(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
本発明は、高純度のベンゾオキサゾールオキサジンケトン類化合物の製造方法、結晶形、並びに式(I)に示される化合物の中間体化合物及びその製造方法に関するものである。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、以下の段階を含む式(I)に示される化合物の製造方法を提供し、
【化2】
Rはアミノ基の保護基であり、
XはF、Cl、BrまたはIであり、
R
2は、任意に選択されて置換される5員または6員環状のアミノ基またはヘテロ環状アミノ基から選択され、「ヘテロ」は、O、N、C(=O)またはC(=O)NHを代表し、置換基はC
1−4アルキル基またはヘテロアルキル基から独立的に選択される。
【0004】
本発明のある技術方案において、前記Rは、アルコキシカルボニル基のアミノ基の保護基から選択される。
【0005】
本発明のある技術方案において、前記Rは、Cbz、Boc、Fmoc、Alloc、Teco、メトキシカルボニル基またはエトキシカルボニル基から選択される。
【0006】
本発明のある技術方案において、前記R
2は、
【化3】
または
【化4】
から選択される。
【0007】
本発明のある技術方案において、前記塩基は、アルカリ金属塩基、アルカリ土類金属塩基または有機アルカリ金属塩基から選択される。
【0008】
本発明のある技術方案において、前記アルカリ金属塩基は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム及び/または炭酸水素カリウムから選択される。
【0009】
本発明のある技術方案において、前記アルカリ土類金属塩基は、水素化ナトリウム、水素化カリウム及び/または水素化カルシウムから選択される。
【0010】
本発明のある技術方案において、前記有機金属塩基は、ナトリウムメチラート、リチウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムエトキシド及び/またはアルミニウムイソプロポキシドから選択される。
【0011】
本発明のある技術方案において、前記化合物(IV)と前記塩基とのモル用量比は1:1〜5であり、具体的には1:2〜3である。
【0012】
本発明のある技術方案において、前記化合物(III)と化合物(IV)とのモル用量比は1:1〜2である。
【0013】
本発明のある技術方案において、前記反応における反応温度は−10〜50℃である。
【0014】
本発明のある技術方案において、前記反応における反応温度は0〜30℃である。
【0015】
本発明のある技術方案において、前記反応における反応時間は5〜200時間である。
【0016】
本発明のある技術方案において、前記反応における反応時間は10〜100時間である。
【0017】
本発明のある技術方案において、前記反応における反応時間は16〜48時間である。
【0018】
本発明のある技術方案において、前記反応は反応溶媒中で行われ、前記反応溶媒は、アミド系溶媒、エーテル系溶媒またはその任意の混合物から選択される。
【0019】
本発明のある技術方案において、前記反応溶媒使用量は化合物(IV)の重量の10〜50倍である。
【0020】
本発明のある技術方案において、前記反応溶媒使用量は化合物(IV)の重量の15〜20倍である。
【0021】
本発明のある技術方案において、前記アミド系溶媒はDMFまたはDMACから選択される。
【0022】
本発明のある技術方案において、前記エーテル系溶媒は、テトラヒドロフラン、メティルテトラヒドロフラン、ジオキサンまたはメチルtert−ブチルエーテルから選択される。
【0023】
本発明のある技術方案において、前記式(I)に示される化合物の製造方法は以下のような反応を含む。
【化5】
【0024】
本発明のある技術方案において、前記式(I)に示される化合物の製造方法は以下のような反応をさらに含む。
【化6】
【0025】
本発明のある技術方案において、前記式(I)に示される化合物の製造方法は以下のような反応さらに含む。
【化7】
【0026】
本発明のある技術方案において、前記式(I)に示される化合物の製造方法は以下のような反応さらに含む。
【化8】
【0027】
本発明のある技術方案において、前記式(I)に示される化合物の製造方法は以下のような反応さらに含む。
【化9】
【0028】
本発明のある技術方案において、前記式(I)に示される化合物の製造方法は以下のような反応さらに含む。
【化10】
【0029】
本発明のある技術方案において、前記HAは有機酸または無機酸から選択される。
【0030】
本発明のある技術方案において、前記HAは塩酸、硫酸、シュウ酸、クエン酸、マレイン酸またはフマル酸から選択される。
【0031】
本発明のある技術方案において、前記化合物(i)は、化合物(II)と還元剤を反応させて製造することができ、ここで、前記還元剤は、アルカリ金属水素化物であることが好ましく、前記アルカリ金属水素化物は、水素化ホウ素ナトリウム、トリアセチル水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、レッドアルミニウム及び/または水素化アルミニウムリチウムであることが好ましく、前記化合物(II)と還元剤とのモル用量比は1:1〜5であることが好ましく、前記反応は反応溶媒中で行われ、前記溶媒は単一有機溶媒または混合有機溶媒であることが好ましく、前記有機溶媒はメタノール、エタノール、テトラヒドロフラン及び/またはジクロロメタンであることが好ましく、前記溶媒使用量は前記化合物(II)の重量の5〜20倍であり、前記反応における反応温度は−10〜50℃であり、前記反応における反応温度は0〜30℃であり、前記反応における反応時間は2〜30時間であり、前記反応における反応時間は8〜16時間である。
【0032】
本発明のある技術方案において、前記化合物(j)は、前記化合物(i)が塩基下でメタンスルホニルクロリドを反応させて製造することができ、ここで、前記塩基は、アルカリ金属塩基、アルカリ土類金属塩基、有機金属塩基及び/または有機塩基であることが好ましく、前記アルカリ金属塩基は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム及び/または炭酸水素カリウムであることが好ましく、前記アルカリ土類金属塩基は、水素化ナトリウム、水素化カリウム及び/または水素化カルシウムであることが好ましく、前記有機金属塩基は、ナトリウムメチラート、リチウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムエトキシド及び/またはアルミニウムイソプロポキシドであることが好ましく、前記有機塩基は、ジエチルアミン、トリエチルアミン、DIEA、ピリジン、DMAP及び/またはDBUであることが好ましく、前記化合物(i)と前記塩基とのモル用量比は1:1〜5であることが好ましく、前記化合物(i)と前記メタンスルホニルクロリドとのモル用量比は1:1〜2であることが好ましく、前記反応は、反応溶媒中で行われ、前記溶媒は非プロトン性有機溶媒であることが好ましく、前記有機溶媒は、ベンゼン、トルエン、ジオキサン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン及び/またはメチルテトラヒドロフランが好ましく、前記溶媒使用量は前記化合物(i)の重量の5〜20倍であり、前記反応における反応温度は−20〜50℃であり、前記反応における反応温度は−5〜15℃であることが好ましく、前記反応における反応時間は2〜30時間でり、前記反応における反応時間は8〜16時間である。
【0033】
本発明のある技術方案において、前記化合物(k)は,前記化合物(j)とフタルイミドカリウム塩を反応させて製造することができ、または前記化合物(j)とフタルイミドカリウム塩とが塩基下で製造されることでき、ここで、前記塩基は、アルカリ金属塩基、アルカリ土類金属塩基、有機金属塩基及び/または有機塩基であることが好ましく、前記アルカリ金属塩基は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム及び/または炭酸水素カリウムであることが好ましく、前記アルカリ土類金属塩基は、水素化ナトリウム、水素化カリウム及び/または水素化カルシウムであることが好ましく、前記有機金属塩基は、ナトリウムメチラート、リチウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムエトキシド及び/またはアルミニウムイソプロポキシドであることが好ましく、前記化合物(j)と前記塩基とのモル用量比は1:1〜5であることが好ましく、前記反応は、反応溶媒中で行われ、前記溶媒は非プロトン性有機溶媒であることが好ましく、前記有機溶媒は、ベンゼン、トルエン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、DMF、DMSO及び/またはNMPであることが好ましく、前記溶媒使用量は前記化合物(i)の重量の5〜20倍であり、前記反応における反応温度は0〜100℃であり、前記反応における反応温度は20〜80℃であり、前記反応における反応時間は2〜30時間であり、前記反応における反応時間は8〜16時間である。
