特表2017-532148(P2017-532148A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-532148ローイングエクササイズ装置及びこの装置を使用する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-532148(P2017-532148A)
(43)【公表日】2017年11月2日
(54)【発明の名称】ローイングエクササイズ装置及びこの装置を使用する方法
(51)【国際特許分類】
   A63B 23/00 20060101AFI20171006BHJP
   A63B 23/035 20060101ALI20171006BHJP
   A63B 22/12 20060101ALI20171006BHJP
【FI】
   A63B23/00 G
   A63B23/035 A
   A63B22/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-522193(P2017-522193)
(86)(22)【出願日】2015年10月9日
(85)【翻訳文提出日】2017年6月7日
(86)【国際出願番号】US2015055010
(87)【国際公開番号】WO2016064605
(87)【国際公開日】20160428
(31)【優先権主張番号】62/066,731
(32)【優先日】2014年10月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/878,157
(32)【優先日】2015年10月8日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516115197
【氏名又は名称】トータル ジム グローバル コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Total Gym Global Corp.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ジェイ・カンパナーロ
(72)【発明者】
【氏名】ジェシー・トーマス・カンパナーロ
(72)【発明者】
【氏名】ダン・マカッチョン
(57)【要約】
ローイングエクササイズ装置は、支持構造体と、支持構造体に対して移動させるために支持構造体に可動に設けられた可動ユーザ支持体と、支持構造体に対して移動させるために支持構造体に可動に設けられた可動足支持体と、ハンドルと、ハンドルと少なくとも可動足支持体とに動作式に設けられ、ハンドルの移動により、少なくとも可動足支持体を支持構造体に対して移動させ、それにより、ユーザの体と片足または両足とが、ハンドルの移動により、支持構造体に対して移動する、ローイング組立体と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持構造体と、
前記支持構造体に対して移動させるために前記支持構造体に可動に設けられた可動ユーザ支持体と、
前記支持構造体に対して移動させるために前記支持構造体に可動に設けられた可動足支持体と、
ハンドルと、
前記ハンドルと少なくとも可動足支持体とに動作式に設けられ、前記ハンドルの移動により、少なくとも前記可動足支持体を前記支持構造体に対して移動させ、それにより、ユーザの体及び足双方が、前記ハンドルの移動により、前記支持構造体に対して移動する、ローイング組立体と、
を備えることを特徴とするローイングエクササイズ装置。
【請求項2】
前記可動ユーザ支持体及び前記可動足支持体が、互いに独立していることを特徴とする請求項1に記載のローイングエクササイズ装置。
【請求項3】
前記支持構造体が、1以上の傾斜レールを有し、それにより、エクササイズ抵抗が、少なくとも部分的に、ユーザの体重によって提供されることを特徴とする請求項1に記載のローイングエクササイズ装置。
【請求項4】
1以上の前記傾斜レールが、全体的に直線状である、部分的に曲がっている、一定である及び調節可能である、のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項2に記載のローイングエクササイズ装置。
【請求項5】
前記ローイング組立体が、前記ハンドルに動作式に設けられた、1以上のケーブル、1以上のプーリ、1以上のレバー、1以上のカム及び1以上のギアのうちの少なくとも1つと、少なくなくとも前記可動足支持体と、を有し、前記ハンドルの移動を用いて、求心性及び遠心性エクササイズを提供することを特徴とする請求項1に記載のローイングエクササイズ装置。
【請求項6】
