(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-531481(P2017-531481A)
(43)【公表日】2017年10月26日
(54)【発明の名称】手動の伸縮自在櫛を備える動物のグルーミング用ブラシのヘッド
(51)【国際特許分類】
A45D 24/00 20060101AFI20170929BHJP
A46B 7/04 20060101ALI20170929BHJP
A01K 13/00 20060101ALI20170929BHJP
【FI】
A45D24/00 N
A46B7/04
A01K13/00 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-517088(P2017-517088)
(86)(22)【出願日】2015年9月18日
(85)【翻訳文提出日】2017年3月29日
(86)【国際出願番号】FR2015052516
(87)【国際公開番号】WO2016051046
(87)【国際公開日】20160407
(31)【優先権主張番号】1459273
(32)【優先日】2014年9月30日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517042025
【氏名又は名称】セセルソン グループ
(74)【代理人】
【識別番号】100092277
【弁理士】
【氏名又は名称】越場 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100155446
【弁理士】
【氏名又は名称】越場 洋
(72)【発明者】
【氏名】カト,エディ
【テーマコード(参考)】
3B202
【Fターム(参考)】
3B202AA40
3B202AB15
3B202AB26
3B202BC06
3B202BE13
3B202CA02
3B202EA01
3B202EA04
3B202EH08
(57)【要約】
本発明は、ハンドル(2)と、可動の薄板状の櫛(4)を備えるヘッド(3)と、櫛(4)の移動を制御するための手段と、櫛(12、4)をセッティングするための手段とを含む、手動の伸縮自在櫛(12、4)を備える動物のグルーミング用ブラシ(1)のヘッドであって、櫛(12、4)が、櫛(12、4)を包含するヘッドを除去すること無くかつ工具類を用いること無く、交換され得、短毛(5)をブラッシングするため、長毛(5)をブラッシングするため、および補修管理のためにヘッドから突出する、ヘッド内の複数の位置における櫛の連続的な横方向のセッティングを確実にする手段と係合する、動物のグルーミング用ブラシ(1)のヘッドに関する。本発明によると、櫛(12、4)は、連結ロッド(13)へ接続されたクレードル(12、2)へ、着脱可能な方法で、横方向に摺動することにより、接続され、制御ボタン(17)を支持するレバー(14)は、側方円筒形つめへ動かないように接続され、側方円筒形つめは、連結ロッド(13)をヘッドへ蝶番式に連結するために使用されるとともに、複数の長手方向位置における櫛(12、4)のセッティングを提供するために前記ヘッドに配置された位置調整用切欠き(47)と係合し、一方で、櫛(12、4)が櫛(12、4)を交換するためにそのクレードル(12、2)から除去されることを可能にする補修管理位置を含む、複数の位置における櫛の移動を可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手動の伸縮自在櫛を備える動物のグルーミング用ブラシのヘッドであって、ハンドル(2)の端部に、毛を排出するためのリップ(40、42)を備える内側スペース(10)を画定する2つの要素(7、9)を備えるヘッド(3)と、前記ヘッド(3)内で、前記ヘッド(3)内の除去位置と少なくとも1つのブラッシング位置との間で摺動可能に取り付けられた薄板状の櫛(4)とを含み、前記櫛(4)の歯が前記リップ(40、42)から突出し、前記櫛がその移動を手動で制御するための手段(12〜17)へ接続され、前記手段(12〜17)が前記ヘッドの外部のボタン(17)により駆動され得、一方で前記ヘッド(3)が前記櫛(4)の少なくともいくつかの長手方向位置のセッティングのための手段(25、47)を含む、手動の伸縮自在櫛を備える動物のグルーミング用ブラシのヘッドにおいて、前記櫛(4)が、着脱可能な方法でかつ横方向に摺動することにより、前記ヘッド内で平行移動し得るクレードル(12)へ接続され、このクレードル(12)がその移動を確実にする手段へ接続されるとともに、
