(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-531750(P2017-531750A)
(43)【公表日】2017年10月26日
(54)【発明の名称】雨水をろ過するための装置
(51)【国際特許分類】
E03F 5/06 20060101AFI20170929BHJP
【FI】
E03F5/06 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-518263(P2017-518263)
(86)(22)【出願日】2015年9月30日
(85)【翻訳文提出日】2017年5月24日
(86)【国際出願番号】EP2015072537
(87)【国際公開番号】WO2016050833
(87)【国際公開日】20160407
(31)【優先権主張番号】1451159-6
(32)【優先日】2014年9月30日
(33)【優先権主張国】SE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517112937
【氏名又は名称】ビヨンド・クリーン・ウォーター・エービー
【氏名又は名称原語表記】Beyond Clean Water AB
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】ダンルプ、ニールス
【テーマコード(参考)】
2D063
【Fターム(参考)】
2D063CA00
2D063DA07
2D063DC01
(57)【要約】
本発明は、雨水排水管内の雨水をろ過するための装置(1)に関連する。装置(1)は、フィルタユニット(2)と、金属捕捉バラストユニット(6)と、フィルタユニット及び金属捕捉バラストユニット(6)を運ぶ浮遊キャリア(4)とを備えている。これにより、使用する際に、装置(1)は、雨水排水管の雨水の浮遊状態中に配置される。フィルタユニット(2)は、雨水の表面(5)より上に少なくとも部分的に配置され、金属捕捉バラストユニット(6)は、雨水の表面(5)より下に配置されている。金属捕捉バラストユニット(6)は、金属を捕捉し、バラストを提供するための固形物を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
雨水排水管内の雨水をろ過するための装置(1)であって、
前記装置(1)は、フィルタユニット(2)と、金属捕捉バラストユニット(6)と、前記フィルタユニット及び前記金属捕捉バラストユニット(6)を運ぶ浮遊キャリア(4)とを備え、これにより、使用する際に、前記装置(1)は、前記雨水排水管の前記雨水の浮遊状態に配置され、
前記フィルタユニット(2)は、前記雨水の表面(5)より上に少なくとも部分的に配置され、
前記金属捕捉バラストユニット(6)は、前記雨水の表面(5)より下に配置され、
前記金属捕捉バラストユニット(6)は、金属を捕捉し、バラストを提供するための固形物を備える装置(1)。
【請求項2】
前記固形物は、高炉による原鉄の生産物からのスラグを備える、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記固形物は、淡水により前記スラグを冷却することにより生成される、請求項2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記固形物は固形顆粒物である、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記フィルタユニット(2)は、多孔性ポリプロピレン、原鉄生産からのスラグ、活性炭からなるグループから選択される材料を備える、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記金属捕捉バラストユニット(6)は、活性炭をさらに備える、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記金属は、原子状金属、イオン金属、又は金属を含む化合物からなるグループから選択される、請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記金属は重金属である、請求項7に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記装置は