(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-532246(P2017-532246A)
(43)【公表日】2017年11月2日
(54)【発明の名称】車両のパワートレインを制御するための方法
(51)【国際特許分類】
B60W 10/04 20060101AFI20171006BHJP
B60W 10/11 20120101ALI20171006BHJP
F16H 59/70 20060101ALI20171006BHJP
F16H 61/02 20060101ALI20171006BHJP
F16H 61/682 20060101ALI20171006BHJP
F16H 63/50 20060101ALI20171006BHJP
F16H 61/16 20060101ALI20171006BHJP
B60W 10/06 20060101ALI20171006BHJP
B60W 10/08 20060101ALI20171006BHJP
B60K 6/48 20071001ALI20171006BHJP
B60K 6/547 20071001ALI20171006BHJP
B60W 20/11 20160101ALI20171006BHJP
B60W 20/30 20160101ALI20171006BHJP
B60W 10/10 20120101ALI20171006BHJP
【FI】
B60W10/00 108
F16H59/70
F16H61/02
F16H61/682
F16H63/50
F16H61/16
B60W10/06
B60W10/11
B60W10/08
B60K6/48ZHV
B60K6/547
B60W10/06 900
B60W10/08 900
B60W20/11
B60W20/30
B60W10/10 900
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-518896(P2017-518896)
(86)(22)【出願日】2014年10月9日
(85)【翻訳文提出日】2017年5月22日
(86)【国際出願番号】EP2014025008
(87)【国際公開番号】WO2016055083
(87)【国際公開日】20160414
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】512272672
【氏名又は名称】ボルボトラックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100087505
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(72)【発明者】
【氏名】カールソン,ラルス
(72)【発明者】
【氏名】ビャーネトゥン,ジョアン
(72)【発明者】
【氏名】エリクソン,アンダース
【テーマコード(参考)】
3D202
3D241
3J552
【Fターム(参考)】
3D202AA08
3D202BB01
3D202BB14
3D202BB15
3D202BB32
3D202CC72
3D202DD02
3D202DD32
3D202DD50
3D202FF09
3D202FF13
3D241AA48
3D241AB00
3D241AC15
3D241AD10
3D241AD47
3D241AD51
3D241AE02
3D241AE07
3D241AE32
3J552MA05
3J552MA13
3J552NA01
3J552NB01
3J552NB05
3J552NB08
3J552PA19
3J552PA32
3J552PA51
3J552PA54
3J552RA04
3J552RB15
3J552SB19
3J552SB31
3J552TA10
3J552TB13
3J552UA08
3J552VA74W
3J552VB04W
3J552VC02W
(57)【要約】
本発明は、加速時に車両のパワートレインを制御するための方法に関する。パワートレインは、推進装置と、推進装置に駆動可能に接続されたマルチクラッチ・トランスミッションと、少なくともパワートレインのコンポーネントを制御するための制御装置と、を備える。制御装置は、マルチクラッチ・トランスミッションの少なくとも1つの疑似シフトシーケンスを含む予測モデルを有する。上記方法は、パワートレインの少なくとも1つの操作パラメータを監視することと、予測モデルを用いて第1パワーアップシフトの開始とそれに続く第2パワーアップシフトの開始の間の時間(t
E)を推定することと、推定時間が所定限界時間(t
LIM)を下回る場合、推進装置を制御して、第1及び第2パワーアップシフト間の推定時間が長くなって少なくとも所定限界時間(t
