(プロパ−1−エン−2−イル)フェニル)アセトアミド(1.0g,4.17mmol)の溶液に、CH
2I
2(5.6g,20.86mmol)およびEt
2Zn(41.7mL,41.7mmol,ヘキサン中1.0M)を添加した。その混合物を0℃で30分間維持し、次いで、RTで16時間撹拌した。その反応混合物を飽和NH
4Cl溶液でクエンチし、15分間撹拌した。その混合物を真空中で濃縮して、トルエンを除去し、得られた混合物をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、所望の生成物を得た(820mg,77%収率)。
【0714】
4−クロロ−2−メトキシ−5−(1−メチルシクロプロピル)アニリン
N−(4−クロロ−2−メトキシ−5−(1−メチルシクロプロピル)フェニル)アセトアミド(820mg,3.23mmol)、KOH(1.8g,32.3mmol)、エタノール(40mL)および水(20mL)の混合物を、12時間にわたって撹拌しながら還流した。その反応混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過した。その濾液を真空中で濃縮し、残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油エーテル=20:1)によって精製して、所望の生成物を得た(460mg,67%収率)。ESI−MS m/z:212.4[M+H]
+.
【0715】
エチル2−((4−クロロ−2−メトキシ−5−(1−メチルシクロプロピル)フェニル)アミノ)アセタート
RTのMeOH(20mL)中の4−クロロ−2−メトキシ−5−(1−メチルシクロプロピル)アニリン(450mg,2.13mmol)の溶液に、AcOH(3滴)およびエチルグリオキサラート(326mg,3.19mmol,トルエン中50%)を添加した。その混合物をRTで2時間撹拌し、次いで、その混合物にシアノ水素化ホウ素ナトリウム(403mg,6.39mmol)を添加した。得られた混合物を50℃で16時間撹拌した。その混合物をRTに冷却し、酢酸エチルと水との間で分配した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、粗生成物を得た(636mg)。ESI−MS m/z:298.2[M+H]
+.
【0716】
2−((4−クロロ−2−メトキシ−5−(1−メチルシクロプロピル)フェニル)アミノ)酢酸
THF(15mL)および水(5mL)中のエチル2−((4−クロロ−2−メトキシ−5−(1−メチルシクロプロピル)フェニル)アミノ)アセタート(630mg,2.12mmol)の溶液に、LiOH.H2O(889mg,21.2mmol)を添加し、得られた混合物をRTで2時間撹拌した。その混合物を20%酢酸エチル/石油エーテルで洗浄した。水層をHCl水溶液(1N)で酸性化して、pHを3〜4に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、所望の生成物を得た(200mg,33%収率)。
【0717】
tert−ブチル3−(4−(2−((4−クロロ−2−メトキシ−5−(1−メチルシクロプロピル)フェニル)アミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート
RTのDMF(15mL)中の、2−((4−クロロ−2−メトキシ−5−(1−メチルシクロプロピル)フェニル)アミノ)酢酸(110mg,0.41mmol)およびtert−ブチル3−(ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート(118mg,0.49mmol)の溶液に、BOP(217mg,0.49mmol)およびDIEA(159mg,1.23mmol)を添加し、得られた混合物をRTで1時間撹拌した。その混合物を酢酸エチルと水との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、所望の生成物を得た(192mg,95%収率)。
【0718】
1−(3−(4−(2−((4−クロロ−2−ヒドロキシ−5−(1−メチルシクロプロピル)フェニル)アミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(II−64)
表題化合物を、実施例33に記載の手順にしたがって3工程でtert−ブチル3−(4−(2−((4−クロロ−2−メトキシ−5−(1−メチルシクロプロピル)フェニル)アミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラートから調製した。
【化221】
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【0719】
実施例54
1−(4−(2−クロロ−5−ヒドロキシビフェニルカルボニル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(III−42)の合成
【化222】
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【0720】
5−クロロ−4−ヨード−2−メトキシ安息香酸
0℃の水(10mL)中の4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ安息香酸(5g,24.8mmol)の撹拌溶液に、濃硫酸(50mL)を添加した。次いで、水(10mL)中のNaNO
2(1.9g,27.3mmol)の溶液を、内部温度を約0℃で維持しながら滴下した。KI(4.5g,27.3mmol)およびI
2(3.5g,13.64mmol)を水に溶解し、その撹拌反応混合物に滴下した。その反応物を5℃で2時間撹拌し、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、Na
2SO
3(aq,10%)およびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮して、所望の生成物を得た(1.55g,19%収率)。ESI−MS m/z:311.1[M+H]
+.
【0721】
tert−ブチル4−(5−クロロ−4−ヨード−2−メトキシベンゾイル)ピペラジン−1−カルボキシラート
RTのDMF(30mL)中の5−クロロ−4−ヨード−2−メトキシ安息香酸(1.55g,4.9mmol)の撹拌溶液に、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシラート(1.02g,5.5mmol)、BOP(2.63g,25.9mmol)およびDIEA(1.92g,14.9mmol)を添加し、得られた混合物をRTで1時間撹拌した。その反応混合物を酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=50:1)によって精製して、所望の生成物を得た(1.96g,76%収率)。
【0722】
tert−ブチル−4−(2−クロロ−5−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニル)ピペラジン−1−カルボキシラート
1,4−ジオキサン(10mL)および水(2mL)中の、tert−ブチル4−(5−クロロ−4−ヨード−2−メトキシベンゾイル)ピペラジン−1−カルボキシラート(300mg,0.56mmol)、フェニルボロン酸(82mg,0.67mmol)、Pd(PPh
3)
4(129mg,0.1mmol)、Na
2CO
3(180mg,1.68mmol)の混合物を、16時間にわたってアルゴン下で撹拌しながら還流した。その混合物を室温に冷却し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=30:1)によって精製して、所望の生成物を得た(219mg,80%収率)。
【0723】
1−(4−(2−クロロ−5−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(III−42)
表題化合物を、実施例33に記載の手順にしたがって3工程でtert−ブチル−4−(2−クロロ−5−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニル)ピペラジン−1−カルボキシラートから調製した。
【化223】
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【0724】
実施例55
1−(3−(4−(2−(4−クロロ−2−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(II−50)の合成
【化224】
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【0725】
4−クロロ−2−メトキシ−5−(プロパ−1−エン−2−イル)ベンゼンアミン
DME(10mL)および水(3mL)中の、4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシベンゼンアミン(1.0g,3.53mmol)、4,4,5,5−テトラメチル−2−(プロパ−1−エン−2−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(889mg,5.29mmol)、Pd(PPh
3)
4(363mg,0.353mmol)、Na
2CO
3(1.12g,10.6mmol)の混合物を、6時間にわたってアルゴン下で撹拌しながら還流した。その反応混合物をRTに冷却し、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(5%石油エーテル/酢酸エチル)によって精製して、所望の生成物(173mg,25%収率)をオフホワイトの固体として得た。ESI−MS m/z:198.5[M+H]
+.