前記可動ユーザ支持体が、シート、滑動板及び滑動台のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載のローイングエクササイズ装置。
【請求項7】
前記支持構造体が、両端部を有する1以上のレールであり、前記可動足支持体が、前記両端部のうちの一方に隣接して1以上の前記レールにロック可能であり、それにより、当該ローイングエクササイズ装置のうち前記可動足支持体に隣接している端部を下にして当該ローイングエクササイズ装置を立たせることによって、当該ローイングエクササイズ装置を格納可能とすることを特徴とする請求項1に記載のローイングエクササイズ装置。
【請求項8】
前記ハンドルが、それぞれがユーザの各手用である一対のハンドルを有することを特徴とする請求項1に記載のローイングエクササイズ装置。
【請求項9】
前記可動足支持体が、それぞれがユーザの各足用である一対の可動足支持体を有することを特徴とする請求項1に記載のローイングエクササイズ装置。
【請求項10】
前記ローイング組立体が、1以上の抵抗増加機構を有し、当該ローイングエクササイズ装置でのローイングエクササイズ抵抗を増加させることを特徴とする請求項1に記載のローイングエクササイズ装置。
【請求項11】
1以上の前記抵抗増加機構が、1以上のバネと、1以上の弾性構造体と、1以上のウエート保持構造体及び1以上のウエートと、を有することを特徴とする請求項10に記載のローイングエクササイズ装置。
【請求項12】
前記ローイング組立体が、1以上の動作抵抗機構を有することを特徴とする請求項1に記載のローイングエクササイズ装置。
【請求項13】
1以上の前記動作抵抗機構が、1以上のフライホイール、1以上の電磁装置、1以上の油圧装置、1以上の空圧装置、1以上の摩擦装置、及び、1以上の螺旋巻回プーリを有することを特徴とする請求項1に記載のローイングエクササイズ装置。
【請求項14】
柱と、前記ハンドル及び前記ローイング組立体に動作式に設けられ、前記柱を通して延在する少なくとも1つのケーブルと、をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のローイングエクササイズ装置。
【請求項15】
前記柱が、垂直柱、角度付柱及び長い柱のうちの少なくとも1つのであることを特徴とする請求項14に記載のローイングエクササイズ装置。
【請求項16】
請求項1に記載のローイングエクササイズ装置を用いて漕ぐ方法であって、
乗降位置で、前記可動ユーザ支持体を用いて前記可動ユーザ支持体上で人の体を支持するステップと、
乗降位置で、人の脚を前記可動足支持体上で曲げた状態で、前記可動足支持体を用いて人の脚を受けるステップと、
人の腕をほぼ真っ直ぐにした状態で、前記ハンドル組立体を用いて人の手を受けるステップと、
を備え、
前記ローイング組立体が、人が手で前記ハンドル組立体を引っ張って人の腕を曲げることによって、前記支持構造体に対して、人の脚を受けている前記可動足支持体を前記乗降位置から最終位置まで移動させ、求心性ローイングエクササイズを提供し、
前記可動足支持体が移動するにしたがって人が脚を伸ばすことによって、前記乗降位置から前記最終位置まで移動している前記可動ユーザ支持体が、前記可動ユーザ支持体を前記可動足支持体から離間するように移動させること、を特徴とする方法。
【請求項17】
前記ローイング組立体が、前記支持構造体に対して、人の足を受けている前記可動足支持体を前記最終位置から前記乗降位置まで移動させ、人の腕を真っ直ぐにしつつ手で前記ハンドル組立体を保持することによって、遠心性ローイングエクササイズを提供し、
前記可動足支持体が移動するにしたがって人の脚を曲げることによって、前記最終位置から前記乗降位置まで移動している前記可動ユーザ支持体が、前記可動ユーザ支持体を前記可動足支持体に向けて移動させること、を特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記支持構造体が、水平面に対して傾斜しており、それにより、前記ローイングエクササイズ装置の求心性及び遠心性ローイングエクササイズ双方が、ほぼ全体重抵抗によって提供されていることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローイング(rowing)エクササイズ装置に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明の一態様は、ローイングエクササイズ装置に関する。ローイングエクササイズ装置は、支持構造体と、支持構造体に対して移動させるために支持構造体に可動に設けられた可動ユーザ支持体と、支持構造体に対して移動させるために支持構造体に可動に設けられた可動足支持体と、ハンドルと、ハンドルと少なくとも可動足支持体とに動作式に設けられ、ハンドルの移動により、少なくとも可動足支持体を支持構造体に対して移動させ、それにより、ユーザの体と両足との双方が、ハンドルの移動により、支持構造体に対して移動する、ローイング組立体と、を備える。