LIM)と等しくなるように、車両の加速度を制御することと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加速中の車両(11)のパワートレインを制御するための方法であって、
前記パワートレインは、
推進装置(12)と、
前記推進装置(12)に駆動可能に接続されたマルチクラッチ・トランスミッション(13,15)と、
少なくとも前記パワートレインのコンポーネントを制御するための制御装置(17)と、
を備え、
前記制御装置(17)は、前記マルチクラッチ・トランスミッション(13,15)の少なくとも1つの疑似シフトシーケンスを含む予測モデルを有し、
前記パワートレインの少なくとも1つの操作パラメータを監視するステップと、
前記予測モデルを用いて第1パワーアップシフトの開始とそれに続く第2パワーアップシフトの開始の間の時間(tE)を推定するステップ(51)と、
前記時間が所定限界時間(tLIM)を下回る場合、前記推進装置を制御して、前記第1及び第2パワーアップシフト間の時間が長くなって少なくとも前記所定限界時間(tLIM)と等しくなるように、前記車両の加速度を制限するステップ(55)と
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記推進装置(12)が内燃機関(12)である場合、前記推進装置への燃料注入を減らすことにより加速度を制限することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記推進装置がモータ/発電機である場合、前記推進装置への電力供給を低減することにより加速度を制限することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記パワートレインがハイブリッド式電気推進装置である場合、内燃機関を用いて電気モータ/発電機を駆動してエネルギーを回生することにより加速度を制限することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記所定限界時間(tLIM)は、少なくとも、パワーシフトシーケンスを行うのに必要な最少時間(tPS)に等しいことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記所定限界時間(tLIM)は、パワーシフトシーケンスを行うのに必要な最少時間(tPS)よりも長いことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記所定限界時間(tLIM)は、少なくとも、パワーシフトシーケンスを行うのに必要な最少時間(tPS)と前記トランスミッション(13,15)が次のパワーシフトの準備をするのに必要な時間(Δt)に等しいことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
推進装置の速度、車速、アクセル位置又は道路情報の1つ以上を含む少なくとも1つのパワートレイン操作パラメータを監視することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
マルチクラッチ・トランスミッション(13,15)を制御するために構成された制御装置(17)を備え、前記制御装置は請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載のステップを実施するようにプログラムされるトランスミッション制御システム。
【請求項10】
コンピュータ上で実行されたときに、車両(11)のパワートレインを制御するための請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載のステップを実施するプログラムコード手段を備えたコンピュータプログラム。
【請求項11】
コンピュータプログラムを実行するコンピュータ読み取り可能な媒体であって、前記コンピュータプログラムが、コンピュータ上で実行されたときに、車両(11)のパワートレインを制御するための請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載のステップを実施するプログラムコード手段を含む媒体。
【請求項12】
車両のパワートレインを制御するための制御装置であって、請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の方法のステップを実施するように構成された制御装置(17)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加速中の車両のパワートレインを制御するための方法に関する。本発明は、2つの連続するパワーシフト間の推定時間が所定限界時間を下回る場合、該パワートレインを制御することで車両の加速度を制限することを含む。
【背景技術】
【0002】
