(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
抽出システムは、流体導管システムと、空気導管システムと、流体導管システム及び空気導管システムに結合された弁と、弁に結合されたポンプを有する。弁は、ポンプが流体を選択的に圧送し且つ空気を選択的に圧送するように、流体導管システムへのアクセスを選択的に可能にし且つ空気導管システムへのアクセスを選択的に可能にする。空気導管システムの第1のポートは、大気圧に結合され、空気導管システムの第1のポートは、流体リザーバに結合され、流体導管システムの第1のポートは、流体リザーバに結合される。
前記ポンプが前記空気導管システムに選択的にアクセスするとき、前記ポンプは、前記流体導管システムの少なくとも一部を介して空気を圧送する、請求項4に記載の抽出システム。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付図面に関連して以下に示す詳細な説明は、様々な構成を説明するものとして意図されており、本明細書で説明する概念を実施できる構成のみを示すものではない。詳細な説明は、様々な概念を完全に理解できるように具体的な詳細を含む。しかしながら、当業者には、これらの具体的な詳細を伴わずにこれらの概念を実施できることが明らかであろう。場合によっては、このような概念を曖昧にしないように、既知の構造及び構成要素についてはブロック図の形で示している。本明細書における「及び/又は(and/or)」という用語の使用は、「包括的OR」を示すように意図されており、「又は(or)」という用語の使用は、「排他的OR」を示すように意図されている。
【0021】
〔概観〕
図1は、本開示による飲料システムの一実施形態の概略図である。
【0022】
例示を目的とする図面に示すように、
図1では、飲料抽出システムなどの飲料システムの本開示を全体的に参照番号10によって参照し、本開示による飲料抽出システムの別の又はさらなる実施形態は、本明細書では参照番号10’及び10’’などのように、プライム記号の反復によって参照することができる。飲料抽出システムは、参照番号10として参照することができるが、システム10’、10’’などにおける特徴への参照は、システム10に関連して説明する特徴と同一及び/又は同様の構造及び/又は機能を有すると理解されたい。
【0023】
例示を目的として図面に示す飲料抽出システム10などの本開示の側面は、一般に周囲温度の水リザーバ14から、最終的に抽出ヘッド18(本明細書では「抽出ヘッド」と呼ぶが、多くの異なるタイプのヘッドも可能であり、この用語を限定的なものとして解釈すべきではない)に供給するのに望ましい温度(本明細書では「抽出温度」と呼ぶが、例えば「混合温度」、「スープ温度」などの他の温度タイプも可能であり、この用語を限定的なものとして解釈すべきではない)に水を加熱するヒータータンク16に、加熱前の水を圧送するように構成できるポンプ12を含むことができる。抽出ヘッド18は、コーヒー粉、お茶、ホットチョコレート、レモネードなどの、抽出ヘッド18から小出しされる飲料を生成するためのシングルサーブ用の量又はマルチサーブ用の量の飲料媒体78を含むカートリッジ32(例えば、「抽出カートリッジ」)を収容できるレセプタクル30(例えば、「抽出チャンバ」)を含むことができる。飲料は、抽出サイクルの一部として、プラテン14上に配置できるマグ268又はその他の同様の容器(例えば、カラフェ)などの、下にある容器内に小出しすることができる。
【0024】
具体的に言えば、リザーバ14は、本明細書に開示する実施形態及び工程に従って1杯又は数杯の飲料(例えば、コーヒー)を抽出するために使用する周囲温度の水を蓄える。限定するわけではないが、周囲よりも熱い予熱水などの、周囲以外の温度の水を利用する実施形態も可能である。リザーバ14は、注入される水を受け取るように上部からのアクセスが可能であり、枢動自在な又は完全に取り外し可能な蓋、或いはリザーバ14内の水を防水密閉する他の閉鎖機構を含むことができる。水は、抽出工程中にリザーバ14の底部の出口131を介してリザーバ14から出ることができる。しかしながら、水は、側面又は上部などの底部以外の場所から、リザーバ14内又はその他の場所内に下向きに延びるリザーバピックアップ34などを介して、望む通りに又は実現可能な形でリザーバ14から出ることもできる。1つの実施形態では、リザーバ14が、内部に存在する水の量を測定するための水位センサ38を含む。ホール効果センサなどの任意のリザーバ閉鎖スイッチ36によって、リザーバ14が蓋によって密閉されているかどうかを検出し、蓋が開いている場合には、抽出機回路と通信して抽出サイクルの開始を防ぐこともできる。リザーバ14は、例えば6オンス(oz)(170.1g)カップのコーヒーなどの少なくとも1杯の抽出飲料を抽出するのに十分な量の水を保持するサイズとすることができる。リザーバ14は、任意のサイズ又は形状とすることができ、8oz(226.8g)、10oz(283.5g)、12oz(340.2g)、14oz(396.9g)又はそれよりも多くなどの、6oz(170.1g)よりも多くを抽出するのに十分な水を保持するサイズとすることができる。当然ながら、水リザーバ14は、給水本管などの他の水源に置き換えることもできる。
【0025】
システム10は、水位センサ38を用いてリザーバ14内の水位を測定することができる。水位センサ38は、リザーバ14内の水位が抽出サイクルを完結するための閾値最少量を下回った時点を判定することができる。例えば、抽出システム10が10oz(283.5g)のコーヒーを抽出するように設定されている場合、水位センサ38は、リザーバ14内に8oz(226.8g)の水しか存在しないと判断した場合には、抽出機が抽出サイクルを開始するのを防ぐことができる。この点、システム10は、水位がこの閾値を下回る(すなわち、抽出機が所望の量を抽出できない)ことをセンサ38が示したという理由で抽出サイクルを開始しない。抽出サイクルを開始するには、リザーバ14に水を加えて最小閾値を超えるようにするか、又は抽出量を減らすことができる。これとは別に、及び/又はこれに加えて、センサ38を低水位センサとすることもできる。このようなセンサ38は、抽出機が単一サイズのカップのコーヒーしか抽出できない実施形態で使用することができる。ここでは、リザーバ14内の水が所定の最少量の水(例えば、6oz(170.1g))を下回っている場合、抽出サイクルは開始されない。センサ38は、フロートセンサなどの任意のタイプのものとすることができる。
【0026】
別の実施形態では、抽出システム10が、水位センサ38を含まなくてもよい。このような実施形態では、リザーバ14が水を含んでいる限り、抽出システム10が抽出サイクルを自動的に開始して実行することができる。リザーバ14が空になると、抽出システム10は、抽出サイクルの終了を開始する。このような実施形態では、抽出システム10が、リザーバ14が水を有しているかどうかをポンプ12からの測定値に基づいてモニタすることができる。ポンプ12は、水を圧送する際(すなわち、リザーバ14が水を含む場合)には、空気を圧送する際(すなわち、リザーバ14が空の場合)の低負荷と比べて高負荷の状況で動作することができる。抽出システム10は、ポンプ12が引き込む電流の変化を測定することにより、又はポンプ12によって引き込まれた電流を定期的に読み取ることにより、高負荷又は全負荷の状態から低負荷又はほぼ無負荷の状態への変化を測定することができる。例えば、ポンプ12は、高密度の水を圧送する高負荷の状態では高電流を引き込み、低密度の空気を圧送する際には低電流を引き込む。抽出システム10は、電流測定値の差分を比較して、リザーバ14が空であるかどうかを判定することができる。(標準偏差内の)著しい電流低下が測定された場合には、ポンプ12がもはや水を圧送しておらず空気を圧送しているので、リザーバ14が空であることが示される。
【0027】
これとは別に及び/又はこれに加えて、抽出システム10は、電流測定値をルックアップテーブルと比較して、抽出システム10が水を圧送しているか、それとも空気を圧送しているかを判定することもできる。ルックアップテーブルは、リザーバ14が圧送すべき水を有しているかどうかを最初に判断するのに役立つことができる。最初の電流測定値が、通常は空気の圧送に関連する範囲内にある場合、抽出システム10は、抽出サイクルを開始する代わりに、リザーバ14が空である旨、又は充填する必要がある旨を示すことができる。この場合、抽出サイクルの開始前に、リザーバ14にある程度の量の水を満たすことができる。従って、抽出システム10は、リザーバ14に加えられた量に基づいて特定量の飲料を選択的に抽出することができる。これにより、抽出すべき飲料のサイズを抽出サイクルの開始前にユーザが手動で決定できるようになり、抽出されている液体の量についての任意の追跡及び/又はモニタリングを低減又は排除することができる。
【0028】
本開示の他の特徴は、他の技術を用いてリザーバ14内の水位を決定することができる。例えば、システム10は、ポンプ12の回転速度(例えば、毎分回転数(「RPM」))をモニタ又は測定することができる。本明細書で説明したように、ポンプ12は、水を圧送する際には、空気を圧送する際の低負荷と比べて高負荷の状況で動作する。従って、ポンプ12は、比較的低い負荷を受けている時(すなわち、空気を圧送している時)に高回転速度で動作するのとは対照的に、比較的高い負荷を受けている時(すなわち、水を圧送している時)には、低回転速度で動作することができる。システム10は、測定値を比較してリザーバ14が空であると判断することができる。(標準偏差内の)著しい回転速度の増加は、リザーバ14が空であることを示すことができる。このような回転速度の測定値も、ルックアップテーブルと比較することができる。最初の回転速度測定値が、通常は空気の圧送に関連する範囲内にある場合、システム10は、抽出サイクルを開始せず、及び/又はリザーバ14が空である旨、又は抽出サイクルの開始前にある程度の量の水を充填すべき旨を示すことができる。
【0029】
本開示の別の実施形態では、システム10が、第1の抽出ライン又は導管40などのシステム内の導管を通る、又はリザーバ14が水を有している(又は有していない)状況での水の流れ(又は水の欠如)を識別する他のセンサを含むことができる。例えば、光センサは、乱流又はその他の光学依存性の流れ特性に基づいて、導管40を通る水の流れを識別又は測定することができる。システム10は、水スループットと共に回転する(例えば、基本的にホール効果センサとして動作する)電機子又はシャフト上の磁石を含むことができる。磁石及びばねを用いて同様の設計を実現することもできる。いずれの場合にも、導管40を通る流れが低い状態又は無い状態が測定されると、リザーバ14が低位又は空であることが示される。
【0030】
本開示のいくつかの実施形態では、ポンプ12を、(例えば、リザーバ14から抽出カートリッジ32への)水の加圧及び/又は圧送、及び/又は(例えば、抽出サイクルの終了近く、終了時又は終了後などに、残った水又は抽出された飲料をシステム10から効率的にパージするための)空気の加圧及び/又は圧送という二重目的で使用できることが有利である。この点、ポンプ12は、最初にリザーバ14から第1の導管40を介してヒータータンク16に水を圧送することができ、ここで水を所定の抽出温度に予熱及び/又は加熱した後に、抽出カートリッジ32に供給して飲料媒体78を抽出することができる。ポンプ12は、抽出サイクルの終了時、終了近く又は終了後に、システム10を介して加圧空気を圧送し、システム10内の残っている全ての水及び/又は抽出された飲料をパージして、抽出サイクルの終了時の液垂れを減少及び/又は排除する。従って、ポンプ12は、湿潤状態及び乾燥状態の両方で動作することができ、すなわちポンプ12は、必要以上の摩耗及び引裂を伴わずに水の圧送と空気の圧送との間で切替わることができる。従って、ポンプ12は、2ポンプシステムの必要性を排除することによって抽出システム10の全体的な複雑性を抑えることができ、水のための1つのポンプと、残った流体を空気でパージするための第2のポンプとを必要とする従来のシステムよりも有利である。
【0031】
システム10内には、システム10の全体的性能に影響を与え得る多くの変数が存在する。1つの変数は、リザーバ14内の水位である。別の変数は、ヒータータンク16内のヒーター82の動作とすることができる。別の変数は、逆止弁122を部分的に閉じることができるカートリッジ32からの背圧とすることができる。他の変数が存在することもできる。プロセッサ512は、これらの各変数を少なくとも部分的に考慮してシステム10内の性能の一貫性を高めることができる。
【0032】
リザーバ14内では、出口131における、逆止弁46の流れ方向に逆らう圧力(又はシステム10が給水本管に結合されている場合には、給水本管の圧力)が変化することがある。ポンプ12は、本明細書で説明するように回転毎に一定量の液体を供給することができるが、ポンプ12による引込み電流のモニタリングは、ポンプ12にわたる圧力差を決定するのに十分でない場合もある。
【0033】
ポンプ12に供給される電圧は、ポンプ12の各回転の速度及びタイミングが、ポンプ12を動作させるために供給される電流によって求められるようにクランプすることができる。ポンプ12のステータ上の巻線数はポンプ毎に異なることができ、従ってシステム10内に取り付ける前に各ポンプの較正を行って、各ポンプによって引き込まれる電流を決定することができる。
【0034】
ポンプ12のロータの回転中、すなわちステータの巻線内の電場がロータの磁石又はその他の金属部分による干渉を受けている時には、特定の時点で電流スパイクが発生する。これらの電流スパイクは、ポンプ12内のピストンの動きに対応することができ、或いは電流スパイク間の任意の遅延及びポンプ12内の1又は2以上のピストンの完全な変位を決定するように較正することができる。
【0035】
電流スパイク間では、ポンプ12に過負荷を掛けるほど又は別様に損傷するほど十分な電力が引き込まれないので、ポンプ12に供給される電圧をクランプする必要がない場合もある。従って、ポンプ12の電圧をアンクランプして測定することができる。この電圧は、リザーバ14内の水位によって生じる静水圧に関連する、導管40内の静圧を示す。
【0036】
換言すれば、リザーバ14内の水位によって又は他のいずれかの形で生じるポンプ12の入口42における最小圧力又は拡張期圧は、ポンプ12の出口144における心臓の収縮期圧と同様の最大揚水量から等距離の地点又はその近くに(1つの実施形態では、最小揚水量に)ポンプ12が存在する時に、ポンプ12の電圧、電流又はその他の特性を測定することによって決定することができる。プロセッサ512又は他の同様の手段は、これらの測定値を考慮して、ヒータータンク16に、そして最終的にはカートリッジ32に供給される流体の容量を変化させて、システム10内の流体流の一貫性を高めることができる。
【0037】
本開示の側面では、ヒータータンク16に入る最小圧力を逆止弁88が制御し、ヒータータンク16から離れてノズル144及びカートリッジ32に供給される最小圧力を逆止弁122が制御することができる。しかしながら、実際の圧力は、逆止弁122が受け入れる最小解放圧をはるかに上回ることができる。この圧力は、最小値以外は制御されないので、カートリッジ32にさらなる圧力及び/又は液体が供給され、システム10の結果に一貫性が無くなる可能性がある。
【0038】
例えば、限定的な意味ではないが、抽出サイクルの開始時には、逆止弁122が最小解放圧を取得しており、流体はノズル44を通ってカートリッジ32内に流入する。抽出サイクル中に(単複の)加熱素子82が励起された場合、ヒータータンク内の圧力が上昇し、従って逆止弁122を通るさらなる圧力が生じる。このさらなる圧力は、逆止弁122によって制御されず、又はベント128によって放出されないことがあるので、ノズル44を介してカートリッジ32に供給される可能性がある。次の抽出サイクルでは、加熱素子82が励起されず(又はあまり励起されず)、従って(単複の)加熱素子82からのさらなる熱に起因する水の膨張によって生じるさらなる圧力及び/又は流体が次のカートリッジ32に供給されない(又はわずかしか供給されない)場合がある。飲料媒体24が異なる圧力を受け取ったため、飲料媒体24から収集される味、温度又はその他の特性が異なってしまう可能性がある。
【0039】
本開示は、この圧力差を低減するために、プロセッサ512又はその他の手段を用いて(単複の)加熱素子82に供給される電流をモニタし、これに応じてノズル44に流体を供給する時間を調整することができる。本開示は、プロセッサ512を用いて、例えば逆止弁122への入力における温度測定、圧力測定などの他の方法で逆止弁122に供給される圧力差をモニタし、流体を供給する時間又はシステム10の他の側面を変化させて、得られる結果の一貫性を高めることもできる。
【0040】
各カートリッジ32は、ノズル44によって貫通されると、カートリッジ32を介してマグ268に向かう流体の流れに抵抗を与える。この抵抗は、とりわけカートリッジ32内の飲料媒体に基づいて変化する。例えば、限定的な意味ではないが、カートリッジ24内のブイヨンはノズル44からの加熱流体に溶解するが、コーヒー粉はそうでないので、ブイヨンが流体流にもたらす抵抗は挽いたコーヒーよりも低い可能性がある。
【0041】
飲料媒体78を横切る圧力の低下は、逆止弁122の出口に対して背圧をもたらすことができる。この背圧が十分に高い(例えば、逆止弁122の入口と出口との間の圧力差以上である)場合には、逆止弁122が閉じることがあり、又はノズル44を通じた加熱流体の流入圧によって生じる圧力によってカートリッジ32(又はカートリッジ32内部の濾紙)が「破裂」することがある。
【0042】
カートリッジ32は、一定量の圧力にしか耐えることができないので、カートリッジ22の不具合の可能性を最小限に抑えるために、プロセッサ512は、(センサなどを介して)逆止弁122の位置をモニタすることができ、及び/又は逆止弁122とベント132を結合させることができる。
【0043】
多くの抽出工程では、抽出材料からの香味抽出に影響を与えるいくつかの変数が存在する。例えば、限定的な意味ではないが、抽出機は、加熱時間と呼ばれる一定量の時間にわたって水を加熱し、抽出時間と呼ばれる一定量の時間にわたって抽出材料(例えば、コーヒー)に水を通すことができる。しかしながら、抽出機によって制御される変数が、加熱時間及び抽出時間にわたる時間のみである場合、抽出機は、とりわけ水の周囲温度又は事前温度、硬度又は水中に存在する他のミネラル、機械内の水の量、及び/又は水を供給する圧力を考慮しない可能性が高い。さらに、単純なタイマーは、抽出サイクル中に、飲料媒体の量、挽き具合及び/又は密度、及び/又は水が抽出材料を通過する際の実際の水の温度を考慮しない可能性が高い。
【0044】
従って、本開示による装置又はシステムは、異なる材料を異なる方法で抽出できるように複数の変数を考慮することができる。さらに、本開示による装置又はシステムは、抽出サイクル中及び/又は抽出サイクルの合間に変化する可能性がある1又は2以上の変数を考慮することもできる。
【0045】
抽出サイクルは、例えば複数の異なる期間を含むことができる。水、抽出材料及び/又は抽出機の状態は、消費者又はユーザによる抽出要求の前に決定し、概算し、測定し、補間し、推定し、又は別様に考慮することができる。例えば、限定的な意味ではないが、リザーバ、ヒータータンク又は他の領域内の水の温度を測定して、水を所望の温度に加熱するために加熱素子をどれほどの時間にわたって励起すべきかなどを決定することができる。本明細書では、このような水、抽出材料、システムパラメータの初期状態、及び抽出材料に水を供給する前のその他の状態を、抽出サイクルの「抽出前期間」と呼ぶことができる。
【0046】
抽出サイクル内の別の期間は、抽出サイクルの「抽出期間」と呼ぶことができる。抽出期間は、抽出機に水が供給される抽出サイクル中の時間である。抽出前期間と同様に、抽出機に水を供給している最中にも、水、抽出材料、システムパラメータの状態及びその他の状態をモニタし、測定し、又は別様に推測又は決定して、抽出期間中の抽出状態をさらに正確に制御することができる。例えば、限定的な意味ではないが、抽出材料に一貫した水温を提供するために、加熱後に水温を測定及び/又は制御することなどができる。
【0047】
抽出サイクル中の別の期間は、「パージ期間」と呼ぶことができる。パージ期間を用いて、抽出装置から水又はその他の物質を除去することができる。例えば、限定的な意味ではないが、抽出機は、抽出装置内の水の流れを変化させて抽出材料への温水の供給を停止し、抽出機内部の管体、ポンプ及びその他のパイプを介して空気を圧送して、所望の飲料を抽出した後の機械からの液垂れを減少又は排除することができる。
【0048】
本開示による抽出装置は、例えば、水温、圧力、背圧、抽出材料の量又はタイプ、時間、水の供給時間、水の供給量、温度における水の供給量、パージ時間、既存の状態及び/又は抽出機において使用する1又は2以上の抽出材料の抽出性能を制御できる他の特性などの1又は2以上の抽出変数の1又は2以上の状態を判定し、測定し、推測し、又は別様に決定することができる。
【0049】
図2は、本開示による飲料システムと共に使用するポンプの斜視図である。
【0050】
具体的に言えば、
図2には、抽出システム10と共に使用するポンプ12の1つの実施形態を示す。ポンプ12は、一定量の流体を受け取るための入口42と、ポンプ12から加圧流体を排出するための出口144とを含む。ポンプ12は、3室式ダイアフラムポンプ又はその他のダイアフラムポンプなどの容積型ポンプとすることができる。或いは、ポンプ12は、遠心ポンプなどの非容積型ポンプとすることもできる。ポンプ12は、空気の圧送及び/又は水の圧送を繰り返すことができ、従来の飲料抽出機の通常の耐用年数と同等の範囲の耐用年数を有する。
【0051】
