(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩。
結晶性固体形態である、請求項1に記載の2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩。
約5.5、7.4、9.1、10.0、10.4、13.3、13.6、14.9、18.7、20.4、20.9、22.8及び23.1°(±0.1°)からなる群から選択される、角度2θで表される少なくとも3種の回折角を含む粉末X線回折パターンを特徴とする、請求項2に記載の結晶性固体形態。
約169.6、167.5、165.6、160.1、159.4、157.1、155.9、154.3、152.4、146.9、145.8、140.0、137.9、135.9、133.4、132.0、130.6、129.9、128.3、127.1、125.6、123.5、120.6、119.1、114.1、113.7、58.0、53.6、53.1、40.7、37.0、34.9、15.8、14.7、及び12.0(±0.2ppm)のピークからなる群から選択される、化学シフトとしてppmで表される少なくとも10種のピークを含む13C SSNMRスペクトルを特徴とする、請求項2に記載の結晶性固体形態。
請求項1〜6のいずれか一項に定義される2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩及び1つ以上の医薬的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
請求項1〜6のいずれか一項に定義される2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を、1つ以上の他の治療上で活性な物質と共に含む、併用医薬製品。
治療における使用のための、請求項1〜6のいずれか一項に定義される2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩。
ブロモドメイン阻害剤が適応となる疾患又は状態の治療における使用のための、請求項1〜6のいずれか一項に定義される2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩。
疾患又は状態が、癌である、請求項13に記載の2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩。
疾患又は状態が、急性又は慢性の自己免疫性及び/又は炎症性の状態である、請求項13に記載の2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩。
請求項1〜6のいずれか一項に定義される2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩の治療上有効量を投与することを含む、ブロモドメイン阻害剤が適応となる疾患又は状態の治療を必要とする対象における、その治療方法。
ブロモドメイン阻害剤が適応となる疾患又は状態の治療のための医薬の製造における、請求項1〜6のいずれか一項に記載の2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩の使用。
2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミド又はその溶媒和物とベンゼンスルホン酸とを接触させることを含む、請求項1〜6のいずれか一項に定義される2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩の調製方法。
2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのアセトニトリル溶媒和物とベンゼンスルホン酸とを接触させることを含む、請求項18に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は第1態様において、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を提供する。ベンゼンスルホン酸塩(benzene sulphonic acid salt)は、ベシル酸塩ともベンゼンスルホン酸塩(benzene sulphonate salt)とも表すことができることを理解されたい。
【0014】
一実施形態において、本発明は2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩、すなわち式(II)
【0016】
式(II)の化合物は、典型的には、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのモル当量当たり、約0.95〜約1.05モル当量のベンゼンスルホン酸を含み、約0.90〜約1.10モル当量のベンゼンスルホン酸を含有する。特定の実施形態において、本発明の塩は、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのモル当量当たり、約1モル当量のベンゼンスルホン酸を含有する。このようなモル比は、当業者が利用できるさまざまな方法によって、例えば
1H NMR又は元素分析によって容易に決定することができる。
【0017】
2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩は、その任意の好適な無水物、溶媒和物(例えば、水和物)及び/又は多形性形態であり得ることを理解されたい。
【0018】
本発明は、更に結晶性固体形態である、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を提供する。
【0019】
一実施形態において、無水結晶性固体形態である、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を提供する。
【0020】
一実施形態において、本発明は、実質的に
図1に示されるような粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、結晶性固体形態である、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を提供し、XRPDパターンは角度2θに関して表され、本明細書に記載される手順を使用して、銅のKα線照射を使用する回折計を用いて得られる。
【0021】
一実施形態において、本発明は、約5.5、7.4、9.1、10.0、10.4、13.3、13.6、14.9、18.7、20.4、20.9、22.8及び23.1°(±0.1°)からなる群から選択される、角度2θで表される少なくとも3種の回折角を含む粉末X線回折パターンを特徴とする、結晶性固体形態である、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を提供する。
【0022】
