(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-531148(P2017-531148A)
(43)【公表日】2017年10月19日
(54)【発明の名称】廃棄物焼却プラントの燃焼チャンバー内で発生するスラグを処理するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
F23H 11/24 20060101AFI20170922BHJP
【FI】
F23H11/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2017-514461(P2017-514461)
(86)(22)【出願日】2015年7月6日
(85)【翻訳文提出日】2017年5月11日
(86)【国際出願番号】EP2015065305
(87)【国際公開番号】WO2016041652
(87)【国際公開日】20160324
(31)【優先権主張番号】14003213.7
(32)【優先日】2014年9月16日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516042103
【氏名又は名称】ヒタチ ゾウセン イノバ アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(72)【発明者】
【氏名】ベルナー ブレンバルト
(72)【発明者】
【氏名】フォルカー ビーゼンドルフ
(57)【要約】
本発明は、焼却火格子(10)上で燃焼させられ且つこれと同時にスラグ除去装置(17)の方向に搬送される、燃焼させられる廃棄物によって生じさせられる、廃棄物焼却プラントの炉(2)内で発生するスラグを処理するための方法を提供する。この方法は、焼却火格子(10)が、少なくとも、スラグ除去装置(17)に面しているその末端区域内において、分別火格子(11)として形成されており、且つ、開口部(46a−d)を有し、及び、この開口部を経由して炉(2)は微細スラグ排出チャンバー(34、34a−f)に連結されており、及び、スラグの少なくとも1つの細粒分が開口部(46、46a−d)を経由して微細スラグ排出チャンバー(34、34a−f)の中に放出され、且つ、概ね乾燥した状態で外部に放出され、残りの粗粒分が前記スラグ除去装置(17)の中に給送され、且つ、外部に排出されることを特徴とする。この場合に、少なくとも1つの細粒分の平均粒径が粗粒分の平均粒径よりも小さい。本発明は、分別火格子(11)が、少なくとも特定の区域内において、分別火格子の全幅にわたって分布させられており且つスラグに対して制御された形で空気が中を通して給送されるエアフィード(36)を有し、及び、このエアフィード(36)は開口部(46、46a−d)から隔離されており、且つ、別個に形成されていることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼却火格子(10)上で燃焼させられ、且つこれと同時にスラグ除去装置(17)の方向に搬送される、燃焼させられる廃棄物によって生じさせられる、廃棄物焼却プラントの燃焼チャンバー(2)内で発生するスラグを処理するための方法であって、
前記焼却火格子(10)は、少なくとも、前記スラグ除去装置(17)に面しているその末端区域内において、分別火格子(11)として形成されており、且つ、開口部(46a−d)を有し、及び、前記開口部を経由して前記燃焼チャンバー(2)は微細スラグ排出チャンバー(34、34a−f)に連結されており、及び、前記スラグの少なくとも1つの細粒分が前記開口部(46、46a−d)を経由して前記微細スラグ排出チャンバー(34、34a−f)の中に放出され、且つ、概ね乾燥した状態で外部に放出され、
残りの粗粒分が前記スラグ除去装置(17)に給送され、且つ、外部に排出され、
前記少なくとも1つの細粒分の平均粒径が、前記粗粒分の平均粒径よりも小さい、方法において、
前記分別火格子(11)は、少なくとも特定の区域内において、前記分別火格子の全幅にわたって分布させられており、且つ前記スラグに対して制御された形で空気が中を通して給送されるエアフィード(36)を有し、及び、前記エアフィード(36)は前記開口部(46、46a−d)から隔離されており、且つ、別個に形成されている、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記微細スラグ排出チャンバー(34、34a−f)は前記微細スラグ排出手段(50、51a、51b)を割り当てられており、前記微細スラグ排出手段は、前記スラグの前記細粒分が概ね気密的な形で外部に排出されるように設計されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記微細スラグ排出手段(50、51a、51b)はロック手段を形成することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記細粒分は、最大粒径が12mm以下であり、好ましくは10mm以下であり、さらに好ましくは8mm以下であり、最も好ましくは5mm以下である、粒子だけを含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記焼却火格子(10)は、前記スラグ除去装置(17)に面するその末端区域内でだけ、好ましくはバーンアウト区域内でだけ、分別火格子(11)として設計されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記分別火格子(11)は、異なる横断面積の開口部(46、46a−d)を有し、及び、前記開口部の前記横断面積の大きさが、前記搬送方向(F)で見た時に、増大することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか一項に記載の方法を実行するための焼却火格子であって、
複数の火格子要素(44、49)を備え、前記複数の火格子要素は、燃焼させられる廃棄物の前記搬送方向(F)において階段状に互いの上に位置し、且つ、こうして火格子段(48a、48b)を形成し、及び、前記焼却火格子(10)は、少なくとも、前記搬送方向(F)において下流に位置しているその末端区域内において、分別火格子(11)として設計されており、及び、前記分別火格子は、少なくとも前記スラグの細粒分を放出するための開口部(46、46a−d)を有する焼却火格子において、
前記分別火格子(11)は、少なくとも特定の区域内に、前記スラグに対する制御された空気供給のための、その全幅にわたって分布しているエアフィード(36)を有し、及び、前記エアフィード(36)は前記開口部(46、46a−d)から隔離されており、且つ、別個に形成されていることを特徴とする焼却火格子。
【請求項8】
前記火格子要素(44、49)の少なくとも幾つかは、支持表面を形成する上壁(53又は53′)と、前記焼却火格子(10)の前記搬送方向(F)で見た時に前方にある壁(55、55′)とを有する、本体を備えることを特徴とする請求項7に記載の焼却火格子。
【請求項9】
前記開口部(46d)は前記火格子要素(49)の相互間の間隙の形状であり、及び、特に、前記横断方向において互いに間隔が開けられている2つの火格子要素(49)によって各々が形成されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の焼却火格子。
【請求項10】
前記火格子要素(49)は、互いに対して相対的に行われる給送移動によって前記スラグをひっくり返し及び/又は搬送するように設計されていることを特徴とする請求項7〜9の何れか一項に記載の焼却火格子。
【請求項11】
前記開口部(46、46a−d)の横断面、特に、前記間隙(46d)の横断面が、給送移動中に変化させられることを特徴とする請求項10に記載の焼却火格子。
【請求項12】
