特表2017-529973(P2017-529973A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-529973注射装置のためのねじりばね及びそのようなねじりばねを備えた注射装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-529973(P2017-529973A)
(43)【公表日】2017年10月12日
(54)【発明の名称】注射装置のためのねじりばね及びそのようなねじりばねを備えた注射装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/20 20060101AFI20170919BHJP
   A61M 5/315 20060101ALI20170919BHJP
【FI】
   A61M5/20 510
   A61M5/315 550N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-518855(P2017-518855)
(86)(22)【出願日】2015年10月7日
(85)【翻訳文提出日】2017年6月5日
(86)【国際出願番号】EP2015073105
(87)【国際公開番号】WO2016055505
(87)【国際公開日】20160414
(31)【優先権主張番号】14188136.7
(32)【優先日】2014年10月8日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】596113096
【氏名又は名称】ノボ・ノルデイスク・エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ライマー, セーレン ディブダール
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD13
4C066EE06
4C066QQ32
4C066QQ48
4C066QQ72
4C066QQ79
(57)【要約】
本発明は、長手方向(X)において巻かれ、遠位端部を有する遠位の巻き部と近位端部を有する近位の巻き部との間に配置された幾つかの連続的な巻き部を有する、ねじりばね式の自動注射装置のための螺旋状に巻かれたねじりばねに関する。各巻き部は、外表面を更に有する。ねじりばねの少なくとも1つの端部は、屈曲部のない平端部面を形成するように唐突に切断され、少なくとも幾つかの連続的な巻き部は、連続的な巻き部の間に間隙を伴って巻かれ、それによって、遠位端部と近位端部が互いに対して軸方向に移動されたときに、ねじりばねが軸方向の力を加える。本発明は、更に、設定可能な用量の液剤を吐出するためのねじりばね式の自動注射装置に関し、そのようなねじりばねは、唐突に切断された端部を適正な係合へと促す。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向(X)において巻かれた、ねじりばね式の自動注射装置内の螺旋状に巻かれたねじりばねであって、
幾つかの連続的な巻き部であって、遠位の巻き部(4、104)が遠位端部(2、102)を有し、近位の巻き部(5、105)が近位端部(3、103)を有し、各巻き部が外表面(6、106)を更に有する、巻き部を備え、
前記遠位端部(2、102)と前記近位端部(3、103)のうちの一方又は両方が、略直線的で屈曲部のない端部面(7、107、8、108)を形成するように切断され、
第1の領域内の幾つかの前記連続的な巻き部が、密巻き形状を形成するように前記連続的な巻き部の間に間隙を伴わないで巻かれ、第2の領域内の幾つかの前記連続的な巻き部が、荒巻き形状を形成するように前記連続的な巻き部の間に間隙(109)を伴って巻かれ、前記遠位端部(2、102)と前記近位端部(3、103)が互いに対して軸方向に移動されたときに、前記ねじりばね(1、100)が軸方向の力を加える、ねじりばね。
【請求項2】
設定可能な用量の液剤を吐出する、ねじりばね式の自動注射装置であって、
相対的に回転可能なハウジングアセンブリと用量設定アセンブリ、及び
前記ハウジングアセンブリに対する前記用量設定アセンブリの回転に際して、ねじりばね(1、100)が引っ張られるように、前記ハウジングアセンブリと前記用量設定アセンブリとの間に張設された、請求項1に記載のねじりばね(1、100)を備え、
