特表2017-532323(P2017-532323A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-532323(P2017-532323A)
(43)【公表日】2017年11月2日
(54)【発明の名称】架橋可能なホスト材料
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/14 20060101AFI20171006BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20171006BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20171006BHJP
   C08G 61/10 20060101ALI20171006BHJP
   H01L 51/46 20060101ALI20171006BHJP
   H01L 51/30 20060101ALI20171006BHJP
   H01L 51/05 20060101ALI20171006BHJP
【FI】
   C07D401/14CSP
   H05B33/14 B
   H05B33/22 B
   H05B33/22 D
   H05B33/10
   C08G61/10
   H01L31/04 166
   H01L31/04 154C
   H01L31/04 154D
   H01L31/04 154B
   H01L29/28 250G
   H01L29/28 100A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】41
(21)【出願番号】特願2017-516447(P2017-516447)
(86)(22)【出願日】2015年9月18日
(85)【翻訳文提出日】2017年5月16日
(86)【国際出願番号】EP2015071415
(87)【国際公開番号】WO2016046077
(87)【国際公開日】20160331
(31)【優先権主張番号】14186381.1
(32)【優先日】2014年9月25日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】513284771
【氏名又は名称】サイノーラ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】フォルツ・ダーニエール
【テーマコード(参考)】
3K107
4C063
4J032
5F151
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107CC03
3K107CC21
3K107DD53
3K107DD60
3K107DD68
3K107DD71
3K107DD74
3K107DD79
3K107GG04
3K107GG06
4C063AA03
4C063BB02
4C063CC12
4C063DD08
4C063EE10
4J032BA13
4J032BC01
4J032CA04
4J032CB01
4J032CG01
5F151AA11
(57)【要約】
本発明は、式1の構造を有する架橋可能な有機分子、

並びに、それの使用に関し、式中、
Ar=互いに独立して、5〜30個の環の原子を有する不飽和、又は芳香族の炭素環単位又はヘテロ環単位であり、ナフタリン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ジヒドロピレン、クリセン、ペリレン、フルオランテン、ベンズアントラセン、テトラセン、ペンタセン、ベンズピレン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ピロール、インドール、イソインドール、カルバゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントリジン、ベンゾ5、6−キノリン、ベンゾ−6,7−キノリン、ベンゾ−7,8−キノリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ピラゾール、インダゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、フェナントロイミダゾール、ピリドイミダゾール、ピラジン、イミダゾール、キノキサリンイミダゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、アントロオキサゾール(Anthroxazol)、フェナントロオキサゾール(Phenanthroxazol)、イソキサゾール、イソチアゾール、1,3−チアゾール、ベンゾチアゾール、ピリダジン、ベンゾピリダジン、ピリミジン、ベンズピリミジン、キノキサリン、ピラジン、フェナジン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントロリン、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3−チアジアゾ−ル、1,2,4−チアジアゾ−ル、1,2,5−チアジアゾ−ル、1,3,4−チアジアゾ−ル、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,3−トリアジン、テトラゾ−ル、1,2,3,4−オキサトリアゾール、1,2,3,4−オキサトリアゾール、1,2,4,5−テトラジン1,2,3,4−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、プリン、プテリジン、インドリジン、ベンゾチアジアゾール、インデノカルバゾール、インデノフルオレン、スピロビフルオレン及びインドロカルバゾールからなる群から選択され、;
D1=式1aの構造を有する、ドナー基、

D2=式1bの構造を有するドナー基、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1の構造を有する有機分子。
【化1】
(式中、
Ar=互いに独立して、5〜30個の環の原子を有する不飽和、又は芳香族の炭素環単位又はヘテロ環単位であり、ナフタリン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ジヒドロピレン、クリセン、ペリレン、フルオランテン、ベンズアントラセン、テトラセン、ペンタセン、ベンズピレン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ピロール、インドール、イソインドール、カルバゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントリジン、ベンゾ5、6−キノリン、ベンゾ−6,7−キノリン、ベンゾ−7,8−キノリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ピラゾール、インダゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、フェナントロイミダゾール、ピリドイミダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、アントロオキサゾール(Anthroxazol)、フェナントロオキサゾール(Phenanthroxazol)、イソキサゾール、イソチアゾール、1,3−チアゾール、ベンゾチアゾール、ピリダジン、ベンゾピリダジン、ピリミジン、ベンズピリミジン、キノキサリン、ピラジン、フェナジン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントロリン、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3−チアジアゾ−ル、1,2,4−チアジアゾ−ル、1,2,5−チアジアゾ−ル、1,3,4−チアジアゾ−ル、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,3−トリアジン、テトラゾ−ル、1,2,3,4−オキサトリアゾール、1,2,3,4−オキサトリアゾール、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、プリン、プテリジン、インドリジン、ベンゾチアジアゾール、インデノカルバゾール、インデノフルオレン、スピロビフルオレン及びインドロカルバゾールからなる群から選択され、それぞれが、一つ又は二つ以上の残基Rで置換されており、その際、二つ又は三つ以上の残基R1が、互いに結合して、一つ又は二つ以上の環を形成することができ;