前記火格子要素は火格子ブロック(49)であり、及び、前記火格子の幅の全体にわたって互いに隣接して配置されている複数の火格子ブロックが、各々の場合に、火格子段(48a、48b)を形成することを特徴とする請求項7〜11の何れか一項に記載の焼却火格子。
【請求項13】
前記分別火格子の前記開口部は、12mm以下の、好ましくは10mm以下の、さらに好ましくは8mm以下の、最も好ましくは5mm以下の最大粒径を有する粒子だけの通過を可能にするように設計されていることを特徴とする請求項7〜12の何れか一項に記載の焼却火格子。
【請求項14】
前記スラグに面する前記分別火格子(11)の合計面積に対する、前記開口部(46、46a−d)の横断面積と前記エアフィード(36)の横断面積との合計の比率が、5%よりも大きく、好ましくは6%よりも大きく、及び、最も好ましくは7%よりも大きいことを特徴とする請求項7〜13の何れか一項に記載の焼却火格子。
【請求項15】
請求項7〜14の何れか一項に記載の焼却火格子を含む廃棄物焼却プラントのための燃焼チャンバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求の範囲の請求項1の前文による廃棄物焼却プラントの燃焼チャンバー内で発生するスラグを処理するための方法と、この方法を実施するための焼却火格子(incineration grate)とに関する。本発明は、さらに、この種の焼却火格子を含む廃棄物焼却プラントの燃焼チャンバーにも関する。
【背景技術】
【0002】
廃棄物焼却の分野では、燃焼チャンバー内で生じる燃焼の終了時に存在する固体残留物が、「スラグ」と呼称されている。
【0003】
こうした残留物は、スラグ除去装置によって廃棄物焼却プラントから排出され、このスラグ除去装置は概して重力送りシュートを備え、スラグはこの重力送りシュートを経由して燃焼チャンバーの外に落下して、水で満たされたトラフの中に入る。急冷されたスラグは、概して、上記トラフから、ラム又は排出チェーンによって排出シュート又は排出トラックの中を通る形で押され、及び、スラグは、この排出シュート又は排出トラックから、廃棄に適した形態で前方に搬送される。
【0004】
例えば、特許文献1では、水で満たされた弓状のトラフを備え、及び、このトラフの中にスラグ重力送りシュートが開いており、及び、そのトラフの湾曲した円弧の上で排出ピストンが前後移動させられ、トラフ内で急冷されたスラグを押して上昇排出シュートの中を通過させることが可能な、スラグ除去装置が説明されている。
【0005】
湿った状態でスラグを外部に排出する別のスラグ除去装置が、例えば、特許文献2に開示されている。
【0006】
さらに、水で満たされたスラグ排出流路が、例えば、特許文献3に開示されており、このスラグ排出流路は、適切な装置によってスラグを送り込まれ、及び、さらに、火格子の間を落下するダストがこのスラグ排出流路の中に案内される。
【0007】
廃棄物焼却プラントの経済的利益を増大させる観点から、再使用可能な材料をスラグから回収するための懸命な努力が長期にわたって行われてきた。この場合に、関心の対象は、鉄を回収することだけでなく、特にアルミニウム又は銅、さらには、銀、金、又は、白金のような貴金属といった非鉄材料を回収することにもある。
【0008】
第1の回収方法は、スラグの細粒分に対して適切な分別処理に行うことである。鉄の場合には、鉄は、例えば、磁気的分別によって回収される。
【0009】
しかし、効率的な分別は、乾燥スラグに対してだけ行うことが可能である。
【0010】
したがって、上述した従来技術のスラグ除去装置によって排出される湿ったスラグは、価値ある材料が回収されることが可能である前に、連続的にひっくり返されながら、数週間にわたって乾燥させられなければならない。特に、アルミニウムの回収に関しては、価値ある材料の大部分が、乾燥プロセスにおいてだけでも失われる可能性がある。この問題は、アルミニウムが水中で非常に迅速に酸化し、これによって回収が不可能になるということによって、より深刻化させられる。価値ある鉱物の回収が求められる場合には、湿ったスラグ中においてさえ接着反応が生じる可能性があり、このことが回収を無益なものにするか、又は、技術的又は経済的な観点から見て回収を不可能にするという追加的な事実が存在する。
【0011】
湿ったスラグの除去のこれらの欠点に基づいて、乾燥スラグを排出するための装置が提案されてきた。
【0012】
したがって、例えば、スラグが分級物に分割され、この分級物に対して予備分別が行われる方法に関する提案が、特許文献4において開示されており、この予備分別では、鉄部分が除去され、及び、さらに別の分別が行われ、この別の分別では、非鉄金属部分が除去され、スラグが乾燥状態に保たれる。多量のダストの発生を阻止するために、特許文献5が、燃焼チャンバーの出口の直ぐ近くに対応する分別装置を配置することを提案している。
【0013】
さらに、特許文献6が、例えば、熱廃棄物処理プロセスからの残留物を分別するための方法を説明しており、この方法では、流路内の少なくとも1つの段と、流路の間に配置されている自由落下区域とを経由して残留物が滝状に下方に搬送されると同時に、振動運動が加えられ、及び、細粒分が気体流によって除去される。
【0014】
この空気式の分別プロセスのために必要とされる気体流の結果として、比較的大量の気体、特に、空気が、このプロセス中に対応する分別装置の内部に送り込まれる。しかし、バーンアウトとエネルギーバランスとに関して不都合である燃焼チャンバー内の温度低下を防止するためには、低い温度を有する可能な限り少ない空気が燃焼チャンバー内に入り、且つ、特に、燃焼チャンバーの主燃焼区域とバーンアウト区域との中に入ることが確実なものにされなければならない。さらに、特許文献6で説明されている方法は、分別装置に送り込まれる残留物が、全体として比較的大きいドロップを通過しなければならないということを必要とする。したがって、残留物が比較的高い高さで送り込まれることが確実なものにされなければならない。このことは、一方では、熱重力送り処理プラントの比較的複雑な構造を必要とし、又は、この代わりに、分別されるべき固体が上記高さに搬送するための手段が備えられることを必要とする。さらに、サイクロン又はフィルターのような、多くのメンテナンスを必要とする比較的複雑な装置が、気体流から細粒分を分別するために必要とされる。
【0015】
大まかに述べると、特許文献4と特許文献5との両方に説明されている方法には、材料と、材料と必ず形成される気体/固体混合物との搬送から多量のダストが結果的に発生し、及び、このダスト発生が高コストの手段によって対処されなければならないという欠点がある。
【0016】
価値ある材料を高含量で含む灰成分を回収する方法が、特許文献6で説明されている。この特許文献では、灰が中を通って落下してホッパー内で回収されることが可能である燃焼空気開口部を有する焼却火格子が使用される。灰が通過して落下することを可能にするために特許文献6で必要とされている焼却火格子の「間隙率」が、燃焼チャンバーの中に入る空気の量を決定し、及び、このことは、最適のエネルギーバランスに関して不都合である。さらに、特許文献6に説明されている方法では、燃焼空気開口部を経由して反対方向に燃焼チャンバー内に流れ込む空気によって、灰が放出されることが阻止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】独国特許出願公開第2539615号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第0363645号明細書
【特許文献3】独国特許第959399号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第2128279号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第1882529号明細書
