(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-531452(P2017-531452A)
(43)【公表日】2017年10月26日
(54)【発明の名称】機械式衝撃擦拭ヘッド
(51)【国際特許分類】
A61C 17/34 20060101AFI20170929BHJP
A46B 13/04 20060101ALI20170929BHJP
【FI】
A61C17/34 L
A46B13/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-564635(P2016-564635)
(86)(22)【出願日】2014年12月17日
(85)【翻訳文提出日】2016年12月6日
(86)【国際出願番号】CN2014094013
(87)【国際公開番号】WO2015192623
(87)【国際公開日】20151223
(31)【優先権主張番号】201410266513.7
(32)【優先日】2014年6月16日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】515104718
【氏名又は名称】黄 遠潮
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】黄遠潮
【テーマコード(参考)】
3B202
【Fターム(参考)】
3B202AA01
3B202AA07
3B202AA34
3B202AB26
3B202AB30
3B202BB10
3B202BC07
3B202BD04
3B202BD09
3B202BE09
3B202EF10
(57)【要約】
機械式衝撃擦拭ヘッドであって、衝撃擦拭物(111)、衝撃擦拭ヘッド(112)、支点(113)、押動部(114)を含み、衝撃擦拭物(111)が衝撃擦拭ヘッド(112)に接続され、衝撃擦拭ヘッド(112)に特定の支点(113)が備えられ、支点(113)が位置及び形式を変更することで、撃力と横方向擦拭力の構成比率が変化して、異なる比率の衝撃−擦拭運動量が発生し、押動部(114)の数が1又は1以上であり、押動部(114)は伝達された押動力(115)を受けると、衝撃擦拭ヘッド(112)に揺動のための動力を発生させ、押動部(114)は、従来の動力伝動機構から伝達される押動力(115)に連動して、衝撃擦拭ヘッド(112)を押動して揺動を発生させるための動力を変化させ、衝撃擦拭物(111)の往復によって下方を衝撃擦拭する。これによれば、従来技術では処理不可能であった不規則な凹陥箇所内の汚れを処理可能となるほか、突出面又は規則的な平面における頑固な汚れをより迅速に洗浄可能となる。
【選択図】
図8A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衝撃擦拭物、衝撃擦拭ヘッド、支点、押動部を含み、前記衝撃擦拭物が衝撃擦拭ヘッドに接続され、前記衝撃擦拭ヘッドに特定の支点が備えられ、前記支点の位置及び形式を変更することで、撃力と横方向擦拭力の構成比率が変化して、異なる比率の衝撃−擦拭運動量が発生し、前記押動部の数が1又は1以上であり、前記押動部は伝達された押動力、引っ張り力、衝撃押動力を受けると、衝撃擦拭ヘッドに揺動のための動力を発生させ、前記押動部は、従来の動力伝動機構から伝達される押動力に連動して、衝撃擦拭ヘッドを押動して揺動を発生させるための動力を変化させ、衝撃擦拭物の往復によって下方を衝撃擦拭する、ことを特徴とする機械式衝撃擦拭ヘッド。
【請求項2】
前記衝撃擦拭物は、針状物、柱状物、ブロック状物、釘状物のいずれか1つ、又はいずれかの組み合わせであって、洗浄すべき表面を直に衝撃擦拭するために用いられることを特徴とする請求項1記載の機械式衝撃擦拭ヘッド。
【請求項3】
前記衝撃擦拭物における衝撃擦拭用先端の配列としては、並列、鋸歯状、アーチ型、波型のいずれか1つ、又はいずれかの組み合わせが可能であることを特徴とする請求項1記載の機械式衝撃擦拭ヘッド。
【請求項4】
前記衝撃擦拭物の周囲には散乱防止ガードが設けられており、前記散乱防止ガードは衝撃擦拭物を保護するとともに、その一端に衝撃擦拭物が露出していることを特徴とする請求項1記載の機械式衝撃擦拭ヘッド。
【請求項5】
