特表2017-531930(P2017-531930A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-531930(P2017-531930A)
(43)【公表日】2017年10月26日
(54)【発明の名称】セカンドスクリーン触覚
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/435 20110101AFI20170929BHJP
   H04N 21/436 20110101ALI20170929BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20170929BHJP
【FI】
   H04N21/435
   H04N21/436
   G06F3/01 560
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2017-500807(P2017-500807)
(86)(22)【出願日】2015年7月6日
(85)【翻訳文提出日】2017年3月3日
(86)【国際出願番号】US2015039233
(87)【国際公開番号】WO2016007426
(87)【国際公開日】20160114
(31)【優先権主張番号】62/021,663
(32)【優先日】2014年7月7日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.XBOX
2.PlayStation
(71)【出願人】
【識別番号】500390995
【氏名又は名称】イマージョン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】IMMERSION CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154162
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 浩輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【弁理士】
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】ラクロイ,ロバート
【テーマコード(参考)】
5C164
5E555
【Fターム(参考)】
5C164UA04S
5C164UA43S
5C164UB04P
5C164UB41S
5C164UB71S
5C164UB86P
5C164YA12
5E555AA76
5E555BA19
5E555BA87
5E555BA88
5E555BB05
5E555BB06
5E555BC01
5E555DA24
5E555FA00
(57)【要約】
マルチデバイスシステムが、少なくとも1つのメディアサーバーシステムと、表示スクリーンを備える1次視聴デバイスと、触覚出力デバイスを備える2次デバイスとを備える。少なくとも1つのメディアサーバーシステムは、オーディオビデオコンテンツ及び触覚コンテンツのソースを備え、これらのオーディオビデオコンテンツ及び触覚コンテンツを転送するように構成されている。触覚コンテンツは、オーディオビデオコンテンツに関連付けられている。1次視聴デバイスは、少なくとも1つのメディアサーバーシステムから受信されたオーディオビデオコンテンツを出力するように構成されている。2次デバイスは、少なくとも1つのメディアサーバーシステムから受信された触覚コンテンツを、触覚出力デバイスを介して触覚効果として出力するように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのメディアサーバーシステムであって、該少なくとも1つのメディアサーバーシステムは、オーディオビデオコンテンツ及び触覚コンテンツのソースを備え、該オーディオビデオコンテンツ及び該触覚コンテンツを転送するように構成され、該触覚コンテンツは、該オーディオビデオコンテンツに関連付けられている、少なくとも1つのメディアサーバーシステムと、
表示スクリーンを備える1次視聴デバイスであって、前記少なくとも1つのメディアサーバーシステムから受信された前記オーディオビデオコンテンツを出力するように構成されている、1次視聴デバイスと、
触覚出力デバイスを備える2次デバイスであって、ユーザー入力を受信するように構成され、前記少なくとも1つのメディアサーバーシステムから受信された前記触覚コンテンツを、前記触覚出力デバイスを介して触覚効果として出力するように構成されている、2次デバイスと、
を備える、マルチデバイスシステム。
【請求項2】
前記2次デバイスは、表示スクリーンを備え、前記オーディオビデオコンテンツを出力するように構成されている、請求項1に記載のマルチデバイスシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つのメディアサーバーシステムは、前記オーディオビデオコンテンツを含む第1の信号を前記1次視聴デバイスに転送し、前記触覚コンテンツを含む第2の信号を前記2次デバイスに転送する、請求項1に記載のマルチデバイスシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのメディアサーバーシステムは、前記オーディオビデオコンテンツ及び前記触覚コンテンツの双方を含む信号を前記1次視聴デバイスに転送し、前記1次視聴デバイスは、少なくとも前記触覚コンテンツを前記2次デバイスに転送する、請求項1に記載のマルチデバイスシステム。
【請求項5】
前記1次視聴デバイスは、前記2次デバイスに前記触覚コンテンツを転送するが、前記オーディオビデオコンテンツは転送しない、請求項4に記載のマルチデバイスシステム。
【請求項6】
前記1次視聴デバイスは、前記触覚コンテンツ及び前記オーディオビデオコンテンツの双方を前記2次デバイスに転送する、請求項4に記載のマルチデバイスシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのメディアサーバーシステムは、前記オーディオビデオコンテンツ及び前記触覚コンテンツの双方を含む信号を前記2次デバイスに転送し、前記2次デバイスは、少なくとも前記オーディオビデオコンテンツを前記1次視聴デバイスに転送する、請求項1に記載のマルチデバイスシステム。
【請求項8】
前記2次デバイスは、前記1次視聴デバイスに前記オーディオビデオコンテンツを転送するが、前記触覚コンテンツは転送しない、請求項7に記載のマルチデバイスシステム。
【請求項9】
前記2次デバイスは、前記触覚コンテンツ及び前記オーディオビデオコンテンツの双方を前記1次視聴デバイスに転送する、請求項7に記載のマルチデバイスシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのメディアサーバーシステムは、前記オーディオビデオコンテンツ及び前記触覚コンテンツの双方の前記ソースを備える単一のサーバーを備える、請求項1に記載のマルチデバイスシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのメディアサーバーシステムは、第1のメディアサーバー及び第2のメディアサーバーを備え、該第1のメディアサーバーは、前記オーディオビデオコンテンツのソースを備え、前記第2のメディアサーバーは、前記触覚コンテンツのソースを備える、請求項1に記載のマルチデバイスシステム。
【請求項12】
前記2次デバイスは、ユーザーによって保持されるか又はユーザーに結合されるように構成されている、請求項1に記載のマルチデバイスシステム。
【請求項13】
前記2次デバイスは、タブレットコンピューター又はモバイルフォンである、請求項12に記載のマルチデバイスシステム。
【請求項14】
前記1次視聴デバイス及び前記2次デバイスの双方はそれぞれ、前記触覚コンテンツが、前記1次視聴デバイス上にレンダリングされている前記オーディオビデオコンテンツと十分に同期して前記2次デバイス上にレンダリングされることを確保する再生ロケーターを備える、請求項1に記載のマルチデバイスシステム。
【請求項15】
少なくとも1つのメディアサーバーシステムであって、該少なくとも1つのメディアサーバーシステムは、オーディオビデオコンテンツ及び触覚コンテンツのソースを備え、該触覚コンテンツは、該オーディオビデオコンテンツに関連付けられている、少なくとも1つのメディアサーバーシステムと、
表示スクリーンを備え、前記オーディオビデオコンテンツを出力するように構成されている1次視聴デバイスと、
触覚効果をユーザーに出力するように構成された触覚出力デバイスを備える2次デバイスであって、ユーザー入力を受信するように構成されている、2次デバイスと、
を備え、
前記少なくとも1つのメディアサーバーシステムは、前記オーディオビデオコンテンツ及び前記触覚コンテンツを前記1次視聴デバイス及び前記2次デバイスのうちの少なくとも一方に転送するように構成され、前記1次視聴デバイスは、前記少なくとも1つのメディアサーバーシステムから受信された前記オーディオビデオコンテンツを出力するように構成され、前記2次デバイスは、前記少なくとも1つのメディアサーバーシステムから受信された前記触覚コンテンツを出力するように構成され、前記触覚コンテンツは、前記触覚出力デバイスを介して前記触覚効果として出力される、マルチデバイスシステム。