別の実施形態において、本発明は、約5.5、7.4、9.1、10.0、10.4、13.3、13.6、14.9、18.7、20.4、20.9、22.8及び23.1°(±0.1°)からなる群から選択される、角度2θで表される少なくとも10種の回折角又は少なくとも9種の回折角又は少なくとも8種の回折角又は少なくとも7種の回折角又は少なくとも6種の回折角又は少なくとも5種の回折角又は少なくとも4種の回折角を含む粉末X線回折パターンを特徴とする、結晶性固体形態である、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を提供する。
【0023】
別の実施形態において、本発明は、約5.5、10.0、18.7、20.4、及び23.1°(±0.1°)の角度2θで表される回折角を含む粉末X線回折パターンを特徴とする、結晶性固体形態である、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を提供する。
【0024】
XRPDパターンが特定値の角度2θの±0.1の範囲内の回折角を含む場合、XRPDパターンは本明細書で特定される「約」の値の回折角(角度2θで表される)を含むことを理解されたい。更に、利用する装置、湿度、温度、粉末結晶の配向、及び粉末X線回折(XRPD)パターンを取得する際に関与する他のパラメータにより、回折パターンのラインの外観、強度、及び位置が変動し得ることは、当業者に周知であり理解されている。本明細書で提供される「実質的に
図1に示されるような」粉末X線回折パターンとは、当業者が、
図1のXRPDパターンを示す化合物と同じ結晶形を持つ化合物を表すと考えるXRPDパターンである。つまり、XRPDパターンは、
図1のXRPDパターンと同一であってもよいか、又はそれどころかある程度異なってもよい。このようなXRPDパターンは、本明細書に示される任意の1種の回折パターンの各ラインを必ずしも示す必要はなく、及び/又は前記ラインの外観、強度、若しくはシフト位置はデータを取得する際に関与する条件の差異に起因して少し変化してもよい。XRPDパターンを比較することにより、結晶化合物の試料が本明細書に開示される形態と同じ形態を有するか、又は異なる形態を有するかを、当業者は判定することができる。例えば、当業者は、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩試料のXRPDパターンと
図1とを、当技術分野の技術と知識を用いてオーバーレイして、その試料のXRPDパターンが、実質的に
図1に示されるようなパターンであるかどうかを容易に判定することができる。
【0025】
一実施形態において、本発明は、実質的に
図2に示されるような
13C SSNMRスペクトルを特徴とする、結晶性固体形態である、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を提供する。
【0026】
一実施形態において、本発明は、約169.6、167.5、165.6、160.1、159.4、157.1、155.9、154.3、152.4、146.9、145.8、140.0、137.9、135.9、133.4、132.0、130.6、129.9、128.3、127.1、125.6、123.5、120.6、119.1、114.1、113.7、58.0、53.6、53.1、40.7、37.0、34.9、15.8、14.7、及び12.0(±0.2ppm)のピークからなる群から選択される、化学シフトとしてppmで表される少なくとも10種のピークを含む
13C SSNMRスペクトルを特徴とする、結晶性固体である、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を提供する。
【0027】
一実施形態において、本発明は、約169.6、167.5、165.6、160.1、159.4、157.1、155.9、154.3、152.4、146.9、145.8、140.0、137.9、135.9、133.4、132.0、130.6、129.9、128.3、127.1、125.6、123.5、120.6、119.1、114.1、113.7、58.0、53.6、53.1、40.7、37.0、34.9、15.8、14.7、及び12.0(±0.2ppm)のピークからなるから群から選択される、化学シフトとしてppmで表される少なくとも20種のピーク又は少なくとも18種のピーク又は少なくとも16種のピーク又は少なくとも14種のピーク又は少なくとも12種のピークを含む
13C SSNMRスペクトルを特徴とする、結晶性固体である、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を提供する。
【0028】
13C SSNMRスペクトルが特定値の±0.2ppmの範囲内のピークを含む場合、
13C SSNMRスペクトルは本明細書で特定される「約」の値のピーク(ppmで表される)を含むことを理解されたい。更に、利用する装置、湿度、温度、粉末結晶の配向、及び
13C SSNMRスペクトルを取得する際に関与する他のパラメータにより、スペクトルのピークの外観、強度、及び位置が変動し得ることも、当業者に周知であり理解されている。本明細書で提供される「実質的に
図2に示されるような」
13C SSNMRスペクトルとは、当業者が、
図2の
13C SSNMRスペクトルを示す化合物と同じ結晶形を持つ化合物を表すと考える
13C SSNMRスペクトルである。つまり、
13C SSNMRスペクトルは、
図2の
13C SSNMRスペクトルと同一であってもよいか、又はそれどころかある程度異なってもよい。このような
13C SSNMRスペクトルは、本明細書に示される任意の1種のスペクトルの各ピークを必ずしも示す必要はなく、及び/又は前記ピークの外観、強度、若しくはシフト位置はデータを取得する際に関与する条件の差異に起因して少し変化してもよい。
13C SSNMRスペクトルを比較することにより、結晶化合物の試料が本明細書に開示される形態と同じ形態を有するか、又は異なる形態を有するかを、当業者は判定することができる。例えば、当業者は、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩試料の
13C SSNMRスペクトルと
図2とを、当技術分野の技術と知識を用いてオーバーレイして、その試料の
13C SSNMRスペクトルが、実質的に
図2に示されるようなスペクトルであるかどうかを容易に判定することができる。
【0029】
また更なる実施形態において、当技術分野で通常の技術を有する者が理解するように、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩は、前述の実施形態のそれぞれ及び全てを特徴付ける分析データの組合せを特徴とし得る。例えば、一実施形態において、結晶性固体形態である、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩は、実質的に
