(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-531894(P2017-531894A)
(43)【公表日】2017年10月26日
(54)【発明の名称】アクティブなラウドスピーカーでの省エネルギーのための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G11B 20/14 20060101AFI20170929BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20170929BHJP
【FI】
G11B20/14 351Z
H04R3/00 310
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-516405(P2017-516405)
(86)(22)【出願日】2015年9月24日
(85)【翻訳文提出日】2017年5月23日
(86)【国際出願番号】FI2015050640
(87)【国際公開番号】WO2016046453
(87)【国際公開日】20160331
(31)【優先権主張番号】20145842
(32)【優先日】2014年9月26日
(33)【優先権主張国】FI
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】508104732
【氏名又は名称】ゲネレク オーワイ
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120363
【弁理士】
【氏名又は名称】久保田 智樹
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(72)【発明者】
【氏名】モイラネン,ペッカ
(72)【発明者】
【氏名】ポイホネン,カリ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイサネン,ユホ
【テーマコード(参考)】
5D044
5D220
【Fターム(参考)】
5D044AB05
5D044GL12
5D044GM34
5D044GM40
5D044HL02
5D220AA50
(57)【要約】
本発明は、電子的要素(3,4,5)の少なくとも一部が時々スリープ又は非通電モードとなるシステムにおいて、デジタルオーディオ信号(1,6)を認識するための方法及び装置に関し、当該方法において、デジタルオーディオ信号(1,31)は増幅及び認識され、増幅された信号はデコード回路(4)においてデコードされ、デコードされた信号はさらなる処理及びデジタル/アナログ変換のため信号プロセッサ(5)に導かれ、オーディオ信号(11)はアナログ信号から生成される。本発明によると、増幅された未デコードの信号(6)は信号プロセッサ又はマイクロプロセッサ(5)に直接に導かれて使用及び認識され、デコーダを実装する回路(4)はデジタルオーディオ信号(1,31)が認識されない限り、スリープモードに維持される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子的要素(3,4,5)の少なくとも一部が時々スリープ又は非通電モードとなるシステムにおいて、デジタルオーディオ信号(1,6)を認識するための方法であって、
デジタルオーディオ信号(1,31)が増幅及び認識され、
前記増幅された信号が、デコーダ(4)を実装する回路でデコードされ、
前記デコードされた信号が、さらなる処理及びデジタル/アナログ変換のために信号プロセッサ(5)へ導かれ、
オーディオ信号(11)が前記アナログ信号から生成される
方法において、
前記増幅された未デコードの信号(6)が、使用及び認識されるよう信号プロセッサ又はマイクロプロセッサ(5)へ直接に導かれ、
デジタルオーディオ信号(1,31)が認識されない限り、前記デコーダ(4)を実装する前記回路はスリープモードに維持されること
を特徴とする方法。
【請求項2】
前記未デコードの信号(6)から、そのビット周波数より大幅に低い、好ましくは該信号のビット周波数の1/10未満のサンプリング周波数でサンプルをとることによって認識が実行される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