【請求項16】
1次視聴デバイスにおいてオーディオビデオコンテンツを受信するステップであって、該1次視聴デバイスは表示スクリーンを備える、ステップと、
2次デバイスにおいて触覚コンテンツを受信するステップであって、該2次デバイスは、ユーザー入力を受信するように構成され、触覚効果をユーザーに出力するように構成された触覚出力デバイスを備え、前記触覚コンテンツは前記オーディオビデオコンテンツに関連付けられている、ステップと、
前記オーディオビデオコンテンツを前記1次視聴デバイス上に出力するステップと、
前記触覚コンテンツを前記2次デバイス上に出力するステップであって、前記触覚コンテンツは、前記触覚出力デバイスを介して前記触覚効果として出力される、ステップと、
を含む、触覚効果をオーディオビデオコンテンツの視聴者に伝達する方法。
【請求項17】
少なくとも1つのメディアサーバーシステムが、前記オーディオビデオコンテンツを含む第1の信号を前記1次視聴デバイスに転送し、前記触覚コンテンツを含む第2の信号を前記2次デバイスに転送する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つのメディアサーバーシステムが、前記オーディオビデオコンテンツ及び前記触覚コンテンツの双方を含む信号を前記1次視聴デバイスに転送し、前記1次視聴デバイスは、少なくとも前記触覚コンテンツを前記2次デバイスに転送する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つのメディアサーバーシステムが、前記オーディオビデオコンテンツ及び前記触覚コンテンツの双方を含む信号を前記2次デバイスに転送し、前記2次デバイスは、少なくとも前記オーディオビデオコンテンツを前記1次視聴デバイスに転送する、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記2次デバイス上に出力される前記触覚コンテンツを、前記1次視聴デバイス上に出力される前記オーディオビデオコンテンツと同期させるステップを更に含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2014年7月7日に出願された米国仮特許出願第62/021,663号の恩典を主張し、その特許出願は引用することによりその全体が本明細書の一部をなす。
【0002】
本発明の実施の形態は、包括的には、マルチメディアコンテンツの処理及び提示に関し、特に、触覚効果を用いてオーディオビデオコンテンツを向上させることに関する。
【背景技術】
【0003】
「セカンドスクリーン」という用語は、コンピューティングデバイスを用いて、テレビ等の第1のデバイス若しくは1次デバイス又は第1のスクリーン若しくは1次スクリーン上で視聴されているコンテンツの向上された視聴エクスペリエンスを提供することを指す。言い換えると、セカンドスクリーンは、テレビ視聴者が鑑賞している番組を向上させるためにテレビ視聴者によって用いられる第2の電子デバイスである。セカンドスクリーンは、多くの場合、タブレット又はスマートフォンがTVコンパニオンデバイスとなるような異なる方法で視聴者がテレビ番組とインタラクトすることを特殊な補完appが可能にすることができるスマートフォン又はタブレットコンピューターである。例えば、これらの2次ディスプレイのうちの幾つかは、ニュース又は現在の出来事の放送等の視覚的な放送についてのリアルタイムチャットを可能にする。セカンドスクリーン現象は、TVを視聴者にとってよりインタラクティブなものにする試みを表す。
【0004】
ビデオゲーム業界において一般に用いられる触覚効果は、ユーザーエクスペリエンスを向上させるとともに、仮想環境をユーザーにとってよりインタラクティブなものにする触知的な合図(cues)を提供することができる。例えば、振動効果、すなわち振動触知触覚効果は、特定のイベントをユーザーに警告する合図を電子デバイスのユーザーに提供することに役立つこともできるし、シミュレーションされた環境又は仮想的な環境内でより大きな感覚的没入を生み出すリアル感のあるフィードバックを提供することもできる。
【0005】
しかしながら、触覚効果は、通常、テレビ等の1次視聴デバイスに放送されず、別の方法で提供もされない。したがって、本発明の実施の形態は、セカンドスクリーンを用いてユーザーの視聴エクスペリエンスを更に向上させることに関係したものである。より詳細には、本発明の実施の形態は、マルチデバイス環境において触覚効果を用いてオーディオビデオコンテンツを向上させることに関係したものである。
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施の形態は、マルチデバイスシステムであって、少なくとも1つのメディアサーバーシステムと、表示スクリーンを備える1次視聴デバイスと、触覚出力デバイスを備える2次デバイスとを備える、マルチデバイスシステムに関する。少なくとも1つのメディアサーバーシステムは、オーディオビデオコンテンツ及び触覚コンテンツのソース(source)を備え、これらのオーディオビデオコンテンツ及び触覚コンテンツを転送するように構成されている。触覚コンテンツは、オーディオビデオコンテンツに関連付けられている。1次視聴デバイスは、少なくとも1つのメディアサーバーシステムから受信されたオーディオビデオコンテンツを出力するように構成されている。2次デバイスは、ユーザー入力を受信するように構成され、少なくとも1つのメディアサーバーシステムから受信された触覚コンテンツを、触覚出力デバイスを介して触覚効果として出力するように構成されている。
【0007】
本発明の実施の形態は、マルチデバイスシステムであって、少なくとも1つのメディアサーバーシステムと、表示スクリーンを備え、オーディオビデオコンテンツを出力するように構成された1次視聴デバイスと、ユーザー入力を受信するように構成され、触覚効果をユーザーに出力するように構成された触覚出力デバイスを備える2次デバイスとを備える、マルチデバイスシステムにも関する。少なくとも1つのメディアサーバーシステムは、オーディオビデオコンテンツ及び触覚コンテンツのソースを備え、これらのオーディオビデオコンテンツ及び触覚コンテンツを転送するように構成されている。触覚コンテンツは、オーディオビデオコンテンツに関連付けられている。少なくとも1つのメディアサーバーシステムは、オーディオビデオコンテンツ及び触覚コンテンツを1次視聴デバイス及び2次デバイスのうちの少なくとも一方に転送するように構成されている。1次視聴デバイスは、少なくとも1つのメディアサーバーシステムから受信されたオーディオビデオコンテンツを出力するように構成され、2次デバイスは、少なくとも1つのメディアサーバーシステムから受信された触覚コンテンツを出力するように構成され、触覚コンテンツは、触覚出力デバイスを介して触覚効果として出力される。
【0008】
本発明の実施の形態は、触覚効果をオーディオビデオコンテンツの視聴者に伝達する方法にも関する。オーディオビデオコンテンツが、1次視聴デバイスにおいて受信され、この1次視聴デバイスは、表示スクリーンを備える。触覚コンテンツが、2次デバイスにおいて受信され、この2次デバイスは、ユーザー入力を受信するように構成され、触覚効果をユーザーに出力するように構成された触覚出力デバイスを備える。触覚コンテンツは、オーディオビデオコンテンツに関連付けられている。オーディオビデオコンテンツは、1次視聴デバイス上に出力又はレンダリングされ、触覚コンテンツは、2次デバイス上に出力又はレンダリングされる。触覚コンテンツは、触覚出力デバイスを介して触覚効果として出力される。
【0009】
本発明の上述の特徴及び利点並びに他の特徴及び利点は、添付の図面に示されるような本発明の実施形態の以下の説明から明らかであろう。本明細書に組み込まれるとともに本明細書の一部をなす添付の図面は更に、本発明の原理を説明するとともに、当業者が本発明を実施及び使用することを可能にする役割を果たす。図面は一定縮尺ではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】メディアサーバー、1次視聴デバイス、及び2次デバイスを備え、メディアサーバーがオーディオビデオコンテンツを1次視聴デバイスに配信するとともに触覚コンテンツを2次デバイスに配信するマルチデバイスシステムの説明図である。
図2図1のシステムのブロック図である。
図3】本発明の別の実施形態によるマルチデバイスシステムの説明図であり、このマルチデバイスシステムは、メディアサーバー、1次視聴デバイス、及び2次デバイスを備え、メディアサーバーはオーディオビデオコンテンツを1次視聴デバイスに配信するとともに触覚コンテンツを2次デバイスに配信し、再生ロケーター信号がオーディオビデオコンテンツ及び触覚コンテンツの同期を確保するのに利用される。
図4図3のシステムのブロック図である。