図1に示されるような粉末X線回折(XRPD)パターン及び実質的に
図2に示されるような
13C SSNMRスペクトルを特徴とする。別の例証的な実施形態において、結晶性固体形態である、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩は、約5.5、10.0、18.7、20.4、及び23.1°(±0.1°)の角度2θで表される回折角を含む粉末X線回折(XRPD)パターン並びに実質的に
図2に示されるような
13C SSNMRスペクトルを特徴とする。
【0030】
本発明は、更に2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミド又はその溶媒和物とベンゼンスルホン酸とを接触させることを含む、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩の調製方法を提供する。
【0031】
ベンゼンスルホン酸と2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドベンゼンのアセトニトリル溶媒和物との反応により、改善された不純物プロファイルを有する2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を得ることができることが見出された。一実施形態において、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのアセトニトリル溶媒和物とベンゼンスルホン酸とを接触させることを含む、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩の調製方法を提供する。典型的には、この反応は、2-メチルテトラヒドロフランなどの好適な有機溶媒中で、又はアセトニトリルと2-メチルテトラヒドロフランなどの溶媒混合物中で実行される。
【0032】
中間体、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのアセトニトリル溶媒和物、すなわち式(Ia)
【0033】
【化3】
の化合物は、本発明の更なる態様を構成する。この中間体化合物は、本明細書に記載される手順により調製することができる。
【0034】
2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩は、本明細書に概説される手順に従って、及びスキーム1に概説される手順により調製することもできる。
【0036】
2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩は、ブロモドメイン阻害剤であり、より詳細にはBETファミリーのブロモドメイン阻害剤であり、したがって、ブロモドメイン阻害剤が適応となる疾患又は状態の治療における有望な実用性を有すると考えられている。
【0037】
したがって、本発明は、治療における使用のための2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を提供する。
【0038】
本発明はまた、ブロモドメイン阻害剤が適応となる疾患又は状態の治療における使用のための2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩も提供する。特定の実施形態において、急性又は慢性の自己免疫性及び/又は炎症性の状態の治療における使用のための2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を提供する。更なる実施形態において、癌治療における使用のための2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を提供する。
【0039】
本発明は、更に、ブロモドメイン阻害剤が適応となる疾患又は状態の治療のための医薬の製造における、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩の使用を提供する。
【0040】
本発明は、更に、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩の治療上有効量を投与することを含む、ブロモドメイン阻害剤が適応となる疾患又は状態の治療を必要とする対象における、その治療方法を提供する。
【0041】
好適に、ブロモドメイン阻害剤が適応となる疾患又は状態の治療を必要とする対象は、哺乳動物、詳細にはヒトである。
【0042】
本明細書で使用するとき、用語「有効量」とは、例えば研究者又は臨床医により求められている、組織、系、又は対象(例えば、ヒト)に生物学的又は医学的な応答を引き起こす薬物又は医薬品の量を意味する。更に、用語「治療上有効量」とは、そのような量を受けたことがない対応する対象と比較して、疾患、障害、若しくは副作用の治療、治癒、予防、若しくは寛解の改善、又は疾患若しくは障害の進行速度の減少を結果としてもたらす任意の量を意味する。この用語はまた、その範囲内に、正常な生理的機能を増進するのに効果的な量を含む。
【0043】
ブロモドメイン阻害剤は、関節リウマチ、変形性関節症、急性痛風、乾癬、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性大腸炎)、喘息、慢性閉塞性気道疾患、肺炎、心筋炎、心膜炎、筋炎、湿疹、皮膚炎(アトピー性皮膚炎を含む)、脱毛症、白斑症、水疱性皮膚症、腎炎、血管炎、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、アルツハイマー病、うつ病、シェーグレン症候群、唾液腺炎、網膜中心静脈閉塞症、網膜静脈分岐閉塞症、アーヴァイン・ガス症候群(白内障後及び術後)、網膜色素変性症、毛様体扁平部炎、バードショット網脈絡膜症、網膜上膜、嚢胞性黄斑浮腫、傍中心窩毛細血管拡張症(parafoveal telengiectasis)、牽引性黄斑症、硝子体黄斑牽引症候群、網膜剥離、視神経網膜炎、特発性黄斑浮腫、網膜炎、ドライアイ(乾性角結膜炎)、春季角結膜炎、アトピー性角結膜炎、ぶどう膜炎(前部ぶどう膜炎、汎ぶどう膜炎、後部ぶどう膜炎、ぶどう膜炎随伴性黄斑浮腫など)、強膜炎、糖尿病性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫(diabetic macula edema)、加齢性黄斑ジストロフィー、肝炎、膵炎、原発性胆汁性肝硬変、硬化性胆管炎、アジソン病、下垂体炎、甲状腺炎、I型糖尿病、II型糖尿病、巨細胞性動脈炎、ループス腎炎を含む腎炎、糸球体腎炎などの臓器合併症(organ involvement)を伴う血管炎、巨細胞性動脈炎を含む血管炎、ウェゲナー肉芽腫症、結節性多発動脈炎、ベーチェット病、川崎病、高安動脈炎、壊疽性膿皮症、臓器合併症を伴う血管炎及び移植臓器の急性拒絶反応などの多様な急性又は慢性の自己免疫性及び/又は炎症性の状態の治療において有用であり得る。
【0044】