【特許文献6】特開2003−286522号公報
【特許文献7】欧州特許出願公開第0446888号明細書
【特許文献8】米国特許第4838183号明細書
【特許文献9】欧州特許出願第2778523号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
したがって、本発明の目的は、スラグを処理するための簡単で且つ低保守性である方法を利用可能にすることであり、この方法は、従来技術の上記の欠点、特に、深刻なダスト発生と、発生するより低劣なエネルギーバランスなしに、乾燥状態で放出されることが可能な少なくとも1つの細粒分と、粗粒分との形に、スラグを分別することを可能にする。特に、この方法は、従来の火格子システムの構造に適合可能である。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明では、この目的が、特許請求項第1項に記載されている方法によって実現される。本発明の好ましい実施態様が従属請求項に示されている。
【0020】
したがって、請求項1によって、本発明は、焼却火格子上で燃焼させられると同意にスラグ除去装置の方向に搬送される、燃焼させられる廃棄物によって生じさせられる、廃棄物焼却プラントの燃焼チャンバー内で発生するスラグを処理するための方法に関する。
【0021】
本発明では、焼却火格子は、スラグ除去装置に面する少なくともその末端区域内に、即ち、さらにスラグ除去装置よりも先に、分別火格子として形成される。この分別火格子は開口部を有し、この開口部を経由して燃焼チャンバーが微細スラグ排出チャンバーに連結されている。スラグの少なくとも1つの細粒分がその開口部を通して微細スラグ排出チャンバーの中に放出され、及び、概ね乾燥した状態で外部に排出される。残留する粗粒分はスラグ除去装置に送り込まれる。この場合に、少なくとも1つの細粒分の平均粒径は、粗粒分の平均粒径よりも小さい。
【0022】
分別火格子は、少なくとも特定の区域内にエアフィードを有し、このエアフィードは、その特定の区域の幅全体にわたって分布しており、且つ、このエアフィードを経由して、空気が、制御された形でスラグに送り込まれる。この場合には、エアフィードは、細粒分を放出するための開口部から隔離されており、及び、別個に形成されている。
【0023】
これに関連して、術語「外部に」は、燃焼チャンバーと微細スラグ排出チャンバーとスラグ除去装置と廃棄物給送装置と一次エアフィードとを備える廃棄物焼却プラントの焼却炉の外部を意味する。
【0024】
本発明は、廃棄物焼却プラントの炉内の焼却火格子が、固体材料を燃焼させて搬送するために使用されることが可能であるだけでなく、適切な開口部がある場合には、分別火格子としても機能することが可能であり、及び、バーンアウト段階においてさえ、この分別火格子を経由してスラグの少なくとも1つの細粒分が分別されることが可能であるという洞察を活用する。したがって、分別火格子はスクリーンの機能を有し、及び、この分別火格子によって、少なくとも細粒分の予備分別が行われ、及び、その後に、この細粒分に対して、後続の段階において再使用可能な材料を回収する、さらに別の分別を行うことが可能である。
【0025】
特定のサイズを有するスラグの細粒分を少なくとも放出するための焼却火格子に開口部が存在しているので、この焼却火格子は、例えば特許文献3に開示されている種類の現行の焼却火格子とは基本的に異なっているが、これは、特許文献3においては、技術的に可能である限り材料が中を通って落下することを防止することが意図されており、及び、したがって、火格子上に位置した材料の分級物の選択的な放出のための開口部が存在しないからである。
【0026】
したがって、本発明では、対応するサイズのスラグ成分、即ち、少なくとも細粒分が、上述した開口部を経由して、燃焼チャンバーの外に落下し、及び、少なくとも焼却火格子の上記末端区域内において微細スラグ排出チャンバーの中に落下し、一方、より大きい寸法の他のスラグ成分、即ち、粗粒分が、スラグ除去装置に到達する。したがって、粗大なスラグ成分が、細粒分中に含まれる更なる分別のための成分から分別され、及び、したがって、細粒分は、直接的に、即ち、さらに別の方法段階なしに、例えば渦電流分別装置又は分別テーブルのような対応する分別装置に送り込まれる。
【0027】
したがって、粗粒分と細粒分とへの分別が燃焼チャンバーからの放出の後だけに生じるということを原因とする、特許文献4及び特許文献5による方法において生じるダスト発生の問題が、本発明によって回避されることが可能である。
【0028】
分別火格子としての焼却火格子の設計が、少なくともスラグ除去装置に面するその末端区域において、焼却火格子がその全体又は全長にわたって分別火格子として設計されている実施様態を含む。
【0029】
微細スラグ排出チャンバーと粗スラグ排出チャンバーとの存在と、対応するスラグ成分のこれらによって可能な分別とにおいて、この検討中のスラグ除去装置は、既知の装置及び方法とは基本的に異なっており、こうした既知の装置及び方法では、例えば、特許文献3又は特許文献2、特許文献7又は特許文献8に開示されている装置においてそうであるように、スラグのすべてが単一のスラグ排出流路又は単一のスラグトラフに送り込まれる。
【0030】
上述したように、本発明によって得られることが可能な細粒分は、特に、再使用可能な材料の回収に関連している。細粒分は、比較的小さい粒径のスラグ成分だけを含むので、この細粒分は、概して、概ね完全にバーンアウトさせられる。
【0031】
これとは対照的に、粗粒分が送り込まれることが可能なスラグ除去装置は、例えばその中に含まれるスラグ成分のさらに別の処理のためのスラグ処理火格子を割り当てられることが可能であり、これは、粗粒分の中に含まれる可燃性材料の塊が依然として存在しているかも知れない状況という観点から見て、特に重要である。対応するスラグ処理火格子又は対応するスラグ処理装置が、欧州特許出願第14 000 796.4号明細書(特許文献9)に説明されており、この特許文献の内容全体が本明細書中に引用として援用されている。
【0032】
細粒分が乾燥状態で排出されるので、さらに別の処理の前に、特に、例えば渦電流分別装置又は分別テーブル上での分別のようなさらに別の分別の前の、時間浪費的で且つエネルギー浪費的である乾燥段階が不要であり、このことが、この方法の経済性に明確な形で貢献する。さらに、この方法によって、湿ったスラグで生じる可能性がある接着反応が回避されるので、回収された再使用可能な材料のより高い収量が実現されることが可能である。
【0033】
したがって、本発明による方法は、既存の廃棄物焼却プラントの構造から始めて、細粒分を分別するための比較的単純な適合化を行うことを可能にし、その後に、この細粒分から、再使用可能な材料の回収のために行われなければならない乾燥のための複雑な事前段階なしに、こうした再使用可能な材料が回収されることが可能である。細粒分が放出され、したがって、単に重力によって、分別火格子上に残る粗粒分から概ね分別されるので、例えば追加的な篩い分けのような追加的な分別段階が全く不要であり、及び、このことが、さらに、この方法の経済性に寄与する。
【0034】
特に効率的な冷却を確実なものにするために、別の好ましい実施態様では、焼却火格子と、特に分別火格子とが、水又は空気によって冷却される火格子要素を備える。対応する水冷式又は空冷式の火格子要素が、当業者には公知である。
【0035】
空冷式の火格子要素が、本発明の目的のために特に好ましい。
【0036】
本発明では、分別火格子は、その全幅にわたって分布しているエアフィードを、少なくとも特定の区域内に有し、及び、このエアフィードを経由して、制御された形で空気がスラグに送り込まれる。このようにして、分別火格子の冷却とは無関係に、スラグが所望の温度に冷却され、及び、過剰に低い温度の(侵入した)空気が燃焼チャンバー内に制御されない形で入ることなしに、スラグ内に依然として存在している可能性があるあらゆる可燃性の成分が放散させられ、及び、これによって燃焼チャンバー内のエネルギーバランスを適合させるということを確実なものにすることが可能である。
