特表2017-530901(P2017-530901A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-530901(P2017-530901A)
(43)【公表日】2017年10月19日
(54)【発明の名称】調節可能な自動車用シャーシ
(51)【国際特許分類】
   B62D 21/14 20060101AFI20170922BHJP
   B62D 21/02 20060101ALI20170922BHJP
【FI】
   B62D21/14
   B62D21/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-515246(P2017-515246)
(86)(22)【出願日】2015年9月22日
(85)【翻訳文提出日】2017年4月13日
(86)【国際出願番号】IB2015057297
(87)【国際公開番号】WO2016051311
(87)【国際公開日】20160407
(31)【優先権主張番号】VR2014A000236
(32)【優先日】2014年9月29日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517090369
【氏名又は名称】ベルテッゾロ,マッテオ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ベルテッゾロ,マッテオ
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203BA03
3D203BB08
3D203CA04
3D203CB03
3D203CB09
3D203CB19
3D203CB38
3D203DA02
3D203DA08
3D203DA09
3D203DA11
3D203DA13
3D203DA20
3D203DA82
3D203DB01
3D203DB05
3D203DB06
(57)【要約】
本開示は、車室セル(2)、シャーシ(1)の縦方向(100)に沿って配設される前部フレーム(3)及び後部フレーム(4)を含む自動車用シャーシ(1)に関する。前部フレーム(3)と後部フレーム(4)は其々、2つの縦部材(31、32;41、42)及び交差部材(35;45)を含み、これら部材で略C型構造体を形成する。シャーシ(1)により、自動車のトラック幅及び/又はピッチを調節できる。トラック幅を調節するために、シャーシ(1)は、フレーム(3、4)の各縦部材(31、32;41、42)を、2つの縦部材(31、32;41、42)間の横方向距離を調節できるように、横方向に離間された複数の位置で、車室セル(2)に取着するよう適合される。ピッチを調節するために、フレーム(3、4)の各縦部材(31、32;41、42)は、自動車の各車輪のサスペンション(7)を取着するための少なくとも1つの取着用組立部品(53)を備える。取着用組立部品(53)は、サスペンション(7)を、車室セル(2)からのサスペンション(7)の縦方向距離を調節できるように、縦方向に離間された複数の位置で、取着するよう適合される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室セル(2)、シャーシ(1)の縦方向(100)に沿って配設される前部フレーム(3)及び後部フレーム(4)を含む自動車用シャーシ(1)であり、前記車室セル(2)は、前記前部フレーム(3)と前記後部フレーム(4)との間に介在され、前記シャーシ(1)は、前記縦方向(100)に直交する横方向(150)を有するシャーシ(1)であって、前記前部フレーム(3)と前記後部フレーム(4)の中の少なくとも一方は、調節可能なフレームであり、該調節可能なフレームは、略C型構造体を形成する、2つの縦部材(31、32;41、42)及び交差部材(35;45)を含み、各縦部材(31、32;41、42)は、前記車室セル(2)に取着可能な第1端部領域(301;401)及び前記交差部材(35;45)を支持するように適合される第2端部領域(302;402)を有し、前記シャーシ(1)は、各縦部材(31、32;41、42)を、前記2つの縦部材(31、32;41、42)間の横方向距離を調節できるように、前記横方向に離間された複数の位置で、前記車室セル(2)に取着するよう配設される、シャーシ(1)。
【請求項2】