衝撃擦拭ヘッド全体が一斉に下方又は上方に揺動することによる握持の不快感を軽減するために、支点を衝撃擦拭ヘッドの中央位置に設けることで、揺動力を低減するとの目的を梃方式で達するとともに、動力を左右交互に下方に向かわせることで、握持をより安定的とすることを特徴とする請求項1記載の機械式衝撃擦拭ヘッド。
【請求項6】
衝撃擦拭物、衝撃擦拭ヘッド、支点、押動部を含み、前記衝撃擦拭物が衝撃擦拭ヘッドに接続され、前記衝撃擦拭ヘッドの支点はスライド構造であり、前記衝撃擦拭ヘッドの支点がハウジング内に設けられ、ハウジング内のスライド溝によって撃力と横方向擦拭力の構成比率を変更することで、異なる比率の衝撃−擦拭運動量を発生させ、前記衝撃擦拭ヘッドは押動部を備え、押動部は、伝達された押動力を受けると衝撃擦拭ヘッドに揺動のための動力を発生させ、押動部は、伝動機構から伝達される押動力に連動して、衝撃擦拭ヘッドを押動して揺動を発生させるための動力を変化させ、衝撃擦拭物の衝撃先端の往復によって下方を衝撃擦拭することを特徴とする機械式衝撃擦拭ヘッド。
【請求項7】
前記支点は軸心としてもよいし、軸心でなくてもよいことを特徴とする請求項1記載の機械式衝撃擦拭ヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は機械式衝撃擦拭ヘッドに関する。本発明は、歯ブラシ、電動ブラシ、エアーブラシ、工業機械の表面洗浄機器といった従来の機械式ブラシ又は手動ブラシを改良するものであって、従来技術では窪み内の汚れを効果的に擦拭不可能であった不規則凹凸面に対応するとともに、平面上の特に凹溝内の汚れをより効果的に処理可能とするものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、生活用品である歯ブラシや、工業応用されている電動ブラシ、エアーブラシ、機械設備の表面処理機器といった従来技術における機械式ブラシ又は手動ブラシは、平面及び凹凸面に対する汚れ処理能力に限界がある。
【0003】
工業的には、凹凸面における凹面内の汚れを擦拭洗浄するため、例えば、さび付いて凸凹した鉄錆びを擦拭するためには、機械的摩擦に加えて大きな圧力をかけねばならないことが多く、加圧装置を動員することすらある。そのため、突出面については過度な摩耗が生じ、長時間かけて擦拭洗浄せねばならないにもかかわらず、凹陥面が深い場合には、多くの箇所で擦拭洗浄が不十分となってしまう。
【0004】
一方、生活面では、例えば歯磨きの際に、臼歯における不規則面の凹面や歯並びの乱れによる凹部に対し、従来の各種歯ブラシでは、いずれも歯の表面上でブラシ毛を移動又は震動させる擦拭運動方式をとっている。そのため、従来技術の歯ブラシでは歯を徹底的に磨き、清潔にすることは難しい。
【0005】
例えば、物体の表面に圧をかけて震動する洗浄装置の場合、震動による液状汚れの除去には適するが、真に頑固な汚れを洗浄しきる効果には劣る。また、物体の表面上で移動する電動歯ブラシのように、ブラシヘッド上で左右運動、前後運動、正逆回転するものや、工業用の高速回転加圧電動ブラシ、或いはエアーブラシの場合、いずれも擦拭洗浄時にブラシ毛の先端が擦拭面の突出箇所から力を受け、変形してしまう。そのため、加えられた運動エネルギーの大部分はブラシ毛の変形によって失われるほか、凹陥箇所については凸面の擦拭時に素通りされてしまい、凹陥面内部を効果的に擦拭することはできない。結果、当然ながら不規則な凹陥面の汚れは洗浄されないままとなる。また、凹陥箇所が擦拭運動方向と一致する場合には、一部凹陥箇所を無理やり擦拭することは可能なものの、不規則な凹陥位置についてはなすすべがない。
【0006】
また、大量の実験を実施した結果、いかに大きな力をブラシに加えて擦拭したとしても、ブラシ毛一本一本の先端は横方向移動時に凹陥箇所を瞬時に乗り越えてしまい、異なる形状の凹陥面を効果的に擦拭できないことがわかっている。また、うまく擦拭可能な凹陥箇所であっても、凹面上の頑固な汚れを除去しようとすれば、長い時間をかけるか、或いはより大きな圧力を加えてブラシ毛を凹陥面に深く入り込ませねばならない。そのため、大部分は突出表面を過度に擦拭することになり、結果としてエネルギー損失が招来されるほか、製品を傷つける場合もある。
【0007】