、前記装置(1)の外部に放射状に伸長し、前記雨水の表面(5)に少なくとも部分的に配置される、多孔性ポリプロピレンのシート(8)をさらに備える、請求項1〜8のうちのいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記装置(1)は、前記雨水の表面(5)より下に配置されている区画をさらに備え、前記区画(15)に多孔性ポリプロピレンが設けられている、請求項1〜9のうちのいずれか一項に記載の装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨水から汚染物質又は汚れを除去するために、雨水排水管内の雨水をろ過するための装置に関連する。より具体的には、本発明は、雨水をろ過するための浮遊装置に関連し、浮遊装置は、雨水排水管内で使用する際に、雨水排水管の雨水中で、浮遊状態で配置されてよい。
【背景技術】
【0002】
都市流去水も呼ばれる雨水は、異なるタイプの表面からの、天水、溶融した雪又は氷、洗浄水及びこれらに類似したものの表面流出である。このような表面は、駐車場、歩道、屋根、及び、これらに類似した表面であることがあり、不浸透面と呼ばれることがある。このような表面から流出する水は、例えば、ガソリン、オイル、重金属、ごみ、肥料、農薬、及び他の汚染物質によって汚染される傾向がある。雨の間、これらの表面は、汚染された雨水を雨水排水管に運ぶ。雨水排水管は、排出する前に雨水の処理をして、又はしないで、運河、川、湖、海、海洋、又は他の地表水のような流入地表水に排出するための排水システムに、接続することができる。
【0003】
雨水排水管は、一般的に、水平格子注入口又は側注入口のような、注入口を有する垂直管を備え、排水システムに接続されている。このような雨水排水管は、通常、沈殿物、砂、砂利、小石、枝、ゴミ及びこれらに類似するもののような、小物体を捕らえるための水だめ又はガリーポット(gully-pot)とも呼ばれる排水ますを備えている。排水ますは、物体を閉じ込めるための水で満たされたトラップとして機能し、このような物体が後続の排水システムに入ることを防ぐ。このような排水ますはまた、排水システムからの気体が外気中に漏れることを防ぐ。排水ますの上部からの雨水は、その後の排水システムに流れ出る。排水システムの詰まりを防ぐために、適切な時間間隔で、バキューム車によって、排水ますを空にすることができる。
【0004】
先行技術に開示されている、雨水をろ過するための異なる種類の装置がある。このような先行技術の装置は、一般に、雨水排水管の注入口に位置付けるためのフィルタを備えている。一般に、フィルタユニットは、問題の雨水排水管の注入口に固定的に据え付けられている、又は、取り付けられている。このやり方は、結果として、面倒で時間のかかる設置方法となる。フィルタの除去も、手間がかかり、時間がかかるかもしれない。さらに、フィルタの設置は、当該雨水排水管の容量を低減させることがある。
【0005】
EP2 620 561 A1は、雨水排水管内の雨水をろ過するための浮遊ろ過装置を開示している。開示されているろ過装置は、ろ過されている雨水から汚染物質又は汚れを除去するためにさまざまな材料を使用する。開示されている装置は、例えば、雨水の大きな流れにさらされたときに、安定性の問題を被るかもしれない。
【0006】
したがって、雨水排水管の中の雨水をろ過するための向上した装置が必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
上記技術及び先行技術の向上を提供することが本発明の目的である。
【0008】
特別の目的は、雨水排水管内の雨水をろ過するための装置を提供することである。この目的又は他の目的は、本発明の以下の説明から明らかになるであろう利点とともに、独立請求項にしたがう雨水排水管内の雨水をろ過する装置によって達成される。好ましい実施形態は従属請求項中で定義される。
【0009】
したがって、雨水排水管内の雨水をろ過するための装置が提供され、本装置は、フィルタユニットと、金属捕捉バラストユニットと、フィルタユニット及び金属捕捉バラストユニットを運ぶ浮遊キャリアとを備え、これにより、使用する際に、本装置は、雨水排水管の雨水の浮遊状態中に配置され、フィルタユニットは、雨水の表面より上に少なくとも部分的に配置され、金属捕捉バラストユニットは、雨水の表面より下に配置され、金属捕捉バラストユニットは、金属を捕捉し、バラストを提供するための固形物を備えている。