D1=式1aの構造を有する、電子供与特性を有するドナー基、
【化2】
及び
D2=式1bの構造を有するドナー基、
【化3】
(式中、式の#の符号を有するそれぞれの位置におけるArとの結合は単結合で行われ;
及び、その際、このために使用される記号及びインデックスは次の通りである。
nは、1〜5の整数;
oは、1〜5の整数;
pは、0〜5の整数;
PG:一つ又は二つ以上の、同一又は異なる重合可能な単位であり、これは、熱及び/又は酸触媒又は塩基触媒法、光開始剤の存在下又は不存在下でのUV照射、又はマイクロ波によって重合することができ、
X、Yは、いずれの場合においても、同一又は異なって、置換された及び置換されていないアルキレン基(分岐していない、分岐状又は環状)、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基、O、NR、C=CR、C=NR、SiR、S、S(O)、S(O)、Se、Se(O)、Se(O)、BR、PR、P(O)Rからなる群から選択される、共有結合による単結合又は二価の有機架橋であり、その際、これらの単位の組み合わせも可能であり;
Zは、それぞれの式においても、同一又は異なって、CR又はNであり;
R及びRは、いずれの場合においても、同一又は異なって、H、D、F、Cl、Br、I、B(OR、CHO、C(=O)R、CR=C(R、CN、C(=O)OR、C(=O)N(R、Si(R、NO、P(=O)(R、OSO、OR、S(=O)R、S(=0)、1〜20C原子を有する線状のアルキル基、アルコキシ基又はチオアルキル基−、又は3〜20C原子を有する分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基又はチオアルキル基、又は2〜20C原子を有するアルケニル基又はアルキニル基であり、その際、上述の基のそれぞれは、一つ又は二つ以上の残基Rで置換されることができ、及び、その際、上記の基における一つ又は二つ以上のCH−基は、−RC=CR−、−C≡C−、Si(R、C=O、C=S、C=NR、−C(=O)O−、−C(=O)NR−、NR、P(=O)(R)、−O−、−S−、SO又はSOで置き換えることができ、及び、その際、上記の基の一つ又は二つ以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CN又はNOで置き換えることができるか、又はそれぞれが、一つ又は二つ以上の残基Rで置換されることができる、6〜30個の芳香族の環原子を有する芳香族の環系であるか、又は一つ又は二つ以上の残基Rで置換されることができる、6〜30個の芳香族の環原子を有するアリールオキシ基であり、その際、二つ又は三つ以上の残基R及びRは、互いに結合して、一つの環を形成することができ;
は、いずれの場合においても、同一又は異なって、H、D、F、Cl、Br、I、B(OR、CHO、C(=O)R、CR=C(R、CN、C(=O)OR、C(=O)N(R、Si(R、N(R、NO、P(=O)(R、OSO、OR、S(=O)R、S(=O)、1〜20C原子を有する線状のアルキル基、アルコキシ基又はチオアルキル基−、又は3〜20C原子を有する分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基又はチオアルキル基、又は2〜20C原子を有するアルケニル基又はアルキニル基であり、その際、上述の基のそれぞれは、一つ又は二つ以上の残基Rで置換されることができ、及び、その際、上記の基における一つ又は二つ以上のCH−基は、−RC=CR−、−C≡C−、Si(R、C=O、C=S、C=NR、−C(=O)O−、−C(=O)NR−、NR、P(=O)(R)、−O−、−S−、SO又はSOで置き換えることができ、及び、その際、上記の基の一つ又は二つ以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CN又はNOで置き換えることができるか、又はそれぞれが、一つ又は二つ以上の残基Rで置換されることができる、5〜30個の芳香族の環原子を有する芳香族又はヘテロ芳香族の環系であるか、又は一つ又は二つ以上の残基Rで置換されることができる、5〜60個の芳香族の環原子を有するアリールオキシ基又はヘテロアリールオキシ基であり、その際、二つ又は三つ以上の残基Rは、互いに結合して、一つの環を形成することができ;
は、いずれの場合においても、同一又は異なって、H、D、F、Cl、Br、I、B(OR、CHO、C(=O)R、CR=C(R、CN、C(=O)OR、C(=O)N(R、Si(R、N(R、NO、P(=O)(R、OSO、OR、S(=O)R、S(=O)、1〜20C原子を有する線状のアルキル基、アルコキシ基又はチオアルキル基−、又は3〜20C原子を有する分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基又はチオアルキル基、又は2〜20C原子を有するアルケニル基又はアルキニル基であり、その際、上述の基のそれぞれは、一つ又は二つ以上の残基Rで置換されることができ、及び、その際、上記の基における一つ又は二つ以上のCH−基は、−RC=CR−、−C≡C−、Si(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、−C(=O)O−、−C(=O)NR−、NR、P(=O)(R)、−O−、−S−、SO又はSOで置き換えることができ、及び、その際、上記の基の一つ又は二つ以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CN又はNOで置き換えることができるか、又は、それぞれが、一つ又は二つ以上の残基Rで置換されることができる、5〜60個の芳香族の環原子を有する芳香族の環系であるか、又は一つ又は二つ以上の残基Rで置換されることができる、5〜60個の芳香族の環原子を有するアリールオキシ基又はヘテロアリールオキシ基であり、その際、二つ又は三つ以上の残基Rは、互いに結合して、一つの環を形成することができ;
は、いずれの場合においても、同一又は異なって、H、D、F、又は1〜20C原子を有する脂肪族、芳香族又はヘテロ芳香族の有機残基であり、その際、一つ又は二つ以上のH原子は、D又はFで置き換えることができ、その際、二つ又は三つ以上の置換基Rは、互いに結合して、一つの環を形成でき;
及び、その際、式の#の符号を有するそれぞれの位置におけるArとの結合は単結合で行われる。)
【請求項2】
Arが、次の構造を有する、請求項1に記載の有機分子。
【化4】
(式中、Wは、いずれの場合においても、同一又は異なって、CR又はNであり、そしてその際、少なくとも一つWは、異なるCRであり、