擦拭洗浄対象である凹陥箇所の付着汚れに対する各ブラシ毛先端の擦拭能力は、表面の凹陥に起因する接触不良だけでなく、各ブラシ毛の硬度によっても損なわれ得る。通常、ブラシ毛は柱状や針状とされ、弾性を有する物質からなる。ブラシ毛は横方向移動時に湾曲し、動力がブラシ毛の弾性によって損なわれる結果、汚れに対する擦拭能力が弱まることになる。つまり、運動エネルギーを効果的にブラシ毛の先端に伝達して、表面の付着汚れを十分に掻き出すことができない。一方、低弾性で高剛性のブラシ毛を用いた場合には、突出面を過度に擦傷する恐れがあるにもかかわらず、凹陥面の汚れに対する除去効果は依然として大きく改善されない。
【0008】
以上のような事実から、家庭用電動歯ブラシには様々な擦拭運動方式が採用されているにもかかわらず、擦拭洗浄力については、前歯表面の歯石や歯の隙間の歯石、奥歯表面の凹陥箇所内の汚れを効果的に洗浄することができない。また、工業向けの表面洗浄用機械式ブラシに関しては、ほとんどが突出表面を摩耗させなければ凹陥面まで擦拭できないのが現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記の瑕疵を解消し、機械式衝撃擦拭ヘッドを提供することを目的とする。本発明は、従来のあらゆる擦拭洗浄用工具や方式では効率的且つ迅速な擦拭洗浄が不可能であり、凹陥箇所の汚れを徹底的には擦拭洗浄できないとの点に着目したものである。本発明の機械式衝撃擦拭ヘッドによれば、表面の衝撃擦拭に動力を最大限活用可能であるとともに、規則的或いは不規則な凹凸面における頑固な汚れの除去効果についても、従来技術に比べいっそう迅速且つ効果的となる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の技術方案は以下の通りである。即ち、衝撃擦拭物、衝撃擦拭ヘッド、支点、押動部を含み、前記衝撃擦拭物が衝撃擦拭ヘッドに接続され、前記衝撃擦拭ヘッドに特定の支点が備えられ、前記支点の位置及び形式を変更することで、撃力と横方向擦拭力の構成比率が変化して、異なる比率の衝撃−擦拭運動量が発生し、前記押動部の数が1又は1以上であり、前記押動部は伝達された押動力を受けると、衝撃擦拭ヘッドに揺動のための動力を発生させ、前記押動部は、従来の動力伝動機構から伝達される押動力に連動して、衝撃擦拭ヘッドを押動して揺動を発生させるための動力を変化させ、衝撃擦拭物の往復によって下方を衝撃擦拭する、ことを特徴とする。
【0011】
上記構造の本発明によれば、更に、前記衝撃擦拭物は、針状物、柱状物、ブロック状物、釘状物のいずれか1つ、又はいずれかの組み合わせであって、洗浄すべき表面を直に衝撃擦拭するために用いられることを特徴とする。
【0012】
上記構造の本発明によれば、更に、前記衝撃擦拭物における衝撃擦拭用先端の配列としては、並列、鋸歯状、アーチ型、波型のいずれか1つ、又はいずれかの組み合わせが可能であることを特徴とする。
【0013】
上記構造の本発明によれば、更に、前記衝撃擦拭物の周囲には散乱防止ガードが設けられており、前記散乱防止ガードは衝撃擦拭物を保護するとともに、その一端に衝撃擦拭物が露出していることを特徴とする。
【0014】
上記構造の本発明によれば、更に、前記支点は軸心としてもよいし、例えば、スライド機構(スライドブロックでスライド溝を押圧する方法で支持)や、懸架式機構(非剛性材料を用いて懸架する等の方式で支持)といったように軸心でなくてもよいことを特徴とする。
【0015】
上記構造の本発明によれば、更に、前記衝撃擦拭ヘッドの押動力としては、押圧力のみ、或いは引っ張り力のみ、或いは片側への捻転又は回転動力のみというように、一方向の動力を使用することを特徴とする。また、弾性押動復原方式(例えば、弾弓、弾性片、弾性材料、カム…等)によって衝撃擦拭ヘッドを復原させ、次の押動のために待機する。
【0016】
本発明で使用可能な一方向の押動力としては、弾弓の弾性押動復原による実施形態を用いる。押動部は一方向の動力により押動され、衝撃ヘッドが下方に衝撃を与えることで、衝撃擦拭ヘッドの先端が下方を衝撃擦拭する。一方向の動力が消失すると、弾弓の弾性力によって衝撃擦拭ヘッドが復原し、次の押動に向けて待機する。
【0017】