【0010】
本発明により、装置中に金属捕捉バラストユニットを設けることにより、雨水排水管内の雨水をろ過するための向上した装置を提供することが可能となる。金属捕捉バラストは、例えば、大雨の間、装置に達する大流量の雨水から、あるいは、本装置にぶつかる又は積み上げる物体から、本装置が被るいかなる傾けようとする運動量を打ち消すので、金属捕捉バラストユニットを使用すると、装置が増大した安定性を経験することをもたらす。さらに、金属捕捉バラストの使用は、装置が雨水排水管中に浮遊しているときに、雨水排水管中に存在する雨水が、金属捕捉バラストに接触することをもたらす。これは、雨水排水管の雨水中に存在する金属が金属捕捉バラストと接触して、捕捉され、結果として、金属を、雨水排水管の雨水から除去することをもたらす。
【0011】
したがって、本発明は、金属捕捉バラストユニットの使用が、本装置の安定性を向上させ、同時に、使用している間に装置が浮遊している雨水から金属を除去することが実現されることに基づいている。
【0012】
金属捕捉バラストユニットの固形物は、高炉による原鉄の生産からのスラグを備えていてもよい。原鉄の生産からのスラグの使用は、効率的な金属捕捉が提供され、同時に、本装置を安定させることが提供されることをもたらす。さらに、スラグの使用は、材料の入手可能性が良好であり、価格が有利であることを意味する。
【0013】
金属捕捉バラストユニットの固形物は、淡水によりスラグを冷却することにより生成されてもよく、これは、増加した接触面を有する多孔材料が提供されるという点で有利であり、結果として、金属を捕捉する効率を向上させる。
【0014】
金属捕捉バラストユニットの固形物は固形顆粒物であってもよく、これは、材料を装置中に容易に入れられるので、材料の取り扱いが簡略化されるという点で有利である。
【0015】
本装置のフィルタユニットは、多孔性ポリプロピレン、原鉄生産からのスラグ、活性炭からなるグループから選択される材料を備え、これは、効率的なフィルタユニットを提供することができるという点で有利である。
【0016】
本装置の金属捕捉バラストユニットは、活性炭をさらに備え、これは、さらなる汚染物質又は汚れを雨水排水管の雨水から除去できるという点で有利である。
【0017】
捕捉される金属は、原子金属、イオン金属、又は金属を含む化合物からなるグループから選択されてもよく、これは、金属が様々な形態で捕捉できるという点で有利である。
【0018】
捕捉される金属は重金属であってもよく、これは、有毒金属を捕捉できるという点で有利である。
【0019】
本装置は、装置の外部に放射状に伸長し、雨水の表面に少なくとも部分的に配置される、多孔性ポリプロピレンのシートをさらに備え、これは、雨水排水管の雨水の表面に存在するオイルのような汚染物質又は汚れを除去する又は捕捉することができるという点で有利である。
【0020】
本装置は、雨水の表面より下に配置されている区画をさらに備え、区画に多孔性ポリプロピレンが設けられていてもよく、これは、雨水排水管の雨水から汚染物質又は汚れを捕捉する又は除去することができるという点で有利である。
【0021】
上述したように、金属捕捉バラストユニットの固形物は、高炉による原鉄の生産からのスラグを備えていてもよい。本タイプのスラグは、SSAB Merox AB,Oxelosund,Swedenから「Hyttsand」の商標で入手可能である。以下の説明では、本発明の実施形態で使用される、本タイプのスラグを例証するときに、表現Hyttsandを使用する。
【0022】
本発明の更なる特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲及び以下の説明を検討するときに明らかになるだろう。当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の異なる特徴を組み合わせて、以下に説明する以外の実施形態を生成することができることを理解するだろう。
【0023】
本発明の実施形態を図示する図を参照して、本発明の態様を以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態にしたがう、雨水をろ過するための装置を図示している。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態にしたがう、雨水をろ過するための装置を図示している。