前記車室セル(2)は、前記調節可能なフレームの前記2つの縦部材(31、32;41、42)が取着されることができる横梁(25;26)を含むシャーシ(1)であって、各縦部材(31、32;41、42)の前記第1端部領域(301;401)は、アンカ部材(5)を含み、前記横梁(25;26)は、前記アンカ部材(5)を受容するように適合された複数の座部(6、61)を含み、前記座部(6、61)の其々は、前記縦部材(31、32;41、42)の各事前設定位置を画定し;又は、前記横梁(25;26)は、アンカ部材を含み、各縦部材(31、32;41、42)の前記第1端部領域(301;401)は、前記アンカ部材を受容するように適合された複数の座部を含み、該座部の其々は、前記縦部材(31、32;41、42)の各事前設定箇所を画定する、請求項1に記載のシャーシ(1)。
【請求項3】
前記車室セル(2)は、前記調節可能なフレームの前記2つの縦部材(31、32;41、42)が取着されることができる横梁(25;26)を含み、各縦部材(31、32;41、42)の前記第1端部領域(301;401)は、アンカプレート(5)を含み、前記横梁(25;26)は、各縦部材(31、32;41、42)用調節プレート(6)を含み、前記アンカプレート(5)は、前記調節プレート(6)上の複数の所定位置に取着可能であり、前記調節プレート(6)は、ねじ、ボルト等の締着部材を受容するのに適する複数の孔又は座部(61)を備える、請求項1又は2に記載のシャーシ(1)。
【請求項4】
前記調節可能なシャーシは、前記交差部材(35;45)を、前記縦方向に離間する複数の位置で支持するように、配設され、それにより前記交差部材(35;45)と前記車室セル(2)との間の縦方向距離を調節可能にする、請求項1乃至3の何れかに記載のシャーシ(1)。
【請求項5】
各縦部材(31、32;41、42)の前記第2端部領域(302;402)は、前記交差部材(35;45)の各端部を受容するように適合される少なくとも1つの貫通スロット(33)を含み、前記交差部材(35;45)は、前記2つの縦部材(31、32;41、42)の横方向距離を調節中に、前記貫通スロット(33)内で摺動可能である、請求項1乃至4の何れかに記載のシャーシ(1)。
【請求項6】
各縦部材(31、32;41、42)の前記第2端部領域(302;402)は、複数の前記貫通スロット(33)を含み、各貫通スロット(33)は、前記交差部材(35;45)の各事前設定位置を画定する、請求項4及び5に記載のシャーシ(1)。
【請求項7】
車室セル(2)、シャーシ(1)の縦方向(100)に沿って配設される前部フレーム(3)及び後部フレーム(4)を含む車用シャーシ(1)であり、前記車室セル(2)は、前記前部フレーム(3)と前記後部フレーム(4)との間に介在され、前記シャーシ(1)は、前記縦方向(100)に直交する横方向(150)を有し、該縦方向において、前記前部フレーム(3)と前記後部フレーム(4)の少なくとも一方が、2つの縦部材(31、32;41、42)を含むシャーシ(1)であって、各縦部材(31、32;41、42)は、自動車の各車輪のサスペンション(7)を取着するための少なくとも1つの第1取着用組立部品(53)を備え、該少なくとも1つの第1取着用組立部品(53)は、前記サスペンション(7)を、前記車室セル(2)からの前記サスペンション(7)の縦方向距離を調節できるように、縦方向に離間された複数の位置で、取着するよう適合される、シャーシ(1)。
【請求項8】
各縦部材(31、32;41、42)は、自動車の前記各車輪の減衰システムの部材(75)を取着するために、第2取着用組立部品(57)を備え、該第2取着用組立部品(57)は、減衰システムの前記部材(75)を、縦方向に離間する複数の事前設定位置で、取着するよう配設される、請求項7に記載のシャーシ(1)。
【請求項9】
前記第1取着用組立部品(53)及び/又は前記第2取着用組立部品(57)の少なくとも1つは、ねじ、ボルト等の締着部材を受容するように適合された複数の孔(55、58)を備えるプレートである、請求項7又は8に記載のシャーシ(1)。
【請求項10】
前記調節可能なシャーシは、前記2つの縦部材(31、32;41、42)間の横方向距離の調節、及び車室セル(2)からのサスペンション(7)の縦方向距離の調節を可能にする、請求項1乃至6の何れか及び請求項7乃至9の何れかに記載のシャーシ(1)。
【請求項11】
前記前部フレーム(3)と前記後部フレーム(4)の両方は、調節可能なフレームであり、及び/又は前記少なくとも1つの第1取着用組立部品(53)を備え、前記2つの縦部材(31、32;41、42)間の横方向距離、及び/又は前記車室セル(2)からのサスペンション(7)の縦方向距離は、前記前部フレーム(3)と前記後部フレーム(4)両方に関して調節可能である、請求項1乃至10の何れかに記載のシャーシ(1)。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか一項に記載のシャーシ(1)を含む、自動車、特にスポーツカー。
【請求項13】
自動車、特にスポーツカーを構築する方法であって、該方法は:
請求項1乃至6の何れか一項に、又は請求項10又は11に記載のシャーシ(1)を取得するステップ;
前記自動車に対してトラック幅の値を選択するステップ;
前記調節可能なフレームの前記2つの縦部材(31、32;41、42)を、前記車室セル(2)に、前記選択されたトラック幅の値に関連する位置で、取着するステップ
を含む方法。
【請求項14】
自動車、特にスポーツカーを構築する方法であって、該方法は:
請求項7乃至11の何れか一項に記載のシャーシ(1)を取得するステップ;
前記自動車のピッチ値を選択するステップ;
前記サスペンション(7)を、前記第1取着用組立部品(53)を備える前記各縦部材(31、32;41、42)に、前記選択されたピッチの値に関連する位置で、取着するステップ
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種自動車に使用されるシャーシに関し、各種自動車について、本明細書では、グランツアラ又はカブリオレ車等のスポーツカーを例示しているが、これらに限定されない。
【背景技術】
【0002】
自動車の分野では、出来るだけカスタマイズ可能で、且つ顧客の特定のニーズに応じて構築されることができる車両を要求する市場区分が存在する。現在の生産工程は、それほど融通が利くものではなく、顧客にとっての高コストを除いて、そうした要求を満たすのに苦心している。今日、そうしたカスタマイズのニーズは、スポーツカーの分野において、特定の運転ニーズを満たそうとし、且つ個人的な美的問題を解決しようとするユーザに特に当てはまる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、従来技術の欠点を解消でき、及び/又は更なる利点を提供できる自動車を構築する方法を提供するという技術的課題に端を発する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
かかる技術的課題に対する一解決方法は、独立請求項1に記載の自動車用シャーシを提案することである。同技術的課題の別の解決方法は、独立請求項7に記載の自動車用シャーシによって提供される。これらの解決方法は、自動車の寸法特性(其々、トラック幅及びピッチ)の調節を、部品を取着する複数の所定位置を有して配設されるシャーシを使用して、可能にするという、共通の発明概念を有する。また、この技術的課題は、請求項13又は請求項14に記載の構築方法によっても解決される。
【0005】
本開示の対象に関する特定の実施形態は、対応する従属請求項で規定される。
【0006】
本開示で提供される解決方法の一態様は、複数の構成で取付けられるように配設され、特定の要求に応じてその実質的な特性の幾つかを調節できるシャーシを提供することである。具体的には、本シャーシは、自動車のトラック幅及び/又はピッチの調節を可能にする。
【0007】
特に、本シャーシは、運転者及び少なくとも1名の乗員を収容するよう意図された車室セル、及び該車室セルの前後に其々配設される2つのフレームを含む。
【0008】
2つフレームの少なくとも一方は、調節の可能性を提供する。第1実施形態では、2フレームの少なくとも一方は、幅を調節可能である:フレームは、2つの縦部材を含み、該部材は、横方向に離間された複数の事前設定位置の中から選択された位置で、車室セルに取着されることができる。これは、調節可能なフレームの幅、ひいては自動車のトラック幅(即ち、同軸の車輪の中心間の距離)を調節するのに、且つ自動車の推進システム及び/又は付属システム(例えば、冷却システム、電気系統、制御ユニット、センサ、チューブ等)を収納するのに使用可能な空間を、所望のトラック幅、及び実際にエンジンに必要な空間及び自動車に対して選択されたトリムソリューション(また「ハンドリング」とも呼ばれる)に応じて、変更するのに役立つ。
【0009】
特定の実施形態では、フレームの端部交差部材が、縦方向に離間される複数の事前設定位置で取付けられることによって、フレーム長も、調節可能である。
【0010】
別の実施形態では、上述された第1実施形態とは無関係であることができ、少なくとも2つのフレームの中1つは、車輪サスペンションの位置について、調節可能である:フレームは、2つの縦部材を含み、各車輪のサスペンションは、各縦部材3に、縦方向に離間された複数の事前設定位置の中から選択された位置に、取着されることができる。これは、自動車のピッチ(即ち、前輪の軸と後輪の軸との間の距離)を、所望の値に応じて調節するのに役立つ。
【0011】