本発明の減振バランスの一実施形態として、衝撃物の配列全体が一斉に瞬時にして上下に衝撃を与えた場合、その運動量がブラシを上下に揺動させることから、握持に不快感が生じる(大多数の機械式ブラシが手持ち操作されることを考慮)。そこで、相対運動によって衝撃量をバランス可能とした。即ち、握持して使用しやすいよう、一部のブラシが下方に衝撃を与える一方で、一部は上方に衝撃を与えるようにし、撃力のバランスを取ることにした。簡易的な方式としては、衝撃擦拭ヘッド全体が一斉に下方又は上方に揺動することによる握持の不快感を軽減するために、支点113を衝撃擦拭ヘッド111の中央位置に設けることで、揺動力を低減するとの目的を梃方式で達するとともに、動力を左右交互に下方に向かわせることで、本発明における握持をより安定的とする。
【0018】
その他の代替方式として、機械式衝撃擦拭ヘッドは、衝撃擦拭物、衝撃擦拭ヘッド、支点、押動部を含み、前記衝撃擦拭物が衝撃擦拭ヘッドに接続され、前記衝撃擦拭ヘッドの支点はスライド構造であり、前記衝撃擦拭ヘッドの支点がハウジング内に設けられ、ハウジング内のスライド溝によって撃力と横方向擦拭力の構成比率を変更することで、異なる比率の衝撃−擦拭運動量を発生させ、前記衝撃擦拭ヘッドは押動部を備え、押動部は、伝達された押動力を受けると衝撃擦拭ヘッドに揺動のための動力を発生させ、押動部は、伝動機構から伝達される押動力に連動して、衝撃擦拭ヘッドを押動して揺動を発生させるための動力を変化させ、衝撃擦拭物の衝撃先端の往復によって下方を衝撃擦拭することを特徴とする。
【0019】
以上の構造を有する本発明によれば、物理的な衝撃量の原理を利用して、擦拭面に対する下向きの衝撃(或いは下向きの衝突)量を衝撃物に発生させることで、各衝撃物の先端が洗浄すべき凹凸面に連続して衝撃を与え、擦拭する。このときの力は衝撃物の硬度によって支持されるため、極めて効果的な洗浄作用が奏される。よって、不規則な凹陥面が存在している場合であっても、衝撃物は上方から下方に向かって深部まで衝撃擦拭可能となる。これより、本発明は部品交換タイプとして、或いは、磁力、電動、機械、エアー等のあらゆる機械式動力源と統合可能な機器又は工具として設計可能である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、次の有益な効果を得られる。
1.本発明は独特の洗浄能力を備え、物体凹凸面の頑固な汚れをより効果的に衝撃擦拭可能とする。本発明は、運動エネルギーを汚れの除去に最大限活用可能であり、凸面か凹面かにかかわらず、極めて効果的な洗浄能力を発揮する。
【0021】
2.本発明によれば、従来では擦拭不可能であった凹陥内の汚れを洗浄可能となる。衝撃擦拭ヘッドを適切に移動させれば、部分的に覆われた部分の汚れであっても、衝撃擦拭によって洗浄能力を発揮可能である。
【0022】
3.本発明を応用すれば、過度の圧力を加える必要がないため、突出表面が過度に擦傷されるとの状況が抑制される。本発明では、過度な「圧力」を外部から加えることで洗浄深さや洗浄効果を強化するとの状況が抑制されるため、より強い外圧を加え、多くの時間を費やすことによる突出表面の過度の擦傷を低減可能となる。更には、過度の圧力による擦拭洗浄を行わずとも、衝撃擦拭動作が自然と浅い凹陥箇所に到達して洗浄を行う。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1A】
図1Aは、従来技術の単一ブラシ毛による凹陥面の洗浄状態を示す図である。
【
図1B】
図1Bは、従来技術の単一ブラシ毛による凹陥面の洗浄状態を示す図である。
【
図2A】
図2Aは、従来技術における他方向の単一ブラシ毛による凹陥面の洗浄状態を示す図である。
【
図2B】
図2Bは、従来技術における他方向の単一ブラシ毛による凹陥面の洗浄状態を示す図である。
【
図3】
図3は、従来技術のブラシ毛全体による凹陥面の洗浄状態を示す図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明における凹陥洗浄面に対する未衝撃時を示す原理図である。
【
図4B】
図4Bは、本発明における凹陥洗浄面に対する衝撃時を示す原理図である。
【
図5A】
図5Aは、本発明における突出洗浄面に対する未衝撃時を示す原理図である。
【
図5B】
図5Bは、本発明における突出洗浄面に対する衝撃時を示す原理図である。
【
図6A】
図6Aは、本発明によればどのような凹凸面も衝撃擦拭可能であることを示す原理図である。
【
図6B】
図6Bは、本発明によればどのような凹凸面も擦拭可能であることを示す原理図である。
【
図6C】
図6Cは、本発明によればどのような凹凸面も擦拭可能であることを示す原理図である。