− 連結ロッド(13)であって、その端部の一方が前記クレードルに関節接合される、連結ロッド(13)と、
− 前記連結ロッドの他方の端部(13b)と関節接合された、前記移動を制御するためのレバー(14)とを含み、前記レバーが、
−− 第1に、前記制御ボタン(17)を受けるために、前記ヘッドの前記上部要素(9)の壁を通過する少なくとも1つの長手方向ほぞ(26)が設けられ、
−− 第2に、側方円筒形つめ(25)であって、前記ヘッドの前記要素(9)への前記連結ロッド(13)の前記関節接合のために使用されるとともに前記ヘッドの前記上部要素(9)に配置された位置調整用切欠き(47)と係合する側方円筒形つめ(25)と一体になっており、これらの切欠きが前記櫛(4)の複数の長手方向位置における前記櫛の前記セッティングを提供し、
−− 第3に、前記ヘッドの前記下部要素(7)において枢動可能に取り付けられた関節接合本体(15)を包含し、前記関節接合本体(15)の前記円筒形つめ(25)を前記セッティング用切欠き(47)に対して押圧するために、前記下部要素(7)上に関節接合本体(15)が、拡張して作用する伸縮ばね(16)の挿入により摺動可能に取り付けられる、ことを特徴とする、手動の伸縮自在櫛を備える動物のグルーミング用ブラシのヘッド。
【請求項2】
前記クレードル(12)がU字型の横断面を有し、その翼状部(12a)には、前記櫛の後方端部(4a)に、前記歯に垂直にかつ前記歯の反対側に配置された反対側溝(4b)に面するとともに反対側溝(4b)に係合することができる内部切欠き(18)が設けられ、これらの翼状部が外側と、各側に、前記ヘッドの前記2つの要素(7および9)内に、前記クレードルの移動方向に平行に、前記翼状部のために配置されたリブ(32〜34および43〜45)をカバーする案内溝(19)とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の伸縮自在櫛を備えるブラシのヘッド。
【請求項3】
前記ヘッドの前記上部要素(9)が、前記リブ(44および45)の各1つにおいて、したがって前記クレードル(12)を案内するために、前記制御レバー(14)の前記つめ(25)の、したがって前記櫛(4)を支持する前記クレードル(12)の、平行移動でのセッティングを提供する一連の3つの切欠き(47)であって、それぞれ前記ヘッド内の前記櫛が格納された除去位置、短毛のブラッシングのための前記櫛の出た位置、および長毛のブラッシングのための前記櫛の出た位置にある一連の3つの切欠き(47)を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の伸縮自在櫛を備えるブラシのヘッド。
【請求項4】
前記櫛(4)を支持する前記クレードル(12)の前記移動を制御するための前記手段(12〜17)が、追加的な移動ストロークを前記クレードル(12)へ伝え、前記クレードルを補修管理位置へもたらし、前記櫛(4)との前記クレードル(12)の連結ゾーンが、側方切欠き(60)であって、前記櫛(4)と別の櫛または別のグルーミング要素との交換を進めるために、横方向移動を介して、前記櫛(4)が前記クレードル(12)および前記ヘッドから除去されることを可能にする前記ヘッドを構成する前記2つの要素(7および9)に配置された側方切欠き(60)に至ることを特徴とする、請求項1に記載の伸縮自在櫛を備えるブラシのヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物の毛のグルーミング、より具体的には手動ブラシヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