図5】本発明の別の実施形態によるマルチデバイスシステムの説明図であり、このマルチデバイスシステムは、2つのメディアサーバー、1次視聴デバイス、及び2次デバイスを備え、第1のメディアサーバーはオーディオビデオコンテンツを1次視聴デバイスに配信し、第2のメディアサーバーは触覚コンテンツを2次デバイスに配信し、再生ロケーター信号がオーディオビデオコンテンツ及び触覚コンテンツの同期を確保するのに利用される。
図6図5のシステムのブロック図である。
図7】本発明の別の実施形態によるマルチデバイスシステムの説明図であり、このマルチデバイスシステムは、メディアサーバー、1次視聴デバイス、及び2次デバイスを備え、メディアサーバーはオーディオビデオコンテンツ及び触覚コンテンツを2次デバイスに配信し、2次デバイスは少なくともオーディオビデオコンテンツを1次視聴デバイスに配信する。
図8図7のシステムのブロック図である。
図9】本発明の別の実施形態によるマルチデバイスシステムの説明図であり、このマルチデバイスシステムは、2つのメディアサーバー、1次視聴デバイス、及び2次デバイスを備え、第1のメディアサーバーがオーディオビデオコンテンツを2次デバイスに配信し、第2のメディアサーバーが触覚コンテンツを2次デバイスに配信し、2次デバイスが少なくともオーディオビデオコンテンツを1次視聴デバイスに配信する。
図10図9のシステムのブロック図である。
図11】本発明の別の実施形態によるマルチデバイスシステムの説明図であり、このマルチデバイスシステムは、メディアサーバー、1次視聴デバイス、及び2次デバイスを備え、メディアサーバーはオーディオビデオコンテンツ及び触覚コンテンツを1次視聴デバイスに配信し、1次視聴デバイスは少なくとも触覚コンテンツを2次デバイスに配信する。
図12図11のシステムのブロック図である。
図13】本発明の別の実施形態によるマルチデバイスシステムの説明図であり、このマルチデバイスシステムは、2つのメディアサーバー、1次視聴デバイス、及び2次デバイスを備え、第1のメディアサーバーはオーディオビデオコンテンツを1次視聴デバイスに配信し、第2のメディアサーバーは触覚コンテンツを1次視聴デバイスに配信し、1次視聴デバイスは少なくとも触覚コンテンツを2次デバイスに配信する。
図14図13のシステムのブロック図である。
図15】本発明の一実施形態による、触覚効果をオーディオビデオコンテンツの視聴者に伝達する方法のフロー図である。
図16】本発明の別の実施形態によるマルチデバイスシステムを示す図であり、このマルチデバイスシステムの1次視聴デバイス及び2次デバイスは互いにインタラクトすることができる。
図17】ユーザーが図16の2次デバイスとインタラクトしているところを示す図であり、弓矢が、2次デバイスのスクリーン上に表示されている。
図18】ユーザーが図16の2次デバイスとインタラクトしているところを示す図であり、ユーザーは、弓矢を2次デバイスのスクリーン上に配備している。
図19図16の1次視聴デバイスを示す図であり、移動する標的が1次視聴デバイス上に表示されており、この標的は2次デバイス上に表示されている弓矢の位置に関連付けられている。
図20図16のマルチデバイスシステムを示す図であり、矢が配備され、2次デバイス上にもはや表示されず、一方で、この矢は、その後、1次視聴デバイス上に表示される。
図21図16の1次視聴デバイスを示す図であり、1次視聴デバイスは、矢が1次視聴デバイス上のコンテンツに命中したことを表示している。
図22】マルチデバイスシステムの1次視聴デバイス及び2次デバイスが互いにインタラクトすることができる別の例を示す図であり、ボールが2次デバイスのスクリーン上に表示され、グローブ、すなわち標的が1次視聴デバイスのスクリーン上に表示されている。
図23】ユーザーが図22の2次デバイスとインタラクトしているところを示す図であり、ユーザーはボールを仮想的に投球し、このボールは2次デバイス上に表示されておらず、一方で、このボールは、その後、1次視聴デバイス上に表示される。
図24図22の1次視聴デバイスを示す図であり、この1次視聴デバイスは、ボールがグローブによって仮想的に捕球されていることを表示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで本発明の特定の実施形態を、同様の参照符号が同一又は機能的に類似した要素を示す図面を参照して説明する。以下の詳細な説明は本来例示的なものでしかなく、本発明又は本発明の用途及び使用を限定するように意図されていない。さらに、前述の技術分野、背景技術、発明の概要又は以下の詳細な説明に提示されている、明示又は暗示されるいかなる理論にも制限されることは意図されていない。
【0012】
本発明の実施形態は、触覚コンテンツをオーディオビデオコンテンツの視聴者に伝達するマルチデバイスシステムに関する。より詳細には、オーディオビデオコンテンツと、このオーディオビデオコンテンツに関連付けられた触覚コンテンツは、少なくとも1つのメディアサーバーシステムに記憶されているか、又はこの少なくとも1つのメディアサーバーシステムが発信元である。オーディオビデオコンテンツは、このコンテンツに対するビデオコンポーネント及びオーディオコンポーネントの双方を含むテレビ番組、映画、スポーツ放送、ニュース放送、ユーザーが作成したコンテンツ、又は他の番組を含むが、これらに限定されるものではない。オーディオビデオコンテンツに「関連付けられた」触覚コンテンツは、本明細書において用いられるとき、このオーディオビデオコンテンツの内容に付随し、この内容を向上させ、補足し、又は補完するためにこのオーディオビデオコンテンツに相関、関連、リンク、又は別の方法で関係する任意の触覚効果又は触知効果を含むが、これらに限定されるものではない。オーディオビデオコンテンツは、TV等の1次視聴デバイス上にレンダリング又は出力され、触覚コンテンツは、スマートフォン又はタブレットコンピューター等の2次デバイス上にレンダリング又は出力される。例えば、ユーザーは、1次視聴デバイス、すなわちTVにおいてビデオを鑑賞し、2次デバイス、すなわちスマートフォン若しくはタブレットコンピューターを保持するか又は2次デバイス、すなわちウェアラブルデバイスを自身の身体に取り付けているか若しくは結合している。このウェアラブルデバイスは、ユーザーの手首に結合される腕時計、ユーザーの腕に結合されるアームバンド又は別の身体部分に結合されるウェアラブルデバイス等であるが、これらに限定されるものではない。1次視聴デバイスにおいてビデオを鑑賞している間、2次デバイスは、触知効果又は触覚効果をユーザーに伝達するように構成されている。触覚効果は、1次視聴デバイスにおいて鑑賞されているビデオに関係又は関連付けられ、このため、システムは、マルチデバイス環境においてユーザーにとって触覚的に向上されたメディアエクスペリエンスをもたらす。
【0013】
より詳細には、図1及び図2を参照すると、本発明の一実施形態によるマルチデバイスシステム100が示されている。図1はシステム100の概略説明図である一方、図2はシステム100のブロック図である。システム100は、メディアサーバー102、1次視聴デバイス130、及び2次デバイス110を備える。メディアサーバー102は、オーディオビデオコンテンツ又はオーディオビデオデータと、関連付けられた触覚コンテンツ又は触覚データとのソース(source)である。メディアサーバー102は、オーディオビデオコンテンツを1次視聴デバイスに送信又は送出するために1次視聴デバイス130と通信する。オーディオビデオコンテンツは、メディアサーバー102からオーディオビデオ信号106として送信される。オーディオビデオ信号106は、例えば、無線又はケーブルによる放送基準信号とすることもできるし、オーバーザトップテクノロジー(OTT:Over the Top Technology)ユニキャストタイプ信号、例えば、スマートテレビ(SmartTV)へのネットフリックス(Netflix)とすることもできる。メディアサーバー102は、触覚コンテンツを2次デバイスに送信又は送出するために2次デバイス110とも通信する。触覚コンテンツは、メディアサーバー102から触覚信号104として送信される。メディアサーバー102は、例えば、放送ネットワークサービスサーバー、ケーブル通信サービスサーバー、衛星通信サービスサーバー、クラウドビデオストリーミングサービスサーバー、ゲーミングコンソールサーバー、又は他の任意のタイプのサーバーとすることができる。メディアサーバー102は、当業者に既知の有線通信手段又は無線通信手段を用いて1次視聴デバイス130及び2次デバイス110と通信する。加えて、メディアサーバー102は、リモート配置されたデバイス内に示され、このデバイスからの信号が有線接続又は無線接続を通じて通信されるようになっているが、メディアサーバー102は、代替的に、2次デバイス110又は1次視聴デバイス130内に配置することもできるし、2次デバイス110又は1次視聴デバイス130上に備えることもできる。
【0014】