【0726】
4−クロロ−5−イソプロピル−2−メトキシベンゼンアミン
MeOH(5mL)中の、4−クロロ−2−メトキシ−5−(プロパ−1−エン−2−イル)ベンゼンアミン(160mg,0.81mmol)、ラネーNi(20mg)の混合物をH
2(1atm)雰囲気下、RTで8時間撹拌した。その混合物を濾過し、その濾液を真空中で濃縮して、所望の生成物を得た(150mg,93%収率)。
【0727】
tert−ブチル3−(4−(2−(4−クロロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート
表題化合物を、実施例45に記載の手順にしたがって3工程で4−クロロ−5−イソプロピル−2−メトキシベンゼンアミンから調製した。
【0728】
1−(3−(4−(2−(4−クロロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
HCl/MeOH(2.86M,5mL)中のtert−ブチル3−(4−(2−(4−クロロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート(102mg,0.212mmol)の混合物をRTで1時間撹拌した。その混合物を真空中で濃縮して、粗生成物を得て、その粗生成物をRTのDMF(5mL)に溶解し、アクリル酸(17mg,0.233mmol)、BOP(113mg,0.254mmol)およびDIEA(82mg,0.636mmol)を添加し、得られた混合物をRTで1時間撹拌した。その混合物を酢酸エチルと水との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=50:1)によって精製して、所望の生成物を得た(77mg,85%収率,2工程)。ESI−MS m/z:435.4[M+H]
+.
【0729】
1−(3−(4−(2−(4−クロロ−2−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(II−50)
−60℃のDCM(15mL)中の1−(3−(4−(2−(4−クロロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(77mg,0.18mmol)の溶液に、BBr
3(443mg,1.8mmol)を滴下し、得られた混合物をRTで1時間撹拌した。その混合物を−60℃に冷却し、MeOHを滴下し、次いで、Et
3Nで塩基性化して、pHを8〜9に調整した。その混合物を水に注ぎ込み、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=50:1)によって精製して、所望の生成物を得た(25mg,33%収率)。
【化225】
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【0730】
実施例56
1−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)−4−(2−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−2−カルボキサミド(II−51)の合成
【化226】
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【0731】
2−アミノ−5−クロロ−4−シクロプロピルフェノール
アルゴン下、RTのTHF(10mL)中の2−アミノ−5−クロロ−4−ヨードフェノール(500mg,1.9mmol)、PdCl
2(dppf)(136mg,0.19mmol)の混合物に、シクロプロピルマグネシウムブロミド(16mL,11.4mmol,THF中0.7M)を添加し、その混合物を15時間にわたって撹拌しながら還流した。その混合物をRTに冷却し、酢酸エチルと水との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(10〜20%酢酸エチル/ヘキサン類)によって精製して、所望の生成物(220mg,63%収率)を茶色固体として得た。
【化227】
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【0732】
エチル2−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセタート
RTのMeOH(20mL)中の2−アミノ−5−クロロ−4−シクロプロピルフェノール(200mg,1.01mmol)の溶液に、AcOH(3滴)およびエチルグリオキサラート(416mg,2.02mmol,トルエン中50%)を添加した。その混合物をRTで2時間撹拌し、次いで、その混合物にシアノ水素化ホウ素ナトリウム(190mg,3.03mmol)を添加した。得られた混合物を40℃で15時間撹拌した。その混合物をRTに冷却し、酢酸エチルと水との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(10〜20%メタノール/ジクロロメタン)によって精製して、所望の生成物(290mg,100%収率)を固体として得た。
【化228】
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【0733】
2−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)酢酸
RTのテトラヒドロフランと水との4:1混合物(30mL)中のエチル2−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセタート(290mg,0.89mmol)の溶液に、LiOH.H
2O(226mg,5.34mmol)を添加し、得られた混合物を60℃で2時間撹拌した。その混合物をHCl水溶液(1N)で酸性化して、pHを3〜5に調整し、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、生成物を得た(100mg,47%収率)。
【化229】
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【0734】
tert−ブチル4−(1−ベンズヒドリルアゼチジン−3−イル)−3−カルバモイルピペラジン−1−カルボキシラート
CH
3CN(40mL)中の、1−ベンズヒドリルアゼチジン−3−イルメタンスルホナート(2.69g,8.5mmol)、K
2CO
3(1.76g,12.8mmol)、tert−ブチル3−カルバモイルピペラジン−1−カルボキシラート(1.95g,8.5mmol)の混合物を16時間にわたって撹拌しながら還流した。その混合物を酢酸エチルと水との間で分配した。有機層を水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=50:1)によって精製して、所望の生成物を得た(2.08g,54%収率)。
【0735】
tert−ブチル4−(アゼチジン−3−イル)−3−カルバモイルピペラジン−1−カルボキシラート
MeOH(25mL)中の、4−クロロ−2−メトキシ−5−(プロパ−1−エン−2−イル)ベンゼンアミン(1g,2.22mmol)、Pd/C(300mg)の混合物をH
2(1 atm)雰囲気下の50℃で12時間撹拌した。その混合物を冷却し、濾過した。その濾液を真空中で濃縮して、所望の生成物を得た(640mg,100%収率)。
【0736】
tert−ブチル4−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)−3−カルバモイルピペラジン−1−カルボキシラート
0℃のDCM(10mL)中の、tert−ブチル4−(アゼチジン−3−イル)−3−カルバモイルピペラジン−1−カルボキシラート(640mg,2.22mmol)およびEt
3N(463mg,4.58mmol)の溶液に、塩化アクリロイル(248mg,2.74mmol)を滴下し、得られた混合物をRTで1.5時間撹拌した。その混合物をジクロロメタンと飽和NaHCO
3溶液との間で分配した。有機層を飽和ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=50:1)によって精製して、所望の生成物を得た(350mg,47%収率)。
【0737】
1−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)−4−(2−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−2−カルボキサミド(II−51)