【0003】
すぐ前で説明した本発明の一態様にかかる1以上の実施は、以下のもののうちの1以上を有する。可動ユーザ支持体及び可動足支持体は、互いに独立している。支持構造体は、1以上の傾斜レールを有し、それにより、エクササイズ抵抗は、少なくとも部分的に、ユーザの体重によって提供される。1以上の傾斜レールは、全体的に直線状である、部分的に曲がっている、一定である及び調節可能である、のうちの少なくとも1つである。ローイング組立体は、1以上のケーブルと1以上のプーリとのうちの少なくとも一方を有しており、1以上のレバーを有しても有さなくてもよく、1以上のカムを有しても有さなくてもよく、ハンドル及び少なくとも1つの可動足支持体に動作式に設けられた1以上のギアを有しても有さなくてもよく、ハンドルの移動を用いて求心性(concentric)及び遠心性(eccentric)エクササイズを提供する。可動ユーザ支持体は、シート、滑動板及び滑動台のうちの少なくとも1つである。支持構造体は、両端部を有する1以上のレールであり、可動足支持体は、両端部のうちの一方に隣接して1以上のレールにロック可能であり、それにより、ローイングエクササイズ装置は、可動足支持体に隣接するその端部を下にして立たせることによって、格納され得る。ハンドルは、一対のハンドルを有し、それぞれは、ユーザの各手用である。(堅固に接続されたバー状ハンドルに限定されない。ケーブルにある独立したハンドルであり得る。)可動足支持体は、一対の可動足支持体(例えば自転車の足ペダルのような足ペダル)を有し、それぞれは、ユーザの各足用である。ローイング組立体は、両端部がハンドルでまたはシートでまたは足支持体でまたはレール支持構造体のうちの1以上で終端した1以上のケーブルを有する。1以上のケーブルは、同様に、一端部を移動するハンドルまたは台それぞれへ終端し得る。1以上のケーブルは、フレームから足支持体へ、ハンドルへそしてシートに戻るループを有する。ローイング組立体は、ローイングエクササイズ装置のローイングエクササイズ抵抗を増加させるための1以上の抵抗増加機構を有してもよいまたは有さなくてもよい。1以上の抵抗増加機構には、1以上のバネと、1以上の弾性構造体と、1以上のウエート保持構造体及び1以上のウエートと、が挙げられる。ローイング組立体は、1以上の動作抵抗機構を有する。1以上の動作抵抗機構には、1以上のフライホイール、1以上の電磁装置、1以上の油圧装置、1以上の圧空装置、1以上の摩擦装置、及び、1以上の螺旋巻回プーリが挙げられる。柱及び少なくとも1つのケーブルは、ハンドルと柱を通って延在するローイング組立体とに動作式に設けられている。柱は、垂直柱、角度付柱、及び、長い柱のうちの少なくとも1つである。ローイングエクササイズ装置を用いて漕ぐ方法は、乗降位置で、可動ユーザ支持体を用いて可動ユーザ支持体上で人の体を支持するステップと、乗降位置で、人の両脚を可動足支持体上で曲げた状態で、可動足支持体を用いて人の両脚を受けるステップと、人の両腕をほぼ真っ直ぐにした状態で、ハンドル組立体を用いて人の両手を受けるステップと、を備え、ローイング組立体が、人が両手を用いてハンドル組立体を引っ張って人の両腕を曲げることによって、支持構造体に対して、人の両脚を受けている可動足支持体を乗降位置から最終位置まで移動させ、求心性ローイングエクササイズを提供し、可動足支持体が移動する際に人が両脚を伸ばすことによって、乗降位置から最終位置まで移動している可動ユーザ支持体が、可動ユーザ支持体を可動足支持体から離間するように移動させる。この方法は、さらに、ローイング組立体が、支持構造体に対して、人の両足を受けている可動足支持体を最終位置から乗降位置まで移動させ、人の両腕を真っ直ぐにしつつ両手でハンドル組立体を保持することによって、遠心性ローイングエクササイズを提供し、可動足支持体が移動するにしたがって人の両脚を曲げることによって、最終位置から乗降位置まで移動している可動ユーザ支持体が、可動ユーザ支持体を可動足支持体に向けて移動させる。支持構造体は、水平面に対して傾斜しており、それにより、ローイングエクササイズ装置の求心性及び遠心性ローイングエクササイズ双方は、ほぼ全体重抵抗によって提供されている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】一実施形態にかかるローイングエクササイズ装置を示す前方斜視図である。
図2図1のローイングエクササイズ装置を示す頂面図である。
図3図1のローイングエクササイズ装置を示す底面図である。