一実施形態において、急性又は慢性の自己免疫性及び/又は炎症性の状態は、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症及びアルツハイマー病などの、APO-A1の制御を介する脂質代謝の異常である。
【0045】
別の実施形態において、急性又は慢性の自己免疫性及び/又は炎症性の状態は、喘息又は慢性閉塞性気道疾患などの呼吸障害である。
【0046】
別の実施形態において、急性又は慢性の自己免疫性及び/又は炎症性の状態は、関節リウマチ、変形性関節症、急性痛風、乾癬、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症又は炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性大腸炎)などの全身性炎症性障害である。特定の実施形態において、急性又は慢性の自己免疫性及び/又は炎症性の状態は、関節リウマチ、詳細には抵抗性(治療抵抗性の)関節リウマチである。
【0047】
別の実施形態において、急性又は慢性の自己免疫性及び/又は炎症性の状態は、多発性硬化症である。
【0048】
更なる実施形態において、急性又は慢性の自己免疫性及び/又は炎症性の状態は、I型糖尿病である。
【0049】
ブロモドメイン阻害剤は、敗血症、急性敗血症、敗血症症候群、敗血症性ショック、内毒血症、全身性炎症反応症候群(SIRS)、多臓器機能不全症候群、毒素性ショック症候群、急性肺傷害、ARDS(成人呼吸促迫症候群)、急性腎不全、劇症肝炎、熱傷、急性膵炎、術後症候群、類肉腫症、ヘルクスハイマー反応、脳炎、脊髄炎、髄膜炎、マラリア並びにインフルエンザ、帯状疱疹、単純性疱疹及びコロナウイルスなどのウイルス感染に関連するSIRSなどの、細菌、ウイルス、菌類、寄生体又はそれらの毒素の感染に対する炎症反応を伴う疾患又は状態の治療において有用であり得る。
【0050】
一実施形態において、ブロモドメイン阻害剤が適応となる疾患又は状態は、敗血症、敗血症症候群、敗血症性ショック及び内毒血症である。別の実施形態において、ブロモドメイン阻害剤は、急性又は慢性の膵炎の治療に適応となる。別の実施形態において、ブロモドメインは、熱傷の治療に適応となる。
【0051】
一実施形態において、細菌、ウイルス、菌類、寄生体又はそれらの毒素の感染に対する炎症反応を伴う疾患又は状態は、急性敗血症である。
【0052】
ブロモドメイン阻害剤は、心筋梗塞、脳血管虚血(脳卒中)、急性冠症候群、腎再灌流傷害(renal reperfusion injury)、臓器移植、冠動脈バイパス術、心肺バイパス術、肺性、腎性、肝性、胃腸管又は末梢肢(peripheral limb)の塞栓症などの虚血再灌流傷害に関連する状態の治療において有用であり得る。
【0053】
ブロモドメイン阻害剤は、冠動脈疾患(例えば、狭心症及び心筋梗塞)、脳血管虚血(脳卒中)、心不全、肺動脈性肺高血圧症(PAH)、高血圧性心疾患、リウマチ性心疾患、心筋症、心房細動、先天性心疾患、心内膜炎、大動脈瘤及び末梢動脈疾患などの心疾患の治療において有用であり得る。
【0054】
一実施形態において、ブロモドメイン阻害剤が適応となる疾患又は状態は、肺動脈高血圧症(PAH)である。
【0055】
ブロモドメイン阻害剤は、特発性肺線維症、腎線維症、術後狭窄、ケロイド瘢痕形成、強皮症(モルフェアを含む)及び心臓線維症などの線維症状態の治療において有用であり得る。
【0056】
一実施形態において、ブロモドメイン阻害剤が適応となる疾患又は状態は、強皮症(全身性硬化症)である。
【0057】
ブロモドメイン阻害剤は、単純性ヘルペスの感染及び再活性化、口唇ヘルペス、帯状疱疹の感染及び再活性化、水疱、帯状疱疹、ヒトパピローマウイルス(HPV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、子宮頸部腫瘍、急性呼吸器疾患を含むアデノウイルス感染、牛痘及び天然痘などのポックスウイルス感染並びにアフリカブタコレラウイルスなどのウイルス感染の治療において有用であり得る。一実施形態において、ウイルス感染は、皮膚又は子宮頸部上皮のHPV感染である。別の実施形態において、ウイルス感染は、不顕性HIV感染である。
【0058】
ブロモドメイン阻害剤は、骨粗鬆症及び骨減少症などの多様な骨障害の治療において有用であり得る。
【0059】
ブロモドメイン阻害剤は、血液癌(白血病、リンパ腫及び多発性骨髄腫など)、肺癌、乳癌及び結腸癌を含む上皮癌、正中細胞腫(midline carcinoma)、間葉系、肝性、腎性及び神経性の腫瘍を含む癌の治療において有用であり得る。ブロモドメイン阻害剤は、脳癌(神経膠腫)、神経膠芽腫、バナヤン-ゾナナ(Bannayan-Zonana)症候群、カウデン病、レルミット-デュクロ病、乳癌、炎症性乳癌、結腸直腸癌、ウィルムス腫瘍、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、上衣腫、髄芽腫、大腸癌、頭頸部癌、腎癌、肺癌、肝癌、メラノーマ、扁平上皮癌、卵巣癌、膵癌、前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌、肉腫、骨肉腫、骨巨細胞腫、甲状腺癌、リンパ芽球性T細胞白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、ヘアリー細胞白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性好中球性白血病、急性リンパ芽球性T細胞白血病、形質細胞腫、免疫芽球性大細胞型白血病(immunoblastic large cell leukemia)、外套細胞白血病、多発性骨髄腫、巨核芽球性白血病、急性巨核球性白血病、前骨髄球性白血病、混合系統白血病、赤白血病、悪性リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫、神経芽細胞腫、膀胱癌、尿路上皮がん、外陰癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、腎癌、中皮腫、食道癌、唾液腺癌、肝細胞癌、胃癌、上咽頭癌、口腔癌、口腔の癌、GIST(消化管間葉性腫瘍)、NUT-正中細胞腫及び精巣癌から選択される1つ以上の癌の治療において更に有用であり得る。
【0060】
一実施形態において、癌は、白血病、例えば急性単球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病及び混合系統白血病(MLL)から選択される白血病である。特定の実施形態において、癌は急性骨髄性白血病(AML)である。別の実施形態において、癌はNUT-正中細胞腫である。別の実施形態において、癌は多発性骨髄腫である。別の実施形態において、癌は小細胞肺癌(SCLC)などの肺癌である。別の実施形態において、癌は神経芽細胞腫である。別の実施形態において、癌はバーキットリンパ腫である。別の実施形態において、癌は子宮頸癌である。別の実施形態において、癌は食道癌である。別の実施形態において、癌は卵巣癌である。別の実施形態において、癌は乳癌である。別の実施形態において、癌は結腸直腸癌である。
