(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
)がそれに応じて自動的に調整される。前記方法は、前記進路制御機能(F1)とは別個のものである、安全基準ISO-26262による、より高いASIL安全レベルに適合する、安全確保機能(F2)を含む。前記安全確保機能(F2)は、それによると、危険であると考えられる警告状況の発生を検出するために、前記ステアリングホイールの角位置(θ
)がモニタされる、診断副機能(F2−1)と、それによると、警告状況の検出の場合に前記進路制御機能(F1)が無力化される、介入副機能(F2−2)とを含む。
前記介入副機能(F2−2)は、無力化副機能であって、それによると前記診断副機能(F2−1)によって警告状況が検出される場合に前記進路制御機能(F1)が無力化される、無力化副機能を、前記モータ設定値(Cmot)の決定に前記進路制御機能(F1)がいかなる影響も与えないようにするために、構成する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項の方法。
前記安全確保機能(F2)は、前記診断副機能(F2−1)及び前記介入副機能(F2−2)とは別個の運転者トルク永久制限副機能(F2−3)を含み、それは、前記運転者トルク(Cdriver)を、これは前記ステアリングホイールにおいて前記運転者によって実効的に感じられるのであるが、許容最大運転者トルク未満に永久に保つために、前記進路制御機能(F1)に適用される重み付け係数(CP)を動的に調整することによって、前記診断副機能及び前記介入副機能と並列に動作する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項の方法。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、車両、より詳しくは自動車のパワーステアリングを管理する方法
【0027】
それ自体知られているやり方で、パワーステアリング、より詳しくは前記パワーステアリングの機構は、ステアリング操作を手動で制御するために運転者がパワーステアリングに作用することを可能にする少なくとも1つのステアリングホイール1を含む。
【0028】
パワーステアリングは、力、より詳しくはトルクをステアリング操作のアシストのために供給することが意図される、少なくとも1つのアシストモータ2も含む。
【0029】
どのようなタイプのアシストモータ2も、より詳しくはどのようなタイプの双方向動作のアシストモータも、特にロータリーアシストモータ又はリニアアシストモータも、こだわることなく考慮に入れることが可能である。
【0030】
更に、前記アシストモータ2は、例えば液圧式又は好ましくは電動であり得る(電気モータの使用は、有用な信号の生成及び管理のみならず、特に前記モータの設置及び実装を容易にする)。
【0031】
特に好ましい方法において、アシストモータ2は、例えば「ブラシレス」タイプの、ロータリー電気モータである。
【0032】
更に、パワーステアリングは、ステアリングホイール1によって駆動され、かつ、車両の車台に固定されたステアリングケーシングにスライド可能に取り付けられているステアリングラック(表示されていない)とピニオンによって噛み合うステアリングコラム3を、それ自体知られているやり方で、好ましくは含む。
【0033】
ステアリングラックの端部のそれぞれは、ステアリングタイロッドを経由してヨー方向に向きづけられるナックルに、好ましくは連結され、そこには車両のステアードホイール(好ましくは駆動輪)が取り付けられ、その結果、ケーシング内の並進運動におけるラックの変位が、前記ステアードホイールのステアリング角(すなわち、ヨー方向の向き)の修正を引き起こす。
【0034】
特に、アシストモータ2は、例えばウォームホイール及びウォームスクリュー減速装置を経由して、ステアリングコラム3に係合され得、又は、ボールスクリュータイプの駆動機構によって、若しくはステアリングコラムのピニオンとは別個のモータピニオンを経由して、ステアリングラックに直接係合され得る(それによって、「デュアルピニオン」ステアリング機構を形成する)。
【0035】
本発明によると、図1に示されているように、本方法は少なくとも1つの進路制御機能F1を含み、それによると、車両が辿ることが望まれる基準進路に近い、又は一致する、実際の進路を車両が自動的に辿るように、モータ設定値C
motが自動的に調整され、アシストモータ2に適用される。より詳しくは、それによると、位置設定値θ
refが、車両が辿ることが望まれる基準進路に基づいて自動的に決定されて、ステアリングの実効位置θ
mesが前記位置設定値θ
refに向かって収束するように、アシストモータ2に適用されるモータ設定値C
motが自動的に調整される。
【0036】
特に、進路制御機能F1は、駐車操作、特に後退して行う駐車操作のための自動操縦機能(「駐車アシスト」という名前で一般に知られている)、より詳しくは縦列駐車を行うための自動操縦機能、又は特に好ましいやり方においては、車線を辿るための自動操縦機能(「レーンキーピング」という名前で一般に知れられている)で構成され得る。
【0037】
以下では、便宜のため、したがってそのような車線を辿る機能(レーンキーピング」)について言及する。
【0038】
考慮される時点において適用される位置設定値θ
refは、位置設定値決定副機能F1−1によって計算される目標位置に対応し、それにおいては、所定の基準進路にできるだけ近くなる(予め決められた許容差内で)、理想的には所定の基準進路に一致する、実際の進路を、車両が辿ることを可能にするステアードホイールのステアリング角を、前記車両の実際の状況において車両が採用することを可能にするように、ステアリング機構が配置されなければならない。
【0039】
言い換えると、進路制御機能は、リアルタイムで必要な進路修正を(したがって位置設定値調整を)行うことによって車両の実際の進路を(理想的な)基準進路の近傍に保つことを可能にする、車両の自動操縦を確実にすることに本質がある。
【0040】
実際には、位置設定値θ
refは、よって、符号(左/右)及び強度(ステアリング角の大きさ)の両方において、目標基準進路及び行われる修正に応じて、時間に対して可変である。
【0041】
有利なことに、基準進路は、とりわけ、車両の部分を外部の障害物(例えば他の駐車車両)から隔てる距離、又は外部の参照物に対する、例えば車線を分離する線に対する相対位置のような、車両の環境に関する外部パラメータに関係するデータから、自動的に構築される。
【0042】
これらのデータは、実質的にリアルタイムで、例えば非接触のセンサ(カメラ、光学センサ、超音波センサ等)によって実行されるいかなる適切な測定によっても取得され得る。
【0043】
よって、例えば、車線のモニタ、したがって前記車線の道筋に対応する基準進路(又は進路修正)の定義(構築)は、前記道筋がまっすぐであるか曲がっているかに関係なく、車線の境界表示を検出すること及び前記表示に対する車両の位置を測定することが可能なカメラによって行われ得る。
【0044】
収集されたデータによって提供される情報は、考慮される時点において車両の環境(位置、向き、速度等)における車両の状況を求めること、及び、よって、前記環境に、(特に前後方向の速度、ラックに作用する力、及び/又はヨー速度若しくは横方向加速度に応じて求められる)車両の力学に、そしてもちろん目標とされる自動操縦操作に、同時に適合する進路(又は進路修正)を、車両の外部の基準フレームに提示することを可能にする。
【0045】
パワーステアリングの(瞬時の)実効位置θ
mesは、ラックの直線上の位置の測定によって、又は好ましくはステアリングホイール1の角位置θ
steering wheel(「ステアリングホイール位置」又は「ステアリングホイール角」とも呼ばれる)の測定によって、又は、アシストモータ2を前記ステアリングホイール1に連結する動的な機構の機械的な減速比が分かっているという前提で、アシストモータ2のシャフトの角位置の測定によって、等価なやり方で、というような、適切な位置センサによるいかなる測定によっても取得され得る。
【0046】
適切な場合には、アシストモータ2のシャフトの角位置は、「レゾルバ」タイプの、好ましくはアシストモータに統合されたセンサによって求められ得る。
【0047】
図1に示されているように、進路制御機能F1は、「位置制御」副機能と呼ばれる副機能F1−2を含み、これは、位置設定値θ
ref及びステアリングの実効位置θ
mesを知っていることから、モータ設定値C
motを調整することを可能にする調整設定値C
adjustを生成することを可能にする。
【0048】
実際には、本方法は、パワーステアリング管理モジュール10によって実現され得る。
【0049】
このために、前記管理モジュール10は、車両が辿ることが望まれる基準進路を設定する位置設定値決定ユニット12、及び、次にモータ設定値C