1次視聴デバイス130は、メディアサーバー102から受信されたオーディオビデオコンテンツを出力するように構成されたテレビジョン、すなわちTV等のオーディオビデオ表示デバイスである。図2のブロック図に示すように、1次視聴デバイス130は、受信機132、サウンドデバイス146、及び表示スクリーン140を備える。受信機132は、オーディオビデオ信号106を受信し、このオーディオビデオ信号106を、画像及び音に処理することができる電気信号に変換する。サウンドデバイス146は、例えば、1次視聴デバイス130に内蔵又は結合されたスピーカーとすることができ、電気信号を音波に変換して、ビデオ画像とともにオーディオを再生することができる。1次視聴デバイス130は、このように、サウンドデバイス146を介してオーディオを出力する。表示スクリーン140は、電気信号を可視光に変換するように構成され、ビデオをユーザーに出力する任意のタイプの媒体とすることができる。この任意のタイプの媒体は、モニター、テレビスクリーン、プラズマディスプレイ、LCD、プロジェクター、又は他の任意の表示デバイスを含むが、これらに限定されるものではない。1次視聴デバイス130は、このように、表示スクリーン140を介してビデオを出力する。TV以外のオーディオビデオ表示デバイスは、限定されるものではないがスマートフォン、ゲームコンソール、パーソナルデジタルオーガナイザー、ノートブックコンピューター及び表示スクリーンが結合された他のタイプのコンピューターを含めて、1次視聴デバイス130として用いることができる。利用されるメディアサーバー102のタイプに応じて、1次視聴デバイス130は、インターネットからストリーミング信号を受信する内蔵式の有線モデム又は無線モデム148を備えることができる。代替的に、モデム148は、内蔵式ではなく1次視聴デバイス130に結合することができる。
【0015】
2次デバイス110は、メディアサーバー102から受信された触覚コンテンツを、ユーザーによって感知又は知覚される触覚効果として出力するように構成されている。触覚効果を知覚するために、2次デバイス110は、ユーザーによって保持されるデバイス、ユーザーに取り付けられるデバイス若しくはユーザーに結合されるデバイス、又はこれら以外で、触覚効果又は触知効果をユーザーに伝達することができる表面を有するデバイスである。一実施形態では、2次デバイスは、タッチスクリーン、タッチパッド、コンピューター周辺機器、制御ボタン、トリガー、ジョイスティック又はサムスティック等のユーザー入力要素を介してユーザーの入力又は制御を受信するように構成されているか又は受信することが可能である。例えば、一実施形態では、2次デバイス110は、触覚効果レンダリング能力を備えるモバイルフォン又はタブレットコンピューターである。例えば、2次デバイス110は、Apple(商標)Ipad(商標)、Kindle(商標)Fire(商標)、及びSamsung(商標)Galaxy Tab(商標)等のよく知られており市場において入手可能なタブレットコンピューターとすることができる。2次デバイス110の他の適したデバイスは、携帯情報端末(PDA)、コンピューター、ゲーミング周辺機器、及び触覚コンテンツを出力するように構成されているとともにユーザー入力も受信するように構成されているか又は受信することが可能な当業者に既知の他のデバイスを含むが、これらに限定されるものではない。
【0016】
図2のブロック図に示すように、2次デバイス110は、受信機112、プロセッサ114、メモリ116、少なくとも1つの触覚出力デバイス118、表示スクリーン120、及びサウンドデバイス126を備える。2次デバイス110は、メモリ116に記憶されてプロセッサ114によって実行されるソフトウェアアプリケーションを実行する。プロセッサ114は、任意のタイプの汎用プロセッサとすることもできるし、触覚効果信号を提供するように特に設計されたプロセッサとすることもできる。メモリ116は、限定されるものではないがランダムアクセスメモリ(RAM)又は読み出し専用メモリ(ROM)等の任意のタイプの記憶デバイス又はコンピューター可読媒体とすることができる。メモリ116は、プロセッサの内部に配置することもできるし、内部メモリ及び外部メモリの任意の組み合わせとすることもできる。サウンドデバイス126は、例えば、2次デバイス110がこのサウンドデバイス126を介してオーディオを出力することができるような、2次デバイス110に内蔵又は結合されたスピーカーとすることができる。この実施形態では、2次デバイス110は、表示スクリーン120を介してビデオを出力することもできる。ディスプレイ120は、2次デバイス110に結合することもできるし、当業者に知られているように、2次デバイス110及びディスプレイ120を組み合わせて単一のデバイスにすることもできる。一実施形態では、表示スクリーン120は、ユーザー入力を受信するように構成されたタッチスクリーンである。加えて、利用されるメディアサーバー102のタイプに応じて、2次デバイス110は、ストリーミング信号をインターネットから受信する内蔵式の有線モデム又は無線モデム128を備えることができる。代替的に、モデム128は、内蔵式ではなく2次デバイス110に結合することができる。
【0017】
動作時において、2次デバイス110の受信機112は、触覚信号104を受信し、触覚信号104を認識する。触覚信号104は、その後、プロセッサ114に転送又は送信される。触覚信号104は、例えば、直接的な触覚効果ストリーム又はどの触覚効果を実施しなければならないのかを示す一組のコマンドを含むことができる。メディアサーバー102からの触覚信号104の受信に応答して、プロセッサ114は、1つ又は複数の触覚効果をユーザーに提供又は出力するように触覚出力デバイス118に命令する。プロセッサ114は、いかなる触覚効果を触覚出力デバイス118に送出するのか及び触覚効果をいかなる順序で送出するのかを決定することができる。例えば、触覚信号104は、メディアサーバー102から2次デバイス110にストリーミングされる電圧の大きさ及び継続時間を含むことができる。別の例では、触覚信号104は、触覚出力デバイス118によって出力される触覚効果のタイプ(例えば、振動、ジョルト(jolt)、デテント(detent)、ポップ等)等の高レベルコマンドをプロセッサ114に提供することができ、それによって、プロセッサ114は、出力される触覚効果の特定の特性(例えば、大きさ、周波数、継続時間等)に関して触覚出力デバイス118に命令する。プロセッサ114は、触覚効果のタイプ、大きさ、周波数、継続時間、又は他の特性を、このプロセッサに結合されたメモリ116から取り出すことができる。
【0018】
触覚フィードバックは、ユーザーエクスペリエンスを向上させる。運動感覚効果(能動(active)触覚フィードバック及び抵抗触覚フィードバック等)及び/又は触知効果(振動、テクスチャ、及び熱等)は、本明細書において用いられるとき、「触覚フィードバック」又は「触覚効果」と総称される。この集合的な触覚効果は、複数のモダリティ(modality)、例えば、ビデオ、オーディオ、及び触覚が同時に関与しているので、オーディオビデオコンテンツへのより大きな没入感をユーザーに提供する。例えば、振動効果、すなわち振動触知触覚効果は、特定のイベントをユーザーに警告する合図をユーザーに提供することに役立つこともできるし、シミュレーションされた環境又は仮想的な環境内でより大きな感覚的没入を生み出すリアル感のあるフィードバックを提供することもできる。ユーザーが1次デバイス130を介してオーディオビデオコンテンツを視聴している間に2次デバイス110によって有利に出力することができる触覚効果の例は、以下のものを含むが、これらに限定されるものではない。(1)幾つかの加速度計、ジャイロスコープ、及び他のセンサーが、対象物体(例えば、バスケットボール)の動的性質の測定を行っており、これらの測定が、アルゴリズムを通じて意味のある触覚効果データに変換されている、ライブスポーツイベントにおけるミキシングブース(mixing booth);(2)オーディオビデオコンテンツを観察し、例えば、2人のホッケー選手がスクリーン上で衝突するのが見えたときのボディチェックの感触を表す触覚効果の作成といった触覚効果データの生成をいつ行うのが適切であるのかを判断するオーディオ及びビデオの解析機器及びアルゴリズム;(3)触覚効果データの作成を容易にするツールを用いてアーティストによって生成された手細工(hand-crafted)の触覚効果、例えば、触覚感覚は、一連の巨大な爆発が機銃掃射を用いて散りばめられているハリウッドアクション映画のアーティストによって設計される;並びに(4)対象物体に向けられ、それらの物体の動的性質を測定し、測定データを意味のある触覚効果データに変換するアルゴリズムに測定データを供給する非接触測定機器、例えば、木槌によって打たれているゴングを対象としたレーザー振動計であって、ゴングの動作及び打撃によって生成された発振をピックアップし、振動計データを触覚感覚に変換するアルゴリズムを実行する機器に振動計データを供給する振動計。2次デバイス110のプロセッサ114は、触覚コンテンツをレンダリングしている特定のタイプの2次デバイス用に最適化するように触覚コンテンツを更に調整又は調節するソフトウェアアルゴリズムを実行している場合がある。
【0019】