図4図1のローイングエクササイズ装置を示す後面図である。
図5図1のローイングエクササイズ装置を示す正面図である。
図6図1のローイングエクササイズ装置を示す右側面である。
図7A】高傾斜構成にある図1のローイングエクササイズ装置を示す左側面である。
図7B】低傾斜構成にある図1のローイングエクササイズ装置を示す左側面である。
図8】搬送/梱包構成で示したローイングエクササイズ装置を示す左側面図である。
図9】格納構成で示したローイングエクササイズ装置を示す左側面図である。
図10図1のローイングエクササイズ装置のローイングシステムの構成部材を示す斜視図であって、下側開始位置にあるユーザを示す、図である。
図11図1のローイングエクササイズ装置のローイングシステムの構成部材を示す斜視図であって、上側最終位置にあるユーザを示す、図である。
図12】一実施形態にかかるローイングエクササイズ装置を示す簡略図である。
図13】一実施形態にかかる可変傾斜レールを有するローイングエクササイズ装置を示す簡略化した右側面図である。
図14】1以上の実施形態にかかるローイングエクササイズ装置のローイング組立体を示す簡略図である。
図15】1以上の実施形態にかかるローイングエクササイズ装置の可動ユーザ支持体を示す簡略図である。
図16】1以上の実施形態にかかるローイングエクササイズ装置の可動足支持体を示す簡略図である。
図17】1以上の実施形態にかかるローイングエクササイズ装置の支持構造体を示す簡略図である。
図18】別の実施形態にかかるローイングエクササイズ装置の構成部材を示す斜視図であって、いくつかの構成部材が下側開始位置にあることを示す、図である。
図19図18のローイングエクササイズ装置の構成部材を示す斜視図であって、いくつかの構成部材が上側最終位置にあることを示す、図である。
図20】別の実施形態にかかるローイングエクササイズ装置を示す側面図であって、ローイングエクササイズ装置が図9と比較して別の格納構成にあることを示し、格納したハンドルを示す、図である。
図21】別の実施形態にかかるローイングエクササイズ装置の構成部材を示す斜視図であって、ローイングエクササイズ装置のケーブルがハンドル組立体以外の場所に終端していることを示す、図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
最初に図1から図7Bを参照して、一実施形態にかかるローイングエクササイズ装置105を説明する。
【0006】
ローイングエクササイズ装置105は、可動ユーザ支持体(例えばシート)155を備え、この支持体は、ローラ231を介して支持構造体154に転がり可能に取り付けられた下側の相対的に平坦なセクション210及びある角度付セクション212を有する。支持構造体154は、一対の傾斜レール156を有しており、これら傾斜レールは、傾斜レールの下側端部においてクロスバー158に固定されており、調節可能支持組立体55によって選択した傾斜角度で傾斜した方向付けで支持されている。
【0007】
調節可能支持組立体55は、レール156を支持しており、調節可能であり、それにより、レール156は、所望の傾斜角度(例えば高傾斜(図7A)、低傾斜(図7B))で延在して所望の抵抗を提供する。調節可能支持組立体55は、脚56と、脚56間に延在するクロスバー62と、を備える。その上側端部において、調節可能支持組立体55は、回動軸63においてレール156に回動可能に接続されている。ノブ66によって作動されるバネ負荷ロックピン157は、所望の傾斜角度で調節可能支持組立体55をロックするために使用される。ユーザは、単に、ノブ66を作動させてロックピン157を解放し、その後、調節可能支持組立体55の角度を調節し、そして、ノブ66を解放して調節可能支持組立体55を所望の傾斜角度でロックし得る。
【0008】
エクササイズ装置105の反対側の端部には、クロスバー158がレール156の下側端部に連結されている。クロスバー158は、車輪159を有しており、ユーザがエクササイズ装置105を部屋中で転がすことを可能とする。車輪159は、折畳サスペンション車輪組立体の一部であり得、サスペンション車輪159は、各別のバネ組立体によって支持支柱に対して下方に付勢され、それにより、車輪159は、一致して上下動する。サスペンション車輪159は、ユーザがエクササイズ装置105上にいるときにはクロスバー158内へ上方に後退するが、ユーザがエクササイズ装置105上にいないときには下方へ配置される。車輪159を展開すると、ユーザは、エクササイズ装置105の反対側を持ち上げてエクササイズ装置105を引っ張ってまたは押してエクササイズ装置105を部屋中で転がすことによって、エクササイズ装置105を部屋中で滑らせ得るまたは転がし得る。