motをアシストモータ2に出力するモータ設定値計算ユニット14の入力において使用される調整設定値C
adjustを出力するために、車両の実際の進路と基準進路との間の偏差Δθを計算する後続ユニット13を含む(第1)進路制御ブランチ11を含み得る。その結果、調整設定値C
adjustが、車両の実際の進路と基準進路との間の偏差Δθを減少させるためにアシストモータ2に適用されるモータ設定値C
motを調整するための考慮に入れられ得る。
【0050】
より詳しくは、このために、前記管理モジュール10は、車両が辿ることが望まれる基準進路からパワーステアリングの位置設定値θ
refを設定する位置設定値決定ユニット12、及び、所定のアシスト則に従って次にモータ設定値C
motをアシストモータ2に出力するモータ設定値計算ユニット14の入力において使用される調整設定値C
adjust=f(Δθ)を出力するために、ステアリングの実効位置θ
mesと前記位置設定値θ
refとの間の偏差Δθ=θ
mes−θ
ref(前のパラグラフで使用された同じ表記慣習Δθを、便宜のため残しておく)を、「位置制御」副機能と呼ばれる副機能F1−2に従って、計算する後続ユニット13を含む(第1)進路制御ブランチ11を含み得る。その結果、調整設定値C
adjustが、ステアリングの実効位置と位置設定値との間の偏差Δθを減少させるためにアシストモータ2に適用されるモータ設定値C
motを調整するための考慮に入れられ得る(理想的にはこの偏差はゼロに向かって収束する)。
【0051】
したがって、適切な場合には、この第1ブランチ11は、クローズドループ型の進路制御を実現することを可能にする。
【0052】
それ自身知られているやり方で、モータ設定値計算ユニット14によって使用されるアシスト則は、例えば、従来のやり方で、人力によるステアリング操作を容易にするために、運転者によって与えられる人力を増強することが意図されるアシスト力を設定するために、ステアリングホイール角(ステアリングホイールの角位置)θ
steering wheel、車両の前後方向の速度V
vehic、及び/又は運転者トルクC
driverのようなさまざまな入力信号を考慮に入れる。
【0053】
特に好ましい変形例によると、モータ設定値計算ユニット14は、運転者トルク(クローズドループ型)制御を可能にするように準備され、それによると考慮される時点において運転者によってステアリングホイール1に実際に与えられる実効運転者トルクC
driverが測定され、所定の運転者トルク設定値C
driver_refと前記実効運転者トルクC
driverとの間の差に対応する運転者トルク偏差を評価するために実効運転者トルクC
driverは前記運転者トルク設定値C
driver_refと比較され、この運転者トルク偏差から、前記運転者トルク偏差を減少させるためにアシストモータ2に加えられることが意図されるモータトルク設定値C
motが求められる。
【0054】
そのような変形例によると、調整設定値C
adjustは、(進路制御機能F1がアクティブであるときに)前述の運転者トルク設定値C
driver_refを形成し得る。それはモータ設定値計算ユニット14の入力において使用され(すなわちC
adjust=C
driver_refであるときに)、よって進路制御機能F1が運転者トルク制御機能を自動的に(かつアクティブに)操縦することができるようにする。
【0055】
本発明によると、本方法は、安全確保機能F2を含み、これは、進路制御機能F1とは別個のものであり、安全基準ISO-26262による、前記進路制御機能より高いASIL安全レベルに適合する。
【0056】
前記安全確保機能F2は、それによると制御パラメータθ
steering wheel,C
driver,
がモニタされる診断副機能F2−1を含み、前記制御パラメータは車両挙動を表し、前記制御パラメータは、安全確保機能F2に必要とされる全体のASILレベル以上のASILレベルにおいて「安全確保」される。
【0057】
例えば、前記制御パラメータは、ステアリングホイールの角位置θ
steering wheelの測定値若しくは推定値(特に図2の第1の例において)、運転者によってステアリングホイール1に加えられる運転者トルクC
driver(「ステアリングホイールトルク」とも呼ばれる)の測定値若しくは推定値(特に図3の第2の例において)、又はステアリングホイールの角回転速度
の測定値若しくは推定値(特に図4の第3の例において)であり得る。
【0058】
有利なことに、診断副機能F2−1は、制御パラメータをモニタすることを、危険であると考えられる予め決められた警告状況の発生を前記制御パラメータ(好ましくは絶対値で考えられる)の所定の警告閾値、ここではそれぞれθ
steering wheel_threshold,C
driver_threshold,
、との比較によって検出するために、可能にする。
【0059】
更に、安全確保機能F2は、それによると警告状況の検出の場合に進路制御機能F1の抑制及び/又は無力化が強制される介入副機能F2−2を含む。
【0060】
実際には、図1に示されているように、管理モジュール10はこのために(第2)安全確保ブランチ20を含み得る。これは進路制御ブランチ11とは別個のものであり、そのASIL安全レベルは安全基準ISO-26262を考慮して前記進路制御ブランチのASIL安全レベルより高い分枝を形成する。前記安全確保ブランチ20は、ステアリングホイールの角位置θ
steering wheelの測定値若しくは推定値、運転者によってステアリングホイールに加えられる運転者トルクC
driverの測定値若しくは推定値、又はステアリングホイールの角回転速度
の測定値若しくは推定値のような、車両の挙動を表す(安全確保)制御パラメータθ
steering wheel,C
driver,
を入力において受け取る診断ユニット21を含む。それは、危険であると考えられる予め決められた警告状況を検出するために、前記制御パラメータを所定の警告閾値θ
steering wheel_threshold,C
driver_threshold又は
とそれぞれ比較し、好ましくはその接続ブランチを物質的に又は仮想的に開くことによって、調整設定値C
adjustが強制的に削減又はキャンセルさえされるように、警告状況を検出した場合にはトリガー信号を、後続ユニット13の出力をモータ設定値計算ユニット14の入力につなぐ接続ブランチに介在する介入ユニット22に、送信する。
【0061】
上に示されているように、進路制御機能F1,11と安全確保機能F2,20とを区別して分離することによって、有利なことにこれらの機能を並列にすることが可能になり、よって、各機能F1,F2の(通常の)自動的な過程が他方の機能F2,F1の過程から自律的かつ独立したものとなり得、ことによると他方の機能F2,F1の前記過程から非同期化され得る。
【0062】
特に、この分離によって、それ自体前記進路制御機能の実行速度を低下させる、進路制御機能F1内の確実な信号及び確実なアルゴリズムの統合をする必要がなくなる。
【0063】
よって、進路制御F1の自動的な実行を継続すると車両又はその乗員の安全を危険にさらす危険状況の検出の場合には、運転者及び手動による操縦(特に従来の支援機能)に対して優越性又は排他性を与えるために進路制御の効果を遮断する安全確保機能F2の存在によって保証される高い安全要件に適合しながら、低コスト、効率的、かつ受動的な進路制御F1を実行することが可能である。
【0064】
有利なことに、安全確保機能F2は、進路制御F1の通常の過程に対して速度を低下させることも妨害することも、前記進路制御が要件を満たしていると考えられる運転条件の下で実行されている限り、しないが、運転者によって制御不可能な状況において自動操縦が車両にかかわらないようにさせるために、ステアリング挙動を明確にするプロセスにおいて、より詳しくはモータ設定値C
mot決定プロセスにおいて、進路制御機能F1の寄与を一時的に停止することによって、都合のよいいかなる時においても、安全確保機能F2は働き得る。
【0065】
有利なことに、安全確保機能F2は、進路制御機能F1の外部にあり、このため、前記進路制御機能F1を、抑制することによって又は無力化することによって、前記進路制御機能F1の非同期の遮断を引き起こすことが可能である。
【0066】
介入副機能F2−2が進路制御機能F1の抑制を単に強いること、すなわち、例えば調整設定値C
adjustの(絶対)値を、キャンセルすることなく、強制的に減少させることによって、前記介入副機能が前記調整設定値C
adjustの効果の減衰を、完全に抑圧することなく、引き起こすということが、絶対的に、考えられる。
【0067】
それにもかかわらず、生産、反応性、及び有効性を簡単にするために、介入副機能F2−2は、それによると診断副機能F2−1によって警告状況(危険な状況)が検出される場合に進路制御機能F1が無力化される無力化副機能を、モータ設定値C