【
図7A】
図7Aは、任意の支持位置を用いるとともに、衝撃擦拭物における任意の先端配列を用いた場合に発生する軌跡を示す図である。
【
図7B】
図7Bは、任意の支持位置を用いるとともに、衝撃擦拭物における任意の先端配列を用いた場合に発生する軌跡を示す図である。
【
図7C】
図7Cは、任意の支持位置を用いるとともに、衝撃擦拭物における任意の先端配列を用いた場合に発生する軌跡を示す図である。
【
図7D】
図7Dは、任意の支持位置を用いるとともに、衝撃擦拭物における任意の先端配列を用いた場合に発生する軌跡を示す図である。
【
図7E】
図7Eは、任意の支持位置を用いるとともに、衝撃擦拭物における任意の先端配列を用いた場合に発生する軌跡を示す図である。
【
図7F】
図7Fは、任意の支持位置を用いるとともに、衝撃擦拭物における任意の先端配列を用いた場合に発生する軌跡を示す図である。
【
図7G】
図7Gは、任意の支持位置を用いるとともに、衝撃擦拭物における任意の先端配列を用いた場合に発生する軌跡を示す図である。
【
図7H】
図7Hは、任意の支持位置を用いるとともに、衝撃擦拭物における任意の先端配列を用いた場合に発生する軌跡を示す図である。
【
図8A】
図8Aは、一方向の押動力を用い、弾弓弾性力によって復原される本発明の実施形態を示す二種類の原理図である。
【
図8B】
図8Bは、一方向の押動力を用い、弾弓弾性力によって復原される本発明の実施形態を示す二種類の原理図である。
【
図8C】
図8Cは、一方向の押動力を用い、弾弓弾性力によって復原される本発明の実施形態を示す二種類の原理図である。
【
図8D】
図8Dは、一方向の押動力を用い、弾弓弾性力によって復原される本発明の実施形態を示す二種類の原理図である。
【
図9A】
図9Aは、衝撃擦拭ヘッド全体が一斉に上下動することで揺動が生じ、握持に不快感が生じるとの事態を軽減するために、揺動支持軸を衝撃擦拭ヘッドの略中央位置に設け、梃方式で揺動力を低減するとの目的を達するとともに、一組の押動部によって動力を左右両側にそれぞれ加えることで、握持をより安定化させる本発明における減振バランスを示す原理図である。
【
図9B】
図9Bは、衝撃擦拭ヘッド全体が一斉に上下動することで揺動が生じ、握持に不快感が生じるとの事態を軽減するために、揺動支持軸を衝撃擦拭ヘッドの略中央位置に設け、梃方式で揺動力を低減するとの目的を達するとともに、一組の押動部によって動力を左右両側にそれぞれ加えることで、握持をより安定化させる本発明における減振バランスを示す原理図である。
【
図10A】
図10Aは、減振バランスを用いるとともに、捻転式の動力源を用いる本発明の実施形態を示す図であって、支点を衝撃擦拭ヘッドの略中央位置に設け、梃方式によって揺動力を低減するとの目的を達する。本図は、本実施例の衝撃擦拭ヘッドが一組の力点を用い、軸を境に左右両側に分割されるとともに、カムによって左右交互に下方へ衝撃を与える場合に、衝撃擦拭ヘッドの右側において下方に衝撃を与える際の原理を示す図である。
【
図10D】
図10Dは、減振バランスを用いるとともに、捻転式の動力源を用いる本発明の実施形態を示す図であって、支点を衝撃擦拭ヘッドの略中央位置に設け、梃方式によって揺動力を低減するとの目的を達する。本図は、本実施例の衝撃擦拭ヘッドが一組の力点を用い、軸を境に左右両側に分割されるとともに、カムによって左右交互に下方へ衝撃を与える場合に、衝撃擦拭ヘッドの左側において下方に衝撃を与える際の原理を示す図である。
【
図11A】
図11Aは、軸心を用いずに支持するとともに、単独押動方式の動力源を用いる本発明の実施形態を示す図であって、ハウジングと衝撃擦拭ヘッドの組み合わせ構造を示している。押動力115による押動部114の押動に加えて、弾性押動復原する弾弓124を用いることで、衝撃擦拭ヘッド112が往復揺動する。
【
図11B】
図11Bは、軸心を用いずに支持するとともに、単独押動方式の動力源を用いる本発明の実施形態を示すB−B断面図である。押動力115による押動部114の押動に加えて、弾性押動復原する弾弓124を用いることで、衝撃擦拭ヘッド112が往復揺動する。
【
図11C】
図11Cは、軸心を用いずに支持するとともに、単独押動方式の動力源を用いる本発明の実施形態を示す図である。押動力115による押動部114の押動に加えて、弾性押動復原する弾弓124を用いることで、衝撃擦拭ヘッド112が往復揺動する。