第1の導管40は、リザーバ14をポンプ12に流体的に結合する。1つの実施形態では、第1の導管40が、リザーバ14から第1の逆止弁46及び任意の流量計48を介してポンプ入口42に水を運ぶことができる。第1の逆止弁46は、第1の位置にある時にはリザーバ14からポンプ12への前方流を可能にし、第2の位置にある時には流体がリザーバ14に向かって逆方向(すなわち、後方に)に逆流するのを防ぐ一方向逆止弁とすることができる。さらに、第1の逆止弁46は、正の解放圧(すなわち、弁を開くために必要な正の前方閾値圧)を有する。従って、第1の逆止弁46は、一般に(例えば、ポンプ12によって誘発される)正の前方流が解放圧を超えない限り閉位置に付勢される。例えば、第1の逆止弁46は、1平方インチ当たり2ポンド(「psi」)の解放圧を有することができる。従って、第1の逆止弁46を開いて流体がそこを流れるようにするには、第1の導管40を介して流体を引き寄せる圧力が2psiを超えなければならない。この点、ポンプ12が第1の導管40を少なくとも2psiまで加圧しない限り、リザーバ14からの水は第1の逆止弁46を越えて流れない。解放圧は、使用する特定のポンプ及び/又はその他の構成要素に応じて変化することができる。
【0052】
飲料抽出システム10は、水リザーバ14からヒータータンク16に圧送される水の量を測定するための、第1の逆止弁46とポンプ12との間に配置された流量計48を含むことができる。1つの側面では、流量計48が、最初にヒータータンク16を満たすために使用される水の量を測定することができる。これに加えて、又はこれとは別に、ヒータータンク16が一杯になると、流量計48は、抽出サイクル中に抽出カートリッジ32に供給される水の量をリアルタイムで測定することができる。システム10は、この情報に基づいて、抽出サイクル中に抽出すべき飲料の量を設定して追跡することができる。従って、ユーザは、いずれか1回の抽出サイクルで抽出する飲料の所望の量(例えば、6oz(170.1g)、8oz(226.8g)、10oz(283.5g)、12oz(340.2g)又はそれよりも多く)を選択することができる。基本的に、流量計48は、ポンプ12が正しい量の水(すなわち、所望の供給サイズ)をリザーバ14から抽出カートリッジ32に移すことを確実にする。流量計48は、ホール効果センサとすることができるが、本開示の範囲から逸脱することなく任意のタイプの流量計とすることができる。或いは、流量計48は、ポンプ12の出口側に位置することもできる。
【0053】
別の実施形態では、飲料抽出システム10が、リザーバ14からヒータータンク16及び/又は抽出カートリッジ32に移す水の量を、ポンプ12を用いて決定し、従って流量計48を排除することができる。システム10は、プロセッサ50又はシステム10内の他の装置への電気信号フィードバックによってポンプ12の回転速度をモニタして、ポンプ12の動作速度を(例えば、毎分回転数、すなわち「rpm」で)決定することができる。このことは、タコメータの使用に類似する。この点、システム10は、例えばポンプ12が引き込む電流の量に基づいてポンプ12の回転速度を決定することができる。容積型ポンプの回転毎に、所定量の流体がポンプを通過することができる。従って、ポンプ12が3室式ダイアフラムポンプである場合、プロセッサ512を使用できるシステム10は、ポンプ12の回転毎に、各ダイアフラムを満たす流体の容量の3倍が移動することが分かる。換言すれば、1/3回転によって1つのダイアフラムのキャビティの容積に等しい量の流体が移動する。このように、飲料抽出システム10は、ポンプ12の回転速度をモニタすることにより、ポンプ12を介して移動した水の総量をポンプ実行時間に基づいて決定することができる(例えば、総流体量=ポンプ速度*流体量/回転*時間)。例えば、ポンプ12が500rpmで1分間にわたって動作し、回転毎に0.02オンスの流体が移動する場合、飲料抽出システム10は、ポンプ12が合計10オンスの流体(例えば、抽出サイクル中の水)を圧送したと判断することができる。別の同様の実施形態では、電流スパイクをモニタすることができる。各ポンプ電流スパイクは、移動する水の量(例えば、1つのダイアフラム内の液量)に相関することができ、従って総移動量(従って流量)を計算することができる。ポンプ速度、実行時間及び移動は、選択されるポンプのタイプ及びサイズ、並びに飲料抽出システム10のタイプに応じて変化することができる。上記は、本明細書に開示するシステム10と共に利用できる多くの異なる組み合わせのほんの一例である。
【0054】
ヒータータンク16は、リザーバ14から圧送された周囲温度の水を、コーヒーを抽出するのに十分な温度(例えば、華氏192°(88.9℃))に加熱するように設計される。具体的に言えば、ヒータータンク16は、加熱していない水の流入を受け入れる入口52と、温水を排出する出口54と、最終的に抽出カートリッジ22内のコーヒー粉24を抽出するために使用できるように水を加熱する加熱素子56とを含む。
図1、
図3、
図16及び
図17に示すように、入口52及び加熱素子56は、実質的にヒータータンク16の底部に配置される。加熱素子56によって加熱された水は、リザーバ14から移動してきた冷たい水(例えば、室温)よりも密度が低いので上昇する。これにより、タンク16内の最も冷たい水が絶えず加熱されることが確実になる。たとえ入口52をタンク16の上部に配置した場合でも、リザーバ14からの周囲温度の水は、1又は2以上の加熱素子56上に、又はこれらの加熱素子を越えて直接流れ、正しい加熱を保証することができる。例えば、入口52がヒータータンク16の上部に存在する実施形態では、第1の加熱素子(図示せず)を入口近くに配置してタンク16に入り込んだ水を予熱する一方で、加熱素子56をタンクの底部に配置して連続加熱を確実にすることができる。加熱素子56は、一連の電気抵抗コイルとすることができるが、当該技術で既知の任意のタイプの加熱素子とすることができる。出口54は、ヒータータンク16の上部に配置されて、水が重力に対抗する(すなわち、上向きに流れる)のに十分な圧力下にある場合にのみヒータータンク16から排出されるように保証することができる。すなわち、重力は、コーヒー抽出システム10内の残留水が出口54を介して抽出ヘッド18に流れ、抽出サイクルの完了後に抽出ヘッド18から滴らないようにする。従って、本明細書に開示するコーヒー抽出システム10は、ヒータータンクの底部にヒータータンク出口が位置する従来のシステムよりも有利である。しかしながら、別の実施形態では、本明細書に開示するシステム10、10’、10’’、10’’’、10’’’’のいずれかを用いてもよい。
【0055】
ヒータータンク16は、ヒータータンク16内の水の温度を測定するサーミスタなどの温度センサ58をさらに含む。或いは、温度センサ58は、セラミック又はポリエステルサーモスタット、又は当該技術で既知の他のいずれかの好適な温度センサとすることもできる。温度センサ58は、コーヒー抽出システム10がヒータータンク16内の適切な抽出温度(例えば、華氏192°(88.9℃))を維持する役に立つ。温度センサ58は、抽出温度を手動又は自動で調整できる場合にシステム10が所望の抽出温度を設定するのにも役立つことができる。
【0056】
図4に示す1つの実施形態では、ヒータータンク16が、丸い又はドーム形のノーズ60を含み、ここからヒータータンク出口54が同心状に延びることができる。このように、ドーム形ノーズ60の形状は、ヒータータンク16内の流体が隅又はその他のポケットに集まるのを防ぐ役に立つとともに、むしろヒータータンク出口54介して外に向かう流体の流れを容易にする。ヒータータンク16は、最大供給サイズ(例えば、16oz(453.6g))を抽出するのに十分な水を保持するほどの大きさにすることができるが、当該技術で既知の任意の形状又はサイズとすることができる。
【0057】
図1、
図3、
図16及び
図17に示すように、ポンプ12によって移された流体は、ポンプ出口44を入口52におけるヒータータンク16の底部に流体的に結合する第2の抽出ライン又は導管62通って進む。ポンプ12と入口52との間には、第2の導管62と直列に第2の逆止弁64(
図1及び
図3)が配置されて、ヒータータンク16内の温水がポンプ12に向かって逆流するのを防ぐ。第2の逆止弁64は、第1の逆止弁46と同様の正の解放圧(例えば、2psi)を有する一方向逆止弁とすることができる。従って、流体は、第2の逆止弁64の解放圧を超えない限りヒータータンク16に流れることができない。当然ながら、第2の逆止弁64は、異なる解放圧を含め、第1の逆止弁46とは異なる仕様を有することもできる。
【0058】
また、コーヒー抽出システム10は、ヒータータンク16内の水位を決定するためのヒータータンク水位センサ66を含むことができる。
図5に示すような1つの実施形態では、以下でさらに詳細に説明するように、センサ66が、ヒータータンク出口54内に下方に延びる入口ピックアップ70を一方の側に有し、出口72を他方の側に有する、実質的に円筒形のキャビティ68を含む。
図4に示すように、入口ピックアップ70は、ドーム形ノーズ60に結合され、又はドーム形ノーズ60から形成することができる。すなわち、入口ピックアップ70は、必ずしもヒータータンク16又は16’の上部内に下向きに延びなくてもよく、むしろヒータータンク16又は16’の全体形状から形成することができる。キャビティ68の片側には、センサ66に含まれる発光体74が配置され、キャビティ内部を横切って光ビーム76を発光し、この光は、反対側に配置された受光体78によって受け取られる。発光体74及び受光体78は、これらの間で光ビーム76を伝達できる限り、
図5に示すようにキャビティ68内に配置することも、或いはキャビティ68の外部に配置することもできる。
図5に示す実施形態では、発光体74及び受光体78が、センサハウジングの垂直な側面に配置され、センサ66の底部及び頂部から入口ピックアップ70及び出口72がそれぞれ延びる。
【0059】
ヒータータンク16からの温水は、入口ピックアップ70を介してセンサ66に入り込み、タンク16が水で満たされると、センサ内に配置されたフロート80を上向きに押す。1つの実施形態(
図5及び
図21〜
図22)では、一般にフロート80がディスク様の形状を有し、キャビティ68に入り込んだ水の上に浮かぶ。ヒータータンクから水が排出されてセンサ66の内部を満たすと、フロート80は、その浮力によってキャビティ68内の水位と共に上昇することができる。最終的に、フロート80は、フロート80がセンサ出口72を完全に閉鎖又は密封するのを防ぐ1又は2以上の下向きに延びるレッグ82に接触する。この時点で(例えば、
図22に示すように)、フロート80は、発光体74と受光体78との間に配置されることにより、受光体78が発光体74から光ビーム76を受け取るのを妨げる。受光体78は、もはや光ビーム76を感知していないので、ヒータータンク16が一杯であることを示す信号をマイクロコントローラ50(
図18)に中継することができる。下向きに延びるレッグ82は、抽出サイクル中にヒータータンク16内の水がフロート80を迂回して出口72を介して流出できるようにする1又は2以上の通路84(
図5)を間に含むことができる。当然ながら、ヒータータンク水位センサ66は、ヒータータンク16又は16’のいずれかと協働することができる。
【0060】
図6に示す別の実施形態では、システム10が、内部に球状フロート80’が配置されたD字形キャビティ68’を有するヒータータンク水位センサ66’を含むことができる。この実施形態では、一連の突出部86が、フロート80’をD字形キャビティ68’内に選択的に水平に位置付けて、最終的に発光体74と受光体78との間に整列又は位置付けられるようにすると同時に、抽出サイクル中にヒータータンク16が一杯になった後にキャビティ66’を通る流体の実質的な層流を許容又は可能にする。突出部86は、キャビティ68’の内部側壁の一部から形成されてキャビティ68’の内向きに延びることも、或いは球状フロート80’から形成され又は球状フロート80’から外向きに延び、キャビティ68’の内部側壁に対して摺動することもできる。いずれの実施形態においても、突出部86は、キャビティ66’を通る垂直方向の流体流の途絶を最小限に抑え、突出部86と球状フロート80’又はキャビティ68’の内部側壁との間の垂直表面積接点を最小限に抑えて球状フロート80’がキャビティ66’内で垂直に動けるように、相対的に幅よりも垂直に長くすることができる。
【0061】
上述したように、システム10は、ヒータータンク16及び入口ピックアップ70を満たすのに十分な水をリザーバ14から圧送する。少なくとも当初、キャビティ68’内に水が存在しない場合、球状フロート80’は、キャビティ68’の底部又はその付近に存在する。ある時点で一杯になっているヒータータンク16内にポンプ12が水を移動させ続けると、キャビティ68’の水位が上昇することによって球状フロート80’が水位と共に上昇するようになる。上述したように、突出部86は球状フロート80’を付勢し、従ってフロート80’の本体は、
図6に示す実質的に同じほぼ水平位置に留まる。これにより、球状フロート80’は、最終的に発光体74から受光体78への光ビーム76の伝達を遮断できるようになり、これによってヒータータンク16が一杯である旨の信号が送られる。突出部86は、基本的に球状フロート80’の水平位置を制限するとともに、キャビティ66’内の水位の変化につれてフロート80’が垂直に動くようにする。
図6に示すように、フロート80’は、6つの突出部86を含んでいるが、望ましい場合又は必要な場合には、これより多くの又は少ない突出部86を有することもできる。
【0062】
ヒータータンク水位センサ66’は、ヒータータンク水位センサ66に関して上述した方法とほぼ同じ方法で動作する。キャビティ68’が水で満たされると、フロート80’がキャビティ68’の上部に上昇し、これによって発光体74が発した光ビーム76を受光体78が受け取るのを妨げる。
図6に示すように、球状フロート80’は、D字形キャビティ68’の一部しか占めておらず、従って流体がフロート80’及び突出部86の周囲を流れるのに十分な余裕があり、これによってレッグ82及び通路84の任意の必要性に取って代わる。
【0063】
図7及び
図8に、ヒータータンク水位センサ66’’の別の実施形態を示しており、ここではキャビティが、内部に球状フロート80’’を保持する第2のフロート区画120に隣接する第1の又はメインの分割キャビティ68’’に分割又は区分化される。1又は2以上の隔壁122は、キャビティ68’’の隣にフロート区画120を定め、この中にフロート80’を水平に閉じ込めて、最終的に発光体74と受光体78との間に整列又は位置付けられるようにすると同時に、センサ出口72の中心軸からオフセットされた結果としてキャビティ68’’を通る流体の実質的な層流を可能にする。すなわち、隔壁122は、球状フロート80’’を実質的に同じ概ね水平の位置に保持しながら、抽出サイクル中にキャビティ68’’内の水位が変化するにつれてフロート80’’が垂直に移動できるようにする。当然ながら、隔壁122は、ヒータータンク16及び/又はヒータータンク水位センサ66’’内の水位に応じて、フロート区画120に対して水を流入及び流出させてフロート80’’を上昇及び下降させるように構成される。
図7に具体的に示すように、フロート区画120は、比較的大きな分割キャビティ68’’からオフセットされた壁部122のうちの3つの壁部を含む。しかしながら、当業者であれば、フロート80’’が本明細書に開示するようなセンサ66’’を動作させることができる限り、異なる量の壁122を使用することもできると容易に認識するであろう。また、分割キャビティ68’’は、
図6に関連して上述したように一般に開いてややD字形であるが、当業者であれば、当該技術で既知の任意の形状(例えば、矩形、正方形など)とすることもできると容易に認識するであろう。センサ出口72及び入口ピックアップ70(
図7には図示せず)を整列させる中心軸は、一般に妨害を受けることなく、ヒータータンク水位センサ66’’を通る流体の層流を促すことができる。この点、
図8に、隔壁122によって形成されたフロート区画120に対する分割キャビティ68’’のサイズ及び位置付けの別のビューを示す。
【0064】
ヒータータンク水位センサ66’’は、ヒータータンク水位センサ66、66’に関して上述した方法とほぼ同じ方法で動作する。キャビティ68’’が水で満たされると、フロート80’’がキャビティ68’’の上部に上昇し、これによって発光体74が発した光ビーム76を受光体78が受け取るのを妨げる。
図8に示すように、球状フロート80’’は、分割キャビティ68’’に比べて相対的にセンサ66’’の狭い部分を占め、センサ出口72から水平方向に離れて配置される(すなわち、同軸でない)ことにより、入口ピックアップ70とセンサ出口72との間に閉塞していない経路を提供する。
【0065】
ヒータータンクセンサ66、66’、66’’は、ヒータータンク16の充填状態に応じてポンプ12を「オン」及び/又は「オフ」に切替えるバイナリスイッチとして機能する。従って、受光体78は、発光体74からの光ビーム76を受け取っている状態又は検知している状態(すなわち、一杯でない状態)、或いは光ビーム76を受け取っておらず、又は検知していないことによってヒータータンク16が「満たされた」又は「一杯の」状態であることを示す状態のいずれかにある。この点、センサ66、66’、66’’は、閉塞の程度又はレベルをサンプリングしない。むしろ、センサ66、66’、66’’は、「オン」状態及び「オフ」状態が明確な光スイッチに似た形で動作する。
【0066】
上記で簡単に説明したように、コーヒー抽出システム10は、抽出サイクル中に一杯のコーヒー又は数杯のコーヒー(例えば、10oz(283.5g))を抽出するのに十分な量のコーヒー粉24を含む抽出カートリッジ22を維持又は保持する抽出チャンバ20を有する抽出ヘッド18を含む。具体的に言えば、
図9に示すように、抽出ヘッド18は、移動可能な上顎部88bに対して固定できる下顎部88aを含む1対の顎部88を含む。とは言うものの、当然ながら、下顎部88a及び上顎部88bをいずれも移動可能にすることも、或いは固定された上顎部88bに対して下顎部88aを移動可能にすることもできる。下顎部88a及び上顎部88bは、これらの間に抽出チャンバ20を定めるように協働する。
【0067】
抽出ヘッド18は、下顎部88bに対する上顎部88aの位置をモニタする活性化センサ又はスイッチ90を含むことができる。すなわち、下顎部88a及び上顎部88bが閉鎖位置にある時には両側のスイッチ90が接触し、システム10は、顎部88が閉鎖位置にあることを識別する。或いは、顎部88を開くと活性化スイッチ90の両端部が離れ、この時点でシステム10は、顎部88が開放位置にあると識別するようになる。
図9に示す開放位置にある場合、システム10は、抽出サイクルの開始を拒否することができ、或いは抽出サイクル中に上顎部88bが
図9に示す開放位置に移動した場合には、抽出サイクルを中止することができる。これは重要な安全機能とすることができ、従って抽出チャンバ20が露出している間、抽出機は作動しない。
【0068】
図10及び
図11に示すように、抽出ヘッド18は、移動可能な上顎部88bと、抽出ヘッド18の一部によって形成されたマウント125との間に延びる引張ばね124をさらに含む。このばねは、(以下でさらに詳細に説明するような解放時に)上顎部88bを開放位置に引っ張り又は付勢して開くように機能する。この点、ばね124は、抽出ヘッド18の後部に形成される枢動部を中心に上顎部88bを下顎部88aから離して引っ張るように機能する。開放位置では、抽出チャンバ20にアクセスすることができる。
図10及び
図11には、マウント125に接続された引張ばね124を示しているが、引張ばね124は、抽出チャンバ20にアクセスできるように上顎部88bを下顎部88aに対して選択的に枢動自在に開くように促すために、抽出ヘッド18の静止部分と上顎部88bの移動可能な部分との間に延び、又はこれらに接続することもできる。
【0069】
図10及び
図11には、上顎部88bの開放及び/又は閉鎖を和らげる回転式ダンプナー126を含む抽出ヘッド18も示す。回転式ダンプナー126は、引張ばね124の引張開放力に少なくとも対抗し、又はこの力を減衰することにより、上顎部88bが過度に急激に開かないように開放速度を軽減することができる。この点、回転式ダンプナー126によって生じる抵抗は、引張ばね124からの圧縮エネルギーの放出を遅らせる。この結果、開く動きがスムーズになる。これとは別に、又はこれに加えて、回転式ダンプナー126は、上顎部88bを枢動させて閉鎖位置に戻すのに必要なエネルギーの量を減少させる正の閉鎖力をもたらすこともできる。すなわち、回転式ダンプナー126は、上顎部88bを閉じる際に引張ばね124によって生じる分離力に打ち勝つのに役立つことができる。回転式ダンプナー126は、抽出チャンバ20を開く際にしか抵抗力及び減衰力をもたらさない一方向回転式ダンプナーとすることができる。しかしながら、回転式ダンプナー126は、双方向回転式ダンプナー、すなわち抽出チャンバ20を開く際及び閉じる際に抵抗及び減衰をもたらすものとすることもできる。
【0070】
図12〜
図14に示すように、抽出ヘッド18は、上顎部88bを下顎部88aから選択的に解放されるように促して上述したような引張ばね124による上顎部88bの開放位置への枢動を可能にする顎部ロック128をさらに含む。具体的に言えば、顎部ロック128は、抽出ヘッド18の一部から突出する、手動操作できるように構成された、前方に及び外部的にアクセス可能な解除ボタン130を含むことができる。解除ボタン130は、押圧されると、抽出ヘッド18の本体内の、下顎部88aに配置された顎部クリップ通路132内に選択的に水平に摺動する。一般に、解除ボタン130の本体は、顎部クリップ通路132内に移動すると、上顎部88bに枢動自在に取り付けられた顎部クリップ134に係合し、顎部クリップ134が枢動すると、上顎部88bが顎部ロック128から解放される。具体的に言えば、解除ボタン130は、外部的にアクセス可能な指先作動式のタッチ面138から離れて下顎部88a内に延びる解除ボタンシャフト136を含む。解除ボタン130は、ばね(図示せず)などによって外方向(すなわち、非押圧位置)に付勢される。顎部クリップ通路132は、下顎部88aの上面139から下側の広いキャビティ140内に概ね下向きに形成された開口部である。解除ボタンシャフト136は、キャビティ140内に摺動し又は延びて、顎部クリップ通路132の中心軸に対して概ね垂直に配置され、従って解除ボタン130を概ね顎部クリップ通路132の下部に位置付ける。顎部クリップ134に含まれる顎部クリップシャフト142は、シャフト142から垂直に延びる、下端部に配置されたボス144を有する。ボス144は、顎部クリップ134を顎部クリップ通路132内に案内する下向き面取部146をさらに含む(すなわち、ボス144の上部は、底部よりも厚くすることができる)。抽出チャンバ20を閉じると、顎部クリップ134は、顎部クリップ通路132を介してキャビティ140内に延びる。顎部クリップ134は、ねじりばね148によって前方位置に付勢される(すなわち、顎部クリップ134がタッチ面138に向かって枢動する)ことにより、ボス144をキャビティ140内に前方に押して、下顎部88aの上面139の下側のシャフト136内に押し込む。この点、下顎部88aとボス144とが接触することにより、顎部88a、88bは閉じた状態に保たれる。
