(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-529045(P2017-529045A)
(43)【公表日】2017年9月28日
(54)【発明の名称】電動モータにおいてコンタクトばねにSMDコンポーネントを取り付ける方法
(51)【国際特許分類】
H02K 5/00 20060101AFI20170901BHJP
H05K 13/04 20060101ALI20170901BHJP
【FI】
H02K5/00 Z
H05K13/04 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-513246(P2017-513246)
(86)(22)【出願日】2015年9月7日
(85)【翻訳文提出日】2017年5月1日
(86)【国際出願番号】EP2015070323
(87)【国際公開番号】WO2016037955
(87)【国際公開日】20160317
(31)【優先権主張番号】102014217924.6
(32)【優先日】2014年9月8日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヴェアナー ヴァルラーフェン
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ムレサン
【テーマコード(参考)】
5E353
5H605
【Fターム(参考)】
5E353BB01
5E353BC06
5E353JJ50
5E353QQ11
5H605AA08
5H605BB05
5H605CC02
5H605CC03
5H605EA11
5H605GG04
(57)【要約】
ここに記載されているのは、電動モータにおいてコンタクトばねにSMDコンポーネントを取り付ける方法である。この方法の第1変形実施形態では、すでに中空室(1)に突出するコンタクトばね(3)が備え付けられている、電動モータの支持体の底部にSMDコンポーネント(2)を取り付ける。ここではSMDコンポーネントの組み込み時にこのコンタクトばねを押し戻して、この組み込み時に摩擦ないしは摺動接触接続が生じないようにする。第2変形実施形態では、まずSMDコンポーネントを取り付け、その後、押圧ツールを用いてコンタクトばねをはめ込む。コンタクトばねをはめ込む際にばねが押し止められ、これによって同様に、すでに組み込まれているSMDコンポーネントとの摩擦ないしは摺動接触接続が生じないようにする。これにより、組み込み時にコンタクトばねによるSMDコンポーネントの損傷が回避される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータにおいてコンタクトばね(3)にSMDコンポーネント(2)を取り付ける方法であって、
a. 前記電動モータの支持体(5)の底部に取り付けるべきSMDコンポーネント(2)を、把持及び取付ツールを使用して把持するステップと、
b. 前記支持体(5)上の取付位置上に前記SMDコンポーネント(2)を移動させるステップと、
c. 突き出ている前記コンタクトばね(3)を押圧器(4)を使用して押し戻すステップと、
d. 前記支持体(5)の前記底部に前記SMDコンポーネント(2)を配置するステップと、
e. 前記把持及び取付ツールを取り除くステップと、
f. 前記押圧器(4)を取り除くステップと、を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
電動モータにおいてコンタクトばね(3)にSMDコンポーネント(2)を取り付ける方法であって、
a. 前記電動モータの支持体(5)の底部に取り付けるべきSMDコンポーネント(2)を把持及び取付ツールを使用して把持するステップと、
b. 前記支持体(5)の前記底部に前記SMDコンポーネント(2)を配置するステップと、
c. 押圧ツール(6)を使用して、前記コンタクトばね(3)を収容する装置(8)を、前記電動モータのコンポーネントに押圧し、同時に、押圧器(4)を使用して前記コンタクトばね(3)を押し止めるステップと、
d. 前記押圧ツール(6)及び前記押圧器(4)を取り除くステップと、
e. 前記把持及び取付ツールを取り除くステップとを、有することを特徴とする方法。
【請求項3】
前記コンタクトばね(3)が突出している、前記支持体(5)の中空室(1)内に前記SMDコンポーネント(2)を配置する、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
押圧器(4)が配置されている押圧ツール(6)を使用する、
請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
固定のリードフレームコンタクトが前記SMDコンポーネント(2)の取付位置に接触するまで当該SMDコンポーネント(2)を移動させる、
請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
押圧器(4)が押圧ピンである、
請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