認識された信号がなければ、前記信号プロセッサ(5)は、該信号プロセッサ(5)の通常周波数の好ましくは1/10から1/1000のクロック周波数で動作する、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
増幅された未デコードの信号(6)が、該デジタル信号(6)の状態を非同期的及びランダムに読み取ることによって認識される、
請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
増幅された未デコードの信号(6)が、前記サンプリング周波数の倍数ではない周波数でランダムなポイントの該信号(6)を読み取ることによって認識される、
請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記読み取りの20%を超えるものから変化が確認される場合、デジタル信号(6)の存在が認識される、
請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記デジタル信号はAES/EBU信号である、
請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
電子的要素(3,4,5)の少なくとも一部が時々スリープ又は非通電モードとなるシステムにおいて、デジタルオーディオ信号(1,6)を認識するための装置であって、該装置は、
デジタルオーディオ信号(1,31)を増幅及び認識するための手段、
増幅された信号をデコードするための手段(4)、
さらなる処理及びデジタル/アナログ変換のため、デコードされた信号(S)を信号プロセッサ又はマイクロプロセッサ(5)へ導くための手段(8)、及び
オーディオ信号をアナログ信号から生成するための手段(11)
を備え、さらに、
前記増幅された未デコードの信号(6)を、前記信号プロセッサ(5)によって使用及び認識されるよう直接に導くための手段(7)、及び
デジタルオーディオ信号(1,31)が認識されない限り、前記デコーダを実装する前記回路(4)をスリープモードに維持するための手段
を備えることを特徴とする装置。
【請求項9】
未デコードの信号(6)から、そのビット周波数より大幅に低い、好ましくは該信号のビット周波数の1/10未満のサンプリング周波数でサンプルをとることによって認識を実行するための手段を備える、
請求項6に記載の装置。
【請求項10】
認識された信号がなければ、前記信号プロセッサ(5)は、該信号プロセッサ(5)の通常周波数の好ましくは1/10〜1/1000のクロック周波数で動作され得る手段を備える、
請求項6又は7に記載の装置。
【請求項11】
増幅された未デコードの信号(6)を、該デジタル信号(6)の状態を非同期的及びランダムに読み取ることによって認識するための手段を備える、
請求項8から10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
増幅された未デコードの信号(6)を、前記サンプリング周波数の倍数ではない周波数でランダムなポイントの該信号(6)を読み取ることによって認識するための手段を備える、
請求項8から11のいずれか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文によると、アクティブなラウドスピーカーにおける方法に関する。
本発明はまた、アクティブなラウドスピーカーにおける回路に関する。
【背景技術】
【0002】
今日では消費電力の低減は、すべての電気機器において必要とされる。消費電力の低減への圧力は、消費者及び公務員双方から生じる。現代の電子機器の電力消費を、今その時点で必ずしも必要ではない機器の部分を自動的にオフに切り替えることによって低減することができる。機器が最小限の電力を消費するスリープモードの場合、信号の到来を感知するもの以外の機器のすべての他の部分は、オフに切り替えられることが可能である。信号が到来して機器の動作要求があると、この感知要素は通常動作のための機器の他の部分を動作させる。通常、このようなモニタリングは微小電力しか消費しない特別な状態のマイクロコントローラを用いて実装され、そのため充分だが可能な限り少量の電力を連続的に使用する電子機器の一部が必要となり、それによって入力信号の認識がシステムを制御するマイクロコントローラへ送信される。
【0003】