HCl/MeOH(2.86M,10mL)中のtert−ブチル4−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)−3−カルバモイルピペラジン−1−カルボキシラート(120mg,0.35mmol)の混合物をRTで1時間撹拌した。その混合物を真空中で濃縮して、粗残渣を得た。それを0℃のDMF(5mL)に溶解し、2−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)酢酸(31mg,0.427mmol)、BOP(206mg,0.466mmol)およびK
2CO
3(150mg,1.164mmol)を添加し、得られた混合物をRTで1時間撹拌した。その混合物を酢酸エチルと水との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=20:1)によって精製して、所望の生成物を得た(126mg,75%収率,2工程)。
【化230】
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【0738】
実施例57
1−(3−(4−(2−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセチル)−2−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(II−54)の合成
【化231】
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【0739】
1−tert−ブチル3−メチル4−(1−ベンズヒドリルアゼチジン−3−イル)ピペラジン−1,3−ジカルボキシラート
CH
3CN(40mL)中の、1−ベンズヒドリルアゼチジン−3−イルメタンスルホナート(2.4g,7.56mmol)、tert−ブチルメチルピペラジン−1,3−ジカルボキシラート(1.85g,7.56mmol)、K
2CO
3(1.6g,11.34mmol)の混合物を16時間にわたって撹拌しながら還流した。その混合物を酢酸エチルと水との間で分配した。有機層を水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(10%石油エーテル/酢酸エチル)によって精製して、所望の生成物を得た(1.85g,51%収率)。
【0740】
tert−ブチル4−(1−ベンズヒドリルアゼチジン−3−イル)−3−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−カルボキシラート
アルゴン下、−40℃のTHF(40mL)中のLiAlH
4(500mg,13.5mmol)の混合物に、THF(10mL)中の1−tert−ブチル3−メチル4−(1−ベンズヒドリルアゼチジン−3−イル)ピペラジン−1,3−ジカルボキシラート(1.8g,3.87mmol)の溶液を滴下した。その反応混合物を−5℃〜5℃で1時間撹拌し、−20℃に冷却した。次いで、水(2mL)およびNaOH(15%)水溶液を添加した。得られた混合物を15分間撹拌した。固体を濾過し、ケークを酢酸エチルでリンスした。合わせた濾液をNa
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮して、生成物を得た(1.6g,94%収率)。
【0741】
1−(3−(4−(2−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセチル)−2−(ヒドロキシメチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(II−54)
表題化合物を、実施例47に記載の手順にしたがって4工程で4−(2−(4,5−ジクロロ−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−2−カルボニトリルから調製した。
【化232】
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【0742】
実施例58
1−(3−(4−(2−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−3−イル)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(II−61)の合成
【化233】
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【0743】
エチル2−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−3−イル)アセタート
RTのDCM(15mL)中の5,6−ジクロロ−1H−インドール(1.0g,5.37mmol)、Cu(OTf)
2(194mg,0.537mmol)の混合物に、エチル2−ジアゾアセタート(918mg,8.05mmol)を滴下した。得られた混合物をRTで16時間撹拌し、水でクエンチし、次いで、ジクロロメタンで抽出した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をPrep−HPLCによって精製して、所望の生成物(120mg,8.2%収率)を淡黄色固体として得た。ESI−MS m/z:272.1[M+H]
+.
【0744】
2−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−3−イル)酢酸
THF(3mL)およびH
2O(1mL)中の、エチル2−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−3−イル)アセタート(120mg,0.44mmol)、LiOH(90mg,2.20mmol)の混合物をRTで16時間撹拌した。その溶液を水に注ぎ込み、1N HClでpHを3〜4に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮して、所望の生成物(90mg,84.5%収率)を黄色固体として得た。
【0745】
1−(3−(4−(2−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−3−イル)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(II−61)
0℃のDMF(3mL)中の、2−(5,6−ジクロロ−1H−インドール−3−イル)酢酸(90mg,0.372mmol)、1−(3−(ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(87mg,0.446mmol)、EDCI.HCl(107mg,0.558mmol)、HOBt(75mg,0.558mmol)の混合物に、Et
3N(112mg,1.11mmol)を添加した。得られた混合物をRTで16時間撹拌した。その混合物を酢酸エチルと水との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=30:1)によって精製して、所望の生成物(12mg,7.66%収率)をオフホワイトの固体として得た。
【化234】
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【0746】
実施例59
1−(3−(4−(2−(5−クロロ−4−エチル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(II−52)の合成
【化235】
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【0747】
tert−ブチル3−(4−(2−(4−ブロモ−5−クロロ−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート
表題化合物を、実施例43に記載の手順にしたがって3工程で4−ブロモ−5−クロロ−2−メトキシベンゼンアミンから調製した。
【0748】
tert−ブチル3−(4−(2−(5−クロロ−4−エチル−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート
RTのDMF(10mL)中の、tert−ブチル3−(4−(2−(4−ブロモ−5−クロロ−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート(100mg,0.193mmol)、Pd(dppf)
2Cl
2(29mg,0.04mmol)およびK
2CO
3(55mg,0.386mmol)の混合物に、Et
2Zn(0.8mL,0.8mmol,ヘキサン中1.0M)を添加した。得られた混合物を80℃で16時間撹拌した。その混合物を酢酸エチルと水との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=50:1)によって精製して、粗生成物を得た(100mg)。ESI−MS m/z:467.5[M+1]
+.
