特表2017-532006(P2017-532006A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-532006二倍長の半製品を中間的に保管するための方法および器具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-532006(P2017-532006A)
(43)【公表日】2017年11月2日
(54)【発明の名称】二倍長の半製品を中間的に保管するための方法および器具
(51)【国際特許分類】
   A24C 5/35 20060101AFI20171006BHJP
   A24C 5/28 20060101ALI20171006BHJP
   A24C 5/47 20060101ALI20171006BHJP
【FI】
   A24C5/35
   A24C5/28
   A24C5/47
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-508999(P2017-508999)
(86)(22)【出願日】2015年9月17日
(85)【翻訳文提出日】2017年2月16日
(86)【国際出願番号】EP2015071370
(87)【国際公開番号】WO2016042101
(87)【国際公開日】20160324
(31)【優先権主張番号】14185602.1
(32)【優先日】2014年9月19日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】グラント クリストファー ジョン
【テーマコード(参考)】
4B044
【Fターム(参考)】
4B044CB35
4B044CC13
4B044CC16
4B044CC22
4B044CE09
(57)【要約】
二倍長の実質的に円筒形の半製品を中間的に保管する方法は、傾斜器具を提供し、傾斜器具内に二倍長の実質的に円筒形の半製品を形成する工程を含む。方法は、切断装置を提供し、切断装置を用いて二倍長の半製品を単一製品に切断する工程と、パッカーを提供し、単一製品をパッカー内でパックする工程とをさらに含む。方法はなおさらに、二倍長の半製品を傾斜器具から切断装置へ搬送する工程と、単一製品を切断装置からパッカーへ搬送する工程と、傾斜器具と切断装置の間に配置されたバッファ内に二倍長の実質的に円筒形の半製品を中間的に蓄える工程とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二倍長の実質的に円筒形の半製品を中間的に保管する方法であって、前記方法が、
傾斜器具を提供し、前記傾斜器具内に二倍長の実質的に円筒形の半製品を形成する工程と、
切断装置を提供し、前記切断装置を使用して前記二倍長の半製品を単一製品に切断する工程と、
パッカーを提供し、単一製品を前記パッカー内でパックする工程と、
前記二倍長の半製品を前記傾斜器具から前記切断装置へ搬送し、前記単一製品を前記切断装置から前記パッカーへ搬送する工程と、
前記傾斜器具と前記切断装置の間に配置されたバッファ内に二倍長の実質的に円筒形の半製品を中間的に蓄える工程とを含む、方法。
【請求項2】
単一製品を包装する前記工程が、前記二倍長の半製品を切断する前記工程の直後に続き、随意に前記単一製品を同一の方向に配向する工程のみによって分離される、請求項2に記載の方法。
【請求項3】
前記切断装置内または前記切断装置の下流での前記製造プロセスの中断を検出する工程と、前記二倍長の半製品を前記傾斜器具から拡張可能なバッファセクションに搬送し、それによって前記拡張可能なバッファセクションに少なくとも部分的に搬入する工程とをさらに含む、請求項1〜2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記拡張可能なバッファセクションから前記切断装置に向けて搬出し、それによって前記拡張可能なバッファセクションから少なくとも部分的に搬出する工程をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記二倍長の半製品内のセグメントが、エアロゾル形成基体、エアロゾル冷却セグメント、支持要素およびマウスピースのうち少なくとも一つである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記二倍長の半製品がエアロゾル形成基体、支持要素、エアロゾル冷却セグメントおよびマウスピースが連続したものを備え、前記支持要素が前記エアロゾル形成基体と前記エアロゾル冷却セグメントとの間に配置される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記単一製品の質量中心と前記単一製品の長さに沿った中点との間の距離が、前記単一製品の合計長さの約5パーセント〜20パーセントであることが好ましい、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記単一製品の遠位部分および前記単一製品の近位部分が、チッピングペーパーが前記単一製品の前記近位部分の周りで包まれているために異なる直径を持ち、また前記異なる直径が積み重ね角度を描写し、その角度によって前記単一製品がある水平面に対して遠位端が傾くことができる、また前記積み重ね角度が0.08度〜0.35度の範囲であり、0.09度〜0.30度の範囲が好ましく、例えば0.12度よりも大きい、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
二倍長の実質的に円筒形の半製品を中間的に保管するための器具であって、前記器具が、
二倍長の実質的に円筒形の半製品を形成するための傾斜器具と、
前記二倍長の半製品を単一製品に切断するための切断装置と、
前記単一製品をパックするためのパッカーと、
前記二倍長の半製品を前記傾斜器具から前記切断装置へ搬送し、前記単一製品を前記切断装置から前記パッカーへ搬送するための搬送システムとを含み、二倍長の実質的に円筒形の半製品を中間的に保管するために、前記傾斜器具と前記切断装置の間にバッファが配置されている、器具。
【請求項10】
前記切断装置と前記パッカーの間の搬送距離が、前記傾斜器具と前記パッカーの間の合計搬送距離の約50パーセントよりも短い、請求項9に記載の器具。
【請求項11】
前記バッファがマスフローバッファシステムである、請求項9〜10のいずれか1項に記載の器具。
【請求項12】
前記バッファが、前記器具の製造容量に対応した、約5分〜30分、好ましくは約10分〜20分、例えば約15分の容量を持つ、請求項9〜11のいずれか1項に記載の器具。
【請求項13】
前記バッファは、少なくとも10,000個の半製品、好ましくは少なくとも50,000個の半製品、例えば100,000個を超える半製品を蓄える容量を持つ、請求項9〜12のいずれか1項に記載の器具。
【請求項14】
前記バッファが、コンベヤーバンド上に配置された二倍長の半製品を搬送するための前記コンベヤーバンドと、相互の上に配置された異なるレベルに前記コンベヤーバンドのセクションを案内する支持ガイドとを備えた、請求項9〜13のいずれか1項に記載の器具。
【請求項15】
半製品をオンラインで制御するための制御装置をさらに備えた、請求項9〜14のいずれか1項に記載の器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二倍長の半製品を中間的に保管するための方法および器具に関連する。特に、二倍長の半製品を製造し、その二倍長の半製品を単一製品の製造・包装の前に中間的に保管するための器具および方法に関連する。単一製品は、例えば、喫煙物品などのエアロゾル発生物品が好ましい。
【背景技術】
【0002】