【0061】
用語「ブロモドメイン阻害剤が適応となる疾患又は状態」とは、上述の疾患又は状態のそれぞれか又は全てを含むことを意図する。
【0062】
治療における使用のために、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を未加工の化学薬品として投与することが可能であるが、1つ以上の医薬的に許容される賦形剤を伴う医薬組成物として活性成分が存在するのが一般的である。この医薬組成物を、本明細書に記載される任意の状態の治療において使用することができる。
【0063】
したがって、本発明は更なる態様において、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩及び1つ以上の医薬的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。賦形剤(複数可)は、組成物の他の原料と適合するという意味で容認されなければならず、その受容者にとって有害であってはならない。
【0064】
一実施形態において、本発明は、固体の結晶体である、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩、詳細には本明細書に詳細に記載されるような結晶性固体形態を含む医薬組成物に関する。別の実施形態において、本発明は、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を含む医薬組成物であって、少なくとも10重量%、又は少なくとも20重量%、又は少なくとも30重量%、又は少なくとも40重量%、又は少なくとも50重量%、又は少なくとも60重量%、又は少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%のベンゼンスルホン酸塩が、本明細書に記載されるような結晶性固体形態として存在する医薬組成物に関する。別の実施形態において、本発明は、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を含む医薬組成物であって、少なくとも95重量%、又は少なくとも96重量%、又は少なくとも97重量%、又は少なくとも98重量%、又は少なくとも99重量%、又は少なくとも99.5重量%、又は少なくとも99.8重量%、又は少なくとも99.9重量%のベンゼンスルホン酸塩が、本明細書に詳細に記載されるような結晶性固体形態として存在する医薬組成物に関する。
【0065】
別の実施形態において、本発明は、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を含む医薬組成物であって、90重量%以下のベンゼンスルホン酸塩が非晶質である医薬組成物に関する。別の実施形態において、本発明は、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を含む医薬組成物であって、80重量%以下、又は70重量%以下、又は60重量%以下、又は50重量%以下、又は40重量%以下、又は30重量%以下、又は20重量%以下、又は10重量%以下のベンゼンスルホン酸塩が非晶質である医薬組成物に関する。別の実施形態において、本発明は、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を含む医薬組成物であって、5重量%以下、又は4重量%以下、又は3重量%以下、又は2重量%以下、又は1重量%以下、又は0.5重量%以下、又は0.2重量%以下、又は0.1重量%以下のベンゼンスルホン酸塩が非晶質である医薬組成物に関する。
【0066】
別の実施形態において、本発明は、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を含む医薬組成物であって、90重量%以下のベンゼンスルホン酸塩が、本明細書に詳細に記載されるような結晶性固体形態以外の形態で存在する医薬組成物に関する。別の実施形態において、本発明は、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を含む医薬組成物であって、80重量%以下、又は70重量%以下、又は60重量%以下、又は50重量%以下、又は40重量%以下、又は30重量%以下、又は20重量%以下、又は10重量%以下のベンゼンスルホン酸塩が、本明細書に詳細に記載されるような結晶性固体形態以外の結晶性固体形態で存在する医薬組成物に関する。別の実施形態において、本発明は、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を含む医薬組成物であって、5重量%以下、又は4重量%以下、又は3重量%以下、又は2重量%以下、又は1重量%以下、又は0.5重量%以下、又は0.2重量%以下、又は0.1重量%以下のベンゼンスルホン酸塩が、本明細書に詳細に記載されるような結晶性固体形態以外の結晶性固体形態で存在する医薬組成物に関する。
【0067】
好適な組成物を、医薬の技術分野で公知の任意の方法により、例えば活性成分と賦形剤(複数可)とを関連付けることにより調製し得る。2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を配合する好適な方法として、本明細書に記載される方法、特許出願WO2011/054553に記載される方法、及び/又はRemington:The Science and Practice of Pharmacy、21
st版2006に記載されているような当業者によく知られている方法が挙げられる。本発明の別の態様に基づいて、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩と1つ以上の医薬的に許容される賦形剤とを混合することを含む医薬組成物の調製方法も提供する。
【0068】
医薬組成物は、任意の適切な経路による、例えば経口(バッカル又は舌下を含む)、直腸、吸入、鼻腔内、局所的(バッカル、舌下又は経皮を含む)、眼性(局所的、眼内、結膜下、上強膜、テノン嚢下を含む)、腟式又は非経口的(皮下、筋肉内、静脈内又は皮内を含む)経路による投与に適合し得る。
【0069】
一実施形態において、この医薬組成物は非経口投与、詳細には静脈内投与に適合する。
【0070】
一実施形態において、この医薬組成物は局所投与に適合する。
【0071】
特定の実施形態において、この医薬組成物は経口投与に適合する。
【0072】
2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩は、標準的な安定性検査では分解しなかったが、特定の一般に使用される医薬的賦形剤(例えば、クロスカルメロースナトリウムなどの崩壊剤)を用いた錠剤の剤形に配合した場合、不均一化が起こり得ることが見出された。
【0073】