motの決定に(その決定へのいかなる参加にも)進路制御機能F1がいかなる影響も与えないようにするために、好ましくは構成する。
【0068】
実際には、よってトリガー信号が非アクティブ化信号を構成し得る。この信号は進路制御ブランチ11の切断を、調整設定値C
adjustの送信を遮ることによって後者を孤立させるために、制御する。
【0069】
このために、介入ユニット22は有利なことに、図1〜4に示されているように、トリガー信号によって動かされるスイッチ(「オン/オフ」)を含み得る、又はこのスイッチによって形成され得る。
【0070】
好ましくは、そのようなスイッチは、進路制御ブランチ11の物質的な切断を実行し得る。
【0071】
ことによると、モータ設定値計算ユニット14の入力において調整設定値C
adjustがないことは、前記調整設定値のキャンセルに等しくあり得る。この場合、介入ユニット22は、代替として、調整設定値C
adjustを強制的にゼロに設定することによって仮想的に切断を実行し得る。
【0072】
更に、切断は、その形にかかわらず、進路制御機能F1の終了をかならずしも引き起こさず、危険な状況がなくなって安全確保機能F2に前記進路制御機能F1の再接続を命じる場合に(すなわち、安全確保機能が自動操縦を有効に再開するように命じる場合に)直ちに動作可能な状態にできるように、進路制御機能F1はアクティブのままであり得、かつ、バックグラウンドタスクとして実行されリフレッシュされ続け得る。
【0073】
好ましくは、安全確保機能F2は、ASIL−B以上の、好ましくはASIL-C以上の、又はASIL-Dに等しくさえある安全レベルを有する。
【0074】
対応するブランチ20の安全確保をすることは、一方では既にパワーステアリングにおいて利用可能な、(既に)十分なASILレベル、すなわち安全確保機能F2が目標にするレベル以上のASILレベルを有する安全確保信号(制御パラメータ)を使用することによって、他方では前記安全確保機能F2を実行するため、特に診断副機能F2−1及び介入副機能F2−2のために、少なくとも目標とされるグローバルASILレベルにおいて安全確保されるアルゴリズムを使用することによって、容易に達成され得る。
【0075】
この点で、例えば、運転者トルクC
driverが安全度ASIL-Dで一般に利用可能であるということが注目される。運転者トルクC
driverはステアリングホイール1とステアリングコラム3との間に置かれたトーションバーの変形に反応する電磁センサによって有利なことに測定され得る。
【0076】
同様に、ステアリングホイールの角回転速度
は、安全レベルASIL-Dでアシストモータ2のシャフトの回転速度から評価され得、それは今度は前記アシストモータに統合された速度センサによって測定される。
【0077】
ステアリングホイールの角位置θ
steering wheelは、B以上、特にDに等しいASILレベルで、例えばアシストモータ2のシャフトの角位置の測定値から、又は間接的に、そのように安全確保された他の信号を含む計算から(前記信号及び前記計算は、求めようとされているステアリングホイールの位置のために保証されることが望まれるレベル以上のASILレベルのようなものを有する)、例えばステアリング機構に加えられ(典型的にはタイロッド又はラックに加えられた力の計算)、運転者トルクC
driverの安全確保信号(ASIL-D)及びアシストモータ2によって与えられるトルクの安全確保信号(ASIL-D)から推定され得る力の計算から、取得され得る。
【0078】
例示として、車両V
vehicの線速度は、必要であれば、安全レベルASIL B又はCで、更に一般的に得られ得る。
【0079】
安全確保ブランチ20で使用される処理アルゴリズムも、それらの複雑さにかかわらず、及びあてはまる場合には冗長性又は安全制御の存在のためにそれらの比較的遅い実行速度にもかかわらず、前記処理アルゴリズムの過程が進路制御機能F1に関してマスクされた時間で実行され、よって前記進路制御機能F1の性能を全く低下させない、ということを念頭において、目標とされるASILレベルにまで安全確保される。
【0080】
本方法のグローバル安全レベルは、有利なことに安全確保機能F2のレベルに等しく、要するに前記安全確保機能F2によって保証されるのであるが、よって非常に高いものであり得、特に要求の厳しい仕様に適合し得る。
【0081】
次に進路制御機能F1は、安全確保機能F2のレベルより低い、自由に選択されたいかなる安全レベルにも満足し得るが、例えばASIL-A安全レベル又はほとんど強制せず全く強制しなくさえあるQM(「QualityManagement:品質管理」)レベルすら有する。
【0082】
特に、これは、前記進路制御機能F1を、単純で安価で省スペースの部材、特にセンサによって、特にこれらの部材が所定のASILレベルに本質的に認証される必要なしに、実際に実装することを可能にする。
【0083】
有利なことに、本発明によって提案されるアーキテクチャによると、特に信頼性の高い安全確保機能F2と特に反応しやすい進路制御機能F1との組合せは、低コストで、本発明による管理方法を、高速度V
vehicの状況で、例えば車両が高速道路を移動するときに、運転支援機能を実装するのと両立させる。
【0084】
好ましくは、特に図2〜4に示されているように、診断副機能F2は、制御パラメータθ
steering wheel,C
driver,
の瞬時値を所定の警告閾値θ
steering wheel_threshold,C
driver_threshold,
と比較することを含む比較分析ステップ(F2−1a)と、警告閾値を横切る場合に、制御パラメータが前記警告閾値の上に保たれる保持期間t
alertを評価すること、及び前記保持期間t
alertが所定の期間閾値t
thresholdを横切る場合、すなわちt
alert≧t
thresholdであるときに、警告状況が生じたと判断することを含む検証ステップ(F2−1b)とを含む。
【0085】
言い換えると、進路制御機能F1の動作を無力化することをねらう介入機能F2−2は、危険であると考えられる警告状況が2つの条件、すなわち強度条件(制御パラメータの値によって特徴付けられる)及び期間条件を満たす場合にのみ、トリガーされる。
【0086】
保持期間t
alertの時間測定は、クロック又はカウンタ23のような、いかなる適切な手段によっても実行され得る。
【0087】
好ましくは、検証ステップ(F2−1b)は、インクリメンタルカウンタ23を使用し、その増加ステップは、図4に示されているように、好ましくはステアリングホイール1の回転速度
に応じて適応し得る。
【0088】
進路制御機能F1が車両のステアリング角、従って進路を、大きく修正する時間を、危険な状況の場合に与えないようにするために、そのような仕組みによると、安全確保機能F2が、ステアリングホイール1が速く回るときに前記ステアリングホイールがゆっくり回るときよりすばやく反応することができるようにすることが可能になる。
【0089】
具体的に、例えば進路制御機能F1が車両の車線の突然の変更を引き起こさないようにすることが、自動操縦によるこの好ましくない動作に対抗するために、反応してステアリングホイールの制御を取り戻す時間を運転者が有する前でさえ、よって可能である。
【0090】
もちろん、反応性の類似する意図のために、例えば車両の前後方向の速度のような、他のパラメータに従って、カウンタ23の増加ステップを適合させることは除外されていない。
【0091】
非限定的な例として、増加ステップは200ユニット/msに、カウント閾値は1000ユニットに、前記カウント閾値へ5ms(5ミリ秒)で到達するようにするために、すなわち、期間閾値t
threshold=5msであるようにするために、設定され得る。
【0092】
ステアリングホイール1の高い回転速度を考慮するために例えば増加ステップを1000ユニット/msにする場合には、同じカウント閾値へt
threshold=1msで到達し、それは介入副機能F2−2がトリガーされる期間閾値t
thresholdを低くするのに等しい。
【0093】
更に、適用可能な期間閾値t
thresholdは、使用された制御パラメータに依存し得る。
【0094】
実際に、使用された制御パラメータが運転者トルク(ステアリングホイールトルク)C
driverであるときには、期間閾値t
thresholdは、例示として、約20msであり得る。
【0095】
使用された制御パラメータがステアリングホイールの角回転速度
であるときには、期間閾値t
thresholdは、例示として、15msと500msとの間に含まれ得る(好ましくはステアリングホイールの回転速度が増加するなら期間閾値が減少するように、ステアリングホイールの回転速度の値に応じて調整され得る)。
【0096】