ロッド状の消費財の取り扱いは、高速製造プロセスにおいて数多くの課題を提示しうる。例えば、フィルター紙巻たばこなどのエアロゾル発生物品は、通常は少なくとも2つの円筒形の物体(例えばたばこロッドおよびフィルター)から製造される。フィルター紙巻たばこなどのエアロゾル発生物品の製造中、2つの円筒形の物体は、圧延工程中にチッピングペーパーと結合される。チッピングペーパーは、第一の円筒形の物体と第二の円筒形の物体の周辺間に小規模な段差を生じさせる。この段差は、チッピングペーパーの端と第二の円筒形の物体の自由端との間に角度を生じさせる。この角度は一般的には小さいものの、製造時には完成したエアロゾル発生物品の多くがマスフローまたはホッパー内で相互上に積み重ねられることがあり、それぞれの小さな角度の蓄積効果によって、積み重なりの上部で有意な合計角度が生じうる。これによって、特に、マスフロー製造プロセスではある程度のエアロゾル発生物品の自由な動きが許容されるため、エアロゾル発生物品がマスフローまたはホッパー内で詰まりを起こす原因となることがある。効果は、チッピングペーパーによって生じた段差のサイズおよび第二の円筒形の物体の自由端とチッピングペーパーとの間の製品の長さに依存する。詰まりのリスクは、製品が一様でない質量分布を持つ時に、特に直径が小さめの物品のセクション内に物品の質量中心がある場合にさらに増大する。直径が小さめの物品のセクションが可塑性で、そのために物品が相互の上に積み重ねられると重力によって隣接した物品に沈み込む可能性があり、従って物品の重ね合わせが一方の側で増大しそれによってさらに積み重ね角度が増える場合には、その効果がさらに増大する。
【0003】
従って、特に製造プロセスの作製セクションと包装セクションの間で、短く可塑性の実質的に円筒形の物体のマスフローに対処できる方法および器具の必要性がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明の第一の態様によれば、二倍長の実質的に円筒形の半製品を中間的に保管する方法が提供されている。方法は、傾斜器具を提供し、傾斜器具内に二倍長の実質的に円筒形の半製品を形成する工程を含む。方法は、切断装置を提供し、切断装置を用いて半製品を単一製品に切断する工程と、パッカーを提供し、単一製品をパッカー内でパックする工程とをさらに含む。方法はなおさらに、半製品を傾斜器具から切断装置へ搬送する工程と、単一製品を切断装置からパッカーへ搬送する工程と、傾斜器具と切断装置の間に配置されたバッファ内に二倍長の実質的に円筒形の半製品を中間的に蓄える工程とを含む。
【0005】
二倍長の半製品は、切断装置へ搬送される前にバッファ内に一時的に保管されうる。バッファは、搬送システム内のループ(様々なサイズが好ましい)とみなされうる。バッファは、マスフローシステムである。これは、例えば、二倍長の半製品がトレーに取り込まれ、後の段階で搬送システムの加工フローに戻される、トレーシステムでもよい。バッファは、二倍長の半製品が常にバッファに案内されてバッファを通過するように、搬送システムの一部であることが好ましい。こうしたインラインのバッファは、入力または出力のレートが低下すると直ちに反応しうるという利点を持つ。さらに、マスフローに固有の精度範囲内で、バッファを出入りする製品の入出力の順序(例えば、先入れ先出しや後入れ先出し)を定義しうるという利点を持つ。さらに、インラインのバッファを用いて、トレーシステムとは対照的に、製造された製品に対する環境条件の変化が実質的に一定に保たれうるように、製造全体を同一の環境条件に維持しうる。
【0006】
バッファの出力レートが、例えば、バッファの下流にある製品の切断、回転または包装の減速や中断によって入力レートよりも低い場合、バッファには二倍長の半製品が搬入される。入力レートが出力レートよりも低くなった場合、単一製品の製造を減速または停止する必要なしに、バッファされた二倍長の半製品がバッファから切断装置に提供される。
【0007】
バッファ内では、二倍長の半製品がマス製品フローに従い処理される。製品のマスフローには、個別の製品フローよりも小さい空間が必要とされる。ところが、マスフローは正確でない。例えば、マスフロー内における各製品の位置特定は、マス製品フローでは利用できない。マスフローでは、製品は一般的な移動方向に沿って搬送される。マスフローでは、個別の製品は、例えば、一般的な搬送方向が水平である場合の上方向または下方向など、一般的な搬送方向に対するランダムな動きについて、いくらかの自由度を有する。従って、マスフロー内での個別の製品の正確な位置はわからない。さらに、一般的な搬送方向に沿った製品の個別の速度は、マスフロー内の製品の平均搬送速度と等しい必要はない。個別の製品の取り扱いが必要な場合、製品は個別の製品フローに従い取り扱われる。例えば、傾斜器具においてまたは切断装置において、製品は個別の製品フローに従い処理される。個別の製品フローでは、個別の製品に対する制御は製造および加工ラインの任意の段階でなされる。例えば、製品の位置および整列状態は任意の時点で判明する。これによって、例えば、加工ライン内の一つの位置に単一の放出装置のみが提供されることが許容される。仕様要件を満たしていない物体を検出する検出手段は、例えば、加工ライン全体に沿って配置されうる。個別の製品フローによって、配置される物体は仮想的にマークされ、さらに下流で放出装置によって処分されうる。マスフローを個別のフローに変換するために、フロー変換ユニットは、それに応じた加工ユニット間(例えばホッパー)に配置される。
【0008】
バッファを傾斜器具の下流に配置することによって、二倍長の半製品が中間的に保管されうる。特に、半製品は傾斜器具内で連続的に製造され、一時的に保管されうる。例えば、傾斜器具またはその部分の停止または減速は、製造プロセスの下流端、例えば製品の切断、回転または包装が中断された時に、少なくとも一時的に回避されうる。また、製造プロセスまたは傾斜器具内での半製品の準備が中断した時でさえも、単一製品の連続的な製造および包装が許容されうる。
【0009】
本明細書で使用される場合、「上流」および「下流」という用語は、搬送ユニットまたはその他の器具の要素もしくは要素の部分の相対的位置を描写するために使用される時、製造工程および搬送工程中に複数の半製品または単一製品が移動する方向を意味する。すなわち、半製品は、上流端から下流端へと下流方向に移動する。下流端および上流端または近位端および遠位端は、半製品または単一製品の方向や、ユーザーが単一製品を吸い込む方向を描写するためにも使用される。エアロゾル形成基体およびマウスピースを備えたエアロゾル発生製品に相当する単一製品では、マウスピースは単一製品の下流端に相当し、エアロゾル形成基体は単一製品の上流端に相当する。従って、空気がエアロゾル発生物品の上流端から入り、下流端の下流に移動するように、ユーザーはエアロゾル発生物品の下流端から吸い込む。
【0010】
半製品用のバッファを提供することは、単一製品の保管が必要ないように単一製品が切断後に直接包装されうるというさらなる利点を持つ。半製品の保管は、製品は単一製品よりも長く、従ってより簡単に整列でき整列状態が保たれるため、より都合が良い。半製品は、例えば、バッファ内で積み重ねられた配置で保たれうる。
【0011】
従来的な紙巻たばこなどの喫煙物品は、特に重さが実質的に均質である一方、エアロゾル形成物品は、エアロゾル形成物品が異なるセグメントから組み合わされているという理由から、特に重さの分布で不均質な場合がある。例えば、たばこプラグは、例えばフィルターセグメントやくぼみなどと比較して高い密度を持つセグメントであり、さらに通常は単一製品の遠位端に配置される。従って、単一製品は、単一製品の半分の長さにある中点からその遠位端にずれた質量中心を持つ。従って、こうした単一製品は、マスフロー内での搬送または保管中に傾く傾向にある場合がある。
【0012】