したがって、本発明は、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩及び不均一化を抑制する医薬的に許容される賦形剤を含む錠剤の形態の医薬組成物を提供する。一実施形態において、不均一化を抑制する医薬的賦形剤は、崩壊剤クロスポビドンである。
【0074】
本出願の医薬製剤は、更に希釈剤、滑沢剤、充填剤、増量剤などの医薬的賦形剤を含み得ることを理解されたい。
【0075】
更なる実施形態において、
a)2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩、
b)クロスポビドン、
c)1つ以上の充填剤又は増量剤、
d)1つ以上の希釈剤、及び
e)1つ以上の滑沢剤
を含む錠剤の形態の医薬組成物を提供する。
【0076】
一実施形態において、錠剤の形態の医薬組成物はフィルムコートされている。
【0077】
2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩は、典型的には、本発明に基づく錠剤の形態の医薬組成物内に、0.1〜50%w/w、より典型的には1〜20%w/wの量で存在する。
【0078】
崩壊剤クロスポビドンは、典型的には、配合物中に1〜10%、詳細には2〜6%w/wの量で存在する。
【0079】
本発明の医薬組成物に用いられるのに可能な充填剤又は増量剤は、当業者によく知られており、かつRoweら(編)(Handbook of Pharmaceutical Excipients、7版、London:Pharmaceutical Press 2012)に記載されている通りであり、その内容は参照により組み込まれる。一実施形態において、充填剤は、微結晶性セルロース(Avicel PH112など)などのセルロース誘導体である。典型的には、充填剤又は増量剤は、配合物の10〜90%w/w、より典型的には25〜75%w/w、またより詳細には35〜65%w/w又は35〜50%w/wの量で存在する。
【0080】
本発明の医薬組成物に用いられるのに可能な希釈剤は、当業者によく知られており、かつRoweら(編)(Handbook of Pharmaceutical Excipients、7版、London:Pharmaceutical Press 2012)に記載されている通りであり、その内容は参照により組み込まれる。典型的には、希釈剤は、配合物の10〜90%w/w、より典型的には25〜75%w/w、またより詳細には35〜65%w/w又は35〜50%w/wの量で存在する。一実施形態において、希釈剤はマンニトールである。
【0081】
本発明の医薬組成物に用いられるのに可能な滑沢剤は、当業者によく知られており、かつRoweら(編)(Handbook of Pharmaceutical Excipients、7版、London:Pharmaceutical Press 2012)に記載されている通りであり、その内容は参照により組み込まれる。典型的には、滑沢剤は、配合物の0.1〜5%w/w、より典型的には0.5〜2.5%w/wの量で存在する。一実施形態において、滑沢剤はステアリン酸マグネシウムである。別の実施形態において、滑沢剤はフメル酸ステアリルナトリウム(sodium stearyl fumerate)である。
【0082】
更に、所望されるか又は必要である場合、好適な緩衝剤、結合剤、滑剤、甘味料、香料、及び着色料もまた混合物に組み込むことができる。
【0083】
医薬組成物は、単位用量当たり所定の量の活性成分を含有する単位用量形態で存在し得る。好ましい単位用量組成物は、活性成分の1日量若しくはサブ用量(sub-dose)、又はその適切な分割量を含有する組成物である。したがって、このような単位用量は1日1回を超えて投与されてもよい。好ましい単位用量組成物は、活性成分の1日量若しくはサブ用量(1日1回を超えて投与)、本明細書に上述するように、又はその適切な分割量を含有する組成物である。
【0084】
2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩の治療上有効量は、例えば、対象の年齢及び体重、治療を必要とする正確な状態及びその重症度、配合物の性質、並びに投与経路を含む多数の因子に依存し、最終的に担当医師の判断に任される。医薬組成物内で、経口又は非経口の投与用の各投与単位は、遊離塩基として算出して、好ましくは0.01〜3000mg、より好ましくは0.5〜1000mgの2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を含有する。経鼻又は吸入の投与用の各投与単位は、遊離塩基として算出して、好ましくは0.001〜50mg、より好ましくは0.01〜5mgの2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を含有する。
【0085】
2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩は、1日量(成人患者に対して)、例えば経口若しくは非経口で1日当たり0.01mg〜3000mg、1日当たり0.5〜1000mg若しくは1日当たり100mg〜2500mgの用量、又は経鼻若しくは吸入で1日当たり0.001〜50mg若しくは1日当たり0.01〜5mgの用量の2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩が投与され得る。この量は、1日当たり単回投与で、又はより一般に、合計の1日量が同じになるように、1日当たり複数回(2回、3回、4回、5回又は6回など)のサブ用量で投与されてもよい。
【0086】
2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩は、単独で又は他の治療薬と併用して利用してもよい。本発明に基づく併用療法は、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩、及び少なくとも1つの他の治療上で活性な物質の投与を含む。2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩及び他の治療上で活性な物質(複数可)は、単一の医薬組成物で共に又は別々に投与してもよく、別々に投与する場合は同時に又は任意の順序で順次投与してもよい。2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩及び他の治療上で活性な物質(複数可)の量、並びに投与の相対的タイミングは、所望の併用した治療効果を達成するために選択する。したがって、更なる態様において、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を、1つ以上の他の治療上で活性な物質と共に含む併用医薬製品を提供する。
【0087】