使用された制御パラメータがステアリングホイールの角位置θ
steering wheelであるときには、期間閾値t
thresholdは、例示として、約500msであり得る。
【0097】
好ましくは、それ自身において発明を構成し得る特徴によると(特に安全確保機能F2のASILレベルにかかわらず)、図3に示されているように、安全確保機能F2は、診断副機能F2−1及び介入副機能F2−2とは別個の運転者トルク永久制限副機能F2−3を含み、それは、運転者トルクC
driverを、これはステアリングホイール1において運転者によって効果的に感じられるのであるが、許容最大運転者トルク未満に永久に保つために、進路制御機能F1に適用される重み付け係数CPを動的に調整することによって、前記診断副機能及び前記介入副機能と並列に動作する。
【0098】
有利なことに、この制限副機能F2−3は、前記進路制御機能F1から導出される調整設定値C
adjust、すなわち、進路制御機能F1によって最終的に出力され、アシスト則によって考慮に入れられるようにモータ設定値計算ユニット14の入力において効果的に適用される設定値を、いかなる時点においても何が起こっても制限することによって、進路制御機能F1の起こり得る故障の程度に従って結果を、制限することを可能にする。
【0099】
言い換えると、制限副機能F2−3は、位置制御によってアシスト則及びモータトルク発生器に向けて出力されるリクエストを構成する制御信号に対して、重み付けをすることによって前記信号の大きさを制限し又は減少させることによって、作用する。
【0100】
より詳しくは、図3に示されているように、重み付け係数CPが、位置制御後続ユニット13から導き出される調整設定値C
adjust(ここでは前記図3における運転者トルク設定値C
driver_refによって形成される)に、それがアシスト則の実行のためにモータ設定値計算ユニット14の入力において適用される重み付けされた調整設定値C
weighted_adjust=CP×C
adjust(ここでより詳しくは、重み付けされた運転者トルク設定値CP×C
driver_ref)となるように、適用される。
【0101】
よって、進路制御機能F1が故障すると異常に高い調整設定値を生成する傾向がある場合においてさえ、制限副機能F2−3によると、要するに、運転者が受ける運転者トルクC
driverを、制限副機能F2−3によって適用される重み付け自体によって制限又は減じられる調整設定値C
adjust,C
weighted_adjustを適用した結果、前記運転者トルクが生じる程度にまで、制限することが可能になる。
【0102】
言い換えると、制限副機能F2−3によって提供される更なる安全のおかげで、進路制御機能F1は、運転者の安全にとって限界である考えられる許容最大閾値に達する又はこれを超える運転者トルクC
driverの発生を、それ自身によって、引き起こすことがない。
【0103】
よって、どのような状況であっても、進路制御機能F1がアシストモータ2の突然の暴走を引き起こす恐れがない。
【0104】
これは、前記進路制御機能F1の故障が、危険な状況の発生を引き起こす、又は危険な状況と同時に発生する場合には、特に当てはまる。そのような場合には、制限副機能F2−3は、運転者の最初の保護を直ちに確実に行う(適切な場合には、診断副機能F2−1及び介入副機能F2−2よりすばやく)ことが、特に、診断副機能F2−1が危険な状況を検出するために必要な、かつ、介入副機能F2−2が(ここでは故障している)進路制御機能F1に介入及びこれを無力化するために必要な期間において、可能である。
【0105】
それゆえ、有利なことに制限副機能F2−3は、前記制限副機能F2−3が運転者トルクC
driverのピークの発生を防ぐことに寄与し、よって適切な場合には、危険な状況に直面したときに前記危険な状況が完全に悪化するのを防ぐことによって(すなわち、それが、急速に制御不能になること及び/又は特に重大で取り返しがつかない結果を引き起こすことを、防止することによって)反応するための時間をより多く有することが、前記制限副機能F2−3によって可能になる程度に、安全確保機能F2を完全なものにする
運転者トルクC
driverがそのような強さに達しているときでさえ、一方ではステアリングホイールが、けが(捻挫のような)を引き起こす危険を持って運転者の腕を力ずくに激しく動かし得ないように、他方では車両の(手動による)制御を保つために、この運転者トルク及びアシストモータ2に対抗して、依然として運転者がステアリング操作を手動で行うことが可能でもあるように、許容最大トルクが予め決められる。
【0106】
例示として、許容最大運転者トルクの値は、2N.mと4N.mとの間、例えば3N.mのレベルで選択され得る。
【0107】
このために、例えば、図3に示されているように、値CP=1を第1の低閾値、ここでは2N.m、以下のいかなる運転者トルクC
driverの(測定)値にも関連付け、値CP=0を第1の低閾値より大きい第2の高閾値、ここでは4N.m、以上のいかなる運転者トルクC
driverの値にも関連付ける関数を、重み付け係数CPを調整する規則として使用することが可能である。この関数は、これらの2つの特徴的な動作点(CP=1,C
driver=2N.m)と(CP=0,C
driver=4N.m)との間で好ましくは直線的に減少しながら推移する。
【0108】
この例において、調整設定値C
adjustの暴走を引き起こす傾向がある故障の場合に、それはアシストモータ2の暴走(すなわち、前記アシストモータ2によって加えられるトルクの、したがってこのモータトルクを運転者に対抗して加えることによって誘引される運転者トルクの、望まれない非常に速く大きな増加)という結果になるのだが、制限副機能F2−3によって行われる、重み付け係数の調整規則の適用は、重み付けされた調整設定値C
weighted_adjustという結果となり、したがって、適切な場合には、この設定値によって操縦されるアシストモータ2は、運転者トルクC
driverが第2の高閾値4N.mに達したときに前記調整設定値(ことによると、したがっていくつかの場合には、アシストモータ)が重み付けされて置かれるオフ状態(CP=0)と、直前のオフ状態が運転者トルクC
driverを第1の低閾値2N.mより下に低下させるとすぐに前記調整設定値(ことによると、したがっていくつかの場合には、アシストモータ)が戻るオン状態(CP>0、特にCP=1)との間で振動し得る、ということが注目される。
【0109】
実際には、調整設定値C
adjust(ことによると、アシスト則に従ってアシストモータ2自身)が、このようにして、2つの前述の動作点、すなわち、一方では(重み付けされた)調整設定値がアクティブであり、モータがアクティブである(C
driver=2N.mであるのでCP=1、したがってC
weighted_adjust=C
adjust)である第1動作点と、他方では(重み付けされた)調整設定値が重み付けによって減少し、より詳しくは阻止さえされ、ことによるとモータが非アクティブである(C
driver=4N.mであるのでCP=0、したがってC
weighted_adjust=0)である第2動作点との交代に対応する連続するイグニッションのオフとオン(高い頻度での)の循環を行う場合には、(重み付けされた)調整設定値の暴走、したがって、この調整設定値の適用の結果生じるアシストモータ2の起こり得る暴走が、有利なことに、高閾値と低閾値との平均に対応する「ピボット」値、すなわち、3N.m(=1/2×(2N.m+4N.m))の付近に抑えられる。
【0110】
有利なことに、制限副機能F2−3は、故障の触覚による知覚を可能にするので、警告する役割も果たすということが注目される。運転者が、手に保持しているステアリングホイール1を通して運転者トルクC
driver、したがってステアリングの比較的(異常に)高い抵抗を、前記運転者トルクが許容最大危険閾値(前述の例では4N.m)を超える可能性なしに、感じるからである。
【0111】
好ましいあり得る実施によると、安全確保機能F2は、図4に示されているように、適応フィルタリング副機能F2−4を有し、それによると、ローパスフィルタ24が、アクティブにされ、かつ、制御パラメータθ
steering wheel,C
driver、図4の場合には
に、それらのノイズを低減するために、警告閾値の周辺に予め決定された「危険範囲」CRと呼ばれる値の範囲に前記制御パラメータθ
steering wheel,C
driver,
がある時に、適用される。対照的に、前記ローパスフィルタ24は、制御パラメータが前記危険範囲CRの外、特にこれを超えているときに、非アクティブにされる。
【0112】
実際に、本発明者は、制御パラメータθ
steering wheel,C
driver,
が警告閾値θ
steering wheel_threshold,C
driver_threshold,