触覚出力デバイス118によって提供される触覚効果は、デテント又は振動等の一時的な効果を含むことができるが、これらに限定されるものではない。触覚出力デバイス118は、力学的及び/又は非力学的なアクチュエーターとすることができる。可能な力学的アクチュエーターは、偏心質量体がモーターによって移動される偏心回転質量体(「ERM」)アクチュエーター、ばねに取り付けられた質量体が前後に駆動されるリニア共振アクチュエーター(「LRA」)、圧電アクチュエーター、偏心質量体がモーターによって移動される電磁モーター、振動触知アクチュエーター、慣性アクチュエーター、及びここで説明したアクチュエーターの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。可能な非力学的アクチュエーターは、静電摩擦(ESF)アクチュエーター、超音波表面摩擦(USF)アクチュエーター、及びここで説明したアクチュエーターの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。別の実施形態では、触覚出力デバイス118は、運動感覚触覚フィードバックを用いることができ、例えば、2次デバイス110のハウジングの剛性/ダンピングを変化させるソレノイド、ハウジング内のサイズを変化させる小さなエアバッグ、又は形状変化材料を含む。
【0020】
図1及び図2の実施形態では、システム100は、メディアサーバー102が触覚信号104及びオーディオビデオ信号106をそれぞれ2次デバイス110及び1次視聴デバイス130に直接送信又は通信することを意味する「メディアサーバー駆動型」である。メディアサーバー駆動型の実施形態では、触覚的に向上されたコンテンツの視聴を所望するユーザーは、2次デバイス110及び1次視聴デバイス130のスイッチ又は電源をオンにする。例えば、1次視聴デバイス130は、TVのCPU上で動作しているappを用いてセットトップボックスを介して、又は直接的な無線によるデジタル放送を通じて、メディアサーバー102からオーディオビデオ信号106の供給を受けることができる。2次デバイス110は、メディアサーバー102とのデータ接続を確立する。一実施形態では、2次デバイス110は、コンテンツに関連付けられたapp(例えば、触覚コンテンツのソース/所有者によって作成されたapp)を必要とする場合もあるし、2次デバイスのブラウザーを介して特定のHTTPアドレスに接続することが必要な場合もある。メディアサーバー102は、オーディオビデオ信号106を1次視聴デバイス130にストリーミング又は別の方法で送信するとき、メディアサーバー102は、同時に触覚信号104も2次デバイス110にストリーミング又は別の方法で供給する。
【0021】
本発明の一実施形態では、マルチデバイスシステムは、2次デバイス上に出力されている触覚コンテンツと、1次視聴デバイス上に出力されているオーディオビデオコンテンツとの同期を確保する手段を備えることができる。より詳細には、図3及び図4を参照すると、本発明の一実施形態によるマルチデバイスシステム300が示されている。図3はシステム300の概略説明図である一方、図4はシステム300のブロック図である。システム300は、メディアサーバー302、1次視聴デバイス330、及び2次デバイス310を備える。マルチデバイスシステム100と同様に、マルチデバイスシステム300は、メディアサーバー駆動型であり、メディアサーバー302は、オーディオビデオ信号306を1次視聴デバイスに送信又は送出するために1次視聴デバイス330と直接通信し、触覚信号304を2次デバイスに送信又は送出するために2次デバイス310とも直接通信するようになっている。上記で説明したマルチデバイスシステム100の構成要素と同様に、図4のブロック図に示すように、1次視聴デバイス330は、受信機332、サウンドデバイス346、及び表示スクリーン340を備える一方、2次デバイス310は、受信機312、プロセッサ314、メモリ316、少なくとも1つの触覚出力デバイス318、表示スクリーン320、及びサウンドデバイス326を備える。一方、この実施形態では、1次視聴デバイス330及び2次デバイス310は、それぞれのデバイス上に出力されているコンテンツの同期を確保するために通信する。再生ロケーター信号(playback locator signal)350が、1次視聴デバイス330と2次デバイス310との間で通信される。再生ロケーター信号350は、メディアサーバー302を通過する通信パスを含む任意の手段を通じて有線又は無線で通信することができる。一実施形態では、再生ロケーター信号350は、知覚できない変更をオーディオ信号及び/又はビデオ信号に加えてタイミング情報を符号化し、1次視聴デバイスから放送することによって通信することができる。
【0022】
より詳細には、2次デバイス310は、再生ロケーター(playback locator)322を備え、1次視聴デバイス330は、再生ロケーター342を備える。再生ロケーター322、342は、それぞれ触覚信号304、オーディオビデオ信号306の時間的基準点を求めるように機能する。この時間的基準点は、例えば、タイムコード、カウンター、消費されたメディア再生の秒数、メディアファイルにおける現在の時間的再生位置、又は再生位置の他の任意の表示とすることができる。1次視聴デバイス330の再生ロケーター342は、2次デバイス310の再生ロケーター322に時折再生位置を通信し、この逆方向の通信についても同様である。2次デバイス310は、受信された再生位置のロケーション情報を用いて、触覚信号304の触覚部分が、1次視聴デバイス330上にレンダリングされているオーディオビデオ信号306と十分に同期してレンダリングされることを確保する。
【0023】
マルチデバイスシステムは、触覚信号及びオーディオビデオ信号の双方を配信する単一のサーバーのみを用いて示されているが、本発明の別の実施形態では、触覚コンテンツを2次デバイスに配信し、オーディオビデオコンテンツを1次視聴デバイスに配信する2つの別個の又は分離したサーバーを備えることができる。言い換えると、本明細書において説明する1つ又は複数のメディアサーバーは、メディアサーバーシステムとみなすことができる。より詳細には、図5及び図6を参照すると、本発明の一実施形態によるマルチデバイスシステム500が示されている。図5はシステム500の概略説明図である一方、図6はシステム500のブロック図である。システム500は、第1のメディアサーバー502A、第2のメディアサーバー502B、1次視聴デバイス530、及び2次デバイス510を備える。オーディオビデオコンテンツ及び触覚コンテンツは、このように、分離した別個のメディアサーバー502A、502Bから供給される。メディアサーバー502Bは、オーディオビデオ信号506を1次視聴デバイスに送信又は送出するために1次視聴デバイス530と直接通信し、メディアサーバー502Aは、触覚信号504を2次デバイスに送信又は送出するために2次デバイス510と直接通信する。上記で説明した実施形態と同様に、図6のブロック図に示すように、1次視聴デバイス530は、受信機532、サウンドデバイス546、及び表示スクリーン540を備える一方、2次デバイス510は、受信機512、プロセッサ514、メモリ516、少なくとも1つの触覚出力デバイス518、表示スクリーン520、及びサウンドデバイス526を備える。加えて、図3及び図4の実施形態と同様に、1次視聴デバイス530及び2次デバイス510は、それぞれのデバイス上に出力されているコンテンツの同期を確保するために通信する。2次デバイス510は、再生ロケーター522を備え、1次視聴デバイス530は、再生ロケーター542を備え、再生ロケーター信号550が、1次視聴デバイス530と2次デバイス510との間で通信される。
【0024】
本発明の別の実施形態によれば、マルチデバイスシステムは、メディアサーバーがデータ信号を2次デバイスにのみ直接送信又は供給することを意味する「2次デバイス駆動型」とすることができる。より詳細には、2次デバイス駆動型の実施形態では、メディアサーバーは、オーディオ、ビデオ、触覚のフル装備の信号を2次デバイスに送信する。その場合、2次デバイスは、次に、信号の少なくともオーディオビデオ部分を1次視聴デバイスに発信又は送信するとともに、2次デバイスは、触覚コンテンツをレンダリングする。2次デバイス駆動型の実施形態では、2次デバイスは、メディアサーバーに接続し、オーディオビデオコンテンツ及び触覚コンテンツを受信するように構成される。2次デバイスは、その場合、オーディオビデオコンテンツを1次視聴デバイスに送出して1次視聴デバイス上に表示するために、有線通信手段又は無線通信手段を介して1次視聴デバイスへの接続を確立する。
【0025】