【0749】
1−(3−(4−(2−(5−クロロ−4−エチル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(V−52)
表題化合物を、実施例33に記載の手順にしたがって3工程でtert−ブチル3−(4−(2−(5−クロロ−4−エチル−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラートから調製した。
【化236】
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【0750】
実施例60
1−(3−(4−(2−(4−クロロ−5−エチル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(II−55)の合成
【化237】
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【0751】
tert−ブチル3−(4−(2−((4−クロロ−5−エチル−2−メトキシフェニル)アミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート
表題化合物を、実施例52に記載の手順にしたがって1工程でtert−ブチル3−(4−(2−(4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラートから調製した。
【0752】
1−(3−(4−(2−(4−クロロ−5−エチル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(II−55)
表題化合物を、実施例33に記載の手順にしたがって3工程でtert−ブチル3−(4−(2−((4−クロロ−5−エチル−2−メトキシフェニル)アミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラートから調製した。
【化238】
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【0753】
実施例61
1−(3−(4−(2−(4−クロロ−2−ヒドロキシ−5−(2,2,2−トリフルオロエチル)フェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(II−57)の合成
【化239】
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【0754】
(2−クロロ−4−メトキシ−5−ニトロフェニル)メタノール
0℃のMeOH(50mL)中の2−クロロ−4−メトキシ−5−ニトロベンズアルデヒド(6.0g,29mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(4.45g,117mmol)を分割して添加し、得られた混合物をRTで30分間撹拌した。その混合物を真空中で濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解し、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=10:1)によって精製して、所望の生成物を得た(5.0g,78.4%収率)。
【0755】
1−(ブロモメチル)−2−クロロ−4−メトキシ−5−ニトロベンゼン
0℃のジクロロメタン(50mL)中の(2−クロロ−4−メトキシ−5−ニトロフェニル)メタノール(5.0g,23mmol)の溶液に、トリブロモホスフィン(3.08g,11.5mmol)を分割して添加し、得られた混合物をRTで2時間撹拌した。その混合物を氷水に注ぎ込み、ジクロロメタンで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=10:1)によって精製して、所望の生成物を得た(3.5g,54.2%収率)。
【0756】
1−クロロ−5−メトキシ−4−ニトロ−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)ベンゼン
NMP(20mL)中の、(2−クロロ−4−メトキシ−5−ニトロフェニル)メタノール(3.5g,12.5mmol)、メチル2,2−ジフルオロ−2−(フルオロスルホニル)アセタート(4.8g,25mmol)、ヨウ化銅(617mg,3.25mmol)の混合物をアルゴン下、80℃で24時間撹拌した。RTに冷却した後、その反応混合物を酢酸エチルに溶解し、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=100:1)によって精製して、所望の生成物を得た(1.2g,36.4%収率)。
【化240】
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【0757】
4−クロロ−2−メトキシ−5−(2,2,2−トリフルオロエチル)アニリン
EtOH(20mL)中の、1−クロロ−5−メトキシ−4−ニトロ−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)ベンゼン(1.2g,4.51mmol)、塩化スズ(II)二水和物(dehydrate)(5.0g,22.5mmol)の混合物を2時間にわたって撹拌しながら還流した。RTに冷却した後、その反応混合物に飽和NaHCO
3溶液を添加してpHを7〜8に調整し、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮して、所望の生成物を得た(900mg,85%収率)。
【化241】
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【0758】
1−(3−(4−(2−((4−クロロ−2−ヒドロキシ−5−(2,2,2−トリフルオロエチル)フェニル)アミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(II−57)
表題化合物を、実施例48に記載の手順にしたがって6工程で4−クロロ−2−メトキシ−5−(2,2,2−トリフルオロエチル)アニリンから調製した。
【化242】
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【0759】
実施例62
(E)−1−(4−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−イル)−3−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニル)プロパ−2−エン−1−オン(II−62)の合成
【化243】
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【0760】
4−クロロ−5−シクロプロピル−2−メトキシベンゼンアミン
トルエン(62.5mL)およびH
2O(3mL)中の、4−クロロ−5−ヨード−2−メトキシアニリン(5.0g,17.6mmol)、シクロプロピルボロン酸(1.8g,21.1mmol)、Pd(OAc)
2(314mg,1.4mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(500mg,17.6mmol)、K
3PO
4.3H
2O(16.4g,61.6mmol)の混合物をアルゴン下、80℃で16時間撹拌した。その混合物をRTに冷却し、次いで、酢酸エチルと水との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=10:1)によって精製して、所望の生成物を得た(3.1g,88.5%収率)。ESI−MS m/z:198.2[M+H]
+.