の近辺(特に低い方の近辺)にあるときに、制御パラメータに影響を与えるノイズが、前記警告閾値を横切ることを引き起こし得ること、したがって比較分析(F2−1a)を誤らせ、それが危険な状況の発生を誤って診断することにつながり、よって進路制御機能F1を不適切に妨げ得る、ということに気付いた。
【0113】
このため、そのような状況において、診断副機能F2−1の擬陽性への感度を低下させるためにノイズを取り除くこと、したがって安全確保機能F2の精度を優先させることが、有用である。
【0114】
対照的に、本発明者は、ノイズを除去することを意図する、ローパスフィルタをかけることを実行すると、診断ユニット21の入力において(フィルタ処理された)制御パラメータの供給が遅れ、したがって診断副機能F2−1の実行、より一般的には安全確保機能F2の実行を遅くするということにも、気付いた。
【0115】
そのような速度低下(典型的には安全確保機能の応答時間を100msにする)は、ステアリングの操作が比較的ゆっくり行われる限り、容認されるが、ステアリングホイール1の回転速度が高い(典型的には20度/sより高い)ときには、すなわち、進路の大きな修正を避けるため、特に車線の予期しない変更又は道路からの逸脱を避けるために、状況がすばやい介入(典型的には5ms程度の応答時間で)を必要とするときには、車両及びその乗員の安全に不利になり得る。
【0116】
このため、安全確保機能F2の全体的な反応性に影響を与えないようにするために、制御パラメータに絶えずフィルタをかけないこと(より詳しくは図4の例において、ステアリングホイールの回転速度
に、絶えずフィルタをかけることをしない)、ローパスフィルタ24を選択的にアクティブにすることによって、したがって、本当の警告状況を単なる擬陽性から区別するために本当に必要なときにのみ、精度をよくすることによって、また、他の全ての場合において、特に、何よりも反応性が選ばれるべきである、ステアリングホイールがすばやく回転する状況において、前記フィルタ24を非アクティブにすることによって、フィルタリングを適用することを、本発明は提案する。
【0117】
このために、例えば、危険範囲CRの上限値CR
supを、制御パラメータの信号に影響を与えるノイズの予測可能な(又は経験的に観測される)値BRだけ増加した警告閾値θ
steering wheel_threshold,C
driver_threshold,
に等しい(又はより高い)ものとして設定することが可能であり、すなわち、図4の例においては、CR
sup=
+BRである。
【0118】
確かに、ステアリングホイール速度の測定値がこの上限値CR
supを超えていれば、測定値に影響を与えるノイズのレベルがどのようなものであっても、実際のステアリングホイール速度が警告閾値
を実際に超えることが確実である。
【0119】
反対に、危険範囲CRの下限値CR
infを、それより下であればフィルタリングが役に立たないと考えられる値に設定することが、制御パラメータの(雑音の入る)測定値が何であっても、ここではステアリングホイール速度の(雑音の入る)測定値が何であっても、可能である。前記測定値が、絶対的な点において又は考慮される時点における前記値の変遷を考慮して、警告閾値θ
steering wheel_threshold,C
driver_threshold,
より低く、前記制御パラメータの実際の値(ここではステアリングホイール速度の実際の値)のための警告閾値に関して、前記警告閾値に達するには低いからである。
【0120】
このために、前記下限値CR
infは、特に警告閾値に対応し得る。すなわち、CR
inf=θ
steering wheel_threshold,C
driver_threshold,
である。
【0121】
図4の例では、CR=[CR
inf;CR
sup]=[
;
+BR]とすることが、よって可能である。
【0122】
いずれの場合においても、不安定であることを避けるために、適応フィルタリングをアクティブ化と非アクティブ化との間で切り替えることは、ヒステリシススイッチによって実行され得る。
【0123】
制御パラメータ(ここではステアリングホイール速度)が、絶対値で考えて前記切り替え値を超えるとき、すなわち、制御パラメータが上限値CR
supより高くなるときに、フィルタリングの非アクティブ化を引き起こすように、このヒステリシススイッチは、上方の切り替え値として、図5に示されているように、危険範囲CRの上限値CR
supを用い得る。
【0124】
制御パラメータ(ここではステアリングホイール速度)が、絶対値で考えて前記下限値CR
infより下に戻るときに、フィルタリングの(再)アクティブ化を引き起こすように、前記スイッチは、下方の切り替え値として、危険範囲CRの下限値CR
infを用い得る。
【0125】
例示として、特に図4に示された例において、警告閾値
は、20度/sに設定され得る。
【0126】
ステアリングホイール1の回転速度
の測定値信号に影響を与えるノイズBRは、この信号を±2度/sから±3度/s変動させる恐れがあるので、フィルタリングがなければ、17度/sの実際のステアリングホイールの回転速度において、例えば擬陽性が発生し得る(ノイズが前記測定値を増加させることによって測定値をゆがめる場合、すなわち、実際の17度/s+ノイズによる3度/s=測定される20度/s、よって警告閾値に相当する)。
【0127】
同様に、実際のステアリングホイール速度が、例えば22度/s又はほぼ23度/sであっても、ノイズによって小さくなる場合には(実際の22度/s−ノイズによる3度/s=測定される19度/s<警告閾値)、警告閾値を横切ることが、検出されないかも知れない。
【0128】
この例において、ステアリングホイールの回転速度
が上限値CR
sup=23度/s(=警告閾値に相当する20度/s+生のノイズに相当する3度/s)以下のままである限り、すなわち、生のノイズが擬陽性を引き起こす、又は反対に本当の危険な状況を隠す恐れがある限り、フィルタリングをアクティブにする(かつ前記フィルタリングをアクティブに保つ)ことを選ぶことが、よって可能である。
【0129】
反対に、それを超えると、ノイズが存在していても、実際のステアリングホイール速度が必ず警告閾値に達した又はこれを超えたことを確信する(それゆえ高精度を求めても意味がなく、したがってフィルタリングに頼ることに意味がない)この上限値(上方の切り替え値)CR
sup=23度/s(又は他のわずかに高い値、例えば25度/s)を超えるときには、前記フィルタリングを非アクティブにすることが可能である。
【0130】
例示として(ステアリングホイール速度の制御パラメータとしての使用、及びしたがってフィルタリングを受けるものとしてのステアリングホイール速度にまだ関連して)、フィルタリングによってノイズを1度/sより下に減衰させることが可能になり得、それによって診断の精度を±1度/sにする。
【0131】
有利なことに、適応フィルタリング副機能F2−4の実行によって、安全確保機能F2の信頼性と反応性とを組み合わせることが可能になる。
【0132】
更に、好ましくは、特に図2,3及び4に示されているように、
安全確保機能F2の警告閾値θ
steering wheel_threshold,C
driver_threshold,
は、車両の(前後方向の)線速度V
vehicに従って調整される。
【0133】
よって、本発明の安全確保条件、特に介入F2−2のトリガー条件を、車両の速度に適合させることが有利なことに可能であり、その結果、車両の速度V
vehicが高いほど、反応するために利用可能な時間(特に運転者が反応するために残された時間)がより減少し、故障の(特に車線変更又は道路からの逸脱の)結果がより深刻なものとなり得る。
【0134】
実際には、車両の速度V
vehicが増加する及び/又は所定の速度閾値を超えるときに、早期の診断及び安全確保機能F2のすばやい介入を促進するために、警告閾値θ
steering wheel_threshold,C
driver_threshold,
を低くすること、又は反対に、車両の速度V
vehicが減少する及び/又は前記所定の速度閾値より下に留まるときに警告閾値を増加させることが、したがって可能である。
【0135】
図2〜4に示されているように、警告閾値の自動修正が、警告閾値調整ユニット25によって実行され、それは、考慮される時点において適用可能な警告閾値θ
steering wheel_threshold,C
driver_threshold,
を設定することによって診断ユニット21のパラメータを設定するために、前記診断ユニットの入力に配置される。
【0136】
好ましいあり得る実装によると、それ自身が発明を構成し得るのであるが、特に図4に示されているように、安全確保機能F2の警告閾値θ
steering wheel_threshold,C
driver_threshold,