より詳細には、2次デバイス駆動型の実施形態は、図7及び図8に示されている。マルチデバイスシステム700は、メディアサーバー702、1次視聴デバイス730、及び2次デバイス710を備える。上記で説明した実施形態と同様に、図8のブロック図に示すように、1次視聴デバイス730は、受信機732、サウンドデバイス746、及び表示スクリーン740を備える一方、2次デバイス710は、受信機712、プロセッサ714、メモリ716、少なくとも1つの触覚出力デバイス718、表示スクリーン720、及びサウンドデバイス726を備える。マルチデバイスシステム700は、メディアサーバー702が2次デバイス710とのみ直接通信するという点で、2次デバイス駆動型である。メディアサーバー702は、複合信号708を2次デバイス710に送信又は送出する。複合信号708は、ビデオコンテンツ又はビデオデータと、オーディオコンテンツ又はオーディオデータと、触覚コンテンツ又は触覚データとを含み、そのような部分は、時間的順序でインターリーブ(interleave)されて配信されるか、又はそのような部分は、順序付けされずに配信されるが、2次デバイス710によってユーザーに提示するための正しい時間的順序で再組み立てされるように解釈することができるシーケンス情報を含む。言い換えると、複合信号708の触覚コンテンツ又は触覚データは、全体のメディア信号内に分離又は独立した部分として離散的に含めることもできるし、本発明の別の実施形態では、触覚コンテンツ又は触覚データは、オーディオコンテンツ若しくはオーディオデータ及び/又はビジュアルコンテンツ若しくはビジュアルデータ内に同様に組み込み、その後、そこから抽出することもできる。
【0026】
2次デバイス710は、複合信号708を受信すると、受信機712を用いて、この複合信号の触覚部分を認識し、この触覚部分を再生用に復号化する。複合信号708内の触覚コマンドに応答して、プロセッサ714は、触覚効果を出力するように触覚出力デバイス718に命令する。一実施形態では、2次デバイス710は、複合信号708のオーディオ部分及びビデオ部分もそれぞれサウンドデバイス726及び表示スクリーン720を介してユーザーに提示又は出力することができる。別の実施形態では、2次デバイス710は、他のソースからの他のオーディオコンテンツ及び他のビデオコンテンツをそれぞれサウンドデバイス726及び表示スクリーン720を介して提示又は出力することができる。
【0027】
加えて、2次デバイス710は、複合信号708を受信すると、この複合信号のオーディオビデオ部分を認識する。2次デバイス710は、複合信号708の少なくともオーディオビデオ部分を1次視聴デバイス730に通信する変換器724を備える。図7及び図8の実施形態では、2次デバイス710は、オーディオビデオ部分を複合信号708から抽出するか又は取り去り、変換器724は、オーディオビデオ信号706のみを1次視聴デバイス730に通信する。換言すれば、複合信号708の触覚部分は、2次デバイス710が信号を1次視聴デバイス730に出力する前に除去される。そのような除去は、1次視聴デバイス730が、触覚部分を有する複合信号708を解釈することが可能でない場合に必要となる場合がある。複合信号708の触覚部分を除去することに加えて、変換器724は、1次視聴デバイス730が解釈及び表示することができるフォーマットにオーディオビデオ信号706を変更又は変換するのに必要とされる場合がある。オーディオビデオ信号706は、2次デバイス710から有線通信手段又は無線通信手段を介して1次視聴デバイス730に通信される。
【0028】
別の実施形態(不図示)では、2次デバイス710は、複合信号708を変更することも変換することもなく、この信号を1次視聴デバイス730に送信することができる。そのような実施形態では、1次視聴デバイス730は、複合信号708の触覚部分を無視することもできるし、1次視聴デバイスが有する手段であって、追加の視聴者に利用可能な手段であれば、あらゆる手段を通じて触覚効果をレンダリングすることもできる。
【0029】
図7及び図8の2次デバイス駆動型の実施形態は、複合信号を配信する単一のサーバーのみを用いて示されているが、本発明の別の実施形態では、マルチデバイスシステムは、触覚コンテンツ及びオーディオビデオコンテンツを別個の又は分離した信号として2次デバイスに分離して配信する2つの別個の又は分離したサーバーを備えることができる。より詳細には、図9及び図10を参照すると、本発明の一実施形態によるマルチデバイスシステム900が示されている。図9はシステム900の概略説明図である一方、図10はシステム900のブロック図である。システム900は、第1のメディアサーバー902A、第2のメディアサーバー902B、1次視聴デバイス930、及び2次デバイス910を備える。オーディオビデオコンテンツ及び触覚コンテンツは、このように、分離した別個のメディアサーバー902A、902Bから供給される。メディアサーバー902Bは、オーディオビデオ信号906を2次デバイスに送信又は送出するために2次デバイス910と直接通信し、メディアサーバー902Aは、触覚信号904を2次デバイスに送信又は送出するために2次デバイス910と直接通信する。
【0030】
上記で説明した実施形態と同様に、図10のブロック図に示すように、1次視聴デバイス930は、受信機932、サウンドデバイス946、及び表示スクリーン940を備える一方、2次デバイス910は、受信機912、プロセッサ914、メモリ916、少なくとも1つの触覚出力デバイス918、表示スクリーン920、及びサウンドデバイス926を備える。2次デバイス910の受信機912は、触覚信号904及びオーディオビデオ信号906の双方を受信すると、これらの信号を同期させて、触覚信号904のレンダリングが、オーディオビデオ信号906のレンダリングと十分に同期された状態を維持することを確保する。触覚信号904に応答して、プロセッサ914は、触覚効果を出力するように触覚出力デバイス918に命令する。加えて、2次デバイス910の送信機924は、オーディオビデオ信号906を1次視聴デバイス930に通信する。必要に応じて、オーディオビデオ信号の送信前に、送信機924は、1次視聴デバイス930が解釈及び表示することができるフォーマットにオーディオビデオ信号906を変更又は変換することができる。図9及び図10の実施形態は、2つの別個の又は分離したサーバーを用いて示されているが、(図7及び図8の実施形態のような複合信号ではなく)別個の又は分離した触覚信号及びオーディオビデオ信号を配信する単一のサーバーを利用することができる。
【0031】
本発明の別の実施形態によれば、マルチデバイスシステムは、メディアサーバーが、データ信号を1次視聴デバイスにのみ直接送信又は供給することを意味する「1次視聴デバイス駆動型」とすることができる。より詳細には、1次視聴デバイス駆動型の実施形態では、メディアサーバーは、オーディオ、ビデオ、触知のフル装備の信号を1次視聴デバイスに送信する。その場合、1次視聴デバイスは、次に、信号の少なくとも触覚部分を2次デバイスに発信又は送信するとともに、1次視聴デバイスは、オーディオビデオコンテンツをレンダリングする。1次視聴デバイス駆動型の実施形態では、1次視聴デバイスは、触覚コンテンツを2次デバイスに送出して2次デバイス上でレンダリングするために、有線通信手段又は無線通信手段を介して2次デバイスへの接続を確立するように構成される。2次デバイスに接続して2次デバイスに触覚コンテンツを供給する機能は、TVに接続されたセットトップボックスに存在することもできるし、スマートテレビ内にパッケージされたCPU上で動作するソフトウェアに存在することもできるし、メディアセンターのPC等のデバイス、又は限定されるものではないがApple TV、Chromecast、若しくは類似のデバイス等の処理能力を有する他のデバイスに存在することもできる。1次視聴デバイスに関連付けられたソフトウェアは、2次デバイスが1次視聴デバイスへの有線又は無線の接続を確立することをサポートする。この接続の目的は、少なくとも部分的には、触覚コンテンツをレンダリングするために2次デバイスに送信することである。
【0032】
より詳細には、1次視聴デバイス駆動型の実施形態は、図11及び図12に示されている。マルチデバイスシステム1100は、メディアサーバー1102、1次視聴デバイス1130、及び2次デバイス1110を備える。上記の実施形態と同様に、図12のブロック図に示すように、1次視聴デバイス1130は、受信機1132、サウンドデバイス1146、及び表示スクリーン1140を備える一方、2次デバイス1110は、受信機1112、プロセッサ1114、メモリ1116、少なくとも1つの触覚出力デバイス1118、表示スクリーン1120、及びサウンドデバイス1126を備える。マルチデバイスシステム1100は、メディアサーバー1102が1次視聴デバイス1130とのみ直接通信するという点で1次視聴デバイス駆動型である。メディアサーバー1102は、複合信号1108を1次視聴デバイス1130に送信又は送出する。複合信号1108は、ビデオコンテンツ又はビデオデータと、オーディオコンテンツ又はオーディオデータと、触覚コンテンツ又は触覚データとを含み、そのような部分は、時間的順序でインターリーブされて配信されるか、又はそのような部分は、順序付けされずに配信されるが、1次視聴デバイス1130によってユーザーに提示するための正しい時間的順序で再組み立てされるように解釈することができるシーケンス情報を含む。言い換えると、複合信号1108の触覚コンテンツ又は触覚データは、全体のメディア信号内に分離又は独立した部分として離散的に含めることもできるし、本発明の別の実施形態では、触覚コンテンツ又は触覚データは、オーディオコンテンツ若しくはオーディオデータ及び/又はビジュアルコンテンツ若しくはビジュアルデータ内に同様に組み込み、その後、そこから抽出することもできる。
【0033】