は、いずれの場合においても、同一又は異なって、H、D、F、Cl、Br、I、B(OR、CHO、C(=O)R、CR=C(R、CN、C(=O)OR、C(=O)N(R、Si(R、NO、P(=O)(R、OSO、OR、S(=O)R、S(=0)、1〜20C原子を有する線状のアルキル基、アルコキシ基又はチオアルキル基−、又は3〜20C原子を有する分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基又はチオアルキル基、又は2〜20C原子を有するアルケニル基又はアルキニル基であり、その際、上述の基のそれぞれは、一つ又は二つ以上の残基Rで置換されることができ、及び、その際、上記の基における一つ又は二つ以上のCH−基は、−RC=CR−、−C≡C−、Si(R、C=O、C=S、C=NR、−C(=O)O−、−C(=O)NR−、NR、P(=O)(R)、−O−、−S−、SO又はSOで置き換えることができ、及び、その際、上記の基の一つ又は二つ以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CN又はNOで置き換えることができるか、又は、それぞれが、一つ又は二つ以上の残基Rで置換されることができる、6〜30個の芳香族の環原子を有する芳香族の環系であるか、又は一つ又は二つ以上の残基Rで置換されることができる、6〜30個の芳香族の環原子を有するアリールオキシ基であり、その際、二つ又は三つ以上の残基R及びRは、互いに結合して、一つの環を形成することができ;
は、いずれの場合においても、同一又は異なって、H、D、F、Cl、Br、I、B(OR、CHO、C(=O)R、CR=C(R、CN、C(=O)OR、C(=O)N(R、Si(R、N(R、NO、P(=O)(R、OSO、OR、S(=O)R、S(=O)、1〜20C原子を有する線状のアルキル基、アルコキシ基又はチオアルキル基−、又は3〜20C原子を有する分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基又はチオアルキル基、又は2〜20C原子を有するアルケニル基又はアルキニル基であり、その際、上述の基のそれぞれは、上述の基のそれぞれは、一つ又は二つ以上の残基Rで置換されることができ、及び、その際、上記の基における一つ又は二つ以上のCH−基は、−RC=CR−、−C≡C−、Si(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、−C(=O)O−、−C(=O)NR−、NR、P(=O)(R)、−O−、−S−、SO又はSOで置き換えることができ、及び、その際、上記の基の一つ又は二つ以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CN又はNOで置き換えることができるか、又は、それぞれが、一つ又は二つ以上の残基Rで置換されることができる、5〜60個の芳香族の環原子を有する芳香族又はヘテロ芳香族の環系であるか、又は一つ又は二つ以上の残基Rで置換されることができる、5〜60個の芳香族の環原子を有するアリールオキシ基又はヘテロアリールオキシ基であり、その際、二つ又は三つ以上の残基Rは、互いに結合して、一つの環を形成することができ;
は、いずれの場合においても、同一又は異なって、H、D、F、又は1〜20C原子を有する脂肪族、芳香族又はヘテロ芳香族の有機残基であり、その際、一つ又は二つ以上のH原子は、D又はFで置き換えることができ;その際、二つ又は三つ以上の置換基Rは、互いに結合して、一つの環を形成できる。)
【請求項3】
請求項1又は2に記載の有機分子であって、その際、(Ar)nが、次からなる群から選択される、上記の有機分子。
【化5】
(式中、*は、D1又はD2への結合位置であり、そして、示されている単位及び残基は、請求項1又は2において定義されたとおりである。)
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つに記載の有機分子であって、その際、架橋可能な基PGが、次からなる群から選択される、上記の有機分子。
【化6】
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の有機分子を製造する方法であって、
ドナー基D2を、ビス−フッ素化Arと反応させ、その後、ビス−臭素化ドナー基D1と反応させ、それからPG単位を導入する、
工程を有し、
その際、
Ar=5〜30個の環の原子を有する芳香族又はヘテロ芳香族の環系であり、ナフタリン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ジヒドロピレン、クリセン、ペリレン、フルオランテン、ベンズアントラセン、テトラセン、ペンタセン、ベンズピレン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ピロール、インドール、イソインドール、カルバゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントリジン、ベンゾ5、6−キノリン、ベンゾ−6,7−キノリン、ベンゾ−7,8−キノリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ピラゾール、インダゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、フェナントロイミダゾール、ピリドイミダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、アントロオキサゾール(Anthroxazol)、フェナントロオキサゾール(Phenanthroxazol)、イソキサゾール、イソチアゾール、1,3−チアゾール、ベンゾチアゾール、ピリダジン、ベンゾピリダジン、ピリミジン、ベンズピリミジン、キノキサリン、ピラジン、フェナジン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントロリン、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3−チアジアゾ−ル、1,2,4−チアジアゾ−ル、1,2,5−チアジアゾ−ル、1,3,4−チアジアゾ−ル、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,3−トリアジン、テトラゾ−ル、1,2,3,4−オキサトリアゾール、1,2,3,4−オキサトリアゾール、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、プリン、プテリジン、インドリジン、ベンゾチアジアゾール、インデノカルバゾール、インデノフルオレン、スピロビフルオレン及びインドロカルバゾールからなる群から選択され、任意に、それぞれが、一つ又は二つ以上の残基R1で置換されており、その際、任意に、二つ又は三つ以上の残基R1が、互いに結合して、一つ又は二つ以上の環を形成し;
D1=式1aの構造を有する、ドナー基、
【化7】
D2=式1bの構造を有するドナー基の特性、
【化8】
(式中、式の#の符号を有するそれぞれの位置におけるArとの結合は単結合で行われ;及び、その際、他の記号は請求項1〜3において与えられた意味を有する。)
【請求項6】
前記反応が、強塩基の添加下で遂行される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
互いに独立して、過酸化水素、過酸化水素−尿素付加物、酸素又はオゾンからなる群から選択される酸化剤を添加する工程をさらに有し、及び任意に、セレン又は硫黄又はローソン試薬を添加するさらなる工程を有する、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の有機分子の、光電子デバイスにおける使用。