単一製品の傾きは、単一製品の積み重ねに起因することもある。上記で概説した通り、エアロゾル発生製品は、通常は複数の円筒形のセグメントで作製される。単一製品の製造中、セグメントはチッピングラッパーで結合される。チッピングラッパーは、単一製品の近位部分を覆い、単一製品の長さの一部分の上に延びる。チッピングラッパーによって、近位部分および遠位部分の周囲の間にわずかな段差ができる。この段差によって、チッピングラッパーの端と単一製品の遠位端との間に角度がつく。この積み重ね角度は非常に小さい。ところが、製造中、マスフローまたはホッパー内で数多くの製品が相互の上に積み重ねられる。従って、角度が蓄積されて、製品の積み重ねが傾く原因となりうる。こうした傾きは、マスフローまたはホッパー内の詰まりの原因となりうる。この効果は、チッピングラッパーによってできた段差のサイズや、遠位端とチッピングラッパーとの間の製品の長さに依存する。従って、直径が小さなエアロゾル発生物品では、この効果はさらに促進される。さらに、エアロゾル発生製品の製造に使用される厚いチッピングペーパーは、段差のサイズをさらに増やしうる。上述した通り、一様でない重さの分布によって、詰まりの危険性は、製品が一様でない質量分布を持つ時、特に、物品の質量中心が物品の小さめの直径を持つ側にある場合にさらに増大するが、これは、単一製品の遠位端にたばこプラグを持つエアロゾル発生製品のケースでよく見られうる。
【0013】
この効果は、物品の小さな直径を持つ側が可塑性である場合にはさらに大きくなる。物品が相互に積み重ねられている時、可塑性の部分が重力によって隣接した製品に沈み込むことがある。従って、一方の側への物品の重ね合わせが増大し、これがさらに積み重ね角度を増すことになる。
【0014】
二倍長の半製品では、半製品の全長にわたり見られるこの不釣り合いが低減されるか、または完全に回避される。二倍長の半製品は、半分の長さにある中点に対して対称である。従って、二倍製品は、中点に対して左右対称であり、かつ二倍製品の中心に質量中心を持つ。さらに、こうした二倍製品の積み重ね角度は実質的に0度である。従って、二倍長の半製品の一方の端に対する半製品の他方の端への不釣り合いが存在しない。従って、詰まりのリスクも著しく低減されるかまたは完全に回避されうるように、製品の傾きおよび重ね合わせが実質的に回避されうる。
【0015】
本発明による方法は、積み重ねの底部での単一製品および半製品の望ましくない圧縮を低減させることができる。これは、製品の長さに沿ったそれぞれの単一製品の直径の段差変化を含みうる単一製品を取り扱う時に特に有利である。特に、製品の積み重ねに沿って作用する重力を低減することで、マスフローの詰まりの原因となりかねない、上述した積み重ね角度の蓄積効果を低減させることができる。このプラスの効果は、チッピングペーパーのあるセクションが、製品のその他の部分と比較して比較的固いロッド状の製品ではさらに増大する。本発明によれば、二倍製品に作用する重力は、チッピングペーパーのある固めのセクションの周りに集められ、積み重ねられた二倍製品の間の主な接点が形成され、またそれによって、可塑性のより高い製品のセクションにかかる破砕力が低減される。
【0016】
単一製品が包装される直前にのみ二倍長の半製品の切断を行うことで、例えば、こうした製品の口側の端フィルターセクションなど、未切断のセグメント(その時点で、切断された製品の端部を形成)がなおも機械的および環境的な影響から少なくとも部分的に保護されるという追加的な利点がある。
【0017】
本発明による方法では、傾斜器具内で製造された二倍長の半製品はバッファにオンラインで供給されうるが、そこから再び、切断装置へ、さらにパッカーへとオンラインで搬送されうる。バッファ内の製品はマスフロー内を進行するため、マスフローを個別のフローに変換するために変換ユニットがバッファと切断装置の間に配置されることが好ましい。マスフローから個別のフローへの変換を達成するための変換ユニットは、例えばホッパーでもよい。
【0018】
本発明による方法の一つの態様によれば、単一製品を包装する工程は、二倍長の半製品を切断する工程の直後に続く。これら2つの工程は相互に前後して実施されることが好ましい。随意に、これら2つの工程は、単一製品を同一の方向に配向する工程によってのみ分離される。切断装置の上流に、すなわち単一製品の製造位置の上流に配置されるバッファの存在によって、単一製品は切断された後まもなく包装されることが好ましい。本発明の一つの実施形態によれば、配向工程中に、すべての単一製品が同一の方向に整列されるように単一製品が1つおきに回転される。別の方法として、切断された製品の2つの部分は、切断された製品の別々のマスフローに従いうる。従って、例えば、マスフロー搬送方向に沿って180度回転させることによって、これらのマスフローの一つが回転されうる。パッカー内で、単一製品は、例えば20個の製品といった複数の製品パックに直接包装されることが好ましい。配向工程によって、すべての単一製品は、包装される時に同一の方向を持つように配向される。
【0019】
本発明による方法の別の態様によれば、方法はさらに、製造プロセスの中断を検出する工程を含む。製造プロセスの中断が切断装置内または切断装置の下流で検出された場合、半製品は、傾斜器具から拡張可能なバッファセクション内に移動され、それによって拡張可能なバッファセクションに搬入される。製造プロセスの中断が傾斜器具内または傾斜器具の上流で検出された場合は、二倍長の半製品が、拡張可能なバッファセクションから切断装置へ搬送され、それによってバッファから搬出される。言い換えれば、バッファに搬入するということは、バッファが半製品の出力レートよりも高い入力レートを持つことを意味する。従って、拡張可能なバッファセクションから搬出するということは、半製品の入力レートよりも高い出力レートを持つものとして理解される。半製品がバッファを通して一定のレートで搬送される場合、半製品の一次的な蓄えを形成したり半製品の一次的な蓄えを減らしたりするという意味では、搬入や搬出は起こらない。
【0020】
二倍長の半製品には、単一製品を製造するために少なくとも一つの切断工程を必要とする。二倍長の半製品は、単一製品の2倍の長さを持つ。二倍長の半製品は、単一の最終製品を製造する目的で、切断、包装、配向(回転)またはこれらのプロセス工程のいくつかまたはすべての組み合わせを含むがこれに限定されない、いくつかのプロセス工程を必要とする場合がある。単一製品は、エアロゾル発生装置内で使用するためのエアロゾル発生製品など、消費財でもよい。
【0021】
「実質的に円筒形の」半製品またはセグメントという用語は、本明細書では、その長さに沿って実質的に一定の断面を持ち、かつ、例えば、円形または楕円形断面を持つ円柱を含む、半製品またはセグメントを描写するために使用される。半製品およびセグメントは、例えば、円形または楕円形断面を持つロッド状である。
【0022】
本発明による方法の別の態様によれば、単一製品の遠位部分および単一製品の近位部分は、単一製品の近位部分の周りを包むチッピングペーパーに起因する異なる直径を持つ。異なる直径は積み重ね角度を描写し、その角度によって単一製品の水平面に対して単一製品の遠位端が傾くことがある。こうした積み重ね角度は、0.08度〜0.35度の範囲、好ましくは0.09度〜0.30度の範囲、例えば0.12度よりも大きい角度でもよい。
【0023】
一例によれば、各単一製品は、エアロゾル発生基体と、マウスピースと、マウスピースをエアロゾル発生基体の下流端に固定するチッピングラッパーとを備える。こうした実施形態では、チッピングラッパーは、エアロゾル発生基体の周りに延びる上流端と、マウスピースの下流端の周りに延びる下流端とを持つ。エアロゾル発生基体の上流端とチッピングラッパーの上流端との間の距離は、約40mm未満、好ましくは約30mm未満であることが好ましい。上述の通り、本発明はエアロゾル発生製品の積み重ねによってできた積み重ね角度の効果全体を低減でき、それぞれのエアロゾル発生製品がチッピングラッパーによってできたその外径の段差変化を含む。本発明によって提供される積み重ね角度の効果の低減は、比較的短い長さを持つエアロゾル発生製品では特に有意である。
【0024】
本発明によって提供される積み重ね角度の効果が低減した結果として、本発明による方法は、それぞれが好ましくは0.04mm〜0.06mmの厚さを持つチッピングラッパーを含むエアロゾル発生製品を受容できる。チッピングラッパーの厚さは0.06mm以下、または0.04mm以上であることが好ましい。
【0025】