請求項1に記載のねじりばね(1、100)が、長手方向(X)及び幾つかの連続的な巻き部を有するように螺旋状に巻かれ、遠位の巻き部(4、104)が遠位端部(2、102)を有し、近位の巻き部(5、105)が近位端部(3、103)を有し、前記遠位端部(2、102)及び/又は前記近位端部(3、103)が、直線的で屈曲部のない端部面(7、107、8、108)を形成するように切断され、各巻き部が外表面(6、106)を更に有し、第1の領域内の幾つかの前記連続的な巻き部が、密巻き形状を形成するように前記連続的な巻き部の間に間隙を伴わないで巻かれ、第2の領域内の幾つかの前記連続的な巻き部が、荒巻き形状を形成するように前記連続的な巻き部の間に間隙(109)を伴って巻かれ、前記遠位端部と前記近位端部が互いに対して軸方向に移動されたときに、前記ねじりばね(1、100)が軸方向の力を加え、
前記ハウジングアセンブリ又は前記用量設定アセンブリのうちの少なくとも一方が、少なくとも部分的にポリマー材料から作られ、前記螺旋状ねじりばね(1、100)の前記遠位端部面(7、107)又は前記近位端部面(8、108)と当接するための、前記螺旋状ねじりばね(1、100)の前記長手方向(X)と実質的に平行な第1の面(23、123)を備えた、ばね受容機構を備え、前記ばね受容機構が、少なくとも前記遠位の巻き部(4、104)又は少なくとも前記近位の巻き部(5、105)の前記外表面(6、106)を支持するための、前記螺旋状ねじりばね(1、100)の前記長手方向(X)と実質的に平行な第2の面(24、124)を更に備え、且つ
前記用量設定アセンブリが、前記ねじりばね(1、100)を引っ張るように前記ハウジングアセンブリに対して回転されたときに、前記ばね受容機構の前記第1の面(23、123)が、前記ねじりばね(1、100)の前記切断された直線的な屈曲部のない端部面(7、107、8、108)に対して押圧され、前記ねじりばね(1、100)を引っ張り、それによって、前記少なくとも遠位の巻き部(4、104)及び/又は前記少なくとも近位の巻き部(5、105)の前記外表面(6、106)を、前記第2の面(24、124)に対して押圧するように強いる、ねじりばね式の自動注射装置。
【請求項3】
前記用量設定アセンブリが、前記ばね受容機構が一体的に形成された、ポリマー用量設定部材(10、110)を備える、請求項2に記載のねじりばね式の自動注射装置。
【請求項4】
前記ハウジングアセンブリが、前記ばね受容機構が一体的に形成された、ポリマーハウジング部材(20、120)を備える、請求項2又は3に記載のねじりばね式の自動注射装置。
【請求項5】
前記ばね受容機構が、切り欠き(22、122)を備える、請求項2から4のいずれか一項に記載のねじりばね式の自動注射装置。
【請求項6】
前記第1の面(23、123)が、前記切り欠き(22、122)の一部である、請求項5に記載のねじりばね式の自動注射装置。
【請求項7】
前記切り欠き(22、122)が、前記螺旋状に巻かれたねじりばね(1、100)の前記長手方向(X)に対して実質的に垂直に延在する、遠位に配置されたガイド面(25、125)を備える、請求項5又は6に記載のねじりばね式の自動注射装置。
【請求項8】
前記第2の面(24、124)が、階段状構成を備える、請求項2から7のいずれか一項に記載のねじりばね式の自動注射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、螺旋状に巻かれたねじりばね及びそのようなねじりばねを利用するねじりばね式の自動注射装置に関する。本発明は、特に、自動注射装置内のポリマー(polymeric)部品に、そのような螺旋状に巻かれたねじりばねを固定することに関する。より具体的に述べると、本発明は、それらのそれぞれの端部において屈曲部(bend)を有さず、したがって、互いに対してそれぞれの屈曲部のない端部を押圧すことによって引っ張られる、螺旋状に巻かれたねじりばねに関する。
【背景技術】
【0002】
用量設定時にユーザ側で自動注射装置のねじりばねに引張を与えておいて、液剤を吐出する際にねじりばねに蓄えておいたトルクを利用する自動注射装置は、何十年も前から既知である。設定可能な用量サイズを吐出する、この種の自動注射装置の初期の例は、例えば、US5,104,380により開示されている。
【0003】
この種の自動注射装置で使用するねじりばねは、一般に、螺旋状に巻かれたねじりばねである。螺旋状ねじりばねは、通常、ハウジング部材と回転可能用量設定部材との間に配置され、用量設定部材を回転させることによって引っ張られる。WO2006/045526では、遠位端部がねじりばねをハウジングに固定するための外側屈曲部を有し、近位端部がねじりばねを回転可能用量設定部材に取り付けるための内側屈曲部を有する、螺旋状ねじりばねが開示されている。
【0004】
同様に、WO2007/063342の場合にも、ハウジングと一体的に成型された保持リングを介してハウジングを係合するフック状屈曲部が遠位に設けられ、用量設定ノブに回転可能に固定されたラチェット駆動シャフトと係合する内側屈曲部を近位に有する、螺旋状ねじりばねが開示されている。したがって、ユーザが用量設定ノブを回転させると、ねじりばねが引っ張られる。