また、車輪の減衰システムも、複数の所定位置間の選択された位置で固定可能である。これは、サスペンションの取着位置、緩衝器の種類、及び選択されたトリムに応じて緩衝器の位置を調節するのに役立つ。特定の実施形態では、複数の所定位置で、フレーム、サスペンション及び緩衝器を取着することに関する調節又は変更の上記可能性は、ねじ、ボルト等取着部材を受容するのに適する複数の孔又は座部を備える、取着プレート又は調節プレートを用いて実行される。所定箇所は、孔又は座部によって決定される:取着部材に使用される孔又は座部に応じて、特定の所定箇所での取着が得られる。
【0012】
特に、前部フレームと後部フレームは両方とも調節可能である、即ち、サスペンションのトラック幅及び/又は位置は、両フレームに関して調節可能である。実際には、本開示の対象は、モジュール式シャーシを提供するのに役立ち、該シャーシは、その技術的な特性のために、多くの構成に適合可能であり、必要に応じて、シャーシの(その結果、自動車についても)大幅な改造が可能になる。
【0013】
シャーシ自体の交差部材の位置と同様に、前部フレーム及び/又は後部フレームの縦部材間の距離を調節する能力は、内部空間の大きさを、推進手段及び変速装置の構成、付属システムのハウジングの構成、及び自動車のために選択されたトリム(ハンドリング)の構成に応じて、変更可能にする。
【0014】
前部フレーム及び/又は後部フレームは、区別せず同時に、熱機関と電気機関を収容でき、両機関は、縦方向又は横方向に配設される。また、これは、車室セルに中央トンネルを存在可能にすることによって容易になり、伝動軸の収納が可能になる。
【0015】
また、前部フレーム及び後部フレームは、横方向及び/又は縦方向の手動と自動両ギア変換装置も収容でき、該ギア変換装置は、推進システムと結合される、又は推進システムから分離されてもよく、推進システムを収納するフレーム内に配置される必要はない。
【0016】
推進ユニットに対して選択された構成に応じて、前部フレーム及び後部フレームは、冷却システム、電気系統、制御装置、センサ、パイプ等、自動車の付属システムを収容することもできる。
【0017】
既に言及されたように、前部フレーム及び後部フレームは、推進システムの配置、トラクションの種類の選択、付属システムの配置、電源タイプ、車体の形状、サスペンションのシステム等、自動車のシャーシを組立てる際に選択された特性に応じて、理想的なピッチ及びトラック幅を構成するのに使用される。これは、特に、車室セルからの異なる距離にサスペンションシステム/緩衝器の固定具を調節する(それにより自動車のピッチの変更が可能になる)ことを通して、及び/又はフレームの縦部材間の距離を調節する(それによりトラック幅の調整が可能になる)ことによって可能である。一実施形態では、車室セルは、中央トンネル、電源ユニット用右室、及び電源ユニット用左室を含む。これは、液体燃料タンク、気体燃料タンク、及び給電用バッテリーパックを収容可能にする。また、これらは、同時に収容されることができる。従って、シャーシは、同時に異なる電源を有する推進ユニットを収容するように構成されることができる。
【0018】
本開示の対象の更なる特性、効果及び使用方法については、例示目的で、限定目的ではない本開示の実施形態に関する以下の詳細な説明から一層明らかになるであろう。添付図について、言及する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】部分的組立状態における本開示による自動車用シャーシの正面斜視図を示している。
図2】部分的組立状態における図1のシャーシの平面図を示している。
図3】取付状態における、サスペンション及び緩衝器を含む、図1のシャーシの平面図を示している。
図4図1のシャーシの部品に関する背後からの斜視図を示している。
図5】組立状態における図1のシャーシの側面図を示している。
図6】組立状態における図1のシャーシの細部に関する斜視図を示している。
図7】組立状態における図1のシャーシの細部に関する別の斜視図を示している。
図8図7の細部に関する側面図を示している。
図9図7の細部に関する斜視図を示しており;サスペンション及び緩衝器を更に含んでいる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付図を参照すると、本開示による自動車用シャーシが、全体的に、参照番号1で示されている。シャーシ1は、図1では、分解状態で示されており、図3では組立状態で、自動車の他の部品を備えて示されている。シャーシ1は、所謂グランツアラ、スポーツ、カブリオレ車等の車を実現するための、又はスポーツカー全般のための、特定の用途に充てるものである。従って、以下では、スポーツカーに対して言及されるが、当然ながら、本発明は、別の自動車にも適用可能である。
【0021】
特に、このシャーシ1は、クライアントユーザに、車を構築する前に、一定の間隔内で、車の幾つかの特性(トラック幅、ピッチ、構造、推進システム、トラクションの種類、車体の形状等)を選択する可能性を提供したい全ての場合に、用途を見出すことができる。従って、シャーシ1は、車の個性化を実現するのに関して広範な可能性を与えるのに役立つ。