【0034】
本発明のある技術方案において、前記化合物(II)は化合物(V)を製造するためのものであり、
【化11】
前記化合物(V)は、前記化合物(j)が塩基との作用後、酸付加塩を入れて析出することにより得られることができ、前記塩基は、アルカリ金属塩基または有機塩基であることが好ましく、前記アルカリ金属塩基は水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム及び/または炭酸水素カリウムが好ましく、前記有機塩基は、ヒドラジンー水和物、アンモニア、メチルアミン水溶液及び/またはメチルアルコール溶液であることが好ましく、前記酸は無機酸または有機酸であることが好ましく、前記無機酸は塩酸または硫酸であることが好ましく、前記有機酸はシュウ酸、クエン酸、マレイン酸及び/またはフマル酸であることが好ましく、前記化合物(j)と前記塩基とのモル用量比は1:2〜10であることが好ましく、前記化合物(j)と前記酸とのモル用量比は1:2〜10であることが好ましく、前記反応は、反応溶媒中で行われ、前記溶媒は水またはプロトン性有機溶媒であることが好ましく、前記有機溶媒は、メタノール、エタノール及び/またはイソプロパノールであることが好ましく、前記溶媒使用量は前記化合物(i)の重量の5〜20倍であり、前記反応における反応温度は0〜100℃であり、前記反応における反応温度は20〜80℃であり、前記反応における反応時間は2〜30時間である。
【0035】
本発明のある技術方案において、前記化合物1は、前記化合物(V)が塩基下で、5−クロロチオフェン−2−カルボニルクロリドを反応させて製造することができ、前記化合物(V)と塩基とのモル用量比は1:1〜3であることが好ましく、前記化合物(V)と5−クロロチオフェン−2−カルボニルクロリドとのモル用量比は1:1〜2であることが好ましく、前記反応は、反応溶媒中で行われ、前記溶媒は水と有機溶媒との混合溶媒であることが好ましく、前記有機溶媒はエーテル系溶媒または芳香族炭化水素系溶媒であることが好ましく、前記エーテル系溶媒は、テトラヒドロフランまたはメチルテトラヒドロフランであることが好ましく、前記芳香族炭化水素系溶媒は、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼンまたはブロモベンゼンであることが好ましく、前記水と有機溶媒との体積比は1:1〜2であり、前記溶媒の使用量は、前記化合物(V)の重量の5〜20倍であり、前記反応における反応温度は0〜40℃であり、10〜30℃であることが好ましく、前記反応における反応時間は5〜30時間である。
【0036】
5−クロロチオフェン−2−カルボニルクロリドは、インドのバイエル薬品株式会社(Bayer Healthcare AG)から出願された米国特許US2007149522の実施例1に公開された方法を参照することにより製造することができ、具体的には、80℃条件下で、5−クルロロティオペン−2−フォルム酸のトルエン溶液に、塩化チオニルを入れて、2〜3時間撹拌して、濃縮すると前記5−クロロチオフェン−2−カルボニルクロリドを得ることができる。
【0037】
化合物(III’)は、以下のような合成経路によって製造されることができる。
【化12】
【0038】
化合物(III’)は、Synthesis,(1),178−183;1999文章上の方法によって、前記化合物(g)から製造されてもよい。
【0039】
化合物(g)は、インド特許文献2006MU00055中の方法によって、前記化合物(f)または前記化合物(h)から製造されてもよく、または、化合物(g)は、以下のような合成経路で製造されてもよい。
【化13】
【0040】
化合物(f)は、Oreanic Process Research & Development,16(5)、1003−1012;2012文章中の方法によって、天然物のイソアスコルビン酸から製造されてもよい。
【0041】
化合物(h)は、米国特許WO2001002020中の方法によって、天然物のD−アラビノースから製造されてもよい。
【0042】
本発明は、化合物(I)においての中間体の製造方法をさらに提供しており、その構造は以下のようであり、
【化14】
前記Rはアミノ基の保護基であり、前記Rは、アルコキシカルボニル基のアミノ基の保護基から選択され、前記Rは、Cbz、Boc、Fmoc、Alloc、Teco、メトキシカルボニル基またはエトキシカルボニル基から選択され、前記R
2は、任意に選択されて置換される5員または6員環状アミノ基またはヘテロ環状アミノ基から選択され、「ヘテロ」は、O、N、C(=O)またはC(=O)NHを代表し、置換基はC
1−4アルキル基またはヘテロアルキル基から独立的に選択され、前期R
2は、
【化15】
または
【化16】
から選択され、前記HAは、有機酸または無機酸から選択され、前記HAは、塩酸、硫酸、シュウ酸、クエン酸、マレイン酸またはフマル酸から選択される。本発明は、中間体(IV)においての製造方法をさらに提供しており、それは以下のような反応を含む。
【化17】
【0043】
本発明のある技術方案において、前記中間体(IV)においての製造方法は以下のような反応をさらに含む。
【化18】
【0044】
本発明のある技術方案において、前記中間体(IV)においての製造方法は以下のような反応をさらに含む。
【化19】
【0045】
本発明のある技術方案において、前記中間体(IV)においての製造方法は、以下のような反応をさらに含む。
【化20】
【0046】
本発明のある技術方案において、前記中間体(IV)においての製造方法は以下のような反応をさらに含む。
【化21】
【0047】
本発明のある技術方案において、前記中間体(IV)における製造方法において、化合物(a)は、2,4−ジフルオロニトロベンゼンとカリウムtert−ブトキシドを反応させて製造することができ、前記2,4−ジフルオロニトロベンゼンとカリウムtert−ブトキシドとのモル用量比は1:1〜3であることが好ましく、前記反応は、反応溶媒中で行われ、前記溶媒は有機溶媒であり、前記有機溶媒は、エーテル系溶媒または芳香族炭化水素系溶媒であることが好ましく、前記エーテル系溶媒はテトラヒドロフランまたはメチルテトラヒドロフランであることが好ましく、前記芳香族炭化水素系溶媒は、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼンまたはブロモベンゼンであることが好ましく、前記溶媒使用量は、前記2,4−ジフルオロニトロベンゼンの重量の5〜20倍であり、前記反応における反応温度は0〜40℃であり、前記反応における反応温度は10〜30℃であり、前記反応における反応時間は1〜30時間であり、前記反応における反応時間は3〜8時間である。
【0048】
本発明のある技術方案において、前記化合物(b)は,前記化合物(a)を塩基下でR
2−Hと反応させて製造することができ、前記塩基は、アルカリ金属塩基、アルカリ土類金属基または有機金属塩基であり、前記アルカリ金属塩基は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム及び/または炭酸水素カリウムから選択され、前記アルカリ土類金属塩基は水素化ナトリウム、水素化カリウム及び/または水素化カルシウムから選択され、前記有機金属塩基は、ナトリウムメチラート、リチウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムエトキシド及び/またはアルミニウムイソプロポキシドから選択され、前記化合物(a)と前記塩基とのモル用量比は1:1〜3であり、前記化合物(a)とR
2−Hとのモル用量比は1:1〜2であり、前記反応は、反応溶媒中で行われ、反応溶媒は、非極性溶媒及び極性溶媒の混合溶媒から選択され、前記非極性溶媒はベンゼン、トルエン、ジオキサン、クロロベンゼン及び/またはブロモベンゼンから選択され、前記極性溶媒は、DMF、DMSOまたはNMPから選択され、前記非極性溶媒と極性溶媒との体積比は1:0.5〜2であり、前記溶媒使用量は化合物(a)の重量の5〜20倍である。