【0005】
WO2012/063061に開示されている螺旋状ねじりばねでは、螺旋状ねじりばねの屈曲端部が注射装置の部品に固定され得る構成について幾つかの例が更に開示されている。
【0006】
更に、屈曲端部を有し且つ開いたコイルの形態で巻かれている、ばね式の自動注射装置のねじりばねが、WO2006/126902、WO2010/089418、及びWO2013/167869で開示されている。
【0007】
一般に、自動注射装置に使用するねじりばねは、ねじりばねの軸方向の長さを維持したままねじりばねにトルクを蓄積していって、用量設定中に注射装置から部品がはみ出さないように、構造体の中に組み込まれる。両端の屈曲部は、注射装置の軸方向の決まった位置に固定され、用量設定中に互いから離れるように回転方向にねじり合うことから、ねじりばねの直径は用量設定中に減少する。
【0008】
螺旋状に巻かれたねじりばねの製造時には、螺旋状ねじりばねの端部に屈曲部を作製するために追加的な費用が発生する。このため、端部に屈曲部を有する螺旋状ねじりばねは、端部に屈曲部のない螺旋状ねじりばねよりも高価である。したがって、屈曲部のない螺旋状ねじりばねを自動注射装置に使用できれば、有益である。直線的で屈曲部のない端部面を形成する、唐突に切断された端部を有するねじりばねを有する注射装置の例が、WO2014/001318及びWO2014/060369で開示されている。
【0009】
この種の注射装置での用量設定では、ねじりばねの両側の直線的な端部が、互いに対して反対の回転方向にねじられるため、螺旋状ねじりばねの直径は増大する。更に、ねじりばねの長さを一定のままに維持するように、両端部が、注射装置内で軸方向において決まった位置に固定される。
【0010】
更に、ユーザが注射のためにほんの少しの用量を選択する場合、かかる小用量を吐出するのに十分な力を送達するために、ある一定のトルクがねじりばねから利用可能になる必要がある。力は、投与機構内の摩擦を克服するのに十分でなくてはならない。これにより、たとえ用量がまだ選択されていないとき、すなわち、用量設定機構がその「ゼロ」位置にあるときでも、ねじりばね内に一定のトルクが存在するように、ねじりばねが、注射装置の製造段階において予め引っ張られていることが必要になる。予め引っ張られた(予歪の)ねじりばねを有することによってのみ、投与機構内の摩擦を克服し、小用量を吐出するのに十分なトルクが存在する。数学的には、用量設定機構の「ゼロ」位置は、この「ゼロ」位置でも一定のトルクがねじりばねから発生するように、ねじりばねのばね特性に基づいて、一定の距離の位置にある必要がある。
【0011】
WO2014/001318において開示されているように、ねじりばねの遠位端部とねじりばねの近位端部の通常両方(又は両端部のうちの少なくとも一方)が、注射装置内のポリマー構成要素に固定される。しかし、このことは、予め引っ張られたねじりばねを用いて作動する場合に問題を引き起こす。何故ならば、ねじりばね内に負荷されたトルクが、ねじりばねを固定するポリマー部品に応力を加え、それにより、経時的にポリマークリープを発生させるからである。それは、屈曲部のないねじりばねを使用するときに殊に問題である。何故ならば、ばねが作用するポリマー部品の領域は、そこからねじりばねが巻かれるとろこのワイヤーの直径に限定されるからである。更に、かかる自動注射装置は、相当の期間、そして時に変化する温度条件の下で保管されることがよくあり、そのことは、更に進んで、予め引っ張られたばねからの応力下で、ポリマー構成要素を亀裂伝播に曝露する。
【0012】
予め引っ張られたねじりばねを有する自動注射装置は、したがって、ねじりばねのトルクが、相当の領域にわたりポリマー部品によって受容されることによって、ポリマー部品上の応力を低減するように設計されることが必要である。
【0013】
更に、ねじりばねの唐突に切断された端部が、ポリマー部品の許容誤差からは独立してポリマー部品に当接するならば、それは望ましい。
【発明の概要】
【0014】
設定可能用量の液剤を割り振るための自動ねじりばね駆動式注射装置であって、ねじりばねの少なくとも一方の端部にある屈曲部を不要にして、製造費用を削減したものを提供することが、本発明の目的の1つである。更に、ねじりばねを装着するに際して、ねじりばねを固定するポリマー部品上の応力を低減するようにした方法を提供することも、目的の1つである。応力低減される応力は、用量設定中、すなわち、ねじりばねを引っ張っている際に発生する応力、又は、注射装置の保管中に予め引っ張られたねじりばねから発生する応力の何れか、或いは、両者の組み合わせであると理解され得る。
【0015】