段差変化および結果的な積み重ね角度は、単一製品が相互の上に存在する位置に依存することに注目する必要がある。一般に、チッピングペーパーは一層で包装される。ところが、チッピングペーパーが重なる継ぎ目は2倍の厚さを持つ。エアロゾル発生製品を形成するためにマウスピースおよびエアロゾル発生基体の外側の周りを包装する時、チッピングラッパーの継ぎ目での重なりは、エアロゾル発生物品の反対側にあるチッピングラッパーと組み合わされて、チッピングラッパーの厚さの2倍となるエアロゾル発生物品の外径に最大段差変化を生じさせる。従って、チッピングラッパーが約0.04mm〜約0.06mmの厚さを持つ実施形態では、エアロゾル発生物品の外径は、チッピングラッパーの上流端で約0.08mm〜約0.12mmの最大段差変化を持つ。エアロゾル発生物品全体の積み重ね角度を計算する時、上側および下側の段差変化を考慮に入れる必要があり、こうした平均段差サイズおよびそれに応じた積み重ね角度は、(継ぎ目の方向に依存するが)単一のチッピングペーパーの厚さの約2〜3倍に相当する。
【0026】
積み重ね角度の効果の低減はまた、高密度のエアロゾル発生基体を含むエアロゾル発生製品に対してプラスの効果を持ち、その効果によって、従来的なフィルター紙巻たばこと比較した時、チッピングラッパーからは離れてエアロゾル発生基体に向けてそれぞれのエアロゾル発生単一製品の質量中心が移動する。
【0027】
本発明による方法の一つの態様によれば、単一製品の質量中心と中点の単一製品の長さに沿った距離は、単一製品の合計長さの約5パーセント〜20パーセントが好ましく、約7パーセント〜15パーセントがより好ましく、エアロゾル発生物品の合計長さの約10パーセント〜エアロゾル発生物品の合計長さの約15パーセントであることが最も好ましい。
【0028】
本発明による方法の一つの態様によれば、半製品内のセグメントは、エアロゾル形成基体、エアロゾル冷却セグメント、支持要素およびマウスピースのうち少なくとも一つである。本発明による方法の別の態様によれば、半製品は、エアロゾル形成基体、支持要素、エアロゾル冷却セグメントおよびマウスピースを連続したものを含む。エアロゾル形成基体はたばこ含有基体であることが好ましい。支持要素は、中空の酢酸塩チューブであり、エアロゾル形成基体内で発生されるエアロゾルのための膨張室の機能を持つことが好ましい。エアロゾル冷却セグメントは、捲縮した、または集められた、または捲縮して集められたポリ乳酸シートで作製されていることが好ましい。その順序で、支持要素はエアロゾル形成基体とエアロゾル冷却セグメントの間に配列される。順序は、さらなるセグメントによって補足されてもよい。こうしたさらなるセグメントはまた、エアロゾル形成基体とエアロゾル冷却セグメントの間に配列されることが好ましい。
【0029】
本明細書に使用される「集められた」という用語は、巻き込まれ、折り畳まれ、または別途エアロゾル発生物品の長軸方向軸に対して実質的に横方向に圧縮され、または収縮したシートを記述するために使用される。
【0030】
好ましい実施形態において、エアロゾル発生基体は均質化したたばこ材料のきめのあるシートの集合体を含む。
【0031】
本明細書で使用される「きめのあるシート」という用語は、捲縮され、型押しされ、デボス加工され、穿孔され、または別途変形されたシートを意味する。エアロゾル発生基体は、複数の間隔を置いたへこみ、突起、穿孔またはそれらの組み合わせを含む均質化したたばこ材料のきめのあるシートの集合体を含んでもよい。
【0032】
本明細書に使用される「捲縮したシート」という用語は、複数の実質的に平行した隆起または波型形状を有するシートを意味する。実質的に平行な隆起または波型形状は、半製品の長軸方向軸に沿って、またはそれに平行に延びることが好ましい。これは、均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合を都合良く容易にしてエアロゾル発生基体を形成する。しかし、エアロゾル発生物品に含めるための均質化したたばこ材料の捲縮したシートが、別の方法としてまたは追加的に、エアロゾル発生物品が組み立てられた時に、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に鋭角または鈍角で配置される複数の実質的に平行した隆起または波型形状を有してもよいことが認識される。
【0033】
「セグメント」という用語は、画定された境界を持つ半製品の要素を意味するために使用される。個別のセグメントは、半径方向の延長部よりも長い長軸方向の延長部を持ちうる。セグメントは実質的に環状の断面を持つことが好ましい。半製品のセグメントは、異なる柔軟性、異なる硬度、異なる圧縮性、異なる重さ、異なる形状、異なる長さ、異なる構造、異なる材料属性、異なる引き出し抵抗、異なるろ過属性のうち、少なくとも一つを持つことが好ましい。半製品のセグメントは、例えば、切断可能でも切断不可能でもよい。半製品の一様でない特性は、半製品の長さに沿って、または1つまたは複数のセグメントの長さに沿って存在することが好ましい。例えば、一様でない硬度は、カプセルを含むフィルタートウでできたフィルター要素内に存在しうる。セグメントは、例えば同心または非同心の配列を持ちうる。セグメント組立品のセグメントは、例えば炭素質またはセラミックの材料、厚紙材料、紙材料、金属、フィルタートウ、ポリ乳酸、たばこまたはたばこ含有材料、植物葉材料またはその組み合わせなど、異なる材料でできているか、または異なる材料を含むことが好ましい。セグメントはプラグの長さに等しい長さでもよく、また複数のプラグの長さでもよい。ここで、「プラグ」とは、最終製品内の単一長のセグメントである。
【0034】
エアロゾル発生半製品では、一般的に異なる圧縮性のセグメントが使用される。半製品は、可塑性のセグメントの横に配置されうる剛直なセグメントを備えうる。一部のセグメントは、傷が付いたり、変形したり、またはその他の方法で不注意に損傷したりしないように、圧縮されたりきつく押されるべきではない。こうしたセグメントは、例えば、剛直なセグメントまたは可塑的に変形可能なセグメントでもよい。
【0035】
少なくとも一つのセグメントは剛直なセグメントであることが好ましい。剛直なセグメントは、1.5mm当たり約10ニュートンよりも高い圧縮性を持つことが好ましく、また1.5mm当たり約100ニュートン未満であることが好ましい。少なくとも一つのセグメントの圧縮性は1.5mm当たり約20ニュートン〜1.5mm当たり約100ニュートンであることが好ましく、1.5mm当たり約50ニュートン〜1.5mm当たり約100ニュートンであることがさらに好ましい。
【0036】
一部の実施形態では、剛直なセグメントは脆性で、例えばセラミックまたは炭素質のセグメントなど全く圧縮されずにセグメントは粉々になる。こうした実施形態では、セグメントは圧縮されるよりは破壊されるため、圧縮性は実質的に無限大である。
【0037】
剛直なセグメントは、例えば、エアロゾル発生基体またはフィルタートウ製のフィルター要素を含むセグメントなど、少なくとも部分的に柔軟性のあるセグメントと比較して、圧縮に対して基本的に非圧縮性であるか、または柔軟性がない。
【0038】
剛直なセグメントは、例えば熱源(例えば、可燃性熱源)でもよい。熱源は、炭素質または炭素系の熱源、すなわち、熱源を含む炭素、または主に炭素を含む、例えば、乾燥質量で少なくとも50パーセントの炭素含有量を持つ熱源としうる。熱源セグメントの長さは約6mm〜約15mmとしうるが、10mm〜約12mmが好ましい。熱源セグメントの外径は、約5mm〜約12mm、例えば7mmとしうる。
【0039】
剛直なセグメントは、例えば、支持要素(例えば中空管の形態)としうる。チューブは、酢酸セルロースまたは厚紙または両方を備えるか、またはそれによって作製されうる。支持要素の長さは約5mm〜約12mm、例えば8mmとしうる。支持要素セグメントの外径は、約5mm〜約12mm、例えば約5mm〜約10mmまたは約6mm〜約8mm、例えば7mmとしうる。
【0040】
少なくとも一つのセグメントは、圧縮可能なセグメントであることが好ましい。半製品の少なくとも一つのセグメントは、圧縮可能なセグメントであることが好ましい。圧縮可能なセグメントは、例えば、エアロゾル冷却セグメントまたはエアロゾル形成基体でもよい。