取り付けるべき複数のSMDコンポーネント(2)に、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法を、同時に実行する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動モータにおいてコンタクトばねにSMDコンポーネントを取り付ける方法に関する。
【0002】
SMDコンポーネント(SMD:Surface Mounted Device)は、その構成形態が小型であること及び取り付けが容易であることにより、配線式の電子コンポーネントに比べて優れている。SMDコンポーネントは標準的には、プリント基板又はセラミック基板に載置されて、導体路又はプリント基板とはんだ付けされる。この場合にこれらの導体路それ自体は、特に別の接続ケーブル又は接続配線を介して別の電気端子に接続しなければならない。
【0003】
本発明では、電動モータにおいてコンタクトばねにこのような複数のSMDコンポーネントを取り付けることに関する。ここでこのようなSMDコンポーネントは有利には中空室に配置されており、この中空室は、SMDコンポーネント用の対応する支持体内に設けられておりかつこれらの中空室には、電動モータの側面コンタクトの複数のコンタクトばねが突出している。SMDコンポーネントは、例えばセラミックから構成される極めて影響を受けやすい部分であるため、これらのコンポーネントを取り付ける際にコンタクトばねに接触することにより、摩擦作用又は粘着作用に起因して、SMDコンポーネントを損傷させてしまう危険性が高い。
【0004】
本発明の課題は、取り付けの際にSMDコンポーネントを特に優しく取り扱えるようにする冒頭に述べた形態の方法を提供することである。
【0005】
この課題は、本発明により、択一的な第1の実施形態にしたがい、以下のステップを有する方法によって解決される。すなわち、
a. 電動モータの支持体の底部に取り付けるべきSMDコンポーネントを把持及び取付ツールによって把持するステップと、
b. 前記支持体上の取付位置上でSMDコンポーネントを移動するステップと、
c. 中空室に突出しているコンタクトばねを押圧器によって押し戻すステップと、
d. 支持体の底部にSMDコンポーネントを配置するステップと、
e. 把持及び取付ツールを取り除くステップと、
f. 押圧器を取り除くステップとを有する方法によって解決される。
【0006】
本発明による方法のこの第1の択一的な形態は、電動モータの支持体の底部にSMDコンポーネントを配置する、方法の変形実施形態に関するものであり、ここでこの支持体にコンタクトばねがすでに備え付けられている。したがってコンタクトばねは、SMDコンポーネントの取り付けの前にすでに配置されている。したがってSMDコンポーネントの取り付け時には、本発明による解決手段がなければ、SMDコンポーネントは、コンタクトばねに接触接続し(側方で接触し)、これによって上で説明した損傷が発生することがある。
【0007】
本発明では、突出するコンタクトばねを押圧器によって押し戻し、これによってSMDコンポーネントを、まったく接触なしに又は低減された力ないしは低減された押圧力で、支持体の底部に取り付けることができるようにする。SMDコンポーネントは有利には、側面コンタクトのコンタクトばねといかなる機械的な接触もなしに取り付けられる。SMDコンポーネントの取り付けの後、SMDコンポーネント用の把持及び取付ツールならびに押圧器が取り除かれる。押圧器が取り除かれると、コンタクトばねは、その緊張のない状態に移動し、この状態においてコンタクトばねは、SMDコンポーネントと側方の圧力によって接触接続し、対応する電気的な接触接続を形成する。
【0008】
本発明による方法の第2の択一的な実施形態では、SMDコンポーネントを支持体の底部に配置した後、コンタクトばねがはじめて取り付けられる。したがってこの択一的な実施形態は、以下のステップによって特徴付けられる。すなわち、
a. 電動モータの支持体の底部に取り付けるべきSMDコンポーネントを把持及び取付ツールによって把持するステップと、
b. 支持体の底部にSMDコンポーネントを配置するステップと、
c. 押圧ツールにより、コンタクトばねを収容する装置を電動モータのコンポーネントに押圧すると同時に、押圧器によってコンタクトばねを押し止めるステップと、
d. 押圧ツール及び押圧器を取り除くステップと、
e. 把持及び取付ツールを取り除くステップとによって特徴付けられる。
【0009】
したがって本発明による方法のこの変形実施形態では、支持体の底部にSMDコンポーネントを取り付けた後、コンタクトばねが取り付けられる。これは、押圧ツールによって行われ、この押圧ツールは、コンタクトばねを収容する装置を、電動モータのコンポーネントに、例えばブラシホルダに押し付ける。この押圧過程では、コンタクトばねは押圧器によって押し止められるため、ばねの取り付け時には、すでに取り付けられているSMDコンポーネントにまったく機械的に接触しないか、又は比較的わずかな力でこれと接触するだけである。最適であるのは、側方の接触がまったく行われないことである。
【0010】
コンタクトばねを取り付けた後、押圧ツール及び押圧器を取り除き、これによってコンタクトばねは、その弛緩状態において、SMDコンポーネントと押圧接触接続して移動することができる。つぎに把持及び取付ツールを取り除く。当然のことながらこれは、押圧ツール及び押圧器を取り除く前に取り除くことも可能である。