本発明は、トラック、バス、建設機械などの大型車両に適用できる。本発明はトラックを例に説明を行うが、このような特定の車両に限定するものではなく、バスや、建設機械や、その他の作業車両にも用いられる。
【0003】
車両用機械式オートマチック及びセミオートマチック・トランスミッションシステムは従来技術において公知のシステムである。このようなシステムは、主に、機械式多段変速ギアトランスミッション(multi-speed mechanical change gear transmission)と、エンジンとトランスミッションとの間に駆動可能に設けられた少なくとも1つの摩擦クラッチと、各センサからの入力信号を受信して、該トランスミッションを操作するための各アクチュエータへ指令出力信号を送出する中央演算処理装置又は制御装置とを有する。デュアルクラッチ・トランスミッション(DCT)等のマルチクラッチ・トランスミッションにおいて、パワーシフトは多くの場合、望ましいと考えられる。パワーシフト中は、ギアが順次切り替わり、各クラッチが交互に作動して、滑らかにギアチェンジが行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マルチクラッチ・トランスミッションを備えた車両は、制御装置に記憶されたギア切替設定(gear shifting strategy)に基づいてクラッチの操作を制御する制御装置を有している。このギア切替設定によれば、ある状況下では、例えば、2つの偶数段ギア間でシフトするスキップシフトが選択され、この場合、同じクラッチが用いられる。車両を一気に加速する際には、スキップアップシフト(skip up-shift)が求められる。加速時においては、パワーシフトによるシフトアップ(power up-shift)後のエンジン速度は、次のシフトアップを行うエンジン速度よりもの高いか、あるいは、それに近い値となることがある。これにより、連続するシフトアップ間の時間が短くなり、ギア切替の回数が増える。スキップシフトは、より低い所望のギア比に直接切り替えることで、一段ずつ短時間で行われる一連のシフトアップを避けるために用いられる。しかしながら、スキップシフトは、動力の伝達を遮断してギアチェンジを行うため、運転者にとって快適な操作ではなく、車輪がスピンする危険性が高い。一般に、運転者は可能な限りパワーシフトを好んで用いようとする。
【0005】
したがって、上記問題を解決できる、マルチクラッチ・トランスミッションを制御するための改良された方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の方法は、車両のマルチクラッチ・トランスミッションを制御するための方法を提供することであり、この方法によれば、車両の加速時にスキップアップシフトを避けることができる。上記方法は請求項1に係る方法によって達成される。
【0007】
本発明は、加速時に車両のパワートレインを制御するための方法に関する。該パワートレインは、推進装置と、推進装置に駆動可能に接続されたマルチクラッチ・トランスミッションと、少なくともパワートレインのコンポーネントを制御するための電子制御装置とを備える。電子制御装置は、マルチクラッチ・トランスミッションの少なくとも1つの疑似シフトシーケンスを含む予測モデルを有する。マルチクラッチ・トランスミッションは好ましくはデュアルクラッチ・トランスミッションである。
【0008】
上記方法は、パワートレインの少なくとも1つの操作パラメータを監視するステップと、予測モデルを用いて第1のパワーアップシフトの開始とそれに続く第2のパワーアップシフトの開始の間の時間を予測するステップと、2つの連続するパワーシフトが開始される間の推定時間が所定限界時間を下回る場合、推進装置を制御して、連続するパワーシフト間の推定時間が長くなって少なくとも所定限界時間と等しくなるように、車両の加速度を制限するステップと、を含む。
【0009】
所定限界時間は少なくともパワーシフトを実施可能な最少時間と等しくする。この時間は、第1のパワーアップシフトが開始される第1クラッチの作動時から、第2のパワーアップシフトが開始される第2クラッチの作動時までの時間を計測したものである。ここで、第1のパワーアップシフトが開始されると、第1クラッチが作動しギア列の次のギアに接続され、同時に第2クラッチが作動停止して接続中のギアを切り離す。同様に、第2のパワーアップシフトが開始されると、第2クラッチが作動し、第1クラッチは作動停止する。この交互に行われるクラッチ作動は、マルチクラッチ・トランスミッションにおいて、滑らかで中断のない連続したギア切替を実現するために望ましいものである。
【0010】