【0071】
抽出チャンバ20を開くには、ユーザがタッチ面138を押圧することによって解除ボタンシャフト136を解放してキャビティ140内に水平に摺動させ、内部のボスチャンバ146に接触させる。この水平摺動力により、ボス144がねじりばね148の前方付勢力に抗して枢動し、顎部クリップ通路132との係合から解放される。この点、解除ボタンシャフト136は、顎部クリップ134を、ボス144が顎部クリップ通路132内に完全に配置される位置まで効果的に回転させる。従って、ボス144の上方に表面が存在しないので、ばね124が、回転式ダンプナー126の抵抗下で上顎部88bを下顎部88aとの係合から離して枢動させることによって抽出チャンバ20を開く。抽出チャンバ20の閉鎖は、顎部クリップ134が再びキャビティ140と係合するまで上顎部88bを下向きに枢動させる(抽出ヘッドのばね124の開放力に打ち勝つ)だけのことである。具体的に言えば、上述したように、ねじりばね144は、顎部クリップ134を解除ボタン130の一般位置に向けて前方に付勢する。上顎部88bを下向きに押し、又は枢動させると、ボス144が下顎部88aに接触する。顎部クリップ134は、ボス144上の面取部146によって顎部クリップ通路132内に摺動することができる。すなわち、面取部146は、顎部クリップ134が解除ボタン130から離れて徐々に枢動できるようにする傾斜した摺動面を提供し、従って下顎部88aの上面139によって妨げられるはずのボス144は、顎部クリップ通路132を介してキャビティ140内に進むことができる。この点、ボス144が顎部クリップ通路132の下部に摺動すると、ねじりばね148が顎部クリップ134をタッチ面138に向かって枢動させ、これによってボス144を下顎部88aの上面139の下側のキャビティ140内でロック係合させることにより、抽出チャンバ20を閉鎖位置にロックする。
【0072】
上顎部88bは、抽出カートリッジ22の上面94(
図1、
図3、
図16及び
図17)を貫通して内部に温水を注入するように設計された、抽出チャンバ20内に下向きに延びるスピン式又は回転式注入針92を含むことができる。これに応じて、下顎部88aは、抽出カートリッジ22の底面98を貫通することによって、抽出サイクル中に抽出カートリッジ22の上面94を注入針92が貫通した際の温水の流入を容易にするように設計できる、上向きに延びる排出針96を含む。
図9に示すように、上顎部88bは、注入針92上を同心状に滑動又は摺動する、上方の上顎部88bの下部に配置されたシール100を含むことができる。シール100は、注入針92と上顎部88bとの間に気密シールを形成し、抽出サイクル中に注入針92と抽出カートリッジ22の上面94との間に同様の気密シールを形成することができる。従って、シール100は、抽出サイクル中における流体の漏出を防止又は実質的に防止することができる。シール100は、シリコーン、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴム、又は従来のドリップ式コーヒー抽出機の通常の動作寿命などの長期使用期間にわたって内部における注入針92のスピン運動又は回転運動を可能にするほど十分に耐久性の高い他のいずれかの好適な材料で構成することができる。
【0073】
システム10は、抽出ヘッド18に、具体的には回転式注入針92にセンサ出口72を流体的に結合する第3の抽出ライン又は第3の導管102を含む。抽出サイクル中、ポンプ12は、ヒータータンク16から第3の導管102を介して抽出カートリッジ22内に温水を移す。この点、回転式注入針92は、抽出カートリッジ22内のコーヒー粉24に温水及び蒸気を注入する。センサ出口72と回転式注入針92との間には、第3の導管102に沿って直列に第3の逆止弁104が配置される。第3の逆止弁104は、正の解放圧(例えば、2psi)を有する一方向逆止弁とすることができる。この点、第3の逆止弁104は、抽出ヘッド18への液体の流れが解放圧(例えば、2psi)を超えない限り、抽出ヘッド18に液体が流れるのを防ぐ。この場合、第3の逆止弁104は、第1及び第2の逆止弁46、64と同一又は同様の仕様を有することができるが、異なる解放圧を含め、第1及び第2の逆止弁46、64と異なる仕様を有することもできる。
【0074】
導管102内及び逆止弁104の後方の残留水は、いずれも第3の逆止弁104をこじ開けるほど十分な圧力下にないので、第3の逆止弁104は、抽出サイクルの完了後における抽出ヘッド18からの液だれを防ぐのにも役立つ。さらに、第3の導管102は、(例えば、ヒータータンク16の上方に第3の導管102を配置することによって)残留水を重力排出してヒータータンク16内に戻すように構成することもできる。さらに、第3の導管102の一部は、水の逆流を防ぐ役に立つように排水キャッチ又はトラップの形に成形することもできる。抽出システム10は、第3の導管102からできる限り多くの残留水を除去することができ、従って次の抽出サイクルの開始時には、抽出カートリッジ22内にヒータータンク16からの温水のみが注入される。従って、本明細書に開示するコーヒー抽出システム10は、抽出サイクルの終了時にヒータータンクと抽出ヘッドとの間の第3の導管102内に残留水が残ることがある従来のシステムよりも有利である。
【0075】
コーヒー抽出システム10は、抽出サイクルの終了時に空気を圧送するために、大気に開放されて、ポンプ12の後方であって流量計48(含まれる場合)の前方において第1の導管40に流体的に結合された第1の空気管路106をさらに含む。
図1、
図3、
図16及び
図17に示すように、第1の空気管路106の開放端はリザーバ14上に配置することができ、従ってシステム10内の任意の水の逆流は再び水リザーバ14内に滴り落ち又は流出する。第1の空気管路106には、第1の電磁弁108を直列に配置して大気へのアクセスを制御することができる。当初、ポンプ12がリザーバ14からヒータータンク16に水を移す際には、第1の電磁弁108は閉じている。空気を圧送するには、第1の電磁弁108を開き、従って第1の導管40を大気に開放する。第1の抽出ライン40内の空気圧が大気に等しくなり、電磁弁108を閉じた時の第1の導管40内の圧力よりも低くなる。この結果、第1の逆止弁46の前方の圧力が解放圧未満の大気まで低下し、これによって第1の逆止弁46が閉じるようになる。従って、ポンプ12は水の移動を停止し、代わりに大気に曝された空気管路106からの空気の圧送を開始する。従って、もはやリザーバ14からポンプ12に水は流れない。これとは逆に、電磁弁108が閉じた場合、ポンプ12は、再び第1の導管40を加圧してリザーバ14から水を移し始める。この点、第1の電磁弁108は、圧送媒体(すなわち、空気又は水)を効果的に制御することができる。
【0076】
コーヒー抽出システム10は、第3の導管102内の圧力を制御する第2の空気管路110も含む。
図1、
図3、
図16及び
図17に示すように、第2の空気管路110は、第3の逆止弁104とセンサ出口72との間で第3の導管102から分離することができる。(
図15に最も分かりやすく示す)1つの実施形態では、センサ出口72が、Y字形又はT字形を含むことができる。
【0077】
すなわち、Y字形又はT字形出口72の一方の側は、第2の空気管路110との接続を促し、Y字形又はT字形出口72の他方の側は、第3の導管との接続を促す。
図1、
図3、
図16及び
図17に示すように、第2の空気管路110の開放端は、第1の空気管路106に関して上述したように(必要に応じて)再びリザーバ14内に水を滴らせ又は流出させるようにリザーバ14上に配置することができる。この点、第2の空気管路110は、任意にリザーバ14との接続を容易にするオーバーフロー用付属品398を含むことができる。第2の空気管路110は、「開放」時に第3の導管102を大気に開放し、「閉鎖」時に第3の導管102を大気から閉鎖する第2の電磁弁112も含む。第2の電磁弁112の「開放」時には、ヒータータンク16の出口側の圧力が大気に等しくなり、第3の導管102内の圧力が大気まで下がる。この圧力低下により、第3の導管102内の圧力がその解放圧未満に低下することによって第3の逆止弁104が閉じるようになる。従って、第2の電磁弁112を開くと、第3の逆止弁104が閉じることによって第3の導管102がさらなる流体流から隔絶されるので、抽出サイクルの終了時における望ましくない液垂れを防ぐのに役立つ。
【0078】
図16に示す別の実施形態では、システム10が、排水トラップと同様(すなわち、U字形)に成形された大気通気管150を含む。大気通気管150は、第2の電磁弁112が開いている時にセンサ66から流出した水を蓄え、この流れは、例えば初期充填後にヒータータンク16内の水を加熱する際に第3の逆止弁104を開くほど十分な圧力下にはない。図示のように、第1の空気管路106は、大気通気管150と第2の電磁弁112との間で第2の空気管路110に接続する。(以下で詳述する)パージサイクル中、ポンプ12は、第1の電磁弁108が開いて空気を圧送する前に、大気通気管150内に蓄えられた水を移動又は除去する。これにより、大気通気管150内の水が効果的に除去されてリフレッシュされる。第2の空気管路110の開放端は、センサ出口72との接続地点の上方に配置され、従って水は、第2の空気管路110及び大気通気管150を完全に満たして初めて第2の空気管路110の開放端から(例えば、大気通気管150の外部及び水リザーバ14内に)流出できるようになる。第2の空気管路110は、リザーバ14との流体密封された接続部を提供して漏れを防ぐオーバーフロー用付属品398に接続することができる。
【0079】
図17に示すさらなる実施形態では、システム10’’’内の第2の空気管路110が、第2の空気管路110の開放端からの水の流出を防ぐのに役立つ蛇行経路114を含む。具体的に言えば、蛇行経路114は、第2の電磁弁112が閉じている時には空気で満たされる。第2の電磁弁112が開くと、これに付随する圧力の解放によって第3の導管102からの残留水が第2の空気管路110に流入することができる。従って、蛇行経路114内の空気の一部が、第3の導管102から流入した水に置き換わる。この経路114の長さ及び圧力低下(すなわち、蛇行性)は、(例えば、リザーバ14の上方の)第2の空気管路110の開放端から水が排出されないことを保証することができる。この点、蛇行経路114は、第2の空気管路110の開放端から空気しか排出されないことを保証するのに役立つ。蛇行経路114は、螺旋形、ジグザグ形、円形又は矩形の経路などの、当該技術で既知の任意の形状を有することができる。
【0080】
本明細書に開示する抽出システムの別の側面では、
図3及び
図17のシステム10’、10’’’に関して具体的に示すように、第1の逆止弁46及び第2の逆止弁64を省くことができる。基本的には、第2の逆止弁64の代わりにポンプ12を使用して、ヒータータンク16からリザーバ14に水が逆流するのを防ぐ。ポンプ12は、リザーバ14からヒータータンク16内に前方に水を強制し又は移すように動作し、従って一方向弁として機能する。動作中、ポンプ12は、第1の導管40内の流体に曝された開いたチャンバ内に水を引き込む。ポンプ12は、当該技術で既知のポンプサイクルを通じ、チャンバ内の流体を加圧して前方への移動を引き起こす。ポンプが停止すると、ダイアフラムがポンプ12内のポンプ出口44からポンプ入口42への通路を遮断し、逆止弁として効果的に動作する。当然ながら、これによって第2の導管62から第1の導管40内に戻ってリザーバ14に向かう水の逆流が防がれる。このため、水の逆流を止めるために第2の逆止弁64は不要である。ポンプ12は、ヒータータンク16からの温水に曝された場合、温水への露出に耐えることができる。
【0081】
また、
図3に示す実施形態では、リザーバ14内に水が存在する間のみ、ポンプ12がリザーバ14から水を移す。リザーバ14が空になると、システム10’は、(以下で詳細に説明する)空気パージステップを開始する。空気パージが開始した時には、リザーバ14内に利用可能な水が存在しないので、このステップ中に(すなわち、第1の逆止弁46の正の解放圧によって)リザーバ14からの水の流出を防ぐ必要はない。従って、空気パージサイクルは水リザーバ14が空の時に開始するので、
図3に示すように第1の逆止弁46を排除することが可能であり、望ましい場合もある。
【0082】
さらに、
図17に示す実施形態について言えば、リザーバピックアップ34を使用すると、ポンプ12は、水リザーバ14の前方の第1の導管40内に、水を第1の導管40内に引き上げるのに十分な力を生じることができる。第1の電磁弁108が開くと、第1の導管40内の圧力は大気まで低下する。この圧力低下の結果、ポンプ12は、もはやピックアップ34を用いてリザーバ14から効果的に水を引き込むことができなくなる。この結果、ポンプ12は、抽出システム10、10’、10’’に関して上述したように水の圧送から空気の圧送に切替える。圧送媒体の変化が生じるのは、重力に抗してリザーバ14から水を圧送するよりも開いている第1の空気管路106から大気を移すことの方がポンプ12にとって容易なためである。この点、第1の逆止弁46は不要であり、コスト及び複雑性を低減するために除去することができる。
【0083】
当業者であれば、上記の説明に照らして、抽出システム10、10’、10’’、10’’’の各々は、本明細書に開示する実施形態に従い、第1及び第2の逆止弁46、64の使用、第1の逆止弁46のみの使用、第2の逆止弁64のみの使用、又は第1及び第2の逆止弁46、64(
図3及び
図17)の両方の省略を含む、逆止弁46、64の様々な組み合わせを含むことができると理解するであろう。
【0084】
図18に示すように、システム10は、抽出サイクル前、抽出サイクル中及び抽出サイクル後における抽出機の異なる特徴を制御する少なくとも1つのマイクロコントローラ50をさらに含む。例えば、マイクロコントローラ50は、ポンプ12に結合し、ヒータータンク16の充填状態に応答してポンプ12を「オン」又は「オフ」に切替える能力を有することができる。具体的に言えば、マイクロコントローラ50は、受光体78からフィードバック応答を受け取り、これらのフィードバック応答に基づいてポンプ12を動作させることができる。例えば、受光体78が受光フィードバックを提供すると、マイクロコントローラ50は、ヒータータンク16が一杯でないと認識する。従って、マイクロコントローラ50は、ヒータータンク16を満たすようにポンプ12を動作させ続けることができる。これとは逆に、上述した実施形態によるフロート80、80’、80’’によって光ビーム76が妨げられると、受光体78は、マイクロコントローラ50に負のフィードバックを提供することができる。この場合、フロート80、80’、80’’が、ヒータータンク水位センサ66内の受光体78への光ビーム76の伝達を妨げるので、マイクロコントローラ50は、ヒータータンク16が一杯であると認識する。従って、マイクロコントローラ50は、ポンプ12を「停止」することができる。当業者であれば、システム10は、1又は2以上のマイクロコントローラ50を含むことができ、これらの(単複の)マイクロコントローラ50を用いて、ポンプを単純に「オン」又は「オフ」に切替えること以上にシステム10の様々な特徴を制御することができると理解するであろう。例えば、マイクロコントローラ50は、ヒータータンク温度センサ58(例えば、ヒータータンクの水温のモニタリング)、リザーバ14内の低水位センサ38(例えば、抽出すべき水が存在するかどうかの判断)、流量計48(例えば、抽出サイクル中にヒータータンクに圧送される水の量のモニタリング)、加熱素子56(例えば、ヒータータンク16内の水温の調整)、ヒータータンク水位センサ66(例えば、ヒータータンク16の充填状態の判断)、発光体74(光ビーム76の「オン」又は「オフ」への切替え)、受光体78(例えば、光ビーム76の障害の特定)、回転式注入針92(例えば、抽出サイクル中の作動及び回転)、第1の電磁弁108(例えば、開閉)、第2の電磁弁112(例えば、開閉)、活性化スイッチ90(例えば、抽出サイクルの開始前に顎部88が開いているかどうかを判断)、及び/又は外部的にアクセス可能なコントロールパネル116を制御し、これらからフィードバックを受け取り、又はこれらと別様に通信することもできる。
【0085】
コントロールパネル116は、ユーザによる抽出システム10の操作を可能にする一連の外部的にアクセス可能なコントロール、ノブ、LCD画面などを含むことができる。上述したように、コントロールパネル116は、選択された又は所望の抽出条件を処理できるように、1又は2以上のマイクロコントローラ50とフィードバック通信を行う。具体的に言えば、ユーザは、コントロールパネル116を利用して、抽出サイクルの開始又は所望の供給サイズの変更などのコマンドを1又は2以上のマイクロコントローラ50に提供することができる。この点、コントロールパネル116は、当該技術で既知のプッシュボタン、回転式ダイヤル、ノブ又はその他の入力部を含むことができる。以下でさらに詳細に説明するように、1つの実施形態では、コントロールパネル116が、ユーザが外部的にアクセス可能なノブを回転させ又は動かすことによって異なる供給サイズ(例えば、6〜12oz(170.1〜340.2g))及び/又は抽出温度を選択できるようにする回転式ダイヤル又はその他の可変抵抗器348を含む。この点、可変抵抗器348は、ポンプ12がリザーバ14からヒータータンク16内に、最終的には抽出サイクルの一部としてコーヒーマグ26内に移す水の量を調整する。可変抵抗器348は、線形的又は増分的なサイズ選択(例えば、2oz(56.7g)の増分)を容易にすることができる。コントロールパネル116は、進行中の抽出サイクルの状態を含む抽出システム10の状態に関する視覚フィードバックをユーザに提供することもできる。1つの実施形態では、例えば、コントロールパネル116が、選択された供給サイズを示すLCD画面(図示せず)、及び/又は抽出サイクル前、抽出サイクル中及び抽出サイクル後の抽出システム10の即時視覚識別を提供するLEDのアレイを含むことができる。マイクロコントローラ50は、抽出サイクルの開始後には全てのコントロール(例えば、プッシュボタン、可変抵抗器348などの回転式ダイヤル、ノブ、LCD画面など)を停止することができる。
【0086】
図19に、本明細書に開示する実施形態による、コーヒー抽出システム10の1つの動作方法(200)を示す。この点、第1のステップ202において、コーヒー抽出システム10を初めて「オン」にする。抽出システム10の電源を「オン」にすると、マイクロコントローラ50と、本明細書で説明したようなマイクロコントローラ50によって動作する発光体74などの他の機構を含む電子機器とが作動する。次のステップ204において、電源が入ったばかりの抽出システム10がヒータータンク16内の水位をチェックする。このチェックは、受光体78からのフィードバックを読み取ることによって直ちに行うことができる。ヒータータンク16が空である場合、受光体78は、光ビーム76が受け取られている旨の正のフィードバックをマイクロコントローラ50に送る。システム10が既にヒータータンク16内に水を有していない限り、抽出システム10を最初に「オン」にした時にはこのようになるはずである。
【0087】
従って、次のステップ206において、システム10は、ヒータータンク16を満たすために、又は少なくとも部分的に満たすために使用できる水がリザーバ14内に存在するかどうかを判断する。マイクロコントローラ50は、水位センサから、リザーバ14が若干量の水を有していることを示すフィードバックを受け取ることができる。具体的に言えば、マイクロコントローラ50は、(リザーバ14内に閾値量の水が存在することを示す)低水位センサ38、又はリザーバ14内の特定量の水に関するフィードバックを提供する1又は2以上のセンサからフィードバックを受け取ることができる。或いは、マイクロコントローラ50は、上述したようにポンプ12を動作させてリザーバ14が水を有しているかどうかを判断することもできる。リザーバ14内に水が存在しない場合、システム10は「水を加えて下さい」という通知を表示する(208)。或いは、リザーバ14内に水が存在する場合、マイクロコントローラ50は、ステップ210の一部としてポンプ12を始動させてヒータータンク16を充填し始める。ポンプ12は、例えば低水位センサ38などからのフィードバック又はポンプ12からのフィードバックを介して、ヒータータンク16が一杯であることをヒータータンク水位センサ66が示すまで、又はリザーバ14の水がなくなったとマイクロコントローラ50が判断するまでリザーバ14から水を圧送し続ける。
【0088】
ポンプ12は、最初の充填段階の一部として「オン」になると、リザーバ14から第1の導管40を通じ、入口52を介してヒータータンク16内に水を圧送するように実質的に一定の速度(すなわち、一定の電圧)で動作する。この時点で、第1の電磁弁108は閉じ、第2の電磁弁112は開いている。ポンプ12が、第1の逆止弁46(含まれている場合)の解放圧を超えるのに十分な圧力を第1の導管40内に生じると、第1の逆止弁46(含まれている場合)が開いてリザーバ14からの水が順方向に流れるようになる。その後、水は、ポンプ12の途中にある流量計48(
図1のように含まれている場合)を通って流れる。流量計48は、リザーバ14から圧送される水の量を測定して追跡することができる。しかしながら、
図3及び
図17に示すような別の実施形態では、本明細書で説明したように、リザーバ14から圧送される水量をポンプ12の速度及び持続期間に基づいて決定することができる。その後、水圧の方が解放圧よりも高いと仮定した場合、水は、ポンプ12及び第2の逆止弁64(含まれている場合)を通って流れる。この実施形態では、第1及び第2の逆止弁46、64が、いずれも同じ解放圧を有する。従って、流圧が第1の逆止弁46を開くのに十分である場合には、第2の逆止弁64を開くのにも十分である。その後、水は、入口52を介してヒータータンク16の底部に流入してヒータータンク16を満たし始める。ステップ210は、ヒータータンク16の上部に空気ブランケット118を形成するステップを任意に含むことができる。