は、運転者によってステアリングホイール1に加えられる運転者トルクC
driverに従って調整される。
【0137】
実際には、高い運転者トルクC
driverの存在は、ステアリングホイール1が運転者によって保持されていることをまさに示しており、これに対して、ステアリングホイール1が、手から離されており、運転者の手の動きによってその変位が乱されることなくアシストモータ2の動きに従って自由に動き得る場合には、運転者トルクC
driverは必然的に低く、実質的にゼロにさえ、保たれる。
【0138】
しかし、ステアリングホイールが保持されている状況においては、運転者は、ステアリングホイールが手から離されている状況に比べて、より用心深く、すばやく反応することがより可能になる。
【0139】
それゆえに、危険な状況の検出の感度を高め、したがって運転者があまり用心深くない状態において安全確保機能F2の介入を促進するために、ステアリングホイールが手から離されている場合に、警告閾値θ
steering wheel_threshold,C
driver_threshold,
を低下させることが可能であり、その結果、安全確保機能F2は運転者の用心の前記欠如を克服することができる。
【0140】
反対に、ステアリングホイール1が保持されているとき(保持されている限り)、すなわち、運転者トルクが所定の閾値より大きい限り、警告閾値θ
steering wheel_threshold,C
driver_threshold,
の増加を許容することが可能である。
【0141】
実際、運転者が用心深くステアリングホイールを保持している限り、警告閾値を増加させることによって安全確保機能F2の感度がわずかに低下することは、前記運転者を、その車両の制御を喪失するというリスク、又は危険な状況の結果を悪化させるというリスクの増加にさらすことにはならない。前記運転者は、ステアリングの手動での操作を取り戻すことによって、いかなるときにおいても有効に反応することができるからである。
【0142】
これに反して、ステアリングホイールが保持されている状況における警告閾値の増加は、ステアリングホイールが保持された状況において(安全確保機能F2はより「寛大」である)ステアリングホイールが手から離されている状況ほど厳しくない基準に従って、活用のためにのみ安全確保機能F2の介入をトリガーすることによって、本発明による方法の動作を最適化することができる。よって、特に前記安全確保機能F2に介入させることを避け、操作が運転者によって意図的に開始され支配される。
【0143】
図4の例において、運転者がステアリングホイール1をしっかりと保持しているときに安全確保機能F2を無駄にトリガーしないように、ステアリングホイール速度警告閾値
は、運転者トルクC
driverが大きい(所定の閾値より大きい)ときに引き上げられる。
【0144】
よって、必要な場合には、運転者は、例えば障害物を避けるために、安全確保機能F2の介入をトリガーすることなしに、すばやくしかし自発的なステアリング操作に移ることができる。
【0145】
反対に、ステアリングホイールが手から離されている状況においてステアリングホイールのすばやい回転が検出されるときに、安全確保機能F2が進路制御機能F1を無力化するためにすばやく介入することを可能にするために、この同じステアリングホイール速度警告閾値
は、運転者トルクC
driverが小さい(所定の閾値より小さい)ときに低下させられる。
【0146】
有利なことに、ステアリングホイールが手から離されている状況における安全確保機能F2の早期の介入は、ステアリングが望まれない大きな動きを自動的に行い、車両の危険な移動、例えば前記車両の車線からの逸脱を引き起こす前に、ステアリングホイール1の「猛烈で急な動き」を止めさせ、反応をしステアリングホイール1の制御を取り戻すための時間を運転者に残す。
【0147】
ステアリングホイールが保持されている又は手から離されている状態の検出又は利用(及び/又は保持されている状態と手から離されている状態との間の遷移又は逆の場合の管理)を含む、パワーステアリングのいかなる管理方法にも適切な場合には適用可能な、それ自身が発明を構成し得る、好ましい可能な実装によると、安全確保機能F2は、特に図4に示されているように、ステアリングホイールが保持された状態を仮想的に延長することが意図される延長副機能F2−5を含む。
【0148】
この延長副機能F2−5は、運転者トルクC
driverの絶対値での増加が認識されるときにアクティブにされ、この延長副機能F2−5は、運転者トルクC
driverの絶対値での減少が認識されるときに非アクティブにされる。
【0149】
この延長副機能F2−5によると、前記延長副機能F2−5がアクティブ状態にあるとき、安全確保機能F2の警告閾値θ
steering wheel_threshold,C
driver_threshold,
を調整するための運転者トルクC
driverの測定値を考慮に入れて、前記警告閾値θ
steeringwheel_threshold,C
driver_threshold,
の修正、より詳しくは減少を、ステアリングホイールが手から離された後、所定の延長期間だけ、遅らせる。
【0150】
実際、本発明者は、運転者がステアリングホイール1から手を離すとすぐに、制御パラメータのピーク、より詳しくはステアリングホイールの回転速度
のピークが生じることに気付いた。例えば、運転者が手動で動作をすることによって車両を基準進路から引き離し、その結果、ステアリングホイール1から手が離されるとすぐに車両を前記進路に戻すために進路制御機能F1が自動的にすばやくステアリングホイール1を再び動かすからである。
【0151】
その結果、ステアリングホイールから手が離される瞬間から、ステアリングホイールから手が離された状況に我々がいるということを直ちに考えるなら、及び、その結果上述のように安全確保機能F2の警告閾値を低くするなら、すなわちより詳しくは、図4の例において、運転者トルクC
driverが小さな値に低下するのでステアリングホイール回転速度の警告閾値
が低下させられるなら、制御パラメータのピーク、より詳しくは前記例におけるステアリングホイール速度
のピークが、通常の危険のない状況に対応しているのだが(特に運転者がまだ手をステアリングホイールの近傍に置いており、したがって必要があれば前記ステアリングホイールをすばやく握ることができるので)、警告状況として誤って解釈され得、よって安全確保機能F2の介入を無駄にトリガーし得る。
【0152】
それゆえ、本発明は有利なことに、前記信号の収集及び/又は処理において遅延を導入し、したがってステアリングホイール1から手が離された後の短い時間にわたって(すなわち、前述の延長期間の間)、「ステアリングホイールが保持されている」状態であるとの擬制を持続するために、運転者トルクC
driverの信号をステアリングホイール1から手が離されたときにフィルタリングすることを提案する。
【0153】
この例において、これはよって、制御パラメータの通常の一時的なピークを、前記ピークはステアリングホイールから手を離したことの通常の結果であるのだが、安全確保機能F2の介入をトリガーすることなく通過させることを可能にするように、そのような「ステアリングホイールが保持された」状態に対応する、高い警告閾値θ
steering wheel_threshold,C
driver_threshold,
を一時的に維持することを可能にする。
【0154】
言い換えると、延長副機能F2−5は、ステアリングホイールが保持された状況において適用可能な前記警告閾値の(高い)値から、ステアリングホイールから手が離された状況において適用可能な(低い、前記高い値より低い)値へ、警告閾値を切り替える切り替え動作を、ステアリングホイール1から手を離すとき(から始めて)、所定の延長期間(遅延)だけ延期することを可能にする。
【0155】
特に、延長期間(遅延)は、車両が運転者の動作の下で基準進路から逸脱した程度に依存し、したがって前記参照進路に戻るのに必要な時間(典型的には、車線に戻るのに必要な時間)に依存する。
【0156】
例示として、前記延長期間は、実質的に50msと1sとの間、特に50msと250msとの間に含まれ得る。
【0157】
特に、この遅延は、ローパスフィルタ又はいかなる等価な遅延させる(タイマー)システムによっても、引き起こされ得る。
【0158】
反対に、ステアリングホイールの制御を取り戻すときには、状況の変化が直ちに考慮に入れられるべきであり、特に警告閾値の増加(すなわち、前記警告閾値の、その高い値への復帰)は、安全確保機能F2の設定の更新を遅延させないように、したがって前記安全確保機能F2のいかなる無駄なトリガリングをも避けるように、直ちに可能にされるべきである。
【0159】
図4の例では、それは、運転者によって自発的に関与されるすばやい手動によるステアリング操作(したがって高いステアリングホイール速度