したがって、一実施形態において、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩及び本発明に基づくこのような化合物を含む医薬組成物は、例えば抗生物質、抗ウイルス薬、グルココルチコステロイド、ムスカリン受容体遮断薬β2刺激薬及びビタミンD3類似体から選択される1つ以上の他の治療薬と併用して使用されてもよく、又は含んでもよい。更なる実施形態において、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩は、癌治療に好適な更なる治療薬と併用して使用されてもよい。このような更なる治療薬の例は、V.T.Devita及びS.Hellman(編)、6
th版(2001)、Lippincott Williams & Wilkins出版によるCancer Principles and Practice of Oncologyに記載されている。当技術分野で通常の技術を有する者なら、薬物及び関連する癌の特定の特徴を基準として、薬剤のどの併用が有用であるかを見分けることができるであろう。2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩の化合物と併用して使用される更なる治療薬として、微小管阻害剤(ジテルペノイド及びビンカアルカロイドなど);白金配位錯体;アルキル化剤(ナイトロジェンマスタード、オキサザホスホリン、アルキルスルホン酸、ニトロソ尿素、及びトリアゼンなど);抗生物質薬(アントラサイクリン、アクチノマイシン及びブレオマイシンなど);トポイソメラーゼII阻害剤(エピポドフィロトキシンなど);代謝拮抗薬(プリン及びピリミジン類似体並びに抗葉酸化合物など);トポイソメラーゼI阻害剤(カンプトテシン;ホルモン及びホルモン類似体など);シグナル伝達経路阻害剤(チロプシン受容体阻害剤など);非受容体型チロシンキナーゼ血管新生阻害剤;免疫治療薬;アポトーシス促進剤;エピジェネティックモジュレーター又は転写モジュレーター(ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤など)、細胞周期シグナル阻害剤及びホルモン核受容体の阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0088】
2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を、通常は吸入、静脈内、経口又は鼻腔内の経路により投与される他の治療薬と併用して投与する場合、結果として得られる医薬組成物は同じ経路によって投与され得ることを理解されたい。あるいは、この組成物の各成分は、異なる経路によって投与されてもよい。
【0089】
本発明の一実施形態は、1つ又は2つの他の治療薬を含む併用を包含する。
【0090】
適切な場合には、治療原料の活性及び/又は安定性及び/又は溶解度などの物理的特徴を最適化するために、他の治療原料(複数可)を、例えばアルカリ金属若しくはアミンの塩として又は酸付加塩としてのような塩、あるいはプロドラッグ、あるいは例えば低級アルキルエステルのようなエステルとして、あるいは例えば水和物のような溶媒和物としての形態で使用してもよいことは、当業者には明瞭であろう。適切な場合には、治療原料を光学的に純粋な形態で使用してもよいことも明瞭であろう。
【0091】
上述の併用は、医薬組成物の形態で用いられるのに都合よく示し得て、したがって、医薬的に許容される賦形剤と共に上に定義した併用を含む医薬組成物は、本発明の更なる態様を表す。
【0092】
以下の実施例は、本発明を例証するのに役立つものであり、本発明の範囲に何らかの制限を加えるものと考えるべきではない。
【実施例】
【0093】
[実施例1]
2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのアセトニトリル溶媒和物の調製
非晶質の2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミド(例えばWO2011/054553に記載されるように調製、1wt)を加熱時に(還流するまで)アセトニトリル(20vol)に溶解した。次にこの溶液を、温度を50℃〜60℃に保持しながら真空を調節することにより10volまで蒸留した。蒸留の最終段階中に核形成が起こった。次にこのスラリーを、20℃まで冷却する前に60℃に保持し、濾過した。次にこの固形状物をアセトニトリル(2vol)で洗浄した。固形状物を、およそ60℃で窒素ブリードを用いて真空下で乾燥し、標題の生成物を提供した。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d
6, TMS基準 = 0.00 ppm, T = 25 C) δ ppm 8.22 (1H, t, J = 5 Hz), 7.79 (1H, d, J = 9 Hz), 7.53 (2H, d, J = 9 Hz), 7.49 (2H, d, J = 9 Hz), 7.38 (1H, dd, J = 3 Hz, 9 Hz), 6.87 (1H, d, J = 3 Hz), 4.49 (1H, m), 3.79 (3H, s), 3.25 (1H, m), 3.20-3.06 (3H, いくつかのm), 2.54 (3H, s), 2.08 (3H, s), 1.07 (3H, t, J = 7 Hz).
【0094】
[実施例2]
結晶性固体形態である、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩の調製
調製1
2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのアセトニトリル溶媒和物(調製に関しては実施例1を参照のこと、2.58g)をアセトニトリル(7mL)及び2-メチルテトラヒドロフラン(7mL)中でスラリーにした。ベンゼンスルホン酸(1.17g)をアセトニトリル(7mL)に溶解した。結果として得られた溶液を、アセトニトリル及び2-メチルテトラヒドロフラン中の2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのアセトニトリル溶媒和物のスラリーに投入した。アセトニトリル(1.4mL)で追加のすすぎを行い、2-メチルテトラヒドロフラン(0.7mL)をスラリーに添加した。次にこのスラリーを60℃まで加温し溶解させた。次に2-メチルテトラヒドロフラン(50mL)を30分間にわたり添加した。この添加中に結晶が形成された。次に結果として得られた懸濁液を、0.5℃/分の直線的な変化率で制御して5℃まで冷却した。スラリーを1時間熟成させた。次に結晶生成物を濾過により単離し、2-メチルテトラヒドロフランとアセトニトリルの5対1混合物(15mL)ですすいだ。次に生成物を、55℃で真空乾燥機中で終夜、乾燥した。
【0095】
調製2
2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのアセトニトリル溶媒和物(例えば上述の実施例1などの方法において調製、1wt)を9volの2-メチルテトラヒドロフランに65℃で溶解した。いったん20℃まで冷却し、この溶液を結晶化容器中へ濾過した。溶解容器及びインラインフィルターを1volの2-メチルテトラヒドロフランですすいだ。次にこの溶液を45℃まで加熱した。