第1のパワーアップシフトの開始からそれに続く第2のパワーアップシフトの開始までの推定時間が所定限界時間以上であれば、特に何もせずに、次のギアへのパワーアップシフトを通常通り行う。しかしながら、推定時間から、第1及び第2のギア切替の推定タイミング間におけるパワーアップシフトのための時間が短すぎると考えられる場合、ギア切替設定に基づいて、上記方法の最終ステップを実施して車両の加速度を制限する。これにより、次のパワーシフトの開始を遅らせ、第2のパワーアップシフトが開始される前に第1のパワーアップシフトを完了できる。
【0011】
所定限界時間は、パワーシフトを実施可能な最小時間よりも長く設定するのが好ましい。所定限界時間が長い程、トランスミッションが各ギアを所定時間駆動でき、連続するクラッチ作動におけるクラッチの過度なスリップ、及びクラッチの過熱を防ぐことができる。望ましい所定限界時間は、エンジン出力、車両サイズ/荷重、クラッチ冷却性能、あるいは同様の好適なパラメータに基づいて決定できる。また、所定限界時間は、トランスミッションが次のパワーシフトに備えるのに要する時間にも依存する。
【0012】
加速度の制限は第1のパワーアップシフトの開始前に行うのが好ましい。あるいは、加速度の制限はパワーアップシフトの最中に実施してもよい。後者の場合は、推進装置の速度がアップシフト直後に減少するため、現在のギアが長く用いられることになる。しかしながら、ギアシフトの最中に、トルクが部分的に減少するため、快適性は低いと思われる。シフト中のトルクの減少に関して言えば、上記トルクはパワーカットシフトとパワーシフトの間の値になるであろう。さらに別の例として、これら2つの方法を組み合わせて用いることも可能である。この場合、加速度の制限を第1のパワーアップシフトの開始前に開始して、シフトアップ中に完了させる。上記全ての場合において、加速度の制限により遅延が生じ、パワーアップシフトに十分な時間を確保でき、スキップシフトを回避できる。
【0013】
本発明は、内燃機関を備えた推進装置や、モータ/発電機や、内燃機関とマルチクラッチ・トランスミッションに接続されたモータ/発電機を組み合わせたハイブリッド式電気推進装置に適用可能である。推進装置が内燃機関である場合、推進装置への燃料注入を減らすことにより加速度を制限する。推進装置がモータ/発電機である場合、推進装置への電力供給を低減することにより加速度を制限する。最後に、パワートレインがハイブリッド式電気推進装置である場合、内燃機関を用いて電気モータ/発電機を駆動してエネルギーを回生することにより加速度を制限する。回生エネルギーはバッテリや、超コンデンサや、その他の好適な蓄電器やエネルギー貯蔵装置に蓄電できる。
【0014】
推進装置によって生成されるトルクが減少すると、マルチクラッチ・トランスミッションに伝達できる入力トルクが減少し、その結果、車両の加速度を制限する。所定限界時間はパワーシフトシーケンスを行うのに必要な最少時間に等しい。制御装置は、マルチクラッチ・トランスミッションについて少なくとも1つの疑似シフトシーケンスを含む予測モデルを用いることで、2つの連続するシフトアップ間の時間を増やして少なくとも所定限界時間と等しくなるように車両の加速度を制限するのに必要な出力低減値を算出してもよい。
【0015】
本方法は、制御装置に接続された好適なセンサを用いて、推進装置の速度(rpm)又は車速の1つ以上を含む少なくとも1つのパワートレイン操作パラメータを監視することをさらに含む。その他の操作パラメータとして、運転者が要求する加速度を示すアクセル位置又は現在の道路勾配などの道路情報を含むことができ、この情報は車両に搭載されたGPSのデータや中央システムから提供されるデータを含むことができる。
【0016】
本発明はまた、トランスミッション制御システムに関し、該システムは車載マルチクラッチ・トランスミッションを制御するために設けられた制御装置を備え、ここで、該制御装置は上記方法のステップを実施するようにプログラムされている。
【0017】
本発明は、さらにコンピュータプログラムに関し、該プログラムがコンピュータ上で実行されると、車両のパワートレインを制御するための上記ステップを実施するプログラムコード手段を備える。
【0018】
本発明はさらにコンピュータプログラムを実行するためのコンピュータ読み取り可能媒体に関し、該プログラムはコンピュータ上で実行されると、車両のパワートレインを制御するための上記方法のステップを実施するプログラムコード手段を備える。
【0019】
本発明はさらに車両のパワートレインを制御するための制御装置に関し、該制御装置は上記方法のステップを実施するように構成されている。
【0020】
本発明は高い加速度が要求される運転状況において、パワーシフトをより多く実行できるようにすることを目的としている。発明概念には、車両に印加されるトルクを制限することによりシフトアップ間の時間を増やし、推進装置からの出力トルクを制限もしくは出力トルクの一部をエネルギー回生に利用して、例えば、バッテリや超コンデンサを充電することにより、加速度を制限することが含まれる。
【0021】