【0761】
1−クロロ−2−シクロプロピル−4−ヨード−5−メトキシベンゼン
0℃の、4−クロロ−5−シクロプロピル−2−メトキシアニリン(2.2g,11.05mmol)、濃HCl(12mL)および水(12mL)の混合物に、水(2.5mL)中の硝酸ナトリウム(762.8mg,11.05mmol)の溶液を滴下した。0℃で15分間撹拌した後、水(5mL)中のKI(1.83g,11.05mmol)の溶液を滴下した。得られた混合物をRTで4時間撹拌し、水(20mL)に注ぎ込み、次いで、ジクロロメタンで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(0〜10%酢酸エチル/石油エーテル)によって精製して、所望の生成物(680mg,20%収率)を固体として得た。
【化244】
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【0762】
(E)−1−(4−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−イル)−3−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−メトキシフェニル)プロパ−2−エン−1−オン
DMF(7mL)中の、1−クロロ−2−シクロプロピル−4−ヨード−5−メトキシベンゼン(300mg,0.974mmol)、tert−ブチル3−(4−アクリロイルピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート(431mg,1.46mmol)、Pd(OAc)
2(54.6mg,0.243mmol)、酢酸ナトリウム(239mg,2.92mmol)、塩化テトラブチルアンモニウム(539mg,1.95mmol)の混合物を100℃で24時間撹拌した。その混合物を酢酸エチルと水との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、シリカゲル(ジクロロメタン/メタノール=40:1)によって精製して、所望の生成物を得た(350mg,84%収率)。ESI−MS m/z:476.2[M+H]
+.
【0763】
(E)−1−(4−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−イル)−3−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニル)プロパ−2−エン−1−オン(II−62)
表題化合物を、実施例33に記載の手順にしたがって3工程で(E)−1−(4−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−イル)−3−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−メトキシフェニル)プロパ−2−エン−1−オンから調製した。
【化245】
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【0764】
実施例63
1−(3−(4−(2−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−メトキシフェニルチオ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(II−65)の合成
【化246】
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【0765】
メチル2−((4−クロロ−5−シクロプロピル−2−メトキシフェニル)チオ)アセタート
NMP(8mL)中の、1−クロロ−2−シクロプロピル−4−ヨード−5−メトキシベンゼン(380mg,1.23mmol)、Pd
2(dba)
3(56mg,0.061mmol)、メチル2−メルカプトアセタート(196mg,1.85mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(136mg,0.246mmol)、Et
3N(372mg,3.69mmol)の混合物をアルゴン下、80℃で24時間撹拌した。RTに冷却した後、その反応混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル=20:1)によって精製して、所望の生成物を得た(340mg,92%収率)。
【化247】
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【0766】
1−(3−(4−(2−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−メトキシフェニルチオ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(II−65)
表題化合物を、実施例43に記載の手順にしたがって4工程でメチル2−((4−クロロ−5−シクロプロピル−2−メトキシフェニル)チオ)アセタートから調製した。
【化248】
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【0767】
実施例64
(S)−1−(3−(4−(2−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(II−67)の合成
【化249】
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【0768】
(S)−2−(5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシフェニルアミノ)プロパン酸
DMF(10mL)中の、1−ブロモ−2−クロロ−5−ヨード−4−メトキシベンゼン(3g,8.64mmol)、(S)−2−アミノプロパン酸(769mg,8.64mmol)、CuI(164mg,0.864mmol)、2−ヒドロキシベンズアルデヒドフェニルヒドラゾン(366mg,1.73mmol)、K
3PO
4.3H
2O(4.6g,17.28mmol)の混合物をアルゴン下、80℃で16時間撹拌した。その混合物をRTに冷却し、その溶液にH
2OおよびEt
2Oを添加した。得られた溶液を2相に分配し、水相を分離し、有機層を5%NaOHで抽出した。合わせた水相を20%HClでpH4に調整し、次いで、Et
2Oで抽出した。得られた有機層をMgSO
4で乾燥させ、真空中で濃縮して、所望の生成物を得た(1.7g,64%収率)。ESI−MS m/z:306.1[M+H]
−
【0769】
(S)−tert−ブチル3−(4−(2−((5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシフェニル)アミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート
0℃のDMF(20mL)中の、(S)−2−(5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシフェニルアミノ)プロパン酸(1.6g,5.21mmol)、tert−ブチル3−(ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート(1.88g,7.82mmol)、EDCI.HCl(2.0g,10.42mmol)、HOBt(1.41g,10.42mmol)の溶液に、Et
3N(1.58g,15.63mmol)を添加した。得られた混合物をRTで16時間撹拌し、次いで、酢酸エチルと水との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(メタノール/ジクロロエタン=1:50)によって精製して、所望の生成物を得た(2.1g,76%収率)。ESI−MS m/z:531.3[M+H]
+.
【0770】
((S)−tert−ブチル3−(4−(2−((4−クロロ−5−シクロプロピル−2−メトキシフェニル)アミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート
DMF(10mL)およびH
2O(0.5mL)中の、(S)−tert−ブチル3−(4−(2−((5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシフェニル)アミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート(700mg,1.32mmol)、シクロプロピルボロン酸(114mg,1.32mmol)、Pd(OAc)
2(15mg,0.066mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(37mg,0.132mmol)、K
3PO
4.3H
2O(974mg,4.62mmol)の混合物をアルゴン下、80℃で16時間撹拌した。その混合物をRTに冷却し、次いで、酢酸エチルと水との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(メタノール/ジクロロエタン=1:100)によって精製して、所望の生成物を得た(400mg,62%)。ESI−MS m/z:493.2[M+H]
+.