【0009】
ユーザ242を図示しローイングエクササイズ装置105の多くの構成部材を図示していない図10及び図11をさらに参照して、ローイング組立体220を説明する。ローイング組立体220は、固定上側プーリ222と、固定上側支持体224に固定されたケーブル238の一端部と、を有する。図18及び図19は、固定上側支持体224に替えてシート/往復台の前方のところにケーブルの一端部を固定することを示す。可動足支持体(例えば足往復台)230は、ローラ232を介してレール156に沿って移動する。図11において最もよく図示するように、1以上のバネ233は、一端部において可動足支持体230の底面に、反対側の端部においてクロスバー158に、接続されている。1以上のバネ233は、特に図11に示す運動範囲の端部において、ローイング抵抗を増加させる。可動足支持体230は、角度付支持塔/柱234を有する。角度付支持塔234は、第2プーリ236及び頂部/第3プーリ239を収容し、一対の固定外側足プレート/ペダル165を塔234の両側で支持し、コンピュータディスプレイ組立体237を支える。別の実施形態において、足プレート165は、傾け可能であり、それにより、角度は、足プレート165上にあるユーザの両足の向きで自由に調節されて踵を曲げることを可能とする。ディスプレイ組立体237は、基本メトリックス(例えば時間、速度、距離)を表示する。一実施形態では、図10における第3プーリ239に磁石を設けることによって、速度がディスプレイ組立体237内のセンサによって判断される。別のまたはさらなる実施形態では、図10における第3プーリ239に一対の磁石を設けることによって、ストローク長さが(同様に)ディスプレイ組立体237にある一対のセンサによって判断される。別のまたはさらなる実施形態では、負荷センサを固定上側プーリ222に設けることによって、他の測定情報と併せて、消費カロリーが判断されてディスプレイ組立体237に表示される。ケーブル238は、プーリ222、236を通って延在しており、一端部においてハンドル組立体240を有し、反対側の端部において可動足支持体230に接続されている。ハンドル組立体240は、図示のような単一の直線状バーハンドル、単一の湾曲ハンドル、それぞれが各手のためのものである(例えば別個のケーブルを有する)一対の別個のハンドル、または、他の漕ぐタイプのハンドルであり得る。
【0010】
図10及び図11をさらに参照して、使用時のローイングエクササイズ装置105を説明する。図10において、可動ユーザ支持体155は、乗/降位置で示されている。乗/降位置は、ユーザ242がローイングエクササイズ装置105に座ってローイングトレーニングセッションを開始し、ローイングセッションを完了した後にエクササイズ装置105から降りる場合の可動ユーザ支持体155と可動足支持体230との位置である。図10に示す乗/降位置において、ユーザ242は、うずくまった姿勢にあり、両脚/両膝は、実質的に曲がり、両腕は、両手がハンドル組立体240を保持した状態でほぼ真っ直ぐであり、胴は、レール156に対してほぼ垂直である。漕ぐために、ユーザは、後方へ体を傾け、ハンドル組立体240(及びケーブル238)を胴に向けて引き、両足で足プレート165を押して両脚を真っ直ぐにする。図11に示すように、ケーブル238が固定長であるので、ハンドル組立体240と可動足支持体230との間のケーブル238の長さが増加するにしたがって、固定上側プーリ222と可動足支持体230との間のケーブル238の長さは減少し、ユーザがハンドル組立体240/ケーブル238を引っ張る速度に比例した速度で、可動足支持体230を傾斜レール156上で上方に移動させる。調節され得るレール156の角度は、図7A及び図7Bに示すように、ユーザ242が可動足支持体230、ユーザ242及び可動ユーザ支持体155を図11に示す最終位置まで傾斜レール156上で上へ引っ張って打ち勝たなければならない抵抗量(ユーザの体重の割合)を決定する。図11の最終位置で示すように、従来の平らな/水平なローイング機械とは異なり、ローイングエクササイズ装置105が傾いている性質により、ユーザの胴を(従来の平らな/水平なローイング機械と比較して)より後方へ傾けるので、ユーザの背中に関してより良好な漕ぐ姿勢をできるようにする。
【0011】