【0041】
一部の実施形態では、例えば濾過材料内に分散されているカプセルを含むフィルターセグメント内など、セグメントの圧縮性は単調ではない。こうした場合に、セグメントは、濾過材料(例えばアセテートトウ)が圧縮されている限り、最初は簡単に圧縮が可能である。その後、カプセルに達すると圧縮性は低減される。その後、カプセルが破壊された後で圧縮性は再び増大する。
【0042】
エアロゾル発生半製品の製造方法に応じて、セグメントは、それらの最終的な(単一の)長さの半製品に含まれてもよく、また、単一製品の単一のセグメントの2倍の長さを持つセグメントの流れに含まれてもよい。エアロゾル冷却セグメントは、半製品に二倍長のセグメントとして含まれることが好ましい。
【0043】
エアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出する能力を持つ基体である。揮発性化合物はエアロゾル形成基体の加熱または燃焼によって放出されうる。加熱または燃焼に代わるものとして、一部の場合に、化学反応によって、または超音波などの機械的な刺激によって揮発性化合物が放出されてもよい。エアロゾル形成基体は固体でも液体でもよく、固体および液体の両方の成分を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、担体または支持体に吸着、被覆、含浸またはその他の方法で装填される場合がある。エアロゾル形成基体は、例えば均質化した植物由来材料などの植物由来材料を含んでもよい。植物由来材料は、例えば均質化したたばこ材料などのたばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含む、たばこ含有材料を含みうる。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、ニコチンおよびその他の添加物および成分(風味剤など)を含みうる。エアロゾル形成基体は、キャストリーフたばこなどのたばこシートであることが好ましい。キャストリーフたばこは、たばこ粒子、繊維粒子、エアロゾル形成体、風味、および結合剤を含むスラリーから形成される再構成たばこの一形態である。たばこ粒子は、望ましいシートの厚さおよびキャスティングギャップに応じて、微粒子サイズが約30〜80μmから約100〜250μm程度であることが好ましいたばこダストの形態としうる。繊維粒子は、たばこ茎材料、茎またはその他のたばこ植物材料、およびその他のセルロース系繊維(リグニン含有量の低い木材繊維など)を含みうる。繊維粒子は低い含有率(例えば、およそ2〜15%の率)に対してキャストリーフに十分な引張強さをもたらす要求に応じて選択しうる。別の方法としてまたは追加的に、繊維(植物繊維など)を上述の繊維とともにまたは代替として使用しうるが、これには大麻および竹などが含まれる。
【0044】
エアロゾル発生物品で使用するための均質化したたばこのシートの集合体を含むエアロゾル形成基体は、当業界で周知の、例えば国際特許出願WO 2012/164009 A2号で開示されている方法によって製造しうる。
【0045】
キャストリーフたばこを形成するスラリーに、エアロゾル形成体を追加できる。機能上、エアロゾル形成体は、キャストリーフたばこがたばこ製品内で使用されることが意図される温度範囲内で気化する能力を備えているべきであり、かつエアロゾル形成体がその気化温度よりも高く加熱された時にエアロゾル中のニコチンまたは風味またはニコチンと風味の両方の運搬を促進する。エアロゾル形成体は、室温温度かその付近の温度で化学的に安定しキャストリーフたばこ内で本質的に静止した状態を保つがそれより高い温度、例えば40〜450℃で気化することができるその能力に基づき選択されることが好ましい。
【0046】
エアロゾルという用語は本明細書で使用される時、固体粒子または液体粒子および気相を含むコロイドを意味する。エアロゾルは、固体粒子および気相から構成される固体エアロゾルでもよく、液体粒子および気相を含む液体エアロゾルでもよい。エアロゾルは、気相中に固体粒子および液体粒子の両方を含みうる。ガスおよび蒸気の両方は本明細書で使用される時、ガスであると考えられる。
【0047】
エアロゾル発生基体は、乾燥質量ベースで約5パーセント〜約30パーセントのエアロゾル形成体含有量を持ちうる。好ましい実施形態において、エアロゾル発生基体は乾燥質量ベースでおよそ20%のエアロゾル形成体の含有量を有する。
【0048】
エアロゾル形成体は極性があり、かつキャストリーフたばこ内で望ましい範囲内に水分を保つのに役立ちうる湿潤剤としての機能を持つことが好ましい。キャストリーフたばこ中の湿潤剤の含有量は、15パーセント〜35パーセントであることが好ましい。
【0049】
エアロゾル形成体は、ポリオール、グリコールエーテル、ポリオールエステル、エステル、脂肪酸および一価アルコール(メントールなど)から選択することができ、また多価アルコール(プロピレングリコールなど)、グリセリン、エリスリトール、1,3−ブチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、プロピレン炭素塩、ラウリン酸エチル、トリアセチン、メソ−エリスリトール、ジアセチン混合物、ジエチルスベリン酸塩、クエン酸トリエチル、安息香酸ベンジル、ベンジルフェニル酢酸塩、エチルバニリン酸塩、トリブチリン、ラウリル酢酸塩、ラウリン酸、ミリスチン酸、およびプロピレングリコールといった化合物のうち一つ以上を含みうる。
【0050】
一つ以上のエアロゾル形成体を組み合わせて、組み合わされたエアロゾル形成体の一つ以上の属性を利用しうる。例えば、トリアセチンをグリセリンおよび水と組み合わせて、有効成分を運搬するトリアセチンの能力とグリセリンの湿潤性を利用しうる。
【0051】
エアロゾル形成基体セグメントの長さは約5mm〜約16mmとしうるが、約8mm〜約14mm、例えば12mmが好ましい。従って、二倍長のエアロゾル形成基体は約16mm〜32mmの長さ、好ましくは24mmの長さを持つことが好ましい。エアロゾル形成基体の外径は少なくとも5mmでよいが、約5mm〜約12mm、例えば約5mm〜約10mmまたは約6mm〜約8mmでもよい。好ましい一つの実施形態では、エアロゾル発生基体は7.2mm ±10パーセントの外径を持つ。
【0052】
たばこキャストリーフは、ロッド状のセグメントの形態に捲縮した、集められた、および/または折り畳まれたものであることが好ましい。キャストリーフ材料は、粘着性である傾向があり、また可塑的に変形が可能である。キャストリーフセグメントに圧力が作用する場合、セグメントは、その意図された、例えば円形の形状から不可逆的に逸脱する傾向にある。
【0053】
エアロゾル冷却セグメントは、エアロゾル発生半製品の構成要素とすることができ、またエアロゾル形成基体の下流に位置する最終製品内にある。使用時、エアロゾル形成基体から放出される揮発性化合物によって形成されるエアロゾルは、エアロゾル冷却セグメントを通過する。エアロゾルは、その中で冷却剤との接触によって冷却される。エアロゾル冷却セグメントは、エアロゾル形成基体とマウスピースの間に位置することが好ましい。エアロゾル冷却セグメントは広い表面積を持つが、低い圧力降下を生じさせることが好ましい。高い圧力降下を生じさせるフィルターおよびその他のマウスピース、例えば、繊維の束で形成されたフィルターは、エアロゾル冷却セグメントとはみなされない。膨張室および支持要素などのチャンバーやくぼみも、エアロゾル冷却セグメントとはみなされない。エアロゾル冷却セグメントは、50パーセントを超える長軸方向の空隙率を持つことが好ましい。エアロゾル冷却要素を通過する気流経路は、比較的抑制されない方が好ましい。エアロゾル冷却セグメントは、シートの集合体または捲縮したシートの集合体としうる。エアロゾル冷却セグメントは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、酢酸セルロース(CA)、およびアルミ箔から構成される群から選択されるシート材料またはその任意の組み合わせを含みうる。エアロゾル冷却セグメントはPLAのシートを含むことが好ましく、捲縮したPLAのシートの集合体であることがより好ましい。エアロゾル冷却セグメントは、約10μm〜約250μm、例えば約50μmの厚さを持つシートから形成されうる。エアロゾル冷却セグメントは、約150mm〜約250mmの幅を持つシートの集合体から形成されうる。エアロゾル冷却セグメントは、長さ1mm当たり約300mm2〜長さ1mm当たり約1000mm2、または重さ1mg当たり約10mm2 〜重さ1mg当たり約100mm2の特定の表面積を持ちうる。一部の実施形態では、エアロゾル冷却要素は、1mg当たり約35mm2の特定の表面積を持つ材料シートの集合体から形成されうる。