【0049】
本発明のある技術方案において、前記化合物(c)は、前記化合物(b)と酸を反応させて製造することができ、前記酸は無機酸または有機酸であることが好ましく、前記無機酸は塩酸、硫酸及び/または硝酸であることが好ましく、前記有機酸は、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸及び/またはp−トルエンスルホン酸であることが好ましく、前記化合物(b)と酸とのモル用量比は1:5〜30であり、前記反応は、反応溶媒中で行われ、前記溶媒は水または有機溶媒であることが好ましく、前記有機溶媒は酢酸エチル、メタノール及び/またはジオキサンであることが好ましく、前記溶媒の使用量は、化合物(b)の重量の5〜20倍であり、前記反応における反応温度は0〜50℃であり、10〜30℃であることが好ましく、前記反応における反応時間は2〜30時間であり、2〜8時間であることが好ましい。
【0050】
本発明のある技術方案において、前記化合物(d)は、前記化合物(c)と水素化物還元剤/システムを反応させて製造することができ、前記水素化物還元剤/システムは、重金属触媒水素化システム及び還元性金属であることが好ましく、前記重金属触媒水素化システムは、触媒としてドライパラジウム炭素、ウェットパラジウム炭素、ラネーニッケルまたは水酸化パラジウムを用い、還元剤として水素を用いることが好ましく、前記還元性金属は、鉄粉または亜鉛粉末であること好ましく、前記化合物(c)と前記重金属の重量使用量比は100:(2〜30)であることが好ましく、前記反応は反応溶媒中で行われ、前記溶媒は単一な有機溶媒または混合有機溶媒であることが好ましく、前記有機溶媒は酢酸エチル、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン及び/またはDMFであることが好ましく、前記溶媒使用量は化合物(d)の重量の5〜200倍であり、前記反応における反応温度は0〜50℃であり、20〜40℃であることが好ましく、前記反応における反応時間は2〜30時間であり、8〜16時間であることが好ましい。
【0051】
本発明のある技術方案において、化合物(IV)は、化合物(d)を塩基下で通常のアミノ基保護試薬と反応させて製造することができ、前記アミノ基保護試薬は、アルコキシカルボニル基のアミノ基保護試薬であることが好ましく、前記アミノ基保護試薬は、CbzCl、(Boc)
2O、2−(tert−ブトキシカルボニルオキシイミノ)−2−フェニルアセトニトリル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸メチル、クロロぎ酸9−フルオレニルメチル、Fmoc N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、クロロぎ酸アリル及びN−[2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニルオキシ]スクシンイミド等から選択される。
【0052】
前記塩基は、アルカリ金属塩基、アルカリ土類金属塩基及び有機金属塩基であることが好ましく、前記アルカリ金属塩基は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム及び/または炭酸水素カリウムであることが好ましく、前記アルカリ土類金属塩基は、水素化ナトリウム、水素化カリウム及び/または水素化カルシウムであることが好ましく、前記有機金属塩基は、ナトリウムメチラート、リチウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムエトキシド及び/またはアルミニウムイソプロポキシドであることが好ましい。
【0053】
前記化合物(d)と塩基とのモル用量比は1:1〜3であることが好ましく、前記化合物(d)とアミノ基保護試薬とのモル用量比は1:1〜2であることが好ましく、前記反応は、反応溶媒中で行われ、前記溶媒は水と有機溶媒との混合溶媒であることが好ましく、前記有機溶媒は、ベンゼン、トルエン、ジオキサン、テトラヒドロフラン及び/またはメチルテトラヒドロフランであることが好ましく、前記水と有機溶媒との体積比は1:0.5〜2であり、前記溶媒使用量は化合物(d)の重量の5〜20倍であり、前記反応における反応温度は−20〜50℃であり、−5〜15℃であることが好ましく、前記反応における反応時間は2〜30時間である。
【0054】
本発明のある技術方案において、化合物(IV)における他の製造方法をさらに提供しており、それは以下のような経路を含む。
【化22】
【0055】
本発明のある技術方案において、化合物(e)は、前記化合物(b)と水素化還元剤/システムを反応させて製造することができ、前記水素化物還元剤/システムは、重金属触媒水素化システム及び/または還元性金属であることが好ましく、前記重金属触媒水素化システムは、触媒としてドライパラジウム炭素、ウェットパラジウム炭素、ラネーニッケル及び/または水酸化パラジウムを用い、還元剤として水素を用いることが好ましく、前記還元性金属は、鉄粉/または亜鉛粉末であることが好ましく、前記化合物(b)と重金属との重量使用量比は100:2〜30であり、前記反応は、反応溶媒中で行われ、前記溶媒は単一な有機溶媒または混合有機溶媒であることが好ましく、前記有機溶媒は、酢酸エチル、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン及び/またはDMFであることが好ましく、前記溶媒使用量は化合物(b)の重量の5〜200倍であり、前記反応における反応温度は0〜50℃であり、20〜40℃であることが好ましく、前記反応における反応時間は2〜30時間であり、4〜8時間であることが好ましい。
【0056】
本発明のある技術方案において、化合物(e)とアミノ基保護試薬を反応させて化合物(IV)を製造する方法は、化合物(d)から化合物(IV)を製造する方法を参照すればよい。
【0057】
本発明は、化合物1における安定的で優秀な薬用見通しを持つ結晶形である二つのA型結晶とB型結晶とをさらに提供しており、その構造は、
図1及び
図2に示したようである。
【0058】
本発明は、化合物1におけるA型結晶とB型結晶の製造方法をさらに提供しており、いずれか一つの形態の化合物1を溶媒に入れて結晶を行い、不同形態の結晶形を製造する段階を含み、ここで、前記溶媒は、有機溶媒またはアルコール系溶媒または水を含む混合溶媒であることが好ましく、前記有機溶媒は、アルコール系またはケトン系であることが好ましく、前記アルコール系は、メタノール、エタノール、イソプロパノール及び/またはブタノールであることが好ましく、前記ケトン系は、アセトン及び/またはメチルエチルケトンであることが好ましく、前記混合溶媒は、DMSOとエタノールまたはDMSOと水の混合溶媒であることが好ましく、前記DMSOとエタノールまたは水との体積比は1:0.5〜5であり、前記溶媒使用量は、化合物1の重量の3〜50倍である。
【0059】
定義及び説明
特に断りのない限り、本文中で使われている以下のような用語と語句は、以下のような意味を含むことである。ある特定されている語句または用語は、特別に定義されていない限り、不確実または不明であると認められることではなく、通常の定義として理解するべきである。本文中で商品名が出現した場合、それに対応される商品またはその活性成分を指すことに目的がある。
【0060】
本発明の中間体化合物は、本発明の当業者によく知られている多様な合成方法によって製造されることができ、以下で例を挙げている具体的な実施形態と、これと他の化学合成方法により形成された実施形態と、本発明の当業者によく知られている等価交換方式とを含んでおり、好ましい実施形態は本発明の実施例を含むがそれに限定されてはない。
【0061】
本発明の具体的な実施形態の化学反応は、適当な溶媒中で行われており、前記溶媒は、本発明の化学的変化及びそのための試薬及び材料に適しなければならない。本発明の化合物を得るために、本発明の当業者は、既存の実施形態の下で、合成段階または反応経路に対して補正または選択をしなければならない場合がある。
【0062】
本技術分野において、いずれかの合成経路計画中で一つの重要な考慮事項は、反応性官能基(例えば、本発明中のアミノ基)のために適切な保護基を選択することである。訓練を受けた当業者において、Greene and Wutsの(Protective Groups In Organic Synthesis,Wiley and sons,1991)は、この分野での権威者である。本発明に引用されているすべての参考文献は、全体的に本明細書に組み込まれている。
【0063】