【請求項9】
前記有機分子の発光層における、好ましくは、特に発光エミッタのためのマトリックス材料及び/又は光電子デバイスにおける電子輸送材料として及び/又は正孔注入材料として及び/又は正孔ブロック材料としての請求項8に記載の使用。
【請求項10】
光電子デバイスが、
−有機発光ダイオード素子(OLED)
−発光電気化学セル
−OLEDセンサー、特に、外部から密閉されないガスセンサー及び蒸気センサー、
−有機太陽セル、
−有機電界効果トランジスタ、
−有機レーザー、及び
−ダウンコンバージョンデバイス
からなる群から選択される、請求項8又は9に記載の使用。
【請求項11】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の有機分子を有する光電子デバイス。
【請求項12】
有機分子が発光層において、好ましくは、特に発光エミッタのためのマトリックス材料として及び/又は電子輸送材料及び/又は正孔注入材料として及び/又は正孔ブロッキング材料として使用されていることを特徴とする、請求項11に記載の光電子デバイス。
【請求項13】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の有機分子を少なくとも一つ、及び少なくとも一つの発光エミッタを含む混合物。
【請求項14】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の有機分子を少なくとも一つ又は請求項13に記載の混合物及び少なくとも一つの溶媒を有する調合物。
【請求項15】
光電子デバイスを製造する方法であって、その際、請求項1〜4のいずれか一つに記載の有機分子が使用される、上記の方法。
【請求項16】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の有機分子を支持体上に施用することを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記施用することが、湿式化学的に行われることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記施用することが、真空中での蒸発によって行われることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式1の有機分子、及びOLED(有機発光ダイオード)及びその他の光電子デバイスにおける架橋可能な、液体加工可能なホスト材料としてのそれの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
有機電子装置は、ますます商用製品に使用されるか、又は商品発売までの時間が短くなっている。既に市販されている製品の例として、表示装置及びディスプレー装置における有機又はポリマー発光ダイオード(OLED、PLED)が挙げられる。有機太陽セル(O−SC)、有機電解トランジスタ(O−FET)、有機薄膜トランジスタ(O−TFT)、有機集積回路(O−IC)、有機光増幅器又は有機レーザーダイオード(O−レーザー)は、研究段階では十分に進んでおり、将来的に非常に重要になる可能性がある。有機電界発光素子の一般的な構造は、例えば、米国特許第4539507A号明細書(特許文献1)、米国特許第5151629A号明細書(特許文献2)、欧州特許第0676461A号明細書(特許文献3)及び国際公開第98/27136A号パンフレット(特許文献4)に記載されている。しかし、これらのデバイスでは、改善の必要性がある:
1.動作寿命は、特に、青色発光又は緑色発光の場合に依然として短いため、今日まで単純な用途のみ、商業的に実現することができた。
2.使用される化合物は、一般的な有機溶媒である場合には難溶性であり、これは、その合成の際のそれらの精製を複雑にするだけでなく、溶液からの材料の加工及び電子デバイスの製造における装置の清浄をも困難にする。
3.先行技術に従って使用される材料は、しばしば低い三重項エネルギーを有する。これは、三重項状態から光を放出する材料と組み合わせた場合、発光(の消滅)の消光及び効率の低下を招く。
【0003】
これらの電子又は光電子デバイスの多くは、それぞれの使用目的から独立して、以下の一般的な層構造を有し、これは、その時々の用途に適合させることができる。
(1)基板
(2)電極。これは、多くの場合、金属又は無機だけでなく、有機又はポリマー伝導性材料から構成されてもよい。
(3)場合によっては、電極の凹凸を補償するための一つ又は二つ以上の電荷注入層又はバッファ層であり、これは、しばしば、一つ又は二つ以上の導電性の、ドープされたポリマーから形成されている。
(4)有機半導体の少なくとも一つの層。
(5)場合によっては、一つ又は二つ以上の電荷輸送層又は電荷注入層又は電荷ブロック層。
(6)対電極。この場合、(2)で述べた材料を使用することができる。
(7)カプセル化。
【0004】
本発明は、特に、排他的ではないが、有機発光ダイオード(OLED=Organic Light Emitting Diode)に向けられており、これは、ポリマー材料の使用時に、しばしば、ポリマー発光ダイオード(PLED=Polymer Light Emitting Diode)とも呼ばれる。上記の構成は、光電子デバイスの一般的な構造であり、その際、異なる層を組み合わせることができ、そのため、最も簡単な場合では、二つの電極と、それらの間に一つの有機層が存在する配置がある。この場合の有機半導体層は、光の放射を含むすべての機能を満たす。そのようなシステムは、例えば、国際公開第9013148 A1号明細書(特許文献5)に、ポリ−(p−フェニレン)をベースとするものが記載されている。OLEDの特性は、使用されるエミッタだけに限定されるわけではない。ここでは、特に、その他の使用される材料、例えば、マトリックス材料、正孔ブロック材料、電子輸送材料、正孔輸送材料及び電子又は励起ブロック材料を特に意味する。これらの材料の改善により、OLEDの特性を大幅に改善することができる。蛍光OLEDの場合、これらの材料には依然として改善の余地がある。従来技術では、とりわけ、ケトン(又は、ホスフィンオキシド)が、リン光エミッタのためのマトリックス材料として使用されている。しかしながら、これらのマトリックス材料を使用する場合は、他のマトリックス材料と同様に、依然として、特に効率及びデバイスの寿命の観点で改善の要求がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4539507A号明細書
【特許文献2】米国特許第5151629A号明細書
【特許文献3】欧州特許第0676461A号明細書
【特許文献4】国際公開第98/27136A号パンフレット
【特許文献5】国際公開第9013148A1号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Tetrahedron. 54(1998), 12707−12714
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、蛍光性又はリン光性、又は熱活性化遅延蛍光(英語:temperature activated delayed fluorescence)OLED(TADF−OLED)、特に、リン光性又はTADF−OLEDに適した、例えば、マトリックス材料として、又は正孔輸送材料/電子ブロック材料又は励起ブロック材料として、又は電子輸送材料又は正孔ブロック材料としての使用に適した化合物を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、架橋可能な有機半導体(式1a)における基本構造としての新たな架橋単位PGの開発に基づく。このような架橋単位自体は有機半導体に使用することができ、それによって自己架橋性が得られる。それによって、式1に要約されている多数の新たな有機半導体がもたらされる。その点では、本発明は、第一の態様において、架橋単位PG並びに有機半導体の架橋におけるそれの使用に関する。