図10に示す乗/降位置に戻すため、ユーザ242は、同時に、両腕を伸ばし、胴を前方に曲げ、両脚を曲げる。これにより、ハンドル組立体240と可動足支持体230との間のケーブル238の長さを減少させ、固定上側プーリ222と可動足支持体230との間のケーブル238の長さを増加させ、可動足支持体230を図9に示す位置まで傾斜レール156で下方へ移動させる。ユーザ242が漕ぐにしたがって、傾斜レール156で上下動し、ユーザ242は、実質的な抵抗が引っ張るときにのみ生じる従来の平らな/水平なローイング機械とは異なり、引っ張る(レール156上で上方移動する)ときと戻る(レール156で下方移動する)ときとの双方でほぼ同じ量の抵抗を受ける。このため、ローイングエクササイズ装置105は、遠心性及び求心性双方の抵抗を用いた唯一の全体重抵抗型のローイング機械という点で、独自である。漕いでいる間、足プレート165がレール156上を上下動しているので、ユーザの両足は、移動している。レール156上を上下動するユーザの移動は、ユーザ242に独特な「乗り心地(riding)」経験を与える。
【0012】
図8は、搬送/梱包構成(例えばローイングエクササイズ装置105を搬送する/輸送するための構成)にあるローイングエクササイズ装置105を示す。この構成において、角度付支持塔234は、レール156とほぼ平行であり、ディスプレイ組立体237は、下向きに配設されている。
【0013】
図9は、格納構成にあるローイングエクササイズ装置105を示しており、この格納構成において、ローイングエクササイズ装置105は、クロスバー158及び角度付支持塔234の上側端部によって水平面で支持されている。この構成において、調節可能支持組立体55は、支持レール156に隣接するようにかつ支持レールと平行になるように前方へ回動されてロックされる。
【0014】
図20は、別のローイングエクササイズ装置格納構成を示しており、この格納構成において、ローイングエクササイズ装置は、調節可能支持組立体と(1以上の)レールの端部とによって水平面で支持されている。
【0015】
ローイングエクササイズ装置105は、過去のローイングエクササイズ装置と比較して、複数の利点を提供する。
【0016】
1.2つの独立したスライド可能な/転がり可能な/可動な支持台(例えば傾斜レール上にあるシート155、可動足支持体230)は、ハンドル運動から両足運動への任意の比率または可変比率で、両足及びシートにおける相対身体位置の運動を介して、共に動作し、抵抗を提供する。これは、任意の数のケーブル、プーリ、レバー及び任意の組合せによって実現され得る。
【0017】
2.全身の運動(漕ぐ運動中に身体が動くことに加えて足が動く)は、より楽しく、両足の位置を固定している漕ぎ手よりもより刺激的な感覚を提供する。
【0018】
3.ローイングエクササイズ装置105での求心性及び遠心性エクササイズは、両足の位置を固定している漕ぎ手の運動を模倣している典型的な求心性のみの反復運動よりも健康的である。
【0019】
4.人の体重を抵抗として有するまたは有さないにかかわらず、求心性及び遠心性負荷双方を有する唯一のローイング機械である。
【0020】
さらに図12から図20を参照すると、1以上の実施形態及び/または実施にかかるローイングエクササイズ装置105は、以下のもののうちの1以上を有する。可動ユーザ支持体155は、シート、滑動板または滑動台である。レール156は、単独レール、一対のレールまたは他の数のレールである。レール156は、可変斜面上での抵抗を変化させるために湾曲している(例えば、エクササイズに関する進行が、さまざまなユーザに関してレールのさまざまな点でさまざまな傾斜上でなされることを可能とする。)支持組立体55は、調節可能ではない(例えば、固定した傾斜)。固定した傾斜の構成に関して、クロスバー158にある車輪159は、後脚56を地面から離れるように上昇させると係合するように取り付けられ得、ローイングエクササイズ装置105を別の場所まで転がす。クロスバー158は、車輪159を有していない。図9に示すように、ローイングエクササイズ装置105は、装置の端部を下にして立たせることによって、格納される。ローイングエクササイズ装置105は、足プレート/ペダル165をレール156に沿う最適位置でロックするためのロック250を有し、格納するために、ローイングエクササイズ装置105をその端部を下にして立たせる。図20を参照すると、ハンドル組立体240は、同様に、より小型な水平格納のために及びより容易な搬送のためにローイングエクササイズ装置が格納構成にあるときに、足プレート/ペダル165のうちの一方または双方を保持するために使用され得る。ローイング組立体220は、1以上の上側プーリ222を有し得る。ローイング組立体220は、複数のプーリ(例えばより多いまたはより少ないプーリ)、プーリ構造、プーリ配置及び/または図示したもの以外のリンケージの組合せを有し得、固定フレーム/レール156、足プレート/ペダル165、可動ユーザ支持体155及びハンドル組立体240間に異なる運動比を形成する。