犬および猫などの飼いならされた動物の毛を維持するために、それらを定期的にグルーミングすること、および特に、ハンドルと、概して着脱可能かつ交換可能な櫛を備えるヘッドとからなるブラシで、手動でそれらをブラッシングすることが知られている。現在のブラシにおいて、櫛は、金属刃であって、その本体にハンドルのヘッドへ締結するための手段が設けられた金属刃と、傾斜したエッジとからなり、歯は機械加工により作られる。
【0003】
動物のブラッシング中、ブラッシングにより被毛から除去された抜け毛が歯の間に少しずつ蓄積し、被毛における櫛の歯の係合を制限するとともにブラッシングを妨げる。これを克服するため、ならびに[特許文献1](仏国特許第2999871号公報)および[特許文献2](米国特許出願公開第2009/0126648号明細書)に説明されたとおり、製造業者は、櫛へ、櫛の面上を、その歯の間隙の方向に、タペットにより手動で動かされ得る平面パレットを加える。歯の自由端に向かうクリーニング運動が、歯の間隙の間に蓄積された毛束、抜け毛および塵埃を排出し、その元の条件でブラッシングを再開することを可能にする。一般に、ばね手段がタペットをヘッドにおけるその元の除去位置へ戻す。この除去位置において、パレットは、櫛の鋭い歯の攻撃性からユーザを保護しない。金属櫛の歯は薄くて脆く、何らかの追加的な保護が無いと、短い間であっても、ブラシが降ろされると曲げられかつ変形され得る。
【0004】
[特許文献3](米国特許出願公開第2013/0343041号明細書)は、これらの欠点を部分的に克服するノミ取りブラシを説明している。薄板状の櫛は2つの部分からなる本体に配置され、櫛が保護されていて環境にとって危険ではない本体内側の除去位置と、ブラッシングするために使用されるように、その歯が本体の外側にあるブラッシング位置との間で開口を通じて長手方向に動かすことができる。本体内への櫛の格納は、スライダ上での摺動により実施され、その歯の移動により、ブラッシングすることにより取られる抜け毛、塵埃および他の堆積物の、本体の開口のエッジへの当接、次いでしたがって歯からの排出をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】仏国特許第2999871号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2009/0126648号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2013/0343041号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、この機能は、外被の毛におけるノミが見えることを円滑にするためのみに使用され、これに際して櫛を照明するための外部手段によって支援され、毛を滑らかにするのには適していない。
【0007】
さらに、櫛の交換は検討されておらず、その理由は、摩耗および断裂の場合に、または、異なる形状および間隔を備える歯を有する櫛を使用することにより櫛を動物の毛もしくはグルーミング機能へ適合させるためには、櫛を交換するためにグルーミング工具を容易に交換することが可能ではないような形での、工具を用いた本体の完全な分解を必要とするためである。
【0008】
最後に、櫛の動きを決定するとともに櫛の適所におけるセッティングをもたらすこの文献において説明された手段は、例えばブラシであって、その湾曲ヘッドがハンドルの端部に配置されるブラシにおいて置き換えられ得ないが、その理由は、櫛を動かすために櫛へ伝えられる直線運動および横方向のセッティング運動が、ヘッドの内側スペースに適合しないだろうからである。同様に、櫛の案内は、細部まで行き届いたノミの除去により生じる力よりはるかに大きい力であるブラッシングおよび毛の力に抵抗するには不十分である。
【0009】