において)の効果の下で、安全確保機能F2をトリガーしないように、ステアリングホイール速度警告閾値
をほとんど瞬時にその高い値に戻させることにその本質がある。
【0160】
言い換えると、延長副機能F2−5は、運転者が前記ステアリングホイール1を再び握るときではなく、運転者がステアリングホイール1から手を離すときに、運転者トルクC
driverにフィルタをかけるように、よって設計される。
【0161】
実際には、この延長機能F2−5は、ヒステリシススイッチのような、選択的遅延フィルタリングユニット26によって実装され、それは、前記スイッチが、運転者トルクC
driverが(絶対値で)減少フェーズにある(ステアリングホイールから手が離れることを示している)ことがわかる場合に、遅延フィルタリングをアクティブ状態に設定(かつ保持)し、反対に、前記スイッチが、運転者トルクが増加フェーズにある(ステアリングホイールを保持している又は再び握っていることを示している)ことがわかる場合に、遅延フィルタリングを非アクティブにする。
【0162】
図2〜4の実施形態及びそれらの動作のより詳しい説明が、上で説明された特徴のいくつかのあり得るかつ好ましい組み合わせをよりよく説明するために、これから提供される。
【0163】
最初の例は、図2に示されており、それにおいて危険が車両の大きすぎる横方向の力学(大きすぎる横方向の加速度又はヨー速度)に、典型的には0.3G以上の横方向の加速度(重力加速度の0.3倍)に、関連付けられ得る安全確保応用に、典型的に対応する。
【0164】
実際、例えば、高速道路上のレーンキーピングタイプの進路制御機能F1は、まっすぐ又はほとんどカーブしていない進路に従って高い線速度V
vehicにある車両を操縦することが意図されており、その結果、かなりの大きさの横方向の加速度(例えばそれは突然のかつ大きなステアリング操作に対応し得る)が車両の挙動の例外を示し、それは前記進路制御機能とは両立しない。
【0165】
角加速度(又はヨー速度)が比較的低い間に介入することが好ましいということも理解される。なぜなら車両は、高い角加速度又は高いヨー速度の状況(例えばスリップ又は急ハンドルの典型である)よりむしろ、(まだ)横方向の力学が小さい状況にあるときにより容易に制御可能であるからである。
【0166】
有利なことに、そしてそれ自身が発明を構成し得る特徴によると、ステアリングホイールの角位置θ
steering wheelを車両の横方向の力学を代表する制御パラメータとして用いることが可能である。
【0167】
実際、横方向の加速度とステアリングホイールの位置との間には、Jeantaud-Ackermann関係と呼ばれる関係が存在する。すなわち、
θ
steeringwheel=K
Jeantaud・(L・γ
lateral/V
vehic2)
ここで、
・θ
steeringwheelはステアリングホイール角
・K
Jeantaudはホイール角とステアリングホイール角との間の変換ゲイン
・Lは車両のホイールベース
・γ
lateralは横方向の加速度
・V
vehicは車両の線速度
である。
【0168】
更に、ステアリングホイールの位置θ
steering wheelを直接代表する信号を(前記信号を同じ性質の警告閾値と比較することによって)取得し処理することは、前記(測定された)ステアリングホイール位置安全確保信号から横方向の加速度をリアルタイムで計算し、この計算された横方向の加速度を横方向加速度警告閾値と比較することが可能な安全確保アルゴリズム(安全確保機能F2に必要とされるレベルに従って、同じASILレベルを有する)を与えるより簡単で速い。
【0169】
これが、ステアリングホイール位置θ
steering wheelを制御パラメータとして(直接)使用することによって、また警告閾値θ
steering wheel_thresholdを横方向の加速度γ
lateralのために設定された警告閾値(典型的には0.3G)から等価なステアリングホイール位置の形で(Jeantaud-Ackermann関係の意味において、それは変換を行うことを許す)求めることによって、安全確保機能F2が好ましくは実行される理由である。
【0170】
この点において、Jeantaud-Ackermann公式は車両の線速度を有利なことに考慮に入れるので、前記公式は警告閾値調整ユニット25が車両の線速度V
vehicに応じた警告閾値θ
steeringwheel_thresholdの適応に本質的に進むということが注目される。
【0171】
更に、この警告閾値θ
steering wheel_thresholdは、ステアリングホイール位置と同種のものであるが、診断副機能F2−1、より詳しくは、考慮される時点において測定される実行ステアリング位置θ
steering wheelのこの警告閾値θ
steeringwheel_thresholdとの直接比較を行うステップ(F2−1a)を実行するために使用される。
【0172】
警告閾値が上回り、したがって危険な状況が検出される場合には、カウンタ23は累進的に増加する。
【0173】
前記カウンタ23が所定の期間閾値t
thresholdを超過し、これによって危険な警告状態の存在を確信する(実証する)場合には、非アクティブ化信号が、進路制御機能がモータ設定値計算ユニット14に向けて出力する調整設定値C
adjustを遮ることによって進路制御機能F1を無力化する介入ユニット22に送られる。
【0174】
言い換えると、進路制御機能F1は、安全確保機能F2によって保護されており、したがって危険な状況の場合には接続を切られる。
【0175】
自動調整設定値C
adjustが与えられない(切断によってキャンセルされる)ので、モータ設定値計算ユニット14は、モータ設定値C
motをアシストモータ2の動き(したがってアシスト)がステアリングホイール1の手動による操作に従うように適合させ、それはパワーステアリングの手動による操作の制御を運転者に戻すのに等しい(一時的に、警告状況が持続する限り)。
【0176】
この点において、好ましい変形例において、アシスト則が運転者トルクによって制御を実行するように設計される、すなわち、運転者トルクC
driverが、それは運転者によって効果的に加えられ感じられるのであるが、車両の動的な状況及びステアリングホイールの実効的な角位置(考慮される時点における)を考慮して通常感じられる理論的な運転者トルクに対応するように、アシストモータ2を駆動するように設計される、ということが注目される。
【0177】
例として、進路制御機能F1から来るいかなる調整設定値C
adjustもなく、車両が直線を進む場合には、ステアリングホイールが中央位置にあるならば、感じられる運転者トルクC
driverは実質的にゼロである。
【0178】
反対に、車両が旋回をしており、ステアリングホイールが、実質的にコーナーを曲がっている状況に対応する中央ではない(非ゼロの)角位置に合わせられているならば、感じられる運転者トルクC
driverはゼロではなく、旋回時のステアードホイールの「通常の」ステアリング力(典型的には3N.m〜5N.m)に対応する(旋回状況に関与し、それを保持するため)。これらの条件下で、アシストモータ2は前記運転者トルクの範囲が前記非ゼロの「通常の」ステアリング力になるように動く傾向にある。
【0179】
第2図3に示されているが、「ステアリングホイールが保持されている」実際の状況の安全確保に典型的に対応し、その状況において、運転者はステアリングホイール1を保持し、危険が高すぎるモータ設定値C
motによって引き起こされる過大な運転者トルクC
driverに起因し得る。それは運転者の腕を運転者の意思に反して動かし、運転者にステアリングホイールから手を離させ又は運転者に傷害(手首の捻挫のような)を引き起こす恐れがある。
【0180】
第1の例とは対照的に、制御パラメータとして働き、診断F2−1の間にトルク警告閾値C
driver_thresholdと比較されるのは、上述の理由で、運転者トルクC
driverである。
【0181】
それにもかかわらず、第1の例の要素に類似する要素がこの第2の例にはあり、それは同じ原理に従った方法に沿うことを可能にする。すなわち、車両の線速度V
vehicに応じた運転者トルク警告閾値C
driver_thresholdを調整する警告閾値調整ユニット25、実効運転者トルクC
driverの瞬時値の運転者トルク警告閾値C
driver_thresholdとの比較を行う診断ユニット21、及び警告状況の存在を検証するために警告閾値の横切りの保持期間t
alertを計ることが意図されるインクリメンタルカウンタ23である。
【0182】
この第2の例においては、制限副機能F2−3が安全確保機能F2に加えられており、前記制限副機能によると、上述のように、要するに重み付け(0%〜100%の間、すなわち、0と1との間に含まれる重み付け係数)を安全確保するための信号に適用すること、すなわち、この場合、調整設定値C