【0025】
本発明の実施形態の以下の詳細な説明は、本発明の理解を向上させるための例として含まれており、決して、本発明の範囲を限定するものとして解釈すべきではない。
【0026】
図1は、雨水をろ過するための装置1を図示している。装置1は、典型的に、雨水をろ過し、雨水中に存在する化合物及び粒子を捕捉するために、例えば、道路や通りの、又は、道路や通りの近傍の雨水排水管のような、雨水排水管内で使用されてもよい。装置1は、装置1と雨水排水管の内壁との間に隙間を形成するように配置されている。隙間は、沈殿物、砂、砂利、小石、小枝、ゴミ及びこれらに類似するもののような物体が、装置1に沿って、雨水排水管の排水ますに移動できるように配置されている。したがって、装置1は、雨水排水管の断面積の100%未満、例えば50−90%、をカバーするように配置されている。
【0027】
フィルタユニット2、浮遊キャリア4及び金属捕捉バラストユニット6のパーツは、例えば、射出成形プラスチック材料からできていてもよい。
【0028】
雨水をろ過する目的で、装置1は、浮遊キャリア4によって運ばれる、雨水をろ過し、汚れを除去するためのフィルタユニット2を有している。この例にしたがう浮遊キャリアは、空気で満たされたプラスチック容器であるが、例えば、例えば発泡プラスチックの本体のような、他の適切な材料及び装置を使用してもよいことが理解される。バラストユニット6は、バラストを装置1に提供し、さらに、雨水から金属を捕捉するための固形物を含む。雨水排水管中で(雨水排水管は図示していない)使用するときに、典型的に、点線5のエリア中の雨水の表面で、雨水中に浮遊するように、装置1は配置される。バラストユニット6は、雨水排水管に流れ込む砂利又は石による衝突、あるいは、雨水の大洪水による衝突のような、装置が回転することを防ぐであろう。
【0029】
雨水排水管に入る雨水は、フィルタユニット2に少なくとも部分的に接触し、これにより、雨水は、フィルタユニット2を通過するだろう。この実施形態では、フィルタユニット2は、カバー20を備え、効果的に雨水がフィルタユニット2に入るようにする一方で、砂利、石、又は枝のような、より大きな粒子及び物体は、カバー20をはじき、雨水排水管中の大半の雨水中に落下するように配置されている。汚染物質又は汚れの除去により、雨水をきれいにする目的のために、フィルタユニット2は、多孔性ポリプロピレン、原鉄生産からのスラグ、活性炭、又はこれらの組み合わせから選択した材料を備えることができる。したがって、雨水中の汚れが、捕捉され、材料に吸着又は吸収され、したがって、雨水から除去される。結果として、減少したレベルの汚れを有する雨水は、フィルタユニット2を出て、雨水排水管に入ることができる。例えば、重金属、有機化合物、無期化合物、金属有機化合物、又はこれらの組み合わせの汚れを含む雨水が雨水排水管に入る結果として、及び、少なくともフィルタユニット2によって閉じ込められなかったこれらの汚れの部分の結果として、雨水排水管内の雨水はこれらの汚染を含んでいるかもしれないことが理解される。汚れを除去又は捕捉することによって、雨水排水管中の雨水をさらにきれいにする目的のために、バラストユニット6は固形物を備えており、これは、例えば、Hyttsandのような、(図示していない)高炉による原鉄の生産からのスラグであってよい。このような材料は、結果として、雨水からの金属の効果的な捕捉をもたらす。したがって、Hyttsandは、結果として、重金属のような金属の除去により雨水を効果的にきれいにするだけでなく、バラストを装置に提供する。したがって、汚れを効果的に除去することと、装置1にバラストを提供するのに適している重量を提供することとの両方を提供できることから、Hyttsandは、非常に効果的である。
【0030】
フィルタユニット及びバラストユニット6中の固形物によって雨水をきれいにすることに加えて、装置に、雨水の表面に少なくとも部分的に配置されている多孔性ポリプロピレンのシート8が設けられてよい。したがって、多孔性ポリプロピレンのシート8は、雨水の表面に存在する汚れ、例えば、オイル、グリース、又は他の浮遊している汚染物質を除去する際に、特に効果的であろう。フィルタユニット2は雨水の表面に接するように配置されているので、このような浮遊している汚染物質は、フィルタユニット2によっても除去できる。多孔性ポリプロピレンは、雨水からオイル及びグリースを除去するための効果的な材料であってよい。