【0022】
シャーシ1は、車の荷重受構造体である: 車の他の全部品が、直接又は間接的にシャーシ1に取着される。特に、シャーシ1は、アルミニウム製である。
【0023】
シャーシ1は、車室セル又は中央乗員セル2、前部フレーム3及び後部フレーム4を含み;フレーム3、4は、車室セル2に取着される。車室セル2は、前部フレーム3と後部フレーム4との間に、シャーシ1の縦方向に沿って介在される。特に、シャーシ1は、車室セル2、前部フレーム3及び後部フレーム4を通る中心縦軸100を有する(図3)。また、シャーシの横方向も識別され、横方向は、縦方向と直交する。この横方向を例示するために、横軸が、図3に参照番号150で示されている。
【0024】
本開示の文脈において、用語「前(front)」、「後(rear)」、他の同様の空間に関する用語は、得られる自動車、及び自動車の通常の移動方向を基準にして解釈されるべきである。
【0025】
同様に、縦方向100は、自動車の前後方向に略対応する。横方向は、自動車が平地にある際には、略水平方向である。
【0026】
具体的には、車室セル2は、2座席201、202を有し、運転者及び乗員を収容するように設計される。車室セル2は、2つの荷重受縦梁又は縦部材21、22を含み、該部材は、車室セル2の長辺に沿って配設される。2つの縦梁21、22は、「外側トンネル」とも呼ばれ、中空内部及び開口端部を有し、それにより前部フレーム3から後部フレーム4へ、及び後部フレーム4から前部フレーム3へ、パイプ及びケーブルの通過を可能にしている。
【0027】
また、車室セル2は、荷重受機能も有する、中央縦部材23を含み、該部材は、車室セル2の中心縦軸に沿って配置される。中央縦部材23は、「中央トンネル」とも呼ばれ、中空内部を有し、開口端になっており、それにより前部フレーム3と後部フレーム4との間の接続を可能にしている。上部では、中央縦部材23は、配管、ケーブル、リンク機構、ボタン、レバー等の付属要素を収容する固定具(図示せず)を有する。
【0028】
中央縦部材23は、該部材内に自動車の推進システムの部品を収納可能にするよう寸法取りされてもよい。例えば、中央縦部材23は、或いは、伝動軸、液体燃料タンク、給電用バッテリパック、気体燃料の1つ又は複数のシリンダ(縦方向に位置決め可能な)を収容できる。
【0029】
車室セル2は、2つの前後交差梁又は交差部材25、26を含み、該交差部材は、縦部材21、22の端部に固定され、中心には中央縦部材23を固着するように形設されることができる。また、交差部材25、26は、交差部材の端部で、縦梁21、22を受容し、保持するように形設されてもよい。
【0030】
特に、前横梁又は前交差部材25は、左右対称の孔又は座部(図示されないが、1つが右側に、もう1つが左側に配設される)を備えて、ステアリングボックスをステアリングコラムに取着可能にする。左右対称孔により、左ハンドル又は右ハンドルの車を、ニーズに応じて実現できる。つまり、シャーシ1は、両方の運転位置用に配設される。後横梁又は後交差部材26は、車室セル2を閉端する。車室セル2は、中間隔壁又は中間交差部材27は、場合によって、荷重受機能を有してもよく、運転者及び乗員用座席固定具の直ぐ後ろに取着される。中間交差部材27は、中央縦部材23に直交して配置され、中央縦部材23自体を通るように形設される。
【0031】
中間交差部材27、後横梁26及び縦梁21、22の端部は、中央縦部材23で分離された2室201、202を画成する。2室271、272は、電源ユニット用に使用可能である、即ち、液体燃料用タンク、気体燃料用タンク及び/又は給電用バッテリパックを収納するよう意図されている。
【0032】
車室セル2は、縦梁21、22、中央縦部材23、横梁25、26及び中間交差部材27の下部に取着される床20を含む。床20は、中間交差部材27の直前の領域に、運転者及び乗員用座席のための固定具を有する。加えて、床20は、前横梁25に最も近い部分、即ち運転者及び乗員の脚を置く領域に、ペダル板(図示せず)用固定具を備えられる。これらの固定具は、左ハンドル又は右ハンドル位置に応じて使用されるように、左右どちらにも存在できる。ペダル板の固定具は、ペダル板自体の取着を座部に対して前方又は後方に調節可能なように、構成されることができる。
【0033】
車室セル2は、場合によっては、同様に荷重受機能を有する橋架交差部材28を含む。橋架交差部材28は、縦梁21、22に取着され、両梁間で橋形状を有し、車室セル2の上部を画定する。橋架交差部材28は、ステアリングコラム、車載計器、フロントガラスシャーシ、及びダッシュボードを収納できるように位置決めされ、形設される。橋架交差部材28の外端部には、車のドアを開閉する機構の固定具を有する。