【0037】
本発明では、空気体積の制御と分配とが、細粒分の放出のために備えられている開口部によって実現されることはない。これとは反対に、エアフィードは、細粒分の放出のために備えられている開口部から隔離されており、且つ、別個に形成されている。エアフィードのための適切な分配装置が存在する場合には、これらの分配装置も、細粒分の放出のために備えられている開口部から隔離されており、且つ、別個に形成されている。
【0038】
本発明による方法と、本発明による焼却火格子は、したがって、特許文献7による方法と火格子とは基本的に相違し、この特許文献7では、エアフィードが、火格子を通って落下する灰のための回収流路として同時に機能する。本発明による、細粒分の放出のために備えられている開口部からのエアフィードの隔離又は別個の形成は、さらに、特許文献8と特許文献6とに開示されている装置及び方法には示されていない。
【0039】
この隔離によって、エアフィードによって制御されるターゲット変数、特にスラグの冷却とスラグのバーンアウトとを、それによって予測することなしに、細粒分の放出のための開口部の個数と設計とが優勢な状況にしたがって最適化されることが可能であるということを確実なものにすることが可能である。さらに、スラグに対するエアフィードが制御されることによって、燃焼チャンバー内のエネルギーバランスが最適値に維持されるが、このことは、開口部の選択によって決定される無制御のエアフィードの場合には当てはまらないだろう。
【0040】
この場合に、「分別火格子が、その全幅にわたって分布しているエアフィードを、少なくとも特定の区域内において有する」という特徴は、分別火格子が、その全長にわたって(即ち、搬送方向におけるその全長にわたって)、又は、その1つの区域内だけに、エアフィードを有することが可能であるということを意味する。
【0041】
上述したように、本発明では、少なくとも1つの細粒分の平均粒径は、粗粒分の平均粒径よりも小さい。この場合に、それぞれの場合における個々の粒子の平均的な最小サイズが「平均粒径」と呼ばれている。
【0042】
さらに詳細に後述するように、細粒分に含まれるスラグ成分の最大粒径は、開口部の大きさによって適合化させられることが可能である。典型的には、粗粒分は、5mmよりも大きい粒径、好ましくは8mmよりも大きい粒径、さらに好ましくは10mmよりも大きい粒径、最も好ましくは12mmよりも大きい粒径を有するスラグ成分をその粗粒分が含むという点で、細粒分とは異なる。さらに、これに関連して、各々の場合における個々の粒子の最小サイズが「粒径」と呼ばれている。
【0043】
当然であるが、粗粒分は、上述した粒径を有するスラグ成分を含むだけでなく、小さい粒径を有するスラグ成分も含むことが可能である。
【0044】
しかし、上述した実施態様では、細粒分は、12mmよりも大きい粒径を有するスラグ成分を含まず、好ましくは、10mmよりも大きい粒径を有するスラグ成分を含まず、好ましくは、8mmよりも大きい粒径を有するスラグ成分を含まず、最も好ましくは、5mmよりも大きい粒径を有するスラグ成分を含まない。
【0045】
特に、いくつかの細粒分が別個に燃焼チャンバーから微細スラグ排出チャンバーの中に進む場合に、即ち、分別火格子の互いに異なる区域から進む場合に、微細スラグ排出チャンバーが、連続して配置されている別個の微細スラグ排出チャンバー区画の形に分割されることが可能である。概して、それぞれの微細スラグ排出チャンバー区画は、搬送方向で見た場合に、先行する微細スラグ排出チャンバー区画に比べてより大きい平均粒径を有する細粒分のために連続的に意図されている。上記微細スラグ排出チャンバー区画は、例えば、搬送方向に連続して配置されているホッパーの形状であることが可能である。特に、このようにして得られる個別的な分級物または「スクリーン分級物」が、さらに別の分別段階に別個に排出及び/又は給送されることが想定可能である。さらに、微細スラグ排出チャンバー区画の形成は、幾つかの細粒分が分別されるか否かに係わらずに、設計上の観点から有益である。
【0046】
さらに好ましくは、微細スラグ排出チャンバーは微細スラグ排出手段を割り当てられており、この微細スラグ排出手段は、スラグの細粒分、即ち、微細スラグが、実質的に気密的な形で、外部に、即ち、微細スラグ排出チャンバーの外に排出されるように、設計されている。したがって、(侵入した)空気は、エアフィードを介して、制御された形で給送される空気とは別に、スラグ処理装置又は燃焼チャンバーの中に入ることが可能である。
【0047】
上述したように、本発明では、微細スラグ排出チャンバーの中に入る細粒分が、実質的に乾燥した状態で外部に排出される。したがって、少なくとも微細スラグ排出手段は、実質的に乾燥した状態で細粒分を排出するように設計されている。したがって、この微細スラグ排出は、スラグがウォーターチャージ内に受け取られ、急冷され、その後で排出される、例えば特許文献1と特許文献2と特許文献3とに開示されているスラグ排出システムのようなスラグ排出システムとは基本的に異なる。
【0048】
微細スラグ排出手段に加えて、粗スラグ排出手段も、実質的に乾燥した状態で粗粒分を排出するように設計されることが可能である。しかし、代替策として、さらに、粗粒分の排出が湿った状態で生じなければならないということが、想定可能であり、及び、特定の技術的及び経済的な境界条件に応じて、好ましい。
【0049】
微細スラグ排出手段が、ロックを形成することが好ましい。例えば、微細スラグ排出手段が、例えば遮断スライド又は遮断フラップのような遮断装置の形状であり、及び、種々の時点で起動されることが可能であるということが想定可能である。これらの遮断装置によって、ロックチャンバーを取り囲むことが可能であり、第1の遮断装置が開いており且つ第2の遮断装置が閉じている時に、このロックチャンバーの中に微細スラグが微細スラグ排出チャンバーから送り込まれ、及び、第1の遮断装置が閉じており且つ第2の遮断装置が開いている時に、上記微細スラグは排出されることが可能である。この点に関して、遮断装置が同時に閉じている時に、ロックチャンバーの少なくとも部分的な排除のための排除手段を備えることが想定可能である。
【0050】
このことが、対応する遮断装置が開いている時に外部から上記ロックチャンバーの中に入る空気を除去することと、したがって、この空気が燃焼チャンバーの中に入ることを防止することとを可能にする。
【0051】
したがって、本発明による微細スラグ排出に関して、炉の内部が外部から気密的に遮断されることを確実なものにすることが可能である。したがって、一次燃焼のために燃焼チャンバーに給送される空気体積と温度とが、より適切に調整されることが可能である。したがって、本発明による微細スラグ排出に起因する、燃焼チャンバーの中に入る可能性がある侵入空気の問題は生じない。
【0052】
分別火格子とこの分別火格子の火格子要素との設計構成に関する幾つかの可能性が存在し、及び、さらには互いに組み合わされることが可能である。火格子棒が火格子要素として使用される場合には、火格子棒内の穴による及び/又は火格子棒の相互間の間隙による開口部の形成が、火格子要素としてのスクリーンの使用の代わりに、又は、このスクリーンの使用に加えて、火格子棒が、バレル型スクリーン、円板型スクリーン、星型スクリーン等として設計される。
【0053】
本発明の目的のために、特に、既知の火格子ブロックを有する焼却火格子を使用することが可能である。本発明では、術語「火格子ブロック」は、さらに、火格子棒を含む。しかし、例えば焼却火格子の全幅にわたって延びる火格子プレートのような火格子プレートも、この点に関して想定可能である。
【0054】
開口部が、火格子要素の上壁に配置されているか、又は、横断方向に互いに隣接する2つの火格子要素の各々の場合の上壁の間に形成されていることが好ましい。