【0009】
本発明は、一般式1の有機分子を提供する。
【0010】
【化1】
【0011】
式中、
Ar=互いに独立して、5〜30個の環原子を有する不飽和、又は芳香族の炭素環単位又はヘテロ環単位であり、ナフタリン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ジヒドロピレン、クリセン、ペリレン、フルオランテン、ベンズアントラセン、テトラセン、ペンタセン、ベンズピレン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ピロール、インドール、イソインドール、カルバゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントリジン、ベンゾ−5、6−キノリン、ベンゾ−6,7−キノリン、ベンゾ−7,8−キノリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ピラゾール、インダゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、フェナントロイミダゾール、ピリドイミダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、アントロオキサゾール(Anthroxazol)、フェナントロオキサゾール(Phenanthroxazol)、イソキサゾール、イソチアゾール、1,3−チアゾール、ベンゾチアゾール、ピリダジン、ベンゾピリダジン、ピリミジン、ベンズピリミジン、キノキサリン、ピラジン、フェナジン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントロリン、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3−チアジアゾ−ル、1,2,4−チアジアゾ−ル、1,2,5−チアジアゾ−ル、1,3,4−チアジアゾ−ル、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,3−トリアジン、テトラゾ−ル、1,2,3,4−オキサトリアゾール、1,2,3,4−オキサトリアゾール、1,2,4,5−テトラジン1,2,3,4−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、プリン、プテリジン、インドリジン、ベンゾチアジアゾール、インデノカルバゾール、インデノフルオレン、スピロビフルオレン及びインドロカルバゾールからなる群から選択され、任意に、それぞれが、一つ又は二つ以上の残基R1で置換されており、その際、任意に、二つ又は三つ以上の残基R1が、互いに結合して、一つ又は二つ以上の環を形成し;
D1=式1aの構造を有する、ドナー基、
【0012】
【化2】
及び、
D2=式1bの構造を有する、電子供与特性を有するドナー基、
【0013】
【化3】
【0014】
その際、このために使用される記号及びインデックスは次の通りである。
nは、1〜5の整数;
oは、1〜5の整数;
pは、0〜5の整数;
PG:二つの、同一又は異なる重合可能な単位であり、これは、熱及び/又は酸触媒法又は塩基触媒法、光開始剤の存在下又は不存在下でのUV照射、又はマイクロ波によって重合することができる。好ましい実施形態において、官能化は、構造の3位並びに6位で行われ;
X、Yは、いずれの場合においても、互いに独立して、同一又は異なって、置換された及び置換されていないアルキレン基(分岐していない、分岐状又は環状)、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基、O、NR、C=CR、C=NR、SiR、S、S(O)、S(O)、Se、Se(O)、Se(O)、BR、PR、P(O)Rからなる群から選択される、共有結合による単結合又は二価の有機架橋、並びに、これらの単位の組み合わせ(例えば、Oで中断されたアルキレン基(非分岐状、分岐状又は環状)、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基)あり;
Zは、いずれの場合においても、同一又は異なって、CR又はNであり;
R及びRは、いずれの場合においても、同一又は異なって、H、D、F、Cl、Br、I、B(OR、CHO、C(=O)R、CR=C(R、CN、C(=O)OR、C(=O)N(R、Si(R、NO、P(=O)(R、OSO、OR、S(=O)R、S(=0)、1〜20C原子を有する線状のアルキル基、アルコキシ基又はチオアルキル基−、又は3〜20C原子を有する分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基又はチオアルキル基、又は2〜20C原子を有するアルケニル基又はアルキル基であり、その際、上述の基のそれぞれは、一つ又は二つ以上の残基Rで置換されることができ、及び、その際、上記の基における一つ又は二つ以上のCH−基は、−RC=CR−、−C≡C−、Si(R、C=O、C=S、C=NR、−C(=O)O−、−C(=O)NR−、NR、P(=O)(R)、−O−、−S−、SO又はSOで置き換えることができ、及び、その際、上記の基の一つ又は二つ以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CN又はNOで置き換えることができるか、又はそれぞれが、一つ又は二つ以上の残基Rで置換されることができる、6〜30個の芳香族の環原子を有する芳香族の環系であるか、又は一つ又は二つ以上の残基Rで置換されることができる、6〜30個の芳香族の環原子を有するアリールオキシ基であり、その際、二つ又は三つ以上の残基R及びRは、互いに結合して、一つの環を形成することができ;
は、いずれの場合においても、同一又は異なって、H、D、F、Cl、Br、I、B(OR、CHO、C(=O)R、CR=C(R、CN、C(=O)OR、C(=O)N(R、Si(R、N(R、NO、P(=O)(R、OSO、OR、S(=O)R、S(=O)、1〜20C原子を有する線状のアルキル基、アルコキシ基又はチオアルキル基−、又は3〜20C原子を有する分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基又はチオアルキル基、又は2〜20C原子を有するアルケニル基又はアルキニル基であり、その際、上述の基のそれぞれは、一つ又は二つ以上の残基Rで置換されることができ、及び、その際、上記の基における一つ又は二つ以上のCH−基は、−RC=CR−、−C≡C−、Si(R、C=O、C=S、C=NR、−C(=O)O−、−C(=O)NR−、NR、P(=O)(R)、−O−、−S−、SO又はSOで置き換えることができ、及びその際、上記の基の一つ又は二つ以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CN又はNOで置き換えることができるか、又はそれぞれが、一つ又は二つ以上の残基Rで置換されることができる、5〜30個の芳香族の環原子を有する芳香族又はヘテロ芳香族の環系であるか、又は一つ又は二つ以上の残基Rで置換されることができる、5〜60個の芳香族の環原子を有するアリールオキシ基又はヘテロアリールオキシ基であり、その際、二つ又は三つ以上の残基Rは、互いに結合して、一つの環を形成することができ;