更に、直線的な屈曲部のない端部面を形成する、少なくとも1つの唐突に切断された端部を有する低コストのねじりばねを提供することも目的の1つである。ばねの端部面は、装置の組み立ての間に各個別の注射装置内で、殊に軸方向において特定の位置へそれらを自動的に位置決めする。ばねの端部面のこの自動的な位置決めは、好適には、個別の注射装置を作り上げる構成要素の許容誤差から独立して生じるべきである。
【0016】
屈曲部のない切断された端部面という表現は、一端においてねじりばねを形成するワイヤーが、主にワイヤーの長さと垂直な方向において唐突に切断されていることを意味する。したがって、ばねの端部は、屈曲しておらず且つ巻かれたねじりばねの半径に応じた、略直線的な形状を形成する。
【0017】
本発明は請求項1において定義される。一態様によれば、本発明は、幾つかの連続的な巻き部(winding)を備えた螺旋状に巻かれたねじりばねであって、遠位の巻き部が遠位端部を有し、近位の巻き部が近位端部を有し、且つ、各巻き部が外側を向く表面(以下、「外表面」)を更に有する、ねじりばねに関する。遠位端部と近位端部のうちの一方(又は両方)は、巻かれたワイヤーの長さと主に垂直な方向において切断され、略直線的な屈曲部のない端部面を形成する。更に、第1の領域内の幾つかの連続的な巻き部は、連続する巻き部との間に間隙を有しないように巻かれ、密巻き形状を形成し、第2の領域内の幾つかの連続的な巻き部は、連続する巻き部の間に間隙を伴って巻かれ、荒巻き形状を形成する。それによって、遠位端部と近位端部が互いに対して軸方向に移動されるときに、ねじりばねは軸方向の力を加える。
【0018】
荒巻き形状で巻かれた圧縮領域を有することによって、遠位端部と近位端部は、互いから離れるように促され、ばね式の注射装置を作り上げている様々な部品の許容誤差とは独立して、それらのそれぞれの支持面に対抗するように促される。したがって、ねじりばねは、軸方向において自律的に位置合わせを行い、ねじりばねが構築された空間の非常に精密な長さには依存せず、したがって、比較的大きな許容誤差を可能にする。
【0019】
第2の領域において間隙を有して巻かれた巻き部の数は、それらのそれぞれの位置へばねの端部を促すために必要とされる軸方向の力に応じた任意の数であり得る。好適には、荒巻き形状で巻かれた第2の領域が、巻き部が密巻き形状で巻かれた第1の領域の隣りに配置される。ねじりばねは、任意のランダムな位置に配置された任意のランダムな数の第1及び第2の領域を備え得るが、好適には、荒巻き形状で巻かれた1つの第2の領域によって分離された、密巻き形状で巻かれた2つの第1の領域によって形成される。
【0020】
第2の一態様では、本発明が、螺旋状に巻かれたねじりばねを利用する、ねじりばね式の自動注射装置に関する。そのようなねじりばね式の注射装置は、ハウジングアセンブリと、用量を設定するために互いに対して回転可能な、用量設定アセンブリとを備える。ねじりばねは、用量設定アセンブリがハウジングアセンブリに対して回転される際には常にねじりばねが引っ張られるように、ハウジングアセンブリと用量設定アセンブリとの間に張設される。
【0021】
ねじりばねは、長手方向と、遠位の巻き部が遠位端部を有し且つ近位の巻き部が近位端部を有する幾つかの連続的な巻き部とを有する、螺旋状に巻かれたねじりばねである。これらの端部の一方又は両方は、唐突に切断され、好適には、そこからねじりばねが巻かれたところのワイヤーと同じ直径(又は近似的に同じ直径)を有する、平端部面を形成する。遠位の巻き部と近位の巻き部とを含む巻き部の各々は、外表面を有する。
【0022】
更に、遠位端部と近位端部が互いに対して移動されたときに、ねじりばねが軸方向の力を加えるように、幾つかの連続的な巻き部が、連続的な巻き部の間に間隙を伴って巻かれる。
【0023】
ペン形状の自動注射装置では、螺旋状に巻かれたねじりばねと注射装置が、同じ中心線に従い、ねじりばねの2つの端部は、ねじりばねの唐突に切断された端部を押圧する2つの面と正確に当接するべく離れるように促される。
【0024】
ハウジングアセンブリの少なくとも一部分又は用量設定アセンブリの少なくとも一部分は、ポリマー材料から作られており、ポリマー材料から作られており且つ螺旋状ねじりばねの遠位端部又は近位端部の唐突に切断された平端部と当接するために螺旋状ねじりばねの長手方向と実質的に平行に延在する第1の面を備えた、ばね受容機構を備え、そのばね受容機構は、更に、少なくとも遠位の巻き部又は少なくとも近位の巻き部の外表面を支持するために螺旋状ねじりばねの長手方向と実質的に平行な第2の面を備える。
【0025】
その結果として、螺旋状ねじりばねの遠位端部と近位端部とが、第1の面との当接によって互いにねじれる際に、螺旋状ねじりばねの外径は増大し、ねじりばねの外表面は、第2の面に当接することになる。この当接中に、螺旋状ねじりばね内に蓄積されたトルクのうちの一部が、この第2の面との摩擦として伝導されるため、第1の面を一部の応力から解放することになる。