【0089】
図20に、ポンプを始動させてヒータータンク16を満たし、ヒータータンク水位センサを用いてヒータータンク16が一杯であるか、それとも水が不足しているかを判断するステップ210をさらに具体的に示す。ヒータータンク16が水で満たされると、継続的な圧送により、ステップ210aの一部としてセンサ入口ピックアップ70に水が流入するようになる。上述したように、発光体74はキャビティ68内に光ビーム76を発光し(210b)、受光体78は光ビーム76を受け取って、マイクロコントローラ50にそのようにフィードバックを提供する(210c)。このフィードバックは、例えば
図21に示すように、ヒータータンク16が一杯に満たないことを示す。キャビティ68に入り込んで上昇した水は、フロート80も上昇させる(210d)。ステップ210eにおいて、フロート80がキャビティ68の上部まで上昇してレッグ82に接触する。レッグ82は、(例えば、通路84を介して)センサ出口72をキャビティ68から遮断することなくフロート80の上昇を停止させる。レッグ82は、フロート80を一定の垂直位置に付勢し、これによって
図22に示すように、フロート80の本体が発光体74から受光体78への光ビーム76の伝達を遮断又は妨害する。本明細書で説明したように、フロート80’、80’’を用いて同じ閉鎖を達成することもできる。受光体78が光ビーム78を受け取らなくなると、センサ66は、ヒータータンク16が一杯であることを示す信号をマイクロコントローラ50に中継する(210f)。その後、システム10は、
図20に示す最終ステップ210fの一部としてポンプ12を停止する。
【0090】
ヒータータンク16は、ステップ210の一部としての初期充填サイクルの終了後には常に一杯又は実質的に一杯の状態を保つ。この点、マイクロコントローラ50は、ヒータータンク水位センサ66の定期的な連続モニタリングを介して、或いは本明細書に開示した又は当該技術で既知の他の方法によって、将来的な任意の所与の時点にヒータータンク16を一杯の状態に維持するようにプログラムすることができる。この段階で、ヒータータンク16は水で満たされているので、本明細書でさらに詳細に説明するように、ポンプ12によってリザーバ14からヒータータンク16に水が移動すると、ヒータータンク16内の同等量の水がセンサ出口72を介して第3の導管102内に移動し、又は排出されて、抽出機ヘッド18に供給されるようになる。
【0091】
また、マイクロコントローラ50は、上述した初期充填工程中に加熱素子56を作動させて、ヒータータンク16内の水を所望の抽出温度に加熱することもできる。従って、ヒータータンク16内の水は、ヒータータンク16に進入すると直ぐに予熱され、これによって抽出システム10が抽出サイクルの準備を行う時間を短縮する。1つの実施形態では、ヒータータンク16に水が入り込むと、加熱素子56が所望の抽出温度までリアルタイムで十分に予熱することができる。別の実施形態では、加熱素子56が水を所望の抽出温度に加熱するのに掛かる時間を長くすることもできる。この点、ヒータータンク16が一杯の場合、当初、ヒータータンク16内の水は抽出温度を下回る。従って、加熱素子56は、ヒータータンク16の底部において冷たい水を加熱し続ける。ヒータータンク16の底部で加熱された水は、上方の冷たい水よりも密度が低くなるにつれて上昇し、今度はこの冷たい水がヒータータンク16の底部に降りてきて加熱素子56に近づくようになる。この工程は、ヒータータンク16内の水の量全体(又は実質的に全体)が所望の抽出温度になるまで継続する。加熱工程中には、温度センサ58がヒータータンク16内の水の温度を追跡又は測定して、水が正確な又は所望の抽出温度になった時点を判定する。任意に、外部から見える温度LED(図示せず)によって、加熱素子56が作動中であり、又は水が最適な抽出温度であって抽出サイクルを開始できる状態である旨の視覚的通知を提供することもできる。抽出システム10の別の特徴では、ユーザが外部的にアクセス可能なコントロールパネル116を用いて所望の抽出温度を手動で設定することができる。
【0092】
図16に示す実施形態では、ヒータータンク16が完全に一杯になったことをセンサ66が示すまで、マイクロコントローラ50が加熱素子56を作動させないようにすることができる。加熱素子56がヒータータンク16内の水を加熱し始めると、タンク内の水は熱的に膨張し、水の一部がセンサ出口72から第3の導管102及び第2の空気管路110内に流出できるようになる。センサ66から流出した水は、第3の逆止弁104を開くほど十分な圧力を受けておらず、従って第3の逆止弁104は、抽出ヘッド18への水の流れを効果的に遮断又は防止する。従って、水は、第2の空気管路110を通り、開いた第2の電磁弁112を越えて流れ、最終的に大気通気管150内に蓄えられるようになる。この点、通常、第2の空気管路110及び大気通気管150は、抽出サイクル(すなわち、ステップ216〜218)中に水で満たしておくことができる。当然ながら、この水は、抽出サイクルの終了時のパージサイクル(例えば、ステップ220)の一部として排出されリフレッシュされる。
【0093】
また、マイクロコントローラ50は、ヒータータンク16が水で満たされた後に、温度センサ58からの定期的な連続フィードバック測定値を受け取ることができる。この点、マイクロコントローラ50は、加熱素子56を定期的に「オン」及び「オフ」に切替えてヒータータンク16内の水を確実に最適な抽出温度に留まらせることができ、従ってユーザは、抽出機が内部の水を加熱するのを待たずに抽出サイクルを開始することができる。或いは、マイクロコントローラ50を、ヒータータンクの水を所望の抽出温度に保つ代わりに、ある時間帯(例えば、朝又は夕方)に加熱素子56を作動させて水温を確実に最適な抽出温度にするように予め又は手動でプログラムすることもできる。この点、飲料を抽出するためにヒータータンク16内の水を最適な温度にすべき時間をユーザが設定することができる。
【0094】
ヒータータンク16が一杯になって水が最適な抽出温度になると、抽出システム10は、抽出サイクルを開始する準備が整う。システム10は、一定の抽出条件の選択を可能にする外部的にアクセス可能なノブ、スイッチ又はダイヤルを有するコントロールパネル116を含むことができる。例えば、ユーザは、外部的にアクセス可能な可変抵抗器348を用いて所望の抽出サイズ(例えば、6oz(170.1g)、8oz(226.8g)、10oz(283.5g)、その他)を設定することができる。所望の抽出サイズの選択後、システム10は、ステップ212の一部として、(例えば、マイクロコントローラ50を用いて)リザーバ14内の水位センサ38を読み取って、リザーバ14が所望の量のコーヒーを抽出するのに十分な量の水を含んでいるかどうかを判定することができる。リザーバ14が十分な量の水を含んでいない場合、抽出システム10は、ステップ208と同様に、水が「少ない」又は「無い」旨の表示を示して、リザーバ14に水を加えるようにユーザを促すことができる。或いは、
図3及び
図17に示すシステム10’、10’’’によれば、マイクロコントローラ50は、リザーバ14が水を含んでいるかどうかをポンプ12の負荷及び電流の測定に基づいて判定することもできる。この実施形態では、上述したように、低水位センサ38を含む必要はない。
【0095】
次のステップ214において、ユーザは、抽出チャンバ20内に抽出カートリッジ22を装填する。具体的に言えば、
図23のフローチャートに示すように、ユーザは、ステップ214aにおいて、解除ボタン130上のタッチ面138を押圧して上顎部88bを自動的に開くことなどによって抽出チャンバ20を開く。或いは、ユーザは、上顎部88bを下顎部88aに対して動かすことによって手動で抽出チャンバ20を開くこともできる。次に、ユーザは、ステップ214bの一部として、コーヒー粉24を含む抽出カートリッジ22を抽出チャンバ20のレセプタクル内に挿入する。ステップ214cにおいて、ユーザは、上述したような手の圧力、又は当該技術で既知の自動機構などによって上顎部88bを閉じることによって抽出チャンバ20を閉じる。次に、ユーザは、例えばコントロールパネル116上の外部的にアクセス可能なボタンを押すことなどによって抽出工程(214d)を開始する。次に、システム10は、抽出サイクル中にユーザが抽出チャンバ22を開くのを防ぐように、顎部88a、88bを閉鎖位置にロックすることができる(214e)。ユーザは、ステップ216の一部として図示し説明する方法(200)中、及び抽出サイクル開始前の任意の時点でステップ214を実行することができる。
【0096】
システム10は、ステップ216を開始する直前に第2の電磁弁112を閉じて、抽出サイクル中にポンプ12が第2の空気管路110及び大気通気管150に温水を移すのを防ぐ。この点、第2の電磁弁112を閉じると、水が第3の導管102内に順方向に移動するようになる。第3の導管102内の圧力が上昇することによって逆止弁104が開き、加圧された温水が回転式注入針92に供給される。次に、ステップ216の一部として、ポンプ12は、所定のわずかな量の温水を抽出カートリッジ22に高圧及び高流量で供給し、最初にカートリッジ内のコーヒー粉24の予熱及び予湿を行う。具体的に言えば、ポンプ12は、比較的短時間(例えば、抽出サイクルの10%)にわたって比較的高電圧(例えば、最大電圧の80〜90%)で動作して、比較的少量の温水(例えば、1oz(28.3g)、又は総抽出量又は供給サイズの10%)を抽出カートリッジ22に注入することができる。ポンプ12は、所定の時間(例えば、10秒)にわたって、又はポンプアンペア数の急増によって温水がコーヒー粉24を湿らせたことが示されるまで動作することができる。例えば、12ボルトのポンプは、10oz(283.5g)の量を抽出するように設計された抽出カートリッジ内に1oz(28.3g)の温水を注入するために10〜11ボルトで動作することができる。コーヒー抽出システム10は、必要に応じて又は望むように、これより高い又は低い電圧でポンプ12を動作させ、或いはこれより多くの又は少ない温水を注入することもできる。温水は、抽出カートリッジ22に注入されると、コーヒー粉24のベッドと混ざり合って最初に予湿及び予熱を行う。この最初の温水の量によって抽出飲料が抽出機ヘッド18から排出されることはない(又は少なくともほんの少ししか排出されない)。回転式注入針92は、抽出カートリッジ22内の全ての又は実質的に大部分の粉24が均一に湿って予熱されることを保証することができる。ステップ216においてコーヒー粉24を湿らせて予熱すると、当該技術で既知の従来の抽出工程に比べて一貫した香味抽出が増進されることにより、結果として得られるコーヒーの味が改善される。さらに、ステップ216では、第3の導管102も予熱することにより、抽出サイクルの後半で所望のコーヒー飲料を抽出するために使用する温水の任意の温度低下を防ぐ。ステップ216は、総抽出時間のほんのわずかな量(例えば、5〜10%)しか構成しないようにすることができる。
【0097】
次のステップ218において、システム10は、ヒータータンク16から所定量の温水(例えば、抽出量の90%)を抽出カートリッジ22内に圧送してコーヒーを抽出する。具体的に言えば、
図24に示すように、システム10は、ステップ218aにおいて、ポンプ12に供給する電圧をステップ216における比較的高いレベルから比較的低い電圧(例えば、合計ポンプ電圧の20%)に低下させ、これによって抽出カートリッジ18への水の圧力及び流量をステップ216に比べて減少させる。この電圧になると、システム10は、ステップ218bに示すようにポンプ電圧を徐々に動作電圧に高める。ステップ218bの終了時の動作電圧は、依然として総ポンプ電圧(例えば、40%)よりもはるかに低いものとすることができる。ステップ218bにおける電圧の上昇は、ランプ関数(すなわち、実質的に連続する線形的な電圧の増加)、ステップ関数(すなわち、一連の離散ステップでの電圧の増加)、又は望む通りの他のいずれかのポンプ電圧上昇方法とすることができる。その後、ポンプ12は、動作電圧(すなわち、連続電圧)で動作して、所望の量の飲料のほとんどを抽出するまで抽出サイクルを継続する(218c)。例えば、ステップ216において10〜11ボルトで動作している12ボルトのモータは、ステップ218aにおいて2ボルトに低下し、ステップ218bにおいて4ボルトまでゆっくりと上昇し、ポンプ12が10oz(283.5g)の供給の一部として合計9oz(255.1g)の温水(すなわち、1oz(28.3g)の湿潤用温水と、8oz(226.8g)の抽出用温水)を供給し終えるまでこの電圧を継続することができる。この点、温水は、圧力が低いにもかかわらず、ステップ216における予湿用の温水と同じ方法でヒータータンク16から抽出カートリッジ22に流入する。ステップ218は、抽出時間の大部分(例えば、80〜90%)を構成することができる。
【0098】
次のステップ220において、ポンプ12は、システム10を介して空気を圧送して第3の導管102内の残留水をパージする。ステップ218の終了後には、第3の導管102及び/又は大気通気管150(
図16)内に比較的少量(例えば、総抽出量の10%、又は約1oz(28.3g))の温水が残ることがある。第3の導管102は、移された水の一部を蓄える正の容積を有するので、ステップ216及び218中にヒータータンク16から移される水の量は、抽出カートリッジ22に供給される水の総量に等しくないはずである。従って、供給サイズ全体を抽出するには、この残留水を第3の抽出ライン102及び/又は大気通気管150から移動させなければならない。
図25に示すように、第1のステップ220aにおいて、第1の電磁弁108が開くことにより、ポンプ12の入口側(すなわち、第1の導管40)を大気に開放する。従って、第1の導管40内の圧力は大気まで低下する。これにより、第1の導管40内の圧力が第1の逆止弁46の解放圧を下回るので、第1の逆止弁46は閉じることができる。この時点で、ポンプ12は、第1の空気管路106から第2の導管62内に空気を引き込んで圧送する。
【0099】
図3に示す別の実施形態では、導管システムを介して空気を圧送して第3の導管102内の任意の残留水をパージするステップ220が、リザーバ14の水がなくなった後にリザーバ14を介して空気を引き寄せる結果として行われる。上述したように、この実施形態では、ポンプ12が、リザーバ14が空になるまで水を圧送し続ける。水がなくなると、第1の導管40が大気に曝され、ポンプは、リザーバ14の開口部を介して第1の導管40に空気を引き込む。本明細書に開示する実施形態によれば、この時点で、マイクロコントローラ50は、ポンプ12におけるアンペア数の低下を識別して抽出サイクルの最終段階を開始し、すなわち第3の導管102内の残留水をパージする。
【0100】
図16に示す実施形態では、システム10’’を介して空気を圧送して第3の導管102内の任意の残留水をパージするステップ220が、大気通気管150を介して空気を引き寄せる結果として行われる。上述したように、通常、大気通気管150は、ステップ216〜220中に水で満たされる。この点、ポンプ12は、大気通気管150及び第2の空気管路110内に残った全ての水を引き寄せる。第2の空気管路110から完全に水が排出されると、マイクロコントローラ50は、ポンプ12におけるアンペア数の低下を識別して、抽出工程の最終段階、すなわち空気パージを開始する。この点、大気通気管150内に蓄えられた水は、抽出サイクル毎にリフレッシュされる。
【0101】
ステップ220bにおいて、ポンプ電圧が直ちに相対的に高い電圧(例えば、最大ポンプ電圧の70%又は80%)に増加して、第2の導管62、ヒータータンク16、センサ66を介して第3の導管102から抽出カートリッジ22内に一定量の加圧空気を強制することができる。水よりも空気の方が密度が低いので、加圧空気は、ヒータータンク16内の水を介して泡立つ。ヒータータンク16の上部はドーム形ノーズ60を含み、従って加圧空気は、直ちにヒータータンク出口54に向けられて第3の導管102に供給される。第3の導管102から先の残留水又は抽出されたコーヒーは素早くスムーズに排出され、抽出されたコーヒーとしてシステム10から下部のマグ26などの中に小出しすることができる。第3の導管102は、ヒータータンク16よりも相対的に小さな直径を有することにより、ここを通って進む空気の密度及び流量を増加させ、任意の残留液をより効率的に抽出ヘッド18から排出して小出しする。この点、第3の導管102内の加圧空気、及びこれに伴う摩擦により、第3の導管102に残っている実質的に全ての水を抽出カートリッジ22内に強制することができる。
【0102】
ポンプ12は、最終ステップ220cの一部として、さらに高い電圧(例えば、最大ポンプ電圧の80〜90%)まで確実に上昇することができる。ステップ220cにおける電圧の上昇は、ランプ関数(すなわち、実質的に連続する線形的な電圧の増加)、ステップ関数(すなわち、一連の離散ステップでの電圧の増加)、又は当該技術で既知の他のいずれかのポンプ電圧上昇方法とすることができる。この点、ポンプ12は、第1の空気管路106を介して(又は
図3に示す実施形態によればリザーバ14を介して)システム10に空気を引き込み続けることにより、任意の残留水を第3の導管102から抽出カートリッジ22内に強制する。例えば、12ボルトのポンプは、ステップ218cの4ボルトからステップ220bの9ボルトに急上昇してステップ220cの11ボルトに上昇し、第3の導管102内に残っている水を抽出カートリッジ22内に素早く効率的に強制して10oz(283.5g)の供給を完了する。その後、システム10は、ポンプ12を「オフ」に切替える(220d)。或いは、ポンプ12は、停止する代わりに相対的に低い電圧(例えば、2ボルト)に低下することもできる。ポンプ12は、所望の供給サイズ(例えば、10oz(283.5g))のコーヒーが抽出されるまでコーヒー抽出システム10を介してパージ用空気を圧送する。ステップ220の総実行時間は、総抽出時間に比べて相対的に短い(例えば、5〜10%)。さらに、第3の導管102の入口をヒータータンク16の上方に位置付けることにより、ステップ220に終了時に、第3の導管102内の第3の逆止弁104の後側に残った任意の水が重力の影響下でヒータータンク16内に排出されるようになる。この点、システム10によるステップ220の終了後には、第3の導管102が実質的に水を含まないようにすることができる。
【0103】
次のステップ222において、第2の電磁弁112を開いて第3の逆止弁104を閉じることにより、任意の残留水が抽出ヘッド18から滴り落ちるのを防ぐ支援を行う。具体的に言えば、
図26に示すように、抽出サイクル中、ヒータータンク16、並びに第2及び第3の導管62、102はポンプ12からの正圧を受け、その解放点は、抽出カートリッジ22内のコーヒー粉24のベッドにわたる圧力低下である。従って、この圧力が、抽出工程の終了後に抽出ヘッド18からの液垂れを引き起こすことがある。この点、システム10は、ステップ222aにおいて第2の電磁弁112を開くことによって第3の導管102を大気に開放する。この時、ヒータータンク16の出口側(すなわち、第3の導管102)の圧力は大気圧まで低下する。第3の導管102内の圧力は、第2の空気管路110の開放端を介して大気内に解放される。第2の空気管路110(存在する場合)の開放端から外に強制された水は、リザーバ14内に流れ出る。この減圧状態では、第3の導管102内の圧力がその解放圧を下回るので、第3の逆止弁104が閉じる(222b)。従って、第3の逆止弁104は、任意の残留水が抽出ヘッド18に流れるのを防ぐので、抽出ヘッド18から水が滴り落ちることはない。ステップ220dにおいて、ポンプ12が比較的低い電圧で動作し続けている場合、システム10は、比較的短い時間(例えば、2秒)の後に、ステップ222cにおいてポンプ12を停止する。ステップ222cは、ステップ220dにおいてポンプ12が停止しない場合にのみ必要となる。最後に、ステップ222dにおいて、システム10は第1の電磁弁108を閉じる。この時点で抽出工程は完了し、ユーザは、温かい入れたての1杯の(又はそれより多くの)コーヒーを楽しむことができる。ヒータータンク16は、引き続き完全に水で満たされて予熱されており、これによって次のコーヒーを抽出するのに必要な時間が短縮される。
【0104】
ヒータータンク16は、ステップ216〜222全体を介して完全に水で満たされたままである。この点、ポンプ12は、ステップ216及び218において、リザーバ14からヒータータンク16内に水を圧送することによって抽出カートリッジ22に水を供給する。ヒータータンク16は完全に満たされているので、ヒータータンク16内に圧送された水の量に等しい量の水がヒータータンク16から第3の導管102内に移動する。例えば、供給サイズが10oz(283.5g)の場合、ポンプ12は、合計10oz(283.5g)の水をリザーバ14からヒータータンク16内に圧送し、これによってヒータータンク16から第3の導管102及び抽出カートリッジ22内に10oz(283.5g)の温水がさらに移動して、下にあるコーヒーマグ26などの中に1杯の(又はそれよりも多くの)コーヒーが抽出される。当然ながら、抽出サイクル中に水リザーバ14からヒータータンク16に移される水の量は、パージサイクル中における第3の導管102及び/又は大気通気管150内の水を多少考慮するように変更することもできる。
【0105】
図27〜
図30に、リザーバ水位センサ38の1つの実施形態を示す。センサ38は、リザーバ14内で水位と共に上昇及び下降する、磁石302が取り付けられた浮遊性のフロート300を含む。磁石302は、ホール効果センサ304を作動させることによってリザーバ14内の水位を示す。具体的に言えば、リザーバ14は、フロート300の位置を水平方向に制約するチャンバ308を形成すると同時に、フロート300がリザーバ14内の水位に基づいて内部で垂直に移動できるようにする複数の壁部306を含む。この点、壁部306は、チャンバ308をリザーバ14内の水に開放して、チャンバ308内の水位をリザーバ14内の水位と等しくするように構成される。