【
図12】
図12は、回転式の動力源を統合して使用する本発明における実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1A、
図1B、
図2A、
図2B及び
図3に示すように、Fは力の方向であり、ハッチング部分はどうしても衝撃擦拭不可能な汚れ領域である。図より、従来技術の擦拭ヘッドの場合、頑固な汚れの洗浄効果には限界があることがわかる。物体表面を移動する際、ブラシ毛の先端は擦拭面の突出箇所から力を受けて変形し、付与した運動エネルギーの大部分がブラシ毛の変形によって失われてしまう。そして、凹陥箇所については、突出面の擦拭時に素通りされてしまうため、凹陥面の内部を効果的に擦拭することはできない。結果、不規則な凹陥面の汚れが洗浄しきれないことはいうまでもない。
【0025】
図4A、
図4B、
図5A、
図5B及び
図6A、
図6B、
図6Cに示すように、物理的な衝撃量の原理を利用して、擦拭面に対する下向きの衝撃(或いは下向きの衝突)量をブラシ毛に発生させれば、各ブラシ毛の先端が洗浄すべき凹凸面に連続して衝撃を与え、擦拭する。このときの力はブラシ毛の硬度によって支持されるため、極めて効果的な洗浄作用が奏される。よって、不規則な凹陥面が存在している場合であっても、ブラシ毛は上方から下方に向かって深部まで衝撃擦拭可能となる。これより、本発明は部品交換タイプとして、或いは、磁力、電動、機械、エアー等のあらゆる機械式動力源と統合可能な機器又は工具として設計可能である。
【0026】
図7A、
図7B、
図7C、
図7D、
図7E、
図7F、
図7G、
図7H及び
図8A、
図8B、
図8C、
図8D、
図9A、
図9B、
図10A、
図10D、
図11A、
図11C、
図12に示すように、本発明の機械式衝撃擦拭ヘッドは以下を特徴とする。即ち、衝撃擦拭物111、衝撃擦拭ヘッド112、支点113、押動部114を含み、前記衝撃擦拭物111が衝撃擦拭ヘッド112に接続され、前記衝撃擦拭ヘッド112に特定の支点113が備えられる。前記支点113の位置及び形式を変更すると、撃力と横方向擦拭力の構成比率が変化して、異なる比率の衝撃−擦拭運動量が発生する。前記押動部114の数は1又は1以上であり、前記押動部114は伝達された押動力115を受けると、衝撃擦拭ヘッド112に揺動のための動力を発生させる。また、前記押動部114は、従来の動力伝動機構から伝達される押動力115に連動して、衝撃擦拭ヘッド112を押動して揺動を発生させるための動力を変化させ、衝撃擦拭物111の往復によって下方を衝撃擦拭する。
【0027】
上記構造の本発明によれば、更に、前記衝撃擦拭物111は、針状物、柱状物、ブロック状物、釘状物のいずれか1つ、又はいずれかの組み合わせであって、洗浄すべき表面を直に衝撃擦拭するために用いられることを特徴とする。
【0028】
上記構造の本発明によれば、更に、前記衝撃擦拭物111における衝撃擦拭用先端の配列として、並列、鋸歯状、アーチ型、波型のいずれか1つ、又はいずれかの組み合わせが可能であることを特徴とする。
【0029】
上記構造の本発明によれば、更に、前記衝撃擦拭物の周囲には散乱防止ガード116が設けられており、前記散乱防止ガード116は衝撃擦拭物111を保護するとともに、その一端に衝撃擦拭物111が露出していることを特徴とする。
【0030】
前記散乱防止ガード116は、工業等の用途においては押圧強度を補強することで、衝撃擦拭物の寿命を延長可能とする。また、前記散乱防止ガード116は歯ブラシ類に適用される場合に、周辺に散乱した衝撃擦拭物が口腔内の皮膚を傷つけないよう防止可能とする。
【0031】
上記構造の本発明によれば、更に、動力伝動機構126が異なる方向の動力源127を使用可能であり、各種の衝撃擦拭工具、器材、機器、計器、歯ブラシ、機械式ブラシ、エアーブラシ等を設計可能である。例えば、最も一般的な動力源としては、回転、正逆捻転、スライド等による動力があり、これらはいずれも動力伝動機構126を介して衝撃擦拭ヘッドに接続される。
【0032】
図7A、
図7B、
図7C、
図7D、
図7E、
図7F、
図7G、