【0026】
螺旋状ばねの遠位端部又は近位端部の何れか又は両方は、唐突に切断されて、平端部面を形成する。唐突に切断されとは、ねじりばねを形成するワイヤーの長さに対して実質的に垂直な方向で、ねじりばねを形成するワイヤーが切断されたことを意味する。しかし、切断端部は、ハウジングアセンブリ及び/又は用量設定アセンブリとの当接を強固なものにするために、屈曲され、一体に押圧されてもよい。用量サイズが増大していくなか、ばね受容機構の第1の面がねじりばねの端部面を押圧するということが、重要な特徴になっている。
【0027】
用量設定アセンブリは用量設定部材を備え、ハウジング要素はハウジング部材を備える。これら両部材の一方又は両方は、一体的に形成されたばね受容機構を有し、このばね受容機構により、用量設定部材とハウジング部材との間に張設された螺旋状ねじりばねの一方又は両方の端部を受容する。
【0028】
用量設定部材及びハウジング部材は、好適には、恒久軸方向距離に配設され、用量設定中及び用量吐出中にその恒久軸方向距離で維持されるため、螺旋状に巻かれたねじりばねは、自動注射装置の作動中にその軸方向長さを維持する。
【0029】
更に、ばね受容機構は切り欠きを備える。しかし、ばね受容機構は、必ずしも、ハウジング部材及び/又は用量設定部材の中に物理的に切り込まれたものではない。切り欠きを含むばね受容機構は、好適には、成型プロセスにおいてポリマー材料から形成される。
【0030】
切り欠きは、螺旋状に巻かれたねじりばねの一方又は両方の端部が当接する、第1の面を創出する。
【0031】
一実施形態では、螺旋状に巻かれたねじりばねの端部を第1の面との当接へとガイドするための、ガイド面が提供される。このガイド面は、好適には、それがばねの端部に隣接したばねを遮って、端部を定位置へと持ち上げるように、螺旋状に巻かれたねじりばねの長手方向に対して実質的に垂直な方向に延在する。
【0032】
螺旋状に巻かれたねじりばねの長手方向と第1の面との両方に同様に平行である第2の面は、一実施形態では、各巻き部を支持するために、ばねのワイヤーの直径と実質的に等しい拡張部を有する各段を備えた、階段状構成を有する。各段は、各巻き部に対するより良好な把持力を提供するために、内側へと数度だけチルトし得る。
【0033】
〈定義〉
「注射ペン」は典型的には、筆記用万年筆のような縦長形状または細長い形状を有する注入装置である。このようなペンは、通常、チューブ状断面を有するが、これらのペンは三角形、矩形、又は正方形、或いはこれらの形状の何れかの変形のような異なる断面を容易に有することができる。
【0034】
「充填済み」注射装置という用語は、注射装置を恒久的に破壊することなしにはカートリッジの取り外しが不可能であるように、液剤を内包するカートリッジが恒久的に嵌め込まれている注射装置を意味している。一旦、カートリッジ内に予め充填された量の液剤が使用されると、ユーザは普通、注射装置全体を廃棄する。これは、液剤を内包するカートリッジを、それが空になったときにはいつでもユーザが自分で交換することができる、「耐久的」注射装置と逆である。充填済み注射装置は、通常、2つ以上の注射装置を内包するパッケージで販売されるが、一方、耐久的注射装置は、通常、1つずつ販売される。充填済み注射装置を使用する場合、平均的なユーザは、1年につき50個から100個にも達する注射装置を必要とすることがある一方、耐久的注射装置を使用する場合は、単一の注射装置が、数年間耐久し得るが、平均的なユーザは、1年につき50個から100個の新しいカートリッジを必要とすることになる。
【0035】
「自動」という用語は、注射装置と併せて使用される場合、投与時に薬剤の吐出に必要な力が注射装置のユーザによって送達されることなしに、注射装置が注射を実行できることを意味する。力は、通常、カートリッジから針カニューレを通ってユーザの皮膚の中へ設定用量を駆動する、電気モータによって又はばね駆動によって、自動的に供給される。ばね駆動のためのばねは、ねじりばねを含む任意の種類のばねであり、通常、用量設定の間にユーザによって引っ張られる。好適には、そのようなばねが、非常に少ない用量を送達するという問題を避けるために、予め負荷を与えられている。代わりに、何回分かの用量投与で薬剤カートリッジ全体を空にするのに十分な予荷重で、製造者がばねに十分な予荷重を印加できる。通常、ユーザは、注射を実施するときに、ばね内に蓄積された力を全部又は部分的に放出するよう、例えば、注射装置の近位端部にある、例えば、ボタンの形態を採るラッチ機構を作動させる。
【0036】