本発明は、操縦性を改善し、より安定した加速を実現し、これにより、車輪に一定のトルクが加えられ、スリップの危険性を低減できるという利点を有するものである。
【0022】
本発明のさらなる利点及び好適な特徴は、以下の説明及び従属項に記す。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明に係る方法に用いるトランスミッション構成を備えた車両を模式的に示す図である。
【
図2】
図1に示す車両に好適に用いられるトランスミッション構成を示す模式図である。
【
図3】クラッチ作動とエンジン速度の経時変化を示す模式図である。
【
図4】クラッチ作動タイミングを示す模式図である。
【
図5】エンジン速度の経時変化を示す模式図である。
【
図6】本発明に係る方法を実施する際に行われる方法ステップのフロー図を示し、
【
図7】本発明に係る方法を実施する際に行われる方法ステップのフロー図の別例を示す。
【
図8】コンピュータを用いて本発明に係る方法を実施するための装置を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、添付する模式図に基づいて、本発明の実施形態をより詳細に例示する。
【0025】
図1は、本発明に係る方法に用いるトランスミッション構成を備えた車両11を模式的に示す図である。車両11は内燃機関(ICE)12を備え、ICE12は、出力駆動軸(図示省略)にトルクを伝達するためのデュアルクラッチ構成15を有するトランスミッション13に接続されている。以下、このトランスミッションをデュアルクラッチ・トランスミッション(DCT)13と称する。ICE12は、エンジン冷却剤及びICE12からのオイルを冷却するためのラジエータ構成14とトランスミッション13に接続される。トランスミッション13は、運転者によって制御され、または、電子制御装置(ECU)17を介して自動的に制御される。ECU17は、例えば、運転者がエンジン始動を要求している時など、トランスミッションを独立して制御するための制御アルゴリズムを有している。トランスミッションを制御することで、エンジン12と一対の駆動輪16との間のギア比が選択される。
【0026】
図2は、
図1に示す車両に好適に用いられるトランスミッション構成の模式図である。エンジン12は、トランスミッション13に接続された出力軸(クランク軸)20を有する。トランスミッション13は、第1クラッチ21及び第2クラッチ22を有するデュアルクラッチ構成を備えている。第1クラッチ21は、電子制御装置17(
図1)によって制御され、クランク軸20を第1ギアボックス部23に接続するものであり、第1ギアボックス部23は、第1入力軸25と、出力軸と、エンジン12及び駆動輪16の間のギア比を制御するように作動可能な多数のギア(図示省略)と、を有する。潤滑ポンプ(図示省略)は、第1トランスミッション(第1ギアボックス部)23に設けられ、駆動可能に第1クラッチ21に接続される。同様に、第2クラッチ22は、クランク軸20を第2ギアボックス部24に接続するように制御でき、第2ギアボックス部24は、第2入力軸26と、出力軸と、ギア比を制御するように作動可能な多数のギア(図示省略)と、を有する。第1及び第2ギアボックス部23,24の機械設計自体は発明の一部ではないため、更なる説明は割愛する。第1クラッチ21及び第2クラッチ22を交代で用いることで、駆動軸27を介して車輪16を駆動するために、第1ギアボックス部23及び第2ギアボックス部24のギアを用いることができる。電子制御装置17は、各クラッチ、及びトランスミッションの軸とギアの潤滑度及び温度の少なくとも一方を検出し監視するために、多数の公知のセンサ(図示省略)に接続される。センサの例としては、オイル温度や軸受温度を1つ以上の地点で計測する温度センサや、オイルレベルを1つ以上の地点で監視するためのオイルレベルセンサや、トランスミッションの潤滑状態を判定するのに適したその他のセンサが挙げられる。電子制御装置17によって集められたデータは、パワーシフトにおけるシフトアップ(以下、「パワーアップシフト」という)が多数回連続して行われている場合のクラッチの潤滑状態を判定する基準として用いられる。
【0027】
図3は、デュアルクラッチ・トランスミッションにおける、第1及び第2クラッチC1,C2のためのクラッチ作動を示す模式図である。
図3では、連続的にパワーアップシフトを行うときのクラッチ作動及びエンジン速度を、異なる加速度を想定しつつ、経時的に表している。デュアルクラッチ・トランスミッションにおいて、第1クラッチC1は作動(1)または作動停止(0)して、奇数段ギア(1,3,5等)を制御するとともに、第2クラッチC2は作動停止(0)または作動(1)して、偶数段ギア(2,4,6等)を制御する。
【0028】
図3に示すように、時間t