ブラシであって、櫛の歯の間隙の外へ毛を排出するための手段が設けられたそのヘッドが、櫛であって、このヘッドを除去すること無くかつ工具類を用いること無く交換され得、複数の位置における櫛の横方向のセッティングを確実にする手段と係合する櫛を包含する、ブラシを提供することにより本発明が克服しようとしているのは、まさにこれらの欠点である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって本発明は、ハンドルと、ヘッドであってその本体が、櫛を包含する内部スペースを画定するとともに開口であってそのリップが歯の間隙の外への毛の排出を提供する開口を有する2つの要素であるヘッドとが設けられたブラシであって、前記内側スペースがまた、ヘッドの外部の制御ボタンにより駆動され得る、この櫛の移動を可能にする手段と、櫛の少なくとも1つの長手方向位置のヘッドへのセッティングのための手段とを包含するブラシに関する。
【0011】
本発明によると、櫛は着脱可能な方法で横方向に摺動させることにより、ヘッド内を平行に移動させ得るクレードルへ接続され、このクレードルはその移動を確実にする手段へ接続され、手段は、
− 連結ロッドであって、その端部の一方がクレードルに関節接合される連結ロッドと、
− 連結ロッドの他方の端部と関節接合された、移動を制御するためのレバーと
を含み、レバーは、
−− 第1に、制御ボタンを受けるために、ヘッドの上部要素の壁を通過する少なくとも1つの長手方向ほぞが設けられ、
−− 第2に、側方円筒形つめであって、連結ロッドを本体へ蝶番式に連結するために使用されるとともにヘッドの上部要素に配置された位置調整用切欠きと係合する側方円筒形つめと一体になっており、これらの切欠きが櫛の複数の位置における櫛のセッティングを提供し、
−− 第3に、ヘッドの下部要素において枢動可能に取り付けられた関節部のための本体を包含し、関節接合のための本体の円筒形つめをセッティング用切欠きに対して押圧するために、下部要素上に関節接合のための本体が、拡張を介して作用するばねの挿入により摺動可能に取り付けられる。
【0012】
この配置構成により、櫛はクレードルにのみ接続され、機械的に、かつ連結システムであってその構造および動力学がヘッドの内部スペースへ組み込まれるとともに、櫛の出る長さを毛の長さに調節するために、ヘッドの外部の複数の位置を櫛へ伝えることを可能にする連結システムの媒介により、櫛の移動を制御するための手段へ接続されるのはクレードルである。
【0013】
実施形態において、クレードルはU字型の横断面を有し、その翼状部には、櫛の後方端部に、歯に垂直にかつ歯の反対側に配置された反対側溝に面するとともにそこに係合することができる内部切欠きが設けられ、これらの翼状部は外側と、各側に、ヘッドの2つの要素内に、クレードルの移動方向に平行に、それら翼状部のために配置されたリブをカバーする案内溝とを含む。
【0014】
かくして、櫛の出入りの動きは完全に平行移動して案内されるとともに妨害により詰まりを起こす恐れはない。さらに、溝とリブとの係合が、ブラッシングする際に櫛にかかる力の影響下で横方向にシフトし得ないクレードルの保持を保証する。
【0015】
好ましい実施形態において、ヘッドの上部要素は、クレードルのその案内リブの各1つにおいて、制御レバーのつめの、したがって櫛を支持するクレードルの、平行移動でのセッティングを提供する一連の3つの切欠きであって、それぞれ、ヘッド内の櫛が格納された除去位置、短毛のブラッシングのための櫛の出る位置、および長毛のブラッシングのための櫛の出る位置にある一連の3つの切欠きを含む。
【0016】
このように櫛のセッティングに伴う位置が増えることは、櫛がヘッドの内側にあるときだけでなく、その作用位置のうちの各1つにあるときにも、ヘッドにおけるその位置調整を保証し、一方でユーザが歯の突出を彼または彼女がグルーミングしている動物の毛の長さに適合させることを依然として可能にする。
【0017】
有利には、櫛を支持するクレードルの移動を制御するための手段は、追加的な移動ストロークをクレードルへ伝え、このクレードルを補修管理位置へもたらし、その櫛とのクレードルの連結ゾーンが、側方通路切欠きであって、横方向移動を介して、櫛がクレードルおよびヘッドから除去されること、ならびに別の櫛または別のグルーミング要素とのその交換を可能にするヘッドを形成する2つの要素に配置された側方通路切欠きに至る。