「カートリッジ」は、薬剤を収容する容器を表わすために使用される用語である。カートリッジは、通常、ガラス製であるが、任意の適切なポリマーから成形されてもよい。カートリッジ又はアンプルは、好適には、例えば、注射針カニューレの患者側ではない端部によって突き通されることができる「隔壁」として言及される、突き通すことができる膜によって一端部において密封される。そのような隔膜は通常、自己封止型であり、このことはつまり、貫通時に創出された開口が、注射針カニューレが隔膜から取り除かれると、内在弾性によって自動的に封止されることを意味する。反対側の端部は、典型的には、ゴム又は適切なポリマーから作られるプランジャー又はピストンによって閉じられる。プランジャーやピストンは、カートリッジ内部でスライド可能に動くことができる。刺通可能な膜と可動性プランジャーの間の空間に薬剤が収容され、薬剤を収容する空間の容積がプランジャーによって減少させられるのにつれて、薬剤は押し出される。なお、薬剤を内包するのに、硬性、可撓性を問わず任意の種類の容器が使用できる。
【0037】
カートリッジは通常、より狭い遠位首部を有し、プランジャーはその中へ移動し得ないことから、カートリッジの内部に包含された液剤の全てが実際に排出され得るわけではない。従って、「初期量」又は「実質的に使用された」という用語は、カートリッジ内に包含された注射可能な内容物を表し、故に、必ずしも全内容物を表す訳ではない。
【0038】
「注射針カニューレ」という用語は、注射の間に皮膚の貫通を実行する実際の導管を表現するために使用される。注射針カニューレは、通常、例えば、ステンレススチールなどの金属材料から作られ、またしばしば「注射針アセンブリ」として言及される完成した注射針を形成するためにハブと連結される。しかしながら、注射針カニューレはまた、高分子材料又はガラス物質から作られることができる。ハブはまた、注射針アセンブリを注射器具に連結するための連結手段を持ち、通常、適切な熱可塑性材料から成形される。「連結手段」は、例として、ルアー結合、バイオネット結合、ねじ連結、又は例えばEP1,536,854の中で説明されている組み合わせのような、それらの任意の組み合わせである。
【0039】
本書において、「薬剤(drug)」という用語は、例えば中空針といった送達手段を制御された方法で通過することができる、例えば、液体、溶液、ゲルまたは微細懸濁液といった任意の薬剤含有流動性薬物を包含することを意味する。代表的な薬剤には、ペプチド、タンパク質(例えば、インシュリン、インシュリン類似体、及びCペプチド)、ホルモン、生物由来物質または生物活性物質、ホルモン及び遺伝子ベースの化学物質、栄養調整品、並びに固体(調合される)または液体である他の物質といった、薬品が含まれる。
【0040】
本書で引用した公報、特許出願、特許の全てを含めた全参照例は、全体として、並びに、各参照が個々に及び具体的に参照により援用されることが示され、その全体が本書に記載されたのと同じ範囲で、参照により本書に援用される。
【0041】
全ての見出し及び小見出しは、本書の中で便宜上使用されているだけであり、いかなる意味でも本発明を限定するものではない。
【0042】
任意の及び全ての実施例の使用、または本書中で記載した例示的な文言(例えば「など(such as)」)の使用は、単に発明の理解を助けるためのものであって、特許請求の範囲で別段の明記がない限り、発明の範囲を限定するものではない。本書中のいかなる記載も、特許請求されていない任意の要素が本発明の実施上、必須であることを示しているとして解釈されるべきではない。
【0043】
本書中の特許文献の引用及び援用は、便宜上行われたにすぎず、その特許文献の有効性、特許性、及び/または権利行使可能性のいかなる見解をも反映するものでもない。
【0044】
本発明は、適用法令によって認められるように、本書に添付された特許請求の範囲の中で挙げられている主題の、全ての変形例及び均等物を含む。
【0045】
本発明は、好ましい実施形態に関連して、また以下の図面を参照して、下記でより十分に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1A】ねじりばね機構の断面図を示す。
図1B図1Aのねじりばね機構の切断斜視図を示す。
図2A】ハウジング部材を備えたねじりばねの取付部の断面図を示す。
図2B】ハウジング部材を備えたねじりばねの取付部の(180度変位した)断面図を示す。
図2C】ハウジング部材を備えたねじりばねの取付部の切断斜視図を示す。
図3A】ハウジング部材の断面図を示す。
図3B】ハウジング部材の(180度変位した)断面図を示す。
図3C】ハウジング部材の切断分解図を示す。
図4A】ハウジング部材を備えた代替的なねじりばねの取付部の断面図を示す。
図4B】ハウジング部材を備えた代替的なねじりばねの取付部の(180度変位した)断面図を示す。
図4C図4Cは、ハウジング部材を備えたねじりばねの取付部の切断斜視図を示す。
図5A】代替的なハウジング部材の断面図を示す。
図5B】代替的なハウジング部材の(180度変位した)断面図を示す。