これらは、同様に、可動ユーザ支持体155と両足との間にかかる負荷を変化させてエクササイズの効率を上げる。ローイング組立体220は、ユーザ242がハンドル組立体240/ケーブルを引く速度と傾斜レール156上を上方へ移動する可動足支持体230の速度との比率を任意の比率へ調節するように、構成され得る。ローイング組立体220は、プーリ260、ケーブル270、カム280、レバー290、ギア300または他の機構の組合せを有し得、2つの人的押付点の相対運動を達成し、これら2つの人的押付点は、シート及び両足と、図18及び図19に示す実施形態にかかるローイングエクササイズ装置で示すように、2つのケーブル238及び別個のハンドル240と一致してまたは単独で片手または両手を用いた2つの引張点と、である。別個のハンドル240それぞれは、ローイング組立体220の別個のケーブルに対応し得る、または、ハンドル240それぞれは、ローイング組立体220の単一のケーブルに結合する別個のケーブル/リンクに取り付けられ得る。これら組合せは、快適で安全かつ有益なエクササイズ抵抗を形成する。これら組合せは、3つの負荷点のいずれかによって抵抗をより大きくするまたは小さくするために、ユーザによって変更され得るまたは選択され得る。図21に示すように、ケーブル238は、ハンドル組立体240以外の場所で終端し得る。バネ233は、捩れバネ、引張コイルバネ及び/または圧縮バネのような任意のタイプのバネであり得る。これにより、ユーザが運動範囲の端部でより大きな力を実現することをいくらか補助するが、これは、ユーザの背の高さによる。あるいは、ローイング組立体220は、1以上のバネ233を有さない。ローイング組立体220は、1以上のウエート抵抗機構306を有し、抵抗を増加させるまたは変化させる。例えば、ローイング組立体220は、さまざまな移動構造体(例えば可動ユーザ支持体155及び/または可動足支持体230)及び固定フレーム/レール156に対して、バネ(例えば捩れバネ、引張コイルバネ、圧縮バネ)133、バンジー弾性コード、または、バネとして/バネのように使用される1以上の他の材料(例えばエアバッグなど)を有し得る。バンジー抵抗は、運動に合わせられているまたは運動にわたって固定されているすなわち一定である。バンジー抵抗は、ローイングエクササイズ装置105に乗っているまたは装置から降りている間に、より多いまたはより少ない数のバンドを選択することによって、ユーザにより変化される。バンジー抵抗は、レバーまたは他の制御装置を用いて伸長距離または梃作用を調節することによって、変化される。ローイング組立体220は、フライホイール330、電磁装置340、油圧装置350、圧空装置360及び/または摩擦装置370のような1以上の動的速度異存力生成装置(すなわち動作抵抗機構)320を有し得、水面で漕ぐ/ボート遊びをするような水の抵抗を正確に複製する。ローイング組立体220は、可動ユーザ支持体155の後方にかつ/または可動ユーザ支持体の側面に沿って、ウエート/ウエート保持構造体(ウエート/保持体)380(例えばポケットまたは他のウエート保持構造体)を有し得、重量を加えて両脚にさらに負荷を生じさせる。ローイング組立体220は、足プレート/足ペダルの後方に、前方に、かつ/または足プレート/足ペダルの側面に沿って、ウエート/ウエート保持構造体(ウエート/保持体)380を有し得、両腕にさらに負荷を生じさせる。ローイング組立体220は、螺旋巻回プーリ390を有し得、可変抵抗を提供するためにストロークの関数として比率を変化させる。頂部ハンドル/第3プーリ239は、柱を有さない、または、垂直柱、角度付柱もしくは長い柱を有する。ハンドル組立体240は、角度付支持塔234から緩くぶら下がっている。角度付支持塔234は、不使用時にハンドル組立体240を収容するキャッチを有する。レール156の上側端部は、単一のまたは二重の支柱/脚支持組立体55によって支持されており、この支持組立体は、調節可能であり得るまたは固定され得る。傾斜レール156は、複式、単式及び/または湾曲型である。レールは、同様に、水平であり得る。水平配向において、抵抗全ては、体重を除く本明細書で述べた手段の任意の組合せによって形成される。ローイングエクササイズ装置105は、コンピュータ/コンピュータディスプレイ組立体237を有し、この組立体は、同様に、本明細書で述べたメトリックスすべてを表示する。コンピュータディスプレイ組立体237は、角度付支持塔/柱234にある、または、ハンドル組立体240が偶発的に飛ぶことに対して保護するために下側位置に配設されている。可動ユーザ支持体155は、2つのパッド付面、1つのパッド及び1つの発泡体、または、プラスチック背部支持体を有して形成されている。可動ユーザ支持体155は、ケーブル238に接続され得、そのため、可動ユーザ支持体は、ケーブル238によって可動足支持体230に向けて引っ張られる。