以下、実施例を参照しながら、具体的に本発明について説明を行うが、これらの実施例は本発明を何ら限定するものではない。
【0064】
本発明で使われているすべての溶媒は、市販されているもので、さらに精製せずに使用可能である。反応は、通常に不活性な窒素下で、無水溶媒の中で行われる。プロトン核磁気共鳴のデータは、Bruker Avance III 400(400MHz)分光器に記録されており、化学シフトは、テトラメチルシランの低磁場の(ppm)で表示する。質量スペクトルは、Agilent 1200シリーズと6110(&1956A)から測定される。LC/MSまたはShimadzu MSは、一つのDAD:SPD−M20A(LC)及びShimadzu Micromass 2020検出器を含む。質量分析計には、一つの正モードまたは負モード下で操作を行うエレクトロスプレーイオン化(ESI)が配置されている。
【0065】
本発明は、以下のような略語を使っており、具体的には、DCMはジクロロメタンを代表し、PEは石油エーテルを代表し、EAは酢酸エチルを代表し、Pd/Cはパラジウム炭素を代表し、DMFはN,N−ジメチルホルムアミドを代表し、DMACはN,N−ジメチルアセトアミドを代表し、DMSOはジメチルスルホキシドを代表し、EtOAcは酢酸エチルを代表し、EtOHはエタノールを代表し、MeOHはメタノールを代表し、Cbzはアミン保護基のベンジルオックシカルボニルギを代表し、Bocはアミン保護基のtert−ブティルカルボニルギを代表し、Fmocはアミン保護基のクロロぎ酸9−フルオレニルメチルを代表し、Allocはアミン保護基のアリルオキシカルボニル基を代表し、Teocはアミン保護基のトリメチルシリルエトキシカルボニル基を代表し、HOAcは酢酸を代表し、r.t.は室温を代表し、O/Nは一晩放置を代表し、THFはテトラヒドロプランを代表し、Boc
2Oは二炭酸ジ−tert−ブチルを代表し、TFAはトリフルオロ酢酸を代表し、DIPEAはジイソプロピルエチルアミンを代表し、DIEAはジイソプロピルエチルアミンを代表し、DMAPは4−ジメチルアミノピリジンを代表し、DBUは1,8−ジアザビシクロウンデカ−7−エンを代表し、tolはトルエンを代表し、NH
4Clは塩化アンモニウムを代表し、THFはテトラヒドロプランを代表し、i−PrOHは2−プロパノールを代表し、mpは融点を代表し、NMPはN−メチルピロリドンを代表し、t−BuOKはカリウムtert−ブトキシドを代表し、AcOHは氷酢酸を代表し、rfは逆流を代表し、MeNH
2はメチルアミンを代表し、Et
3Nはトリエチルアミンを代表し、H
2O
2は過酸化水素を代表し、Con.HCl(aq)は濃塩酸水溶液を代表する。
【0066】
化合物は、人工的またはChemDraw(登録商標)ソフトウェアで名付けており、市販されている化合物は、サプライヤーのディレクトリ名を使うことである。
【0067】
本発明に係る式(I)に示される化合物及びその中間体を合成する工程において、先行技術においての出発原料の価格の高さ、使用される試薬の毒性の大きさ、厳しい反応条件、分離及び精製における難しくさ、工業化への難しさなどの欠点を乗り越えたという有利な効果がある。
【0068】
具体的には、1)本発明において、式(I)に示される化合物を製造する方法の原料は、従来法または一般的な試薬であり、市場で易しく獲得することができるうえに価格が安く、2)中間体化合物(II)は、新しい中間体化合物(IV)と既知の中間体化合物(III)が一段階反応を経ることにより得ることができ、効果的に反応収率を向上させ、3)キラル天然生成物を原料として利用しキラル中心に引入させ、得られた式(I)に示される化合物は、高い光学純度を有し、4)各段階における反応で使われている試薬は皆小分子であり、精製が易しいことである。
【0069】
したがって、本発明は、式(I)に示される化合物及びその中間体の製造において、高い産業応用価値及び経済価値を有することである。
【発明を実施するための形態】
【0071】
本発明の内容をより易しく理解するために、以下、具体的な実施例を組み合わせながら、さらに説明を行うが、具体的な実施形態は本発明の内容を限定するものではない。
【0074】
段階1:2−(tert−ブトキシド)−4−フルオロ−1−ニトロベンゼンの合成
氷水浴下で、カリウムtert−ブトキシド(387g、3.46mol)を分けてゆっくり2,4−ジフルオロニトロベンゼン(500g、3.14mol)のトルエン(2L)溶液に入れ、温度は20℃を超えないように維持する。入れ終わった後、反応液を0℃に冷やし温度を維持しながら2時間撹拌する。TLC(石油エーテル)プレートで反応の完了を検出してから、反応液を冷却した飽和塩化アンモニウム溶液(3L)に入れて酢酸エチルで抽出する(1L×3)。有機相スピンドライヤーを合併してスピンドライして2−(tert−ブトキシド)−4−フルオロ−1−ニトロベンゼン(670g、粗品、暗赤色油状物、HPLC純度は90%)を得て、さらに精製しないまま、直接次の段階反応に用いる。
1HNMR(CDCl
3,400MHz)δ 7.82(dd,J=9.2,6.0Hz,1H)、6.93(dd,J=10.4,2.8Hz,1H)、6.84(m,1H)、1.48(s,9H)。
【0075】
段階2:4−(3−(tert−ブトキシド)−4−ニトロフェニル)モルヒネ−3−オンの合成
氷水浴下で、カリウムtert−ブトキシド(315g、2.81mol)を分けてゆっくり2−(tert−ブトキシド)−4−フルオロ−1−ニトロベンゼン(600g、2.81mol)及びモルヒネ−3−オン(284g、2.81mol)のトルエンとジメチルスルホキシド(1:1、1L)との混合溶媒に入れると同時に、温度は20℃を超えないように維持する。入れ終わった後、反応液を90℃まで加熱し、この温度で2時間撹拌する。TLC(PE)プレートで反応の完了を検出してから、反応液を冷却した飽和塩化アンモニウム溶液(4L)に入れて、酢酸エチルで抽出する(1L×2)。合併した有機相を水(2L)で洗浄して、有機相をスピンドライして4−(3−(tert−ブトキシド)−4−ニトロフェニル)モルヒネ−3−オン(828g、粗品、暗赤色油状物、HPLC純度は80%)を得て、さらに精製しないまま、直接次の段階反応に用いる。
1HNMR(CDCl
3,400MHz)δ 7.79(d,J=9.2Hz,1H)、7.42(d,J=2.0Hz,1H)、7.10(dd,J=8.8,2.4Hz,1H)、4.36(s,2H)、4.06(t,J=2.0Hz,2H)、3.82(t,J=2.0Hz,2H)、1.45(s,9H)。
【0076】
段階3:4−(4−アミノ−3−(tert−ブトキシド)フェニル)モルヒネ−3−オンの合成
鉄粉(106g、1.90mol)を激しく撹拌した4−(3−(tert−ブトキシド)−4−ニトロフェニル)モルヒネ−3−オン(140g、0.475mol)及び塩化アンモニウム(101g、1.90mol)のエタノールと水(3:1、1.2L)との混合溶液に入れる。入れ終わった後、反応は約30分撹拌した後、激しく発熱し始め、氷水で激しく発熱しないまで冷却し、室温になってから一晩放置し、TLC(PE:EA=1:1)プレートで反応の完了を検出してから濾過し、メタノールで残留物を洗浄し、TLC(PE:EA=1:1)プレートで洗浄の完了を検出してから、ろ液を合併してスピンドライし、水(500mL)で洗浄し、ジクロロメタン(300mL×3)で抽出する。有機相を合併しスピンドライして、4−(4−アミノ−3−(tert−ブトキシド)フェニル)モルヒネ−3−オン(125g、粗品、黒色油状物、HPLC純度は70%)を得て、さらに精製しないまま、直接次の段階反応に用いる。
1HNMR(CDCl
3,400MHz)δ 6.84(d,J=2.0Hz,1H)、6.75(m,1H)、6.65(m,1H)、4.76(brs,2H)、4.14(s,2H)、3.91(t,J=2.0Hz,2H)、3.62(t,J=2.0Hz,2H)、1.33(s,9H)。
【0077】
段階4:(2−ヒドロキシ−4−(3−モルホリノケトン)フェニル)カルバミン酸ベンジルの合成
4−(4−アミノ−3−(tert−ブトキシド)フェニル)モルヒネ−3−オン(400g、1.51mol)を4N塩酸溶液(1L)で溶解して撹拌し一晩反応させる。反応液を氷水で冷却し、12Nの水酸化ナトリウム溶液で、反応液のPHを7まで調節した後、炭酸水素ナトリウム固体(190g、2.23mol)とテトラヒドロフラン(600mL)とを入れる。0℃まで冷却させ、クロロぎ酸ベンジル(258g,1.51mol)のテトラヒドロフラン(500mL)溶液をゆっくり滴下し、10℃より低い温度を維持する。入れ終わった後、TLC(PE:EA 1:3)プレートで反応の完了を検出する。ジクロロメタン(2L)と水(1L)とを反応液に入れて、スタンディング状態で液体分離を行い、水相はジクロロメタン(1L×2)で抽出する。有機相を合併してスピンドライ後、エタノール(1L)を入れて撹拌し練って濾過し、フィルターケーキはエタノール(200mL)で二回洗浄してから、フィルターケーキを取り出して乾燥し2−ヒドロキシ−4−(3−モルホリノケトン)フェニル)カルバミン酸ベンジル(225g、HPLC純度は98%、)を得られたものは褐色固体である。