図5C図5Cは、代替的なハウジング部材の切断分解図を示す。
図6】ねじりばねの異なる実施形態を示す。
図7図6で描かれた実施形態の拡大断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図面は、明確にするために概略的で且つ単純化されており、本発明の理解に必須である詳細部分だけが示される一方、他の詳細部分は省略されている。全体を通して、一致又は対応する部分に対して、同一の参照番号が使用される。
【0048】
以下において、「上側」及び「下側」、「右」及び「左」、「水平」及び「垂直」、「時計回り」及び「反時計回り」、又は類似の関連する表現が使用される場合、それらは添付されている図面に対してのみ言及しており、実際の使用状況に対して言及するものではない。示されている図面は、概略的な表現となっている。このため、種々の構造の構成とその相対的な寸法は、例示目的に資することだけが意図されている。
【0049】
その文脈において、添付図面における「遠位端部」という用語が、注射針を通常担持する注射装置の端部を指すことを意味し、一方「近位端部」という用語が、注射針から離れた方を向く反対側の端部を意味し、かつ図1aの中において示されるように用量のダイアルボタンを担持する端部を意味すると定義することが便利であり得る。方向は、図1A及び図6の中の矢印で示されている。
【0050】
図1A及び図1Bは、本発明の第1の実施形態による、ねじりばね駆動式注射装置の一部を開示している。ねじりばね1は、その遠位端部2で、用量設定アセンブリの一部分である用量設定部材10に取り付けられ、且つ、その近位端部3で、ハウジングアセンブリの一部分であるハウジング部材20に連結されている。
【0051】
用量設定部材10は、ユーザが用量をダイヤル設定するときに用量設定部材10が回転し得るように、歯付接合部11を介して、図示せぬ用量設定ボタンに更に連結される。ハウジング部材20は、ロック突起21を介して、図示せぬハウジングに回転式にロックされるが、代替的には、ハウジングと一体的に成型されることも可能である。
【0052】
参照によって組み込まれる、Novo Nordisk A/Sによる、WO2014/001318では、ハウジング部材(図20の中では、ばねベースと称されている)は「180」という番号を振られており、用量設定部材(駆動チューブと称されている)は「170」という番号を振られている。用量設定部材「170」は、ラチェット要素「185」を介して、遠位に配置された用量設定ボタン(「1004」という番号を振られている)に連結される。スケールドラム「160」は、用量設定部材「170」に摺動可能に連結される。本発明では、しるし(indicia)を担持するスケールドラムが、上述の通り用量設定アセンブリの一部である用量設定部材10に、軸方向に摺動可能に連結され得る。
【0053】
ユーザが用量設定ボタンを回転させることによって用量をダイヤル設定するときにはいつでも、用量設定部材10はそれと共に回転し、それによって、用量設定部材10とハウジング部材20との間に張設されたねじりばね1を引っ張る。
【0054】
ハウジング部材20とねじりばね1との間の連結は、図2A図2C図3A図3C、及び図4A図4Cで更に開示されている。
【0055】
ねじりばね1は、螺旋状に巻かれており、且つ、遠位端部2で終端する遠位の巻き部4、及び、近位端部3で終端する近位の巻き部5を有する。これらの端部2、3は両方、唐突に切断されて、図2B及び図2Cの遠位端部2において最もよく視認される平端部面7、8を形成する。
【0056】
更に、図2Cで開示されているように、ねじりばね1の各巻き部は外表面6を有する。ねじりばね1は1本の円形ワイヤーから巻かれているので、外表面6は螺旋状ばね1の長手方向(X)と平行に延在し、螺旋状ばね1もまた、注射装置の長手方向に平行である。
【0057】
ハウジング部材20のばね受容機構が、図3A図5Cに更に示されている。類似したばね受容機構が、図1A及び図1Bに示すように、用量設定部材10内に設けられ得る。
【0058】
機構は、ユーザがねじりばね1を引っ張るときに、ねじりばね1の唐突に切断された近位面8が、第1の面23と当接するように、ねじりばね1の長手方向軸Xに対して平行である、この第1の面23を有する切り欠き22を有する。
【0059】
同様に、遠位には、ねじりばね1の長手方向Xと平行である第2の面24が設けられた、ハウジング部材20が提供される。
【0060】
ハウジング部材20に対する用量設定部材10の回転によってねじりばね1が引っ張られるときに、近位平端部面8は第1の面23に当接し、用量設定部材10の更なる回転が、ねじりばね1の外径の増大を引き起こす。
【0061】