【0055】
生産技術に関して特に単純である実施態様では、開口部は火格子要素内の穴の形状である。こうした穴は、それぞれの目的に対して所望の大きさ及び形状となるように適合化されることが可能である。特に、こうした穴は、円形、楕円形、又は、多角形、特に長方形の横断面を有することが可能である。開口部が火格子要素の相互間の間隙によって形成される場合には、このことは、各々の場合に、横断方向に互いに間隔が開けられている2つの火格子要素によって、間隙を形成することによって実現される。
【0056】
これは、その分別火格子の搬送方向に延びる縦軸線を有する火格子ビームを分別火格子が有し、且つ、火格子ブロックが各々の場合に1つの火格子ビーム上に横方向に固定されている実施態様を含み、及び、この場合に、第1の火格子ビーム上に固定されている火格子ブロックは、第1の火格子ビームから反対に向くその側部上において、横断方向に第1の火格子ビームのすぐ後に続く第2の火格子ビームから間隔をあけて配置され、及び、この結果として、それぞれの火格子ブロックと第2の火格子ビームとの間に間隙が形成される。したがって、この実施態様では、第1の組の火格子要素は火格子ブロックの形状であり、及び、第2の組の火格子要素は火格子ビームの形状である。
【0057】
特に好ましい実施態様では、この実施態様の火格子ビームは、さらに、エアフィードのための分配装置の機能を有する。この場合には、火格子ビームは、概して中空の本体として設計されており、及び、空気管路が、この中空の本体から、それぞれの火格子ブロック又は火格子ブロックのエアフィードに分岐する。
【0058】
好ましい実施態様では、少なくとも分別火格子が、しかし、好ましくは焼却火格子全体が、順流火格子又は逆流火格子の形状である。このタイプの順流火格子又は逆流火格子では、火格子要素は、互いに対して行われる相対的な給送移動によってスラグをひっくり返し及び/又は搬送するように設計されている。この場合に、特に細粒分を放出するための開口部を形成する間隙は、その横断面が給送移動中に変化させられるように設計されていることが好ましい。一方では、このことが、分別火格子のスクリーニング効果を強化することを可能にする。他方では、互いに対して相対的に間隙を移動させることが可能であることが、間隙から粗大スラグ成分を放出することによって、又は、この粗大なスラグ成分が最終的に細粒分として開口部を通って落下するように、間隙壁の間でこのスラグ成分を粉末化することによって、粗大なスラグ成分の目詰まりを効果的に防止することを可能にする。
【0059】
本発明では、火格子要素は、燃焼させられる固体材料の搬送方向において階段状に互いに重なり合うように配置されている。言い換えると、火格子要素は、搬送方向において下流に配置されているそれぞれの火格子要素の上にその前部上においてに載る。したがって、こうした分別火格子は、特許文献5に開示されている装置とは基本的に異なっており、この特許文献5の装置では、残留物が振動移動によって滝状に下方に搬送される。
【0060】
上述したように、分別火格子の少なくとも一部分は、さらに、例えば、バレル型スクリーン、円板型スクリーン、又は、星型スクリーンのような、スクリーンの形状であることが可能である。特に、開口部が異なる形状である個別の分別火格子セグメントを組み合わせること、即ち、例えば、開口部が火格子棒内の穴の形状及び/又は火格子棒の相互間の間隙の形状である分別火格子セグメントを第1の区域内に備え、且つ、開口部が別の分別火格子セグメント内において円板型スクリーンの形状である別の火格子セグメントを備えることを想定することが可能である。
【0061】
本発明に関連して、術語「横断方向」は、焼却火格子又は分別火格子の搬送方向に対する横断方向を意味する。したがって、術語「分別火格子の幅」は、搬送方向に対する横断方向の分別火格子の長さを意味する。
【0062】
特に好ましい実施態様では、細粒分は、最大粒径が12mm以下であり、好ましくは10mm以下であり、さらに好ましくは8mm以下であり、最も好ましくは5mm以下である粒子だけを含む。したがって、分別火格子の開口部が、12mm以下の最大粒径、好ましくは10mm以下の最大粒径、さらに好ましくは8mm以下、最も好ましくは5mm以下の最大粒径を有する粒子だけの通過を可能にするように設計されることが好ましい。
【0063】
細粒分に含まれる粒子の最大粒径が、5mmから12mmの範囲内であり、及び、好ましくは5mmから10mmの範囲内であることが好ましい。
【0064】
したがって、分別火格子の開口部が、火格子要素の相互間の間隙の形状である場合には、火格子要素が、互いに、12mm以下、より好ましくは10mm以下、さらに好ましくは8mm以下、最も好ましくは5mm以下の間隔を開けられている。しかし、粗粒分と細粒分のタイプ又は粒径分布に応じて、他の間隔又は他の間隙幅も想定可能である。
【0065】
特に好ましい選択肢として、火格子要素、特に火格子ブロックは、各々に、摩耗板を有し、及び、この摩耗板は、それぞれの火格子要素の鋳造物として設計されている基部本体上に取り付けられている。したがって、摩耗板の寸法が、基部本体を超えて横方向に突き出すように選択されているので、間隙の幅と開口部の横断面とが、非常に単純な手段によって適合化させられることが可能である。
【0066】
火格子要素の相互間に、又は、火格子ブロックと火格子ビームとの間に、12mm以下の間隔がある、上述した実施態様の場合には、それぞれの火格子要素の基部本体の間の、又は、火格子ブロック基部本体と火格子ビームとの間の、12mmの間隔が選択されることが好ましい。上述したように、この間隔は、必要に応じて摩耗板によって減少させられることが可能である。火格子ブロックと火格子ビームとが存在する場合には、各火格子ブロックの基部本体上に、火格子ビームの基部本体上に、又は、これらの両方の上に、摩耗板が配置されることが想定可能である。
【0067】
火格子要素の個数と配置は任意に選択されることが可能であり、及び、必要に応じて適切に適合化させられることが可能である。分別火格子が火格子ビームと火格子ブロックとを有する実施態様では、各々の場合に、階段状に互いの上に配置されている一連の火格子ブロックが、2つの火格子ビームの間に配置されていることが好ましい。しかし、さらに、階段状に互いの上に重ねられて配置されている火格子ブロックの幾つかの列、例えば、2つ、3つ、又は、4つの列が、2つの火格子ビームの間に配置されることも想定可能である。
【0068】
開口部が穴として設計されている場合には、上述の説明と同様に、横断面における開口部の最小の大きさが、12mm以下、より好ましくは10mm以下、さらに好ましくは8mm以下、最も好ましくは5mm以下である。
【0069】
放出される細粒分の十分に高い収量を実現するために、開口部の横断面における間隙又は最小の大きさを形成する、2つの火格子要素の間の間隔は、概して、1mm以上、好ましくは2mm以上、より好ましくは3mm以上、及び、最も好ましくは4mm以上である。
【0070】
特定の状況では、廃棄物の焼却又は廃棄物の搬送が、正確にバーンアウト区域の先頭にある焼却火格子の区域内で、可能な限り僅かしか損なわれないことが必要とされることがある。この状況では、1つの特定の実施態様では、スラグ除去装置に面する焼却火格子の末端区域内でだけ、及び、好ましいバーンアウト区域内でだけ、焼却火格子が分別火格子として設計されることが好ましいだろう。したがって、この実施態様では、スラグの少なくとも1つの細粒分が、バーンアウト区域内でだけ微細スラグ排出チャンバーの中に放出される。さらに、このことは、可燃性材料がバーンアウト区域内に入る前に可燃性材料がすでに完全に燃え尽きているので、この区域から放出される細粒分が、燃焼することが依然として可能である材料を概ね含まず、特に、プラスチック及び有機材料を含まないという別の利点を有する。
【0071】