1HNMR(DMSO−d
6,400MHz)δ 9.95(brs,1H)、8.52(s,1H)、7.56(d,J=9.2Hz,1H)、7.45〜7.33(m,5H)、6.91(d,J=2.4Hz,1H)、6.79(dd,J=8.4,2.0Hz,1H)、5.15(s,2H)、4.18(s,2H)、3.95(t,J=4.8Hz,2H)、3.66(t,J=4.8Hz,2H)、1.33(s,9H)。
【0079】
段階5:4−(3−(ヒドロキシ)−4−ニトロフェニル)モルヒネ−3−オンの合成
10mLのCon.HCl(aq)を、4−(3−(tert−ブトキシド)−4−ニトロフェニル)モルヒネ−3−オン(10.0g、34.0mmol)の酢酸エチル(30mL)溶液にゆっくり入れる。室温で一晩撹拌し、水(50mL)を入れ、酢酸エチル(30mL×2)で抽出する。有機相を合併してスピンドライして粗品を得て、エタノール(100mL)を練って濾過してスピンドライすれば、4−(3−(ヒドロキシ)−4−ニトロフェニル)モルヒネ−3−オン(4.12g、HPLC純度は98%、収率は51%)を得る。
1HNMR(DMSO−d
6,400MHz)δ 11.1(brs,1H)、7.96(d,J=8.0Hz,1H)、7.31(d,J=2.4Hz,1H)、7.11(dd,J=8.8,2.4Hz,1H)、4.25(s,2H)、3.98(t,J=4.8Hz,2H)、3.79(t,J=4.8Hz,2H)、1.33(s,9H)。
【0080】
段階6:4−(4−アミノ−3−(ヒドロキシ)フェニル)モルヒネ−3−オンの合成
250mLの水素ボトルに、窒素保護の下でドライパラジウム炭素(200mg)を、4−(3−(ヒドロキシ)−4−ニトロフェニル)モルヒネ−3−オン(3.5g、14.7mmol)のメタノール(100mL)溶液に入れる。反応液は、30psiの水素圧力の下で、30℃で撹拌しながら16時間反応させる。TLC(PE:EA=1:1)プレートで反応の完了を検出してから濾過し、熱いメタノール(200mL)でフィルターケーキを洗浄する。有機相を合併してスピンドライして、4−(4−アミノ−3−(ヒドロキシ)フェニル)モルヒネ−3−オン(2.7g、HPLC純度は91%、収率は88%)を得る。
1HNMR(DMSO−d
6,400MHz)δ 9.22(brs,1H)、6.63(s,1H)、6.57(d,J=8.4Hz,1H)、6.51(d,J=8.4Hz,1H)、4.59(brs,2H)、4.13(s,2H)、3.91(t,J=4.4Hz,2H)、3.57(t,J=4.4Hz,2H)。
【0081】
段階7:(2−ヒドロキシ−4−(3−モルホリノケトン)フェニル)カルバミン酸ベンジルの合成
氷水浴下で、炭酸水素ナトリウム固体(1.63g,19.4mml)を、4−(4−アミノ−3−(ヒドロキシ)フェニル)モルヒネ−3−オン(2.7g、12.9mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)と水(15mL)との混合溶液に入れる。0℃まで冷却し、クロロぎ酸ベンジル(1.63g、19.4mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液をゆっくり滴下し、温度が5℃を超えないように維持する。入れ終わった後、TLC(PE:EA=1:3)プレートで反応の完了を検出する。水(30mL)を反応液に添加し、5分撹拌してから濾過し、フィルターケーキを水(10mL)で洗浄し、フィルターケーキを収集してスピンドライし、エタノールで練って(2−ヒドロキシ−4−(3−モルホリノケトン)フェニル)カルバミン酸ベンジル(3.66g、白色固体、HPLC純度は96%、収率は82%)を得る。
1HNMR(DMSO−d
6,400MHz)δ 9.95(brs,1H)、8.52(s,1H)、7.56(d,J=9.2Hz,1H)、7.45〜7.33(m,5H)、6.91(d,J=2.4Hz,1H)、6.79(dd,J=8.4,2.0Hz,1H)、5.15(s,2H)、4.18(s,2H)、3.95(t,J=4.8Hz,2H)、3.66(t,J=4.8Hz,2H)、1.33(s,9H)。
【0083】
段階8:(2R,3R)−2,3,4−トリヒドロキシブタノエートの合成
氷水浴下で、水酸化カリウム(1.12kg、19.98mol)を、メタノール(10L)と水(2.4L)の混合溶媒にゆっくり入れてから、温度が45℃を超えないように制御し、入れ終わった後、酸素を反応液に通過させ、反応液が35℃まで冷却するように待ち、D−(−)−アラビノース(1kg、6.66mol、2.4Lの水に溶解)の水溶液を滴下し、6時間以上滴下して(全体過程中酸素通過を維持)反応温度は35℃を維持する。滴下完了後、続いて酸素を2時間通過させ、また60時間空気を通過させる。反応液を2.4L油状物になるまで減圧濃縮させ、また油状物を、速かに撹拌したメタノール(10L)にゆっくり滴下すれば、大量の白色固体が析出される。滴下完了後、濾過し、また真空乾燥後白色固体(560g、収率は48%)を得る。
1HNMR(D
2O,400MHz)δ 4.09(d,J=4.0Hz,1H)、3.97〜3.92(m,1H)、3.65(d,J=5.6Hz,1H)。
【0084】
段階9:(2S,3R)−2,4−ジブロモ−3−ヒドロキシ酪酸メチルエステルの合成
臭化水素/酢酸溶液(33%、2L)を、(2R,3R)−2,3,4−トリヒドロキシブタノエート(560g、3.21mol)が盛られている反応器に入れる。室温で24時間撹拌し、反応液を無水メタノール(14L)に入れ、また室温で18時間撹拌してから、反応液を65℃まで加熱し4時間逆流する。反応液を減圧し濃縮させ、水(1L)と酢酸エチル(1.5L)とを入れて抽出し、有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥して、濃縮し、(2S,3R)−2,4−ジブロモ−3−ヒドロキシ酪酸塩と(2S,3R)−2,4−ジブロモ−3−ヒドロキシ酪酸メチルエステルとの油状混合物706gを得る。硫酸(60mL)を前記混合物(680g)のメタノール(3.5L)溶液にゆっくり入れ、6時間加熱して逆流し、TLC(PE:EA=10:1)プレートで反応の完了を検出した後、反応液を濃縮し、残留物を酢酸エチル(800mL)に溶解させ、水(500mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで有機相を乾燥し、濾過した後濃縮を経て、オフホワイト色固体(650g、収率は74%)を得る。
1HNMR(CDCl
3,400MHz)δ 4.71(d,J=3.6Hz,1H)、4.20〜4.15(m,1H)、3.83(s,3H)、3.55〜3.48(m,2H)。
【0085】
段階10:(2R,3S)−3−ブロモメチルオキシラン−2−カルボン酸塩の合成
炭酸カリウム(503g、3.65mol)を、(2S,3R)−2,4−ジブロモ−3−ヒドロキシ酪酸メチルエステル(200g、0.729mol)のアセトン(2.5L)溶液に入れて、室温で4時間反応させ、TLC(PE:EA=10:1)プレートで原料消失を検出し、反応液を濾過し、減圧濃縮して得れた生成物は淡黄色油状物であり、また減圧蒸溜装置で生成物を無色の透明液体になるように蒸溜を行う(126g、90%)。
1HNMR(CDCl
3,400MHz)δ3.83(s,3H)、3.67〜3.62(m,2H)、3.57〜3.52(m,1H)、3.46〜3.43(m,1H)。
【0087】
段階11:(3R,4R)−3,4−ジヒドロキシジヒドロフラン−2(3H)−オンの合成
イソアスコルビン(17.6g,0.1mol)を、250ml水に溶解し、0〜6℃まで温度を冷却する。無水炭酸ナトリウム粉末(21.2g,0.2mol)を、分けて反応フラスコに入れる。入れ完了後、続いて撹拌すると同時に30%過酸化水素(22mL)を入れ、内部温度は6℃から19℃まで上がって、続いて氷水浴で5分間撹拌し、内部温度は27℃まで上がる。反応液を42℃まで加熱して30分撹拌する。亜鉛粉末(1.0g,0.015mol)を、反応液に入れ過量の過酸化水素を急冷し、ヨウ化カリウムデンプン紙の検出によると陰性を現す。反応液を6Nの塩酸でpHを1.0まで調節する。50℃下で、少量の白色固体が析出するまで減圧濃縮する。酢酸エチル(150ml×3)で抽出する。有機相を200ml(10〜15vol)まで濃縮し、15〜25℃まで冷却させ、5〜8時間撹拌し、(大量の白色固体が析出される)濾過して、乾燥し、8.26gの(3R,4R)−3,4−ジヒドロキシジヒドロフラン−2(3H)−オンを得て、収率は70%である。