【0054】
エアロゾル冷却セグメントは、約5mm〜約10mm、例えば約7mmの外径を持ちうる。単一製品内のエアロゾル冷却セグメントであるエアロゾル冷却プラグは、約7mm〜約28mm、例えば約18mmの長さを持ちうる。従って、二倍長のエアロゾル冷却セグメントは、約14mm〜56mm、好ましくは36mmの長さを持つことが好ましい。エアロゾル冷却セグメントの外径は約5mm〜約12mm、例えば7mmとしうる。
【0055】
セグメントの圧縮性は圧縮試験で測定でき、セグメントが実質的に平面の支持面に配置され、毎分100mmの速度で移動する平坦な12mmの丸い表面を持つヘッドを使用してセグメントの一方の側に下方向に力が加えられる。こうした試験を実施するための適切な装置は、FMT−310 Force Tester(Alluris GmbH製)である。試験の前に、セグメントは24時間にわたり温度摂氏22度および相対湿度55パーセントで調整され、その後圧縮試験が実施される。この試験は、挿入物が1.5mm圧縮されるまで続行される。この時点での力(ニュートン)が圧縮性である。この試験が1.5mmの圧縮まで続行できない場合には、力を1.5mmに正規化できる。言い換えれば、最大圧縮力が28ニュートンであり、最大圧縮時の圧縮が1.4mmである場合、圧縮性として報告される値は1.5mm当たり30ニュートン(28ニュートンを1.4で割り、1.5を掛けた値)となる。
【0056】
半製品のセグメントは、マウスピースとしうる。マウスピースは、エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生装置の下流方向にある最後のセグメントである。消費者は、エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生装置によって発生したエアロゾルがマウスピースを通して消費者に届くように、マウスピースに接触する。従って、マウスピースはエアロゾル形成基体の下流に配置される。マウスピースはフィルターを含んでもよい。フィルターは、低い粒子濾過効率または非常に低い粒子濾過効率を持ちうる。フィルターは、エアロゾル発生物品の下流端に位置しうる。フィルターは、エアロゾル形成基体から長軸方向に間隙を介しうる。フィルターは、酢酸セルロースフィルタープラグとしうる。
【0057】
マウスピースは約5mm〜約10mm、例えば約6mm〜約8mmの外径を持ちうる。好ましい実施形態において、マウスピースは7.2mm±10パーセントの外径を有する。マウスピースは約5mm〜約20mmの長さを持ちうるが、約5mm〜約14mmの長さであることが好ましい。好ましい実施形態において、マウスピースはおよそ7mmの長さを有する。
【0058】
エアロゾル発生基体およびマウスピースの上流にあるその他の任意のセグメント(支持要素およびエアロゾル冷却セグメントなど)は、外側ラッパーによって囲まれる。外側ラッパーは任意の適切な材料または材料の組み合わせから形成されてもよい。外側ラッパーは紙巻たばこ用紙であることが好ましい。
【0059】
単一製品は、約40mm〜約50mm、例えば約45mmの合計長さを持ちうる。半製品のセグメントは、連続した2つのセグメント間に配置された空隙またはくぼみでもよい。そこにおいて、空隙とは、包装材料の断片で包まれた時にくぼみを形成する材料が存在しないことである。くぼみまたは空隙は、例えば、エアロゾル発生半製品内でのエアロゾルの拡張を助けるか、またはエアロゾル発生半製品の長さを最終製品の望ましい長さに適合させる役割を果たしうる。くぼみまたは空隙によって、これは、エアロゾル発生物品の引き出し抵抗(RTD)なしに、またはRTDを著しく制限することなく実施されうる。
【0060】
本発明の別の態様によれば、二倍長の実質的に円筒形の半製品を中間的に保管するための器具が提供されている。器具は、二倍長の実質的に円筒形の半製品を形成するための傾斜器具を備える。器具はさらに、二倍長の半製品を単一製品に切断するための切断装置と、単一製品をパックするためのパッカーとを備える。器具はなおさらに、二倍長の半製品を傾斜器具から切断装置へ搬送し、単一製品を切断装置からパッカーへ搬送するための搬送システムを備える。器具において、バッファは、二倍長の実質的に円筒形の半製品を中間的に保管するために、傾斜器具と切断装置の間に配置される。
【0061】
本発明による器具の態様によれば、切断装置とパッカーの間の搬送距離は、傾斜器具とパッカーの間の合計搬送距離の約50パーセント未満であり、約30パーセント未満、例えば約15パーセントが好ましい。合計搬送距離は、二倍長の半製品が傾斜器具を離れる位置から、単一製品がパッカーに入るまでと測定される。
【0062】
二倍長の半製品を単一製品に切断する工程は、単一製品の包装の直前にすぐ上流で実施されることが好ましい。これによって、単一製品が包装される前に長距離を搬送する必要がない。
【0063】
本発明による器具の別の実施形態によれば、バッファは、二倍長の半製品用のマスフローバッファシステムである。マスフローシステムでは、半製品は主な搬送方向に従うが、必ずしも同一の所定の動作経路を持つ必要はない。半製品は、相互に正確に整列される必要がない。マスフローバッファシステムでは、いくつかの半製品が相互の上に配置されて、半製品の搬送方向に延びる積み重ねが形成されることが好ましい。
【0064】
本発明による器具のさらなる態様よれば、バッファは、器具の製造容量に相当する約5分〜30分、好ましくは約10分〜20分、例えば約15分の容量を持つ。バッファはまた、例えば、少なくとも10,000個の二倍長の半製品、好ましくは少なくとも50,000個の二倍長の半製品、例えば100,000個の二倍長の半製品を蓄える容量を持ちうる。必要に応じて、バッファ容量は、蓄えられる製品の絶対量、またはバッファを出入りする入力または出力の低減または中断に対処するための時間に対応した相対数に適合されうる。
【0065】
バッファの容量は、二倍長の半製品、例えば積み重なった半製品の搬送に適合されるコンベヤーバンドの長さによって定義されうる。本発明による器具の態様によれば、バッファは、コンベヤーバンド上に配置された二倍長の半製品を搬送するためのコンベヤーバンドと、コンベヤーバンドのセクションを相互の上に配置された異なるレベルに案内するための支持ガイドとを備える。異なるレベルにわたって、例えば、らせん状にコンベヤーバンドを配置することで、バッファ用の空間を効率良く使用しうる。さらに、例えば、追加的な層を提供することによって、バッファ容量を拡張または制限しうる。
【0066】
バッファは、例えば、半製品の搬送およびバッファに適合された米国特許特許第US 6,422,380号に説明のあるバッファシステムとしうる。バッファシステムの入力ステーションでは、搬送システムによって傾斜器具から入力ステーションに搬送されてきた半製品が受け取られる。従って、バッファシステムの出力ステーションでは、半製品はバッファから集められ、搬送システムによってバッファから切断装置へ搬送される。入力ステーションと出力ステーションの間では、バッファの容量は必要に応じて適合されうる。例えば、マスフロー内の半製品の高さを増大することによって、または入力および出力ステーションの間の距離を変化させることによってバッファ容量は変動しうる。ところが、第US 6,422,380号では、半製品はロッド形状であり、そのためチッピング工程を持たず、従って積み重ね角度の問題は存在しない。