図28〜30に示すように、チャンバ308は、リザーバ14の底部に位置して、フロート300がリザーバ14の底部よりも下降するのを防ぐ。この点、フロート300は、空の時にはリザーバ14(
図28)の底面に接する。チャンバ308は、リザーバ14の底部からリザーバ14の全高の約4分の1〜3分の1まで上向きに延びる。しかしながら、チャンバ308は、必要に応じて又は望む通りに、これより高く又は低く延びることもできる。チャンバ308は、フロート300の最大垂直位置を包囲するキャップ310を含む。ホール効果センサ304は、チャンバ308及びその内部のフロート300の動きに対して位置付けられており、従って磁石302は、リザーバ14が一定量の水を含む時にホール効果センサ304を作動させる。ホール効果センサ304は、水リザーバ14がシステム10の最大供給サイズ(例えば、12oz(340.2g))を抽出するのに十分な水を有している時に信号を送信できるような位置に存在することができる。
【0106】
ホール効果センサ304は、磁石302の最小垂直位置(すなわち、
図28に示すようにフロート300がリザーバ14の底面に接している時)と、磁石302の最大垂直位置(すなわち、
図30に示すようにフロート300がキャップ310に接している時)との間に位置することができる。この特徴により、磁石302は、リザーバ14内に最大供給サイズよりも多くの水が存在する場合、ホール効果センサ304を過ぎて上向きに移動することができる。この特徴は、リザーバ14内の水位が最大供給サイズ又はそれ未満に低下した時にホール効果センサ304に信号が送られることを保証する。
【0107】
図27に示すように、フロート300は円板状であり、ポリスチレン又はポリプロピレンなどの浮水性ポリマーで構成することができる。さらに、フロート300は、チャンバ308内で、フロート300の平面がリザーバ14の底面に対して垂直になるように配向することができる。フロート300は、磁石302を受け入れて保持する中央陥凹部312を含むことができる。フロート300は、フロート300がリザーバ14の壁部又はチャンバ308の壁部306に固着又は吸着するのを防ぐ1又は2以上の外向きに延びる突出部314も含む。フロート300は、当該技術で既知の任意の形状とすることができ、又は任意の位置に配向することができる。
【0108】
図28〜
図30に、リザーバ水位センサ38の動作を示す。具体的に言えば、
図28は、リザーバ14が空の時にフロート300がリザーバ14の底面に接していることを示す。リザーバ14内の水位が上昇すると、フロート300もチャンバ308内で上昇する。この点、
図29に、リザーバ14内の水位が、システム10の最大供給サイズ(例えば、12oz(340.2g))を下回る何らかの高さ(例えば、6oz(170.1g))にある時のフロート300の位置を示す。この場合、フロート300及び磁石302は、依然としてホール効果センサ304よりも下方の垂直位置に存在する。リザーバ14内の水位が最大供給サイズ(例えば、12oz(340.2g))を超えて上昇すると、磁石302がホール効果センサ304を動作させることにより、少なくとも最大供給量のコーヒーを抽出するのに十分な水を含むことを示す。リザーバ14にさらに多くの水が加わると、フロート300は、チャンバ308内でホール効果センサ308を越えて上昇し続ける。例えば
図30に示すようにリザーバが一杯である場合、フロート300は、チャンバ308の上部のキャップ310に当接してセンサ304の上方に位置する。この位置にある場合、システム10は、リザーバ14内の水位が最大抽出サイズを下回るまで、コントロールパネル116に入力された所望の量に従って自由にコーヒーを抽出する。
【0109】
この点、1又は2以上の抽出サイクル中にリザーバ14から水を小出ししてその間にリザーバ14を補充しなければ、リザーバ14内の水位は低下する。この実施形態では、フロート300は、最大抽出量(例えば、12oz(340.2g))を上回る何らかの時点(例えば、14oz(396.9g))で鉛直高さが減少し始める。これにより、リザーバ14から水が小出しされ続けるにつれ、フロート300及び対応する取り付けられた磁石302はホール効果センサ304を越えて元の位置に戻るようになる。磁石302は、リザーバ14内の水が最大抽出サイズに等しくなった時点で、降下の途中でホール効果センサ304を作動させ又は信号を送信する。この場合、システム10は、リザーバ14が最大供給サイズ(例えば、12oz(340.2g))にとって十分な水しか含んでいないと認識する。1つの実施形態では、既存の抽出サイクルが終了した時点でリザーバ14が最大供給サイズ未満しか含んでいない場合、システム10は、次の抽出サイクルを開始しない。この点、システム10は、リザーバ14に水を加えるように指示を行うことができる。この実施形態では、リザーバ14に十分な水が加えられた後にしか次の抽出サイクルを開始できず、従ってフロート300及び磁石302は、再びホール効果センサ304を越えてセンサを動作させることにより、リザーバ14内の水が最大供給サイズ以上を上回っていることを示す。
【0110】
別の実施形態では、たとえリザーバ14内の水位が最大供給サイズを下回っている場合でも、ユーザがリザーバ14内に残っている水の量よりも小さな供給サイズを選択する限り、システム10が抽出サイクルを開始する。すなわち、システム10は、最大供給サイズから残りの抽出サイクルの量を減算することにより、磁石302がホール効果センサ304を作動させた後にリザーバ14から排出された水の量を(例えば、流量計48又はポンプ12を用いて)追跡することによってリザーバ14内に存在する水の量を決定する。例えば、最大供給サイズが12oz(340.2g)である場合、システム10は、磁石302がホール効果センサ304を作動させた時にリザーバ14が12oz(340.2g)の水しか含んでいないと認識する。磁石302がホール効果センサ304を動作させた後にリザーバ14から2oz(56.7g)の水が排出された場合、システム10は、リザーバ14内に10oz(283.5g)(すなわち、12oz(340.2g)からホール効果センサ304の作動後に使用された2oz(56.7g)を減算すると10oz(283.5g)になる)の水が残っていると認識する。従って、システム10は、リザーバ14内に残っている水の量を継続的に追跡することによってその後の1又は2以上の10oz(283.5g)又はそれ未満の抽出サイクルを可能にするように設計することができる。
【0111】
別の実施形態では、システム10が、ポンプ12が引き込む電流の測定値とは無関係な方法によってポンプ12の回転速度を決定することができる。例えば、
図31に示すように、システム10は、ポンプ12内で1又は2以上の回転揺動板378が1又は2以上のピストン380にぶつかった時に発生する音波パルス又は振動を拾い上げるマイク316を含むことができる。この点、システム10は、マイク316で拾われた又は聞こえた音波パルス数又は振動率に基づいてポンプ12の速度を推定することができる。次に、上述したように流量を計算することができ、すなわち、ポンプ12を介して移動した総水量は、公式:総流体量=ポンプ速度×流体量/回転×時間に基づき、この場合のポンプ速度は、マイク316が音波パルス数又は振動率に基づいて測定したものであり、流体量は、各ポンプダイアフラムによって移された水の量である。マイク316は、電界効果トランジスタ(FET)マイク又は圧電マイクなどのいずれかの好適なタイプのマイクとすることができる。
【0112】
或いは、
図32に示すように、各ポンプサイクル中にポンプ12のダイアフラム320が圧電部材320に接触することによって測定可能な電流を誘発することもできる。この点、所与の期間にわたって圧電部材320に電流が誘発される割合(すなわち、ダイアフラム318が圧電部材320に衝突する回数)によってポンプ12の速度を測定することができる。圧電部材320は、ポリフッ化ビニリデンを含むことができるが、当該技術で既知の他のいずれかのタイプの圧電材料で形成することもできる。
図33に示すさらなる実施形態では、マイクロコントローラ50が、ホール効果センサ322を用いてポンプ12の速度を決定する。この点、ポンプシャフト324上には磁石326が配置される。磁石326がホール効果センサ322の側を通過すると、ホール効果センサ322内に電流が誘発される。ホール効果センサ326に電流が誘発された割合に基づいて、ポンプ12の速度が同様に計算される。
図34に、ポンプシャフト324に固定されて共に回転する、複数の均一間隔の周縁スロット330を有するディスク328を示すさらに別の実施形態を示す。ディスク328の片側に配置された発光体332が光ビーム334を放ち、ディスク328内のスロット330のうちの1つと整列した時に、この光ビームが受光体336によって定期的に受け取られる。この場合も、受光体336がスロット330を介して光ビーム334を定期的に受け取ると、ポンプ12の速度を示す定期的な測定可能信号を生成することができる。例えば、マイクロコントローラ50は、受光体336が指定期間内に発光体332からの光ビーム334を受け取った回数をディスク328内のスロット330の数で除算することによってポンプ12の速度を決定することができる。
【0113】
1つの実施形態では、システム10が、ヒータータンク16を、上述した最初の充填シーケンス後に内部の水の温度に関わらず充填状態に維持することができる。この点、ポンプ12は、ヒータータンク水位センサ66、66’、66’’と共に一定の閉ループフィードバックで動作することができる。通常、加熱素子56は、水を所望の抽出温度(例えば、華氏192°(88.9℃))又はその近くに維持する。本明細書で説明したように、システム10が長期間にわたって非作動であった場合、又は省エネモードが作動している場合には、ヒータータンク16内の水温が抽出温度を下回ることがある。ヒータータンク16内の水は、冷えると熱的に収縮することができる。従って、水位がヒータータンク水位センサ66を下回ることにより、コントローラ50がポンプ12を作動させてリザーバ14からヒータータンク16内にさらなる水を移すことがある。コントローラ50は、必要に応じてポンプ12を「オン」及び「オフ」に切替えて、ヒータータンク16が実質的に常に水で満たされた状態を保つように保証することができる。抽出サイクルの開始時にヒータータンク16内の水が所望の抽出温度を下回っている場合には、加熱素子56が「オン」になってヒータータンク16内の水の温度を適切な抽出温度に上昇させる。従って、ヒータータンク16内の水は、加熱されると熱的に膨張する。ヒータータンク16は既に実質的に又は完全に水で満たされているので、熱膨張により、通常は「開いている」第2の電磁弁112を介して第2の空気管路110、110’及び大気通気管150内に若干の水が流出することができる。第2の空気管路110、110’及び/又は大気通気管150内の水は、本明細書に開示した実施形態に従って各抽出サイクルの終了時に排出又は小出しすることができる。
【0114】
本開示の側面では、コントローラ50が、温度センサ58及びヒータータンク水位センサ66からのフィードバックを用いて、温度及び関連するヒータータンク16の充填レベルを自己学習することができる。この点、コントローラ50は、上述したように熱膨張によって溢れた水を減少又は排除するようにして、ヒータータンク16内の水位を良好に維持することができる。すなわち、マイクロコントローラ50は、数ozを上回る水が第2の空気管路110及び/又は大気通気管150に流入している旨のフィードバックを受け取った場合、例えばさらなる水を加える前にヒータータンク16内の水の温度を上昇させることによってポンプ12及び加熱素子56の動作を調整し、熱膨張の結果としてのオーバーフローを低減することができる。
【0115】
或いは、システム10は、ヒータータンク水位センサ66を越えてヒータータンク16を意図的に過充填することにより、水が第2の空気管路110及び/又は大気通気管150を満たして若干の水が水リザーバ14内に溢れ戻るようにすることもできる。この場合、システム10は、ヒータータンク16、第2の空気導管110及び大気通気管150内の既知の量の水を用いて、抽出サイクルにおいて使用する一定の又は静的な開始点を確立する。
【0116】
図35に示す1つの実施形態では、システム10が、ヒータータンク水位センサ66、66’、66’’によってマイクロコントローラ50に送られる一過性のフィードバックを円滑にする跳ね返り防止(debouncing)ロジック装置338を含む。具体的に言えば、ヒータータンク16内の水は、ポンプ12がヒータータンク16を満たすと不規則に飛散し、或いは別様に泡立ち又は流れることがある。これにより、フロート80が、受光体78への光ビーム76の伝達を定期的に誤って妨げてしまうことがある。また、水泡が光ビーム76を分散させることによって、受光体78が受け取る光ビーム76の量が不十分になり、これによってヒータータンク16が一杯であるという誤ったフィードバックがコントローラ50に提供されることもある。従って、センサ66が、完全な測定値と不完全な測定値との間で続けざまに数回変動する(すなわち、フロート80が、受光体78からの光ビーム76を妨げている状態と妨げていない状態との間で循環する)ことがある。跳ね返り防止ロジック装置338は、受光体78からの出力信号の解釈及び調整を行うフィルタとして機能する。この点、跳ね返り防止ロジック装置338は、ヒータータンク16が一杯である旨の信号をマイクロコントローラ50に送る前の指定期間(例えば、1秒)にわたって一定を保つことができる水位センサ66からの信号を使用することができる。すなわち、システム10は、コントローラ50がポンプ12を「オフ」に切替える前の指定期間(例えば、1秒)にわたって光ビーム76を受け取らないことができる。同様に、システム10は、マイクロコントローラ50がポンプ12を「オン」に切替える前の所定の期間(例えば、1秒)にわたって受光体78が光ビーム76を連続的に受け取ることを必要とすることもできる。この点、跳ね返り防止ロジック装置338は、ヒータータンク水位センサ66からのフィードバックの変動を円滑にして、ポンプ12を直ぐに連続して「オン」及び「オフ」に切替えるのを防ぐことができる。
【0117】
本明細書に開示する抽出システム10の別の実施形態では、
図38及び
図39に、シール100の周囲に円周方向に配置された概ね平坦な外向きに広がって抽出カートリッジ22の蓋342のための補助的平面支持体を提供する密封リング340を有する抽出ヘッド18、具体的には上顎部88bを示す。当該技術で既知の従来の抽出機は、
図36に示すような、注入針92の周囲に円周方向に配置された座ぐり孔344を含む。従来の抽出機は、抽出工程中に抽出カートリッジ22を約1〜2psiに加圧して、通常は薄い金属箔で形成される蓋342を座ぐり孔344内に向けて上向きに屈曲させることができる。カートリッジ22における1〜2psiの圧力は、蓋342を破るには不十分であり、抽出サイクル中に抽出カートリッジ22内に温水とコーヒー粉の適切な混合物を生じないので望ましくない。そのため、抽出カートリッジ22内の圧力を2psiよりも高めると、上昇した圧力によって蓋342が座ぐり孔344内にさらに上向きに移動して
図37に示すような蓋342の望ましくない「破裂」を引き起こすので有害となることがある。この点、破裂346は、直径が注入針よりも大きな場合があり、従って望ましくない漏れを引き起こすことがある。
【0118】
具体的に言えば、注入針92は、蓋342を貫通する際に小さな高応力の裂け目を形成する。これらの裂け目は、蓋342が座ぐり孔344内に上向きに屈曲させられた時にさらに広がる傾向にある。「破裂」346は、蓋342の孔がシール100よりも大きくなるような程度まで裂け目が広がった時に発生する。こうなると、もはやシール100は注入針92を蓋342に気密シールしておらず、この結果、加圧された水とコーヒー粉の混合物が抽出カートリッジ22から漏れ出してしまう。この問題は、抽出カートリッジの加圧が高まるにつれて悪化する。システム10は、抽出サイクル中に抽出カートリッジ22内のコーヒー粉24の流体化を高めるために、抽出カートリッジ22を典型的な従来の抽出機よりも相対的に高い圧力(例えば、2〜5psi)に加圧する。上述した破裂346を防ぐために、
図38及び
図39に示すような密封リング340が、蓋342が従来の座ぐり孔344内に上向きに屈曲するのを防ぐ。換言すれば、
図38及び
図38に示す抽出システム10は、凹凸のある座ぐり孔344の代わりに外向きに広がる密封リング340を含む。
図38及び
図39では、蓋342が、加圧抽出中に実質的に広い表面積に沿って支持されたままであり、これによって
図37に示す破裂346を防ぐ。この点、密封リング340は、従来の抽出機に付随する「破裂」のリスクを伴わずに抽出カートリッジ22の加圧を高めることができるので、座ぐり孔344よりも有利である。密封リング340は、シリコーン、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴム、又はその他のいずれかの好適な材料で構成することができる。密封リング340及びシール100は、別個の構成要素とすることができるが、単一の一体部品とすることもできる。さらに、密封リング340は、抽出カートリッジ22内の加圧を高めることができるように蓋342を十分に支持して破裂346を防ぐ任意の形状とすることができる(例えば、リングシール340は、矩形などとすることもできる)。
【0119】
上述したように、コントロールパネル116は、ユーザによる供給サイズ及び/又は抽出温度の制御を可能にする可変抵抗器348を含む。
図40に示す1つの実施形態では、同じ可変抵抗器348が供給サイズ及び抽出温度の両方を制御する。この点、コントロールパネル116は、供給サイズと抽出温度調整とを切替えるためのモードセレクタ350を含むことができる。ここでは、可変抵抗器348を回転させて供給サイズ(又は抽出温度)を変更することができる。この時、モードセレクタ350の選択後に可変抵抗器348を回転させて抽出温度(供給サイズ)を変更することができ、その逆も同様である。モードセレクタ350は、スイッチ、ダイヤル、ノブ、ボタン、容量センサ、抵抗センサ、又は他のいずれかの好適なヒューマンマシンインターフェイスとすることができる。さらに、
図40に示すようにモードセレクタ350を可変抵抗器348から分離することも、或いはモードセレクタ350を可変抵抗器348と一体化することもできる(例えば、可変抵抗器348が回転してプッシュボタンとして機能することができる)。
【0120】
システム10は、コントロールパネル116上の自動抽出セレクタ352(
図40)によって作動する自動抽出機能を任意に含むことができる。システム10は、抽出サイクルの完了後に、ヒータータンク16内の水を適切な又は所望の抽出温度に加熱するために多少の時間(例えば、60秒)を必要とすることがある。このことは、たとえ前回の抽出サイクル中にヒータータンク16が完全に一杯のままであり、加熱素子56がオンのままであったとしても当てはまる。この点、ヒータータンク16は、リザーバ14から新たに移って来た水を所望の抽出温度に加熱するのに多少の時間(例えば、上述したように60秒)を要することがある。自動抽出機能は、ヒータータンク16が依然として内部の水を加熱している間に別の抽出サイクルの開始を容易にする。この点、ユーザが(例えば、スタートボタン(図示せず)を押すことによって)もう1杯抽出することを決定した場合、システム10は、ヒータータンク16内の水が適切な抽出温度に加熱された直後に新たな抽出サイクルを開始する。自動抽出機能が選択されていなければ、ユーザは、次の抽出サイクルの開始前にヒータータンク16内の水が適切な抽出温度に達するまで待つ必要がある。この点、抽出システム10は、自動抽出機能が作動していなければ、ヒータータンク16が依然として内部の水を加熱している間にスタートボタンを押したとしても自動的に作動することはない。
【0121】
さらなる側面では、抽出システム10が「オン」になる毎に、抽出チャンバ20内に抽出カートリッジ22を配置するようにシステムがユーザを促すことができる。例えば、抽出カートリッジセンサ354(
図9)が、抽出チャンバ20内に抽出カートリッジ22が配置された時にその存在を検出することができる。システム10は、これに応答して抽出カートリッジ挿入インジケータを「オフ」に切替えることができる。システム10を「オフ」にした後に「オン」に戻すと、システム10は、たとえ抽出カートリッジ22が既に抽出チャンバ20内に存在している場合でも、抽出チャンバ20に新たな抽出カートリッジを挿入するように促すことができる。これにより、システム10が使用済みの抽出カートリッジを用いてコーヒーを抽出するのを防ぎ、或いは未使用の抽出カートリッジを一定の延長期間にわたって抽出チャンバ20内に残しておくことができる(例えば、抽出カートリッジは、未使用のまま1ヶ月間抽出チャンバ20内に残しておくことができる)。或いは、システム10は、抽出カートリッジセンサ354が抽出チャンバ20内に抽出カートリッジ22を検出しなかった場合にのみ、新たな抽出カートリッジ22を挿入するように指示することもできる。
【0122】
システム10は、省エネモードセレクタ356(
図40)によって作動できる省エネモードも含む。通常、ヒータータンク16は、システム10が常に次のコーヒーを抽出できる状態にあるように、内部の水を適切な抽出温度(例えば、華氏192°(88.9℃))に維持する。この点、システム10は、ヒータータンク16内の水が抽出温度に達して新たな抽出サイクルが開始するのをユーザが待つ必要がないように、基本的に永久待機状態にある。省エネモードを選択すると、ヒータータンク16は、予め定めた初期期間又は手動で設定した期間(例えば、2時間)にわたって内部の水を抽出温度(例えば、華氏1192°(88.9℃))又はその近くの温度に維持する。この点、加熱素子56は、温度センサ58と共に閉ループフィードバックで動作する。例えば、この初期期間中にヒータータンク16内の水の温度が華氏188°(86.7℃)を下回った場合、加熱素子56がオンになって水を加熱する。水が華氏192°(88.9℃)に達すると、加熱素子56はオフになる。初期期間(例えば、2時間)後、ヒータータンク16は、26時間などの何らかの二次延長期間にわたって内部の水を所望の抽出温度よりも低く室温よりも相対的に熱い(例えば、華氏140°(60℃))温度に維持することができる。コントローラ50は、最後の抽出サイクルから28時間後に(すなわち、華氏188〜192°(86.7〜88.9℃)での2時間+華氏140°(60℃)での26時間後に)、加熱素子56を完全にオフに切替えて、ヒータータンク16内の水を室温まで冷却することができる。省エネモードで使用する特定の温度及び期間は、システムの特定のニーズに応じて異なることができる。この点、これらの温度及び時間は、各個々のユーザが予め構成し、又は手動で設定することができる。省エネモードセレクタ356は、当該技術で既知のスイッチ、ダイヤル、ノブ、ボタン、容量センサ、抵抗センサ、又は他のいずれかの好適なヒューマンマシンインターフェイスとすることができる。