1に第1のパワーアップシフトが開始すると、第1クラッチC1が作動停止して、接続中の奇数段ギアを切り離す。同時に、第2クラッチC2が作動して、次の偶数段ギアに接続する。この操作にかかる時間はt
PS1で表される。トランスミッションは、第1のパワーアップシフトPS1が終了すると、これに続く次のパワーシフトに向けてギアの準備及び設定を行うために、最小限の時間Δtを必要とする。この最小時間Δtは、トランスミッションの種類やシフトフォークの作動速度などの要因によって変化する。標準的なDCTでは、時間Δtは最大で2秒になり得る。続いて、時間t
2に第2のパワーアップシフトPS2が開始すると、第1クラッチC1が作動して次の奇数段ギアと接続し、同時に、第2クラッチC2が作動停止して接続中の偶数段ギアを切り離す。この操作にかかる時間をt
PS2で表す。
【0029】
図3のクラッチ作動の図のすぐ下に、パワーシフトPS1及びパワーシフトPS2の期間に対応したエンジン速度の経時変化を示す。加速中のエンジン速度は、ギアチェンジを行う必要がある所定の最高エンジン速度n
1に近づく。時間t
1に第1のパワーアップシフトPS1が始まると、期間t
PS1において、エンジン速度が、より低いエンジン速度n
2に減速する。例を挙げると、エンジン速度の高い方の値及び低い方の値は、それぞれ1600rpmと1500rpmである。車両は第1のパワーアップシフトPS1の間、加速を続ける。第1のパワーアップシフトPS1が完了すると、エンジン速度は再び、第2のパワーアップシフトPS2が時間t
2に行われる速度である所定の最高エンジン速度n
1に向けて上昇する。最適な燃費を維持するために、エンジン速度が所定のエンジン速度n
1を超えないようにするのが好ましい。このプロセスの間、車速は、一定の比率で上昇し、所定値を超えない車両加速度に応じた上昇率となる。運転者には、この一連のパワーシフトは、動力伝達が途切れることなく連続した加速として感じられるであろう。
【0030】
エンジン速度の第2の図は、運転者が、最適な燃費が得られる許容加速度よりも高い加速度を要求している場合を示すものである。エンジン速度の第2の図から、エンジン速度が、より高い上昇率で所定の最高エンジン速度n
1に近づいているのが分かるであろう。時間t
1に、第1のパワーアップシフトPS1が実施されると、期間t
PS1にて、エンジン速度は、より低いエンジン速度n
2に減速する。しかしながら、第1のパワーアップシフトPS1後は、エンジン速度は急速に上昇し、これに続く次のパワーシフトのためにギアを準備及び設定するのに必要な最小時間Δtが経過する前に、所定の最高エンジン速度を超えてしまう。その結果、最小時間Δtが経過し時間t
2にて第2のパワーアップシフトが実施できるようになる前にエンジン速度が所定のエンジン速度を超え、より高いエンジン速度n
3に達してしまう。
図3から分かるように、エンジン速度は、トランスミッションがギア間でシフトアップする度に上昇し続ける。第1例と比較すると、第2のパワーアップシフトPS2は、1600rpmではなく、1700rpmにて行われる。これにより、燃料消費が増加し、高いエンジン速度はエンジンの摩耗を助長する。
【0031】
一般的に、このような状態は、所定のエンジン速度n
1に達した時に、スキップシフトを行うことにより回避できる。スキップシフトは、例えば、1つの奇数段ギア(1,3,5)から次の奇数段ギア(3,5,7)へギアチェンジを行うために用いられる。このプロセスの間、ギアチェンジの度に、動力伝達が遮断されるので、車速は、異なる上昇率で上昇する。ギアチェンジ間は、車速は、所定値を超えた上昇率すなわち加速度で上昇する。運転者には、この一連のパワーシフトは、ギアチェンジ間における動力伝達の遮断のために、滑らかでない不快な操作と感じられるであろう。
【0032】
図4は、デュアルクラッチ・トランスミッションにおける第1及び第2クラッチC1,C2のためのクラッチ作動タイミングを示す模式図である。
図4では、連続的にパワーアップシフトを行うときのクラッチ作動を経時的に表している。この例においては、デュアルクラッチ・トランスミッションにおいて、第1クラッチC1は奇数段ギア(1,3,5等)を制御し、第2クラッチC2は偶数段ギア(2,4,6等)を制御する。
【0033】
図4に示す例では、第1クラッチC1が作動中、すなわち、トルクが伝達されているものとする。制御装置(
図1参照)は、パワーアップシフトの必要性を検出するのに適したセンサを用いて、パワートレインの少なくとも1つの操作パラメータを監視するように構成されている。パワーアップシフトの必要性が時間t
0に検出されると、制御装置は、時間t
1における第1のパワーシフトから、それに続く時間t
2における第2のパワーシフトまでの時間を、制御装置に記憶してある予測モデルを用いて推定する。時間t
1から時間t
2までの推定時間t
Eは、少なくとも、所定限界時間t
LIMと等しくする必要がある。
【0034】
所定限界時間t