【0034】
最後に、車室セル2は、橋架隔壁29を、場合によっては荷重受機能を有して設け、該隔壁29は、橋架交差部材28に、前横梁25に、及び縦梁21、22の前内側又は外側に取着される。橋架隔壁29は、前横梁25及び縦梁21、22に向かい下方に傾斜する形状を有する。特に前横梁25に近い部分では、橋架隔壁29は、ダッシュボード、フロントガラスシャーシ及び床に打付けるペダル板のための固定具及びハウジングを有する。また、橋架隔壁29は、選択された運転位置に応じて、左右ペダル板を固定するようにも設計される。
【0035】
基本的に、車室セル2は、桶形状のシャーシであり、運転者と乗員のための空間を画成する剛性構造を有し、更に、運転装置及び付属品、車載計器及び付属品、タンク又は他の電源ユニット、車体又はその部品を受容し、取着するように設計される。例えば、縦梁21、22は、該梁の上面に、ロールバーを取着するためのアンカ215を有する。
【0036】
前部フレーム3及び後部フレーム4は其々、2つの縦部材を含み、該部材は、縦方向に配設され、車室セル2、及び縦部材に直交し、縦部材によって支持される交差部材に取着される。基本的には、2つの縦部材及び交差部材は、C形構造体を形成し、該構造体は、車室セル2に取着されて、実質的に、四角形、特に長方形に形設された周囲シャーシとなる。
【0037】
車の前輪及び後輪は其々、前部フレーム3及び後部フレーム4に取付けられる。フレーム3、4は、フレームの下部、即ち支持部に、車の推進システムを含んでもよい。例えば、かかる支持部は、ボルト又は同様の固定システムによって縦部材に溶接又は締着される。図示された実施形態では、前部フレーム3と後部フレーム4は両方共、以下で説明するように、調節可能である。別の実施形態では、前部フレーム3だけ、又は4だけが、調節可能なフレームとなる。
【0038】
前述したように、前部フレーム3又は調節可能な前部サブフレームは、2つの縦部材31、32及び交差部材35、又は前部クロスバーを含む。各縦部材31、32は、車室セル2、特に前横梁25に取着される第1端部領域301を有する。
【0039】
本開示の一態様によると、シャーシ1は、各縦部材31、32が、横方向に離間された複数の所定位置で、取着できるように配設される。つまり、シャーシ1の組立て中に、各縦部材31、32が前梁25に取着する位置、及び縦方向中心軸100からの縦部材31、32の距離を選択できる。これにより、2つの縦部材31、32間の横方向距離、即ち前部フレーム3の幅を、得られる前部トラック幅の値に応じても、調節可能になる。
【0040】
この調節を可能にするために、縦部材31、32の第1端部領域301は、アンカ部材を含み、前横梁25は、アンカ部材を受容するように適合された複数の座部を含み;各座部は、縦部材31、32の各所定位置を画定する。別の反対の実施形態では、アンカ部材は、前横梁上にあり、複数の座部は、縦部材の第1端部領域301上にある。
【0041】
図示された実施形態では、アンカ部材は、縦部材31、32の本体に取着又は溶接されたプレート5である。アンカプレート5は、略多角形(特に長方形)であり、ねじ又はボルト等の締着部材用の少なくとも4つの貫通孔又はスロット51を有する。
【0042】
複数の座部が、前横梁25上に配設された多角形(特に長方形)の調節プレート6によって画定される:調節プレート6は、ねじ、ボルト又は他の同様の固定システム用の少なくとも2つの並列の孔又はスロット61を有する。特に、各孔61は、ねじ切されてもよく、同じ直径を有し、ねじ切がある場合には、同じねじ山にする。
【0043】
例えば、各組は、少なくとも3つの孔61を含み、該孔は、横方向に互いに離間される。一連の孔61と一連のピッチとの間の垂直距離は、アンカプレート5が調節プレート6に載接すると、アンカプレート5の孔51が、対応する孔61と合致し、それによりねじ、ボルト又は他の同様な固定システム50を挿入して、アンカプレート5を調節プレート6に取着することを実現するように、選択される。
【0044】
孔61の数により、アンカプレート5は、調節プレート6上の複数の所定位置で取着されることができる:アンカプレート5の貫通スロット51に(及びスロット51に挿入された取着部材50に)対応し、事前設定位置でアンカプレート5を接合可能にする複数の孔61が存在する。従って、貫通スロット51と合致する一組の孔61は、アンカプレート5を受容するように適合される座部を画定し;座部が、凹部又は他の物理的な画成部によって物理的に画定される必要はない。
【0045】
事前設定位置は、少なくとも2カ所であるが、好適には、より多数の、例えば、10カ所とする。各孔61の間の距離は、約0.5cm、又は1cm以上のこともある。例えば、極端位置間の距離は、50cmである。