ねじりばね1は、同一の恒久軸方向距離で提供された2つの類似した第1の面23(他方の面は用量設定部材10の図示せぬ第1の面である)の間に張設された、平端部面7、8を両方有することから、2つの面23が互いに対して回転して、ねじりばね1内にトルクを蓄積する際に、ねじりばね1の直径は増大することになる。
【0062】
ねじりばね1の外径のこの増大は、少なくとも近位の巻き部5の外表面6の、ハウジング部材20の第2の面24への当接を引き起こす。
【0063】
ねじりばね1の外表面6と第2の面24との間に発生する摩擦は、引っ張られている間にねじりばね1内に蓄積されたトルクが、ハウジング部材20の広い領域にわたって分散され、それによって、第1の面23にかかる応力が最小化されることを意味する。
【0064】
第2の面24は、一実施形態では、図1Aで最も良く視認されるように階段状構成を有し、各段は、連続的な巻き部の外表面6に当接するよう構成されている。
【0065】
第2の面24の各段は、代替的には、中心線Xに向かって内側へと若干の角度だけチルトすることが可能であり、それにより、連続的な巻き部の各々に対するより良好な把持力が提供されることになる。
【0066】
図4A図4C、及び図5A図5Cは、第2の面24が、いかなる段も有さず、螺旋状ねじりばね(1)の長手方向の伸長(X)に対して平行である、代替的な実施形態を開示している。
【0067】
また、図5B及び5Cで最も良く視認されるように、ねじりばね1の唐突に切断された平坦面7、8を、第1の面23との当接へとガイドするための、遠位に配置されたガイド面25が設けられた、切り欠き22が提供される。
【0068】
更に、図1A及び図1Bに示すように、用量設定部材10は、ねじりばね1が、その遠位端部2とその近位端部3の両方において同一の様態で固定されるように、同じ方法で形成され得る。
【0069】
図6及び図7は、ねじりばね100が、ハウジングアセンブリと用量設定アセンブリとの間にも張設される、異なる一実施形態を開示する。
【0070】
用量設定アセンブリは、以前の実施形態におけるように、歯付接合部111を介して、図示せぬ用量設定ボタンに連結されている、用量設定部材110を備える。
【0071】
ハウジングアセンブリは、幾つかの突起121を介して、ハウジングアセンブリに連結されている、ハウジング部材120を備える。
【0072】
このねじりばね100は、遠位端部102においても、唐突に切断された端部面107を有する遠位の巻き部104が設けられ、近位端部103は、唐突に切断された端部面108を有する近位の巻き部105を有する。
【0073】
遠位の唐突に切断された端部面107は、用量設定部材110に当接し、近位の唐突に切断された端部面108は、ハウジング部材112に当接する。それによって、用量設定部材110が、用量設定の間にハウジング部材120に対して回転されたときに、ねじりばね100が引っ張られる。
【0074】
第1の実施形態におけるように、ハウジング部材120には、ねじりばね100の長手方向Xと平行な第2の面124が設けられる。これは、例えば、近位端部の拡大図を描く図7で開示されている。
【0075】
したがって、近位端部103における少なくとも近位の巻き部105の外表面106は、用量設定部材110が用量設定のために回転されるときはいつも、この第2の面124に対抗するように強いられる。
【0076】
好適には、類似の設計が、ねじりばね100の遠位端部102において設けられるが、必ずしもそうとは限らない。
【0077】
更に、第2の実施形態のねじりばね100には、ねじりばね100のコイルが連続する巻き部の間の間隙109を伴って巻かれる、領域Yの区域が設けられる。
【0078】
この間隙109によって、アセンブリの間に(図7のように近位端部を見たときに)唐突に切断された面107が、ガイド面125がねじりばね100の近位端部103を適正に把持し且つ唐突に切断された面108が第1の面123(図5Cの実施形態における23)と当接するようにガイドできるような位置にあるように、ねじりばね100が圧縮されたときに、ねじりばね100が軸方向の力を加える。
【0079】
軸方向の力は、遠位端部102と近位端部103とが、互いから離れて、それらのそれぞれのガイド面(図7の近位端部103に対して125)と適正に係合するように促す。この位置では、第1の面(近位端部103に対して123)が、唐突に切断された端部108(遠位端部に対して107)に対して適正に押圧する。
【0080】
幾つかの好ましい実施形態が上記に示されたが、本発明はこれらに限定されるものではなく、下記の特許請求の範囲において定義される主題の範囲内で、他の方法においても実施され得ることが強調されるべきである。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6
図7
【国際調査報告】