【0031】
さらに、図示した実施形態は、雨水の表面より下に配置され、多孔性ポリプロピレンが設けられている、区画15を備えており、したがって、表面より下に存在する汚れは、多孔性ポリプロピレンによって除去できる。
【0032】
図2は、実施形態にしたがった、装置の断面図を図示している。
図1に関する上記の説明は、
図2に関しても参照される。装置1のフィルタユニット2は、複数の区分10、12、14に設けられていてよく、各区分は、例えば、穿孔を備えることによるような、雨水を透過させることによって、任意の上の又は下の区分10、12、14と通じる。典型的には、雨水排水管に流れ込む雨水は、区分10を介してフィルタユニットに入り、そこに備えられている多孔性ポリプロピレン(図示されていない)と接触し、したがって、区画10を通して雨水が流れる又は滴るので、汚染が雨水から除去され得る。その後、雨水は、穿孔壁11を介して、各区分12に入り、区分12は、例えば、活性炭(図示していない)を保持していてよく、雨水が区分を通過する際に、活性炭が雨水と接触したとき、雨水から汚れを除去でき、その後、雨水は、穿孔壁13を介して、フィルタユニット2の区分14に入り、区分14は、例えば、Hyttsandのような、高炉による原鉄の生産からのスラグを保持していてよく、スラグは、雨水と接触したときに、雨水から金属を除去できる。フィルタユニット2を通過する前と比較して、汚染の濃度がより低い雨水が、区分14から雨水排水管の雨水に送られる。
【0033】
穿孔壁11、13は、区分10、12、14を提供するための効率的な手段であるかもしれないが、例えば、多孔性ポリプロピレン、活性炭、及びHyttsandの層の適切な提供によって、壁11、13がない実施形態も効果的であることが理解される。1つの実施形態にしたがうと、区分10、12、14は、穿孔プラスチックのシート又は層によって、分離されている。
【0034】
上記から、実施形態の装置は雨水をろ過すること、例えば、装置1の材料に、化合物又は分子を結合若しくは捕捉することにより、例えば、化合物又は分子のような汚れを除去するとともに、例えば、砂利のような、雨水中に存在するより大きな粒子が装置に入ることを防ぎ、又は、フィルタユニット中に捕捉することができることが理解される。
【0035】
実施形態にしたがうと、
図2中に図示されている装置は、区分10中に多孔性ポリプロピレンを、区分12中に1kgの活性炭を、区分14に1.5kgのHyttsandを、金属捕捉バラストユニット6中に固形物として4.2kgのHyttsandを設けていてよく、浮遊キャリアは8.5kgに対応する浮力を提供する。
【0036】
上記の例示的な装置1及びその開示された実施形態は、示されていないセンサ及び通信能力とともに用いられてよい。センサを有する装置を用いることにより、浸透度のような装置自体の状態を監視することができる。さらに、雨水排水管中の雨水のレベル又は雨水排水管に入る水の量のような、雨水排水管自体の環境状態を監視するために、センサは、雨水排水管中の異なる位置に設けられてよい。
【0037】
さらに、装置上に又は雨水排水管中に設けられているセンサは、通信ユニットと通信するようにセンサを配置することにより、遠隔で監視できる。さらに、雨水排水管中に存在しない遠隔センサを、同じ通信ユニット又は追加の通信ユニットを使用して監視することができる。
【0038】
雨水排水管中の環境状態を監視するためのシステム及び方法が、EP 2 620 562 A1中で開示されている。EP 2 620 562 A1中で開示されているシステム及び方法において、本発明の装置を有利に使用することができる。
【0039】
本発明を、その特有の例示的な実施形態を参照して説明してきたが、多くの異なる変更、修正、及びこれらに類するものが当業者に明らかになるだろう。開示された実施形態へのバリエーションは、図、本開示、及び添付の特許請求の範囲の研究から、請求項に記載した発明を実施する際に、当業者によって理解され、達成されることができる。さらに、特許請求の範囲において、単語「備える」は、他の要素の存在を除外せず、不定冠詞「a」又は「an」は複数あることを除外しないものとする。
【国際調査報告】