【0067】
本発明による器具の別の態様によれば、器具はさらに二倍長の半製品をオンライン制御するための制御装置を含む。制御装置は、製造プロセスを制御するため、または、例えば製品の品質を制御するために、または製造の工程および品質の両方を制御するために提供されうる。
【0068】
製造プロセスの制御は、例えば、製品または製品構成要素の存在または不在の制御としうる。製品の品質の制御は、例えば、製品の外観、または二倍長の半製品、例えば、密度、含水量または引き出し抵抗測定値(RTD)などの内部仕様を含みうる。こうした制御測定はオンラインで実施されうる。一般に、例えば、二倍製品についてのRTDは最終製品のRTDとは異なる。ところが、一般的に半製品のRTDについての目標範囲が定義されている。製品は、製品のRTDがこの目標範囲内である場合に制御を通過する。RTD測定またはその他の任意の制御測定は、不良製品を識別しうる。この製品は、搬送システムから、従って本発明による器具から除去されうる。RTD測定は、半製品がバッファに入る前、または半製品が切断装置内で切断される前に実施されうる。半製品がバッファに供給される前に実施されるRTD測定は、バッファ内に保管される前に不良製品が工程から除去されうるため、安全なバッファ容量でありうる。二倍長の半製品がバッファを離れた後で実施されるRTD測定は、バッファシステムでマイナスの影響を受けた工程から製品を除去するために使用されうる。
【0069】
器具のさらなる態様および利点は、本発明による方法に関連して説明してきたため、ここでは繰り返さない。
【0070】
本発明による方法および器具は、本明細書に記載した通り、エアロゾル発生物品の製造で使用されることが好ましい。
【0071】
本発明についてはさらに、実施形態に関して説明するが、これを下記の図表によって例示する。
【図面の簡単な説明】
【0072】
図1図1は、バッファシステムを備えた製造プロセスを概略的に示す。
図2図2は、コンバイナーで製造されたセグメントのロッドの一部を示す。
図3図3は、本発明による器具で製造された二倍製品を示す。
図4図4は、図4に示した二倍製品から製造された単一製品を示す。
図5図5は、製造プロセスの別の実施形態を概略的に示す。
図6図6は、単一製品の積み重ね角度の問題を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0073】
図1では、傾斜器具内にある二倍製品の形態の半製品の製造プロセスが示されているが、ここで傾斜器具6は、傾斜器具6に隣接して配置されその上流にあるコンバイナー5を備える。二倍製品655は、傾斜器具6からバッファ8へ、またそこから切断装置7へ、その後でパッカー75へと搬送される。
【0074】
エアロゾル発生物品の製造に使用される材料の第一のロッド10、第二のロッド20および第三のロッド30は、それぞれの切断装置15、25、35に供給され切断される。そのように切断された第一、第二および第三のセグメントは、コンバイナー5内の長軸方向の動作経路上に端と端を接した関係で供給される。
【0075】
図2〜4に示す実施形態では、第一および第三のロッド10、30は、コンバイナー5内で長軸方向の動作経路に供給される前に、最終プラグ1、3の二倍の長さを持つ二倍セグメント11、33に切断される。第二のロッド20は、長軸方向の動作経路に供給される前に、単一製品777内のプラグ2の長さを持つ単一のセグメント2に直接切断される。
【0076】
セグメント11、2、33はセグメントの流れを形成するが、セグメントの軸は長軸方向の動作経路に平行に配置される。例えば、紙巻たばこ用紙などの包装材料51のシートには、接着剤供給装置52によって接着剤が供給される。包装材料51のシートは、コンバイナー5内の長軸方向の動作経路に供給され、それに沿って案内される。セグメントの流れは、例えば、長軸方向の動作経路に沿って供給されるそれぞれの装飾で、包装材料51によって包装される。追加的な接着剤供給装置53は、包装材料がセグメントの流れの周りに完全に包まれる前に、接着剤の継ぎ目を包装材料51に追加する。そのように形成されたセグメントのロッドはここで、コンバイナー5内の長軸方向の動作経路の端で切断される。そこに、切断線100で第一のセグメント11を切断することによってセグメントのロッドを切断するロッド切断装置(図示せず)が提供される(図2を参照)。第一のセグメント11は、第一のセグメントの切断された2つの部分がプラグ1に対応するように半分に切断される。このエンドレスロッドの切断によって、包まれたセグメントロッド555が製造され、これがさらに、バッファ8に搬送される前に傾斜器具6内で加工される。プラグ1はそれぞれが、包まれたセグメントロッド555の端のセグメントを形成する。包まれたセグメントロッド555はここで、コンバイナー5内の長軸方向の動作経路から、傾斜器具6内にある直角をなす動作経路に移動される。
【0077】
これは、包まれたセグメントロッドを長軸方向の動作経路500に沿ってさらに、例えば、直線的な移動によって、傾斜器具内にある縦溝入り受けドラムの溝内に移動することによって実施されうる。ここで、フルートの長軸方向軸は長軸方向の第一の動作経路と整列する。コンバイナーから受けドラムのフルートへの移動は、例えば、紙巻たばこについて第US 5,327,803号に説明がある通り、スパイダー機構によっても実施されうる。次に、包まれたセグメントロッドは、コンバイナーからスパイダーアームで掴まれて、スパイダーアームによって傾斜器具内の受けドラムの溝に移動される。
【0078】
セグメントの軸は、コンバイナー内および傾斜器具内で処理されている間は実質的にその方向を維持するため、セグメントの軸は、コンバイナー5の長軸方向の動作経路の移動方向に対して平行であるが、傾斜器具6動作経路と直角をなす移動方向に対しては直角をなす。傾斜器具6は、それぞれの動作経路も相互に直角をなすように、コンバイナー5と直角をなすように配置されることが好ましい。これによって、セグメントの軸は常に同じ方向を向く。
【0079】
傾斜器具6では、包まれたセグメントロッド555は、第二のセグメント33を切断線200で切断することによって分割される。それによって、第二のセグメント33は、切断された2つの部分がプラグ3に対応するように半分に切断される。そのように切断された包まれたセグメントロッド555は、包まれたセグメントロッド555の長軸方向軸に沿って、分離装置(図示せず)によって分離される。そのように切断されて分離された予め包まれたセグメントロッド555間の空間に、第四のセグメント44が挿入される。第四のセグメントもまた二倍長のセグメントであり、それぞれの切断装置45内で傾斜器具6に供給される第四のロッド40から切断される。チッピングペーパー60の連続シートが供給され、切断装置65内で個別のチッピングラッパー断片64に切断される。チッピングラッパー64の断片は、第四のセグメント44の周りで、また切断された予め包まれたセグメントロッド555の2つの部分の一部の周りで包まれる。従って、これらの要素が相互に組み合わされて、図3に示す二倍製品655を形成する。この二倍製品はここで、二倍製品655を中間的に保管するためにバッファ8に搬送される。必要な時に、二倍製品655は、バッファ8を離れて切断装置7に搬送される。そこで、二倍製品655は第四のセグメント44を切断線300で切断することによって半分に切断される。これによって、図4に示す2つの単一の最終製品777が製造される。次に、全ての製品が同一の方向となるように、一つおきに単一製品を回転させうる。そのように整列され配向された製品は、例えば喫煙物品パックに直接など、製品を包装するためにパッカー75に搬送される。トレー81は、追加的にバッファ8に平行に提供されてもよい。トレー81上で、二倍製品は、(長期的に)保管して将来的に使用するため、またはバッファ8の容量を拡張するためのオーバーフローとしてのいずれかの目的で回収されうる。従って、搬送システムまたはバッファ8は、余分な二倍製品を分岐させるための手段を持つ。