LIMは、少なくとも、パワーシフトを実行可能な最小限の時間t
PSと等しい。この時間は、時間t
1にて第1のパワーアップシフトが開始されるクラッチの作動から、トランスミッションが次のパワーアップシフトの準備を行う期間Δtを経て、時間t
2にて第2のパワーアップシフトが開始されるクラッチの作動までを計測したものである。
図4に示す例において、時間t
1にて第1のパワーアップシフトが開始されると、第1クラッチC1が作動停止し、接続中の奇数段ギアを切り離す。同時に、第2クラッチC2が作動して連続する偶数段ギアへ接続する。第1のパワーアップシフトは、時間t’
1にて完了する。同様に、時間t
2にて第2のパワーアップシフトが開始されると、第1クラッチC1が作動し、第2クラッチC2が作動停止する。第2のパワーアップシフトは時間t'
2に完了する。これにより、パワーアップシフトを完了させるのに必要な時間t
PSは、それぞれ、(t’
1―t
1)及び(t’
2―t
2)になる。
【0035】
第1のパワーアップシフトとそれに続く第2のパワーアップシフトの間の推定時間t
Eが所定限界時間t
LIM以上の場合、車両の加速度を制御するための操作は何も行われず、連続する次のギアへのパワーアップシフトが通常通り実施される。しかしながら、第1及び第2のギアシフト間のパワーアップシフトのための時間が短すぎると推定時間t
Eから推察される場合は、ギアチェンジ設定に基づいて、車両の加速度を制限する。加速度は、推進装置への燃料注入を減らすことにより制限できる。推進装置がモータ/発電機である場合、加速度は、推進装置への電力供給を減らすことで制限する。最後に、パワートレインがハイブリッド式の電気推進装置である場合、加速度は、内燃機関を用いて電気モータ/発電機を駆動してエネルギーを回生することにより、制限する。回生エネルギーはバッテリや、電気二重層コンデンサや、その他の好適な蓄電器やエネルギー貯蔵装置に蓄電できる。
【0036】
図5は、エンジン速度の経時変化を示す模式図である。同図には、エンジン速度の加速制限効果を示している。図から分かるように、エンジン速度は、制御装置により第1のパワーアップシフトが必要になると推定された時間t
1まで、上昇を続ける。また、制御装置は、制御装置に記憶された予測モデルを用いて、現在の運転状態及び加速度の下、時間t
3にて第2のパワーアップシフトが実施されるまでの推定時間t
Eを決定する(
図5中の一点鎖線を参照)。第1及び第2ギアシフト間のパワーアップシフトのための時間が短すぎると推定時間t
Eから推察される場合、ギアチェンジ方法として、車両の加速度を制限する。これにより、次のパワーシフトまで遅延時間t
Dが生じ、第2のパワーアップシフトが時間t
2にて開始されるまでに第1のパワーアップシフトを完了でき、次のパワーアップシフトの準備ができる。遅延時間t
Dは、推定時間t
Eと遅延時間t
Dの合計が所定限界時間t
LIMと等しくなるように設定される。
【0037】
所定限界時間は、パワーシフトを実施可能な最小時間よりも長く設定するのが好ましい。長く時間を設定すれば、トランスミッションが各ギアを所定期間Δt(
図4)駆動できるので、連続するクラッチ作動におけるクラッチの過度なスリップ、及びクラッチの過熱を防ぐことができる。好適な所定限界時間t
LIMは、エンジン出力、車両サイズ/荷重、クラッチ冷却性能、または、その他の好適なパラメータに基づいて決定できる。
図4の例は、所定限界時間t
LIMが、パワーアップシフトを完了させるために必要な時間t
PSとクラッチの過度の摩耗を防ぐために設定された走行時間Δtとの合計に等しい場合を示す。
【0038】
図6は、本発明の方法を実施する際に実行される方法ステップのフロー図を示す。本方法は、パワートレインの少なくとも1つの操作パラメータを監視することを含む。パワーアップシフトを伴う加速が必要であると検出された場合、ステップ50にてプロセスが開始される。本方法では、予測モデルを有する制御装置を用い、この予測モデルは、上記のように、更なるギアチェンジを予測するために、マルチクラッチ・トランスミッションついて少なくとも1つの疑似シフトシーケンスを含む。第1ステップ51では、制御装置に記憶された予測モデルを用いて、第1のパワーアップシフトPS
nとそれに続く第2のパワーアップシフトPS
(n+1)との間の時間t
Eを推定する。第2ステップ52では、推定時間t
Eと所定限界時間t
LIMを比較する。2つの連続するパワーアップシフトPS
nとパワーアップシフトPS
(n+1)との間の推定時間t
Eが所定限界時間t
LIM以上の場合、該プロセスは、次のパワーアップシフトが開始される第3ステップ53、さらに該パワーアップシフトが実行される第4ステップ54に進む。
【0039】
2つの連続するパワーアップシフト間の推定時間t
Eが所定限界時間t