adjustの、したがって運転者が実効的に被る運転者トルクC
driverの、暴走を避けるために、重み付けを運転者トルク設定値C
driver_refに適用することが可能になる(より詳しくはアシストモータ2の暴走)。
【0183】
図4に示される第3典型的には「ステアリングホイールから手が離された」実際の状況の安全確保に対応し、この状況では運転者は、ステアリングホイールから手を離し、車両の挙動を制御することを考慮して間に合うようにステアリングホイール1の制御を運転者が取り戻すことを可能にするには速すぎるようなステアリングホイールの回転速度
に危険が関連付けられる。
【0184】
したがって安全確保機能F2の目的は、危険な状況の場合には、(手が離された)ステアリングホイールが十分に遅い速度で動くことによって、運転者が反応し、よってステアリングホイールの制御を取り戻し、その結果、手動で車両の挙動を修正することができる時間を残すようにする。
【0185】
この例で用いられる制御パラメータは、ステアリングホイールの回転速度
であり、これは、アシストモータ2の「レゾルバ」センサから、又は任意の他の同等のセンサから計算され得る。
【0186】
再びここでは、第1及び第2の例のそれらと類似の要素が以前と同じ目的で見出され、これら要素は、同じ原理に従った方法の過程を可能にする。すなわち、車両の線速度V
vehicに応じてステアリングホイール速度警告閾値
を調整する警告閾値調整ユニット25、ステアリングホイールの回転速度
の瞬時値と、ステアリングホイール速度警告閾値
との比較を実行する診断ユニット21、及び警告状況の存在を検証するために警告閾値の横切りの保持期間t
alertを計ることが意図されるインクリメンタルカウンタ23である。
【0187】
この第3の例は、警告閾値も、この場合はステアリングホイール速度警告閾値
も、運転者トルクC
driverに依存して調整される。
【0188】
実際、高速において、かつステアリングホイールから手が離された状況において、進路制御機能を保持することは、低い警告閾値を課し、これは急速で、よって制御不能な大きな進路逸脱の発生を防ぐために、反応性を好む。
【0189】
逆に、ステアリングホイールが保持されている状況においては、運転者は、自身の手動のステアリング操作を通して、この低い警告閾値よりも大きいステアリングホイール角速度を生じ得るが、これらの操作が本当に危険になることはない。よって、ステアリングホイールが保持されている状況においては、ステアリングホイール速度警告閾値
は、高い(より高い)値に引き上げられるべきであり、それによって低い警告閾値による保護は、結局はステアリングホイールから手が離された状況にだけしか適用されない。
【0190】
さらに第3フィルタリングされた運転者トルクを警告閾値調整ユニット25に適用する前に、測定された運転者トルクC
driverを選択的にフィルタリングすることによって、ステアリングホイールから手が離された状況及びステアリングホイールが保持されている状況の間の遷移を有効に管理することを可能にする延長副機能F2−5を含む。
【0191】
上で詳述されたように、この選択的な遅延フィルタリングは、ステアリングホイールから手が離されている時に、警告閾値
のその警告閾値の低い値への切替が早すぎないようにするために(よってステアリングホイールが保持されている状況/ステアリングホイールから手が離された状況の遷移の間において、安全確保機能F2によって確実にされるモニタリング動作が敏感過ぎることを避けるために)、ステアリングホイールが保持されている状況を仮想的に延長することを可能にするとともに、逆に、運転者がステアリングホイールの制御を取り戻す時には、ステアリングホイールが保持されている状況における安全確保機能の反応性を抑制しないために、警告閾値
をその高い値に即時に切替を行うことを可能にする。
【0192】
実際には、したがって警告閾値調整ユニット25は、図4に示されるように、車両の速度、及びフィルタリングされた運転者トルクに依存してステアリングホイール速度警告閾値
を調整することを可能にする。
【0193】
さらにこの第3カウンタ23によって用いられ、ミリ秒当たりの単位で表現される増加ステップを、ステアリングホイールの回転速度
に依存して適応させることを可能にし、より具体的には、ステアリングホイールの回転速度とともに前記増加ステップを増加させる(場合によってはそれに比例して増加させる)ことによって反応性を得ることを可能にし、より具体的には、高速においてステアリングホイールが自由に回転する時には、低速においてステアリングホイールが自由に回転する時よりも、より急速である安全確保機能F2の検出及び介入を可能にし、これは、誤った進路制御を急速に無力化することによって、誤った進路制御が重大な結果を招く前に、運転者がステアリングホイールの制御を取り戻すためのより多くの時間を残すことを可能にする、ユニット27を追加する。
【0194】
最後にこの第3の例は、制御パラメータの測定が警告閾値の近傍にある時に、かつ、したがって、この方法の安全性を損なうことなく診断エラーを避けるためには測定の正確さを改善することが重要である時に、制御パラメータの測定を少なくとも部分的にそのバックグラウンドノイズから解放することによって、制御パラメータ、ここではステアリングホイールの回転速度
、の測定の正確さを改善するよう意図される適応フィルタリング副機能F2−4を追加する。
【0195】
有利には、この同じ適応フィルタリング副機能F2−4は、制御パラメータ(ステアリングホイール速度)が警告閾値
よりもずっと大きい値を有する時に、安全確保機能F2の実行を遅延させないように、フィルタリングを自動的に抑制し、よってすなわち、一方で、警告閾値の横切りが明らかであり、よって安全で決定的な診断を得るためには、測定の正確さのいかなる保証も要求されず、他方で、ステアリングホイールの回転速度
の程度によっては、危険な状況を大幅に悪化させることを防ぐために、安全確保機能の反応性(よってフィルタリングを非アクティブにすること)を優先させることを意味する。
【0196】
最後に、ノイズフィルタリングユニット24(状況に依存してアクティブにされることも非アクティブにされることもあるが)から導かれる「フィルタリングされたステアリングホイール速度信号」と呼ばれるステアリングホイール速度信号は、一方では、警告閾値
の横切りの検出のために診断ユニット21の入力で用いられ、他方では、ここでは、増加ステップ適応ユニット27の入力で用いられ、このユニット27は、パフォーマンス(高いステアリングホイール速度の状況における反応性)及び正確さ(ステアリングホイール回転速度がより低い時、及びより高い確実性で危険な状況を診断するのにより多くの時間を利用できる時)の間の選択の最適化を可能にする。
【0197】
もちろん、本発明は、パワーステアリングを管理し、本発明による方法の実行を可能にするモジュール10、より具体的には上で記載したような管理モジュール10
【0198】
前記管理モジュール10は、より具体的には、前記管理モジュール10の、診断21、介入22、増加カウンティング(タイミング)23、ノイズ適応フィルタリング24、警告閾値調整25、選択的遅延フィルタリング26、又は増加ステップ適応27のユニット群のうちの全部又は一部のそれぞれは、電子回路、電子基板、計算機(コンピュータ)、プログラマブルロジックコントローラ、又は任意の他の同等な装置によって実現され得る。
【0199】
前記モジュール又はユニットのそれぞれは、その電子的構成要素の結線によって定義される物理的な制御構造、及び/又はコンピュータプログラミングによって定義される仮想的な制御構造を有し得る。
【0200】
さらにもちろん本発明は、上述の管理モジュールによって主導され、よって本発明による方法の全部又は一部を実行することができるパワーステアリング機構を備えるパワーステアリングシステムにも関する。
【0201】
本発明は、自動車、特にそのようなパワーステアリングシステムを備える、おそらくは駆動輪が操舵されるものにも関する。
【0202】
最後に本発明は、コンピュータによって読み取り可能で、コンピュータによって媒体が読まれるときに、上で記載された特徴のうちの任意の一つによる方法の実行を確実にするコンピュータプログラムコード要素を含むデータ媒体
【0203】
もちろん、本発明は、上に記載された変化物だけに限定されるものではなく、当業者であれば、前述の特徴のうちの任意の一つを自由に取り出し又は組み合わせ、又はそれらを等価物と置換することができる。
【0204】
具体的には、例えば「車線維持」アシスト及び/又はアクティブな「都市部での駐車」アシストを含む、いくつかの別個の駆動アシスト機能(進路制御機能)の実行が考えられ、それぞれは、本発明による安全確保機能(図1でその原則が示される)によって制御され得て、又は全ては、同じ共通の安全確保機能によって制御され得る。