【0123】
図41に示す1つの実施形態では、システム10が、加熱素子56に供給される電流、電圧及び/又は電力を制御する双方向3端子サイリスタ(「BTT」)358(すなわち、交流電流又は「TRIAC」のための3極管)を含むことができる。システム10は、電流及び電圧が位相角と共に正弦曲線的に変化する交流(「AC」)電力で動作する。この点、加熱素子56にAC電源(例えば、壁コンセント)から規定電流を供給するには、交流正弦波に沿った様々な時点で電流をオン及びオフに切替えなければならない。この点、BTT358は、位相制御、ある形態のパルス幅変調を用いて、加熱素子56に正確な位相角で選択的に電流を供給して所望の電流供給(例えば、7アンペア)を達成する。具体的に言えば、BTT358は、ゲート端子366にトリガパルス364(すなわち、BTT358を「オン」及び「オフ」に切替える小電流)が供給されると(例えば、電気コンセントなどの交流電源362からの)交流電流360を通す半導体デバイスである。この点、マイクロコントローラ50は、BTT358に所望の位相角でトリガパルス364を供給することにより、加熱素子56に供給される電流の量を制御することができる。すなわち、BTT358は、交流正弦波上のある時点のみにおいて電気を通す。このように任意の位相角でBTT358をパルス化して、ヒータータンク16内の水を正しく加熱するのに必要な任意の電流、電圧又は電力の供給を達成することができる。
【0124】
図42に示すように、システム10は、システム10内の回路の短絡、破壊、過熱などをモニタする調整器368を含む。調整器368が、抽出機回路の異常な活動(例えば、安全閾値外から数倍離れた動作)を検知して識別した場合、調整器368は、コントローラ50及び加熱素子56及び/又はポンプ12を含めてシステム10を停止することができる。この点、調整器368は、正しく機能する安全な抽出条件内での抽出システム10の動作を可能にすることによって製品に安全性便益を付加する。
【0125】
本明細書に開示する抽出システム10の別の側面では、
図43に、BTT358及びその他の発熱装置(例えば、マイクロコントローラ50)などの内部抽出要素の冷却と、ヒータータンク16に向かう途中の水の加熱とを同時に行う冷却システム370を示す。例えば、BTT358は、ヒートシンクとして機能してBTT358から熱を奪い去る1又は2以上の冷却フィン372を含むことができる。第2の導管62は、BTT358から放出されて熱伝導フィン372に伝わる熱エネルギーを拾う、冷却フィン372内及びその周囲に延びる熱交換器374を含むことができる。この結果、熱交換器374は、BTT358を冷却してヒータータンク16に流れる水を予熱する。この特定の特徴は、システム10の全体的な効率を高めることができる。
【0126】
すなわち、他の構成要素からの失われていたはずの熱エネルギーを用いてヒータータンク16に入り込む水の温度を上昇させることにより、ヒータータンク16内の水を適切な又は所望の抽出温度に加熱するために加熱素子56が必要とする時間及びエネルギーが減少する。
図43に示すように、熱交換器374は、第2の導管62を通る流れを複数のさらに細い導管376に分割して熱伝達効率を高める。その後、これらの細い導管376は、ヒータータンク16に流れが達する前に第2の導管62内で再結合することができる。熱交換器374は、第1の導管40内に配置することもできる。或いは、冷却システム370は、冷却フィン372が第2の導管62に隣接する必要がないようにBTT358から熱交換器374に熱を運ぶ冷却回路(図示せず)を含むこともできる。
【0127】
図44及び
図45に示す別の実施形態では、抽出システム10が、ヒータータンク16が水で満たされている時点を判定するフロートレス型ヒータータンク水位センサ66’’’を含むことができる。この点、発光体74及び受光体78は、ヒータータンク16の上隅部の外側に配置することができる。
図44に示す実施形態では、発光体74が、ヒータータンク16の概ね垂直な側壁に対して上向きの角度で配置され、受光体78が、ヒータータンク16の概ね水平な上壁に対して下向きの角度で配置される。従って、光ビーム76は、発光体74から出射してヒータータンク16の一部を通過した後で受光体78に接触する。光ビーム76の経路内に水が存在すると、その光学特性(例えば、強度)が変化する。この点、光ビーム76は、ヒータータンク16が一杯でない場合、すなわち
図44に示すようにヒータータンク16の上隅部に水が存在しない場合には変化しない。
【0128】
これとは逆に、ヒータータンク16が完全に一杯である時、すなわち
図45に示すようにヒータータンク16の上隅部に水が存在する時には、光ビーム76の光学特性が変化する。この場合、光ビーム76は遮断され、受光体78はもはや信号を受け取らなくなる。この状態をマイクロコントローラ50に通信し、ヒータータンク16が一杯の状態として識別することができる。フロートレス型ヒータータンク水位センサ66’’’の1つの利点は、加熱工程中の熱膨張によってヒータータンク16から溢れる水の量をシステム10が低減できる点である。具体的に言えば、フロート式ヒータータンク水位センサ66、66’、66’’では、ポンプ12を「オフ」に切替える前にヒータータンク出口54から水が流出して、ヒータータンク16の上方に配置されたキャビティ68内に進入することができる。これとは逆に、フロートレス型ヒータータンク水位センサ66’’’は、水位がヒータータンク出口54に達する前にポンプ12’’を「オフ」に切替えることができる。この点、第2の空気管路110に流れ込む前に水が熱膨張する余地が増す。ヒータータンク16の壁部又は光ビーム76が通過する部分は、実質的に透明とすることができる。発光体74及び受光体78の位置は、逆にすることもできる。さらに、発光体74及び受光体78は、ヒータータンク16上の他の(すなわち、上隅部ではない)場所に配置することもできる。例えば、発光体74及び受光体78は、ヒータータンク出口54の両側、又はヒータータンク16の上部の両側に配置することができる。また、フロートレス型センサ66’’’は、水の存在を判定できる任意のタイプの光センサとすることができる。
【0129】
図46の概略図に示すような当該技術で既知の従来の抽出機は、抽出チャンバ20の後部を向いた排出針96を含む。これにより、抽出カートリッジ22は、
図46に大まかに示すように最初に一定の角度で着座する。通常、抽出チャンバ20を閉じると、抽出ヘッド18の上部は、その下部に対して角度を成して動く。この結果、抽出ヘッド18が閉じると、抽出ヘッド18の上部に対して概ね直角に配置された固定注入針382は、後方に傾斜した(すなわち、固定注入針382の頂部がその底部の後方に存在する)姿勢から垂直姿勢に移る。この移動中、固定注入針382は、抽出チャンバ20が完全に閉じるまで実質的に垂直ではなく、固定注入針382が蓋342を貫通した後に垂直になる。さらに、固定注入針382が最初に蓋342と接触する時には、抽出カートリッジ22も後方に傾斜している(すなわち、抽出カートリッジ22の後部の方がその前部よりも高い)。従って、
図46に示すように、固定注入針382は、蓋342を貫通している間、蓋342に対して鋭角に配置される。抽出チャンバ20が閉じ続けると、固定注入針382が実質的に垂直姿勢に移るのに対し、抽出カートリッジ22は実質的に水平姿勢に近付くことによって蓋342を貫通する。既知の抽出機の注入針382は(場合によっては回転できない結果として)比較的短く、従って角度の付いた貫通のリスクは比較的低いが、このような穿刺システムは、上述したような「破裂」のリスクを招く恐れがある。
【0130】
上述した課題を解決するために、
図47及び
図48に、
図46に示すような後部とは対照的に排出針96を抽出チャンバ20の前部に(すなわち、抽出チャンバ20の解除ボタン130に最も近い側に)配置した実施形態を示す。この点、抽出カートリッジ22は、最初に抽出ヘッド18の内部に向かって内向きに傾斜し、注入針92と実質的に垂直に係合するようになる。従って、回転式注入針92は、蓋342を貫通している間、蓋342に対して実質的に直角に配置される。こうなる理由は、抽出カートリッジ22がわずかに前方に傾斜し、回転式注入針92がわずかに後方に傾斜しているからである。さらに、回転式注入針92及び蓋342が最終的に完全に貫通された抽出位置(すなわち、回転式注入針92については垂直配向、抽出カートリッジ22については水平配向)に来ても、回転式注入針92は、蓋342に対して概ね直角であり続ける。この特徴は、抽出チャンバ20内に封入されたカートリッジ22を注入針92及び排出針96が貫通する際に所望の直角係合を維持する。従って、蓋342が裂けることがなく、当該技術で既知の他の注入針よりも相対的に長い回転式注入針92などの注入針と共に使用することができる。
図49に示す別の実施形態では、システム10’’’’が、ヒータータンク16内の水を加熱した時の熱膨張によってヒータータンク16から流出した水を蓄えるパージ導管384を含む。従って、この実施形態は、第2の空気管路110、大気通気管150又はオーバーフロー用付属品398を含まず、又は必要としない。具体的に言えば、パージ導管384は、ヒータータンク水位センサ出口72から、下顎部88aに配置できる空気入口ポート386に延びることができる。パージ導管384は、第2の空気管路110と同様の第2の電磁弁112を含む。第2の電磁弁112は、本明細書で大まかに説明したように、「開放」位置にある時にはパージ導管384への流体アクセスを選択的に制御し、「閉鎖」位置にある時にはパージ導管384へのアクセスを選択的に抑制する。第1の空気管路106は、パージ導管384と第1の導管40との間に延びる。従って、第1の電磁弁108が開いている時には、ポンプ12が、入口ポート386、大口径管及び第1の空気管路106を介してパージ用空気を吸込む。パージ導管384は、加熱工程中に、すなわちヒータータンク16が一杯であって内部の水が周囲温度から所望の抽出温度に加熱された時にヒータータンク16から排出できる少なくとも最大量の水を蓄えることができるサイズに(幅及び長さを操作できるように)すべきである。従って、パージ導管384からの水は、入口ポート386から流出しない。この点、パージ導管384は、導管よりも補助リザーバ又はオーバーフローリザーバのように機能する。入口ポート386は、図示のように抽出ヘッド18だけでなく、大気から空気を引き込むことができるシステム10の任意の場所に配置することができる。
【0131】
パージ導管384内に蓄えられる水の量は、ヒータータンク16内の水を抽出温度にするために必要な加熱の量に依存するので、マイクロコントローラ50は、抽出サイクル中にリザーバ14からヒータータンク16に圧送する水の量を、ルックアップテーブル388(
図50)を用いて決定することができる(例えば、ステップ218)。ヒータータンク16内の水は、加熱されると熱的に膨張することによってパージ導管384内に溢れる。従って、例えば周囲温度又は室温から192°F(88.9℃)又は所望の抽出温度まで温度が大きく変化すると、水量も大きく変化し、例えば省エネモード中の192°F(88.9℃)から192°F(88.9℃)まで温度がわずかしか変化しなければ、水量の変化も小さくなる。加熱工程中の量の変化は、パージ導管384内にどれほどの水が一時的に蓄えられるかを決定付ける。空気パージ工程(すなわち、ステップ220)中、ポンプ12は、任意のパージ用空気の引き込み前に、パージ導管384内に蓄えられた全ての水をヒータータンク16内に戻し、これによって抽出カートリッジ20内に等しい量の水を強制する。従って、システム10’’’’は、正しい供給サイズを維持するために、抽出工程(すなわち、ステップ216及び218)中にポンプ12がリザーバ14から移す水の量をパージ導管384内の量だけ減少させなければならない。例えば、ユーザが8oz(226.8g)の供給サイズを選択し、パージ導管384内に0.5oz(14.2g)の水が蓄えられている場合、ポンプ12は、結果として得られる供給サイズが確実に8oz(226.8g)になるように、ステップ216及び218中に7.5oz(212.6g)の水を移さなければならない。この点、マイクロコントローラ50は、抽出サイクルの開始時に、ルックアップテーブル388を用いてヒータータンク16内の水の温度に基づいてパージ導管384内の水の量を正確に推定することができる。例えば、ヒータータンク16内の水が実質的に抽出温度(例えば、約192°F(88.9℃))である場合、抽出サイクルの開始前にタンク内の水を加熱する必要はないので、熱膨張はほとんど起こらない。従って、ポンプ12は、ステップ216及び218中に所望の供給サイズに等しい量の水を移す。しかしながら、水が140°F(60℃)である場合には、パージ導管384内に0.3oz(8.5g)の水が存在する可能性がある。従って、抽出サイクルの終了時には、パージ導管384から所望の供給サイズ未満の0.3oz(8.5g)の水が回収されるので、ポンプ12は、ステップ216及び218中にリザーバ14から同量の0.3oz(8.5g)の水を移す。上記で特定した量は例示目的にすぎず、必ずしもいずれかの所与の時点におけるパージ導管384内の実際の水の量を反映しているとは限らない。ある実施形態では、ルックアップテーブル388の値が、20°F(36℃)の増分で変化することができる。しかしながら、当業者であれば、ルックアップテーブル388は、所望の分解能に応じて異なる増分を使用することができると容易に認識するであろう。
【0132】
当該技術で既知のシングルサーブ用コーヒー抽出機の別の問題点は、水リザーバに、例えば
図51に示すような凝縮が生じる点である。本明細書に開示したように、ヒータータンク16は、抽出サイクルの準備中及び抽出サイクル中に大幅に(例えば、192°F(88.9℃)に)温度が上昇する。ヒータータンク16が高温になると、抽出機ハウジング内の周囲空気も相対的に加熱される。従って、水リザーバ14に隣接する抽出機の側板392の温度も上昇して、水リザーバ14内の水の蒸発を引き起こし又は加速させる可能性がある。また、本明細書で説明したように、第2の空気管路110からの温水の一部がリザーバ14内に流入した場合、付随する圧力低下によって蒸発することがある。リザーバ14に閉じ込められた水蒸気が冷えると、
図51に示すようにリザーバ14の壁部で凝縮する。凝縮は、ヒータータンク16が「オン」の(すなわち、内部の水を加熱している)時に最も問題となる。
【0133】
この凝縮の問題に対処するために、抽出システム10は、抽出機内部からの熱気を水リザーバ14内部の内外に移動させる、抽出機ハウジングに形成されたベント390(
図52)を含むことができる。さらに、水リザーバの蓋30は、その前部又はその付近に、側板392(
図53)などに隣接する、抽出機の内部に面した切り欠き394を含むことができる。従って、抽出機内部からの暖気が、ベント390から排出されて切り欠き394を通って循環する流れをもたらすことによって水リザーバ14内部の凝縮を実質的に低減し、場合によっては排除する自動熱ポンプとして機能する。すなわち、
図52に示すベント390は、抽出機ハウジングからリザーバ14内に暖気を排出し、
図53に示す切り欠き394は、このリザーバ14内の暖気及び関連する任意の水蒸気を大気中に逃がすことができる。従って、(1)抽出機内部からの熱気が水リザーバ14内の空気を高温に維持し、(2)この熱気が比較的乾燥していることによって水リザーバ14内の湿度を低下させ、(3)水リザーバを通る空気流が水リザーバ14の内部から切り欠き394を介して水蒸気を冷却前に外に運び出すことにより、水蒸気は、リザーバ14の壁部で凝縮することができない(又は最低限しか凝縮することができない)。この点、ベント390及び切り欠き394は、「煙突効果」を生み出して、抽出機ハウジングの内部から切り欠き394を介して熱気を引き込む自然の熱ポンプとして機能する。ベント390は、オーバーフロー吐出口398の下部に配置することができるが、リザーバ14と抽出機ハウジングによって囲まれた空間との間に流体連通をもたらす任意の場所に配置することができる。別の実施形態では、水リザーバ14が、水リザーバ14を介して空気を移動させて内部の凝縮を実質的に低減又は排除するファン(図示せず)を含むこともできる。
【0134】
抽出システム10の別の側面では、抽出ヘッド18が、抽出サイクル中に抽出チャンバ20が開くのを防ぐソレノイドを含むことができる。この点、ソレノイドは、抽出サイクル中に解除ボタン130を非押圧位置にロックし、又は他の何らかの電気的又は機械的密封機構を提供することができる。従って、たとえ解除ボタン130が押された場合でも、解除ボタンシャフト136が顎部ロック128を作動させて上顎部88bが下顎部88aから離れて動くことはない。この目的のために、抽出チャンバ20は、ソレノイドがボタン130を解除するまで抽出サイクル中に閉じた状態を保って偶発的に開くのを防ぐ。
【0135】
別の実施形態では、抽出システム10が、ヒータータンク16内の水が冷却の結果として熱的に凝縮すると、ヒータータンク16を完全に満たされた状態に維持するためにポンプ12が循環しないようにすることができる。この場合、システム10は、ヒータータンク16内の水位がヒータータンク水位センサ66を下回るのを許容する。抽出サイクルを開始すると、ヒータータンク16内の水の温度は、所望の抽出温度に達するまで上昇する。この時点で、システム10は、ヒータータンク水位センサ66を読み取ることによってヒータータンクが一杯であるかどうかを判定することができる。水位が低すぎる場合、ポンプは、リザーバ14からさらなる水を移してヒータータンク16を満たす。
【0136】
別の側面では、システム10が、3つの異なるヒータータンク充填モードを有することができる。システム10は、最初の使用時には第1の充填モードで動作する。この場合、ポンプ12は、ヒータータンク16が一杯であることをヒータータンク水位センサ66が示すまで、リザーバ14からの水をヒータータンク16内に移す。次に、マイクロコントローラ50は、加熱素子56を作動させてヒータータンク16内の水を適切な抽出温度(例えば、192°F(88.9℃))に加熱する。これによって水が熱的に膨張し、実施形態に応じて第2の空気管路110、大気通気管150又はパージ導管384内に溢れる。通常、オーバーフローの量は約12グラムであるが、抽出機の特定の特徴に応じてこれより多く又は少なくすることもできる。上記でさらに詳細に説明したように、ポンプ12は、パージ用空気を引き込む前に、第2の空気管路110、大気通気管150又はパージ導管384の内の任意の残留水を移す。この点、ポンプ12は、結果として得られる飲料が正しい供給サイズであることを保証するように、抽出サイクル(すなわち、ステップ216及び218)中に移す水を減らさなければならない。従って、マイクロコントローラ50は、補正因子を用いて、正しい供給サイズを供給するようにポンプ12の実行時間を調整する。システム10は、全ての最初の水がヒータータンク16内に周囲温度で圧送される結果として比較的大量の水のオーバーフローに見舞われるので、最初の抽出サイクル後に再び第1のモードを使用することは決してない。
【0137】
第2のモードは、第1の抽出サイクル後であって、ヒータータンク16内の水が所望の抽出温度又はその近くにある時に使用される。この場合、ヒータータンク16は、完全に又は実質的に温水で満たされている。従って、既に水は所望の抽出温度であるため、ヒータータンク16内の水は、次の抽出サイクルの開始前には実質的に熱的に収縮しない。従って、システム10は、抽出サイクル(すなわち、ステップ216及び218)を開始できる状態になっている。しかしながら、多少の蒸発が発生した場合には、手短にポンプ12を循環させてヒータータンク16を満タンにする必要が生じることもある。
【0138】
第3のモードは、第1の抽出サイクル後であって、ヒータータンク16内の水が冷えてしまった時に使用される。上記で詳細に説明したように、ヒータータンク16内の水は、冷えると熱的に収縮する。従って、ヒータータンク16内の水位は、ヒータータンク水位センサ66が読み取れるレベルを下回ることがある。この場合、センサ66は、ヒータータンク16が完全に満たされていない旨の信号をマイクロコントローラ50に送ることができる。ここで、ヒータータンク16内の水が抽出温度を下回っている時には、マイクロコントローラ50が、ヒータータンク水位センサ66を無視することができる。従って、次の抽出サイクルの開始時には、マイクロコントローラ50が、加熱要素56を作動させてヒータータンク16内の水を加熱することによってヒータータンク16内の水を熱的に膨張させる。通常は、この熱膨張により、ヒータータンク16内の水位は、水が所望の抽出温度に達した時にセンサ66がヒータータンク16を「一杯」として読み取る地点まで増加する。いずれにせよ、ヒータータンク16内の水が所望の抽出温度になると、マイクロコントローラ50は、ヒータータンク水位センサ66からの信号を考慮する。ヒータータンク16が一杯でない旨をセンサ66が示す場合、ポンプ12は、ヒータータンク16内にさらなる水を移して満タンにすることができる。ヒータータンク16は、例えば蒸発又はその他の理由によって水を失うこともある。従って、ヒータータンク16内に移されるさらなる水の量は、本明細書に開示した他の実施形態のものよりも実質的に少ない。この時点で、システム10は、抽出サイクルを開始できる状態になる。
【0139】