ラウドスピーカーの場合、ラウドスピーカー自体が特に音質において効果のある増幅器を含むのがますます一般的となっている。さらなる効果は、ラウドスピーカーに到来する信号が直接デジタル化されている場合に得られ、これによりラウドスピーカーと、プリアンプ又は直接デジタル音源などの音源との間の信号はデジタルになり、そのため事実上完全に歪みがゼロとなる。
【0004】
上述の状態においてラウドスピーカーの増幅器が、ラウドスピーカーに到来するデジタル信号をモニタすることによって、省エネルギーのスリープモードへ移行することができる方法が知られている。先行技術によると、デコーダにおいてモニタリングが行われ、その分析に基づいてその後のラウドスピーカーのステージが制御される。しかしながら、デコーダを実装する超小型回路は、次第に厳しくなる要件と比較して、スリープモードの場合でさえ比較的大量のエネルギーを用いる。
【0005】
より具体的には上述の技術において、デジタル(AES/EBUコード化)オーディオ信号レシーバは、通常、より大規模なシステム回路の超小型回路又はモジュールとして実装される。その通常の動作状態では、デコーダを実装する超小型回路は、10〜30mA(30〜100mW)の電流を必要とする。レシーバが動作している場合、有効なデジタルオーディオ信号の到来を検出し、良好なデジタル信号が受信されると残りのシステムに通知することができる。
【0006】
機器の電力消費は、使用されていない機能をオフに切り替えることによって低減し得る。デジタルオーディオ信号が利用可能でない場合、デジタルオーディオ信号を受信する回路は少量の電力しか消費しないスリープモードに維持され得る。
【0007】
本発明は、スリープモードのアクティブなラウドスピーカーによって消費される電気エネルギーを節減するための全く新しいタイプの方法及び装置の考案を意図する。
【0008】
本発明は、入力されるデジタル信号を、デコーダを通り過ぎて信号プロセッサへ直接に導くことによって電気的エネルギーを節減することに基づき、本発明においてサンプルは大幅に低減されたクロック周波数でデジタル入力線から取得され、デコーダは信号を認識するための予め定義された条件と適合した場合のみ作動する。
【0009】
本発明のより好適な一実施形態によると、オーディオ信号を認識するのに統計的手法を用いる。
【0010】
より具体的に本発明による方法は、請求項1の特徴部分に記載されているものによって特徴付けられる。
【0011】
本発明による装置は、同様に請求項8の特徴部分に記載されているものによって特徴付けられる。
【0012】
顕著な効果を本発明のいくつかの実施形態によって達成する。
【0013】
本発明を用いて、デジタルオーディオ信号は、連続的にアクティブに維持されているデコーダを実装する回路と比較して極めて低い電力消費を用いて認識され得る。
【0014】
本発明による構成によって電子機器が、スリープモードのときに最新の厳しいエネルギー使用要件を満たすことができる。
【0015】
信号プロセッサ(マイクロコントローラ)のIO線を認識に使用できるため、本方法が容易に経済的に実装され得る。
【0016】
以下において、添付図面を用いて本発明を検討する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明による1つの解決手段のブロック図を示す。
【
図2】本発明に関して用いられる時間平面上の信号を示す。
【0018】
本書において、以下の用語が図面に関連して用いられる。
1 入力信号線、未増幅のAES/EBU信号を機器に導く
2 入力インターフェース、コネクタ
3 差動レシーバ
4 デコーダ、デコーダを実装する超小型回路
5 信号プロセッサ、(マイクロプロセッサ)
6 差動レシーバからの未デコード信号線、増幅されたAES/EBU線
7 差動レシーバからの未デコード信号線から信号プロセッサ5(マイクロプロセッサ)のIO入力への制御線
8 デコーダから信号プロセッサ5(マイクロプロセッサ)へのデコードされた信号線、PCMオーディオ信号(S)
9 デコーダ4から信号プロセッサ5(マイクロプロセッサ)への信号線
10 アクティブなラウドスピーカー
11 終端増幅器及びそれらに接続されたラウドスピーカー要素
20 フレーム
21 サブフレーム
22 オーディオブロック
23 同期バイト
24 ヘッダーフィールド(SYNC+AUX)
30 ビット
31 NRZデジタルオーディオ信号、NRZコード化データ(NRZ)
【0019】