【0096】
1.05当量のベンゼンスルホン酸を1体積の濾過したアセトニトリルに溶解した。この溶液の10%を反応器に添加し、そこに0.05wt%の2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩の微粒子化シーズ(例えば上述の調製1のように調製)のスラリーを投入した。反応器を45℃に維持しながら、残りのベンゼンスルホン酸溶液を一定の速度で2時間にわたり投入した。
【0097】
スラリーを0.2℃/分以下で0℃まで冷却した。スラリーを濾過した。晶析装置に第1洗浄液、3volの濾過した2-メチルテトラヒドロフランを投入し、固形状物を洗浄するために使用する前に、晶析装置内で撹拌しながら、10℃未満に冷却した。晶析装置に第2洗浄液、3volの濾過した2-メチルテトラヒドロフランを投入し、固形状物を洗浄するために使用する前に、晶析装置内で撹拌しながら、10℃未満に冷却した。晶析装置に第3洗浄液、4volの濾過した2-MeTHFを投入し、固形状物を洗浄するために使用する前に、晶析装置内で撹拌しながら、10℃未満に冷却した。除去される溶媒が少量に低減されるまで、固形状物に吹きかけた。次に標題の化合物を、乾燥減量(LOD)が0.2%wt.未満の重量減少を示すまで、真空乾燥機内で50℃で乾燥した(LOD方法:120℃で10分)。次に生成物をコーミルを使用して整粒(delump)した。
【0098】
[実施例3]
結晶性固体形態である、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩の特徴付け
XRPD
粉末X線回折(XRPD)データを、PANalytical X'Pert Pro粉末回折計、モデルPW3050/60で、X'Celerator検出器を使用して取得した。取得条件は:照射:Cu Kα、発生装置電圧:45kV、発生装置電流:40mA、ステップ幅:0.017°2θ、ステップ当たりの時間:500秒、発散スリット型:固定、発散スリットサイズ:0.4354°、測定温度:20〜25℃、ゴニオメーター半径:240mmであった。0.9mmのキャピラリーに試料を詰めることにより、試料を調製した。PANalytical X'Pert Highscore Plusソフトウェアを使用してピーク位置を得た。誤差の範囲は、各ピーク同定に対しておよそ±0.1°2θである。
【0099】
粉末X線回折(XRPD)パターンを
図1に示し、角度2θで表される、5.5、7.4、9.1、10.0、10.4、13.3、13.6、14.9、18.7、20.4、20.9、22.8及び23.1°(±0.1°)において特性ピークを示す。
【0100】
13C固体NMR(SSNMR)
Brukerの4mm三重共鳴マジック角回転プローブをロータ周波数8kHzで用いて、交差分極パルスシーケンスを使用して、
13C測定用に周波数100.56MHzでスペクトロメータを操作し、273Kにおける
13C SSNMRスペクトルを取得した。誤差の範囲は、各ピーク同定に対して±0.2ppmである。
【0101】
13C SSNMRスペクトルを
図2に示し、169.6、167.5、165.6、160.1、159.4、157.1、155.9、154.3、152.4、146.9、145.8、140.0、137.9、135.9、133.4、132.0、130.6、129.9、128.3、127.1、125.6、123.5、120.6、119.1、114.1、113.7、58.0、53.6、53.1、40.7、37.0、34.9、15.8、14.7、及び12.0(±0.2ppm)における化学シフト(ppm)を含む。
【0102】
[実施例4]
経口投与に好適な2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を含む医薬組成物
表1に記載されるような組成物を調製した。結晶性固体形態である、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩(活性物質)、マンニトール、微結晶性セルロース及びクロスポビドンを、ブレンダー瓶内で混合した。更に混合しながら、ステアリン酸マグネシウムを後に添加した。結果として得られたブレンドを回転錠剤プレス内で圧縮した。錠剤をOpaday(登録商標)コーティングで被覆した。
【0103】
【表1】
【0104】
結晶性固体形態である、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩を活性成分として含む表2に記載されるような組成物も調製した。この組成物を錠剤に成形し、Opaday(登録商標)コーティングを施した。
【0105】
【表2】
【0106】
[実施例5]
結晶性固体形態である、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩に関して実行した安定性検査
結晶性固体形態である、2-[(4S)-6-(4-クロロフェニル)-1-メチル-8-(メチルオキシ)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-4-イル]-N-エチルアセトアミドのベンゼンスルホン酸塩のバッチを2重のポリエチレン袋で包装し、プラスチックタイで密封し、乾燥剤を用いたHDPEボトル及び乾燥剤を用いないHDPEボトル内に入れた。試料を25℃/60%RH、30℃/65%RH、40℃/75%RH、50℃/AmbHで保管庫に入れ、ICH Q1Bに準拠して光安定状態に曝露した(曝露及び保護)。説明書(description)、含量、薬物関連の不純物含量、キラル純度、水分及びXRPDによる固体の形態に関する試験を一定間隔で実施する。
【0107】
結果は、25℃/60%RHで非乾燥状態で12か月、30℃/65%RHで乾燥及び非乾燥の状態で12か月、40℃/75%RHで乾燥及び非乾燥の状態で6か月、並びに50℃/AmbHで乾燥及び非乾燥の状態で3か月の保存後における化学的及び物理的な安定性の両方ともを実証している。説明書、含量、薬物関連の不純物含量、及びキラル純度において重大な変化は観察されなかった。その上、固体の形態において変化は観察されなかった。水分含量は、乾燥剤を用いないで50℃/AmbH(0.15%)、乾燥剤を用いないで25℃/60%RHで12か月後(0.12%)、並びに乾燥剤を用いて及び乾燥剤を用いないで30℃/65%RHで12か月後(0.10%)においてのみ測定可能な程度に増加した。形態又は不純物プロファイルに対して他の変化は観察されなかった。光安定性曝露の試料は、光ストレス後に、初期の「白色からほぼ白色の固体」から、「白色及びわずかに黄色の固体」へと色変化を示した。光安定性曝露の試料において、不純物レベルに測定可能な程度の増加のみが見られた(不純物プロファイルの合計0.44%)。