図7Hに示すように、本発明の衝撃擦拭ヘッド112は、衝撃擦拭物111が装着された1組又は複数組の擦拭ヘッドである。特定の支点113によって軸心の位置が変化すると、撃力と横方向擦拭力の構成比率が変化し、異なる比率の衝撃−擦拭運動量が発生する。これにより、衝撃擦拭ヘッド112に装着された衝撃擦拭物の先端において撃力が多分となるか、或いは擦拭力が多分となり、異なる動作に適用される。また、122はブラシ端の運動軌跡である。ブラシ端の運動軌跡122のうち軸心と正接する部分が衝撃運動量、軸心を向く部分が擦拭運動量である。
【0033】
理論上は、衝撃擦拭物111の直立方向と運動方向が一致する場合、横方向擦拭力は0となる。このとき、衝撃擦拭物111は自身の硬度によって全動力を押し出すことで、表面に直接衝撃を与える。そして、自身の限界まで圧力を受けると座屈し、衝撃擦拭物の先端が座屈力によって弾かれる。
【0034】
本発明で使用可能な一方向の押動力としては、弾性押動復原(例えば、弾弓、弾性片、弾性材料又は弾性構造等)による実施形態を用いる。
図8A、
図8B、
図8C、
図8D及び
図11A、
図11Cに示すように、押動部114は一方向動力115によって押動され、衝撃擦拭ヘッド112が下方に衝撃を与えることで、衝撃擦拭物111の先端が下方を衝撃擦拭する。一方向の動力が消失すると、弾弓124の弾性力によって衝撃擦拭ヘッドが復原し、次の押動に向けて待機する。
【0035】
本発明の減振バランスを示す原理図として
図9A、
図9Bに示したように、ブラシヘッドの配列全体が一斉に瞬時にして上下に衝撃を与えた場合、その運動量がブラシを上下に揺動させることから、握持に不快感が生じる(大多数の機械式ブラシが手持ち操作されることを考慮)。そこで、相対運動によって衝撃量をバランス可能とした。即ち、握持して使用しやすいよう、一部のブラシが下方に衝撃を与える一方で、一部は上方に衝撃を与えるようにし、撃力のバランスを取ることにした。衝撃擦拭ヘッド112全体が一斉に下方又は上方に揺動することによる握持の不快感を軽減するために、支点113は衝撃擦拭ヘッドの略中央位置に設けられる。これにより、揺動力を低減するとの目的が梃方式によって達せられる。また、押動力115は左右交互に押動部114を押動し、衝撃擦拭ヘッド112に揺動のための動力を発生させるため、本発明では握持がより安定的となる。
【0036】
本発明における減振バランスの実施形態の一つとして、
図10A、
図10B、
図10C、
図10D、
図10E、
図10Fに示すように、衝撃擦拭ヘッドが一斉に全体として上下に揺動することによる握持の不快感を軽減するために、揺動軸としての支点113は衝撃擦拭ヘッドの略中央位置に設けられる。これにより、揺動力を低減するとの目的が梃方式によって達せられる。また、2つのカム125の左右において、衝撃擦拭ヘッド112両側の押動部114に対し交互に衝撃を与えることで、動力115がそれぞれ衝撃擦拭ヘッド112の左右両側に付与されるため、本発明では握持が更に安定的となる。
【0037】
その他の代替方式を
図11A、
図11B、
図11Cに示す。
図11Aはハウジングと衝撃擦拭ヘッドの組み合わせ構造を示す図であり、
図11BはB−B断面図である。支点113はスライド可能にハウジング123に格納されて、衝撃擦拭ヘッド112をスライドさせる。これは、軸心を用いずに支持するとともに、単独押動方式の動力源を使用する実施形態である。衝撃擦拭物111、衝撃擦拭ヘッド112、支点113、押動部114を含む機械式衝撃擦拭ヘッドは、前記衝撃擦拭物111が衝撃擦拭ヘッド112に接続され、前記衝撃擦拭ヘッド112の支点113がスライド構造であり、前記支点113が、スライド可能にハウジング123内に格納されて衝撃擦拭ヘッド112を内部でスライドさせることを特徴とする。ハウジング123内のスライド溝によって、撃力と横方向擦拭力の構成比率を変更することで、異なる比率の衝撃−擦拭運動量が発生する。前記衝撃擦拭ヘッドは一方向の押動動力127を用い、動力伝動機構126を介して押動力115を押動部114に伝達する。押動部114は伝達された押動力115を受けて、衝撃擦拭ヘッド112に左側が下降する動力を発生させる。そして、弾性押動復原する弾弓124によって、衝撃擦拭ヘッド112を右側が下降する元の位置に回復させる。
【0038】