【0046】
貫通スロット51の代わりに、アンカプレート5は、突出したねじ付きピンを備え、該ピンは、アンカプレート5自体に取着され、調節プレート6の孔61内に挿入されて、ボルト締めされるよう意図される。
【0047】
或いは、取着又は溶接するのに、アンカプレート5は、各縦部材31、32との(上記突出するねじ付きピンと共にも)一体成形(unique casting)から行われることができ、又は、ねじ付きピンとの一体成形から得られ、その後、縦部材31、32に溶接又は固定されることができる。また、調節プレート6は、前横梁25と共に一体成形からも得られる、又は、前横梁25の一体部分とすることもできる。
【0048】
図面で示されているように、前横梁25は、2枚の調節プレート6を備える:片方は、左縦部材31であり、他方は、右縦部材32である。其々で、各縦部材の取着位置を調節できる。
【0049】
より確実に接続し、それにより横梁25にかかる荷重をより良好に分配するために、各調節プレート6を、二重にする、即ち、第1プレート6aが、前横梁25の外側(即ち、前部フレーム3に向く面)に取着され、第2プレート6bは、前横梁25の内側(即ち、車室セル2の内部に向く面)に取着される。第1プレート6aと第2プレート6bは平行で、孔61を有し、該孔は、ねじ又はボルト又は他の同様な固定システム50が、第1プレート6aに入り、前梁25の全厚を横断した後に第2プレート6bから出るように、互いに位置合せされる。
【0050】
また、各縦部材31、32は、交差部材35を支持する第2端部領域302も有する。2つの縦部材31、32間の横方向距離に関する上記調節を容易にするために、第2端部領域302は、交差部材35の各端部を受容するように構成される貫通スロット又は開口部33を含む。つまり、交差部材35は、縦部材31、32に直交する貫通スロット33に挿入され、その後、縦部材自体によって支持される。
【0051】
貫通スロット33及び交差部材35の端部は、交差部材35が、シャーシ1の縦軸100と垂直に、貫通スロット33内で摺動できるような寸法にされる。2つの縦部材31、32間の横方向距離の調節中に、従って、交差部材35は、縦部材が、横方向に変位するのを妨げず、前部フレーム3は、略四角形を維持する。
【0052】
図示された実施形態では、各縦部材31、32の第2端部領域302は、複数の上記貫通スロット33、例えば2、3又は4つの貫通スロットを含み、該貫通スロットは、縦方向に、例えば少なくとも1cm互いに離間される。
【0053】
また、縦部材31、32に対する交差部材35の係止は、ねじ、ボルト、又は他の固定システム59によって行われ、該システム59は、ねじ切されることもでき、縦部材31、32の第2端部領域302で各貫通スロット33の所で、垂直に穿設された孔34に挿入されることもでき、且つ該システム59は、ねじ切されることもでき、交差部材35の端部に穿設された対応する孔37に係合する。特に、交差部材35の端部の上部は、ねじ切されることもできる一連の孔37を含み、縦部材31、32の各貫通スロット33の他にも、2つの縦部材31、32間の異なる横方向距離に対する係止を可能にする。
【0054】
実際には、前部フレーム3は、縦方向に離間し、貫通スロット33によって画定される複数の事前設定位置で、交差部材35を支持するように配設される。交差部材35が挿入される貫通スロット33を選択できることにより、交差部材35と車室セル2との間の縦方向距離を調節できる、即ち、前部フレーム3の長さを調節できる。これは、前部フレーム3の大きさ及び前部フレーム3の構造的剛性を、例えば、前部フレーム3内/上に設置及びセットされる車の推進システム、変速装置、トラクション、付属システム、及びトリム(ハンドリング)等の特性に応じて、適合するのに役に立つ。
【0055】
本開示の別の態様によると、各縦部材31、32は、車の車輪の各サスペンション7を取着するための少なくとも第1取着用組立部品を備える。特に、この第1取着用組立部品は、プレート53である。サスペンション7が、4本のアーム71を有するため、縦部材31、32の外側に位置決めされる4つの第1取着用組立部品、即ち4枚のプレート53が設けられている。
【0056】
上記第1取着用組立部品は、縦方向に離間される複数の位置でサスペンション7を取着するために設けられる:各プレート53は、少なくとも1組の縦方向の孔55を有し、各孔55は、ねじ切されることもでき、同じ直径を有し、ねじ切がある場合には、同じねじ山を有し、該孔は、ねじ、又はボルト、又は他の同様の固定システムを用いたサスペンションのアーム71の各取着点を、画定する。これは、車室セル2からのサスペンション7の縦方向距離を調節可能にするのに役立つ、従って選択されるトリムに応じて、車のピッチを変更するのに役立つ。