【0771】
(S)−1−(3−(4−(2−((4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニル)アミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(II−67)
表題化合物を、実施例33に記載の手順にしたがって3工程で(S)−tert−ブチル3−(4−(2−((4−クロロ−5−シクロプロピル−2−メトキシフェニル)アミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラートから調製した。
【化250】
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【0772】
実施例65
(S)−1−(3−(4−(2−(4−クロロ−5−エチル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(II−69)の合成
【化251】
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【0773】
(S)−tert−ブチル3−(4−(2−((4−クロロ−5−エチル−2−メトキシフェニル)アミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート
RTのTHF(20mL)中の、(S)−tert−ブチル3−(4−(2−((5−ブロモ−4−クロロ−2−メトキシフェニル)アミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート(400mg,0.75mmol)、PdCl
2(dppf)(95mg,0.13mmol)の溶液に、Et
2Zn(2.86mL,2.86mmol,ヘキサン中1.0M)を添加した。得られた混合物をアルゴン下、80℃で4時間撹拌し、次いで、酢酸エチルと水との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(メタノール/ジクロロエタン=1:80)によって精製して、所望の生成物を得た(250mg,69%収率)。ESI−MS m/z:481.2[M+H]
+.
【0774】
(S)−1−(3−(4−(2−((4−クロロ−5−エチル−2−ヒドロキシフェニル)アミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(II−69)
表題化合物を、実施例33に記載の手順にしたがって3工程で(S)−tert−ブチル3−(4−(2−((4−クロロ−5−エチル−2−メトキシフェニル)アミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラートから調製した。
【化252】
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【0775】
実施例66
1−(3−(4−(2−(4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセチル)−2−メチルピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(II−60)の合成
【化253】
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【0776】
tert−ブチル4−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシラート
表題化合物を、実施例41に記載の手順にしたがって3工程でtert−ブチル3−メチルピペラジン−1−カルボキシラートから調製した。
【0777】
1−(3−(2−メチルピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン塩酸塩
MeOH/HCl(20mL,2.9M)中のtert−ブチル4−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシラート(62mg,0.199mmol)の混合物を、RTで1時間撹拌した。その混合物を真空中で濃縮して、粗生成物を得た(59mg)。その粗生成物をさらに精製せずに次の工程で直接使用した。
【0778】
1−(3−(4−(2−((4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニル)アミノ)アセチル)−2−メチルピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(II−60)
−10℃の乾燥THF(30mL)中の、2−((4−クロロ−5−シクロプロピル−2−ヒドロキシフェニル)アミノ)酢酸(30mg,0.124mmol)およびNMM(50mg,0.496mmol)の混合物に、クロロギ酸エチル(15mg,0.136mmol)を添加し、得られた混合物を−10℃で45分間撹拌した。次いで、それに1−(3−(2−メチルピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン塩酸塩(37mg,0.149mmol)、Et
3N(50mg,0.496mmol)およびジクロロメタン(3mL)の混合物を添加した。得られた混合物をRTで30分間撹拌した。その混合物を酢酸エチルと水との間で分配した。有機層を飽和NaHCO
3溶液およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=40:1)によって精製して、所望の生成物(10mg,18.6%収率)を白色固体として得た。
【化254】
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【0779】
実施例67
2−(2−(4−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−イル)−2−オキソエチルアミノ)−5−クロロ−4−シクロプロピルベンゾニトリル(II−71)の合成
【化255】
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【0780】
4−ブロモ−5−クロロ−2−ニトロベンズアミド
0℃のTHF(20mL)中の、4−ブロモ−5−クロロ−2−ニトロ安息香酸(1.3g,4.63mmol)、Et
3N(1.4g,13.9mmol)の混合物に、クロロギ酸エチル(1.5g,13.9mmol)を添加した。得られた混合物を0℃で1時間撹拌した。次いで、NH
3.H
2O(4mL)を添加し、0.5時間撹拌した。その混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、粗生成物を得た(900mg)。
【0781】
2−アミノ−4−ブロモ−5−クロロベンズアミド
70℃のAcOH(20mL)および水(5mL)中の4−ブロモ−5−クロロ−2−ニトロベンズアミド(900mg,3.2mmol)の溶液に、Fe粉末(900mg,16.1mmol)を添加し、得られた混合物を70℃で1時間撹拌した。その混合物をRTに冷却し、氷水に注ぎ込んだ。沈殿物を濾別し、水でリンスした。この粗生成物を酢酸エチルで溶解し、濾過した。その濾液を飽和NaHCO
3溶液およびブラインで洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、所望の生成物を得た(770mg,97%収率)。ESI−MS m/z:250.1[M+H]
+.
【0782】
tert−ブチル3−(4−(2−((5−ブロモ−2−カルバモイル−4−クロロフェニル)アミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート
表題化合物を、実施例44に記載の手順にしたがって3工程で2−アミノ−4−ブロモ−5−クロロベンズアミドから調製した。ESI−MS m/z:532.5[M+H]
+.
【0783】
tert−ブチル3−(4−(2−((2−カルバモイル−4−クロロ−5−シクロプロピルフェニル)アミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート
トルエン(10mL)および水(2mL)中の、tert−ブチル3−(4−(2−((5−ブロモ−2−カルバモイル−4−クロロフェニル)アミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート(350mg,0.66mmol)およびシクロプロピルボロン酸(226mg,2.64mmol)の溶液に、Pd(OAc)
2(15mg,0.07mmol)、PCy
3(37mg,0.132mmol)およびK
3PO
4(487mg,2.31mmol)を添加した。その混合物を80℃で16時間撹拌した。その混合物をRTに冷却し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(1〜5%メタノール/ジクロロエタン)によって精製して、所望の生成物(150mg,46%収率)を固体として得た。
【0784】
2−((2−(4−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−イル)−2−オキソエチル)アミノ)−5−クロロ−4−シクロプロピルベンズアミド
表題化合物を、実施例33に記載の手順にしたがって2工程でtert−ブチル3−(4−(2−((2−カルバモイル−4−クロロ−5−シクロプロピルフェニル)アミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシラートから調製した。ESI−MS m/z:446.4[M+H]
+.