別の側面では、本明細書に開示するシステム500が、内側チャンバ506内に炭酸ガス前駆体504を有し、外側チャンバ510内に可溶性飲料媒体508を有する炭酸飲料カートリッジ502から炭酸飲料を生成するように適合される。システム500は、システム100、100’、100’’、100’’’ に実質的に類似するが、回転式注入針92の周囲に同心状に配置された回転式中空シャフト512を有する修正された抽出ヘッド18’及び修正された抽出チャンバ20’を含む。回転式中空シャフト512は、内側チャンバ506と外側チャンバ510との間で貫通チャネル514を開き、炭酸飲料カートリッジ502の底部で環状出口516を開くのに役立つ。回転式注入針92は、内側チャンバ506に温水を注入し、この温水が炭酸ガス前駆体504と反応して炭酸ガスを生成する。この炭酸ガスが貫通チャネル514を介して上向きに逆流し、可溶性飲料媒体508と混ざって炭酸飲料を形成する。その後、炭酸飲料は、環状通路516を介してマグ26などの下部の飲料容器内に小出しされる。
【0140】
図54を参照すると、一般に、システム500は、周囲温度の水をリザーバ14からヒータータンク16に移して加熱させ、最終的に抽出ヘッド18’に供給して回転式注入針92を介して炭酸飲料カートリッジ502に注入するポンプ12を含むことができる。抽出ヘッド18’は、回転式注入針92の周囲に同心状に配置された回転式中空シャフト512をさらに含んで、これらの間に環状通路518を形成する。回転式中空シャフト512は、炭酸飲料カートリッジ502の内側チャンバ506を形成する内側容器524の相補的突出部又はキー522に係合する1又は2以上の突出部又はキー520を含む。さらに、回転式注入針92及び回転式中空シャフト512は、抽出ヘッド18’に対して垂直移動するように構成される。すなわち、回転式注入針92及び回転式中空シャフト512の下端部は、概ね炭酸飲料カートリッジ502の上方の位置から炭酸飲料カートリッジ502の貫通可能な蓋526の下方の位置まで移動可能である。回転式注入針92及び回転式中空シャフト512は、同じ又は異なる方向に同時に又は異なる速度で相対的に回転することができる。この点、抽出ヘッド18’は、回転式注入針92及び回転式中空シャフト512を回転させるための1又は2以上のモータを含む。
図55に示すように、単一のモータ528が、例えばギアボックス又はトランスミッション554を介して注入針92及び中空シャフト512の両方を異なる速度で又は異なる方向に回転させることができる。或いは、2又は3以上のモータ(図示せず)がそれぞれ独立して回転することもできる。1つの実施形態では、回転式注入針92が、例えば抵抗ヒーター530によって加熱される。
【0141】
システム500は、抽出ヘッド18’に冷水を供給して最終的に環状通路518を介して炭酸飲料カートリッジ502に供給する冷水供給導管532をさらに含む。1つの実施形態では、冷水導管532が、リザーバ14から抽出ヘッド18’に延びることができる。この点、システム500は、冷水導管を介して水を圧送するための第2のポンプ(図示せず)を含むことができる。
図54に示すように、冷水導管532は、第2の導管62から抽出ヘッド18’に延びることができる。従って、ポンプ12は、リザーバ14からヒータータンク16及び環状通路518の両方に水を移す。抽出ヘッド18’に供給される冷水は、リザーバ14から直接供給される周囲温度水、又は抽出ヘッド18’に向かう途中で冷却機又はその他の冷却ユニット534を通過する冷却水とすることができる。
【0142】
簡単に上述したように、システム500は、内側チャンバ506を形成する内側容器524と、外側チャンバ510を形成する外側容器536とを有する炭酸飲料カートリッジ502を含む。炭酸飲料カートリッジ502は、特許文献1〜3に開示されているボトルキャップ及び弁アセンブリと同様に動作し、これらの各特許の全体を引用により本明細書に組み入れる。具体的に言えば、
図56に示すように、外側容器536は概ね円筒形であり、可溶性飲料媒体508(例えば、シロップ)を含む。外側容器536の上面からは、入口管538が外側チャンバ510内に下向きに延びる。外側容器536の底面からは、出口管540が下向きに延びる。この点、入口管538は、外側容器536の内部に(すなわち、外側チャンバ510に)配置され、出口管540は、外側容器536の外部に配置される。入口管及び出口管538、540の長さは、外側容器536の高さの約25〜30%とすることができる。しかしながら、入口管及び出口管538、540は、必要に応じてこれより長く又は短くすることもできる。1つの実施形態では、外側容器536の上面が、入口管538の上部が取り付けられる中央座ぐり孔542を含むことができる。この点、炭酸飲料カートリッジ502の上面は、中心部の方が周辺部よりも下がった概ね階段状の構成を有する。外側容器536の底部は、外側チャンバ536の内容物を出口管540に注ぎ込むことができる面取部544を任意に含む。さらに、外側容器536は、当該技術で既知の任意の好適な形状(例えば、矩形)とすることができる。
【0143】
内側容器524は、底部が閉じて上部が開いた概ね円筒形であり、炭酸ガス前駆体504を含む。内側容器524は、外側チャンバ510との流体連通をもたらす貫通チャネル514を含む。内側容器524の外面は、貫通チャネル514の上方に配置された少なくとも1つの上側周縁隆起部548aと、貫通チャネル514の下方に配置された少なくとも1つの中間周縁隆起部548bとを含む。さらに、内側容器524の外面は、実質的にその底部近くに配置された少なくとも1つの下側周縁隆起部548cを含む。内側容器524の開いた上部は、貫通可能な蓋526によって閉じられる。蓋526は、超音波溶接556又はその他のいずれかの好適な方法(例えば、接着剤)による外側容器536との接続を可能にするように、内側容器524の上部よりもわずかに大きい。内側容器52の外面は、そこから広がる複数のフィン又はパドル550を含むことができる。炭酸ガス前駆体504は、固形(例えば、粉末)の重炭酸ナトリウム(NaHCO
3)とクエン酸(C
6H
80
7)との混合物とすることができる。しかしながら、炭酸ガス前駆体504は、水に曝された時に炭酸ガスを生成する任意の段階に存在する任意の物質とすることができる。
【0144】
内側容器524は、外側容器536内に概ね同心状に配置され、外側容器536に対して回転移動及び垂直移動するように構成される。この点、外側チャンバ510は概ね環状であり、内側容器524及び内側チャンバ506の周囲に円周方向に配置される。具体的に言えば、
図56に示すように、内側容器524の上部及び下部は、それぞれ入口管538及び出口管540内に配置される。従って、上側及び中間周縁隆起部548a、548bは、入口管538の内壁に密封当接する。同様に、下側周縁隆起部548cは、出口管540の内壁に密封当接する。この点、上側周縁隆起部548aは、入口管538を介して何かが出口チャンバ536の上部に対して出入りするのを防ぎ、中間隆起部548bは、内側チャンバ506と出口チャンバ510との間の任意の流体連通を防ぎ、下側周縁隆起部548cは、出口管540を介して何かが出口チャンバ510に対して出入りするのを防ぐ。周縁隆起部548a、548b、548cと入口管及び出口管538、540との間の接触は、これらの間を液体が通過するのを防ぐほど十分に密接なものでありながら、内側容器524が入口管及び出口管538、540に対して動けるほど十分に緩いものとしなければならない。蓋526は、超音波溶接又は接着剤によって外側容器536の上部に接合される。この点、内側容器524の上部は、入口管538の上部と共に概ね平面であり、蓋526は、内側及び外側チャンバ506、510の両方の上部をさらに密封する。
【0145】
図57に、本明細書に開示する実施形態による、システム500を用いて炭酸飲料を生成する1つの方法(600)を示す。ステップ602〜612は、ステップ202〜212と実質的に同じものである。ステップ614は、実質的にステップ214と同じではあるが、抽出チャンバ20’内には、抽出カートリッジ22の代わりに炭酸飲料カートリッジ502が配置される。また、上述したように、抽出ヘッド18’は排出針96を含まない。従って、炭酸飲料カートリッジ502の底部を貫通するものは何もない。システム500は、ステップ614を完了した時点で炭酸飲料を生成できる状態になる。
【0146】
ステップ616において、ポンプ12が、内側チャンバ506に温水を注入して炭酸ガスを生成する。具体的に言えば、
図58に示すように、ステップ616aにおいて、回転式注入針92及び回転式中空シャフト512が下向きに移動することにより、回転式中空シャフト512に蓋526を貫通させる。従って、回転式注入針92も、内側チャンバ506にアクセスすることができる。次に、ステップ616bにおいて、回転式注入針92及び回転式中空シャフト512が下向きに移動し続けることによって内側容器524に接触し、蓋524と外側容器536との間の接続部(例えば、溶接部556)を破壊する。これにより、内側容器524が外側容器536に対して下向きに移動するようになる。従って、
図59に示すように、中間隆起部548bは、もはや入口管538に接触しておらず、下側隆起部548cは、もはや出口管540に接触していない。この点、内側チャンバ506と外側チャンバ510との間の流体連通が可能になる。同様に、この時点で下側隆起部548cが出口管540の底部の下方に配置されるので、流体は、出口管540を介してカップ26などの下部の飲料容器に流れ込むことができる。ステップ616cにおいて、回転式中空管512のキー520が、内側容器524の相補的キー522に係合する。この点、内側容器524及び回転式中空シャフト512は、この時点で一体となって垂直移動及び回転移動を行う。次に、ステップ616dにおいて、ポンプ12が、内側チャンバ506に温水を注入して炭酸ガス前駆体504と混合する。炭酸ガス前駆体504は、温水によって周囲温度の水又は冷水よりも急速に大量の二酸化炭素を放出する。次に、モータ528が、回転式注入針92を回転させる。
【0147】
次に、ステップ618において、回転式中空シャフト512が外側容器536に対して内側容器524を回転させる。回転式注入針92の動きと回転式中空シャフト512の動きとが組み合わさることによって温水と炭酸ガス前駆体504とが積極的に混ざり合うことにより、二酸化炭素の気泡が形成される。1つの実施形態では、炭酸ガス前駆体504が、固形(例えば、粉末)の重炭酸ナトリウム(NaHCO
3)及びクエン酸(C
6H
80
7)の混合物である。この点、重炭酸ナトリウムとクエン酸は、温水と反応してクエン酸ナトリウム、水及び炭酸ガスを形成する。さらに、内側容器536の外部に配置されたフィン550が回転することにより、可溶性飲料媒体508が攪拌されて混ざり合う。回転式中空シャフト512は、回転式注入針92とは異なる方向に又は異なる速度で回転して、温水と炭酸ガス前駆体504をさらに積極的に混合することができる。
【0148】
ステップ620において、ポンプ12が、環状通路518を介して内側容器536内に冷水を圧送する。具体的に言えば、入口チャンバ506内の二酸化炭素の泡は、入口チャンバ506の上部に上昇し、チャネル514を介して排出される。炭酸ガス前駆体504からは、二酸化炭素の泡のほんの一部を内側チャンバ506内の温水に放出することができる。さらに高温の水を使用すると、入口チャンバ506内の炭酸ガスの溶解がさらに速く効率的になる。この時、チャネル514を介して炭酸水が外側チャンバ510に流入する。チャネル514は、乾いた前駆体504が内側チャンバ506から排出されるのを防ぐ網目スクリーン又はその他の濾過剤を含むことができる。具体的には、炭酸水が内側チャンバ538を介して上向きに流れて炭酸飲料カートリッジ502の上部から流出するのを上側隆起部548aが防ぐ。しかしながら、中間隆起部548bは入口管538の底部の下方に配置されており、これによって炭酸水は外側チャンバ510に容易に流入することができる。この点、内側チャンバ506に注入された冷水が、回転針92によって注入された比較的温かい水に溶解した二酸化炭素の十分な混合を可能にする。
【0149】
ステップ622において、外側チャンバ内の炭酸水が可溶性飲料媒体508と混ざり合うことによって炭酸飲料が生成される。フィン550は、炭酸水と可溶性飲料媒体508とを攪拌してかき混ぜ、内部に乱流を生み出すことによって混合工程及び均質化工程をさらに容易にする。
【0150】
ステップ624において、外側チャンバ540からマグ26などの下部の飲料容器内に炭酸飲料が小出しされる。上記でさらに詳細に説明したように、下側隆起部548cは、ステップ616において、
図59に示すように出口管540の底部の下方の位置に移動している。この点、環状出口516が開いており、このため炭酸飲料はここを通って流れることができる。この時点で、ユーザは、清涼炭酸飲料を楽しむことができる。
【0151】
ステップ626において、回転式中空シャフト512及び回転式注入針92が引っ込む(例えば、上向きに移動する)ことによって内側容器524を元の位置に引き戻す。システム500は、注入針92が内側容器524との係合から解除されると、注入針92を水できれいにすることができる。ステップ626aにおいて、回転式注入針92及び回転式中空シャフト512が回転を停止する。次に、ステップ626bにおいて、回転式注入針92及び回転式中空シャフト512が上向きに移動することによって内側容器524を元の位置(すなわち、ステップ616の前の位置)に引き戻す。この場合、中間隆起部548bは、入口管538と密封接触して内側チャンバ506と外側チャンバ510との間の流体連通を防ぎ、下部隆起部548cは、出口管540と密封接触してここを通る任意の液体の流れを防ぐ。この点、下側隆起部548cは、残りの任意の可溶性飲料媒体508又は炭酸飲料が飲料生成後炭酸飲料カートリッジ502から漏出するのを防ぐ。ステップ626cにおいて、回転式中空シャフト512が内側容器524との係合を解く。
【0152】
具体的に言えば、回転式中空シャフト512のキー520が、炭酸飲料カートリッジ502の相補的キー522との係合を解く。
図61に、ステップ626の完了後の炭酸飲料カートリッジ502及び抽出ヘッド18’を示す。この時点で、ユーザは抽出ヘッド18’を開き、使用済みの炭酸飲料カートリッジ502を取り除いて廃棄することができる。
【0153】
本明細書に開示する抽出システム10は、飲料生成中に抽出カートリッジ22から逃れた任意の水を閉じ込めて下部の飲料容器(例えば、カップ26)内に排水する密封リング702及び1又は2以上の排水路704を含むことができる。具体的に言えば、
図62に示すように、上顎部88bは、抽出チャンバ20の外部周辺に円周方向に配置された密封リング702を含む。抽出チャンバ20が閉じると、下顎部88a及び上顎部88bは、密封リング702をこれらの間に圧縮して抽出チャンバ20の周囲に液密シールをもたらす。この点、下顎部88aと上顎部88bとの間の嵌合面を介して加熱液体及び蒸気が逃げることはできない。密封リング702は、プラスチックで構成することができるが、シリコーン、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴム、又は当該技術で既知の他の任意の好適な材料で形成することができる。下顎部88aは、抽出カートリッジ22の半径方向外側であって密封リング702の半径方向内側に配置された、抽出チャンバ20の一部から下顎部88aを介して延びる1又は2以上の排水路704を含む。この点、抽出サイクル中に抽出チャンバ20内に生じる任意の液体又は蒸気は排水路704を通って流れ、最終的に下部のカップ26内に小出しされる。これにより、液体が下顎部88aと上顎部88bとの間から漏れて抽出機ハウジング内に戻ることが防がれる。この点、抽出チャンバ20は、唯一の「湿った」領域(すなわち、液体に曝される領域)であるのに対し、抽出機ハウジングによって包囲された領域は、実質的に乾いて液体が存在しない。
【0154】
図66に示すように、ヒータータンク水位センサ66、66’、66’’は、凝縮によってヒータータンク16が一杯であることを示す誤った測定値をマイクロコントローラ50に送ることがある。上述したように、センサ66は、受光体78によって受け取られるようにキャビティ68を横切るように光ビーム76を発光する発光体74を含む。
図64に示すようにヒータータンク16が一杯でない時には、受光体78が光ビーム76を受け取る。これとは逆に、
図65に示すようにヒータータンク16が一杯の時には、フロート80が光ビーム76を妨げる。ヒータータンク16は、タンク16内の水及びヒータータンクセンサ66内の水を水の沸点に近い抽出温度(例えば、華氏192°(88.9℃))に加熱する。例えば、省エネモード中などにこの水が冷えると、空気中の蒸気又は水分が、キャビティ68の内壁において液滴又は泡の形で凝縮することがある。これらの液滴又は泡は、キャビティ68の壁部に様々な凹凸のある光屈折面を形成する。これによって光ビーム76が複数の方向に発散することにより、受光体78によって受け取られたはずの強度が著しく減少することがある。この点、キャビティ68の壁部の液滴又は泡は、光ビーム76内の光線を散乱させる。従って、著しい凝縮は、もはや受光体76がビームを読み取れない程度にまで光ビーム76を弱めることがある。この場合、コントローラ50は、ヒータータンク16が一杯であると識別することができる。誤ったヒータータンクセンサの測定値は、システム10が所望の供給サイズを抽出するのを妨げる恐れがある。
【0155】
この点、ポンプ12は、抽出サイクル(すなわち、ステップ216及び218)の開始前に、リザーバ14からヒータータンク16に満タンの水を供給して、ヒータータンク16が完全に一杯になるのを確実にすることができる。上記でさらに詳細に説明したように、ヒータータンク16から溢れた水は大気通気管150に流入し、溢れ出てリザーバ14内に戻る。満タンの水とは、抽出サイクルの開始時にヒータータンク16及び大気通気管150が完全に満たされることを保証するのに十分な量の水のことである。具体的に言えば、満タンとは、ヒータータンク16から発生し得る最大蒸発量、大気通気管150の容積、及び大気通気管150内の水をリザーバ14内に溢れさせるさらなる水の量である安全容積の合計である。安全容積は、安全係数と同様に機能する。従って、マイクロコントローラ50は、抽出サイクルの開始時にシステム10内にどれほどの水が存在するかを正確に認識し、これによってシステム10が正しい供給サイズを一貫して供給できるようにする。コントローラ50がシステム内の水の量を具体的に認識するのは、この量が、それぞれ一杯になったヒータータンク16及び大気通気管150内の量の関数だからである。例えば、最大予想蒸発が0.5oz(14.2g)であり、大気通気管15が2oz(56.7g)の水を保持している場合、満タン量は、2.7oz(76.5g)(すなわち、蒸発を補償するための0.5oz(14.2g)、大気通気管を満たすための2oz(56.7g)、及び安全容積の0.2oz(5.7g))とすることができる。この点、少なくとも0.2oz(5.7g)がリザーバ14内に逆流するが、これによってヒータータンク16及び大気通気管150が完全に一杯であることが保証される。
【0156】
図67及び
図68に示す別の実施形態では、ヒータータンク水位センサ66’’’が、ヒータータンク水位センサ66の底部に配置された発光体74’’’及び受光体78’’’を含む。この点、フロート80’は、
図67に示すように、ヒータータンク16が一杯でない時に受光体78’’’が光ビーム76を受け取るのを妨げる。ここでは、ヒータータンク16が一杯でない時に、フロート80’がキャビティ68の底部に存在する。
図68に示すように、センサ66内の水位が発光体74’’’及び受光体78’’’の高さを超えると、フロート80’は、最終的に光ビーム76の妨害から押し出される。従って、受光体が光ビーム76を受け取ると、マイクロコントローラ50は、ヒータータンク16が一杯であると認識する。
【0157】
図66に示すように、凝縮はキャビティ68の上部で生じるので、センサ66’’’は、センサ66、66’、66’’で起こりうるような凝縮の影響を受けない。この点、受光体78’’’が配置されたキャビティ68の底部には凝縮が存在せず、すなわちフロート80’がもはや光ビーム76の伝達を妨げなくなった時にはキャビティ68は水で満たされているので、凝縮によって光ビーム76が分散されることはあり得ない。キャビティ68が一杯の場合、キャビティ68内の水はセンサ測定値に影響を与えない。光ビーム76を発散させるのは、水自体ではない。むしろ、水の表面張力によって形成されるキャビティ68の壁部の水滴又は泡の凹面及び凸面が光ビーム76を分散又は散乱させる。
図68に示すように、ヒータータンク16が一杯の時には、これらの表面に水滴が存在しない。従って、光ビーム76は、誤った測定値をもたらす有意な発散を伴わずに水を通過する。
【0158】
抽出システム10の別の特徴は、抽出機回路(例えば、マイクロコントローラ50)が、抽出サイクルの動作中にリザーバ14が意図せず又は意図的に取り外された時点を判定するロジックを含むことができる点である。この検知状態では、マイクロコントローラ50が、例えばポンプ12、加熱素子56などの動作中の機器の一部又は全部をオフにして、安全及び正しい停止を保証することができる。抽出サイクル中にリザーバ14を取り外すと、周囲の水の供給が直ちに遮断される。この結果、ポンプ12は、もはやリザーバ14から水を移すことはなくなり、代わりに、上述したように抽出ヘッド18に供給するための空気をヒータータンク16内に圧送する。この状態では、抽出システム10に(例えば、
図1及び
図16に示すような)流量計48が含まれている場合、流量計48が故障することがある。ヒータータンク16を介して圧送された空気は、抽出ヘッド18の前にヒータータンク水位センサ66に入り込む。ヒータータンク水位センサ66は、内部の乱流を測定して、例えば抽出サイクル中におけるリザーバ14の取り外しを検出するように設計することができる。例えば、この検出は、ヒータータンク水位センサ66を流れる泡立った乱流を測定する光センサ(送信機/受信機)を用いて行うことができる。この場合、マイクロコントローラ50は、ヒータータンク水位センサ66が何らかの所定の期間にわたって内部の乱流の泡立ちを確認した時に、リザーバ14が取り外されたと識別することができる。
【0159】