1HNMR(DMSO−d
6,400MHz)δ 5.78(brs,1H)、5.37(brs,1H)、4.39(d,J=4.4Hz,1H)、4.30〜4.22(m,2H)、4.05(d,J=10.0Hz,1H)。
【0088】
段階12:(2S,3R)−2,4−ジブロモ−3−ヒドロキシ酪酸メチルエステルの合成
1Lのフラスコに、(3R,4R)−3,4−ジヒドロキシジヒドロフラン−2(3H)−オン(26.0g、221mmol)と182.0mLで33%の臭化水素酸溶液を入れる。混合物を室温で24時間撹拌した後、959.0mLのメタノールを入れ、続いて36時間撹拌する。得られた反応液を、65〜75℃まで加熱しながら4時間逆流する。反応液を減圧濃縮した後、水(70.0mL)と酢酸エチル(105.0mL)とを入れて抽出し、有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、濃縮し、得られた粗品は油状混合物51gである。硫酸(4.1mL)を、前記混合物(51.0g)のメタノール(239.0mL)溶液にゆっくり入れ、6時間(60〜70℃)加熱して逆流する。反応液を濃縮し、残留物を酢酸エチル(60.0mL)に溶解させ、水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで有機相を乾燥し、濾過してから濃縮して得られた生成物は、オフホワイト色固体(51g、収率は83%)である。
1HNMR(D
2O,400MHz)δ 3.98(d,J=4.0Hz,1H)、3.86〜3.81(m,2H)、3.54〜3.51(m,2H)。
【0090】
段階13:(3R,3aS)−メチル−1−オン−7−(3−ケトンモルホリノ)−1,3,3a,4−テトラヒドロベンゾ[b]オキサゾール[3,4−d][1,4]オキサジン−3−カルボン酸の合成
0℃下で撹拌し、(2−ヒドロキシ−4−(3−モルホリノケトン)ペニーを)カルバミン酸ベンジル(68.5g,0.20mol)のDMF(700mL)溶液に、順序で一度に(2S,3R)−2,4−ジブロモ−3−ヒドロキシ酪酸メチルエステル(46.8g、0.24mol)、炭酸セシウム(130.3g、0.40mol)を入れる。前記反応液を0℃下で、10時間撹拌して反応させる。(2−ヒドロキシ−4−(3−モルヒネケトン)フェニル)カルバミン酸ベンジルが完全に消失したことを検出した後、0℃下で、続いて炭酸セシウム(65.2g、0.20mol)を入れる。反応液を徐々に室温まで上がり、12時間撹拌して反応させる。反応混合液温度を0℃まで冷却させ、メタノール(700mL)を入れ、4N HCl/メタノール溶液でpH=1になるように調節する。0℃下で、塩化チオニル(58mL、0.80mol)をゆっくり滴下し、約1時間内に滴下し終わる。0℃下で、続いて1時間撹拌して反応させた後、また室温まで漸次上昇させた後16時間反応させる。反応の完了を検出した後、反応液を40℃下で、減圧濃縮してメタノールを取り除く。残った反応混合物は温度が冷却してから、pHが2である冷却した塩酸水溶液に入れる。濾過して、固体を収集して粗品を得て、粗品は冷却した塩酸水溶液(40mL、pH=2)で二回洗浄し、メタノール(40mL)で二回洗浄し、真空乾燥して白色固体(38g、収率は54%)の目標生成物を得る。
1HNMR(DMSO−d
6,400MHz)δ7.81(d,J=8.4Hz,1H)、7.08〜7.02(m,2H)、5.15(d,J=6.8Hz,1H)、4.58(d,J=9.2,3.2Hz,1H)、4.40(m,1H)、4.18(s,2H)、4.15(m,1H)、3.95(t,J=4.4Hz,1H)、3.80(s,2H)、3.69(t,J=4.4Hz,1H)。
【0091】
段階14:(3R,3aS)−3−(ハイドロックシメティル)−7−(3−ケトンモルホリノ)−3a,4−ジヒドロベンゾ[b]オキサゾール[3,4−d][1,4]オキサジン−1(3H)−オンの合成
0℃下の撹拌で、(3R,3aS)−メチル−1−オン−7−(3−ケトンモルホリノ)−1,3,3a,4−テトラヒドロベンゾ[b]オキサゾール[3,4−d][1,4]オキサジン−3−カルボン酸(38.3g,0.11mol)にメタノール/ジクロロメタン(660mL、2:1)を混合した懸濁液に、水素化ホウ素ナトリウム(5.0g、0.13mol)を分けて入れて、約40分間に入れ終わる。0℃下で、20分間撹拌して反応させる。反応液を室温まで上昇させ、40℃下で、減圧濃縮して溶媒を取り除いて、粗品を得る。前記粗品を水(40mL)に10分間練って、濾過し、水(20mL)で一回洗浄し、真空乾燥して目標生成物28gを得る。水相はメタノール/ジクロロメタン(1:10)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して目標生成物5gを得て、総収率は90%である。
1HNMR(DMSO−d
6,400MHz)δ7.84(d,J=8.8Hz,1H)、7.05〜6.99(m,2H)、5.34(brs,1H)、4.54(d,J=7.2Hz,1H)、4.45(m,1H)、4.18(s,2H)、4.02(t,J=4.4Hz,1H)、3.95(s,2H)、3.77〜3.68(m,4H)。
【0092】
段階15:((3R,3aS)−1−オン−7−(3−ケトンモルホリノ)−1,3,3a,4−テトラヒドロベンゾ[b]オキサゾール[3,4−d][1,4]オキサジン−3−オン)メタンスルホン酸メチルの合成
0℃下で撹拌し、(3R,3aS)−3−(ハイドロックシメティル)−7−(3−ケトンモルホリノ)−3a,4−ジヒドロベンゾ[b]オキサゾール[3,4−d][1,4]オキサジン−1(3H)−オン(19.2g、60mmol)のジクロロメタン(600mL)懸濁液に、トリエチルアミン(25mL、180mmol)を一度に入れて、メタンスルホニルクロリド(9mL、120mmol)を滴下し、約20分間滴下する。0℃下で、1時間撹拌して反応させ、室温まで漸次上昇してから16時間反応させる。反応が基本的に完全であることを検出した後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(200mL)を入れる。混合液を濾過して、ろ液を液体分離し、水相はジクロロメタン(100mL×2)で抽出する。有機相を合併して、飽和食塩水(200mL)で二回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮後固体と合併すれば目標生成物(21g、収率は87%)を得る。
1HNMR(DMSO−d
6,400MHz)δ7.84(d,J=8.4Hz,1H)、7.07〜7.01(m,2H)、4.79(m,1H)、4.64〜4.58(m,3H)、4.18(s,2H)、4.07(d,J=5.6Hz,2H)、3.95(t,J=4.8Hz,1H)、3.69(t,J=4.8Hz,1H)、3.28(s,2H)。
【0093】
段階16:2−(((3S,3aS)−1−オン−7−(3−ケトンモルホリノ)−1,3,3a,4−テトラヒドロベンゾ[b]オキサゾール[3,4−d][1,4]オキサジン−3−イル)メチル)イソインドール−1,3−ディオネの合成
((3R,3aS)−1−オン−7−(3−ケトンモルホリノ)−1,3,3a,4−テトラヒドロベンゾ[b]オキサゾール[3,4−d][1,4]オキサジン−3−イル)メタンスルホン酸メチル(5.4g、13.5mmol)をDMF(55mL)に溶解させる。25℃下で撹拌し、フタルイミドカリウム塩(3.75g、20.3mmol)を一度に入れて、10分間撹拌してから、70℃まで上昇させ、16時間反応させる。反応が略完全になることを検出した後、室温まで冷却させ、氷水(180mL)に入れる。濾過し、固体を収集して、粗品を得て、粗品は氷水(20mL)で二回洗浄して、乾燥して白色固体(5.4g、収率は90%)の目標生成物を得る。
1HNMR(DMSO−d
6,400MHz)δ7.95〜7.85(m,4H)、7.80(d,J=8.8Hz,1H)、7.04(d,J=2.4Hz,1H)、7.00(dd,J=8.8,2.4Hz,1H)、4.73(m,1H)、4.72(m,1H)、4.18〜4.03(m,6H)、3.94(t,J=4.8Hz,1H)、3.68(t,J=4.8Hz,1H).