【0785】
2−((2−(4−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−イル)−2−オキソエチル)アミノ)−5−クロロ−4−シクロプロピルベンゾニトリル(II−71)
RTのDCM(10mL)中の、2−((2−(4−(1−アクリロイルアゼチジン−3−イル)ピペラジン−1−イル)−2−オキソエチル)アミノ)−5−クロロ−4−シクロプロピルベンズアミド(30mg,0.067mmol)およびEt
3N(41mg,0.404mmol)の混合物に、無水トリフルオロ酢酸(56mg,0.268mmol)を添加した。得られた混合物をRTで0.5時間撹拌し、水に注ぎ込み、次いで、ジクロロメタンで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(1〜4%メタノール/ジクロロエタン)によって精製して、所望の生成物を得た(20mg,72%収率)。
【化256】
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【0786】
実施例68
1−(3−(4−(2−(4−クロロ−5−(2,2−ジフルオロシクロプロピル)−2−ヒドロキシフェニルアミノ)アセチル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(II−56)の合成
【化257】
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【0787】
2−クロロ−4−メトキシ−1−ビニルベンゼン
THF(50mL)中のホスホニウム塩(2.05g,5mmol)の懸濁液に、t−BuOK(0.84g,7.5mmol)を添加した。その混合物は黄色を呈し、それをRTで1時間撹拌し続けた。その混合物に2−クロロ−4−メトキシベンズアルデヒド(0.85g,5mmol)を添加した。その混合物を24時間撹拌し、飽和NaHCO3で希釈し、次いで、ヘキサンで抽出した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をIsolera One(100%ヘキサン類)によって精製して、所望の生成物を得た(0.45g,53%収率)。
【化258】
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【0788】
2−クロロ−1−(2,2−ジフルオロシクロプロピル)−4−メトキシベンゼン
乾燥THF(4mL)中の2−クロロ−4−メトキシ−1−ビニルベンゼン(290mg,1.72mmol)の溶液を脱気し、次いで、TMS−CF
3およびNaIを添加した。その混合物を80℃で一晩撹拌した。TLC(100%ヘキサン)は、その反応が完了したことを示した。その混合物をヘキサン(20mL)で希釈した。無機塩を濾過によって除去した。その濾液を真空中で濃縮した。残渣をIsolera One(ヘキサン=100%)によって精製した。
【0789】
1−クロロ−2−(2,2−ジフルオロシクロプロピル)−5−メトキシ−4−ニトロベンゼン
Ac
2O(2mL)中の2−クロロ−1−(2,2−ジフルオロシクロプロピル)−4−メトキシベンゼン(328mg,1.5mmol)の溶液に、0℃でHNO
3(10滴)を添加した。その混合物を0℃〜rtで撹拌した。Ac
2Oを真空中で除去した。残渣をDCMで希釈し、水で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させた。溶媒を真空中で除去した。残渣をIsolera One(EtOAc/ヘキサン=0〜15%)によって精製して、所望の生成物を得た。
【化259】
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【0790】
4−クロロ−5−(2,2−ジフルオロシクロプロピル)−2−メトキシアニリン
上記で得られた1−クロロ−2−(2,2−ジフルオロシクロプロピル)−5−メトキシ−4−ニトロベンゼンを10mLのAcOH/i−PrOH(1:5)の共溶媒に溶解した。その混合物にZn末を添加した。その混合物を60℃で30分間撹拌した。溶媒を真空中で除去した。残渣をDCMで希釈し、無機塩を濾過によって除去した。その濾液を濃縮して、粗生成物を得て、これをさらに精製せずに次の工程で使用した。
【0791】
1−(3−(4−((4−クロロ−5−(2,2−ジフルオロシクロプロピル)−2−ヒドロキシフェニル)グリシル)ピペラジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(II−56)
表題化合物を、実施例44に記載の手順にしたがって6工程で4−クロロ−5−(2,2−ジフルオロシクロプロピル)−2−メトキシアニリンから調製した。
【化260】
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【0792】
実施例69
構造(I)、(II)および(III)の化合物の生化学的アッセイ
試験化合物を、10mMのDMSO原液(Fisherカタログ番号BP−231−100)として調製した。KRAS G12C 1−169(hisタグ化タンパク質、GDP負荷)を、緩衝液(20mM Hepes、150mM NaCl、1mM MgCl
2)で2μmに希釈した。化合物を、以下のように活性について試験した。
【0793】
化合物を、96ウェル保存プレート中でDMSOにて50×最終試験濃度に希釈した。化合物原液を、使用前にボルテックスし、任意の沈殿の兆候を注意深く観察した。以下のように希釈した。
・最終化合物濃度を100μMにするために、化合物を5000μM(5μlの10mM化合物原液+5μlのDMSO)に希釈し、ピペッティングによって十分に混合した。
・最終化合物濃度を30μMにするために、化合物を1500μM(3μlの10mM化合物原液+17μlのDMSO)に希釈し、ピペッティングによって十分に混合した。
・最終化合物濃度を10μMにするために、化合物を500μM(2μlの10mM化合物原液+38μlのDMSO)に希釈し、ピペッティングによって十分に混合した。
【0794】
49μlのタンパク質原液を、96−ウェルPCRプレート(Fisherカタログ番号1423027)の各ウェルに添加した。1μlの50×希釈化合物を、12−チャネルピペッターを使用してPCRプレート中の適切なウェルに添加した。反応物を、200μl多チャネルピペッターを使用したピペットの上下操作によって慎重且つ完全に混合した。プレートを、アルミニウムプレートシールで十分に密封し、引き出しにて室温で24時間保存した。次いで、5μlの2%ギ酸(Fisherカタログ番号A117)のDI H
2O溶液を各ウェルに添加後、ピペットを使用して混合した。次いで、プレートをアルミニウムシールで再度密封し、下記のように分析するまでドライアイス上で保存した。
【0795】
上記アッセイを、以下の手順にしたがった質量分析によって分析した。