【0011】
したがって本発明による方法の2つの択一的な形態において、SMDコンポーネントを組み込む際にコンポーネントとコンタクトばねとの間に摺動接触がまったく発生しないか又は比較的わずかな押圧力で接触するだけであるため、SMDコンポーネントが損傷される危険性が低減される。
【0012】
SMDコンポーネントは有利には、コンタクトばねが突出している支持体の中空室に配置される。本発明による方法の第1の択一的な形態においても第2の択一的な形態においても共に、コンタクトばねとの接触がまったく行わないか又は低減された押圧力での接触だけしか行われない。
【0013】
本発明による方法の第2の択一的な形態では有利には、押圧器が配置されている押圧ツールを使用する。したがってこの変形実施形態では、押圧ツール及び押圧器が1つのユニットを構成し、これによってただ1つのコンポーネントを操作するだけでよく、別々の2つの装置を操作する必要がない。したがって電動モータの対応するコンポーネントに、コンタクトばねを有する装置を押圧する際には同時に、コンタクトばねが押圧器によって押し戻されて押し止められるため、上記のような側方における接触のない組み込みが可能になる。
【0014】
さらにSMDコンポーネントを取り付ける際は、このSMDコンポーネントは有利には、固定のリードフレームコンタクトが接触するまで移動される。このような「リードフレーム」は、例えば、支持体に固定されるリードフレーム部のことである。このリードフレームは、対応するユニットの別の複数の機能要素との電気的な接続を形成するために使用され、ここでこれらの機能要素は、例えばこのユニットの別の電子コンポーネント又は電気機械的な構成要素であってよい。いずれの場合もここではSMDコンポーネントは特に中空室内に移動され、この移動はこのSMDコンポーネントが、対応するリードフレームコンタクトと接触するまで続けられる。
【0015】
本発明による方法では、押圧器として有利には押圧ピンを使用する。ここでこの押圧ピンは、SMDコンポーネントの組み込みを妨害しない細いツールである。
【0016】
本発明による方法は、電動モータにおける複数のSMDコンポーネントないしはすべてのSMDコンポーネントに対して順次に実行することができる。有利な実施形態では、取り付けるべき複数のSMDコンポーネントに同時にこの方法を実行する。したがってこの際には、上で説明した個々のステップを有するただ1つのプロセスが実行される。
【0017】
以下、実施例に基づき、図面に関連して本発明を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1実施形態による、SMDコンポーネントの取り付けを示す概略図である。
【
図2】本発明の第2実施形態による、SMDコンポーネントの取り付けを示す概略図である。
【0019】
図1には、支持体5として、電動モータのプラスチック製のブラシホルダが略示されており、この支持体5は、上方が開いた中空室1を有しており、この中空室内にSMDコンポーネント2を取り付ける。中空室1には、すでに支持体5に取り付けられているコンタクトばね3が突出しており、このコンタクトばねを介して、組み込むべきSMDコンポーネント2との電気的な押圧接触接続を形成する。SMDコンポーネント2は、把持及び取付ツールによって把持され、中空室1の上方に配置される。押圧器4として構成されたピンにより、すでに事前に組み込まれていたコンタクトばね3が押し戻されて、中空室1にSMDコンポーネント2をはめ込む際には、コンタクトばね3との摩擦ないしは摺動接触接続が生じないようにされている。
図1には、コンタクトばね3を押し戻す直前の位置における押圧器4が示されている。
【0020】
SMDコンポーネント2が、その最終位置に到達した後、(図示しない)把持及び取付ツール及び押圧器4は元のように取り除かれる。したがってコンタクトばね3は、
図1に示した弛緩した位置に移動し、この位置においてこのコンタクトばねは、組み込まれたSMDコンポーネント2に押圧接触接続される。
【0021】
図2に概略的に示したこの方法の変形実施形態では、まず支持体5の中空室1にSMDコンポーネント2を配置し、その後コンタクトばね3を取り付ける。ここでも同様にSMDコンポーネント2は、把持及び取付ツールによって中空室1内へと移動され、つぎに図の水平方向左側に向かって、(図示しない)固定のリードフレームコンタクトに接触するまでSMDコンポーネント2が移動される。つぎに押圧ツール6により、コンタクトばね3を収容する(概略的にのみ示されている)装置8が、モータのブラシホルダの区画7に押圧される。この過程において同時に、押圧ツール6に配置されているピンの形態の押圧器4により、コンタクトばね3が押し戻されかつ押し止められて、組み込む際に、ばねと、すでに前に組み込まれているSMDコンポーネント2とが、摩擦ないしは摺動接触接続を生じないようにされている。押圧ツール6を取り除く際には同時に押圧器4が上方に移動し、これによって、コンタクトばね3は、押圧されていないテンションのない最終位置をとることができ、この最終位置においてコンタクトばねは、組み込まれたSMDコンポーネント2と押圧接触接続される。
【0022】
したがって本発明による方法の2つの変形実施形態において、組み込み中にSMDコンポーネント2が優しく取り扱われる。
【国際調査報告】