1次視聴デバイス1130は、複合信号1108を受信すると、この複合信号のオーディオビデオ部分を認識し、表示スクリーン1140及びサウンドデバイス1146を介してオーディオビデオコンテンツを出力する。加えて、複合信号1108を受信すると、1次視聴デバイス1130は、この複合信号の触覚部分を認識する。1次視聴デバイス1130は、複合信号1108の少なくとも触覚部分を2次デバイス1110に通信する変換器1144を備える。図11及び図12の実施形態では、1次視聴デバイス1130は、複合信号1108から触覚部分を抽出するか又は取り去り、変換器1144は、触覚効果のレンダリングのために触覚信号1104のみを2次デバイス1110に通信する。換言すれば、複合信号1108のオーディオビデオ部分は、1次視聴デバイス1130が信号を2次デバイス1110に出力する前に除去される。触覚信号1104は、1次視聴デバイス1130から有線通信手段又は無線通信手段を介して2次デバイス1110に通信される。
【0034】
別の実施形態では(不図示)、1次視聴デバイス1130は、複合信号1108を変更することも変換することもなく、この信号を2次デバイス1110に送信することができる。そのような実施形態では、2次デバイス1110は、複合信号1108のオーディオビデオ部分を無視することもできるし、表示スクリーン1120及びサウンドデバイス1126を介してオーディオビデオコンテンツを出力することもできる。
【0035】
図11及び図12の1次視聴デバイス駆動型の実施形態は、複合信号を配信する単一のサーバーのみを用いて示されているが、本発明の別の実施形態では、マルチデバイスシステムは、触覚コンテンツ及びオーディオビデオコンテンツを1次視聴デバイスに分離して配信する2つの別個の又は分離したサーバーを備えることができる。より詳細には、図13及び図14を参照すると、本発明の一実施形態によるマルチデバイスシステム1300が示されている。図13はシステム1300の概略説明図である一方、図14はシステム1300のブロック図である。システム1300は、第1のメディアサーバー1302A、第2のメディアサーバー1302B、1次視聴デバイス1330、及び2次デバイス1310を備える。オーディオビデオコンテンツ及び触覚コンテンツは、このように、分離した別個のメディアサーバー1302A、1302Bから供給される。メディアサーバー1302Bは、オーディオビデオ信号1306を1次視聴デバイスに送信又は送出するために1次視聴デバイス1330と直接通信し、メディアサーバー1302Aは、触覚信号1304を1次視聴デバイスに送信又は送出するために1次視聴デバイス1330と直接通信する。
【0036】
上記で説明した実施形態と同様に、図14のブロック図に示すように、1次視聴デバイス1330は、受信機1332、サウンドデバイス1346、及び表示スクリーン1340を備える一方、2次デバイス1310は、受信機1312、プロセッサ1314、メモリ1316、少なくとも1つの触覚出力デバイス1318、表示スクリーン1320、及びサウンドデバイス1326を備える。1次視聴デバイス1330の受信機1332は、触覚信号1304及びオーディオビデオ信号1306の双方を受信すると、これらの信号を同期させて、触覚信号1304のレンダリングが、オーディオビデオ信号1306のレンダリングと十分に同期された状態を維持することを確保する。加えて、1次視聴デバイス1330の送信機1344は、触覚効果のレンダリングのために触覚信号1304を2次デバイス1310に通信する。図13及び図14の実施形態は、2つの別個の又は分離したサーバーを用いて示されているが、(図11及び図12の実施形態のような複合信号ではなく)別個の又は分離した触覚信号及びオーディオビデオ信号を配信する単一のサーバーを利用することができる。
【0037】
図15は、本発明の1つの実施形態による、触覚効果をオーディオビデオコンテンツの視聴者に伝達するフロー図である。一実施形態では、図15のフロー図の機能は、2次デバイスのメモリに記憶されたソフトウェアによって実施され、2次デバイスのプロセッサによって及び/又は1次視聴デバイスによって実行される。他の実施形態では、この機能は、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、プログラマブルゲートアレイ(「PGA」)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)、又はハードウェア及びソフトウェアの任意の組み合わせを用いてハードウェアによって実行することができる。
【0038】
ステップ1560において、オーディオビデオコンテンツを有するオーディオビデオ信号と、触覚コンテンツを有する触覚信号とが、少なくとも1つのメディアサーバーシステムから転送される。触覚コンテンツは、オーディオビデオコンテンツに関連付けられている。これらのオーディオビデオ信号及び触覚信号は、1つ又は複数のメディアサーバーから別個の信号として分離して送出することもできるし、これらのオーディオビデオ信号及び触覚信号は、メディアサーバーから複合信号として送出することもできる。メディアサーバー駆動型の実施形態の場合、オーディオビデオ信号及び触覚信号は、それぞれ1次視聴デバイス及び2次デバイスに別個の信号として直接送出される。1次視聴デバイス駆動型の実施形態の場合、双方の信号は、1次視聴デバイスに転送され、その後、少なくとも触覚信号は、1次視聴デバイスから2次デバイスに転送される。2次デバイス駆動型の実施形態の場合、双方の信号は、2次デバイスに転送され、その後、少なくともオーディオビデオ信号は、2次デバイスから1次視聴デバイスに転送される。
【0039】
ステップ1562において、1次視聴デバイスが、オーディオビデオコンテンツを含むオーディオビデオ信号を受信する。メディアサーバー駆動型の実施形態又は1次視聴デバイス駆動型の実施形態の場合、オーディオビデオ信号はメディアサーバーから送出される。2次デバイス駆動型の実施形態の場合、オーディオビデオ信号は2次デバイスから送出される。1次視聴デバイスは、オーディオビデオ信号を受信すると、ステップ1564において、オーディオビデオコンテンツをこの1次視聴デバイス上に出力する。
【0040】
ステップ1566において、2次デバイスが、触覚コンテンツを含む触覚信号を受信する。メディアサーバー駆動型の実施形態又は2次デバイス駆動型の実施形態の場合、触覚信号はメディアサーバーから送出される。1次視聴デバイス駆動型の実施形態の場合、触覚信号は1次視聴デバイスから送出される。
【0041】
2次デバイスのプロセッサは、触覚信号を受信すると、ステップ1568において、この信号が触覚信号であるのか又は他の或る非触覚関連信号であるのかを判断する。信号が触覚信号でないと判断された場合、プロセッサは、いずれの触覚効果もユーザーに適用することなく機能し続け、メディアサーバー及び/又は1次視聴デバイスからの別の信号の受信を待機する。信号が触覚信号であると判断された場合、プロセッサは、ステップ1570において、コマンド又は命令を触覚出力デバイスに送出し、その後、触覚出力デバイスは、ステップ1572において、命令された触覚効果を出力する。触覚出力デバイスによって出力される触覚効果は、様々な度合いの振動、様々な度合いのデテント、又は他のタイプの触覚効果を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0042】
2次デバイスが、複数の触覚出力デバイスを備える場合、2次デバイスのプロセッサは、いずれの触覚出力デバイスにおいて各触覚効果を実行してユーザーに提供するのかを判断することができる。そのような実施形態では、高レベルの触覚パラメーター又はストリーミング値が、2次デバイスのメモリに記憶されたソフトウェアコードに生成される。これらのパラメーター又は値は、プロセッサによって処理され、それによって、各触覚出力デバイスの適切な電圧レベルが生成される。これによって、2次デバイスは、適切な触覚効果をユーザーに提供し、出力デバイスごとに生成される異なる電圧レベルを通じて触覚効果の量又はタイプを変化させることが可能になる。
【0043】
本発明の一実施形態では、オーディオビデオコンテンツは、仮想ビデオゲームとすることができる。より詳細には、そのような実施形態では、マルチデバイスシステムは、ソフトウェアが動作するゲーミングコンソール(すなわち、Xbox One又はPlayStation 4)と、触覚出力デバイスとしての機能を果たすことができるランブルモーター(rumble motor)等を介して触覚フィードバックを出力するように構成されているゲーミング周辺機器とを備える。ゲーミングコンソール上のソフトウェアは、メディアサーバーであるとともに、オーディオビデオコンテンツ及び触覚コンテンツのソースである。ゲーミングコンソールは、ビデオゲームを表示する1次視聴デバイスであり、ゲーミング周辺機器は、触覚コンテンツを出力する2次デバイスである。
【0044】