【0094】
段階17:(3S,3aS)−3−(アミノメチル)−7−(3−ケトンモルホリノ))−3a,4−ジヒドロベンゾ[b]オキサゾール[3,4−d][1,4]オキサジン−1(3H)−オンの合成
250mLの反応フラスコに、MeOH(100mL)を入れ、続いて化合物2−(((3S,3aS)−1−オン−7−(3−ケトンモルホリノ)−1,3,3a,4−テトラヒドロベンゾ[b]オキサゾール[3,4−d][1,4]オキサジン−3−イル)メチル)イソインドール−1,3−ディオネ(10.11g,22.5mmol)を入れて、均一に撹拌後、40%メチルアミン水溶液(10.5mL、135mmol)を一度に入れ、10分間撹拌した後、65℃まで上昇させ、4時間撹拌し続け、原料が完全に反応されたことを検出する。次の反応液を室温まで冷却させ、HCl−MeOH溶液(12mL,12M)で反応液をpH=1まで調節し、1時間撹拌し、十分に塩基になるようにする。40℃下で、反応液を濃縮して部分メタノール(約50mL)を取り除いてねり型液体を得る。続いてメタノール/ジクロロメタン(60mL、1:5)を入れて、6時間練って、濾過し、フィルターケーキはMeOH(10mL)で二回洗浄し、乾燥して目標生成物である塩酸塩(白色固体、7.0g、収率は87%、純度は98%)を得る。
1HNMR(DMSO−d
6,400MHz)δ7.85(d,J=8.4Hz,1H)、6.98〜6.95(m,2H)、4.82(m,1H)、4.59(d,J=10.4Hz,1H)、4.29(s,2H)、4.12〜4.01(m,4H)、3.71(t,J=5.6Hz,1H)、3.52〜3.47(m,2H)、3.28(s,1H)。
【0095】
段階18:5−クロロ−N−(((3S,3aS)−1−オン−7−(3−ケトンモルホリノ)−1,3,3a,4−テトラヒドロベンゾ[b]オキサゾール[3,4−d][1,4]オキサジン−3−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミドの合成
250mLの反応フラスコに、水(30mL)とアセトン(54mL)とを入れ、続いて炭酸ナトリウム(2.48g、23.4mmol)を入れ、充分に撹拌して完全に溶解させた後、0−5℃まで温度を冷却させ、(3S,3aS)−3−(アミノメチル)−7−(3−ケトンモルホリノ))−3a,4−ジヒドロベンゾ[b]オキサゾール[3,4−d][1,4]オキサジン−1(3H)−オン塩酸塩(6.40g、18.0mmol)を入れ、約10分間で終わらせる。0−5℃下で、完全に溶解されるまで撹拌する(約30分)。次に、0−5℃下で、5−クロロチオフェン−2−カルボニルクロリド(3.90g、21.6mmol)のトルエン(11mL)溶液を滴下し、約20分間で終わらせる。滴下完了後、0−5℃下で、続いて撹拌しながら0.5時間反応させ、20℃まで漸次的に上昇させ1時間反応させる。反応過程で漸次的に固体が析出される。TLC(DCM:MeOH=20:1)プレートで反応が完全であることを検出してから、反応液に水(100mL)を入れ、20分間撹拌する。続いて45℃下で濃縮し、有機溶媒を取り除き、濾過して、固体を収集し、固体は水(50ml)で洗浄し、乾燥させ目標生成物(白色固体、8.40g、収率は99%、HPLC純度は94%、キラル純度は99%)を得る。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ 9.00(t,J=5.6Hz,1H)、7.85(d,J=8.8Hz,1H)、7.71(d,J=4.0Hz,1H)、7.21(d,J=4.0Hz,1H)、7.05(d,J=2.0Hz,1H)、7.05(dd,J=8.8,2.0Hz,1H)、4.62−4.51(m,2H)、4.18(s,2H)、4.11−4.01(m,2H)、3.95(t,J=5.2Hz,2H)、3.73(t,J=5.2Hz,2H)、3.68(t,J=5.2Hz,2H)。
【0096】
段階19:5−クロロ−N−(((3S,3aS)−1−オン−7−(3−ケトンモルホリノ)−1,3,3a,4−テトラヒドロベンゾ[b]オキサゾール[3,4−d][1,4]オキサジン−3−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミドの再結晶(A型結晶)
2.8gの段階18中の粗品固体を90mLのエタノールで、70℃まで加熱し、30分間撹拌してから、室温まで温度を冷却させ、16時間撹拌し、濾過して収集した固体は2.4gであり、HPLC純度は98.3%、収率は86%である。
【0097】
段階20:5−クロロ−N−(((3S,3aS)−1−オン−7−(3−ケトンモルホリノ)−1,3,3a,4−テトラヒドロベンゾ[b]オキサゾール[3,4−d][1,4]オキサジン−3−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミドの再結晶(B型結晶)
段階18中の粗品固体で500mgを取り、0.65mLのDMSOを入れて撹拌しながら溶解させてから、1.3mLのEtOHを80℃まで加熱して全部溶解させてから、自然に0−10℃まで冷却させ、大量の固体が析出され、濾過して収集し、400mgの固体を得て、HPLC純度は99.3%、収率は80%である。
【0098】
【化28】
化合物2の製造方法は、実施例1を参照すればよく、ここで段階2においてのモルヒネ−3−オンは、ピペリジン−2−オンに置換される。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ 9.01(t,J=5.6Hz,1H)、7.83(d,J=8.8Hz,1H)、7.72(d,J=4.0Hz,1H)、7.22(d,J=4.0Hz,1H)、6.87−6.93(m,2H)、4.50−4.64(m,2H)、3.99−4.13(m,2H)、3.73(t,J=5.6Hz,2H)、3.52−3.60(m,2H)、2.37(t,J=6.0Hz,2H)、1.77−1.90(m,4H);LCMS(ESI)m/z:462.1(M+1)。
【0099】
【化29】
化合物7の製造方法は実施例1を参照すればよく、ここで段階2のモルヒネ−3−オンは、テトラヒドロピリミジン−2(1H)−オンに置換される。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ 9.00(t,J=6.0Hz,1H)、7.69−7.75(m,2H)、7.20(d,J=4.0Hz,1H)、6.85−6.95(m,2H)、6.55(s,1H)、4.47−4.62(m,2H)、3.94−4.10(m,2H)、3.71(t,J=5.6Hz,2H)、3.56(t,J=5.6Hz,2H)、3.20(td,J=5.2,2.0Hz,2H)、1.91(t,J=6.0Hz,2H);LCMS(ESI)m/z:463.0(M+1)。
【0100】
【化30】
化合物8の製造方法は実施例1を参照すればよく、ここで段階2のモルヒネ−3−オンはピリジン−2(1H)−オンに置換される。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ 9.01(t,J=5.6Hz,1H)、7.95(d,J=8.8Hz,1H)、7.72(d,J=4.0Hz,1H)、7.59(dd,J=6.8,1.6Hz,1H)、7.49(ddd,J=9.2,6.8,2.0Hz,1H)、7.21(d,J=4.0Hz,1H)、7.06(d,J=2.4Hz,1H)、7.01(dd,J=8.8,2.4Hz,1H)、6.45(d,J=9.2Hz,1H)、6.29(td,J=6.8,1.2Hz,1H)、4.56−4.69(m,2H)、4.03−4.16(m,2H)、3.75(t,J=5.6Hz,2H);LCMS(ESI)m/z:458.1(M+1)。