図1によると、未増幅のAES/EBU信号は、増幅器を含むアクティブなラウドスピーカー10へ、光学的又は直流電気的に接続されたコネクタ2となり得る入力インターフェース、コネクタ2へと入力信号線1に沿って導かれる。信号は差動レシーバ3で増幅され、増幅されたAES/EBU信号はそこからデコーダ4へと線6に沿って導かれ、そこからはデコードされたPCMオーディオ信号(S)として線8に沿って、終端ステージの増幅器及びラウドスピーカー要素11へと送信されるよう信号をアナログ形式へと変換する信号プロセッサ5(マイクロプロセッサ)へと導かれる。
【0020】
従来技術によると、
図1のAES/EBUデコーダを実装する回路4をアクティブに維持することによって、デジタルオーディオ信号の到来が認識され得る。回路4がプロセッサ5に信号の存在を線9に沿って通知すると、機器の他の機能は必要であればオンに切り替えられ得る。しかしながら、AES/EBUデコーダの回路4を実装することによって生成される信号の認識は、信号プロセッサ5が動作中のシステムを制御し続けるのを含むシステムの他の要素をすべて結合したものよりも大きな電力を使用することが多い。
【0021】
図2及び
図3によると、AES/EBU信号は、NRZ(non−return to zero)コード化デジタルオーディオ信号である。ビット30は2つのバイナリー状態からなるシンボルを用いてコード化される。シンボルの第1の状態は、前のシンボルの第2の状態とは常に異なる。シンボルの第2の状態は、コード化しようとしているビットの論理値がゼロの(1ではない)場合に第1の状態と同じとなる。ビット30の値が1の場合、シンボルの第2の値は、シンボルの第1の値とは異なる。このようなNRZコード化(標準では用語「biphase」を用いる)はデジタルキューを生成し、変化はデジタルビットの継続期間によって規定される周波数又はこの二倍の周波数のいずれかで生じる。AES/EBU信号の場合、デジタルビットの継続期間は、オーディオ信号のサンプルクロック周波数から決定される。AES/EBUフレームは64ビットを含み、フレーム20は2つのサブフレーム21に分割される。
【0022】
NRZコード化されたオーディオは、NRZ信号を含んでいるビットキューを検出することによって認識され得ることが知られている。クロック周波数における偏差は、デジタルオーディオレシーバ回路に含まれるPLLラッチ回路を用いて検出されることができる。AES/EBU信号のヘッダーフィールド24(SYNC+AUX、
図2)は通常のクロック周波数への偏差を含み、それは通常のクロック周波数から外れる。これに基づいてフレームの開始が認識され、加えて個々のフレームに含まれるデータはレジスタに記録され得る。データが記録されると、フレームはAES/EBUフレームとして、その既知の構造に基づいて認識されることができる。上述の方法は計算の観点において比較的面倒であり、多くの電力を消費し、AES/EBUフレームの完全なデコード化に基づく。
【0023】
本発明を用いて、デジタルオーディオ信号、一般的にはNRZデジタルオーディオ信号31の存在が、ごく少量のエネルギーを用いて認識される。起こり得るオーディオ信号は、実際のレシーバ回路より前で、デコーダ4が未デコード信号線6から制御線7を通じて信号プロセッサ5のIO入力へ信号を拾うことによって、信号線6から認識される。
【0024】
したがって、本発明によると、デコーダを実装する回路4は非通電であり、基準を満たす信号が見つかった場合のみ動作のためオンに切り替えられる。AES/EBU入力1の状態を読み取るため、差動レシーバ回路3(例えば、AES/EBU標準によるオーディオ転送はRS−422標準による差分コード化を用いる)はオンに維持される。差動レシーバ3の電力消費は極めて低い。差動レシーバ3のあと、プレ認識が、信号プロセッサ5のIO線7上のAES/EBU線6の状態をランダムに充分な回数読み取ることによって実行される。読み取りは、AES/EBUオーディオ信号1のサンプリング周波数よりも基本的に低い周波数で行うことができる。読み取りは、ランダムにアンダーサンプリングすることによって、例えば、