【0018】
かくして、あまり機械に詳しくないユーザであっても、ヘッドを取り外す必要無しに、ヘッドにおいて不動のままであるクレードルに対して横方向に摺動する動きを櫛へ伝えることにより、櫛を替えることができる。これは、摩耗および断裂の場合に櫛の交換を容易にするだけでなく、櫛を、異なる機能を提供する櫛または別のグルーミング工具と交換すること、または、櫛が二重歯を含む場合にはそれをひっくり返すことも可能にする。
【0019】
他の特徴および利点は、この櫛の実施形態を示す添付の図面を参照する以下の説明から導き出される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】ブラシが動物の毛に係合したときのブラシの実施形態の側面立面図である。
【
図2】櫛がこのヘッドの内側の保管位置にあるときの、
図1のブラシのヘッドの部分断面を備える側面図である。
【
図3】櫛が、短毛をブラッシングするために出た位置、長毛をブラッシングするために出た位置にあるときの、ヘッドの側面のおよび断面としての部分図である。
【
図4】櫛が、引き出しおよび交換位置にあるときの、ヘッドの側面のおよび断面としての部分図である。
【
図5】内側部分を見たときの、ヘッドの上部要素の解された部分断面図としての斜視図である。
【
図6】内側部分を見たときの、同じヘッドの下部要素の分解された部分断面図としての斜視図である。
【
図7】ヘッドの下部要素の拡大縮尺での斜視図である。
【
図8】ヘッドの他のコンポーネントと合せた、ヘッドの下部要素の、拡大縮尺での斜視図である。
【
図9】単独のヘッドの上部要素の拡大縮尺での斜視図である。
【
図10】ヘッドの他のコンポーネントと合せた、ヘッドの上部要素の拡大縮尺での斜視図である。
【
図11】櫛が、それぞれ、短毛をブラッシングするために出た位置、長毛をブラッシングするために出た位置、ならびに引き出しおよび交換位置にあるときの、ヘッドの側面のおよび断面としての部分図である。
【
図12】ヘッドが櫛の引き出された位置にあるときのヘッドの斜視図であり、櫛が、それを支持するクレードルの摺動により部分的に引き出されている。
【発明を実施するための形態】
【0021】
概しておよび
図1に示されるとおり、ブラシ1は、ハンドル2と、金属またはポリアミドなどの合成材料でできている櫛4を支持するヘッド3とからなる。櫛4の歯は、矢印6の方向の移動により動物の毛5のブラッシングを提供するために、動物の毛5に貫入することを意図される歯の1つまたは2つの列を含む。櫛は薄板状の形状であり、2つの平らかつ平行な面を含む。
【0022】
図2〜6に示されるとおり、ヘッド3は、ハンドル2との連結ほぞ8を担持する下部要素7と、図示されていないねじにより要素7へ接続される上部要素9とからなる。
【0023】
ほぞ8には、ハンドル2とスナップフィットするための図示されていない手段が設けられている。この配置構成は、他の交換可能なグルーミング道具または他の機能を実施するグルーミング道具を備えるハンドルを使用することを可能にする。
【0024】
図示されていない代替形態において、下部要素7はハンドルと一体構造であるが、同じ機能を提供するために、以下で説明されるものと同じ構造を含み、ハンドルとのヘッドの互換性を除き同じ結果を得ることを可能にする。
【0025】
ヘッド9の2つの要素7および9は、リップの形のそれらのエッジの間に画定される開口11を備える内部容積10を画定する。
図2〜4において見ることのできるこの容積は、櫛4を維持するための手段と、櫛4を移動させるとともにこの移動を制御するための手段とを包含する。
【0026】
櫛4を維持するための手段はクレードル12からなり、一方でその移動のための手段は、連結ロッド13と、関節部15および伸縮ばね16(好ましくは金属)とを備える制御レバー14と、制御ボタン17とを含む。これらのコンポーネントは合成材料の成型により得られ、分解
図5および6を参照して詳細に説明される。
【0027】