【0101】
【化31】
化合物30の製造方法は実施例1を参照すればよくして、ここで、段階2のモルヒネ−3−オンは(R)−2−(メトックシメティル)ピロ−ルリディンに置換される。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ 9.00(t,J=5.4Hz,1H)、7.71(d,J=4.0Hz,1H)、7.57(d,J=9.2Hz,1H)、7.21(d,J=4.0Hz,1H)、6.27(dd,J=9.2,2.8Hz,1H)、6.16(d,J=2.8Hz,1H)、4.53−4.46(m,2H)、3.97−3.95(m,2H)、3.78−3.73(m,1H)、3.70(t,J=5.6Hz,2H)、3.33−3.31(m,2H)、3.27(s,3H)、3.21−3.17(m,1H)、3.01−2.95(m,1H)、1.99−1.87(m,4H);LCMS(ESI)m/z:478.1(M+1)。
【0102】
【化32】
化合物34の製造方法は実施例1を参照すればよく、ここで、段階2のモルヒネ−3−オンは、1H−1,2,4−チアゾールに置換される。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ 9.27(s,1H)、9.05(t,J=5.6Hz,1H)、8.22(s,1H)、8.02(d,J=8.4Hz,1H)、7.75(d,J=4.0Hz,3H)、7.52(m,2H)、7.22(d,J=4.0Hz,1H)、4.64(m,2H)、4.14(m,2H)、3.75(t,J=5.6Hz,2H);LCMS(ESI)m/z:432(M+1)。
【0103】
体外活性評価
IC
50値の測定を通じて、試験化合物が、人またはラットのXa因子またはその他酵素例えばトロンビンまたはトリプシンの抑制能力を評価し、ここでIC
50値と抑制定数K
iとは互いに関連がある。発色測定において、精製した酵素を用いる。FlexStatin III(米国モレキュラーデバイス会社)で、37℃の時間経過中、線形部分(通常的には基質2〜10分後)の405nmでの吸光度の変化により、発色基質の水分解においての初期速度を測定する。加水分解の相対的速度(抑制を受けない対照組と比較)が試験化合物濃度に対する対数曲線を描いた後、線形回帰の計算を通じて、基質の水分解の速度を50%低下させた阻害剤の濃度を測定する。Cheng−Prusoff equation:K
i=IC
50/(1+[S]/K
m)によって、酵素阻害定数(K
i)を計算し、ここで[S]は基質濃度であり、K
mは両逆数プロットによって確定されたミカエリス・メンテン定数である。GraphPad Prismソフトウェアにより試験化合物のIC
50値を得る。「型線量効果(可変傾斜度)」を用いてブフィッティング(curve fitting)を行う。
【0104】
人間/ラットにおける凝血因子Xaにおいての試験
Tris−HCl緩衝液(50mM,pH8.3,150mM NaCl)を利用して、人間またはラットにおける凝血因子Xaの活性抑制作用を測定する。50μLの人間の凝血因子Xa(Enzyme Research Laboratories,Inc;最終濃度は8.36nM)または50μLのラットの凝血因子Xa(Enzyme Research Laboratories,Inc;最終濃度は57.5nM)の緩衝液を、Greiner 384マイクロタイタープレートの適当の孔に滴下する方法によりIC
50を測定する。2μLの2%(V/V)DMSOを含む測定緩衝液(抑制を受けてない対照組)または各種濃度のテスト化合物を、2%(V/V)DMSOを含む測定緩衝液に希釈し、また48μLの基質S−2222(Chromogenix;化学式:Bz−IIe−Glu(γ−OR)−Gly−Arg− pNA・HCl R=H(50%)を入れ、ここでR=CH
3(50%))は、測定緩衝液であり、最終濃度は0.172mMである。前記試験において、試験化合物と酵素とを10分間前培養した後、基質S−2222を入れて最終体積100μLを得て、試験を始める。
【0105】
K
i<10μMの試験化合物は積極的であることと認められ、本発明においてK
i<1μMの化合物であることが好ましく、K
i<0.1μMの化合物であることがさらに好ましく、K
i<0.01μMの化合物であることがさらに好ましく、K
i<0.001μMの化合物であることがさらに好ましい。前記試験方法によって、本発明の一部分の化合物がK
i<0.1μMであることを測定し、したがって本発明の化合物は有効なXa因子阻害剤になることができる。
【0106】
人間のトロンビンにおいての試験
緩衝液(10mMのHEPES緩衝液、pH7.4,2mM CaCl
2)を用いて、人間のトロンビンにおいての活性抑制作用を測定する。Greiner 384マイクロタイタープレートの適当の孔を選択し、IC
50を測定する。50μLの人間のトロンビン(Sigma会社;T8885)を含む緩衝液、最終濃度は0.05NIH単位/mL、2μL2%(V/V)DMSOを含む測定緩衝液(抑制を受けていない対照組)または各種濃度のテスト化合物を、2%(V/V)DMSOを含む測定緩衝液に希釈し、48μLの基質S−2238(Chromogenix;化学式:H−D−Phe−Pip−Arg−pNA・2HCl)を含む緩衝液を入れ、最終濃度は30μMである。前記試験で試験化合物と酵素とを10分間前培養した後、基質を入れて最終体積100μLを得て、試験を始める。
【0107】
人間においてのトリプシン試験
緩衝液(50mM Tris、pH8.2、and 20mM CaCl
2)を用いて、人間のトリプシンにおいての活性抑制作用を測定する。Greiner 384マイクロタイタープレートの適当の孔を選択し、IC
50を測定する。50μLの人間のトリプシン(Sigma会社;T6424)の緩衝液、最終濃度は0.39BAEE単位/mL、2μL2%(V/V)DMSOを含む測定緩衝液(抑制を受けていない対照組)または各種濃度のテスト化合物を2%(V/V)DMSOを含む測定緩衝液に希釈し、基質S−2222(Chromogenix)を含む緩衝液を入れ、最終濃度は30μMである。前記試験において、試験化合物と酵素を10分間前培養した後、基質48μLを入れ、最終体積100μLを得て、試験を始める。
【0108】
プロトロンビン試験
トロンビンの生成によって、試験化合物がプロトロンビン酵素に対する活性を測定する。簡単に言えば、10mM HEPES緩衝液とpH7.4,2mM CaCl
2とに、12.5μLの人間因子Xaを培養し、最終濃度は0.5nMであり、また37℃で、10分間に12.5μLの人間の血小板(1×10
7mL
−1)を入れる。25μLのプロトロンビンは反応し始め、最終濃度は0.5μMであり、2μLの2%(V/V)DMSOを含んだ測定緩衝液(抑制を受けていない対照組)または各種濃度のテスト化合物を、2%の(V/V)DMSOを含む測定緩衝液に希釈する。20分後、48μLの基質S−2238(Chromogenix)を、最終濃度が50μMになるまで入れ、トロンビンの活性を測定する。
【0110】
結論:本発明における化合物は、その特定された抗凝固因子Xaの活性によって、非常に強い抗凝固活性を現わす。