【0021】
上記図面は、本発明に関する例示的な構成を図示しており、図面は、本発明に含まれ得る特徴及び機能性を理解する際に補助するようになっている。本発明は、図示した構造または構成に限定されないが、さまざまな別の構造及び構成を用いて実施され得る。さらに、さまざまな例示的な実施形態及び実施例に関して本発明を上述したが、理解すべきことは、さまざまな特徴及び機能性を個別の実施形態のうちの1以上で説明し、これら個別の実施形態を用いて、さまざまな特徴及び機能性を説明したが、これに替えて、このような実施形態を説明したか及びこのような特徴が説明した実施形態の一部として提示されているかにかかわらず、単独でまたは組み合わせて、さまざまな特徴及び機能性を本発明にかかる別の実施形態のうちの1以上に適用し得ること、である。このため、本発明の大きさ及び範囲は、特に以下の特許請求の範囲において、上述した例示的な実施形態のいずれにも限定されないべきである。
【0022】
本明細書で使用した用語及び語句並びにその変形物は、他の方法で明確に述べない限り、限定することとは反対にオープンエンドとして解釈されるべきである。前述の例として、用語「有する」は、「これに限らず、有する」などを意味するように読まれるべきであり、用語「例」は、検討している例示的な事例ではあるが排他的な事例または事例の限定的なリストを提供するために使用され、「慣行の」、「従来の」、「標準的な」、「公知の」及び同様の意味の用語のような形容詞は、所定の時点までに説明された事項にまたは所定の時点で利用可能な事項に限定されると解釈されないべきであるが、その替わりに、現在または未来の時点で利用可能であり得る慣行の、従来の、通常の、または標準的な技術を包含すると読むべきである。同じく、接続詞「及び(and)」で連結された一群の用語は、これら用語それぞれまたはこれら用語全てがグループの中にあることを必要とするように読むべきではなく、むしろ、他の方法で明確に述べていない限り、「及び/または(and/or)」として読むべきである。同様に、接続詞「または(or)」で連結された一群の用語は、そのグループの中で相互に排他的であることを必要とするように読むべきではなく、むしろ、他の方法で明確に述べていない限り、「及び/または(and/or)」として読むべきである。さらに、本開示の事項、要素または構成部材を単数形で説明し得るまたは請求項に記載し得るが、複数形は、単数形に限定することを明確に述べない限り、本開示の範囲内にあると意図される。いくつかの事例において「1以上」、「少なくとも」、「限定されないが」または他の同様の語句のような広げる言葉及び語句があることは、このような広げる語句がなくてもよい場合に、狭くする場合を意図しているまたは必要とすることを意味していると読まないべきである。
【符号の説明】
【0023】
55 調節可能支持組立体,脚支持組立体,支持組立体、56 後脚,脚、62 クロスバー、63 回動軸、66 ノブ、105 ローイングエクササイズ装置,エクササイズ装置、133 バネ、154 支持構造体、155 可動ユーザ支持体,シート、156 支持レール,傾斜レール,レール、157 バネ負荷ロックピン,ロックピン、158 クロスバー、159 サスペンション車輪,車輪、165 足プレート,ペダル、210 セクション、212 角度付セクション、220 ローイング組立体、222 固定上側プーリ,上側プーリ,プーリ、224 固定上側支持体、230 可動足支持体、231 ローラ、232 ローラ、233 バネ、234 角度付支持塔,塔,柱、236 第2プーリ,プーリ、237 コンピュータディスプレイ組立体,ディスプレイ組立体、238 ケーブル、239 第3プーリ、240 ハンドル組立体,ハンドル、242 ユーザ、250 ロック、260 プーリ、270 ケーブル、280 カム、290 レバー、300 ギア、306 ウエート抵抗機構、320 動的速度異存力生成装置、330 フライホイール、340 電磁装置、350 油圧装置、360 圧空装置、370 摩擦装置、380 ウエート保持構造体、390 螺旋巻回プーリ
図1
図2
図3
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図5
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図7B
図8
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図10
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図20
図21
【国際調査報告】