は、いずれの場合においても、同一又は異なって、H、D、F、Cl、Br、I、B(OR、CHO、C(=O)R、CR=C(R、CN、C(=O)OR、C(=O)N(R、Si(R、N(R、NO、P(=O)(R、OSO、OR、S(=O)R、S(=O)、1〜20C原子を有する線状のアルキル基、アルコキシ基又はチオアルキル基、又は3〜20C原子を有する分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基又はチオアルキル基、又は2〜20C原子を有するアルケニル基又はアルキニル基であり、その際、上述の基のそれぞれは、一つ又は二つ以上の残基Rで置換されることができ、及び、その際、上記の基における一つ又は二つ以上のCH−基は、−RC=CR−、−C≡C−、Si(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、−C(=O)O−、−C(=O)NR−、NR、P(=O)(R)、−O−、−S−、SO又はSOで置き換えることができ、及び、その際、上記の基の一つ又は二つ以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CN又はNOで置き換えることができるか、又は、それぞれが、一つ又は二つ以上の残基Rで置換されることができる、5〜60個の芳香族の環原子を有する芳香族又はヘテロ芳香族又はヘテロ芳香族の環系であるか、又は一つ又は二つ以上の残基Rで置換されることができる、5〜60個の芳香族の環原子を有するアリールオキシ基又はヘテロアリールオキシ基であり、その際、二つ又は三つ以上の残基Rは、互いに結合して、一つの環を形成することができ;
は、いずれの場合においても、同一又は異なって、H、D、F、又は1〜20C原子を有する脂肪族、芳香族又はヘテロ芳香族の有機残基であり、その際、一つ又は二つ以上のH原子も、D又はFで置き換えることができ、その際、二つ又は三つ以上の置換基Rは、互いに結合して、一つの環を形成でき;
及び、その際、式の#の符号を有するそれぞれの位置におけるArとの結合は単結合で行われる。
【0015】
一実施形態において、重合可能な基PGは、独立して、次からなる群から選択される結合である。
【0016】
【化4】
【0017】
その際、波線は、D1の基体の結合位置を示している。一実施形態において、有機分子の基Arは、次の構造を有する。
【0018】
【化5】
【0019】
式中、Wは、いずれの場合においても、同一又は異なって、CR又はNであり(上記で定義したとおり)、そして特に、少なくとも一つのWは、異なるCRである。
【0020】
さらなる実施形態において、本発明の化合物は、例えば、次のようなPYD2−様の化合物である。
【0021】
【化6】
【0022】
さらに好ましい実施形態において、本発明の化合物は、例えば、次のようなmCPy−様化合物である。
【0023】
【化7】
【0024】
さらに好ましい実施形態において、本発明の化合物は、例えば、次のようなDIHAPY−様化合物である。
【0025】
【化8】
【0026】
さらに、以下に示す化合物は、式1の化合物の好ましい実施形態でもある。
【0027】
【化9】
【0028】
驚くべきことに、顕著な利点が従来技術に対して見出されている。オキセタンを用いた既知の架橋の概念は、追加の試薬を必要とし、成分の寿命にとって好ましくない。UV放射線でジ(4−ビニルアリール)アミンを架橋する場合、そのようなアプローチによって必要とされる高温及び長い反応時間は好ましくない。また、ビニル基が異なるカルバゾール基に結合しているジビニル置換化合物の架橋が知られている。しかしながら、この場合、重合性基の間に好ましい相互作用は見られなかった。
【0029】
驚くべきことに、共役スペーサー(式1aによる基体)上に架橋性基を導入することにより、予想外の利点が生じることが今や見出された:ポリマー鎖の2つの重合可能な成長位置は、カルバゾール、フェノキサジン、フェノチアジン及び類似の環化複素環のような架橋によって結合された2つの重合性基の導入によって利用可能である。ラジカルは完全なスペーサー上で非局在化している、つまり、鎖成長は、両方の分子位置で起こり得る。N−アリール−ジビニルカルバゾールの可能な合成は、対応するジブロミドからのクマダイ反応によってビニル基を合成することによって行うことができる(Tetrahedron. 54(1998), 12707−12714(非特許文献1))。単一の官能性残基において、架橋性単位及び機能性分子が結合することによって、材料を製造するための合成の労力が最小化される。というのも、いくつかの残基に代えてジブロモカルバゾール残基だけを官能性材料中へ導入しなければないからである(例3参照)。このジブロモカルバゾール残基は、容易かつ選択的に、パラジウム触媒化されたクロスカップリング反応を利用して、所望のジビニルカルバゾール残基に変換することができる。さらなる合成の適合は、例えば、電子特性及び/又は溶解性を設定することであり、これは非常に簡単に遂行できる。二つのビニル基間における電子的結合によって、材料を容易に活性化することができ、その結果、電子的に切断されているジビニル置換系と比較して、低温又は低いUV量において架橋することができ、これは、機能性材料にとって非常に穏やかである。
【0030】
これは利点を有する:有機アモルファス薄膜の架橋が、しばしば阻害される。活性ラジカルが、拡散後に、固体を通って攻撃性のモノマーに衝突できるほど速く、主にその速度に依存するため、そのようなプロセスは、拡散制御される。空間的に離間した二つの面から攻撃できるラジカルの生成によって、単位時間内に、架橋のさらなる基本ステップが生じる確率が倍増する。
【0031】
さらに、活性化障壁の高められた非局在化によって付加が低減され、その結果、時間平均において、これは迅速に進行する。
【0032】
第三の任意の利点は、カルバゾール(Y=単結合)の任意の使用において達成される。公知のこの構造単位の劣化のメカニズムは、カルバゾール基が使用される場合に、オリゴマー化/新たな結合の結合が確立されることに基づいている(図2)。このデバイスの特性は、このプロセスにより、それらのエネルギーレベルが移動し、そして、中期的に、デバイスの破壊につながるように変化する。正孔輸送単位の反応位置の飽和により、例えば、tert−ブチル基により、この問題を回避することができる。しかしながら、これは、電荷キャリア移動度などのパラメータに負の変化という欠点をもたらし、形態の問題、特に相分離、つまり、例えば、ホスト材料及び/又はそこに含有されているエミッタ分子の結晶化を招き得る。さらに、この保護基は、デバイスの長期稼働において分解する可能性もあり、これは、前述の問題を招き得る。本発明の実施形態において、不安定な第三のアルキル基は、安定な第二のアルキル基で置き換えられている。
【0033】
本発明の分子は、式1bのドナー基D2を有し、これは、平坦な構造を有しており、それにより、架橋していないアリールアミンを有する分子と比較して、電荷キャリアの移動度が著しく高められる。架橋していないアリールアミンは、本発明のドナー単位と比較して、OLED中で非常に不安定である。というのも、結合していないアリール残基は、比較的簡単に分解する可能性があるからである。さらに、架橋していないアリールアミンの場合、三重項エネルギーが著しく高い。不適当な三重項エネルギーの場合、その化合物は、熱活性化遅延蛍光(TADF)−エミッタ及びリン光エミッタのための、特に、工業的に特に重要な色である青色のためのホスト材料として適さない。
【0034】