本発明は、各種の凸凹した凹陥における汚れを擦拭洗浄可能な機械式衝撃擦拭ヘッドに関し、主として任意の方向の動力源127を用いる。また、各種の動力伝動機構126によって押動力115を発生させ、押動部114を押動することで、衝撃擦拭ヘッド112を揺動させる。そのため、衝撃擦拭物111の先端には、処理すべき表面に対し上から下に衝撃を与える動作が発生する。衝撃擦拭物の先端が表面を離れてから下降し、被擦拭面に衝撃を与えるまでに、衝撃擦拭物111はその突き刺すような動作によって、本来の機械動力の大部分を撃力として被擦拭面の汚れに差し込む。衝撃擦拭物先端の反動力は、大部分が衝撃擦拭物の材質によって受容され、堅固な衝撃擦拭ヘッドへと返されるため、衝撃擦拭物先端による汚れ除去のエネルギーは非常に大きいものとなる。
【0039】
このほか、衝撃時におけるやや横方向への移動動作によって、衝撃擦拭物の先端には連続した衝撃、擦拭動作が発生する。本発明による汚れに対する衝撃擦拭動作は衝撃擦拭物の速度と硬度により支えられるため、従来のブラシ毛による横方向への洗浄方法とは比較にならないほどの洗浄効果が得られる。不規則な凹陥面が存在している場合であっても、衝撃擦拭物の動作は上から下、離間から衝撃へと実施されるため、深部にまで衝撃擦拭が行き届く。更には、衝撃擦拭ヘッドを適切に移動させれば、凹陥面の汚れから部分的に覆われた部位の汚れにいたるまで、衝撃擦拭による洗浄が可能となる。
【0040】
本発明では、衝撃擦拭物として様々な材質を使用可能なため、金属の錆除去、表面擦拭、口腔洗浄など各種分野への適用が可能となる。また、各種動力との組み合わせが可能なほか、様々な寸法を形成できることから、歯ブラシのようにコンパクトな携帯ツール、電動ワイヤブラシ、エアーワイヤブラシ等の工程加工ツール、板材表面の汚れを衝撃擦拭するための生産ラインといった固定機械への適用が可能である。
【0041】
本発明の衝撃擦拭動作には、以下の応用形態がある。
【0042】
本発明の衝撃擦拭ヘッドは、例えば円形、四角形、長方形等の如何なる形状でもよいし、ローラの外部又は内部に取り付けられてもよい。
【0043】
本発明の衝撃擦拭ヘッドにおける衝撃擦拭物先端の突起は、並列な配列に限らず、例えばアーチ型、波型、鋸歯型といった如何なる配列としてもよい。或いは、異なる配列方式が組み合わされた多層配列や、適用される動作分野に応じた特殊な配列としてもよい。
【0044】
本発明の衝撃擦拭ヘッドは、直線又は曲線による衝撃擦拭によって平面又は凹凸表面を処理する機構であって、握持用、固定型、或いは各種形式の機械に用いられるユニットである。
【0045】
本発明の衝撃擦拭ヘッドは、ブラシの衝撃量を利用して汚れを除去するものであり、ブラシに対する握持が不安定となる恐れがある。そこで、例えば梃のように対等な力をバランス運動させることで、衝撃量のバランスを取ることを可能としている。
【0046】
本発明の衝撃擦拭ヘッドは、散乱防止ガードのような最適化方案を用いない単一の衝撃ブラシヘッドに簡略化してもよい。また、複数の衝撃ブラシヘッドを組み合わせてもよいし、衝撃擦拭物を例えば各種平面又は凹凸面にエンボス加工可能な堅固で鋭利な材質に変えてもよい。本発明では、材料を砂質に変えて研磨等の用途に用いたり、或いは、ブロック状物に変えて切削等の用途に用いたりする。
【0047】
本発明では、衝撃擦拭時に流動性材料を加えることで、凹凸面に対する塗装が可能となる。これにより、凹凸面に吹付け塗装を施す際に、流動性材料が凹陥箇所に入り込まないという従来の状況を解消可能となる。
【0048】
生活面や生産活動において、本発明では類似の運動をシミュレーションし、浴槽の滑り防止底における沙状面の汚れ除去を試みた。結果、凹陥箇所の大部分の汚れを擦拭することができたのに対し、従来技術のブラシを用いる方法では、多くの箇所で全く擦拭不可能であった。
【0049】
本発明では、更に類似の運動をシミュレーションして歯磨きを実施した。結果、従来は歯の隙間の歯石をどうしても除去できなかったのに対し、本発明を使用して1週間後には歯石の多くが減少していた。また、凹陥箇所の歯石や歯が重なり合って覆われた箇所の歯石については、従来は全く擦拭不可能であったのに対し、本発明を使用したところ徐々に薄くなっていった。
【符号の説明】
【0050】
111 衝撃擦拭物
112 衝撃擦拭ヘッド
113 支点
114 押動部
115 押動力
116 散乱防止ガード
121 衝撃擦拭方向
122 ブラシ先端の運動軌跡
123 ハウジング
124 弾弓
125 カム
126 動力伝動機構
127 動力源の運動方向
【国際調査報告】