特に、開口部が火格子要素内の穴の形状である場合には、分別火格子が、様々な横断面積を有する開口部を有することが好ましく、及び、この場合に、搬送方向で見た時に、開口部の横断面積の大きさが増大する。
【0072】
特に、この実施態様は、増大する平均粒径を有する幾つかの細粒分を微細スラグ排出チャンバーの中に連続的に移送することを可能にする。特に、この実施態様によって、特に小さい平均粒径を有する粒子が初期段階において分別火格子から取り除かれることを確実なものにすることが可能である。
【0073】
上述したように、微細スラグ排出チャンバーが別々の微細スラグ排出チャンバー−区画に分割されることが、この実施態様の場合に特に有利であり、この場合に、それぞれの微細スラグ排出チャンバー区画は、搬送方向で見た場合に、それぞれに先行する微細スラグ排出チャンバー区画に比べてより大きい平均粒径を有する細粒分のために、連続的に備えられるようになっている。したがって、さらに、放出される砂が、より大きい平均粒径の1つ又は複数の細粒分とは別に、燃焼チャンバーから排出されることが可能である。
【0074】
焼却火格子が順流火格子又は逆流火格子として設計されている場合には、分別火格子も、概して、順流火格子又は逆流火格子として設計されている。しかし、求める目的に応じて、分別火格子は、例えば振動要素のような、縦方向移動、横断方向移動、及び/又は、垂直移動のためのさらに別の手段を割り当てられることが可能である。これによって分別火格子上の材料において得られることが可能なひっくり返し又はさらには流動化によって、分別効果が促進される。
【0075】
本発明は、別の側面において、さらに、上述した方法を実行するための焼却火格子に関する。この焼却火格子は複数の火格子要素を備え、及び、これらの火格子要素は、燃焼させられる廃棄物の搬送方向において階段状に互いの上に重なり、及び、このようにして火格子段を形成する。上述したように、本発明によって、焼却火格子は、少なくとも、搬送方向において下流に位置しているその焼却火格子の末端区域内において、分別火格子として設計されており、及び、この分別火格子は、少なくともスラグの細粒分を放出するための開口部を有する。この場合には、分別火格子は、少なくとも特定の区域内において、スラグに対する制御された空気供給のために、その分別火格子の全幅にわたって分布しているエアフィードを有し、及び、このエアフィードは、細粒分を放出するために備えられている開口部から隔離されており、且つ、別々に形成されている。
【0076】
上述したように、本発明による焼却火格子は、さらに、その焼却火格子がその全体にわたって又はその全長にわたって分別火格子として設計されている実施態様を含むが、しかし、特に好ましい実施態様では、焼却火格子は、スラグ除去装置に面することが意図されている末端区域内でだけ、さらに、好ましくはバーンアウト区域内でだけ、分別火格子として設計されている。
【0077】
同様に説明されているように、好ましくは、開口部は、火格子要素の相互間の間隙の形状であり、及び、特に、横断方向において互いに間隔を置かれている2つの火格子要素によって各々に形成されている。
【0078】
本発明による方法に関連して説明されている実施態様が、同様に、焼却火格子の好ましい実施態様を示す。逆に、焼却火格子に関連して説明されている本発明による好ましい特徴のすべては、この方法の好ましい特徴を示す。
【0079】
本発明による方法に関連してすでに説明したように、特に、焼却火格子が順流火格子又は逆流火格子として設計されることが可能である。したがって、この実施態様では、火格子要素は、互いに対して相対的に行われる給送移動の手段によって、スラグをひっくり返し及び/又は搬送するように設計されている。この点において、スラグの細粒分を放出するために備えられている開口部の横断面が、特に間隙の横断面が、給送移動中に変化させられることがさらに好ましい。
【0080】
さらに別にすでに説明したように、焼却火格子が、その焼却火格子の搬送方向に延びる縦軸線を有する火格子ビームを有し、及び、火格子ブロックが各々の場合に1つの火格子ビーム上に横方向に固定されているということが、さらに想定可能である。この場合に、第1の火格子ビーム上に固定されている火格子ブロックは、第1の火格子ビームから反対に向くその火格子ブロックの側部上において、横断方向において第1の火格子ビームの後に続く第2の火格子ビームから間隔を置かれており、及び、この結果として、それぞれの火格子ブロックと第2の火格子ビームとの間に間隙が形成されている。したがって、この実施態様では、第1の組の火格子要素が火格子ブロックの形状であり、及び、第2の組の火格子要素が火格子ビームの形状である。
【0081】
開口部を介したスラグの選択的な搬送と、したがって最適の選別効果とを確実なものにするために、少なくとも幾つかの火格子ビームが、スラグに面するその火格子ビームの上部側部上に対応する偏向要素(又は、バッフル)を有することが可能である。この偏向要素は、概ねくさび形の設計であることが可能である。
【0082】
これらの偏向要素が適切に配置されているならば、様々な従属的なスラグ流の蛇行進路が得られ、特に、このことは、良好な選別効果のために特に有利である。例えば、変更要素が、焼却火格子の横断方向において互いに連続する火格子ビームの搬送方向において、互いにオフセットして配置されることと、特に、横断方向において互いに連続する火格子ビームの偏向要素が、ジグザグ線に沿って配置されることとが想定可能である。
【0083】
さらに、スラグに面する分別火格子の合計面積に対する、開口部の横断面積とエアフィードの横断面積との合計の比率が、5%よりも大きく、より好ましくは6%よりも大きく、最も好ましくは7%よりも大きいということが、さらに好ましい。これによって、有益な材料の回収に関して特に重要である細粒分、特に12mm以下の最大粒径を有する細粒分の、非常に高い収量を実現することが可能である。
【0084】
本発明は、その別に側面において、さらに、上述した分別火格子を含む焼却火格子を収容する廃棄物焼却プラントの燃焼チャンバーに関する。
【0085】
本発明は、添付図面によって、さらに図示される。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【
図1】本発明による方法を実施するための、燃焼チャンバーと、焼却火格子と、廃棄物給送装置及び一次エアフィードと、スラグ除去装置と、2つの微微細スラグ排出チャンバー区画に分割されている微微細スラグ排出チャンバーとを備える、廃棄物焼却プラントの焼却炉の図面を示す。
【
図2】本発明による方法を実施するための、別の焼却炉の図面を示す。
【
図3】開口部の設計に関する幾つかの選択肢を伴う、斜視図の形の、本発明による焼却火格子の一部分の図面を示す。
【
図4】火格子棒内の穴によって形成されている開口部を有し、及び、上記穴は火格子段毎にそれぞれの幾何学的形状において異なる、
図3に示されている焼却火格子の、3つの火格子段を備える火格子セグメントの拡大図を示す。
【
図5】火格子棒の相互間の間隙によって形成されている開口部を有する、
図3に示されている焼却火格子の一番先の火格子の図面を示す。
【
図6】本発明による焼却火格子のための円板型スクリーンの形状である分別火格子の図面を示す。
【
図7】火格子要素が火格子ブロックと火格子ビームとの形状である、本発明による別の焼却火格子の分別火格子の図面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0087】
図1に示されているように、廃棄物焼却プラントは燃焼チャンバー2を備え、この燃焼チャンバー2の上流には、廃棄物シュート6が連結されている廃棄物給送ホッパー4が配置されており、この廃棄物シュート6には、入口8を介して燃焼チャンバー2が連結されている。
【0088】