本明細書において説明したマルチデバイスシステムは、1次視聴デバイス及び単一の2次デバイスを備えるが、これらのシステムは、触覚コンテンツをそれぞれ出力する複数の2次デバイス及び/又はオーディオビデオコンテンツをそれぞれ出力する複数の1次視聴デバイスを備えることができることが当業者によって理解されるであろう。例えば、数人のユーザーが同じ単数の1次視聴デバイスを鑑賞している場合、各ユーザーは、それらのユーザー自身の2次デバイスを保持しており、それによって出力される触覚効果を知覚している場合がある。触覚信号、オーディオビデオ信号、及び/又は触覚コンテンツ及びオーディオビデオコンテンツの双方を有する複合信号は、メディアサーバーから幾つかのデバイスに同時に配信することができる。一実施形態では、1次視聴デバイス及び/又はメディアサーバーは、触覚対応2次デバイスの有無についての初期スキャン又は初期サーチを行うことができ、次に、1次視聴デバイス及び/又はメディアサーバーは、初期サーチ/スキャンにおいて突き止められた各触覚対応2次デバイスに少なくとも触覚信号を配信する。
【0045】
本発明の他の実施形態では、1次視聴デバイス及び2次デバイスは、互いにインタラクトすることができる。より詳細には、ユーザーは、2次デバイスとインタラクトすることができ、そのようなインタラクションは、1次視聴デバイス上に表示することができ、それによって、仮想環境が、ユーザーにとってよりインタラクティブなものになる。そのようなインタラクティブなセカンドスクリーン触覚の1つの例が、図16乃至図21に示されている。この実施形態では、図16に示すように、マルチデバイスシステム1600は、ソフトウェアが動作するゲーミングコンソール(不図示)と、1次視聴デバイス1630と、2次デバイス1610とを備える。ゲーミングコンソール上のソフトウェアは、メディアサーバーであるとともに、オーディオビデオコンテンツ及び触覚コンテンツのソースであり、1次視聴デバイス1630は、メディアサーバーから受信されたオーディオビデオコンテンツを出力するように構成されている一方、2次デバイス1610は、触覚出力デバイスを備え、メディアサーバーから受信された触覚コンテンツを、触覚出力デバイスを介して触覚効果として出力するように構成されている。図17及び図18を参照すると、ユーザーは、2次デバイス1610上のコンテンツとインタラクトするか又はこのコンテンツを制御する。図17は、弓矢が2次デバイス1610のスクリーン上に表示されているところを示す一方、図18は、ユーザーが2次デバイス1610のスクリーン上で弓矢を配備しているところを示している。図19に示すように、移動する標的が、1次視聴デバイス1630上に表示されている。1次視聴デバイス1630上のこの標的は、2次デバイス1610上に表示されている弓矢の位置に関連付けられている。したがって、ユーザーが2次デバイス1610(及び2次デバイス上の弓矢)を移動させると、1次視聴デバイス1630上の標的も同様に移動する。ユーザーが準備できると、ユーザーは、2次デバイス1610上の矢を配備又は放ち、矢は、2次デバイス上にもはや表示されないが、一方で、この矢は、その後、図20に示すように、1次視聴デバイス1630上に表示される。所定の経過時間の後、1次視聴デバイス1630は、矢が、図21における1次視聴デバイス上のコンテンツに命中したところを表示する(すなわち、矢が城に命中しているところが示されている)。触覚コンテンツを含むメッセージを2つのデバイス間でインタラクティブな方法で送信するシステム及び方法は、Birnbaum他に対する米国特許第8,976,112号、Birnbaum他に対する米国特許第8,638,301号、及びBirnbaum他に対する米国特許出願公開第2010/0214243号に更に記載されている。これらの特許及び特許出願のそれぞれは、本出願と同じ譲受人に譲渡されており、これらの文献のそれぞれは、引用することによってその全内容が本明細書の一部をなす。
【0046】
そのようなインタラクティブなセカンドスクリーン触覚の別の例は、図22乃至図24に示されている。この実施形態では、図22に示すように、マルチデバイスシステム2200が、ソフトウェアが動作するゲーミングコンソール(不図示)、1次視聴デバイス2230、及び2次デバイス2210を備える。ゲーミングコンソール上のソフトウェアは、メディアサーバーであるとともに、オーディオビデオコンテンツ及び触覚コンテンツのソースであり、1次視聴デバイス2230は、メディアサーバーから受信されたオーディオビデオコンテンツを出力するように構成されている一方、2次デバイス2210は、触覚出力デバイスを備え、メディアサーバーから受信された触覚コンテンツを、触覚出力デバイスを介して触覚効果として出力するように構成されている。図22乃至図24を参照すると、ユーザーは、2次デバイス2210上のコンテンツとインタラクトするか又はこのコンテンツを制御する。図22は、2次デバイス2210のスクリーン上に表示されたボールと、1次視聴デバイス2230のスクリーン上に表示されたグローブ、すなわち標的とを示している。図23は、ユーザーがボールを仮想的に投げているところを示している。ユーザーは、投球動作で2次デバイス2210を移動させ、ボールは、2次デバイス上にもはや表示されないが、一方で、ボールは、その後、図23に示すように1次視聴デバイス2230上に表示される。図24は、ボールがグローブによって仮想的に捕球されるところを示している。より詳細には、所定の経過時間の後に、1次視聴デバイス2230は、ボールが1次視聴デバイス上に表示されたグローブ内に捕球されるところを表示する。
【0047】
図16乃至図21及び図22乃至図24に関して上記で説明したインタラクティブなセカンドスクリーン触覚の例は、1次視聴デバイス及び単一の2次デバイスを備えるが、システムは、同じ1次視聴デバイスとそれぞれインタラクトする複数の2次デバイスを備えることができることが、当業者によって理解されるであろう。例えば、数人のユーザーが、単一の1次視聴デバイス上に表示されたビデオゲームを鑑賞し、このビデオゲームに参加している場合、各ユーザーは、自身の2次デバイスをそれぞれ保持して、1次視聴デバイス上に表示された仮想環境と個々にインタラクトすることができる。一実施形態では、1次視聴デバイス及び/又はメディアサーバーは、触覚対応2次デバイスの有無についての初期スキャン又は初期サーチを行うことができ、次に、1次視聴デバイス及び/又はメディアサーバーは、初期サーチ/スキャンにおいて突き止められた各触覚対応2次デバイスに少なくとも触覚信号を配信する。したがって、初期サーチ/スキャンにおいて見つかった任意の触覚対応2次デバイスが、1次視聴デバイス上のビデオゲームとインタラクトすることができる。
【0048】
本発明による種々の実施形態を上述してきたが、これらの実施形態は、限定としてではなく本発明の単なる説明及び例として提示されていることを理解すべきである。形式及び細部における種々の変更は本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明内で行うことができることは当業者には明らかであろう。例えば、本明細書において説明した2次デバイスは、オーディオコンテンツ及び/又はビデオコンテンツをオプションとして出力する表示スクリーン及び/又はサウンドデバイスを備えることができるが、2次デバイスは、これらの構成要素及び機能を有することを要しない。例えば、触覚出力に加えて、2次デバイスは、ビデオ出力を有する場合もあるし、オーディオ出力を有する場合もあるし、ビデオ出力及びオーディオ出力の双方を有する場合もあるし、ビデオ出力もオーディオ出力も有しない場合もある。さらに、上記で説明した1次視聴デバイスは、オーディオコンテンツ及びビデオコンテンツをそれぞれ出力する表示スクリーン及びサウンドデバイスを備えるが、1次視聴デバイスは、代替的にオーディオコンテンツのみ(例えば、ビデオコンテンツを伴わない音楽)を出力することもできるし、代替的にビデオコンテンツのみ(例えば、オーディオコンテンツを伴わない無声映画)を出力することもできるし、オーディオコンテンツ及びビデオコンテンツのそれぞれについて分離した又は別個の表示を備えることもできる。加えて、本明細書における実施形態は、2次デバイスによって出力される触覚コンテンツが、1次視聴デバイスによって出力されるビデオオーディオコンテンツに関連付けられ又は関係付けられていることを説明している。しかしながら、本発明の別の実施形態では、触覚コンテンツは、コンテンツが1次視聴デバイス上に表示されていることにかかわらず、2次デバイスにおけるインタラクションを促進するためにユーザーの注意を2次デバイスに引き寄せる目的を有する場合がある。例えば、触覚コンテンツは、広告目的を有する場合がある。したがって、本発明の範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれかによって限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によってのみ規定されるべきである。本明細書において論考された各実施形態、及び本明細書において引用された各引用文献の各特徴は、他の任意の実施形態の特徴と組み合わせて用いることができることも理解されるであろう。本明細書において論考された全ての特許及び刊行物はその全体が、引用することにより本明細書の一部をなす。
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【国際調査報告】