LIMを下回る場合、プロセスは第2ステップ52から別のステップ55へ進む。このステップ55において、制御装置は車両の加速度を制限する。その後、第1及び第2ステップ51,52に戻り、第2ステップ52において、t
E≧t
LIMの条件が満たされるまで反復的な閉ループプロセスが繰り返される。条件が整い次第、パワーシフトが開始及び実行される。本方法は車両の加速時に連続してパワーアップシフトが行われる度に実行される。
【0040】
図7は、本発明の方法を実施する際に実行される方法ステップの別のフロー図を示す。上記のように、本方法は、パワートレインの少なくとも1つの操作パラメータを監視することを含む。パワーアップシフトを伴う加速の要求が検出されると、プロセスはステップ50にて開始される。本方法では、予測モデルを有する制御装置を用い、この予測モデルは、上記のように、更なるギアチェンジを予測するために、マルチクラッチ・トランスミッションについて少なくとも1つの疑似シフトシーケンスを含む。
【0041】
第1ステップ51では、制御装置に記憶された予測モデルを用いて、第1のパワーアップシフトPS
nとそれに続く第2のパワーアップシフトPS
(n+1)との間の時間t
Eを推定する。第2ステップ52では、推定時間t
Eと所定限界時間t
LIMを比較する。2つの連続するパワーアップシフトPS
nとパワーアップシフトPS
(n+1)との間の推定時間t
Eが所定限界時間t
LIM以上である場合、プロセスは、次のパワーアップシフトが開始される第3ステップ53、さらに該パワーアップシフトが実行される第4ステップ54へ進む。
【0042】
2つの連続するパワーシフト間の推定時間t
Eが所定限界時間t
LIMを下回る場合、プロセスは第2ステップ52から別のステップ55へと進む。このステップ55において、制御装置は車両の加速度を制限する。本プロセスでは、制御装置に記憶されたマップの値を用いて、t
E≧t
LIMの条件が満たされるようにエンジンを制御する。加速度制限が実施されると直ぐに、パワーシフトが開始され実行される。本方法は、車両加速時において、連続してパワーアップシフトが行われる度に実行される。
【0043】
また、本発明は、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムプロダクト、及びコンピュータ用記憶媒体にも関する。これらは全て、上記例のいずれか1つに記載した方法を実施するためにコンピュータと共に用いられるものである。
図8はコンピュータを用いて本発明の方法を実施するための装置を模式的に示す図である。
【0044】
図8は、本発明の一実施形態に係る装置60を示し、該装置は、不揮発性メモリ62と、プロセッサ61と、読み書き可能メモリ66と、を有するものである。メモリ62は第1メモリ部63を有し、装置60を制御するためのコンピュータプログラムを記憶している。装置60を制御するためのメモリ部63のコンピュータプログラムは、操作システム(operating system)であってよい。装置60は、例えば、
図1に示す制御装置17などの制御装置に収容できる。データ処理装置61は、例えば、マイクロコンピュータであってよい。
【0045】
また、メモリ62は第2メモリ部64を有し、本発明の加速度制限機能を制御するためのプログラムを記憶している。別の実施形態においては、加速度制限機能を制御するためのプログラムは、CDや交換可能半導体メモリ等のデータ記憶用の別の不揮発性記憶媒体65に記憶する。プログラムは実行可能な形態、あるいは、圧縮された状態で記憶できる。
【0046】
以下、データ処理装置61が特定の機能を実行すると記載される際には、データ処理装置61が、メモリ62に保存されたプログラムの特定の一部又は不揮発性記憶媒体65に保存されたプログラムの特定の一部のいずれかを実行しているということである。
【0047】
データ処理装置61は、第1データバス71を介して記憶メモリ65と通信可能である。データ処理装置61はまた、第2データバス72を介してメモリ62と通信可能である。さらに、データ処理装置61は、第3データバス73を介してメモリ66と通信可能である。データ処理装置61はまた、第4データバス74を用いてデータポート67と通信可能である。本発明の方法は、データ処理装置61によって、又は、データ処理装置61がメモリ64に保存されたプログラム若しくは不揮発性記憶媒体65に保存されたプログラムを実行することによって行われる。
【0048】
制御装置17は、ICE12や、トランスミッション13や、車両のその他部品等、車両の異なる場所に設けることができる。本発明の機能は、車両の1つ若しくは複数の異なる制御装置に保存することができる。
【0049】
本発明は上記実施形態及び図面に制限されるものではなく、むしろ、当業者が添付クレームの範囲を逸脱することなく、多くの変更および改良を行い得ると理解されるべきである。
【国際調査報告】