さらに、重合可能な基PGは、任意に、鏡面対称性の化合物に使用される。一つのカルバゾイル単位毎に二つの架橋可能な単位PGを導入することにより、これらの分子の対称性が低減し(図3)、それによって、溶解度が増加し、印刷プロセス及びコーティングプロセスの適性が向上する。加えて結晶化を抑制することにより、フィルム形成特性が改善される。
【0035】
一実施形態において、本発明の化合物中、二つの重合可能な基PGは共役して、かつ、互いに近接している。架橋には、一分子中少なくとも二つのPGが必要である。正確に二つの重合可能な基が存在していることが好ましい。というのも、重合後、架橋していない単位がラジカルとしてポリマーフィルム中に残存する可能性があり、分子中の重合可能な基PGの数と共に増加することが統計的に見られるからである。これらのラジカルは、光電子デバイス中でいわゆる電荷キャリアトラップとして作用してその効率を低下させる。
【0036】
本発明の好ましい実施形態において、カルバゾールはドナー残基として使用される。公知の、置換されていないカルバゾール単位の欠点は、低いHOMO−エネルギーである。これは、置換によっては、−6.0〜−5.6eVになる。それにより、しばしば使用されている、PEDOT:PSSのような正孔注入層における電圧が妨げられ、これは、しばしば、−5.1eVでのHOMOエネルギーを示す。OLEDデバイスにおける低いスイッチ−オン電圧を達成するためには、カルバゾール誘導体のHOMOと正孔注入層のそれとの間のエネルギー差が可能な限り小さい場合が望ましい。置換によって、HOMO−エネルギーは50〜200meV上昇し、それにより、このエネルギー差は、置換されていないカルバゾール誘導体に比べてより低減される。
【0037】
本発明の態様は、光電子特性を変化させるために公知の有機半導体において架橋単位を使用する限り、デバイスにおける使用目的に応じたこの材料に対する要求を可能な限り最善に達成することに基づいている(溶液からの多層型構造物を可能にするための、HOMO−及びLUMO、T1、S1、正孔輸送、電子輸送、正孔ブロッカー、電子ブロッカー、溶解性、直交溶解性及び架橋性)。発光効率及び寿命に関してこれらのデバイスをさらに確立するための、デバイスにおけるいくつかの高純度の有機層自体であり、その際、いくつかの層のそれぞれは、別々の機能を有する(電荷注入、電荷輸送、電荷遮断層、放出層、電極等)。これらの層は、一般に、高温真空中での昇華によって適当な基板上に相次いで施用される。有機エレクトロニクスの分野からの益々数が増大するマスマーケット製品に伴い、特に、ディスプレー市場及び照明市場のための有機発光ダイオード(OLED)の場合、確立されている真空系の製造技術と比較して、代替的かつ費用対効果の高い製造方法を実現する潜在的な必然性がある。
【0038】
重合可能な基の使用は、事前に溶液から製造されたフィルムを不溶性のネットワーク中へ移送することができる。これによって、境界面において混ざり合うことなく、また、それまでに堆積させた層が溶解することなく、溶液からなるさらなる層を、既に塗工された層の上に施用することができる。
【0039】
これらの技術革新によって、費用効率的な溶媒ベースの製造方法を用いて本発明の小さい分子の純度が実現される。これは、OLEDデバイスにおけるそれらの堆積、並びに、場合によっては、機能性層の数の減少と比較して、より低減された材料損失で最新の多層型構造物の製造を可能にする。
【0040】
驚くべきことに、式1で特定された化合物によって、特に、寿命、効率及び作動電圧に関して、有機電界発光装置の著しい改善がもたらされることが見出された。これは、特に、マトリックス材料として本発明の化合物を使用する場合に、緑及び青のリン光エレクトロルミネッセンス装置にも特に有効である。それ故、そのような化合物を含有するこれらの材料並びに有機エレクトロルミネッセンス装置は、本発明の対象である。
【0041】
さらに、本発明の化合物は、光化学的な架橋又は熱架橋による架橋法の使用を可能にし、該方法がない場合、効率的で、耐久性のある液体処理されたOLEDを生産することはできない。
【0042】
それ故、本発明の態様は、共役に役立つ、架橋可能な二つの基PGを、官能性のドナー単位、例えば、カルバゾール、フェノキサジン又はフェノチアジンに導入することによって、光電子デバイスにおいて使用する場合に、効率、寿命及び作動電圧に関する改善された特性を有する両極性のホスト材料を提供することである。
【0043】
本発明は、さらなる態様において、本明細書に記載されている種類の有機分子の、エミッタ層における発光エミッタのためのマトリックス材料(ホスト材料)としての及び/又は光電子デバイスにおける正孔注入材料としての及び/又は正孔ブロック材料としての使用に関する。
【0044】
本発明の一実施形態において、本明細書に記載されている種類の有機分子は、光電子デバイスの発光層において、好ましくは、少なくとも一つのさらなる化合物との混合物で使用される。この場合、該有機分子は、混合物中におけるマトリックス材料であることが好ましい。
【0045】
本発明の好ましい実施形態において、本明細書に記載されている種類の有機分子は、光電子デバイスにおける発光エミッタのための適したマトリックス材料として使用される。
【0046】
本発明による光電子デバイスは、好ましくは、次からなる群から選択される。
−有機発光ダイオード素子(OLED)
−発光電気化学セル
−OLEDセンサー、特に、外部から密閉されないガスセンサー及び蒸気センサー、
−有機太陽セル、
−有機電界効果トランジスタ、
−有機レーザー、及び
−ダウンコンバージョン要素
【0047】
さらなる本発明の態様は、本明細書に記載されている種類の少なくとも一つの有機分子及び少なくとも一つの発光エミッタを含有する混合物に関する。
【0048】
さらなる態様において、本発明は、本明細書に記載されている種類の有機分子を少なくとも一つ、又は本明細書に記載されている混合物及び少なくとも一つの溶媒を含む調合物に関する。
【0049】
一実施形態において、光発光デバイス、特に、OLEDにおけるマトリックス材料としての有機材料の割合は50%〜99%である。
【0050】
さらなる態様において、本発明は、本明細書に記載されている種類の有機分子を有する光電子デバイスに関する。この場合、本発明による光電子デバイスは、本明細書に記載されている種類の有機分子を、例えば、発光エミッタのためのマトリックス材料(ホスト材料)として、及び/又は電子輸送材料として及び/又は正孔注入材料として及び/又は正孔ブロック材料として含む少なくとも一つの層をアノードとカソードとの間に含む。この場合、該光電子デバイスは、有機発光デバイス、有機ダイオード、有機太陽セル、有機トランジスタ、有機発光ダイオード、発光電気化学セル、有機電界効果トランジスタ及び有機レーザーからなる群から選択することができる。さらなる態様において、本発明は、光電子デバイスを製造する方法に関し、その際、本明細書に記載されている種類の有機分子が使用される。
【0051】
このような方法の一部は、支持体上に本発明の有機分子の適用することができる。この適用は、任意に、真空中での蒸発又は湿式化学的に行うことができる。
【0052】
このための方法は当業者に知られており、そして、それによって本明細書に記載されている種類の有機分子を含む光電子デバイスに容易に適用することができる。
【0053】
本発明による有機分子は、光電子デバイスにおいて使用する場合に、特に、従来技術に対して次のような利点を有する:
a.従来技術のシステムと比較してデバイスの電荷キャリア移動度が改善される。
b.従来技術によるシステムと比較してデバイスの効率がより高い。
c.従来技術によるシステムと比較してデバイスの安定性がより高い。