図3のビット周波数に対してサンプルを取ることによって、例えば、平均10〜1000ビットごとの間隔で、増幅されたAES/EBU信号6のレベルのサンプルを取得する。方法は、NRZコード化によって生成されたデータの統計的な特性の利用に基づいているので、特定の読み取り密度又は読み取られるデータとの同期を必要としない。読み取りの間、信号プロセッサ5は前の読み取りとは異なる状態が線から読み取られる回数を計算する。状態は統計的な調査のために充分に何度も、例えば1000回読み取られ、信号プロセッサ5はこれらから統計的分析を行うために使用される。標準的なAES/EBUデジタルオーディオ信号1が線上にあると、通常300〜500回の変化が認められる。例えばマイクロプロセッサ5のIO線を読み取りのために用いることができ、このようにして任意のプロセッサ等を用いて有利に読み取りが行われ得る。本発明による構成を利用することによって、AES/EBU信号1を認識するのにデコーダ4をオンに切り替える必要がない。
【0025】
本発明による構成(プレ認識)によって、デコーダを実装する回路4の前の信号線からデジタルオーディオ信号の存在が認識可能となる。そしてデコーダを実装する回路4は非通電に維持され、本発明により構成された信号プロセッサ5によって基準を満たす信号が認識され得る場合にのみ作動されることができ、信号プロセッサ5は通常このモードにおいて、例えば、通常のクロック周波数の1/100〜1/1000の非常に低い電力消費をもたらす、大幅に低減したクロック周波数で動作する。
【0026】
本発明を用いて、NRZコード化AES/EBUオーディオ信号の存在は、上述の統計的な情報を用いて認識され得る。
【0027】
プレ認識の実装の例として、未デコード信号線6は、差動レシーバ3からNRZデジタルオーディオ信号31のサンプリング周波数よりも通常10〜1000倍低い周波数で1000回読み取られる。方法は、NRZコード化によって生成されるデータの統計的な特性の利用に基づくため、特定の読み取り密度又は読み取られているデータとの同期を必要としない。NRZ信号の特性に基づいて、サンプルキューにおける変化の理論上の発生率は、NRZ信号の状態が、サンプル周波数の倍数ではない周波数でランダムなポイントから読み取られる場合、25%〜50%になると考えられる。
【0028】
標準的なAES/EBUデジタルオーディオ信号が線上にあると、1000回の読み取りあたり300〜500回の変化が通常検出される(30〜50%)。未接続のケーブルからは一般に1000回の読み取りあたり0〜9回の変化が発見される。読み取りに対して、充分な数の変化が検出されると、デジタルオーディオ信号が発見されたと確定される。より具体的には、読み取り値に対して標準的な数の変化が検出されると、その信号はNRZコード化信号であると予測される。そこで機器のAES/EBUデコーダを作動し、それを用いてNRZ信号はAES/EBUコード化オーディオ信号であるという正確な情報を取得する充分な理由がある。
【0029】
要約すると、デジタルNRZコード化オーディオ信号の存在は、2つのステージで認識される。まず統計的な特性に基づいて低エネルギー消費の計算方法によって、そして次にAES/EBUレシーバ回路を用いてより正確に認識される。AES/EBU信号はデジタル信号の状態を非同期的に及びランダムに読み取ることによって認識される。
【0030】
特定の検出時間後、信号が入来しなければ(すなわち、その間にわたって信号がなければ)カウンタは経過した時間を決定するようセットされ、その時間が所定のタイムリミット、例えば1分を過ぎるとスリープモードが開始するという態様で、装置は通常スリープモードにリセットされる。装置が入来する信号を検出すると、カウンタはリセットされ、信号がなくなる時点からカウントが再開する。
【0031】
本出願において、スリープモードという用語は電気回路の状態をいい、通常動作より明らかに少ないエネルギーしか使用しないが、スリープモードから機器を起動するのに必要な程度の信号を受信及び解釈することが可能である。例えば、欧州連合の法律は、特定の機器にスリープモードの場合、0.5W未満の電力消費となるよう求めている。このような機器の無負荷時の電力消費は、通常は5〜30Wである。したがって機器は、スリープモードにおいて通常の無負荷時の電力消費の10%未満の使用としなくてはならない。
【0032】
本出願において、非通電という用語は、その通常の電力消費の0.1%未満を使用する電気回路の状態をいう。
【0033】
低周波数動作状態という用語はこの接続におけるマイクロプロセッサ又は信号プロセッサの状態をいい、その動作周波数が明らかにより低く、例えば、その通常の動作周波数の30%未満、好ましくは通常の動作周波数の1%未満に低減される。
【国際調査報告】