或いは、センサ66は、発光体332から受光体336に光ビーム334が進むのをフロート80、80’、80’’が妨げる割合を測定することができる。抽出サイクル中には、空気及び水の通常の動き、並びに内部の圧力変動の結果として、ヒータータンク水位センサ66内にフロート80、80’、80’’の何らかの動きが存在する。しかしながら、この点、通常動作状態におけるフロート80、80’、80’’の動きは断続的なはずである。従って、マイクロコントローラ50を、システム10が「パージ」サイクルを開始していない時の状態、及びヒータータンク水位センサ66が連続的に繰り返される(及び場合によっては何らかの所定の時間枠内の)何らかの最小閾値回数の繰り返しパルス又は跳ね返りを測定又は識別した時の状態(すなわち、フロート80、80’、80’’が光ビーム334を妨げた後に妨げなくなる状態)を識別するように構成することができる。例えば、ある実施形態では、マイクロコントローラ50が、ヒータータンク水位センサ66が数秒以内に20回又は40回の連続パルスを測定した時に、抽出サイクル中にシステム10からリザーバ14が取り外されたと識別することができる。これらのパルスは、ヒータータンク水位センサ66を気泡が通過した結果である。
【0160】
別の実施形態では、システム10が、加熱素子56によるヒータータンク16内の水の加熱を制御するように設計されたサーボフィードバックループを含むことができる。サーボフィードバックループは、比例微分ループ又はPIDコントローラである。基本的に、PIDコントローラは、測定された工程変数(例えば、いずれかの所与の時点におけるヒータータンク16内の可変温度)と所望の設定点(例えば、所望の抽出温度)との間の差分としての誤差値を計算する。PIDコントローラは、操作変数を用いて抽出工程を調整することによって誤差を最小化しようと試みる。この点、ヒータータンク16内の水の温度と所望の抽出温度との間の差分が大きければ(例えば、内部の水が周囲温度である場合)、マイクロコントローラ50は、内部の水を急速に加熱するために加熱素子56の強度を高めることができる。PIDコントローラは、誤差値の変化率を連続的又は断続的に(例えば、数秒毎又は数マイクロ秒毎に)測定して、ヒータータンク16内の温度が所望の抽出温度に近づいた結果として誤差が小さくなると、加熱素子56を弱めることができる。換言すれば、PIDコントローラは、抽出システム10がヒータータンク16内の水を過熱することなくさらに急速に加熱できるようにする。
【0161】
例示を目的として複数の実施形態を詳細に説明したが、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく様々な修正を行うことができる。従って、本開示は、添付の特許請求の範囲以外のものによって限定されるべきものではない。
【0162】
さらなる実施形態では、炭酸化システム500が、炭酸ガス生成ステップすなわち、ステップ616中に回転式注入針92によって炭酸飲料カートリッジ502の内側チャンバ506内に供給される水を、誘導加熱を用いて加熱することができる。具体的に言えば、抽出ヘッド18は、電流源362から高周波交流電流を受け取る。高電圧誘導コイル802を含むことができる。コントローラ50及び/又はBTT358は、コイル802への交流電流の供給を制御することができる。コイル802は、回転式注入針92がその降下した給水位置、すなわちステップ616d中の位置にある時に、回転式注入針92の少なくとも一部を包囲することができる。この点、コイル802は、
図69に示すように下顎部88aに配置することも、又は上顎部88bに配置することもできる。回転式注入針92は、熱伝達及び誘導加熱を容易にするように鋼又は別の鉄金属などの導電性材料で構成することができる。
【0163】
図69に示すように、コイル802は、回転式注入針92に入り込む室温の水を温水に変換して二酸化炭素生成工程を容易にする。この点、ポンプ12は、リザーバ14から回転式注入針92に室温を圧送する。(単複の)コイル802を流れる交流電流は、回転式注入針92及びそこを流れる水に渦電流(すなわち、円形電流)を形成する。回転式注入針92及び水の内部抵抗が渦電流を散逸させることにより、回転式注入針92及びそこを流れる水の温度を上昇させる熱(すなわち、抵抗加熱)が発生する。
【0164】
鋼及び他のほとんどの鉄金属の比熱容量は水よりも低いので、通常、回転式注入針92は水よりも急速に熱くなる。この点、熱は、温度の高い回転式注入針92からそこを流れる相対的に冷たい水に(すなわち、熱伝導によって)拡散し、これによって炭酸飲料カートリッジに入り込む水をさらに加熱する。従って、(単複の)コイル802は、抵抗針ヒーター530を排除又は別様に補完することができる。
【0165】
上述した実施形態に加え、本開示の実施形態には、以下でさらに説明する様々な追加の特徴を組み込むこともできる。
【0166】
特許文献4に記載されるように、(
図9に示す注入針92などの)本開示による入口ノズルは、多くの異なる方法で移動することができ、特許文献4の全体を本明細書に完全に組み入れる。このような方法は、以下に限定するわけではないが、垂直又は水平方向の並進移動;(限定ではないが)円周方向移動などの、注入針の遠位にある軸を中心とした注入針の回転;注入針自体の中心軸を中心とした注入針のスピン;注入針の基部が静止した状態で針の底部が回転する(又は針の底部の回転半径よりも小さな又は大きな半径で基部が回転する)回転「枢動」;及び/又は垂直及び/又は水平方向の振動及び/又は揺動を含む。
【0167】
注入針の移動は多くの異なる方法が可能であり、決して上記のリストを限定的なものと見なすべきではない。また、注入針の移動は、性能を最大化するために注入針の(単複の)出口を通る水の流れと協働することができる。本開示の1つの実施形態では、注入針が、性能を最大化するために「針抽出サイクル」を実行することができる。針抽出サイクルの第1段階は、注入針の移動開始前に注入針の(単複の)出口に水を通すことを含むことができる。これにより、コーヒー粉などの物質が注入針の出口から離れることができる。次に、上述したように、また米国仮特許出願第61/940,290号に記載されるように、注入針が移動を開始することができる。注入針の移動を開始する前に水を流し始めると、カートリッジ内の物質が注入針にくっついて閉塞を引き起こすのを防ぐことができる。
【0168】
針抽出サイクルの終盤では、水が流れ続けている間に注入針が移動を終えることができる。これにより、最終的な静止位置にある注入針の(単複の)出口から物質を離し、従って抽出ヘッドが開いて注入針を除去した時に注入針の(単複の)出口の任意の閉塞を防ぐことができる。
【0169】
本開示の実施形態は、先行技術の構成要素を排除した状態で先行技術のシステム及び装置の機能を実行することができる。例えば、本開示の実施形態では、流量計を使用せずに流体流を測定することができる。
図3は、流量計を含まなくてもよい本開示によるシステムの概略図である。上述したように、ポンプ12は、空気ポンプ及びヒーターポンプの両方として機能することができる。また、本開示のいくつかの実施形態では、ポンプが流量計及び圧力調整器として機能することができる。
【0170】
2015年2月5日に出願された特許文献5に記載されるように、本開示によるポンプは、圧力調整器及び/又は流量計として機能することができ、特許文献5の全体を引用により本明細書に完全に組み入れる。ポンプ12からの水の各ポンプ動作(例えば、ポンプ12のロータの回転又はポンプ12の(単複の)ピストンの移動)時には、作業及び/又は流体移動が行われることによって電流測定値が急上昇することができる。各電流スパイクは、ポンプから送られた水の量に対応できるので、これらの電流測定値を用いて流量を計算することができる。さらに、移された流体の容量をモニタすることにより、ポンプがシステム10内で圧力調整器として機能することができる。例えば、流量計又は光センサを使用する代わりに電流測定値に基づいて流量を計算することにより、構成要素を排除してシステムのコスト効率を高めることができる。
【0171】
場合によっては、例えば電流測定値の誤差などによって電流の急上昇が記録されず、従って上述した流れの計算において特定の流体の動きが記録されないこともある。このような場合、紛失パルスを認識して最終的な流量計算において紛失パルスを補償するコードなどによって電流パルス補正を行うことができる。
【0172】
他の方法による流量及び電流計算も可能である。例えば、ポンプを動作させるモータ近くの磁束を測定し、この磁束からポンプに伝わった電流の量を計算し、この電流から流量を計算することができる。全流量を計算するために、以下に限定するわけではないが、モータ内部のアーク放電によって生じる光、モータの内部又は外部に発生する熱、モータ及び/又はポンプによって生じる音、並びにモータ及び/又はポンプによって生じる振動を含むモータ及び/又はポンプの多くの異なる特徴及び/又は測定可能な特徴を測定することができる。
【0173】
本開示の実施形態は、一般にコーヒーメーカーで使用されるカートリッジの変形を防ぐための構成要素を含むこともできる。典型的なカートリッジは、高温の水に接触すると変形することがある。通常、先行技術によるカートリッジ保持システムは、カートリッジの上部を単純に保持し、従ってその最上部の下方ではカートリッジ本体全体が変形する可能性がある。
図70に示すように、本開示の実施形態では、カートリッジ3004のほとんど又は全ての側壁に対して変形バリア3006を形成することができる。これにより、カートリッジ3004を、通常はエスプレッソの抽出に関連するような高温に加熱することができる。(単複の)変形バリア3006は、バネ様システム及び/又は油圧システムなどによってカートリッジ3004に押し付けられるように付勢することができる。
【0174】
また、本開示による変形バリアは、カートリッジ3004を冷却するシステムを含むこともできる。例えば、変形バリア3006は二重壁であり、そこを通る水などの液体の流れを含むことができる。変形バリア3006は、カートリッジ3006から遠ざけて熱を伝えるように熱伝導性とすることができる。この水は、カートリッジ3004の外壁を冷却してカートリッジの変形を防ぐ役割を果たすことができる。本開示による変形バリア3006の実施形態は、限定するわけではないが、変形可能な袋などの剛性バリア及び非剛性バリアを含む。
【0175】
本開示のいくつかの実施形態では、特定の生成物を実現するためにカートリッジを予熱することができる。例えば、4オンスの抽出、又は1.5〜2oz(42.5〜56.7g)などのエスプレッソ抽出では、カートリッジ3004の放熱能力に起因して(8oz(226.8g)の抽出と比べて)比例的に多くの熱を失ってしまう。従って、熱損失を抑えるためにカートリッジ3004を予熱することが有利となり得る。これを達成するために、ヒータータンク(例えば、
図3のヒータータンク16)内の水を、蒸気を生じるまで加熱することができる。次に、カートリッジ3004及び/又はバリア3006を予熱するために、注入針3002などの注入針を介してこの蒸気を圧送することができる。このような予熱は、システム内を通る液体からの熱損失を防ぎ、従ってさらに熱い生成物をユーザに提供することができる。いくつかの実施形態では、カートリッジ3004内に圧送される蒸気の量を液体量に変換して、カートリッジ内に圧送される全容積の計算に含めることができる。
【0176】
本開示のいくつかの実施形態は、カートリッジの後の流体流内に存在するさらなるヒーターを含むことができる。例えば、ブーストヒーターを使用することができる。
図71で分かるように、カートリッジ4004などのカートリッジの下流に要素4006を含めることができる。要素4006は、ユーザのカップ内に注ぐのに便利なように漏斗と同様に機能することができる。また、要素4006(以下、「漏斗」と呼ぶ)は、より熱い最終生成物を提供するように加熱することもできる。漏斗4006を加熱することにより、カートリッジ4004に入り込む流体は未だ漏斗4006によって加熱されていないので、カートリッジ4004の変形を防ぐことができる。
【0177】
マイクロコントローラ50のメモリは、ファームウェア及び/又はソフトウェア実装の形で実装することができる。ファームウェア及び/又はソフトウェア実装方法は、本明細書で説明した機能を実行するモジュール(例えば、手順、機能など)を用いて実装することができる。本明細書で説明した方法を実装する際には、命令を有形的に具体化する機械可読媒体を使用することができ、例えばバーコード及び/又はUPCコードをカートリッジに含め、例えば飲料ヘッド内の光センサによって読み取ることができる。例えば、ソフトウェアコードをメモリに記憶してプロセッサユニット(例えば、プロセッサ50)によって実行することができる。メモリは、プロセッサユニット内又はプロセッサユニットの外部に実装することができる。本明細書で使用する「メモリ」という用語は、長期、短期、揮発性、不揮発性又はその他のメモリのタイプを意味し、特定のタイプのメモリ又はメモリの数、或いはメモリを記憶する媒体のタイプに限定されるものではない。
【0178】
ファームウェア及び/又はソフトウェアで実装する場合、コンピュータ可読媒体上の1又は2以上の命令又はコードとして関数を記憶することができる。例としては、データ構造を符号化されたコンピュータ可読媒体、及びコンピュータプログラムを符号化されたコンピュータ可読媒体が挙げられる。コンピュータ可読媒体は、物理的コンピュータ記憶媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータがアクセスできる利用可能な媒体とすることができる。限定ではなく一例として、このようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM又はその他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気記憶装置、或いは所望のプログラムコードを命令又はデータ構造の形で記憶するために使用でき、コンピュータがアクセスできる他の媒体を含むことができ、本明細書で使用するディスク(disk又はdisc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク及びブルーレイディスクを含み、この場合、diskは、通常データを磁気的に再生し、discは、レーザを用いてデータを光学的に再生する。これらの組み合わせもコンピュータ可読媒体の範囲に含めるべきである。
【0179】
命令及び/又はデータは、コンピュータ可読媒体に記憶することに加えて、通信装置に含まれる送信媒体上の信号として提供することもできる。例えば、通信装置は、命令及びデータを示す信号を有するトランシーバを含むことができる。命令及びデータは、特許請求の範囲に概説する機能を1又は2以上のプロセッサに実行させるように構成される。
【0180】
本開示及びその利点について詳細に説明したが、本明細書では、添付の特許請求の範囲によって定める本開示の技術から逸脱することなく、様々な変更、置換及び修正を行うことができると理解されたい。例えば、抽出機に関連して「上方の(above)」及び「下方の(below)」などの関係語を使用している。当然ながら、抽出機を反転させた場合には、上方が下方になり、逆もまた同様である。また、横向きに配向した場合には、上方及び下方が抽出機の両側を意味することができる。さらに、本出願の範囲は、本明細書で説明した工程、機械、製造、物質の組成、手段、方法及びステップの特定の構成に限定されるものではない。当業者であれば、本開示により、本明細書で説明した対応する構成と実質的に同じ機能を実行し、又は実質的に同じ結果を達成する既存の又は後から開発される工程、機械、製造、物質の組成、手段、方法又はステップを本開示に従って利用することもできると容易に理解するであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、このような工程、機械、製造、物質の組成、手段、方法又はステップをその範囲に含むように意図される。
【0181】
さらに、当業者であれば、本開示に関連して本明細書で説明した様々な例示的なロジックブロック、モジュール、回路及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装することができると認識するであろう。上記では、このハードウェアとソフトウェアの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路及びステップを、一般にその機能に関して説明した。このような機能がハードウェアとして実装されるか、それともソフトウェアとして実装されるかは、システム全体に課される特定の用途及び設計制約に依存する。当業者であれば、説明した機能を各特定の用途に見合った様々な方法で実装できると思われるが、このような実装の決定を、本開示の範囲からの逸脱を引き起こすものとして解釈すべきではない。
【0182】
本開示に関連して本明細書で説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール及び回路は、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はその他のプログラマブルロジックデバイス、離散ゲート又はトランジスタロジック、離散ハードウェアコンポーネント、或いは本明細書で説明した機能を実行するように設計されたこれらのいずれかの組み合わせを用いて実装又は実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサとすることができるが、別の方法では、このプロセッサを任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ又は状態機械とすることもできる。プロセッサは、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサの組み合わせ、1又は2以上のマイクロプロセッサとDSPコアとの組み合わせ、又は他のいずれかのこのような構成などの、コンピュータ装置の組み合わせとして実装することもできる。
【0183】
本開示に関連して説明した方法又はアルゴリズムのステップは、直接ハードウェアの形で、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールの形で、或いはこれらの組み合わせの形で具体化することができる。ソフトウェアモジュールは、RAM、フラッシュメモリ、ROM、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、又は当該技術で既知の他のいずれかの形態の記憶媒体内に存在することができる。例示的な記憶媒体は、プロセッサに結合されて、プロセッサがこの記憶媒体との間で情報を読み書きできるようにされる。代替例では、記憶媒体をプロセッサに一体化することもできる。プロセッサ及び記憶媒体は、ASIC内に存在することもできる。ASICは、ユーザ端末内に存在することができる。代替例では、プロセッサ及び記憶媒体が、ユーザ端末内に離散的要素として存在することができる。
【0184】
1又は2以上の例示的な設計では、説明した機能を、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらのいずれかの組み合わせで実装することができる。ソフトウェアで実装する場合、これらの機能をコンピュータ可読媒体上の1又は2以上の命令又はコードとして記憶し、又は送信することができる。コンピュータ可読媒体は、1つの場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にするいずれかの媒体を含むコンピュータ記憶媒体及び通信媒体の両方を含むことができる。記憶媒体は、汎用コンピュータ又は専用コンピュータがアクセスできる任意の利用可能な媒体とすることができる。限定ではなく一例として、このようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM又はその他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気記憶装置、或いは、命令又はデータ構造の形の特定のプログラムコード手段を搬送又は記憶するために使用できるとともに、汎用又は専用コンピュータ、或いは汎用又は専用プロセッサがアクセスできる他のいずれかの媒体を含むことができる。また、正確には任意の接続もコンピュータ可読媒体と呼ばれる。例えば、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を用いてウェブサイト、サーバ又はその他の遠隔ソースからソフトウェアを送信する場合、これらの同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術も媒体の定義に含まれる。本明細書で使用するディスク(disk又はdisc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク及びブルーレイディスクを含み、この場合、diskは、通常データを磁気的に再生し、discは、レーザを用いてデータを光学的に再生する。これらの組み合わせもコンピュータ可読媒体の範囲に含めるべきである。
【0185】
本開示の説明は、当業者が本開示を実施又は使用できるように行ったものである。当業者には、本開示の様々な修正が容易に明らかにあるであろうし、本明細書に定める一般的原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく他の変形例に適用することもできる。従って、本開示は、本明細書で説明した実施例及び設計に限定されるものではなく、本明細書で説明した原理及び新規の特徴に一致する最も広い範囲を認められるべきものである。
【0186】
例示を目的として複数の実施形態を詳細に説明したが、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく様々な修正を行うことができる。従って、本開示は、本明細書に示した実施例によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲に記載する範囲、及び添付の特許請求の範囲の同等物の全範囲を含むものとして想定される。
【0187】
例示を目的として複数の実施形態を詳細に説明したが、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく様々な修正を行うことができる。従って、本開示は、本明細書に示した実施例によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲に記載する範囲、及び添付の特許請求の範囲の同等物の全範囲を含むものとして想定される。