d.従来技術によるシステムと比較してデバイスの寿命がより長い。
【0054】
以下の例によって、本発明をより詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1図1は、カルバゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、および結合に類似の複素環のようなブリッジを介して結合している二つの重合性基を導入することによって利用可能となる、ポリマー鎖の原則的に二つの可能な成長位置を示している。
図2図2は、置換されていないカルバゾールは劣化過程に進む傾向があり、その際、3,6−結合されたポリマーを生じさせるが、これが、本発明の置換基の導入により防止されることを示している。
図3図3は、重合可能な単位PGの導入によって、鏡面対称性化合物の一方の面において、この分子の対称性が低下し、それにより溶解度が増加し、印刷工程及びコーティング工程の適性が向上し、結晶化を抑制することにより、さらに、フィルム形成特性が改善されることを示している。
【実施例】
【0056】
例1:本発明による分子
以下のリストは、架橋性エチレンを有する全ての分子を示す。本発明によるさらなる分子が得られるように、代替の架橋性基PGを分子に導入することができることは、当業者に知られている。
【0057】
【化10】
【0058】
例2:2−N−(カルバゾリル)6−N−(3,6−ジビニルカルバゾイル)ピリジン(分子1)の例における本発明の分子を合成するための合成シーケンス
【化11】
【0059】
エステル置換工程:
カルバゾール(10ミリモル、1.00当量)を水素化ナトリウム(パラフィンを有する60%、500mg、13ミリモル、1.3当量)と混合し、そして窒素下で総量110mLのジオキサンで部分毎に溶解する。その際、過剰の気泡形成を回避するために、添加速度は水素の形成に適合させる。添加が完了した後、反応物を室温で15分間撹拌し、その後、還流下で15分間加熱した。それにより形成されたのは、透明で黄色の溶液であり、これは、UV光下で強く蛍光した(366nm励起)。2,6−ジフルオロピリジン(1.15グラム、10ミリモル、1.00当量)を反応混合物に滴下する。その際、UV光下では蛍光が著しく減衰する。出発物質(HPLC、GC−MS又はTLCによって反応制御、典型的には4時間)の変換が完了するまで、反応混合物を還流下で加熱する。室温に冷却した後、窒素下で10mLの水を滴下することにより過剰の塩基をクエンチする。反応混合物を200mLの飽和塩化ナトリウム溶液に注ぎ、粗生成物を吸引により分離し、水(300mL)及びメタノール(60mL)で洗浄した。そのようにして得られた固体を、高温のトルエン200mLで分解し、不溶性残留物を廃棄した。溶媒を減圧下で除去し、そして生成物をペンタン(300mL)及びジエチルエーテル(200mL)で洗浄し、真空で乾燥させた。生成物がベージュ色の固体として単離され、そして、一般的にはさらに精製せずにさらに反応させた。分析的に純粋な生成物は、250℃、0.002ミリバールにおける真空昇華によって、又はMPLC精製(移動相勾配シクロヘキサン−ジクロロメタン)によって得られた。
【0060】
第二の置換工程:
この合成は、第一の工程と同様に行ったが、カルバゾールに代えてジブロモカルバゾールを用い、2,6−ジフルオロピリジンに代えて第一の置換工程の反応生成物を使用し、そして、2,6−ジフルオロピリジンの添加前に、透明な黄色の溶液の代わりに懸濁液が生成した。
2−N−(カルバゾイル)−6−N−(3,6−ジブロモカルバゾール)−ピリジン(h6−2)
【0061】
【化12】
【0062】
白色粉末(95%)−不溶性に起因して、従来のNMR溶媒では、評価可能なNMRスペクトルを得ることはできなかった−IR(ATR)1650(vw),1571(m),1466(vs),1447(vs),1429(m),1375(m),1331(m),1308(m),1277(m),1222(m),1183(w),1159(w),1058(w),1020(w),867(w),825(w),809(m),794(m),741(s),720(s),660(w),634(vw),616(vw),563(w),526(w),491(w),436(w),418(m)cm−1
−HRMS(FAB−MS,3−NBA):C291779Br ber.564.9784,gef.564.9733
【0063】
重合可能な単位PGを導入するためのカップリング反応
2−N−カルバゾリル)−6−N−(3,6−ジブロモカルバゾール)−ピリジン(h6−2)(10ミリモル、1当量)を、Pd(PPH(Br当たり5モル%)及びホウ素誘導体KFBCH=CH(Br当たり2当量)と、アルゴン下で溶解し(50mLのトルエン/エタノール/KOHaq=3/3/1)、そして、24、還流下で加熱した。反応混合物を、酸化アルミニウム(ブロックマン1)を介してろ過し、そしてMPLCによって精製した(移動相勾配シクロヘキサン−ジクロロヘキサン)。2−N−(カルバゾイル)−6−N−(3,6−ジビニルカルバゾイル)−ピリジン(分子1)。
【0064】
【化13】
【0065】
ベージュ色の固体(36%)−H NMR(500MHz,クロロホルム−d)δ=8.20−7.98(m,7H),7.72−7.61(m,2H),7.61−7.50(m,2H),7.50−7.31(m,4H),6.94(dd,J=17.5,10.9Hz,2H),5.91−5.79(m,2H),5.39−5.25(m,2H)
13C NMR(126MHz,クロロホルム−d)δ=151.5,140.7,140.4,139.6,139.5,137.0,131.3,126.4,124.9,124.6,121.3,120.2,118.0,114.9,114.6,112.3,112.2,112.0,100.0
【0066】
例3:分子2
2−N−(カルバゾイル)−6−N−(3,6−ジ(4−ビニルフェニル)−カルバゾイル)−ピリジン(分子2)
【0067】
【化14】
【0068】
この合成は、分子1の合成と同様に行ったが、(HO)BPhCH=CHをホウ素誘導体として使用した。ベージュ色の固体(50%)−H NMR(500MHz,クロロホルム−d)δ=8.47−8.41(m,2H),8.25−8.04(m,7H),7.80−7.62(m,8H),7.61−7.52(m,4H),7.47(ddd,J=8.5,7.2,1.3Hz,2H),7.38(td,J=7.5,1.0Hz,2H),6.82(dd,J=17.6,10.9Hz,2H),5.84(dd,J=17.5,0.9Hz,2H),5.31(dd,J=10.9,0.9Hz,2H)ppm
13C NMR(126MHz,クロロホルム−d)δ=151.6,151.41,140.96,139.49,139.37,136.51,136.17,134.37,127.33,127.0,126.7,126.7,126.4,125.8,125.3,124.6,121.4,120.2,118.4,114.6,113.7,112.5,111.9ppm
−IR(ATR)2922(vw),1730(vw),1625(vw),1570(m),1477(m),1439(vs),1375(m),1324(m),1220(m),1186(m),1029(w),987(vw),902(w),841(w),794(m),747(s),721(s),668(vw),640(vw),597(vw),560(vw),499(vw),420(w)cm−1
−HRMS(FAB−MS,3−NBA,C4532)ber.614.2591,gef.614.2593
図1
図2
図3
【国際調査報告】