燃焼チャンバー2は、上記チャンバーの下部境界を形成する順流火格子の形状である焼却火格子10を備える。図示されている実施形態では、焼却火格子10は、6つの焼却火格子セクション10a、10b、10c、10d、10e、10fに分割されており、及び、これらの焼却火格子セクションの各々に対して、位相対立の形で動作させられることが可能である2つの駆動装置12a、12b、12c、12d、12e、12fが割り当てられている。(これら2つの駆動装置のうちの単一の駆動装置だけが、
図1において各々の場合に示されている)。
【0089】
最初の4つの焼却火格子セクション10a、10b、10c、10dの各々の下方に、火格子下空気チャンバー14a、14b、14c、14dが配置されており、これらの火格子下空気チャンバーの各々の中に別々の一次空気管路16a、16b、16c、16dが開いており、これらの一次空気管路は、焼却火格子セクション10a−d内の対応する一次空気ダクトを経由して燃焼床に一次空気を送り込むことが意図されている。
【0090】
搬送方向Fで見た場合の焼却火格子10の下流端部には、スラグ除去装置17が隣接している。このスラグ除去装置17は、粗スラグ放出シュート66と粗スラグ回収トラフ70とを備える。
【0091】
図1に示されている実施形態では、搬送方向Fで見た場合の一番前の焼却火格子セクション、すなわち、スラグ除去装置17に面する5番目と6番目の焼却火格子セクション10e、10f内の焼却火格子10が、分別火格子11の形状である。この分別火格子は開口部を持ち、この開口部を経由して燃焼チャンバー2が微細スラグ排出チャンバー34に連結されている。(開口部は
図1では見ることができない)。
【0092】
図1に示されている実施形態では、微細スラグ排出チャンバー34が2つの微細スラグ排出チャンバー区画34e、34fに分割され、これらの微細スラグ排出チャンバー区画はホッパー52の形状であり、及び、ホッパー52の各々は、対応する焼却火格子セクション10e、10fの下方に配置されている。示されている実施形態では、幾つかの細粒分への分別がなく、微細スラグ排出チャンバー区画34e、34fの中を通過した後に、微細スラグ排出チャンバーからの細粒分がコンベアベルト58によって一緒に運び去られる。
【0093】
第5と第6の焼却火格子セクション10e、10fは、さらに、制御された形で空気を送り込むためのエアフィード36e、36fを割り当てられている。それぞれに焼却火格子セクション10e、10fに割り当てられているエアフィード36e、36fの各々は、それぞれに送風機38e、38fに連結されている。
図3に示されているように、送風機38とエアフィード36又は36a、36bの間の連結が、概して、対応する空気管路40a、40bと空気分配装置レール42a、42bとによって実現されている。
【0094】
図2による実施形態は、焼却火格子10の全体が分別火格子11として設計されているという点で、
図1による実施形態とは異なる。したがって、この
図2による実施形態は、その焼却火格子セクション10a−fすべてに開口部を有し、これらの開口部を介して燃焼チャンバー2が微細スラグ排出チャンバー区画34a−fに連結されている。この場合に、第1の4つの焼却火格子セクション10a−dの下方に配置されている微細スラグ排出チャンバー区画34a、34b、34c、34dが、それぞれの火格子下空気チャンバー14a、14b、14c、14dによって形成されている。図示されている実施形態では、幾つかの細粒分の形への分別は行われない。微細スラグ排出チャンバー区画34a−fを通過した後に、微細スラグ排出チャンバーからの細粒分が、コンベアベルト58によって一緒に運び去られる。
【0095】
上述したように、
図1と
図2に示されている実施形態における微細スラグ排出チャンバー34は、それぞれに、微細スラグ排出区画34e−f及び34a−fに分割され、及び、これらの微細スラグ排出区画の各々はそれぞれにホッパー52の形状である。ホッパー首部54、即ち、ホッパー52の最も狭い部分の中には、互いに重なり合う形で配置されている2つの微細スラグ遮断スライド51a、51bの形状である微細スラグ排出手段50が存在しており、これらの微細スラグ排出手段の各々は、ホッパー首部54によって画定されている通路56を交互に開き及び気密的に閉じ、及び、このようにしてロックを形成する。下部の微細スラグ遮断スライド51bの下方に、かつ、ホッパー首部54の延長部分として、コンベアベルト58が配置されており、このコンベアベルト58は、
図2では、焼却火格子全体が分別火格子として設計されているので、
図1のコンベアベルト58よりも著しく長い形状である。
【0096】
本発明では、分別火格子11とエアフィードとして設計されている焼却火格子10の区域内に存在している開口部が、
図3によって、より詳細に示されている。
【0097】
図3に示されている焼却火格子10の一部分は、第1の火格子セグメント10iを有し、この第1の火格子セグメント10iでは、焼却火格子10は、その全幅にわたって分布しているエアフィード36を有する。
【0098】
図3に示されている実施形態では、第2の火格子セグメントの10iiが、搬送方向Fにおいて第1の火格子セグメント10iに隣接している。示されている実施形態では、この第2の火格子セグメント10iiはエアフィードを備えないが、しかし、この図に概略的に示されているように、水によって冷却される。この場合に、水が回路内を循環させられ、この回路内には、熱交換器43と、水を冷却するために熱交換器43に関連付けられた送風機45とが存在し、及び、冷却された水が、焼却火格子内の対応する空洞を通過させられて、ポンプ47によってこの空洞から熱交換器43に戻される。
【0099】
この図には明示的に示されていないが、第2の火格子セグメント10iiに加えて、他の火格子セグメント、特に、第1の火格子セグメント10aも、水冷式の火格子要素を有することが好ましい。さらに、第1の火格子セグメント10iに加えて、さらに他の火格子セグメント内に、特に第2の火格子セグメント10ii内に、エアフィードが存在していることが想定可能である。
【0100】
図3に示されている実施形態では、第1及び第2の火格子セグメント10i、10ii内の焼却火格子10は、火格子プレート44によって形成されており、この火格子プレート44は、焼却火格子10の全幅にわたって延びる。当然であるが、これらの火格子セグメントが火格子ブロックから形成されるということも想定可能である。
【0101】
火格子プレート44は、支持表面を形成する上壁53と、火格子の搬送方向Fで見た時に前方にある壁55とを有し、この場合に、エアフィード36は、この示されている実施形態では、上壁53内に配置されているか、又は、上壁を介して燃焼チャンバー2の中に開いている。しかし、エアフィード36が前壁55の中に配置されているか、又は、前壁を介して燃焼チャンバー2の中に開いていることも想定可能である。
【0102】
第2の火格子セグメント10iiは開口部46を有し、この開口部46は、さらに
図4からも見てとれるように、示されている実施形態においてこのセグメントの3つの火格子プレートの各々において、互いに異なる横断面形状を有する。当然であるが、各々の火格子段に関して同一の横断面形状を選択することも想定可能である。この点で、
図3と
図4は、焼却火格子の同じ1つの実施形態において具体化されるべき開口部のすべてを必要とすることなしに、実現可能な開口部を示す役割を果たすにすぎない。
【0103】
この特定の事例では、
図3と
図4の純粋に例示的な図において、搬送方向Fで見た場合に一番目である第2の焼却火格子セグメント10iiの火格子プレート44aの開口部46aは、穴又はスロットの形状であり、及び、この特定の事例では、横断面において丸いコーナーを有する長方形の形状を有する。これとは対照的に、第2の焼却火格子セグメント10iiの第2の火格子プレート44bの開口部46bは、円形の横断面を有する穴の形状であり、一方、第2の焼却火格子セグメント10iiの第3の火格子プレート44cの開口部46cは、正方形の横断面を有する穴の形状である。当然であるが、ここで示されている形状とは異なる、任意の他の形状が想定可能である。