【0080】
図5には、単一製品のための製造プロセスがコンバイナー5および傾斜器具6の配置内に示されており、ここで、コンバイナー5および傾斜器具6は、隣接しかつ相互に直角をなして配置されている。コンバイナー5内の直線の長軸方向の動作経路500および傾斜器具6内の直角をなす動作経路600も、相互に直角をなして配置されている。直角をなす動作経路600は、長軸方向の動作経路500が終わる場所から始まる。コンバイナー5は、3つの異なるセグメントを交互に長軸方向の動作経路500に供給してセグメントの流れを形成するための3つのホッパー55、56、57を備える。次に、セグメントの流れは、ラッパー58に包まれ、端のないセグメントロッドが形成される。端のないセグメントロッドはコントローラ59内で制御された後、ロッド切断装置101によって包まれたセグメントロッドに切断される。ロッド切断装置101は、長軸方向の動作経路500の横に配置された回転ナイフであることが好ましい。コントローラ59は、端のないセグメントロッド内でセグメントの位置を制御するために提供されうる。例えば、ロッドが切断される必要がある正確な位置を決定するためであり、例えば、ロッドがセグメント間でまたはセグメントを小さなセグメントに分割する位置で正確に切断されるよう確保するためである。次に、包まれたセグメントロッドは、それぞれがチッピング装置6の縦溝入り受けドラム65の溝に移動される。長軸方向の動作経路500は、実質的に直線の経路であり、ここでセグメントまたはセグメントの流れは、それぞれ、実質的に直線に沿って案内される。第一の動作経路500は、傾斜器具の縦溝入り受けドラム65内に延びる。長軸方向の動作経路は、ロッド切断装置101によって切断された包まれたセグメントロッドが、連続的な直線の動きで、長軸方向の動作経路に沿って縦溝入り受けドラムの溝内に長軸方向に移動されるように、縦溝入り受けドラム65の溝に平行に配置されることが好ましい。
【0081】
次に、包まれたセグメントロッドは、縦溝入り受けドラム65上で、例えば回転ナイフを備えた、製品切断装置201によって切断される。次に、切断された包まれたセグメントロッドの2つの部分は、分離用ドラム66の溝内に配置されている間に分離される。ホッパー41は、追加的なセグメント、好ましくは端のないセグメントロッドのセグメントとは異なるセグメントを、切断された包まれたセグメントロッドの2つの部分間に挿入する。追加的なセグメントは、二倍長のマウスピースであることが好ましい。切断された包まれたセグメントロッドと挿入された追加的なセグメントの2つの部分は、チッピング材料、例えば紙の断片によってチッパー67上で傾けられる。そのように組み合わされたセグメントは、二倍製品を形成する。傾斜器具6の端部で、形成された二倍製品はバッファ8に搬送される。バッファ8から、二倍製品は最終切断装置301に移動され、そこで二倍製品は2つの単一製品に切断される。その後に配置されている回転装置72では、すべての単一製品が同一の方向になるように、一つおきに単一製品が180度回転されるか、またはマスフローの1つの部分が搬送方向に沿って180度回転して案内される。次に、そのように配向された単一製品は、パッカー75に移動されて包装される。
【0082】
コンバイナー内、およびコンバイナーからチッピング装置への移動を含めた傾斜器具内では、包まれたセグメントロッドおよび二倍製品は、個別の製品フローに従い処理される。個別の製品フローでは、個別の製品に対する制御は、製造および加工ラインの任意の段階でなされる。例えば、製品の位置および整列状態は任意の時点で判明する。バッファ8では、製品は、マスフロー700に従い蓄えられ搬送される。マスフローでは、製品は一般的な移動方向に、かつそれに沿って搬送される。従って、マスフロー内での個別の製品の正確な位置はわからない。バッファ8は、例えばメンテナンスのため、例えば、上流または下流のいずれかの機械で工程速度の変化があった時に、マスフローの変化を収容しうる拡張可能なバッファセクション81を含む。その間に、拡張可能なバッファセクション81は搬送経路800に沿って搬入または搬出される。バッファ8を通したマスフロー700は、最終切断装置301で終わる。切断装置の後、回転装置75内で、および回転後、整列された単一製品は再び、マスフロー900に従いパッカー75の貯蔵部に搬送される。そこで、単一製品は、パッカー75に供給されるために貯蔵部内に回収されることが好ましい。図5では、個別の製品フローは実線で示され、マスフローは点線で示されている。
【0083】
図6は、図4に示す単一製品777などのエアロゾル発生物品の積み重ねの一部の側面図を示す。それぞれの単一製品777は、チッピングラッパー64によってマウスピース4に固定されたエアロゾル発生基体1を含む。チッピングラッパー64の厚さは、チッピングラッパー64の上流端640でのそれぞれの単一製品777の外径の段差変化をより明瞭に描写するために誇張されている。それぞれの単一製品777の質量中心14がチッピングラッパー64の上流に位置する結果、それぞれの単一製品777はその下にある単一製品777に対してある角度をなす。それぞれの個別の角度は比較的小さいものの、単一製品777の連続的な組の間の角度は、水平方向17に対してかなりの積み重ね角度16が積み重ねの上部に形成されるように、蓄積効果をもたらす。積み重ね全体の合計高さにわたり、例えば、垂直に積み重ねられたチャネル内では、積み重ね角度16は、積み重ねの上部で単一製品777が垂直の方向に傾くほど十分に大きい可能性があり、これが、特に単一製品777が個別の供給チャネルに達する場所であるバッファまたはホッパーの底部で、例えばバッファ内の詰まりを起こしかねない。
【0084】
基本的に、製品の詰まりのリスクは、マスフロー内の製品の搬送に限られている。ところが、二倍製品をマスフローバッファ8に蓄えることで、詰まり製品のリスクは製造ライン全体にわたり回避されるか最小限に保たれる。単一製品は、切断装置の後でマスフロー内に保たれるか、または包装前に恐らくはパッカーの貯蔵部内にのみ保たれる。ところが、パッカー貯蔵部内の単一製品の量は少ないため、その中での単一製品の詰まりリスクは最小となる。
【0085】
図1〜4で説明した過程および製品についての模範的データは次の通りである。
【0086】
120mmの長さを持つたばこロッド10は、24mmの長さの二倍セグメント11に切断される。次に、二倍長のセグメント11は、12mmの長さの最終プラグ1に切断される。
【0087】
96mmの長さを持つ中空の酢酸塩チューブロッド20が、8mmの長さのプラグ2に切断される。
【0088】
144mmの長さを持つ集合されたポリ乳酸シートのロッド30は、36mmの長さの二倍セグメント33に切断される。次に、二倍長のセグメント33は、18mmの長さの最終プラグ3に切断される。
【0089】
フィルターロッド40は、14mmの長さの二倍長のセグメント44に切断される。次に、二倍長のセグメント44は、7mmの長さの最終プラグ4に切断される。
【0090】
半製品555の長さは76mmである。二倍製品66の長さは90mmである。最終製品77は45mmの長さを持ち、許容範囲は±1mm未満、好ましくは±0.5mm以下である。最終製品の直径は約7.2mmである。
【0091】
最終製品は、たばこプラグ1、中空の酢酸塩チューブ2、集合されたポリ乳酸(PLA)プラグ3およびマウスピースプラグ4が一組となったものででき上がる。チッピングラッパー64は20mmの長さを持ち、マウスピースプラグ4の全長およびPLAプラグ3の一部を覆う。
【0092】
長軸方向の動作経路に沿ったセグメントの流れの移動速度は毎分380メートルで、半製品555の製造速度は毎分約5000としうる。毎分約10,000個の最終製品777が製造されうるように、二倍製品655の製造速度も毎分約5000としうる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】