クレードル12はU字型の横断面を有し、その2つの翼状部12aには、切欠き18であって、翼状部12aの内部面から突出して、クレードル12のコアに面するとともにそれに平行に配置される切欠き18が設けられている。これらの切欠きは、櫛4の後方端部4aに配置される溝4bに係合することにより、櫛4を保持するための手段を形成する。これらの溝は、この後方エッジの反対側にある櫛の歯の方向に垂直に配置される。
図8および10は、クレードルの翼状部12aの外部面に歯の方向に平行の案内溝19が設けられることを示す。
【0028】
クレードル12のコアには、その外部面から突出して、いくつかの、この実施形態においてはすなわち2つの、フック20が設けられる。これらのフックは、連結ロッド13を構成する2つのアーム13aのうちの各1つの端部の一方において延在する横方向シャフト22のための自在軸受を形成する。各アーム13aの他方の端部には自在軸受を形成するフック13bが設けられている。
【0029】
制御レバー14は管状の本体を含み、そこに関節部15から突出するほぞ15aにより心出しされたばね16が収容される。
図8は、管状の本体14が2つの長手方向通路23により境界を定められていることを示しており、2つのアーム15bがほぞ15aに平行に摺動し、その両側に配置される。制御レバー14の本体はまた、一方では、横方向シャフト25であって、側方に突出するとともに連結ロッドの軸受13bに枢動可能に取り付けられた横方向シャフト25の2つの先端と一体的であり、他方では、操作のためのボタン17の締結のために使用される2つの長手方向ほぞ26と一体的である。
【0030】
図5および10は、関節部15が、円形のシャフト27の先端により拡張された丸い形の横材15cを含むことを示す。
【0031】
これらのコンポーネント12〜16はケースの要素7および9により画定されたスペース10に取り付けられるため、ケースの要素7および9が
図7〜10を参照して詳細に説明される。
【0032】
図7に詳細に示されるとおり、ヘッド3の下部要素7は、滑らかな凸形外部面と、内部面であって、リブ、すなわち、2つの中間リブ33および2つの側方リブ34により境界を定められた3つの中央リブ32が設けられた内部面とを含む射出の未処理の凹形壁からなる。これらのリブは、クレードル2をその動きにおいて案内するために、クレードル2の溝12と係合することを意図される。中央溝32は各々、
図8に示されるとおり、関節部15の丸い形の横材15cを受けることができる円形の軸受35の一部を含み、中間横材33の各1つは、同じ横材15cのシャフト27の2つの先端のうちの一方を受けることができる深い軸受36を含み、かくして横材15cは完全に回転するように案内される。
【0033】
ヘッドの下部要素7は、その壁から突出して上部要素9との連結ねじの通過のための強化された滑らかなボア37と、その接続平面Pに、
図7に示されるリブ38とを含む。
図9は、要素9が、その接続平面Pの内部エッジの内側に、要素7および9が組み立てられると、これらの要素の相対的な位置調整を改善するおよびその割れ目を隠すために、要素7のリブ38を受けることができる隙間39を含むことを示す。
【0034】
要素7の前方エッジは、接続平面Pに対する凹部として、上部要素9の接続平面の凹部として設けられるリップ42と同じ方法で、櫛と摺動接触するようになることを意図されるリップ40を含む。
【0035】
最後に、2つの要素7および9は、それらが画定する開口11の両側に、櫛4の後方部分であって櫛4のクレードルが補修管理位置にあるときに開口11を通過しなければならない櫛4の後方部分の厚さに少なくとも等しい幅の切欠き60を含む。
【0036】
図9に詳細に示されるヘッド3の上部要素9は、滑らかな凸形外部面と、その内部面から突出する、中央リブ43と、2つの中間リブ44と、2つの外部側方リブ45とを含む射出のための未処理の凹形壁とからなる。これらのリブは櫛の移動の方向に平行であり、クレードル2をその動きにおいて案内するために、クレードル2の溝19と係合することを意図される。中央溝43は、制御レバー15、および特に2つのスロット46を通じて要素の壁を通過するそのほぞ26にスペースを空けるため、他のものよりも短い。