【0104】
図5において拡大して示されている第3の火格子セグメント10iiiが、搬送方向Fにおいて第2の火格子セグメント10iiに隣接している。この第3の火格子セグメント10iiiでは、個別の火格子要素が火格子ブロック49の形状であり(各々が同様に上壁53'と前壁55’とを有し)、これらの火格子ブロック49は、横断方向に、即ち、搬送方向Fに対して横断方向に、互いに間隔を置いて配置されており、この結果として、特に
図5からも理解できるように、各々の場合に、2つの火格子ブロックの間に間隙が存在している。これらの間隙は、さらに別の開口部46dを形成し、この開口部46dを経由して燃焼チャンバー2が細スラブ排出チャンバー34に連結されている。
【0105】
示されている実施形態では、第1の火格子段48aにおける間隙の幅は、搬送方向Fにおいて第1の火格子段の下流に配置されている第2の火格子段48bの間隙の幅よりも大きい。当然であるが、開口部を形成する間隙の少なくとも幾つかが、それぞれの火格子ブロックの一部分を単に省略することによって形成されることも想定可能である。
【0106】
対応する開口部46a−dの存在によって、第2の火格子セグメント10iiと第3の火格子セグメント10iiiとが、スラグの細粒分を放出するための分別火格子11を形成する。
【0107】
上述したように、
図3に示されている開口部の配置は、あらゆる配置における開口部のあらゆる形状が可能であるということを単に示すために使用されている。特に、分別火格子11として形成されている火格子セグメントのすべてにおける開口部として、穴46a−cだけ、又は、間隙46dだけを備えることが想定可能である。
【0108】
さらに、
図6に示されているように、分別火格子の少なくとも一部分を円板型スクリーンとして設計することが想定可能である。この場合には、開口部46は、円板65の相互間の隙間によって形成される。当然であるが、他のタイプのスクリーンも想定可能である。
【0109】
動作中には、燃焼させられる廃棄物が、クレーンによって廃棄物給送ホッパー4とこれに隣接する廃棄物シュート6との中に排出され、及び、このクレーンの廃棄物グラブだけが
図1と
図2とに示されている。
【0110】
廃棄物シュート6の出口では、廃棄物は、対応するチャージングラム9によって、入口8を通して、燃焼チャンバー2の中に、又は、焼却火格子10の上に送られ、ここから廃棄物はスラグ除去装置17の方向に燃焼床の形で搬送される。この場合には、廃棄物は、幾つかの燃焼段階、即ち、乾燥段階と、点火段階と、主燃焼段階と、バーンアウト段階とを通過する。これらの段階は、焼却火格子10上の対応する区域、即ち、乾燥区域と、点火区域と、主燃焼区域と、バーンアウト区域とに割り当てられている。
【0111】
廃棄物又はスラグが分別火格子11の上を搬送される否や、適切なサイズのスラグ成分、即ち、細粒分又は微細スラグが、燃焼チャンバー2の外に落下して、開口部46を通って微細スラグ排出チャンバー34の中に落ちる。比較的大きい寸法のスラグ成分を含む残りの粗粒分又は粗スラグが、粗スラグ放出端縁60を経由して粗スラグ排出シュート66の中に入り、この粗スラグ排出シュート66を経由して、スラグ除去装置17の祖スラグ回収トラフ70の中に進み、このスラグ回収トラフから外部に排出される。
【0112】
したがって、粗大なスラグ成分が、さらなる分別のために細粒成分から分別され、及び、したがって、再使用されることが可能なスラグ材料から回収するために対応する分別装置に直接的に送り込まれることが可能である。
【0113】
この方法を、
図7を参照しながら、次で詳細に説明する。
【0114】
図7に示されている分別火格子11では、第1の組の火格子要素が、対応するエアフィード36を有する火格子ブロック49の形状であり、及び、第2の組の火格子要素が、火格子ビーム78の形状である。この場合には、火格子ビーム78は、搬送方向Fに延びる縦軸線Lを有し、及び、これらは分別火格子11の全長にわたって延びる。
【0115】
示されている特定の実施形態では、分別火格子11はそれぞれの固定された火格子ビーム78b′、78b″によって横方向に連結されており、及び、4つの可動火格子ビーム78aと3つの固定火格子ビーム78bとが、横方向の火格子ビーム78b′、78b″の間に横断方向に交互に配置されている。8つの火格子ブロック49が、この示されている実施形態では、火格子ビームの相互間に階段状に互いの上方に配置されている。
【0116】
この特定の事例では、火格子ブロック491aは、第1の火格子ビーム781aから反対に向く側において、隣接する第2の固定火格子ビーム782bから間隔を置いて配置されているように、各々の場合に、1つの第1の可動火格子ビーム781a上に、横方向に固定されており、この結果として、間隙461が形成され、及び、この間隙461を経由してスラグの細粒分成分が微細スラグ排出チャンバーの中に放出される。
【0117】
搬送方向Fにおいて階段状に互いの上に配置されている火格子ブロック49が、可動火格子ビーム78a上と、この可動火格子ビーム78aに隣接している固定火格子ビーム78b上とに交互に固定されている。
【0118】
動作中には、可動火格子ビーム78aが搬送方向において前後に移動させられ、この結果として、上記火格子ビーム上に固定されている火格子ブロック49aが、搬送方向において後続するそれぞれの固定火格子ビーム49bによって前後に押される。この場合に、火格子ブロック49と火格子ビーム78との間に形成されている間隙461の横断面も、連続的に変化させられ、即ち、間隙の長さが、前進移動中に減少又は増加させられ、即ち、これに対応して逆方向移動中に増大又は減少させられる。一方では、このことが最適のスクリーニング効果を結果的に生じさせ、及び、他方では、粗スラグ成分の詰まりが効果的に防止される。
【0119】
火格子ビーム78は、さらに、スラグに面する上方側部上に、くさび形の偏向要素80を有する。
【0120】
この場合には、横断方向に互いに連続する火格子ビーム78の偏向要素80は、搬送方向Fに関して互いに相対的にオフセットする形で配置されており、且つ、ジグザグ線を描く。
【0121】
偏向要素80によって、異なる副次的なスラグ流の蛇行コースが動作中に得られ、及び、このことが、良好なスクリーニング効果に関して特に有利である。
【0122】
さらに、火格子ビーム78が、それぞれの火格子ビーム上に配置されている火格子ブロック49のエアフィードのための分配装置の機能を有することが想定可能である。
【符号の説明】
【0123】
2 燃焼チャンバー
4 廃棄物給送ホッパー
6 廃棄物シュート
8 入口
9 チャージングラム
10 焼却火格子
10a−f 焼却火格子セクション
10i−iii 焼却火格子セグメント
11 分別火格子
12a−d 焼却火格子の駆動装置
14a−d 火格子下空気チャンバー
16a−d 一次エアフィード
17 スラグ除去装置
34 微細スラグ排出チャンバー
36 焼却火格子のエアフィード
36a、b エアフィードの第1及び第2のグループ
38、38e−f 空気送風機
40a、b 空気管路
42a、b 空気分配装置レール
43 熱交換器
44 火格子プレート
45 送風機
46、46a−d 開口部
461 間隙
47 ポンプ
48a、b 火格子段
49 火格子ブロック
50 微細スラグ排出手段
51a、51b 微細スラグ遮断スライド
52 ホッパー
53、53′ 火格子要素の上壁(支持表面)
54 ホッパー首部
55、55′ 火格子要素の前壁
56 ホッパー首部の通路
58 コンベアベルト
60 粗スラグ放出端縁
64 円板型スクリーン
66 粗スラグ放出シュート
70 粗スラグ回収トラフ
76 廃棄物グラブ
78 火格子ビーム
80 偏向要素
F 搬送方向
L 火格子ビームの縦軸線
【国際調査報告】