【0057】
事前設定位置は、少なくとも2カ所であるが、好適には、より多数、例えば、10カ所とする。孔55の距離は、約0.5cm、又は1cm以上のこともある。例えば、極端位置間の距離は50cmである。
【0058】
実際には、プレート53は、ピッチ調節プレートである。各アーム71は、枢動可能に各プレート53に、例えば、各サブフレームによって、アーム71がプレート53に対して縦方向の水平軸周りに、自動車用車輪のサスペンションの必要に応じて、回転できるように、取着される。
【0059】
調節プレート6に関して既に説明したのと同様に、各ピッチ調節プレート53も、二重にすることができ、該プレートは、縦部材31、32の外側に取着される第1プレート、及び縦部材の内側に取着される第2プレート15を含み、両プレートは、孔55を有し、該孔は、ねじ切されることもでき、互いに位置合せされる。各縦部材31、32は、サスペンションの減衰システムの渦巻きバネ又はリンク機構(例えば、プッシュロッド又はプルロッド)を有する伸縮式緩衝器75等、各車輪の減衰システムの部材を取着するための第2取着用組立部品を更に備える。
【0060】
この第2取着用組立部品は、縦部材31、32の上部の面又は側面に位置決めされ、減衰部材75を、縦方向に離間された複数の事前設定位置に取着するように、配設される。特に、シャーシ1の第2取着用組立部品は、縦部材の上面に取着されるプレート57を含む。プレート57は、少なくとも1組の縦方向の孔58を有し、各孔58は、ねじ切されることもでき、同じ直径を有し、ねじ切がある場合には、同じねじ山を有し、該孔は、ねじ、ボルト、又は他の同様の固定システムを用いた減衰部材75のサブフレームの各取着点を、画定する。これは、車室セル2からの減衰部材75の取着点の縦方向距離を調節可能にして、トリムを変更したり、サスペンション7の位置決めに配慮したりするのに役立つ。基本的に、緩衝器75の片端部は、プレート57を介して縦部材31、32に取着され、一方、緩衝器75の他端部は、サスペンション7に取着される。取着又は溶接の代わりに、プレート53、57は、各縦部材31、32との一体成形からも実現される、又は縦部材31、32の一体部分とすることもできる。
【0061】
後部フレーム4、又は調節可能な後部サブフレームは、2つの縦部材41、42及び交差部材45、又は後部クロスバーを含む。各縦部材41、42は、車室セル2、特に後横梁26に取着される第1端部領域401、及び交差部材45を支持する第2端部領域402を有する。図示された実施形態では、後部フレーム4は、構造、車室セル2に関して調節可能に取着すること、及び後部サスペンションと減衰システムに関して調節が可能なこと及び取着方法について、前部フレーム3と略同じである。実際に、後部フレーム4は、前部フレーム3と同じ片体で且つ同じサイズで実現されることができる。
【0062】
よって、後部フレーム4については、これ以上詳述せず、必要な変更を加えた上で、上記を参照するものとする。
【0063】
明らかに、シャーシ1の組立中、選択される前部フレーム3に対する調節は、トリムに関する特定のニーズ、推進システム、トラクション、変速装置等の選択に応じて、異なる可能性がある。
【0064】
また、本開示は、シャーシ1を含む、車、特にスポーツカーにも関する。
【0065】
車の構築中、シャーシ1は、選択されたエンジン、変速装置、強度、構造、付属システムソリューションの設置に応じて、精確に取付けられる。
【0066】
特に、車のトラック幅の値は、選択される。各調節可能なフレーム3、4の縦部材は、アンカプレート5及び調節プレート6システムを通して、選択されたトラック幅の値に関係する位置で、車室セル2に取着される:縦部材間の横方向距離は、トラック幅の値からサスペンションの横方向の嵩を減算することによって、算出される。
【0067】
必要ならば、前部トラック幅は、後部トラック幅とは異なる値を選択されてもよい。
【0068】
また、ピッチの値を選択することによって、サスペンション7は、選択されたピッチの値に関連する位置で、ピッチ調節プレート53システムを介して、車輪の軸間距離が所望となるように、調節可能なフレーム3、4の各縦部材に取着される。緩衝器は、適切な位置で、プレート57だけでなく、各サスペンション7に取着される。
【0069】
その後、車の他の構成要素(推進システム、タンク、運転システム、計器、車体、内装等)の組立が、シャーシで実行され、完成車を得る。
【0070】
本開示の対象は、多くの変形及び変更が可能で、そうした変形及び変更全ては、付記されたクレームの保護範囲内にあるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】