【0796】
MS装置を、正極性、分解能2GHz、および低質量(1700)モードに設定し、30分間平衡化する。次いで、装置を較正し、収集モードに切り替え、適切な方法をロードする。
【0797】
さらに30分間の平衡時間の後、ブランクバッチ(すなわち、緩衝液)で運転して、装置が適切に操作されていることを確認する。サンプルを37℃で10分間解凍し、短時間遠心分離し、ベンチトップに移す。ウェルA1およびH12を1μLの500μM内部標準ペプチドでスパイクし、プレートを2000×gで5分間遠心分離する。次いで、方法を実施し、各ウェルの質量を記録する。
【0798】
各ウェルの質量(積算データが望ましい)をプレートマップにペーストし、分析からエクスポートする。内部標準の質量もエクスポートする。50ppmでのデータを荷電状態+19について抽出し、内部標準スパイクを使用してウェルA1の同一性を割り当て、積算する。ピークデータをTOFリストとしてエクスポートし、上記工程を荷電状態+20、21、22、23、24、および25についてそれぞれ反復する。
他のin vitro分析を以下に示す。
【0799】
細胞成長の阻害:
本発明の化合物がRas媒介細胞成長を阻害する能力を、以下のように評価し、実証する。野生型Rasまたは変異体Rasを発現する細胞を、白色透明底96ウェルプレート中に5,000細胞/ウェルの密度でプレートする。細胞を、プレート後約2時間付着させ、本明細書中に開示の化合物を添加する。一定時間後(例えば、24時間、48時間、または72時間の細胞成長後)、細胞増殖を、製造者の指示にしたがってCell Titer Glo試薬(Promega)を使用して総ATP含有量を測定することによって決定する。増殖EC50を、100μMからハーフログ間隔で減少する8点の化合物用量応答の分析によって決定する。
【0800】
Ras媒介シグナル伝達の阻害:
本明細書中に開示の化合物がRas媒介シグナル伝達を阻害する能力を、以下のように評価し、実証する。野生型Rasまたは変異体Ras(G12C、G12V、またはG12Aなど)を発現する細胞を、本発明の化合物を用いるか、用いずに(コントロール細胞)処置する。1つまたはそれを超える本発明の化合物によるRasシグナル伝達の阻害を、コントロール細胞と比較した場合の1つまたはそれを超える本発明の化合物で処置した細胞におけるリン酸化MEKの定常状態レベルおよび/またはRaf結合の減少によって実証する。
【0801】
Ras媒介シグナル伝達の阻害:
本明細書中に開示の化合物がRas媒介シグナル伝達を阻害する能力を、以下のように評価し、実証する。野生型Rasまたは変異体Ras(G12C、G12V、またはG12Aなど)を発現する細胞を、本発明の化合物を用いるか、用いずに(コントロール細胞)処置する。1つまたはそれを超える本発明の化合物によるRasシグナル伝達の阻害を、コントロール細胞と比較した場合の1つまたはそれを超える本発明の化合物で処置した細胞におけるG12C変異Rasタンパク質への化合物の結合率によって実証する。
【0802】
Ras媒介シグナル伝達の阻害:
本明細書中に開示の化合物がRas媒介シグナル伝達を阻害する能力を、以下のように評価し、実証する。野生型Rasまたは変異体Ras(G12C、G12V、またはG12Aなど)を発現する細胞を、本発明の化合物を用いるか、用いずに(コントロール細胞)処置する。1つまたはそれを超える本発明の化合物によるRasシグナル伝達の阻害を、コントロール細胞と比較した場合の1つまたはそれを超える本発明の化合物で処置した細胞におけるRas複合体の下流シグナル伝達分子(例えば、Raf)への結合の減少によって実証する。
【0803】
表1、2aおよび3中の各化合物を、上記方法にしたがって試験し、少なくとも約5%の範囲でKRAS G12Cに共有結合することが見出された(すなわち、ウェル中に存在するタンパク質の少なくとも約5%が試験化合物に共有結合することが見出された)。
【表4-1】
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【表4-2】
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【表4-3】
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*化合物1〜47の結合は24時間後に測定し;化合物48〜246の結合は2時間後に測定し;化合物247〜342の結合は30分後に測定した。
+は、5%〜25%の結合活性を示す。
++は、25%超から50%までの結合活性を示す。
+++は、50%超から75%までの結合活性を示す。
++++は、75%超の結合活性を示す。
【表5】
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*結合活性は24時間後に測定した。
+は、5%〜15%の結合活性を示す。
++は、15%超から25%までの結合活性を示す。
+++は、25%超から50%までの結合活性を示す。
++++は、50%超の結合活性を示す。
【表6】
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*結合活性は2時間後に測定した。
+は、5%〜20%の結合活性を示す。
++は、20%超の結合活性を示す。
【表7】
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*結合活性は24時間後に測定した。
+は、5%〜10%の結合活性を示す。
++は、10%超から20%までの結合活性を示す。
+++は、20%超から30%までの結合活性を示す。
++++は、30%超の結合活性を示す。
【表8】
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*結合活性は2時間後に測定した。
+は、5%〜20%の結合活性を示す。
++は、20%超の結合活性を示す。
【0804】
本明細書中で言及した全ての米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許刊行物または添付の出願データシートは、本説明に矛盾しない範囲でその全体が本明細書中で参考として組み込まれる。
【0805】
「がんの処置のための併用療法」と題される、2014年9月18日に出願された米国仮特許出願第62/052,332号、および2015年7月22日に出願された米国仮特許出願第62/195,633号は、その全体が本明細書中に参照によって組み込まれる。
【0806】
前述から、本発明の特定の実施形態が例示を目的として本明細書に記載されているが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく種々の修正形態が可能であると認識されるであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲以外から制限されない。