【0037】
この実施形態において、リブ44および45は各々、制御レバー14のシャフト25の先端のうちの一方と各々係合し得る一連の3つの円形の切欠き47を含む。それらは、レバー14および櫛12の3つのセッティング位置、すなわち櫛の格納された位置、短毛のための出た位置、および長毛のための出た位置を実現する。
【0038】
外部リブ45の切欠き47は、レバー14のいかなる横方向の動きも制限する材料49のベールにより側方におよび外向きに閉鎖される。
【0039】
最後に、ヘッドの要素9は、それと下部要素7とねじの連結を提供するねじを受け入れるための縦穴50と一体になっている。
【0040】
図2において、ヘッド3のコンポーネントが組み立てられ、およびタペットおよびこのヘッドにおける櫛4の格納位置において。制御レバー14のシャフト25の先端は切欠き47において係合されるとともにこの位置における櫛4の係止を提供する。櫛は、誰も傷つけ得ず、その歯が保護されるような方法で、全体がヘッド内にある。
【0041】
櫛が短毛のブラッシングのために出ている
図3の位置へ切り替えるためには、シャフト25の先端を切欠き47から出し、次いでレバー14を切欠き47に従うように
図3の矢印53の方向に回動させることにより係止解除するために、圧力が第1にタペット17に、
図2の矢印52の方向に、かけられなければならない。この切り替えの間、ばね16は圧縮され、関節部15は固定軸受35および36において枢動する。タペット17上での半径方向力の解放は、そのシャフト27の先端を、後続の一連の切欠き47において係合させることにより、ばね16がレバー14をセッティング位置へ戻すことを可能にする。
【0042】
レバー14の移動は、連結ロッド13およびクレードル12により、ヘッドの要素のリップ40と42との間での櫛12の長手方向移動を引き起こし、櫛12の一部を、
図3に示される値D1だけヘッドから突出させる。
【0043】
図4において、同じ条件であるが、切欠きのその最終位置におけるレバー14の移動が、櫛4をD1より大きく、長毛のブラッシングに対応する値D2だけ出す。
【0044】
2つのブラッシング位置の一方または他方におけるブラシでのブラッシング中、櫛の歯の間の間隔が小穂(spikelets)、抜け毛および様々なゴミの蓄積により塞がれた場合、トリマーは、櫛をヘッド3内へ格納することにより、櫛を容易に綺麗にすることができる。矢印53と逆方向の格納移動中、薄板状の櫛の面上を摺動する2つのリップ40および42のエッジは、歯の間隙から突出する毛を押しとどめる。これにより、櫛がヘッド内に完全に格納されるまで毛の塊がリップにより押しとどめられることになる。
【0045】
図11は、ヘッドの2つの要素7および9を示し、それが包含する機構はクレードルが、ブレース付きでない追加的な補修管理位置へもたらされ得るように構築され、切欠き60での櫛4とクレードル12との連結ゾーンが櫛4の横方向移動を可能にする。
【0046】
図12は、この補修管理位置において、新たな櫛と交換されるように、または動物の毛に適合された歯を有する櫛と交換されるように、または櫛が二重歯を有する場合はひっくり返されるように、または歯を含むもしくは含まない別のグルーミング工具と交換されるように、のいずれかのために、櫛4が摺動によりクレードルから容易に引き出され得ることを示す。
【0047】
セッティングにより櫛を作用位置に戻すためには、制御レバー14によりその格納を制御することで十分である。
【0048】
先の説明により、本発明によるブラシのヘッドは以下のこと、すなわち、
− 作用位置において、ブラッシングされる動物の被毛に櫛の突出の長さを適合させるために、櫛の突出の長さを修正すること、
− 保管位置において、怪我または鋭い歯により捕捉されることのリスクを抑えるのみならず、その歯を衝撃および摩擦から保護し、かくしてその摩耗および断裂ならびにその汚染を減らすために櫛全体をヘッド内へ戻すこと、ならびに、
− 補修管理位置において、いかなる工具にも頼らずに櫛の交換を進めその互換性を高めること
を可能にすることができることが導き出される。
【国際調査報告】